JP2011009725A - Led光源装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】LED素子の発光強度分布に応じた透明樹脂層をLED素子に被覆することで、その透明樹脂層の表面に膜厚が均一の蛍光体層を形成することにより、混色性が良好で色むらが少なく発光効率に優れたLED光源装置の製造方法を提供する。
【解決手段】基板上にLED素子を実装する工程(M2)と、光硬化型樹脂を塗布する工程(M3)と、LED素子を自発光させることによりLED素子周りの樹脂部材を部分的に硬化させる工程(M4)と、樹脂部材の内の未硬化部分を洗浄する工程(M5)と、乾燥する工程(M6)と、によってLED素子を被覆する透明樹脂層と蛍光体層とを積層して形成するLED光源装置の製造方法とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、発光素子から発せられる光を受けて励起されることにより波長変換光を発する蛍光体層を備えたLED光源装置の製造方法に関する。
従来、化合物半導体である発光ダイオード(以下、LEDと略す)は、長寿命や小型化の特徴を生かして光源装置として幅広く利用されている。また、窒化ガリウム系化合物半導体(以下、GaN系半導体と略す)等による青色を発光するLEDが開発され製品化されたことにより、LED素子を封止する樹脂に黄色光を発する蛍光体を含有させ、青色光と黄色光との混合により疑似白色光を得る光源装置が実用化されている。また、GaN系半導体により紫外光〜近紫外光(例えば350〜410nm)にピーク波長を有するLEDが開発され、この紫外光〜近紫外光を受けて励起されることにより、赤色光、緑色光、青色光を発する三種類の蛍光体を用いて白色光を得る光源装置も開示されている。
このような白色LEDにおいて、光硬化性蛍光体含有組成物をLED素子に塗布した後、LED素子を発光させて光硬化性蛍光体含有組成物を硬化させる製造方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この白色発光ダイオードの製造方法は、LED素子の表面に光硬化性蛍光体含有組成物層を形成する工程と、LED素子を自発光させて光硬化性蛍光体含有組成物を硬化する工程と、硬化工程後に光硬化性蛍光体含有組成物の硬化物を残すように未硬化物を除去する工程とを備えている。そして、LED素子として紫外線LEDを使用する場合は、光硬化性蛍光体含有組成物の中に青色蛍光体、赤色蛍光体、緑色蛍光体をそれぞれ配合することが示されている。
そして、光硬化性蛍光体含有組成物に含有される蛍光体粒子の混合にむらが生じても、蛍光体粒子が多く存在する光路では、組成物の硬化が進まないので硬化領域が薄くなり、蛍光体粒子が少ない光路では、組成物の硬化が進むので硬化領域が厚くなることが示されている。
特開2008―159756号公報(第4頁、第10頁)
しかしながら、特許文献1の白色発光ダイオードの製造方法では、LED素子を被覆する組成物の中に、青色蛍光体、赤色蛍光体、緑色蛍光体の3種類の蛍光体粒子が混合されるが、それぞれの蛍光体粒子は、比重が異なると共に粒径も異なるので、組成物中に混合するときに均一に分散することが難しく、一例としてある部分では赤色蛍光体が集中し、他の部分では青色蛍光体が集中するといった状況が起きやすい。このような蛍光体の偏りによって混色性が悪化し、個々のLEDで色むらが発生するなどの問題がある。
また、LED素子を自発光させて光硬化性蛍光体含有組成物を硬化すると、硬化によって形成される蛍光体層はLED素子の発光強度に依存して形成され、LED素子を中心にして略半円球状となる。これは、LED素子からの出射光には指向性が存在し、LED素子から垂直に出射される光は強く、LED素子から斜めに出射される光は弱くなるので、LED素子の垂直方向(正面)の蛍光体層は厚く、LED素子の斜め方向の蛍光体層は次第に薄くなるからである。そして、このLED素子を被覆する蛍光体層が略半円形状であ
ることによって、LED素子からの出射光の発光角度が異なると、蛍光体層を通過する光の経路長が異なるので、発光角度による色むら(色度ばらつき)が発生する問題がある。
ここで、従来のLED光源装置の問題点について説明する。図25は、上記の問題を説明する従来のLED光源装置の一例を示した図である。図25では、LED光源装置300として、特許文献1などで開示されている従来構成を示した。
図25に示すLED光源装置300は、基板301にLED素子302が実装され、このLED素子302を被覆する蛍光体層310は、光硬化性蛍光体含有組成物がLED素子の自発光によって硬化した領域であり、LED素子302の発光強度に応じて略半円球状に形成される。
すなわち、LED素子302から垂直方向に出射される出射光320aは発光強度が強いので、LED素子302の出射面302aから遠い距離まで蛍光体層310の硬化が進む。また、LED素子302から図面上左側の斜め方向に出射される出射光320bは発光強度が弱いので、LED素子302の出射面302aから比較的近い距離で蛍光体層310の硬化が停止する。また、LED素子302から図面上右側の斜め方向に出射される出射光320cも発光強度が弱いので、LED素子302の出射面302aから比較的近い距離で蛍光体層310の硬化が停止する。このように、蛍光体層310の形状は、LED素子302から垂直方向の距離が長くなり、LED素子302から斜め方向は次第に短くなるので、LED素子302を中心として略半円球状に形成される。そして、この蛍光体層310は、青色蛍光体、赤色蛍光体、緑色蛍光体の3種類の蛍光体311が混合して含有されている。
ここで、LED光源装置300が駆動されると、LED素子302から垂直に出射される出射光320aは、蛍光体層310を通過して外部に出射されるが、このときのLED素子302の出射面302aから蛍光体層310を通る長さを、「経路長321a」とする。また、LED素子302から図面上左側の斜め方向に出射される出射光320bは、同様に蛍光体層310を斜めに通過して外部に出射されるが、このときのLED素子302の出射面302aから蛍光体層310を通る長さを、「経路長321b」とする。また、LED素子302から図面上右側の斜め方向に出射される出射光320cは、同様に蛍光体層310を斜めに通過して外部に出射されるが、このときのLED素子302の出射面302aから蛍光体層310を通る長さを、「経路長321c」とする。
また、垂直方向の経路長321aと斜め方向の経路長321b、321cは、前述したようにLED素子302の出射面302aから蛍光体層310が終わるまでの距離が方向によって異なるので、垂直方向の経路長321aが長く、斜め方向の経路長321b、321cが短くなることが理解できる。これにより、垂直方向の出射光320aは、経路長321aが長いので蛍光体層310の中の多くの蛍光体311に入射し吸収される。また、左右斜め方向の出射光320b、320cは、経路長321b、321cが短いので蛍光体層310の中の少ない蛍光体311に入射し吸収される。従って、LED素子302からの出射光の発光角度によって、出射光の波長変換の割合が異なることになる。
すなわち、LED素子302の垂直方向の出射光320aは、波長変換される割合が多いので変換光の光量が多くなるが、LED素子302の左右斜め方向の出射光320b、320cは、波長変換される割合が少ないので変換光の光量が少ない。この結果、出射光の発光角度によって色むらが発生することになり問題である。
また、別の問題として、各蛍光体による波長変換光の相互作用による問題がある。この問題を説明するために、一般的な青色蛍光体、緑色蛍光体、赤色蛍光体の特性について図面を用いて説明する。図26(a)(b)(c)は、青色、緑色、赤色のそれぞれの蛍光
体の発光Emと励起Exの特性を示しており、X軸は光の波長であり、Y軸は強度を表している。
ここで、図26(a)は、一般的な青色蛍光体の特性を示しており、この青色蛍光体は、図示するように波長450nm付近に発光Emのピークがあり、励起Exは、430nm位より短波長、すなわち、紫外光から近紫外光の波長によって励起するので、可視光はほとんど吸収されず透過する。
また、図26(b)は、一般的な緑色蛍光体の特性を示しており、この緑色蛍光体は、図示するように波長530nm付近に発光Emのピークがあり、励起Exは、500nm位より短波長によって励起する。この特性により、緑色蛍光体は500nm位より短波長の光を吸収する。
また、図26(c)は、一般的な赤色蛍光体の特性を示しており、この赤色蛍光体は、図示するように波長650nm付近に発光Emのピークがあり、励起Exは、600nm位より短波長によって励起する。この特性により、赤色蛍光体は600nm位より短波長の光を吸収する。
このように、各色のそれぞれの蛍光体は、励起される波長が異なるという特性を有する。このため、青色蛍光体、緑色蛍光体、赤色蛍光体が、特許文献1で示されるように一つの組成物中に混合されると、各蛍光体が発光する波長変換光が混ざり合うことになり、青色蛍光体からの450nmの蛍光は、緑色蛍光体と赤色蛍光体に吸収され、また、緑色蛍光体からの530nmの蛍光は、赤色蛍光体によって吸収される。すなわち、従来の特許文献1のように、波長変換光が異なる蛍光体が組成物の中に混合されると、蛍光体の2次励起が発生し、この結果、青色の波長変換光と緑色の波長変換光が吸収されて弱められるので、LEDの発光効率が悪化して輝度低下が生じ、また、蛍光体の混合状態によって個々のLEDに輝度ばらつきや色むらが生じるなどの問題がある。
本発明の目的は上記課題を解決し、LED素子を被覆する透明樹脂層の表面に膜厚が均一の蛍光体層を形成することにより、混色性が良好で色むらが少なく発光効率に優れたLED光源装置の製造方法を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明のLED光源装置の製造方法は、下記記載の製造方法を採用する。
本発明のLED光源装置の製造方法は、LED素子を被覆する封止樹脂を硬化して形成するLED光源装置の製造方法において、透明樹脂を、LED素子を被覆して塗布する工程と、LED素子を自発光させることにより、LED素子周りの透明樹脂を、部分的に硬化させる工程と、透明樹脂の内の未硬化の樹脂を除去して、透明樹脂層を形成する工程と、第1の蛍光体を含む第1の蛍光体層を、透明樹脂層の表面に形成する工程と、を有することを特徴とする。
また、上記透明樹脂層には、散乱材が混入されてなることを特徴とする。
また、第1の蛍光体層を形成する工程が、第1の蛍光体を含む第1の樹脂部材を、透明樹脂層の表面を覆って塗布する工程と、LED素子を自発光させることにより、透明樹脂層を透して、透明樹脂層を被覆する第1の樹脂部材を部分的に硬化させる工程と、第1の樹脂部材の内の未硬化部分を除去することで、第1の蛍光体層を形成する工程と、を有することを特徴とする。
また、第1の蛍光体層を形成した後に、第1の蛍光体とは異なる第2の蛍光体を含む第2の樹脂部材を、第1の蛍光体層を被覆して塗布する工程と、LED素子を自発光させることにより、第1の蛍光体層周りの第2の樹脂部材を、部分的に硬化させる工程と、第2の樹脂部材の内の未硬化部分を除去することで、第2の蛍光体層を形成する工程と、を有することを特徴とする。
また、第2の蛍光体層を形成した後に、第1または第2の蛍光体とは異なる第3の蛍光体を含む第3の樹脂部材を、第2の蛍光体層を被覆して塗布する工程と、LED素子を自発光させることにより、第2の蛍光体層周りの第3の樹脂部材を、部分的に硬化させる工程と、第3の樹脂部材の内の未硬化部分を除去することで、第3の蛍光体層を形成する工程と、を有することを特徴とする。
また、LED素子が、n−UV発光ダイオードであり、第1の蛍光体が、LED素子からの発光色を赤色に変換する蛍光体であり、第2の蛍光体が、LED素子からの発光色を緑色に変換する蛍光体であり、第3の蛍光体が、LED素子からの発光色を青色に変換する蛍光体であることを特徴とする。
また、LED素子が、青色発光ダイオードであり、第1の蛍光体が、LED素子からの発光色を黄色に変換する蛍光体であることを特徴とする。
