以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
まず、図1〜図6を参照して、本発明の第1実施形態による表面実装機1の構造を説明する。
図1に示すように、第1実施形態による表面実装機1は、プリント基板(多面取り基板50)に部品を実装する装置である。図1に示すように、表面実装機1は、基台4上に配置されX方向に延びる基板搬送コンベア2と、基台4上方に配置され基板搬送コンベア2の上方をXY方向に移動可能なヘッドユニット3とを備えている。また、基台4上には、矢印Y1方向側の端部に配置された第1フィーダ載置部5と、基台4上の矢印Y2方向側の端部に配置された第2フィーダ載置部6とが基板搬送コンベア2の両側に設けられている。第1フィーダ載置部5および第2フィーダ載置部6には、部品を供給するための複数のテープフィーダ60がX方向に配列されている。ヘッドユニット3は、テープフィーダ60の部品取出部61から部品を取得するとともに、基板搬送コンベア2上のプリント基板(多面取り基板50)に部品を実装する機能を有する。なお、部品は、IC、トランジスタ、コンデンサおよび抵抗などの小型の電子部品である。以下、表面実装機1の具体的な構造を説明する。
基板搬送コンベア2は、図示しない搬送路から搬入される多面取り基板50をX方向に搬送し、所定の実装作業位置に多面取り基板50を配置するとともに、実装作業が終了した多面取り基板50を搬出する機能を有する。なお、第1実施形態では、図示しない搬送路によって基板搬送コンベア2の矢印X1方向側(上流側)から多面取り基板50が搬入され、実装作業後、矢印X2方向側(下流側)の図示しない搬送路に搬出される。基板搬送コンベア2は、Y方向に対向する一対のコンベア部2aおよび2bを有している。基板搬送コンベア2は、コンベア部2aおよび2bによって多面取り基板50を支持しながらX方向に搬送するように構成されている。
図1に示すように、ヘッドユニット3は、X方向に延びるヘッドユニット支持部7に沿ってX方向に移動可能に構成されている。具体的には、図1に示すように、ヘッドユニット支持部7は、X方向に延びるボールねじ軸7aと、ボールねじ軸7aを回転させるサーボモータ7bと、X方向のガイドレール(図示せず)とを有している。また、ヘッドユニット3は、ボールねじ軸7aが螺合されるボールナット3aを有している。ヘッドユニット3は、サーボモータ7bによりボールねじ軸7aが回転されることにより、ヘッドユニット支持部7に対してX方向に移動するように構成されている。
また、ヘッドユニット支持部7は、基台4上に基板搬送コンベア2を跨ぐように設けられたY方向に延びる一対の固定レール部8に沿って、Y方向に移動可能に構成されている。具体的には、一対の固定レール部8は、それぞれ、ヘッドユニット支持部7の両端部をY方向に移動可能に支持するガイドレール8aと、Y方向に延びるボールねじ軸8bと、ボールねじ軸8bを回転させるサーボモータ8cとを有している。また、ヘッドユニット支持部7は、ボールねじ軸8bが螺合されるボールナット7cを有している。ヘッドユニット支持部7は、サーボモータ8cによりボールねじ軸8bが回転されることにより、固定レール部8に対してY方向に移動するように構成されている。このような構成により、ヘッドユニット3は、基台4上をXY方向に移動することが可能なように構成されている。
また、ヘッドユニット3には、X方向に列状に配置された6本の実装ヘッド部3bが設けられている。各実装ヘッド部3bには、先端(下端)に部品吸着および搭載を行うための吸着ノズル(図示せず)が下方に突出するように取り付けられている。また、実装ヘッド部3bには、それぞれ、吸着ノズル(図示せず)の先端に負圧状態を発生させる負圧発生器(図示せず)と、吸着ノズルを上下方向(Z方向)に移動させるサーボモータなどの昇降装置(図示せず)とが設けられている。各実装ヘッド部3bの吸着ノズルは、先端に負圧状態を発生させることによって、テープフィーダ60から供給される部品を先端に吸着および保持することが可能である。実装ヘッド部3bは、それぞれ個別に負圧状態の発生、解除および正圧状態の発生を切り替えることが可能に構成されている。
また、各々の実装ヘッド部3bの吸着ノズルは、昇降装置(図示せず)によりヘッドユニット3に対して上下方向(Z方向)に移動させることによって、吸着ノズルが上昇位置に位置した状態で部品の搬送などを行うとともに、吸着ノズルが下降位置に位置した状態で部品のテープフィーダ60からの吸着および多面取り基板50への実装を行うように構成されている。また、実装ヘッド部3bは、サーボモータなどのノズル回転装置(図示せず)により、吸着ノズル自体をその軸を中心として回転可能に構成されている。これにより、表面実装機1では、部品を搬送する途中に吸着ノズルを回転させることにより、ノズルの先端に保持された部品の姿勢(水平面内の向き)を調整することが可能である。
