JP2010540872A - ロック要素およびボルト継手 - Google Patents

Abstract

ボルト継手における固定のためのロック要素（１）であって、ロック要素は、放射状に延在するカム（５）パターンを備える一面（４）を備え、一面の主表面（５’）は、らせん形状を有し、カムの傾斜度はボルト継手に関するねじ山の傾斜度より大きい。ロック要素は、ロック要素が継手（２）において単独ロック要素として適用されるよう意図したワッシャー（１）であり、かつ前記他面と前記他面が作用することを意図した表面との間の回転を防ぐために、ワッシャーの他（反対）側（７）が固定作用を提供するための機械的手段（８）を備えることを特に特徴としている。また本発明は、ボルト継手に関連する。

Description

本発明は、添付の請求項１の導入部によるロック要素に関する。

また本発明は、添付の請求項９によるボルト継手に関する。

ボルト継手における固定目的のためのワッシャーは既知であり、通常、ボルト要素のための中央穴、放射状に延在する歯状のパターンを有する一面、および放射状に延在するカム状のパターンを有する他面を備える。ワッシャーは二つ一組で使用され、カム状パターン面が互いに向かい合い、かつカム傾斜度はボルト要素のねじ山の傾斜度より大きく、これによりボルト継手がしっかり固定されていないことに対する固定効果を奏する。

一組のワッシャーが固定のために必要であることにより、継手の取り付けが比較的複雑になる。さらに、異なるパターンを形成するために異なる金型などが必要となる。さらに、ボルト継手のワッシャーの費用が大きくなる。

本発明の目的は、これら従来技術の課題の解決法を提供することである。

この目的は、請求項１および９それぞれによって示される特徴のロック要素およびボルト継手によって達成される。

それぞれの従属請求項において特定されることによりさらなる好都合が得られる。

以下の例および好ましい実施形態の説明を添付の図面と関連して読むことにより本発明がより理解されるだろう。

本発明によるワッシャーの第一実施形態を図式的に示した斜視図である。 それぞれ締める前（ａ）、および締められた（ｂ）状態の本発明によるロックワッシャーを有するボルト継手を図式的に示す。 ワッシャーのパターンにより圧痕が作られた解放された状態の図２のボルト継手を図式的に示す。 本発明によるワッシャーの第二実施形態を図式的に示した斜視図である。 主にナットの形の本発明によるロック要素をそれぞれ図式的に示した斜視図（ａ）、側面図（ｂ）および下面図（ｃ）である。 相互回転にもかかわらず二つの物体（ワッシャー）の間のらせん状に構成されたカム面の整合を図式的に示す。 相互回転による二つの物体（ワッシャー）の平らなカム面の不整合を図式的に示す。

図１の１は本発明によるロックワッシャーの第一実施形態を示し、ワッシャーは図２のボルト継手２において固定を目的とする。

ワッシャーは、中央穴３および一面４を備え、該一面４は、放射状に延在するカム５のパターンを備え、カム５の主表面５’はらせん形状を有し、主表面の傾斜度は、ワッシャーが固定することを目的とするボルト要素６（ボルトまたはナット）のねじ山の傾斜度より大きい。

この種のロックワッシャーを二つ一組で通常使用することに反し、例えば図２（ａ）に明らかなように継手において、本発明によるワッシャーは、単独のロック要素として適用されることを意図されている。

ワッシャーの他面（反対面）７は、前記他面および表面９との間の回転を防ぐために機械的手段８を備え、継手において前記他面は表面９に対し締め付けるように作用するよう意図されている。

好ましい実施形態によると、前記他面７の前記機械的手段は、放射状に延在するカム１０のパターンを備え、その主表面１０’は、らせん形状、つまり図１に示されるような前記一面４のパターンと実質的に同じ種のパターンを有する。

継手においてカムが締め付けるように作用する表面６’、９の挿入を促進するために、好ましくはカム５、１０は、比較的急な縁１２を備える放射状に延在する隆起部（ｒｉｄｇｅ）１１を有する。

好ましい実施形態によると、ワッシャー材料は、硬化鋼が好ましく、ボルト継手の他の部品、つまり要素６、ボルトまたはナット、およびワーク１３などの材料よりも硬い。

また他の種類の機械的手段も考えられる。

したがって、さらなる一の実施形態によると、前記機械的手段８は、図４に示されるように放射状に延在する歯１４のパターンを備える。歯は、ワッシャーの円周方向において互いにかなり近くにあることが好ましく、隣接する歯の間の距離は、歯の幅の半分より小さい。

