JP2011007012A - 軒先ユニット及び軒先ユニットを用いた建物の施工方法 - Google Patents

軒先ユニット及び軒先ユニットを用いた建物の施工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】建物の周囲に外部足場を設置しなくとも、軒先作業を安全に行うことができ、且つ、建物の外観上の美感を損ねることのない軒先ユニット及びこの軒先ユニットを用いた建物の施工方法の提供。
【解決手段】軒先ユニット20は、建物本体1の屋外側に位置される軒天部材21と、軒天部材21の建物本体1の屋外方向側の端部を覆うように立設される鼻隠し部材22と、鼻隠し部材22の建物本体1側の内面に設けられ、建物躯体3に固定するための複数の軒先ユニット取付部材23と、鼻隠し部材22の外面から建物本体1の屋外方向へ突設され、建物本体1の桁行方向に沿って配置される軒樋42を支持可能な複数の樋受け部材25と、鼻隠し部材22の外面から建物本体1の屋外方向へ突設されると共に軒樋42の上方に配置され、転落防止部材41を上方から着脱可能に支持する複数の支持部材24と、を備え、支持部材24は、軒先ユニット取付部材23を介して鼻隠し部材22に取り付けられる。
【選択図】図2

Description

本発明は、住宅等の各種建物に取り付けられる軒先ユニット及びこの軒先ユニットを用いた建物の施工方法に係り、特に、建物の周囲に外部足場を設置しなくとも、軒先作業を安全に行うことが可能な軒先ユニット及びこの軒先ユニットを用いた建物の施工方法に関する。
従来から、現場での施工作業を簡略化するために、軒天部材や鼻隠し部材などの軒先部品を予め一体化した軒先ユニットを、建物躯体に対して取り付ける技術が知られている(特許文献1参照)。
一般に、軒先ユニットが取り付けられる建物においても、軒先作業時における安全性を確保するために、建物の屋根部周囲には、地面等から外部足場が設置される。しかしながら、例えば、狭小地に建物を建設する場合には、このような外部足場を設置することが困難な場合がある。
そこで、建物躯体に取り付けられる軒先足場取付具を有する腕部と、該腕部上に配置される軒先部品とを備えた軒先ユニットが提案されている。この軒先ユニットによれば、建物の周囲に外部足場を設置しなくとも、軒先ユニットに設けられた軒先足場取付具に転落防止部材を取り付けることができる(特許文献2参照)。
特開2001−065103号公報 特開平10−046803号公報
しかしながら、特許文献2に記載の転落防止部材は、軒先ユニットを建物に対して取り付けた後、建物の屋外側から軒先足場取付具に取り付ける構成となっているため、軒先足場取付具に対する転落防止部材の取り付け作業が完了するまでは、建物の屋根部周囲に転落防止部材が設置されない状態となり、軒先作業時における安全性が十分に確保されていないという問題があった。
特許文献2に記載の軒先ユニットでは、上記軒先部品が上方腕部及び下方腕部により下方から支持されているうえ、軒先足場取付部が軒先部品の建物の屋外方向の端部よりも突設しているため、軒先ユニットを下方から見たときに、上記上方腕部、下方腕部及び軒先足場取付部が露出する。このため、見栄えが悪く、建物の外観上の美感を著しく損ねるという問題があった。
また、上記軒先ユニットでは、軒先部品を下方から支持する腕部が、軒先部品により上方から覆われているため、例えば、屋根上に配置されるアンテナ等の部品を固定するために、ワイヤ等の線状部材を腕部に固定することができず、軒先部品の支持以外の用途に腕部を用いることができないという不都合があった。
本発明は、上記不都合を解決するためになされたものであり、その目的は、建物の周囲に外部足場を設置しなくとも、軒先作業をより安全に行うことができ、且つ、建物の外観上の美感を損ねることのない軒先ユニット及びこの軒先ユニットを用いた建物の施工方法を提供することにある。
前記課題は、本発明の軒先ユニットによれば、建物本体の軒先に取り付けられ、軒樋を後付け可能な軒先ユニットであって、建物本体の屋外側に位置される軒天部材と、軒天部材の建物本体の屋外方向側の端部を覆うように立設される鼻隠し部材と、鼻隠し部材の建物本体側の内面に設けられ、軒先ユニットを建物躯体に固定するための複数の軒先ユニット取付部材と、鼻隠し部材の外面から建物本体の屋外方向へ突設され、建物本体の桁行方向に沿って配置される軒樋を支持可能な複数の樋受け部材と、鼻隠し部材の外面から建物本体の屋外方向へ突設されると共に前記軒樋の上方に配置され、転落防止部材の下部を支持するように転落防止部材を上方から着脱可能に支持する複数の支持部材と、を備え、支持部材は、前記軒先ユニット取付部材を介して前記鼻隠し部材に取り付けられることにより解決される。
以上のように、上記構成では、転落防止部材が、軒先ユニットに設けられる転落防止部材に対して着脱可能であるため、例えば、予め転落防止部材が取り付けられた軒先ユニットを、建物に取り付けることが可能となる。このようにすれば、建物の周囲に外部足場を設置しなくとも、上記のような軒先ユニットを建物に取り付けるだけで、軒先作業の安全性をより確保することができる。
また、上記構成では、鼻隠し部材の外面から建物本体の屋外方向へ突設する支持部材が軒樋の上方に配置される。すなわち、軒先ユニットを下方から見たときに、支持部材は軒樋の後方に配置されるため、支持部材を下方から視認することは困難である。従って、屋根上での作業が完了して転落防止部材を取り外した後、例えば、建物の新築工事が竣工した後においても、軒先ユニットに存置された支持部材によって、建物の外観上の美感が損なわれることがない。
さらに、建物の新築工事が完了した後であっても、建物の美感を損ねることなく軒先ユニットに存置される支持部材に、転落防止部材を取り付けることが可能なため、屋根の改修工事等をその後に行う場合においても、軒先作業における作業の安全性を確保することができる。
このように、本発明によれば、建物の周囲に外部足場を設置することが困難な場合、例えば、狭小地であっても、建物の外観上の美感を損ねることなく、建物本体の周囲に転落防止部材を配設することができる。
また、建物躯体に固定される軒先ユニット取付部材は、軒天部材の建物本体の屋外方向側の端部を覆う鼻隠し部材の内面に固定されている。すなわち、軒天部材及び鼻隠し部材等の軒先部品は、軒先ユニット取付部材を下方から覆う位置に配置され、軒先ユニット取付部材の上方には、障害物のない空間が形成される。従って、軒先ユニット取付部材を、建物躯体への軒先ユニットの固定以外の他の用途、例えば、屋根上に配置される部材を支持する際にも用いることができる。
さらに、上記構成では、軒先部品である軒天部材、鼻隠し部材、軒先ユニット取付部材、支持部材、及び樋受け部材を予めユニットとして一体化する構成であるため、軒先工事の作業工程を大幅に削減することができると共に、作業効率を格段に向上させることができる。また、軒先ユニットを工場等で製作することが可能であるため、品質の均一化を確実に図ることができる。
また、支持部材を、軒樋が樋受け部材に支持された状態で、軒樋の底面から上方へ所定距離離間した高さ位置に配置すると好適である。このように構成することにより、上記のように、建物の外観上の美感が損なわれることを防止しつつ、軒樋を流下する雨水等の排水を円滑に行うことができる。
さらに、軒先ユニットを、建物本体の桁行方向に沿って複数個連続して配置すると好適である。このように構成することにより、軒先ユニット自体をコンパクトに形成することが可能なため、軒先ユニットの建物本体に対する取付作業、運搬作業、及び工場等での製作作業の容易化を確実に図ることができる。
