以下、本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。
本発明に係る磁性キャリアの製造方法は、機械的衝撃力により被覆処理する手段を有する被覆処理装置を用いて、該樹脂組成物粒子を該磁性キャリアコア粒子の表面に被覆処理する被覆処理工程を有している。
まず、本発明の磁性キャリアの被覆処理工程で用いる被覆処理装置について図1及び図3を用いて説明する。
本発明における被覆処理装置は、少なくとも複数の撹拌部材3が表面に設置された回転体2と、該回転体2を回転駆動する駆動部8と、該撹拌部材3と間隙を有して設けられた本体ケーシング1とを有する。
本発明の磁性キャリアの製造方法は、該被覆処理装置を用い、該駆動部8によって該回転体2を回転させ、該撹拌部材3によって該被覆処理装置中に投入された該磁性キャリアコア粒子及び該樹脂組成物粒子を撹拌、混合することで該磁性キャリアコア粒子の表面に該樹脂組成物粒子を被覆処理する。尚、該磁性キャリアコア粒子及び該樹脂組成物粒子を以降、処理物と表記する。
更に、本発明は、図3において、該被覆処理装置に投入された該磁性キャリアコア粒子及び該樹脂組成物が、該撹拌部材の一部撹拌部材により、該回転体の軸方向の一方向である該駆動部方向(12)に送られ、該撹拌部材の他の一部撹拌部材により、該駆動部方向の逆方向である反駆動部方向(13)に送られ、該駆動部方向への送り(12)と、該反駆動部方向への送り(13)とを繰り返し行いながら該磁性キャリアコア粒子の表面に該樹脂組成物の被覆処理を行う。
以下、図1乃至図5に示す装置の模式図に従って、本発明を更に詳細に説明する。
図1に示す装置は、少なくとも複数の撹拌部材3が表面に設置された回転体2と、該回転体2を回転駆動する駆動部8と、該撹拌部材3と間隙を有して設けられた本体ケーシング1とを有している。
更に、図1に示す装置は、該本体ケーシング1の内側及び回転体端部側面10にあって、冷熱媒体を流すことのできるジャケット4を有している。
更に、図1に示す装置は、該磁性キャリアコア粒子及び該樹脂組成物粒子を導入するために、該本体ケーシング1上部に形成された原料投入口5を有している。
更に、図1に示す装置は、被覆処理された磁性キャリアを該本体ケーシング1外に排出するために、該本体ケーシング1下部に形成された磁性キャリア排出口6を有している。
更に、図1に示す装置は、該原料投入口5内に、原料投入口用インナーピース16が挿入されており、該磁性キャリア排出口6内に、磁性キャリア排出口用インナーピース17が挿入されている。
更に、図1に示す該回転体2は、図4及び図5に示す通り、複数のローター18が重なって1つの回転体としての体をなしている。
本発明においては、まず、該原料投入口5から該原料投入口用インナーピース16を取り出し、該磁性キャリアコア粒子を該原料投入口5より投入する。次に該樹脂組成物粒子を該原料投入口5より投入し、該原料投入口用インナーピース16を挿入する。
次に、該駆動部8により該回転体2を回転させ、上記で投入した処理物を、該回転体2表面に複数設けられた該撹拌部材3により撹拌、混合しながら被覆処理する。
尚、投入する順序は、先に該樹脂組成物粒子を該原料投入口5より投入し、次に、該磁性キャリアコア粒子を該原料投入口5より投入しても構わない。
また、ヘンシェルミキサーのような混合機で予め、該磁性キャリアコア粒子と該樹脂組成物粒子を混合した後、該混合物を、図1に示す装置の該原料投入口5より投入しても構わない。
被覆処理終了後、該磁性キャリア排出口6内の、該磁性キャリア排出口用インナーピース17を取り出し、該駆動部8により該回転体2を回転させ、該製品排出口6から磁性キャリアを排出する。得られた磁性キャリアを磁力選鉱し、必要に応じて円形振動篩機等の篩機で残留樹脂組成物粒子を分離し、磁性キャリアを得る。
尚、本発明においては、上記した通り回分方式で被覆処理を行うが、該原料投入口用インナーピース16及び該磁性キャリア排出口用インナーピース17を最初から取り出した状態で、連続方式で被覆処理を行っても構わない。
該連続方式で被覆処理を行う際は、該原料投入口用インナーピース16及び該磁性キャリア排出口用インナーピース17を最初から取り出した状態で、該駆動部8により該回転体2を回転させ、処理物を該原料投入口5より投入し、製品である磁性キャリアを該磁性キャリア排出口6から回収する。
図1に示す装置は、図3に示す通り、被覆処理の際、該回転体2は、該駆動部8方向から見て反時計方向11に回転する。その際、該回転体2中央に位置する3枚の該撹拌部材3bが、該回転体2上部に位置する3枚の該撹拌部材3aの位置へ、夫々該中心軸7に対して垂直に移動する。
この際、該撹拌部材3bにより、該原料投入口5側から投入された処理物は、該回転体端部側面10から該駆動部8の方向(12)に送られ、該撹拌部材3aにより、該駆動部8から該回転体端部側面10の方向(13)に送られる。
更に、図1に示す装置は、図4に示す通り、該回転体上部の該撹拌部材3aと該回転体中央部の該撹拌部材3bを直接重ねた場合、即ち、該撹拌部材3aの端部位置から該回転中心に対して垂直方向に線を引いた際、該撹拌部材3aと該撹拌部材3bとが幅Cだけ重なる位置関係にある。
尚、図4は該幅Cを説明するために、便宜的に該撹拌部材3aと該撹拌部材3bを重ねた物で、この形態のままで被覆処理するものではない。
同様に図5においても、該撹拌部材3の形状が図3及び図4と異なる場合の該幅Cを説明するために、便宜的に該撹拌部材3aと該撹拌部材3bを重ねた物で、この形態のままで被覆処理するものではない。
上記のため、該撹拌部材3bにより該回転体端部側面10から該駆動部8の方向(12)に送られた処理物と、該撹拌羽根3aにより該駆動部8から該回転体端部側面10の方向(13)に送られた処理物同士が衝突する。
つまり、該回転体2の回転により、該回転体端部側面10から該駆動部8の方向(12)への送りと、該駆動部8から該回転体端部側面10の方向(13)への送りが繰り返し行われ、更に該重なり幅dによる磁性キャリアコア粒子及び該樹脂組成物粒子同士の衝突が繰り返し行われることにより、該本体ケーシング1内での処理物の移動経路が複雑、且つ、長距離となり、均一混合される。
本発明の特徴は、被覆処理する際に用いる装置を、上記の図1に示す装置とし、該樹脂組成物粒子の体積基準の50%粒径(D50)を、0.2μm以上6.0μm以下とし、10.0μm以上の粒子の割合を2.0体積%以下とすることにある。
更に、本発明の特徴は、処理物を該本体ケーシング1に投入した際、該処理物の容積をAとし、該本体ケーシング1内周面と該撹拌部材3との最小間隙の空間容積をBとしたとき、該Aと該Bの関係が下記式を満足することを特徴とする。
1.1≦A/B≦4.0
尚、本発明において、該本体ケーシング1内周面と該撹拌部材3との最小間隙の空間容積Bとは、図2に示す通り、該本体ケーシング1容積から、該回転体2の回転に伴ってできる該撹拌部材3の軌跡14から算出した回転容積15を差し引いた空間容積のことを言う。
更に、本発明の特徴は、上述した該撹拌部材3の重なり幅をCとし、該撹拌部材3の幅をDとしたとき、該重なり幅Cと該撹拌部材3の最大幅Dの関係が下記式を満足させることにある。
0.05≦C/D≦0.50
尚、本発明において、該撹拌部材3の重なり幅をCは、図4に示す通り、該撹拌部材3aと該撹拌部材3bを直接重ならせ、重なり幅を実測した値であり、該撹拌部材3の最大幅Dは、図4に示す通り、該撹拌部材3の幅を実測した値である。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明者が検討した結果、該樹脂組成物粒子の体積基準の50%粒径(D50)を、0.2μm以上6.0μm以下とし、10.0μm以上の粒子の割合を2.0体積%以下とすることにより、残留樹脂組成物粒子を削減でき、均一に被覆処理できることを見出した。
本発明者が検討した結果、該樹脂組成物粒子の体積基準の50%粒径(D50)及び10.0μm以上の粒子の割合と、該残留樹脂組成物粒子とは関連があり、特に10.0μm以上の粒子の割合と、該残留樹脂組成物粒子との関連が深いことが分かった。
つまり、該樹脂組成物粒子の体積基準の50%粒径(D50)をいくら小さくしても、10.0μm以上の粒子の割合が多い場合、つまり、該樹脂組成物粒子の粒度分布がブロードな場合、該残留樹脂組成物粒子を削減することができないことが分かった。
上記の理由として、被覆処理の際のプロセスが関係していると考えている。つまり、被覆処理の際、当初微粒径の該樹脂組成物粒子から被覆されていき、粗粒径の該樹脂組成物粒子の被覆が最後になると考えている。つまり、該樹脂組成物粒子の粒度分布がブロードな場合、最後に被覆される該樹脂組成物粒子の粒径が大きいため、余剰の該樹脂組成物粒子が発生し、結果的に該残留樹脂組成物粒子を削減できないと考えている。
従って、該樹脂組成物粒子の体積基準の50%粒径(D50)の範囲を最適化し、10.0μm以上の粒子の割合を最適化することにより、残留樹脂組成物粒子を削減できる。
本発明者が検討した結果、本発明に使用する該樹脂組成物粒子は、該樹脂組成物粒子の体積基準の50%粒径(D50)が0.2μm以上6.0μm以下の範囲であることが好ましい。更には、該樹脂組成物粒子のD50が0.4μm以上5.8μm以下が好ましい。
該樹脂組成物粒子の体積基準の50%粒径(D50)が0.2μm未満の場合、二次粒子の形で10.0μm以上の強固に凝集した粒子が存在する。そのため、被覆処理後の磁性キャリア表面に層厚ムラが発生し、粒子界面が存在する場合があり、残留樹脂組成物粒子もかえって多くなる場合ある。また、該樹脂組成物粒子のD50が6.0μmを超える場合、該残留樹脂組成物粒子を削減することができない場合がある。また、帯電量を所望のようにコントロールできない。
