JP2011006761A - 溶銑の脱硫方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 機械攪拌式脱硫装置を用いて溶銑を脱硫処理する際に、反応性に優れる細粒の脱硫剤を効率良く溶銑中へ添加すると同時に、溶銑の酸素ポテンシャルを効率良く低下させて、溶銑を安定して効率的に脱硫する。
【解決手段】 上記課題を解決するための溶銑の脱硫方法は、機械攪拌式脱硫装置を用いた溶銑3の脱硫方法において、インペラー4によって攪拌されている溶銑の浴面上に上吹きランス5から搬送用ガスとともに脱硫剤7を上吹き添加するとともに、前記上吹きランスとは別の上吹きランス6から炭化水素を含有するガスを前記溶銑の浴面上に吹き付けて脱硫処理を行うことを特徴とする。
【選択図】 図5

Description

本発明は、機械攪拌式脱硫装置を用いた溶銑の脱硫方法に関し、詳しくは、脱硫反応を促進して効率良く溶銑を脱硫する方法に関するものである。
高炉から出銑された溶銑には、鋼の品質に悪影響を及ぼす燐(元素記号:P)、硫黄(元素記号:S)が高濃度に含有されており、これらを除去する種々の技術が開発されている。今日の鉄鋼精錬プロセスにおいては、転炉での脱炭精錬に先立って溶銑に含有される燐及び硫黄を予め除去する方法、所謂、「溶銑の予備処理」が一般的に行われている。このうち、溶銑の脱硫処理は、水平断面がほぼ円形を有する精錬容器に溶銑を保持し、脱硫剤を溶銑上に添加し、インペラー(「攪拌羽根」、「攪拌翼」とも呼ぶ)と称する、羽根を有する回転子を溶銑内に浸漬して回転させ、溶銑及び脱硫剤を攪拌して脱硫する方法(以下、「機械攪拌式脱硫法」という)が広く行われている。この機械攪拌式脱硫法においては安価なCaO(石灰)を主成分とする脱硫剤が用いられている。
CaOによる溶鉄の脱硫反応は、一般的に下記の(1)式で表される。
[S]+(CaO)=(CaS)+[O] …(1)
ここで、[S]は溶鉄中の硫黄、(CaO)はスラグ中の酸化カルシウム、(CaS)はスラグ中の硫化カルシウム、[O]は溶鉄中の酸素を示す。(1)式の反応を進めて脱硫を促進させるには、溶鉄中の酸素ポテンシャルを低下させて還元雰囲気にすることが有効であることが分かる。
これを実現させる技術として、特許文献1には、機械攪拌による溶銑脱硫において、攪拌装置を通じて溶銑内に炭化水素ガスを吹き込み、雰囲気を還元性に保持することによって脱硫反応を促進させる方法が開示されている。また、特許文献2には、機械攪拌による溶銑脱硫において、脱硫剤を上吹きランスを介して炭化水素などの還元性の搬送用ガスとともに溶銑浴面に上吹き添加して脱硫する方法が開示されている。また更に、特許文献3には、機械攪拌による溶銑脱硫において、炭化水素ガスを含有するガスを溶銑浴面に吹き付けるか、または炭化水素ガスを発生する物質を溶銑浴面に添加し、反応界面を還元雰囲気にすることによって脱硫反応を促進させる方法が開示されている。
特開昭55−76005号公報 特開2005−179690号公報 特開2001−20006号公報
しかしながら、上記従来技術には以下の問題点がある。
即ち、特許文献1に開示されるように、攪拌装置を通じて炭化水素ガスを溶銑中に吹き込む場合には、ガスを供給するための特殊な配管やジョイントなどが必要であり、設備費が嵩むという問題点がある。また、回転する溶銑中に吹込まれた炭化水素ガスは、溶銑とガスとの密度差によって溶銑を浮上する際に回転の中心に集まる傾向があり、つまり、回転する溶銑の外周部の雰囲気調整が十分でなく、脱硫反応効率を向上させる効果を十分に得られないという問題点がある。
