JP2011004790A - 光音響計測装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】超音波検出器と光源を同側に配置する光音響波計測装置において、光束を生体に対して斜入射するため、生体深部への照明効率が低く生体深部に大きな光エネルギーで照明することができないという課題を有する。
【解決手段】超音波検出器と同じ側から被検体に対して光束を照射し光音響波を計測する光音響計測装置であって、超音波検出器と、前記超音波検出器の検出面前方に設けられた回折格子部材と、光束を発生する光源と、前記光源からの光束を前記回折格子部材に導く光学系と、を有しており、前記回折格子部材は、当該回折格子部材に導かれた光束を、前記超音波検出器の検出面に対向する被検体表面に出射するように構成されている。
【選択図】図5

Description

本発明は、光音響効果を利用して生体情報を計測する光音響計測装置に関する。
生体に対して非侵襲、且つ透過率の高い近赤外光を用いて、生体内の情報を可視化するための研究開発が進められている。生体構成要素である、水・脂肪・血管中のヘモグロビンなどは、近赤外の波長帯で特有のスペクトルを有する。故に、これらの構成要素に起因する吸収係数の空間分布を可視化し生体内の機能情報を取得する研究が注目を集めている。
光音響効果とは、物体にパルス光を照明すると、被測定物内の吸収係数が高い領域で体積膨張により超音波(疎密波)が発生する現象である。光音響計測装置は、発生した超音波を光音響信号として超音波検出器で検出し再構成する。これにより、吸収係数の空間分布を表示できる。超音波は光と比較すると生体中での直進性が高いため、超音波検出を行う光音響計測装置は高い空間解像度を有する。なお、パルス光を照射することによる体積膨張によって発生した超音波を、本発明において「光音響波」という。
光音響効果を用いたイメージング装置として特許文献1のような装置がある。特許文献1は、生体に対して光源と超音波検出器を同側に配置して光音響信号を高分解能に検出する光音響顕微鏡を開示する。生体内のある領域に光を集中させるために、超音波検出器の脇から光を斜入射している。
米国特許出願公開第2006/0184042号明細書
特許文献1に記載の装置は、深さ数mm程度の被検体(生体)内のある領域に光束を集中させ、照明領域に存在する生体構成要素を高分解能に画像化するのに適する。しかしながら光束が被検体に対して斜入射するため照明効率が低下する。被検体深部からの光音響信号を得るためには、生体深部にできるだけ大きな光エネルギーを与えることが望ましい。
本発明は上記の課題を考慮してなされたものであり、被検体深部により大きな光エネルギーを与えることのできる光音響計測装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る光音響計測装置は、
超音波検出器と同じ側から被検体に対して光束を照射し光音響波を計測する光音響計測装置であって、
超音波検出器と、
前記超音波検出器の検出面前方に設けられた回折格子部材と、
光束を発生する光源と、
前記光源からの光束を前記回折格子部材に導く光学系と、
を有しており、
前記回折格子部材は、当該回折格子部材に導かれた光束を、前記超音波検出器の検出面
に対向する被検体表面に出射するように構成されている
ことを特徴とする。
本発明によれば、超音波検出器を被検体に接触または近接させて計測を行う際に、被検体に対してほぼ垂直に光束を照射することが可能となる。したがって、より大きな光エネルギーを被検体深部に伝播させ、被検体深部から大きな音響波信号を得ることが可能となる。
被検体への入射光の入射角を説明する図 回折格子の形状を示す概要図 反射型鋸波状回折格子と回折の説明図 透過型鋸波状回折格子と回折の説明図 本発明における第1,2の実施例の構成図 本発明における第3の実施例の構成図 本発明における第4の実施例の構成図
生体深部に存在する吸収体から大きな光音響信号を取得するためには、生体深部に多くの光エネルギーを伝搬させる必要がある。効率的に深部に光エネルギーを伝搬させるためには、生体表面にほぼ垂直に光束を照射させることが好ましい。以下に、生体表面への光束の照射角度と照明効率の関係を示す。生体内に入射した光束は生体内部の強い拡散作用により進入経路が変化し、入射角度に応じて侵入深さが異なる。生体の代表的な光学係数(拡散係数μs=10cm−1、等価減衰拡散係数μs′=1cm−1、吸収係数μa=0.1cm−1)からなる一様な拡散体を仮定し、この生体に入射角度を変えて光束を照射するケースを考える。モンテカルロシミュレーションを用いて光線追跡を行い、生体深さに応じた光エネルギー到達量を見積もった。照射面からの深さ5〜30mmのそれぞれの深さにおいて、入射角度が増すに連れて光エネルギー到達量はほぼ単調減少する。入射角度0度に対して他の入射角度における光エネルギー到達量を規格化すると、入射角度20°ではおよそ0.95、30°ではおよそ0.87、40°ではおよそ0.78となる。即ち、好ましい光束の入射角度は、40°以下であり、より好ましくは20°以下、更に好ましくは垂直入射である0°である。垂直入射において光の到達深度が一番深いことが分かる。
