JP2011001274A - 環状ビニルエーテル、硬化性組成物および硬化性接着剤 - Google Patents

環状ビニルエーテル、硬化性組成物および硬化性接着剤 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた密着性を有するコーティング、インキおよび優れた接着性を有する接着剤の提供を目的として、4−メチレン−1,3−ジオキソラン基を有する化合物、及び該誘導体の重合体を提供すること。
【解決手段】本発明は、一般式(1)
Figure 2011001274

(式中、Rは、水素原子、または炭素数1〜4の直鎖状或いは分岐状のアルキル基、Xは、炭素数1〜5の直鎖状或いは分岐状のアルキレン基、炭素数1〜5の直鎖状或いは分岐状のアルケニレン基、または炭素数1〜6のアルキル基を置換基として有してもよいアリーレン基を表す。)
で表される4−メチレン−1,3−ジオキソラン誘導体(A)、及び該4-メチレン−1,3−ジオキソラン誘導体(A)のグリシジル基が重合することにより得られる4−メチレン−1,3−ジオキソラン誘導体(B)により、上記課題を解決する。
【選択図】なし

Description

本発明はコーティング、インク、及び接着剤として用いることができるUV硬化性単量体、及び該単量体の重合により得られる重合体に関する。
即ち、本発明は、一般式(1)
Figure 2011001274
(式中、Rは、水素原子、または炭素数1〜4の直鎖状或いは分岐状のアルキル基、Xは、炭素数1〜5の直鎖状或いは分岐状のアルキレン基、炭素数1〜5の直鎖状或いは分岐状のアルケニレン基、または炭素数1〜6のアルキル基を置換基として有してもよいアリーレン基を表す。)
で表される4−メチレン−1,3−ジオキソラン誘導体(A)、及び該4-メチレン−1,3−ジオキソラン誘導体(A)のグリシジル基が重合することにより得られる4−メチレン−1,3−ジオキソラン誘導体(B)に関する。
本発明の4−メチレン−1,3−ジオキソラン基とグリシジル基を有する単量体に類似する化合物については、例えば、特許文献1には、光カチオン性架橋反応に優れた4−メチレン−1,3−ジオキソラン基を有する化合物が記載されており、該化合物は、架橋反応時にアセトアルデヒド又はプロピオンアルデヒドを放出せず、従来のビニルエーテルと比較して高い活性を有する等の特徴を有することが記載されている。しかしながら、当該特許文献に記載の化合物においては、本発明の化合物のようなグリシジル基をその化学構造に有するものではない。
また、特許文献2には、その化学構造にカチオン重合性基を有するアニオン重合化合物が記載されているが、当該特許文献に記載の化合物においては、本発明の化合物のような4−メチレン−1,3−ジオキソラン基をその化学構造に有するものではない。
また、ジオキソラン構造を有する化合物を用いた接着剤への応用例として、特許文献3には、エチレン性二重結合を有するポリビニルアセタール化合物と、1分子中に1個以上の(メタ)アクリロイル基と酸素を含む複素環構造とを有する化合物を含有することを特徴とする硬化性組成物の接着剤への応用が記載されている。
特開2002−155073号公報 米国特許6492449号公報 特開2009−84432号公報
以上のように、本発明に係る4−メチレン−1,3−ジオキソラン基とアニオン重合性基或いはカチオン重合性基を有する官能基を有する化合物は知られておらず、またその用途についても不明である。また、本発明の4−メチレン−1,3−ジオキソラン基を有する類似の化合物については、接着剤への応用例はあるものの、密着性及び接着性について必ずしも十分ではない。
以上を鑑み、本発明の課題は、優れた密着性を有するコーティング、インキおよび優れた接着性を有する接着剤の提供を目的として、4−メチレン−1,3−ジオキソラン基を有する化合物、及び該誘導体の重合体を提供することにある。
本発明では、一般式(1)
Figure 2011001274
(式中、Rは、水素原子、または炭素数1〜4の直鎖状或いは分岐状のアルキル基、Xは、炭素数1〜5の直鎖状或いは分岐状のアルキレン基、炭素数1〜5の直鎖状或いは分岐状のアルケニレン基、または炭素数1〜6のアルキル基を置換基として有してもよいアリーレン基を表す。)
で表される4−メチレン−1,3−ジオキソラン誘導体(A)、及び該4-メチレン−1,3−ジオキソラン誘導体(A)のグリシジル基が重合することにより得られる一般式(2)の4−メチレン−1,3−ジオキソラン誘導体(B)により、上記課題を解決する。
Figure 2011001274
(式中、Rは、水素原子、または炭素数1〜4の直鎖状或いは分岐状のアルキル基、Xは、炭素数1〜5の直鎖状或いは分岐状のアルキレン基、炭素数1〜5の直鎖状或いは分岐状のアルケニレン基、または炭素数1〜6のアルキル基を置換基として有してもよいアリーレン基、nは2〜200の整数を表す。)
本発明によれば、優れた密着性および接着性を有するコーティング、インク、接着剤等として用いることのできる4−メチレン−1,3−ジオキソラン誘導体を提供することができる。
実施例3で得られる重合体のGPCチャートを示す。
本発明は、コーティング、インク、及び接着剤として用いることができるUV硬化性単量体、及び該単量体の重合により得られる重合体に関する。
即ち、一般式(1)
Figure 2011001274
(式中、Rは、水素原子、または炭素数1〜4の直鎖状或いは分岐状のアルキル基、Xは、炭素数1〜5の直鎖状或いは分岐状のアルキレン基、炭素数1〜5の直鎖状或いは分岐状のアルケニレン基、または炭素数1〜6のアルキル基を置換基として有してもよいアリーレン基を表す。)
で表される4−メチレン−1,3−ジオキソラン誘導体(A)、及び該4-メチレン−1,3−ジオキソラン誘導体(A)のグリシジル基が重合することにより得られる一般式(2)の4−メチレン−1,3−ジオキソラン誘導体(B)に関する。
Figure 2011001274