本発明に係る建物の施工方法は、上述した軒先ユニットを用いて構成したものであり、建物本体の建物躯体を構築する建物躯体構築工程と、建物躯体構築工程の後に、軒先ユニット取付部材を、建物躯体から建物本体の屋外方向へ突設する建物側取付部材に仮固定する軒先ユニット仮固定工程と、軒先ユニット仮固定工程の後に、建物本体に対する軒先ユニットの上下方向の取付角度、屋内外方向の取付位置、及び桁行方向の取付位置の調整を建物本体の屋内側から行う軒先ユニット調整工程と、軒先ユニット調整工程の後に、軒先ユニットを建物本体の屋内側から建物側取付部材に本固定する軒先ユニット本固定工程と、少なくとも建物躯体構築工程の後に、転落防止部材を支持部材に取り付ける転落防止部材取付工程と、を備えることにより解決される。以上のように、上記構成では、上述した軒先ユニットを用いているため、建物の周囲に外部足場を設置しなくとも、建物の外観上の美感を損なうことなく軒先作業をより安全に行うことができると共に、工期の短縮化を確実に図ることが可能な建物の施工方法を得ることができる。
また、上記構成では、軒先ユニットの取付位置の調整、及び軒先ユニットの仮固定及び本固定を建物本体の屋内側から行なうため、作業の安全性をさらに向上させることができる。
以上のように、本発明に係る軒先ユニット及び軒先ユニットを用いた建物の施工方法によれば、建物の周囲に外部足場を設置しなくとも、建物の外観上の美感を損ねることなく軒先作業時における作業者の転落や転倒を確実に防止するができる。
本発明の実施形態に係る建物本体を示す斜視図である。 図1の要部拡大断面図である。 腕木部材の斜視図である。 図3の平面図である。 図3の正面図である。 軒先ユニットの斜視図である。 図7は建物本体に対する軒先ユニットの取付状態を示す斜視図である。 は軒先ユニット取付部材を腕木部材に取り付ける前の状態を示す側面図である。 図8の平面図である。 軒先ユニット取付部材を腕木部材に取り付けた状態を示す側面図である。 鼻隠し部材に下側連結部材を装着した状態を示す側面図である。 図11に上側連結部材をさらに装着した状態を示す側面図である。 図12に弾発部材を装着する過程を示す側面図である。 図13の弾発部材が装着された状態を示す側面図である。 軒先ユニットを用いた建物の施工方法の施工フローを示す図である。 本発明の第2実施形態に係る建物本体及び軒先ユニットを示す斜視図である。 軒先ユニットの他の例を示す斜視図である。 図17の軒先ユニットが建物本体に取り付けられた状態を示す斜視図である。 隣接する転落防止部材を連結する連結部材の斜視図である。
以下、本発明に係る第1の実施形態について、図1乃至図15を参照して説明する。なお、以下に説明する部材、配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
図は、本発明の実施形態を示すものであり、図1乃至図15は、本発明に係る軒先ユニット及び軒先ユニットを用いた建物の施工方法を説明するものである。図1は本発明の実施形態に係る建物本体を示す斜視図、図2は図1の要部拡大断面図、図3は腕木部材の斜視図、図4は図3の平面図、図5は図3の正面図、図6は軒先ユニットの斜視図、図7は建物本体に対する軒先ユニットの取付状態を示す斜視図、図8は軒先ユニット取付部材を腕木部材に取り付ける前の状態を示す側面図、図9は図8の平面図、図10は軒先ユニット取付部材を腕木部材に取り付けた状態を示す側面図、図11は鼻隠し部材に下側連結部材を装着した状態を示す側面図、図12は図11に上側連結部材をさらに装着した状態を示す側面図、図13は図12に弾発部材を装着する過程を示す側面図、図14は図13の弾発部材が装着された状態を示す側面図、図15は軒先ユニットを用いた建物の施工方法の施工フローを示す図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る建物本体1は、外壁パネル2の上方に設けられる軒桁3と、軒桁上に配置される屋根パネル4と、を備えている。軒桁3は、小屋梁5を桁行方向に連結する横架材であり、例えば、断面略H形状の鉄製の部材により形成されている。この軒桁3は、建物本体1の主要構造物の一つを構成するものであり、特許請求の範囲に記載の建物躯体に該当する。
屋根パネル4は、垂木4aと、野地材4bと、屋根葺き材4cと、を備えている。これらは、軒桁3上に固定される垂木4aに順次、野地材4b、屋根葺き材4cをビスやボルト等によって固定することにより結合されている。また、屋根パネル4の先端部4dは、後述する鼻隠し部材22の上端部22bにビス等により固定されている。このように、本実施形態では、屋根パネル4及び鼻隠し部材22を連結することにより、これらの建物本体1に対する取付強度をより強固なものとしている。
次に、本実施形態に係る軒先ユニットの調整装置30について図2乃至図5を参照して説明する。
図2乃至図5に示すように、軒先ユニット調整装置30は、建物本体1の軒桁3に固定される複数の腕木部材10と、軒先ユニット20に設けられ、腕木部材10と接合可能な複数の軒先ユニット取付部材23と、腕木部材10と軒先ユニット取付部材23とを接合可能な固定用ボルト31及び固定用ナット32と、を備えている。この腕木部材10が、特許請求の範囲に記載の建物側取付部材に該当する。なお、軒先ユニット取付部材23については、後述する軒先ユニット20の説明において詳述する。
腕木部材10は、上側狭持部材11と、上側狭持部材11に取り付けられる下側狭持部材16と、を備えている。
上側狭持部材11は、軒桁3の桁行方向に沿って延在する側面から建物本体1の屋外方向へ突設されており、例えば、軒桁3に対してボルト等により固定されている。この上側狭持部材11は、軒先ユニット20に設けられる軒先ユニット取付部材23が配置される位置に対応して、軒桁3の桁行方向に所定間隔をあけて取り付けられている。上側狭持部材11は、断面略コ字状に形成され、上面部11aと、上面部11aの桁行方向の両端部から上方へ曲折して延びる一対の側面部11bと、を備えている。
上面部11aの所定位置には、ボルト挿通孔12が複数(本実施形態では4箇所)形成されている(図8及び図9参照)。これら複数のボルト挿通孔12は、固定用ボルト31が上下方向に挿通可能なように設けられ、それぞれ建物本体1の桁行方向に沿って長孔状に形成されている。
また、上面部11aには、その上面から上方に突出して螺着される角度調節ボルト13が設けられている。角度調節ボルト13は、上面部11aの桁行方向の略中央を境にして、その両側のそれぞれに建物本体1の屋内外方向に所定距離離間して複数(本実施形態では2箇所ずつ計4箇所)設けられている。
側面部11bには、所定位置にボルト33が建物本体1の桁行方向に挿通可能なボルト挿通孔14が複数(本実施形態では2箇所)設けられている(図8及び図9参照)。これら複数のボルト挿通孔14は、上下方向に沿って長孔状に形成されている。
下側狭持部材16は、上側狭持部材11の一対の側面部11bに対して、それぞれボルト33及びナット34により締結固定される。この下側狭持部材16が上側狭持部材11に対して取り付けられた状態では、後述する下側狭持部材16の底面部16aが上側狭持部材11の上面部11aの下方に配置される。下側狭持部材16は、上側狭持部材11に対してボルト33及びナット34により仮固定された状態で、後述する軒先ユニット20のフレーム部23bが建物本体1の屋外方向から挿入可能な位置に配置される。
下側狭持部材16は、断面略L字状に形成され、底面部16aと、底面部16aから上方へ曲折して延びる側面部16bと、を備えている。底面部16aには、下側狭持部材16が上側狭持部材11に取り付けられた状態で、上側狭持部材11のボルト挿通孔12と整合するボルト挿通孔17が複数(本実施形態では2箇所)形成されている。これら複数のボルト挿通孔17は、上側狭持部材11のボルト挿通孔12と同様に建物本体1の桁行方向に沿って長孔状に形成されている(図8及び図9参照)。
