JP2011010606A - 釣糸、釣糸とスピニングリールと釣竿との組立体、釣糸と天上糸とハナカン回り糸と釣竿との組立体、及び釣糸の製造方法 - Google Patents

釣糸、釣糸とスピニングリールと釣竿との組立体、釣糸と天上糸とハナカン回り糸と釣竿との組立体、及び釣糸の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 金属素線にステンレス鋼線を用いた釣糸、及びその製造方法において、強加工伸線を行なった金属素線の温度と引張破断強度特性に着目して、金属素線の引張破断強度特性を向上させる好適条件、並びに釣糸としての結束性向上、耐カール性向上、及び水切れ特性を向上させる釣糸と、その製造方法等を開示するものである。
【解決手段】 金属素線に固溶化処理したオーステナイト系ステンレス鋼線を用いて、総減面率が95%から99.5%の強加工の伸線加工を行い、金属素線の各加工工程毎に好適条件の低温熱処理を累積することにより、そして又、釣糸2の樹脂被膜成形時の熱を利用して、金属素線の機械的強度特性を向上させ、かつ金属素線を撚合構成した釣糸2とすることにより、結束性、耐カール性、水切れ特性等を向上させた釣糸2であることを特徴とする。
【選択図】 図10

Description

この発明は、細径の金属線でありながら一定の機械的加工と低温熱処理を加えることにより引張破断強度を向上させ、そして釣糸と針との結束性向上、魚の歯、鰓等による切断の耐せん断力の向上、及び水切れ特性等向上させる釣糸と、釣糸とスピニングリールと釣竿との組立体、釣糸と天上糸とハナカン回り糸と釣竿との組立体、及び釣糸の製造方法に関する。
川、及び海において釣果向上の為、各種の釣糸の提案がなされている。
特許文献1には、異なる二種類の合成樹脂繊維を交互に配列してクロス状に製紐し、細径化して耐磨耗性向上、及び餌を自然な動きにさせる釣糸の開示がある。しかし、合成樹脂繊維のみの構成である為、鋭利な魚の歯、鰓(エラ)等との擦れにより釣糸が切断され、大物釣りには不適である。
特許文献2には、芯線の外周に右巻きと左巻きのいわゆるクロス状の金属線を巻き付け、水流による抵抗を少なくした釣糸が開示されている。しかし、釣糸が水流方向に対して直交方向のときには水切れ特性向上効果はみられるが、実際の釣り現場では、水流方向に対して常に直交する場合は極めて少なく、かかる場合水切れ特性効果は低減する。
特開平6−46725号公報 特許第3616562号公報
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、一般に市販されているオーステナイト系ステンレス鋼線を用いて強加工した金属素線の熱影響による引張破断強度特性に着目して、金属素線製造における各工程毎の引張破断強度特性と低温熱処理との相関性において、金属素線の引張破断強度特性向上効果を有する工程を累積することにより、高度に引張破断強度を高めた金属素線を用いて成る釣糸、及びその製造方法を提供し、さらに川又は海での水流の流速差に着目して、水切れ特性を向上させた釣果向上を図る、新たな技術思想を提供することにある。
請求項1記載の発明は、素線直径が0.008mmから0.120mmの金属素線から成る釣糸において、前記金属素線は、固溶化処理したオーステナイト系ステンレス鋼線を用いて、伸線と伸線後に400℃から495℃の低温熱処理を設けて、又は前記金属素線がMoを含むオーステナイト系ステンレス鋼線のときには400℃から525℃の低温熱処理を設けて、前記伸線と前記低温熱処理を1セットとして少なくとも1セット以上繰り返した後に最終伸線を設けて、前記最終伸線までの総減面率を95%から99.5%以下とし、前記最終伸線までの前記低温熱処理による引張破断強度の増加率の合計が15%以上とし、引張破断強度が300kgf/mm2 以上とする前記金属素線から成ることを特徴とする。
この構成により、複雑な金属組織をもつ高価な金属材料を用いなくても、一般に市販されているオーステナイト系ステンレス鋼線を用いて、高強度の引張破断強度特性を有する金属素線から成る釣糸を得ることができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の釣糸において、前記金属素線を伸線と低温熱処理を1セットとして少なくとも1セット以上の繰り返しが、一次伸線の減面率を80%から95%とし、その後400℃から495℃の一次低温熱処理を行い、又は前記金属素線がMoを含むオーステナイト系ステンレス鋼線のときには、その後400℃から525℃の一次低温熱処理を行い、前記一次低温熱処理による引張破断強度の増加率を10%以上とし、二次伸線の減面率を40%から79%とし、その後400℃から495℃の二次低温熱処理を行い、又は前記金属素線がMoを含むオーステナイト系ステンレス鋼線のときには、その後400℃から525℃の二次低温熱処理を行い、前記二次低温熱処理による引張破断強度の増加率を5%以上とする前記金属素線から成ることを特徴とし、又請求項3記載の発明は、請求項2記載の釣糸において、一次伸線の減面率を90%から96%とし、又二次伸線の減面率を50%から89%とし、又前記最終伸線までの総減面率を97%から99.5%以下とし、最終伸線までの前記低温熱処理による引張破断強度の増加率の合計が20%以上とし、引張破断強度が340kgf/mm2 以上としたことを特徴とする。
この構成により、金属素線の製造工程における引張破断強度と低温熱処理との相関性を把握して、これを累積することにより一般に市販されているオーステナイト系ステンレス鋼線を用いながら高強度の引張破断強度特性を有する金属素線から成る釣糸を得ることができる。
請求項4記載の発明は、芯材と前記芯材の外側に側材を設け、前記側材の外側に樹脂被膜の外層材から成る釣糸において、前記芯材と前記側材、又は前記側材が請求項1〜3のいずれか一つに記載の金属素線から成り、前記側材が前記芯材の外側に複数本撚合させて撚合方向が長手方向に対して連続して一方向螺旋状に巻回形成する撚合構成としたことを特徴とする。
この構成により、高強度の引張破断強度を有して、かつ、擦れ等による耐摩耗性の優れた釣糸を得ることができる。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の釣糸において、前記芯材は、28dtexから440dtexの繊度の低伸度高強力樹脂繊維から成り、前記側材は、請求項1〜3のいずれか一つに記載の前記金属素線を用いて、前記芯材の外側に複数本撚合構成し、前記撚合構成が、複数の前記金属素線の相互が接触する凸凹部を有する凸凹状隆条部と前記金属素線が欠落した凹条溝部とから成る凸凹条とし、前記撚合構成した前記金属素線から成ることを特徴とする。
この構成により、金属素線の撚合線を用いながら合成樹脂モノフィラメントと同様の針との結束を可能とし、又擦れによる耐カール性を向上させ、さらに水中での水切れ特性を飛躍的に向上させる釣糸を得ることができる。
請求項6記載の発明は、請求項4〜5のいずれか一つに記載の釣糸において、前記芯材と前記側材、又は前記側材に前記金属素線を用いて、かつ熱伝導率k(W・m-1・K-1)が180℃で17以上、又は300℃で18以上である前記金属素線を用いて撚合構成した後に、撚合構成した前記金属素線へ、前記外層材の樹脂被膜成形による伝導熱、対流熱、又は放射熱による180℃から300℃の低温熱処理を行い、前記芯材と前記側材、又は前記側材の引張破断力を前記外層材の樹脂被膜成形前の引張破断力よりも増大させたことを特徴とする。
この構成により、強加工伸線の金属素線を用いて撚合時の断線を防ぎながら、かつ強加工伸線の金属素線の温度と引張強度特性、及び熱伝導特性に着目して、金属素線を撚合した後に外層材の樹脂被膜成形による熱利用、及び樹脂被膜成形による密閉状態での保温・温熱効果による加熱処理(低温熱処理)により、引張破断力をより増大させることを見い出した。
請求項7記載の発明は、請求項4〜6のいずれか一つに記載の釣糸とスピニングリールと釣竿との組立体において、前記釣糸の前記側材の複数の金属素線の撚合方向が、前記スピニングリールの回転・巻き取りから発生する前記釣糸を捩じり回転させる方向と反対の撚合方向としたことを特徴とする。
この構成により、スピニングリールの巻き取りによる釣糸の耐カール性を高めることができる。
請求項8記載の発明は、請求項4〜6のいずれか一つに記載の釣糸と天上糸とハナカン回り糸と釣竿との組立体において、前記釣糸を天上糸とハナカン回り糸と連結し、天上糸を釣竿と連結したことを特徴とする。