(式中、Rは、水素原子、または炭素数1〜4の直鎖状或いは分岐状のアルキル基、Xは、炭素数1〜5の直鎖状或いは分岐状のアルキレン基、炭素数1〜5の直鎖状或いは分岐状のアルケニレン基、または炭素数1〜6のアルキル基を置換基として有してもよいアリーレン基、nは2〜200の整数を表す。)
また、本発明では、上記4−メチレン−1,3−ジオキソラン誘導体(A)、または上記4−メチレン−1,3−ジオキソラン誘導体(B)を含むコーティング、インキおよび接着剤に関する。
本発明の一般式(1)で表される4−メチレン−1,3−ジオキソラン誘導体(A)において、Rは水素原子、または炭素数1〜4の直鎖状或いは分岐状のアルキル基を表す。炭素数1〜4の直鎖状或いは分岐状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基等の低級アルキル基を挙げることができるが、これらに限られない。
Xの炭素数1〜5の直鎖状或いは分岐状のアルケニレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、メチルエチレン基、メチルプロピレン基、メチルブチレン基等のアルケニレン基を挙げることができるが、これらに限られない。また、炭素数1〜6のアルキル基を置換基として有してもよいアリーレン基としては、フェニレン基、メチルフェニレン基、ブチルフェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基等のアリーレン基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
また、本発明は、一般式(2)
Figure 2011001274
(式中、Rは、水素原子、または炭素数1〜4の直鎖状或いは分岐状のアルキル基、Xは、炭素数1〜5の直鎖状或いは分岐状のアルキレン基、炭素数1〜5の直鎖状或いは分岐状のアルケニレン基、または炭素数1〜6のアルキル基を置換基として有してもよいアリーレン基、nは2〜200の整数を表す。)
で表される4−メチレン−1,3−ジオキソラン誘導体(B)に関する。
当該4−メチレン−1,3−ジオキソラン誘導体(B)は、前記一般式(1)で表される4−メチレン−1,3−ジオキソラン誘導体(A)のグリシジル基が重合することにより得られる化合物であり、式中R及びXは、一般式(1)におけるR及びXと同一のものを示す。また、nは、2〜200の整数を表し、一般式(1)の4-メチレン−1,3−ジオキソラン誘導体(A)の重合度を示す。本重合は、通常公知のグリシジル基が重合する条件であれば、特に制限はなく、例えば、有機溶媒中あるいは無溶剤で、t−ブトキシカリウム等のカリウムアルコキシドや2−エチルヘキサン酸カリウム等のカリウム塩などのアルカリ金属系開始剤を用いて、0〜120℃でアニオン重合により実施できる。
次に、本発明に係る4−メチレン−1,3−ジオキソラン誘導体(A)及び(B)の製造方法について説明する。
まず、4−メチレン−1,3−ジオキソラン誘導体(A)については、一般式(3)
Figure 2011001274
(式中、Rは、水素原子、または炭素数1〜4の直鎖状或いは分岐状のアルキル基、Xは、炭素数1〜5の直鎖状或いは分岐状のアルキレン基、炭素数1〜5の直鎖状或いは分岐状のアルケニレン基、または炭素数1〜6のアルキル基を置換基として有してもよいアリーレン基、Yは塩素原子、または臭素原子を表す。)
で表される1,3−ジオキソラン誘導体に塩基性物質を反応させることによって得ることができる。ここで、R及びXは、前記したものと同一であり、Yは、塩素原子または臭素原子を表すが、塩素原子がより好ましい。
一般式(1)で表される誘導体は、一般式(3)で表される誘導体を、塩基性物質で処理することにより得ることができる。
用いられる塩基性物質については、一般式(3)で表される誘導体から、脱塩化水素或いは脱臭化水素化を行うことのできる塩基性物質であれば、制限なく用いることができる。このような塩基性物質としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ水酸化物、第一級アルコール、第二級アルコール、または第3級アルコールとアルカリ金属とから得られるアルカリ金属アルコラートが好ましく、具体的には、グリシジル基への反応性を考慮して、特にt−ブトキシカリウムが好ましい。
脱塩化水素或いは脱臭化水素化反応の温度範囲は、用いられる塩基性物質により異なるが、通常−10〜200℃であり、副反応を考慮すると0〜50℃の範囲が好ましい。
また、塩基性物質と、一般式(3)で表される誘導体とのモル比率((3):塩基性物質)は、通常1:1〜1:10であり、1:1〜1:2の範囲が好ましい。
反応には、有機溶媒を用いることができ、用いることのできる有機溶媒は、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の飽和炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、エタノール、イソプロパノール、2−ブタノール、t−ブタノール、エチレングリコール、カルビトール等のアルコール類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル類、ジメチルホルムアミド(DMF)等のアミド類、ジメチルスルホキシド(DMSO)等を挙げることができる。特に好ましいのは、トルエン、DMSO、THFである。
また、上記有機溶媒は用いなくても反応を行うことは可能である。
当該一般式(3)で表される化合物は、例えば、下記に従って製造することができる。
Figure 2011001274
但し、式中、R、X、及びYは、上記に記載したものを表す。
まず、一般式(4)で表されるカルボニル化合物を酸性物質の存在下に、3−クロロ−1,2−プロパンジオールと反応させ、一般式(5)で表されるジオキソラン誘導体とする。使用される酸性物質は、カルボニル化合物とジオール類とのアセタール化反応を行うことのできる、通常公知の酸触媒を用いることができ、このような酸触媒としては、例えば、硫酸、塩酸等の鉱酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸、ルイス酸等を挙げることができる。
