JP2011006137A - ディスペンサ付き包装袋 - Google Patents

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Abstract

【課題】省資源で、かつ減容しやすい包装袋の利点を極力損なうことなく、ディスペンサの取付けやディスペンサの操作に伴う押圧力にも耐え得る強度を付与する。
【解決手段】ディスペンサ30の蓋部31には、下方側に向かって与えられる力を受け止めるための支持部材33が設けられており、支持部材33は、支持部材33の上部を構成する支持体34と支持部材33の下部を構成する当接体35とで構成されている。そして、本体部10の自立状態においては、支持部材33の当接体35の下端面36は、底面シート11の略中央の接地領域11aにおいて底面シート11と当接している。
【選択図】図4

Description

本発明は、ディスペンサ付きの包装袋に関する。
従来、プラスチックボトルやガラス瓶等の容器に代えて、樹脂シートを袋状に形成した包装袋が容器として使用されている。この種の包装袋は、プラスチックボトルやガラス瓶等に比べて省資源化が可能であり、また、使用後に小さく折り畳むことができるため、ごみの減容化にも寄与する。その一方で、包装袋は、その材質が樹脂シートで変形し易く、たとえば、ディスペンサの取付には不向きである。ディスペンサは、比較的重量があり、また、ディスペンサを操作する際の押圧力が包装袋自体に作用する。したがって、包装袋にディスペンサを取り付けると、包装袋が中央で折れ曲がったり倒れたりしやすく自立性の確保が難しい。
これに対して、特許文献1には、ディスペンサ付きの包装袋が開示されている。具体的には、図7に示すように、特許文献1の包装袋は、複数の樹脂シートを接着して自立性を有する袋状に形成される本体部71と、本体部71の上端に接着される注出口体72と、注出口体72に対して着脱可能なプッシュ式のディスペンサ73とで構成されている。そして、注出口体72には、下方(本体部71の底面側)に向って延びる脚部構造体72aが形成されており、本体部71の内部において注出口体72が自立できるようになっている。
確かに、特許文献1の包装袋においては、ディスペンサ73の重量が脚部構造体72aによって受け止められ、また、ディスペンサ73の操作時に、ディスペンサ73を下方に押圧したとしても、その押圧力が注出口体72の脚部構造体72aによって受け止められる。そのため、このディスペンサ73の重量や、ディスペンサ73の操作に伴う押圧力が本体部71側に作用したとしても、脚部構造体72aが形成されることによって本体部71が変形し難く、たとえば、ディスペンサ付きのプラスチックボトルと同じように、包装袋を所定位置に載置してディスペンサ73を押圧操作しても、本体部71が折れ曲がったり、倒れたりするおそれは少ない。
特開2008−230618号公報。
ところで、特許文献1の包装袋では、ディスペンサ73は、注出口体72に対して取り外し可能である。そのため、このディスペンサ73については、包装袋(本体部71)の内容物を使い切った後に、他の本体部71及び注出口体72に付け替えるなどして、繰り返し使用することもできる。一方、注出口体72は本体部71に接着されており、本体部71から取り外すことができない。そのため、内容物を使い切って本体部71を廃棄するにあたっては、注出口体72に設けられた脚部構造体72aをも同時に廃棄せざるを得ない。この点は、包装袋の利点である省資源化の妨げとなる。
また、上述したとおり、脚部構造体72aは、ディスペンサ73の押圧操作に伴う押圧力を受け止めるという機能を備えているため、相応に強い強度を有している。そのため、内容物を使い切って本体部71を折り畳もうとしても、それに伴って脚部構造体72aを変形、破壊することは困難である。したがって、本体部71の内部において脚部構造体72aが占める体積よりも小さく本体部71を折り畳むことは困難で、これも包装袋の利点である減容化の妨げとなる。