また、特許文献2は、粉状の脱硫剤を溶銑に効率良く添加するという点では優れているが、炭化水素などの還元性ガスによって溶銑の酸素ポテンシャルを低下させるという点については問題がある。つまり、炭化水素などの還元性のガスを搬送用ガスとして脱硫剤とともに溶銑浴面上へ吹き付ける場合には、第1に、不活性ガスと炭化水素ガスとを混合させて搬送用ガスとして使用する場合には、炭化水素ガス濃度が減少してしまい、炭化水素による溶銑の脱酸効果が十分に得られない可能性があり、また第2に、搬送用ガスとして炭化水素ガスのみを使用する場合には、ガス流量が多くなりすぎるため、炭化水素の燃焼により排ガス温度が上昇し、集塵設備への熱負荷が増大するという問題点がある。
特許文献3は、溶銑の酸素ポテンシャルを低下させて脱硫反応を促進させる手段として優れているが、処理容器内の溶銑は、インペラーによって渦を巻くように攪拌されており、容器中心側ほど下向きの溶銑流速は大きくなる。本発明者らの詳細な調査結果によれば、炭化水素を含有するガスの吹き付け位置を変えることにより、脱硫率は大幅に変化する。つまり、炭化水素を含有するガスの吹き付け位置には、最適な範囲が存在する。この点に関して特許文献3は何ら開示しておらず、高効率の脱硫反応を安定して得られないという問題点がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、機械攪拌式脱硫装置を用いて溶銑を脱硫処理する際に、反応性に優れる細粒の脱硫剤を効率良く溶銑中へ添加すると同時に、溶銑の酸素ポテンシャルを効率良く低下させて、溶銑を安定して効率的に脱硫する方法を提供することである。
上記課題を解決するための第1の発明に係る溶銑の脱硫方法は、機械攪拌式脱硫装置を用いた溶銑の脱硫方法において、インペラーによって攪拌されている溶銑の浴面上に上吹きランスから搬送用ガスとともに脱硫剤を上吹き添加するとともに、前記上吹きランスとは別の上吹きランスから炭化水素を含有するガスを前記溶銑の浴面上に吹き付けて脱硫処理を行うことを特徴とするものである。
第2の発明に係る溶銑の脱硫方法は、第1の発明において、前記炭化水素を含有するガスを溶銑浴面に吹き付ける際に、溶銑を収容する処理容器の内壁半径をD、処理容器の中心から前記ガスの吹き付け位置までの水平距離をAとしたときに、該水平距離(A)が、前記内壁半径(D)に対して下記の(2)式の関係を満足する範囲内となる位置で、炭化水素を含有するガスを吹き付けることを特徴とするものである。
0≦A≦(2/3)×D…(2)
第3の発明に係る溶銑の脱硫方法は、第1または第2の発明において、前記炭化水素を含有するガスを溶銑浴面に吹き付ける位置が、脱硫剤を上吹きする位置よりも処理容器の円周方向中心側であることを特徴とするものである。
本発明によれば、反応性に優れる細粒の脱硫剤を搬送用ガスとともに上吹き添加するので、添加時の飛散が少なくなり、脱硫剤の添加歩留まりが向上し、そして、細粒の脱硫剤は、反応界面積が大きく、これにより脱硫反応が促進されると同時に、炭化水素を含有するガスを最適な位置で吹き付けることができるので、溶銑の酸素ポテンシャルが効率的に低下して、より一層脱硫反応が促進され、少ない脱硫剤で所望する脱硫処理が実施可能となる。その結果、脱硫剤原単位の削減、これに伴う発生スラグ量の削減などが達成され、工業上有益な効果がもたらされる。