また、LED素子が、青色発光ダイオードであり、第1の蛍光体が、LED素子からの発光色を赤色に変換する蛍光体であり、第2の蛍光体が、LED素子からの発光色を緑色に変換する蛍光体であることを特徴とする。
また、最表面に形成された蛍光体層を、更に透明性の封止材料で封止することを特徴とする。
また、基板に設けた電極部とLED素子とを電気的に接続したワイヤを介してLED素子に電流を供給することで、LED素子を自発光させることを特徴とする。
また、LED光源装置を、集合基板に複数個並べて、多数個同時に自発光させることにより、個々のLED素子の周りに、決定した膜厚の透明樹脂層を形成することを特徴とする。
本発明のLED光源装置の製造方法によれば、封止樹脂に光硬化型樹脂を用いることにより、LED素子の自発光によってLED素子を被覆する透明樹脂層を形成し、その透明樹脂層の表面にLED素子の発光色を波長変換する蛍光体層をLED素子の自発光によって形成することができる。
これにより、LED素子を直接被覆する透明樹脂層は、LED素子の発光強度分布に応じて略半円球状に形成され、この透明樹脂層の表面に膜厚が均一の蛍光体層を形成することができる。この結果、LED素子から出射される出射光が蛍光体層のどの場所を通過しても経路長が等しいので、どの発光角度に対しても色むらの少ないLED光源装置を製造することができる。
また、本発明で製造されたLED光源装置の蛍光体層に、一種類の蛍光体のみを含有させれば、蛍光体の比重や粒径の違いによる分散の偏りが生じることがなく、蛍光体が均一に分散された蛍光体層を形成することができる。この結果、LED素子からの出射光が蛍
光体層の蛍光体粒子に均一に入射して波長変換が行われ、混色性が良好で色むらの少ないLED光源装置を製造することができる。
また、上記構成におけるLED素子の直近に最も長波長の赤色蛍光体を含有する蛍光体層とし、次に緑色蛍光体を含有する蛍光体層を配置し、最表面に短波長の青色蛍光体を含有する蛍光体層を配置することによって、各蛍光体による波長変換光の相互作用の影響を抑制できるので、蛍光体の2次励起が抑制されて光源装置の発光効率が向上し、高輝度で輝度ばらつきの少ないLED光源装置を製造することができる。
また、LED素子の自発光によって光硬化型樹脂、または熱硬化型樹脂を硬化させることで、LED素子と基板を電気的に接続するワイヤに影響されずに、蛍光体層を薄い膜状に変形が無く形成できる。つまり、本発明は、特にワイヤボンディングによる実装構成に適した製造方法である。
また、光硬化型樹脂または熱硬化型樹脂を硬化させるためのLED素子の自発光時間や
LED素子に供給する電流値を変えることで、透明樹脂層及び各蛍光体層の膜厚をそれぞれ任意に制御できるので、発光の色味調整を容易に実現でき、色バランスが最適な白色LED光源装置を製造することができる。
また、LED素子を集合基板上に複数個実装し、多数個同時に自発光させることにより、個々のLED素子を被覆する透明樹脂層と蛍光体層を均一に形成することができるので、色むらや輝度ばらつき等が少なく特性が均一なLED光源装置を、一括して大量に製造することができる。
本発明の実施例1に係わるLED光源装置の製造方法の工程を示すフローチャートである。 本発明の実施例1に係わる集合基板の製造工程を説明する平面図および断面図である。 本発明の実施例1に係わるLED素子の実装工程を説明する平面図および拡大断面図である。 本発明の実施例1に係わる実装工程によって形成されるLED素子の接続を説明する回路図である。 本発明の実施例1に係わる透明樹脂を塗布するポッティング工程を説明する拡大断面図である。 本発明の実施例1に係わる透明樹脂の硬化工程を説明する平面図および拡大断面図である。 本発明の実施例1に係わる透明樹脂の洗浄工程を説明する模式的な断面図である。 本発明の実施例1に係わる透明樹脂の乾燥工程を説明する拡大断面図である。 本発明の実施例1に係わる第1の樹脂部材を塗布するポッティング工程を説明する拡大断面図である。 本発明の実施例1に係わる第1の樹脂部材の硬化工程を説明する拡大断面図である。 本発明の実施例1に係わる集合基板上に形成された透明樹脂層と蛍光体層を説明する斜視図および拡大断面図である。 本発明の実施例1に係わる集合基板上のLED素子と蛍光体層を封止する封止工程を説明する斜視図である。 本発明の実施例1に係わる集合基板上に完成した多数のLED光源装置を分離する切断工程と、切断工程によって完成した単個のLED光源装置とを示す斜視図である。 本発明の実施例1に係わるLED光源装置の構造と出射光の経路長を説明する断面図である。 本発明の実施例1に係わるLED光源装置の動作を説明する断面図である。 本発明の実施例2に係わる3層の蛍光体層を有するLED光源装置の構成を説明する断面図である。 本発明の実施例2に係わるLED光源装置の出射光の経路長を説明する断面図である。 本発明の実施例2に係わるLED光源装置の動作を説明する断面図である。 本発明の実施例2の変形例1に係わるLED光源装置の構成と動作を説明する断面図である。 本発明の実施例2の変形例2に係わる2層の蛍光体層を有するLED光源装置の構成と動作を説明する断面図である。 本発明の実施例2の変形例3に係わるLED光源装置の構成と動作を説明する断面図である。 本発明の実施例3に係わるLED光源装置の製造方法の工程を示すフローチャートである。 本発明の実施例3に係わる塗布による蛍光体層を有するLED光源装置の構成と動作を説明する断面図である。 本発明の実施例3の変形例に係わる光硬化型樹脂による1層の蛍光体層と塗布による蛍光体層とを有するLED光源装置の構成と動作を説明する断面図である。 従来のLED光源装置の出射光の経路長を説明する断面図である。 一般的な青色蛍光体、緑色蛍光体、赤色蛍光体の特性の一例を示すグラフである。
以下図面に基づいて本発明のLED光源装置の製造方法の具体的な実施の形態、及びその変形例を詳述する。
[実施例1のLED光源装置の製造工程の概略説明:図1]
まず、本発明の実施例1の製造工程の概略を図1によって説明する。図1は本発明の実施例1の製造工程の全体概略を示すフローチャートである。尚、各製造工程の詳細は後述する。実施例1の特徴はLED素子が青色光を発光する青色LED素子であり、このLED素子を光硬化型樹脂である透明樹脂層で被覆し、その透明樹脂層を1層の蛍光体層で被覆した白色光を発光するLED光源装置の製造方法である。
図1に示すように、まず、複数のLED素子を実装するための集合基板を製造する集合基板製造工程を実施する(工程M1)。
次に、完成した集合基板上に複数のLED素子を固着し、各LED素子をワイヤボンディングによって集合基板の電極部と電気的に接続するLED素子実装工程を実施する(工程M2)。
次に、透明樹脂を集合基板上に実装した複数のLED素子に被覆するポッティング工程を実施する(工程M3)。尚、透明樹脂は光硬化型樹脂である。
次に、実装したLED素子のそれぞれに所定の電流を流してLED素子を自発光させ、LED素子周辺の透明樹脂を部分的に硬化させる樹脂硬化工程を実施する(工程M4)。
次に、透明樹脂によって被覆された集合基板を有機溶剤に浸して、未硬化部分の透明樹脂を除去する洗浄工程を実施する(工程M5)。
次に、洗浄した集合基板を加熱等によって乾燥させる乾燥工程を実施する(工程M6)。これにより、複数のLED素子の周辺に透明樹脂層が形成される。ここで、ポッティング工程(工程M3)〜乾燥工程(工程M6)までを樹脂形成工程と呼ぶ。
次に、ループL1によって乾燥工程(工程M6)からポッティング工程(工程M3)に戻り、第1の蛍光体を含有する第1の樹脂部材を透明樹脂層の表面に被覆するための2回目の樹脂形成工程を実施する。すなわち、ポッティング工程を再び実施し、その後、樹脂硬化工程(工程M4)から乾燥工程(工程M6)まで実施する。これにより、透明樹脂層を被覆する膜状の第1の蛍光体層が形成される。尚、第1の樹脂部材も光硬化型樹脂である。すなわち、樹脂形成工程を2回繰り返して実施することで、LED素子を直接被覆する透明樹脂層が形成され、更にこの透明樹脂層の表面を覆う1層の蛍光体層が形成される。
次に、2回目の樹脂形成工程の最後の乾燥工程(工程M6)が終了したならば、集合基板上の最表面に形成された第1の蛍光体層に透明性の封止部材を充填し封止する封止工程を実施する(工程M8)。
次に、封止部材によって封止された集合基板を所定の切断位置で切断し、複数個のLED光源装置を完成させる(工程M9)。
[実施例1の集合基板製造工程(工程M1)の説明:図2]
次に、本発明の実施例1の集合基板の製造工程の詳細を図2によって説明する。図2は本発明によって製造されるLED光源装置の集合基板を示し、図2(a)は集合基板の平面図であり、図2(b)は図2(a)の切断線A−A´で切断した集合基板の断面図である。
図2(a)(b)に示すように、1はLED光源装置を複数個並べて集合する集合基板であり、エポキシ材等の絶縁性基板で形成される。2a〜2eは、集合基板1の表面と裏面に同一形状で形成される略長方形状の電極であり、導電性の銅箔等によって成る。ここで、電極2aは図示するように集合基板1上に所定の間隔で図面上縦に形成され、また、電極2bは電極2aに隣接し、電極2aと同様に集合基板1上に所定の間隔で図面上縦に形成される。また、電極2c〜2eも同様に集合基板1上に所定の間隔で図面上縦に形成される。
これにより、電極2a〜2eは、集合基板1の表面と裏面にマトリクス状に形成され、図2においては、図面上横方向で5列、図面上縦方向で6行、合計30個の電極2a〜2eが形成されるが、電極2a〜2eは、この個数に限定されるものではなく、集合基板1の大きさや電極形状等によって任意の数に形成して良い。尚、集合基板1の裏面においても、表面の電極2a〜2eと同一位置に同一形状の電極2a〜2eが形成される。
また、3a〜3eは、集合基板1の表面と裏面の電極2a〜2eの領域内に形成されるスルホールである。ここでスルホール3aは、電極2aの領域内で図面上左側に寄った位置に形成され、集合基板1の表面の電極2aと裏面の電極2aを電気的に接続する。また、スルホール3bは、電極2bの領域内で図面上左側に寄った位置に形成され、集合基板1の表面の電極2bと裏面の電極2bを電気的に接続する。同様に、スルホール3c〜3eは、電極2c〜2eのそれぞれの領域内で図面上左側に寄った位置に形成され、集合基板1の表面の電極2c〜2eと裏面の電極2c〜2eをそれぞれ電気的に接続する。
また、4と5は電極端子であり、集合基板1の図面上左右の端部に電極2aと電極2eにそれぞれ接してライン状に形成される。ここで、電極端子4は電極2aの端部に接して形成されるので、すべての電極2aは電極端子4によって電気的に接続する。また、電極端子5は電極2eの端部にそれぞれ接して形成されるので、すべての電極2eは電極端子5によって電気的に接続する。この電極端子4、5は、集合基板1に実装されるLED素子に電流を供給する端子として用いられるが、詳細は後述する。尚、図2に示す集合基板1の電極パターンは一例を示すものであり、電極パターンの構成は限定されるものではない。
[実施例1のLED素子の実装工程(工程M2)の説明:図3、図4]
次に、本発明の実施例1のLED素子の実装工程の詳細を図3及び図4によって説明する。図3は本発明の実施例1のLED素子の実装工程を示し、図3(a)はLED素子が実装された集合基板の平面図であり、図3(b)はLED素子が実装された集合基板の拡大断面図である。
図3(a)(b)に示すように、まず、LED素子の実装工程として、集合基板1の表面の電極2a〜2dの図面上略右半分の領域(すなわち、スルホール3a〜3d以外の領域)に、青色LED素子10を導電性接着剤等(図示せず)によって固着し実装する。すなわち、電極2a〜2dは図示するようにそれぞれ縦に6個ずつ形成されているので、縦6行、横4列の合計24個の青色LED素子10が1枚の集合基板1の表面に実装される。尚、図面上右端の電極2eには、実装されない。ここで、青色LED素子10は、発光波長が一例として450nm程度の青色光を発光するLED素子である。