本発明のディスペンサ付き包装袋は、このような従来技術の課題を鑑みてなされたものであって、省資源で、かつ減容しやすい包装袋の利点を極力損なうことなく、ディスペンサの取付けやディスペンサの操作に伴う押圧力にも耐え得る強度を付与することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、樹脂シートからなり、自立性を有する袋状に形成された本体部と、該本体部に取付けられる口具と、該口具に対して着脱可能に取付けられるディスペンサとを備えたディスペンサ付き包装袋であって、前記ディスペンサには、前記口具に挿入されて前記本体部の内部に配置されるとともに、下方側に向かって与えられる力を受け止める支持部材が設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、支持部材はディスペンサに設けられており、ディスペンサとともに口具に対して着脱可能である。そのため、この支持部材をディスペンサと共に繰り返し使用することができ、包装袋の省資源化を妨げ難い。さらに、ディスペンサと共に支持部材を口具から取り外してしまえば、支持部材が本体部の折り畳みの邪魔になることはなく、支持部材が本体部の減容化を妨げることはない。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記支持部材は、その上部を構成する支持体と下部を構成する当接体とを備え、前記本体部の上下方向に直交する断面において、前記支持体の断面積よりも前記当接体の断面積の方が大きく形成されていることを特徴とする。この構成によれば、支持部材の当接体の下端面と本体部の底面との接触面積をより大きく確保でき、ディスペンサの操作に伴う力が支持部材を介して本体部の底面に繰り返し作用することに従う該底面の破損が抑制される。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記本体部の外面には、熱可塑性樹脂からなる柱形状の補強材が設けられていることを特徴とする。この構成によれば、支持部材による自立性の向上に加えて、補強材によってさらなる本体部の自立性向上が図れる。さらに、支持部材を本体部から取り外した状態においても、補強材によって本体部が折れ曲がりにくく、支持部材を挿入することが容易となる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記支持部材は管状に形成され、前記ディスペンサは、前記支持部材を介して前記本体部に収容された内容物を吸い上げ可能であることを特徴とする。この構成によれば、本体部の内容物を吸い上げるための構成と支持部材の支持体とをそれぞれ別体として形成する必要がない。したがって、ディスペンサに支持部材を設けたことによる、ディスペンサの構成の複雑化、高コスト化を抑制することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記支持部材は、その上部を構成する支持体と下部を構成する当接体とを備え、前記当接体の下端面は、前記本体部の自立状態において、前記本体部の底面に当接していることを特徴とする。この構成によれば、支持部材の当接体が本体部の底面に接していることから、ディスペンサの重さや、ディスペンサの操作に伴って下方側に向かって与えられる力が支持部材により受け止められ、本体部が折れ曲がったり、倒れたりし難く、自立性を確保することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記本体部の前記底面は、自立状態において、前記本体部の側面の下端と同じ高さに位置する接地領域を有し、前記支持部材の前記当接体の下端面は、前記底面の接地領域に当接していることを特徴とする。この構成によれば、ディスペンサの重さやディスペンサの操作に伴う力は、本体部の底面の接地領域に受け止められることになる。したがって、支持部材を介して本体部に無理な力が加わって、本体部が変形することが防止できる。
本発明によれば、省資源であり、減容化しやすいという包装袋の利点を極力損なうことなく、ディスペンサに設けられた支持部材により、ディスペンサの取付けやディスペンサの操作に伴う力にも耐えることのできる強度を付与することができる。
ディスペンサ付き包装袋の分解斜視図。 ディスペンサ付き包装袋の斜視図。 ディスペンサ付き包装袋の本体部及び口具の正面図。 図2におけるA−A線断面図。 (a)及び(b)は、変更例におけるディスペンサの斜視図、(c)及び(d)は、変更例における支持部材の断面図。 変更例におけるディスペンサの断面図。 従来技術の包装袋の分解斜視図。
以下、ディスペンサ付き包装袋に関する一実施形態を図1〜図4にしたがって説明する。なお、以下の説明においては、自立状態における包装袋の上下方向(図1及び図2における上下方向)を基準として説明する。
図1に示すように、本実施形態のディスペンサ付き包装袋は、自立性を有する袋状に形成された本体部10と、本体部10の上縁に取り付けられる口具20と、口具20に対して着脱可能に取付けられるディスペンサ30とで構成されている。なお、本体部10及び口具20の基本的な構成については、特開2007−055649号公報にも開示があるが、以下、詳細に説明する。