また、ヘッドユニット3の矢印X1方向側の側部には、基板撮像装置3cが取り付けられている。基板撮像装置3cは、CCDエリアカメラで構成されており、撮像方向がヘッドユニット3から下方に向くように取り付けられている。この基板撮像装置3cは、部品搭載時に、プリント基板のフィデューシャルマーク(多面取り基板50の表面に設けられた2つのフィデューシャルマーク51および52)を撮像することによりプリント基板(多面取り基板50)の位置を認識するように構成されている。また、プリント基板が複数の個片基板50a(図3および図4参照)を含む多面取り基板50である場合には、基板撮像装置3cは、多面取り基板50に設けられた2つのフィデューシャルマーク51および52を撮像することにより多面取り基板50の位置を認識するとともに、各個片基板50aに選択的に付されたバッドマークBMを撮像することにより各個片基板50aの良否を認識するように構成されている。また、ヘッドユニット3には、基板撮像装置3cに隣接するように、LEDによりストロボ発光することが可能な照明装置3dが設けられている。プリント基板(多面取り基板50)を撮像する場合には、照明装置3dによりプリント基板(多面取り基板50)に光を照射して撮像が行われる。なお、基板撮像装置3cは、本発明の「撮像装置」の一例であり、ヘッドユニット3は、本発明の「移動撮像部」の一例である。
ここで、図3および図4を参照して、多面取り基板50の構造について説明する。多面取り基板50は、同一の回路(図示せず)がそれぞれに形成された複数の個片基板50aを含んでおり、1枚の多面取り基板50に対して実装を行うことにより、複数の個片基板50aに同時に実装を行うことが可能に構成されている。多面取り基板50は、実装後に各個片基板50aに切り離して個別に使用される。この多面取り基板50は、表面実装機1に供給される前に、各個片基板50aの各回路のそれぞれに欠陥があるか否かが検査されている。多面取り基板50の複数の個片基板50aのうち、検査により欠陥があると判定された個片基板50aについては、その個片基板50aにマーク(所謂バッドマークBM)が付される。バッドマークBMは、その付される位置が予め定められている。以下、その定められた位置をバッドマーク付与予定位置と呼ぶ。
たとえば、図3では、バッドマーク付与予定位置は各個片基板50aの中央部(平面的な中心部)に定められており、バッドマークBMは各個片基板50aの中央部(平面的な中心部)に付されている。図4では、バッドマーク付与予定位置は各個片基板50aにおける図4の左上の領域に定められており、バッドマークBMは各個片基板50aにおける図4の左上の領域に付されている。なお、バッドマークBMは個片基板50a自体ではなく個片基板50aの近傍に付される場合もある。したがって、実装を行う際に、多面取り基板50の各個片基板50aのバッドマーク付与予定位置を撮像することにより、どの個片基板50aにバッドマークBMが付されているかを識別することが可能である。これにより、バッドマークBMが付されている個片基板50aについては、その個片基板50aが不良基板であると表面実装機1が認識することが可能であるので、その個片基板50aについて部品の実装を行わないように表面実装機1を制御することが可能である。なお、個片基板50aは、本発明の「個片部」の一例であり、多面取り基板50は、本発明の「個片配置パターン」の一例である。
また、多面取り基板50には2つのフィデューシャルマーク51および52が設けられている。このフィデューシャルマーク51および52を撮像することにより、撮像画像におけるフィデューシャルマーク51および52の位置から多面取り基板50の位置を表面実装機1が認識することが可能である。各個片基板50aは多面取り基板50に一体に形成されているので、多面取り基板50の位置を認識することにより、各個片基板50aの位置も認識することが可能である。第1実施形態では、表面実装機1は、この2つのフィデューシャルマーク51および52の撮像結果に基づいて、各個片基板50aへの部品の実装を行うように構成されている。なお、第1実施形態では、多面取り基板50にフィデューシャルマーク51および52が設けられている一方、各個片基板50a毎にはフィデューシャルマークが設けられていない。
また、多面取り基板50の場合、多面取り基板50に含まれる個片基板50aの配置パターン(個片基板50aの大きさ、形状、ピッチなど)が種類によって異なる。たとえば、図3に示す多面取り基板50(501)では、一枚の基板に14×20=280個の個片基板50a(501a)が形成されている。この多面取り基板501における互いに隣接する個片基板50a(501a)同士のバッドマーク付与予定位置の間隔はP1である。その一方、図4に示す多面取り基板50(502)では、一枚の基板に3×5=15個の個片基板50a(502a)が形成されている。この多面取り基板502における互いに隣接する個片基板50a(502a)同士のバッドマーク付与予定位置の間隔はP1よりも大きいP2である。多面取り基板501は、1つの個片基板501aの大きさが比較的小さいので、4つの個片基板501aが基板撮像装置3cの撮像視野Sに入っている。その一方、多面取り基板502は、1つの個片基板502aの大きさが比較的大きいので、1つの個片基板502aの一部のみが基板撮像装置3cの撮像視野Sに入っている。
表面実装機1の動作は、図2に示す制御装置9によって制御されている。制御装置9は、主制御部91、駆動制御部92、画像処理部93、バルブ制御部94および記憶部95を含んでいる。また、制御装置9は、液晶表示装置などの表示ユニット96と、キーボードなどの入力ユニット97とを備えている。