本発明において「光束」とは、光源から出射される光線の束をいい、回折格子を反射ないしは透過した光線の束も含む概念である。ただし、回折格子の表面形状によっては、ある箇所で回折格子を反射ないし透過した光線と、別の箇所で回折格子を反射ないし透過した光線とで方向が異なることもある(図5,6における矢印が光束を意味する。)。
また、本発明において「光照射領域」とは、測定時に被検体と接触しうる光音響計測装置の箇所における、光源から出射した光束が照射される領域を意味する。被検体を固定するための平板を採用する場合、平板のうち被検体が接触しうる位置における光束の照射領域を意味する。ウォーターバッグなどの音響整合層を設ける場合も、そこでの照射領域である。
ここで、実際に使用される光源のコヒーレンス性が完全ではなくビーム広がりがあること、更に光学部材が理想的でないことにより、全光束が完全に垂直入射であるとは限らない。本発明では、これらの角度揺らぎ要因を含めて、入射角度範囲の中心が0°である場合を垂直入射と定義する。
生体内部により深く光エネルギーを到達させるためには、超音波検出器の真下の領域に光照射領域を設定することが好ましい。しかし、超音波検出器と光源を同側に配置する光音響生体計測装置(光音響計測装置)では、超音波検出器の構造的な制約により光源は超音波検出器を避けて配置することが必要であるため、生体に対して直接には光束を垂直に入射できない。また、光束を垂直に入射して、超音波検出器を光束の伝播経路を避けて配置した場合、超音波検出器で検出する光音響波信号が減少する等の制約を受ける。これに対して本発明では、超音波を透過し、光束角度制御手段を有する回折格子部材を、超音波検出器と光照射領域の間に配置する(すなわち、超音波検出器の検出面前方に設ける)構成とする。そして光源からの光をこの回折格子部材に導く光学系を備える。回折格子部材は微細な凹凸構造を有しており、出射される回折光が検出面に対向する被検体表面に照射するように構成される。出射される回折光が超音波検出器の検出面と垂直に近いことが好ましく、垂直であることがより好ましい。このような構成により、光音響波と照明する光束の伝播経路を重複させて光束を生体に対して垂直に照射することが可能となる。結果として、生体の深部まで光束を伝搬させることができる。また光束照射位置と超音波検出器の検出位置が近いため音響波信号の減衰が少なく、生体深部から感度良く光音響信号を検出することができる。なお、回折格子部材に入射される光束の入射角度が位置に応じて異なる場合は、回折格子部材の凹凸構造を光束の入射角度に応じて異ならせることが好ましい。これにより、光束の入射角度が変わる場合も回折光を生体に垂直に照射することができる。なお、本発明において超音波検出器の「検出面」とは、光音響波を検出するための素子が配置されている面であり、測定時に被検体と対向する面を意味する。
本発明において「光束の入射角度」とは、光照射領域からの法線に対して、光束のなす角(θ)を意味する。ここで、本発明の回折格子部材を設けない場合、探触子の真下に配置される光照射領域に光を照射する場合、光束の入射角度は、図1(a)のように最小でもα度となる。探触子のサイズに制約されるためである。本発明では、回折格子部材を配置することが特徴であるが、光束が光照射領域に対して垂直となる場合に限られることはない。本発明では、回折格子部材を設けることによって、光束の入射角度(図1(b)中の角度θ)を前記α度よりも小さくすることが好ましい。つまり、本発明では、反射ないし透過した回折光のなす光束が、α度未満の入射角度を有するような回折格子部材を配置することが特徴である。これにより、回折格子部材を配置することによって、被検体のより深部に光を照射することが可能となる。