一般式(4)で表されるカルボニル化合物は、アルデヒド類でもケトン類でも、どちらでも用いることができる。アルデヒドの場合には、サリチルアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド等を挙げることができる。
次に、一般式(5)で表されるジオキソラン誘導体とエピクロロヒドリンと反応させる。
反応は、無機塩基或いは有機塩基の存在下に行い、好ましい無機塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ水酸化物を挙げることができ、有機塩基としては、第一級アルコール、第二級アルコール、または第3級アルコールとアルカリ金属とから得られるアルカリ金属アルコラートを挙げることができるが、具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ水酸化物が好ましい。
塩基性物質と、一般式(5)で表される化合物とのモル比率((5):塩基性物質)は、通常1:1〜1:10であり、1:1.1〜1:3の範囲が好ましい。
反応に用いることのできる有機溶媒は、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の飽和炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、エタノール、イソプロパノール、2−ブタノール、t−ブタノール、エチレングリコール、カルビトール等のアルコール類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジメチルホルムアミド(DMF)等のアミド類、ジメチルスルホキシド(DMSO)等を挙げることができる。特に好ましいのは、1,4−ジオキサン、アセトンである。
反応温度は、通常、0〜100℃で行うことができ、好ましくは0〜70℃である。
得られた粗製物の精製は、公知慣用の減圧蒸留、再結晶等により行うことができる。
また、一般式(6)で表されるジオキソラン誘導体の製造は、例えば、下記式に従って、α,β−不飽和カルボニル化合物(7)と、3−クロロ−1,2−プロパンジオールとの反応によって製造することができる。
Figure 2011001274
但し、式中、R、X、及びYは、上記に記載したものを表す。
α,β−不飽和カルボニル化合物(7)としては、アクロレイン等のアルデヒド類、メチルビニルケトン、エチルビニルケトン等のケトン類を挙げることができる。
本製造方法は、酸性物質の存在下に、公知慣用のアセタール化反応と、3−クロロ−1,2−プロパンジオールのα,β−不飽和カルボニル化合物(7)へのマイケル付加反応を行うことによる。反応は、溶媒を用いても用いなくても良いが、用いる場合には、アセタール化反応及びマイケル付加反応に関与しない有機溶媒を用いることができ、例えば、トルエン等の芳香族炭化水素が好ましい。
酸性物質としては、例えば、硫酸、塩酸等の鉱酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸、ルイス酸等を挙げることができる。
反応は、加熱下に生成する水を除きながら行うことが好ましく、反応時間は、用いられる有機溶媒、酸性物質により異なるが、通常1〜20時間である。
次に、一般式(6)で表されるジオキソラン誘導体を、塩基性物質で処理して目的とする一般式(3)で表されるジオキソラン誘導体とする。
本反応は、無機塩基或いは有機塩基の存在下に行い、好ましい無機塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ水酸化物を挙げることができ、有機塩基としては、第一級アルコール、第二級アルコール、または第3級アルコールとアルカリ金属とから得られるアルカリ金属アルコラートを挙げることができるが、具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ水酸化物が好ましい。
塩基性物質と、一般式(6)で表される化合物とのモル比率((6):塩基性物質)は、通常1:1〜1:10であり、1:1.1〜1:3の範囲が好ましい。
反応に用いることのできる有機溶媒は、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の飽和炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、エタノール、イソプロパノール、2−ブタノール、t−ブタノール、エチレングリコール、カルビトール等のアルコール類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジメチルホルムアミド(DMF)等のアミド類、ジメチルスルホキシド(DMSO)等を挙げることができる。特に好ましいのは、1,4−ジオキサン、アセトンである。
反応温度は、通常、0〜100℃で行うことができ、好ましくは0〜70℃である。得られた粗製物の精製は、公知慣用の減圧蒸留、再結晶等により行うことができる。
次に、一般式(2)で表されるジオキソラン誘導体は、一般式(1)で表されるジオキソラン誘導体のアニオン重合反応によって得ることができる。
Figure 2011001274
但し、式中、R、X、Y、及びnは、上記に記載したものを表す。
反応は、通常公知の条件よって行うことが可能であり、重合反応の開始剤として、塩基性物質または相関移動触媒を用いることができる。
用いられる塩基性物質としては、無機塩基或いは有機塩基の存在下に行い、好ましい無機塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ水酸化物、水素化ナトリウム等のアルカリハイドライドを挙げることができ、有機塩基としては、第一級アルコール、第二級アルコール、または第三級アルコールとアルカリ金属とから得られるアルカリ金属アルコラートを挙げることができるが、具体的には、特にt−ブトキシカリウムが好ましい。反応温度は、アニオン重合反応が起きる温度であれば特に制限はないが、60〜100℃の温度を挙げることができる。
