JP2011002388A - シートコイル型レゾルバ - Google Patents

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Abstract

【課題】ステータ側に配置された励磁コイルまたは検出コイルを構成するsin相およびcos相のコイルパターンと、ロータ側に配置された検出相または励磁相を構成するコイルパターンとの距離の違いに起因する検出角度の精度の低下を抑える。
【解決手段】ステータ側に2相の検出コイルが形成されたシートコイル型レゾルバにおいて、sin相のコイルとcos相のコイルとを同一面上に周方向において交互に一つ置きに配置する。ロータ側の励磁コイルとステータ側のsin相のコイルとの間の距離と、ロータ側の励磁コイルとステータ側のcos相のコイルとの間の距離とが同じとなるので、sin相出力とcos相出力との振幅の差が解消され、検出角度の精度が向上する。
【選択図】図5

Description

本発明は、導体をシートコイルによって構成したレゾルバに関する。
従来のシートコイル型レゾルバとしては、極対数Xの各1極分の角度が電気角で180°となるように平面状シートコイルによって形成した1相からなる励磁相コイルと、励磁相コイルに空隙を介して対向する平面状シートコイルによって形成した互いに電気角で90°の位相差を持つα相およびβ相コイルの2相からなる検出相コイルとを備えた構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載されているシートコイル型レゾルバの検出相コイルは、絶縁シートの一方の面にα相のコイルパターンが形成され、他方の面にβ相のコイルパターンが形成された構成とされている。
特開平8−84449号公報
しかしながら、特許文献1に記載されているように、α相コイルパターンとβ相コイルパターンとが絶縁シートの両方の面のそれぞれに設けられていると、励磁相に対するα相コイルパターンの距離とβ相コイルパターンの距離が異なるため、α相とβ相とで出力レベルに距離の違いによる差が生じる。この差は、検出角度精度の低下の要因となる。
このような背景において、本発明は、ステータ側に配置された励磁コイルまたは検出コイルを構成するsin相およびcos相のコイルパターンと、ロータ側に配置された検出相または励磁相を構成するコイルパターンとの距離の違いに起因する検出角度の精度の低下を抑えることができるシートコイル型レゾルバを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、平面形状を有する複数のステータコイルパターンが同一面上の円周上に配置された構造を有するレゾルバステータコイル部と、前記レゾルバステータコイル部に対して軸方向において隙間を有した状態で対向して配置されたレゾルバロータコイル部とを有し、前記レゾルバステータコイル部における前記複数のステータコイルパターンは、電気角で90°の位相差を持つ2相のコイル群を構成していることを特徴とするシートコイル型レゾルバである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記複数のステータコイルパターンは、前記円周上において、第1の相に含まれるステータコイルパターンと第2の相に含まれるステータコイルパターンとが一つ置きに交互に配置されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、 前記レゾルバステータコイル部は、隣り合う前記ステータコイルパターン同士が、レゾルバの軸倍角nX(nは1以上の任意の整数)に対して、機械角で(90/(m×n))°(nは軸倍角数、mは1以上の任意の整数)の間隔で前記円周上に配置されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の発明において、 前記レゾルバロータコイル部は、平面形状を有する複数のロータコイルパターンにより構成され、前記複数のロータコイルパターンは、前記ステータコイルパターンの隣接する一対に対応する大きさを有し、前記複数のロータコイルパターンは、円周上において直列接続されることで1相のコイル群を構成していることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の発明において、 前記レゾルバステータコイル部は、複数のステータコイルパターン層を有し、前記2相のコイル群のそれぞれを構成する複数のステータコイルパターンは、前記複数のステータコイルパターン層のそれぞれに形成されると共に層間で接続されており、前記複数のステータコイルパターン層のそれぞれにおいて、前記2相のコイル群のそれぞれを構成する複数のステータコイルパターンの数が同じであることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の発明において、前記レゾルバロータコイル部は、複数のロータコイルパターン層を有し、前記複数のロータコイルパターンは、前記複数のロータコイルパターン層の各層に形成されると共に層間で接続されていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の発明において、前記レゾルバロータコイル部により励磁相が構成され、前記レゾルバステータコイル部により検出相が構成されることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の発明において、前記レゾルバステータコイル部により励磁相が構成され、前記レゾルバロータコイル部により検出相が構成されることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の発明において、 前記2相のコイル群のそれぞれは、円周上に複数配置されたステータコイルパターンを一つ置きに直列に接続することで構成されたsin相およびcos相のコイル群であり、隣り合う前記ステータコイルパターン同士は、機械角で22.5°の間隔で円周上に配置され、軸倍角が4Xであることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、ステータ側に配置される2相のコイルが同一平面上(同一平面内)に形成されるので、これらステータ側の2相のコイルのそれぞれと、ロータ側のコイルとの距離が同じとなる。すなわち、ステータ側の第1の相のコイルとロータ側のコイルとの距離を第1の距離とし、ステータ側の第2の相のコイルとロータ側のコイルとの距離を第2の距離とした場合における第1の距離と第2の距離とを同じにすることができる。各相の出力の大きさは、第1の距離と第2の距離の影響を大きく受けるので、第1の距離と第2の距離とを同じにすることで、2相の出力レベルを揃えることができる。すなわち、ステータ側に配置された励磁コイルまたは検出コイルを構成するsin相およびcos相のコイルパターンと、ロータ側に配置された検出相または励磁相を構成するコイルパターンとの距離の違いに起因する検出角度の精度の低下を抑えることができる。