また、該樹脂組成物粒子の10.0μm以上の粒子の割合は、2.0体積%以下が好ましく、更には1.5体積%以下が好ましい。該樹脂組成物粒子の10.0μm以上の粒子の割合が2.0体積%を超える場合、該残留樹脂組成物粒子を削減することができず、所定の処方量とならず帯電量のバラツキを生じてしまう場合がある。
該樹脂組成物粒子の体積基準の50%粒径(D50)を0.2μm以上6.0μm以下の範囲とし、10.0μm以上の粒子の割合を、2.0体積%以下とすることで、残留樹脂組成物粒子を削減でき、該磁性キャリアコア粒子表面に該樹脂組成物粒子を均一に被覆処理でき、更に所望の帯電量とすることができる。
更に、本発明者が検討した結果、該処理物の容積をAとし、該本体ケーシング内周面と該撹拌部材との最小間隙の空間容積をBとしたとき、該Aと該Bの関係が下記式を満足させることにより、被覆処理を行う際、該磁性キャリア表面に割れ、欠けが発生せず、残留樹脂組成物粒子を削減でき、均一に被覆処理できることを見出した。
1.1≦A/B≦4.0
本発明者が検討した結果、該処理物の容積Aと、該本体ケーシング1内周面と該撹拌部材3との最小間隙の空間容積Bの関係が、被覆処理の際の、該磁性キャリア表面の割れ、欠け及び、該残留樹脂組成物粒子とに関連があることが分かった。つまり、該本体ケーシング1内周面と該撹拌部材3との最小間隙の空間容積Bに対して、該処理物の容積Aが小さいと、被覆処理の際、該磁性キャリア表面に割れ、欠けが発生する。逆に、該本体ケーシング1内周面と該撹拌部材3との最小間隙の空間容積Bに対して、該処理物の容積Aが大きいと、被覆処理の際、該残留樹脂組成物粒子を削減することができないことが分かった。
上記の理由として、該空間容積Bに対して、該処理物の容積Aが小さい場合は、被覆処理を行う際、有効な負荷動力を与えるために、該回転体2の回転周速を速くする必要がある。そのため、撹拌、混合が過剰となり、磁性キャリア表面に割れ、欠けが発生してしまうと考えている。
逆に、該空間容積Bに対して、該磁性キャリアコア粒子及び該樹脂組成物粒子である処理物の容積Aが大きい場合は、被覆処理を行う際、有効な負荷動力を与えるために、該回転体2の回転周速を遅くする必要がある。そのため、撹拌、混合が充分に行えず、該残留樹脂組成物粒子を削減することができないと考えている。
従って、該処理物の容積Aと、該本体ケーシング1内周面と該撹拌部材3との最小間隙の空間容積Bの関係を最適化することにより、被覆処理の際、磁性キャリア表面に割れ、欠けが発生せず、残留樹脂組成物粒子を削減できる。
本発明者が検討した結果、該処理物の容積Aと、該本体ケーシング1内周面と該撹拌部材3との最小間隙の空間容積Bの関係は、1.1≦A/B≦4.0であることが好ましく、更には1.5≦A/B≦3.5が好ましい。
該処理物の容積Aと該空間容積Bの関係を、1.1≦A/B≦4.0とすることで、被覆処理の際、磁性キャリア表面に割れ、欠けが発生せず、残留樹脂組成物粒子を削減でき、該磁性キャリアコア粒子表面に該樹脂組成物粒子を均一に被覆処理できる。
更に、本発明者が検討した結果、図3に示す、該撹拌部材3aの回転により最大軌跡幅を描く端部位置から、該回転体中心に対して垂直方向に線を引いた際、該撹拌部材3aと該撹拌部材3bとが、重なる位置関係にあり、該最大軌跡を描く重なり幅をCとし、該撹拌部材の最大幅をDとしたとき、該重なり幅Cと該撹拌部材の最大幅Dの関係が下記式を満足させることにより、被覆処理を行う際、磁性キャリア表面に割れ、欠けが発生せず、残留樹脂組成物粒子を削減でき、均一に被覆処理できることを見出した。
0.05≦C/D≦0.50
本発明者が検討した結果、該重なり幅Cと該撹拌部材3の最大幅Dの関係が、被覆処理の際の、該磁性キャリア表面の割れ、欠け及び、該残留樹脂組成物粒子とに関連があることが分かった。つまり、該撹拌部材3の最大幅Dに対して、該重なり幅Cが大き過ぎると、被覆処理の際、磁性キャリア表面に割れ、欠けが発生し、逆に小さ過ぎると、被覆処理の際、該残留樹脂組成物粒子を削減することができないことが分かった。
上記の理由として、該撹拌部材3の最大幅Dに対して、該重なり幅Cが大き過ぎる場合、被覆処理を行う際、有効な負荷動力を与えるために、該回転体2の回転周速を遅くする必要がある。そのため、撹拌、混合が充分に行えず、該残留樹脂組成物粒子を削減することができないと考えている。
逆に、該撹拌部材3の最大幅Dに対して、該重なり幅Cが小さ過ぎる場合、被覆処理を行う際、有効な負荷動力を与えるために、該回転体2の回転周速を速くする必要がある。そのため、該磁性キャリアコア粒子及び該樹脂組成物粒子である処理物に対する撹拌、混合が過剰となり、磁性キャリア表面に割れ、欠けが発生してしまうと考えている。
従って、該重なり幅Cと該撹拌部材3の最大幅Dの関係を最適化することにより、磁性キャリア表面に割れ、欠けが発生せず、残留樹脂組成物粒子を削減できる。
本発明者が検討した結果、該重なり幅Cと該撹拌部材3の最大幅Dの関係は、0.05≦C/D≦0.50であることが好ましく、更には0.10≦C/D≦0.45が好ましい。
該重なり幅Cと該撹拌部材3の最大幅Dの関係を、0.05≦C/D≦0.50とすることで、磁性キャリア表面に割れ、欠けが発生せず、残留樹脂組成物粒子を削減でき、該磁性キャリアコア粒子表面に該樹脂組成物粒子を均一に被覆処理できる。
尚、該重なり幅Cと該撹拌部材3の最大幅Dの関係であるC/Dは、該撹拌部材3の最大幅Dを固定し、図4及び図5に示すローター18の長さEを変更することで調整することが簡便である。
更に、本発明においては、被覆処理の最中、該磁性キャリアコア粒子及び該樹脂組成物粒子である処理物の温度T(℃)は、下記式を満たす範囲に温度制御することが好ましい。
Tg−50≦T≦Tg+20(℃)
(Tg:該樹脂組成物粒子のガラス転移温度(℃))
本発明においては、被覆用樹脂組成物粒子のガラス転移点(Tg)を、70℃以上とすることが好ましく、更には80℃以上とすることが好ましい。
従って、該被覆処理中の処理物の温度T(℃)は、20℃以上とすることが好ましく、更には30℃以上とすることが好ましい。
尚、該被覆処理中の処理物の温度T(℃)とは、被覆処理中の該本体ケーシング1内雰囲気温度のことである。具体的には、該本体ケーシング1の内壁表面に熱電対を装置外側から装着して、被覆処理時の熱履歴を測定した際の、被覆処理中における最高温度のことである。
従来の熱的な乾式被覆処理の場合、該被覆処理中の処理物の温度T(℃)は、樹脂組成物粒子のガラス転移点(Tg)よりもある程度高いことが必要であり、そのために本体ケーシングの内側に設置されたジャケットに熱媒体を流すことで装置全体を加熱していた。
しかしながら、該被覆処理中の処理物の温度T(℃)を高くすればするほど、10.0μmを超えるような樹脂組成物粒子は被覆処理できるようになる反面、処理物である該磁性キャリアコア粒子及び該樹脂組成物粒子の偏在や滞留、凝集が生じやすくなり、更には磁性キャリアの合一が促進してしまい、均一な被覆処理ができなくなる場合がある。一方で、該被覆処理中の処理物の温度T(℃)を低くすれば、該磁性キャリアコア粒子表面への該樹脂組成物粒子の密着性や、被覆処理そのものが不十分となってしまい、磁性キャリアの合一の抑制と、均一な被覆処理を両立することは非常に困難であった。
これに対して、本発明では、従来の機械的衝撃力を用いて被覆処理する乾式被覆処理装置と比較して、該被覆処理中の処理物近傍の温度T(℃)を該樹脂組成物粒子のTgより低くすることで均一な被覆処理が可能となった。
上記の理由として、本発明においては、該回転体端部側面10から該駆動部8の方向(12)への送りと、該駆動部8から該回転体端部側面10の方向(13)への送りを繰り返すことにより、該本体ケーシング1内壁や該撹拌部材3と処理物との衝突に加えて、処理物同士の衝突が効果的に頻繁に生じる。これにより、該磁性キャリア粒子1粒について、ごく微小領域においては瞬間的に熱が掛かり、処理物の温度が局所的でのみTg以上となり、処理される領域以外では冷却され、すぐに磁性キャリアの温度は低下する。このため磁性キャリア同士の合一が防止でき、合一した磁性キャリアの解砕面が生じることによる被覆層の不均一さがなくなる。そして、該樹脂組成物粒子を投入後第一の被覆処理を行い、更に該樹脂組成物粒子を投入して被覆処理を行うが如く、複数回に分けて投入し、複数回の被覆処理を行うことにより、上記で説明したように処理物の温度の上げ下げが繰り返されることで、均一な被覆処理が行えると考えている。
更に、処理物同士の衝突が効果的に頻繁に生じ、該被覆処理中の処理物の温度T(℃)を該樹脂成分のガラス転移点(Tg)より高くしなくとも、良好な被覆処理が可能となり、磁性キャリアの合一を抑制することができるようになったと考えている。
よって本発明では、該被覆処理中の処理物の温度T(℃)を上記したように制御することにより、磁性キャリアの合一を抑制することと、均一な被覆処理を行うことが高いレベルで両立できるようになった。
また、本発明において、該被覆処理中の処理物の温度T(℃)を制御するためには、冷熱媒体を流すことのできる該回転体2や、該ジャケット4を設置した該本体ケーシング1を用いることが好ましい。冷熱媒体としては、冷却チラー水や熱水、スチーム、オイル等の流体を用いることができる。
また、本発明において、処理物の被覆処理時間は、該処理空間9の有効処理容積が2.0×10-3m3の場合は、2分以上60分以下であることが好ましい。尚、スケールアップの際は、上記の処理時間と該処理空間9容積の倍数の立方根との積から処理時間を求める。例えば、該処理空間9の有効容積が2.0×10-3m3の装置において、処理時間が10分である場合、該処理空間9の有効容積が4.0×10-2m3の装置にスケールアップすると、処理時間は、10分×3√20≒27分となる。