次に、実装された青色LED素子10は、ワイヤボンダ(図示せず)によってワイヤボンディングされ、接続部材としての金細線によって成るワイヤ11と12で、電極2a〜2eに電気的に接続される。すなわち、図示するように、電極2aに実装された青色LED素子10のアノード(図示せず)はワイヤ11によって電極2aと電気的に接続され、青色LED素子10のカソード(図示せず)はワイヤ12によって横隣りの電極2bと電気的に接続される。
また同様に、電極2bに実装された青色LED素子10のアノード(図示せず)はワイヤ11によって電極2bと電気的に接続され、青色LED素子10のカソード(図示せず)はワイヤ12によって横隣りの電極2cと電気的に接続される。また同様に、電極2cに実装された青色LED素子10と、電極2dに実装された青色LED素子10も、ワイヤ11、12によってそれぞれの電極と電気的に接続される。
これにより、図面上横4列の青色LED素子10が、電極2a〜2eを介して電極端子4と5の間で直列に接続されることになる。また同様に、青色LED素子10は図面上縦方向の6行に実装されているので、6行すべての青色LED素子10もワイヤ11、12で電極2a〜2eに接続される。この結果、電極端子4と5の間にある4個の青色LED素子10が直列接続された6つの並列接続のグループによって成る合計24個の青色LED素子10による回路が形成される。
図4は、集合基板1上に実装される青色LED素子10の接続回路を示している。ここで前述したように、4個の青色LED素子10が一つのグループとして直列接続されており、更にこの6つのグループが並列に接続されているので、電極端子4に所定のプラス電圧を印加し、電極端子5にゼロ電圧を印加すれば、全ての青色LED素子10のアノードからカソードに駆動電流が流れて、全ての青色LED素子10を点灯させることができる。
尚、青色LED素子10の接続は、この実施例1に限定されず、電極端子4と5の接続パターンを工夫して、全ての青色LED素子10を直列接続にすることもできる。ここで、全ての青色LED素子10を直列接続するならば、全ての青色LED素子10に流れる電流値を同一にできるので、後述する樹脂の硬化工程において、個々の青色LED素子10に対する樹脂の硬化条件を合わせることができるが、実施例1のような直列−並列接続であっても、青色LED素子10の特性がグループ内で平均化されるので、ほぼ同一の硬化条件に合わせることができる。
[実施例1の透明樹脂のポッティング工程(工程M3)の説明:図5]
次に、本発明の実施例1のポッティング工程の詳細を図5によって説明する。図5は本発明の実施例1のポッティング工程を説明する拡大断面図であり、集合基板1の一部を示している。
図5に示すように、集合基板1の表面に実装された全ての青色LED素子10を被覆する封止樹脂として、透明樹脂13をディスペンサ50によって塗布する。ここで用いる透明樹脂13は、蛍光体や散乱材等を含まない、クリアーな透明材料からなる。
また、透明樹脂13は、青色LED素子10の自発光によって硬化する光硬化型のシリコーン樹脂によって成る。尚、透明樹脂13が集合基板1の表面の全面に塗布され、全ての青色LED素子10を被覆するように、図示しないが、ディスペンサ50を集合基板1に対して移動させながら、樹脂を吐出すると良い。これにより、透明樹脂13は集合基板1上の全ての青色LED素子10とワイヤ11、12を被覆することができる。
[実施例1の透明樹脂の樹脂硬化工程(工程M4)の説明:図6]
次に、本発明の実施例1の樹脂硬化工程の詳細を図6によって説明する。図6は本発明の実施例1の樹脂硬化工程を示し、図6(a)は透明樹脂が塗布された集合基板に直流電源を接続することを示す平面図であり、図6(b)は集合基板上のLED素子が自発光して透明樹脂を硬化させることを模式的に示す拡大断面図である。
図6(a)に示すように、透明樹脂13が全面に塗布された集合基板1の電極端子4と5に、所定の電圧を出力する直流電源6を接続する。すなわち、電極2aを介して青色LED素子10のアノードに接続する電極端子4に、直流電源6のプラスライン6aがスイッチSWを介して接続され、電極2eを介して青色LED素子10のカソードに接続する電極端子5に、直流電源6のマイナスライン6bが接続される。尚、スイッチSWは直流電源6からの電流をON/OFFする機能を有し、青色LED素子10に所定の時間だけ駆動電流を供給するように制御する。
次に、図6(b)において、前述のスイッチSWが所定の時間だけONすると、集合基板1上のすべての青色LED素子10にワイヤ11、12を介して駆動電流が供給されて、青色LED素子10は自発光を行い、青色光の出射光15を発光する。これにより、青色LED素子10を被覆する透明樹脂13は、この出射光15に照射される。そして、透明樹脂13は前述したように光硬化型樹脂であるので、出射光15によって青色LED素子10近傍の透明樹脂13の領域が部分的に硬化を開始して、青色LED素子10周りに略半円球状の透明樹脂層14が形成される。
すなわち、課題の欄で前述したことと同様に、青色LED素子10から垂直方向に出射される出射光15は発光強度が強いので、青色LED素子10から遠い距離まで透明樹脂13の硬化が進む。また、青色LED素子10の左右斜め方向に出射される出射光15は発光強度が弱いので、青色LED素子10から比較的近い距離で透明樹脂13の硬化が停止する。従って、透明樹脂13の硬化により形成される透明樹脂層14の形状は、青色L
ED素子10から垂直方向の距離が長く、青色LED素子10から斜め方向の距離が次第に短くなるので、青色LED素子10を中心として略半円球状に形成される。
また、この透明樹脂層14の厚さ(大きさ)は、青色LED素子10からの出射光15の発光強度分布によって決定されるので、青色LED素子10に供給される駆動電流の大きさと供給時間によって透明樹脂層14の厚さを制御して、透明樹脂層14の大きさを制御することができる。すなわち、透明樹脂層14の膜厚を厚く形成するには、青色LED素子10に供給される駆動電流の値を大きくするか、駆動電流の供給時間を長くするか、または、その両方を実施すれば良く、また反対に、透明樹脂層14の膜厚を薄く形成するには、青色LED素子10に供給される駆動電流の値を小さくするか、駆動電流の供給時間を短くするか、または、その両方を実施すれば良い。
[実施例1の透明樹脂の洗浄工程(工程M5)の説明:図7]
次に、本発明の実施例1の洗浄工程の詳細を図7によって説明する。図7は本発明の実施例1の洗浄工程を示す模式的な断面図である。
図7に示すように、透明樹脂13内に透明樹脂層14が形成された集合基板1(図面上では集合基板1の一部のみを記載)を有機溶剤51に浸して、透明樹脂13内の未硬化部分を除去する。尚、未硬化部分とは、透明樹脂13内で透明樹脂層14以外の領域である。また、有機溶剤51としては、アセトン、トルエン、キシレン等が好ましく、超音波洗浄等によって洗浄することにより、未硬化部分を短時間で確実に除去することができる。これにより、青色LED素子10の周辺には、略半円球状の透明樹脂層14のみが残ることになる。
[実施例1の透明樹脂の乾燥工程(工程M6)の説明:図8]
次に、本発明の実施例1の乾燥工程の詳細を図8によって説明する。図8は本発明の実施例1の乾燥工程を示す拡大断面図である。
図8に示すように、有機溶剤によって透明樹脂13(図7参照)内の未硬化部分が除去された集合基板1(図面上では集合基板1の一部のみを記載)を、加熱炉等(図示せず)に入れて、図示するように熱52またはエアー等によって乾燥させる。これにより、集合基板1に付着していた有機溶剤が除去されて、すべての青色LED素子10を被覆する略半円球状の透明樹脂層14が形成される。
[実施例1の2回目の樹脂形成工程の説明:図9、図10]
次に、本発明の実施例1の第1の樹脂部材による第1の蛍光体層を形成するための2回目の樹脂形成工程の詳細を説明する。まず、第1の樹脂部材を塗布するポッティング工程を図9によって説明する。図9は本発明の実施例1の第1の樹脂部材を塗布するポッティング工程を説明する拡大断面図であり、集合基板1の一部を示している。
図9に示すように、集合基板1の表面に実装された全ての青色LED素子10は、前述したように、透明樹脂の一部が硬化した透明樹脂層14によって被覆されているが、その上から、第1の蛍光体20を含有する第1の樹脂部材21をディスペンサ50によって塗布する。尚、第1の蛍光体20は模式的に図示しており、実際には微小な粒子である。
ここで、第1の蛍光体20は、青色LED素子10からの発光色を黄色に変換するYAG系蛍光体であり、第1の樹脂部材21は光によって硬化する光硬化型のシリコーン樹脂によって成る。尚、第1の樹脂部材21が集合基板1の表面の全面に塗布され、青色LED素子10を被覆する全ての透明樹脂層14を覆うように、図示しないが、ディスペンサ50を集合基板1に対して移動させながら、樹脂を吐出すると良い。これにより、集合基
板1上の全ての青色LED素子10とワイヤ11、12、及び透明樹脂層14を被覆することができる。
次に、本発明の実施例1の第1の樹脂部材の樹脂硬化工程の詳細を図10によって説明する。図10は集合基板上のLED素子が自発光して第1の樹脂部材を硬化させることを示す拡大断面図である。尚、青色LED素子10を自発光させるために集合基板1の電極端子4と5に直流電源6とスイッチSWを接続する構成は、前述の図6(a)と同様であるので、接続の説明は省略する。
図10に示すように、集合基板1の全面に第1の樹脂部材21が塗布された状態で、各青色LED素子10に再び駆動電流を供給すると、青色LED素子10は自発光を行い、出射光15を発光する。ここで、出射光15は透明樹脂層14を透して、第1の樹脂部材21を照射する。これにより、第1の樹脂部材21の一部分であって、青色LED素子10に近く、透明樹脂層14の表面に隣接する領域が膜状に硬化を開始して、第1の硬化領域22が形成される。
ここで前述したように、透明樹脂層14は青色LED素子10の発光強度分布に応じて硬化して形成されるので、その透明樹脂層14の表面のどの場所でも青色LED素子10からの出射光15の発光強度は、ほぼ等しい状態となる。すなわち、青色LED素子10に対して垂直方向でも斜め方向でも、自発光によって硬化した透明樹脂層14の表面の発光強度は、ほぼ等しくなる。これにより、透明樹脂層14を透って第1の樹脂部材21を照射する出射光15は、どのような発光角度に対しても発光強度はほぼ等しいので、透明樹脂層14の表面に形成される第1の硬化領域22の膜厚は、透明樹脂層14の表面のどの場所でも、ほぼ等しく均一となる。
このように第1の硬化領域22は、透明樹脂層14の表面を膜状に被覆し、その膜厚は、青色LED素子10からの出射光15の発光強度分布によって決定されるので、青色LED素子10に供給される駆動電流の大きさと駆動電流の供給時間によって第1の硬化領域22の膜厚を制御することができる。すなわち、第1の硬化領域22の膜厚を厚く形成するには、青色LED素子10に供給される駆動電流の値を大きくするか、供給時間を長くするか、または、その両方を実施すれば良く、また反対に、第1の硬化領域22の膜厚を薄く形成するには、青色LED素子10に供給される駆動電流の値を小さくするか、供給時間を短くするか、または、その両方を実施すれば良い。
ここで、前述したように、第1の樹脂部材21にはYAG蛍光体である第1の蛍光体20(図9参照)が含有されているので、黄色の波長変換光の光量を増加したい場合は、LED素子10への駆動電流の値または供給時間を、予め決めておいた基準値よりも多く設定し、第1の硬化領域22の膜厚を厚くして第1の蛍光体20の粒量を多くすれば良く、反対に、黄色の波長変換光の光量を減らしたい場合は、LED素子10への駆動電流の値または供給時間を、予め決めておいた基準値よりも少なく設定し、第1の硬化領域22の膜厚を薄くして第1の蛍光体20の粒量を少なくすれば良い。このように、第1の硬化領域22を形成するための青色LED素子10の駆動電流の値、または供給時間を制御することによって、黄色の波長変換光の光量を任意に調整することができる。尚、図10は図面を見やすくするために、第1の蛍光体20の図示を省略している。