また、エポキシ基を開環させうる相間移動触媒を用いてもよい。このような触媒としては、例えば、クラウンエーテル等を挙げることができる。
触媒は、一般式(3)で表されるジオキソラン誘導体1molに対して、0.01〜100mmolを添加すればよい。
重合反応時間は、目的とする重合体によって異なるが、通常10分〜72時間でよい。
得られた重合体は、公知慣用の精製方法により精製することができる。精製方法としては、例えば、溶媒洗浄、再結晶等を挙げることができる。
一般式(2)で表されるジオキソラン誘導体の重合度に特に制限はないが、好ましくは、2〜200の重合度を挙げることができる。
本発明のジオキソラン誘導体は酸発生剤共存下、光又は熱によりカチオン重合し、硬化皮膜を形成する。酸発生剤は光又は熱により酸を発生し、本発明のジオキソラン誘導体を反応させるものであれば何ら制限はない。
かかる光酸発生剤としては、通常公知のものを用いることができ、例えば、芳香族化合物のオニウム塩誘導体を挙げることができる。このオニウム塩誘導体は、光を受けることにより酸性活性物質を放出することができる化合物として、アニオン基を有するオニウム塩である。
このような塩としては、具体的には、ジフェニル−(4−フェニルチオ)フェニルスルフォニウム ヘキサフルオロフォスフェート(商品名:サンアプロ(株)製CPI−100P)、1−ナフチルメチルメチルp−ヒドロキシフェニルスルフォニウムヘキサフルオロアンチモナート(商品名:三新化学工業(株)製サンエイドSI−60)、(4−メチルフェニル)[4−(2−メチルプロピル)フェニル]ヨードニウム−ヘキサフルオロフォスフェート(商品名:チバ・ジャパン(株)製イルガキュア250)、トルイルクミルヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(商品名:ローヌプーラン社製RH2074)などを挙げることができる。
また熱酸発生剤としては、通常公知のものを用いることができ、例えば、上述した芳香族化合物のオニウム塩誘導体や、脂肪族化合物のオニウム塩が挙げられる。
このような脂肪族化合物のオニウム塩としては2−ブテニルテトラメチレンスルフォニウムヘキサフルオロアンチモネート(商品名:ADEKA(株)製のアデカオプトンCP−66)などを挙げることができる。
これら酸発生剤の添加量は特に制限されるものではないが、本発明のジオキソラン誘導体100質量部に対して、通常0.1〜15質量部の範囲内の値とするのが好ましい。酸発生剤の添加量が0.1質量部未満となると、硬化性が低下し、十分な硬化速度が得られない傾向がある。一方、酸発生剤の添加量が15質量部を超えると、得られる硬化物の耐候性や耐熱性が低下する傾向がある。したがって、硬化性と得られる硬化物の耐候性等とのバランスから、酸発生剤の添加量を、本発明のジオキソラン誘導体100質量部に対して1〜10質量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
勿論、本発明の効果を損なわない範囲で、他のカチオン重合性単量体を併用してもよい。本発明において使用し得るカチオン重合性化合物とは、脂環式エポキシ化合物、オキセタン化合物、グリシジルエーテル化合物等が挙げられる。脂環式エポキシ化合物を例示すれば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート(商品名:ダイセル化学(株)製セロキサイド2021P)等が例示される。更に、「セロキサイド2080、2081、2083、3000、2000」(ダイセル化学工業製品名)、「エポリードGT−301、302、401、403」(ダイセル化学工業製品名)、「CYCLOMER M100、M101、A200」(ダイセル化学工業製品名)等が挙げられる。
オキセタン化合物としては、2−ヒドロキシメチル−2−エチルオキセタン(商品名:東亞合成(株)製OXT−101)、キシリレンビスオキセタン(商品名:東亞合成(株)OXT−121)、3−エチル−3{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタン(商品名:東亞合成(株)製OXT−221)等が挙げられる。
また、グリシジルエーテル化合物として、1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテル(商品名:ナガセケムテック(株)製デナコールEX−212L)、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル(商品名:ナガセケムテック(株)製デナコールEX−216L)、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル(商品名:ナガセケムテック(株)製デナコールEX−321L)、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(商品名:DIC(株)製エピクロン850)、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル(商品名:DIC(株)製エピクロンEXA−7015)等が挙げられる。
これらのカチオン重合性単量体は単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることができ、その使用量は本発明のジオキソラン誘導体10〜99質量部に対し1〜90質量部である。とりわけ本発明のジオキソラン誘導体30〜90質量部に対し、カチオン重合性単量体70〜10質量部使用すると、硬化物性のバランスが取れるため好ましい。
本発明のジオキソラン誘導体を含有する硬化性組成物は熱または光により硬化することができるが、光による硬化、とりわけ紫外線による硬化が硬化速度の点から好ましい。
紫外線光源としては、例えばキセノンランプ、キセノン−水銀ランプ、メタルハライドランプ、高圧水銀灯、低圧水銀灯、LEDランプなど公知のランプが使用できる。また、照射量は特に制限なく必要に応じて選択できるが、例えば50〜5000mJ/cmであれば硬化できるが、基材の損傷の観点から100〜2000mJ/cmであることが好ましい。前記本発明のメチレンジオキソラン誘導体を含有する硬化性組成物は、特に限定なく種々の用途に適用できるが、とりわけ接着性に優れる特性を有することから接着剤として有効である。