さらなる実施形態によると、前記機械的手段は、表面９と協働するよう配置された（例えば前記表面に作成済みのくぼみ（図示せず）に適合するよう配置された）ピン（図示せず）または他の突出要素を備える。

図５の本発明の他の態様によると、ロック要素は、ナット１５またはボルト１６であり、ボルトは、図５（ｂ）のダッシュライン１６により示されており、ワーク１３または対応する表面９と相互作用することを意図されているナットの一面１８、またはボルトヘッドの下側１９には、カム２０のパターン、つまり放射状に延在し、かつらせん状に構成された上述したワッシャーのカムと同じ種類のカムパターンが設けられている。

したがってこの場合、ワッシャーは全く使用されず、カムパターンがナットまたはボルトロック要素の一部にある。

ワッシャーの場合のように、カム２０は比較的急な縁１２を有する隆起部１１を備える。

本発明によるロック要素の機能、および本発明によるボルト継手の機能は、上述の説明から相当かつ十分に明確にされなければならない。

したがって、本発明のひとつの態様によるとボルト継手の固定は、少なくともカムパターンを備える一面、ワーク表面などと相互作用するための機械的手段を備える他面を有する単独のロックワッシャーによって実行される。図３に見られるように、継手が締めつけられる場合、パターンが作用する表面に食い込むことにより両面は圧痕２１を作る。反対面がピンのような突出要素を備える場合、これらは対応するくぼみに入る。らせん状に構成されたカムにより、大きい接触領域が得られる。機械的手段８が、前記一面４のカム５に対応し、かつボルト継手のねじ山の傾斜度より大きい傾斜度を有する放射状に延在するカム１０パターンを備える場合、前記一面のカムのパターン、つまり傾斜度の差異により提供された固定作用に対応する固定作用を提供することにより、機械的手段は前記他面７および他面が作用するように意図している表面６’９の間の回転を防ぐ。

継手を緩める場合、締める間にワッシャーよって作られた圧痕を有するボルト要素（ボルトまたはナット）は、ワッシャーカムに対して滑る。あるいは、ワッシャーは、締める間ワッシャーによって作られた圧痕２１を有するワークまたは対応物に対して滑る。鋭いカムの隆起部の縁によって、およびボルト要素およびワーク、または対応するもの（つまりカムと相互作用する表面６’、９）より硬いワッシャーの硬さによって圧痕の形成が行われる。たとえば歯の形の機械的手段についても同じことが言える。

さらに本発明の他の態様によると、ボルト継手の固定は、ボルト要素（ナットまたはボルト）によって行われ、ボルト要素自体はまたワークまたは対応物と相互作用する一面のカム２０パターンによってロック要素を構成している。継手が締め付けられる場合、ボルト要素のカム２０パターン面１８、１９は、表面に食い込むことにより圧痕２１を作り、その表面では面パターンが図３に示すのと同じように動作する。

本発明の他の態様の継手を緩める場合、ボルト要素（ボルトまたはナット）のカムは、ロック要素と同時に、締める間に作られた圧痕と共に、圧痕２１に対して滑る。ワッシャーの場合のように、鋭いカムの隆起部によって、およびワークまたは対応物（つまりカムと相互作用する表面９）よりも硬いボルト要素の硬さによって、圧痕２１の形成が行われる。

したがって、本来ワッシャー、ボルトヘッド、またはナットの一部、または前記機械的手段のらせん状に構成されたカムにより作られた圧痕２１であるらせん状に構成されたカムにより、前記らせん状に構成されたカムを有する二つの物体の間の接点において可能な限り大きい接触領域が得られ、同じ軸を中心とする対向らせんカム表面は、二つの物体の間の相互回転の角度に関係なく可能な全接触面に対して常に整合する。このように、本発明によるロック要素を使用する場合に、安全なカム固定効果が得られる。

非らせん状カム、つまり平らなカム面の場合は、平らなカム表面を有する二つの物体は、単に相互回転のひとつの位置にて完全に整合する。したがって、平らなカム表面を有するロック要素は、相互回転する物体の間の非常に小さい接触面、高い接触圧力および高い摩擦力を提供し、これは安全なカム固定効果が単なる摩擦固定以外では得られないことを意味する。

らせん状に構成されたカム表面と平らなカム表面との機能上の差異を図６および７に示す。

図６（ａ）および図７（ａ）においては、ほぼ整合している。図６（ｂ）および図６（ｃ）において、ＡおよびＢ両方に見られるように相互回転しているが、ほぼ整合している。相互回転を表す図７（ｂ）および図７（ｃ）において、Ｂに明らかなように外縁のみにてほぼ整合しているが、間隙Ａ’が物体の間に存在するＡに明らかなように、接触面の残りの部分は実質的に整合されていない。

