JP2010540432A - ヒト組織型プラスミノーゲンアクチベータの精製方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、組み換えタンパク質を精製するための効率的で改良された方法に関する。本発明は、細菌、例えば大腸菌で組み換え的に産生された切断型ヒトtPAなどの組織プラスミノーゲンアクチベータ(tPA)の精製に関する。本発明は、tPAタンパク質の収量および純度に影響することなく、組み換えtPAを発現する細胞から単離した封入体の溶解後に、より少ない再フォールディング容量を必要とする方法を提供する。本発明はまた、タンパク質再フォールディングの間、およびイオン交換クロマトグラフィーの間に用いる最適なアルギニン濃度も提供する。
【選択図】なし
【選択図】なし
Description
本発明は、組み換え組織プラスミノーゲンアクチベータ(tPA)タンパク質の精製のための単純かつ効率的な方法に関する。一実施形態では、本発明は、組み換え的に発現されたtPA、例えばヒト切断型tPAの精製に関し、該方法は、クロマトグラフィー中のアルギニン濃度を最適化する。
血栓(thrombosis)は、微視的または巨視的血管傷害からの出血を制限する正常な止血応答の重要な部分である。生理的血栓は、本来備わっている抗血栓特性および生理的線維素溶解によって打ち消される。正常な条件下では、血栓は傷害の隣接領域に限局され、アテローム性動脈硬化症のように血管管腔がすでに減少していない限り、重要な領域への流動が妨害されない。病理学的条件下では、血栓は、さもなければ正常な血管に伝播しうる。血栓が、必要とされない場所に伝播すると、重要な血管中の流動を妨害し、かつ正常な血行力学的機能に必須の弁および他の構造を閉塞させうる。生じうる主な臨床症候群は、急性心筋梗塞(MI)、深部静脈血栓、肺塞栓症、急性虚血性発作、急性末梢動脈閉塞、および留置カテーテルの閉塞である。
止血および血栓症はいずれも、凝固カスケード、血管壁の完全性、および血小板応答に依存する。いくつかの細胞因子が血栓形成に関与する。血管損傷が生じると、隣接局所細胞応答が生じる。血小板は傷害の領域に遊走し、いくつかの細胞因子およびメディエータを分泌する。これらのメディエータは血液凝固塊形成を促進する。
血栓形成中に、循環プロトロンビンが血小板によって活性化される。このプロセスでは、さらにフィブリノーゲンがフィブリンに変換され、フィブリンはフィブリンマトリックスを形成する。これはすべて、血小板が接着かつ凝集している間に生じる。血栓溶解剤はフィブリン結合プラスミノーゲンをプラスミンに変換する。該変換は血栓溶解の律速段階である。
血栓溶解剤は血液凝固塊を分解または溶解する。血液凝固塊は心臓発作および卒中の主因である。血液凝固塊を溶解することによって、血液は心臓の該領域に再び流動し始めることができる。心臓への血流が迅速に再開されると、心筋への長期損傷を妨げ、致死的になりうるイベントを停止させることさえできる。今日利用可能な血栓溶解剤はセリンプロテアーゼであり、それはプラスミノーゲンを天然の線維素溶解性物質であるプラスミンに変換することによって機能する。プラスミンは、血液凝固塊に含まれるフィブリノーゲンおよびフィブリンを破壊することによって血液凝固塊を溶解する。ウロキナーゼ様プラスミノーゲンアクチベータは腎細胞で産生される。それらは血液中で循環し、尿中で排泄される。プラスミノーゲンからプラスミンへの変換を触媒するその能力は、局所フィブリン凝固塊の存在または不存在によってわずかに影響を受ける。
処方ごとにラベルされる対象の単一のプラスミノーゲンアクチベータは、米国食品医薬品局(FDA)によって承認されていない。新規物質および新規投薬方式は常に研究中である。プラスミノーゲンアクチベータの選択は、概して、進行中の臨床試験の結果および臨床家の経験に基づく。各臨床状況に最も適切な物質および治療方式は経時的に変化し、患者ごとに異なる。
3つの群の血栓溶解剤が利用可能であり、それには、(i)血液凝固塊内のフィブリン鎖に直接作用する酵素、(ii)血漿アクチベータ活性を増加させる血漿アクチベータ物質、および(iii)プラスミノーゲンアクチベータ、例えばストレプトキナーゼ、ウロキナーゼ、および組織プラスミノーゲンが含まれる。これらの薬物はすべて、血液中のプラスミンの量を増加させることによって血液凝固塊を消化する。セリンプロテアーゼであるプラスミンは血液凝固塊を溶解する。プラスミンを産生させるためには、まず、物質プラスミノーゲンが活性化される必要がある。プラスミノーゲンは、プラスミノーゲンアクチベータとして知られる特定の酵素によってプラスミンに変換される。
プラスミノーゲンアクチベータの1つであるストレプトキナーゼは1960年頃から使用されている。研究者は、この薬物を生産させるために連鎖球菌を使用する。ストレプトキナーゼは最も安価なアクチベータであるが、いくつかの負の副作用、例えば免疫応答が患者によって経験されている。別のプラスミノーゲンアクチベータであるウロキナーゼはヒトにおいて特に尿中で天然に見出される。ゆえに、負の免疫応答はその使用に伴わない。しかし、精製が困難であり、したがってやや高価であるため、この治療は、通常、小用量で実施され、他の薬物と併用される。
組織プラスミノゲンアクチベータ(tPA)も血液凝固塊の溶解に現在使用されている。それはユニークである。その理由は、フィブリン結合プラスミノーゲンのみを活性化し、ゆえに血液凝固塊部位を標的にするからである。ヒト血液中のtPAは血管内皮細胞によって非常に少量で生産される。
tPAは分泌セリンプロテアーゼであり、酵素前駆体プラスミノーゲンを線維素溶解酵素プラスミンに変換する。プラスミノーゲンは単一の鎖として合成され、tPAによって切断されて、2つの鎖がジスルフィド結合したプラスミンになる。プラスミンは細胞遊走および組織リモデリングに役割を果たす。酵素活性が増加すると、繊維素溶解亢進(hyperfibrinolysis)が生じ、過剰出血として現れ;活性が減少すると、繊維素溶解低下(hypofibrinolysis)が生じ、それは血栓症または塞栓症を生じさせうる。ゆえに、tPAは血液凝固塊を溶解するのに役立つ酵素である。tPAは血管の内壁の細胞によって生産され、実験室でも作製されている。それは全身性血栓溶解(血液凝固塊破裂)物質であり、心臓発作および卒中の治療で使用される。
