JP3645628B2 - 扉等の緩衝装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は扉等の回転対象物の閉成時の衝撃を緩和するための扉等の緩衝装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、ラップトップパソコン、ピアノ、洋式便器等に用いられている回転蓋、あるいは玄関ドア、室内ドア等として用いられる回転扉など(本明細書においてはこれらを総称して「扉等」という)においては、閉成動作の最終点における衝撃を緩和するため、種々の緩衝装置が配設されている。
【0003】
このような緩衝装置としては、例えば、扉等の回転軸に連結される回転ダンパがある。これは、扉等の回転に伴い回転ダンパの作動軸が回転し、該作動軸に取り付けられている壁部を境として粘性液体の移動が行われることにより、扉等の閉成動作が遅動せしめられるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この種の回転ダンパを用いた場合、扉等が閉成動作を始めると同時に、通常、所定の制動力が発揮される。従って、閉成動作開始時のトルクの小さい間は、制動力が相対的に大きく、閉成動作が遅くなりすぎる傾向がある。
【0005】
本発明は上記した課題を解消するためになされたものであり、扉等の回転トルクが小さい間は小さな制動力を付与し、扉等の回転トルクが大きくなったときには大きな制動力を付与することができる扉等の緩衝装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の回転蓋又は回転扉の緩衝装置は、回転蓋又は回転扉の閉成時の衝撃を緩和するために配設される回転蓋又は回転扉の緩衝装置において、
回転蓋又は回転扉に連結されると共に、一端が回転可能に軸支されたアームと、
該アームの軸支位置よりも他端寄りの位置に回転蓋又は回転扉の閉成方向に突出し、側面から見たときにアームの他端側から一端側に向かってかつ回転蓋又は回転扉の閉成方向に向かって斜めに穿設された軸受け孔を有する突出板部と、
一端が該突出板部の軸受け孔に挿通されたピンに軸支されたリンクと、
該リンクの他端に連結され、回転蓋又は回転扉の開閉動作に伴って直線運動をする押圧部材と、
該押圧部材の運動方向に沿って該押圧部材と縦列に、かつケーシングから突出している作動ロッドの先端部が回転蓋又は回転扉の開放時には該押圧部材と所定間隔を有する位置に配設されるアブソーバと、
一端が押圧部材に、他端がアブソーバを支持しているフレーム若しくはアブソーバ自体の適宜位置に固定され、該アブソーバの外周囲をガイドとして押圧部材を回転蓋又は回転扉の開放方向に付勢するスプリングと、
を有するとともに、
回転蓋又は回転扉の開放時における前記アブソーバの作動ロッドの先端部と前記押圧部材との間隔を調整可能であることを特徴とする。
【0007】
【実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。図において、1は緩衝装置を示し、フレーム2、アーム3、突出板部4、リンク5、押圧部材6、アブソーバ7、スプリング8等を備えて構成されている。
【0008】
フレーム2は、扉等により開閉される開口部を有する本体部(図示せず)に固定されて配設され、後述のアーム3、アブソーバ7等を保持する機能を果たす。フレーム2はこのような機能を果たすものであればいかなる形態であってもよい。図面に示した例では、ネジ等により本体部に直接固定されるベース部21と、該ベース部21に対して直角に立ち上がるように形成された側壁部22a,22b、底壁部22c、前壁部22dからなり、押圧部材6、アブソーバ7等が内部に収容される収容部22と、から構成されている。
【0009】
アーム3は、一端31が、フレーム2の収容部22の側壁部22a,22b間に掛け渡された軸32に回転自由に支持されていると共に、軸32に支持されている一端31を中心として他端33側が上下方向に回動するように設けられている。他端33側には扉等(図示せず)の基端部がネジ等を介して連結される。
突出板部4は、図2及び図3に示すように、アーム3の軸支位置、すなわち軸32が配設されている位置よりも他端33寄りの位置において、閉成方向X側に突出するように設けられている。また、この突出板部4には、側面から見たときに、アーム3の他端33側から一端31側に向かってかつ扉等の閉成方向Xに向かうように斜めに長く穿設された長孔状の軸受け孔41が形成されている。この軸受け孔41は、直線的に形成された長孔であってもよいし、図2及び図3に示したように、軸32を中心とした円弧に沿って僅かに湾曲した形状の長孔であってもよい。