また、本発明において、処理物に与える動力としては、該駆動部8の定格動力の45%以上85%以下が好ましい。例えば、該駆動部8の定格が5.5kWの場合なら、処理物に与える動力としては、2.5kW以上4.7kW以下が好ましく、該駆動部8の定格が30.0kWの場合なら、処理物に与える動力としては、13.5kW以上25.5kW以下が好ましい。
また、本発明においては、該駆動部8の動力が上記した範囲内に収まるよう、該撹拌部材3の回転周速を制御することが好ましい。具体的には、最外端部で5m/sec以上30m/sec以下、更には10m/sec以上20m/sec以下とすることが好ましい。
また、本発明においては、該本体ケーシング1と該撹拌羽根3との最小間隙は0.5mm以上30.0mm以下が好ましく、更には1.0mm以上20.0mm以下であることが好ましい。
本発明により得られる磁性キャリアは、体積基準の50%粒径(D50)が20.0μm以上100.0μm以下の範囲であることが好ましく、より好ましくは25.0μm以上60.0μm以下の範囲であることが好ましい。
磁性キャリアの体積基準の50%粒径(D50)が20.0μm以上100.0μm以下の範囲であることで、現像極での磁気ブラシの密度が最適化されるとともに、トナーの帯電量分布をシャープにすることができ、高画質化を図ることができ、ハーフトーンの画質を向上することができる。
また、本発明に用いられる該磁性キャリアコア粒子の体積基準の50%粒径(D50)は、19.5μm以上99.5μm以下の範囲であることが好ましく、より好ましくは24.5μm以上59.5μm以下の範囲であることが好ましい。
また、本発明においては、該樹脂組成物粒子の体積基準の50%粒径(D50)をDb(μm)とし、該磁性キャリアコア粒子の体積基準の50%粒径(D50)をDc(μm)としたとき、Db/Dcが0.002以上0.310以下の関係であることが好ましい。
また、本発明の製法により得られる磁性キャリアは、平均円形度が、0.920以上、より好ましくは0.950以上であることが、トナーに帯電量を付与する面で好ましい。
また、本発明の製法により得られる磁性キャリアは、体積基準の円形度分布において、0.900以下の円形度の磁性キャリア粒子が10.0個数%以下であることが好ましい。
尚、円形度分布における円形度0.900以下の磁性キャリアとは、不定形粒子であり、特に割れ、欠け、凝集等により生じた粒子であり、均一に被覆処理されていない磁性キャリアを大凡意味する。
本発明により得られる磁性キャリアは、円形度分布における円形度0.900以下の磁性キャリアの割合を10.0個数%以下とすることができ、高温高質下においても放置後のトナー帯電量低下を抑制することができる経時安定性に優れた磁性キャリアを得ることができる。
次に、該磁性キャリアコア粒子について説明する。
該磁性キャリアコア粒子としては、公知のフェライト粒子、マグネタイト粒子、磁性体分散型樹脂キャリアコア等の該磁性キャリアコア粒子が使用できる。該磁性キャリアコア粒子は、例えば以下に記載するように製造される。
該磁性体としては、鉄、リチウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ルビジウム、ストロンチウム、ニッケル、コバルト、マンガン、クロム及びチタンから選ばれる一種または二種以上の元素を含む磁性フェライト粒子、またはマグネタイト粒子が挙げられる。好ましくは、マグネタイト粒子、または、マンガン、カルシウム、リチウム及びマグネシウムから選ばれる一種または二種以上の元素を少なくとも有するフェライト粒子である。
該フェライト粒子としては、Ca−Mg−Fe系フェライト、Li−Fe系フェライト、Mn−Mg−Fe系フェライト、Ca−Be−Fe系フェライト、Mn−Mg−Sr−Fe系フェライト、Li−Mg−Fe系フェライト、Li−Ca−Mg−Fe系フェライト及びLi−Mn−Fe系フェライトの如き鉄系酸化物のフ粒子が挙げられる。
該鉄系酸化物のフェライトは、それぞれ金属の酸化物、炭酸塩、硝酸塩を湿式あるいは乾式にて混合し、所望のフェライト組成となるよう仮焼成することにより得られる。次いで、得られた鉄系酸化物のフェライトを、サブミクロンまで粉砕する。該粉砕されたフェライトに、磁性キャリアコアの粒径を調整するための水を20質量%以上50質量%以下で加える。そして、結着樹脂として例えばポリビニルアルコール(分子量500以上、10,000以下)を0.1質量%以上10質量%以下を加えて、スラリーを調製する。このスラリーを、スプレードライヤー等を用いて造粒を行い、焼成することでフェライトコアを得ることができる。
他の方法としては、磁性体分散型樹脂キャリアコアの結着樹脂を形成するためのモノマーを磁性体存在下で重合して得ることもできる。ここで結着樹脂を形成するためのモノマーとしては以下のものが挙げられる。
ビニル系モノマー、エポキシ樹脂を形成するためのビスフェノール類とエピクロルヒドリン;フェノール樹脂を生成するためのフェノール類とアルデヒド類;尿素樹脂を形成するための尿素とアルデヒド類、メラミンとアルデヒド類が含まれる。
フェノール類とアルデヒド類からフェノール樹脂を重合する方法が特に好ましい。この場合は、水性媒体に磁性体およびフェノール類とアルデヒド類を添加し、水性媒体中のフェノール類とアルデヒド類を塩基性触媒の存在下で重合させることにより、磁性体分散型樹脂キャリアコアを製造することができる。
フェノール樹脂を生成するためのフェノール類は、フェノール(ヒドロキシベンゼン)のほか、フェノール性水酸基を有する化合物であればよい。
フェノール性水酸基を有する化合物としては、m−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、o−プロピルフェノール、レゾルシノール、ビスフェノールAの如きアルキルフェノール類;芳香環(例えばベンゼン環)の水素またはアルキル基の水素の一部または全部が、塩素原子や臭素原子で置換されたハロゲン化フェノール類が挙げられる。
フェノール樹脂を生成するためのアルデヒド類としては以下のものが挙げられる。例えばホルマリン、パラホルムアルデヒドのいずれかの形態のホルムアルデヒド、およびフルフラールであり、より好ましくはホルムアルデヒドである。
アルデヒド類のフェノール類に対するモル比は1:1乃至1:4であることが好ましく、1:1.2乃至1:3であることがより好ましい。アルデヒド類のフェノール類に対するモル比が1より小さいと、粒子が生成しにくかったり、生成したとしても樹脂の硬化が進行しにくいために、生成する粒子の強度が弱くなったりする傾向がある。一方、アルデヒド類のフェノール類に対するモル比が4よりも大きいと、反応後に水系媒体中に残留する未反応のアルデヒド類が増加する傾向がある。
フェノール類とアルデヒド類との縮合は、塩基性触媒を用いて行うことができる。
該塩基性触媒は通常のレゾール型樹脂の製造に使用されている触媒であればよく、該塩基性触媒の例にはアンモニア水、ヘキサメチレンテトラミン及びジメチルアミン、ジエチルトリアミン、ポリエチレンイミンの如きアルキルアミンが含まれる。
これら塩基性触媒のフェノール類に対するモル比は1:0.02乃至1:0.30であることが好ましい。
また、磁性体分散型樹脂キャリアコアに用いる磁性体としては、マグネタイト粒子、フェライト粒子が挙げられ、その粒径が0.02μm以上2.00μm以下のものであれば好適である。
磁性体分散型樹脂粒子の具体的な作製方法としては、以下の方法が挙げられる。例えば、鉄粉、マグネタイト粒子、フェライト粒子の如きサブミクロンの磁性体を熱可塑性樹脂中に分散させるように混練し、所望のキャリア粒径まで粉砕し、必要に応じて熱的または機械的な球形化処理を施して得ることができる。また、磁性体をモノマー中に分散させ、モノマーを重合して樹脂を形成することによりキャリアコアを重合法により作製することも可能である。
次に本発明に用いられる、磁性キャリアコア表面を被覆する樹脂組成物粒子に関して説明する。本発明に用いられる樹脂組成物粒子は少なくとも樹脂成分を含有する。樹脂成分としては、熱可塑性樹脂が好ましく用いられる。
また、樹脂成分としては、一種類の樹脂であってもよく、二種以上の樹脂の組み合わせでもよい。
樹脂成分としての熱可塑性樹脂の例には、ポリスチレン;ポリメチルメタクリレートやスチレン−アクリル酸共重合体等のアクリル樹脂;スチレン−ブタジエン共重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体;ポリ塩化ビニル;ポリ酢酸ビニル;ポリフッ化ビニリデン樹脂;フルオロカーボン樹脂;パーフルオロカーボン樹脂;溶剤可溶性パーフルオロカーボン樹脂;ポリビニルアルコール;ポリビニルアセタール;ポリビニルピロリドン;石油樹脂;セルロース;酢酸セルロース、硝酸セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体;ノボラック樹脂;低分子量ポリエチレン;飽和アルキルポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレートといったポリエステル樹脂;ポリアミド樹脂;ポリアセタール樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリエーテルスルホン樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂;ポリエーテルケトン樹脂が含まれる。