この構成により囮鮎を疲れさせることなく水切れ特性を飛躍的に向上させる鮎の友釣り仕掛けを短時間に作り、又は作り直すことができ釣果向上に大きく寄与する。
請求項9記載の発明は、請求項1〜2のいずれか一つに記載の金属素線を用いて撚合構成する、請求項4記載の釣糸の製造方法である。
この構成により、複雑な金属組織をもつ高価な金属材料を用いなくても一般に市販されているオーステナイト系ステンレス鋼線を用いて、かつ金属素線直径が0.025mm以下の極細線であっても高強度の引張破断強度を有する金属素線から成る釣糸を製造することができる。
請求項10記載の発明は、請求項5記載の釣糸の製造方法である。
この構成により、高強度の金属素線の撚合線を用いながら合成樹脂モノフィラメントと同様の針との結束を可能とし、又擦れによる耐カール性を向上させ、さらに水中での水切れ特性を飛躍的に向上させる釣糸を製造することができる。
請求項11記載の発明は、請求項9〜10のいずれか一つに記載の釣糸の製造方法において、前記芯材と前記側材を前記金属素線を用いて、かつ熱伝導率k(W・m-1・K-1)が180℃で17以上、又は300℃で18以上である前記金属素線を用いて撚合構成した後に、前記外層材の樹脂被膜成形工程が、前記外層材の樹脂被膜成形による伝導熱、対流熱、又は放射熱による180℃から300℃の低温熱処理工程とし、前記芯材と前記側材、又は前記側材の引張破断力を前記外層材の樹脂被膜成形前の引張破断力よりも増大させたことを特徴とする。
この構成により、強加工伸線の金属素線を用いて撚合時の断線を防ぎながら、かつ強加工伸線の金属素線の温度と引張強度特性、及び熱伝導特性に着目して、金属素線を撚合した後に外層材の樹脂被膜成形による熱利用、及び樹脂被膜成形による密閉状態での保温・温熱効果による加熱処理(低温熱処理)により、引張破断力をより増大させることができる釣糸を製造することができる。
請求項12記載の発明は、請求項9〜11のいずれか一つに記載の釣糸の製造方法において、前記金属素線の伸線工程と低温熱処理工程を1セットとして少なくとも1セット以上とする工程が、減面率が80%から95%の一次伸線工程と、400℃から495℃で10分から180分の一次低温熱処理工程と、又は前記金属素線がMoを含むオーステナイト系ステンレス鋼線のときには400℃から525℃で10分から180分の一次低温熱処理工程と、減面率が40%から79%の二次伸線工程と、400℃から495℃で10分から180分の二次低温熱処理工程とし、又は前記金属素線がMoを含むオーステナイト系ステンレス鋼線のときには400℃から525℃で10分から180分の二次低温熱処理工程とし、その後最終伸線工程までの総減面率が95%から99.5%以下の前記金属素線から成ることを特徴とする。
この構成により、複雑な金属組織をもつ高価な金属材料(例えば高珪素ステンレス鋼線)を用いなくても一般に市販されているオーステナイト系ステンレス鋼線を用いて高強度の引張破断強度を有する金属素線から成る釣糸を製造することができる。
請求項13記載の発明は、請求項9〜12のいずれか一つに記載の釣糸の製造方法において、前記金属素線の一次伸線工程から最終伸線工程前の各伸線工程における減面率が4%から20%の複数のダイスを用いて連続伸線する工程と、最終伸線工程における減面率が4%から20%の複数のダイスを用いて連続伸線し、かつ最終ダイスの減面率は4%から13%で最終伸線工程内で最も減面率を小とするダイス配列の連続伸線する工程とし、前記伸線工程の前記金属素線から成ることを特徴とする。
この構成により、金属素線の直径が0.025mm以下の極細線であっても高強度の引張破断強度を有する金属素線を断線させることなく連続して伸線加工ができ、生産性を高めて安定した品質をもつ釣糸を製造することができる。
釣糸の正面図、横断面図(実施例1、2)及び他の実施例の横断面図である。 釣糸の正面図、横断面図である(実施例3)。 釣糸の正面図、横断面図である(実施例4)。 釣糸の正面図、横断面図である(実施例5〜7)。 釣糸とフロロカーボン糸との結束状態図である。 鮎の友釣り状態図である(特許文献2)。 鮎の友釣り状態図(実施例6)、及び速度の不連続面説明図である。 鮎の友釣り仕掛け図である。 釣糸とスピニングリールとの組付図である。 釣糸と針と魚、及びリールと中通し竿との組立体の説明図である。 温度と引張破断強度特性図である。 釣糸の引張・伸び特性線図である。 釣糸(実施例4〜7)の芯材と側材の撚合方法の説明図である。
この発明の実施形態を図に示すとともに説明する。
図1は本発明の実施例を示し、図1(A)は釣糸1を示して実施例1の釣糸1Aは、素線直径が0.014mmの金属素線1本の芯材5Aと6本から成る側材6とを芯材5Aの外側に撚合させ、撚合方向が長手方向に対して連続して一方向螺旋状に巻回形成した撚合方向とし、つまりロープ撚り構成の1×7(芯材1本の外側に6本の側材)とし、撚線後の外径であるロープ外径は0.042mmでロープピッチ(図示P)はロープ外径の2.5倍から15倍とし、側材6の外側に合成樹脂被膜の外層材7で被覆され、被覆後の外径が0.048mmである。又実施例2の釣糸1Bは、素線直径(0.016mm)とロープ外径(0.048mm)と樹脂被膜後の外径(0.056mm)が異なる。
ここで、合成樹脂被膜の外層材7の材質としては、6ナイロン、12ナイロン等のポリアミド、又ポリエチレン、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂を用いて押出成形、又はディップ工法等により被膜成形され、芯材5A及び側材6は樹脂被膜により密閉状に包被されている。
そして芯材5A、及び側材6に用いる金属素線は、固溶化処理したオーステナイト系ステンレス鋼線を用いて、伸線加工と低温熱処理工程を繰り返した後に最終伸線工程を設けて、最終伸線工程までの総減面率を95%から99.5%以下の伸線加工を行なったことを特徴とする。そして釣糸1(1A、1B)は素線直径が、0.008mmから0.120mmまでの金属素線を用いる。尚、ここでいう総減面率とは、固溶化処理した線材の線径と伸線加工により伸線工程での最終仕上がり線径との間の断面積差を減少率で表したものをいう。そして、総減面率が95%以上99.5%以下としたのは、引張破断強度を300kgf/mm2 以上とする為であり、総減面率が99.5%を超えると金属組織内に空隙が生じはじめて脆化が激しく、撚線時に断線が発生しやすくなるからである。
そして、「固溶化処理したオーステナイト系ステンレス鋼線の伸線加工」としたのは、加工性のよいオーステナイト組織を得る為であり、オーステナイト系ステンレス鋼線は変態点を利用した熱処理による結晶粒の微細化ができず、冷間加工によってのみ結晶粒の微細化が可能で、伸線加工により顕著な加工硬化性を示して引張破断強度を向上させることができるからである。又オーステナイト系ステンレス鋼線を用いる理由は、マルテンサイト系ステンレス鋼線では熱処理による焼入硬化性を示して熱影響を受け易く、又フェライト系ステンレス鋼線では温度脆性(シグマ脆性、475℃脆性)の問題があるからであり、そして又、複雑な金属組織をもつ高価な金属材料を用いなくても市販されている金属材料を用いて高強度の引張破断強度特性を有する金属素線を得ることができるからである。
ここで表1、表2は、本発明の素線直径が0.008mmから0.120mm(本実施例1、2では、それぞれ0.014mm、0.016mm、後述する実施例6、7ではそれぞれ0.03mm、0.04mm)の高強度の引張破断強度特性を有する金属素線を得る為の製造工程と、工程毎に引張破断強度特性を示したものである。
これは、固溶化処理したオーステナイト系ステンレス鋼線(本実施例はSUS304材)の引張破断強度74kgf/mm2 から79kgf/mm2 の線材(母線)を用いて所定の減面率で一次伸線後温度範囲が400℃から525℃で10分から180分の熱処理炉を用いた雰囲気加熱による一次低温熱処理(本実施例では450℃、30分)を行い、その後所定の減面率で二次伸線を行い、そして前記同様温度範囲が400℃から525℃で10分から180分で熱処理炉を用いた雰囲気加熱による二次低温熱処理(本実施例では450℃、30分)を行い、その後所定の減面率で三次伸線加工を行い、所定の素線直径の金属素線を得ることができる。
ここで引張破断強度とは、金属素線に引張力を加えて破断した値を金属素線の断面積で除した値のことをいう。
Figure 2011010606
Figure 2011010606