側面部16bには、下側狭持部材16が上側狭持部材11に取り付けられた状態で、上側狭持部材11のボルト挿通孔14と整合するボルト挿通孔18が複数(本実施形態では2箇所)形成されている。これら複数のボルト挿通孔18は、上側狭持部材11のボルト挿通孔14と同様に上下方向に沿って長孔状に形成されている(図8及び図9参照)。
本実施形態では、一方の下側狭持部材16には、後述する一方の軒先ユニット20のフレーム部23bが載置され、他方の下側狭持部材16´には、建物本体1の桁行方向に隣接する他方の軒先ユニット20´のフレーム部23b´が載置される(図9参照)。すなわち、一つの腕木部材10に対して隣接する2つの軒先ユニット20のフレーム部23bが、上側狭持部材11及び下側狭持部材16の間で支持されるため、例えば、後述する軒先ユニット調整工程S3(図15参照)において、隣接する軒先ユニット20の取付位置の調整を一の場所で行うことができ、作業の効率性を向上させることができる。
次に、腕木部材10に取り付けられる軒先ユニット20について図2、図6乃至図10を参照して説明する。
図2、図6乃至図10に示すように、軒先ユニット20は、軒天部材21と、鼻隠し部材22と、軒先ユニット取付部材23と、複数の支持部材24と、複数の樋受け部材25と、を備え、これらは工場等において予め一体的に製作される。この軒先ユニット20は建物本体1の桁行方向に沿って2以上に分割されて複数設けられている。
軒天部材21は、略板状に形成され、合板等からなる本体部21aを下方から覆うように、化粧カバー21bがビス等により固定されている。化粧カバー21bは、例えば、SUSや鉄板等の金属製の部材又は合成樹脂等の部材により形成されている。軒天部材21は、その建物本体1の屋外方向側の前端部21cを、後述する鼻隠し部材22の突出部22fの下方側面及び下側突設部22eの建物本体1側に当接した状態で、前端部21cと下側鍔部21e及び突出部21fとをビス等で固定することにより、鼻隠し部材22に対して固定されている(図6参照)。
鼻隠し部材22は、軒天部材21を建物本体1側の端部を覆う位置に配置され、SUSや鉄板等の鉄製の部材により形成されている。
この鼻隠し部材22は、略板状に形成された前面部22aと、前面部22aの上端部から建物本体1側斜め上方へ曲折して延びる上面部22bと、上面部22bの建物本体1側の端部から下方へ曲折して延びる上側突設部22cと、前面部22aの下端部から建物本体1側へ曲折して延びる下面部22dと、下面部22dの建物本体1側の端部から上方へ曲折して延びる下側突設部22eと、下側突設部22eの上端部から建物本体1側の端部から建物本体1側へ曲折して延びる突出部22fとを有し、これらは一体的に形成されている。
軒先ユニット取付部材23は、鼻隠し部材22の前面部22aの建物本体1側面に取り付けられる断面略コ字形状の支持部23aと、支持部23aから建物本体1側へ突設するフレーム部23bと、を備えており、これらは鉄やSUS等の金属製の部材により一体的に形成されている。
支持部23aは、所定位置に複数のボルト挿通孔(図示省略)を有し、鼻隠し部材22に対してボルト43及びナット44により締結固定されている。この支持部23aは、鼻隠し部材22の桁行方向の両端部22gからやや内側の位置にそれぞれ配置されている。なお、支持部23aを、鼻隠し部材22の両端部22gに取り付ける場合に限られず、例えば、鼻隠し部材22の桁行方向の中間部等に取り付けることも可能である。
フレーム部23bは、例えば、断面略L字状に形成されており、側面部23cと、側面部23cの上端から軒先ユニット20の桁行方向の中央側へ曲折して延びる上面部23dと、を備えている。また、フレーム部23bは、軒先ユニット20の両端部に配置されており、軒先ユニット20を建物本体1の桁行方向に沿って複数個連続して配置したときに、隣接するフレーム部23bは、それぞれ近接して上側狭持部位材11と下側狭持部材16との間で狭持されるようになっている。
上面部23dには、所定位置に固定用ボルト31が上下方向に挿通可能なボルト挿通孔23eが複数(本実施形態では2箇所)形成されている。これら複数のボルト挿通孔23eは、それぞれ建物本体1の屋内外方向に沿って長孔状に形成されている。また、上面部23dは、軒先ユニット取付部材23のフレーム部23bが、上側狭持部材11と下側狭持部材16の間に狭持された状態で角度調節ボルト13の先端部13aが当接される(図5参照)。
フレーム部23bの上面部23dは、建物本体1の屋外方向から腕木部材10の上側狭持部材11と下側狭持部材16との間に挿入可能なように構成されている。フレーム部23bが上側狭持部材11と下側狭持部材16との間に挿入された状態では、軒先ユニット取付部材23のボルト挿通孔23eと、上側狭持部材11のボルト挿通孔12と、下側狭持部材16のボルト挿通孔17とが整合し、固定用ボルト31が上側狭持部材11のボルト挿通孔12の上方から挿入可能となっている。
図2及び図6に示すように、支持部材24は、鼻隠し部材22の建物本体1の屋外方向側に取り付けられる略板形状のプレート支持部24aと、プレート支持部24aから建物本体1の屋外方向へ突出して設けられる転落防止部材41取付用の取付部24bと、を備えている。支持部材24は、転落防止部材41の一対の下端部41dが挿入可能なように、鼻隠し部材22の両端部22gにそれぞれ配置されている。
プレート支持部24aは、その所定位置に複数のボルト挿通孔(図示省略)が形成され、鼻隠し部材22の桁行方向の両端部22gのそれぞれに取り付けられている。支持部材24は、鼻隠し部材22の前面部22aを、軒先ユニット取付部材23の支持部23aと支持部材24のプレート支持部24aとの間で挟み込んだ状態で、それぞれに設けられたボルト挿通孔にボルト43を挿通してナット44を締め込むことにより、鼻隠し部材22に締結固定されている。
取付部24bは、転落防止部材41を上方から挿入可能な略円筒形状を有し、転落防止部材41を上方から着脱可能に支持する。
図1及び図2に示すように、転落防止部材41は、水平部41aと、水平部41aの両端部から下方へ曲折して延びる一対の鉛直部41bと、水平部41aと略平行に配置され2つの鉛直部41b同士を所定の位置で連結する複数の中桟部41cと、を備えている。この転落防止部材41は、鉄等の金属製のパイプ状部材により形成されており、その重量の軽量化が図られている。一対の鉛直部41bの下端部41dの間の内幅は、軒先ユニット20の両端部に取り付けられる取付部24bの間隔と略等しく設定されている。鉛直部41bの先端部41dは、軒先ユニット20の取付部24bに上方から挿入可能な形状に形成されている。
図2、図6乃至図10に示すように、樋受け部材25は、鼻隠し部材22の前面部22aの建物本体1の屋外方向側の外面に、建物本体1の桁行方向に沿って所定間隔をあけて複数取り付けられており、建物本体1の桁行方向に沿って配置される軒樋42を上方から支持するように構成されている。樋受け部材25は、鼻隠し部材22に対してビス等により固定されるプレート部25aと、プレート部25aから建物本体1の屋外方向に突設される突設部25bと、突設部25bの建物本体1の屋外方向側の先端部25cと、突設部25bの下端部に設けられる弾性係止部25dと、を備えている。
また、軒樋42は、断面略U字状に形成されており、雨水等の排水が可能な底面部42aと、底面部42aの建物本体1の屋外方向側の端部に設けられる鉤形状のフック部42bと、底面部42aの建物本体1側端部から軒樋42の開口方向へ突出する突部42cと、を備えている。軒樋42は、樋受け部材25に取り付けられた状態で、雨水等の排水を促進するため長手方向の一端側から他端側へ向けて傾斜して配置される。なお、軒樋42の傾斜方向の下端部には、縦樋(図示省略)と連結可能な排水口(図示省略)が設けられている。