該樹脂組成物粒子に含まれる樹脂成分のテトラヒドロフラン(THF)可溶分の重量平均分子量Mwは、15,000以上1,000,000以下であることが、磁性キャリアコアとの密着性や、被覆する際に特に均一に磁性キャリアコア表面を被覆することができるという点で好ましい。
該樹脂組成物粒子を製造する方法としては、懸濁重合、乳化重合等により粒子を直接得る方法や、溶液重合により粒子を合成した後スプレードライ等により溶液を除去しつつ、粒子を作成する方法が挙げられる。
次に本発明に用いられる、トナーに関して説明する。本発明の磁性キャリアと共に用いられるトナーとしては、公知のものが使用でき、粉砕法、重合法、乳化凝集法、溶解懸濁法等のいずれの方法で製造されたものであってもよい。
次に本発明に係る結着樹脂、ワックス及び着色剤を含有するトナー子の構成材料について説明する。本発明では、従来知られている種々のトナーの材料を用いることが可能である。
トナーを構成する結着樹脂としては、通常トナーに用いられ樹脂を使用することができる。以下のようなものが挙げられる。
本発明に好適に用いられるトナーにおいて、結着樹脂としては、ポリスチレン;ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレン置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体の如きスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂及び石油系樹脂が挙げられる。
本発明において、粒子の表面改質する上で、架橋されたスチレン系樹脂及び架橋されたポリエステル樹脂が好ましい結着樹脂である。
トナーの物性のうち、結着樹脂に起因するものとしては、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定される分子量分布において、分子量2,000以上50,000以下の領域に少なくとも一つのピークを有し、分子量1000以上30000以下の成分が50%以上90%以下存在する場合がより好ましい。
本発明に好適に用いられるトナーのおいては、定着時の定着部材からの離型性の向上、定着性の向上の点から次のようなワックスがトナー粒子の材料として用いられる。
ワックスとしては、パラフィンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュワックス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス及びその誘導体が挙げられる。
これらのワックスの誘導体として、酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物を含む。
その他のワックスとして、アルコール、脂肪酸、酸アミド、エステル、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物系ワックス、動物性ワックス、鉱物系ワックス、ペトロラクタムが挙げられる。
本発明に好適に用いられるトナーのおいては、トナー粒子の帯電量及び帯電量分布の制御のために、荷電制御剤をトナー粒子に配合(内添)、又はトナー粒子と混合(外添)して用いることが好ましい。
トナーを負荷電性に制御するための負荷電制御剤としては、有機金属錯体、キレート化合物が挙げられる。有機金属錯体としては、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ハイドロキシカルボン酸金属錯体、芳香族ジカルボン酸金属錯体が挙げられる。
更に、負荷電制御剤としては、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノカルボン酸及び芳香族ポリカルボン酸及びその金属塩;芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノカルボン酸及び芳香族ポリカルボン酸の無水物;芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノカルボン酸及び芳香族ポリカルボン酸のエステル化合物、ビスフェノールの如きフェノール誘導体が挙げられる。
トナーを正荷電性に制御するための正荷電制御剤としては、ニグロシン及び脂肪酸金属塩によるニグロシンの変性物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートの如き四級アンモニウム塩及びこれらのレーキ顔料;トリブチルベンジルホスホニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩、テトラブチルホスホニウムテトラフルオロボレートの如きホスホニウム塩及びこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、燐タングステン酸、燐モリブデン酸、燐タングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物等);高級脂肪酸の金属塩が挙げられる。
これらの荷電制御剤は、単独で又は二種類以上を組み合わせて用いることができる。また、電荷制御樹脂も用いることができ、上記の電荷制御剤と併用することもできる。
上記した荷電制御剤は微粒子状で用いることが好ましい。これらの荷電制御剤をトナー粒子に内添する場合は、結着樹脂100.0質量部に対して0.1質量部以上20.0質量部以下、特に0.2質量部以上10.0質量部以下をトナー粒子に添加することが好ましい。
本発明に好適に用いられるトナーにおいては、トナー粒子の材料として、従来知られている種々の着色剤を用いることができる。
本発明に用いられる着色剤は、黒色着色剤としては、マグネタイト、カーボンブラック、以下に示すイエロー着色剤、マゼンタ着色剤及びシアン着色剤の如き有彩色着色剤によって黒色に調色されるように組み合わせたものが用いられる。
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、155、162、168、174、176、180、181、185、191が挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、31、48;2、48;3、48;4、57;1、81;1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、238、254が挙げられる。
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アンスラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物が用られる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66が挙げられる。
これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。
本発明において、着色剤は、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透明性、トナー中への分散性を考慮して選択される。
これらの有彩色の非磁性の着色剤は、結着樹脂100質量部に対し総量で1.0質量部以上20.0質量部以下がトナー粒子中に含有される。
また、磁性の着色剤は、結着樹脂100質量部に対し総量で20質量部以上60質量部以下がトナー粒子中に含有される。
本発明に好適に用いられるトナーにおいては、微粒子である外添剤を外添されていてもよい。微粒子を外添されることにより、流動性や転写性が向上しうる。
トナー粒子表面に外添される外添剤は、酸化チタン(BET比表面積=80m2/g)、酸化アルミナ、及びシリカ微粒子のいずれかの微粒子を含むことが好ましい。また、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が、20m2/g以上、好ましくは50m2/g以上のものが良好な結果を与える。
該外添剤に含まれる微粒子の表面は、疎水化処理をされていることが好ましい。疎水化処理は、各種チタンカップリング剤、シランカップリング剤の如きカップリング剤;脂肪酸及びその金属塩;シリコーンオイル;またはそれらの組み合わせによってなされることが好ましい。
様々な組み合わせの中でも、微粒子の一つとして、個数平均粒子径が80nm以上300nm以下である微粒子を添加することが好ましい。理由としてはキャリアとの付着力を低減でき、トナーが高い帯電を持っていても、効率良く現像できるためである。材質としては例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化セリウム等が挙げられる。シリカの場合、例えば、気相分解法、燃焼法、爆燃法など従来公知の技術を用いて製造されたいかなるシリカをも使用することができる。中でも、粒度分布をシャープにできるゾルゲル法により得られるシリカ粒子が好ましい。
該外添剤のトナー中における含有量は、0.1質量%以上5.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上4.0質量%以下であることがより好ましい。また外添剤は、複数種の微粒子の組み合わせでもよい。
本発明の磁性キャリアとトナーを混合して二成分系現像剤を調製する場合、その混合比率は現像剤中のトナー濃度として、2質量%以上15質量%以下、好ましくは4質量%以上13質量%以下にすると通常良好な結果が得られる。
次に、本発明に関わる測定方法について述べる。
<樹脂組成物粒子のガラス転移点(Tg)測定>
