JP2011007557A - 柔軟触覚センサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光透過性弾性部材からなるセンサ本体と、前記本体に設けた発光部と、前記発光部から離間させて前記本体に設けた受光部と、を備え、前記受光部は、複数の受光素子からなり、各受光素子は前記発光部に対して互いに異なる配向を有しており、前記センサ本体の弾性変形に応じて変位する各受光素子で取得される光量の変化から当該センサ本体の変形を検知する、柔軟触覚センサ。
【選択図】図1
Description
光透過性弾性部材からなるセンサ本体と、
前記センサ本体内に光を照射する発光部と、
前記センサ本体内で散乱した光を受光する受光部と、
を備え、
前記受光部は、複数の受光素子からなり、各受光素子は互いに異なる配向を有すると共に前記センサ本体の弾性変形に応じて変位するように当該センサ本体に設けてあり、
前記センサ本体の弾性変形に応じて変位する各受光素子で取得される光量の変化から当該センサ本体の立体的変形を検知する、
柔軟触覚センサ、である。
1つの態様では、前記受光部は前記発光部から離間させて前記センサ本体に設けてある。受光素子と発光素子を離間させることで、少なくとも、発光素子数<受光素子数とすることができ、発光素子の数を抑制して消費電力を抑えることができる。
1つの態様では、前記各受光素子は前記発光部に対して互いに異なる配向を有している。
センサ本体を形成する光透過性弾性部材は、発泡ウレタンに限定されるものではなく、シリコーンゴム、シリコーンゴムスポンジ、シリコーンゲル、フォームラテックス、その他の発泡性の柔軟材料が用いられ得る。
受光素子は、典型的には、フォトダイオードないしフォトトランジスタである。また、小型のRGBカラーセンサを受光素子に用いて、可視光LEDを発光素子としてもよい。
1つの態様では、前記受光部は、センサ本体に外力が作用しない状態で、受光面の法線方向が発光部の光軸の方向と一致する少なくとも1つの受光素子と、受光面の法線が発光部の光軸に対して傾きを持つ1つまたは複数の受光素子と、を備えている。
1つの態様では、前記第2受光素子、第3受光素子、第4受光素子、第5受光素子の各受光面の各法線は、前記第1受光素子の法線方向から見た時に、隣り合う法線が略90度の角度で延出している。この態様では、底面の受光素子の他に、対向する受光素子対が2組あることになる。
この場合、センサ本体の側面は複数の垂直面から構成されてもよいし、あるいは1つの曲面から構成されてもよい。
ここで、対向するとは、必ずしも第1面と第2面とが平行状に延出すること意味するものではなく、第1面及び第2面が共に平面の場合の他に、例えば、第1面が平面で、第2面が湾曲面であり、両面が全体として対向するようなものも含む。
1つの態様では、前記受光部は前記第2面の中央に配置されている。
センサ本体の形状は、直方体に限定されるものではなく、円柱状、半球状(ドーム型)等のその他の形状であってもよい。
典型的には、受光部基板の各面に1つの受光素子が搭載されており、面の数は受光素子の数に対応している。例えば、受光部が5つの受光素子を備える場合には、受光部基板は少なくとも5つの面を備えている。
各受光素子の受光面の法線方向は、各受光素子が搭載される受光部基板の各面の延出方向によって決定され得る。1つの態様では、受光素子の受光面の法線方向は、当該受光素子が搭載されている面の延出方向に対して鉛直する方向である。
1つの態様では、前記受光部基板は、底面と複数の側面とからなる。
1つの態様では、センサ本体に外力が作用しない状態において、前記底面は発光部の光軸に対して略90度の角度(光軸が鉛直方向だとすると、底面は水平面となる)で延出しており、前記側面は発光部の光軸との間で90度よりも大きく180度以下の角度(光軸が鉛直方向だとすると、側面は鉛直面となる)を形成するように延出している。
