JP2011004637A - 魚釣用リール - Google Patents

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Abstract

【課題】ロータアームと支持部材との間の間隙内に釣り糸が絡まるのを確実に防止しつつ、小型・軽量化が可能となり、ロータアームと支持部材との間の軸着部のメンテナンスが容易な魚釣用リールを提供すること。
【解決手段】ハンドル(14)の回転操作に連動して回転するロータアーム(16b)に、支持部材(22,24)を介して、釣糸案内装置20を釣糸巻取位置と釣糸放出位置とに反転自在に支持した魚釣用リール(10)であって、前記支持部材(22,24)は、ロータアーム(16b)に回動自在に連結される軸着部を基端部(22a,24a)に有し、この軸着部の周縁部(42)のロータアームに隣接する領域の少なくとも一部を、糸絡み防止部(50)で覆った魚釣用リール。
【選択図】図1

Description

本発明は、魚釣用リールに関する。
一般に、魚釣用リールは、リール本体を介して釣り竿に取付けられ、水中の魚とやり取りの際に釣り竿と共に種々の魚釣り操作を行うため、対象とする魚種や釣法に応じて種々の形式のものがある。
例えば、スピニングリールは、ハンドルを回転操作することにより、リール本体に支持されたロータを回転し、このロータに設けられた釣糸案内装置を介して、スプール上に釣糸を巻き上げる。通常、このようなロータに取付けられる釣糸案内装置は、ロータアーム部の先端部に反転可能に支持される一対の支持部材と、この一対の支持部材間に取付けられる半環状構造のベールと、一方の支持部材に設けられるラインローラ等から形成され、ロータと共に回転する。この釣糸案内装置は、一対の支持部材が釣糸巻取位置と釣糸放出位置とに反転自在に支持され、ロータを釣糸巻取方向に回転したときに、反転復帰機構により、支持部材の釣糸放出位置から釣糸巻取位置に復帰される。
この釣糸案内装置は、ロータアームに対して支持部材を反転可能に支持するために、ロータアームと支持部材との間に形成される僅かな間隙が外方に開口し、この間隙が、スプールの外側でロータと共に高速で移動する。このような間隙内には、周囲の風、釣り糸に作用する張力の変化、または、釣り糸の撚れ等の影響により、釣り糸が侵入し易い。釣り糸が侵入すると、釣り糸の切断や糸傷が発生し易く、場合によっては、巻き取り操作ができなくなる可能性もある。
このような間隙内への釣り糸の侵入を防止するため、支持部材とロータアームとの間に、糸絡み防止部材を設けることが提案されている(例えば特許文献1参照)。
この糸絡み防止部材は、一端側がロータアームに固定され、他端側がロータアームと支持部材との間の間隙を横断して支持部材の取付軸を覆うもので、釣り糸の侵入を確実に防止する。
特許第2537158号公報
しかし、従来の糸絡み防止部材は、ロータアームと支持部材との間の間隙を横断して延設することで、釣り糸の侵入を確実に防止することが可能であるが、ロータアームに支持部材を軸着する取付軸の全体が覆われるために、糸絡み防止部材の全体が大型化し、重量が増大する。
特に、高速回転するロータの重量増大は迅速な応答性を阻害することになり、実釣時の操作性が低下し、また、軸着部の中央部位が覆われることで、軸着部の保守・管理に必要なチェックの容易性が低下することになる。
本発明は、このような事情に基づいてなされたもので、ロータアームと支持部材との間の間隙内に釣り糸が絡まるのを確実に防止しつつ、小型・軽量化が可能となり、ロータアームと支持部材との間の軸着部のメンテナンスが容易な魚釣用リールを提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の魚釣用リールは、ハンドルの回転操作に連動して回転するロータアームに、支持部材を介して、釣糸案内装置を釣糸巻取位置と釣糸放出位置とに反転自在に支持した魚釣用リールであって、前記支持部材は、ロータアームに回動自在に連結する軸着部を基端部に形成し、この軸着部の周縁部のロータアームに隣接する領域の少なくとも一部を、糸絡み防止部で覆ったことを特徴とする。
