JP2011007264A - 自動変速機のオイル供給装置 - Google Patents

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Katsuya Taguchi
勝也 田口
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Abstract

【課題】 自動変速機のオイルリザーバの油面の低下を簡単な構造で防止することで、オイルストレーナから吸引されるオイルのエア噛みを阻止する。
【解決手段】 自動変速機のミッションケース11のオイルリザーバ11aの油面の傾斜により油面調整箱17の下部が油面下に没すると、開口面積が小さい下部開口17cから油面調整箱17の内部にオイルが即座に流入することはないため、油面調整箱17の下部が油面下に没した容積分だけオイルリザーバ11a内の油面が上昇し、オイルストレーナ16の吸い込み口16aが油面から露出してエア噛みが発生するのを未然に防止することができる。油面が通常状態に復帰して油面調整箱17が油面上に出ると、油面調整箱17の内部のオイルは下部開口17cから排出される。また油面が一方向に傾斜した状態から他方向に傾斜した状態へと急激に変化した場合には、油面上に出た油面調整箱17の内部のオイルは開口面積が大きい上部開口17eから速やかに排出される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両に搭載された自動変速機のオイルリザーバに貯留したオイルを該オイルリザーバの底部に配置したオイルストレーナを介して吸引する自動変速機のオイル供給装置に関する。
自動変速機のオイルリザーバに貯留されたオイルは、低温時には粘度が高くなって変速機ケースの壁面への付着量が増加し、逆に高温時には粘度が低くなって変速機ケースの壁面への付着量が減少するため、低温時におけるオイルリザーバ内の油面の高さは高温時に比べて低くなる。このような状態で、路面の傾斜、車両の加減速、車両の旋回等に起因してオイルリザーバ内の油面が傾斜すると、オイルストレーナの吸い込み口が油面から上方に露出してしまい、オイルポンプにより吸引するオイルにエアが噛み込んでしまう問題がある。
このような問題を解決すべく、自動変速機のオイルリザーバの内部に体積が可変の体積可変室を配置し、オイルへのエアの噛み込みが懸念される場合にブローバイガスを体積可変室に供給して体積を増加させることで、オイルリザーバ内の油面を上昇させてエアの噛み込みを防止するものが、下記特許文献1により公知である。
特開平2−271147号公報
しかしながら上記従来のものは、ブローバイガスを体積可変室に供給・排出する配管や制御装置を設けるために部品点数やコストが上昇するだけでなく、ブローバイガスがオイルに混入すると劣化の原因となるため、体積可変室や配管のシール厳密に行う必要があるという問題があった。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、自動変速機のオイルリザーバの油面の低下を簡単な構造で防止することで、オイルストレーナから吸引されるオイルのエア噛みを阻止することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、車両に搭載された自動変速機のオイルリザーバに貯留したオイルを該オイルリザーバの底部に配置したオイルストレーナを介して吸引する自動変速機のオイル供給装置において、前記オイルリザーバの内部に、前記オイルの油面変動発生時に少なくとも一部が油面下に位置するように中空構造の油面調整箱を固定し、前記油面調整箱の下部に下部開口を形成するとともに上部に上部開口を形成し、前記上部開口の開口面積を前記下部開口の開口面積よりも大きく設定したことを特徴とする自動変速機のオイル供給装置が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記上部開口は、車両が走行する路面の傾斜、車両の加減速あるいは車両の旋回により傾斜する前記オイルリザーバ内の油面よりも上方に配置されることを特徴とする自動変速機のオイル供給装置が提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、請求項1または請求項2の構成に加えて、前記下部開口は、油面の上昇により閉弁して油面の下降により開弁するフロート弁で開閉されることを特徴とする自動変速機のオイル供給装置が提案される。
また請求項4に記載された発明によれば、請求項1〜請求項3の何れか1項の構成に加えて、前記下部開口は、前記油面調整箱のうちの前記オイルストレーナ寄りの位置に設けられることを特徴とする自動変速機のオイル供給装置が提案される。
