JP2010540440A - バロマシクロビル多形体 - Google Patents

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Abstract

本発明は結晶形態のバロマシクロビル、結晶形態のバロマシクロビルを調製するプロセス、その医薬組成物、及びそれを使用する方法に関する。
【選択図】図1

Description

本発明は結晶形態のバロマシクロビル(valomaciclovir)、結晶形態のバロマシクロビルを調製するプロセス、その医薬組成物、及びそれを使用する方法に関する。
[関連出願の相互参照]
本願は、2007年9月21日付で出願された米国仮特許出願第60/994,719号明細書(該出願はその全体が参照により本明細書中に援用される)の米国特許法第119条(e)(1)項に基づく利益を主張するものである。
化合物が異なる結晶構造で存在する能力は、多形として知られている。これらの異なる結晶形態は、「同質異像」又は「多形体」として知られている。多形体は同じ化学組成を有するが、充填及び幾何学的配置の点で異なり、異なる物理的性質、例えば融点、形状、色、密度、硬度、変形性、安定性、溶解性等を示す(Theory and Origin of Polymorphism in “Polymorphism in Pharmaceutical Solids” (1999) ISBN: 0−8247−0237)。
バロマシクロビル[L−バリン,(3R)−3−[(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−イル)メチル]−4−[(1−オキソオクタデシル)オキシ]ブチルエステル](USANでは、ステアリン酸バロマシクロビルとして、又はEPB−348、MIV−606、若しくはRP−606という専用コードでも知られている)(図1A)は、強力な広域スペクトル抗ヘルペス剤である非環式グアノシン誘導体H2G(図1B)のジエステルプロドラッグ(バリン及びステアリン酸)である。H2Gはヒト水痘帯状ヘルペスウイルス(VZV)、エプスタイン・バーウイルス(EBV)、ヒトヘルペスウイルス−6(HHV−6)、HSV−1、及びHSV−2に対して強力な活性を有する。米国特許第5,869,493号明細書には、バロマシクロビルの調製及び活性が記載されている。
バロマシクロビルは、帯状疱疹(帯状ヘルペス)及び他のウイルス性疾患に対する経口剤として開発中である。バロマシクロビルは、幾つかの第I相ヒト臨床研究において示されるように、最大6.0gの1日総投与量での連続投与の後でも安全で且つ耐容性が良好であった。バロマシクロビルの250mg、500mg、及び750mgの懸濁液を用い、アシクロビルを対照として、帯状ヘルペス患者に7日間1日2回投与した第II相研究(M98−829)の結果によって、帯状ヘルペス病変治癒に対する概念実証、及びバロマシクロビルをヘルペス後神経痛の患者においてさらに使用するに当たっての基準がもたらされた。
バロマシクロビルはグアニン部、アミノ酸エステル、及び長鎖脂肪酸エステルを含む。これらの構成要素の各々は様々な調剤上の困難に関連しており、バロマシクロビルも例外ではない。公開された特許出願(例えば特許文献1、特許文献2、及び特許文献3)並びに特許文献4は、バロマシクロビルに関する様々な合成経路を記載している。しかしながら、これらの従来技術の合成経路は非晶質物質、非晶質物質と結晶性物質との混合物、又は十分に特徴付けられていない部分的に規則的な物質の混合物を生成させる傾向がある。得られた物質は多くの場合、流動性及び凝集性に極めて乏しく、取り扱い及び処理の大きな妨げとなるという問題があった。以前のバロマシクロビルを用いた第1相臨床試験及び第2相臨床試験では、液体懸濁液を採用することにより、物質の物理的性質による取り扱い及び処理における困難を回避していた。しかしながら液体懸濁液は、とりわけ帯状疱疹の薬物治療に関して主たる患者集団である高齢患者に投与するのが容易でないため、臨床的に好適な剤形ではない。
国際公開第98/34917号パンフレット 国際公開第00/8025号パンフレット 国際公開第03/2564号パンフレット 米国特許第6,184,376号明細書
したがって、安定な結晶形態のバロマシクロビル、及びこれら安定な形態を形成する再現可能なプロセスが依然として必要とされている。
本発明によると、これら及び他の必要性を満たすものとして、一側面において、多形体Aに富んだバロマシクロビルを含む、安定な結晶形態のバロマシクロビルが提供される。多形体Aは、バロマシクロビルの最も結晶性が高く、且つ熱力学的に最も安定な多形体である。
二つめの側面として、安定な結晶形態のバロマシクロビルと、薬学的に相容性のある担体又は希釈剤と、を含む医薬組成物が提供される。
三つめの側面として、安定な結晶形態のバロマシクロビルを調製する再現可能なプロセスが提供される。該プロセスは、バロマシクロビルを、適当な内部温度に加熱することにより低級アルカノール溶媒又は低級アルカノールの混合溶媒に溶解すること、バロマシクロビルの大部分(ほとんど全部)が結晶化されるように攪拌しながら冷却すること、及び結晶物を回収すること、を含む。
四つめの側面として、本発明は、患者においてウイルス感染を治療する方法を提供する。この方法は、被験体に、安定な結晶形態のバロマシクロビル又はその医薬組成物を治療的に有効な量で投与することを含む。本発明の方法を用いて治療可能なウイルス感染は特に限定されないが、例えば水痘帯状ヘルペスウイルス、単純ヘルペスウイルス(HSV−1及びHSV−2)、ヒトヘルペスウイルス(HHV−6、HHV−7、及びHHV−8)、エプスタイン・バーウイルス、サイトメガロウイルス、及びHIVに起因するものである。
バロマシクロビルの構造(A)およびH2Gの構造(B)を示す図である。 バロマシクロビル多形体Aの特徴的なX線回折(XRD)パターンを示す図である。 バロマシクロビル多形体Aの特徴的なDSCサーモグラムを示す図である。 バロマシクロビルの調製に関する一合成経路を示す図である。 バロマシクロビルの調製に関する一合成経路を示す図である。 バロマシクロビルの調製における最終工程の一態様を示す図である。 バロマシクロビルの調製における最終工程の他の一態様を示す図である。 バロマシクロビルの調製における最終工程他の一態様を示す図である。 バロマシクロビルの調製における最終工程の他の一態様を示す図である。 試料(ロット番号:45−548−YS−00及び12−03−011)の粉末XRDパターンを示す図である。 試料(ロット番号:45−548−YS−00)のDSCプロットを示す図である。 試料(ロット番号:12−03−011H)のDSCプロットを示す図である。 バロマシクロビル試料(ロット番号:12−03−018、06−01159−2、及び146756)の粉末XRDパターンを示す図である。 バロマシクロビル試料(ロット番号:12−03−018、06−01159−2、及び146756)のDSCプロットを示す図である。 再結晶化プロセスにおける冷却曲線を示す図である。 再結晶バロマシクロビル試料のX線回折パターンを示す図である。 再結晶バロマシクロビル試料のDSCサーモグラムを示す図である。 多形体Aの10g〜100gバッチのHPLC多重プロットを示す図である。 多形体スクリーニングにおける再結晶化パネルを示す図である。 多形体スクリーニングにおける再結晶化パネルを示す図である。 多形体スクリーニングにおける再結晶化パネルを示す図である。 多形体スクリーニングにおける再結晶化パネルを示す図である。 グループAの回折特性を示す図である。 グループAの熱的特性を示す図である。 グループB1の回折特性を示す図である。 グループB1の熱的特性を示す図である。 B1型(ロット番号:12−03−011)の可変温度回折特性を示す図である。 B1型(ロット番号:12−03−011)の可変熱的特性を示す図である。 グループB2の回折特性を示す図である。 グループB2の熱的特性を示す図である。 グループB2の周期的熱的特性を示す図である。 グループB2の周期的熱的特性を示す図である。 グループB3の回折特性を示す図である。 グループB3の熱的特性を示す図である。 グループB3の周期的熱的特性を示す図である。 グループB3の周期的熱的特性を示す図である。 グループB4の回折特性を示す図である。 グループB4の熱的特性を示す図である。 グループB4の周期的熱的特性を示す図である。 グループB4の周期的熱的特性を示す図である。 グループCの回折特性を示す図である。 グループCの熱的特性を示す図である。
本明細書は、以下の定義及び注釈を鑑みてより良く理解することができる。
実施例以外で、又は特に指定のない限り、本明細書及び特許請求の範囲において使用される成分の量、反応条件等を表す全ての数字は、いずれの場合も「約」という用語で修飾されるものとする。
本明細書全体を通して、「含む(comprise)」という語、又は「含む(comprises)」若しくは「含み(comprising)」等の変化形は、記載の要素、完成体、若しくは工程、又は要素、完成体若しくは工程の群を含むことを示唆するが、任意の他の要素、完成体、若しくは工程、又は要素、完成体若しくは工程の群を排除することを示唆しないものとする。
「薬学的に許容される塩」とは、親化合物の所望の薬理活性を有するバロマシクロビル塩を指す。かかる塩には、(1)塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸によって形成される酸付加塩;若しくは酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタン−ジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4−メチルビシクロ[2.2.2]−オクタ−2−エン−1−カルボン酸、グルコヘプトン酸、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、ターシャリーブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸等の有機酸により形成される酸付加塩;又は(2)親化合物中に存在する酸性プロトンが金属イオン、例えばアルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、若しくはアルミニウムイオンで置換されて形成された塩、若しくはエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルグルカミン等の有機塩基が配位して形成された塩;が含まれる。
「薬学的に許容されるビヒクル」とは、バロマシクロビルと共に投与される希釈剤、アジュバント、賦形剤、又は担体を指す。
「被験体」、「個体」、又は「患者」という用語は、本明細書中で互換可能に使用され、脊椎動物、好ましくは哺乳類を指す。哺乳類には、マウス、齧歯類、サル、ヒト、家畜、競技用動物、及びペットが含まれるが、これらに限定されない。