水モデル実験装置において求めた攪拌時の浴面近傍での流動方向を示す模式図である。 機械攪拌式脱硫装置を模擬した実験装置の概略図である。 ガス吹き付け用上吹きランスの設置位置と脱硫率との関係を示す図である。 粉体吹き付け用上吹きランスの設置位置に対してガス吹き付け用上吹きランスの設置位置を円周方向で変化させたときの脱硫率を示す図である。 本発明を実施した機械攪拌式脱硫装置の側面概略図である。
以下、本発明を具体的に説明する。先ず、本発明に至った経緯について説明する。
本発明者らは、機械攪拌式脱硫装置を用いた溶銑の脱硫処理において、細粒の脱硫剤を歩留まり良く溶銑に添加することができることから、特許文献2に開示された上吹きランスからの脱硫剤上吹き添加を用いることを前提とし、且つ、更により一層効率良く溶銑を脱硫するべく、溶銑の酸素ポテンシャルを低下させる手段を種々検討した。
その結果、特許文献3に開示された炭化水素を含有するガスを溶銑浴面上へ吹き付けて添加する方法が格段に脱硫率が向上することが分かった。つまり、脱硫剤を添加する上吹きランスとは別の上吹きランスから、炭化水素を含有するガスを溶銑浴面上へ吹き付けることが最適であることが分かった。これは、任意の位置に任意の量の炭化水素を供給することが可能であり、雰囲気調整が容易となるからである。
しかしながら、実機における試験結果から、脱硫剤を上吹きする上吹きランスとは別の上吹きランスから炭化水素を含有するガスを吹き付けても、炭化水素を含有するガスの吹き付け位置に応じて脱硫率が大きく変化することを知見した。そこで、この原因を種々追究した結果、炭化水素を含有するガスが効率良く浴内へ巻き込まれる条件でなければ溶銑の酸素ポテンシャル低減効果が少ないという考えに至り、インペラーで攪拌された攪拌浴内の流動に着目した。
そこで先ず、機械攪拌式脱硫装置の水モデル実験装置を用いて、機械攪拌時の浴内流動を定量的に求めた。用いた水モデル実験装置の容器の内壁半径は150mmである。インペラーによる機械攪拌時の鉛直方向の流れとその流速値とを測定した結果、図1で示されるように、浴の表面近傍では、容器中心から100mmの位置、つまり容器中心から容器内壁半径の2/3の位置で、流れが下向きから上向きに変化することが分かった。即ち、回転する浴面の容器中心から100mm位置までの範囲では、浴表面に添加された物質は直ちに浴中に巻き込まれるのに対し、容器中心から100mm位置を越えた外周部の範囲では、浴表面に添加された物質は浴中に巻き込まれ難いことが分かった。この結果から、本発明者らは、溶銑浴面上に吹き付けられた炭化水素を含有するガスが浴内に侵入する挙動は、浴の流動状況つまり流動方向に大きく影響されるとの考えに至った。
そこで、機械攪拌式脱硫装置を模擬した実験装置を用いて、炭化水素を含有するガスの吹き付け位置を変化させ、吹き付け位置を変化させたときの脱硫率を調査した。ここで、脱硫率とは、脱硫処理前の溶銑中硫黄濃度(質量%)と脱硫処理後の溶銑中硫黄濃度(質量%)との差分を脱硫処理前の溶銑中硫黄濃度(質量%)に対して百分率で示したものである。図2に、機械攪拌式脱硫装置を模擬した実験装置の概略図を示す。
実験装置は高周波加熱コイル16を備えており、高周波加熱コイル16によって加熱し溶融した、内壁半径が200mmの坩堝容器11に保持された溶銑3にインペラー14を浸漬させ、電動機15によりインペラー14を回転させ、溶銑3を攪拌した。溶銑3の攪拌が定常状態になった後、溶銑3の浴面上方に設置した粉体吹き付け用上吹きランス12を介して、窒素ガスを搬送用ガスとしてCaOを主成分とする脱硫剤を溶銑浴面に上吹き添加した。粉体吹き付け用上吹きランス12の設置位置は、坩堝容器11の中心位置からの水平距離が150mmの位置に固定した。また、同時に、粉体吹き付け用上吹きランス12とは別のガス吹き付け用上吹きランス13から、炭化水素を含有するガスを溶銑3の浴面に吹き付けながら脱硫した。ガス吹き付け用上吹きランス13は、少なくとも、ガスの噴射される先端部は鉛直方向とし、その設置位置は、坩堝容器11の内壁半径をDとすると、坩堝容器11の中心位置からの水平距離が0〜Dとなる位置に変化させた。尚、脱硫処理前の溶銑の温度及び硫黄含有量、並びに、脱硫剤の添加量は各試験で一定とした。