また請求項5に記載された発明によれば、請求項1〜請求項4の何れか1項の構成に加えて、前記上部開口は、オイルの高温時に予想される油面高さよりも低い位置に配置されることを特徴とする自動変速機のオイル供給装置が提案される。
請求項1の構成によれば、低温時にオイルの粘度が高くなるためにオイルリザーバ内の油面が低下した状態で、路面の傾斜、車両の加減速あるいは車両の旋回等により該油面が傾斜すると、オイルストレーナが油面から露出してエア噛みが発生する虞がある。しかしながら、油面の傾斜により油面調整箱の下部が油面下に没すると、開口面積が小さい下部開口から油面調整箱の内部にオイルが即座に流入することはないため、油面調整箱の下部が油面下に没した容積分だけオイルリザーバ内の油面が上昇し、オイルストレーナが油面から露出してエア噛みが発生するのを未然に防止することができる。油面が通常状態に復帰して油面調整箱が油面上に出ると、油面調整箱の内部のオイルは下部開口から排出される。また油面が一方向に傾斜した状態から他方向に傾斜した状態へと急激に変化した場合には、油面上に出た油面調整箱の内部のオイルは開口面積が大きい上部開口から速やかに排出されるため、オイルリザーバ内のオイルが不足するのを防止することができる。従って、簡単な構造でオイルストレーナから吸引されるオイルのエア噛みを阻止することができる。
また請求項2の構成によれば、油面調整箱の上部開口は、車両が走行する路面の傾斜、車両の加減速あるいは車両の旋回により傾斜するオイルリザーバ内の油面よりも上方に配置されるので、油面の傾斜により上部開口から油面調整箱内にオイルが流入することはない。
また請求項3の構成によれば、油面の上昇により閉弁して油面の下降により開弁するフロート弁で油面調整箱の下部開口が開閉されるので、油面の傾斜により油面調整箱の下部が油面下に没したときには、フロート弁が閉弁して油面調整箱内へのオイルの流入を確実に阻止することができ、油面調整箱が油面上に出たときには、フロート弁が開弁して油面調整箱内へのオイルを速やかに排出することができる。
また請求項4の構成によれば、油面調整箱のうちのオイルストレーナ寄りの位置に下部開口を設けたので、油面調整箱が油面上に出たときに油面調整箱の下部開口から排出されるオイルをオイルストレーナに速やかに供給することができる。
また請求項5の構成によれば、油面調整箱の上部開口をオイルの高温時に予想される油面高さよりも低い位置に配置したので、オイルの高温時に上部開口から油面調整箱内にオイルを確実に流入させ、油面が過度に上昇しないようにしてオイルの攪拌抵抗の増加を防止することができる。
自動変速機の前後方向の縦断面図(第1の実施の形態)。 図1の2−2線拡大断面図(第1の実施の形態)。 図1の3方向矢視図(第1の実施の形態)。 減速状態から加速状態に移行したときの作用説明図(第1の実施の形態)。 油面調整箱の斜視図(第2の実施の形態)。 図5の6−6線断面図(第2の実施の形態)。
以下、図1〜図4に基づいて本発明の第1の実施の形態を説明する。
図1は自動車用の自動変速機の前後方向の縦断面図であって、そのミッションケース11の内部に、紙面に対して垂直方向に延びるメインシャフト12、カウンタシャフト13、カウンタシャフト14およびディファレンシャルギヤ15が配置される。ミッションケース11の底部には潤滑用および制御用に兼用されるオイルが貯留されるオイルリザーバ11aが形成されており、そのオイルリザーバ11aの底部に図示せぬオイルポンプに接続されるオイルストレーナ16が配置される。オイルストレーナ16はオイルリザーバ11aの前後方向の中間部に配置されており、その最低部にオイルの吸い込み口16aが形成される。
図1〜図3から明らかなように、ミッションケース11の内部のオイルリザーバ11aの上部に、前後一対の油面調整箱17,17が配置される。一対の油面調整箱17,17は実質的に同一構造であり、オイルストレーナ16を挟んで前後鏡面対称に配置される。以下、代表として前側の油面調整箱17の構造を説明する。
油面調整箱17は合成樹脂あるいは金属板で直方体状に形成したもので、その一側面17aに突設した3個のブラケット18…を貫通する3本のボルト19…で、例えばミッションケース11に結合されるトルコンケース21(図2参照)の側面に固定される。油面調整箱17の下面17bにおける最もオイルストレーナ16側の位置には、車幅方向に延びるスリット状の下部開口17cが形成され、かつ油面調整箱17の上面17dにおける最もオイルストレーナ16側の位置には、車幅方向に延びるスリット状の上部開口17eが形成される。上部開口17eの開口面積は、下部開口17cの開口面積よりも大きく形成される。従って、上部開口17eは一度に大量のオイルが通過できるが、下部開口17cはオイルが少量ずつしか通過することができない。