主制御部91は、論理演算を実行するCPUなどから構成されている。主制御部91は、記憶部95のROMに記憶されているプログラムに従って、駆動制御部92を介してヘッドユニット3、基板搬送コンベア2などの動作を制御するとともに、画像処理部93を介してヘッドユニット3の基板撮像装置3cを制御するように構成されている。また、主制御部91は、バルブ制御部94を介して、ヘッドユニット3に設けられた負圧供給バルブ(負圧発生器)を制御することにより、吸着ノズルによる部品の吸着動作を制御するように構成されている。また、主制御部91は、記憶部95に記憶された基板データ95aを読み出し、実装対象の多面取り基板50の大きさや多面取り基板50のフィデューシャルマーク51および52の位置情報などを取得するように構成されている。第1実施形態では、プリント基板が多面取り基板50である場合には、多面取り基板50の大きさや多面取り基板50のフィデューシャルマーク51および52の位置情報に加えて、各個片基板50aの位置情報を取得するように構成されている。各個片基板50aの位置情報には、たとえば、各個片基板50aの大きさ、個数、各個片基板50aにおけるバッドマーク付与予定位置、隣接する個片基板50a間の間隔(隣接するバッドマーク付与予定位置間の間隔)などが含まれる。
実装時には、主制御部91は、記憶部95に記憶された実装プログラム95cにしたがって多面取り基板50の各個片基板50a上の所定の搭載位置に部品が順次装着されるように、これらの駆動制御部92、画像処理部93、バルブ制御部94および記憶部95を制御するように構成されている。
ここで、第1実施形態では、主制御部91は、多面取り基板50に実装する場合には、実装を行う際に、後述する基板データ95aに基づいてフィデューシャルマーク51および52の位置情報および各個片基板50aの位置情報を取得する。そして、主制御部91は、取得した位置情報に合わせてヘッドユニット3を駆動して基板撮像装置3cにより2つのフィデューシャルマーク51および52および各個片基板のバッドマーク付与予定位置を順次撮像するように制御する。2つのフィデューシャルマーク51および52を撮像することにより、主制御部91は多面取り基板50の位置を認識するとともに、認識した位置に基づいて多面取り基板50の各個片基板50aへの部品の実装を、記憶部95に記憶された部品データ、部品別の実装位置データおよび実装方向データ等の下記する実装データ95bに基いて行うように、ヘッドユニット3などを制御するように構成されている。また、各個片基板50aのバッドマーク付与予定位置を撮像することにより、主制御部91はどの個片基板50aが不良基板であるかを認識するとともに、不良基板については部品の実装を行わないようにヘッドユニット3などを制御するように構成されている。
第1実施形態では、主制御部91は、最初にフィデューシャルマーク51を撮像した後、複数のバッドマーク付与予定位置を順次撮像し、最後にフィデューシャルマーク52を撮像するようにヘッドユニット3を制御する。この際、主制御部91は、フィデューシャルマーク51および52を撮像する際には、フィデューシャルマーク51および52の上方でヘッドユニット3(基板撮像装置3c)を静止させた状態で撮像を行うようにヘッドユニット3を制御するように構成されている。これは、フィデューシャルマーク51および52の撮像結果に基づいて部品の装着位置を補正するので、フィデューシャルマーク51および52の撮像画像にぶれがあると実装精度に大きく影響するためである。また、バッドマーク付与予定位置を撮像する場合には、主制御部91は、各バッドマーク付与予定位置の上方でヘッドユニット3(基板撮像装置3c)をその都度静止させて撮像を行う、いわゆるPTP(Pose To Pose)制御により撮像を行うか、各バッドマーク付与予定位置の上方をヘッドユニット3(基板撮像装置3c)を移動させながら撮像を行う、流し撮り制御により撮像を行うかを選択することが可能に構成されている。バッドマークBMの撮像は、正確に位置を認識する必要のあるフィデューシャルマーク51および52の撮像とは異なり、マークの有無が判別できれば足り、撮像画像の鮮明度などはあまり重要でないので、流し撮り制御により撮像することが可能である。
ここで、第1実施形態では、主制御部91は、基板データ95aに基づいて、PTP制御または流し撮り制御のいずれによりバッドマーク付与予定位置の撮像を行うかを選択するように構成されている。具体的には、主制御部91は、基板データ95aに含まれる互いに隣接する個片基板501a間の間隔(隣接するバッドマーク付与予定位置間の間隔)に基づいて、全てのバッドマーク付与予定位置の撮像に要する時間が短い方の制御により撮像を行うように構成されている。図3に示すように、隣接するバッドマーク付与予定位置間の間隔P1が小さい多面取り基板50(501)の場合、PTP制御で撮像を行った場合には、停止位置から次の停止位置までの距離が短いのでヘッドユニット3の速度を大きく上げることができない一方、流し撮り制御の場合には一定速度で撮像を行うことが可能である。したがって、互いに隣接するバッドマーク付与予定位置間の間隔P1が小さい多面取り基板50(501)の場合には、PTP制御よりも流し撮り制御の方がヘッドユニット3の平均速度が相対的に大きくなるので、流し撮り制御により撮像を行う方が早く撮像を行うことが可能である。
個片基板501aが比較的小さい多面取り基板501(図3参照)をPTP制御により静止撮像した場合と、流し撮り制御により移動撮像した場合のヘッドユニット3の速度変化と時間との関係を図5に模式的に示す。ハッチングで示した領域の面積は、ヘッドユニット3の移動距離を示しており、静止撮像の場合と移動撮像の場合とで面積は等しくなっている。すなわち、図5のグラフにおいては、所定距離(図3に示す撮像時のヘッドユニット3の移動軌跡L1で示される距離)を静止撮像で撮像を行って移動した場合のヘッドユニット3の速度変化と、同じ距離を移動撮像で撮像を行って移動した場合のヘッドユニット3の速度変化とを模式的に示している。図5に示すように、移動撮像の場合の撮像終了時の時間t1は、静止撮像の場合の撮像終了時の時間t2よりも小さくなっている。