接着剤として使用する場合には必要に応じて各種添加剤を本発明の効果を損なわない範囲で使用することができる。添加剤としては、例えばシランカップリング剤、充填剤、チキソ付与剤等を挙げることができる。
シランカップリング剤としては、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等を使用することができる。
充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、カオリン、タルク、アルミナ、酸化マグネシウム活性炭等を使用することができる。
チキソ付与剤としては、例えば、表面処理炭酸カルシウム、微粉末シリカ、ベントナイト、ゼオライト等を使用することができる。
また、粘度を調整し、その塗工作業性等を改善する観点から、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン等の有機溶剤を併用することもできる。
本発明の接着剤組成物を塗布する方法としては、例えばグラビアコート法、ロッドコート法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、ロールコート法等の従来公知の塗工方法により塗布することができる。
また、本発明の接着剤組成物は各種基材上に塗布した後、該塗布面に紫外線を照射し、次いで基材を貼り合せて接着する方法、あるいは使用する基材が透明または半透明の場合には、接着剤組成物を基材上に塗布し、該塗布面に別の基材を貼り合せた後に、透明または半透明の基材上から紫外線を照射することによって接着することもできる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、もとより本発明はこれら実施例の範囲に限定されるものではない。
(製造例1)1−クロロ−3−[2−(4−クロロメチル−[1,3]ジオキソラン−2−イル)−エトキシ]−プロパン−2−オールの製造
温度計、還流冷却器及び滴下漏斗を装着した500mlの三口フラスコ中の3−クロロ−1,2−プロパンジオール183ml(242g、2.2mol)に、アクロレイン74ml(純度90%、アクロレインとして56g、1.0mol)を滴下した。半量のアクロレイン(アクロレイン37ml)を滴下した後に、p−トルエンスルホン酸1.9g(0.01mol)を反応混合物に添加した。さらに、残りの半量のアクロレインを滴下した(アクロレイン滴下のための合計時間:90分)。その際、30〜35℃への温度上昇が観測された。
滴下終了後、滴下漏斗を取り外し、反応混合物を55℃に加熱し、8時間攪拌した。GC−MSによる反応混合物の反応変換率が約90〜99%(GC−MSによる分析は、トリメチルシリル化3−クロロ−1,2−プロパンジオールと、反応生成物の比率で算出)になるまで反応を行った。
反応終了後、炭酸ソーダ1.9gを添加した。反応生成物の減圧蒸留を行い、目的物139gを得た。収率:54%
Bp.:130°C/0.02mbar
13C−NMR(CDCl,75MHz):δ=34.0(),44.5(),46.0(),66.9(),68.1(),70.1(H),71.6(CH),75.3(CH),103.5(CH)ppm
IR(NaCl):3448(br),2961(m),2932(sh),2880(s),1475(w),1427(m),1373(w),1298(w),1256(w),1227(w),1122(br,vs),1074(sh),1043(s,sh),928(m),845(m),746(m)cm−1
MS(EI)m/z=330([M+SiMe+・),295,213,191,167,151,121([CClO+・),116,101,93,75,73,(100,[(CHSi]+),57,45,29
MS(CI/EI)m/z=331,295,221[M+],183,149
(製造例2)
4−クロロメチル−2−(2−オキシラニルメトキシ−エチル)−[1,3]−ジオキソランの製造
粒状水酸化ナトリウム80g(2.0mol)を、0℃で、製造例1の操作により得られた粗製1−クロロ−3−[2−(4−クロロメチル−[1,3]ジオキソラン−2−イル)−エトキシ]−プロパン−2−オールに、少量ずつ添加した。その際、反応混合物は明黄色に変化し、発熱が観測された。15分後に、反応混合物を室温まで昇温し、水250mlを反応混合物に添加して沈殿物を溶解した。反応混合物をジエチルエーテル125mlで抽出し、水層はジエチルエーテル100mlで二度抽出した。集合した有機層を、食塩水で洗浄して硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下に溶剤を留去し、濃縮残渣を、10cm真空Vigreuxカラムを用いた蒸留を行い、目的物の無色液体103.6gが得られた。収率:2工程で62%
b.p.:97°C/0.021mbar
13C−NMR(CDCl,75MHz):δ=34.3(O);44.0(HEpoxy);44.5(Cl);50.6(HCEpoxy);66.7(HC−−O−CH);68.0(HC−CH−O−);71.6(ClCC−);75.2(ClCH);103.2(O H−CH
IR(film、NaCl):3550(br),3070(s),2996(sh),2961(m),2932(m),2880(s),1478(m),1427(m),1395(sh),1375(w),1339(w),1256(m),1138(vs),1107(sh),1040(s),930(m),912(m),849(m),758(m)cm−1
MS(EI)m/z=221([M−1]+・),148,134,121(100,[CClO+・),99,93,75,57,43,29([C+
(実施例1)
4−メチレン−2−(2−オキシラニルメトキシ−エチル)−[1,3]ジオキソランの製造