前記糸絡み防止部は、ロータアームに一体に形成されてもよく、または、ロータアームおよび支持部材から独立した部材で形成され、ロータアームに装着される固定支持部を有するものでもよい。
この魚釣用リールによると、軸着部が形成される基端部は、ロータアームに隣接する周縁部が覆われることにより、糸絡み防止部を極めて狭い領域にのみ配置するだけで、基端部とロータアームとの間の間隙内への釣り糸の侵入が防止され、ロータの全体を小型・軽量化が可能となり、軸着部の全体を覆う必要がないために、そのメンテナンスが容易となる。
本発明の実施形態による魚釣用リールの概略的な側面図。 図1とは反対側の側面図。 ロータアームと支持部材とを示し、(A)は図1の3A−3A方向に沿う断面図、(B)は図2の3B−3B方向に沿う断面図。 他の実施形態による魚釣用リールのロータアームおよびスプールを示し、(A)は図1と同様に配置した側面図、(B)は反対側の側面図。 図4の魚釣用リールのロータアームと支持部材とを示し、(A)は図4の5A−5A方向に沿う断面図、(B)は5B−5B方向に沿う断面図。 更に他の実施形態による魚釣用リールの図4と同様な説明図。 図6の魚釣用リールのロータアームと支持部材とを示し、(A)は図6の7A−7A方向に沿う断面図、(B)は7B−7B方向に沿う断面図。 更に他の実施形態による魚釣用リールの概略的な側面図。 図8の魚釣用リールのロータアームと支持部材とを示し、(A)は図8の9A−9B方向に沿う断面図、(B)は(A)のB−B方向に沿う図。 変形例による図9と同様な説明図。
図1から図3に、本発明の実施形態による魚釣用リールを示す。
図1および図2にその全体を示すように、本実施形態の魚釣用リールはスピニングリール10として形成してあり、例えばアルミニウム合金、マグネシウム合金等の金属や、ABS樹脂、PA樹脂等の高強度樹脂や、CFRP、GFRP等の繊維強化樹脂等で形成したリールボディ12aに、一側に開口する内部空間を形成し、リールボディ12aに固定される着脱可能の蓋体12bでその一側の開口を閉じたリール本体12を有し、このリール本体12から上方に延出する脚部12cの端部に前後方向に沿って形成された竿取付部12dを介して釣竿に取り付けられる。
このリール本体12の内部空間内には、通常のスピニングリールと同様にハンドル軸、巻取駆動機構、およびスプール往復動機構が設けられており、ハンドル14に作用する駆動力が、ハンドル軸を介して巻取駆動機構およびスプール往復動機構に伝達される。リール本体12の側部に配置されたハンドル14を回転駆動することにより、巻取駆動機構はロータ16を回転駆動し、スプール往復動機構は巻取駆動機構と同期してスプール18を前後方向に往復動する。ロータ16は、例えば樹脂、アルミニウム合金、マグネシウム合金等の材料で形成し、スプール18は、例えばアルミニウム合金、樹脂等の材料で形成したものでよい。
ロータ16はリール本体12の前部を収容する筒部16aと、この筒部の基端側の径方向に対向した位置から前方に延びる一対のロータアーム16bとを有し、筒部16aがリール本体12内の巻取駆動機構に連結され、リール本体12に対して回転する。このロータ16の筒部16a内には、このロータ16の回転状態を、逆転防止状態と正逆転可能状態とに切換える公知の逆転防止機構(図示しない)を設けてあり、リール本体12の後端側に配置したクラッチレバーLにより、例えばロータ16が釣糸巻取方向(正転方向)および釣糸繰出方向(逆転方向)に自由に回転できる正逆転可能状態と、正転方向にのみ回転可能な逆転防止状態とに切換えることができる。
また、スプール18は、釣り糸が巻回される巻回胴部18aと、ロータ16の筒部16aを覆うスカート部18bと前鍔部18cとを有し、その内部に配置した連結部を介してスプール往復動機構に連結される。このスプール18の先端に配置されたドラグノブNにより、スプール往復動機構に対するスプール18の摩擦力を調整することができる。