樹脂組成物粒子のガラス転移点(Tg)は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、樹脂組成物粒子を約10mg精秤し、アルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定範囲30乃至200℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。
この昇温過程で、温度40℃乃至100℃の範囲において比熱変化が得られる。このときの比熱変化が出る前と出た後の、ベースラインの中間点の線と、示差熱曲線との交点を、樹脂組成物粒子のガラス転移温度Tgとする。
<磁性キャリアコア、樹脂組成物粒子、及び磁性キャリアの体積分布基準50%粒径(D50)、樹脂組成物粒子の10.0μm以上の粒子の含有量の測定方法>
粒度分布測定は、レーザー回折・散乱方式の粒度分布測定装置「マイクロトラックMT3300EX」(日機装社製)に、乾式測定用の試料供給機「ワンショットドライ型サンプルコンディショナーTurbotrac」(日機装社製)を装着して測定を行う。
Turbotracの供給条件として、真空源として集塵機を用い、風量33リットル/sec、圧力17kPaとし、制御は、ソフトウエア上で自動的に行う。粒径は体積基準の累積値である50%粒径(D50)を求め、10.0μm以上の粒子の含有量を求める。制御及び解析は付属ソフト(バージョン10.3.3−202D)を用いて行う。
測定条件は、SetZero時間10秒、測定時間10秒、測定回数1回。粒子屈折率は、1.81、粒子形状を非球形、測定上限1408μm、測定下限0.243μmとする。測定は、常温常湿(23℃、50%RH)環境下で行う。
<樹脂組成物粒子の分子量測定>
樹脂組成物粒子のテトラヒドロフラン(THF)可溶分の分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
まず、23℃で24時間かけて、樹脂組成物粒子をテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。
尚、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、
807の7連(昭和電工社製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0ml/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10ml
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。標準ポリスチレン樹脂としては、例えば、以下のものがある。具体的には、TSKスタンダードポリスチレンF−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500(東ソ−社製)が挙げられる。
<磁性キャリアコアの平均円形度、磁性キャリアの平均円形度、円形度0.900以下の磁性キャリアの割合の測定>
磁性キャリアコア及び磁性キャリアの平均円形度、円形度0.900以下の磁性キャリアの割合の測定は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000型」(シスメックス社製)を用いて、以下の解析条件で測定する。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えばDuke Scientific社製5200Aをイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。自動焦点調整終了後、測定用の分散液を作製する。
具体的には、ビーカーに入れたイオン交換水20mlに、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を適量加えた後、測定試料を0.3g加える。
次に、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散機(例えば「VS−150」(ヴェルヴォクリーア社製など))を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。
磁性キャリアコアの平均円形度、磁性キャリアの平均円形度の測定は、標準対物レンズ(10倍)を搭載した上記のフロー式粒子像分析装置を用い、上記の手順に従い調整した分散液を上記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて500個の磁性キャリアコア、磁性キャリアを計測することで求める。
その際計測条件として、粒子解析時の2値化閾値を85%、円相当径を個数基準とし、粒径限定を19.92μm以上200.00μm以下、形状限定を0.20以上1.00以下とし、磁性キャリアコアの平均円形度、磁性キャリアの平均円形度を求める。
円形度0.900以下の磁性キャリアの割合の測定も、標準対物レンズ(10倍)を搭載した上記のフロー式粒子像分析装置を用い、上記の手順に従い調整した分散液を上記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて500個の磁性キャリアを計測することで求める。
その際計測条件として、粒子解析時の2値化閾値を85%、円相当径を個数基準、粒径限定を19.92μm以上200.00μm以下、形状限定を0.200以上0.900以下として磁性キャリアを測定し、磁性キャリアの円形度0.900以下の粒子数を求める。
次に円相当径を個数基準、粒径限定を19.92μm以上200.00μm以下のままで、形状限定を0.200以上1.000以下とし、磁性キャリアの円形度1.000以下の粒子数を求める。
上記の磁性キャリアの円形度0.900以下の粒子数を、磁性キャリアの平均円形度1.000以下の粒子数で割ることで、円形度0.900以下の磁性キャリアの割合を求める。
<磁性キャリア中の残留樹脂組成物粒子の測定>
磁性キャリア中の残留樹脂組成物粒子の測定も、標準対物レンズ(10倍)を搭載した上記のフロー式粒子像分析装置を用い、上記の手順に従い調整した分散液を上記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて500個の磁性キャリアを計測することで求める。
その際計測条件として、粒子解析時の2値化閾値を85%、円相当径を体積基準とし、粒径限定を0.500μm以上19.92μm以下、形状限定を0.200以上1.000以下として磁性キャリアを測定し、粒径限定内の存在する粒子の存在率を求め、これをもって残留樹脂組成物粒子として測定する。
以下、具体的製造例及び実施例をもって本発明を更に詳しく説明するが、本発明は何らこれらに限定されるものではない。
<磁性キャリアコア粒子の製造例>
マグネタイト粒子(個数平均粒径0.3μm)と、シラン系カップリング剤(3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン)とを容器に導入する。このとき、該シラン系カップリング剤は、該マグネタイト粒子の質量に対して、3.0質量%の量になるよう導入した。該容器内において110℃で高速混合撹拌して、マグネタイト粒子を表面処理した。
次に、下記に示す材料を用いて磁性キャリアコアを製造した。
フェノール :10.0質量部
ホルムアルデヒド溶液(37質量%水溶液) : 6.0質量部
表面処理したマグネタイト粒子 :84.0質量部
上記の材料と、28質量%アンモニア水5質量部、水25質量部をフラスコに入れ、混合しながら30分間で85℃まで昇温・保持し、3時間重合反応させて硬化させた。その後、30℃まで冷却し、更に水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗した後、風乾した。次いで、これを減圧下(5hPa以下)、60℃の温度で乾燥して、マグネタイト粒子がフェノール樹脂中に分散された磁性微粒子分散型の磁性キャリアコアを得た。得られた磁性キャリアコアの体積基準の50%粒径(D50)は37.2μmであった。また、平均円形度は0.970であり、円形度0.900以下の磁性キャリアコアの割合は4.0個数%であった。
<樹脂組成物粒子の製造例1>
まず、撹拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに、溶剤としてメタノール100.0質量部及びメチルエチルケトン200.0質量部を仕込む。更に、メタクリル酸メチルモノマー400.0質量部、メタクリル酸シクロヘキシルモノマー100.0質量部と、重合開始剤としてアゾビスイソバレロニトリル3.0質量部とを仕込む。この状態で、撹拌、窒素導入下、65℃の条件下において12時間溶液重合反応行い、重合溶液を得た。
次に、撹拌機、リービッヒ冷却管、温度計を備えた4つ口のセパラブルフラスコにヘキサン交換水500質量部を仕込む。更に、該ヘキサン交換水に上記した重合溶液を100.0質量部仕込み、95℃下の条件下において10時間加熱撹拌しながら脱溶剤を行い、樹脂分散液を得た。得られた樹脂分散液を濾別して樹脂成分を得、樹脂成分は樹脂分を99.5%以上になるまで50℃で乾燥し、樹脂組成物粒子を得た。
得られた該樹脂組成物粒子を粉砕機にて微粉砕し、体積基準の50%粒径(D50)が8.1μm、10.1μm%以上が17.8体積%の微粉砕粒子を得た。
得られた微粉砕粒子を気流式分級機で分級することにより、体積基準の50%粒径(D50)が1.5μm、10.0μm以上が0.1体積%の樹脂組成物粒子1を得た。
尚、得られた樹脂組成物粒子1の重量平均分子量Mwは51000であり、含有される樹脂成分のガラス転移点(Tg)は98.0℃であった。