図1及び図3に示すように、包装袋の本体部10は、熱可塑性樹脂からなる底面シート11と一対の側面シート12とによって袋状に形成されている。底面シート11は略四角形状に形成されており、折り目が上方(図1及び図3において上方)を向くように二つ折りされた状態で配置されている。そして、底面シート11は、一対の側面シート12と向かい合う側の面(外側の面)が熱溶着性を有するとともに、内側の面が非熱溶着性を有するように形成されている。側面シート12は、縦長四角形状の両肩部が円弧状に切りかかれた略台形状に形成されている。そして、側面シート12は一方の表面が熱溶着性を有するように形成されており、底面シート11を両側から挟み込む際には側面シート12それぞれの熱溶着性を有する表面同士が向かい合うように配置される。なお、図3においては、底面シート11が二つ折り状態で、一対の側面シート12、及び底面シート11と側面シート12とが互いに接触している状態(非自立状態)を図示しており、二つ折り状態の底面シート11の上端を破線で示している。
図3に示すように、二つ折りされた底面シート11と一対の側面シート12とは底縁接着部15において熱溶着で接着されている。底縁接着部15は、正面視すると円弧状に凹んだ曲線と本体部10(側面シート12)の側縁及び底縁によって囲まれた領域となるように形成されている。そして、底縁接着部15の上端の円弧形状(曲率)や、底縁接着部15の上下方向の幅は、自立状態において、底面シート11が本体部10の側面の下端と同じ高さ位置になる接地領域11aを有し、この接地領域11aが後述する当接体35の下端面36の面積よりも広くなるように設定されている。
図3に示すように、一対の側面シート12は、その側縁同士が側縁接着部16において熱溶着で接着されている。側縁接着部16は、側面シート12の側縁が直線状に形成されている部分では一定の幅(図3において左右方向の幅)を保つように形成されている。そして、側面シート12の側縁のうち円弧状に形成されている部分では、側縁接着部16は上方ほど徐々にその幅が大きくなるように形成されている。この部分では側縁接着部16の内側は側面シート12の円弧よりも曲率の大きい円弧状になっている。また、一対の側面シート12はその上縁において、口具20を挟み込みつつ上縁接着部17において熱溶着で接着されている。上縁接着部17は、その両端において側縁接着部16と重複しており、この重複部分では一対の側面シート12は二度接着されている。このようなシート構成及び接着部の構成により、本体部10は、底面シート11を底面とし、一対の側面シート12を側面とする自立性を有する袋状に形成されている。したがって、本実施形態では、本体部10の側面の下端は、側面シート12の下端であり、底縁接着部15の下端15aである。
図1〜図3に示すように、本体部10の外面において両側縁には、その上下方向略全域に亘って、熱可塑性樹脂からなる補強材19が取り付けられている。補強材19は本体部10の側縁形状に沿う柱形状に形成されている。補強材19はその短手方向において断面視すると断面コ字状をなしており、その補強材19によって側縁接着部16の外側(本体部10の側端)が覆われた状態となっている。また、補強材19は、その短手方向の幅が側縁接着部16の内端16aを覆うことなく表出させるように形成されている。すなわち、図3に示すように、本体部10を正面視した際に、側縁接着部16の内端16aが補強材19よりも幅方向中央側に位置するように補強材19が形成されている。
図1〜図3に示すように、本体部10の上縁中央には口具20が設けられている。口具20は、前述した一対の側面シート12に挟み込まれて本体部10の上縁に固定される基部21と所定の開口を有する筒部22とからなる。筒部22は、ディスペンサ30が挿入できるように略円筒形状に形成されるとともに、その内径R1が所定の大きさに設定されている。また、筒部22の外周には螺合部が設けられ、ディスペンサ30が着脱可能になっている。なお、図1においては、本体部10と口具20との取り付け関係を図示するために、上縁接着部17が接着されていない状態の本体部10を図示している。
次に、ディスペンサ30について説明する。