ところで、自動変速機のオイルは温度により粘度が変化するため、図1に示すように、高温時には粘度が低くなったオイルがミッションケース11の壁面に付着する量が減ることで、オイルリザーバ11a内の油面(ラインa参照)が油面調整箱17,17の上面17dよりも高くなるが、低温時には粘度が高くなったオイルがミッションケース11の壁面に付着する量が増えることで、オイルリザーバ11a内の油面(ラインa′参照)が油面調整箱17,17の下面17bよりも低くなる。
油面調整箱17の下部に下部開口17cを設けたため、高温時に油面が上昇して油面調整箱17の一部がオイルに浸かった場合でも、油面調整箱17の内部に下部開口17cからオイルが流入することができ、油面が必要以上に上昇してオイルの攪拌抵抗が増加することが防止される。また油面調整箱17の上部開口17eは高温時に予想される油面高さよりも低い位置にあるので、高温時に油面調整箱17の全部がオイルに浸かった場合に、上部開口17eから油面調整箱17内にオイルを確実に流入させ、油面の過度な上昇によるオイルの攪拌抵抗の増加を防止することができる。
仮に、オイルリザーバ11aに油面調整箱17,17が設けられていないとすると、高温時の油面(ラインa参照)は、車両の減速時あるいは降坂時にはラインbのように傾斜し、車両の加速時あるいは登坂時にはラインcのように傾斜する。この場合、油面がラインbあるいはラインcのように傾斜しても、オイルストレーナ16の吸い込み口16aは油面下にあり、オイルストレーナ16から吸引するオイルにエアの噛み込みが発生することはない。
一方、低温時の油面(ラインa′参照)は、車両の減速時あるいは降坂時にはラインb′のように傾斜し、車両の加速時あるいは登坂時にはラインc′のように傾斜する。この場合、油面がラインb′あるいはラインc′のように傾斜すると、オイルストレーナ16の吸い込み口16aは油面上に露出してしまい、オイルストレーナ16から吸引するオイルにエアの噛み込みが発生してしまう。
しかしながら本実施の形態によれば、油面調整箱17,17を設けたことにより、低温時であってもオイルストレーナ16から吸引するオイルにエアの噛み込みが発生するのを防止することができる。例えば、車両の減速時や降坂時に油面がラインb′のように傾斜したとき、前側の油面調整箱17はその前部から油面下に没してゆくが、下部開口17cが油面下に没するまでは油面調整箱17の内部にオイルは流入せず、油面下の油面調整箱17の容積分だけオイルの容積が増加したのと同じ効果が得られ、油面がラインbまで上昇してエア噛みが防止される。
油面の傾斜角が増加する過程で油面調整箱17の下部開口17cが油面下に没しても、下部開口17cは開口面積が小さいためにオイルが即座に流入することはなく、油面調整箱17がオイルを押し退けて油面を上昇させる効果は支障なく発揮される。また油面が最大限に傾斜しても、油面調整箱17の上部開口17eは油面下に没することのない位置に設けられているため、その上部開口17eを通して油面調整箱17の内部にオイルが流入することはない。
その後、車両の減速や降坂が終了して油面がラインa′に復帰すると、下部開口17cから油面調整箱17の内部に流入したオイルは、下部開口17cを通過してオイルリザーバ11aに戻される。このとき、下部開口17cはオイルストレーナ16に最も近い位置に配置されているため、下部開口17cから排出されたオイルをオイルストレーナ16に効率的に供給することができる。
また車両が減速状態あるいは降坂状態から加速状態あるいは登坂状態に移行した場合、前側の油面調整箱17内のオイルは、下部開口17cからだけでなく、上部開口17eからも排出される。即ち、車両が減速状態あるいは降坂状態にあって前側の油面調整箱17に下部開口17cからオイルが流入した状態で、図4に示すように、車両が加速状態あるいは登坂状態に移行すると、前側の油面調整箱17内のオイルが後方(オイルストレーナ16側)に偏るため、そのオイルは油面調整箱17の下部開口17cからだけでなく、上部開口17eからも素早く排出され、オイルリザーバ11a内のオイルの不足による油面の低下を防止することができる。
以上、前側の油面調整箱17の作用について説明したが、後側の油面調整箱17の作用も、油面の傾斜方向が上述と逆になるだけで実質的に同じである。