<樹脂組成物粒子の製造例2>
上記の微粉砕粒子を気流式分級機で分級することにより、体積基準の50%粒径(D50)が3.5μm、10.0μm以上が0.5体積%の樹脂組成物粒子2を得た。
<樹脂組成物粒子の製造例3>
上記の微粉砕粒子を気流式分級機で分級条件を変えて分級することにより、体積基準の50%粒径(D50)が4.5μm、10.0μm以上が1.5体積%の樹脂組成物粒子3を得た。
<樹脂組成物粒子の製造例4>
上記の微粉砕粒子を気流式分級機で分級条件を変えて分級することにより、体積基準の50%粒径(D50)が6.0μm、10.0μm以上が2.0体積%の樹脂組成物粒子4を得た。
<樹脂組成物粒子の製造例5>
上記の微粉砕粒子を気流式分級機で分級条件を変えて分級することにより、体積基準の50%粒径(D50)が6.5μm、10.0μm以上が5.0体積%の樹脂組成物粒子5を得た。
<樹脂組成物粒子の製造例6>
上記の微粉砕粒子を気流式分級機で分級条件を変えて分級することにより、体積基準の50%粒径(D50)が5.9μm、10.0μm以上が2.3体積%の樹脂組成物粒子6を得た。
<樹脂組成物粒子の製造例7>
まず、撹拌機、温度計、窒素導入管、滴下ロートおよび還流冷却管を備えた5リットルセバラブルフラスコに、イオン交換水2750質量部、ポリビニルアルコール1.0質量部、メタクリル酸メチル750質量部を仕込む。
次に、窒素気流下、撹拌しながら昇温し、過硫酸カリウム4.0質量部、チオ硫酸ナトリウム4.4質量部を投入して重合を開始させた。
重合が開始してから15分後、メタクリル酸7.5質量部、イオン交換水250質量部を15分で滴下し、その後反応温度を70℃に保持して、3時間反応させて重合を完結させた。
この重合体ラテックス100質量部に酢酸マグネシウム2.5質量部を添加した。得られた重合体ラテックスのpHは6.5であった。
得られた重合体ラテックスを400メッシュの金網で濾過した後、このラテックスをスプレードライヤーにて乾燥し、更にジェットミルにて解砕して、体積基準の50%粒径(D50)が0.9μm、10.0μm%以上が0.0体積%の樹脂組成物粒子7を得た。
<樹脂組成物粒子の製造例8>
上記により得られた重合体ラテックスを400メッシュの金網で濾過した後、このラテックスをスプレードライヤーにて乾燥した。
更にジェットミルにて解砕して、体積基準の50%粒径(D50)が0.2μm、10.0μm以上が0.0体積%の樹脂組成物粒子8を得た。
<樹脂組成物粒子の製造例9>
上記により得られた重合体ラテックスを400メッシュの金網で濾過した後、このラテックスをスプレードライヤーにて乾燥した。
更にジェットミルにて解砕して、体積基準の50%粒径(D50)が0.1μm、10.0μm以上が0.0体積%の樹脂組成物粒子9を得た。
<トナーの製造例>
下記に示す材料及び製法を用いてトナーを製造した。
ポリエステル樹脂(ピーク分子量Mp6500,Tg65℃) :100.0質量部
C.I.ピグメントブルー15:3 : 5.0質量部
パラフィンワックス(融点75℃) : 5.0質量部
3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 : 0.5質量部
上記の材料をヘンシェルミキサーで混合した後、二軸式押出機にて溶融混練した。得られた混練物を冷却し、粗粉砕機にて1mm以下に粗粉砕し粗砕物を得た。得られた粗砕物を、粉砕機を用いて微粉砕した後、風力分級機により分級し、トナー粒子を得た。
得られたトナー粒子の体積基準の50%粒径(D50)は6.5μmであった。
得られたトナー粒子100.0質量部に対して、下記の材料を加えて、ヘンシェルミキサーを用いて外添し、トナーを製造した。
アナターゼ型酸化チタン微粉末:1.0質量部
(BET比表面積80m2/g、イソブチルトリメトキシシラン12質量%処理)
オイル処理シリカ:1.5質量部
(BET比表面積95m2/g、シリコーンオイル15質量%処理)
球状シリカ:1.5質量部
(ヘキサメチルジシラザン処理、BET比表面積24m2/g、個数平均粒径:0.1μm)
〔実施例1〕
本実施例においては、本体ケーシング1の内径が130mm、該駆動部8の定格動力が5.5kWの装置を用いて被覆処理を行った。
更に、該本体ケーシング1内周面と該撹拌部材との最小間隙の空間容積Bを2.7×10-4m3とし、該撹拌部材3の最大幅Dを25.0mmとし、下記に示した材料及び製法を用いて磁性キャリアを製造した。
本実施例においては、処理物である該磁性キャリアコア及び該樹脂組成物粒子の容積Aを5.7×10-4m3とし、該本体ケーシング1内周面と該撹拌部材との最小間隙の空間容積Bとの関係であるA/Bを2.1とした。
また、該回転体2を構成している該ローター18の長さを調整することで、該撹拌部材3aと該撹拌部材3bの該重なり幅Cを4.3mmとし、該撹拌部材3の幅Dとの関係であるC/Dを0.17とした。
上記した装置構成で、該磁性キャリアコア粒子100.0質量部に対して、該樹脂組成物粒子1を1.5質量部加え被覆処理を行った。
また、被覆処理の際、被覆処理を最も効率的に行うために、処理時間を10分間とし、該駆動部8動力を3.5kWで一定となるよう、該撹拌部材3の最外端部周速を11m/secに調整した。
得られた磁性キャリアを磁力選鉱し、直径500mm、目開き75μmのスクリーンを設置した円形振動篩機で残留樹脂組成物粒子を分離し、磁性キャリアを得た。
得られた磁性キャリアは、平均円形度が0.975であり、円形度0.900以下の磁性キャリアの割合が0.2個数%であり、磁性キャリア中の残留樹脂組成物粒子が0.5体積%であった。
得られた磁性キャリア以下の基準で評価した。評価結果を表4に示す。
[磁性キャリアの表面状態の評価]
得られた磁性キャリアを電子顕微鏡(SEM)を用い、一視野に磁性キャリアの全体が入るよう、倍率2,000倍で観察した。この観察を15回行い、以下の基準で磁性キャリアの表面状態を評価した。尚、評価C以上が本発明における実用レベルである。本実施例においては、図3に示すように、該樹脂組成物粒子の被覆層に粒子界面が存在せず、該磁性キャリアコアの表面に該樹脂組成物粒子が均一に被覆処理されていることが確認できた。
A:非常に良好。 粒子界面が存在する磁性キャリアが0個。
B:良好。 粒子界面が存在する磁性キャリアが3個。
C:実用上問題ない。 粒子界面が存在する磁性キャリアが5個。
D:やや悪い。 粒子界面が存在する磁性キャリアが7個。
E:悪い。 粒子界面が存在する磁性キャリアが10個以上。
[画像濃度の変化率]
得られた磁性キャリア90.0質量部に対し、上記のトナーを10.0質量部加え、V型混合機にて混合し二成分現像剤とした。得られた二成分現像剤を、キヤノン製フルカラー複写機IRC3220Nを用いて、下記の条件で評価した。
評価は、まず初期評価として、30℃、80%RHの環境下、感光体上のトナーの現像量が0.6g/cm2となるように現像バイアスを調整し、画像を出力した。
次に、初期評価と同様に、印字比率1%の画像にて、トナー濃度が一定となるよう定量補給し、1万枚(10k)画像出力を行い、10k耐久後の画像濃度を測定した。
画像濃度は、ベタ画像を出力し、濃度計X−Rite500型により濃度測定を行い、6点の平均値をとって画像濃度とした。初期画像濃度をD1とし、10k耐久後の画像濃度をD10としたときの画像濃度変化率D10/D1を算出して以下の基準で判断した。
尚、評価C以上が本発明における実用レベルである。
A:非常に良好。 画像濃度変化率D10/D1が95%以上。
B:良好。 画像濃度変化率D10/D1が85%以上、95%未満。
C:実用上問題ない。 画像濃度変化率D10/D1が75%以上、85%未満。
D:やや悪い。 画像濃度変化率D10/D1が65%以上、75%未満。
E:悪い。 画像濃度変化率D10/D1が65%未満。
[感光体上Q/M(mC/kg)の維持性]
評価は、まず初期評価として、30℃、80%RHの環境下、感光体上のトナーの載り量が0.6g/cm2となった時点で、感光体上のトナーを、金属円筒管と円筒フィルターにより吸引捕集した。
その際、金属円筒管を通じてコンデンサーに蓄えられた電荷量Q及び捕集されたトナー質量Mとを測定し、それより単位質量当たりの電荷量Q/M(mC/kg)を計算し、感光体上Q/M(mC/kg)とした。
上記の初期の感光体上Q/Mを100%とし、続いて30℃、80%RHの環境下、印字比率40%の画像にて1万枚(10k)耐久し、10k耐久後の感光体上Q/Mの維持率を算出して以下の基準で判断した。
尚、評価C以上が本発明における実用レベルである。
A:非常に良好。 感光体上Q/M維持率が90%以上。
B:良好。 感光体上Q/M維持率が80%以上、90%未満。
C:実用上問題ない。 感光体上Q/M維持率が70%以上、80%未満。
D:やや悪い。 感光体上Q/M維持率が60%以上、70%未満。
E:悪い。 感光体上Q/M維持率が60%未満。
[リーク]
評価は、30℃、80%RHの環境下、感光体上のトナーの載り量が0.4g/cm2となった時点の感光体上のトナー層と、出力したベタ画像を目視により評価し、以下の基準で判断した。
尚、リークは磁性キャリア表面でのトナー被覆率が低下した時に、現像担持体から磁性キャリアを介して感光体表面に電荷が移動する現象のことをいう。
該リーク現象が発生すると潜像の電位が現像電位に収束し、現像されなくなる。その結果、感光体上のトナー層にリーク跡(トナー層が抜けて感光体が見える箇所)が発生したり、リークが顕著な場合にはベタ画像にもリーク跡(白く抜ける箇所)が発生したりする。
評価C以上が本発明における実用レベルである。
A:非常に良好。 感光体上のトナー層にリーク跡が見られない。