また、図4に示すように、互いに隣接するバッドマーク付与予定位置間の間隔P2が大きい多面取り基板502の場合、PTP制御で静止撮像を行った場合には、停止位置から次の停止位置までの距離が長いのでヘッドユニット3の速度を大きく上げることができる一方、流し撮り制御の場合には基板撮像装置3cのフレームレートに限界があることから、所定の速度以上にヘッドユニット3の速度を上げることができない。したがって、互いに隣接するバッドマーク付与予定位置間の間隔P2が大きい多面取り基板50の場合には、流し撮り制御よりもPTP制御の方がヘッドユニット3の平均速度が相対的に大きくなるので、PTP制御により撮像を行う方が早く撮像を行うことが可能である。
個片基板50aが比較的大きい多面取り基板502をPTP制御により静止撮像した場合と、流し撮り制御により移動撮像した場合のヘッドユニット3の速度変化と時間との関係を図6に示す。図5と同様に、図6のグラフにおいては、所定距離(図4に示す撮像時のヘッドユニット3の移動軌跡L2で示される距離)を静止撮像で撮像を行って移動した場合のヘッドユニット3の速度変化と、同じ距離を移動撮像で撮像を行って移動した場合のヘッドユニット3の速度変化とを模式的に示している。図6に示すように、移動撮像の場合の撮像終了時の時間t3は、静止撮像の場合の撮像終了時の時間t4よりも大きくなっている。
上記のように、主制御部91は、隣接するバッドマーク付与予定位置間の間隔、基板撮像装置3cのフレームレート、ヘッドユニット3の最高速度およびヘッドユニット3の加速・減速性能などに基づいて、バッドマーク付与予定位置の撮像をPTP制御または流し撮り制御のいずれにより行うかを決定する。なお、流し撮り制御(移動撮像)およびPTP制御(静止撮像)は、それぞれ、本発明の「第1撮像動作」および「第2撮像動作」の一例である。
駆動制御部92は、主制御部91から出力される制御信号に基づいて、ヘッドユニット3の各部のモータ(X方向に移動するためのサーボモータ7b(X軸モータ)、Y方向に移動するためのサーボモータ8c(Y軸モータ)、実装ヘッド部3bの各6本の吸着ノズルをそれぞれ上下方向に移動させるための昇降装置のサーボモータ(Z軸モータ)、6本の吸着ノズルをそれぞれR軸方向(各吸着ノズルの中心軸回りの回転方向)に回転移動させるためのノズル回転装置のサーボモータ(R軸モータ))の駆動を制御するように構成されている。また、駆動制御部92は、主制御部91から出力される制御信号に基づいて、基板搬送コンベア2などの駆動を制御するように構成されている。また、第1実施形態では、駆動制御部92は、流し撮り制御によりバッドマーク付与予定位置の撮像を行う場合には、所定のタイミング(基板撮像装置3cがバッドマーク付与予定位置の上方に位置するタイミング)毎にストロボ照明を行うように照明装置3dを制御するように構成されている。流し撮り制御により撮像を行う場合には、駆動制御部92は、PTP制御の場合よりも撮像時における照明時間を短くするとともに、PTP制御の場合よりも基板撮像装置3cのゲイン(入力信号の大きさに対する出力信号の大きさの比)を大きくするように、照明装置3dおよび基板撮像装置3cを制御するように構成されている。
画像処理部93は、主制御部91から出力される制御信号に基づいて、基板撮像装置3cや基台4上に設けられた部品撮像装置10(図1参照)から所定のタイミングで撮像信号の読み出しを行うとともに、読み出した撮像信号に所定の画像処理を行うことにより、部品や多面取り基板50のフィデューシャルマーク51および52を認識するのに適した画像データを生成するように構成されている。これらの画像データは主制御部91に出力され、部品の画像データに基づいて各吸着ノズルに吸着された部品の良否判定(吸着不良であるか否か)や、吸着ノズルによる部品の吸着位置ずれの算出と実装位置の補正とが行われるように構成されている。また、主制御部91により、多面取り基板50のフィデューシャルマーク51および52の画像データに基づいて多面取り基板50の位置が認識されるように構成されている。
記憶部95は、CPUを制御するプログラムなどを記憶するROM(Read Only Memory)および装置の動作中に種々のデータを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)などから構成されている。また、記憶部95には、実装対象となる多面取り基板50の寸法、多面取り基板50のフィデューシャルマーク51および52の位置などの基板データ95aや、実装対象となる部品に関わる各種データ、実装位置および実装方向など、所定の実装済み多面取り基板50の製造を行うための実装データ95bや、基板データ95aおよび実装データ95bなどに基づいて実装作業を行うための実装プログラム95cが記憶されている。実装時には、これらのデータが主制御部91により読み出されるとともに、読み出されたデータに基づいて実装作業が行われるように構成されている。