表1、表2によると、一次伸線後の一次低温熱処理による引張破断強度の増加率(丸1:表中は丸付数字)は、それぞれ14.8%から21.1%となって、いずれも10%以上の増加率を示し、又二次伸線後の二次低温熱処理による引張破断強度の増加率(丸2:表中は丸付数字)は、それぞれ9.5%から11.9%となっていずれも5%以上の増加率を示し、各低温熱処理による増加率の合計(丸1+丸2)は、それぞれ24.3%から33.0%となっていずれも20%以上の増加率を示している。
そして、最終伸線工程(本実施例では三次伸線)後の引張破断強度は、それぞれ343kgf/mm2 から402kgf/mm2 となって、いずれも300kgf/mm2 を超えて340kgf/mm2 以上の値を示している。
ここで一次伸線工程の減面率は、80%から95%とし、より高い引張破断強度特性を得る為には、90%から96%とし(本実施例では92.6%から95.4%)、又二次伸線工程の減面率は40%から79%とし、より高い引張破断強度特性を得る為には、50%から89%として(本実施例では55.6%から75%)、一次伸線工程の減面率を二次伸線工程の減面率よりも高く設定し、そして最終伸線工程(本実施例では三次伸線)までの総減面率を95%以上99.5%以下とし、より高い引張破断強度特性を得る為には、97%以上99.5%以下とする。(本実施例では98.4%から99.5%)
そして補足すれば、一次伸線工程と二次、三次伸線工程の各工程内での減面率はいずれを高く設定してもよいが、一次低温熱処理前の一次伸線工程の減面率を高く設定(本実施例では92.6%から95.4%)することにより、加工誘起マルテンサイト量を多くして熱処理による結晶粒の成長を抑制し、結晶粒径を小さくさせることができる。
そして又、経済性、生産性等の観点から一次伸線工程での減面率を高く設定し、その後の伸線工程をそれより低く設定することが望ましい。又、加工誘起マルテンサイト生成による引張破断強度向上効果をより高める為、伸線時の金属素線の表面温度は、140℃以下が望ましく、湿式伸線での冷却潤滑液の設定、又は伸線時のダイスへシャワー状に吹き付ける潤滑液の設定、及びこれらの潤滑液の温度設定等によりこれを達成できる。例えば、湿式伸線の場合の潤滑液温度は28℃から42℃が前記金属素線の表面温度を維持する上で望ましい。
又、一次及び二次の各低温熱処理の温度範囲を400℃から525℃で10分から180分(本実施例では450℃、30分)としたのは、後述するオーステナイト系ステンレス鋼線、例えばSUS304材とSUS316材の強加工伸線での温度による引張破断強度特性(図11)と熱処理炉を用いた雰囲気加熱による生産性、及び品質の安定を考慮したからである。そして、図11より、Moを含むオーステナイト系ステンレス鋼線であるSUS316材(図示ロ)は、低温側ではSUS304材(図示イ)と同様な傾向を示すが、高温側ではSUS304材よりも約30℃ほど高温側で引張破断強度が高くなる。
そして、伸線工程と低温熱処理工程を1セットとして5セット以上繰り返してもよいが、経済性、生産性等の観点から3セット以下が望ましい。又金属素線の段階で、最終伸線工程後(本実施例では三次伸線工程後)に低温熱処理工程を設けない理由は、前記金属素線の段階で低温熱処理を施すと引張破断強度は増大するが、強加工伸線により極度に伸びが不足している為、前記金属素線を複数本用いて撚合時に、金属素線の断線が発生しやすくなり、これを防ぐ必要があるからである。これは、総減面率が95%を超える金属素線を撚合する場合の特有の現象と考えられる。そして撚合後の低温熱処理については、後述する。
次に、図2は本発明の実施例3の釣糸2Aを示し、釣糸2Aは、芯材5Bが樹脂繊維で、その外側の側材6に素線直径が0.016mmの前記金属素線を12本用いて撚合させ、撚合方向が長手方向に対して連続して一方向螺旋状に巻回形成して、各金属素線が接触した撚合構成とし、巻回形成後の金属素線のピッチであるロープピッチは前記同様巻回成形後の外径の2.5倍から15倍とし、側材6の外側に合成樹脂被膜の外層材7で被膜され、被膜後の外径は0.084mmである。
ここで、芯材5Bの樹脂繊維としては、低伸度高強力樹脂繊維を用い、これは金属線に近い伸度を示す樹脂繊維のことをいい、具体的には液晶紡糸やゲル紡糸により得られるアラミド樹脂から成るケブラー(登録商標:デュポン社製)糸、ポリアリレート系樹脂から成るベクトラン(登録商標:クラレ製)糸、ポリエチレン系樹脂から成るダイニーマ(登録商標:東洋紡製)糸、ポリパラフェニレンベンゾオキサゾール系樹脂から成るザイロン(東洋紡製)糸等である。そして、芯材5Bは、繊度が28dtexから440dtexの低伸度高強力樹脂繊維を用いる。この理由は、低伸度で引張破断強度が高い為、細径化することができ、外径が0.3mm(3号)以下の磯釣糸(一般に1号〜3号)、特に外径が0.074mm(0.2号)以下の釣糸、さらに、外径が0.037mm(0.05号)の例えば鮎釣糸(一般に0.04号から0.2号)にまで細径化が可能となるからである。又外層材7の材質は、前記実施例1と同様である。
次に、図3は実施例4の釣糸2Bを示し、前記実施例3と異なるところは、側材6の金属素線が欠落した欠落部8を有する撚合構成(実施例4の釣糸2Bでは、側材の金属素線本数は3本で釣糸2Aに対して9本欠落)となっている。次に、図4は実施例5の釣糸2Cを示し、実施例4と異なるところは、後述する外層材7の凸凹条11の樹脂被膜後の最大外径と最小外径の寸法差が金属素線直径の少なくとも20%以上となっていることである。
そして、図4(B)は、金属素線直径が異なる実施例6、7の釣糸2D、2Eを示し、実施例5と異なるところは、側材6が素線直径が異なる太径線61の両側に細径線62A、62Bの金属素線を撚合構成し、素線直径が0.04mm1本と、素線直径が0.03mm2本との、太径線と細径線との組み合わせを実施例6の釣糸2Dとし、同様に素線直径が0.06mm1本と素線直径が0.04mm2本の太径線と細径線の組み合わせを実施例7の釣糸2Eとする。尚、実施例7の素線直径が0.06mmの金属素線は素線直径が0.04mmの金属素線と同様の工程で総減面率を同一(99.5%)として製造したものである。
そして、実施例5〜7のいずれも金属線の凸凹条11が樹脂被膜後の外表面に浮き出た形態にして、つまり複数の金属素線の撚合構成により、金属素線相互が接触している凸凹状隆条部9と金属素線が欠落している凹条溝部10とによる凸凹条11が長手方向に沿って連続して螺旋状に巻回形成されていることを特徴とする。
そして、実施例6の外径寸法を図4(A)を用いて説明すると、金属素線の巻回後の最大外径(図示D1)と、芯材5Bの外径(図示d1)はそれぞれ0.175mm、0.115mmであり、樹脂被膜後の凸凹条11の最大外径(図示D2)と最小外径(図示d2)はそれぞれ0.200mm、0.186mmであり、D2とd2の差は0.014mmとなって樹脂被膜後の凸凹条11はこの段差寸法を有する構造となっている。
この樹脂被膜後の最大外径と最小外径の寸法差は、太径線直径(0.04mm)の35%であり、後述するスパイラル渦流を発生させる為には、金属素線直径の少なくとも20%以上が好ましく、より好ましくは30%以上が望ましく、最大のこの寸法差は太径線直径の概ね2倍である。
そして、金属素線部の樹脂被膜の膜厚は0.0125mmとなっている。
そして素線直径が0.014mm、0.016mm、0.03mm、0.04mmの金属素線を用いて撚合構成した釣糸の実施例1、2、6、7について説明する。
表3は実施例1、2、6、7に対して外層材7である樹脂被膜成形前(各実施例を1A、2A、6A、7Aとする)の状態で180℃から300℃で10秒から60分(本実施例では200℃、5分)雰囲気加熱による低温熱処理を加えたときの引張破断力の増加率(%)を示し、又表4は外層材7の樹脂被膜成形を行なった実施例1、2、6、7を示し、樹脂被膜成形時の熱を利用して、つまり押出成形時の溶融樹脂による伝導熱、又はディップ工法による塗膜成形時の塗膜樹脂乾燥の為の対流熱、放射熱、及び後述する金属素線の撚合後の予備加熱等を利用して180℃から300℃で10秒から60分(本実施例では200℃、30秒)の低温熱処理をしたときの引張破断力の増加率(%)を示す。ここで引張破断力とは釣糸に引張力を加えて破断したときの値のことをいう。
Figure 2011010606
Figure 2011010606
表3によると、総減面率が95%以上の金属素線を撚合した後に低温熱処理を加えると引張破断力は増加し、又その増加率は7.5%から12.5%となり、いずれも5%以上増大させることができる。そしてさらに、表4によれば外層材7である樹脂被膜成形時の熱利用、つまり押出成形時の溶融樹脂による伝導熱の利用、又はディップ工法による塗膜成形時の塗膜樹脂乾燥の為の対流熱、放射熱、及び金属素線の撚合後の予備加熱等を利用した熱処理(低温熱処理)により引張破断力を増大させることができ、その増加率は11.0%から15.5%となり、いずれも10%を超えて増大させることができる。