図1及び図4に図示するように、ディスペンサ30には、内周面に螺合部が形成されて口具20の筒部22に着脱可能な蓋部31が形成されている。そして、この蓋部31には、該蓋部31の上面を上下方向に貫通するようにポンプ部32が形成されている。ポンプ部32は、蓋部31に対して上下方向に相対移動可能に形成されるとともに、図示しない付勢部材により上方に付勢されている。また、ポンプ部32には、図示しない逆止弁が設けられ、内容物が本体部10の内部に逆流しないようになっている。これらの構成によって、ポンプ部32は、付勢手段の付勢力に伴って上方向に相対移動することで一定量の本体部10の内容物を吸い上げるとともに、付勢手段の付勢力に抗して下方に押圧操作されることで吸い上げた一定量の内容物を吐出するようになっている。
ディスペンサ30の蓋部31には、下方側に向かって与えられる力を受け止めるための支持部材33が設けられている。具体的には、支持部材33は、支持部材33の上部を構成する支持体34と支持部材33の下部を構成する当接体35とで構成されており、本実施形態では、支持体34と当接体35とは一体的に形成されている。
図4に示すように、支持体34は、蓋部31から下方に向って延びる円管状に形成されるとともに、当接体35は、略円筒状に形成されている。すなわち、本実施形態では、支持体34及び当接体35を含めた支持部材33全体が管状に形成されており、支持部材33の下端(当接体35の下端)が開口している。また、支持部材33(支持体34及び当接体35)は、上下方向においてその周壁の厚みが略一定に形成されている。
図1及び図4に図示するように、当接体35は、その上端における外径が支持体34の外径と略同じで、下方ほど拡径したテーパ状に形成されている。したがって、支持部材33は、上下方向に直交する断面において、支持体34の断面積よりも、当接体35の断面積のほうが大きくなっており、とくに、当接体35の下方ほど断面積が大きくなっている。そして、当接体35の下端面36は、上下方向に直交する同一平面上に存在するようになっている。また、支持部材33の当接体35の下端における外径R2は、前述した口具20の筒部22の内径R1よりも小さく形成されている。なお、ここでいう断面積とは、支持体34及び当接体35の内部空間の断面の面積を含むものである。
図1及び図4に図示するように、支持部材33には、本体部10の内容物が支持部材33の内部に流入できるように、流入孔37が形成されている。本実施形態では、流入孔37は、上下方向に延びる長孔状に形成され、当接体35の外周面に、周方向において等間隔(90度)ごとに4つ設けられている。そして、上述したディスペンサ30のポンプ部32は、当接体35の開口や流入孔37から流入した内容物を、支持部材33(当接体35及び支持体34)を介して吸い上げるようになっている。すなわち、本実施形態において支持部材33は、内容物をポンプ部32に吸い上げるための吸上管としても機能する。
次に、自立状態における本体部10と支持部材33との位置関係について説明する。
本体部10は、内容物が充填されると、一対の側面シート12が離間することで折り畳み状態の底面シート11が広げられるとともに、内容物の重さによって底面シート11が下方に押しやられる。この状態の本体部10を水平な平面上に載置して自立させると、図4に図示するように、底面シート11の略中央の接地領域11aが本体部10の底縁接着部15の下端15aと同じ高さ位置となり、底面シート11の接地領域11aと本体部10の底縁接着部15の下端15aとが載置した平面に接触する。一方、口具20は、本体部10の上縁略中央に取付けられ、支持部材33の支持体34が下方に向って延びている。そのため、支持部材33は、口具20の筒部22に挿入されて本体部10の内部に配置されるとともに、本体部10の自立状態においては、支持部材33の当接体35の下端面36は、底面シート11の略中央の接地領域11aにおいて底面シート11と当接している。また、前述したように、底面シート11の接地領域11aは、当接体35の下端面36の面積よりも大きく形成され、当接体35の下端面36は、同一平面状に存在している。したがって、底面シート11の接地領域11aにしわやよれがない状態では、当接体35の下端面36の全面が底面シート11の接地領域11aに面接触している。
上記実施形態の包装袋によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、支持部材33はディスペンサ30に設けられており、ディスペンサ30とともに口具20に対して着脱可能である。そのため、この支持部材33をディスペンサ30と共に繰り返し使用することができ、包装袋の省資源化を妨げ難い。さらに、ディスペンサ30と共に支持部材33を口具20から取り外してしまえば、支持部材33が本体部10の折り畳みの邪魔になることはなく、支持部材33が本体部10の減容化を妨げることはない。なお、本実施形態では、本体部10の側縁に補強材19が設けられているため、本体部10を上下方向(折り目が本体部10の幅方向)に折り畳むことは難しい。しかし、本体部10を幅方向(折り目が本体部10の上下方向)に折り畳むことは容易であり、補強材19が設けられていない包装袋と同程度の減容化が可能である。
