JP2011002110A - 潜熱回収型熱交換器 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた耐食性を有し熱回収効率が高く、かつ、システムの小型化、簡素化が可能な潜熱回収型熱交換器を提供する。
【解決手段】潜熱回収型熱交換器1を、所定のピッチで配置された複数の金属製のフィン2と、これらのフィンに設けられた孔部3に挿入された金属製のパイプ4とを有するものとし、フィン2およびパイプ4の外面を電着性物質からなる樹脂層5で被覆する。これにより、パイプ4内に供給された加熱対象液が、フィン2およびパイプ4の外面に接触する燃焼ガスから回収された潜熱で加熱されるとともに、フィン2およびパイプ4が樹脂層5によって耐食性を付与される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、潜熱回収型熱交換器に係り、特に給湯装置、瞬間湯沸し器、暖房機器等に使用する耐食性に優れた潜熱回収型熱交換器に関する。
従来から、給湯装置、瞬間湯沸し器、暖房機器等の熱効率を高めるために、バーナーの燃焼ガスの潜熱を回収して加熱対象液を加熱する潜熱回収型熱交換器が使用されている。この潜熱回収型熱交換器は、主に、熱伝導性に優れた金属製の複数のフィンと、このフィンに設けられた孔部に挿入された同じ材質のパイプからなり、顕熱交換器において熱交換が行われた後の燃焼ガスと接触する位置に配設される。バーナーからは高温の空気とともに水蒸気、硫黄酸化物、窒素酸化物、二酸化炭素等が発生し、燃焼ガスが潜熱を発生する凝集時には、燃焼ガスに含まれる水蒸気が飽和状態となって結露し、潜熱回収型熱交換器に付着する。この結露水には、硫黄酸化物、窒素酸化物、二酸化炭素が凝縮されるため、pHが4以下の酸性の凝縮水となり、潜熱回収型熱交換器が腐食を受けることになる。これを防止するために、チタンやステンレス等の耐食性に優れた金属を使用した潜熱回収型熱交換器が開発されているが、熱交換性能の点から、熱伝導性に優れた銅やアルミニウム、それらの合金の使用が望まれている。そこで、金属製のフィンやパイプを耐食性皮膜で被覆した潜熱回収型熱交換器が開発され、例えば、フィンの少なくとも1辺の端部をヘム曲げ加工し、あるいは、少なくとも1辺の端部にアルカリ水溶液を接触させて酸化皮膜を形成し、その後、耐食性皮膜を形成して被覆した潜熱回収型熱交換器が開発されている(特許文献1)。
特開2007−71526号公報
しかし、特許文献1に開示されている潜熱回収型熱交換器は、フィンのヘム曲げ加工や、フィンへの酸化皮膜形成が必要であり、工程が多く製造コストの低減に支障を来すものであった。また、フィンのヘム曲げ加工や、フィンへの酸化皮膜形成を行っても、複雑な三次元構造に均一に耐食性皮膜を形成することは難しく、耐食性皮膜の薄い箇所が存在すると耐食性が低下してしまい、一方、これを防止するために耐食性皮膜を厚くすると熱回収効率が低下するという問題があった。したがって、耐食性と熱回収効率を向上させるためには、フィンのピッチや面積等、潜熱回収型熱交換器の構造に制約が生じ、給湯装置、瞬間湯沸し器、暖房機器等のシステム全体の小型化、簡素化が困難になるという問題もあった。
本発明は上述のような実情に鑑みてなされたものであり、優れた耐食性を有し熱回収効率が高く、かつ、システムの小型化、簡素化が可能な潜熱回収型熱交換器を提供することを目的とする。
このような課題を解決するために、本発明は、所定のピッチで配置された複数のフィンと、これらのフィンに設けられた孔部に挿入されたパイプとを有し、前記フィンおよびパイプの外面に燃焼ガスが接触し、パイプ内に供給された加熱対象液を加熱する潜熱回収型熱交換器であって、前記フィンおよびパイプは金属製であり、その外面が樹脂層で被覆され、該樹脂層は電着性物質を用いて電着により形成されたものであるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記フィンおよびパイプの材質は、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金のいずれかであるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記樹脂層は、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーンの少なくとも1種を含有するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記樹脂層の厚みは、5〜50μmの範囲であるような構成とした。
本発明の潜熱回収型熱交換器は、樹脂層が電着性物質を用いて電着により形成されているので、フィンおよびパイプの外面の形状に沿って均一な厚みを有するものであり、熱回収効率を損なうことなく優れた耐食性を発現し、また、隣接する各フィンの間隙を狭く設定することができるので、潜熱回収型熱交換器の構造に対する制約が極めて少なく、設計の自由度が高いものとなり、システムの小型化、簡素化が可能である。また、フィンおよびパイプの材質を銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金のいずれかとした場合、熱回収効率が更に向上し、樹脂層がカーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーンの少なくとも1種を含有する場合、樹脂層の耐食性と熱伝導性が更に向上する。