請求項2に記載の発明によれば、2相のコイルパターンが円周上で交互に配置されるので、構造がシンプルであり、またR/Dコンバータにおける処理が行い易いきれいな出力波形を得ることができる。
請求項3に記載の発明によれば、90°の位相差を有する2相の出力が得られる任意の軸倍角を有するシートコイル型のレゾルバが得られる。
請求項4に記載の発明によれば、励磁相のコイルに対する検出相のコイルの対応関係が明確となり、R/Dコンバータにおける処理が行い易いきれいな出力波形を得ることができる。また、コイルの配置スペースを無駄なく合理的に利用することができる。
請求項5に記載の発明によれば、ステータ側のコイルを多層に配置することで、スペースを有効利用することができ、また磁束の生成に寄与しない引き回し配線を減らすことができる。また、軸方向で複数のコイルが重ねられるので、角度検出の感度と精度をより高めることができる。また、各層における2相のステータコイルパターンの数をそれぞれ同じにすることで、ステータ側コイルを多層構造としても、全体として見た場合に、ステータ側のsin相コイルとロータ側のコイルとの間の距離と、ステータ側のcos相コイルとロータ側のコイルとの間の距離との差が生じない構造にできる。
請求項6に記載の発明によれば、ロータ側のコイルを多層に配置することで、無駄な配線を減らし、また角度検出の感度と精度をより高めることができる。
請求項7に記載の発明によれば、ロータ側に励磁相が形成され、ステータ側に検出相が形成された1相入力―2相出力のシートコイル型レゾルバが得られる。
請求項8に記載の発明によれば、ロータ側に検出相が形成され、ステータ側に励磁相が形成された2相入力―1相出力のシートコイル型レゾルバが得られる。
請求項9に記載の発明によれば、sin相出力とcos相出力とが得られる軸倍角が4Xのシートコイル型レゾルバが得られる。
実施形態のシートコイル型レゾルバを搭載したモータの断面図である。 図1のモータに搭載されたシートコイル型レゾルバの部分を拡大した断面図である。 実施形態のシートコイル型レゾルバの構成を示す分解斜視図である。 2層構成のレゾルバロータコイル部のコイルパターンの平面図(a)と(b)、断面図(c)である。 2層構成のレゾルバステータコイル部のコイルパターンの平面図(a)と(b)、断面図(c)である。 レゾルバコイル部の配線構成を1相入力−2相出力構成としたときの2相のレゾルバステータコイル部(sin相コイル、cos相コイル)の出力波形を示す比較サンプルの実測グラフ(a)と実施形態の実測グラフ(b)である。 レゾルバの配線構成を示した配線図であり、1相入力−2相出力の配線図(a)と、2相入力−1相出力の配線図(b)である。 1層構成のレゾルバロータコイル部のコイルパターンの平面図(a)と、レゾルバステータコイル部のコイルパターンの平面図(b)である。
(1) 第1の実施形態
(全体の構成)
図1は、本発明を利用したシートコイル型レゾルバを搭載したモータの概要を示す断面図である。図1には、モータ100が示されている。モータ100は、ACサーボモータであり、回転軸となるシャフト101を備えている。シャフト101はベアリング102および103によって支持されている。ベアリング102は、モータハウジング104に取り付けられ、ベアリング103は、モータハウジング104の上部に固定されたエンドキャップ108に取り付けられている。この構造により、シャフト101は、モータハウジング104に対して回転自在な状態で取り付けられている。またシャフト101には、複数の磁極に着磁された構造を有する永久磁石により構成されるモータロータ105が取り付けられている。
ラジアル方向においてモータロータ105に対向して、モータステータコア106が配置されている。モータステータコア106は、珪素鋼等の磁性材料により形成され、モータハウジング104に固定されている。モータステータコア106は、磁極の数に応じた突極を備えた構造を有し、複数の突極がモータロータ105を周囲から取り囲むようにして配置されている。このあたりは、通常のACサーボモータと同じであるので、詳しい説明は省略する。
モータステータコア106には、モータ巻線107が巻かれている。モータ巻線107の端部は、モータハウジング104外に引き出され(図示省略)、図示省略されたモータ駆動回路に接続されている。
モータ100は、上部にシートコイル型レゾルバ200が一体化されている。シートコイル型レゾルバ200は、ロータ部201とステータ部202とを備えている。ロータ部201は、シャフト101に固定され、ステータ部202は、エンドキャップ108(モータハウジング側)に固定されている。シャフト101がモータハウジング104に対して回転すると、ステータ部202に対して、ロータ部201が回転する。
(シートコイル型レゾルバの構造)
図2は、図1の符号Aの部分を拡大した断面図である。図3は、図1および図2に示すシートコイル型レゾルバを分解した状態を示す分解斜視図である。図2に示されるように、シートコイル型レゾルバ200は、ロータ部201とステータ部202を備えている。ロータ部201とステータ部202とは、隙間を有して軸方向に離間して配置されており、相対的に回転が可能な状態とされている。後述するが、シートコイル型レゾルバ200は、軸倍角nXにおけるn=4の構成を有している。
(ロータ部の構造)