次に、軒樋42の樋受け部材25に対する取り付けについて図2及び図7に基づいて説明する。
軒樋42の樋受け部材25に対する取り付けは、先ず、軒樋42のフック部42bを樋受け部材25の先端部25cに嵌合させる。次に、この状態で、軒樋42の建物本体1側を上方へ移動させる。軒樋42を上方へ移動させると、弾性係止部25dが軒樋42の突部42cの進入により建物本体1の屋外方向へ弾性変形する。さらに、軒樋42を上方へ移動させると、弾性係止部25dが軒樋42の突部42cに嵌合して、その状態が保持される。このように、軒樋42は、樋受け部材25の先端部25cと軒樋42のフック部42b、及び樋受け部材25の弾性係止部25dと軒樋42の突部42cをそれぞれ嵌合させることにより、樋受け部材25に対して取り付けられる。軒樋42が樋受け部材25に対して取り付けられた状態では、支持部材24は、軒樋42によって下方から覆われる位置で,且つ軒樋42の底面42aから上方へ所定距離離間した、軒樋42の排水機能を阻害しない高さ位置に配置される。
次に、隣接する鼻隠し部材22同士を連結する鼻隠し部材22の連結装置50について図11乃至図14を参照して説明する。
図11乃至図14に示すように、連結装置50は、軒先ユニット20を建物本体1の桁行方向に沿って複数個連続して配設したときに、隣接する鼻隠し部材22の端部22g間に跨った位置に配置される。連結装置50は、鼻隠し部材22の建物本体1側の下側内面22y及び上側内面22zに装着される連結部材51と、連結部材51の建物本体1側に装着される弾発部材52と、を備えている。連結部材51は、下側連結部材53と、上側連結部材54と、を備えている。
下側連結部材53は、側面部53aと、側面部53a上端部から建物本体1側へ曲折して延びる上面部53bと、側面部53aの下端部から建物本体1側へ曲折して延びる底面部53cと、底面部53cの建物本体1側の端部から上方へ曲折して延びる下側突設部53dと、下側突設部53dの上端部から建物本体1側へ曲折して延びる突出部53eと、上面部53bの建物本体1側の先端部53gから建物本体1の屋外方向へ曲折して延びる当接部53fと、を備えている。
側面部53a、底面部53c、下側突設部53d及び突出部53eの外周側の外面53y及び上面部53bの上面には、例えば、エチレン・プロピレン・ゴム(EPT)等の止水材55が貼着されている。止水材55は、下側連結部材53が弾発部材52により建物本体1の屋外方向へ弾発された状態では、止水材55が鼻隠し部材22の下側内面22y及び後述する上側連結部材54の底面部54cの下面と密着可能なように構成されている。
上側連結部材54は、側面部54aと、側面部54aの上端部から建物本体1側斜め上方へ曲折して延びる上面部54bと、側面部54aの下端部から建物本体側へ曲折して延び、下側連結部材53の上面部53bに載置される底面部54cと、を備えている。底面部54cの建物本体1側の先端部54dは、上側連結部材54が弾発部材52により建物本体1の屋外方向へ弾発された状態で、下側連結部材53の当接部53fと係合する。
側面部54a及び上面部54bの外周側の外面54zには、例えば、エチレン・プロピレン・ゴム(EPT)等の止水材56が貼着されている。止水材56は、上側連結部材54が弾発部材52により建物本体1の屋外方向へ弾発された状態では、止水材56が鼻隠し部材22の上側内面22zと密着可能なように構成されている。
弾発部材52は、板バネであり、下側連結部材53の底面部53cの上面に配置される略板形状の下側端部52aと、下側端部52aの建物本体1の屋外方向側の端部から建物本体1側斜め上方へ曲折して延び、その上下方向の中間部分が建物本体1の屋外方向に屈曲された断面略L字形状の屈曲部52bと、屈曲部52bの上端から建物本体1側斜め上方へ曲折して延びる略板形状の傾斜部52cと、傾斜部52cの建物本体1側の端部から上方へ曲折して設けられる断面略L字形状の把持部52dと、を備えている。
傾斜部52cと把持部52dとが連結される連結部52eは、弾発部材52が建物本体1側から下側連結部材53に装着された状態で、下側連結部材53の先端部53gと係合する。
弾発部材52は、その下側端部52aを下側連結部材53の突出部53eと当接部53fとの間に形成される開口に挿入することにより、下側連結部材53の建物本体1側の内側に挿入することが可能なように構成されている。
次に、連結装置50の鼻隠し部材22に対する取り付けについて説明する。
図11に示すように、連結装置50の鼻隠し部材22への取り付けは、先ず、下側連結部材53を、建物本体1側から鼻隠し部材22の内面に取り付ける。
次に、図12に示すように、下側連結部材53の上面部53bに上側連結部材54の底面部54cを載置させた状態で、上側連結部材54を、建物本体1側から鼻隠し部材22の内面に取り付ける。
その後、図13に示すように、鼻隠し部材22に下側連結部材53及び上側連結部材54を取り付けた状態で、建物本体1側から下側連結部材53の突出部53eと当接部53fとの間に形成される開口に弾発部材52を挿入する。
図14に示すように、弾発部材52を挿入すると、弾発部材52の下側端部52aと、屈曲部52bとが、それぞれ下側連結部材53の側面部53aと、突出部53e及び先端部53gとに当接する。弾発部材52を下方へ移動させると、弾発部材52の屈曲部52bが下側連結部材53の突出部53eに当接される部位を中心として、屈曲部52bが建物本体1の屋外方向へ弾性変形する。
さらに弾発部材52を下方へ移動させると、弾発部材52の傾斜部52cと下側連結部材53の先端部53gとが当接し、弾発部材52の傾斜部52cが下側連結部材53の先端部53gを上方へ付勢しつつ、弾発部材52の連結部52eと下側連結部材53の先端部53gとが係合する。これにより、連結装置50の鼻隠し部材22に対する取り付けが完了する。この状態では、下側連結部材53の先端部53gは、弾発部材52の傾斜部52cによって上方へ付勢される他、屈曲部52bの弾性変形に伴って建物本体1の屋外方向へ付勢される。このため、下側連結部材53の外面53yと、鼻隠し部材22の下側内面22yとが止水材55を介して密着すると共に、上側連結部材54の外面54zと、鼻隠し部材22の上側外面22zとが止水材56を介して密着する。
また、上記のように、下側連結部材53の先端部53gが上方へ付勢されることにより、下側連結部材53の上面部53bと上側連結部材54の下面部54cとが止水材55を介して密着される。また、これに伴って、上側連結部材54の上面部54bと鼻隠し部材22の上側内面22zとが止水材56を介して密着されると共に、下側連結部材53の下面部53cと鼻隠し部材22の下側内面22yとが止水材55を介して密着される。
本実施形態では、本実施形態では、弾発部材として板バネを用いたが、他の弾発部材、例えば、コイルばね等を採用することも可能である。さらに、本実施形態では、軒先ユニット20に設けられる鼻隠し部材22に連結装置50を用いたが、軒先ユニット20を使用しないで、鼻隠し部材のみを建物本体の桁行方向に連続して配設するような場合においても、本発明に係る鼻隠し部材の連結装置を使用できる。
次に、本実施形態に係る軒先ユニットを用いた建物の施工方法について図1、図2、図8乃至図10、及び図15を参照して説明する。
図15に示すように、本実施形態に係る軒先ユニットを用いた建物の施工方法は、建物躯体構築工程S1と、軒先ユニット仮固定工程S2と、軒先ユニット調整工程S3と、軒先ユニット本固定工程S4と、転落防止部材取付工程S5と、転落防止部材取外工程S6と、を備えている。