本発明の潜熱回収型熱交換器の一実施形態を示す平面図である。 図1に示される潜熱回収型熱交換器の円で囲んだ箇所におけるパイプの中心軸に沿った断面を示す拡大断面図である。 本発明の潜熱回収型熱交換器を用いたシステムの一例を示す構成図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の潜熱回収型熱交換器の一実施形態を示す平面図であり、図2は図1に示される潜熱回収型熱交換器の円で囲まれた箇所におけるパイプの中心軸に沿った断面を示す拡大断面図である。図1および図2において、本発明の潜熱回収型熱交換器1は、所定のピッチで配置された複数のフィン2と、これらのフィン2に設けられた孔部3に挿入されたパイプ4とを有している。そして、フィン2およびパイプ4の外面は樹脂層5で被覆され、この樹脂層5は電着性物質を用いて電着により形成されたものである。
本発明の潜熱回収型熱交換器1を構成するフィン2は、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、鉄合金、真鍮等の材質であってよく、熱伝導性の点から特に銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金のいずれかであることが好ましい。フィン2の数、形状、厚み、面積、配置ピッチ、孔部3の内径は、フィン2の材質、潜熱回収型熱交換器の用途等を考慮して適宜設定することができる。特に隣接する各フィン2の間隙は、樹脂層5が電着性物質を用いて電着により形成されているので、0.8mm程度まで狭く設定することが可能であり、構造の制約が極めて少なく、設計の自由度が高いものである。
潜熱回収型熱交換器1を構成するパイプ4は、内部に加熱対象液を供給するための部材であり、パイプ4内を移動中の加熱対象液が、フィン2とパイプ4で回収した燃焼ガスの潜熱によって加熱される。このようなパイプ4の材質は、通常、フィン2と同材質とされるが、これに限定されるものでない。また、パイプ4の外径、内径は、使用する材質、フィン2の孔部3の内径、潜熱回収型熱交換器の用途等を考慮して適宜設定することができる。尚、図示例では、パイプ4は一方の端部でU字形状に折り返された構造であり、個々のフィン2において2箇所にパイプが貫通しているが、パイプ4の構造はこれに限定されるものではない。
潜熱回収型熱交換器1を構成する樹脂層5は、フィン2とパイプ4に耐食性を付与するものであり、電着性物質を用いて電着により形成されている。電着性物質としては、各種アニオン性、またはカチオン性の合成高分子樹脂を挙げることができ、このような電着性物質中に必要に応じてカーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン等を分散させた電着液を用いて電着により成膜し、その後、加熱硬化させて樹脂層5を形成することができる。
アニオン性合成高分子樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン化油樹脂、ポリブタジエン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂等を挙げることができ、これらを単独で、あるいは任意の組み合わせによる混合物として使用することができる。また、上記のアニオン性合成高分子樹脂とメラミン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂等の架橋性樹脂とを併用してもよい。一方、カチオン性合成高分子樹脂としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂等を挙げることができ、これらを単独で、あるいは任意の組み合わせによる混合物として使用することができる。また、上記のカチオン性合成高分子樹脂とポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等の架橋性樹脂とを併用してもよい。
また、上記の電着性を有する合成高分子樹脂に粘着性を付与するために、ロジン系、テルペン系、石油樹脂等の粘着性付与樹脂を必要に応じて添加してもよい。
このような電着性の合成高分子樹脂は、アルカリ性または酸性物質により中和して水に可溶化された状態、あるいは水分散状態で電着に供される。すなわち、アニオン性合成高分子樹脂は、トリメチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等のアミン類、アンモニア、苛性カリ等の無機アルカリで中和する。また、カチオン性合成高分子樹脂は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸等の酸で中和する。そして、中和された水可溶の高分子樹脂は、水分散型または溶解型として水に希釈された状態で使用される。
電着により形成された樹脂層5の厚みは、5〜50μm、好ましくは10〜25μmの範囲とすることができる。樹脂層5の厚みが5μm未満であると、ピンホール等の発生により、良好な耐食性が確保できないことがあり、50μmを超えると、熱回収効率が低下し、また、乾燥固化後のヒビ割れ等の発生や、生産性の低下、コスト高といった問題が発生し好ましくない。