温度計、撹拌装置と滴下漏斗を装着した三口フラスコ、製造例1で得られた1−クロロ−3−[2−(4−クロロメチル−[1,3]ジオキソラン−2−イル)−エトキシ]−プロパン−2−オール168g(0.75mol)及び製造例2で得られた4−クロロメチル−2−(2−オキシラニルメトキシ−エチル)−[1,3]−ジオキソラン248g(1.0mol)から成る反応混合物を、THF中、t−ブトキシカリウム336g(3.0mol)に−10℃で滴下を開始し、反応液が20℃以下になるように滴下した。滴下終了後、反応混合液を室温で1.5時間攪拌した。アニオン重合反応を避けるために反応混合物を氷浴で冷却し、氷水混合物1500mLに注入した。
有機層と水層を分離し、有機層を食塩水400mLで洗浄後、水層を更にジエチルエーテル300mLで抽出した。有機層を再び食塩水(2×200ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。有機溶媒を留去した後、残渣364gが得られ、液体クロマトグラフィー(HPLC)で分析した。混合物として、4−メチレン−2−(2−オキシラニルメトキシ−エチル)−[1,3]ジオキソラン200g(HPLC感度:56%)と4−クロロメチル−2−(2−オキシラニルメトキシ−エチル)−[1,3]−ジオキソラン(HPLC感度:27%)が得られた。
上記粗製物を8cm真空Vigreuxカラムを用いた蒸留を行い、目的物の無色液体61gが得られた。収率:19%
bp.:64−67°C/0.02mbar
13C−NMR(CDCl,75MHz):δ=34.1(OCH−),44.0(HEpoxy),50.6(HCEpoxy),66.4(CH OCH−),67.1(CHEpoxy),71.7(O−−C(=CH)O),78.0(C=),104.7(O HCH),155.9(CH)ppm
IR(film,NaCl):2966(sh),2874(s),1688(vs),1414(s),1393(sh),1319(s),1252(vs),1134(s,sh),1109(vs,br),1070(sh),1040(w),966(s),914(m),806(s)cm−1
MS(EI)m/z=186([M]+・),129([C+・),112,85([C+・),57([CO]+・),43,29(100,[C+,[CHO]+
(製造例3)
2−(4−クロロメチル−[1,3]ジオキソラン−2−イル)フェノールの製造
3−クロロ−1,2−プロパンジオール150ml(1.8mol)、サリチルアルデヒド200ml(1.9mol)、及びトルエン300mlの混合物を、触媒としてp−トルエンスルホン酸0.2gの存在下に、16mlの水が捕集されるまで加熱還流下に反応を行った(湯浴温度:150℃)。反応混合物を室温まで冷却し、飽和重炭酸ナトリウム液20mlを添加し、ジエチルエーテルで二度抽出した。有機層を、食塩水で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥した。有機溶剤留去後に、得られた粗生成物を減圧下に蒸留を行い、無色粘着性液体として161g(0.752mol)が得られた(本品は、約10%の3−クロロ−1,2−プロパンジオールを含む。)
bp.:110−112°C/0.07mbar
13C−NMR(CDCl、75MHz):δ=43.8/44.1(C−Cl)、67.6/68.2(CHO)、74.8/75.2(CAr−COH)、104.1/104.9(CAr)、116.9/117.0(CAr)、119.8/120.0(2xCAr)、127.9/128.5(CAr)、130.8/131.0(CAr)、155.0/155.1(CArOH)ppm
MS(EI、TMS)m/z=285([M]+・)、271(M−CH)、251(M−Cl)、237(M−CHCl)、221、207、195、179、(100、[C1015OSi]+)、161、151、135、121(CClO)、105、91、73、59、45、29
(製造例4)
4−クロロメチル−2−(2−オキシラニルメトキシ−フェニル)−1、3−ジオキソランの製造
2−(4−クロロメチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)フェノール150g(0.7mol)とエピクロルヒドリン161g(1.75mol)を、4−ジオキサン300mlに添加し、反応混合物を5〜10℃に冷却した。反応液の温度が20℃を超えないように、20%の水酸化ナトリウム溶液(水酸化ナトリウム35g使用(0.875mol))を滴下した。滴下終了後、反応混合物を室温まで昇温した。反応液を、55〜60℃まで加熱し、GC−モニターにおいて反応が完全に終了するまで、3時間反応させた。反応混合物に、飽和食塩水100mLとジエチルエーテル200mLを添加し、分液した。有機層を食塩水150mLで2度洗浄した。有機層を集合後、水で洗浄後、分液した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、有機溶剤を留去した。得られた粗製物は、十分に純粋であったので、次の反応工程でそのまま使用した。
収量:粗製物194.2g
13C−NMR(CDCl、75MHz):δ=44(HEpoxy)、45(ClC)、50(HCEpoxy)67(OEpoxy)、69(ClCC−)、76(ClCH)100(O Ar)、112(CAr)、121(CAr)、125(CAr)、127(CAr)、131(CAr)、157(CAr−O)ppm
IR(フィルム、NaCl):3470(br)、3061(sh)、3050(m)、2999(sh)、2957(m)、2922(m)、2888、2857(sh)、1605、1593(sh)、1495(vs)、1456(vs)、1429(m)、1402(s)、1368(m)、1346(m)、1289(vs)、1254(vs)、1198(s)、1163(m)、1121(vs)、1071(vs)、1049(s)、1030(vs)、968、939、916、889(m)、874、853、843、818(m)、758(vs)cm−1