ロータ部201は、中央に孔の開いた円盤形状(薄型のドーナツ構造)を有している。ロータ部201は、断面で見て凹型の窪みを有する円盤形状のロータヨーク211を備えている。ロータヨーク211は、中央に孔が形成され、そこをシャフト101(図1参照)が貫通した状態でシャフト101に固定されている。ロータヨーク211は、非磁性材料により構成され、その窪みの部分にロータコア212が取り付けられている。ロータコア212は磁性材料により構成され、図3に示すような中央に孔が形成された円盤形状(薄型のドーナツ型)を有している。
ロータコア212の下面(ロータヨーク211と反対側の面)には、絶縁シート213と214が固定されている。絶縁シート213と214は、それぞれ薄い円環形状(ドーナツ形状)に成形された樹脂性のシートである。ここで、ラジアル方向で見て、絶縁シート213は絶縁シート214の内側(シャフト101側)に配置されている。
絶縁シート213の一方の面(下面)にはロータトランスコイル215aが埋設され、他方の面(上面)にはロータトランスコイル215bが埋設されている。ロータトランスコイル215a、215bは、絶縁シート213の表面に形成されたプリント配線により構成され、シャフト101を軸中心とした渦巻き形状(図示省略)を有している。ロータトランスコイル215aと215bとは、同じ向きの磁束に対して同じ向きの誘導電流が流れるように直列接続(同位相接続)され、その巻線の両端は、後述するレゾルバロータコイルに接続されている。ロータトランスコイル215a、215bは、電磁誘導により後述するステータトランスコイルから励磁電流を伝達され、それを後述するレゾルバロータコイルに供給する役割を有している。
絶縁シート213のラジアル方向で見た外側において、ロータコア212には、絶縁シート214が取り付けられている。絶縁シート214も樹脂製のシートであり、その一方の面(図2の下面)にレゾルバロータコイル216が設けられ、他方の面(図2の上面)にレゾルバロータコイル217が設けられている。レゾルバロータコイル216、217は、プリント配線により構成され、図4に示すパターンを有している。この例では、レゾルバロータコイル216と217は、励磁コイルとして機能する。
以下、レゾルバロータコイル216、217について説明する。図4は、実施形態におけるレゾルバロータコイルの構造を示す軸方向(図2の下の方向)から見た平面図(a)、(b)と、側断面図(c)である。図4(a)には、第1層目(図2における下側)のレゾルバロータコイル216のパターンが示されている。また、図4(b)には、第2層目(図2における上側)のレゾルバロータコイル217が示されている。
図4に示すように、ロータコイルパターンとして各層に8個の渦巻き形状のコイルパターンが形成されている。すなわち、レゾルバロータコイル216は、レゾルバロータコイルパターン216a〜216hを備え、レゾルバロータコイル217は、レゾルバロータコイルパターン217a〜217hを備えている。
レゾルバロータコイルパターン216a〜216hは、同一平面上に形成され、隣接するコイルパターン同士は、軸方向から見て、機械角で45°(360°/8)ずれた位置関係とされている。この点は、レゾルバロータコイルパターン217a〜217hにおいても同じである。また、レゾルバロータコイルパターン216a〜216hは、図1の下の方向から見て、渦巻きの中心に向かって時計回り方向に渦を巻く形状を有し、レゾルバロータコイルパターン217a〜217hは、図1の下の方向から見て、渦巻きの中心に向かって反時計回り方向に渦を巻く形状を有している。
レゾルバロータコイル216と217は、相互に関係し、一体となってレゾルバのロータ側のコイルを構成している。この例では、レゾルバロータコイルパターン216aから口出線218が引き出され、レゾルバロータコイルパターン216hから口出線219が引き出され、この2本の口出線は、図2のロータトランスコイル215a、215bに接続されている。
以下、レゾルバロータコイルの接続構造について、励磁電流の流れに沿って説明する。励磁電流は交番電流であるが、ここでは説明を簡単にするために、口出線218に流れ込んだ励磁電流の流れに沿って説明する。
口出線218から流れ込んだ励磁電流は、レゾルバロータコイルパターン216aを時計回り方向に渦を巻くように内側に向かって流れ、絶縁シート214の表裏を導通させるスルーホール(例えば図4(c)の符号220)から2層目(裏面側)のレゾルバロータコイルパターン217aに至る。この電流は、レゾルバロータコイルパターン217aにおいて、渦巻きの中心から外側に向かって時計回り方向に渦を巻くように流れる。この電流の流れから分かるように、1層目のレゾルバロータコイルパターン216aが作る磁束と2層目のレゾルバロータコイルパターン217aが作る磁束は、同じ方向となり、磁束が増加する。つまり、コイルの位相で考えると、軸方向から見て重ねる位置にあるレゾルバロータコイルパターン216aとレゾルバロータコイルパターン217aとは同位相とされている(渦巻きの巻き方の向きは逆となる)。
レゾルバロータコイルパターン217a流れた電流は、レゾルバロータコイルパターン217bに流れ、そこで反時計回り方向に渦を巻くように渦巻きの中心に向かって流れる。この電流は、スルーホールから1層目のレゾルバロータコイルパターン216bに至り、そこで渦巻きの中心から外側に向かって反時計回り方向に渦を巻くように流れる。
レゾルバロータコイルパターン216aと216bに流れる電流を見れば分かるように、あるタイミングで見た隣接するレゾルバロータコイルパターン216a〜216hに流れる電流の向きは、逆回転方向であり、それらコイルが作る磁束は、向きが互いに逆となる。この点は、レゾルバロータコイルパターン217a〜217hにおいても同じである。
以上のようにして、レゾルバロータコイルパターン216a→217a→217b→216b→216c→217c→217d→216d→216e→217e→217f→216f→216g→217g→217h→216hと励磁電流が流れ、口出線219に至る。励磁電流は交番電流であるので、周期的に流れる向きが変わり、上記の場合と逆向きの流れとなった場合は、上記の逆の順序をたどって口出線219から218に向かって励磁電流が流れる。
この構成においては、レゾルバロータコイル216において、隣接するレゾルバロータコイルパターンが、裏面側のレゾルバロータコイルパターン介して、直列に接続されている。この点は、レゾルバロータコイルパターン217においても同じである。