【0010】
なお、突出板部4は、図面に示した例では上記したアーム3の両側部に、該アーム3と一体的に設けられているが、アーム3とは別体に形成したものをネジ等によりアーム3に固定してもよいことはもちろんである。
【0011】
リンク5は、図1の正面から見たときに略T字状の形態を有しており、一端部51には、対面する2つの突出板部4の軸受け孔41間に掛け渡される第1のピン52が挿通されている。他端部53は第2のピン54が挿通されて支持されているが、この第2のピン54は、フレーム2の側壁部22a,22bにおいて側壁部22a,22bの長手方向に沿って設けられた長孔22c,22cに掛け渡されて配設されている。
【0012】
押圧部材6は、フレーム2の収容部22内を上下方向(側壁部22a,22bの長手方向)に沿って移動し得るように設けられており、図面に示した例では、リンク5の他端部53と共に第2のピン54に上側フランジ部61が軸支されて連結されている。押圧部材6の下側筒部62は、上側フランジ部61の径よりも小さい径で、図面に示した態様では、後述のアブソーバ7の外径とほぼ同じ径で形成されており、アブソーバ7と共にスプリング8のガイドとして機能する。
【0013】
アブソーバ7は、フレーム2の収容部22を形成する底壁部22c上であって、該押圧部材6の運動方向に沿って該押圧部材6と縦列の位置に、すなわち、図面に示した例では押圧部材6の下方に配設される。また、アブソーバ7のケーシング71から突出している作動ロッド72の先端72aの位置が、扉等の開放時において押圧部材6の下側筒部62の下端面に接しないよう、所定の間隔を有するように配置される。なお、図示しないが、例えば、アブソーバ7の底部に雄ねじ部を突設し、フレーム2の底壁部22cに形成した雌ねじ部(図示せず)と螺合可能にしてねじ込み量を調整することによりアブソーバ7の位置を調整し、これにより、押圧部材6と作動ロッド72の先端との扉等の開放時における間隔を調整可能とすることもできる。このようにすることで、アブソーバ7の制動力の発揮位置を変化させることができ、種々の扉等への対応が可能となる。アブソーバ7としては、ケーシング71内の空間に粘性液体が充填されていると共に、作動ロッド72の他端にピストン(図示せず)を有し、作動ロッド72の先端72a(図3参照)に押圧部材6が接触して、作動ロッド72と共にピストンがケーシング71内を下方に移動すると、粘性液体がオリフィスを通じて移動し、その際に発生する動圧抵抗、粘性抵抗により制動力を発揮することができるものであれば、公知のいかなるショックアブソーバであってもよい。
【0014】
スプリング8は、常態において押圧部材6を扉等の開放方向に付勢し、押圧部材6が扉等の閉成方向に移動してアブソーバ7の作動ロッド72に接触するまでの間、該スプリング8の弾発力だけを扉等の閉成動作を遅動させるために利用するよう配設される。図面では、コイルスプリングの一端部81を押圧部材6の上側フランジ部61に固定し、他端部82をフレーム2の収容部22の底壁部22cに固定している。また、スプリング8は、アブソーバ7の外周囲に外装され、図面に示した例ではさらに押圧部材6の下側筒部62の外周囲にも外装されて、該アブソーバ7及び押圧部材6の下側筒部62にガイドされて伸縮するように設けられている。なお、スプリング8の各端部81,82を固定する個所はこれに限定されるものではなく、一端部81は押圧部材6であればいずれの位置であってもよく、他端部82はアブソーバ7のケーシング71の外周囲のいずれかに固定することもできる。
【0015】
ここで、図面に示した実施の形態では、フレーム2の収容部22内に、リンク5、押圧部材6、アブソーバ7及びスプリング8を並列的に2個ずつ配設し、アーム3、軸32、第1のピン52及び第2のピン54としては、これらの並列的に2個ずつ配設した部材に相当する長さを有するものを用いている。これは、扉等の重さや制動力の大きさによって適宜選択されるもので、アブソーバ7等を3個以上配設する構成としてもよいし、1個だけ配設する構成としてもよい。
【0016】