図1に示すように、建物躯体構築工程S1では、建物本体1の柱(図示省略)、軒桁3、小屋梁5等の構造体の骨組を構築する。本実施形態では、鉄製の部材である軒桁3、小屋梁5等の構造体をボルトや溶接等によって接合することにより建築躯体が構築される。
図15に示すように、建物躯体構築工程S1の後に、軒先ユニット仮固定工程S2が行われる。
図8乃至図10に示すように、この工程は、軒桁3に腕木部材10の上側狭持部材11がボルト等により固定された状態で、且つ、この上側狭持部材11に対して下側狭持部材16がボルト33及びナット34により仮固定された状態で開始される。
軒天部材21、鼻隠し部材22、軒先ユニット取付部材23、複数の支持部材24、及び複数の樋受け部材25が、予め一体化された複数の軒先ユニット20を、建物本体1の屋外側で吊り上げて、軒先ユニット20に設けられる軒先ユニット取付部材23のフレーム部23bを、建物本体1の屋外方向から腕木部材10の上側狭持部材11と一方の下側狭持部材16との間に挿入する。
軒先ユニット取付部材23のフレーム部23bが上側狭持部材11及び一方の下側狭持部材16の間に挿入された状態では、軒先ユニット20は、軒桁3に対して仮保持される。なお、軒先ユニット20を、建物本体1の屋外側で吊り上げて軒先ユニット取付部材23を腕木部材10に挿入する場合に限られず、軒先ユニット20を建物本体1の屋内側から搬入して、軒先ユニット取付部材23を腕木部材10に挿入することも可能である。
軒先ユニット10が軒桁3に対して仮保持された状態では、軒先ユニット取付部材23のボルト挿通孔23eと、上側狭持部材11のボルト挿通孔12と、下側狭持部材16のボルト挿通孔17とが整合する。この状態で、建物本体1の屋内側から、固定用ボルト31を、これらボルト挿通孔23e、ボルト挿通孔12及びボルト挿通孔17のそれぞれに上方から挿通する。本実施形態では、固定用ボルト31を、ボルト挿通孔23e、ボルト挿通孔12及びボルト挿通孔17のそれぞれに挿入するだけで、軒桁3に対して仮固定され、軒先ユニット20の落下が防止される。その後、この固定用ボルト31に、固定用ナット32を蝶合して仮締めする。
また、建物本体1の桁行方向に隣接する他方の軒先ユニット20´も、上記一方の軒先ユニット20と同様に、フレーム部23b´を上側狭持部材11及び他方の下側狭持部材16´の間に挿入し、固定用ボルト31及び固定用ナット32を蝶合して、他方の軒先ユニット20´を、軒桁3に仮固定する。
図15に示すように、軒先ユニット仮固定工程S2の後に、軒先ユニット調整工程S3が行われる。この軒先ユニット調整工程S3で行われる作業は、全て建物本体1の屋内側から行われる。
図8乃至図10に示すように、軒先ユニット調整工程S3では、先ず、軒先ユニット20の軒天部材21の本体部21aが建物本体1の屋外側に向けてやや上方へ傾斜するように、上側狭持部材11及び下側狭持部材16を固定するボルト33又はナット34を仮締めする(図2参照)。この仮締めは、後述する角度調節ボルト13の締め込みにより建物本体1に対する軒先ユニット20の取付角度の調節が可能な程度に行う。
次に、建物本体1に対する軒先ユニット20の屋内外方向の取付位置及び桁行方向の取付位置の調整を行う。上記のように、上側狭持部材11のボルト挿通孔12及び下側狭持部材16のボルト挿通孔17が、それぞれ建物本体1の桁行方向に沿って長孔状に形成されおり、また、軒先ユニット取付部材23のボルト挿通孔23eが、建物本体1の屋内外方向に沿って形成されている。このため、ボルト挿通孔12、ボルト挿通孔17、及びボルト挿通孔23eのそれぞれに固定用ボルト31を挿通して仮締めした状態では、軒先ユニット20は、建物本体1の桁行方向及び屋内外方向へ移動可能である。
すなわち、建物本体1に対する軒先ユニット20の屋内外方向の取付位置及び桁行方向の取付位置の調整は、軒先ユニット20を建物本体1の桁行方向及び屋内外方向に適宜移動させることに行う。このような移動を行い、軒先ユニット20が適正な取付位置となった場合には、固定用ボルト31又は固定用ナット32を仮締めする。この仮締めは、軒先ユニット20が軒桁3に対して容易に移動されない程度に行う。
固定用ボルト31及び固定用ナット32の仮締めを行った後に、建物本体1に対する軒先ユニット20の取付角度の調整が行われる。この取付角度の調整は、建物本体1の屋内外方向に離間して配置される複数の角度調節ボルト13を適宜締め込むことにより行う。
この複数の角度調節ボルト13を締め込むと、角度調節ボルト13の先端部13aが軒先ユニット取付部材23のフレーム部23bの上面と当接するため、その締め込み量を調節することにより、軒先ユニット20の建物本体1の屋外側を上下方向に移動させることができる。このような締め込みを行い、軒先ユニット20が建物本体1に対して適正な取付角度になると、建物本体1に対する軒先ユニット20の屋内外方向の取付位置及び桁行方向の取付位置が適正であるか否かを再度確認する。そして、その取付位置が適正でない場合には、上記のような手順を繰り返し行う。
このように、軒先ユニット20を適宜移動させて、建物本体1に対する軒先ユニット20の取付角度、屋内外方向の取付位置、及び桁行方向の取付位置の全てが適正なものとなったときに、この工程は終了する。上記作業手順は、隣接する他方の軒先ユニット20´においても同様に行なわれる。なお、建物本体1に対する軒先ユニット20の取付位置の調整は、軒先ユニット20の屋内外方向の取付位置及び桁行方向の取付位置の調整を行った後に、軒先ユニット20の取付角度の調整を行ったが、これに限られず、軒先ユニット20の取付角度の調整を行った後に、軒先ユニット20の屋内外方向の取付位置及び桁行方向の取付位置の調整を行ってもよい。
図15に示すように、軒先ユニット調整工程S3の後に、軒先ユニット本固定工程S4が行われる。この軒先ユニット本固定工程S4で行われる作業は、軒先ユニット調整工程S3と同様に全て建物本体1の屋内側から行われる。
図8乃至図10に示すように、軒先ユニット本固定工程S4では、軒先ユニット取付部材23のボルト挿通孔23e、上側狭持部材11のボルト挿通孔12、及び下側狭持部材16のボルト挿通孔17のそれぞれに挿通された固定用ボルト31を建物本体1の屋内側から本締めすると共に、上側狭持部材11のボルト挿通孔14、及び下側狭持部材16のボルト挿通孔18のそれぞれに挿通されたボルト33を建物本体1の屋内側から本締めする。また、上記作業手順は、隣接する他方の軒先ユニット20´においても同様に行なわれる。
なお、本実施形態では、固定用ボルト31及びボルト33を本締めした後に、隣接する鼻隠し部材22の端部間に建物本体1の屋内側から上述した連結装置50が装着される。
図15に示すように、軒先ユニット本固定工程S4の後に、転落防止部材取付工程S5が行われる。この軒先ユニット本固定工程S5で行われる作業も、軒先ユニット本固定工程S4と同様に全て建物本体1の屋内側から行われる。
図1及び2に示すように、転落防止部材取付工程S5では、各軒先ユニット20に設けられる取付部24bに対して上方から転落防止部材41の取り付けを行う。
転落防止部材41の軒先ユニット20への取り付けは、支持部材24の取付部24bに、建物本体1の屋内側から転落防止部材41の先端部41dを挿入することにより行われる。なお、転落防止部材41の軒先ユニット20への取り付けを、軒先ユニット20が軒桁3に固定した後に行ったが、予め転落防止部材41を軒先ユニット20に装着した状態で、この軒先ユニット20を建物本体1の屋外側から吊り上げて、上記軒先ユニット仮固定工程S2を行ってもよい。