以上がロータ部201の構造である。この構造によれば、シャフト101が回転すると、絶縁シート213に形成されたロータトランスコイル215aおよび215b(図2、3参照)、更に絶縁シート214に形成されたレゾルバロータコイル216および217(図3、4参照)がロータ部201と一体となってシャフト101と共に回転する。
(ステータ部の構造)
図2に示すようにステータ部202は、ステータヨーク231を備えている。ステータヨーク231は、非磁性材料により構成され、中央に孔が形成された円盤形状を有している。ステータヨーク231は、モータハウジング104と一体となったエンドキャップ108に固定されている。ステータヨーク231には、磁性材料により構成される中央に孔を有した円盤形状のステータコア232(図3参照)が固定されている。
ステータコア232には、絶縁シート233と234が固定されている。絶縁シート233と234は、薄い円環形状(ドーナツ形状)に成形された樹脂性のシートである。ここで、ラジアル方向で見て、絶縁シート233は絶縁シート234の内側(シャフト101側)に配置されている。
絶縁シート233の一方の面(図2の上面)にはステータトランスコイル235aが埋設され、他方の面(図2の下面)にはステータトランスコイル235bが埋設されている。ステータトランスコイル235a、235bは、絶縁シートの表面に形成されたプリント配線により構成され、シャフト101を軸中心とした渦巻き形状(図示省略)を有している。ステータトランスコイル235aと235bとは、同じ向きの磁束を生成する向きで直列に接続され、その巻線の両端は、図示省略する励磁電流を出力する駆動回路に接続されている。
ステータトランスコイル235a、235bとロータトランスコイル215a、215bとは磁気的に結合している。ステータトランスコイル235a、235bに励磁電流を流すと、ロータトランスコイル215a、215bに誘導電流が誘起され、それがレゾルバロータコイル216、217に励磁電流として供給される。
絶縁シート234の一方の面(図2の上面)にはレゾルバステータコイル236が設けられ、他方の面(図2の下面)にはレゾルバステータコイル237が設けられている。レゾルバステータコイル236、237は、プリント配線により構成され、図5に示すパターンを有している。この例では、レゾルバステータコイル236と237は、検出コイルとして機能する。
以下、レゾルバステータコイル236、237について説明する。図5は、実施形態におけるレゾルバステータコイルを軸方向(図2の上の方向)から見た平面図(a)、(b)と、側断面図(c)である。図5(a)には、第1層目(図2における上側の層)のレゾルバステータコイル236のパターンが示されている。また、図4(b)には、第2層目(図2における下側の層)のレゾルバステータコイル237が示されている。
図5に示すように、ステータコイルパターンとして各層に16個の渦巻き形状のコイルパターンが形成されている。すなわち、レゾルバステータコイル236は、レゾルバステータコイルパターン236a〜236pを備え、レゾルバステータコイル237は、レゾルバステータコイルパターン237a〜237pを備えている。レゾルバステータコイルパターン236a〜236pは同一面上に形成されている。この点は、レゾルバステータコイルパターン237a〜237pも同じである。
ここで、レゾルバステータコイルパターン236a、236c、236e、236g、236i、236k、236mおよび236oがsin相コイルであり、レゾルバステータコイルパターン236b、236d、236f、236h、236j、236l、236nおよび236pがcos相コイルである。また、レゾルバステータコイルパターン237a、237c、237e、237g、237i、237k、237mおよび237oがsin相コイルであり、レゾルバステータコイルパターン237b、237d、237f、237h、237j、237l、237nおよび237pがcos相コイルである。
レゾルバステータコイル236と237は、相互に関係し、一体となってレゾルバのステータ側のコイルを構成している。この例では、レゾルバステータコイルパターン236aと236oからsin相の出力信号を出力するためのsin相口出線238aと238bが引き出され、レゾルバステータコイルパターン236bと236pからcos相の出力信号を出力するためのcos相口出線239aと239bが引き出されている。これらsin相口出線238aと238b、cos相口出線239aと239bは、シートコイル型レゾルバ200から外部に引き出され(図示省略)、回転角を算出するR/Dコンバータ(図示省略)に接続されている。
以下、レゾルバステータコイルの接続構造について説明する。まず、sin相のコイル群の接続構造について説明する。口出線238aは、レゾルバステータコイルパターン236aの外周側に接続されている。レゾルバステータコイルパターン236aは、この接続点から内側に向かって反時計回り方向に回転する導体パターンが延長した構造とされている。
レゾルバステータコイルパターン236aの渦巻きの中心に至った導体パターンは、絶縁シート234の表裏を導通させるスルーホール(例えば図5(c)の符号240)から2層目のレゾルバステータコイルパターン237aに渦巻きの中心に至る。
レゾルバステータコイルパターン237aでは、渦巻きの中心から外側に向かって反時計回り方向に導体パターンが延長し、その最外周の導体パターンが隣接するレゾルバステータコイルパターン237bの外側を迂回してレゾルバステータコイルパターン237cに接続されている。この接続点からレゾルバステータコイルパターン237cは、内側に向かって時計回り方向に回転しながら渦巻き状に導体パターンが延長し、その中心からスルーホールを経て、1層目のレゾルバステータコイルパターン236cの中心に接続されている。
この接続点からレゾルバステータコイルパターン236cは、時計回り方向に回転する向きで渦巻状に外側に向かって導体パターンが延長し、その最外周側が、隣接するレゾルバステータコイルパターン236dの内側を迂回してレゾルバステータコイルパターン236eに接続されている。