1つの態様では、前記フレキシブル基板は、センサ本体の外面に沿って設けてある。後述する実施形態では、フレキシブル基板は、センサ本体の外面に沿って埋設されている。
1つの態様では、前記フレキシブル基板は、発光部が搭載された第1領域と、受光部が搭載された第2領域(受光部基板)と、第1領域と第2領域を接続する細幅領域とからなる。
1つの態様では、前記第1領域には、マイクロプロセッサが搭載されている。
1つの態様では、前記第1領域には、1つまたは複数の端子が設けてある。
1つの態様では、前記複数の発光素子の光軸は互いに平行している。
後述する実施形態では、センサ本体の第1面に沿って3つのLEDが対角線上に配置されている。3つのLEDの光軸はいずれも鉛直方向に延出している。
発光部が複数の発光素子を備える場合に、必ずしも全ての発光素子の光軸が同じ方向に延出している必要はない。光軸方向が部分的にあるいは全体として異なってもよい。
発光素子は典型的には赤外線LEDであるが、他のLEDでもよい。
1つの態様では、全ての発光素子は同じピーク波長を備えており、全ての受光素子の受光感度は当該ピーク波長に対応している。
1つの態様では、前記複数のフォトインタラプタの各フォトインタラプタ(発光素子+受光素子)は、複数の面を備えた立体的な基板の各面に搭載されている。
典型的には、基板の各面に1つのフォトインタラプタが搭載されており、面の数は受光素子の数に対応している。例えば、5つのフォトインタラプタが5つの面を備えた基板に搭載されている。
各フォトインタラプタの受光素子の受光面の法線方向は、各受光素子が搭載される受光部基板の各面の延出方向によって決定され得る。1つの態様では、受光素子の受光面の法線方向は、当該受光素子が搭載されている面の延出方向に対して鉛直する方向である。
1つの態様では、前記基板は、底面と複数の側面とからなる。
1つの態様では、前記フォトインタラプタはフレキシブル基板に搭載されており、前記基板は前記フレキシブル基板の部分である。
1つの態様では、前記フレキシブル基板は、センサ本体の外面に沿って設けてある。
1つの態様では、前記フレキシブル基板は、マイクロプロセッサ、1つまたは複数の端子が搭載された第1領域と、複数のフォトインタラプタが搭載された第2領域と、第1領域と第2領域を接続する細幅領域とからなる。
光透過性弾性部材からなるセンサ本体と、
前記センサ本体内に光を照射する発光部と、
前記センサ本体内で散乱した光を受光する受光部と、
を備え、
前記発光部は、複数の発光素子からなり、
前記受光部は、複数の受光素子からなり、
各発光素子と各受光素子とが組を構成しており、各発光素子は組毎に異なるピーク波長を備えており、各受光素子の受光感度のピーク波長は同じ組の発光素子のピーク波長に対応しており、
前記センサ本体の弾性変形に応じて各受光素子で取得される光量の変化から当該センサ本体の立体的変形を検知する、
柔軟触覚センサ、である。
センサ本体の弾性変形に応じて受光素子が変位したり、あるいは、センサ本体の弾性変形に応じて発光素子が変位することで当該発光素子に対する受光素子の相対的位置が変位したりすることで、各受光素子で取得される光量が変化する。
典型的には発光素子と受光素子が同数であり、各発光素子と各受光素子とがペア(1対1)を構成する。各組は発光素子と受光素子のペア(1対1)に限定されるものではなく、発光素子:受光素子が、N(≧2):1、1:N(≧2)、M(≧2):N(≧2)でもよい。
1つの態様では、各組がセンサ本体の特定の変形方向に関連付けられるように当該センサ本体に設けてある。例えば、複数の組(発光素子と受光素子)を、各組が互いに離隔するようにセンサ本体に設けることで、各組の受光素子が受光した光量の変化に基づいて、センサ本体の変形の3次元方向を推定することができる。