また、樹脂層5がカーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン等の微細繊維状炭素材料の少なくとも1種を含有する場合、樹脂層5の耐食性と熱伝導性が更に向上する。このような微細繊維状炭素材料の樹脂層5における含有量は、例えば、30〜90重量%の範囲で設定することができる。
このような本発明の潜熱回収型熱交換器1では、樹脂層5が電着性物質を用いて電着により形成されているので、フィン2およびパイプ4の外面の形状に沿って均一な厚みを有するものであり、熱回収効率を損なうことなく樹脂層5が優れた耐食性を発現する。また、隣接する各フィン2の間隙は0.8mm程度まで狭く設定することができるので、潜熱回収型熱交換器1の構造に対する制約が極めて少なく、設計の自由度が高いものとなる。このため、システムの小型化、簡素化が可能なものである。また、フィン2およびパイプ4の材質を銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金のいずれかとした場合、熱回収効率がより向上する。さらに、樹脂層5がカーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーンの少なくとも1種を含有する場合、樹脂層5が発現する耐食性と熱伝導性が更に向上する。
ここで、本発明の潜熱回収型熱交換器を用いたシステムの一例を、図3を参照して説明する。
図3に示されるシステム11は、ケース体12内にバーナー13が配置され、この上方に顕熱交換器14が配置されている。また、顕熱交換器14において熱交換が行われた後の燃焼ガスと接触する位置に潜熱回収型熱交換器15が配設されている。顕熱交換器14と潜熱回収型熱交換器15は、それぞれ所定のピッチで配置された複数のフィンと、これらのフィンに設けられた孔部に挿入されたパイプ16とで構成されている。そして、顕熱交換器14と潜熱回収型熱交換器15を構成するパイプ16の一方の端部は、ケース体12内部で接続されており、潜熱回収型熱交換器15から顕熱交換器14へと加熱対象液が移送可能となっている。また、顕熱交換器14と潜熱回収型熱交換器15を構成するパイプ16の他方の端部はケース体12の外部に導出されている。さらに、潜熱回収型熱交換器15にてバーナー13の燃焼ガスから潜熱を回収する際に、燃焼ガス中の水蒸気系が凝縮して酸性の凝縮水が生じるので、これを集めるドレンパン17が配設されている。
このようなシステム11を構成する潜熱回収型熱交換器15は、本発明の潜熱回収型熱交換器であり、上述のように優れた耐食性を具備するとともに、構造に対する制約が極めて少なく設計の自由度が高いので、システム11の小型化、簡素化が可能である。
上述の本発明の実施形態は例示であり、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
次に、具体的な実施例を示して本発明を更に詳細に説明する。
[実施例1]
(試料1の作製)
厚み1mmの銅基材(100mm×50mm)を準備した。
次いで、エポキシ電着液に、カーボンナノチューブ(昭和電工(株)製 気相法炭素繊維 VGCF)を樹脂固形分に対して60重量%添加し分散させて、電着液とした。
上記の電着液を20℃に保って撹拌し、この中に上記の銅基材を浸漬し、極間40mm、電圧50Vで1分間電着を行い、引き上げた銅基材を純水洗浄した。その後、ホットプレート上で150℃、3分間乾燥し、さらに、窒素雰囲気中で180℃、1時間の加熱硬化処理を施した。これにより、厚み15μmの均一な樹脂層が銅基材上に形成された試料1を得た。
上記のエポキシ電着液は、以下のようにして調製した。
まず、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル(エポキシ当量910)1000重量部を撹拌下に70℃に保ちながら、エチレングリコールモノエチルエーテル463重量部に溶解させ、さらに、ジエチルアミン80.3重量部を加えて100℃で2時間反応させてアミンエポキシ付加物(A)を調製した。
また、コロネートL(日本ポリウレタン(株)製 ジイソシアネート:NCO13%の不揮発分75重量%)875重量部にジブチル錫ラウレート0.05重量部を加え50℃に加熱し、これに2−エチルヘキサノール390重量部を添加し、その後、120℃で90分間反応させた。得られた反応生成物をエチレングリコールモノエチルエーテル130重量部で希釈した成分(B)を得た。
次に、上記のアミンエポキシ付加物(A)1000重量部と成分(B)400重量部からなる混合物を、氷酢酸30重量部で中和した後、脱イオン水570重量部を用いて希釈し、不揮発分50重量%の樹脂Aを調製した。この樹脂A200.2重量部(樹脂成分86.3容量)、脱イオン水583.3重量部、およびジブチル錫ラウレート2.4重量部を配合してエポキシ電着液を調製した。
(試料2の作製)
厚み1mmのアルミニウム基材(100mm×50mm)を準備した。