このように、オーステナイト系ステンレス鋼線を用いて総減面率が95%から99.5%以下で、かつ、熱伝導率k(W・m-1・K-1)が180℃で17以上、又は300℃で18以上である前記金属素線については、金属素線の撚合工程後の伝導熱利用、対流熱利用、又放射熱利用の低温熱処理により、いずれも高い値で引張破断力を増大させることを見い出した。
ここで本発明においては、金属素線の段階で表1、2、及び前記金属素線を撚合させた釣糸段階での表3、4にみられるように、総減面率が95%を超える強加工の金属素線の最終工程では、低温熱処理を行なわずに最終伸線工程までとし、前記金属素線を撚合した後に前記低温熱処理を加えることにより、釣糸としての引張破断力をより増大させることができる。この理由は、総減面率が95%を超える強加工伸線の金属素線(本実施例では総減面率が98.4%から99.5%)に前記同様の低温熱処理を加えると引張破断強度は増大するが、伸びの不足により複数の前記金属素線の撚合時に断線が発生し、撚合構成が困難となるからである。従って、金属素線の段階では、所定の総減面率を有する最終伸線工程までとして最終伸線工程後に低温熱処理を行なわずに、その後複数の前記金属素線を撚合した後に、表3、4に示すような低温熱処理を加えることにより、撚合時の断線を防いで、かつ引張破断力をより増大させることができる。
そして、表4に示すように、外層材7の樹脂被膜成形時の溶融樹脂等による伝導熱、対流熱、及び放射熱等を利用した180℃から300℃の低温熱処理を施しても引張破断力をより増大させることができる。
この理由は、後述するオーステナイト系ステンレス鋼線の180℃の低温でも引張破断強度が上昇する、温度と引張破断強度特性(図11)の関係と、側材6の金属素線の極細線にあっては熱容量小で熱影響を受け易く、かつ樹脂被膜の押出成形時の溶融樹脂による伝導熱、又はディップ工法による塗膜成形時の塗膜樹脂乾燥の為の対流熱、放射熱等を利用、そして樹脂被膜による密閉状態での放熱のし難さと、その保温・温熱による加熱処理(低温熱処理)効果、及び金属素線のもつ熱伝導率との併用効果と考えることができるからである。
そして、前記加熱処理の低温熱処理温度範囲を180℃から300℃としたのは、後述するオーステナイト系ステンレス鋼線の温度による引張破断強度特性(図11)と、樹脂被膜成形時の合成樹脂の溶融温度、又オーステナイト系ステンレス鋼線の細線による熱容量、及び樹脂被膜成形による密閉状態での保温効果、及び熱伝導率を併せ考慮したからである。又、加熱時間を10秒から60分以内としたのは、10秒を下回れば引張破断強度向上効果は得られず、又この範囲の上限を上回ればより顕著な効果は期待できず、生産性等を考慮したからである。尚、この加熱時間は、樹脂被膜成形加工時間と成形加工後の保温効果を有する時間も含まれる。又、樹脂被膜成形加工時、例えば樹脂被膜成形する為の押出成形機内へ金属素線の撚合線を投入前に、押出成形機と連動させて金属素線撚合後の残留歪除去、及び直線性を得る為の熱処理炉内を通過させて加熱(一般的には予備加熱と呼ぶ)する加熱時間も含まれる。従ってここでいう「外層材7の樹脂被膜成形による低温熱処理」とは、前記予備加熱も含むことを意味する。
次に、実施例3〜7、特に実施例5〜7について、その作用効果を説明する。
実施例3〜7に用いられている芯材5Bの樹脂繊維としては、前述した低伸度高強力樹脂繊維を用いる。又、側材6も前述した強加工の高強度引張破断強度を有する複数の金属素線を用いた撚合構成とする。
そして外層材7の樹脂被膜としては、6ナイロン、12ナイロン等のポリアミド、又ポリエチレン、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂を用いて押出成形、又はディップ工法等により被膜成形する。ディップ工法の場合には、可溶性ナイロン樹脂、又アクリルウレタン塗料等を用いて成形すると、一回の塗料溶液通過で0.001mmから0.008mm程度の極薄膜の塗膜成形が可能となり、塗料溶液通過後、180℃から300℃で乾燥させ、その後塗料溶液へ再通過させ、この工程を繰り返すことにより膜厚調整が可能となり、後述する実施例5〜7にみられるような前記金属素線の凸凹状隆条部9と凹条溝部10との一方向螺旋状の凸凹条11を、外表面に浮き出した形態にして成形することができる。尚、この浮き出た形態での樹脂被膜後の最大外径と最小外径の寸法差が少なくとも前記金属素線の直径(太径線と細径線との組み合わせのときには太径線の直径)の20%以上とし、より好ましくは30%以上とすることが望ましく、最大のこの寸法差は、金属素線直径(太径線と細径線との組み合わせのときには太径線の直径)の概ね2倍である。
そして前記樹脂被膜の合成樹脂材料内に紫外線吸収剤が含まれていることが望ましい。紫外線吸収剤としては、例えばポリアミド樹脂であれば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系等が望ましく、前記アクリルウレタン塗料も同様であり、又紫外線吸収剤以外に酸化防止剤、分散混合剤等適宜混合する。紫外線吸収剤を混合する理由は、釣り場での太陽光に含まれる紫外線以外に、釣具店による蛍光灯からの紫外線による劣化防止であり、特にポリアリレート樹脂繊維は紫外線による黄変が激しく、これによる引張破断強度の低下を防ぐ必要があるからである。そして、芯材5Bのポリアリレート樹脂繊維の変色を防ぐ為には、前記樹脂繊維にベンゾフェノン系、トリアジン系の紫外線吸収剤が含まれていることが望ましい。
次に、実施例5〜7の凸凹状隆条部9と凹条溝部10との凸凹条11とする金属素線の一方向螺旋状の撚合形態とした理由について説明する。この撚合形態とすることにより針結び強度、及び道糸との結束強度を、一般的に用いられている合成樹脂モノフィラメントと同等以上とすることができる。その実施例6と比較例1の結果を表5に示す。
Figure 2011010606
表5の比較例1は一般に用いられているポリフッ化ビニリデンモノフィラメントで外径が0.190mmの通称フロロカーボン糸である。
表5によると、本発明の実施例6は、複数の金属素線を用いているにも拘らず、比較例1のフロロカーボン糸と同等以上の針結び強度、及び道糸との結束強度特性を得ることができる。この理由は、例えば結束部を観察すると、図5に示すように結束部12のフロロカーボン糸の結束部12Bの外形線が概ね等径となっているのに対して、実施例6の段差結束部12Aの外形線は凸凹状となっている。
これは、金属素線による凸凹状隆条部9が隣接線の金属素線が欠落している凹条溝部10へ食い込み形態となり、この現象が隣接線どうし連続して発生し、凸凹状隆条部分91と92との間に、隣接線の凸凹状隆条部分93が食い込み、くさび効果として作用し、さらに外層材7の樹脂被膜は、前記凸凹状隆条部分91、92、93の各硬質金属間に軟質樹脂をそれぞれ介在させたことによる緩み止め効果として作用する、と考えられる。
次に、直径20mmの丸棒に#140の紙やすりを巻きつけ、錘200gを負荷して90°釣糸を曲げた状態での破断までの回数を測定する耐磨耗試験において、比較例1のフロロカーボン糸と比較して、実施例6で約7倍から20倍以上破断するまでの耐久回数は多く、又実施例1〜3に至っては50倍以上の耐久回数を有し、そして耐磨耗性はいずれも特段に優れている。この理由は、金属素線の存在、さらに、使用する金属素線は総減面率が高く、加工限界に近い高強度の引張強度特性を有してその結果、硬度が高い金属材料と考えるからである。
次に本実施例6、7は、フロロカーボン糸(比較例1)と比較して、擦れによる耐カール性を大幅に向上させることができる。その結果を表6に示す。
Figure 2011010606
表6の耐カール性試験は、コーナーがR0.2mmの角材の一つの角に、錘300gを負荷して90°釣糸を曲げた状態で、片道200mmで5往復させた後、100mmの長さの範囲で、カール状の高さを示す波高と、その範囲内の個数を調べた試験である。
この結果から実施例6、7はいずれもフロロカーボン糸である比較例1に対して明らかに波高は約1/2以下であり、又カール個数も約1/4以下と少ない。このことは、フロロカーボン糸よりもなだらかなウェーブ状を示し、つまり、本発明の実施例6、7はフロロカーボン糸よりも波高が低くて、なだらかなウェーブ状であることを意味し、比較例1に対して、明らかにカール癖がつき難い構造といえる。