テープフィーダ60は、複数の部品を所定の間隔を隔てて保持したテープが巻き回されたリール(図示せず)を保持している。このテープフィーダ60は、リールを回転させることにより部品を保持するテープを送り出すことによって、テープフィーダ60の先端の部品取出部61(図1参照)から部品を供給するように構成されている。各テープフィーダ60は、第1フィーダ載置部5および第2フィーダ載置部6に固定されるとともに、第1フィーダ載置部5および第2フィーダ載置部6に設けられた図示しないコネクタを介して制御装置9に電気的に接続されるように構成されている。これにより、第1フィーダ載置部5および第2フィーダ載置部6にセットされた複数のテープフィーダ60の各々は、制御装置9からの制御信号に基づいて、ヘッドユニット3による多面取り基板50への部品実装動作と、リールからテープを送り出す部品供給動作とを同期させるように構成されている。
次に、図7を参照して、本発明の第1実施形態による表面実装機1の実装動作について説明する。
まず、図7のステップS1において、実装対象のプリント基板の基板データ95aおよび実装データ95bが記憶部95に取り込まれ、ステップS2において、基板搬送コンベア2が作動し、実装生産開始時には、実装対象の多面取り基板50の搬入が開始され、生産ロットの途中であれば、実装の終了したプリント基板(多面取り基板50)が搬出されるとともに、実装対象のプリント基板が搬入される。このプリント基板(多面取り基板50)の搬送動作中においてはヘッドユニット3は待機中となる。
次に、ステップS3において、主制御部91は、記憶部95の基板データ95aを読み出しつつ、読み出した基板データ95aに基づいて、実装対象が多面取り基板50であるか否かを判断する。
実装対象が多面取り基板50の場合には、ステップS4において、主制御部91は、基板データ95aに基づいて、T1<T2であるか否かを判断する。なお、T1は、多面取り基板50の複数のバッドマーク付与予定位置をヘッドユニット3を移動させながら撮像させたとした場合における全てのバッドマーク付与予定位置の撮像(移動撮像)に要する時間であり、T2は、多面取り基板50の複数のバッドマーク付与予定位置をヘッドユニット3を撮像時にその都度停止(静止)させながら撮像させたとした場合における全てのバッドマーク付与予定位置の撮像(静止撮像)に要する時間である。T1<T2である場合には、ステップS5に進み、T1≧T2である場合には、ステップS6に進む。
ステップS5またはステップS6では、多面取り基板50の2つのフィデューシャルマーク51および52と、多面取り基板50の複数のバッドマーク付与予定位置とを順次撮像する。撮像する順番としては、第1実施形態では、図3の移動軌跡L1および図4の移動軌跡L2のように、まずフィデューシャルマーク51を撮像してから、複数のバッドマーク付与予定位置を撮像し、最後にフィデューシャルマーク52を撮像する。
ステップS5においては、移動撮像の方が静止撮像よりも早いと判断されたので、フィデューシャルマーク51をヘッドユニット3を静止させて撮像した後に、バッドマーク付与予定位置をヘッドユニット3を一定速度で移動させながら順次撮像していく。この時のヘッドユニット3の移動速度は、基板撮像装置3cのフレームレートなどの関係から、ヘッドユニット3の最高速度よりも小さい速度となる。また、移動撮像の場合には、主制御部91は、静止撮像の場合よりも撮像時におけるストロボ発光の発光時間を短くするように照明装置3dを制御するとともに、静止撮像の場合よりも基板撮像装置3cのゲイン(感度)を上昇させるように撮像装置を制御する。そして、最後にフィデューシャルマーク52をヘッドユニット3を静止させて撮像する。
また、ステップS6においては、静止撮像の方が移動撮像よりも早いと判断されたので、フィデューシャルマーク51をヘッドユニット3を静止させて撮像した後に、バッドマーク付与予定位置をヘッドユニット3を撮像する際に各バッドマーク付与予定位置の上方でその都度静止させながら順次撮像していく。この時のヘッドユニット3の移動速度は、最大でヘッドユニット3の最高速度であり、バッドマーク付与予定位置の撮像を行う間のヘッドユニット3の平均速度は、上記移動撮像時の速度よりも大きくなる。そして、最後にフィデューシャルマーク52をヘッドユニット3を静止させて撮像する。
そして、ステップS7において、主制御部91は、ステップS5またはステップS6において取得した撮像画像に基づいて、複数の個片基板50aのうち、どの個片基板50aが不良であるのかを認識する。この際、ステップS5において移動撮像された撮像画像にはエリアカメラによる撮像の原理上ぶれが生じているが、バッドマークBMの有無が判別できればよいので、撮像画像にぶれが生じていても判別結果に影響はない。また、主制御部91は、フィデューシャルマーク51および52の撮像画像に基づいて、多面取り基板50の位置(位置ずれ)を認識するとともに、位置ずれに合わせて、部品の装着位置および装着方向を補正する補正値を取得する。
この後、ステップS8において、主制御部91は、基板データ95a、実装データ95bおよび実装プログラム95cなどに基づいて、不良であると判別した個片基板50aを除いて、多面取り基板50に部品の実装を行う。すなわち、主制御部91は、不良であると判断された個片基板50aの実装データ95bを除いて各個片基板50aの実装データ95bを実装データ記憶部(図示せず)にコピーするとともに、実装データ記憶部に記憶されたデータに基づいて、部品の実装を行う。この実装動作は、上記した補正値により部品の装着位置および装着方向が補正されながら実行される。また、ステップS9において、実装が完了したか否かが判断されるとともに、実装が完了するまでステップS8およびステップS9が繰り返される。実装が完了した後、ステップS13に進む。