次に、第1の樹脂部材21の樹脂硬化工程の後に、洗浄工程(工程M5)、乾燥工程(工程M6)を実施するが、これらの工程は、前述した透明樹脂層14を形成する工程と同様であるので説明は省略する。このように、2回目の樹脂形成工程によって形成される第1の硬化領域22は、YAG蛍光体である第1の蛍光体20(図9参照)を含有する第1の蛍光体層23として形成される。
この第1の蛍光体層23は、前述したように略半円球状に形成された透明樹脂層14の表面全体を被覆して膜厚が均一に形成されるので、青色LED素子10から出射される出射光15が第1の蛍光体層23のどの場所を通過しても、その出射光15の経路長が等しくなり、発光角度に対する色むらを抑制することができる。
このように、青色LED素子10を被覆する透明樹脂層14と第1の蛍光体層23は、青色LED素子10が自発光を2回繰り返すことによって硬化して形成される。ここで、青色LED素子10の自発光時間は、駆動電流を所定の値で一定(例えば、色度(x,y)=(0.3,0.3)狙いとし、供給する電流値を60mA)とすると、一例として、青色LED素子10を直接被覆する透明樹脂層14を形成するための自発光時間は20秒位であり、第1の蛍光体層23を形成するための自発光時間は60秒位である。このように、各層によって自発光時間が大きく異なるのは、各層と青色LED素子10の距離が異なることと、蛍光体による光の吸収の影響で外側の層になるほど、光強度が減少するからである。さらに、供給する電流値を30mA、10mAと低電流にし、長時間での硬化プロセスにすることで、再現性の高い膜厚管理が可能となる。
[実施例1の透明樹脂層と蛍光体層の積層構造の説明:図11]
次に、本発明の実施例1のLED光源装置の製造方法によって形成された透明樹脂層と蛍光体層の積層構造を図11によって説明する。図11は本発明の実施例1によって形成されたLED光源装置の透明樹脂層と1層の蛍光体層を示し、図11(a)は集合基板上のLED素子を被覆する蛍光体層を示す斜視図であり、図11(b)は透明樹脂層と蛍光体層の積層構造を示す集合基板の拡大断面図であり、集合基板1の側面の一部、すなわち、青色LED素子10の周辺部を示している。
図11(a)(b)に示すように、本発明の実施例1のLED光源装置の製造方法は、前述の集合基板製造工程(工程M1)から乾燥工程(工程M6)によって、まず集合基板1が製造され、この集合基板1の表面上に複数個の青色LED素子10が実装され、更に個々の青色LED素子10を被覆する透明樹脂層14と第1の蛍光体層23が積層して形成される。すなわち、略半円球状の透明樹脂層14が青色LED素子10を直接被覆し、その表面をYAG蛍光体である第1の蛍光体20を含有する第1の蛍光体層23が被覆される。
このように、本発明の実施例1の製造方法は、集合基板1上に多数の青色LED素子10を実装し、これらの青色LED素子10を同時に自発光させることで、多数の青色LED素子10を被覆する透明樹脂層14と蛍光体層を一括して形成することができるので、大量生産に好適な製造方法である。また、本実施例の製造方法を適用すれば、同じ集合基板1上に配列した、個々の青色LED素子10の発光強度が異なっていた場合であっても、個々の青色LED素子10の発光強度に応じた膜厚の蛍光体層を、容易に形成できる。
[実施例1の封止工程(工程M8)の説明:図12]
次に、本発明の実施例1の封止工程の詳細を図12によって説明する。図12は本発明の実施例1の封止工程を説明する斜視図である。
図12に示すように、集合基板1の最表面に第1の蛍光体層23が形成された後、透明性の封止部材61を充填して硬化させる封止工程を実施する。尚、封止部材61は熱硬化性樹脂、または光硬化性樹脂のどちらかが好ましい。
この工程により、青色LED素子10とワイヤ11、12、透明樹脂層14と第1の蛍光体層23及び集合基板1の表面全体が封止され、電気的機械的に保護されて、耐環境性
に優れたLED光源装置を製造することができる。
[実施例1の切断工程(工程M9)の説明:図13]
次に、本発明の実施例1の切断工程を図13によって説明する。図13は本発明の実施例1の切断工程を示し、図13(a)は集合基板上に完成した多数のLED光源装置を分離する切断工程を説明する集合基板の一部を示す斜視図であり、図13(b)は切断工程によって完成した単個のLED光源装置の一例を示す斜視図である。
図13(a)に示すように、封止部材61によって封止された集合基板1を所定の切断線X、Yに沿ってダイシング装置(図示せず)等によって切断分離し、複数個のLED光源装置が完成する。尚、切断線Xは集合基板1上の各電極2a〜2eの間に設定され、切断線Yは集合基板1上の各スルホール3a〜3eの中心を切断線Xに直交して通るように設定される。
また、図13(b)に示すように、完成したLED光源装置60は、集合基板1から切断分離された基板1´に電極2a、2bが形成されている。この電極2a、2bは中心部で切断されたスルホール3a、3bを備え、このスルホール3a、3bによって、基板1´の裏面の電極2a、2b(図示せず)が電気的に接続される。また、電極2aの表面には、青色LED素子10が実装され、この青色LED素子10は、前述したように2本のワイヤ11、12によって電極2a、2bと電気的に接続される。
この接続により、外部から裏面の電極2a、2bに駆動電流が供給されると、青色LED素子10にワイヤ11、12を介して駆動電流が流れて、青色LED素子10は発光する。また、青色LED素子10は、前述のように透明樹脂層14と1層の蛍光体層によって被覆され、最表面の第1の蛍光体層23は、透明性の封止部材61で封止される。
尚、完成したLED光源装置60は、集合基板1から分離された位置によって、電極2a、2bは、電極2b、2c、電極2c、2d、または電極2d、2eとなる。また、スルホール3a、3bは、同様に集合基板1から分離された位置によって、スルホール3b、3c、スルホール3c、3d、またはスルホール3d、3eとなるが、集合基板1のどの位置で切断分離されたとしても、同一のLED光源装置60であることはもちろんである。このように本発明は、集合基板1を用いることによって多数のLED光源装置を一括して製造することができる。
[実施例1のLED光源装置の構造と出射光の経路長の説明:図14]
次に、本発明の実施例1のLED光源装置の製造方法で製造されるLED光源装置の構造と作用を図14によって説明する。図14は、本発明の実施例1の製造方法で製造されたLED光源装置の構造と作用を説明する断面図である。
図14に示すように、このLED光源装置60は、基板1´に青色を発光する青色LED素子10が実装され、この青色LED素子10を略半円球状の透明樹脂層14で被覆し、その透明樹脂14の表面に第1の蛍光体層23が形成され、その第1の蛍光体層23を透明性の封止部材61で封止した構造となる。そして、第1の蛍光体層23は、青色LED素子10の発光色を黄色に変換するYAG系蛍光体である第1の蛍光体20を含有する。
ここで、LED光源装置60に駆動電流が供給されると、青色LED素子10から垂直に出射される出射光151は、透明樹脂層14を通過して第1の蛍光体層23に入射する。このときの出射光151が第1の蛍光体層23を通る長さを、「経路長Le1」とする。また、青色LED素子10から図面上左側に斜めに出射される出射光152は、透明樹
脂層14を斜めに通過して第1の蛍光体層23に入射する。このときの出射光152が第1の蛍光体層23を通る長さを、「経路長Le2」とする。また、青色LED素子10から図面上右側に斜めに出射される出射光153は、透明樹脂層14を斜めに通過して第1の蛍光体層23に入射する。このときの出射光153が第1の蛍光体層23を通る長さを、「経路長Le3」とする。
そして前述したように、透明樹脂層14の表面に形成される第1の蛍光体層23の膜厚は、透明樹脂層14の表面のどの場所でも、ほぼ等しく均一であるので、垂直方向の出射光151の経路長Le1と、左右斜め方向の出射光152、153の経路長Le2、Le3は、ほぼ等しい長さとなる。すなわち、青色LED素子10から出射される出射光が第1の蛍光体層23のどの場所を通過しても経路長がほぼ等しいので、第1の蛍光体層23に含有する第1の蛍光体20が均一に分散しているとすれば、どの方向に出射された出射光でも、第1の蛍光体20によって波長変換される割合は、ほぼ等しくなる。
これにより、第1の蛍光体層23に含有する第1の蛍光体20に吸収されて波長変換される光量は、出射光の発光角度に依存することがなくなり、どの発光角度に対しても、ほぼ等しくなる。この結果、青色LED素子10のどの発光角度に対しても色むらの少ないLED光源装置を製造することができる。このように、青色LED素子10からの出射光が、どのような方向に出射しても、蛍光体層を通過する出射光の経路長がほぼ等しくなるように蛍光体層を形成できることが、本発明の大きな特徴である。
[実施例1によって製造されるLED光源装置の動作の説明:図15]
次に、本発明の実施例1のLED光源装置の製造方法で製造されるLED光源装置の動作の概略を図15によって説明する。図15は、本発明の実施例1のLED光源装置の製造方法で製造されたLED光源装置の動作を説明する断面図である。
図15に示すように、実施例1によって製造されたLED光源装置60を駆動する場合は、一例としてLED光源装置60の裏面の電極2a、2bを半田(図示せず)等によってプリント基板(図示せず)に実装し、プリント基板から基板1´の裏面の電極2a、2bに駆動電流を供給する。これにより、スルホール3a、3bを介して基板1´の表面の電極2a、2bに駆動電流が供給され、青色LED素子10にワイヤ11、12を介して駆動電流が供給されて、青色LED素子10は青色である青色光16Bを発光する。
この青色光16Bは、青色LED素子10の正面を中心として放射状に拡散し、第1の蛍光体層23に含有されるYAG系蛍光体である第1の蛍光体20に入射すると、第1の蛍光体20は青色光16Bを吸収して励起し、波長変換光である黄色光16Yを発光して透明な封止部材61を通過し外部に出射する。
また、第1の蛍光体20に入射せずに第1の蛍光体層23を通過した残りの青色光16Bは、波長変換されずに透明な封止部材61通過して外部に出射する。これにより、LED光源装置60からは、黄色光16Yと青色光16Bが発光し、それぞれの光が混合して白色光16W´として出射される。
このように、実施例1によるLED光源装置60が発光する白色光16W´は、黄色光16Yと青色光16Bの混合によるので、厳密には疑似白色光である。
以上のように本発明の実施例1によれば、青色LED素子10の封止樹脂に光硬化型樹脂を用いることにより、青色LED素子10の自発光によってLED素子を被覆する透明樹脂層14を形成し、その透明樹脂層14の表面に青色LED素子10の発光色を波長変換する第1の蛍光体層23を青色LED素子10の自発光によって形成することができる
これにより、青色LED素子10を直接被覆する透明樹脂層14は、青色LED素子10の発光強度分布に応じて略半円球状に形成されるので、その透明樹脂層14の表面のどの場所でも出射光の発光強度は、ほぼ等しい状態となる。従って、透明樹脂層14の表面に形成される第1の蛍光体層23の膜厚は透明樹脂層14の表面のどの場所でも、ほぼ等しく均一となる。この結果、青色LED素子10から出射される出射光が第1の蛍光体層23のどの場所を通過しても経路長が等しいので、出射光の発光角度に影響されない色むらの少ないLED光源装置を製造することができる。
また、第1の蛍光体層23には、一種類のYAG蛍光体のみが含有されるので、蛍光体の比重や粒径の違いによる分散の偏りが生じることがなく、蛍光体が均一に分散された蛍光体層を形成することができる。この結果、均一に分散された蛍光体粒子に出射光が照射して波長変換が行われるので、混色性が良好で色むらの少ないLED光源装置を製造することができる。