この理由は、比較例1は、高度の延伸加工による高い引張破断強度を備えた合成樹脂モノフィラメントで外表面の一部片側が全長に亘って連続して擦れ、それにより擦れた側と擦れていない側との間で伸びによる差を生じた結果、と考える。これに対して、本発明の実施例6、7は、いずれも金属素線の欠落部を設けている為、擦れる位置はこの金属素線の部分で、この金属素線部分は欠落部の存在により間隔が開いていること、そしてさらに、線径が異なる異径線(実施例6、7)を用いれば、擦れる箇所はこのうちの太径線のみとなって、さらに擦れる位置の間隔が開いた状態となる。従って、擦れる位置が比較例1に示すような連続状態か、又は実施例6、7のような間欠状態かの差による、と考えることができるからである。
そして実施例5〜7で用いる外層材7の樹脂被膜の膜厚をより薄くさせる為には、押出成形機を用いてもよいが、可溶性ナイロン樹脂、又はアクリルウレタン等の塗料が望ましく、又その工法は塗料溶液へ通過させ、180℃から300℃で10秒から60分の乾燥の加熱処理後塗料溶液へ再通過させ、これを繰り返して膜厚調整可能なディップ工法による塗膜成形が望ましく、又吹き付け等の塗装による塗膜成形を用いてもよい。
この構成により、魚釣り用仕掛けのハリス、特に鮎の友釣り仕掛けとして用いると、結束保持力を向上させつつ、釣糸に加わる水流による圧力抵抗を低減させ、水流の上層部、下層部を問わず水切れ特性を大幅に向上させることができる。その作用効果を以下説明する。
図6(A)は、鮎の縄張り習性を利用し、釣糸を撓ませることにより水流による釣糸への圧力抵抗を増大させて囮鮎の泳ぎを早め(図示イ)、又釣糸を張ることにより水流による釣糸への圧力抵抗を減少させて囮鮎の泳ぎを遅くして(図示ロ)、この繰り返しにより囮鮎を所望の位置へ誘導させる鮎の友釣り法を示した図である。釣糸を撓ませた時の、金属線をクロス状に巻回した特許文献2の釣糸4の状態を図6(B)に示し、又本発明の実施例6の釣糸2Dの状態を図7(A)に示す。
特許文献2の釣糸4は、水流方向に対して直交方向のときは「合成断面が略流線形断面」となり三次元乱流による水切れ特性向上効果はみられるが、実際の釣り現場では、釣糸が水流方向に対して直交する場合は少なく、流れの速い水面近くの上層域では傾斜し、また囮鮎を移動させようとする場合には釣糸をたわませ、水底近くの下層域では水流方向と釣糸4とが平行状態となる。かかる場合、図6(B)の状態において、特許文献2にみられる水切れ特性向上効果は、比較的水流14Bの方向と直交する中層域の釣糸4の横断面42にみられるが、流れの早い水流14Aの方向の上層域の釣糸4の横断面41においては、交差重合部の存在、及び水流方向と傾斜し横断面積はより増大し、そして釣糸4に加わる圧力抵抗は増大し、さらに水流14Cの方向と平行状態となる下層域においては、特に囮鮎近くの釣糸4の平行部位44の範囲では、水流14Cの方向からみれば横断面が略円形43の連続状態と近似した円柱構造体45となり、かつ釣糸4の交差重合部の存在により横断面積は増大していて、この横断面積増大現象に伴って特許文献2の釣糸4に加わる水流による圧力抵抗は増大し、囮鮎を疲れさせることとなる。
これに対して、本発明の実施例5〜7の釣糸は特許文献2に対して交差重合部がない為、横断面積小となって細径化することができ、特に実施例6の釣糸2D、実施例7の釣糸2Eは、側材6の太径線61が中央でその両側が細径線62A、62Bとなっていて、水流14Bの方向と直交する中層域においては、流線形となり{図7(A)釣糸2Dの横断面2D2}、そして上層域{図7(A)釣糸2Dの横断面2D1}においては、特許文献2でいう交差重合部がない為、横断面積が特許文献2よりも小さく、細径化を可能として水流による釣糸への圧力抵抗が少なく、かつ、水流14Cの方向と釣糸2Dとが平行状態となる下層域においては、一方向螺旋状の凸凹条11の構成により水流14Cをスパイラル渦流に変換し、そして一方向螺旋状の太径線61と細径線62A、62Bとにより、水流14Cを14C1、14C2に分流させ、螺旋状の太径線61と細径線62A、62Bに沿うスパイラル渦流152とさせ、そしてさらに、川の流れの速い上層域においても同様にスパイラル渦流151が発生し、上層域でのこのスパイラル渦流151の向きは、図示下方の川底の方向へ作用してその結果、釣糸を川底へ沈めようとする力が作用する。
つまり、上層域においては、川の流れの速い水流14Aの力を利用してスパイラル渦流151により釣糸を沈め、一方下層域においては、横断面積を小さくして、かつ水流14Cを分流(図示14C1、14C2)させ、スパイラル渦流152として水流方向と釣糸とが平行状態であっても水切れ特性を向上させ、所望の位置へ囮鮎を疲れさせることなく誘導させる、新たな技術思想を開示するものである。
そしてさらに、一般に潮と潮とがぶつかり合う流速差の生ずる境界位置、及び上層域と下層域とで水流方向が反対の境界位置には、プランクトンが多く集まり、これを捕食する小魚、これを狙う大物の魚が集まり、絶好の釣りポイントとなる。
しかしこのような場所では、流速差、及び水流方向の反対による流速差から圧力勾配を生じ、速度の不連続面を生じて不安定(ケルビン−へルムホルツの不安定性)となり、この速度の不連続面は自転し{図示(B)}、そして渦度をもった渦面として発達する{図示(C)}。かかる場合において、一般に用いられている円形断面のフロロカーボン糸の釣糸3をこの釣りポイントに入れると、発達した渦面の渦の流れ方向により、釣糸3は浮き上がり現象を生じて所望の釣りポイントから外れることとなる。そして又、特許文献2の釣糸4においても、前記した下層域での水流方向との状態、及び交差重合部の存在により、横断面積増大に伴って渦流による圧力抵抗は増大して、同様の現象を生ずる。
これに対して、本発明の実施例の釣糸2、特に実施例5〜7においては、下層域から上層域への渦の流れが生じても、一方向螺旋状の凸凹条11が樹脂被膜後であっても外表面に浮き出た形態による水切れ特性向上効果により、水面への前記浮き上がり現象を生じない。{図示(D)}
そして又、本発明の実施例1、2の釣糸1(1A、1B)、特に図1(G)(H)(I)に示す螺旋条111を有する釣糸においては、芯材及び側材ともに金属素線を用いている為、フロロカーボン糸の釣糸3よりも比重が2倍〜7倍と高く、かかる不具合を生ずることはなく、そして前記水切れ特性向上効果により所望の釣りポイントへ投入し、その位置を維持することができる。
そして補足すれば、特許文献2の金属素線を1本毎離間した2本の巻着線構成の場合は、芯材が樹脂繊維のときにはその柔軟性から金属素線が樹脂繊維内へ食い込み、又は浮き上がりやすく、そして相互の位置が異なる2本の線の同一線間距離を確保しながら、かつ同一張力で巻回成形させることは極めて困難で、2本の線の緊張と弛緩の差から線間距離に位置ずれを生じ、そしてそれが引張時において伸びの差として表れ、本実施例のような細線・極細線の釣糸においては引張破断強度の低下を招き、一定の引張破断強度を有する釣糸を得ることはできない。
このように、実施例5〜7の釣糸は、前記水切れ特性向上効果、及び結束性のよさから、特に図8(A)に示すように金属単線を用いた鮎の友釣り仕掛け16において、金属単線13と結束する従来ツケ糸131と呼ばれる糸との結束を不要として、取り扱いが容易で合成樹脂モノフィラメント(ナイロン糸、フロロカーボン糸等)と同様に取り扱うことができる。そして、本発明の釣糸2(2A〜2E)を用いた鮎の友釣り仕掛け161の例を図8(B)に示す。尚、図中132は天上糸、133はハナカン回り糸を示す。
これは、本発明の釣糸を、天上糸132とハナカン回り糸133と結束、又は連結した仕掛けを用いて天上糸132と釣竿と結束、又は連結した、本発明の釣糸と天上糸とハ
ナカン回り糸と釣竿との組立体である。(但し釣竿は省略)
次に図9は、本発明の各実施例の釣糸1、2がリール17のスピニングリール171によってスプール18へ巻き付けられるときの図を示し、例えばスピニングリール171において、図示左側矢印へ回転するとき(Z方向)、釣糸1、2の金属素線の撚合方向は、これとは逆のS方向とするのが望ましい。この理由は、スプール18へ釣糸1、2を巻き取る際には、金属素線の撚合方向を緩ませる方向に巻き付けるほうが、釣糸に柔軟性を増すことができその結果、小径に巻き付けてもカール状の巻き癖がつきにくいからである。 そしてこの現象は、本発明の各実施例の釣糸1、2を図10(A)に示す、よりもどし24と針23とを結びつける釣糸ハリス25として用いても同様の現象により特有の作用効果がある。