また、ステップS3において多面取り基板50ではないと判断された場合には、ステップS10において、プリント基板のフィデューシャルマークが静止撮像されるとともに、その撮像結果に基づいてプリント基板の位置を認識するとともに、部品の装着位置および装着方向を補正する補正値を取得する。そして、ステップS11およびステップS12において、認識したプリント基板の位置に基づいて、実装が完了するまで部品の実装を行う。すなわち、主制御部91は、プリント基板の実装データ95bを実装データ記憶部(図示せず)にコピーするとともに、実装データ記憶部に記憶されたデータに基づいて、部品の実装を行う。この後、ステップS13に進む。
ステップS13においては、主制御部91は、次に実装するプリント基板(通常のプリント基板または多面取り基板50)があるか否かを判断する。実装するプリント基板がある場合には、ステップS1に戻り、実装するプリント基板がない場合には、ステップS14において、基板搬送コンベア2が作動し、実装が完了したプリント基板を搬出する。このようにして、第1実施形態による表面実装機1の実装動作が行われる。
第1実施形態では、上記のように、多面取り基板50の複数のバッドマーク付与予定位置を撮像する際に、複数の個片基板50aの配置パターンに基づいて、移動撮像と静止撮像とのいずれかを選択するように構成している。このように構成することによって、基板データ95aにより取得する複数の個片基板50aの配置パターンに基づいて、ヘッドユニット3の多面取り基板50に対する移動速度(ヘッドユニット3の多面取り基板50に対する最高速度)および加速・減速性能(ヘッドユニット3の多面取り基板50に対する加速・減速性能)などを考慮して、移動撮像と静止撮像との撮像に要する時間を比較してより短い時間でバッドマーク付与予定位置を撮像可能な方の撮像動作を選択することができる。これにより、エリアカメラにより撮像可能な基板撮像装置3cを用いた場合に、多面取り基板50における複数のバッドマーク付与予定位置の撮像時間を短縮することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、互いに隣接する2つのバッドマーク付与予定位置同士の間隔に基づいて、移動撮像と静止撮像とのいずれかを選択するように構成している。このように構成することによって、互いに隣接する2つのバッドマーク付与予定位置同士の間隔(撮像点間隔)が小さい場合には、静止撮像を行う静止撮像を行ったとした場合にヘッドユニット3の十分な加速ができず、移動撮像を行う移動撮像に比べて撮像に要する時間が増加してしまうので、移動撮像により撮像を行うことを選択することができる。その一方、撮像点間隔が大きい場合には、静止撮像を行う静止撮像を行ったとした場合にヘッドユニット3の十分な加速を行うことが可能であるとともに撮像点間の移動時間を大幅に小さくすることが可能であり、その結果、撮像時にヘッドユニット3を静止させることに起因する時間のロスを勘案しても、移動撮像に比べて撮像に要する時間が短縮されるので、静止撮像により撮像を行うことを選択することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、複数のバッドマーク付与予定位置の撮像を行う際に、ヘッドユニット3の基板撮像装置3cをフィデューシャルマーク51および52の上方で静止させた状態でフィデューシャルマーク51および52を撮像するように構成している。このように構成することによって、正確な位置を特定する必要のあるフィデューシャルマーク51および52の撮像は撮像画像のぶれを防止するためにヘッドユニット3を静止させて行い、撮像画像の精度をそれほど必要としない多面取り基板50のバッドマーク付与予定位置の撮像は、多面取り基板50の個片基板50aの配置パターンに応じて、静止撮像または移動撮像を選択的に行うことができる。
また、第1実施形態では、上記のように、移動撮像の場合には、静止撮像の場合よりも照明装置3dによる発光時間を短くするとともに、静止撮像の場合よりも基板撮像装置3cのゲイン(出力/入力の比)を上昇させるように構成している。このように構成することによって、バッドマーク付与予定位置を移動撮像により行う際には、画像のぶれを抑制するために照明装置3dによる発光時間を短くするとともに、発光時間を短くすることに起因して撮像画像が暗くなることを抑制するために基板撮像装置3cのゲインを大きくすることができる。これにより、移動撮像を行う移動撮像の場合でも、撮像画像が暗くなることに起因してバッドマーク付与予定位置の撮像結果が不鮮明になることを抑制することができる。その一方、フィデューシャルマーク51および52を撮像する際には、画像の明るさを確保するために照明装置3dによる発光時間を長くするとともに、ノイズが増幅されることを抑制するために基板撮像装置3cのゲイン(感度)を小さくしておくことができる。
(第2実施形態)
次に、図8を参照して、本発明の第2実施形態による表面実装機101について説明する。この第2実施形態では、多面取り基板50の各個片基板50aの良否を判別するためにバッドマークBMを撮像した上記第1実施形態と異なり、ベアチップ部品301の良否を判別するためにベアチップ部品301の集合体300の撮像を行う例について説明する。
第2実施形態による表面実装機101は、図8に示すように、プリント基板200に部品を実装する装置である。表面実装機101は、X方向に延びる基板搬送コンベア102と、ヘッドユニット103とを備えている。ヘッドユニット103は、基板搬送コンベア102の上方をボールねじ軸103a、ボールねじ軸103aを回転させるサーボモータ103b、ボールねじ軸103cおよびボールねじ軸103cを回転させるサーボモータ103dなどを用いて上記第1実施形態と同様のボールねじ機構によってXY方向に移動可能に構成されている。