1つの態様では、前記複数の発光素子及び前記複数の受光素子は、センサ本体に間隔を設けて平行状に配置した発光素子マトリックスと受光素子マトリックスであり、対向する発光素子と受光素子が組(ペア)を構成している。このような発光素子マトリックスと受光素子マトリックスをセンサ本体全体に亘って設けることで、センサ本体に作用した力の圧力分布情報を得ることができる。得られた圧力分布情報から3次元方向の変位を計算することができる。
1つの態様では、このような柔軟触覚センサシートはロボット用柔軟外装として用いられる。
1つの態様では、柔軟触覚センサシートは、接触面となる表面と、裏面と、を備え、前記触覚センサは裏面に形成された凹部に嵌め込まれている。
1つの態様では、柔軟触覚センサシートのシート本体は発泡ウレタンから形成されている。
本発明に係る柔軟触覚センサは、自身の3次元の変形を検知可能であると共に、センサ自体も柔軟外装と一緒に柔らかく変形することが可能であるので、このような3次元変形感覚を備えた柔軟触覚センサを、柔軟シートに埋め込むことで、柔軟シートの立体的な変形を感知することができる触覚機能を備えた柔軟触覚センサシートを提供することができる。
本発明に係る柔軟触覚センサは、柔軟であるので柔軟シートに埋め込んだ時に自然な手触りを提供すると共に、衝撃に強く、壊れにくい。
互いに間隔を設けて柔軟シートに埋設した複数の柔軟触覚センサには補間性があるので、センサ間に不感帯を作りにくい構造の柔軟触覚センサシートを提供することができる。
このような柔軟触覚センサシートは、好適には、ロボット用の柔軟外装として用いることができる。3次元変形検出可能な柔軟肉質外装をロボットの表面に装着することで、なで・つねりといった表面の変形を感じ、人間のような皮膚感覚を持った動作生成が可能となる。日常生活支援を目的としたロボットが柔軟で触覚のある外装を持ち環境や人に密着した仕事を行う可能性のある場面は多いと考えられ、人とロボットの関係性が距離的にも感覚的にも近くなるのに役立つ。
本発明に係る柔軟触覚センサは、発光部と受光部を用いるものであり、静電容量型3軸力覚センサ等の従来の力覚センサに比べて、熱の影響を受けにくい。
本発明の1つの実施形態は、多軸変形感覚のための埋込型柔軟触覚センサに係り、柔軟触覚センサを埋め込んだ柔軟肉質外装をロボットに装着することで、ロボットに人間の皮膚・肉のような3次元変形感覚、すなわち深部多軸変形感覚、を付与するものである。ここで「深部」とは、柔軟肉質外装の表面上や表面に接する面にセンサを取り付けるのではなく、埋め込むことによって肉質の内部に変形感覚を設けるという意味である。以下に、柔軟で3次元変形検出可能な触覚センサを提案し、柔軟肉質外装に埋め込んで変形検出の検証を行う。
図1、図2に示すように、1つの実施形態では、柔軟触覚センサは、発泡ウレタンから形成されたセンサ本体に発光部、受光部を埋設することでキューブ型に形成されている。1つの態様では、発光部は1つあるいは複数の発光素子から構成され、受光部は複数の受光素子から構成される。1つの態様では、発光素子はLEDであり、受光素子はフォトダイオードである。
図1、図2に示す埋込型柔軟触覚センサのセンサ本体は、一辺が20mmの立方体に設計されている。柔軟触覚センサの外形を立方体とすることで、柔軟外装に柔軟触覚センサを埋め込む際、センサが回転方向にずれることがない。立方体形状は、好ましい形態の1つに過ぎないものであり、立方体以外の直方体、円柱状、半球状(ドーム型)等の他の形状からセンサ本体を形成してもよい。柔軟触覚センサの外形寸法についても、一辺の長さ20mmは1つの例示に過ぎない。より小さいフォトトランジスタを選択することで受光ボックスの寸法を小さくして、柔軟触覚センサの外形をより小さく設計してもよい。