tPAは、心臓、胎性腎臓、肺、および結腸線維芽細胞を含むいくつかの組織供給源から天然に分泌されることが知られている。tPAは、Pennica et al., Nature, 301: 214-221 (1983)によるcDNAのクローニングの成功に始まり、以前に、いくつかのグループによって組み換え手段を使用して生産されている。tPAタンパク質は、大腸菌(E. coli)、マウスL細胞、CHO細胞および酵母をはじめとする種々の宿主において組み換え的に生産することができる。例えば、EP174,835 (UpJohn)、EP161,935 (Eli Lilly)、EP143,081 (Ciba-Geigy)、W086/05514 (Chiron)、EP117,059 (Genentech)およびEP117,060 (Genentech)を参照のこと。Snow Brand Milk Products (EP196,226); Kochi Medical School (EP194,736); Kowa KK and Asahi (EP151,996); Meiji Milk Products (GB2,153,366); Choay, S.A. (EP133,070); Asahi and Kowa KK (U.S.4,505,893); Wakamoto Pharmaceutical (Biotechnology, Nov. 1986)に記載の方法にしたがってネイティブのtPAが単離されている。
組み換えタンパク質、例えばtPAを大腸菌で過剰発現させると、封入体として知られる不溶性凝集物の形態での蓄積が生じることがよくある。封入体は粒子の形態で高密度にパッキングされた変性タンパク質分子から構成される。活性な組み換えタンパク質を得るためには、封入体を溶解する必要があり、そして可溶性単量体タンパク質を再フォールディングさせて生物活性形態にする必要がある。しかし、封入体由来タンパク質の再フォールディングは面倒であり、不十分な回収を招き、大腸菌からの組み換えタンパク質の生産における主要なコストの原因になる。
最近まで、tPAは種々のタイプのアフィニティークロマトグラフィーを使用して精製されていた。例えば、封入体として大腸菌で組み換え的に生産され、そして溶解されたtPAは、概して、リシンアフィニティークロマトグラフィーを活用して再フォールディング後に精製される。tPAの精製に使用される他のアフィニティークロマトグラフィーには、コンカナバリンA−セファロース、エリスリナ(erythrina)トリプシンインヒビター(ETI)−セファロース、抗tPA IgG抗体および抗体−セファロース、およびフィブリン−セファロースが含まれる。例えば、Rijken and Collen, J. Biol. Chem., 256, 7035-7041 (1981); Heussen et al., J. Biol. Chem. 259, 11635-11638 (1984); Ranby et al., FEBS Lett 146, 289-292 (1982); U.S.Pat.No.4,505,893を参照されたい。これらのアフィニティークロマトグラフィーカラムを使用するグループによって、カラムからの固定化タンパク質の浸出が観察されている。さらに、これらのクロマトグラフィーカラムは、望ましくない異種抗原性(heteroantigenic)タンパク質を生産している。
さらに、先行技術のtPAの精製方法は、複数のアフィニティー(affintiy)クロマトグラフィーステップおよび/またはモノクローナル抗体または親和性リガンド、例えば植物由来の固定化されたインヒビターの使用を必要としている。例えば、Rijken et al., Biochimica et Biophysica Acta (BBA) - Protein Structure, 580(1): 140-153, (1979); Einarsson et al., Biochimica et Biophysica Acta (BBA) - Protein Structure and Molecular Enzymology, 830(1): 1-10 (1985); Matsuo et al., Journal of Chromatography A, 369: 391-397 (1986); Vlakh et al., Journal of Biotechnology, 107(3): 275-2845 (2004)を参照されたい。さらに、いくつかの方法は、改変されたpHおよび温度の影響下でのアンフォールディングステップを含み、そしてその後の再フォールディングを含んでいる。U.S.Pat.No.5,158,882を参照されたい。
ゆえに、多種多様なtPA精製方法が使用されているが、そのような方法は、少なくとも部分的に、多数のクロマトグラフィーステップおよび/またはモノクローナル抗体またはアフィニティーリガンドの使用、ゲル濾過、硫安塩析等を含むクロマトグラフィー手順を含んでいる。これらの手順はすべて、実質的に純粋なtPAの総容量を大きく減少させる。複数クロマトグラフィーカラムを使用する不都合は、例えば、物質の容量の増加とともに増大する。
さらに、先行技術の方法を使用すると、切断型tPAは、通常、その高い疎水性のせいで再フォールディングおよびその後の精製ステップ中に高い程度に沈殿する。先行技術では、当面のクロマトグラフィーステップがイオン交換である場合、クロマトグラフィー中のバッファー中でのアルギニンの使用が、その粘性および高い伝導性のせいで、かなり困難であることが示された。例えば、クロモグラフィー(chromography)バッファー中で1Mアルギニンを使用するためには、高圧を適用してかなりの流速を達成しなければならないことが理解された。サンプルおよびバッファー中でアルギニンを使用すると高い伝導性が生じ、それは、別の様式で、イオン交換クロマトグラフィーがタンパク質を結合させることと両立しない。先行技術ではまた、大腸菌で組み換え的に発現されたタンパク質を精製するためにイオン交換クロマトグラフィーを使用する場合、再フォールディング後に、例えばダイアフィルトレーションによって再フォールディング溶液からアルギニンを除去して、イオン交換カラムに添加する前に低い伝導性にすべきであることが示唆された。