また、透明樹脂層14や第1の蛍光体層23が、青色LED素子10の自発光によって硬化され形成されることで、青色LED素子10と基板1´の電極2a、2bを電気的に接続するワイヤ11、12に影響されずに、ワイヤ11、12と基板1´の隙間にまでも、膜厚が薄い蛍光体層を形状ひずみ等が生じること無く高精度に形成できる。これにより、ワイヤ11、12が出射する白色光16W´の指向性や混色性に悪影響を及ぼすことがない。よって、本発明はワイヤボンディング実装によるLED光源装置の製造に好適である。
また本発明によれば、青色LED素子10を集合基板1上に多数実装し、多数個同時に自発光させることにより、個々の青色LED素子10の周りに、素子特性に応じた所定の膜厚の透明樹脂層14と蛍光体層を一括して形成することができるので、色むらや輝度むら等の特性ばらつきが少ない複数のLED光源装置を一括して大量に製造することができる。
なお本実施例において、1層によって成る第1の蛍光体層23はYAG系蛍光体を含有したが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、たとえば、赤色蛍光体、緑色蛍光体、青色蛍光体の3種類の蛍光体を混合した蛍光体層であっても良い。これにより、疑似白色光ではなく、真の白色光に近いLED光源装置を実現できるが、その場合は、課題の欄で説明した、混色性の問題と波長変換光の相互作用による問題が悪化することに留意する必要がある。
[実施例2の製造工程の概略説明:図1]
次に、本発明の実施例2の製造工程の概略を説明する。尚、実施例2の特徴は実施例1の改良を目的とし、LED素子が近紫外発光のLED素子(n−UV発光ダイオード)であり、この近紫外LED素子を光硬化型樹脂の透明樹脂層で被覆し、その透明樹脂層を第1、第2、第3の蛍光体を含有する3層の光硬化型樹脂による蛍光体層で被覆して白色光を発光するLED光源装置の製造方法である。そして、実施例2の製造方法は、基本的に実施例1と同様であるので、前述の実施例1の製造工程を説明する図1を用いて、実施例1と異なる製造工程だけを説明する。
図1において、集合基板製造工程(工程M1)とLED素子実装工程(工程M2)は、実施例1と同様であるので、説明は省略する。尚、実施例2におけるLED素子実装工程は、近紫外LED素子を集合基板に実装する。
次に、透明樹脂層と蛍光体層を形成する樹脂形成工程も実施例1と同様であるが、実施例1では樹脂形成工程を2回繰り返して実施し、LED素子の周辺に透明樹脂層と第1の蛍光体層が積層されて形成されるが、実施例2においては、樹脂形成工程のループL1の繰り返しは4回であり、これにより、LED素子を被覆する透明樹脂層と、その透明樹脂層の表面に3層の蛍光体層が積層される。
次に、4回目の樹脂形成工程の最後の乾燥工程(工程M6)が終了したならば、集合基板上の最表面に形成された第3の蛍光体層の表面に透明性の封止部材を充填し、封止する封止工程を実施する(工程M8)。その後、封止部材によって封止された集合基板を所定の切断位置で切断し、複数個のLED光源装置を完成させる(工程M9)。
なお、上記乾燥工程(工程M6)にて、透明樹脂層14の表面に積層して形成される蛍光体層は、層の内側領域が半硬化状態となっている。この様に、少なくともその表面が硬化していれば、目的のLED光源装置を製造することができるが、できるだけ内側領域が硬化している方が望ましい。それは、蛍光体層が完全に硬化していれば、次工程にて新たに蛍光体層が積層されたとしても、下層の蛍光体層が一部混じりあって膜質が変化するという不具合がなくなるからである。
[実施例2のLED光源装置の構成の説明:図16]
次に、実施例2の各製造工程の詳細は、実施例1と基本的に同一であるので説明を省略し、実施例2の製造方法で製造されるLED光源装置の構成の概略を図16によって説明する。図16は、本発明の実施例2で製造される3層の蛍光体層を有するLED光源装置の構成を説明する断面図である。尚、実施例2によって製造されるLED光源装置は、実施例1によって製造されるLED光源装置と基本構造は似ているので、同一要素には同一番号を付し、重複する説明は一部省略する。
図16に示す100は、本発明の実施例2によって製造されるLED光源装置である。このLED光源装置100は、基板1´の表面の電極2aに近紫外LED素子101が実装され、この近紫外LED素子101は、2本のワイヤ11、12によって電極2a、2bと電気的に接続される。そして近紫外LED素子101を被覆する透明樹脂層14と第1、第2、第3の蛍光体層111、121、131が積層して形成される。
すなわち、このLED光源装置100は、実施例1と同様に、略半円球状の透明樹脂層14で近紫外LED素子101を直接被覆して、その表面を赤色蛍光体である第1の蛍光体110を含有する第1の蛍光体層111で被覆して、その表面を緑色蛍光体である第2の蛍光体120を含有する第2の蛍光体層121で被覆して、さらに蛍光体層の最表面は青色蛍光体である第3の蛍光体130を含有する第3の蛍光体層131によって被覆して形成される。また、最表面の第3の蛍光体層131は、透明性の封止部材61で封止される。
なおこのときの、近紫外LED素子101の自発光時間は、駆動電流を所定の値で一定(例えば、色度(x,y)=(0.3,0.3)狙いとし、供給する電流値を60mA)とすると、一例として、近紫外LED素子101を直接被覆する透明樹脂層14を形成するための自発光時間は10秒程度であり、第1の蛍光体層111を形成するための自発光時間は1秒程度であり、第2の蛍光体層121を形成するための自発光時間は5〜10秒程度であり、第3の蛍光体層131を形成する自発光時間は30〜60秒である。
ここで実施例1と同様に、透明樹脂層14は近紫外LED素子101の発光強度分布により決定して硬化し形成されるので、その透明樹脂層14の表面のどの場所でも近紫外L
ED素子101からの出射光の発光強度は、ほぼ等しい状態となる。これにより、透明樹脂層14の表面に形成される第1、第2、第3の蛍光体層111、121、131の各膜厚は、透明樹脂層14の表面のどの場所でも、ほぼ等しく均一に形成される。
[実施例2のLED光源装置の出射光の経路長の説明:図17]
次に、本発明の実施例2の製造方法で製造されるLED光源装置の出射光の経路長を図17によって説明する。図17は、本発明の実施例2の製造方法で製造されたLED光源装置の出射光の経路長を説明する断面図である。
図17に示すように、LED光源装置100に駆動電流が供給されると、近紫外LED素子101から垂直に出射される出射光151は、透明樹脂層14を通過して第1の蛍光体層111に入射する。このときの第1の蛍光体層111を通る長さを、「経路長Lr1」とする。また、第1の蛍光体層111を通過した出射光151は、第2の蛍光体層121に入射する。このときの第2の蛍光体層121を通る長さを、「経路長Lg1」とする。また、第2の蛍光体層121を通過した出射光151は、第3の蛍光体層131に入射する。このときの第3の蛍光体層131を通る長さを、「経路長Lb1」とする。
また、近紫外LED素子101から図面上左側に斜めに出射される出射光152は、同様に透明樹脂層14を斜めに通過して第1の蛍光体層111に入射する。このときの第1の蛍光体層111を通る長さを、「経路長Lr2」とする。また、第1の蛍光体層111を通過した出射光152は、第2の蛍光体層121に入射する。このときの第2の蛍光体層121を通る長さを、「経路長Lg2」とする。また、第2の蛍光体層121を通過した出射光152は、第3の蛍光体層131に入射する。このときの第3の蛍光体層131を通る長さを、「経路長Lb2」とする。
また、近紫外LED素子101から図面上右側に斜めに出射される出射光153は、同様に透明樹脂層14を斜めに通過して第1の蛍光体層111に入射する。このときの第1の蛍光体層111を通る長さを、「経路長Lr3」とする。また、第1の蛍光体層111を通過した出射光153は、第2の蛍光体層121に入射する。このときの第2の蛍光体層121を通る長さを、「経路長Lg3」とする。また、第2の蛍光体層121を通過した出射光153は、第3の蛍光体層131に入射する。このときの第3の蛍光体層131を通る長さを、「経路長Lb3」とする。
前述したように、透明樹脂層14の表面に形成される第1、第2、第3の蛍光体層111、121、131の各膜厚は、透明樹脂層14の表面のどの場所でも、ほぼ等しく均一であるので、第1の蛍光体層111を通る垂直方向の出射光151の経路長Lr1と、左右斜め方向の出射光152、153の経路長Lr2、Lr3は、ほぼ等しい長さとなる。また、第2の蛍光体層121を通る垂直方向の出射光151が通る第1の蛍光体層111の経路長Lg1と、左右斜め方向の出射光152、153の経路長Lg2、Lg3も、ほぼ等しい長さとなる。また、同様に第3の蛍光体層131を通る垂直方向の出射光151が通る第1の蛍光体層111の経路長Lb1と、左右斜め方向の出射光152、153の経路長Lb2、Lb3も、ほぼ等しい長さとなる。
このように、近紫外LED素子101から出射される出射光が各蛍光体層のどの場所を通過しても経路長がほぼ等しいので、各蛍光体層に含有する蛍光体に吸収されて波長変換される光量は、発光角度に依存することがなく、どの発光角度に対しても、ほぼ等しくなる。この結果、実施例2による製造方法は、どの発光角度に対しても色むらの少ないLED光源装置を製造することができる。尚、図17は、各蛍光体層に含有する蛍光体の図示を省略している。
[実施例2のLED光源装置の動作の説明:図18]
次に、本発明の実施例2の製造方法で製造されるLED光源装置の動作の概略を図18によって説明する。図18は、本発明の実施例2のLED光源装置の製造方法で製造されたLED光源装置の動作を説明する側面図である。
図18に示すように、実施例2で製造されるLED光源装置100を駆動する場合は、一例としてLED光源装置100の裏面の電極2a、2bを半田(図示せず)等によってプリント基板(図示せず)に実装し、プリント基板から基板1´の裏面の電極2a、2bに駆動電流を供給する。これにより、スルホール3a、3bを介して基板1´の表面の電極2a、2bに駆動電流が供給され、近紫外LED素子101にワイヤ11、12を介して駆動電流が供給されて、近紫外LED素子101は近紫外光である出射光15を発光する。
この出射光15は、近紫外LED素子101の正面を中心として放射状に拡散し、まず、透明樹脂層14を通過して第1の蛍光体層111に含有される赤色蛍光体である第1の蛍光体110に入射すると、第1の蛍光体110は出射光15を吸収して励起し、波長変換光である赤色光16Rを発光して第2の蛍光体層121と第3の蛍光体層131、及び透明な封止部材61を通過し外部に出射する。
また、第1の蛍光体110に入射せず第1の蛍光体層111を通過した出射光15が、第2の蛍光体層121に含有される緑色蛍光体である第2の蛍光体120に入射すると、第2の蛍光体120は出射光15を吸収して励起し、波長変換光である緑色光16Gを発光して第3の蛍光体層131、及び透明な封止部材61を通過し外部に出射する。
また、第2の蛍光体120に入射せず第2の蛍光体層121を通過した出射光15が、第3の蛍光体層131に含有される青色蛍光体である第3の蛍光体130に入射すると、第3の蛍光体130は出射光15を吸収して励起し、波長変換光である青色光16Bを発光して透明な封止部材61を通過し外部に出射する。これにより、LED光源装置100からは、赤色光16Rと緑色光16Gと青色光16Bが発光し、それぞれの光が混合して白色光16Wとして出射される。
ここで、各蛍光体の励起特性を前述の図26で示したように、最表面に積層される第3の蛍光体層131に含有する第3の蛍光体130(青色蛍光体)は、約430nm以下の短波長によって励起される。これにより、最表面の第3の蛍光体層131に波長530nm位の緑色光16Gや波長650nm位の赤色光16Rが入射しても、それらの波長変換光が第3の蛍光体130にほとんど吸収されることがないので、緑色光16Gと赤色光16Rは非常に少ない損失で、第3の蛍光体層131を通過することができる。