発光部の発光素子には、低背で高効率の波長880nmの赤外線LEDを用いた。図5左図に示すように、センサ本体の底面に位置して3個の赤外線LEDを互いに間隔を設けて斜め一列に配置した。赤外線LEDが受光ボックスの側面4個の受光素子に対して、4個とも同じ位置関係であるように底面の対角線上に斜め一列に配置した。すなわち、柔軟センサを4つの各側面を正面として見た時に、いずれの側面から見ても図8に示す位置関係となる。図8に示すように、各LEDの光軸は同じ方向(図示の態様では鉛直方向に)に延出している。赤外線LEDには指向半値角が160degのLEDを選定した。80〜100%の感度を保っている0〜50degの範囲内に受光ボックスが位置するよう配置した。
受光部の受光素子として3.0×2.0×1.5mmのフォトトランジスタPS1101Wを用いた。受光部は、水平状の底面と、鉛直方向に対して傾斜状に延出する4つの傾斜側面とから逆角錐台状に形成されたベースと、ベースの各面に装着された受光素子とからなる。ベースは、底面と4つの斜面を備えた約6mm立方のナイロン粉末焼結RPで形成したボックスであり、ボックスの各面に受光素子が搭載された基板を貼り付けることで、底面と4つの側面の5面にそれぞれ受光素子を1個ずつ配置させた受光ボックスが形成される。図6の左図にフレキシブル基板の受光部分を拡大してなる展開図を、右図に受光ボックスを拡大した画像を示す。図6左図に示す受光部基板を立体的に折曲し、上記ボックスの各面に貼り付けることで、図6右図のような受光ボックスが得られる。
柔軟触覚センサを構成する電子部品及び周辺回路はフレキシブル基板に搭載されている。図4左図に示すように、フレキシブル基板は、赤外線LEDが搭載された第1領域と、複数のフォトダイオードが搭載された第2領域(受光素子部分)と、第1領域と第2領域とを接続する細幅領域と、からなる。第1領域には、赤外線LEDの他にマイクロコンピュータ(C8051系)、変形方向による感度の違いを調整するための出力増幅を行うオペアンプ、マイクロコンピュータの動作電圧の調整を行なうレギュレータ、コネクタ、抵抗、コンデンサが搭載されている。触覚センサにおいて、フレキシブル基板の第1領域はセンサ本体の底面に位置しており、補強プレートにより補強されている。尚、センサ本体の底面に位置する基板をリジッドな基板から形成し、受光素子部分と細幅領域とからなるフレキシブル基板をこれに接続することで周辺回路を形成してもよい。
図8に発光部と受光部との位置関係を示す。発光部を構成する3つの赤外線LEDはいずれも鉛直方向の光軸を備えている。赤外線LEDの指向半値角は160degであり、80〜100%の感度を保っている0〜50degの範囲内に受光部が位置するよう配置した。受光ボックスの斜面の斜度は、フォトトランジスタの指向半値角が130degであり、80〜100%の感度を保っている0〜30deg付近で反応するよう底面の赤外線LEDとの距離を設定した。図示の態様では、受光素子、発光素子の半値角の範囲の領域で光量(電圧)の変化を検出するようにしている。
本発明に係る力覚センサの特徴の1つとして補間性がある。開発したセンサを全身へ展開するには、数多くのセンサが必要となってくるが、大電流が必要となってくることが予想される。しかし、センサ数を少量に抑えすぎると不感帯ができてしまう。本発明の柔軟触覚センサはセンサ自体が変形して、3次元的な変形を測定するので、一定距離を設けても中間位置の外装の変形に引きずられて、周囲の変形が生じることを検知できるため、隣り合ったセンサ間に不感帯を作らないように配置することが可能であり、補間性を有している。
[B−1]埋込型柔軟触覚センサの変形検出特性