Pennica et al., Nature, 301: 214-221 (1983)
Rijken and Collen, J. Biol. Chem., 256, 7035-7041 (1981)
Heussen et al., J. Biol. Chem. 259, 11635-11638 (1984)
Ranby et al., FEBS Lett 146, 289-292 (1982)
Rijken et al., Biochimica et Biophysica Acta (BBA) - Protein Structure, 580(1): 140-153, (1979)
Einarsson et al., Biochimica et Biophysica Acta (BBA) - Protein Structure and Molecular Enzymology, 830(1): 1-10 (1985)
Matsuo et al., Journal of Chromatography A, 369: 391-397 (1986)
Vlakh et al., Journal of Biotechnology, 107(3): 275-2845 (2004)
上述の従来より公知のtPA精製方法は、複雑で、多くの時間を必要とし、かつタンパク質の実質的損失を生じさせ、その理由は、該方法に複数のステップが関与するからである。さらに、従来より公知の方法を使用すると、バッファー系中での疎水性のせいで、処理中にtPAは沈殿し、かつ/または樹脂およびメンブレンに不可逆的に結合し、したがって非常に希釈された条件中でタンパク質を維持するために高い再フォールディング容量が必要とされる。
本発明は、組み換えtPAを精製するための改良された方法を提供し、この分子の慣用の精製方法に伴う問題を克服している。一実施形態では、本発明は、再フォールディングバッファーおよびクロマトグラフィー中に使用されるバッファー中のアルギニン濃度を変更することによるタンパク質精製のための1ステップのクロマトグラフィーを提供する。このように、発明者らは、クロマトグラフィー、例えばイオン交換クロマトグラフィー中に使用するための最適アルギニン濃度範囲を発見した。
さらに、本発明はまた、細菌での組み換え発現時に封入体中で見出される組み換えタンパク質、例えばtPAのための1ステップ精製を提供する。本発明は、タンパク質の収量および純度に影響することなく、封入体から生物活性タンパク質を単離するために必要とされる再フォールディング容量を減少させる。本発明は、患者の治療で使用するための組み換えtPAを精製するための、単純で、効率的で、商業的に実現可能でかつ費用効果の高い方法を提供する。
上述のように、先行技術では、イオン交換クロマトグラフィーを使用して、大腸菌での発現後に再フォールディングしたタンパク質を精製する場合、アルギニンは、イオン交換カラムへの添加前に伝導性を低く保つためにダイアフィルトレーションまたは希釈によって再フォールディングバッファーから除去されるか、または減少させるべきであることが示唆されている。しかし、イオン交換カラムへの添加前にサンプルからアルギニンを除去するよりはむしろ、本発明は、イオン交換カラムの結合効率を損失させることなく、イオン交換クロマトグラフィー前およびイオン交換クロマトグラフィー中にバッファーおよびサンプル中の比較的高濃度のアルギニンを維持する。ゆえに、本発明は、高いアルギニン濃度を維持しかつ同時にイオン交換樹脂に対する結合を妨害しないことによって精製中の沈殿に起因するタンパク質の損失を回避する。
さらに上述のように、先行技術の方法では、概して、タンパク質の再フォールディング後のリシンアフィニティークロマトグラフィーをはじめとする複数のクロマトグラフィーステップを使用して組み換え的に産生された(大腸菌の封入体中の)tPAを精製する。対照的に、本発明では、イオン交換クロマトグラフィー(例えばSPセファロース(sepahrose)カラム)を使用して再フォールディングしたtPAを精製し、それはサンプルおよびバッファー中の比較的高濃度のアルギニンの存在下で実施される。ゆえに、一実施形態では、本発明は、大腸菌で産生された組換えタンパク質、例えばtPAの1ステップ陽イオン交換精製を提供し、高価なリシンアフィニティークロマトグラフィーならびに他の追加のクロマトグラフィーステップの必要性を排除する。
別の実施形態では、本発明は、タンパク質の溶解度を維持するための比較的高いアルギニン濃度での組み換えtPAの1ステップイオン交換精製を提供する。本発明は、イオン交換クロマトグラフィーに好適なバッファー中の最適なアルギニン濃度を提供し、例えば少なくとも0.1M、または0.3M〜0.8Mアルギニンである。
他の実施形態では、本発明は、タンパク質を大腸菌で組み換え的に発現させて封入体を形成させた後、および該タンパク質を含有する封入体を溶解した後に、組み換えタンパク質の再フォールディングに必要とされる再フォールディング容量の量を減少させる。一実施形態では、本発明は、封入体に含まれる組換えタンパク質、例えばtPAのための1ステップ精製を提供する。本発明は、バッファー溶液中でアルギニン濃度を比較的高く維持することによってイオン交換体による処理中のバッファー溶液中の沈殿に起因するタンパク質の損失を最小にする。一実施形態では、本発明は、再フォールディング効率に必要とされるタンパク質の非常に高い希釈度を最小にする。