「予防する」又は「予防」とは、疾患又は障害にかかるリスクを低下させること(すなわち、疾患に曝され得るか、又は疾患になりやすい傾向にがあるが疾患の症状を未だ経験又は示していない患者において、疾患の臨床症状の少なくとも1つを発症させないこと)を指す。
任意の疾患又は障害を「治療すること」又はその「治療」とは、幾つかの実施形態では、疾患又は障害を改善すること(すなわち、疾患又はその臨床症状の少なくとも1つの発症を停止させるか又は抑えること)を指す。他の実施形態では、「治療すること」又は「治療」とは、少なくとも1つの身体的パラメータを改善することを指し、患者に認識されない場合もある。さらに他の実施形態では、「治療すること」又は「治療」とは、疾患又は障害を身体的に(例えば認識可能な症状の安定化)、生理学的に(例えば身体的パラメータの安定化)、又はその両方において抑制することを指す。さらに他の実施形態では、「治療すること」又は「治療」とは、疾患又は障害の発症又は進行を遅らせることを指す。
「治療的に有効な量」とは、疾患を治療するために患者に投与する場合に、疾患に対するかかる治療を達成するのに十分なバロマシクロビルの量を意味する。「治療的に有効な量」は、疾患及びその重症度、並びに治療を受ける患者の年齢、体重等に応じて変化し得る。
バロマシクロビルの多形体スクリーニングにより、幾つかの異なる型(A型、B1型、B2型、B3型、B4型、C型、及びH型が挙げられるが、これらに限定されない)が明らかとなった。各群は異なる回折特性及び異なる熱的特徴を有する。
バロマシクロビル多形体は、示差走査熱量測定(DSC)、偏光ホットステージ顕微鏡法(HSM)、熱重量分析(TGA)、フーリエ変換赤外分光(FTIR)、フーリエ変換核磁気共鳴(NMR)分光、可変温度粉末X線回折(XRD)、及び高速液体クロマトグラフィ(HPLC)を含むが、これらに限定されない分析法を用いて特徴付けることができる。
A型の特徴的なX線回折データを表1に、回折パターンを図2に、特徴的な示差走査熱量計サーモグラムを図3に示す。XRDスペクトルに見られるピークのうち幾つかを表1に挙げる。強度のより低い他のピークも存在し得る。
多形体Aの特徴的なDSC特性は、115℃付近に中心がある約105℃〜約125℃の吸熱(典型的には20J/g〜30J/g)、及び171℃付近に中心がある約170℃〜約180℃の融解吸熱(典型的には約20J/g〜30J/g)を含む。幾つかの試料はさらなる小シグナル(およそ6J/g)を示した。
Figure 2010540440
厳密な回折特性及び熱的特性は、採用される計器のタイプ及び分析条件に応じてわずかに変化することが理解される。例えば、X線回折パターンに使用される計器には、典型的には2θ角の測定値に±0.2の誤差がある。
本発明による「多形体A」は、表1若しくは図2に示されるものと実質的に同じX線回折パターンを有するか、又は図3に示されるものと実質的に同じDSCサーモグラムを有するバロマシクロビルの結晶形態である。幾つかの実施形態では、多形体Aに富んだバロマシクロビルは、少なくとも約90%の多形体Aを含有する。他の実施形態では、多形体Aに富んだバロマシクロビルは、少なくとも約95%の多形体Aを含有する。さらに他の実施形態では、多形体Aに富んだバロマシクロビルは、少なくとも約99%の多形体Aを含有する。
本明細書中に記載される多形体の多形体A含有量又は多形純度は、X線回折(XRD)、示差走査熱量測定(DSC)、偏光ホットステージ顕微鏡法(HSM)、熱重量分析(TGA)、フーリエ変換赤外分光(FTIR)、及び可変温度粉末XRDを含むが、これらに限定されない当該技術分野で既知の方法により求めることができる。
多形体Aに富んだ高品質バロマシクロビルを調製する、再現可能なプロセスも本明細書中で提供される。該プロセスは、バロマシクロビルを、適当な内部温度に加熱することにより、低級アルカノール溶媒又は低級アルカノールの混合溶媒に溶解すること、バロマシクロビルの大部分が結晶化されるように攪拌しながら冷却すること、及び結晶物を回収すること、を含む。
図5Aに示すスキームに従って調製したバロマシクロビルのバッチ(ロット番号:45−548−YS−00)は、以下のように精製した:粗生成物をCHClに溶解し、その溶液を水で洗い、CHClを真空下で除去した。残渣をi−PrOHに溶解し、生成物を酢酸イソプロピルで沈殿させた。沈殿物を濾過し、乾燥させ、10メッシュスクリーンでふるった。
バロマシクロビルの別のバッチ(ロット番号:12−03−011)は、図5Bに示すスキームに従って調製し、以下のように精製した:粗生成物をi−PrOHに溶解して70℃に加熱し、高温の当該溶液を濾過して、5時間かけて20℃に冷却した。生成物を回収し、i−PrOHで洗い、45℃で15時間真空下において乾燥させた。
バロマシクロビルの別のバッチ(ロット番号:12−03−018)は、図5Cに示すスキームに従って調製した。合成及び精製の最終工程は以下を含む:メシレート塩をi−PrOHに溶解し、NEtを添加して当該混合物を70℃に加熱した。高温の当該溶液を4時間かけて20℃に冷却し、20℃で少なくとも2時間かき混ぜた。結晶物を濾過して、i−PrOHで洗い、真空乾燥させた。
他の2つのバロマシクロビルのバッチ(ロット番号:146756及びロット番号:06−01159−2)は、CBZ保護基をBoc保護基で置き換えるプロセスに従って調製した(図5D)。ロット番号:146756の最終精製工程は、以下の工程を2回繰り返すことを含む:粗EPB−348遊離塩基を加熱しながらCHClに溶解し、メタンスルホン酸を添加し、当該溶液を20℃に冷却して16時間攪拌し、濾過、乾燥させた。残渣をi−PrOHに溶解し、NEtを添加した。当該混合物を加熱して全固形分を溶解させ、20℃に冷却して4時間攪拌し、濾過、乾燥させた。ロット番号:06−01159−2の精製の最終工程は、以下の工程を2回繰り返すことを含む:粗EPB−348遊離塩基をCHClに溶解し、35℃に加熱した。メタンスルホン酸を添加し、当該溶液を20℃に冷却して16時間攪拌し、濾過、乾燥させた。残渣をi−PrOHに溶解し、NEtを添加して当該溶液を70℃に加熱し、20℃に冷却して2時間攪拌し、濾過、乾燥させた。
これらバッチのXRD分析及びDSC分析により、種々の多形形態(多形型)が明らかとなった。図5E、図5F、及び図5Gに示されるように、ロット番号:45−548−YS−00及びロット番号:12−03−011に観察された粉末XRDパターン及びDSCサーモグラムは、多形体Aの粉末XRDパターン及びDSCサーモグラムと明らかに異なる。これらは、それぞれB2型及びB1型と同定した。
ロット番号:12−03−018、ロット番号:146756及びロット番号:06−01159−2に観察された粉末XRDパターン及びDSCサーモグラム(図5H及び図5I)は、多形体Aに観察された粉末XRDパターン及びDSCサーモグラムに類似している。それにもかかわらず、これら物質の流動性及び取扱性は乏しく、及び/又は不整合であった(表2)。例えば、ロット番号:146756の材料は、カー指数(Carr Index)の測定値が64であり、極めて乏しい流動性を示す。該材料はまた、長さ数百μmの肉眼で見える凝集塊を生じた。この肉眼で見える生成物(結果)は、目視観察により決定したところ、取扱性に乏しく、且つ粉末流動性に乏しい、本質的に粘性の材料であった。
Figure 2010540440
幾つかの実施形態では、多形体Aを以下のように調製する方法が提供される。バロマシクロビル及び低級アルカノール溶媒の混合物(溶媒1L当たりバロマシクロビル100gの割合)を攪拌し、適当な内部温度に加熱して、完全に溶解させた。当該溶液を温度勾配管理下で攪拌しながら冷却し、バロマシクロビルの大部分(ほとんど)を結晶化させた。得られた混合物を濾過して、得られた固体を空気乾燥した後真空炉乾燥し、多形体Aに富んだバロマシクロビルである白色固体を得た。
本明細書中で使用される場合、「表1又は図2において示されるものと略同等のX線回折パターン」という表現は、幾つかの実施形態では、多形体Aが22.9°±0.2°及び18.6°±0.2°の2θ角を有することを意味する。また、この表現は、他の実施形態では、多形体Aが22.9°±0.2°、18.6°±0.2°、19.5°±0.2°、及び24.3°±0.2°の2θ角を有することを意味する。さらに他の実施形態では、多形体Aは22.9°±0.2°、18.6°±0.2°、19.5°±0.2°、24.3°±0.2°、20.8°±0.2°、21.8°±0.2°、及び27.0°±0.2°の2θ角を有する。さらに他の実施形態では、多形体Aは22.9°±0.2°、18.6°±0.2°、19.5°±0.2°、24.3°±0.2°、20.8°±0.2°、21.8°±0.2°、27.0°±0.2°、14.7°±0.2°、及び15.5°±0.2°の2θ角を有する。さらに他の実施形態では、多形体Aは22.9°±0.2°、18.6°±0.2°、19.5°±0.2°、24.3°±0.2°、20.8°±0.2°、21.8°±0.2°、27.0°±0.2°、14.7°±0.2°、15.5°±0.2°、25.5°±0.2°、及び29.9°±0.2°の2θ角を有する。
本明細書中で使用される場合、「図3に示されるものと略同等のDSCサーモグラム」という表現は、幾つかの実施形態では、多形体Aが、115℃付近に中心がある約105℃〜約125℃の吸熱(典型的には20J/g〜30J/g)、及び171℃付近に中心がある約170℃〜約180℃の融解吸熱(典型的には約20J/g〜30J/g)という特徴的なDSC特性を有することを意味する。
「低級アルカノール溶媒」という用語は、バロマシクロビルが可溶な任意の低級アルカノールを意味し、炭素原子数1〜6の第一級、第二級及び第三級アルコールを含む。好適な低級アルカノール溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、2,2−ジメチル−1−プロパノール、及びシクロヘキサノールが挙げられる。多形体Aに富んだバロマシクロビルの調製において使用される低級アルカノール溶媒は、メタノール、エタノール、又は2−プロパノールであり得る。95:5(v/v)のエタノール/2−プロパノールを混合溶媒として使用してもよい。
典型的には、幾つかの実施形態によると、バロマシクロビルと溶媒との混合物(混合溶媒を使用する場合には予め混合したもの)を、攪拌しながら適当な内部温度(例えば、エタノール又はエタノール/2−プロパノール混合物を使用する場合には65℃〜74℃、又は68℃〜72℃)に加熱して、ほぼ完全に溶解させる。加熱工程は約30分かけて行なった。完全な溶液を得るために、攪拌を任意でさらに30分間続けた。温度を次に、5℃/時間〜15℃/時間、又は8℃/時間〜12℃/時間の速度で低下するよう設定し、該冷却サイクル中攪拌を続けた。固体は概して、内部温度が55℃〜61℃に達した時点で溶液から結晶化した。室温(およそ18℃〜25℃)に達した後、1時間〜4時間攪拌を続け、得られた混合物を濾過し、得られた湿塊を真空炉(温度:40℃〜50℃、圧力:3inHg〜15inHg、低速窒素スイープ)において一晩乾燥させ、多形体Aに富んだ白色固体を得た。
