JP2010540801A - 旋回式に設置された作動アームのための作動機構 - Google Patents

Abstract

【課題】
【解決手段】
家具（１）のフラップ扉（４）を駆動する旋回式に設置された作動アーム（９）の作動アーム機構（３）が開示されている。作動アーム（９）はバネ装置（５）から力学的に作用を受けており、さらに電気駆動装置（１６）が伝達機構（１３）を介して作動アーム（９）に力学的に作用を及ぼしており、モータ回転角度（α）と、作動アーム（９）の旋回角度（β）との伝達比は、伝達機構（１３）によって、作動アーム（９）の旋回角度範囲において変動する。
【選択図】 図６a

Description

本発明は旋回式（回動式）に設置された作動アームの作動機構に関する。特には、家具の跳板扉（以降“フラップ扉”）を駆動する作動アームの作動機構に関する。作動アームは、ばね装置（以降“バネ装置”）によって作用を受けるものであり、電気駆動装置が伝達機構を介して作動アームに力学的に作用する。また、本発明はこのような作動機構を備えた家具にも関係する。

この種の作動機構は、家具のフラップ扉を、その全閉扉位置から全開扉位置へ、あるいはその逆方向に駆動するために利用される。フラップ扉の重量を相殺する（均衡させる）ため、作動アームにバネ装置による作用力を付与することができる。バネ装置による作用力に加えて、電気駆動装置による駆動力によってフラップ扉の動作を補助する技術は知られている。

この目的に使用される直流モータは、大抵の場合には比較的に低いトルクで、実質的に一定である回転速度にて作動する。通常では、バネ装置は閉扉位置にあるフラップ扉に作用して閉扉位置を保持させる。フラップ扉を、その開扉方向に向かわせるには、通常は電気駆動装置の比較的に高いトルクを必要とする。

本発明の１つの目的は、改善された運動力学的な作用を提供する作動機構を提供することである。特に、小容量のモータを利用した作動機構を提供することである。

本発明のこの目的は、伝達機構の作用によって、モータの旋回（回転）角度と作動アームの旋回角度との間の伝達比を作動アームの旋回角度範囲において変動させる実施形態により達成される。

このような構造とすることで、好適な運動力学特性を備えたフラップ扉の動作が可能になる。この動作は、フラップ扉が全（完全）閉扉位置にある状態で始まり、必要な始動トルクを大きく低減させることができる。すなわち、全閉扉位置から始まる初期の移動を、比較的緩やかに実行させることができる。必要な始動トルクを低減させることで、小容量であって、発生する雑音が小さい小型モータが利用可能になる。その結果、家具の内部には大きな空間的余裕が生まれる。

望ましい副次的効果として、電気駆動装置の好適な作動機能によって、ユーザは、初期には緩やかな速度であるフラップ扉の開扉動作が非常に好都合であることを知る。すなわち、速すぎることがないフラップ扉の開扉動作速度を制御下に置くことができるため、怪我のリスクも減少する。

本発明の１実施形態によれば、伝達機構は、伝達比の増大による影響（動作が遅い）がフラップ扉の開閉両端に近接した領域でのみ発生するように機能し、これら両端領域間ではフラップ扉を低伝達比の下で旋回させる。すなわち、フラップ扉は旋回角度の大部分の範囲において比較的に素早く旋回する。

有利には、バネ装置は、任意の旋回途中の位置にてフラップ扉が重力に逆らって静止するように作動アームに作用する。従って、好適には、バネ装置は作動アームに作用するトルクを変更できるようにトルク調節装置を含む。

閉扉位置においてフラップ扉を閉扉状態に保持させるため、閉扉位置の近くでは（２０°以内、好適には１０°以内の開扉角）、バネ装置よってフラップ扉にその位置を保持する保持力が付勢される。好適にはフラップ扉は水平軸周囲を上下旋回するものであり、その閉扉位置では垂直状態となる。しかしながら、本発明のフラップ扉を垂直軸周囲にて左右に旋回させることもできる。

本発明の１実施形態により、望ましい可変伝達比を提供するため、レバー装置、特にトグルレバー装置を利用することができる。この点に関して、トグルレバー装置は少なくとも２本の蝶番式（ヒンジ式）に連結されたレバーを含む。好適にはそれらレバーは異なる長さを有している。短い方のレバー（短レバー）の自由端において電気駆動装置は静止旋回中心部（軸）に接触する。

本発明の別の実施形態によれば、電気駆動装置は作動アームの主旋回中心部と接触せずに、旋回中心部に対して偏心的となるように構成されている。モータによって駆動される伝達機構の軸に対する、作動アームの主旋回中心部の偏心構造によって改善されたレバー形態が得られ、フラップ扉の開扉トルクを大きく低減させることができる。