また、前述の図26で示したように、第2の蛍光体層121に含有する第2の蛍光体120(緑色蛍光体)は、約500nm以下の波長によって励起される。これにより、第2の蛍光体層121に内側の第1の蛍光体層111から波長650nm位の赤色光16Rが入射しても、その赤色光16Rが第2の蛍光体120にほとんど吸収されることがないので、赤色光16Rは非常に少ない損失で、第2の蛍光体層121を通過することができる。
以上のように本発明の実施例2によれば、LED光源装置100の近紫外LED素子101に最も近い第1の蛍光体層111に長波長を発光する赤色蛍光体を含有し、その外側の第2の蛍光体層121に中間波長を発光する緑色蛍光体を含有し、最表面の第3の蛍光体層131に短波長を発光する青色蛍光体を含有することによって、各蛍光体による波長変換光の相互作用の影響を抑制できるので、蛍光体の2次励起を抑えてLEDの発光効率
を向上させることができる。これにより、発光効率に優れて輝度ばらつきが少なく高輝度高出力のLED光源装置を製造することができる。
また、前述したように、各蛍光体層は近紫外LED素子101の発光強度分布によって決定される略半円球状の透明樹脂層14の表面に積層して形成されるので、近紫外LED素子101から出射される様々な方向の出射光の、各蛍光体層を通る経路長がほぼ等しくなる。これにより、各蛍光体層に含有する蛍光体に吸収されて波長変換される光量は、発光角度に依存することがなくなり、どの発光角度に対しても色むらの少ないLED光源装置を製造することができる。
また、RGBを発光するそれぞれ蛍光体は、各蛍光体層に個別に含有されるので、それぞれの蛍光体層には、同一の蛍光体粒子が均一に分散される。すなわち、各蛍光体層には、比重や粒径が等しい同一の蛍光体粒子のみが含有されるので、蛍光体粒子が層内で偏ったりすることがない。これにより、蛍光体粒子が均一に分散した蛍光体層が積層されるので、均一に分散された蛍光体粒子に出射光が照射して波長変換が行われ、この結果、混色性が良好で色むらの少ないLED光源装置を実現することができる。また、本実施例のLED光源装置100の出射光は、赤色光16Rと緑色光16Gと青色光16Bが混合された白色光16Wであるので、演色性に優れている。
このように、実施例2による製造方法は、3層によって成る蛍光体層を形成するために、製造工程が多少複雑ではあるが、前述の実施例1の製造方法と比較して、混色性や演色性等に優れたLED光源装置を提供することができる。また、本実施例による製造方法、及び本実施例によって製造されるLED光源装置100の基本構造は、前述の実施例1による製造方法、及びこの実施例1によって製造されるLED光源装置60と同様であるので、この実施例2においても、実施例1と同様に多くの優れた効果や特徴を備えている。
尚、本実施例の製造方法では、赤色蛍光体である第1の蛍光体を含む第1の蛍光体層、緑色蛍光体である第2の蛍光体を含む第2の蛍光体層、青色蛍光体である第3の蛍光体を含む第3の蛍光体層を順次積層した例を示したが、この積層順はこれに限定されるものではなく、第1から第3の蛍光体層の積層順を変えた形態としても良い。その場合は、課題の欄で説明した、波長変換光の相互作用による問題が、上記順番に配設した場合よりも悪化することに留意する必要がある。
また、上記説明では、第1、第2、第3の蛍光体110、120、130に同じ粒径の蛍光体を用いるとして説明したが、
第1の蛍光体の粒径 > 第2の蛍光体の粒径 ≧ 第3の蛍光体の粒径
の関係となる様にしても良い。この様に、第1の蛍光体110に、他層の蛍光体よりも粒径が大きなものを用いれば、第1の蛍光体層111表面の凹凸が相対的に大きくなり、第2の蛍光体層121の密着性が向上する。また、第1の蛍光体110に大きな粒径のものを用いれば、散乱効果により光取り出し効率が向上するが、第2、3の蛍光体120、130に第1の蛍光体110と同様の粒径のものを用いると、夫々の蛍光体の散乱効果を増すことになり、第1の蛍光体層111への戻り光を増やしてしまう。これを防ぐ為に、第2、3の蛍光体120、130の粒径は、上記の条件とするのが好ましい。これにより、各層間の密着性は確保しつつ、再吸収を抑制させることが可能となる。
また、第1の蛍光体層111を形成し、1回目の乾燥工程(工程M6)が終了した後に色度補正を行い、その色度補正データに基づき、第2の蛍光体層121に混入する第2の蛍光体120を決めれば、色ムラだけでなく目的の色度に合わせこむことができる。
このとき、第1の蛍光体層111に混入される第1の蛍光体110は、予め決められた量よりも意図的に少なくしておき、第2の蛍光体層121に混入する蛍光体を、補正分と
して追加する第1の蛍光体110と、予め混入する予定であった第2の蛍光体120とを混入させた第2の蛍光体層121とすればよい。これにより、高精度な色度調整が可能となる。
[実施例2のLED光源装置の変形例1の概略説明:図19]
次に、本発明の実施例2の変形例1の概略を説明する。図19は、実施例2の変形例1のLED光源装置の構成を説明する断面図である。本変形例1の特徴は、透明樹脂に散乱材140を含んでいる散乱材混合層141に、蛍光体層を積層して形成している点にあり、他の構成は先の実施例2と同様である。したがって、下記の説明ではこの相違点について主に説明し、共通する部分についての説明は省略する。
図19に示す400は、実施例2の変形例1によって製造されるLED光源装置である。このLED光源装置400は、基板1´の表面に近紫外LED素子101が実装されて、さらに、この近紫外LED素子101を被覆して、散乱材混合層141と、第1、第2、第3の蛍光体層111、121、131が積層して形成されてなる。
そして、このLED光源装置400の製造は、散乱材を含む略半円球状の散乱材混合層141で近紫外LED素子101を直接被覆し、その表面を赤色蛍光体である第1の蛍光体110を含有する第1の蛍光体層111で被覆し、その表面を緑色蛍光体である第2の蛍光体120を含有する第2の蛍光体層121で被覆し、さらに蛍光体層の最表面は青色蛍光体である第3の蛍光体130を含有する第3の蛍光体層131で被覆し、最表面の第3の蛍光体層131が透明性の封止部材61で封止して形成される。
ここで用いる散乱材混合層141に含まれる散乱材140には、近紫外LED素子101から出射される発光光を拡散できれば良く、主に二酸化ケイ素(SiO)で構成された物を使用できる。
また、上記LED光源装置400を製造するときの、近紫外LED素子101の自発光時間は、駆動電流を所定の値で一定(例えば、色度(x,y)=(0.3,0.3)狙いとし、供給する電流値を60mA)とすると、一例として、近紫外LED素子101を直接被覆する透明樹脂層14を形成するための自発光時間は1秒程度であり、第1の蛍光体層111を形成するための自発光時間は5〜10秒程度であり、第2の蛍光体層121を形成するための自発光時間は30〜60秒程度であり、第3の蛍光体層131を形成する自発光時間は120〜240秒である。
ここで上記構成のLED光源装置400が、実施例2に示した装置に比べ、より色むらが少なくなる理由について説明する。先の実施例2に示したLED光源装置における透明樹脂層14は、素子発光強度に応じた形状となる。それに対し、変形例1のLED光源装置400は、光硬化型樹脂内に散乱材を設けているので、散乱材140の拡散効果により、さらに素子発光強度に依存した略半円球形状に近づけることができる。これにより、近紫外LED素子101からの発光光を蛍光体層に、より均一化した状態で入射させることができ、素子からの発光光の光路を、透明樹脂層上に積層された蛍光体層を均一に透過し、色ムラが低減された白色光として出射させることができる。
また、図示していないが、本変形例1により、散乱材140の影響で散乱材混合層141の表面粗さが大きくなり、それによりアンカー効果により第1の蛍光体層111との密着性を向上させるという効果も期待できる。
[実施例2のLED光源装置の変形例2の製造工程の概略説明:図1]
次に、本発明の実施例2の変形例2の製造工程の概略を説明する。尚、実施例2の変形
例2の特徴は実施例1の改良を目的とし、LED素子が青色を発光する青色LED素子であり、その青色LED素子を光硬化型樹脂の透明樹脂層で被覆し、その透明樹脂層を第1、第2の蛍光体を含有する2層の光硬化型樹脂による蛍光体層で被覆して白色光を発光するLED光源装置の製造方法である。そして、実施例2の変形例の製造工程は、基本的に実施例1と同様であるので、前述の実施例1の製造工程を説明する図1を用いて、実施例1と異なる製造工程だけを説明する。
図1において、集合基板製造工程(工程M1)とLED素子実装工程(工程M2)は、実施例1と同様であるので、説明は省略する。尚、実施例2の変形例におけるLED素子実装工程は、青色LED素子を集合基板に実装する。
次に、透明樹脂層と蛍光体層を形成する樹脂形成工程も実施例1と同様であるが、実施例2の変形例においては、樹脂形成工程のループL1の繰り返しは3回であり、これにより、青色LED素子を被覆する透明樹脂層と、その透明樹脂層の表面に第1と第2の蛍光体層が形成される。
次に、3回目の樹脂形成工程の最後の乾燥工程(工程M6)が終了したならば、集合基板上の最表面に形成された第2の蛍光体層に透明性の封止部材を充填し封止する封止工程を実施する(工程M8)。その後、封止部材によって封止された集合基板を所定の切断位置で切断し、複数個のLED光源装置を完成させる(工程M9)。
[実施例2の変形例2のLED光源装置の構成と動作の説明:図20]
次に、実施例2の変形例2の製造方法で製造されるLED光源装置の構成と動作の概略を説明する。図20は本発明の実施例2の変形例2によって製造されるLED光源装置の構成と動作を説明する断面図である。尚、実施例2の変形例2によって製造されるLED光源装置は、実施例1によって製造されるLED光源装置と基本構造は似ているので、同一要素には同一番号を付し、重複する説明は一部省略する。
図20に示す140は、実施例2の変形例2によって製造されるLED光源装置である。このLED光源装置140は、基板1´に波長450nm位の青色を発光する青色LED素子10が実装され、この青色LED素子10を略半円球状の透明樹脂層14で被覆し、その透明樹脂14の表面に第1の蛍光体層111が形成され、更にその外側に第2の蛍光体層121が形成され、その第2の蛍光体層121を透明性の封止部材61で封止した構造となっている。そして、第1の蛍光体層111は青色LED素子10の発光色を赤色に変換する第1の蛍光体110を含有し、第2の蛍光体層121は青色LED素子10の発光色を緑色に変換する第2の蛍光体120を含有する。
なおこのときの、青色LED素子10の自発光時間は、駆動電流を所定の値で一定(例えば、色度(x,y)=(0.3,0.3)狙いとし、供給する電流値を60mA)とすると、一例として、青色LED素子10を直接被覆する透明樹脂層14を形成するための自発光時間は20秒程度であり、第1の蛍光体層111を形成するための自発光時間は60秒程度であり、第2の蛍光体層121を形成するための自発光時間は120〜240秒程度である。
このLED光源装置140を駆動する場合は、図20に示すように、実施例1と同様に外部のプリント基板(図示せず)等に実装し、プリント基板から基板1´の裏面の電極2a、2bに駆動電流を印加する。これにより、スルホール3a、3bを介して基板1´の表面の電極2a、2bに駆動電流が供給され、青色LED素子10にワイヤ11、12を介して駆動電流が供給されて、青色LED素子10は青色光16Bを発光する。
この青色光16Bは、青色LED素子10の正面を中心として放射状に拡散し、第1の蛍光体層111に含有される赤色蛍光体である第1の蛍光体110に入射すると、第1の蛍光体110は青色光16Bを吸収して励起し、波長変換光である赤色光16Rを発光して第2の蛍光体層121と透明な封止部材61を通過し外部に出射する。
また、第1の蛍光体110に入射せず第1の蛍光体層111を通過した青色光16Bが、第2の蛍光体層121に含有される緑色蛍光体である第2の蛍光体120に入射すると、第2の蛍光体120は青色光16Bを吸収して励起し、波長変換光である緑色光16Gを発光して封止部材61を通過し外部に出射する。