溶媒選択及び温度管理の組合せによって、このプロセスは高度に再現可能且つ規模調整可能となる。このプロセスは、10g〜30kgの範囲の規模で既に試験されている。
他の溶媒又は組み合わせを使用する場合、温度、溶解性、及びローディングプロファイルは前述の手順で挙げたものと異なっていてもよく、当業者は本開示を鑑みてしかるべく調整することができる。
幾つかの実施形態では、本発明のプロセスにおいて使用される混合溶媒は、95:5(v/v)のエタノール/イソプロパノールであり、特別変性アルコール(SDA)3Cと同等である。比較的低価格の市販品であるSDA 3Cを使用することで、このプロセスはより商業的に実現可能となる。
多形体Aは、最も結晶性が高く、且つ熱力学的に最も安定なバロマシクロビルの多形体である。競合的及び非競合的なスラリー実験により、出発時の多形形態にかかわらず最終形態として多形体Aが示された。多形体Aの固体粉末は、より流動性を有するため、錠剤型の製剤にするのがより容易である。
幾つかの実施形態では、多形体Aに富んだバロマシクロビルは、表1又は図2に示されるものと略同等のX線回折パターンを有する。
幾つかの実施形態では、多形体Aに富んだバロマシクロビルは、図3に示されるものと略同等のDSCサーモグラムを有する。
幾つかの実施形態では、多形体Aに富んだバロマシクロビルは、参照基準を実質的に満たすIRスペクトルを有する。
本発明の固形物の流動特性は、カー指数(Pharmaceutical Preformulation and Formulation, A practical guide from candidate selection to commercial dosage form, Mark Gibson, Ed.; Interpharm Press, 2002; pages 386−7)により測定することができる。粉末に機械的な力を加えることにより、粉末流動に対する抵抗を観察することができる。タッピングに付した粉末のかさ密度(圧縮率)の増加を用いて、カー指数を求めることができる。幾つかの実施形態では、多形体Aに富んだバロマシクロビルは、約35〜約50の範囲のカー指数値を有する。
本発明の固形物の粒径は、シリコーン油中で偏光顕微鏡法を用いて評価することができる。幾つかの実施形態では、多形体Aに富んだバロマシクロビルは、このシステムを用いて測定される場合、粒径が約10μm〜約300μmの範囲にある。
幾つかの実施形態では、多形体Aに富んだバロマシクロビルは、目視検査によると白色又は淡褐色の粉末である。
幾つかの実施形態では、多形体Aに富んだバロマシクロビルは、溶媒(例えば塩化メチレン)に溶解した場合、透明から実質的に透明の溶液を形成する。
幾つかの実施形態では、多形体Aに富んだバロマシクロビルの強熱残留物は、多くとも0.2%である。
幾つかの実施形態では、多形体Aに富んだバロマシクロビル中に存在する重金属(Pb等)は、多くとも0.002%である。
幾つかの実施形態では、多形体Aに富んだバロマシクロビルの水分含有量は、多くとも1.0%である。水分含有量は、カール・フィッシャー滴定により分析することができる。
本発明の生成物中の溶媒含有量は、GC分析により求めることができる。幾つかの実施形態では、多形体Aに富んだバロマシクロビルは、残留溶媒に関して以下の基準を満たす:アセトン、酢酸エチル、ヘプタン、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、エチルアルコールについては、NMT(上限値または最大値の意味)0.5%;アセトニトリル、ジクロロメタン、トルエンについては、NMT0.1%;エチレングリコールジメチルエーテルについては、NMT0.05%;任意の他の各溶媒については、NMT0.05%;全溶媒が、NMT1.0%。
生成物の純度及び不純物の量は、HPLC分析により測定することができる。幾つかの実施形態では、多形体Aに富んだバロマシクロビルは、無水及び無溶媒基準で少なくとも970mcg/mgの純度を有する。他の実施形態では、多形体Aに富んだバロマシクロビル中、ステアリン酸グアニンアルコール(guanine stearate alcohol)以外の既知の不純物は、いずれも1.5%より多く存在しない。さらに他の実施形態では、存在するステアリン酸グアニンアルコールは2.5%を超えない。さらに他の実施形態では、未知の不純物は、いずれも1.0%より多く存在しない。さらに他の実施形態では、存在する全不純物は3.0%以下である。
幾つかの実施形態では、多形体Aに富んだバロマシクロビルの保持時間は、参照基準との差が2.0%以下である。
幾つかの実施形態では、多形体Aに富んだバロマシクロビルは、ジアステレオマー不純物及びエナンチオマー不純物に関して以下の基準を満たす:(S,S)−ジアステレオマーが4.0%を超えない;(R,R)−ジアステレオマー+(S,R)−エナンチオマーが3.0%を超えない。
幾つかの実施形態では、多形体Aに富んだバロマシクロビルは、無水及び無溶媒基準で少なくとも900mcg/mgの力価を有する。力価は組成物の純度の量的測定値である。
幾つかの実施形態では、多形体Aに富んだバロマシクロビルは、上記の特性のうち2つ以上を有する。
幾つかの実施形態では、多形体Aに富んだバロマシクロビルは、表1又は図2に示されるものと略同等のX線回折パターン、図3に示されるものと略同等のDSCサーモグラム、参照基準を実質的に満たすIRスペクトル、約35〜約50の範囲のカー指数値、約10μm〜約300μmの範囲の粒径、多くとも0.2%の強熱残留物、多くとも1.0%の水分含有量、多くとも上記で定義したような残留溶媒、及び/又は少なくとも97%の純度を有する。
幾つかの実施形態では、多形体Aに富んだバロマシクロビルは、表1又は図2に示されるものと実質的に同じX線回折パターン、図3に示されるものと実質的に同じDSCサーモグラム、参照基準を実質的に満たすIRスペクトル、約35〜約50の範囲のカー指数値、約10μm〜約300μmの範囲の粒径、多くとも0.2%の強熱残渣、多くとも1.0%の水分含有量、多くとも上記で定義したような残留溶媒、及び少なくとも97%の純度を有する。
バロマシクロビルの他の多形体としては、B1型、B2型、B3型、B4型、C型、及びH型が挙げられるが、これらに限定されない。これら多形体は、本明細書中で実施例5のバロマシクロビルの多形体スクリーニングに記載しているような方法及び条件を用いて得られる。これらの多形形態は、バロマシクロビル薬品の多形純度の評価における分析基準として有用である。多形体B1、B2、B3、B4、C、及びHは、本明細書中に記載されるプロセスを用いてA型のみ又は組合せへと容易に変換され、したがって本発明の多形体Aに富んだバロマシクロビル組成物を製造する際の原料とすることができる。
幾つかの実施形態では、多形体Aに富んだバロマシクロビルは、他の多形形態を実質的に含まない。
幾つかの実施形態では、多形体Aに富んだバロマシクロビルは、B1型を実質的に含まない。
幾つかの実施形態では、多形体Aに富んだバロマシクロビルは、B2型を実質的に含まない。
幾つかの実施形態では、多形体Aに富んだバロマシクロビルはB3型を実質的に含まない。
幾つかの実施形態では、多形体Aに富んだバロマシクロビルは、B4型を実質的に含まない。
幾つかの実施形態では、多形体Aに富んだバロマシクロビルは、B1型、B2型、B3型、B4型のいずれをも実質的に含まない。
幾つかの実施形態では、多形体Aに富んだバロマシクロビルは、C型を実質的に含まない。
幾つかの実施形態では、多形体Aに富んだバロマシクロビルは、B1型、B2型、B3型、B4型、C型のいずれをも実質的に含まない。
また、本発明の多形体Aに富んだバロマシクロビルを、それを必要とする患者に治療的に有効な量で投与することを含む、ウイルス感染を治療及び/又は予防する方法が本明細書中で提供される。
本明細書中に記載される方法を用いて治療可能なウイルス感染は、例えば水痘帯状ヘルペスウイルス、単純ヘルペスウイルス(HSV−1及びHSV−2)、ヒトヘルペスウイルス(HHV−6、HHV−7、及びHHV−8)、エプスタイン・バーウイルス、サイトメガロウイルス、及びHIVに起因するものである。
幾つかの実施形態では、上記ウイルス感染は、水痘帯状ヘルペス、単純ヘルペスウイルス(HSV−1及びHSV−2)、ヒトヘルペスウイルス6、ヒトヘルペスウイルス7、ヒトヘルペスウイルス8、エプスタイン・バーウイルス、及びサイトメガロウイルスから選択されるヘルペスウイルス感染である。これら実施形態では、ウイルス感染は、水疱瘡、帯状疱疹、口唇ヘルペス/単純疱疹(cold sores)、陰部ヘルペス、単核球症、カポジ肉腫、慢性疲労、小児バラ疹、多発性硬化症、上咽頭癌及び他の悪性腫瘍等の様々な形態のヒト障害として存在し得る。
他の実施形態では、ウイルス感染はHIV、又はHIV/HBVの重感染若しくはHIV/HCVの重感染、又は他の日和見疾患、例えばHIV感染又はAIDSにより現れるCMV又はヘルペス性角膜炎である。
多形体Aに富んだバロマシクロビルは、とりわけ経口投与又は他の全身投与によるウイルス感染の治療又は予防のための薬剤の製造において使用することができる。
多形体Aに富んだバロマシクロビルは結晶性であり、良好な流動特性を有し、且つ当該技術分野で既知の手順及び方法を用いて、経口投与のための錠剤へと容易に変換することができる。
ウイルス感染の予防又は治療のさらなる実施形態には、移植前、移植中、又は移植後における多形体Aに富んだバロマシクロビルの使用が含まれる。
幾つかの実施形態では、本明細書中に記載される多形体は免疫調節剤、例えば糖質コルチコイドと共に、典型的には経口的又は全身的に同時投与される。代表的な糖質コルチコイドとしては、アルクロメタゾン、デソニド、フルプレドニデン、フルメタゾン、ヒドロコルチゾン、及びそのエステル、例えば酪酸ヒドロコルチゾン又は酢酸ヒドロコルチゾン、クロベタゾン、トリアムシノロンアセトニド、ベタメタゾン(betmethasone)、ブデノシド、デソキシメタゾン(desoximethasone)、ジフロラゾン(diflorosane)、フルオシノロン、フルオシノニド(fluoccinonide)アセトニド、フルオコルトロン、フルチカゾン、アセポン酸メチルプレドニゾロン、モメタゾン、ロフレポニド等が挙げられるが、これらに限定されない。典型的にはヒドロコルチゾン又はベタメタゾン又はデキストラメタゾン(dextromethasone)等の糖質コルチコイド(Glucorticoids)が、それらの従来の免疫調節投薬計画で投与される。