スプール18のスカート部18bの側方には、ロータアーム16bが配置され、その先端には、釣糸案内装置20が図示の釣糸巻取位置と図示しない釣糸放出位置とに反転自在に支持されている。釣糸巻取位置では、前後動するスプールの巻回胴部18aに釣り糸が案内され、釣糸放出位置に配置された状態では、この巻回胴部18aから釣り糸を自由に放出することができる。
この釣糸案内装置20は、ロータアーム16bのそれぞれの先端側に基端部22a,24aを取付けられる支持部材すなわち樹脂材料等で形成したベール支持部材22,24と、これらの一対のベール支持部材22,24間で一方のベール支持部材22から半円状に延びる例えば中空構造のベール26と、このベールの一端側に配置されたラインスライダー28aと、他方のベール支持部材24に回転自在に装着されたラインローラ28bとを備える。ラインスライダー28aは、ベール26からラインローラ28bまで釣り糸を滑らかに案内する曲面状の案内面を外周に形成してあり、ベール26にほぼ等しい外径からラインローラ28bの外径部まで滑らかに拡径する湾曲状の外周面を有する。
この釣糸案内装置20を図示しない釣糸放出位置と図1,2に示す釣糸巻取位置との一方に保持するため、ロータアーム16bの一方に振分け機構が配置され、ハンドル14を回転したときに釣糸放出位置から釣糸巻取位置に復帰させる自動復帰機構が他方に配置されている。この振分け機構および自動復帰機構は、それぞれ対応する基端部22a,24aを介してベール支持部材22,24を付勢する。これらの振り分け機構および自動復帰機構は、通常のものでよい。
なお、図2に示すように、ロータアーム16bの径方向外側の一部に開口部を形成し、この開口部にカバー部材17aを配置してネジ17bで着脱自在としてもよい。この場合には、ロータアーム16bの内部に配置した機構のメンテナンス等を容易に行うことができる。このような開口部およびカバー部材17aは双方のロータアーム16bに設けることも可能である。
図3の(A)および(B)に示すように、本実施形態では、各ベール支持部材22,24の基端部22a,24aがスプール18に対向する内側から装着される袋ナット30を介してロータアーム16bの先端部に外側から回動自在に連結されており、これらの基端部22a,24aに、ロータアーム16bに対してベール支持部材22,24を回動自在に連結する軸着部が形成される。本実施形態におけるベール支持部材22,24の基端部22a,24aは、いずれも同様に形成してあるため、図3の(A)に示すベール支持部材22の基端部22aについて説明し、(B)に示すベール支持部材24の基端部24aについては同様な部位に同様な符号を付して詳細な説明を省略する。
本実施形態では、ロータアーム16bにベール支持部材22の基端部22aを回動自在に連結する袋ナット30は、ロータアーム16b側に装着される大径部32と、ベール支持部材22の基端部22a側に装着される小径部34とを配置した段付構造を有し、大径部32側の端部にこの大径部よりも大きな外径を有する鍔部36を形成し、反対側の端部に開口するネジ孔38が小径部34から大径部32にわたって形成してある。このネジ孔38にネジ部材40が螺合される。これらのネジ部材40の頭部および袋ナット30の鍔部36は、それぞれ湾曲した外面を有し、釣り糸等が引っ掛かるのを防止してある。
ベール支持部材22の基端部22aは、ベール26の反対側に位置する端部が円弧状に外方に湾曲した周縁部42(図1)を有し、この円弧状形状の中心軸と同軸状である軸着孔44を貫通形成してあり、この軸着孔44を形成した部位すなわち基端部22aの略中央部位が、袋ナット30と共に介してロータアーム16bにベール支持部材22を回動自在に連結する軸着部を形成する。
この基端部22aは、ロータアーム16b側の内面が当接面45として平坦状に形成され、外面側には、軸着孔44の周部に沿って段部44aを形成し、ネジ部材40の頭部の少なくとも一部を収容することができる。また、段部44aの周部は、周縁部42に向けて傾斜面46を形成してあり、これにより、周縁部42の外端に向けて肉厚が次第に減少し、傾斜面46の外端では、軸着孔44に隣接する内端に対して略半分の肉厚まで減少している。この傾斜面46の内端に隣接して配置される軸着孔42は、基端部22aの内面側の当接面45と段部44aとの間の軸方向寸法を、袋ナット30の小径部34の軸方向寸法にほぼ等しく形成し、また、その内径も小径部34の外径とほぼ等しく形成してある。