以上のように、本実施の形態の油面調整箱17は構造が極めて簡単で可動部分を全く持たないため、重量の増加やコストの増加を最小限に抑えながらオイルのエア噛みを確実に防止することができる。またオイルリザーバ11aに貯留するオイルの量を増加させることなくエア噛みを防止できるので、自動変速機のギヤ等によるオイルの攪拌抵抗を最小限に抑えることができる。
次に、図5および図6に基づいて本発明の第2の実施の形態を説明する。
第2の実施の形態は、油面調整箱17の下部開口17cに、それを自動的に開閉するフロート弁20を設けたものであり、その他の構成は第1の実施の形態と同じである。
フロート弁20は、下部開口17cを下側から閉塞可能な板状の弁体20aと、弁体20aから上方に延びて下部開口17cの両端部に摺動可能に嵌合する一対のガイド部20b,20bと、一対のガイド部20b,20bの上端に設けられて下部開口17cからのフロート弁20の脱落を防止する一対のストッパ20c,20cと、弁体20aの下面に設けられて浮力を発生する中空のフロート20dとを備える。
従って、油面が傾斜して油面調整箱17が油面下に没すると、フロート弁20のフロート20dが浮き上がって弁体20aが下部開口17cを閉塞するため、下部開口17cを第1の実施の形態よりも大きく設定しても、油面調整箱17の内部に流入するオイルの量を減少させることができる。そして油面調整箱17が油面の上方に出たとき、フロート弁20のフロート20dに作用する浮力が消滅して弁体20aが下部開口17cを開放することで、比較的に大面積の下部開口17cを通して油面調整箱17の内部のオイルを速やかに排出することができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、実施の形態ではオイルストレーナ16を挟んで前後に油面調整箱17,17を配置しているが、オイルストレーナ16を車体前方側に配置して車体後方側に1個の油面調整箱17を配置しても良く、またオイルストレーナ16を車体後方側に配置して車体前方側に1個の油面調整箱17を配置しても良い。
また路面の左右方向の傾斜や車両の旋回による遠心力に対応すべく、オイルストレーナの左右両側あるいは左右片側に油面調整箱17,17を配置しても良い。
また実施の形態では油面調整箱17が直方体状に形成されているが、その形状は任意である。
11a オイルリザーバ
16 オイルストレーナ
17 油面調整箱
17c 下部開口
17e 上部開口
20 フロート弁

Claims (5)

  1. 車両に搭載された自動変速機のオイルリザーバ(11a)に貯留したオイルを該オイルリザーバ(11a)の底部に配置したオイルストレーナ(16)を介して吸引する自動変速機のオイル供給装置において、
    前記オイルリザーバ(11a)の内部に、前記オイルの油面変動発生時に少なくとも一部が油面下に位置するように中空構造の油面調整箱(17)を固定し、前記油面調整箱(17)の下部に下部開口(17c)を形成するとともに上部に上部開口(17e)を形成し、前記上部開口(17e)の開口面積を前記下部開口(17c)の開口面積よりも大きく設定したことを特徴とする自動変速機のオイル供給装置。
  2. 前記上部開口(17e)は、車両が走行する路面の傾斜、車両の加減速あるいは車両の旋回により傾斜する前記オイルリザーバ(11a)内の油面よりも上方に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の自動変速機のオイル供給装置。
  3. 前記下部開口(17c)は、油面の上昇により閉弁して油面の下降により開弁するフロート弁(20)で開閉されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の自動変速機のオイル供給装置。
  4. 前記下部開口(17c)は、前記油面調整箱(17)のうちの前記オイルストレーナ(16)寄りの位置に設けられることを特徴とする、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の自動変速機のオイル供給装置。
  5. 前記上部開口(17e)は、オイルの高温時に予想される油面高さよりも低い位置に配置されることを特徴とする、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の自動変速機のオイル供給装置。
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JP2018053925A (ja) * 2016-09-26 2018-04-05 株式会社Subaru 潤滑構造
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