また、本体部10の自立状態において、当接体35の下端面36が底面シート11に当接していることから、ディスペンサ30の重さやディスペンサ30の操作に伴ってポンプ部32に与えられる下方側への押圧力が支持部材33によって受け止められる。そのため、これらの力によって本体部10が折れ曲がったり、倒れたりし難く、自立性を確保することができる。
(2)たとえば、当接体35の下端面36と底面シート11との接触面積が過度に小さい場合、ポンプ部32の操作に伴う力が支持部材33を介して、底面シート11の限られた領域に繰り返し作用することになり、底面シート11の破損の原因となる。本実施形態では、支持部材33(支持体34及び当接体35)の周壁の厚みが一定で当接体35がテーパ状に形成されている。そのため、当接体35がテーパ状に形成されていない場合に比べて、当接体35の下端面36の面積を大きくすることができる。したがって、本実施形態においては、当接体35の下端面36と底面シート11との接触面積をより大きく確保することができ、底面シート11が破損することが抑制できる。
(3)ディスペンサ30のポンプ部32を下方側へと押圧操作するにあたっては、本体部10の上下方向に対して傾いた方向(斜め下方向)に押圧操作することも考えられる。そして、支持部材33が斜め下方向の押圧力を受け止めることができず、支持部材33ごと本体部10が倒れてしまうことが有り得る。本実施形態では、支持体34の断面積よりも当接体35の断面積の方が大きく形成され、当接体35が比較的に広い領域で底面シート11と面接触している。そのため、支持部材33に及ぼされる押圧力が多少斜め下方向であったとしても、その斜め下方向の力を支持部材33によって受け止めることができ、本体部10の自立性を確保することができる。
(4)本体部10の側縁には補強材19が設けられているため、支持部材33による自立性の向上に加えて、さらなる本体部10の自立性向上が図れる。さらに、ディスペンサ30(支持部材33)を取り外した状態においても、補強材19によって本体部10が折れ曲がりにくく、支持部材33の挿入が容易となる。
(5)上記実施形態において、支持部材33は、本体部の内容物を吸い上げるための構成(流入管)としても機能するので、ディスペンサ30に支持部材33を設けたことによる、ディスペンサ30の構成の複雑化、高コスト化を抑制することができる。
(6)本実施形態では、本体部10の自立状態において、底面シート11が本体部10の側面の下端と同じ高さ位置になる接地領域11aを有し、当接体35の下端面36がこの接地領域11aにおいて当接している。仮に、本体部10の自立状態において、底面シート11の全領域が本体部10の側面の下端よりも高い位置に存在する(底面シート11が接地領域11aを有さない)場合、支持部材33から与えられる力の大半は、底面シート11から底縁接着部15や側縁接着部16へと作用することになる。そして、このような力が作用することになると、底縁接着部15の下端や側縁接着部16が歪むなどして本体部10が変形し、自立性を損なうこともあり得る。本実施形態においては、支持部材33から与えられる力の大半は、底面シート11の接地領域11aを介して本体部10が載置されている面に直接的に作用するため、底縁接着部15や側縁接着部16が歪んで本体部10の自立性を損なうといった事態が抑制される。
(7)上記実施形態では、当接体35の下端面36と底面シート11とが面接触しており、支持部材33の下端(当接体35の下端)における開口からは、内容物が支持部材33の内部へと流入し難い。しかし、上記実施形態では、支持部材33の当接体35に流入孔37が形成されていることから、この流入孔37を介して速やかに内容物を支持部材33の内部へと流入させることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよく、また、以下の変更例を組み合わせて適用してもよい。