本実施形態の基端部22aには、当接面45に開口する凹部23を形成してあり、ベール支持部材22を軽量化すると共に、ロータアーム16bの外面側の当接面47に対する接触面積を少なくしてその摩擦抵抗を小さくしてある。この凹部23内には、グリース等の潤滑剤を充填しておくことも可能である。
ベール支持部材22を袋ナット30を介して支えるロータアーム16bの先端部は、外面側の当接面47を平坦状に形成してあり、内面側から当接面47側に段付孔48が貫通している。この段付孔48の外面側の小径部48aは、内径および軸方向寸法を袋ナット30の大径部32の外径および軸方向寸法とほぼ等しく、内面側の大径部48bは、袋ナット30の鍔部36よりも大径で、この鍔部36をロータアーム16bの内面から突出させることなく収容するのに十分な深さすなわち軸方向寸法に形成してある。
ベール支持部材22を取付ける場合は、ロータアーム16bの段付孔48に、ベール支持部材22の軸着孔44を同軸状に整合させる。ロータアーム16bのスプール18に対向する内側から袋ナット30を挿入してベール支持部材22をロータアーム16bに対して所定の位置に位置合わせした後、袋ナット30のネジ孔38にネジ部材40を螺合し、締付ける。これにより、ベール支持部材22は、ロータアーム16bに対して回動自在に連結される。軸着孔44および段付孔の小径部48aのそれぞれの軸方向長さが、袋ナット30の小径部34および大径部32のそれぞれの軸方向長さに等しく形成してあるため、ロータアーム16bと基端部22aとの間に過度の締付力が作用することがない。
このロータアーム16bの先端部には、基端部22aの周縁部42のうち、ロータアームに隣接する領域の少なくとも一部を覆う糸絡み防止部50を一体に形成してある。
本実施形態の糸絡み防止部50は、釣糸巻取位置でベール26が配置される側で、基端部22aの上半部すなわちネジ部材40よりも上方に位置する周縁部42に沿って円弧状に延びる。この糸絡み防止部50は、ロータアーム16bの外面側の当接面47から、周縁部42の外端にほぼ等しい高さに突出する本体部52と、この外端から軸着孔44側に向けて傾斜面46に沿って延びる棚状部54とを有し、これらの本体部52と棚状部54とは、段差の無い滑らかな外面形状を形成する。また、ロータアーム16bの外面側の当接面47との間にも段差を形成することなく、滑らかに連続した外面形状を形成する。
この糸絡み防止部50の棚状部54は、傾斜面46の少なくとも外縁一部を覆い、釣り糸がこの基端部22aの周縁部42とロータアーム16bとの間の間隙内に侵入するのを防止できるものであれば、図1に示すように、基端部22aの上側のほぼ半周にわたって延設することなく、その一部だけでもよい。
このような糸絡み防止部50を形成したスピニングリール10では、釣り糸をスプール18に巻き取る際、釣糸案内装置20が図1,2に示す位置に配置される。ハンドル14の回転に伴い、ロータ16が回転すると、釣り糸がベール26に沿って摺動し、ラインスライダー28aからラインローラ28bに移動し、このラインローラ28bからスプール18の巻回胴部18aに巻き取られる。
釣り糸巻取り中に、釣り糸がロータアーム16bの外面側の当接面47に沿ってベール支持部材22,24側に移動しても、この釣り糸が糸絡み防止部50で基端部22a,24aの傾斜面46上に案内され、周縁部42とロータアーム16bとの間の間隙(例えば当接面45,47間)内に侵入することがない。更に、軸着孔44の周部の周部に段部44aが形成されていることにより、傾斜面46上を摺動した釣り糸がネジ部材40の頭部に引っ掛かるのが防止される。
このように、基端部22aの周縁部42のうち、ロータアーム16bに隣接する領域、特にベール26側の釣り糸が移動する領域の少なくとも一部を糸絡み防止部50で覆うことにより、糸絡み防止部50は、軸着部を形成する軸着孔44および袋ナット30のネジ部材40まで覆うことなく、極めて狭い領域にのみ配置するだけで、基端部22aとロータアーム16bとの間の間隙内への釣り糸の侵入が防止され、ロータ16の全体を小型・軽量化が可能となり、軸着部の全体を覆う必要がないために、そのメンテナンスが容易となる。