前述の有用性及び適応症の各々について、バロマシクロビル活性薬剤(API;Active Pharmaceutical Ingredient)の所要量は、治療される病態の重症度及びレシピエントの固有性を含む多数の因子に依存し、最終的には主治医の判断に委ねられる。しかしながら、一般的に適切な有効投与量は、1日当たり1mg/kg〜150mg/kg(レシピエントの体重)の範囲である。他の適切な有効投与量は、1日当たり5mg/kg〜120mg/kg(体重)の範囲である(特に指定のない限り、活性成分の重量は全て、バロマシクロビルに関して算出される)。所定の日における所望の投与量は、1日を通して適当な間隔で投与される1回、2回、3回、又は4回以上の分割投与量(sub-doses)として与えることができる。これらの分割投与量は、例えば1つの単位投与形態(dose form)当たり約50mg〜2000mg、又は約250mg〜500mg、1000mg、2000mg又は3000mgの活性成分を含有する単位投与形態(剤形)で投与され得る。幾つかの実施形態では、単位投与量は1000mg/日である。
以下の投薬計画を指針として与える:水痘帯状ヘルペスウイルス感染(例えば帯状疱疹)の治療:約500mg〜3gの1日1回量を3日〜7日間投与する;代替的には、約500mg〜3gの1日総投与量を、3日〜7日間250mg〜1.5gで1日2回投与する。例えば、帯状ヘルペス発疹の発生の72時間以内に1000mg、2000mg、又は3000mgの1日投与量で7日間患者を治療することができる。幾つかの実施形態では、水痘帯状ヘルペスウイルス感染の治療又は予防のための投薬計画は、1gを7日間投与するものである。他の実施形態では、水痘帯状ヘルペスウイルス感染の治療又は予防ための投薬計画は、2gを7日間投与する。
以下の投薬計画を指針として与える:エプスタイン・バーウイルス(例えば単核球症)の治療:約2.0gの1日総投与量を、7日〜21日間1.0gで1日2回投与する。移植患者に対しては、この1日投与量をリスク期間である3ヶ月〜6ヶ月間投与する;また、HIV陽性患者に対しては1日投与量を、生活の質を向上させるために通常指示されるように、例えば2年間以上投与する。幾つかの実施形態では、エプスタイン・バーウイルス(例えば単核球症)の治療又は予防のための投薬計画は、1gを7日間投与する。
以下の投薬計画を指針として与える:ヒトヘルペスウイルス6A(HHV−6A)の抑制:500mg〜3.0gの1日総投与量を、リスク期間である3ヶ月〜6ヶ月間1日1回投与する。
以下の投薬計画を指針として与える:ヒトヘルペスウイルス8(HHV−8)の抑制:500mg〜3.0gの1日総投与量を、リスク期間である3ヶ月〜6ヶ月間1日1回投与する。
以下の投薬計画を指針として与える:単純ヘルペスウイルス1型及び2型のウイルス感染の治療:1.0g〜4gの1日総投与量を投与する(5日〜10日間500mgで1日2回又は2.0gで1日2回);単純ヘルペスウイルス1型及び2型の感染の抑制:約1年〜10年間(被験体に応じて)250mg〜1gの1日総投与量を投与する。
多形体Aに富んだバロマシクロビルは、例えばカプセルに入れて単独で投与することができるが、医薬製剤として提供してもよい。かかる製剤は、多形体Aに富んだバロマシクロビルと共に1つ又は複数の許容される担体/賦形剤、及び任意で他の治療成分を含む。担体(複数可)は、製剤の他の成分と相容性であるという点、及びレシピエントに対して有害でないという点で許容されなくてはならない。
製剤としては、直腸投与、経鼻投与、局所投与(頬側投与及び舌下投与を含む)、膣内投与又は非経口投与(皮下投与、筋内投与、静脈内投与、及び皮内投与を含む)に適切な製剤が挙げられるが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、製剤は経口投与される製剤である。製剤は単位投与形態、例えば錠剤及び持続放出性カプセルで都合良く提供することができ、薬学分野における任意の公知方法で調製することができる。
かかる方法は多形体を担体と合わせることを含む。製剤は一般に、多形体Aに富んだバロマシクロビルを液体担体又は微粉化した固体担体、又はその両方と均一且つ密に合わせた後、必要に応じて生成物を成形することにより調製される。本発明は、多形体Aに富んだバロマシクロビルを、薬学的に許容される担体又はビヒクルと併用するか、又は合わせることを含む、医薬組成物を調製する方法にまで及ぶ。医薬製剤の製造が医薬賦形剤を密に混合することを含む場合、使用される賦形剤は本質的に非塩基性、すなわち酸性又は中性のいずれかであることが多い。
本発明の経口投与のための製剤は、各々が規定量の活性薬剤(有効成分)を含有するカプセル、カシェ剤、又は錠剤等の個別単位として提供することができる。あるいは、製剤を、粉末状や顆粒状で提供して、例えば水性液体、非水性液体、水中油型液体エマルジョン、油中水型液体エマルジョン、ボーラス等を媒とする当該活性薬剤の溶液又は懸濁液としてもよい。
経口投与のための組成物(例えば錠剤及びカプセル)に関して、「適切な担体」という用語は、一般的な賦形剤、例えば、シロップ、アラビアゴム、ゼラチン、ソルビトール、トラガカント、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、スクロース、及びデンプン等の結着剤;例えば、トウモロコシデンプン、ゼラチン、ラクトース、スクロース、微結晶性セルロース、カオリン、マンニトール、リン酸二カルシウム、塩化ナトリウム、及びアルギン酸等の増量剤及び担体;並びに、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、及び他の金属ステアリン酸塩、グリセロールステアレート、ステアリン酸、シリコーン液、タルクワックス、油、及びコロイドシリカ等の潤滑剤;等のビヒクルを含む。香味剤、例えばペパーミント、ウインターグリーン油、サクランボ香料等を使用することもできる。剤形を容易に識別可能にするため、着色剤の添加が望ましい場合もある。また、錠剤を当該技術分野における公知方法によりコーティングしてもよい。
錠剤は、任意で1つ又は複数の副成分と共に圧縮又は成形することにより調製することができる。圧縮錠は、粉末又は顆粒等の易流動性の形態の活性薬剤を、任意で結着剤、潤滑剤、不活性希釈剤、保存料、界面活性剤、又は分散剤と混合して、適切な機械において圧縮することにより調製され得る。成形錠は、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末状化合物の混合物を適切な機械において成形することにより調製され得る。錠剤は任意でコーティング又は分割してもよく、活性薬剤の持続放出又は制御放出をもたらすように調剤してもよい。
経口投与に適切な他の製剤としては、風味付けされた基剤、通常はスクロース及びアラビアゴム又はトラガカント中に活性薬剤を含む口内錠(lozenges)、ゼラチン及びグリセリン、又はスクロース及びアラビアゴム等の不活性基剤中に活性薬剤を含むトローチ、並びに適切な液体担体中に活性薬剤を含む洗口液が挙げられる。
幾つかの実施形態では、医薬組成物は、結晶性バロマシクロビル、クロスカルメロースナトリウム、ポビドンK−30、Tween−80、タルク、及びステアリン酸マグネシウムを含むカプレットである。他の実施形態では、医薬組成物は、結晶性バロマシクロビル(77%(w/w))、クロスカルメロースナトリウム(13.90%(w/w))、ポビドンK−30(3.25%)、Tween−80(1.10%)、タルク(4.10%)、及びステアリン酸マグネシウム(0.74%)を含むカプレットである。
幾つかの実施形態では、上記医薬組成物は、結晶性バロマシクロビル及びクロスカルメロースナトリウムをポビドンK−30及びTween−80を用いて湿式造粒することにより調製した。次に、顆粒を乾燥させた後、メッシュスクリーン(#16)を通して篩分した。次に乾燥させ、篩分した顆粒、クロスカルメロースナトリウム及びタルク粉末を混ぜ合わせた。ステアリン酸マグネシウムを添加した後、当該混合物を#30メッシュスクリーンを通して篩分し、混ぜ合わせた後、吐出させた。次に、該材料を、高速回転式打錠機を用いて圧縮し、このカプレットをAccela CotaにおいてOpadry II 33G99020でコーティングした。カルナバワックスを次にコーティングパンに加え、カプレットの艶出しを行なった後、包装した。
幾つかの実施形態では、錠剤処理は湿式造粒、乾燥、篩分、混合、及び圧縮という作業から成る。バルクカプレットはOpadry IIブルー33G99020でコーティングして、カルナバワックスNFで艶出しを行う。
医薬組成物及び/又は多形体は、ヘルペス適応症に対して、アシクロビル、バラシクロビル、ペンシクロビル、ファムシクロビル、ガンシクロビル及びそのプロドラッグ、シドフォビル、ホスカルネット等の他の抗ウイルス剤と組み合わせて投与することができる。
HIV療法に対しては、医薬組成物及び/又は多形体は、薬物に対するエスケープ変異体の発生を回避するため、及び免疫不全個体における同時感染を治療するために、典型的には他のHIV治療薬と同時投与される。しかしながら、或る特定の抗感染薬の組み合わせは相乗的な応答を誘導することができるため、活性成分の一方又は両方を対応する単剤療法より低い投与量で投与することが可能である。例えば、Cyp3A4による急速な代謝を受け易い薬物においては、HIVプロテアーゼ阻害剤リトナビルとの同時投与により、投与量のより少ない投薬計画が可能となり得る。本明細書中に記載される多形体及びさらなる抗ウイルス剤の各々は、典型的にはそれらの個々の活性及び生物学的利用能を反映するモル比で同時投与される。一般に、かかる割合は、多形体に対して約250:1〜1:250、又は25:1〜1:25であるが、例えばリトナビル等のシトクロムP450のアンタゴニストの場合には、より低くてもよい。
代表的なHIV抗ウイルス剤としては、ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NRTI)、例えばアロブジン(FLT)、ジドブジン(AZT、ZDV)、スタブジン(d4T、Zerit)、ザルシタビン(ddC)、ジダノシン(ddI、Videx)、アバカビル、(ABC、Ziagen)、ラミブジン(3TC、Epivir)、エムトリシタビン(FTC、Emtriva)、ラシビル(racevir)(FTCのラセミ体)、アデホビル(ADV)、エンテカビル(entacavir)(BMS 30 200475)、アロブジン(FLT)、フマル酸テノホビルジソプロキシル(TNF、Viread)、アムドキソビル(amdoxavir)(DAPD)、D−d4FC(DPC−817)、D−dOTC(ShireのSPD754)、エルブシタビン(AchillionのACH−126443)、BCH 10681(Shire)、SPD−756、ラシビル(racivir)、D−FDOC、GS7340、INK−20(チオエーテルリン脂質AZT、Kucera)、2’,3’−ジデオキシ−3’−フルオログアノシン(FLG)及びそのプロドラッグ(MIV−210等)、並びにリバーセット(RVT、D−D4FC、PharmassetのDPC−817)が挙げられるが、これらに限定されない。