このように、転落防止部材41が、軒先ユニット20を構成する支持部材24に容易に取付可能であるため、外部足場を設置することが困難な狭小地においても、転落防止部材41を配設することができる。従って、狭小地においても転落防止部材41を配設することができ、屋根上での軒先工事における安全性を十分に確保することができる。また、建物本体1の周囲に地面等から外部足場を組み立てる必要がないため、軒先工事の作業工程を省略することができ、工期の短縮化を確実に図ることができる。さらに、支持部材24は、軒先ユニット20にそのまま存置されるため、例えば、屋根等の改修工事を行う際に、この転落防止部材41を再度使用することも可能となる。
図15に示すように、転落防止部材取付工程S5の後に、転落防止部材取外工程S6が行われる。
転落防止部材取外工程S6は、転落防止部材取付工程S5において転落防止部材41を軒先ユニット20に取り付けた後、例えば、屋根パネル4の取付作業や屋根上でのアンテナ設置作業等の屋根上での作業が全て完了したときに行われる。転落防止部材取外工程S6では、建物本体1の屋外側から転落防止部材41を軒先ユニット20から取り外す作業を行なう。
以上のように、本実施形態に係る軒先ユニットによれば、鼻隠し部材22の外面から建物本体1の屋外方向へ突設する支持部材24が軒樋42の上方に配置される。すなわち、軒先ユニット20を下方から見たときに、支持部材24は軒樋42の後方に配置されるため、支持部材24を下方から視認することは困難である。従って、屋根上での作業が完了して転落防止部材41を取り外した後、例えば、建物の新築工事が竣工した後においても、軒先ユニット20に存置された支持部材24によって、建物の外観上の美感が損なわれることがない。
また、建物の新築工事が完了した後であっても、建物の美感を損ねることなく軒先ユニット20に存置される支持部材24に、転落防止部材41を取り付けることが可能なため、屋根の改修工事等をその後に行う場合においても、軒先作業における作業の安全性を確保することができる。
このように、本実施形態によれば、狭小地であっても、建物の外観上の美感を損ねることなく、建物本体1の周囲に転落防止部材41を配設することができる。
また、軒桁3に固定される軒先ユニット取付部材23は、軒天部材21の建物本体1の屋外方向側の端部を覆う鼻隠し部材22の前面部22aの建物本体1の側面に固定されている。すなわち、軒天部材21及び鼻隠し部材22等の軒先部品は、軒先ユニット取付部材23を下方から覆う位置に配置され、軒先ユニット取付部材23の上方には、障害物のない空間が形成される。従って、軒先ユニット取付部材23を、軒桁3への軒先ユニット20の固定以外の他の用途、例えば、屋根上に配置される部材を支持する際にも用いることができる。
さらに、上記構成では、軒先部品である軒天部材21、鼻隠し部材22、軒先ユニット取付部材23、支持部材24、及び樋受け部材25を予めユニットとして一体化する構成であるため、軒先工事の作業工程を大幅に削減することができると共に、作業効率を格段に向上させることができる。また、軒先ユニット20を工場等で製作することが可能であるため、品質の均一化を確実に図ることができる。
また、支持部材24は、軒樋42が樋受け部材25に支持された状態で、軒樋42の底面42aから上方へ所定距離離間した、軒樋42の排水機能を阻害しない高さ位置に配置される。このため、建物の外観上の美感が損なわれることを防止しつつ、軒樋42を流下する雨水等の排水を円滑に行うことができる。
さらに、軒先ユニット20が、建物本体1の桁行方向に沿って複数個連続して配置されるため、軒先ユニット20自体をコンパクトに形成することが可能なため、軒先ユニット20の建物本体1に対する取付作業、運搬作業、及び工場等での製作作業の容易化を確実に図ることができる。
本実施形態に係る建物の施工方法は、建物本体の建物躯体を構築する建物躯体構築工程S1と、建物躯体構築工程S1の後に、軒先ユニット取付部材23を、軒桁3から建物本体1の屋外方向へ突設する腕木部材10に仮固定する軒先ユニット仮固定工程S2と、軒先ユニット仮固定工程S2の後に、建物本体1に対する軒先ユニット20の上下方向の取付角度、屋内外方向の取付位置、及び桁行方向の取付位置の調整を建物本体1の屋内側から行う軒先ユニット調整工程S3と、軒先ユニット調整工程S3の後に、軒先ユニット20を建物本体1の屋内側から腕木部材10に本固定する軒先ユニット本固定工程S4と、少なくとも建築躯体構築工程S1の後に、転落防止部材41を支持部材24に取り付ける転落防止部材取付工程S5と、転落防止部材取付工程S5の後に、転落防止部材41を支持部材24から取り外す転落防止部材取外工程S6と、を備えている。
本実施形態に係る建物の施工方法では、上述した軒先ユニット20を用いているため、建物の外観上の美感を損なうことなく、狭小地における作業の安全性を十分に確保でき、工期の短縮化を確実に図ることが可能な建物の施工方法を得ることができる。
また、本実施形態に係る建物の施工方法では、軒先ユニット20の取付位置の調整、及び軒先ユニット20の仮固定及び本固定を建物本体1の屋内側から行なうため、作業の安全性をさらに向上させることができる。
本実施形態に係る鼻隠し部材の連結装置によれば、鼻隠し部材22に対する連結装置50の取り付けは、上側連結部材53及び下側連結部材54を、それぞれ建物本体1の屋内側から隣接する鼻隠し部材22の端部間に跨った位置に装着し、その後、建物本体1の屋外方向への弾発力を有する弾発部材52を、建物本体1側から上側連結部材53及び下側連結部材54に装着する。すなわち、上側連結部材53及び下側連結部材54は、弾発部材52が装着されることにより、隣接する鼻隠し部材22の端部22g間に形成される隙間を塞いだ状態で、鼻隠し部材22の下側内面22y及び上側内面22zに押圧されるため、上側連結部材53及び下側連結部材54が、鼻隠し部材22から容易に離脱してしまうことがない。従って、隣接する鼻隠し部材22の端部間に形成される隙間を塞ぐことができると共に、鼻隠し部材22に対して上側連結部材53及び下側連結部材54を確実に固定することができる。
また、鼻隠し部材22への上側連結部材53及び下側連結部材54の装着、及び上側連結部材53及び下側連結部材54への弾発部材52の装着は、何れも建物本体1側から工具等を用いることなく行うことができるため、建物本体1の屋内側から上側連結部材53、下側連結部材54及び弾発部材52の装着を行うにあたり、無理な姿勢となることがなく、極めて簡単に上側連結部材53、下側連結部材54及び弾発部材52を装着することができる。
さらに、上側連結部材53、下側連結部材54及び弾発部材52の何れもが、鼻隠し部材22の内面側に装着されるため、上側連結部材53、下側連結部材54及び弾発部材52を下方から視認することは困難である。従って、鼻隠し部材22に装着される連結装置50によって、建物の外観上の美感が損なわれることがない。
また、連結部材51が、下側連結部材53と上側連結部材54とに二分割されているため、鼻隠し部材22に対する連結部材51の装着を容易に行うことができる。
以上のように、本発明によれば、建物の外観上の美感を損ねることのなく、連結装置50を建物本体1の屋内側から隣接する鼻隠し部材22の端部22g間に確実且つ容易に固定することができる。
また、下側連結部材53には、鼻隠し部材22の前面部22a及び下面部22dの建物本体1側及び下側突設部22eの建物本体1の屋外方向側の下側内面22yと当接可能な下側接合面53yが設けられ、上側連結部材54には、鼻隠し部材22の前面部22a及び上面部22bの上側内面22zと当接可能な上側接合面54zが設けられている。すなわち、弾発部材52の建物本体1の屋外方向への弾発力により、鼻隠し部材22の下側内面22y及び上側内面22zと下側連結部材53の下側接合面53y及び上側連結部材54の上側接合面54zとが密着されるため、隣接する鼻隠し部材22の端部22g間に形成される隙間を確実に塞ぐことができる。