特に、糸絡み防止部50の棚状部54が、ネジ部材40を覆うことなく、基端部22aの傾斜面46の中間部位で終端するため、ロータ16の回転軸から糸絡み防止部50の外端である棚状部54の先端までの距離が短くてよい。これにより、ネジ部材40を覆う場合と同じ質量であっても、ロータ16の回転軸回りの慣性モーメントに与える影響を小さくし、高速回転時のロータ16の迅速な応答性を確保し、快適な魚釣り操作が可能となる。実際には、質量は軽くなるので、更に、その慣性モーメントは小さくできる。
また、糸絡み防止部50がロータアーム16bに一体に形成されているため、ベール支持部材22,24の位置合わせ等を容易に行うことができ、その組込みを容易にかつ正確な位置に迅速に行うことができる。
図4および図5は、他の実施形態による魚釣用リールを示す。なお、以下に説明する種々の実施形態または変形例は、基本的には上述の実施形態と同様であるため、同様な部位には同様な符号を付し、その詳細な説明を省略する。
この実施形態では、ロータアーム16bの外面側の当接面47から突出する状態に袋ナット30Aを一体に形成し、糸絡み防止部50Aはロータアーム16bに対して別部材で形成してある。
このロータアーム16bは、袋ナット30Aを囲んで外方に開口する凹部を形成してあり、上方すなわちベール26側の部位60をの径を周縁部42よりも大径の円弧状に形成してある。糸絡み防止部50Aの本体部52は、この円弧状凹部を形成する上方部位60の内面60に沿って配置され、この本体部52の外端から棚状部54が基端部22aの傾斜面46に沿って延びる。また、本体部52の内端からは、上方部位60および袋ナット30Aの下方部位にわたる当接面47に沿って配置される底壁部56が延設され、この底壁部56を袋ナット30Aが貫通して外方に延びている。ネジ部材40を締付けると、基端部22aの当接面45とロータアーム16bの当接面47との間で底壁部56が強固に保持され、この底壁部56はロータアーム16bに装着される固定支持部を形成する。
このように、糸絡み防止部50Aをロータアーム16bと別体構造に形成したことにより、上述の実施形態の機能又は作用効果に加え、ロータアーム16bとベール支持部材22,24との直接的な摺動接触を回避することができ、使用寿命を増大することができる。この糸絡み防止部50Aを、例えばフッ素系樹脂、シリコン系樹脂、ポリアセタール樹脂等の摩擦係数が小さい材料で形成することにより、耐久性が増大し、更に釣糸案内装置20の揺動反転を滑らかかつ迅速に行うことが可能となり、その揺動反転性が向上する。また、同時に、糸絡み防止部50A上の釣り糸のすべり性も向上し、更に糸絡みが防止できる。
図6および図7は、更に他の実施形態による魚釣用リールを示す。
この魚釣用リールでは、袋ナット30Aが図4および図5に示す実施形態と同様にロータアーム16bの外面側の当接面47から突出する一体構造に形成してある。また、ロータアーム16bには、その外面側の全幅にわたって樹脂製カバー部材17aを配置し、ネジ17bで固定してある。符号Cは、例えば軽量化するための空間部を示す。
そして、このカバー部材17aの先端側かつ上側に、糸絡み防止部50が一体に形成してある。この糸絡み防止部50は、本体部52が袋ナット30Aの上側から、更に下方まで、基端部22aの周縁部42に沿って延びることが好ましい。これにより、基端部22a,24aの周縁部42が、袋ナット30Aの下方かつ後方部位で、傾斜面46とカバー部材17aの外面との間に大きな段差が形成されるのを防止することができる。
樹脂製のカバー部材17aをロータアーム16bの全幅にわたって形成することにより、ロータアーム16bを薄肉化し、特に、ロータ16の回転軸から最も外方に離隔した部材の軽量化が可能となる。
図8および図9は、ラインローラを有しない側のロータアーム16bの内側にベール支持部材22を配置したスピニングリール10Aを示す。