B:良好。 感光体上のトナー層に若干のリーク跡が見られる。
C:実用上問題ない。 感光体上にはリーク跡はあるが、ベタ画像には見られない。
D:やや悪い。 ベタ画像にも若干リーク跡が見られる。
E:悪い。 ベタ画像一面に多数のリーク跡が見られる。
[放置後Q/M(mC/kg)の維持性]
評価は、23℃、50%RHの環境下、印字比率30%の画像にて1万枚(10k)耐久し、現像性の評価を行った。
その後、現像器を機外に取り外し、40℃、90%RHの環境下に72時間放置後、再度現像器を機内に装着し、感光体上の単位質量当たりの電荷量Q/Mを測定した。
1万枚(10k)耐久後の画像評価時の感光体上Q/Mを100%とし、72時間放置後の感光体上Q/Mの維持率を算出して以下の基準で判断した。
尚、評価C以上が本発明における実用レベルである。
A:非常に良好。 感光体上Q/M維持率が90%以上。
B:良好。 感光体上Q/M維持率が80%以上、90%未満。
C:実用上問題ない。 感光体上Q/M維持率が70%以上、80%未満。
D:やや悪い。 感光体上Q/M維持率が60%以上、70%未満。
E:悪い。 感光体上Q/M維持率が60%未満。
〔実施例2〕
本実施例においては、処理物である該磁性キャリアコア及び該樹脂組成物粒子の容積Aと、該本体ケーシング1内周面と該撹拌部材との最小間隙の空間容積Bとの関係であるA/Bを実施例1と同様とし、該回転体2を構成している該ローター18の長さを調整することで、該撹拌部材3aと該撹拌部材3bの該重なり幅Cを12.5mmとし、該撹拌部材3の最大幅Dとの関係であるC/Dを0.50とした。
上記した装置構成で、該磁性キャリアコア100.0質量部に対して、該樹脂組成物粒子1を1.5質量部加え被覆処理を行った。
また、被覆処理の際、被覆処理を最も効率的に行うために、処理時間を10分間とし、該駆動部8動力を3.5kWで一定となるよう、該撹拌部材3の最外端部周速を7m/secに調整した。
得られた磁性キャリアを磁力選鉱し、直径500mm、目開き75μmのスクリーンを設置した円形振動篩機で残留樹脂組成物粒子を分離し、磁性キャリアを得た。得られた磁性キャリアを実施例1と同様に評価した。評価結果を表4に示す。
〔実施例3〕
本実施例においては、処理物である該磁性キャリアコア及び該樹脂組成物粒子の容積Aと、該本体ケーシング1内周面と該撹拌部材との最小間隙の空間容積Bとの関係であるA/Bを実施例1と同様とし、該回転体2を構成している該ローター18の長さを調整することで、該撹拌部材3aと該撹拌部材3bの該重なり幅Cを1.3mmとし、該撹拌部材3の幅Dとの関係であるC/Dを0.05とした。
上記した装置構成で、該磁性キャリアコア100.0質量部に対して、該樹脂組成物粒子1を1.5質量部加え被覆処理を行った。
また、被覆処理の際、被覆処理を最も効率的に行うために、処理時間を10分間とし、該駆動部8動力を3.5kWで一定となるよう、該撹拌部材3の最外端部周速を19m/secに調整した。
得られた磁性キャリアを磁力選鉱し、直径500mm、目開き75μmのスクリーンを設置した円形振動篩機で残留樹脂組成物粒子を分離し、磁性キャリアを得た。得られた磁性キャリアを実施例1と同様に評価した。評価結果を表4に示す。
〔実施例4〕
本実施例においては、処理物である該磁性キャリアコア及び該樹脂組成物粒子の容積Aと、該本体ケーシング1内周面と該撹拌部材との最小間隙の空間容積Bとの関係であるA/B、該撹拌部材3aと該撹拌部材3bの該重なり幅Cと、該撹拌部材3の幅Dとの関係であるC/Dを実施例1と同様とした。
上記した装置構成で、該磁性キャリアコア100.0質量部に対して、該樹脂組成物粒子2を1.5質量部加え被覆処理を行った。
また、被覆処理の際、被覆処理を最も効率的に行うために、処理時間を10分間とし、該駆動部8動力を3.5kWで一定となるよう、該撹拌部材3の最外端部周速を11m/secに調整した。
得られた磁性キャリアを磁力選鉱し、直径500mm、目開き75μmのスクリーンを設置した円形振動篩機で残留樹脂組成物粒子を分離し、磁性キャリアを得た。得られた磁性キャリアを実施例1と同様に評価した。評価結果を表4に示す。
〔実施例5〕
本実施例においては、処理物である該磁性キャリアコア及び該樹脂組成物粒子の容積Aと、該本体ケーシング1内周面と該撹拌部材との最小間隙の空間容積Bとの関係であるA/B、該撹拌部材3aと該撹拌部材3bの該重なり幅Cと、該撹拌部材3の幅Dとの関係であるC/Dを実施例1と同様とした。
上記した装置構成で、該磁性キャリアコア100.0質量部に対して、該樹脂組成物粒子3を1.5質量部加え被覆処理を行った。
また、被覆処理の際、被覆処理を最も効率的に行うために、処理時間を10分間とし、該駆動部8動力を3.5kWで一定となるよう、該撹拌部材3の最外端部周速を11m/secに調整した。
得られた磁性キャリアを磁力選鉱し、直径500mm、目開き75μmのスクリーンを設置した円形振動篩機で残留樹脂組成物粒子を分離し、磁性キャリアを得た。得られた磁性キャリアを実施例1と同様に評価した。評価結果を表4に示す。
〔実施例6〕
本実施例においては、処理物である該磁性キャリアコア及び該樹脂組成物粒子の容積Aと、該本体ケーシング1内周面と該撹拌部材との最小間隙の空間容積Bとの関係であるA/B、該撹拌部材3aと該撹拌部材3bの該重なり幅Cと、該撹拌部材3の幅Dとの関係であるC/Dを実施例1と同様とした。
上記した装置構成で、該磁性キャリアコア100.0質量部に対して、該樹脂組成物粒子4を1.5質量部加え被覆処理を行った。
また、被覆処理の際、被覆処理を最も効率的に行うために、処理時間を10分間とし、該駆動部8動力を3.5kWで一定となるよう、該撹拌部材3の最外端部周速を11m/secに調整した。
得られた磁性キャリアを磁力選鉱し、直径500mm、目開き75μmのスクリーンを設置した円形振動篩機で残留樹脂組成物粒子を分離し、磁性キャリアを得た。得られた磁性キャリアを実施例1と同様に評価した。評価結果を表4に示す。
〔実施例7〕
本実施例においては、処理物である該磁性キャリアコア及び該樹脂組成物粒子の容積Aと、該本体ケーシング1内周面と該撹拌部材との最小間隙の空間容積Bとの関係であるA/B、該撹拌部材3aと該撹拌部材3bの該重なり幅Cと、該撹拌部材3の幅Dとの関係であるC/Dを実施例1と同様とした。
上記した装置構成で、該磁性キャリアコア100.0質量部に対して、該樹脂組成物粒子7を1.5質量部加え被覆処理を行った。
また、被覆処理の際、被覆処理を最も効率的に行うために、処理時間を10分間とし、該駆動部8動力を3.5kWで一定となるよう、該撹拌部材3の最外端部周速を11m/secに調整した。
得られた磁性キャリアを磁力選鉱し、直径500mm、目開き75μmのスクリーンを設置した円形振動篩機で残留樹脂組成物粒子を分離し、磁性キャリアを得た。得られた磁性キャリアを実施例1と同様に評価した。評価結果を表4に示す。
〔実施例8〕
本実施例においては、処理物である該磁性キャリアコア及び該樹脂組成物粒子の容積Aと、該本体ケーシング1内周面と該撹拌部材との最小間隙の空間容積Bとの関係であるA/B、該撹拌部材3aと該撹拌部材3bの該重なり幅Cと、該撹拌部材3の幅Dとの関係であるC/Dを実施例1と同様とした。
上記した装置構成で、該磁性キャリアコア100.0質量部に対して、該樹脂組成物粒子8を1.5質量部加え被覆処理を行った。
また、被覆処理の際、被覆処理を最も効率的に行うために、処理時間を10分間とし、該駆動部8動力を3.5kWで一定となるよう、該撹拌部材3の最外端部周速を11m/secに調整した。
得られた磁性キャリアを磁力選鉱し、直径500mm、目開き75μmのスクリーンを設置した円形振動篩機で残留樹脂組成物粒子を分離し、磁性キャリアを得た。得られた磁性キャリアを実施例1と同様に評価した。評価結果を表4に示す。
〔実施例9〕
本実施例においては、処理物である該磁性キャリアコア及び該樹脂組成物粒子の容積Aと、該本体ケーシング1内周面と該撹拌部材との最小間隙の空間容積Bとの関係であるA/Bを実施例1と同様とし、、該撹拌部材3aと該撹拌部材3bの該重なり幅Cを15.0mmとし、該撹拌部材3の幅Dとの関係であるC/Dを0.60とした。
上記した装置構成で、該磁性キャリアコア100.0質量部に対して、該樹脂組成物粒子1を1.5質量部加え被覆処理を行った。
また、被覆処理の際、被覆処理を最も効率的に行うために、処理時間を10分間とし、該駆動部8動力を3.5kWで一定となるよう、該撹拌部材3の最外端部周速を7m/secに調整した。
得られた磁性キャリアを磁力選鉱し、直径500mm、目開き75μmのスクリーンを設置した円形振動篩機で残留樹脂組成物粒子を分離し、磁性キャリアを得た。得られた磁性キャリアを実施例1と同様に評価した。評価結果を表4に示す。
〔実施例10〕
本実施例においては、処理物である該磁性キャリアコア及び該樹脂組成物粒子の容積Aと、該本体ケーシング1内周面と該撹拌部材との最小間隙の空間容積Bとの関係であるA/Bを実施例1と同様とし、該回転体2を構成している該ローター18の長さを調整することで、該撹拌部材3aと該撹拌部材3bの該重なり幅Cを1.0mmとし、該撹拌部材3の幅Dとの関係であるC/Dを0.04とした。
上記した装置構成で、該磁性キャリアコア100.0質量部に対して、該樹脂組成物粒子1を1.5質量部加え被覆処理を行った。
また、被覆処理の際、被覆処理を最も効率的に行うために、処理時間を10分間とし、該駆動部8動力を3.5kWで一定となるよう、該撹拌部材3の最外端部周速を19m/secに調整した。
得られた磁性キャリアを磁力選鉱し、直径500mm、目開き75μmのスクリーンを設置した円形振動篩機で残留樹脂組成物粒子を分離し、磁性キャリアを得た。得られた磁性キャリアを実施例1と同様に評価した。評価結果を表4に示す。