一実施形態では、本発明は、特定濃度のアルギニンを使用して単一のイオン交換クロマトグラフィーステップを実施することによって、組み換えtPAを精製するための効率的で改良された方法を提供する。本発明はまた、組み換えtPAを精製する場合のイオン交換クロマトグラフィー、例えば陽イオン交換クロマトグラフィーに最適なアルギニン濃度を提供する。
本方法では、細菌、例えば大腸菌での発現後に、溶解された封入体から組み換え的に発現された生物活性タンパク質、例えばtPAを精製するための方法において特定の再フォールディングバッファーを使用する。一実施形態では、該方法では、組み換えタンパク質の収量および純度に影響することなく、従来より利用可能な方法と比較して減少した量の再フォールディングバッファー容量を使用し、それにより、高い回収が達成される。例えば、一実施形態では、本方法は、出発材料として5グラムの封入体を処理する場合に、35リットル未満(例えば32リットル)の再フォールディングバッファーの使用を可能にする。
別の実施形態では、本発明は、前もったクロマトグラフィーを全く行わずに、溶解された封入体の直接的な再フォールディングのためのステップを含む方法を提供し、それにより、タンパク質の損失、バッチ時間の減少およびクロマトグラフィー樹脂および化学物質のコストを最小にする。一実施形態では、本発明は、封入体中に存在する組み換えタンパク質、例えばtPAのための1ステップ精製を提供する。
一実施形態では、本発明は、再フォールディング効率を妨害することなく、タンパク質の発現に使用された細菌由来の封入体を溶解した後に、活性タンパク質を形成させるために必要とされる再フォールディングバッファー容量の量を減少させる方法を提供し、それにより、大きな再フォールディング容器のための資本投資、大きなスペースの必要性ならびに大容量の取扱いおよび処理の問題を減少させる。
一実施形態では、本発明は、タンパク質の再フォールディングを室温で実施し、再フォールディングサイクル時間を減少させかつ冷却コストを回避する方法を提供する。別の実施形態では、再フォールディングおよびクロマトグラフィーステップをすべて室温で実施する。別の実施形態では、本発明は、再フォールディング、および精製されたタンパク質の回収の両者に関して、バッチ時間を最小にし、それにより、tPAの収量および純度を増加させる。
一実施形態では、本発明は、収量および純度に関して妥協することなく、粗製出発材料から出発する場合に、減少した量の再フォールディングバッファーを使用する産業上実現可能な方法をもたらす方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、再フォールディングの直後に、いかなるアフィニティークロマトグラフィー、例えばリシンアフィニティークロマトグラフィーも必要とせすに、1ステップのイオン交換クロマトグラフィー精製を使用する方法を提供する。
一実施形態では、本発明は、0.1M〜0.5モル濃度の範囲、例えば0.3Mの比較的高いアルギニン濃度を使用する方法であって、陽イオン交換クロマトグラフィーに関して高い伝導性を生じさせるが、沈殿に基づくタンパク質の損失を低下させる方法を提供する。
一実施形態では、本発明は、イオン交換樹脂に対する物質の結合に影響することなく、初期の高い出発伝導性を生じさせる、出発時のサンプル中の最適なアルギニン濃度を提供する。
一実施形態では、本発明は、組み換えtPAを精製するための方法であって、以下のステップ:(a)細胞中でtPAを組み換え的に発現させるステップ;(b)細胞から封入体を単離するステップ;(c)封入体およびそこに含有されるtPAタンパク質を溶解するステップ;(d)少なくとも0.1Mのアルギニンを含む再フォールディングバッファー中でtPAタンパク質を再フォールディングさせるステップ;(e)続いて、少なくとも0.1Mのアルギニンを含む平衡化バッファーで予め平衡化したクロマトグラフィーカラムにtPAタンパク質を添加するステップ;および(f)(i)平衡化バッファー、および(ii)塩化ナトリウムを含む平衡化バッファーを用いて該カラムからtPAタンパク質を溶出するステップを含む方法を提供する。
一実施形態では、該方法は、ステップ(d)の再フォールディングの後までいかなるクロマトグラフィーを行うステップも含まない。別の実施形態では、該方法は、再フォールディングステップ(d)のすぐ後に、アフィニティークロマトグラフィーカラムを用いるステップを含まない。別の実施形態では、該方法は、1つのクロマトグラフィーカラムのみ、例えばイオン交換クロマトグラフィーカラム、例えば陽イオン交換クロマトグラフィーカラム、例えばSPセファロース・ファスト・フロー・カラムのみを用いるステップを含む。
一部の実施形態では、再フォールディングステップ(d)を室温(23〜28℃)で行う。ステップ(c)〜(f)を室温(23〜28℃)で行ってもよい。
他の実施形態では、該方法は、ステップ(c)で溶解した封入体5グラムごとに対して、ステップ(d)で35リットル未満の再フォールディングバッファーを用いるステップをさらに含む。一実施形態では、再フォールディングステップを20時間未満で行う。一実施形態では、溶出されるtPAタンパク質の純度は少なくとも96%である。
一部の実施形態では、ステップ(d)の再フォールディングバッファーは0.3〜0.8Mのアルギニン、例えば0.5Mのアルギニンを含む。再フォールディングバッファーは、0.25Mの尿素、0.002〜0.004Mの還元グルタチオンおよび/または0.01%〜0.05%のTween80(w/v)を含んでもよい。一実施形態では、ステップ(d)の再フォールディングバッファーは、基本的に、0.3M〜0.8Mのアルギニン、150mMのTrisバッファー、2mMのNa−EDTA塩、0.01〜0.05%(w/v)のTween80、0.2mM〜4mMの還元グルタチオン、および0.25M〜1Mの尿素からなり、約8.5のpHを有する。
一部の実施形態では、平衡化バッファーは0.1〜0.5Mのアルギニン、例えば0.2Mのアルギニンを含む。他の実施形態では、平衡化バッファーはクエン酸ナトリウムおよび0.2〜0.3Mのアルギニンを含む。