図3に、ガス吹き付け用上吹きランス13の設置位置を変化させて脱硫処理したときの脱硫率を示す。図3の横軸は、坩堝容器11の中心位置から炭化水素を含有するガスの吹き付け位置までの半径方向距離である。図3に示すように、ガス吹き付け用上吹きランス13の設置位置に応じて脱硫率は変化し、ガス吹き付け用上吹きランス13の設置位置が、坩堝容器11の中心位置からの水平距離を133mm(=(2/3)×D)までの範囲とするときに、つまり、下記の(2)式の関係を満足する範囲とするときに、高い脱硫率が得られることが分かった。
0≦A≦(2/3)×D…(2)
但し、(2)式において、Aは、処理容器である坩堝容器11の中心からガス吹き付け用上吹きランス13の設置位置までの距離(m)、Dは、処理容器である坩堝容器11の内壁半径(m)である。
また更に、上記実験装置において、炭化水素を含有するガスの吹き付け位置、及び、脱硫剤の上吹き添加位置を種々変化させて脱硫処理を行った。図4は、この脱硫試験のうちの一部結果を示す図であり、粉体吹き付け用上吹きランス12の設置位置を坩堝容器11の中心位置からの水平距離がD/2となる位置の一定とし、ガス吹き付け用上吹きランス13の設置位置を、粉体吹き付け用上吹きランス12の円周方向中心側及び外側に変化させて脱硫処理したときの脱硫率を示す図である。図4の横軸は、坩堝容器11の中心位置から炭化水素を含有するガスの吹き付け位置までの半径方向距離である。
図4に示すように、炭化水素を含有するガスを吹き付けるガス吹き付け用上吹きランス13の吹き付け位置が、脱硫剤を上吹き添加する粉体吹き付け用上吹きランス12の吹き付け位置よりも坩堝容器11の円周方向中心側に存在する場合に脱硫率が向上することが分かった。これは、炭化水素を含有するガスの吹き付け位置が、脱硫剤の上吹き添加位置よりも円周方向外側に存在する場合には、脱硫剤を供給するための粉体吹き付け用上吹きランス12の搬送用ガスが炭化水素ガスの処理容器中央部での溶銑中への巻込みを阻害してしまい、溶銑3の酸素ポテンシャルを低下させて還元雰囲気にする効果が小さくなるためであり、中心側に位置するときは、この現象は生じない。
本発明は、これらの試験結果に基づくものであり、機械攪拌式脱硫装置を用いた溶銑の脱硫方法において、インペラーによって攪拌されている溶銑の浴面上に上吹きランスから搬送用ガスとともに脱硫剤を上吹き添加するとともに、前記上吹きランスとは別の上吹きランスから炭化水素を含有するガスを前記溶銑の浴面上に吹き付けて脱硫処理を行うことを特徴とする。その際に、炭化水素を含有するガスの吹き付け位置は上記の(2)式を満足することが好ましく、また、炭化水素を含有するガスを溶銑浴面に吹き付ける位置が、脱硫剤を上吹きする位置よりも処理容器の円周方向中心側であることが好ましい。
次に、図面を参照して本発明に係る溶銑の脱硫処理方法を説明する。
図5は、本発明を実施した機械攪拌式脱硫装置の側面概略図であり、図5は、溶銑を収容する処理容器として水平断面が円形である鍋型の溶銑鍋を使用した例を示している。処理容器の形状については、機械攪拌式脱硫装置で脱硫処理を行うことから、図5に示すように水平断面が円形である処理容器が最適である。