〔実施例11〕
本実施例においては、処理物である該磁性キャリアコア及び該樹脂組成物粒子の容積Aと、該本体ケーシング1内周面と該撹拌部材との最小間隙の空間容積Bとの関係であるA/Bを1.1とし、該撹拌部材3aと該撹拌部材3bの該重なり幅Cと、該撹拌部材3の幅Dとの関係であるC/Dを実施例10と同様とした。
上記した装置構成で、該磁性キャリアコア100.0質量部に対して、該樹脂組成物粒子1を1.5質量部加え被覆処理を行った。
また、被覆処理の際、被覆処理を最も効率的に行うために、処理時間を10分間とし、該駆動部8動力を3.5kWで一定となるよう、該撹拌部材3の最外端部周速を19m/secに調整した。
得られた磁性キャリアを磁力選鉱し、直径500mm、目開き75μmのスクリーンを設置した円形振動篩機で残留樹脂組成物粒子を分離し、磁性キャリアを得た。得られた磁性キャリアを実施例1と同様に評価した。評価結果を表4に示す。
〔実施例12〕
本実施例においては、処理物である該磁性キャリアコア及び該樹脂組成物粒子の容積Aと、該本体ケーシング1内周面と該撹拌部材との最小間隙の空間容積Bとの関係であるA/Bを4.0とし該撹拌部材3aと該撹拌部材3bの該重なり幅Cと、該撹拌部材3の幅Dとの関係であるC/Dを実施例10と同様とした。
上記した装置構成で、該磁性キャリアコア100.0質量部に対して、該樹脂組成物粒子1を1.5質量部加え被覆処理を行った。
また、被覆処理の際、被覆処理を最も効率的に行うために、処理時間を10分間とし、該駆動部8動力を3.5kWで一定となるよう、該撹拌部材3の最外端部周速を7m/secに調整した。
得られた磁性キャリアを磁力選鉱し、直径500mm、目開き75μmのスクリーンを設置した円形振動篩機で残留樹脂組成物粒子を分離し、磁性キャリアを得た。得られた磁性キャリアを実施例1と同様に評価した。評価結果を表4に示す。
〔実施例13〕
本実施例においては、図2に示す、処理物である該磁性キャリアコア及び該樹脂組成物粒子の容積Aと、該本体ケーシング1内周面と該撹拌部材との最小間隙の空間容積Bとの関係であるA/Bを4.2と、該撹拌部材3aと該撹拌部材3bの該重なり幅Cと、該撹拌部材3の幅Dとの関係であるC/Dを実施例10と同様とした。
上記した装置構成で、該磁性キャリアコア100.0質量部に対して、該樹脂組成物粒子1(D50:1.5μm、10.1μm以上:0.1%)を1.5質量部加え被覆処理を行った。
また、被覆処理の際、被覆処理を最も効率的に行うために、処理時間を10分間とし、該駆動部8動力を3.5kWで一定となるよう、該撹拌部材3の最外端部周速を7m/secに調整した。
得られた磁性キャリアを磁力選鉱し、直径500mm、目開き75μmのスクリーンを設置した円形振動篩機で残留樹脂組成物粒子を分離し、磁性キャリアを得た。得られた磁性キャリアを実施例1と同様に評価した。評価結果を表4に示す。
〔実施例14〕
本実施例においては、処理物である該磁性キャリアコア及び該樹脂組成物粒子の容積Aと、該本体ケーシング1内周面と該撹拌部材との最小間隙の空間容積Bとの関係であるA/Bを0.9とし、該撹拌部材3aと該撹拌部材3bの該重なり幅Cと、該撹拌部材3の幅Dとの関係であるC/Dを実施例10と同様とした。
上記した装置構成で、該磁性キャリアコア100.0質量部に対して、該樹脂組成物粒子1を1.5質量部加え被覆処理を行った。
また、被覆処理の際、被覆処理を最も効率的に行うために、処理時間を10分間とし、該駆動部8動力を3.5kWで一定となるよう、該撹拌部材3の最外端部周速を19m/secに調整した。
得られた磁性キャリアを磁力選鉱し、直径500mm、目開き75μmのスクリーンを設置した円形振動篩機で残留樹脂組成物粒子を分離し、磁性キャリアを得た。得られた磁性キャリアを実施例1と同様に評価した。評価結果を表4に示す。
〔実施例15〕
本実施例においては、処理物である該磁性キャリアコア及び該樹脂組成物粒子の容積Aと、該本体ケーシング1内周面と該撹拌部材との最小間隙の空間容積Bとの関係であるA/Bを実施例14と同様とし、該撹拌部材3aと該撹拌部材3bの該重なり幅Cと、該撹拌部材3の幅Dとの関係であるC/Dを実施例10と同様とした。
上記した装置構成で、該磁性キャリアコア100.0質量部に対して、該樹脂組成物粒子4を1.5質量部加え被覆処理を行った。
また、被覆処理の際、被覆処理を最も効率的に行うために、処理時間を10分間とし、該駆動部8動力を3.5kWで一定となるよう、該撹拌部材3の最外端部周速を19m/secに調整した。
得られた磁性キャリアを磁力選鉱し、直径500mm、目開き75μmのスクリーンを設置した円形振動篩機で残留樹脂組成物粒子を分離し、磁性キャリアを得た。得られた磁性キャリアを実施例1と同様に評価した。評価結果を表4に示す。
〔実施例16〕
本実施例においては、処理物である該磁性キャリアコア及び該樹脂組成物粒子の容積Aと、該本体ケーシング1内周面と該撹拌部材との最小間隙の空間容積Bとの関係であるA/Bを実施例14と同様とし、該撹拌部材3aと該撹拌部材3bの該重なり幅Cと、該撹拌部材3の幅Dとの関係であるC/Dを実施例10と同様とした。。
上記した装置構成で、該磁性キャリアコア100.0質量部に対して、該樹脂組成物粒子8を1.5質量部加え被覆処理を行った。
また、被覆処理の際、被覆処理を最も効率的に行うために、処理時間を10分間とし、該駆動部8動力を3.5kWで一定となるよう、該撹拌部材3の最外端部周速を19m/secに調整した。
得られた磁性キャリアを磁力選鉱し、直径500mm、目開き75μmのスクリーンを設置した円形振動篩機で残留樹脂組成物粒子を分離し、磁性キャリアを得た。得られた磁性キャリアを実施例1と同様に評価した。評価結果を表4に示す。
〔比較例1〕
本比較例においては、被覆装置として、高速撹拌混合機(深江パウテック社製ハイフレックスグラルLFS−GS−2J型)を用いて被覆処理を行った。
被覆処理条件として、該磁性キャリアコア100.0質量部に対し、該樹脂組成物粒子1を1.5質量部加えた。
次に、処理物を投入した後、高速撹拌混合機本体ケーシング外側に設置されたジャケットに熱媒体としてオイルを流し、本体ケーシング内が108℃となるよう加温し、撹拌部材の最外端部周速11m/secで10分間撹拌した。
得られた磁性キャリアを磁力選鉱し、直径500mm、目開き75μmのスクリーンを設置した円形振動篩機で残留樹脂組成物粒子を分離し、磁性キャリアを得た。
得られた磁性キャリアは、平均円形度が0.941であり、円形度0.900以下の磁性キャリアの割合が18.8個数%であり、磁性キャリア中の残留樹脂組成物粒子が14.3体積%であった。得られた磁性キャリアを実施例1と同様に評価を行った。評価結果を表5に示す。
〔比較例2〕
本比較例においては、処理物である該磁性キャリアコア及び該樹脂組成物粒子の容積Aと、該本体ケーシング1内周面と該撹拌部材との最小間隙の空間容積Bとの関係であるA/Bを実施例14と同様とし、該撹拌部材3aと該撹拌部材3bの該重なり幅Cと、該撹拌部材3の幅Dとの関係であるC/Dを実施例10と同様とした。
上記した装置構成で、該磁性キャリアコア100.0質量部に対して、該樹脂組成物粒子5を1.5質量部加え被覆処理を行った。
また、被覆処理の際、被覆処理を最も効率的に行うために、処理時間を10分間とし、該駆動部8動力を3.5kWで一定となるよう、該撹拌部材3の最外端部周速を19m/secに調整した。
得られた磁性キャリアを磁力選鉱し、直径500mm、目開き75μmのスクリーンを設置した円形振動篩機で残留樹脂組成物粒子を分離し、磁性キャリアを得た。得られた磁性キャリアを実施例1と同様に評価した。評価結果を表5に示す。
〔比較例3〕
本比較例においては、図2に示す、処理物である該磁性キャリアコア及び該樹脂組成物粒子の容積Aと、該本体ケーシング1内周面と該撹拌部材との最小間隙の空間容積Bとの関係であるA/Bを実施例14と同様とし、該撹拌部材3aと該撹拌部材3bの該重なり幅Cと、該撹拌部材3の幅Dとの関係であるC/Dを実施例10と同様とした。
上記した装置構成で、該磁性キャリアコア100.0質量部に対して、該樹脂組成物粒子6を1.5質量部加え被覆処理を行った。
また、被覆処理の際、被覆処理を最も効率的に行うために、処理時間を10分間とし、該駆動部8動力を3.5kWで一定となるよう、該撹拌部材3の最外端部周速を19m/secに調整した。
得られた磁性キャリアを磁力選鉱し、直径500mm、目開き75μmのスクリーンを設置した円形振動篩機で残留樹脂組成物粒子を分離し、磁性キャリアを得た。得られた磁性キャリアを実施例1と同様に評価した。評価結果を表5に示す。
〔比較例4〕
本比較例においては、図2に示す、処理物である該磁性キャリアコア及び該樹脂組成物粒子の容積Aと、該本体ケーシング1内周面と該撹拌部材との最小間隙の空間容積Bとの関係であるA/Bを実施例14と同様とし、該撹拌部材3aと該撹拌部材3bの該重なり幅Cと、該撹拌部材3の幅Dとの関係であるC/Dを実施例10と同様とした。
上記した装置構成で、該磁性キャリアコア100.0質量部に対して、該樹脂組成物粒子9を1.5質量部加え被覆処理を行った。
また、被覆処理の際、被覆処理を最も効率的に行うために、処理時間を10分間とし、該駆動部8動力を3.5kWで一定となるよう、該撹拌部材3の最外端部周速を19m/secに調整した。
得られた磁性キャリアを磁力選鉱し、直径500mm、目開き75μmのスクリーンを設置した円形振動篩機で残留樹脂組成物粒子を分離し、磁性キャリアを得た。得られた磁性キャリアを実施例1と同様に評価した。評価結果を表5に示す。