代表的な非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NNRTI)としては、デラビルジン(Rescriptor)、エファビレンツ(DMP−266、Sustiva)、ネビラピン(BIRG−587、Viramune)、(+)−カラノライドA及びB(Advanced Life Sciences)、カプラビリン(AG1549f S−1153;Pfizer)、GW−695634(GW−8248;GSK)、MIV−150(Medivir)、MV026048(R−1495;Medivir AB/Roche)、NV−0522(Idenix Pharm.)、R−278474(Johnson & Johnson)、RS−1588(Idenix Pharm.)、TMC−120/125(Johnson & Johnson)、TMC−125(R−165335;Johnson & Johnson)、UC−781(Biosyn Inc.)、及びYM215389(山之内製薬株式会社)が挙げられるが、これらに限定されない。
代表的なHIVプロテアーゼ阻害剤としては、PA−457(Panacos)、KPC−2(Kucera Pharm.)、5 HGTV−43(Enzo Biochem)、アンプレナビル(VX−478、Agenerase)、アタザナビル(Reyataz)、硫酸インジナビル(MK−639、Crixivan)、レクシヴァ(ホスアンプレナビルカルシウム、GW−433908又はGW−908、VX−175)、リトナビル(Norvir)、ロピナビル+リトナビル(ABT−378、Kaletra)、チプラナビル、メシル酸ネルフィナビル(Viracept)、サキナビル(Invirase、Fortovase)、AG1776(JE−2147、KNI−764;新日鉱ホールディングス株式会社)、AG−1859(Pfizer)、DPC−681/684(BMS)、GS224338(Gilead Sciences)、KNI−272(新日鉱ホールディングス株式会社)、Nar−DG−35(Narhex)、P(PL)−100(P−1946;Procyon Biopharma)、P−1946(Procyon Biopharma)、R−944(Hoffmann−La Roche(LaRoche))、RO−0334649(Hoffmann−La Roche)、TMC−114(Johnson & Johnson)、VX−385(GW640385;GSK/Vertex)、VX−478(Vertex/GSK)が挙げられるが、これらに限定されない。
他のHIV抗ウイルス剤としては、融合阻害剤を含む侵入阻害剤、CD4受容体の阻害剤、CCR5共受容体の阻害剤、及びCXCR4共受容体の阻害剤、又はその薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグが挙げられるが、これらに限定されない。侵入阻害剤の例は、AMD−070(AMD11070;AnorMed)、BlockAide/CR(ADVENTRX Pharm.)、BMS 806(BMS−378806;BMS)、エンフルビルチド(Enfurvirtide)(T−20、R698、Fuzeon)、KRH1636(Kureha Pharmaceuticals)、ONO−4128(GW−873140、AK−602、E−913;ONO Pharmaceuticals)、PRO−140(Progenies Pharm.)、PRO−542(Progenies Pharm.)、SCH−D(SCH−417690;Schering−Plough)、T−1249(R724;Roche/Trimeris)、TAK−220(武田薬品工業株式会社)、TNX−355(Tanox)、及びUK427,857(Pfizer)である。インテグラーゼ阻害剤の例は、L−870810(Merck & Co.)、c−2507(Merck & Co.)、及びS(RSC)−1838(塩野義製薬株式会社/GSK)が挙げられるが、これらに限定されない。
ここで本発明を実施例により説明する。実施例は本発明の範囲を限定することを意図しないが、本発明をさらに理解し、本発明のプロセス及び本発明の他の態様の対象となる生成物を調製するプロセスの概略を得るために、上記の詳細な説明及び概要と併せて読むべきものである。
<実施例1−バロマシクロビルAPIの分析証明書>
本発明の生成物に関して得られる分析データを示すために、バロマシクロビルAPI(ロット番号:A501S8−07−001)の分析証明書を表3に示した。
Figure 2010540440
<実施例2−バロマシクロビル多形体Aに関する再結晶化プロセス>
メカニカルスターラー、モデル210−T J−KEM温度調節器/熱電対により制御される油浴、横河電機株式会社の温度記録計に取り付けられた内部熱電対、及び乾燥管を備える2L容丸底フラスコに、EPB 348(ロット番号:146756)を110g、55mLの2−プロパノール(Fisher、ロット番号:050564)及び1045mLの200プルーフエタノール(Aaper、ロット番号:06128WA)(SDA 3C変性無水アルコールと等価)から成る予混合した溶液を1.1L加えた。得られた攪拌混合物を内部温度72℃に加熱し、固体をほぼ完全に溶解させた。加熱プロセスは約30分かけて行なった。大部分の固体は容易に溶液に溶けたが、最後に残った少量を完全に溶解させるためには、約72℃の内部温度で30分間攪拌する必要があった。内部温度を74℃にまで上昇させた。次に、溶液を冷却サイクルの間中攪拌しながら10℃/時間の速度で冷却した**。固体は一般に、内部温度が55℃〜61℃に達した時点で溶液から結晶化した。結晶化により2℃の発熱があった。室温(およそ25℃)に達した後、攪拌を1時間続け、得られた混合物を濾過して、得られた固体を空気乾燥させた後、一晩真空炉乾燥し(50℃、大気圧のおよそ半分の真空、低速窒素スイープ)、106gの白色固体(52772−10−6)を得た。
HPLC(カラム:PhenomenexのInertsil(Inersil) ODS−2、250×4.6mm、粒径5μm;移動相:0.2%過塩素酸の62:38のアセトニトリル:水/アセトニトリル溶液;勾配:25分間で0%→95%;流速:1.5mL/分;検出:254nm)の証拠によって、結晶化のタイミングを(結晶化後の懸濁液の一晩の攪拌を含むように)延長することにより、不純物(ステアリン酸グアニンアルコール)が、元の出発レベルの約0.3面積%から約0.9面積%まで増加することが示唆される。表示された時間及び温度から、不純物の増加は0.6面積%に狭められる。これは一般的に許容可能であると考えられている。
** 5℃/時間〜約12℃/時間の範囲の冷却速度を検討したが、同等の化学純度及び多形形態を有する生成物が得られることが明らかになった。
生成物の特性は、バロマシクロビル多形体Aに代表的な、図2及び図3に見られるものに類似した回折特性を有する。
<実施例3−結晶化プロセス開発>
小規模(1g〜5g)の結晶化を、原材料としてロット番号:146756を用いて行なった。幾つかの溶媒(ピリジン、DMF、エタノール等)は、該材料から良質な固体を生成する傾向があることが同定された。これら溶媒の多くは実用性が低いこと、及びエタノールが有望であったことから、エタノールを選択してさらに検討した。
[第1の10g規模再結晶化]
EPB 348(ロット番号:146756)の試料10.1gを、100mLの無水エタノール(Aaper、USP)から再結晶化させた。完全な溶解を達成する前に、内部温度を68℃に上げる必要があった。当該溶液を75℃で1時間攪拌した後、加熱を止め、攪拌混合物を磁気的に攪拌しながら一晩で室温までゆっくりと冷却した。得られた結晶塊を濾過し、50℃で一定重量となるまで乾燥させて、9.3gの白色固体(試料52772−2−7)を得た。
[第2の10g規模再結晶化]
再現性を実証するために、プロセスをEPB 348の同じロット10.0gから出発して繰り返した。単離及び乾燥の後、9.3gの白色固体(試料52772−3−17)が得られた。プロトンNMRによると、この物質はEPB 348の元の試料と一致していた。
[第3の10g規模再結晶化]
プロセスを繰り返したが、プロセスをより商業的に実現可能にするために、特別変性アルコール(SDA)3Cと同等の新たに調製した変性アルコールを用いた。この変性アルコールは、5容量の2−プロパノールを95容量の無水エタノールに添加し、得られた溶液をよく混合して調製した。この3C変性アルコール100mLに10.0gのEPB 348を添加し、得られた混合物を70℃の内部温度に加熱し、磁気的に攪拌しながらゆっくりと室温に戻した。内部温度を定期的に確認し、図6に示されるようなグラフにした。当該混合物は61.5℃で完全な溶液であったが、55.3℃の内部温度に冷却した時点では固体が形成されていた。攪拌懸濁液を室温に冷却した後、濾過し、空気乾燥させ、次いで真空炉乾燥して(50℃、大気圧のおよそ半分の真空、低速窒素スイープ)、9.37gの白色固体(試料52772−5−8)を得た。
[第1の100g規模再結晶化]
SDA 3Cアルコールからの再結晶化をより大きい規模で繰り返したが、冷却曲線を5℃/時間に調節し、冷却中に内部温度の記録をとった。メカニカルスターラー、モデル210−T J−KEM温度調節器/熱電対により制御される油浴、横河電機株式会社の温度記録計に取り付けられた内部熱電対、及び乾燥管を備える2L容丸底フラスコに、EPB−348(ロット番号:146756)を110g、55mLの2−プロパノール(Fisher、ロット番号:050564)及び1045mLの200プルーフエタノール(Aaper、ロット番号:06128WA)から成る予混合した溶液を1.1L加えた。得られた攪拌混合物を内部温度72℃に加熱することで、完全な溶解を達成した。次に、温度を5℃/時間の速度で冷却するよう設定し、該冷却サイクル中攪拌し続けた。内部温度が60℃〜61℃に達した時点で固体が溶液から結晶化した。攪拌を一晩続けた後、得られた混合物を濾過して、得られた固体を空気乾燥させた後、真空炉乾燥し(50℃、大気圧のおよそ半分の真空、低速窒素スイープ)、106.7gの白色固体(52772−8−10)を得た。
[さらなる100g規模再結晶化]
EPB−348のさらなる2つのバッチを、前述の3Cエタノール中でロット番号:146756から100g規模で再結晶化させた。プロセスに対する変更は、1)より早い単離(固体を母液中に一晩置くのではなく、溶液が周囲温度(室温)にした後に濾過した)、及び2)冷却速度は先の100gバッチに対して使用される5℃/時間ではなく、10℃/時間及び15℃/時間を対象としたこと、を含むものであった。