一実施形態では、精製tPAタンパク質はヒト切断型tPAである。
一実施形態では、本発明は、組み換えtPAを精製するための方法であって、以下のステップ:(a)細胞中でtPAを組み換え的に発現させるステップ;(b)細胞から封入体を単離するステップ;(c)封入体およびそこに含有されるtPAタンパク質を溶解するステップ;(d)少なくとも0.1Mのアルギニンを含む再フォールディングバッファー中でtPAタンパク質を再フォールディングさせるステップ;(e)続いて、少なくとも0.1Mのアルギニンを含む平衡化バッファーで予め平衡化したSPセファロースカラムにtPAタンパク質を添加するステップ;および(f)該カラムからtPAタンパク質を溶出するステップを含む方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、組み換えtPAを精製するための方法であって、以下のステップ:(a)細胞中でtPAを組み換え的に発現させるステップ;(b)細胞から封入体を単離するステップ;(c)封入体およびそこに含有されるtPAタンパク質を溶解するステップ;(d)ステップ(c)とステップ(d)との間にクロマトグラフィーステップを行わずに、少なくとも0.3Mのアルギニンを含む再フォールディングバッファー中でtPAタンパク質を再フォールディングさせるステップ;(e)続いて、10〜50mMのクエン酸ナトリウムおよび少なくとも0.2Mのアルギニンを含み、pH4〜5を有する平衡化バッファーで予め平衡化したクロマトグラフィーカラムにtPAタンパク質を添加するステップ;および(f)(i)平衡化バッファー、および(ii)塩化ナトリウムを含む平衡化バッファーを用いて該カラムからtPAタンパク質を溶出するステップを含む方法を提供する。
本発明は、産業的に実現可能なtPA精製方法を提供する。該方法は、慣用の精製方法に伴う不都合を取り除く。一実施形態では、本発明は、対応するバッファー中で特定のアルギニン濃度を使用することによって、組み換え的に産生されたタンパク質、例えばtPAを精製するために1ステップのクロマトグラフィーを使用する方法を提供する。本発明はまた、陽イオン交換クロマトグラフィーに最適なアルギニン濃度を提供する。一実施形態では、本発明は、タンパク質の収量および純度に影響することなく、再フォールディング容量を減少させる。
定義:
本明細書中で使用される用語「tPA」とは、「組織プラスミノーゲンアクチベータ」を表し、それには、大腸菌で組み換え的に産生されたヒト切断型組織型プラスミノーゲンアクチベータが含まれる。例えば、全長ヒトタンパク質のアミノ酸69〜527を含有する切断型ヒトtPAを、組み換えDNA技術を用いて生成することができる。
本明細書中で使用される用語「tPA」とは、「組織プラスミノーゲンアクチベータ」を表し、それには、大腸菌で組み換え的に産生されたヒト切断型組織型プラスミノーゲンアクチベータが含まれる。例えば、全長ヒトタンパク質のアミノ酸69〜527を含有する切断型ヒトtPAを、組み換えDNA技術を用いて生成することができる。
用語「室温」とは、23℃〜28℃の温度範囲を表す。
用語「封入体」(IBまたはIBs)とは、細菌(例えば大腸菌)で発現される外来タンパク質などの不溶性物質の、核または細胞質凝集物を表す。封入体を溶解して、それにより、組み換え的に産生された変性タンパク質を放出させることができ、そして該タンパク質を再フォールディングさせて生物活性タンパク質を形成させることができる。
用語「再フォールディングバッファー」とは、不溶型のタンパク質を予め含有する封入体からタンパク質が溶解された後に該タンパク質の再フォールディングを可能にするために使用されるバッファーを表す。一実施形態では、再フォールディングバッファーは、アルギニン(0.3〜0.5M)、Trisバッファー(150mM,pH8.5)、Na−EDTA塩(2mM)、Tween80(0.01〜0.05%)(w/v)、還元状態のグルタチオン(0.2mM〜4mM)、および0.25M〜1Mの尿素を含み、約8.5のpHを有する。
用語「平衡化バッファー」とは、タンパク質が、封入体からの溶解後に再フォールディングバッファー中で再フォールディングされた後に組み換えタンパク質を精製するために使用される、クロマトグラフィーカラム、例えばSPセファロース・ファスト・フロー(SPセファロースFF)カラムを平衡化するために使用されるバッファーを表す。一実施形態では、平衡化バッファーは、0.3Mのアルギニンを含有する10〜50mMのクエン酸ナトリウムバッファー、pH4.0〜5.0(例えばpH4または4.5)である。
用語「純度」とは、RP−HPLCによって測定される純度を表す。RP−HPLCでは、サンプル、例えばクロマトグラフィーによる精製後のタンパク質を市販の標準、例えばRETEVASETMと比較する。純度パーセント、例えば96%の純度は、標準と比較して少なくとも96%の純度が逆相HPLC分析によって達成されたことを意味する。
用語「アルギニン」とは、アルギニン塩基および/またはアルギニンHClを表す。
SPセファロースは陽イオン交換樹脂であり、イオン交換基はスルホプロピル基である。該樹脂は市販されている。例えば、SPセファロースTMファスト・フロー(例えばGE HealthcareおよびAmershamによって販売されている)はすべてのpI値のタンパク質に関する高いキャパシティーを有する強い陽イオン交換体である。該イオン交換基は、4〜13の作業pH範囲にわたって高いキャパシティーを維持する。
本発明の一実施形態では、方法は、公知の組み換え手順を用いる、tPA、例えば大腸菌で発現されるヒト切断型tPAの生産および精製を含む。
例えば、発現されたタンパク質を含有する大腸菌由来の封入体を細菌細胞の溶解後に回収する。そして塩酸グアニジンおよびDTTを使用して封入体を溶解する。溶解された混合物を室温で攪拌しながら3〜5時間インキュベートする。そして混合物のpHを酸性範囲に調節し、尿素に対して透析する。そして透析されたサンプルを尿素溶液で希釈し、混合ジスルフィド反応のためにTrisおよび酸化されたグルタチオンをゆっくり補充する。そして、pHを約9のアルカリ性に調節し、反応混合物を攪拌しながら室温で再びインキュベートする。