つまり、釣糸ハリス25の本発明の釣糸1、2の金属素線の撚合方向と逆方向へスピニングリールを巻くことにより、緩ませる方向に巻き取ることができる為、その結果魚がかかった緊張時、撚合方向とは逆方向へ回転する釣糸ハリス25の自転する性質をより低く抑えることができ、釣竿の操作が容易となる。
尚補足すれば、例えば実施例6の釣糸2Dの凸凹状隆条部9と凹条溝部10とによる凸凹条11の構造を有する釣糸は、魚がかかったとき重要情報を振動伝達手段として釣り人へ伝えることができる。つまり、本発明の実施例4〜7の釣糸2は、軟質樹脂被膜を介して、金属撚合線の凸凹状隆条部9と凹条溝部10との凸凹条11を形成している為、例えば釣糸2が中通し竿内への貫挿状態において魚が餌を咥えたとき、又その際の釣り人のリール17の巻き取りにより釣糸2が引っ張られて張力が発生し、中通し竿19の内側と先端端末具191を釣糸2の凸凹条11が摺動することにより振動が発生し、そしてこの繰り返しにより振動伝達を繰り返す{図10(A)}。つまり、この釣糸2の竿内での摺動時には凸凹状隆条部9と凹条溝部10の多数の凸凹条11が摺動することとなり、この凸凹条11の中通し竿19内での摺動により、図10(C)に示すような張力変動幅26の大なる幅を有する張力変動を発生させ、そしてそれがさらに、手元側へ内径が拡径された中空管体の中通し竿19を用いることにより、その張力変動が中通し竿19内で振動伝達として、又共振し、そして振動伝達音として増幅され、魚信として釣り人へ伝えることができ、その結果釣り人の魚に対する竿の操作が容易となる。そしてさらに、図10(B)に示すように釣糸ハリス25が鰓20Aの部分に入り込んだとき、釣糸ハリス25は鰓呼吸時、又遊泳時に鰓20Aの外淵に沿って釣糸位置21から釣糸位置22へ移動し、釣糸ハリス25は鰓20Aと摺動する。その際、前記同様に釣糸ハリス25の多数の凸凹条11が鰓との摺動により張力変動を発生させ、その結果釣り人は餌にかかった魚の状態を振動伝達、及び振動音として捉えてこれを認識し、鋭利な鰓部部分で釣糸が切れ易い慎重な竿操作が要求される場合においても釣り上げるタイミングを図ることができ、竿操作を容易にすることができる。従って、本発明の釣糸には、釣糸ハリス25のみとして用いた場合も含まれる。このように釣糸と、リールと中通し竿との組立体により振動伝達手段として釣り人へ重要情報として伝えることができる、特段の作用効果がある。
そして本発明の他の実施例を説明する。
図1(B)は、実施例1、2に対して芯材5の1本の周りに側材6Aを6本、側材6Bを12本とするロープ撚り構成の1×19、又、図1(C)は芯材5の3本の周りに側材6を9本とするロープ撚り構成の1×12、図1(D)は芯材5の7本のロープ構成1×7の周りに側材6を7本撚り合わせたものを6束とするロープ撚り構成の7×7、つまり前記金属素線を芯材5、及び芯材5の周りに6本から42本の前記金属素線を撚合構成した実施例である。そして、図1(E)は、芯材5Aを前記金属素線であるオーステナイト系ステンレス鋼線に対して比重の大きな、例えばタングステン線、タングステン合金線(SUS304の約2.43倍)、鉛線(SUS304の約1.43倍)を撚合構成したものである。この構成により、釣糸の水中での沈み性をさらに向上させることができ、雑魚が撒餌に群がっている間に深場の大物釣りのポイントに釣糸を沈み込ませることがより容易となる。
次に図1(F)は実施例1に対して芯材5Aを欠落させた撚合構成とした釣糸で、この中空管体の構成とすることにより前記図1(E)とは異なり浮力を発生させ、特に歯が鋭く、中層域に生息する魚を狙う磯釣糸、又急流での鮎釣糸のような友釣りの場合に囮鮎を疲れさせることがなく好適である。これらの仕様は魚種、及び釣りポイントの状況により任意選択する。
次に図4(C)は、実施例6、7に対して素線直径が異なる異径線による凸凹状隆条部9が一方の側から他方の側へ太径線から細径線へと順に並んだ撚合構成とする。
これにより、結束性、及び水切れ特性を前記同様の理由により向上させることができる。又、図1(G)は、実施例1、2に対して、芯材5Aの周りに太径線3本と細径線3本を撚合構成し、そして外層材7を薄膜の樹脂被膜形成したものである。例えば、芯材5Aの素線直径は0.016mmとし、側材の太径線(61A、61B、61C)は素線直径が0.017mmの3本とし、細径線(62A、62B、62C)は素線直径が0.014mmの3本とした太径線と細径線を交互配列とし、撚りピッチは0.235mm(ロープ外径0.047mmの5倍)とした1×7の撚り構成であり、外層材7の樹脂被膜の膜厚は0.001mm以上で金属素線の太径線の直径以下(本実施例では0.017mm以下)として、外周部に太径線と細径線とによる螺旋状に巻回形成した螺旋が、樹脂被膜成形後の外表面に現れて成る螺旋条111を形成したものである。
さらに図1(H)は、実施例1に対して外層材7の樹脂被膜の膜厚は0.001mm以上金属素線の直径以下(本実施例では0.014mm)で、かつ前記同様外周部に側材の螺旋状に巻回成形した螺旋が、樹脂被膜成形後の外表面に螺旋条111として現われて成ること特徴とする釣糸を示したものである。又、図1(I)は、芯材5Aを欠落させて側材の3本のみから成るロープ構成1×3とし、外層材7は前記図1(H)と同様で、螺旋条111が外表面に表れて成ることを特徴とする。
この構成により、釣糸の引張破断強度を飛躍的に向上させながら、かつ前記結束後の緩み止め効果、及び水切れ特性等を向上させることができる。
そして図11は、一般に金属素線の母材にオーステナイト系ステンレス鋼線を用いて総減面率が95%以上の最終伸線加工後の金属素線を熱影響下(各温度30分)での引張破断強度特性を示した図で、SUS304材のときは図示イを、SUS316材のときは図示ロを示す。
これによると、SUS304材は180℃の熱影響により引張破断強度が上昇し始め、概ね450℃近傍で最高の引張破断強度特性を示し、495℃まで引張強度特性向上効果が顕著にみられ、そして520℃を超えると常温(20℃)よりも急激に引張破断強度が低下する。又、Moを含むSUS316材は、低温側でSUS304材と同様な傾向を示すが高温側では概ね480℃近傍で最高の引張破断強度特性を示し、525℃まで引張強度特性向上効果が顕著にみられ、そして540℃を超えると常温(20℃)よりも急激に引張破断強度が低下する。
この引張破断強度が急激に低下する理由は、前述のように、この固溶化処理したオーステナイト系ステンレス鋼線は、前記520℃、540℃を超える温度から800℃に加熱されるとカーボンの析出、クロムの移動の為のエネルギーを必要とし、鋭敏化現象を通じて特にカーボンが0.08%以下の通常のSUS304、SUS316のオーステナイト系ステンレス鋼線では、700℃で4分から5分でこの鋭敏化現象が現れ、引張破断強度が極端に低下するからである。
このような引張破断強度特性を有する為、SUS304材の金属素線の低温熱処理温度範囲は180℃から495℃が望ましく、又Moを含む例えばSUS316材(Moが2〜3重量%)の金属素線の低温熱処理温度範囲は180℃から525℃が望ましい。
そして表4にみられるように、外層材7の樹脂被膜成形時の熱利用、つまり樹脂被膜による伝導熱等を利用した加熱処理(低温熱処理)により引張破断強度を11.0%から15.5%増大させることができることを見い出した。
このように本発明は、強加工伸線して総減面率の高いオーステナイト系ステンレス鋼線の温度による引張破断強度特性に着目して、伸線加工後に好適条件での低温熱処理を行い、そして金属素線の細線・極細線による熱容量小で熱影響を受け易く、又一定温度範囲に制御した状態での樹脂被膜成形時の熱を利用し、樹脂被膜による密閉状態での放熱のし難さと保温・温熱効果を高める構造、熱伝導特性等を併せ考慮し、金属素線の撚合状態での引張破断強度を大幅に向上できる、新たな技術思想を提供するものである。
そして補足すれば、このような強加工伸線による高強度の引張破断強度特性を有する金属素線を得る為には、最終伸線工程において減面率が4%から20%の複数ダイス(5個〜8個)を用いて、かつ複数ダイス(5個〜8個)のうち最終ダイスは減面率を4%から13%として最終伸線工程内で最も小さい減面率とするダイヤモンドダイスを用いたダイス配列とすることにより、伸線時の抵抗を低くさせて最終伸線工程での断線を防ぐことができ、生産性が高く、又安定した品質の金属素線を得ることができる。又、本実施例のオーステナイト系ステンレス鋼線の化学成分は、重量%でC:0.15%以下、Si:1%以下、Mn:2%以下、Ni:6〜16%、Cr:16%〜20%、P:0.045%以下、S:0.030%以下、Mo:3%以下、残部鉄及び不可避的不純物から成る。このように高珪素ステンレス鋼(Si:3.0%〜5.0%)を用いなくても前記工程を用いることにより、高強度のオーステナイト系ステンレス鋼線の金属素線を得ることができる。尚、Cは引張破断強度向上の為には、0.005%以上が望ましく、粒界腐食抑制の観点から0.15%以下が望ましい。