また、第1の蛍光体110と第2の蛍光体120に入射せずに二つの蛍光体層を通過した残りの青色光16Bは、波長変換されずに透明な封止部材61通過して外部に出射する。これにより、LED光源装置140からは、青色光16Bと緑色光16Gと赤色光16Rが発光し、それぞれの光が混合して白色光16Wとして出射される。
このように、実施例2の変形例2によって製造されるLED光源装置140は、青色LED素子10に最も近い第1の蛍光体層111に長波長を発光する赤色蛍光体を含有し、その外側の第2の蛍光体層121に中間波長を発光する緑色蛍光体を含有することによって、二つの蛍光体による波長変換光の相互作用の影響を抑制できるので、蛍光体の2次励起を抑えてLEDの発光効率を向上させることができる。
また、変形例2の構成は、実施例2と同様に、各蛍光体層は青色LED素子10の発光強度分布によって決定される略半円球状の透明樹脂層14の表面に積層されて形成されるので、青色LED素子10から出射される出射光が各蛍光体層のどの場所を通過しても、各蛍光体層の経路長がほぼ等しい。これにより、各蛍光体層に含有する蛍光体に吸収されて波長変換される光量は、発光角度に依存することがないので、どの発光角度に対しても色むらの少ないLED光源装置を製造することができる。
また、実施例2の変形例2によって製造されるLED光源装置140の白色光16Wは、蛍光体による赤色光16Rと緑色光16G、及び、青色LED素子10からの青色光16Bの混合によるので、演色性に優れている。
[実施例2の変形例3のLED光源装置の概略説明:図21]
次に、実施例2の変形例3の構成及び製造方法の概略について説明する。図21は、実施例2の変形例3のLED光源装置の構成および作用を説明する断面図である。本変形例3は、先に示した変形例2(図20)を更に改良した構成としており、その特徴点は、この変形例2の透明樹脂層14に散乱材140を混入した散乱材混合層141としている点にある。他の構成は変形例2と同様であるので、下記の説明ではこの相違点について主に説明し、共通する部分についての説明は省略する。
図21に示す410は、実施例2の変形例2によって製造されるLED光源装置である。このLED光源装置410は、基板1´の表面に青色LED素子10が実装され、そして青色LED素子10を被覆する散乱材混合層141と、第1、第2の蛍光体層111、121が積層して形成されてなる。
なおこのときの、青色LED素子10の自発光時間は、駆動電流を所定の値で一定(例えば、色度(x,y)=(0.3,0.3)狙いとし、供給する電流値を60mA)とすると、一例として、青色LED素子10を直接被覆する散乱材混合層141を形成するための自発光時間は60秒程度であり、第1の蛍光体層111を形成するための自発光時間は120〜240秒程度であり、第2の蛍光体層121を形成するための自発光時間は30
0〜秒程度である。
このように、実施例2の変形例2および変形例3による製造方法は、2層によって成る蛍光体層を形成するために、製造工程が多少複雑ではあるが、前述の実施例1の製造方法と比較して、混色性や演色性等に優れたLED光源装置を提供することができる。また、本実施例による製造方法、及び本実施例によって製造されるLED光源装置140の基本構造は、前述の実施例1による製造方法、及びこの実施例1によって製造されるLED光源装置60と同様であるので、実施例2の変形例2および変形例3においても、実施例1と同様に多くの優れた効果や特徴を備えている。
以上のように、本発明の実施例2、及びその変形例1、変形例2および変形例3のLED光源装置の製造方法は、LED素子の自発光によって形成する透明樹脂層の表面を、LED素子の自発光によって単一の蛍光体を含有する複数の蛍光体層で覆うことにより、RGBの混合による白色光を得ることができるので、混色性と演色性に優れた白色のLED光源装置を提供することができる。また、LED素子を直接被覆する透明樹脂層は、LED素子の発光強度分布に応じて略半円球状に形成されるので、この透明樹脂層の表面に複数の蛍光体層を積層しても、それぞれの蛍光体層の膜厚を均一に形成でき、どの発光角度に対しても色むらの少ないLED光源装置を製造することができる。
なお、図20に示した構成に、上述した第1の蛍光体110と第2の蛍光体120の粒径の関係、第1の蛍光体層111を形成した後に、色度を測定し、第2の蛍光体層121に含有する蛍光体を決める手段を、同様に適用すれば、先と同じ効果を得ることができる。
[実施例3のLED光源装置の製造方法の概略説明:図22]
次に、本発明の実施例3の製造工程の概略を説明する。尚、実施例3の特徴はLED素子が青色を発光する青色LED素子であり、その青色LED素子を光硬化型樹脂の透明樹脂層で被覆し、その透明樹脂層を青色LED素子の発光色を黄色に変換する蛍光体を含有する蛍光体層を塗布によって形成した白色光を発光するLED光源装置の製造方法である。
図22は本発明の実施例3の製造工程の全体概略を示すフローチャートである。尚、実施例3の製造方法は、前述の実施例1の製造工程と一部のみが異なるだけであるので、実施例1と異なる製造工程だけを説明し、他の製造工程についての説明は一部省略する。
図22において、集合基板製造工程(工程M1)とLED素子実装工程(工程M2)は、実施例1と同様であるので、説明は省略する。尚、集合基板に実装されるLED素子は、発光波長が450nm位の青色LED素子である。
次に、樹脂形成工程(工程M3〜工程M6まで)も実施例1と同様であり、この樹脂形成工程によって、青色LED素子を光硬化型樹脂の透明樹脂層で被覆する。
次に、樹脂形成工程の最後の乾燥工程(工程M6)が終了したならば、集合基板上に形成された透明樹脂層の表面に、YAG系蛍光体である第1の蛍光体を含有する第1の蛍光体層を塗布によって形成する蛍光体層塗布工程(工程M7)を実施する。この第1の蛍光体層の塗布は、図示しないが、スプレー、静電塗装、ディップ、蒸着などによって実施される。
次に、集合基板上の最表面に形成された第1の蛍光体層に、透明性の封止部材を充填し
硬化させる封止工程を実施する(工程M8)。その後、封止部材によって封止された集合基板を所定の切断位置で切断し、複数個のLED光源装置を完成させる(工程M9)。尚、工程M8、M9は、実施例1と同様であるので説明は省略する。また、図22において、破線で示すループL1は後述する実施例3の変形例で説明する。
[実施例3のLED光源装置の構成と動作の説明:図23]
次に、実施例3の製造方法で製造されるLED光源装置の構成と動作の概略を図23によって説明する。図23は本発明の実施例3で製造されるLED光源装置の構成と動作を説明する断面図である。尚、実施例3によって製造されるLED光源装置は、実施例1及び2によって製造されるLED光源装置と基本構造は似ているので、同一要素には同一番号を付し、重複する説明は一部省略する。
図23に示すように、200は実施例3によって製造されるLED光源装置である。このLED光源装置200は、基板1´に波長450nm位の青色を発光する青色LED素子10が実装され、この青色LED素子10を略半円球状の透明樹脂層14で被覆し、その透明樹脂14の表面に第1の蛍光体層201が塗布によって形成され、その第1の蛍光体層201を透明性の封止部材61で封止して形成される。そして、第1の蛍光体層201は、青色LED素子10の発光色を黄色に変換するYAG系蛍光体である第1の蛍光体20を含有する。尚、図23の第1の蛍光体層201は、塗布によって形成されることを示すために模式的に示している。
このLED光源装置200を駆動する場合は、図23に示すように、実施例1及び実施例2と同様に外部のプリント基板(図示せず)等に実装し、プリント基板から基板1´の裏面の電極2a、2bに駆動電流を供給する。これにより、スルホール3a、3bを介して基板1´の表面の電極2a、2bに駆動電流が供給され、青色LED素子10にワイヤ11、12を介して駆動電流が供給されて、青色LED素子10は青色光16Bを発光する。
この青色光16Bは、青色LED素子10の正面を中心として放射状に拡散し、第1の蛍光体層201に含有されるYAG系蛍光体である第1の蛍光体20に入射すると、第1の蛍光体20は青色光16Bを吸収して励起し、波長変換光である黄色光16Yを発光して透明な封止部材61を通過し外部に出射する。
また、第1の蛍光体20に入射せずに第1の蛍光体層201を通過した残りの青色光16Bは、波長変換されずに透明な封止部材61通過して外部に出射する。これにより、LED光源装置200からは、黄色光16Yと青色光16Bが発光し、それぞれの光が混合して白色光16W´として出射される。
このように、実施例3によるLED光源装置200が発光する白色光16W´は、黄色光16Yと青色光16Bの混合によるので、厳密には疑似白色光であり、実施例2によるLED光源装置100のRGBの混合による白色光16Wと比較すると演色性が多少劣っている。しかし、透明樹脂層14を覆う蛍光体層は1層のみで構成され、且つ、その第1の蛍光体層201は、スプレー、静電塗装、ディップ、蒸着、インクジェット法など、比較的簡易な方法で塗布されるので、実施例1や実施例2による光硬化型樹脂を積層する製造方法と比較して、製造工程を簡略化することができる。
また、実施例3においても、青色LED素子10を直接被覆する透明樹脂層14は光硬化型樹脂で成り、その形状は青色LED素子10からの自発光による発光強度分布で決定された略半円球状に形成されるので、その透明樹脂層14の表面のどの場所でも青色LED素子10からの発光強度は、ほぼ等しい状態となる。これにより、透明樹脂層14の表
面に形成される第1の蛍光体層201が、塗布による形成であっても、第1の蛍光体層201の全面に発光強度がほぼ等しい青色光16Bが入射されるので、発光角度に依存することなく均一に波長変換が行われる。この結果、どの発光角度に対しても色むらの少ないLED光源装置を製造することができる。
また、実施例3による製造方法、及びこの実施例3によって製造されるLED光源装置200の基本構造は、前述の実施例1による製造方法、及びこの実施例1によって製造されるLED光源装置60と同様であるので、実施例3においても、実施例1と同様に多くの優れた効果や特徴を備えている。
[実施例3の変形例のLED光源装置の製造方法の概略説明:図22]
次に、本発明の実施例3の変形例の製造工程の概略を説明する。尚、実施例3の変形例の特徴はLED素子が青色を発光する青色LED素子であり、その青色LED素子を光硬化型樹脂の透明樹脂層で被覆し、その透明樹脂層を光硬化型樹脂の第1の蛍光体層で被覆し、更にその上から第2の蛍光体層を塗布によって形成して白色光を発光するLED光源装置の製造方法である。また、実施例3の変形例の製造方法は、前述の実施例1の製造工程と一部のみが異なるだけであるので、異なる製造工程だけを説明し、他の製造工程についての説明は一部省略する。
図22において、集合基板製造工程(工程M1)とLED素子実装工程(工程M2)は、実施例1と同様であるので、説明は省略する。尚、集合基板に実装されるLED素子は、発光波長が450nm位の青色LED素子である。
次に、樹脂形成工程も実施例1と同様であるが、実施例3の変形例においては、樹脂形成工程を破線で示すループL1によって2回繰り返し、これにより、初回の樹脂形成工程で青色LED素子を被覆する透明樹脂層が形成され、ループL1によって繰り返される2回目の樹脂形成工程で透明樹脂層の表面に第1の蛍光体を含有する第1の蛍光体層が形成される。
次に、2回目の樹脂形成工程の最後の乾燥工程(工程M6)が終了したならば、集合基板上に形成された第1の蛍光体層の表面に、第2の蛍光体を含有する第2の蛍光体層を塗布によって形成する蛍光体層塗布工程(工程M7)を実施する。この第2の蛍光体層の塗布は、図示しないが、スプレー、静電塗装、ディップ、蒸着、インクジェット法などによって実施される。
次に、集合基板上の最表面に形成された第2の蛍光体層に、透明性の封止部材を充填し硬化させる封止工程を実施する(工程M8)。その後、封止部材によって封止された集合基板を所定の切断位置で切断し、複数個のLED光源装置を完成させる(工程M9)。尚、工程M8、M9は、実施例1と同様であるので説明は省略する。