本発明は、例および好ましい実施形態に関連して上記に説明された。

もちろん、基本的な発明の思想から逸脱することなく、さらなる実施形態、および少しの変形、および追加が考えられる。

したがって、もちろん機械的手段８がボルト要素、たとえばボルトの下側６’に作用するように、本発明によるワッシャーを逆さにすることができる。

さらにピンまたは他の突出要素の形の機械的手段８の場合は、これらをロック要素が作用することを意図した表面に配置することができる。この場合、ロック要素の機械的手段は、突出要素が適合することを意図した形成済みのくぼみなどである。

さらに、ピンなどの形の機械的手段の場合、ロック要素は、ロック要素が作用することを意図した面より硬い必要がない。なぜならピンなどの機械的手段、およびくぼみはすでに形成されていることが好ましいからである。

ロック要素、ワッシャー、ボルト、ナットなどに関する限りは、これらは、硬化鋼であることが好ましく、かつ要素の硬さは、４６５ＨＶ以上であることが好ましい。

したがって本発明は、実施形態に限定して考えるべきではなく、付属の請求項の範囲内において変形が可能である。

１ ロックワッシャー
２ ボルト継手
３ 穴
４ 一面
５ カム
５’ 主表面
６ ボルト要素
７ 他面（反対側）
８ 機械的手段
９ 表面
１０ カム
１０’ 主表面
１１ 隆起部
１２ 急な縁
１３ ワーク
１４ 歯
１５ ナット
１６ ボルト
１８ ナットの一面
１９ ボルトヘッドの下側
２０ カム
２１ 圧痕

Claims (10)

1. ボルト継手における固定のためのロック要素であって、前記ロック要素は、放射状に延在するカムパターンを備える一面を備え、前記一面の主表面はらせん形状を有し、前記カムの傾斜度は前記ボルト継手に関するねじ山の傾斜度より大きく、
   前記ロック要素は、前記継手（２）において単独のロック要素として適用されることを意図したワッシャー（１）であり、かつ前記ワッシャーの他（反対）面と前記他面が作用することを意図した表面（６’、９）との間の回転を防ぐために、前記ワッシャーの他面（７）は固定作用を提供するための機械的手段（８）を備えることを特徴とするロック要素。
2. 前記機械的手段（８）が放射状に延在するカム（１０）パターンを備え、該カムの主表面（１０’）はらせん形状を有することを特徴とする請求項１に記載のロック要素。
3. 前記機械的手段（８）が放射状に延在する歯（１４）のパターンを備えることを特徴とする請求項１に記載のロック要素。
4. 前記歯（１４）の間の円周方向の距離は小さく、かつ前記歯の幅の半分より大きくないことを特徴とする請求項３に記載のロック要素。
5. 前記機械的手段（８）は、好ましくは前記表面に予め形成されているくぼみと協働するように配置されたピンまたは他の類似した突出要素である、または前記表面のピンまたは他の類似した突出要素と協働するために好ましくは予め形成されたくぼみであることを特徴とする請求項１に記載のロック要素。
6. ボルト継手における固定のためのロック要素であって、前記ロック要素は放射状に延在するカムパターンを備える一面を備え、前記一面の主表面はらせん形状を有し、前記カムの傾斜度が前記ボルト継手に関するねじ山の傾斜度より大きく、
   前記ロック要素は、ナット（１５）またはボルト（１６）であり、面（１８、１９）はカム（２０）パターンを備え、該面はワーク（１３）または対応する表面（９）と相互作用するよう意図されていることを特徴とするロック要素。
7. 前記カム（１５、２０）が比較的急な縁（１２）を備える放射状に連続する隆起部（１１）を有することを特徴とする請求項１〜６のいずれか一項に記載のロック要素。
8. 好ましくは硬化鋼である前記ロック要素（１、１５、１６）の材料が前記ボルト継手（２）の他の部品（６、１３）の材料より硬いことを特徴とする請求項１〜７のいずれか一項に記載のロック要素。
9. 請求項１〜８のいずれか一項に記載のロック要素を特徴とするボルト継手。
10. 前記ロック要素がワッシャー（１）であり、かつ前記機械的手段（８）が前記継手のワーク（１３）に作用することを意図していることを特徴とする請求項９に記載のボルト継手。

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