埋込型柔軟触覚センサを変形させたときの変形検出について調べた。肉質柔軟外装に埋め込んだ柔軟触覚センサを単体で変形させる実験を行った。図9に測定の方法を示す。押し動作は、センサ上面に載置した平板を垂直に押し下げる動作であり、回転動作は、センサ上面に載置した平板を図9左図(上面図)、図10のラベル名A,B,C,Dの各面側を下方に回転させる動作である。
フォースゲージでセンサの上面を垂直に押した際の、押し込み力と底面と側面のフォトトランジスタの電圧値の変化の関係について調べた。図16にZ軸方向に静かに押し付けた際の電圧変化についてのグラフを示す。ウレタンの性質によると考えられるヒステリシスが若干あるものの、比較的線形に変化することが確認できる。したがって、電圧値から作用している力を推定することができる。押し込み力が1.0kgf付近でフォトトランジスタの最大電圧値を検出したため、1.0kgf以降の変化がほぼなくなっている。このような性質は軟質ポリウレタンフォームでの成型時に主剤と硬化剤の調合比を変化させることによって調整することが可能である。今回は1:0.3の割合でポリウレタンフォームを成型した。センサ単体を柔らかく変形しやすいように成型し、外装を硬めに成型することで、補間性が保たれ、変位計測の感度を上げることができると考える。
外装のウレタンの硬度を上げて、機械的強度の見積もりを得るための実験を行った。図21にある柔軟肉質外装プロトタイプと同じ形状で主剤と硬化剤の比が1:0.5の柔軟肉質外装の中央に触覚センサを埋め込み、外装の上に錘を置くことで面圧を加え、センサが壊れるまで錘を加えていった。60kg付近で圧力を加えても壊れなかったが、65kg付近で故障した。20kg付近でフォトトランジスタの最大電圧に達し、以降力を加え続けていた間は垂直方向のセンシングは成されていなかったが、おもりを取り除いた後、センサとしての機能を失っていなかった。最近の等身大ヒューマノイドロボットの体重が30-60kg程度であることを考えると、ウレタン硬度を上げることで、センサ内部のフォトトランジスタと赤外線LEDが衝突しないようにすれば等身大のロボットの臀部や足裏といった、大きな力がかかる部分への装着の展開が可能である。
[B−4−1]柔軟肉質シートへの埋込実装
図17に柔軟肉質外装にセンサを埋め込んだ状態の断面図を示す。外装表面への「押し・なで・つねり」の刺激を与えたときの変形の様子をそれぞれ図18乃至図20に示す。複数の柔軟触覚センサが埋設された柔軟肉質外装において、図17(外力が作用しない状態)において、柔軟肉質外装の表面に外力が作用することで柔軟肉質外装内部の柔軟触覚センサが変形するが、図18乃至図20から明らかなように、作用する外力の方向によって各柔軟触覚センサは異なる変形を呈する。柔軟肉質外装に垂直方向に押す力が作用した場合に、内部の柔軟触覚センサの直上に力が作用した場合には、各柔軟触覚センサは図18上図のような変形をし、2つの柔軟触覚センサの間に力が作用した場合には、各柔軟触覚センサは図18上図のような変形をする。柔軟肉質外装の表面に沿ったなでる力が作用した場合には、内部の各柔軟触覚センサは図19に示すような変形をする。柔軟肉質外装の表面をつねった場合には、内部の各柔軟触覚センサは図20に示すような変形をする。
柔軟触覚肉質外装のプロトタイプをモデル化し、柔軟肉質外装の触覚処理を行うことで、3次元の変位検出の可視化を行った。柔軟肉質外装の触覚処理とは、ビューア上のセンサに配置した棒と円の描画方法のことである。A〜D面の出力電圧に比例して各センサ中心の棒の傾きを設定することで、力の働く方向に向かって棒が倒れ、変形の状態を見ることができる。そして、センサ上面の5つの円の半径はセンサ内部の各受光素子の電圧値に比例しており、変位の大きい面側の円が拡大し、変形の度合いの分布を視覚的に確認することができる。このようにして、3次元変形認識のための幾何モデルを作成し、複数のセンサ間の変形検出の状況を一度に把握し、観察した。図22、図23、図24に実際に外装のプロトタイプに触れている場面(「押し・つねり・こすり」の動作)と同時刻のモデルのビューアを示す。