図5において、高炉から出銑された溶銑3を収容する溶銑鍋2が、台車1に搭載されて機械攪拌式脱硫装置に搬入されている。機械攪拌式脱硫装置は、溶銑鍋2に収容された溶銑3に浸漬・埋没し、旋回して溶銑3を攪拌するための耐火物製のインペラー4を備えており、このインペラー4は、昇降装置(図示せず)によってほぼ鉛直方向に昇降し、且つ、回転装置(図示せず)によって軸4aを回転軸として旋回するようになっている。また、機械攪拌式脱硫装置には、脱硫剤7を溶銑鍋2に収容された溶銑3に向けて上吹きして添加するための脱硫剤吹き付け用上吹きランス5が設置されている。脱硫剤吹き付け用上吹きランス5は、粉体状の脱硫剤7を収容するディスペンサー8とディスペンサー8から定量切り出すための切り出し装置9とからなる供給装置と接続しており、脱硫剤吹き付け用上吹きランス5から、搬送用ガスとともに、粉体状の脱硫剤7を任意のタイミングで供給できる構造になっている。搬送用ガスとしては、還元性のガス、不活性ガスまたは非酸化性のガスを使用する。還元性のガスとしては炭化水素などが挙げられ、不活性ガスとしてはアルゴンガスなどが挙げられ、また、非酸化性ガスとしては窒素ガスなどが挙げられる。
また、炭化水素を含有するガスを、溶銑鍋2に収容された溶銑3の浴面に吹き付けて供給するためのガス吹き付け用上吹きランス6が設置されている。炭化水素を含有するガスとしては、炭化水素ガスそのもの、炭化水素ガスと不活性ガスまたは非酸化性ガスとの混合ガスを使用することができる。また更に、溶銑鍋2の上方位置には、溶銑鍋2を覆う集塵フード10が備えられ、集塵フード10に取り付けられた排気ダクト(図示せず)を介して処理中の排ガスやダストが集塵機(図示せず)に吸引されるようになっている。この場合、インペラー4の軸4a、脱硫剤吹き付け用上吹きランス5、ガス吹き付け用上吹きランス6は、集塵フード10を貫通し且つ上下移動が可能なように設置されている。
インペラー4の位置が溶銑鍋2のほぼ中心になるように、溶銑鍋2を搭載した台車1の位置を調整し、次いで、インペラー4を下降させて溶銑3に浸漬させる。インペラー4が溶銑3に浸漬したならば、インペラー4の旋回を開始し、所定の回転数まで昇速する。同時に、ガス吹き付け用上吹きランス6から、炭化水素を含有するガスを溶銑浴面に供給する。ガス吹き付け用上吹きランス6からは脱硫処理が終了するまで、炭化水素を含有するガスを供給する。インペラー4の回転数が所定の回転数に達したならば、切り出し装置9を起動させて、ディスペンサー8に収容された脱硫剤7を、搬送用ガスとともに溶銑3の浴面に向けて脱硫剤吹き付け用上吹きランス5から吹き付けて添加する。
この場合に、炭化水素を含有するガスの吹き付け位置は上記の(2)式を満足することが好ましく、また、炭化水素を含有するガスを溶銑浴面に吹き付ける位置が、脱硫剤7を上吹きする位置よりも溶銑鍋2の中心に対して円周方向中心側とすることが好ましい。
所定量の脱硫剤7を添加完了し、そして、所定時間の攪拌が行われたなら、インペラー4の回転数を減少させ停止させる。インペラー4の旋回が停止したなら、インペラー4を上昇させ、溶銑鍋2の上方に待機させる。生成したスラグが浮上して溶銑表面を覆い、静止した状態で溶銑3の脱硫処理が終了する。脱硫処理後、生成したスラグを溶銑鍋2から排出し、次の精錬工程に溶銑鍋2を搬送する。