次に、かかる構成の緩衝装置1の作用を説明する。扉等を開放状態からX方向に回動させて閉成すると、これに伴って、アーム3も軸32を中心としてX方向に回動する。これに伴い、第1のピン52が軸受け孔41内を移動すると共に、第2のピン54が長孔22c,22dに沿って移動する。第2のピン54には、押圧部材6の上側フランジ部61が連結されているため、第2のピン54が長孔22c内を移動することにより、押圧部材6がスプリング8の弾発力に抗して押し下げられる。その結果、スプリング8の抵抗を受ける分だけ、アーム3及び扉等の閉成速度が遅動せしめられることになる。扉等がさらに閉成し、トルクが大きくなってくると、第2のピン54と共に押し下げられる押圧部材6の下側筒部62の底面がアブソーバ7における作動ロッド72の先端72aに当接する。その結果、該作動ロッド72の他端に取り付けられているピストンがケーシング71内を移動するため、粘性抵抗等を受けて、大きな制動力が発揮される。従って、アーム3及びこれに連結された扉等は、回転トルクが大きくなったときに大きな制動力を受けるため、閉成回転の最終点まで確実に閉成速度がゆっくりしたものとなる。
【0017】
【発明の効果】
本発明の扉等の緩衝装置によれば、扉等の閉成動作開始時のトルクの小さい間は、スプリングの弾発力のみで閉成動作を遅動させる構成であるため、従来の閉成動作開始時から回転ダンパの抵抗を働かせる緩衝装置と比較して、閉成速度が遅くなりすぎることはない。また、回転トルクが大きくなったときには、アブソーバにより閉成速度を遅動させる構成であるため、閉成回転の最終点における扉等の衝撃を確実に緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる扉等の緩衝装置の一の実施の形態を示す図で、フレームの収容部内を示す正面図である。
【図2】上記実施の形態を示す側面図である。
【図3】扉等の開放時における上記実施の形態を示す側面図である。
【符号の説明】
1 緩衝装置
2 フレーム
3 アーム
4 突出板部
5 リンク
6 押圧部材
7 アブソーバ
8 スプリング
Claims (1)
- 回転蓋又は回転扉の閉成時の衝撃を緩和するために配設される回転蓋又は回転扉の緩衝装置において、
回転蓋又は回転扉に連結されると共に、一端が回転可能に軸支されたアームと、
該アームの軸支位置よりも他端寄りの位置に回転蓋又は回転扉の閉成方向に突出し、側面から見たときにアームの他端側から一端側に向かってかつ回転蓋又は回転扉の閉成方向に向かって斜めに穿設された軸受け孔を有する突出板部と、
一端が該突出板部の軸受け孔に挿通されたピンに軸支されたリンクと、
該リンクの他端に連結され、回転蓋又は回転扉の開閉動作に伴って直線運動をする押圧部材と、
該押圧部材の運動方向に沿って該押圧部材と縦列に、かつケーシングから突出している作動ロッドの先端部が回転蓋又は回転扉の開放時には該押圧部材と所定間隔を有する位置に配設されるアブソーバと、
一端が押圧部材に、他端がアブソーバを支持しているフレーム若しくはアブソーバ自体の適宜位置に固定され、該アブソーバの外周囲をガイドとして押圧部材を回転蓋又は回転扉の開放方向に付勢するスプリングと、
を有するとともに、
回転蓋又は回転扉の開放時における前記アブソーバの作動ロッドの先端部と前記押圧部材との間隔を調整可能であることを特徴とする回転蓋又は回転扉の緩衝装置。
Priority Applications (1)
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JP25007995A JP3645628B2 (ja) | 1995-09-05 | 1995-09-05 | 扉等の緩衝装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25007995A JP3645628B2 (ja) | 1995-09-05 | 1995-09-05 | 扉等の緩衝装置 |
Publications (2)
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JPH0972155A JPH0972155A (ja) | 1997-03-18 |
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Family
ID=17202501
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25007995A Expired - Lifetime JP3645628B2 (ja) | 1995-09-05 | 1995-09-05 | 扉等の緩衝装置 |
Country Status (1)
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-
1995
- 1995-09-05 JP JP25007995A patent/JP3645628B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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