また、第2実施形態では、ベアチップ部品301を供給するための部品供給装置104が設けられている。部品供給装置104は、複数のベアチップ部品301の集合体300をトレイ302に載置した状態で供給するように構成されている。なお、集合体300は、複数の回路が形成された円盤状のシリコンウエハが碁盤目状にダイシングされて形成されたものである。ダイシングされた後の各ベアチップ部品301は、それぞれが回路を含んでいる。シリコンウエハは粘着シート300a(図9参照)上に載置された状態でダイシングされているので、ダイシングされた後もベアチップ部品301の集合体300は円盤状に配置されたままとなる。部品供給装置104は、基台105の外側に配置され、ベアチップ部品301の集合体300が載置されたトレイ302を複数収納するウエハ収納部104aと、基台105上に配置され、ウエハ収納部104aからトレイ302を受け取って、ヘッドユニット103の移動可能範囲下方となる基台105上まで移動するウエハステージ104bとを含んでいる。なお、ベアチップ部品301は、本発明の「個片部」および「個片ウエハ部品」の一例であり、集合体300は、本発明の「個片配置パターン」の一例である。
ヘッドユニット103には、基板撮像装置103eが設けられており、基板搬送コンベア102上のプリント基板200のフィデューシャルマーク(図示せず)を撮像することが可能である。また、ヘッドユニット103は、ウエハステージ104b上方と基板200上方とを往復移動することが可能に構成されており、基板撮像装置103eは、ウエハステージ104bに移載されたトレイ302およびトレイ302に載置されたベアチップ部品301の集合体300を撮像することが可能である。
また、部品供給装置104の上方には、ウエハステージ104bに位置決めされたトレイ302上の各ベアチップ部品301の正確な位置を認識するための撮像装置106が設けられている。撮像装置106は、ボールねじ軸106a、ボールねじ軸106aを回転させるサーボモータ106b、ボールねじ軸106cおよびボールねじ軸106cを回転させるサーボモータ106dなどを用いてヘッドユニット103と同様のボールねじ機構によってXY方向に移動可能に構成されている。また、ウエハステージ104bの近傍の基台105上には、ヘッドユニット103の不図示の吸着ノズルにより吸着されたベアチップ部品301の、吸着ノズルに対する位置ずれや吸着方向を撮像するための部品撮像装置107が設けられている。なお、撮像装置106は、本発明の「撮像装置」および「移動撮像部」の一例である。
ここで、トレイ302に載置されたベアチップ部品301の集合体300の中には、不良のベアチップ部品301(図9にハッチングで図示)が含まれている場合がある。不良のベアチップ部品301は、ベアチップ部品301について予め検査が行われることにより特定されている。第2実施形態では、ベアチップ部品301の集合体300のうちどの位置のベアチップ部品301が不良であるかの情報(ウエハマッピングデータ)に基づいてベアチップ部品301の良/不良を判別するとともに、不良のベアチップ部品301は実装に用いないようにヘッドユニット103を制御するように構成されている。具体的には、ベアチップ部品301の集合体300の中に、他のベアチップ部品301の回路パターンと異なる所定の回路パターンが印刷された位置基準部品Rが複数組み込まれており、この位置基準部品Rの所定の回路パターンの位置を基準としてどの位置に不良のベアチップ部品301が位置するのかを示すデータをウエハマッピングデータとしている。なお、位置基準部品Rは、ベアチップ部品301のピッチを超える間隔を隔てて複数配置されている。ウエハマッピングデータは、複数の位置基準部品Rの配置場所や、互いに隣接する位置基準部品Rの回路パターン同士の間隔などの情報を含むベアチップ部品301の配列情報(配置パターン)を有している。
第2実施形態では、撮像装置106によってトレイ302に設けられたフィデューシャルマーク302aと、複数の位置基準部品Rの回路パターンとを撮像することによって、トレイ302の位置(位置ずれ)およびトレイ302の位置に対する位置基準部品Rの位置を認識している。なお、位置基準部品Rの回路パターンは、ベアチップ部品301の回路パターンとは明らかに異なる回路パターンであり、位置基準部品Rとベアチップ部品301とを撮像画像から容易に識別することが可能である。この位置基準部品Rの位置とウエハマッピングデータとに基づいて、不良のベアチップ部品301の位置を認識している。第2実施形態では、位置基準部品Rの回路パターンの撮像を行う際に、互いに隣接する位置基準部品R同士の間隔の大きさに基づいて、移動撮像または静止撮像のいずれかを選択するように構成されている。なお、位置基準部品Rの回路パターンは、本発明の「基準マーク」の一例である。
また、実装動作としては、まず、ヘッドユニット103の基板撮像装置103eによりトレイ302のフィデューシャルマーク302aが撮像される。これにより、ヘッドユニット103がトレイ302の位置を認識する。そして、ヘッドユニット103は、認識したトレイ302の位置と、認識した位置基準部品Rの位置と、ウエハマッピングデータとに基づいて、不良のベアチップ部品301の位置を算出する。そして、ヘッドユニット103は不良のベアチップ部品301以外のベアチップ部品301を取得してプリント基板200に装着する。