ここで、光束の入射角度αは、図1(a)のように、探触子サイズL(形状が矩形の場合は短辺の長さ、円形の場合は直径の長さに相当)及び被検体から検出面までの距離dに依存する。特に3次元イメージングに適した2次元探触子(2Dプローブ)を用いる場合に入射角度αは大きくなる。また被検体と探触子間には音響整合を考慮したスタンドオフや、図7に示す平行平板等をはさむことにより探触子の真下に光照射領域を設けることが可能となる。探触子サイズLは通常使用される1Dプローブの短辺の長さから2Dプローブまで様々な大きさを取りうる。1DプローブのようにサイズLが数mm程度の場合は、距離dに依存するが入射角度αは検出器面に対して垂直に近い。そのため、回折格子有無による光エネルギーが生体に到達する深さは大きく変わらない。一方、サイズLが10mm程度以上になると、距離dが5mm程度と狭い場合でも光束の入射角度は45度となり入射角度が大きくなる。故に、回折格子挿入による効果は顕著となる。このため、入射角度αの正接tanαであるL/2dが、入射角度20°であるおよそ0.364以上、更には、40°であるおよそ0.84以上となる場合に、回折格子挿入による効果が顕著となる。このような場合に、回折格子を挿入して、回折格子から出射される光束の被検体表面に対する入射角度θをtanθ<L/2dと満たす角度とすることが好ましい。このような入射角度θは、超音波検出器を避けて光束を被検体に斜入射させる場合には実現できない角度である。もちろん、入射角度θは垂直に近い(θがゼロに近い)ほど好ましい。
回折格子部材は音響波(超音波)の伝搬経路上に設けられるので、超音波に対して透過性を有することが好ましい。音響波を透過する回折格子部材とは、透過する音響波の減衰が少ない部材である。音響波減衰率の少ない材料、若しくは音響波減衰しやすい材料であっても音響波の波長に対して十分薄い部材で回折格子を構成することにより、音響波に対する透過性を確保することができる。本発明の光音響生体計測装置では、生体組織と超音波検出器の間の音響マッチング層内に回折格子部材を配置することができる。生体組織の音響インピーダンスは水の音響インピーダンスに近い値であり、1.5×10kg・m−2・sであり、生体組織内での音速はおよそ1500m・s−1となる。超音波検出器の周波数は1〜50MHz程度であり、1波長の長さに換算すると1.5mm〜30μm程度となる。音響波減衰の大きな材料を回折格子部材に用いた場合、その材料の厚さを音響波の波長の1/30以下とすることで、使用する材料に依らず音響波の透過性を高める事が可能である。音響波に対する透明性の基準として回折格子部材の厚さを音響波の波長の1/30以下とすることが好ましいが、この厚さが必要条件である訳ではない。上述するように1/30以上の厚みでは音響波信号の透過率は徐々に低下するが、検出信号として十分な強度が得られる場合は、ここで規定する厚み以上にすることも可能である。ちなみに、生体組織内では周波数10MHzの音響波信号の1波長はおよそ150μmであるので、回折光学素子の厚さを5μm以下とすることが好ましい。光音響波の透過率としては、80%以上が好ましく、90%以上であることがより好ましい。
一般的に回折格子は光の回折を利用して光を分光する分光器として用いられるが、本発明では光束の角度を制御する手段として用いている。光音響計測装置の光源として近赤外から可視光の波長範囲の単波長発振パルスレーザーを利用するので、特定波長の光束の光束角度を制御するために使用する。回折格子部材は、反射型及び透過型の両タイプの回折格子部材を利用することが可能である。
回折格子の断面形状としては,図2に示すように、矩形波状101,正弦波状102,鋸波状(ブレ−ズタイプ)103などがある。
矩形波状の回折格子101は、溝深さとデューティ比(溝周期に対する溝幅)で回折効率のピーク波長が決まり、一般的に偶数次光の回折効率が正弦波状や鋸波状に比べて低くなる。また、回折格子は凹凸形状が線形対称であり,特定の回折次数へ回折光を集中させにくい特徴を有する。
正弦波状の回折格子102は、溝深さにより回折効率のピーク波長が決まり、広い波長範囲で回折効率がブロードとなる。一般に、回折効率は鋸波状の半分程度であるが、溝深さ/溝周期が大きい場合には高い回折効率が得られる。正弦波状の回折格子102は広い波長域を使用する場合や近赤外域で使用されるが、矩形波状の回折格子101と同様に、凹凸形状が線形対称であり、特定の回折次数へ回折光を集中させにくい特徴を有する。
一方、鋸波状の回折格子103の場合は、特定波長の入射光に対して以下に示すブレーズ波長(λ:回折効率のピーク波長)が決まり、主に紫外から可視域(及び近赤外)の特定の波長に対して高い回折効率を示す。また、回折格子の形状が非対称形状であり回折光を特定の次数に集中できるため、本発明の光束角度制御手段として最適な回折格子である。以下に、鋸波状の回折格子を、図3を用いて説明する。なお以下では反射型回折格子を例にして説明する。