この接続パターンが繰り返されることで、sin相口出線238a→レゾルバステータコイルパターン236a→237a→237c→236c→236e→237e→237g→236g→236i→237i→237k→236k→236m→237m→237o→236oとつながり、sin相口出線238bに至る。このレゾルバステータコイルパターンの組は、sin相の出力を得るためのsin相出力コイル群となる。
同じように、cos相口出線239aから、レゾルバステータコイルパターン236b→237b→237d→236d→236f→237f→237h→236h→236j→237j→237l→236l→236n→237n→237p→236p→cos相口出線239bと繋がっている。このレゾルバステータコイルパターンの組は、cos相の出力を得るためのcos相出力コイル群となる。
各相のコイルパターンは、同一面においてsin相同士およびcos相同士が隣接しておらず、同じ相のものは一つ置きに配置されている。そして、軸方向に重なる位置にsin相同士、およびcos相同士のコイルが位置し、それらはコイルの位相がそろっている(つまり、一対の口出線間に電流を流した際に同じ向きの磁束を生成する)。また、1つ置きに配置された同相のレゾルバステータコイルパターン同士は、コイルの巻き方が反転する(逆となる)関係にされている。
また、周方向において隣接するレゾルバステータコイルパターンの2つが、図4のレゾルバロータコイルパターンの一つに対応した大きさとされている。例えば、レゾルバステータコイルパターン236aと、それに周方向において隣接するレゾルバステータコイルパターン236bが形成された領域と重ねることが可能な部分にレゾルバロータコイルパターン216a(図4参照)が形成されている。
また、周方向において隣接するレゾルバステータコイルパターンは、機械角にして22.5°(360°/16)ずれた位置関係とされている。この例では、軸倍角nXはn=4であるので、隣接するsin相コイルとcos相コイルとの機械角は、(90/(m×n))°におけるm=1、n=4の場合である。すなわち、軸倍角nX=4Xで1周期に対応する機械角は、(360°/4)=90°であり、この90度の角度範囲において、電気角で90°の位相差(2π/4)を得るために、90°の機械角を更に4等分した22.5°の機械角の差を隣接するレゾルバステータコイルパターン(隣接するsin相出力コイルパターンとcos相出力コイルパターン)に与えている。
(動作)
図7は、レゾルバの配線構成を示した配線図であり、各コイルの関係を示す概念図である。ステータトランスコイル235a、235b(図2も参照)には、励磁のための交番電流が供給される。ステータトランスコイル235a、235bに励磁電流が供給されると、電磁誘導現象によりロータトランスコイル215a、215bに誘導電流が誘起され、それがレゾルバロータコイル216、217に供給される。この誘導電流を励磁電流として、レゾルバロータコイル216、217は、交番磁束を生成し、それがレゾルバステータコイル236、237に電磁誘導の原理により検出される。
レゾルバロータコイル216、217から生成される交番磁束は、レゾルバステータコイル236、237の2群に分けられた2相のコイル群(sin相コイル群とcos相コイル群)のそれぞれに、90°位相がずれた誘導電圧を生じさせる。すなわち、レゾルバロータコイル216、217が生成する交番磁束により、まずレゾルバステータコイルパターン236a、237a、237c、236c、236e、237e、237g、236g、236i、237i、237k、236k、236m、237m、237oおよび236oにより構成されるsin相の出力コイル群に、誘導電圧が誘起される。また、この誘導電圧とは、位相が90°ずれた誘導電圧が、レゾルバステータコイルパターン236b、237b、237d、236d、236f、237f、237h、236h、236j、237j、237l、236l、236n、237n、237pおよび236pにより構成されるcos相の出力コイル群に誘起される。
以下、この現象を具体的に説明する。例えば、ロータトランスコイル215a、215bにVext=Esinωtの励磁信号を供給すると、基準位置からのシャフト101の回転角θに応じて、レゾルバステータコイルパターン236、237のsin相の出力コイル群に数1で示される出力が現れ、cos相の出力コイル群に数2で示される出力が現れる。
Figure 2011002388
Figure 2011002388
ここで、kは比例定数、Eは励磁信号の振幅、ωは励磁周波数、αは位相ずれ角である。数1と数2は、Vsin/Vcos=tanθの関係があるから、VsinとVcosの値に基づいてR/Dコンバータにおいて、θが算出される。
(効果の確認)
比較例として、ステータ部の構造として、絶縁シートのロータ部に近い側の面にcos相コイル群を形成し、ロータ部から遠い面にsin相コイル群を形成した比較サンプルを試作した。そして、この比較サンプルのシートコイル型レゾルバと、本実施形態のシートコイル型レゾルバとのsin相出力とcos相出力の回転角(ロータ部のステータ部に対する回転角)に対する変化を測定した。
図6は、比較サンプルのシートコイル型レゾルバの出力波形(a)と、本実施形態のシートコイル型レゾルバの出力波形(b)を示すグラフである。図6において、横軸は回転角であり、縦軸の出力波形の電圧値(V)である。
図6から明らかなように、比較サンプルに比較して本実施形態のsin相出力とcos相出力は、出力電圧のピーク値(振幅値)が揃っており、その差が小さい。この比較サンプルにおいて、sin相出力とcos相出力の大きさに差が生じた原因は以下のように考えられる。まず、比較サンプルのシートコイル型レゾルバは、sin相コイルパターンとcos相コイルパターンとが異なる層に設けられている。このため、励磁相コイルパターンに対するsin相コイルパターンの距離とcos相コイルパターンの距離が異なる。
励磁相コイルパターンと検出コイルの間の距離が遠い方の相の出力は、検出する磁束密度が全体的に弱くなるので、その値は相対的に小さくなる。この場合、比較サンプルは、sin相コイル群がロータ部から相対的に遠い構造とされているので、sin相出力の振幅がcos相出力の振幅に比較して小さくなる。この現象は、図6(a)に明確に現れている。