本発明のさらなる詳細と利点は添付図面を利用して以下で詳細に説明されている。

上方に動作できるフラップ扉のための作動機構を備えた家具の斜視図である。 作動アームが閉扉位置にある作動機構の１例の側面図である。 作動アームがわずかに開いた位置にある図２の実施例の側面図である。 作動アームがさらに開いた位置にある作動アーム機構を示す側面図である。 作動アームが全開位置にある作動アーム機構を示す側面図である。 様々なモータ回転角度と、その結果の作動アーム旋回角度とを示す側面図である。 様々なモータ回転角度と、その結果の作動アーム旋回角度とを示す側面図である。 様々なモータ回転角度と、その結果の作動アーム旋回角度とを示す側面図である。 様々なモータ回転角度と、その結果の作動アーム旋回角度とを示す側面図である。 作動機構の斜視図および一部拡大詳細図である。 作動機構の斜視図および一部拡大詳細図である。

図１は後方から眺めた斜視図によるキャビネット形態の家具１を図示する。この家具１は特に台所の上方キャビネットとして使用されるものである。家具１は家具本体２を含む。両方の垂直側壁にはそれぞれに本発明の作動アーム機構３が取り付けられている。

作動アーム機構３は、フラップ扉４の他端（前方端）にヒンジ式に連結されている旋回式作動アーム９を含む。作動アーム９により、２部分のフラップ扉部分４ａと４ｂで成るフラップ扉４は、その閉扉位置から開扉位置に、あるいはその逆に移動できる。閉扉位置においてはフラップ扉部分４ａと４ｂは垂直平面を形成し、開扉動作中にはフラップ扉部分４ａと４ｂは折畳み状態で、相互に鋭角を為す。

図２は本発明の作動アーム機構３の１実施例を示す側面図である。フラップ扉４（図せず）の重量を均衡させるためにバネ装置５が提供されている。バネ装置５は平行状態に構成された複数の圧縮バネを含む。バネ装置５の作用力は旋回中心部Ｓ周囲を旋回する中間レバー６に作用する。中間レバー６上でのバネ装置５の接点７を調節装置８によってずらすことが可能である。

このように、バネ装置５の接点７から中間レバー６の旋回中心部Ｓまでの距離は変更することができ、作動アーム９に作用するトルクは、異なる重量のフラップ扉４に対して選択的に利用できるように調節することができる。作動アーム９の１端には調節カム１０が形成されている。調節カム１０は旋回中心部Ｐの周囲で旋回し、調節曲線部１０ａを有する。作動アーム９の旋回動作中に、中間レバー６に設置された圧力ローラ１５は調節カム１０の調節曲線部１０ａに沿って走行できる。

よって旋回中心部Ｐは作動アーム９の主旋回中心部を形成する。作動アーム９をフラップ扉４に連結させるため、フラップ扉４の側面の金具に係止可能な着脱式固定装置１２が利用されている。作動アーム機構３が組み立てられると、直線方向で移動するバネ装置５は家具１に固定されている部材１７に作用し、フラップ扉４の開扉方向において旋回中心部（軸）Ｐの周囲で旋回する作動アーム９に作用する。この実施例においては、静止状態の部材１７はハウジング１８の一部として提供されている。家具１に対して不動状態で提供されている部材１７はバネ装置５のための旋回軸を形成している。

図示の実施例においては、作動アームの旋回角度に対するモータの回転角度の伝達比を可変とするため、伝達機構１３がトグルレバー構造体の形態で提供されている。図示の実施例では、トグルレバー構造体は、異なる長さで、蝶番式に連結されている２本のレバー１４ａと１４ｂを含む。

短い方のレバー（短レバー）１４ｂは旋回中心部Ｍにて、旋回中心部Ｐに対して偏心状態に設置されている。長い方のレバー（長レバー）１４ａの自由端はフラップ扉から離れている作動アーム９の端部に蝶番式に連結されている。長レバー１４ａは短レバー１４ｂの少なくとも２、３倍の長さである。図示の実施例においては、作動アーム９はフラップ扉４の全閉扉位置に対応した位置に存在する。

図３は図２の作動アーム機構３を図示する。作動アーム９はわずかに開いた状態である。好適にはトグルレバー構造体の旋回中心部Ｍに対して直接的に作用する電気駆動装置（図示せず）の作用によって作動アーム９は開扉位置に移動している。このためには、電気駆動装置はまず、バネ装置５によって提供されている作動アームのフラップ扉の保持力に打ち克たなければならない。