回折格子法線に対する入射角度をα、回折光の角度をβ、ブレーズ角(θB)、頂角(
θT)、格子ピッチをdとする。以下の説明では上記基準で入射角度を記述する。グレー
ティング方程式は、
d(sinα±sinβ) = mλ ・・・(1)
の関係式が成り立つ。この関係式(1)を満たす回折次数mは複数存在するため、波長λの入射光は複数の回折光に分離される。0次回折光はm=0であり、回折格子に入射した光は波長λや格子周期dには関係なくα=βとなり、ミラーによる入射、反射の法則と同じである。±は、0次を基準として入射光側に回折する光をプラス、入射光と反対側に回折する光をマイナスと定義している。ブレーズ角(θB)は、
θB =(α + β)/2 ・・・(2)
となり、このときの波長をブレーズ波長(λ)と表わす。(2)式を(1)式に代入すると、λは、
λB= 2d/m・sin(θB)・cos (α-θB) ・・・(3)
となる。
鋸波状の反射型回折格子では、入射光とm次の回折光が鏡面反射の関係にあるとき、m次の回折光にエネルギーの大部分が集中する。回折格子の光利用効率を最大にするためには、使用する波長において、入射角に対するブレーズ角等の回折格子形状の最適化を図り、回折効率(1次回折光の反射率)を向上させる必要がある。
本発明では、回折光の光束が生体表面に対して垂直となり、検出する超音波と生体に照射する回折光の光束の伝搬経路が重複することを特徴としている。このため、回折格子を照射する生体表面に対して平行に配置する場合は、回折光の角度βは0°である。一方、回折格子を非平行に配置する場合はその傾きに応じて回折光の角度を調整すると良い。入射光には特定の波長を用いるが、関係式(1)より、最適な入射角度αと格子ピッチdは相対的に決まる。また、ブレーズ角度θは関係式(2)より入射角度αに依存する。また、回折格子の斜面に対して入射光を遮蔽することなく、且つ照射される斜面の面積が最大となる頂角θとすることが好ましい。一例として使用波長800nmの場合は、光束の入射角度を60°とすると、格子ピッチ924nm、ブレーズ角度30°の回折格子を用いることが好ましい。ここでは、入射角度は回折格子に一定の例を示したが、回折格子に照射する光束の入射角度が局所的に異なる場合、その入射角度に対応して格子ピッチ及びブレーズ角度を変調させることで、回折角度を制御して生体に対して垂直入射とすることが可能である。例えば、光束の入射角度が50°〜70°に徐々に変化しているような場合は、回折格子の微細構造を変調させて対応すればよい。入射角度が50°の位置では、格子ピッチ1044nm、ブレーズ角度25°とし、入射角度が70°の位置では、格子ピッチ851nm、ブレーズ角度35°とし、その中間の入射角度では微細構造を連続的に変化させればよい。ただし、中間の微細構造を段階的に変化させても構わない。
反射型回折格子では、入射光に対する反射率の高い材料を回折格子表面に成膜するが、特に材料に関する制約はない。一般的には反射率の大きなAlやAu等の金属薄膜を用いる。特に近赤外領域(700〜1100nm)では、反射効率の高いAuを用いる事が好ましい。また、金属材料は音響波減衰の大きな(音響波を反射させる)材料であるため、金属薄膜の膜厚は音響波を透過するように数μm程度とすることが好ましい。
透過型回折格子を用いる場合も、反射型と同様にして関係式(1)に示すグレーティング方程式が成立するが、図4に示すように、光が回折格子の斜面で屈折することを考慮する必要がある。屈折は、以下のスネルの法則(Snell's law)、
n1・sin(θB+α)= n2・sin(θB+β) ・・・(4)
が成り立つ。ここでn1は回折格子の屈折率、n2は射出側の対象物の屈折率、θはブレーズ角である。一例として使用波長800nm、樹脂の屈折率1.5、射出側を生体(屈折率1.33と仮定)とする場合は、格子ピッチ867nm、ブレーズ角度81.2°の回折格子を用いることにより、入射角度20°にて回折角度0°が得られる。また、一例として使用波長800nm、樹脂の屈折率1.5、射出側を屈折率1.46の音響波マ
ッチング層とする場合は、格子ピッチ1159nm、ブレーズ角度86.2°の回折格子を用いることにより、入射角度10°にて回折角度0°が得られる。
以下では、鋸波状の回折格子を使用した実施例を説明するが、矩形波状や正弦波状の回折格子の本発明での使用を制限するものではない。矩形形状や正弦波状の回折格子であっても、形状の設計を適宜行えばよい。