[C−1]反射型フォトインタラプタ
上述の実施形態では、受光部と発光部とが離間したものを示したが、受光部及び発光部を反射型フォトインタラプタから構成してもよい。より具体的な態様例では、図1に示す受光ボックスの各面に設けた各受光素子、底面に設けた各発光素子に代えて、受光ボックスの各面にフォトインタラプタ(発光素子と受光素子を備えている)を設ける。
図1に示す実施形態では、受光素子、発光素子が全て同じ波長で最大値を取るようなものを用いている。これは、受光素子が底面から一様に同じ光を受け取るという仮定を置いている。図8に示すように、各受光素子は、全ての発光素子から光を受けることができ、受光できる範囲は広がるものの、どの発光素子から出射された光に対する受光かということは識別していない。
受光ボックスを多面体の下半分として、より多様な方向の変化を同時に取得できるようにしてもよい。例えば、図27に示すように、正12面体の下6面の各面に6つの受光素子をそれぞれ貼り付ける。
本発明に係る柔軟触覚センサは、発光素子と受光素子を利用した構造をしているので、センサ本体を形成する発泡ウレタンが熱の影響を受けにくいが、熱の発生は回路の故障や劣化の原因として問題となり得る。したがって、ロボットに装着する場合には、熱の発散手段や熱の発生抑制手段を設けることが望ましい。熱の発生抑制手段としては、常時LEDを点灯させるのではなく、センサ本体に外力が作用した時にのみLEDを点灯させるようにマイクロコンピュータによって制御することが挙げられる。熱の発散手段としては、ヒートシンクが例示される。
Claims (25)
- 光透過性弾性部材からなるセンサ本体と、
前記センサ本体内に光を照射する発光部と、
前記センサ本体内で散乱した光を受光する受光部と、
を備え、
前記受光部は、複数の受光素子からなり、各受光素子は互いに異なる配向を有すると共に前記センサ本体の弾性変形に応じて変位するように当該センサ本体に設けてあり、
前記センサ本体の弾性変形に応じて変位する各受光素子で取得される光量の変化から当該センサ本体の立体的変形を検知する、
柔軟触覚センサ。 - 各受光素子の受光面は、互いに異なる法線方向を備えている、請求項1、2いずれかに記載の触覚センサ。
- 前記受光部は前記発光部から離間させて前記センサ本体に設けてある、請求項1、2いずれかに記載の柔軟触覚センサ。
- 前記各受光素子は前記発光部に対して互いに異なる配向を有している、請求項3に記載の柔軟触覚センサ。
- 前記受光部は、センサ本体に外力が作用しない状態で、受光面の法線方向が発光部の光軸の方向と一致する少なくとも1つの受光素子と、受光面の法線が発光部の光軸に対して傾きを持つ1つないし複数の受光素子と、を備えている、請求項3、4いずれかに記載の触覚センサ。
- 前記受光部は、センサ本体に外力が作用しない状態で、受光面の法線方向が発光部の光軸の方向と一致する第1受光素子と、受光面の法線が発光部の光軸に対して互いに異なる傾きを持つ第2受光素子、第3受光素子、第4受光素子、第5受光素子と、を備えている、請求項3乃至5いずれかに記載の触覚センサ。
- 前記第2受光素子、第3受光素子、第4受光素子、第5受光素子の各受光面の各法線は、前記第1受光素子の法線方向から見た時に、隣り合う法線が略90度の角度で延出している、請求項6に記載の触覚センサ。
- 前記センサ本体は、対向する第1面と第2面を備えており、前記発光部が第1面に、前記受光部が第2面に配置されている、請求項3乃至7いずれかに記載の触覚センサ。