短レバー１４ｂは不動である旋回中心部Ｍの周囲を反時計回りに旋回し、強制的に旋回させられる長レバー１４ａと共に、モータの一定回転速度で作動アーム９の比較的に小さい旋回移動を提供する。短レバー１４ｂの旋回移動範囲は０°から２００°であり、好適には０°から２５０°である。有利にはバネ装置５はフラップ扉４の重量を完全に相殺するように調整される。すなわちフラップ扉４は、実質的に全ての旋回位置において重力と均衡するように調節される。

図４は作動アーム９がさらに旋回した位置を示す。中間レバー６の圧力ローラ１５は調節カム１０の調節曲線部１０ａに沿って走行し、作動アーム９は旋回中心部Ｐの周囲を旋回する。参照番号“１６”は、トグルレバー構造体の旋回中心部Ｍに作用する電気駆動装置を示している。２本のレバー１４ａと１４ｂの相対角位置を変更することで、作動アーム９の移動が制御可能であり、この範囲（トグルレバー構造体の下方のちょうど中央の位置を通過後の）で、２本のレバー１４ａと１４ｂの２つの自由端間の距離はさらに急速に増加するが、モータ回転速度は一定のままであり、対応してフラップ扉４のさらに速い開扉移動が実現する。

図５は、作動アーム９がフラップ扉４の全開扉位置に対応する位置に存在している本発明の作動アーム機構３を図示する。全開直前の開扉通路領域において作動アーム９の減速された移動が再び発生する。なぜならトグルレバー構造体（上方のちょうど中央の位置に接近した）は、その後には、ほんのわずかに、延びることができるだけだからである。延び出しがほぼ終了したトグルレバー１４ａと１４ｂは縦方向に非常に大きな力を伝達できる。

しかし、トグルレバー１４ａと１４ｂは、好適には完全に延伸位置に達することができない。バネ装置５によってフラップ扉の重量は完全に均衡され、電気駆動装置１６は旋回角度（例：０°から３０°）の限界範囲においてのみ効果があるだけであり、電気駆動装置に連結されたフラップ扉は、モータの補助なしで、開閉端位置にまで移動できる。好適には、作動アーム９に作用するバネ装置５のバネ力のみによって移動する。

図６ａから図６ｄにかけては、モータの様々な回転角度αと、その結果として、作動アームの旋回角度βの関係を示す。これらの図では、作動アーム９の閉扉位置にある短レバー１４ｂの方向性に対応する０°軸がそれぞれ示されている。この初期（閉扉位置）状況は図６ａにおいて図示されている。ここでは、作動アーム９は垂直軸Ｖに沿い、閉扉位置にて延びている。

図６ｂにおいて、短レバー１４ｂはモータ駆動装置１６（図示せず）によって反時計回りにモータの回転角度αを旋回し、作動アーム９を作動アーム旋回角度βで強制旋回させている。

図６ｃは作動アーム９の別な開扉位置を示す。モータの回転角度αは図６ｂのものよりも大きく、対応する作動アーム旋回角度βに導く。

図６ｄは作動アーム９の全開位置を示す。よって図６ｄで示す作動アーム９の旋回角度βは作動アームの全ての旋回角度範囲に対応する。

図７ａは、本発明の作動アーム機構３の斜視図である。バネ装置５は旋回中心部Ｓに旋回式に設置されている中間レバー６に対して作用する。中間レバー６は圧力ローラ１５の手段によって調節カム１０の調節曲線部１０ａに沿って走行できる。調節カム１０は作動アーム９上に提供され、旋回中心部Ｐの周囲を旋回する。

２本のレバー１４ａと１４ｂを備えたトグルレバー１４は、作動アーム９の変動式移動特性のための伝達機構を形成する。電気駆動装置（図示せず）１６は、短レバー１４ｂの旋回中心部に対して同軸的に提供された旋回中心部Ｍに係合する。作動アーム９の最後の開扉移動を緩衝するため、リニア型緩衝器の形態の緩衝装置１７が提供されている。この緩衝装置１７は、上方端部に接近すると調節カム１０はストップ機構（図示せず）によって力学的に作用を受ける。図７ｂは図７ａの円内領域の拡大図である。

本発明は前述の実施形態には限定されず、「請求の範囲」によってカバーされているそれら実施形態の変更および技術的均等物を含む。説明されている位置表現、例えば上方、下方、横、等々は、作動アーム機構３の通常の取り付け位置、あるいは前述の図面の関係であり、位置が変化した場合には、本発明に従って適宜位置が移動されるべきである。本発明によれば、“バネ装置”とは、機械的バネを有したバネ装置５のみならず、ガス圧装置、等々を利用した他の形態のエネルギー蓄積装置であっても構わない。