一方において、実施形態のシートコイル型レゾルバは、sin相コイルパターンとcos相コイルパターンとが2面において設けられ、その各面において、各相のコイルパターンの数が同じであるので、励磁相コイルパターンに対するsin相コイルパターン群の平均距離と、cos相コイルパターン群の平均距離とが同じとなる。このため、sin相コイル群とcos相コイル群が検出する磁束密度のピーク値が同じとなる(ただし、位相は90°ずれている)。よって、cos相コイル群からの出力電圧と、sin相コイル群からの出力電圧との差が是正され、図6(b)に示されるように、出力の差が小さいsin相出力電圧とcos相出力電圧とが得られる。
レゾルバは、sin相出力電圧とcos相出力電圧の位相差を利用して回転角に関する情報をR/Dコンバータにおいて算出する。この際、sin相出力電圧とcos相出力電圧の波形の大きさ(振幅値)が異なると、上記sin相出力電圧とcos相出力電圧の位相差の情報が回転角を正確に反映したものではなくなり、検出した角度情報の誤差が増大する。したがって、正確な角度の検出という点で、図6(a)に示す出力波形よりも、図6(b)に示す出力波形が好ましい。
(優位性)
以上述べたように、本実施形態のシートコイル型レゾルバ200は、平面形状を有する複数のステータコイルパターン236a〜236pが同一面上の円周上に配置された構造を有するレゾルバステータコイル236を備えている。そしてレゾルバステータコイル236に対して軸方向において隙間を有した状態で対向して配置されたレゾルバロータコイル217を備えている。更に、レゾルバステータコイル236における複数のステータコイルパターン236a〜236pは、互いに電気角で90°の位相差を持つ2相(sin相とcos相)のコイル群を構成している。
この構成によれば、ステータ側に配置される90°の位相差を有する2相のコイルが同一平面上に形成される。このため、ステータ側のこれら2相のコイルそれぞれと、ロータ側のコイルとの距離が同じとなる。
すなわち、レゾルバロータコイルパターン216a(図4(a))と、レゾルバステータコイルパターン236aおよび236b(図5(a))とが重なった状態において、レゾルバロータコイルパターン216a(図4(a))と、sin相出力コイルであるレゾルバステータコイルパターン236a(図5(a))との間の距離L1と、レゾルバロータコイルパターン216aとcos相出力コイルであるレゾルバステータコイルパターン236b(図5(a))との間の距離L2とが同じ(L1=L2)となる。
これにより、L1とL2の差に起因する検出する磁束密度の違いが是正される。このため、距離の差に起因するsin相とcos相の出力の大きさの差(振幅の差)が是正され、2相の出力レベルを揃えることができる。そして2相の出力レベルを揃えることで、数1および数2により示される数式の精度が高まり、シート型コイルレゾルバにおける検出角度精度を高めることができる。
本実施形態において、複数のレゾルバステータコイルパターン236a〜236pは、円周上において、第1の相(sin相)に含まれるレゾルバステータコイルパターン236a、236c、236e、236g、236i、236k、236mおよび236oと、第2の相(cos相)に含まれるレゾルバステータコイルパターン236b、236d、236f、236h、236j、236l、236nおよび236pとが、一つ置きに交互に配置されている。
この構成によれば、シンプルなコイルデザインおよびその配置構造により、電気角で90°の位相差を有する出力が高い精度で得られる。このため、角度の検出精度を高めることができる。
レゾルバロータコイル216は、平面形状を有する複数のレゾルバロータコイルパターン216a〜216hにより構成され、これらレゾルバロータコイルパターン216a〜216hは、レゾルバステータコイルパターン236a〜236pの隣接する一対に対応する大きさを有し、レゾルバロータコイルパターン216a〜216hは、円周上において直列接続されることで1相のコイル群を構成している。
この構成によれば、励磁コイル1つの面積が検出コイル2つに対応するので、sin相出力波形とcos相出力波形との対称性を高くすることができる。このため、より高精度の角度検出を行うことができる。
レゾルバステータコイルとして機能する部分は、レゾルバステータコイル236と237の2層構造とされ、レゾルバステータコイル236を構成するレゾルバステータコイルパターン236a〜236pと、レゾルバステータコイル237を構成するレゾルバステータコイルパターン237a〜237pとは、前記2層構造の間を電気的に接続するスルーホール(例えば符号240)により接続されている。そして、レゾルバステータコイル236が設けられた層とレゾルバステータコイル237が設けられた層のそれぞれにおいて、sin相のコイル群とcos相のコイル群の数が同じとされている。
この構成によれば、検出コイルとして機能するsin相のコイル群と励磁コイルとの間の平均距離、および検出コイルとして機能するcos相のコイル群と励磁コイルとの間の平均距離とを同じにすることができる。このため、検出コイルの数を多層構造とすることによる大きな検出出力を得るための構成と、sin相出力とcos相出力と大きさの差が生じないようにする高検出精度を得る構成とを追求することができる。
レゾルバロータコイルとして機能する部分は、レゾルバロータコイル216と217の2層構造とされ、レゾルバロータコイル216を構成するレゾルバロータコイルパターン216a〜216hと、レゾルバロータコイル217を構成するレゾルバロータコイルパターン217a〜217hとは、前記2層構造の間を電気的に接続するスルーホール(例えば符号220)により接続されている。この構成によれば、多層構造とすることで、励磁コイルからより強い磁束を生成することができる。このため、角度検出感度を高めることができる。
(2) 第2の実施形態
第1の実施形態では、シートコイル型レゾルバのレゾルバコイル部は、図7(a)に示すように、励磁相を1相のシートコイルからなるレゾルバロータコイル部とし、検出相を2相(sin相とcos相)のシートコイルからなるレゾルバステータコイル部とする1相入力−2相出力の配線構成としている。