そして又、本発明の金属素線は、0.008mmから0.120mmのオーステナイト系ステンレス鋼線で、特に細径線は、0.008mmから0.040mmで引張破断強度が300kgf/mm2 以上で、総減面率が95%以上の伸線加工を可能とする為には、再溶解材を用いたSUS304材、又はSUS316材が望ましい。この理由は、ステンレス鋼線の伸線時の断線原因は、表面疵もさることながら酸化物系介在物であることが最も多く、特に本発明の実施例の金属素線直径が0.025mm以下の極細線においてはこの傾向が著しい。そしてその化学成分は、介在物生成元素であるAl、Ti、Ca、Oの成分は低く、又硫化物の作用で伸線低下を引き起こすSも低く抑える。具体的なオーステナイト系ステンレス鋼線の化学成分は、重量%で、C:0.08%以下、Si:0.10%以下、Mn:2%以下、P:0.045%以下、S:0.010%以下、Ni:8〜12%、Cr:16〜20%、Mo:3%以下、Al:0.0020%以下、Ti:0.10%以下、Ca:0.005%以下、O:0.0020%以下、で残部がFeと不可避的不純物から成る。特に、金属素線直径が0.025mm以下の極細線においては、この材料が望ましい。尚、これより太い本実施例の太径線にこの材料を用いてもよい。
そして、再溶解材の製造方法としては、ステンレス鋼の溶製後のインゴットにフラックスを用いたエレクトロスラグ再溶解の製造方法等である。
さらに補足すれば、本発明の実施例の釣糸2(2A〜2E)の引張・伸び特性線図は、例えば図12に示すように低荷重域では伸びが大きく(図示A)、高荷重域ではこれとは逆の現象(図示B)となる特有の非線形特性となる。この特性により、魚が針へかかったときの強い合わせによる衝撃力の緩和、及び竿の煽り過ぎによる衝撃力の緩和、そして魚の口切れや、さらに衝撃力を加えたことによる釣糸の破断を防ぐことができる。又本発明の実施例の釣糸2で引張・伸び特性が非線形になる理由は、芯材は低伸度高強力樹脂繊維を用いて、繊維間に多数の空間が存在する繊維束(28dtexで5本、440dtexで80本の繊維)から成り、その外周部には一定の間隔で金属素線が欠落した一方向螺旋状の撚合構成から成る為、釣糸が引張力を受けたときには、まず芯材に引張力が加わって繊維間の空間が狭められたことにより、低荷重域で伸びが大きい特性を示し、そしてその後さらに引張力が高くなると、金属素線の撚合線にも強い引張力が加わって、芯材とともにこの引張力を支え、そして外周部の樹脂被膜がこの引張力を支える補助作用として働き、その結果高荷重域では伸びが小さい逆の現象を示す、と考えられるからである。
そしてさらに補足すれば、素線直径が0.045mm以下の細線、及び素線直径が0.025mm以下の極細線、本実施例のような釣糸に用いられる0.008mmの金属素線の撚合形態では、図13に示すように予め金属素線を蛇行させて形付けする円筒形ピン301のついたプレフォーム装置30を用いずにボイス28の端と集合治具27の端との間で撚合線の集合位置29が「芯材ストレート状の側材集合形態」とし、円筒形ピン301を用いない製造方法が望ましい{図示(A)}。尚、円筒形ピン301がプレフォーム機能を働かせることなく、金属素線が直線状を保つ単なるガイドとしての機能であれば、円筒形ピン301を用いてもよい。{図示(B)はプレフォーム機能を働かせた状態}
そして、側材の撚合線の集合位置29は、芯材と側材の引取速度が速ければ集合治具の回転による側材の巻き付けが遅れた状態となり、巻き付けの撚りピッチが大きくなって芯材5内へ側材6が食い込み、集合位置29はボイス28の端へ引き寄せられ、その結果釣糸は、芯材が蛇行したうねりの撚合形態となって芯材の引張破断強度低下を招く。
これに対して、芯材と側材の引取速度が遅ければ集合治具の回転による側材の巻き付けが早くなった状態となり、巻き付けの撚りピッチが密となって集合位置29は集合治具27の端へ引き寄せられ、その結果釣糸は、凸凹状隆条部9と凹条溝部10とを有する凸凹条11を形成することができなくなる。
従って、ここでいう側材の撚合線の集合位置29が「芯材ストレート状の側材集合形態」とは、前述のような側材の食い込みによる芯材が蛇行したうねり状の撚合形態をいうのではなく、又巻き付けピッチが密となって側材の金属素線が全て密着した状態をさすのではなく、側材の複数の金属素線を撚合後、芯材が概ねストレート状にして撚合構成された蛇行、うねりの極めて少ない撚合形態のことをいい、具体的には、集合位置29は図示(B)に示すようなボイス28の端に集合する一般的な状態ではなく、集合治具27の前端からボイス28の後端間の距離(L0)の3/4の範囲の中央部分の位置(L1=L0×3/4)、より好ましくは、3/5の範囲の中央部分の位置(L1=L0×3/5)である。
つまり、芯材が低伸度高強力樹脂繊維から成り、芯材の外側の側材が素線直径が0.008mmから0.120mmの複数の金属素線を用いて撚合構成し、芯材又は側材の外側の樹脂被膜の外層材から成る釣糸の製造方法は、撚線機を用いて集合治具27の中心内部へ芯材5を挿入する工程と、集中治具27の外周側から側材6を芯材5とともにボイス28内へ張設する工程と、集合治具27と側材6とを一体的に回転させて側材6を芯材5の外側へ撚合構成し、撚合時の側材6の複数の金属素線の集合位置29が、ボイス28の端と集合治具27の端との間の距離の3/4の範囲の中央部分の位置とし、側材6の複数の金属素線の相互が接触する凸凹部を有する凸凹状隆条部と金属素線が欠落した凹条溝部から成る凸凹条の撚合工程と、外層材7の樹脂被膜成形工程から成ることを特徴とする製造方法である。尚、前記撚合構成のうち、金属素線の相互が接触する凸凹状隆条部と金属素線が欠落した凹状溝部との形成は、集合治具27の回転速度と撚線の巻き取り速度とを任意調整して前記集合位置29にさせることにより、形成することができる。
[発明の効果]
以上説明のとおり、本発明の金属素線から成る釣糸、及びその製造方法は、伸線限界に近い強加工の伸線加工を行なったオーステナイト系ステンレス鋼線の温度による引張破断強度特性に着目して、好適な伸線加工と一定温度範囲の低温熱処理を繰り返しながら各工程毎の金属素線の引張破断強度向上効果を累積することにより高度の引張破断強度特性を有する金属素線から成る釣糸、及びその製造方法を提供することにある。
そして又、前記金属素線の最終伸線工程後に金属素線の段階で低温熱処理を加えないで、撚合構成後に低温熱処理を加えることによる引張破断強度向上効果、そして強加工伸線による温度と引張破断強度特性との相関性、及び熱伝導特性に着目して、外層材の樹脂被膜成形時の伝導熱等を利用した加熱処理(低温熱処理)による引張破断強度特性を向上させる、新たな技術思想を提供するものである。
そしてさらに、引張破断強度特性向上効果の他、釣糸としての沈み性、耐磨耗性、耐カール性向上効果、さらに凸凹条による水切れ特性向上効果等、新たな釣糸の技術思想を提供するものである。以上の諸効果がある。
1 釣糸 151、152 スパイラル渦流
2 釣糸 16 鮎の友釣り仕掛け
3 釣糸(フロロカーボン糸) 171 スピニングリール
4 釣糸(特許文献2の釣糸) 18 スプール
5 芯材 19 中通し竿
6 側材 20 魚
7 外層材 21 釣糸位置(鰓上部)
8 欠落部 22 釣糸位置(鰓下部)
9 凸凹状隆条部 23 針
10 凹条溝部 24 よりもどし
11 凸凹条 25 釣糸ハリス
12 結束部 26 張力変動幅
13 金属単線 111螺旋条
14 水流

Claims (13)

  1. 素線直径が0.008mmから0.120mmの金属素線から成る釣糸において、
    前記金属素線は、固溶化処理したオーステナイト系ステンレス鋼線を用いて、伸線と伸線後に400℃から495℃の低温熱処理を設けて、
    又は前記金属素線がMoを含むオーステナイト系ステンレス鋼線のときには400℃から525℃の低温熱処理を設けて、
    前記伸線と前記低温熱処理を1セットとして少なくとも1セット以上繰り返した後に最終伸線を設けて、前記最終伸線までの総減面率を95%から99.5%以下とし、前記最終伸線までの前記低温熱処理による引張破断強度の増加率の合計が15%以上とし、引張破断強度が300kgf/mm2 以上とする前記金属素線から成ることを特徴とする釣糸。