MS(EI、TMS)m/z=285、271([M+1]+・)、251、237、221、195、179、(100)、161、151、135、121([CClO]+・)、105、91、73、59、45
(実施例2)
4−メチレン−2−(2−オキシラニルメトキシ−フェニル)−[1,3]ジオキソランの製造
温度計、撹拌装置と滴下漏斗を装着した三口フラスコ中で、4−クロロメチル−2−(2−オキシラニルメトキシ−フェニル)−1、3−ジオキソラン190gをTHF300mLに溶解し、t−ブトキシカリウム120g(1.06mol)のTHF1000mL溶液に、反応混合物の温度が10℃以下になるように攪拌下滴下した。滴下終了後、23℃までゆっくり昇温した。アニオン重合反応を避けるために反応混合物を氷浴で冷却し、食塩水に注入した。ジエチルエーテル300mLで抽出し、更に有機層を食塩水100mLで洗浄し、ジエチルエーテル150mLで再抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、有機溶媒を留去して、粗製物150gを得た(GC相対感度:73%)。
上記粗製物を8cm真空Vigreuxカラムを用いた蒸留を行い、目的物の無色液体を得た。
bp.:110−130°C/0.009mbar
13C−NMR(CDCl,75MHz):δ=44.5(HEpoxy),50.0(HCEpoxy),67.4(OEpoxy),69.1,69.2(O−−C(=CH)O),78.0(C=),101.3,101.5(O HAr),112.1(CAr),121.1(CAr),124.7(CAr),127.2(CAr),130.8(CAr),156.1,156.6(CAr−O,CH)ppm
IR(film,NaCl):3052(w),2999(w),2926(w),2872(w),1686(s),1607(s),1493(s),1456(s),1398(m),1319(m),1289(s),1246(vs),1196(w),1121(m),1071(vs),1049(m),1026(s),996(w),968(s),916(m),864(m),843(sh),816(s)cm−1
MS(EI)m/z=234([M]+・),192,176,161,145,135[100,C],120,105,91,77,65,57,29
(実施例3)
4−メチレン−2−(2−オキシラニルメトキシ−エチル)−[1,3]ジオキソランのアニオン重合反応
実施例1で得られた4−メチレン−2−(2−オキシラニルメトキシ−エチル)−[1,3]ジオキソランに対して、4.5質量%のt−ブトキシカリウムと4−メチレン−2−(2−オキシラニルメトキシ−エチル)−[1,3]ジオキソランを、密封されたガラスチューブ中で不活性ガスを使用せずに60℃で20時間加熱攪拌した。反応終了後、メタノールに注入し、濾過後、クロロホルム:ヘキサン=1:1の混合溶媒で洗浄して、減圧下に乾燥した。収率:70%、GPCによる重量平均分子量=2830g/mol
(比較製造例)
1,3−ビス(4−メチレン−1,3−ジオキソラン−2−イル)プロパン
特開2002−155073に記載の方法で1,3−ビス(4−クロロメチル−1,3−ジオキソラン)プロパン(以下PBMOと略称する)195gを得た。
(実施例4〜6)UV硬化性コーティングとしての評価
表1に示した組成で調製した本発明のジオキソラン誘導体を含有するUV硬化性組成物を以下の試験に供した。
[鉛筆硬度]
表面処理ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡(株)製コスモシャインA4100)上に膜厚が10μmになるようUV硬化性組成物を塗布し、120W/cm高圧水銀灯を備えたコンベア式紫外線照射装置(アイグラフィックス(株)製)を用いて500mJ/cmの照射量で紫外線を照射後、温度25℃、湿度45%の環境下で5日間養生して試験用サンプルを得た。JIS−K5400試験法に準じて鉛筆硬度を評価した結果を表1に示した。
[耐溶剤性]
上記鉛筆硬度に供した試験サンプルの表面を、MEKを浸した綿棒で擦り、塗膜が剥がれたときの擦った往復回数を表1に示した。
[密着性]
ガラスまたはアルミ基板上に膜厚が10μmになるようUV硬化性組成物を塗布し、120W/cm高圧水銀灯を備えたコンベア式紫外線照射装置(アイグラフィックス(株)製)を用いて500mJ/cmの照射量で紫外線を照射後、温度25℃、湿度45%の環境下で5日間養生して試験用サンプルを得た。JIS−K5400試験法 クロスカットテープ法に準じ、下記基準にて密着性を評価した結果を表1に示した。
○:全く剥がれなし
△:一部に剥がれあり
×:大部分に剥がれあり
結果を表1に示す。
(比較例1〜3)
表1に示した組成で調製した比較例組成物について実施例と同様の評価を行い、その結果を表1に示す。表中の化合物組成を示す数値は、質量部を表す。
Figure 2011001274
(表中の化合物の説明)
OXT−221;3−エチル−3{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタン(東亞合成(株)製のアロンオキセタンOXT−221)
CEL2021P;3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート(ダイセル化学工業(株)製のセロキサイド2021P)
PBMO;比較製造例で得た1,3−ビス(4−クロロメチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)プロパン
EX216L;シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル(ナガセケミテック
(株)製のデナコールEX216L)
CPI100P;ジフェニル−(4−フェニルチオ)フェニルスルフォニウム ヘキサフルオロフォスフェート(サンアプロ(株)製のCPI−100P)