以上説明したように、本発明によれば、反応性に優れる細粒の脱硫剤7を搬送用ガスとともに上吹き添加するので、添加時の飛散が少なくなり、脱硫剤7の添加歩留まりが向上し、そして、細粒の脱硫剤7は、反応界面積が大きく、これにより脱硫反応が促進されると同時に、炭化水素を含有するガスを最適な位置で吹き付けることができるので、溶銑3の酸素ポテンシャルが効率的に低下し、より一層脱硫反応が促進され、少ない脱硫剤7で所望する脱硫処理が実施可能となる。
図5に示す機械攪拌式脱硫装置を用い、脱硫剤としてCaO粉を使用して溶銑の脱硫処理を行った結果を示す。
脱硫剤の搬送用ガスとしては窒素ガスをした。使用したインペラーは4枚の羽根を有し、羽根に傾斜のないものである。用いた溶銑の化学成分は、C:3.5〜5.0質量%、Si:0.1〜0.3質量%、P:0.05〜0.15質量%、S:0.04〜0.05質量%で、溶銑温度は1250〜1350℃の範囲であった。脱硫処理は200〜500トンの溶銑が処理可能な、内壁半径が2000mmの溶銑鍋を処理容器として用いた。炭化水素を含有するガスとしては、プロパンガスを単独で使用した。脱硫剤吹き付け用上吹きランスの位置は、溶銑鍋の中心から1333mm(=溶銑鍋内壁半径の2/3位置)とし、ガス吹き付け用上吹きランスの位置は、溶銑鍋の中心位置(本発明例1)、溶銑鍋の中心から500mm位置(本発明例2)、溶銑鍋の中心から1333mm位置(本発明例3)、溶銑鍋の中心から1500mm位置(本発明例4)の4水準とした。
脱硫処理前後の溶銑からサンプリングを行い、溶銑の硫黄含有量から脱硫率を調査した。脱硫率は、本発明例1では96%、本発明例2では91%、本発明例3では90%、本発明例4では80%であり、プロパンガスの吹き付け位置が処理容器の外側である場合には脱硫率は80%程度であるのに対し、プロパンガスの吹き付け位置が溶銑鍋中心から内壁半径の3分の2までの範囲で且つ脱硫剤の吹き込み位置よりも円周方向中心側である場合には、90%以上の高い脱硫率が得られた。
1 台車
2 溶銑鍋
3 溶銑
4 インペラー
5 脱硫剤吹き付け用上吹きランス
6 ガス吹き付け用上吹きランス
7 脱硫剤
8 ディスペンサー
9 切り出し装置
10 集塵フード
11 坩堝容器
12 粉体吹き付け用上吹きランス
13 ガス吹き付け用上吹きランス
14 インペラー
15 電動機
16 高周波加熱コイル

Claims (3)

  1. 機械攪拌式脱硫装置を用いた溶銑の脱硫方法において、インペラーによって攪拌されている溶銑の浴面上に上吹きランスから搬送用ガスとともに脱硫剤を上吹き添加するとともに、前記上吹きランスとは別の上吹きランスから炭化水素を含有するガスを前記溶銑の浴面上に吹き付けて脱硫処理を行うことを特徴とする、溶銑の脱硫方法。
  2. 前記炭化水素を含有するガスを溶銑浴面に吹き付ける際に、溶銑を収容する処理容器の内壁半径をD、処理容器の中心から前記ガスの吹き付け位置までの水平距離をAとしたときに、該水平距離(A)が、前記内壁半径(D)に対して下記の(2)式の関係を満足する範囲内となる位置で、炭化水素を含有するガスを吹き付けることを特徴とする、請求項1に記載の溶銑の脱硫方法。
    0≦A≦(2/3)×D…(2)
  3. 前記炭化水素を含有するガスを溶銑浴面に吹き付ける位置が、脱硫剤を上吹きする位置よりも処理容器の円周方向中心側であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の溶銑の脱硫方法。
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