別の実施形態では、上で得られた反応混合物を再フォールディングバッファーで4〜8倍に希釈する。再フォールディングバッファーとは、すなわち、封入体から溶解および単離された組み換えタンパク質が活性型に再フォールディングすることを可能にするバッファーである。再フォールディングバッファーは、例えば、アルギニン、Tris、Na−EDTA塩、Tween80、尿素および還元グルタチオンを含む。タンパク質を、再フォールディングバッファー中で、攪拌しながら、好適な温度、例えば室温で16〜48時間インキュベートする。再フォールディングが完了した後、反応混合物をクエン酸ナトリウムバッファーでさらに希釈し、尿素でpHを4〜5に調節し、アルギニン濃度を0.1〜0.8Mで維持する。
タンパク質の再フォールディングに対する種々のバッファー成分および方法ステップの影響を研究した。本発明は、室温で実施された場合でかつ再フォールディング反応が16〜18時間以内で完了した場合に、最適な収量をもたらす方法を提供する。
封入体(IB)の溶解、酸性化、透析、希釈および再フォールディング後、サンプルを1回のクロマトグラフィーステップに付する。該クロマトグラフィーステップは、SPに基づくカラム、例えばSPセファロースクロマトグラフィーを用いるイオン交換、例えば陽イオン交換を含み、それは、より高いアルギニン濃度を用いて実施される。タンパク質の沈殿を減少させることによって精製tPAの良好な収量を得るために、この方法では比較的高い濃度のアルギニンを有効に使用していることは驚くべきことである。その理由は、そのような使用が高い伝導性のせいでイオン交換クロマトグラフィーと両立しないからである。一実施形態では、再フォールディング反応混合物からの組み換えタンパク質の精製をSPセファロース・カラムで行い、該カラムは0.5〜1gmの封入体から単離されたタンパク質に対して80〜160mLの樹脂を有し、pH3〜5.0のクエン酸ナトリウムバッファーおよびアルギニンで予め平衡化される。
サンプルをカラムに添加し、平衡化バッファーで洗浄する。pH4〜4.5を有する、アルギニン(例えば0.3M)中に1Mの塩化ナトリウムを含有するクエン酸ナトリウムバッファーとクエン酸ナトリウムバッファーの線形勾配を用いて結合タンパク質を溶出する。平衡化バッファー(0.3Mのアルギニンを含有するクエン酸ナトリウムバッファー)、pH4〜4.5と1Mの塩化ナトリウムを含有する平衡化バッファーの線形勾配を用いてタンパク質を溶出した。溶出タンパク質の純度は、RP−HPLC(C−18)によって分析したところ約96%であった。tPA活性は市販のキットChromozyme tPA(Roche)によって測定した。
本発明の方法は以下の有益な特徴を有する:
1. いかなる前もったクロマトグラフィーも行わない、封入体の溶解後の直接の再フォールディング、それにより、タンパク質損失、バッチ時間の減少およびクロマトグラフィー樹脂および化学物質のコストを最小にする。
2. 再フォールディング効率を妨害することなくほぼ35%の再フォールディング容量の減少、それにより、大きい再フォールディング容器のための資本投資、大きいスペースの必要性ならびに大容量の取扱いおよび処理の問題を減少させる。
3. 再フォールディングサイクル時間を減少させるための室温での再フォールディング、およびさらに、冷却コストを回避するための、室温での方法全体の実施。
4. 収量および純度を妥協することなく、粗製出発材料に対して減少した量の再フォールディングバッファーを使用する産業上実現可能な方法。
5. 再フォールディングの直後にいかなるアフィニティークロマトグラフィーも必要としない、1ステップのイオン交換クロマトグラフィー精製の使用。
6. 0.1〜0.8Mの範囲、例えば0.5Mの比較的高いアルギニン濃度の使用、それは陽イオン交換クロマトグラフィーに関する非常に高い伝導性を生じさせるが、タンパク質の結合を妨害せず、沈殿に起因するタンパク質の損失を低下させる。
7. サンプル中の最適なアルギニン濃度を提供すること、該サンプル中では初期の高い出発伝導性が生じるが、イオン交換樹脂に対する物質の結合に影響しない。
1. いかなる前もったクロマトグラフィーも行わない、封入体の溶解後の直接の再フォールディング、それにより、タンパク質損失、バッチ時間の減少およびクロマトグラフィー樹脂および化学物質のコストを最小にする。
2. 再フォールディング効率を妨害することなくほぼ35%の再フォールディング容量の減少、それにより、大きい再フォールディング容器のための資本投資、大きいスペースの必要性ならびに大容量の取扱いおよび処理の問題を減少させる。
3. 再フォールディングサイクル時間を減少させるための室温での再フォールディング、およびさらに、冷却コストを回避するための、室温での方法全体の実施。
4. 収量および純度を妥協することなく、粗製出発材料に対して減少した量の再フォールディングバッファーを使用する産業上実現可能な方法。
5. 再フォールディングの直後にいかなるアフィニティークロマトグラフィーも必要としない、1ステップのイオン交換クロマトグラフィー精製の使用。
6. 0.1〜0.8Mの範囲、例えば0.5Mの比較的高いアルギニン濃度の使用、それは陽イオン交換クロマトグラフィーに関する非常に高い伝導性を生じさせるが、タンパク質の結合を妨害せず、沈殿に起因するタンパク質の損失を低下させる。
7. サンプル中の最適なアルギニン濃度を提供すること、該サンプル中では初期の高い出発伝導性が生じるが、イオン交換樹脂に対する物質の結合に影響しない。
以下に実施例を挙げ、本発明の特定の実施形態を実証する。実施例で開示される技術は、本発明の実施において良好に機能するよう発明者らによって発見された方法であり、ゆえにその実施に関する例示的様式とみなされることを当業者は認識する。当業者は、本開示内容を考慮に入れて、以下で開示される具体的実施形態に変化を施すことができ、本発明の思想および範囲から逸脱することなく、同様または類似の結果を得ることができることを認識する。