しかしながら、本発明の適用は、この構造に限定されるものではなく、図7(b)に示すように、励磁相を2相(sin相とcos相)のシートコイルからなるレゾルバステータコイル部とし、検出相を1相のシートコイルからなるレゾルバロータコイル部とする2相入力−1相出力の配線構成としても構わない。
図7(b)には、シートコイル型レゾルバの配線構成が示されている。この構成では、レゾルバステータコイル701(sin相コイル703とcos相コイル704)とレゾルバロータコイル705を備えている。ここで、レゾルバステータコイル701が励磁コイルとして機能し、レゾルバロータコイル705が検出コイルとして機能する。
具体的には、ステータ側を実施形態1におけるステータ部202と同様な構造とし、2相のコイル群を検出コイルとしてではなく、励磁コイルとして機能させるために、sin相コイル群にsin相励磁信号を供給し、cos相コイル群にcos相励磁信号を供給する。
また、ロータ側は、実施形態1のロータ部201と同様な構造とし、ロータトランスコイル706を検出コイルとして機能させ、ステータトランスコイル707を利用して検出信号をステータ側で受け取り、それをR/Dコンバータ(図示省略)に送る構成とする。
この場合、ステータ側から電気角で90°の位相差を有する周期変化を示す2相の交番磁束が同時に生成され、この2相の交番磁束の合成磁場がロータ側で検出される。ロータが回転すると、ロータ側で検出される磁場の検出波形が回転角に応じた変調を受け、この変調の状態に基づいてR/Dコンバータにおいて角度情報の算出が行われる。
(3) 第3の実施形態
第1の実施形態におけるシートコイル型レゾルバでは、軸倍角を4Xとしたが、軸倍角はこれに限定されるものではなく、任意の軸倍角のレゾルバが実現可能である。この場合、レゾルバステータコイル部におけるお互いに電気角で90°の位相差を持つ2相のコイルパターンを、円周上に一つ置きに配置して同相同士を直列接続する基本構造は同じである。そして、隣り合うコイルパターン同士が、レゾルバの軸倍角nX(nは1以上の任意の整数)に対して、機械角で(90/(m×n))°(nは軸倍角数,mは1以上の任意の整数)の間隔となるように円周上にコイルパターンを配置すればよい。
(4)第4の実施形態
第1の実施形態におけるシートコイル型レゾルバのレゾルバコイル部は、レゾルバロータコイル部およびレゾルバステータコイル部を2層のコイルパターン層による構成としたが、3層以上であってもよいし、1層であってもよい。以下、レゾルバロータコイル部とレゾルバステータコイル部とを1層のコイルパターン層で構成した軸倍角が4Xのシートコイル型レゾルバについて説明する。
この例では、レゾルバロータコイル部とレゾルバステータコイル部は、それぞれ、1層のコイルパターン層で構成される。図8は、1層構成のレゾルバロータコイル部のコイルパターンの平面図(a)と、レゾルバステータコイル部のコイルパターンの平面図(b)である。
この例において、ロータ部は、絶縁シート801を備え、絶縁シート801の片面には、レゾルバロータコイル800が形成されている。レゾルバロータコイル800は、直列接続された8個のレゾルバロータコイルパターン800a〜800hを備えている。
レゾルバロータコイルパターン800a〜800hは、円周上において45°の機械角の角度位置に配置され、隣接するコイルが逆向きの磁束を生成する直列接続構造とされている。また、この接続構造を実現するために、符号804で代表的に示される裏面側における渡り線の配線パターンを利用している。その他のロータ部分の構成は、第1の実施形態の場合と同じである。
ステータ部は、絶縁シート805を備え、絶縁シート805の片面には、レゾルバステータコイル802が形成されている。レゾルバステータコイル802は、機械角で22.5°の角度位置に配置されたレゾルバステータコイルパターン802a〜802pを備えている。
これらコイルパターンにおいて、レゾルバステータコイルパターン802c、802e、802g、802i、802k、802m、802o、802aがsin相検出コイル群を構成している。また、レゾルバステータコイルパターン802p、802b、802d、802f、802h、802j、802l、802nがcos相検出コイル群を構成している。
sin相のレゾルバステータコイルパターン802c、802e、802g、802i、802k、802m、802o、802aは、一つ置きにコイルの位相が逆位相となるように、周方向において直列接続されている。この直列接続を実現するために、符号806で代表的に示される裏面側における渡り線の配線パターンを利用している。この接続構造は、cos相においても同じである。その他のステータ部分の構成は、第1の実施形態の場合と同じである。
動作に当たっては、レゾルバロータコイル口出線807aと807bに励磁電流が供給される。そして、sin相口出線808aと808bとからsin相の出力が得られ、cos相口出線809aと809bとからcos相の出力が得られる。動作の詳細は、第1の実施形態の場合と同じである。
この構成によれば、第1の実施形態と同様に、sin相とcos相の出力の差が小さい特性のシートコイル型レゾルバが得られる。また、レゾルバロータコイル部の配線層をレゾルバロータコイル部の内側に配置されるロータトランスコイル部の配線層と共用でき、更にレゾルバステータコイル部の配線層をレゾルバステータコイル部の内側に配置されるステータトランスコイル部の配線層と共用できる。
(その他)
以上、本発明を好ましい実施形態によって説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で種々の変形や応用が可能である。
たとえば、上記の実施形態によるシートコイル型レゾルバにおいては、レゾルバコイル部を構成するレゾルバロータコイル部およびレゾルバステータコイル部は、それぞれ、2層あるいは1層のコイルパターン層で構成するものとしたが、それぞれのコイル部のコイルパターン層の層数が互いに異なる構造とすることも可能である(例えば、レゾルバロータコイル部が2層構造で、レゾルバステータコイル部が1層構造)。
また、本実施形態におけるシートコイル型レゾルバでは、レゾルバロータコイル部およびレゾルバステータコイル部のコイルパターンの渦巻き形状は、図示した形状に限定されるものではなく、さまざまな変形形状が適用可能である。