・ 実施形態では、当接体35を下方ほど拡径するテーパ状に形成したが、当接体35の形状はこれに限らない。たとえば、当接体35を上下方向において外径が変化しない筒形状に形成してもよい。この場合、当接体35の外径を、支持体34の外径よりも小さく形成してもよいし、大きく形成してもよい。また、当接体35の外径を支持体34の外径と等しく形成してもよい。この場合、見かけ上、支持体34と当接体35との境界が無くなることもあるが、支持部材33が底面シート11に当接する以上、その上部が支持体34であり、下部が当接体35であることには変わりない。
・ さらに、たとえば、図5(a)に示すように、支持部材33の支持体34の下端に設けられた板状体を当接体51としてもよい。この場合においても、上下方向に直行する断面において、支持体34の断面積よりも板状の当接体51の断面積のほうが大きくなっている。なお、板状の当接体51においては、この当接体51に流入孔37を形成するのは難しいので、図5(a)に示すように、支持体34の下方に流入孔37を形成することが好ましい。
・ 実施形態では、支持部材33の支持体34及び当接体35を一体的に形成したが、これらを別体で形成してもよい。たとえば、図5(b)に示すように、支持部材33を、支持体34と該支持体34の下端に取付けられる当接体52とで構成されるようにしてもよい。さらに、このような構成において、たとえば、支持体34を熱硬化性樹脂で形成し、当接体52をゴム(弾性材料)で形成するなど、両者を異なる材料で形成してもよい。当接体52をゴム(弾性材料)で形成した場合、支持部材33に与えられる力に伴って当接体52が弾性変形するので、過度に大きな力が底面シート11に与えられることが抑制され、底面シート11に穴が空いたり破れたりすることが抑制できる。
・ 実施形態では、当接体35の下端面36が同一平面状に存在するように形成されていたが、下端面36を曲面状に形成してもよい。たとえば、図5(c)に示すように、当接体53の下端面53aを、外方ほど上方に反り上がる曲面部として形成してもよい。また、このような構成において、下端面53a全体を曲面部としてもよいし、下端面53aのうち外方の一部を曲面部としてもよい。これらのように当接体53の下端面53aが曲面部を有するように形成した場合、支持部材33が底面シート11に対して斜めに当接したとしても、支持部材33(当接体53)の角が底面シート11に当接することが抑制され、底面シート11が破損することが抑制できる。
・ 支持部材33の当接体35の下端における外径R2を口具20の筒部22の内径R1よりも小さく形成したが、当接体35が変形可能であるならば、当接体35の外径R2を筒部22の内径R1よりも大きくすることが可能である。たとえば、上述したように、当接体35をゴム(弾性部材)で形成し、支持部材33を筒部22に挿入するに伴って当接体35が変形可能であるならば、当接体35の外径R2を筒部22の内径R1よりも大きく形成したとしても、当接体35を筒部22に挿入することができる。
・ 支持部材33の形状は、円管状に限らず、楕円管状でも多角管状でもよい。また、支持部材33の内部に内容物を流入させる必要がないのであれば管状でなくてもよく、中空部分を有さない棒状に形成してもよい。さらに、支持部材33の周壁に上下方向に延びる補強リブを設けて、支持部材33の上下方向の強度の向上を図ってもよい。
・ 上記実施形態では、上下方向において支持部材33の周壁の厚みを略一定に形成したが、周壁の厚みに変化をつけるようにしてもよい。とくに、支持部材33の下方ほど周壁の厚みを大きくすると、支持部材33(当接体35)の下端面36と底面シート11との接触面積をさらに大きくすることができる。
・ 支持部材33(当接体35)の下端における開口を形成しなくともよい。具体的には、当接体35を有底筒状に形成し、支持部材33全体として有底の管状に形成してもよい。この場合も、支持部材33(当接体35)の下端面36と底面シート11との接触面積をさらに大きくすることができる。
・ 上記実施形態では、本体部10の自立状態において、当接体35の下端面36が底面シート11に当接するようにしたが、当接体35の下端面36と底面シート11との間に、隙間が生じるようにしてもよい。たとえば、ポンプ部32を下方に押圧操作した場合、その押圧力に伴って本体部10が変形する。すると、自立状態における本体部10の高さ(本体部10の上縁接着部17のうち口具20が設けられている部分から底縁接着部15の下端15aまでの長さ)が小さくなり、結果として、当接体35の下端面36が底面シート11に当接することになる。したがって、このような構成においても、ポンプ部32を下方に押圧操作したことに伴って本体部10が折れ曲がったり、倒れたりすることを抑制することができる。なお、当接体35の下端面36と底面シート11との隙間の大きさについては、本体部10の大きさ、シート構成、補強材19の有無等を勘案して設定すればよく、たとえば、1〜10mm程度である。