この実施形態は、上述の図1から図3に示す実施形態とほぼ同様であるが、ベール支持部材22の基端部22aを、ロータアーム16bのスプール18に対向する内側からその先端部に位置合わせした後、袋ナット30を、ロータアーム16bの外側から装着し、内側からネジ部材40で締め付け固定するものである。
糸絡み防止部50は、ロータアーム16bの内側に形成され、ロータアーム16bの平坦な当接面47は、基端部22aよりも先端側のベール支持部材22との干渉を防止するために、段付孔48の小径部48aの周囲から糸絡み防止部50から離隔する側にわたって延設されている。図9の(B)には、非平坦部との間に例えば段差部として形成される境界部47aを示してある。
本実施形態の糸絡み防止部50は、ロータアーム16bの一側から軸着部の中央部すなわちネジ部材40の中心位置を超えて他側側まで形成してあり、このため、糸絡み防止部50で覆われた部位に限らず、これに覆われていない部位における基端部22aとロータアーム16bとの間の間隙内への糸絡みも防止することができる。
この実施形態においても、基端部22aは、ロータアーム16bに隣接する周縁部42の一部の領域だけを糸絡み防止部50で覆うことにより、糸絡み防止部を極めて狭い領域にのみ配置するだけで、基端部22abとロータアーム16bとの間の当接面45,47間等の間隙内への釣り糸の侵入が防止され、ロータ16の全体を小型・軽量化が可能となり、軸着部の全体を覆う必要がないために、そのメンテナンスが容易となる
なお、ロータアーム16bの外側には、明らかなように、このような間隙が形成されず、また、袋ナット30の鍔部36の外面が湾曲しかつ段付孔48内に収容されているため、糸絡みの発生を確実に防止することができる。
図10は、変形例を示し、図4および図5に示す実施形態と同様な独立部材で形成した糸絡み防止部50Aを備える。この場合には、同図(B)に示すように、糸絡み防止部50Aの底壁部56がロータアーム16bの平坦な当接面47を覆う状態に配置することが好ましい。
この場合にも、ロータアーム16bとベール支持部材22との直接的な摺動接触を回避することができ、使用寿命を増大することができる。この糸絡み防止部50Aを、上述のような摩擦係数が小さい材料で形成することにより、耐久性が増大し、更に釣糸案内装置20の揺動反転を滑らかかつ迅速に行うことが可能となり、その揺動反転性が向上する。また、同時に、糸絡み防止部50Aの釣り糸のすべり性も向上し、更に糸絡みが防止できる。
なお、本発明は、上述の実施形態又は変形例に限るものではなく、これらの実施形態を様々に組合せあるいは変形することが可能である。例えばカバー部材17aをロータアーム16bの全幅にわたって形成することに代え、糸絡み防止部50を形成する側にのみ配置してもよく、一対のロータアーム16bの内の一方にのみ設けることも可能である。また、カバー部材17aに糸絡み防止部50を形成することに代え、少なくとも一方のカバー部材17aに別体構造の糸絡み防止部50Aを組み合わせることも可能である。
10…スピニングリール(魚釣用リール)、16b…ロータアーム、20…釣糸案内装置、22,24…ベール支持部材(支持部材)、22a,24a…基端部、42…周縁部、44…軸着孔(軸着部)、50,50A…糸絡み防止部。

Claims (3)

  1. ハンドルの回転操作に連動して回転するロータアームに、支持部材を介して、釣糸案内装置を釣糸巻取位置と釣糸放出位置とに反転自在に支持した魚釣用リールであって、
    前記支持部材は、ロータアームに回動自在に連結する軸着部を基端部に形成し、この軸着部の周縁部のロータアームに隣接する領域の少なくとも一部を、糸絡み防止部で覆ったことを特徴とする魚釣用リール。
  2. 前記糸絡み防止部は、ロータアームに一体に形成されている請求項1に記載の魚釣用リール。
  3. 前記糸絡み防止部は、ロータアームおよび支持部材から独立した部材で形成され、ロータアームに装着される固定支持部を有する請求項1に記載の魚釣用リール。
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