第1のバッチは約10℃/時間で冷却し、第2のバッチは13℃/時間の初期速度で冷却したが、この速度は温かい周囲温度条件のために約12℃/時間まで下がった。これらバッチをそれぞれ52772−10−6及び52772−12−27とした。両バッチを周囲温度まで冷却した後、単離し、良質な固体を得た。これを、多形形態についてはXRD、及び不純物プロファイルについてはHPLCで分析した。
[回折及び熱的特性]
上記10g規模再結晶化プロセスから得た試料のX線回折パターン及びDSCサーモグラムを、それぞれ図7及び図8に示す。結晶化試料のX線回折及び熱的特性は共に、多形体Aと一致する。
[粒径及び流動特性]
粉末に機械力を加えることにより、粉末流動に対する抵抗を観察することができる。タッピングに付した粉末のかさ密度(圧縮率)の増加を用いて、カー指数を求めることができる。この指数を4つの再結晶化バッチの各々について測定し、下記表にした。
偏光顕微鏡法を使用して、シリコーン油における再結晶化試料の粒径範囲を評価した。粒径範囲を粉末流動データと共に表4に報告する。
全体として、カー指数は38〜56の範囲であった。カー指数は粒径の増大に伴って向上し、規模の増大に関連すると思われた。この方法により調製した物質は、目視観察により決定したところ、先のバッチより良好な取扱性及び粉末流動性を有した。
Figure 2010540440
[HPLC分析]
HPLC分析を再結晶化させた物質の4つのバッチについて行なった(カラム:PhenomenexのInertsil ODS−2、250×4.6mm、粒径5μm;移動相:0.2%過塩素酸の62:38のアセトニトリル:水/アセトニトリル溶液;勾配:25分間で0%→95%;流速:1.5mL/分;検出:254nm)。試料は、再結晶化に対する出発物質として使用したロット番号:146756と比較した。
Figure 2010540440
一般に、エタノールから再結晶化させた物質の不純物プロファイルは、出発物質に類似していた。0.05面積%未満の個々の不純物は積分しなかった。3回の10g規模結晶化及び第1の100g規模結晶化から得た試料を共に分析した(分析順序1)。表6に、主な不純物を保持時間ごとに示す。代表的なクロマトグラムを示すHPLC多重プロットを図9に示す。
Figure 2010540440
0.05面積%を超える不純物は6つあった。RRT(保持時間)が0.62、1.24、及び1.50の不純物は、全ての再結晶化試料について減少した。
RRTが1.53の不純物及びRRTが2.27の不純物の2つは、再結晶化中に変化しないようであった。
不純物の1つである、RRTが1.37の不純物は、再結晶化させた物質において増加することが観察された。
再結晶化させた物質中に新たな不純物は観察されなかった。
RRTが1.37の不純物は、各々の試料において経時的に増加する。この不純物は、「標準」溶液において周囲温度下、約14時間で0.3から0.5に増加することが観察された。この不純物は経時的にゆっくりと増加することが観察されたが、分析中の溶液の安定性の欠如は、この不純物に関して観察された変化の説明とはならない。
さらなる2回の100g規模結晶化から得た試料を、共に分析した(分析順序2)。表7に、主な不純物を保持時間ごとに挙げる。
Figure 2010540440
2回のHPLCの実行からのデータを比較して第1に観察されるのは、シグナルの保持時間が異なることである。これは、異なるHPLCを冷却したオートサンプラートレイで進行させたこと(順序2)、移動相調製品の予混合、及び他の微妙な差に起因するものであった。保持時間は当該方法のシステム適合性基準の範囲内であった。
第2の点は、結晶化における不純物の分離中に同じ大まかな傾向が観察されたことである。主な論点はRRTが1.54の不純物であった(前述のRRT1.37の不純物に相当する)。再結晶化時にこの不純物の増加が依然として観察されたが、この不純物の増加量は、より早い単離(固体を採取する前に一晩熟成しない)及びより速い冷却速度(高温曝露する時間の短縮)によって低下したと考えられる。
HPLCデータにより、出発時のバッチ(146756)は、約0.26面積%のRRTが1.54の不純物を有しており、これが第2及び第3の再結晶化100gバッチ中で0.55面積%及び0.62面積%に成長したことが示唆される。HPLC分析における該不純物の増加を最小限に抑えるために、冷却したオートサンプラートレイを使用した。
2つの新たに再結晶化させたバッチ中に新たな不純物(0.05面積%を超える)は観察されなかった。
HPLC結果により、10℃/時間から12〜13℃/時間の冷却速度を採用し、室温に達した後に固体を回収することにより、RRT1.54の不純物(前述のRRT1.37の不純物)の増加がわずかに減少したことが示唆される。
保持時間は使用するHPLC計器に依存して変化し得ることに留意する。対照として内部標準を使用した。
[LCMS分析]
LCMS分析を使用して、単離生成物において増加する(又は高濃度化する)不純物を同定した。上記方法のHPLC条件を適用して、HPLCを用いて観察されたものと同じ不純物プロファイルをLCMSでも作成した。LC方法において用いられる過塩素酸は、LCMSに適した酸(TFA)に置き換えた。
この主要な不純物は、バロマシクロビルのデス−バリン(des valine)類似体である疑いがあった。該推定不純物の構造を下記に示す。
Figure 2010540440
親APIは、陽イオンモードで619.4のm/zを有することが観察された。これはジエステル化されたプロドラッグと一致する。(ダイオードアレイによる)主な不純物は、520.3のm/zを有することが観察された。これはバリン置換基(上記に示される)除去後の親構造のMHと一致する。
再結晶化中に増加する不純物は、デス−バリン不純物であることが暫定的に結論付けられた。
[残留溶媒分析]
先述の結晶化プロセスを用いて10g規模及び100g規模で再結晶化させたバロマシクロビルのバッチに対して、イソプロパノール(IPA)及びエタノールに関するGC分析を行なった。各々のバッチの結果を表8にまとめる。エタノール及びIPAに関するICHの制限値(5000ppm)の0.5倍、1倍、及び1.5倍での3点較正曲線を用いて試料を分析した。また、試料溶液に対する添加回収率を求めて、試料マトリクスにおける適切な回収率を実証した。
Figure 2010540440
GC残留溶媒分析の結果は、顕著な量のEtOH及びIPAは生成物中に残留していないことを示す。添加回収率により、分析物が分析に適切に応答することが示唆される。
<実施例4−バロマシクロビル多形体Aに対する大規模再結晶化プロセス>
[4kg規模再結晶化]
バロマシクロビルのさらなる2つのバッチを、前述のように3Cエタノール中でロット番号:146756から4kg超の規模で再結晶化させた。両バッチから、良質の白色固体を得、いずれもXRDにより多形体Aであると確認された。
4kg超のバッチの各々を、優良試験所基準(GLP)を用いて特性化した。その結果は、当該結晶化プロセスにより数kg規模で許容可能な結果が得られることを示している。
[30kg規模再結晶化]
184.7kgのエチルアルコール(200プルーフ)及び12.6kgのイソプロピルアルコールの混合物に、31.6kgのバロマシクロビルを添加し、得られた混合物を68.2℃の内部温度に20分かけて加熱し(18.4℃から開始)、透明の溶液を得た。当該溶液をかき混ぜながら、10℃/時間〜15℃/時間の冷却速度で室温(20.0℃)まで4時間かけて冷却した。当該混合物を20℃でさらに4時間かき混ぜ、さらに7時間静置した後、濾過した。固体残渣を69.8kgのエチルアルコール及び3.6kgのイソプロピルアルコールの混合物で洗い、69.3kgの湿塊を得た。この湿塊を真空炉(45℃以下、約27inHgの真空、低速窒素スイープ)において乾燥させて、29.8kgの白色固体(バッチA501S8 07 001)を得た。
<実施例5−バロマシクロビルの多形体スクリーニング>
バロマシクロビルの活性医薬成分について多形体スクリーニングを行なった。スクリーニングには、溶媒再結晶化にによる材料の再結晶化、融液からの再結晶化、アニーリング実験、及びスラリー実験が含まれる。総じて、上記APIを100を超える異なる結晶成長条件下で再結晶化させ、粉末X線回折を用いて分析した。X線データの計量化学処理に基づき、試料を種々のグループに分類した。これらグループを熱的、光学的、分光学的なツール及び他のツールを用いて検討し、どのグループが上記API特有の固体形状を表すかを特定した。
概して、上記APIは多くの異なる多形形態を呈するが、その多くは秩序性が低いと考えられる。同定された固体形状はいずれも溶媒和物又は水和物ではなかった。多形形態に加えて、物質は液晶状態としても存在すると考えられる。上記分析において同定された多形形態のうち、最も安定なものをA型(多形体A)に指定した。
[溶媒再結晶化]
多形体スクリーニングのうち溶媒に基づく部分を行なうために、試験材料の溶媒再結晶化をおよそ100種の異なる結晶成長条件下で行なった。再結晶化実験の規模は、およそ15mLであった。結晶成長条件を異ならせる基本的手段としては、溶媒混合物の二成分傾斜アレイを用いた。また、飽和温度、成長温度、及び蒸発速度(相対過飽和)を異ならせ、結晶成長条件においてさらなる差を生み出した。
総じて、多形体スクリーニングを4つの異なる再結晶化パネルに分割した。4つの再結晶化パネルから形成した固体を、他の手段(スラリー、アニーリング等)によって形成した試料と共に粉末XRDにより分析した。粒子の影響を低減するために、2次元検出システムを使用して、全てのXRDスクリーニングデータを収集した。収集したXRDデータを、完全プロファイル計量化学処理を用いて評価し、試料の結晶形態が再結晶化の際に変化したか否かを決定した。
回折データの計量化学分析により、試料をA〜Hの8つの異なるグループ(又は集団)に分類した。主要なグループが3つであり、成員が小数のグループが5つであった。再結晶化試料は、完全な結晶質から完全な非晶質(又は液晶(LC))にまで及び、結晶化速度の適切な範囲を示唆する試料を上記分析において探索した。
グループAは、24個の成員を有していた。「未処理の」バッチのうち幾つかは、このグループに分類される。このグループの結晶化度は他のグループと比較して高かった。
グループBは最大のグループであり、43個の成員を有していた。このグループは低い結晶化度を有しており、最終的にさらなるグループ(B1〜B4)に細分した。
グループCは23個の成員を有していた。このグループは非晶質試料又はLC試料に当たるものであった。
他の5つのグループ(D〜H)は各々、小数の成員(1個又は2個の成員)を有していた。各グループ(A〜H)における成員数の概要を表9に示す。個々の(溶媒に基づく)再結晶化実験の各々について得られたグループ指定を、図10A〜図10Dの下部に示す。
Figure 2010540440
[非競合的スラリー実験]
新たな固体形状を探索するために、溶媒再結晶化実験に加えて非競合的スラリー実験も行なった。これらの実験は種々の多形形態の溶解性の差に基づく(化合物が種々の多形形態で存在する場合)。したがって、先に溶解した結晶形態よりも低い溶解性を有する(より安定な)多形形態(及び溶媒和物)のみが、非競合的スラリー実験から得られる。