このように、支持部材33(支持体34及び当接体35)の形状等の構成は、本体部10に作用する下方側への力を受け止めることができるのであれば、本体部10の大きさや、支持部材33に作用する力の大きさ、ポンプ部32との関係等を勘案して自由に変更することができる。
・ 流入孔37の形状、数及び形成位置は、実施形態のものに限らない。たとえば、流入孔37を、円形状や多角形状に形成してもよく、その数も1〜3つでも、5つ以上でもよい。また、実施形態では、当接体35に流入孔37を形成したが支持体34に流入孔37を形成してもよい。
・ 支持体34の内部に内容物を流入させる構成は、流入孔37に限らない。たとえば、図5(d)に示すように、当接体35の下端面36から上方に向けて切欠部54を形成し、この切欠部54から内容物が当接体35及び支持体34の内部に流入するようにしてもよい。また、支持部材33の下端の開口(当接体35の下端の開口)から内容物が流入できるならば、必ずしも流入孔37や切欠部54を形成しなくともよい。
・ 実施形態では、支持部材33が吸上管としても機能するようにしたが、支持部材33と吸上管とを別々に設けるようにしてもよい。たとえば、図6に示すように、円管状の支持部材33の内部に、内容物を吸上げるための吸上管61が配置されるようにしてもよい。この場合、従来一般的に使用されているディスペンサに対して、円管状の支持部材33を取り付けるのみで支持部材33付きのディスペンサを製造できるので、従来のディスペンサの製造方法からの大幅な変更は強いられない。
・ さらに、支持部材33の内部に吸上管61が配置される構成において、吸上管61の下端が流入孔37を貫通して、支持部材33の外部へと導き出されるようにしてもよい。この構成においては、支持部材33の内部に内容物が流入される必要はないため、吸上管61が貫通される流入孔37以外に、流入孔37を設けなくともよいし、支持部材33の下端に開口を形成する必要もない。
・ 支持部材33と吸上管とを別々に設ける構成において、吸上管61が支持部材33の内部に配置される構成に限らず、支持部材33の外部に吸上管61を設けてもよい。具体的には、蓋部31の上面からそれぞれ支持部材33と吸上管61とが下方側に向けて平行に延びるようにしてもよい。なお、この構成においては、支持部材33を必ずしも管状に形成しなくともよい。
・ 上記実施形態では、本体部10の両側縁の全体に亘って補強材19を設けたが、補強材の形成位置はこれに限らない。たとえば、補強材19を本体部10の側縁において、下方側の一部分のみに設けてもよいし、上方側の一部分のみに設けてもよい。また、本体部10の両側縁のうち、片側にのみ補強材19を設けてもよい。さらに、補強材19を上縁接着部17に沿うように形成し、補強材19を本体部10の上縁に設けるようにしてもよい。ただし、補強材19を本体部10の上縁に設けるにあたっては、口具20が取付けられるためのスペースを確保する必要がある。
・ 上記実施形態では、補強材19を断面コ字状に形成したが、補強材19の形状はこれに限らず、本体部10の外面において側縁接着部16に、棒状の補強材19を取り付けるようにしてもよい。また、棒状の補強材19を取り付けるにあたっては、その取付位置は、側縁接着部16に限らず、たとえば、側面シート12の外面(本体部10の外面)であってその幅方向中央に、上下方向に延びるように補強材19を取り付けてもよい。
・ 補強材19を省略してもよい。なお、本実施形態においては、支持部材33が設けられているため、仮に補強材19を省略したとしても、十分な自立性を確保することができる。
・ 本体部10のシート構成は、上記実施形態のものに限らない。たとえば、一枚のシートを折り曲げつつ接着して、本体部10の底面及び側面を構成するようにしてもよい。また、本体部10の形状は、上記実施形態のものに限らず、たとえば、側面シート12を長方形状に形成してもよいし、上方ほど幅が大きくなる逆台形状に形成してもよい。さらに、本体部10を底面と四つの側面とからなる略立方体状(所謂、ガゼット形状)に形成してもよい。本体部10をガゼット形状に形成した場合、底面の略全域が接地領域となる。なお、ガゼット形状の本体部10については、特許文献1に開示がある。