次いで、実施例1と同じ電着液を20℃に保って撹拌し、この中に上記のアルミニウム基材を浸漬し、極間40mm、電圧50Vで1分間電着を行い、引き上げたアルミニウム基材を純水洗浄した。その後、ホットプレート上で150℃、3分間乾燥し、さらに、窒素雰囲気中で180℃、1時間の加熱硬化処理を施した。これにより、厚み15μmの均一な樹脂層がアルミニウム基材上に形成された試料2を得た。
(耐食性の評価)
上述のように作製した試料1、2と、樹脂層が形成されていない厚み1mmの銅基材(100mm×50mm)からなる試料3、および、樹脂層が形成されていない厚み1mmのアルミニウム基材(100mm×50mm)からなる試料4について、それぞれ室温でpH2のリン酸水溶液に1000時間浸漬し、浸漬前後の重量減少量(g)を測定して下記の表1に示した。
Figure 2011002110
表1に示されるように、金属基材が腐食を生じやすい銅やアルミニウムであっても、試料1、2は樹脂層によって優れた耐食性が付与されていることが確認された。
これに対して、樹脂層で被覆されていない試料3、4はpH2のリン酸水溶液による腐食を受けて大幅な重量減少を示した。
[実施例2]
(試料Aの作製)
フィンとして、厚み0.3mmの銅基材(100mm×150mm)を15枚準備し、各銅基材の中央に直径50mmの孔部を穿孔した。
次に、外径が49.5mmの銅パイプを上記のフィンの孔部に挿嵌し、パイプと各フィンをろう付けした。各フィンのピッチは、下記の表2に示す3種とした。次いで、所定のピッチで配置された複数のフィンの両外側に位置する銅パイプを、最外側に位置するフィンから25mmの位置で、同一方向に90°曲げた。
次に、実施例1と同じ電着液を20℃に保って撹拌し、この中に上記のフィンとパイプからなる熱交換器を、フィン部分が完全に液中に漬かり、曲げられたパイプの両開口端が液面から出るようにして浸漬した。そして、複数のフィンに挿入されているパイプの中心線と対向電極との距離を250mmとし、電圧50Vで2分間電着を行い、引き上げた後、純水洗浄した。その後、オーブン中で150℃、3分間乾燥し、さらに、窒素雰囲気中で180℃、1時間の加熱硬化処理を施した。
(試料Bの作製)
試料Aと同様にして、下記の表2に示されるピッチ(3種)でフィンを配置し、パイプと各フィンをろう付けし、その後、所定のピッチで配置された複数のフィンの両外側に位置する銅パイプを、最外側に位置するフィンから25mmの位置で、同一方向に90°曲げた。
次に、20%水酸化ナトリウム水溶液に過酸化水素を30g/L添加したアルカリ水溶液を準備し、この中に上記のフィンとパイプからなる熱交換器を、フィン部分が完全に液中に漬かり、パイプの両開口端が液面から出るようにして5分間浸漬し、その後、引き上げて120℃、30分間乾燥した。
次いで、フッ素系樹脂塗料(旭硝子(株)製 ルミフロン)に、カーボンナノチューブ(昭和電工(株)製 気相法炭素繊維 VGCF)を樹脂固形分に対して60重量%添加し分散させて、耐食性皮膜形成用の塗料とした。この塗料の中に上記のフィンとパイプからなる熱交換器を、フィン部分が完全に液中に漬かり、曲げられたパイプの両開口端が液面から出るようにして10分間浸漬し、その後、引き上げて400℃、60分間乾燥した。
(耐食性の評価)
上述のように作製した試料A、B(計6種)について、それぞれ室温でpH2のリン酸水溶液に1000時間浸漬して引き上げ、表面状態を顕微鏡で観察して結果を下記の表2に示した。
Figure 2011002110
表2に示されるように、試料Aではいずれのフィンピッチであっても、樹脂層によって優れた耐食性が付与されていることが確認された。
これに対して、試料Bでは、フィンピッチが1mm、2mmの場合、フィン間に位置する耐食性皮膜に欠陥があり、フィン間のパイプに腐食が発生した。また、いずれのフィンピッチであっても、フィンの周辺端部に耐食性皮膜の薄い箇所が存在し、この部位で腐食が発生した。
バーナーの燃焼ガスの潜熱を回収して加熱対象液を加熱する種々の装置、機器に利用することができる。
1,15…潜熱回収型熱交換器
2…フィン
3…孔部
4…パイプ
5…樹脂層
11…システム
14…顕熱交換器

Claims (4)

  1. 所定のピッチで配置された複数のフィンと、これらのフィンに設けられた孔部に挿入されたパイプとを有し、前記フィンおよびパイプの外面に燃焼ガスが接触し、パイプ内に供給された加熱対象液を加熱する潜熱回収型熱交換器において、
    前記フィンおよびパイプは金属製であり、その外面が樹脂層で被覆され、該樹脂層は電着性物質を用いて電着により形成されたものであることを特徴とする潜熱回収型熱交換器。
  2. 前記フィンおよびパイプの材質は、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の潜熱回収型熱交換器。
  3. 前記樹脂層は、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーンの少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の潜熱回収型熱交換器。
  4. 前記樹脂層の厚みは、5〜50μmの範囲であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の潜熱回収型熱交換器。
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