- 前記受光部は前記第2面の中央に配置されている、請求項8に記載の触覚センサ。
- 前記センサ本体は、直方体である、請求項1乃至9いずれかに記載の触覚センサ。
- 前記受光部は、複数の面を備えた立体的な受光部基板を備え、前記各受光素子は、それぞれ前記受光部基板の各面に搭載されている、請求項1乃至10いずれかに記載の触覚センサ。
- 前記受光部基板は、底面と複数の側面とからなる、請求項11に記載の触覚センサ。
- 前記発光部及び前記受光部はフレキシブル基板に搭載されており、前記受光部基板は前記フレキシブル基板の部分である、請求項11、12いずれかに記載の触覚センサ。
- 前記フレキシブル基板は、センサ本体の外面に沿って設けてある、請求項13に記載の触覚センサ。
- 前記フレキシブル基板は、発光部が搭載された第1領域と、受光部が搭載された第2領域と、第1領域と第2領域を接続する細幅領域とからなる、請求項13、14いずれかに記載の触覚センサ。
- 前記第1領域には、マイクロプロセッサが搭載されている、請求項15に記載の触覚センサ。
- 前記第1領域には、1つまたは複数の端子が設けてある、請求項15、16いずれかに記載の触覚センサ。
- 前記発光部は、複数の発光素子からなる、請求項1乃至17いずれかに記載の触覚センサ。
- 前記複数の発光素子の光軸は互いに平行している、請求項18に記載の触覚センサ。
- 各発光素子と各受光素子とが組を構成しており、各発光素子は組毎に異なるピーク波長を備えており、各受光素子の受光感度のピーク波長は同じ組の発光素子のピーク波長に対応している、請求項18、19いずれかに記載の触覚センサ。
- 前記発光部及び前記受光部は、複数の反射型フォトインタラプタから構成されており、
前記フォトインタラプタは、各受光素子が互いに異なる配向を有すると共に前記センサ本体の弾性変形に応じて変位するように当該センサ本体に設けてある、
請求項1、2いずれかに記載の触覚センサ。 - 請求項1乃至21いずれかに記載の触覚センサを1つまたは複数埋設してなる柔軟触覚センサシート。
- 光透過性弾性部材からなるセンサ本体と、
前記センサ本体内に光を照射する発光部と、
前記センサ本体内で散乱した光を受光する受光部と、
を備え、
前記発光部は、複数の発光素子からなり、
前記受光部は、複数の受光素子からなり、
各発光素子と各受光素子とが組を構成しており、各発光素子は組毎に異なるピーク波長を備えており、各受光素子の受光感度のピーク波長は同じ組の発光素子のピーク波長に対応しており、
前記センサ本体の弾性変形に応じて各受光素子で取得される光量の変化から当該センサ本体の立体的変形を検知する、
柔軟触覚センサ。 - 各組がセンサ本体の特定の変形方向に関連付けられるように当該センサ本体に設けてある、請求項23に記載の柔軟触覚センサ。
- 前記複数の発光素子及び前記複数の受光素子は、センサ本体に平行状に配置した発光素子マトリックスと受光素子マトリックスであり、対向する発光素子と受光素子が組を構成している、請求項23、24いずれかに記載の柔軟触覚センサ。
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JP2009149868A JP5413773B2 (ja) | 2009-06-24 | 2009-06-24 | 柔軟触覚センサ |
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JP2009149868A JP5413773B2 (ja) | 2009-06-24 | 2009-06-24 | 柔軟触覚センサ |
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