(実施例1)
図5は、第1の実施例の構成概要図を示す。回折格子には反射型回折格子を用いた。被検体401と超音波検出器402の検出面とを略平行に対面して配置させる。この中間に音響波マッチング層403の溶媒を設け、その中に反射型鋸波状の回折格子404を超音波検出器402と略平行に配置する。外部光源406よりミラー405を介して光束を回折格子404に被検体401側から照射し、回折光を被検体401に照射する。なお、ミラー405以外の光学系については図面中での記載を省略している。ここで、用いた超音波検出器の検出面の横幅は40mmであり、検出面から被検体までの距離は10mmである。回折格子404に入射する光束の入射角は、被検体に対する法線方向を基準として60°である。光源406は、ナノ秒パルスレーザーであるネオジウムヤグ(Nd:YAG)レーザーを励起源とし、チタンサファイヤ(Ti:S)レーザーより800nmの波長のパルス光を用いた。この条件で生体に対して垂直(検出器に対して垂直)に回折光を照射するために、鋸波状の回折格子404に格子ピッチ924nm、ブレーズ角度30°の微細構造を設けている。また、その基板には音響波の減衰の少ないポリメチルペンテン樹脂を用いた。また反射型回折格子の表面には1μm厚のAuをコーティングし反射膜として用いた。使用した超音波検出器の中心周波数帯は7.5MHzである。
既知の音響波発生源と、本実施例の超音波検出器を水槽内で対向して配置し、その間に上記回折格子を配置した。回折格子を入れる場合と入れない場合における音響波信号強度の変化を確認した。回折格子の有無に関わらず検出信号強度はほぼ変化せず、音響波の波長に対して回折格子の膜厚が十分薄く、音響波検出に影響を与えないことがわかる。上述の条件にて、被検体として生体を模したファントムを用い、照射表面から深さ2cmのところに直径1mmの吸収体を配置し、音響波信号を取得した。取得した音響波信号は、回折格子を用いずに斜入射で被検体表面に照射した場合と比較して大きな信号が得られた。
(実施例2)
本発明にかかる第2の実施例を説明する。本実施例は実施例1とほぼ同様であるが、回折格子へ入射する光束の入射角度が回折格子の場所に応じて50°〜70°で徐々に変化している。本実施例で使用する回折格子404は実施例1と同様に鋸波状の反射型回折格子であるが、その構造(格子ピッチ及びブレーズ角度)が徐々に変化している。具体的には、光束の入射角度が50°の場所では格子ピッチ1044nm・ブレーズ角度25°である。入射角度が60°の場所では格子ピッチ924nm・ブレーズ角度30°である。入射角度が70°の場所では格子ピッチ851nm・ブレーズ角度35°である。このように回折格子は徐々にその格子ピッチ及びブレーズ角度が変調している。実施例1と同様にして、被検体として生体を模したファントムを用い、照射表面から深さ2cmのところに直径1mmの吸収体を配置し、音響波信号を取得した。取得した音響波信号は、回折格子を用いずに斜入射で被検体表面に照射した場合と比較して大きな信号が得られた。
(実施例3)
図6は、本発明にかかる第3の実施例の構成概要図を示すものである。実施例1とは異なり、回折格子に透過型回折格子を用いた。被検体501と超音波検出器502の検出面とを略平行に対面して配置させる。この中間に音響波マッチング層503の溶媒を設け、その中に透過型鋸波状の回折格子504を超音波検出器502と略平行に配置する。ここ
で、用いた超音波検出器の検出面の横幅は10mmであり、検出面から被検体までの距離はおよそ14mmである。外部光源(不図示)よりレンズを介して光束を回折格子に超音波検出器502側から照射し、回折光を被検体501に照射する。使用した光源は、実施例1と同様の波長800nmのパルス光である。本実施例では、光源からの光束は、回折格子504に超音波検出器502の両脇より被検体に対する法線方向を基準として20°の角度で入射する。両脇から照射される光束は回折格子504の中央で一致する。また音響波マッチング層503の屈折率は1.46である。この条件で生体に対して垂直に回折光を照射するよう透過型鋸波状の回折格子504を用いる。また、その基板には音響波の減衰の少ないポリメチルペンテン樹脂を用いた。なお、光束の回折格子504への入射角が位置によって異なる場合には実施例2と同様に回折格子504の構造を位置(入射角)に応じて変化させればよい。上述の条件にて、被検体として生体を模したファントムを用い、照射表面から深さ2cmのところに配置した直径1mmの吸収体から音響波信号を取得した。取得した音響波信号は、回折格子を用いずに斜入射で被検体表面に照射した場合と比較して大きな信号が得られた。