[実施例3の変形例のLED光源装置の構成と動作の説明:図24]
次に、実施例3の変形例の製造方法で製造されるLED光源装置の構成と動作の概略を図24によって説明する。図24は本発明の実施例3の変形例で製造されるLED光源装置の構成と動作を説明する断面図である。尚、実施例3の変形例によって製造されるLED光源装置は、実施例1及び2によって製造されるLED光源装置と基本構造は似ているので、同一要素には同一番号を付し、重複する説明は一部省略する。
図24に示すように、210は実施例3の変形例によって製造されるLED光源装置である。このLED光源装置210は、基板1´に波長450nm位の青色を発光する青色LED素子10が実装され、この青色LED素子10を略半円球状の透明樹脂層14で被
覆し、その透明樹脂層14の表面に光硬化型樹脂である第1の蛍光体層111が形成され、さらにその上から第2の蛍光体層211が塗布によって形成され、その第2の蛍光体層211を透明性の封止部材61で封止した構造である。
そして、第1の蛍光体層111は、青色LED素子10の発光色を赤色に変換する第1の蛍光体110を含有し、塗布によって形成される第2の蛍光体層211は、青色LED素子10の発光色を緑色に変換する第2の蛍光体120を含有する。尚、図24の第2の蛍光体層211は、塗布によって形成されることを示すために模式的に示している。
このLED光源装置210を駆動する場合は、図24に示すように、実施例1及び実施例2と同様に外部のプリント基板(図示せず)等に実装し、プリント基板から基板1´の裏面の電極2a、2bに駆動電流を供給する。これにより、スルホール3a、3bを介して基板1´の表面の電極2a、2bに駆動電流が供給され、青色LED素子10にワイヤ11、12を介して駆動電流が供給されて、青色LED素子10は青色光16Bを発光する。
この青色光16Bは、青色LED素子10の正面を中心として放射状に拡散し、第1の蛍光体層111に含有される第1の蛍光体110に入射すると、第1の蛍光体110は青色光16Bを吸収して励起し、波長変換光である赤色光16Rを発光して第2の蛍光体層211と透明な封止部材61を通過し外部に出射する。
また、第1の蛍光体110に入射せずに第1の蛍光体層111を通過した残りの青色光16Bは、第2の蛍光体層211に含有される第2の蛍光体120に入射すると、第2の蛍光体120は青色光16Bを吸収して励起し、波長変換光である緑色光16Gを発光して透明な封止部材61を通過し外部に出射する。
また、第1の蛍光体110と第2の蛍光体120に入射せずに通過した残りの青色光16Bは、波長変換されずに透明な封止部材61通過して外部に出射する。これにより、LED光源装置210からは、赤色光16Rと緑色光16Gと青色光16Bが発光し、それぞれの光が混合して白色光16Wとして出射される。
このように、実施例3の変形例によるLED光源装置210が発光する白色光16Wは、蛍光体による赤色光16Rと緑色光16G、及び、青色LED素子10からの青色光16Bの混合によるので、演色性に優れている。また、第2の蛍光体層211は、スプレー、静電塗装、ディップ、蒸着、インクジェット法などによる比較的簡易な方法で塗布されるので、製造工程を簡略化することができる。
また、実施例3の変形例においても、青色LED素子10を直接被覆する透明樹脂層14は光硬化型樹脂で成り、その形状は青色LED素子10からの自発光による発光強度分布で決定された略半円球状に形成されるので、その透明樹脂層14の表面のどの場所でも青色LED素子10からの発光強度は、ほぼ等しい状態となる。これにより、透明樹脂層14の表面に自発光により形成される第1の蛍光体層111と塗布により形成される第2の蛍光体層211の全面に対して、発光強度がほぼ等しい青色光16Bが入射されるので、発光角度に依存することなく均一に波長変換が行われる。この結果、どの発光角度に対しても色むらの少ないLED光源装置を製造することができる。
また、実施例3の変形例による製造方法、及びこの実施例3によって製造されるLED光源装置210の基本構造は、前述の実施例1および実施例2による製造方法、及びこれによって製造されるLED光源装置と同様であるので、実施例3の変形例においても、実施例1および実施例2と同様に多くの優れた効果や特徴を備えている。
また、実施例3の変形例(図24)に、実施例1で示した、第1の蛍光体110と第2の蛍光体120の粒径の関係、実施例3の構成(図23、図24)に、第1の蛍光体層111を形成した後に色度を測定し、第2の蛍光体層121に含有する蛍光体を決める手段や、透明樹脂層134に散乱材を混入する手法を、同様に適用することにより、上記と同じ効果を得ることができる。
尚、実施例1〜実施例3に記載の透明樹脂層14と各蛍光体層は、光硬化型樹脂として示したが、これに限定されず、加熱によって硬化する熱硬化型樹脂であっても良い。この場合、先に実施例1で示した製造工程と同じ様に、LED素子を自発光させることで、LED素子の発熱によってLED素子周りの透明樹脂を硬化させた後に、この熱硬化型樹脂である透明樹脂の内の未硬化部分を除去する。
そして、この工程で形成される熱硬化型樹脂による透明樹脂層の厚みは、LED素子を自発光させたときに発生する熱量により決定される膜厚となる。続けて、蛍光体層の形成工程を繰り返すことで、実施例1の工程と同様に、透明樹脂層の表面を蛍光体層で被覆したLED発光装置を容易に製造することができる。なお、この熱硬化型樹脂を適用した製造方法によれば、実施例1〜3に比べ、各蛍光体層の膜厚の制御がより精度よくできるという利点を有する。
また、本発明によって製造されるLED光源装置は、実施例において白色光を発光することを前提に説明したが、本発明の製造方法によるLED光源装置の出射光は白色光に限定されるものではなく、他の色の光を発光するLED光源装置であっても良い。また、本発明のLED光源装置の製造方法は、ワイヤボンディングによるLED素子の実装に限定されず、例えば、フリップチップ等による実装にも適用される。また、本発明の実施例で示したフローチャートや平面図、側面図等は、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を満たすものであれば、任意に変更してよい。
本発明のLED光源装置の製造方法は、混色性が良好で色むらが少なく発光効率に優れた高性能な白色LED光源装置を提供できるため、液晶カラーテレビや携帯型電子機器等のバックライト用白色光源装置、及び照明用の白色光源装置の製造方法として好適である。
1 集合基板
1´ 基板
2a〜2e 電極
3a〜3e スルホール
4、5 電極端子
6 直流電源
10 青色LED素子
11、12 ワイヤ
13 透明樹脂
14 透明樹脂層
15、151、152、153 出射光
16R 赤色光
16G 緑色光
16B 青色光
16W、16W´ 白色光
16Y 黄色光
20、110 第1の蛍光体
21 第1の樹脂部材
22 第1の硬化領域
23、111、201 第1の蛍光体層
50 ディスペンサ
51 有機溶剤
52 熱
60、100、140、200、210、400、410 LED光源装置
61 封止部材
101 近紫外LED素子
120 第2の蛍光体
121、211 第2の蛍光体層
130 第3の蛍光体
131 第3の蛍光体層
Le1〜Le3、Lr1〜Lr3、Lg1〜Lg3、Lb1〜Lb3 経路長
SW スイッチ
X、Y 切断線

Claims (11)

  1. LED素子を被覆する封止樹脂を硬化して形成するLED光源装置の製造方法において、
    透明樹脂を、前記LED素子を被覆して塗布する工程と、
    前記LED素子を自発光させることにより、前記LED素子周りの前記透明樹脂を、部分的に硬化させる工程と、
    前記透明樹脂の内の未硬化の樹脂を除去して、透明樹脂層を形成する工程と、
    第1の蛍光体を含む第1の蛍光体層を、前記透明樹脂層の表面に形成する工程と、
    を有することを特徴とするLED光源装置の製造方法。
  2. 前記透明樹脂層には、散乱材が混入されてなる
    ことを特徴とする請求項1に記載のLED光源装置の製造方法。
  3. 前記第1の蛍光体層を形成する工程が、
    前記第1の蛍光体を含む第1の樹脂部材を、前記透明樹脂層の表面を覆って塗布する工程と、
    前記LED素子を自発光させることにより、前記透明樹脂層を透して、前記透明樹脂層を被覆する前記第1の樹脂部材を部分的に硬化させる工程と、
    前記第1の樹脂部材の内の未硬化部分を除去することで、前記第1の蛍光体層を形成する工程と、を有する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のLED光源装置の製造方法。
  4. 前記第1の蛍光体層を形成した後に、
    前記第1の蛍光体とは異なる第2の蛍光体を含む第2の樹脂部材を、前記第1の蛍光体層を被覆して塗布する工程と、
    前記LED素子を自発光させることにより、前記第1の蛍光体層周りの前記第2の樹脂部材を、部分的に硬化させる工程と、
    前記第2の樹脂部材の内の未硬化部分を除去することで、第2の蛍光体層を形成する工程と、を有する
    ことを特徴とする請求項3に記載のLED光源装置の製造方法。
  5. 前記第2の蛍光体層を形成した後に、
    前記第1または第2の蛍光体とは異なる第3の蛍光体を含む第3の樹脂部材を、前記第2の蛍光体層を被覆して塗布する工程と、
    前記LED素子を自発光させることにより、前記第2の蛍光体層周りの前記第3の樹脂部材を、部分的に硬化させる工程と、
    前記第3の樹脂部材の内の未硬化部分を除去することで、第3の蛍光体層を形成する工程と、を有する
    ことを特徴とする請求項4に記載のLED光源装置の製造方法。
  6. 前記LED素子が、n−UV発光ダイオードであり、
    前記第1の蛍光体が、前記LED素子からの発光色を赤色に変換する蛍光体であり、
    前記第2の蛍光体が、前記LED素子からの発光色を緑色に変換する蛍光体であり、
    前記第3の蛍光体が、前記LED素子からの発光色を青色に変換する蛍光体である
    ことを特徴とする請求項5に記載のLED光源装置の製造方法。
  7. 前記LED素子が、青色発光ダイオードであり、
    前記第1の蛍光体が、前記LED素子からの発光色を黄色に変換する蛍光体である
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のLED光源装置の製造方法。
  8. 前記LED素子が、青色発光ダイオードであり、
    前記第1の蛍光体が、前記LED素子からの発光色を赤色に変換する蛍光体であり、
    前記第2の蛍光体が、前記LED素子からの発光色を緑色に変換する蛍光体である
    ことを特徴とする請求項4に記載のLED光源装置の製造方法。
  9. 最表面に形成された蛍光体層を、更に透明性の封止材料で封止する
    ことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のLED光源装置の製造方法。
  10. 基板に設けた電極部と前記LED素子とを電気的に接続したワイヤを介して前記LED素子に電流を供給することで、前記LED素子を自発光させる
    ことを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載のLED光源装置の製造方法。
  11. 前記LED光源装置を、集合基板に複数個並べて、多数個同時に自発光させることにより、個々のLED素子の周りに、前記決定した膜厚の前記透明樹脂層を形成する
    ことを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載のLED光源装置の製造方法。
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