Claims (20)

1. 家具（１）のフラップ扉（４）等において利用される旋回式に設置された作動アーム（９）の作動アーム機構（３）であって、該作動アーム（９）はバネ装置（５）から力学的に作用を受けており、さらに電気駆動装置（１６）が伝達機構（１３）を介して該作動アーム（９）に力学的に作用を及ぼしており、モータ回転角度（α）と、前記作動アーム（９）の旋回角度（β）との伝達比は、前記伝達機構（１３）によって、前記作動アーム（９）の旋回角度範囲において変動することを特徴とする作動アーム機構。
2. 作動アーム機構（３）の取り付け時に、バネ装置（５）は家具に固定されている部材（１７）に支持されており、フラップ扉（４）を旋回中心部（軸）（Ｐ）周囲で開扉方向に旋回させる作用力を作動アーム（９）に付勢していることを特徴とする請求項１記載の作動アーム機構。
3. 伝達機構（１３）は、レバー装置、好適には少なくとも１本のトグルレバー構造を含んでいることを特徴とする請求項１又は２記載の作動アーム機構。
4. トグルレバー構造は、少なくとも２本の蝶番式に連結されたレバー（１４ａ、１４ｂ）、好適には異なる長さのものを含んでいることを特徴とする請求項３記載の作動アーム機構。
5. 電気駆動装置（１６）は旋回中心部（Ｍ）にて短レバー（１４ｂ）の自由端と係合することを特徴とする請求項４記載の作動アーム機構。
6. 短レバー（１４ｂ）の旋回中心部（Ｍ）は作動アーム（９）の旋回中心部（Ｐ）に対して偏心状態に提供されていることを特徴とする請求項５記載の作動アーム機構。
7. トグルレバー構造の長レバー（１４ａ）は、フラップ扉から離れている作動アーム（９）の端部領域で係合していることを特徴とする請求項４から６のいずれかに記載の作動アーム機構。
8. バネ装置（５）は、全ての旋回位置において、フラップ扉（４）を重力に逆らって保持するように作動アーム（９）に力学的に作用することを特徴とする請求項１から７のいずれかに記載の作動アーム機構。
9. バネ装置（５）は、閉扉位置に接近すると、フラップ扉（４）を強制的に閉扉位置に送るように作動アーム（９）に力学的に作用することを特徴とする請求項１から８のいずれかに記載の作動アーム機構。
10. バネ装置（５）は、２０°以内、好適には１０°以内の開扉位置から、フラップ扉（４）を強制的に閉扉位置に送るように作動アーム（９）に力学的に作用することを特徴とする請求項９記載の作動アーム機構。
11. バネ装置（５）は、作動アーム（９）に作用するトルクを変更させる調節装置（８）を有していることを特徴とする請求項１から１０のいずれかに記載の作動アーム機構。
12. バネ装置（５）から力学的に作用を受け、さらに、好適には圧力ローラ（１５）により、作動アーム（９）上に形成された調節カム（１０）の調節曲線部（１０ａ）に力学的に作用を受けるように提供された少なくとも１本の中間レバー（６）が提供されていることを特徴とする請求項１から１１のいずれかに記載の作動アーム機構。
13. 伝達機構（１３）は旋回中心部（Ｍ）にて調節カム（１０）と接触することを特徴とする請求項１２記載の作動アーム機構。
14. 旋回中心部（Ｍ）は作動アーム（９）の旋回中心部（Ｐ）に対して偏心状態に設置されていることを特徴とする請求項１３記載の作動アーム機構。
15. 電気駆動装置（１６）は少なくとも１つの電気モータ、好適には直流モータを含んでいることを特徴とする請求項１から１４のいずれかに記載の作動アーム機構。
16. 作動アームの旋回角度範囲とは、開いた状態のフラップ扉（４）に対応する外側端部位置と、閉じた状態のフラップ扉（４）に対応する内側端部位置との間であることを特徴とする請求項１から１５のいずれかに記載の作動アーム機構。
17. バネ装置（５）は作動アーム機構（３）のハウジング（１８）内に設置されていることを特徴とする請求項１から１６のいずれかに記載の作動アーム機構。
18. 家具に固定されている部材（１７）は、作動アーム機構（３）のハウジング（１８）の一部分に設置されていることを特徴とする請求項１から１７のいずれかに記載の作動アーム機構。
19. バネ装置（５）は直線的に可動であることを特徴とする請求項１から１８のいずれかに記載の作動アーム機構。
20. 請求項１から１９のいずれかに記載の作動アーム機構を備えていることを特徴とする家具。

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