(実施例4)
図7は、本発明にかかる第4の実施例の構成概要図を示すものである。実施例3と同様に透過型回折格子を用いた。本実施例では、被検体601を検出面と平行に圧迫するために、被検体601を挟む平行平板603a,bを設けている。ここで透過型回格子604は超音波検出器602側の平行平板603aに形成した。ここで、用いた超音波検出器の検出面の横幅は10mmであり、検出面から被検体までの距離はおよそ14mmである。外部光源606よりこの平行平板603aを照射し、回折格子を介して被検体601に照射する。回折格子への入射角度はミラー607によって被検体に対する法線方向を基準に20°とされている。使用した光源は、実施例1と同様の波長800nmのパルス光である。本実施例では、用いた平行平板603aの屈折率は1.5である。この条件で生体に対して垂直に回折光を照射するように、透過型鋸波状の回折格子604には、格子ピッチ867nm、ブレーズ角度81.2°である。また、本実施例では、光源と超音波検出器602が一体化して平行平板603上を2次元的に走査する走査機構605を備えた。上述の条件にて、被検体として生体を模したファントムを用い、照射表面から深さ2cmのところに配置した直径1mmの吸収体から音響波信号を取得した。取得した音響波信号は、回折格子を用いずに斜入射で被検体表面に照射した場合と比較して大きな信号が得られた。
(実施例5)
本発明にかかる第5の実施例を説明する。本実施例は実施例1とほぼ同様であるが、実施例1と異なり、検出器に対して15°の回折光を照射する鋸波状の回折格子を設けている。被検体として生体を模したファントムを用い、照射表面から深さ2cmのところに配置した直径1mmの吸収体から音響波信号を取得した。実施例1及び、回折格子を配置しない場合と比較した。取得した音響波信号は、実施例1よりは小さかったが、回折格子を用いずに斜入射で被検体表面に照射した場合と比較して大きな信号が得られ、回折格子を用いる顕著な効果が現れた。
401,501,601 被検体
402,502,602 超音波検出器
404 透過型回折格子
504,604 反射型回折格子
405 ミラー
406,606 光源

Claims (6)

  1. 超音波検出器と同じ側から被検体に対して光束を照射し光音響波を計測する光音響計測装置であって、
    超音波検出器と、
    前記超音波検出器の検出面前方に設けられた回折格子部材と、
    光束を発生する光源と、
    前記光源からの光束を前記回折格子部材に導く光学系と、
    を有しており、
    前記回折格子部材は、当該回折格子部材に導かれた光束を、前記超音波検出器の検出面に対向する被検体表面に出射するように構成されている
    ことを特徴とする光音響計測装置。
  2. 前記検出面の形状は矩形または円形であり、その短辺または直径の長さをL、前記検出面と被検体とが接する面との距離をdとするときに、
    前記回折格子部材は、当該回折格子部材から出射される光束の前記被検体に対する入射角度θが、tanθ<L/2dとなるように構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の光音響計測装置。
  3. 前記回折格子部材は、当該回折格子部材から出射される光束が、前記検出面に対して垂直となるように構成されている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の光音響計測装置。
  4. 前記回折格子部材に入射される光束の入射角度は位置に応じて異なっており、
    前記回折格子部材の構造は前記光束の入射角度に応じて異なっており、該回折格子部材から射出される回折光が前記超音波検出器の検出面と垂直である
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光音響計測装置。
  5. 前記回折格子部材は、超音波に対して透過性を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光音響計測装置。
  6. 被検体を前記超音波検出器の検出面と平行に圧迫する平板をさらに有しており、
    前記超音波検出器と該被検体の間に配置された該平板が前記回折格子部材であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光音響計測装置。
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