第2実施形態では、位置基準部品Rの位置と、予め取得しているウエハマッピングデータとに基づいて、不良品のベアチップ部品301の位置を特定するとともに、特定した位置のベアチップ部品301を実装に用いないように、ヘッドユニット103を制御するように構成している。このように構成することによって、複数のベアチップ部品301のうちの良品の位置と不良品の位置とを位置基準部品Rの位置とウエハマッピングデータとに基づいて特定することができるので、確実に良品のみをヘッドユニット3により取得して実装に用いることができる。また、位置基準部品Rの撮像を行う際に、互いに隣接する位置基準部品R同士の間隔の大きさに基づいて移動撮像または静止撮像を選択することによって、複数の位置基準部品Rの位置を認識するための撮像に要する時間を短縮することができる。
なお、図8に示す表面実装機101では、ベアチップ部品301を供給するための部品供給装置104のみが図示されているが、基板搬送コンベア102を挟んで部品供給装置104と反対側の基台105上には、フィーダ載置部(上記第1実施形態の第1フィーダ載置部5、第2フィーダ載置部6に相当)および部品撮像装置(上記第1実施形態の部品撮像装置10に相当)が配置されている。フィーダ載置部において複数のテープフィーダ(テープフィーダ60に相当)がX方向に配列されている。ヘッドユニット3は、ベアチップ部品301に加え、複数のテープフィーダに収納されているIC、トランジスタ、コンデンサおよび抵抗などの小型の電子部品を、プリント基板200上に実装可能とされている。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記第1実施形態および上記第2実施形態では、それぞれ、バッドマーク付与予定位置および位置基準部品Rの回路パターンの撮像について本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限らず、バッドマーク付与予定位置および位置基準部品R以外のマーク(マーク付与予定位置またはマークが付された個片部品など)がある場合には、そのマークの撮像について本発明を適用してもよい。
また、上記第1実施形態では、多面取り基板50の各個片基板50aのバッドマークBMの有無を判定するための撮像動作に本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限らず、上記第2実施形態のようにベアチップ部品301の集合体300からベアチップ部品301を供給する場合においては、検査において不良と判定されたベアチップ部品301にバッドマークを付しておき、そのバッドマークを撮像するための撮像動作時に本発明を適用してもよい。この場合には、互いに隣接するベアチップ部品301のピッチに基づいて、移動撮像または静止撮像が選択される。この場合には、各ベアチップ部品301が、本発明の「個片部」および「個片ウエハ部品」の一例となる。
また、上記第1実施形態では、全てのバッドマーク付与予定位置の撮像を静止撮像または移動撮像のいずれか一方により行った例を示したが、本発明はこれに限らず、複数のバッドマーク付与予定位置の一部のみを静止撮像または移動撮像のいずれかを選択して行ってもよい。
また、上記第1実施形態では、移動撮像の場合に、一定速度でヘッドユニット3を移動させる例を示したが、本発明はこれに限らず、一定速度で移動させなくてもよい。たとえば、ヘッドユニット3の速度が少なくとも撮像時点(バッドマーク付与予定位置の上方)で許容範囲内(撮像画像からバッドマークの有無が判別できる範囲内)の速度以下になっていれば、撮像点間においては許容範囲を超える速度で移動させてもよい。
また、上記第1実施形態では、バッドマーク付与予定位置のピッチに基づいて移動撮像または静止撮像のいずれかを選択した例を示したが、本発明はこれに限らず、個片基板50aの大きさや形状などの他の基板データ95aの内容に基づいて選択してもよい。
また、上記第1実施形態では、固定的に設置された多面取り基板50に対してヘッドユニット3を移動させながら撮像する例を示したが、本発明はこれに限らず、ヘッドユニットを固定させるとともに多面取り基板を移動させながら撮像を行ってもよい。
また、上記第1実施形態では、互いに隣接するバッドマーク付与予定位置間の間隔に基づいて、移動撮像と静止撮像のいずれの撮像動作の撮像時間が短いかを判断するとともに、撮像時間が短い方の撮像動作を選択する例を示したが、本発明はこれに限らず、多面取り基板50の配置パターン毎に撮像動作(移動撮像または静止撮像のいずれか)を予め定めておいてもよい。たとえば、基板データ95aなどに、多面取り基板50の個片基板50aの配置パターンに基づいて定められた移動撮像または静止撮像のいずれの撮像動作によって撮像を行うかの情報を組み入れていてもよい。また、互いに隣接するバッドマーク付与予定位置間の間隔が予め設定された閾値以上である場合に静止撮像を行ない、互いに隣接するバッドマーク付与予定位置間の間隔が予め設定された閾値未満である場合に移動撮像を行なうように構成してもよい。これらの構成は、ベアチップ部品301の集合体300の撮像の場合も同様である。
また、上記第2実施形態では、撮像装置106により位置基準部品Rの撮像を行った例を示したが、本発明はこれに限らず、ヘッドユニット103の基板撮像装置103eにより位置基準部品Rの撮像を行ってもよい。