実質的には、固体を(スラリー状の)溶媒に溶解する場合、最終的に飽和溶液が生じる。該溶液は溶解した多形形態に関して飽和している。しかしながら、該溶液は、先に溶解した多形形態より安定な任意の多形形態(より安定な形態は溶解度がより低い)に関して過飽和している。したがって、このより安定な多形形態のいずれかが、該溶液から核を形成して沈殿し得る。また、非競合的スラリー実験は多くの場合、該APIと共に溶媒和物を形成する溶媒を同定する上で有用である。
スラリー実験は、過剰量の材料を少量の純溶媒に曝露し、得られた懸濁液を周囲温度でおよそ1週間かき混ぜることにより行なった。固体を機械的に濾過し、XRDにより分析して、得られた形態を求めた。単離後に起こり得る脱溶媒和又は物理的変化を回避するために、試料はX線分析前において乾燥に付さなかった。表10はこれらの非競合的スラリー実験の結果を示す。
Figure 2010540440
スラリー実験の大部分において、X線散乱挙動によれば、出発時の多形形態に対して顕著な変化はなかった。一溶媒(MeOH)のみ、固体のグループ分類を変えるのに十分な回折特性変化をもたらした。。この試料に対して行なったさらなる検討を、「グループの特性化」と称される項においてさらに詳述する。
[アニーリング実験]
新たな固体形状を探索するために、溶媒再結晶化実験及び非競合的スラリー実験に加えてアニーリング実験を行なった。これら実験には、温度に依存する構造変化の探索を伴う。これを可変温度粉末X線回折、ホットステージ顕微鏡法、及びDSC実験を用いて達成し、多形系に存在し得る相転移を探索した。
この実験の大部分は、様々な形態の熱的特徴を理解することを目的とした。試料を熱アニーリングして、熱的挙動、X線挙動、光学的挙動等における変化を見出すことにより、新たな固体形状が生じたか否かを決定し得た。
[融液からの再結晶化]
融液からの再結晶化は、HS顕微鏡法又はDSCを用いて行い、融解の間中試料を加熱し、その後この試料を種々の温度に冷却すること、又は種々の速度で冷却することにより結晶化を試みた。次に試料をXRD、DSC等により分析し、異なる結晶形態が観察されるか否かを決定した。
[グループの特性化]
再結晶化データを回折挙動(表7参照)に基づいて種々のグループに体系化した後、各グループを検討して、グループの他の性質を区別することができるか否かを決定した。各グループの特性化は、各グループを代表する回折データを他のグループの回折データと比較することで開始した。概して、この後にDSC分析、TGA分析、ホットステージ顕微鏡法、NMR分析、及び他の分析法を行なった。
[グループA]
このグループはおよそ24個の成員を有した。このグループの特徴的な回折特性を図11Aに、対応する熱的特性を図11Bに示す。このグループの成員をA型とした。A型とした試料は、異なるタイプの多形体スクリーニング実験(多形形態制御結晶化実験、結晶化スクリーニング実験、及びスラリー実験)に由来した。
A型の試料の特性には、良好な結晶化度及び2つの主要な熱的事象が含まれていた。115℃〜125℃付近での大きな吸熱事象は、A型の液晶状態への転移を表す。
この115℃〜125℃付近の主要な吸熱シグナルが、低温側及び/又は高温側に、より小さな識別可能なシグナル(複数可)を伴う場合もあった。可変温度XRD研究により、A型がAE型とした類縁形態へと可逆的に変換されることが示唆される。
A型物質の試料において観察された第2の主要な吸熱事象は、およそ170℃での融解に起因するものであった。
A型の分子分光法及びTGAにより、これが上記APIの無水、無溶媒の一多形形態であることが示唆される。
[グループB(B1〜B4)]
グループBとした計量化学粗データは、およそ43個の成員を有していた。このグループ内での回折挙動の差異は、グループが4つのサブグループから成ることを示唆するものであった。これらのサブグループをグループB1、B2、B3及びB4とした。概して、Bのサブグループの試料は互いに極めて類似した挙動を示し、A型の試料より低い秩序性(結晶化度)を有していた。
[グループB1]
グループB1の回折特性及び熱的特性を、それぞれ図12A及び図12Bに示す。特徴的な熱的挙動は、3つの顕著な特徴を含む。第1の特徴は、75℃〜110℃領域における一組の吸熱である。第2の特徴は、115℃〜125℃の温度範囲付近の小さな吸熱である。第3の特徴は、170℃付近の融解吸熱である。
75℃〜110℃付近での一組の吸熱は、B1型をH型へと変換する一組の可逆的固体−固体多形転移に起因するものであった。かかる転移を、可変温度X線回折を用いて追跡した。
115℃〜125℃付近の吸熱シグナルは、H型の液晶への変換に続く170℃での液化(融解)に起因するものであった。なお、図12Bに示すサーモグラムにおける変動は、試料の結晶化度における幾らかの差に起因するものであり得る。
H型の回折パターンは、図13Aに示すようにほとんど分割(解像分解)されない。図13Bの周期的DSCサーモグラムは、転移が温度の上下に応じて可逆的であることを示す。
B1型試料の分子分光法及びTGAにより、これが上記APIの無水、無溶媒の一多形形態であることが示唆される。
[グループB2]
グループB2は、Bのうちで最大のサブグループであった。この形態の回折特性及び熱的特性を、それぞれ図14A及び14Bに示す。このグループは、グループB1より回折ピークの数が多く、回折ピークがより良く分割されることから高い結晶化度を有するようであった。
このグループの熱的特性は、3つの領域での吸熱特徴を含む。第1の特徴は概して、100℃〜110℃の範囲にわたる大きく複雑な吸熱である。この特徴は、DSCにより可逆的であると示され(図15A及び図15B参照)、B2型がB2E型とした準安定な形態へと可逆的に変換され、これがH型に転移することを示唆する。第2の熱的特徴は125℃付近の小さい吸熱であり、H型の液晶状態への転移を示す。最終的に、液晶状態はおよそ170℃で液化を受ける。
B2型試料のNMR及びTGAにより、これが上記APIの無水、無溶媒の一多形形態であることが示唆される。
[グループB3]
このグループの典型的な回折挙動及び熱的挙動を、それぞれ図16A及び16Bに示す。B3試料の回折特性及び熱的特性は、他のグループB試料に類似していた。
B3型の熱的特性はB1に最も類似しているが、ただしB3試料は概して、75℃〜110℃の温度領域において1つの顕著な吸熱を有し、一方でB1型は2つの顕著な吸熱を有している。75℃〜110℃の領域における初期吸熱は、H型への多形転移を表すと考えられる。H型はおよそ125℃で液晶状態へと変換され、その後およそ170℃で液化する。図17A及び図17Bは、B3型のH型への変換が、他のB型/H型互変異性対と同様に可逆的であることを示唆する、周期的DSCサーモグラムのを示す。
可変温度XRDにより、B3型がH型へと転移する前に、B3E型とした類縁構造へと徐々に且つ可逆的に転移することも示唆される。
B3型試料の分子分光法及びTGAにより、これが上記APIの無水、無溶媒の一多形形態であることが示唆される。
グループB4
回折挙動及び熱的挙動をそれぞれ図18A及び図18Bに示す。このグループとグループB2とのXRD挙動における微妙な差には、様々な角度での幾つかの反射の増大及び欠如が含まれる。このグループの熱的特性は、これがグループB2と類似しているが、異なることを示唆する。グループB4は、およそ75℃〜110℃の温度領域にわたって2つの吸熱を示すが、グループB2は1つの吸熱しか示さない。
グループB4は、75℃〜110℃付近の吸熱領域を通過した後、H型に指定した準安定な多形形態へと可逆的に変換される(図19A及び図19B参照)。その後に125℃付近でのより小さな吸熱が続くが、これが物質を液晶状態へと変換する。この状態は、物質が液化する時点である、およそ170℃の温度に達するまで残る。
物質を温度に応じて研究するために可変温度XRDを使用した。B4型もH型へと転移する前に、B4E型に指定した類縁構造への微妙な可逆的変化を受けると考えられる。
B4型試料の分子分光法及びTGAにより、これが上記APIの無水、無溶媒の多形形態であることが示唆される。
[グループB1〜B4]
全Bグループの成員のXRDパターンは、回折ピークが少数で、幅広く、多くの場合複雑であると観察されたことから、低い結晶化度を有していた。この一般的特徴により、回折パターンの類似性からグループB1〜B4及びそれらの対応する明らかな準安定な形態(B2E、B3E、B4E)を区別及び体系化することが困難であった。なお、可変温度XRD及び周期的DSCにより、これら高温形態(H、B2E、B3E、B4E)が、冷却するとB1〜B4に可逆的に変換されることが示唆される。周囲温度への冷却に伴うH型、B2E型、B3E型、及びB4E型の変換により、周囲温度においてこれら形態を単離し、さらに検討することができなかった。
[グループC]
このグループはおよそ23個の成員を有していた。このグループの回折特性及び熱的特性を、それぞれ図20A及び図20Bに示す。このグループは液晶状態又は非晶質状態の試料を表す。X線回折図は、低角度での小さな回折シグナルを有する制動放射による散乱しか示していない。概して、液晶状態に転移するまで加熱した他の形態の試料は、室温に冷却した後であってもその状態にとどまる傾向があった。なお、多くのタイプの液晶があり、それがサーモトロピックであること以外に液晶状態の正確な性質は決定されなかった。2つ以上の液晶状態が存在するか、又は分析において同定された種々の多形形態が、異なるタイプの液晶状態を形成することが考えられる。
[グループH]
グループHは、グループBの試料をその吸熱活性の第1の領域から加熱することによってのみ観察された試料を説明している。Bグループの試料の各々が、H型に指定した別の多形形態に可逆的に転移することが観察された。118℃でのH型の回折挙動を、図13におけるように表示した曲線により示す(25℃と表示した曲線はB1型であり、140℃と表示した曲線は液晶である)。
[エネルギー関係]
競合的スラリー実験は、エタノール中の多形形態混合物(通常は50:50)を用いて、およそ25℃で数日間かき混ぜることにより行なった。非競合的スラリー実験は、エタノール中の過剰量の一形態の固体を室温でかき混ぜることにより行なった。エタノールの選択は、多形形態を適度に溶解し、多形形態と溶媒和物を形成しないようであったことによった。
競合的スラリー実験及び非競合的スラリー実験の両方において、固体を真空濾過し、XRDにより分析した。XRDパターンから、不溶解固体が異なる多形形態に転移したかを判断する。或る場合では、初期に存在した2つの形態のいずれとも異なる別の多形形態が出現した。これにより、元の形態の両方が単離した最終形態に対して準安定であったことが示唆される。