また上述した例では、軸倍角nXにおいてn=4であり、隣接するsin相コイルとcos相コイルとの機械角は、(90/(m×n))°におけるm=1、n=4の場合であるが、m=1に限定されない。例えばm=2であれば、図5のレゾルバステータコイルパターン236a〜236p、レゾルバステータコイルパターン237a〜237pのそれぞれは、仮に電流を流した場合に生成する磁束の向きが同じとなるように接続された2つの渦巻きコイルパターンにより構成される。例えば、レゾルバステータコイルパターン236aは、直列または並列接続された同形状の渦巻き型のコイルパターンが2つ円周上において並べられた構造のものに置き換えられる。
本発明は、シートコイル型のレゾルバに利用することができる。
100…モータ、101…シャフト、102,103…ベアリング、104…モータハウジング、105…モータロータ、106…モータステータコア、107…モータ巻線、108…エンドキャップ、200…シートコイル型レゾルバ、201…ロータ部、202…ステータ部、211…ロータヨーク、212…ロータコア、213,214…絶縁シート、215a,215b…ロータトランスコイル、216,217…レゾルバロータコイル、218,219…レゾルバロータコイル口出線、216a〜h,217a〜h…レゾルバロータコイルパターン、220…スルーホール、231…ステータヨーク、232…ステータコア、233,234…絶縁シート、235a,235b…ステータトランスコイル、236,237…レゾルバステータコイル、236a〜p,237a〜p…レゾルバステータコイルパターン、238a,238b…sin相口出線、239a,239b…cos相口出線、240…スルーホール、701…レゾルバステータコイル、703…sin相コイル、704…cos相コイル、705…レゾルバロータコイル、706…ロータトランスコイル、707…ステータトランスコイル、800…レゾルバロータコイル、800a〜800h…レゾルバロータコイルパターン、801…絶縁シート部、802…レゾルバステータコイル、802a〜802p…レゾルバステータコイルパターン、804…渡り線、805…絶縁シート、806…渡り線、807a,807b…レゾルバロータコイル口出線、808a,808b…sin相口出線、809a,809b…cos相口出線。

Claims (9)

  1. 平面形状を有する複数のステータコイルパターンが同一面上の円周上に配置された構造を有するレゾルバステータコイル部と、
    前記レゾルバステータコイル部に対して軸方向において隙間を有した状態で対向して配置されたレゾルバロータコイル部と
    を有し、
    前記レゾルバステータコイル部における前記複数のステータコイルパターンは、互いに電気角で90°の位相差を持つ2相のコイル群を構成していることを特徴とするシートコイル型レゾルバ。
  2. 前記複数のステータコイルパターンは、前記円周上において、第1の相に含まれるステータコイルパターンと第2の相に含まれるステータコイルパターンとが一つ置きに交互に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のシートコイル型レゾルバ。
  3. 前記レゾルバステータコイル部は、隣り合う前記ステータコイルパターン同士が、レゾルバの軸倍角nX(nは1以上の任意の整数)に対して、機械角で(90/(m×n))°(nは軸倍角数、mは1以上の任意の整数)の間隔で前記円周上に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のシートコイル型レゾルバ。
  4. 前記レゾルバロータコイル部は、平面形状を有する複数のロータコイルパターンにより構成され、
    前記複数のロータコイルパターンは、前記ステータコイルパターンの隣接する一対に対応する大きさを有し、
    前記複数のロータコイルパターンは、円周上において直列接続されることで1相のコイル群を構成していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシートコイル型レゾルバ。
  5. 前記レゾルバステータコイル部は、複数のステータコイルパターン層を有し、
    前記2相のコイル群のそれぞれを構成する複数のステータコイルパターンは、前記複数のステータコイルパターン層のそれぞれに形成されると共に層間で接続されており、
    前記複数のステータコイルパターン層のそれぞれにおいて、前記2相のコイル群のそれぞれを構成する複数のステータコイルパターンの数が同じであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のシートコイル型レゾルバ。
  6. 前記レゾルバロータコイル部は、複数のロータコイルパターン層を有し、
    前記複数のロータコイルパターンは、前記複数のロータコイルパターン層の各層に形成されと共に層間で接続されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のシートコイル型レゾルバ。
  7. 前記レゾルバロータコイル部により励磁相が構成され、前記レゾルバステータコイル部により検出相が構成されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のシートコイル型レゾルバ。
  8. 前記レゾルバステータコイル部により励磁相が構成され、前記レゾルバロータコイル部により検出相が構成されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のシートコイル型レゾルバ。
  9. 前記2相のコイル群のそれぞれは、円周上に複数配置されたステータコイルパターンを一つ置きに直列に接続することで構成されたsin相およびcos相のコイル群であり、
    隣り合う前記ステータコイルパターン同士は、機械角で22.5°の間隔で円周上に配置され、
    軸倍角が4Xであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のシートコイル型レゾルバ。
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