また、下側接合面53y及び上側接合面54zには、それぞれ鼻隠し部材22の下側内面22y及び上側内面22zと当接する位置に止水材55、56がそれぞれ貼着されているため、隣接する鼻隠し部材22の端部22g間に形成される隙間から鼻隠し部材22の下側内面22y及び上側内面22z側への雨水等の流入を防止することができる。
本実施形態では、弾発部材52に、板バネを用いているため、弾発部材52の形状を、下側連結部材53の内側の形状に応じて簡単に作成することができ、また、場所をとらずに容易に下側連結部材53に装着することができる。
また、下側連結部材53には、その上端から建物本体1側に曲折して延設される上面部53bが設けられ、上側連結部材54には、その下端から建物本体1側に曲折して延設され、上面部53bの上面に載置される底面を有する底面部54cが設けられている。この底面部54cの建物本体1側の先端部54dは、下側連結部材53の上面部53bの建物本体1側の先端部53gから建物本体1の屋外方向へ曲折して延びる当接部53fと当接可能なように構成されている。また、弾発部材52には、下側連結部材53に装着された状態で、下側連結部材53の先端部53gと係合する連結部52eが設けられている。
このため、建物本体1の屋外方向への弾発力が、効率よく、下側連結部材53の先端部53g及び上面部53bを介して下側連結部材53の外面53yに伝達されると共に、下側連結部材53の先端部53g、当接部53f、上側連結部材54の先端部54d及び底面部54cを介して上側連結部材54の外面54zに伝達される。従って、鼻隠し部材22の下側内面22y及び上側内面22zに対して下側連結部材53及び上側連結部材54をより確実に固定することができる。
さらに、下側延設部53の上面部53bには、止水材55が貼着されているため、下側延設部53の上面部53bと上側延設部54の底面部54cとが当接する部位からの鼻隠し部材22の下側内面22y及び上側内面22z側への雨水等の流入を確実に防止することができる。
また、鼻隠し部材22の連結装置50が、鼻隠し部材22を有する軒先ユニット20が建物本体1の桁行方向に沿って複数個連続して配設されたときに用いられているため、予め一体化された軒先ユニット20に設けられる鼻隠し部材22同士を、連結装置50によって連結することができ、作業の効率性を確実に向上させることができる。
また、本実施形態に係る軒先ユニットの調整装置によれば、建物本体1に対する軒先ユニット20の建物本体1の屋内外方向及び桁行方向の調整は、先ず、軒先ユニット20の軒先ユニット取付部材23を、建物本体1の屋外側から腕木部材10の上側狭持部材11及び下側狭持部材16の間に挿入する。次に、軒先ユニット取付部材23、上側狭持部材11及び下側狭持部材16のそれぞれに形成されたボルト挿通孔12、17、23eに、固定用ボルト31をその軸方向が上下方向となる向きで挿入して固定用ナット32を仮締めする。上側狭持部材11のボルト挿通孔12及び下側狭持部材16のボルト挿通孔17は、建物本体1の桁行方向に沿って長孔状に形成され、軒先ユニット取付部材23のボルト挿通孔23eは、建物本体1の屋内外方向に沿って長孔状に形成されているため、軒先ユニット20を建物本体1の桁行方向及び屋内外方向の所望の位置に移動させることができる。すなわち、建物本体1に対する軒先ユニット20の建物の屋内外方向及び桁行方向の調整は、軒先ユニット20が軒桁3に固定用ボルト31により仮固定された状態で、軒先ユニット20を建物本体1の桁行方向及び屋内外方向へ適宜移動させることにより行うことができるため、その調整作業は極めて簡単である。
また、軒先ユニット20の建物本体1の桁行方向及び屋内外方向の取付位置となったときは、固定用ボルト31又は固定用ナット32を本締めする。固定用ボルト31は、その軸方向が上下方向となる向きで軒桁3から建物本体1の屋外方向へ突設される上側狭持部材11に取り付けられるため、建物本体1の屋内側から固定用ボルト31の締め込みを行うにあたり、無理な姿勢となることがなく、容易に固定用ボルト31の締め込みを行うことができる。
一方、建物本体1に対する軒先ユニット20の取付角度の調整は、軒先ユニット20の軒先ユニット取付部材23を上側狭持部材11及び下側狭持部材16の間に挿入した状態で、上側狭持部材11の上面部11aから上方に突出した角度調節ボルト13を適宜締め込むことにより行う。すなわち、軒先ユニット20の取付角度の調整は、角度調節ボルト13の締め込み量を適宜調節することにより行うことができるため、その調整作業は極めて簡単である。
また、角度調節ボルト13は、上側狭持部材11の上面部11aから上方に突出しているため、建物本体1の屋内側から角度調節ボルト13の締め込みを行うにあたり、無理な姿勢となることがなく、容易に角度調節ボルト13の締め込みを行うことができる。
また、軒先ユニット20は、軒先ユニット取付部材23を上側狭持部材11及び下側狭持部材16の間に挿入した状態で、軒先ユニット取付部材23、上側狭持部材11及び下側狭持部材16のそれぞれに形成されたボルト挿通孔12、17、23eに固定用ボルト31を挿入するだけで、軒桁3に対して仮固定される。従って、このような極めて簡単な作業を行うことにより、軒先ユニット20の落下を防止することができ、作業の安全性を十分に確保することができる。
従って、本実施形態によれば、作業の安全性を確保しつつ、建物本体1に対する軒先ユニット20の調整及び固定を建物の屋内側から容易に行うことができる。
また、軒先ユニット取付部材23は、軒先ユニット20の建物本体1の桁行方向の両端部に設けられ、腕木部材10は、軒先ユニット20を建物本体1の桁行方向に沿って複数個連続して配設したときに、隣接する軒先ユニット取付部材23を接合可能である。すなわち、隣接する軒先ユニット20同士の相対位置の調整及びこれらの建物本体1に対する固定を一箇所で行うことができるため、作業の効率性を向上させることができる。
また、角度調節ボルト13は、建物本体1の屋内外方向に所定距離離間して複数設けられているため、建物本体1に対する軒先ユニット20の取付角度の微調節を行うことができ、軒先ユニット20の調整作業をさらに容易に行うことが可能となる。
次に、本発明に係る第2の実施形態について図16に基づいて説明する。図16は、軒桁に取り付けられた腕木部材の斜視図である。なお、図16に示す第2の実施形態は、上述した第1の実施形態のうち、外壁パネルの態様、腕木部材の軒桁から突出する方向、及び軒先ユニット取付部材の態様のみが異なり、他の構成は第1の実施形態と同様な構成であるため、同一番号を付して重複する説明を省略する。
図16に示すように、第2の実施形態に係る腕木部材110は、上側狭持部材11の両側面部11bの建物本体1の屋外方向側端部が、軒桁3に対してボルトや溶接等により固定されている。また、上側狭持部材11が軒桁3に固定された状態では、上側狭持部材11の上面部11aの下面が、軒桁3の下面よりも低い位置となるように配置される。
外壁パネル102の所定位置には、後述する軒先ユニット120のフレーム部123bが建物本体1の屋外側から貫通可能な略矩形状の開口部130が形成されている。
軒先ユニット120のフレーム部123bは、建物本体1の屋内方向へ延設され、開口部130を貫通して腕木部材110の上側狭持部材11及び下側狭持部材16の間で狭持可能な長さ寸法を有している。
次に、第2の実施形態に係る建物の施工方法について図を参照して説明する。
図15に示すように、本実施形態では、上述した第1の実施形態に係る建物の施工方法と同様に、建物躯体構築工程S1の後に、軒先ユニット仮固定工程S2が行われる。