表1の通り、本発明のジオキソラン誘導体を含有するUV硬化性組成物は密着性、鉛筆硬度および耐溶剤性のバランスが取れた塗膜性能を示す。一方、比較例のUV硬化性組成物は鉛筆硬度と耐溶剤性が優れるものの、塗膜の密着性が低いことが明らかである。
(実施例7〜9)UV硬化性接着剤としての評価
表2に示した組成で調製した本発明のジオキソラン誘導体を含有するUV硬化性接着剤を、厚さ100μmの表面処理PETフィルム(東洋紡(株)製コスモシャインA4100)上に膜厚が10μmになるよう塗布し、接着剤塗布面にもう一枚の同フィルムを重ね合わせ、ゴムローラーを用いて加圧して積層体を作製した。次いで、120W/cm高圧水銀灯を備えたコンベア式紫外線照射装置(アイグラフィックス(株)製)を用いて紫外線照射量が500mJ/cmとなる様に積層体に照射後、温度25℃、湿度45%の環境下で5日間養生して接着剤評価用試験片を準備した。この試験片を使用してJIS−K6854試験法 T形はく離強度試験法に準じ、下記の基準で接着性を評価した。
○:剥離強度10N/25mm以上またはPETフィルムの破断(MB)
△:接着強度3〜5N/25mm
×:接着強度3N/25mm未満
結果を表2に示す。
(比較例4〜5)
表2に示した組成で調製した比較例組成物について実施例と同様の評価を行い、その結果を表2に示した。表中の化合物組成を示す数値は、質量部を表す。
Figure 2011001274
(表中の化合物の説明)
OXT−221;3−エチル−3{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタン(東亞合成(株)製のアロンオキセタンOXT−221)
PBMO;比較製造例で得た1,3−ビス(4−クロロメチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)プロパン
EX216L;シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル(ナガセケミテック
(株)製のデナコールEX216L)
CPI100P;ジフェニル−(4−フェニルチオ)フェニルスルフォニウム ヘキサフルオロフォスフェート(サンアプロ(株)製のCPI−100P)
表2の通り、本発明のジオキソラン誘導体を含有するUV硬化性接着剤組成物は優れた接着性を示す。一方、比較例のUV硬化性接着剤組成物は接着性に劣ることが明らかである。
本発明の4−メチレン−1,3−ジオキソラン誘導体は、コーティング、インク、接着剤としての利用が可能であるが、とりわけ接着剤として有効である。

Claims (9)

  1. 一般式(1)
    Figure 2011001274
    (式中、Rは、水素原子、または炭素数1〜4の直鎖状或いは分岐状のアルキル基、Xは、炭素数1〜5の直鎖状或いは分岐状のアルキレン基、炭素数1〜5の直鎖状或いは分岐状のアルケニレン基、または炭素数1〜6のアルキル基を置換基として有してもよいアリーレン基を表す。)
    で表される4−メチレン−1,3−ジオキソラン誘導体(A)。
  2. 請求項1に記載の4-メチレン−1,3−ジオキソラン誘導体(A)のグリシジル基が重合することにより得られる一般式(2)
    Figure 2011001274
    (式中、Rは、水素原子、または炭素数1〜4の直鎖状或いは分岐状のアルキル基、Xは、炭素数1〜5の直鎖状或いは分岐状のアルキレン基、炭素数1〜5の直鎖状或いは分岐状のアルケニレン基、または炭素数1〜6のアルキル基を置換基として有してもよいアリーレン基、nは2〜200の整数を表す。)
    で表される4−メチレン−1,3−ジオキソラン誘導体(B)。
  3. 請求項1または2に記載の4−メチレン−1,3−ジオキソラン誘導体、及び光酸発生剤を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  4. エポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、及びオキセタン化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物10〜70質量部、
    請求項1または2に記載の4−メチレン−1,3−ジオキソラン誘導体90〜30質量部、及び
    光酸発生剤0.1〜10質量部からなる請求項3に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  5. 請求項3または4に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を含有することを特徴とする接着剤。
  6. 前記活性エネルギー線が紫外線である請求項3または4に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  7. 前記活性エネルギー線が紫外線である請求項5に記載の接着剤。
  8. 一般式(3)
    Figure 2011001274
    (式中、Rは、水素原子、または炭素数1〜4の直鎖状或いは分岐状のアルキル基、Xは、炭素数1〜5の直鎖状或いは分岐状のアルキレン基、炭素数1〜5の直鎖状或いは分岐状のアルケニレン基、または炭素数1〜6のアルキル基を置換基として有してもよいアリーレン基、Yは塩素原子、または臭素原子を表す。)
    で表される1,3−ジオキソラン誘導体に塩基性物質を反応させることによる、一般式(1)
    Figure 2011001274
    (式中、Rは、水素原子、または炭素数1〜4の直鎖状或いは分岐状のアルキル基、Xは、炭素数1〜5の直鎖状或いは分岐状のアルキレン基、炭素数1〜5の直鎖状或いは分岐状のアルケニレン基、または炭素数1〜6のアルキル基を置換基として有してもよいアリーレン基を表す。)
    で表される4−メチレン−1,3−ジオキソラン誘導体(A)の製造方法。
  9. 前記塩基性物質が、アルカリ金属アルコラートである請求項8に記載の4−メチレン−1,3−ジオキソラン誘導体(A)の製造方法。
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