・ 前記実施形態では、底面シート11及び側面シート12について、片側の面が熱溶着性を有し、もう片側の面が非熱溶着性を有するようにしたが、これを変更してもよい。たとえば、底面シート11の両面が熱溶着性を有するようにした場合、二つ折り状態の底面シート11の間に断熱シートを介在させつつ熱溶着すれば、二つ折り状態の底面シート11の谷側の面同士が熱溶着されることはない。また、底面シート11及び側面シート12が非熱溶着性を有するようにした場合、各シートを接着剤等で接着すればよい。
・ 底面シート11が接地領域11aを有さないようにしてもよい。すなわち、本体部10の底縁接着部15の上下方向の幅を実施形態のものより大きくして、本体部10の自立状態において、底面シート11の全領域が本体部10の側縁の下端よりも上方に位置し、底面シート11が本体部10を載置した平面に当接しないようにしてもよい。
・ 上記実施形態では、口具20を本体部10の上縁略中央に取り付けたが、本体部10の上縁において、口具20を幅方向どちらか(左右どちらか)側に偏在する位置に取り付けてもよい。
・ 口具20とディスペンサ30との着脱関係は螺合によるものに限らない。たとえば、ディスペンサ30の蓋部31を口具20の筒部22に挿入されて筒部22の開口を密閉する栓として構成してもよい。このように、筒部22の開口を密閉でき、かつディスペンサ30が口具20に対して着脱可能であれば、その着脱構成は問わない。
・ ディスペンサ30に下方に操作されることで内容物を吐出するポンプ部32を設けたが、このポンプ部32に代えて、レバー部を握りしめることで内容物を噴霧するスプレー部を設けてもよい。また、付勢手段や逆止弁等の構成によって一定量ずつ内容物を吐出(噴霧)する構成に限らず、これらの構成を省略して包装袋を傾けることによって内容物を吐出する流通口をディスペンサ30に設けてもよい。
次に、上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について、以下に追記する。
(イ)前記当接体は前記支持体の下端に取付けられた板状体である。
(ロ)前記支持部材の下端面には外方ほど上方に反り上がる曲面部が形成されている。
(ハ)前記支持部材は管状に形成され、前記ディスペンサは、前記本体部に収容された内容物を吸い上げるための吸上管を備え、前記吸上管は、前記支持部材の内部に配置されている。
10…本体部、11…底面シート、11a…接地領域、12…側面シート、15…底縁接着部、15a…底縁接着部(側面)の下端、19…補強材、20…口具、30…ディスペンサ、33…支持部材、34…支持体、35…当接体、36…支持部材の下端面。

Claims (6)

  1. 樹脂シートからなり、自立性を有する袋状に形成された本体部と、該本体部に取付けられる口具と、該口具に対して着脱可能に取付けられるディスペンサとを備えたディスペンサ付き包装袋であって、
    前記ディスペンサには、前記口具に挿入されて前記本体部の内部に配置されるとともに、下方側に向かって与えられる力を受け止める支持部材が設けられていることを特徴とするディスペンサ付き包装袋。
  2. 前記支持部材は、その上部を構成する支持体と下部を構成する当接体とを備え、前記本体部の上下方向に直交する断面において、前記支持体の断面積よりも前記当接体の断面積の方が大きく形成されていることを特徴とする請求項1に記載のディスペンサ付き包装袋。
  3. 前記本体部の外面には、熱可塑性樹脂からなる柱形状の補強材が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のディスペンサ付き包装袋。
  4. 前記支持部材は管状に形成され、前記ディスペンサは、前記支持部材を介して前記本体部に収容された内容物を吸い上げ可能であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のディスペンサ付き包装袋。
  5. 前記支持部材は、その上部を構成する支持体と下部を構成する当接体とを備え、前記当接体の下端面は、前記本体部の自立状態において、前記本体部の底面に当接していることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のディスペンサ付き包装袋。
  6. 前記本体部の前記底面は、自立状態において、前記本体部の側面の下端と同じ高さに位置する接地領域を有し、前記支持部材の前記当接体の下端面は、前記底面の接地領域に当接していることを特徴とする請求項5に記載のディスペンサ付き包装袋。
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