実施例1:tPAの調製
ヒト切断型tPA(すなわち全長ヒトタンパク質のアミノ酸69〜527)を、利用可能な技術およびDNA構築物を使用して大腸菌で組み換え的に発現させた。組み換え的に発現されたtPAタンパク質を含有する封入体を細菌細胞の溶解後に回収し、室温で攪拌しながら3時間インキュベートすることによって200〜300mM(すなわちここでは200mM)DTT中の6M〜8M(すなわちこの実施例では8M)の塩酸グアニジン(1:30w/v)に溶解した。続いて、混合物のpHを(濃)塩酸で3に調節し、6〜8M(すなわちここでは8M)の尿素中で10〜15℃で一晩透析した。透析されたサンプルを6〜8Mの尿素(すなわちここでは8M)で10〜20倍希釈し、3M水酸化ナトリウム溶液でpHを9.3に調節した後にTris(終濃度50mM)および酸化されたグルタチオン(終濃度25mM)を徐々に添加し、攪拌しながら室温で3〜5時間インキュベートした。
ヒト切断型tPA(すなわち全長ヒトタンパク質のアミノ酸69〜527)を、利用可能な技術およびDNA構築物を使用して大腸菌で組み換え的に発現させた。組み換え的に発現されたtPAタンパク質を含有する封入体を細菌細胞の溶解後に回収し、室温で攪拌しながら3時間インキュベートすることによって200〜300mM(すなわちここでは200mM)DTT中の6M〜8M(すなわちこの実施例では8M)の塩酸グアニジン(1:30w/v)に溶解した。続いて、混合物のpHを(濃)塩酸で3に調節し、6〜8M(すなわちここでは8M)の尿素中で10〜15℃で一晩透析した。透析されたサンプルを6〜8Mの尿素(すなわちここでは8M)で10〜20倍希釈し、3M水酸化ナトリウム溶液でpHを9.3に調節した後にTris(終濃度50mM)および酸化されたグルタチオン(終濃度25mM)を徐々に添加し、攪拌しながら室温で3〜5時間インキュベートした。
実施例2:溶解後のtPAタンパク質の再フォールディング
pH8.5を有し、アルギニン(0.5M)、Trisバッファー(150mM,pH8.5)、Na−EDTA塩(2mM)、Tween80(0.05%)(w/v)、還元状態のグルタチオン(0.2mM)および尿素(0.25M)を含有する再フォールディングバッファーでサンプルを8倍まで希釈し、攪拌しながら10℃〜室温(RT)の温度で16〜48時間インキュベートした。再フォールディングバッファー中でのインキュベーション後、1Mの尿素を含有する10〜50mM(すなわちここでは20mM)のクエン酸ナトリウムバッファー、pH4.0〜5.0(ここではpH4.0)でサンプルを希釈して、最終アルギニン濃度を0.3Mに下げ、pHを4.0〜5.0(ここではpH4.5)に調節した。
pH8.5を有し、アルギニン(0.5M)、Trisバッファー(150mM,pH8.5)、Na−EDTA塩(2mM)、Tween80(0.05%)(w/v)、還元状態のグルタチオン(0.2mM)および尿素(0.25M)を含有する再フォールディングバッファーでサンプルを8倍まで希釈し、攪拌しながら10℃〜室温(RT)の温度で16〜48時間インキュベートした。再フォールディングバッファー中でのインキュベーション後、1Mの尿素を含有する10〜50mM(すなわちここでは20mM)のクエン酸ナトリウムバッファー、pH4.0〜5.0(ここではpH4.0)でサンプルを希釈して、最終アルギニン濃度を0.3Mに下げ、pHを4.0〜5.0(ここではpH4.5)に調節した。
実施例3:精製
0.3Mのアルギニンを含有し、pH4.5を有する10〜20mMのクエン酸ナトリウムバッファーの平衡化バッファーで予め平衡化されたSPセファロースFF(Amersham)カラム(0.5〜1gmのIB由来のタンパク質に対して80〜160mLの樹脂を使用)にサンプルを添加した。サンプルの添加後、5〜10カラム容量(CV)の平衡化バッファーでカラムを洗浄し、平衡化バッファー(溶出バッファーA)および1Mの塩化ナトリウムを含有する平衡化バッファー(溶出バッファーB)の線形勾配(30CV)またはステップ勾配を用いて結合タンパク質を溶出した。RP−HPLC(C−18)によって証明される達成された純度は少なくとも98%であった。該タンパク質はChromzyme tPA活性アッセイ(Roche)で測定したところ完全に活性であった。
0.3Mのアルギニンを含有し、pH4.5を有する10〜20mMのクエン酸ナトリウムバッファーの平衡化バッファーで予め平衡化されたSPセファロースFF(Amersham)カラム(0.5〜1gmのIB由来のタンパク質に対して80〜160mLの樹脂を使用)にサンプルを添加した。サンプルの添加後、5〜10カラム容量(CV)の平衡化バッファーでカラムを洗浄し、平衡化バッファー(溶出バッファーA)および1Mの塩化ナトリウムを含有する平衡化バッファー(溶出バッファーB)の線形勾配(30CV)またはステップ勾配を用いて結合タンパク質を溶出した。RP−HPLC(C−18)によって証明される達成された純度は少なくとも98%であった。該タンパク質はChromzyme tPA活性アッセイ(Roche)で測定したところ完全に活性であった。
RP−HPLC:C−18逆相分析用HPLCカラム
逆相クロマトグラフィーでは、固定相は極性であり、溶出に使用される移動相は次第に高まる非極性を有し、それはタンパク質をその疎水性に基づいて溶出するために役立つ。C−18逆相カラム(ベッドサイズ5μm、孔サイズ300A、長さ25cm)を自動HPLCシステムに連結し、溶媒A(H2O中の10%アセトニトリル中の0.1%TFA)で0.8mL/分で平衡化する。220nmのベースラインを安定化した後、タンパク質サンプルをカラムに注入し(1〜15μg)、アセトニトリル含有溶媒B(H2O中の100%アセトニトリル中の0.1%TFA)の勾配を用いてカラムからタンパク質を溶出する。カラムから溶出したタンパク質を220nmで検出する。