図16に示すように、軒先ユニット仮固定工程S2では、先ず、予め軒先ユニット120に取り付けられたフレーム部123bを、外壁パネル102の開口部130に挿入して貫通させる。次に、フレーム部123bを、上側狭持部材11及び下側狭持部材16の間に挿入する。フレーム部123bを所定位置まで挿入すると、軒先ユニット120のボルト挿通孔23e、腕木部材110のボルト挿通孔12及びボルト挿通孔17は、建物本体1の屋内側で整合する。
各ボルト挿通孔が整合した状態で、固定用ボルト31を、軒先ユニット120のボルト挿通孔23e、腕木部材110のボルト挿通孔12及びボルト挿通孔17のそれぞれに上方から挿通し、固定用ナット32(図3参照)を蝶合して仮締めする。
図15に示すように、軒先ユニット仮固定工程S2が完了すると、上述した第1の実施形態に係る建物の施工方法と同様に、軒先ユニット調整工程S3以降の工程が行われる。
図16に示すように、本実施形態では、上記各ボルト挿通孔の他、上側狭持部材11のボルト挿通孔14、及び下側狭持部材16のボルト挿通孔17も建物本体1の屋内側に配置されるため、軒先ユニット仮固定工程S2と同様に、軒先ユニット調整工程S3、及び軒先ユニット本固定工程S4も、建物本体1の屋内側で行われる。
以上のように、本実施形態では、軒先ユニット仮固定工程S2と、軒先ユニット調整工程S3と、軒先ユニット本固定工程S4の何れの作業も、建物本体1の屋内側で行われるため、作業の安全性を確実に向上させることができる。
上記実施形態では、腕木部材10、110を建物本体1の主要構造物の一つである軒桁3に固定したが、これに限られず、他の主要構造物、例えば、柱や梁等に固定することも可能である。
また、上記実施形態では、軒桁3側に、上側狭持部材11及び下側狭持部材16から構成される腕木部材10を設けると共に、軒先ユニット20側に、上側狭持部材11と下側狭持部材16との間で狭持される軒先ユニット取付部材23を設けたが、これに限られず、軒先ユニット20側に、上側狭持部材及び下側狭持部材から構成される部材を設けると共に、軒桁3側に、上側狭持部材と下側狭持部材との間で狭持される部材を設けてもよい。
さらに、本実施形態では、軒桁3の桁行方向に沿って取り付けられる軒先ユニット20についてのみ説明したが、上記軒先ユニット20を、例えば、図17に示すように、出隅部7(図1参照)に取り付けるための軒先ユニット220として構成することも可能である。
図18に示すように、この軒先ユニット120を出隅部7に取り付けた場合には、出隅部7の角部に転落防止部材41が配置されない危険領域Sが形成されるため、図19に示す連結部材141を両転落防止部材41、41に取り付けて、危険領域Sが形成されないように構成することも可能である。
この連結部材141について具体的に説明すると、連結部材141は、転落防止部材41と同じ材料を用いて形成された略L字形状の本体部141aと、本体部141aの両端部にそれぞれ溶接等により固定される連結部141bと、連結部141bの下端部に溶接等により固定される結束バンド取付部141cと、を備えている。連結部141bは、2枚の板状部材が対向するように,本体部141aの水平方向の両外面に固定されている。
連結部材141の転落防止部材41への取り付けは、隣接する転落防止部材41が軒先ユニット20のそれぞれに取り付けられた状態で、連結部材141の連結部141bのそれぞれを隣接する転落防止部材41に上方から圧嵌することにより行う。また、このときに、結束バンド取付部141cに、例えば、ゴム等からなる結束バンドの一端側を取り付けると共に、他端側を転落防止部材41の所定箇所に取り付けると、好適である。
本発明によれば、建物の周囲に外部足場を設置しなくとも、建物の外観上の美感を損ねることなく軒先作業をより安全に行うことができる。
1 建物本体
3 軒桁(建物躯体)
6 軒先
10、110 腕木部材(建物側取付部材)
11 上側狭持部材
11a 上面部
12 ボルト挿通孔(上側狭持部材のボルト挿通孔、ルーズ孔)
13 角度調節用ボルト
13a 先端部
16 下側狭持部材
16a 底面部
17 ボルト挿通孔(下側狭持部材のボルト挿通孔、ルーズ孔)
20、120、220 軒先ユニット
21 軒天部材
22 鼻隠し部材
22a 前面部(本体部)
22b 上面部(本体部)
22c 上側突設部
22d 下面部(本体部)
22e 下側突設部(突設部)
22g 端部
22y 下側内面
22z 上側内面
23 軒先ユニット取付部材
23d 上面部
23e ボルト挿通孔(軒先ユニット取付部材のボルト挿通孔、ルーズ孔)
24 支持部材
25 樋受け部材
30 調整装置
31 固定用ボルト(固定手段)
32 固定用ナット(固定手段)
41 転落防止部材
42 軒樋
50 連結装置
52 弾発部材
52a 下側端部
52e 連結部
53 下側連結部材
53b 上面部(下側延設部)
53y 外面(下側接合面)
54 上側連結部材
54c 底面部(上側延設部)
54z 外面(上側接合面)
55 止水材
56 止水材
S1 建物躯体構築工程
S2 軒先ユニット仮固定工程
S3 軒先ユニット調整工程
S4 軒先ユニット本固定工程
S5 転落防止部材取付工程
S6 転落防止部材取外工程

Claims (4)

  1. 建物本体の軒先に取り付けられ、軒樋を後付け可能な軒先ユニットであって、
    前記建物本体の屋外側に位置される軒天部材と、
    前記軒天部材の前記建物本体の屋外方向側の端部を覆うように立設される鼻隠し部材と、
    前記鼻隠し部材の前記建物本体側の内面に設けられ、前記軒先ユニットを建物躯体に固定するための複数の軒先ユニット取付部材と、
    前記鼻隠し部材の外面から前記建物本体の屋外方向へ突設され、前記建物本体の桁行方向に沿って配置される軒樋を支持可能な複数の樋受け部材と、
    前記鼻隠し部材の外面から前記建物本体の屋外方向へ突設されると共に前記軒樋の上方に配置され、転落防止部材を上方から着脱可能なように、前記転落防止部材を下方から支持する複数の支持部材と、を備え、
    前記支持部材は、前記軒先ユニット取付部材を介して前記鼻隠し部材に取り付けられることを特徴とする軒先ユニット。
  2. 前記支持部材は、前記軒樋が前記樋受け部材に支持された状態で、前記軒樋の底面から上方へ所定距離離間した高さ位置に配置されることを特徴とする請求項1に記載の軒先ユニット。
  3. 前記軒先ユニットは、前記建物の桁行方向に沿って複数個連続して配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の軒先ユニット。
  4. 請求項1乃至3の何れか1項に記載の軒先ユニットを用いた建物の施工方法であって、
    前記建物本体の前記建物躯体を構築する建物躯体構築工程と、
    前記建物躯体構築工程の後に、前記軒先ユニット取付部材を、前記建物躯体から前記建物本体の屋外方向へ突設する建物側取付部材に仮固定する軒先ユニット仮固定工程と、
    前記軒先ユニット仮固定工程の後に、前記建物本体に対する前記軒先ユニットの上下方向の取付角度、屋内外方向の取付位置、及び桁行方向の取付位置の調整を前記建物本体の屋内側から行う軒先ユニット調整工程と、
    前記軒先ユニット調整工程の後に、前記軒先ユニットを前記建物本体の屋内側から前記建物側取付部材に本固定する軒先ユニット本固定工程と、
    少なくとも前記建物躯体構築工程の後に、前記転落防止部材を前記支持部材に取り付ける転落防止部材取付工程と、を備えたことを特徴とする軒先ユニットを用いた建物の施工方法。
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