  2. 請求項1記載の釣糸において、
    前記金属素線を伸線と低温熱処理を1セットとして少なくとも1セット以上の繰り返しが、
    一次伸線の減面率を80%から95%とし、その後400℃から495℃の一次低温熱処理を行い、
    又は前記金属素線がMoを含むオーステナイト系ステンレス鋼線のときには、その後400℃から525℃の一次低温熱処理を行い、
    前記一次低温熱処理による引張破断強度の増加率を10%以上とし、二次伸線の減面率を40%から79%とし、その後400℃から495℃の二次低温熱処理を行い、
    又は前記金属素線がMoを含むオーステナイト系ステンレス鋼線のときには、その後400℃から525℃の二次低温熱処理を行い、
    前記二次低温熱処理による引張破断強度の増加率を5%以上とする前記金属素線から成ることを特徴とする釣糸。
  3. 素線直径が0.008mmから0.120mmの金属素線から成る釣糸において、
    前記金属素線は、固溶化処理したオーステナイト系ステンレス鋼線を用いて、一次伸線の減面率を90%から96%とし、その後400℃から495℃の一次低温熱処理を行い、
    又は前記金属素線がMoを含むオーステナイト系ステンレス鋼線のときには、その後400℃から525℃の一次低温熱処理を行い、
    前記一次低温熱処理による引張破断強度の増加率を10%以上とし、二次伸線の減面率を50%から89%とし、その後400℃から495℃の二次低温熱処理を行い、
    又は前記金属素線がMoを含むオーステナイト系ステンレス鋼線のときには、その後400℃から525℃の二次低温熱処理を行い、
    前記二次低温熱処理による引張破断強度の増加率を10%以上として、その後最終伸線を設けて、前記最終伸線までの総減面率を97%から99.5%以下とし、
    前記最終伸線までの前記低温熱処理による引張破断強度の増加率の合計が20%以上とし、引張破断強度が340kgf/mm2 以上とした前記金属素線から成ることを特徴とする釣糸。
  4. 芯材と前記芯材の外側に側材を設け、前記側材の外側に樹脂被膜の外層材から成る釣糸において、
    前記芯材と前記側材、又は前記側材が請求項1〜3のいずれか一つに記載の前記金属素線から成り、前記側材が前記芯材の外側に複数本撚合させて撚合方向が長手方向に対して連続して一方向螺旋状に巻回形成する撚合構成としたことを特徴とする釣糸。
  5. 請求項4記載の釣糸において、
    前記芯材は、28dtexから440dtexの繊度の低伸度高強力樹脂繊維から成り、前記側材は、請求項1〜3のいずれか一つに記載の前記金属素線を用いて、前記芯材の外側に複数本撚合構成し、
    前記撚合構成が、複数の前記金属素線の相互が接触する凸凹部を有する凸凹状隆条部と前記金属素線が欠落した凹条溝部とから成る凸凹条とし、前記撚合構成した前記金属素線から成ることを特徴とする釣糸。
  6. 請求項4〜5のいずれか一つに記載の釣糸において、
    前記芯材と前記側材、又は前記側材に前記金属素線を用いて、かつ熱伝導率k(W・m-1・K-1)が180℃で17以上、又は300℃で18以上である前記金属素線を用いて撚合構成した後に、撚合構成した前記金属素線へ、前記外層材の樹脂被膜成形による伝導熱、対流熱、又は放射熱による180℃から300℃の低温熱処理を行い、
    前記芯材と前記側材、又は前記側材の引張破断力を前記外層材の樹脂被膜成形前の引張破断力よりも増大させたことを特徴とする釣糸。
  7. 請求項4〜6のいずれか一つに記載の釣糸を用いて、前記釣糸をスピニングリールと釣竿とを連結し、前記釣糸の前記側材の複数の前記金属素線の撚合方向が、前記スピニングリールの回転・巻き取りから発生する前記釣糸を捩じり回転させる方向と反対の撚合方向としたことを特徴とする請求項4〜6のいずれか一つに記載の釣糸とスピニングリールと釣竿との組立体。
  8. 請求項4〜6のいずれか一つに記載の釣糸を用いて、前記釣糸を天上糸とハナカン回り糸と連結し、前記天上糸を前記釣竿と連結したことを特徴とする請求項4〜6のいずれか一つに記載の釣糸と天上糸とハナカン回り糸と釣竿との組立体。
  9. 芯材と前記芯材の外側に側材を設け、前記側材の外側に樹脂被膜の外層材から成る釣糸の製造方法において、
    前記芯材と前記側材、又は前記側材が複数本の金属素線から成り、前記金属素線は、固溶化処理したオーステナイト系ステンレス鋼線を用いて、伸線工程と伸線工程後に400℃から495℃で10分から180分の低温熱処理工程を設けて、
    又は前記金属素線がMoを含むオーステナイト系ステンレス鋼線のときには400℃から525℃で10分から180分の低温熱処理工程を設けて、
    前記伸線工程と前記低温熱処理工程を1セットとして少なくとも1セット以上各工程を繰り返した後に最終伸線工程を設けて、前記最終伸線工程までの総減面率を95%から99.5%以下とし、前記最終伸線工程までの前記低温熱処理による引張破断強度の増加率の合計が15%以上で、引張破断強度が300kgf/mm2 以上とし、かつ
    前記金属素線の素線直径が0.008mmから0.120mmとし、
    前記金属素線を複数本用いて、前記芯材と前記芯材の外側に前記側材を設けて、長手方向に対して連続して一方向螺旋状に巻回形成する撚合工程と、前記外層材の樹脂被膜成形工程から成ることを特徴とする釣糸の製造方法。
  10. 請求項9記載の釣糸の製造方法において、
    前記芯材は28dtexから440dtexの繊度の低伸度高強力樹脂繊維から成り、 撚線機を用いて集合治具の中心内部へ前記芯材を挿入する工程と、
    前記集合治具の外周側から前記側材を前記芯材とともにボイス内へ張設する工程と、
    前記集合治具と前記側材とを一体的に回転させて前記側材を前記芯材の外側へ撚合構成し、撚合時の前記側材の複数の金属素線の集合位置が、前記ボイス端と前記集合治具端との間の距離の3/4の範囲の中央部分の位置とし、前記側材の複数の前記金属素線の相互が接触する凸凹部を有する凸凹状隆条部と前記金属素線が欠落した凹条溝部から成る凸凹条の撚合工程と、
    前記外層材の樹脂被膜成形工程から成ることを特徴とする釣糸の製造方法。
  11. 請求項9〜10のいずれか一つに記載の釣糸の製造方法において、
    前記芯材と前記側材、又は前記側材に前記金属素線を用いて、かつ熱伝導率k(W・m-1・K-1)が180℃で17以上、又は300℃で18以上である前記金属素線を用いて撚合構成した後に、前記外層材の樹脂被膜成形工程が、前記外層材の樹脂被膜成形による伝導熱、対流熱、又は放射熱による180℃から300℃の低温熱処理工程とし、
    前記芯材と前記側材、又は前記側材の引張破断力を前記外層材の樹脂被膜成形前の引張破断力よりも増大させたことを特徴とする釣糸の製造方法。
  12. 請求項9〜11のいずれか一つに記載の釣糸の製造方法において、
    前記金属素線の伸線工程と低温熱処理工程を1セットとして少なくとも1セット以上とする工程が、
    減面率が80%から95%の一次伸線工程と、
    400℃から495℃で10分から180分の一次低温熱処理工程と、
    又は前記金属素線がMoを含むオーステナイト系ステンレス鋼線のときには400℃から525℃で10分から180分の一次低温熱処理工程と、
    減面率が40%から79%の二次伸線工程と、
    400℃から495℃で10分から180分の二次低温熱処理工程とし、
    又は前記金属素線がMoを含むオーステナイト系ステンレス鋼線のときには400℃から525℃で10分から180分の二次低温熱処理工程とし、
    その後最終伸線工程までの総減面率が95%から99.5%以下の前記金属素線から成ることを特徴とする釣糸の製造方法。
  13. 請求項9〜12のいずれか一つに記載の釣糸の製造方法において、
    前記金属素線の一次伸線工程から最終伸線工程前の各伸線工程における減面率が4%から20%の複数のダイスを用いて連続伸線する工程と、
    最終伸線工程における減面率が4%から20%の複数のダイスを用いて連続伸線し、かつ最終ダイスの減面率は4%から13%で最終伸線工程内で最も減面率を小とするダイス配列の連続伸線する工程とし、
    前記伸線工程の前記金属素線から成ることを特徴とする釣糸の製造方法。
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