概して、多形体Bの試料はA型の存在下で容易にA型へと変換された。これにより、A型は多形体Bより可溶性が低く、熱力学的に安定であることが示唆される。B型の2つの多形体の間の幾つかの競合的スラリーがA型を生じることが観察され、これによりこのエネルギー関係の記載がさらに支持された。
非競合的スラリー実験により、グループBの多形体は、シーディング(又はA型の導入)を行なうことなく容易にAへと転移することが示唆される。スラリーデータを表11にまとめる。
Figure 2010540440
C型は液晶状態の材料である。これは理論的には液体であるため、スラリー実験には付さなかった。
H型多形体は、可逆的吸熱(互変的)関係を鑑みて、対応する多形体B対応物に対して準安定であると見なされた。これは、H型多形体が多形体Bより可溶性が高く、熱力学的に安定でないことを意味する。このことは、より安定なB群の多形体への変換により周囲温度で多形体Hを単離することができなかったという観察結果と一致する。
[多形体スクリーニングの結論]
多形体スクリーニング実験(溶媒再結晶化、融液からの再結晶化、アニーリング、非競合的スラリー)から得た回折粗データを、初めに計量化学処理を用いて8つの異なるグループに分類した。これら異なるグループの分析結果を使用して、計量化学処理により同定したグループを精選するさらなる実験(例えばDSC、TGA、HSM、NMR等)を行なった。これらのグループを精選することにより多形形態を体系化し、これを表12にまとめた。
Figure 2010540440
表10に示す種々の形態指定は全て、非溶媒和形態、非水和形態であった。実際に、上記分析において明らかな溶媒和物は観察されなかった。各々形態について正式な収着/水和研究分析は行なわなかったが、明らかな水和物は認められなかった。概して、上記APIは水にほとんど不溶性であり、極めて親油性であるため、水和物を形成しない傾向があり得ることが示唆される。
競合的スラリーを使用して、周囲条件下で単離することが可能な多形形態間のエネルギー関係を明らかにした。非競合的スラリー実験(A型から出発、表10参照)は、いかなる多形変化も示さなかった。これは、非競合的スラリーデータと呼応して、多形体スクリーニングにおいて認められた形態のうち、A型が上記APIの熱力学的に安定な形態であると考えられることを示唆する。
<実験方法>
[顕微鏡法]
偏向可視光源及び分極分析器を備えたZeiss万能顕微鏡を使用して、試料の光学的性質を評価した。検体は典型的には、1滴の液浸油及びカバーガラスと共に顕微鏡スライド上に載せた。倍率は典型的には250×とした。粒子/結晶サイズ及び形状の観察結果を記録した。複屈折性の存在も確認した。
[分子分光法 H−NMR]
試料は、1mg〜10mg分を0.05%(v/v)テトラメチルシラン(TMS)を添加したジメチルスルホキシド(DMSO)−d中に溶解することにより調製した。スペクトルは、周囲温度でVarianのGemini 300MHz FT−NMR分光計で収集した。
[赤外分光法(FTIR)]
赤外線スペクトルは、HarrickのSplitpea(商標)減衰全反射装置を備えるNicolet 510 M−Oフーリエ変換赤外分光計を用いて得た。分解能4cm−で、4000cm−1〜400cm−1の領域からスペクトルを得て、各分析につき128回のスキャンをとった。
[示差走査熱量測定(DSC)]
DSCデータは、TA Instrumentsの2910 DSCで収集した。概して、1mg〜10mgの質量範囲の試料をアルミニウム試料皿に圧着し、50mL/分の窒素パージを用い、25℃から約175℃まで10℃/分で走査した。
[熱重量分析(TGA)]
TGAデータは、TA Instrumentsの2950 TGAで収集した。概して、5mg〜15mgの質量範囲の試料を、蓋のない、予め風袋秤量した白金試料皿に入れ、窒素パージを用い、25℃から約150℃まで10℃/分で走査した。
[ホットステージ顕微鏡法(HSM)]
偏向可視光源及びMettlerのホットステージ付属品を備えたZeiss万能顕微鏡を使用した。検体は1滴の液浸油及びカバーガラスと共に顕微鏡スライドに載せた。倍率は典型的には200×とした。試料を25℃から約175℃に3℃/分又は10℃/分で加熱した。相変化、再結晶化、気泡成長等の観察結果を記録した。
[粉末流動]
粉末流動特性はカー指数を用いて比較した。粉末流動に対する抵抗は、粉末に機械力を加えることにより観察することができる。カー指数は、タッピングに付した粉末のかさ密度(圧縮率)の増加を用いて求めることができる。カー指数及び定性的流動性の概要を下記表13にまとめる。
Figure 2010540440
バッチは試験の前に1000μm未満に篩過した。これは試料中の塊を全て除去するために必要であった。
[高速液体クロマトグラフィ(HPLC)]
LCデータは、LC−410ポンプ、LC−235ダイオードアレイ検出器、及び200シリーズオートサンプラーと共にPerkin ElmerのHPLC装置を用いて収集した。HPLC装置には、ペルチェコントローラーの試料トレイ及びカラムヒーターを備えた。データは有効なクライアント・サーバーLIMSにより収集した。
採用したHPLC方法は以下のとおりであった:カラム:PhenomenexのInertsil ODS−2、250×4.6mm、粒径5μm;移動相:0.2%過塩素酸溶液(アセトニトリル/水(62/38))/アセトニトリル;勾配:25分間で0%→95%;流速:1.5mL/分;検出:254nm。これによって、結晶化のタイミングを(結晶化後の懸濁液の一晩の攪拌を含むように)延長することにより、不純物(ステアリン酸グアニンアルコール)が、元の出発レベルの約0.3面積%から約0.9面積%まで増加することが示唆される。表記時間及び温度に従うと、不純物の増加は0.6面積%まで狭められ、これは一般的に許容可能であると考えられている。
[液体クロマトグラフィ質量分析(LCMS)]
データは、以下の構成要素から成るAgilentの1100LC/MSシステムを用いて収集した:G1367Aウェルプレートサンプラー、G1316Aカラム加熱コンパートメント、G1315Aダイオードアレイ検出器、G1322A真空脱ガス装置、G1312Aバイナリポンプ、及びG1946C質量分析検出器(エレクトロスプレーシングル四重極)。
LC条件は、前述のHPLC方法に基づいて選択した。該方法に対する主な変更として、過塩素酸の代わりにギ酸を使用した。UVダイオードアレイ及び陽イオンモードMSによるエレクトロスプレーを用いて試料を分析した。
[X線粉末回折(XRD)]
X線粉末回折パターンは、XYZステージ、位置決め用のレーザービデオ顕微鏡、及び2次元HiStarエリア型検出器を備えたBrukerのD8 Discovery回折装置を用いて得た。収集時間は定格上60秒であった。40kV及び40mAで動作するCuKα放射線源(1.5406Å)を使用して、試料に照射した。X線光学素子は、0.5mmのピンホールコリメータと接続されたGobelのミラーから成る。θ−θ連続スキャンを15cmの試料−検出器距離で採用したが、これにより4°〜40°の有効な2θ範囲が得られる。試料は低バックグランド石英プレートに載せた。幾つかの実験に関しては可変温度ホットステージを使用して試料温度を操作した。
上記の実施形態は、当業者により、その広義の発明概念から逸脱することなく変更可能であるものとする。したがって、本発明は開示された特定の実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の精神及び範囲内にある変更形態を包含するものとする。

Claims (21)

  1. 結晶性バロマシクロビル又はその薬学的に許容される塩。
  2. 粉末X線回折図において、22.9°±0.2°、18.6°±0.2°、19.5°±0.2°、24.3°±0.2°、20.8°±0.2°、21.8°±0.2°、27.0°±0.2°、14.7°±0.2°、15.5°±0.2°、25.5°±0.2°、及び29.9°±0.2°に特徴的な吸収ピークを有する、請求項1に記載の結晶性バロマシクロビル。
  3. 結晶性バロマシクロビル又はその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される賦形剤又は希釈剤を含む医薬組成物。
  4. 前記結晶性バロマシクロビルが、粉末X線回折図において22.9°±0.2°、18.6°±0.2°、19.5°±0.2°、24.3°±0.2°、20.8°±0.2°、21.8°±0.2°、27.0°±0.2°、14.7°±0.2°、15.5°±0.2°、25.5°±0.2°、及び29.9°±0.2°に特徴的な吸収ピークを有する、請求項3に記載の医薬組成物。
  5. 純度が90%以上である、請求項1又は2に記載の結晶性バロマシクロビル。
  6. 純度が95%以上である、請求項1又は2に記載の結晶性バロマシクロビル。
  7. 純度が99%以上である、請求項1又は2に記載の結晶性バロマシクロビル。
  8. 結晶性バロマシクロビルを調製するプロセスであって、
    バロマシクロビルを、適当な内部温度に加熱することにより低級アルカノール溶媒又は低級アルカノールの混合溶媒に溶解する工程、
    バロマシクロビルの大部分が結晶化されるよう、溶液を攪拌しながら冷却する工程、及び
    結晶性バロマシクロビルを回収する工程を含む、プロセス。
  9. 前記低級アルカノール溶媒がエタノールである、請求項8に記載のプロセス。
  10. 前記低級アルカノールの混合溶媒が、95:5(v/v)のエタノール/2−プロパノールの混合物である、請求項8に記載のプロセス。
  11. 前記内部温度が約65℃〜約74℃である、請求項8に記載のプロセス。
  12. 前記内部温度が約68℃〜約72℃である、請求項11に記載のプロセス。
  13. 前記冷却する工程を約5℃/時間〜約15℃/時間の速度で行なう、請求項8に記載のプロセス。
  14. 前記冷却する工程を約8℃/時間〜約12℃/時間の速度で行う、請求項13に記載のプロセス。
  15. 被験体においてウイルス感染を治療又は予防する方法であって、
    前記治療又は予防を必要とする被験体に、請求項1記載の結晶性化合物又は請求項3に記載の医薬組成物を、治療的に有効な量で投与することを含む、方法。
  16. 前記ウイルス感染が水痘帯状ヘルペスウイルス感染である、請求項15に記載の方法。
  17. 前記ウイルス感染が単純ヘルペスウイルス感染である、請求項15に記載の方法。
  18. 前記ウイルス感染がヒトヘルペスウイルス感染である、請求項15に記載の方法。
  19. 前記ウイルス感染がエプスタイン・バーウイルス感染である、請求項15に記載の方法。
  20. 前記ウイルス感染がサイトメガロウイルス感染である、請求項15に記載の方法。
  21. 前記ウイルス感染がHIV感染である、請求項15に記載の方法。
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