逆相クロマトグラフィーでは、固定相は極性であり、溶出に使用される移動相は次第に高まる非極性を有し、それはタンパク質をその疎水性に基づいて溶出するために役立つ。C−18逆相カラム(ベッドサイズ5μm、孔サイズ300A、長さ25cm)を自動HPLCシステムに連結し、溶媒A(H2O中の10%アセトニトリル中の0.1%TFA)で0.8mL/分で平衡化する。220nmのベースラインを安定化した後、タンパク質サンプルをカラムに注入し(1〜15μg)、アセトニトリル含有溶媒B(H2O中の100%アセトニトリル中の0.1%TFA)の勾配を用いてカラムからタンパク質を溶出する。カラムから溶出したタンパク質を220nmで検出する。
実施例5:再フォールディング効率に対する種々の構成要素の研究
(A)再フォールディングに対する温度の影響
実施例2に記載の方法にしたがって、種々の温度で再フォールディング実験を行い、精製tPAタンパク質の活性および収量に対する慣用のインキュベーション温度(すなわち10℃)および室温の影響を試験した。具体的には、Chromozyme tPAアッセイ(Roche Diagnostics)を用いてtPAの酵素活性を測定し、ネイティブtPAの標準曲線に対して定量し、再生/活性に関する尺度を得た。室温(23〜25℃)での16時間の再フォールディング後に精製tPAタンパク質のmIU/mL単位の収量を10℃の場合と比較した。
(A)再フォールディングに対する温度の影響
実施例2に記載の方法にしたがって、種々の温度で再フォールディング実験を行い、精製tPAタンパク質の活性および収量に対する慣用のインキュベーション温度(すなわち10℃)および室温の影響を試験した。具体的には、Chromozyme tPAアッセイ(Roche Diagnostics)を用いてtPAの酵素活性を測定し、ネイティブtPAの標準曲線に対して定量し、再生/活性に関する尺度を得た。室温(23〜25℃)での16時間の再フォールディング後に精製tPAタンパク質のmIU/mL単位の収量を10℃の場合と比較した。
上の表および図1で観察されるように、再フォールディング反応は、室温(23〜25℃)で実施された場合に、10℃と比較してより速く進行し、より高い収量が得られた。
(B)tPA収量に対する再フォールディングバッファー中のアルギニン濃度の影響
実施例2に記載の方法にしたがって、再フォールディングバッファー(実施例2に記載)に異なる濃度のアルギニンを添加した後に、tPA再フォールディング(すなわち活性タンパク質)収量に対する再フォールディングバッファー中の異なるアルギニン濃度の影響を研究した。Chromozyme tPA活性アッセイキット(Roche)によって再フォールディング効率(すなわち生物学的活性)を測定し、ミリIU(国際単位)/mL単位の活性tPAを測定した。tPA再フォールディング(すなわちtPAの生物学的活性)に対する再フォールディングバッファー中の0.2〜1.0Mのアルギニンの影響を研究した。その結果を以下に示す。
実施例2に記載の方法にしたがって、再フォールディングバッファー(実施例2に記載)に異なる濃度のアルギニンを添加した後に、tPA再フォールディング(すなわち活性タンパク質)収量に対する再フォールディングバッファー中の異なるアルギニン濃度の影響を研究した。Chromozyme tPA活性アッセイキット(Roche)によって再フォールディング効率(すなわち生物学的活性)を測定し、ミリIU(国際単位)/mL単位の活性tPAを測定した。tPA再フォールディング(すなわちtPAの生物学的活性)に対する再フォールディングバッファー中の0.2〜1.0Mのアルギニンの影響を研究した。その結果を以下に示す。
上記結果ならびに図2は、0.5Mのアルギニンを含有する再フォールディングバッファー中で再フォールディング効率が最も高かったことを示す。この濃度で、最も多量の活性tPA(ミリIU/mL)が生成されたからである。tPAの再フォールディングに最も有効なアルギニン濃度は約0.3M〜0.8Mのアルギニンの範囲であった。
(C)tPA収量に対する再フォールディングバッファー中の尿素濃度の影響
実施例2に記載の方法にしたがって、再フォールディングバッファー(実施例2に記載)に異なる濃度の尿素を添加した後に、tPA再フォールディング(すなわち活性タンパク質)収量に対する再フォールディングバッファー中の尿素濃度の影響を研究した。Chromozyme tPA活性アッセイキット(Roche)によって再フォールディング効率を測定し、ミリIU(国際単位)/mL単位の活性tPAを測定した。tPA再フォールディング(すなわちtPAの生物学的活性)に対する再フォールディングバッファー中の0〜1Mの尿素の影響を研究した。その結果を以下に示す。
実施例2に記載の方法にしたがって、再フォールディングバッファー(実施例2に記載)に異なる濃度の尿素を添加した後に、tPA再フォールディング(すなわち活性タンパク質)収量に対する再フォールディングバッファー中の尿素濃度の影響を研究した。Chromozyme tPA活性アッセイキット(Roche)によって再フォールディング効率を測定し、ミリIU(国際単位)/mL単位の活性tPAを測定した。tPA再フォールディング(すなわちtPAの生物学的活性)に対する再フォールディングバッファー中の0〜1Mの尿素の影響を研究した。その結果を以下に示す。
上記結果ならびに図3は、0.25Mの尿素を含有する再フォールディングバッファー中で再フォールディング効率が最も高かったことを示す。この濃度で、最も多量の活性tPA(ミリIU/mL)が生成されたからである。
(D)tPA収量に対する再フォールディングバッファー中の還元グルタチオン濃度の影響
実施例2に記載の方法にしたがって、再フォールディングバッファー(実施例2に記載)に異なる濃度の還元グルタチオンを添加した後に、tPA再フォールディング(すなわち活性タンパク質)収量に対する再フォールディングバッファー中の還元状態のグルタチオンの濃度の影響を研究した。Chromozyme tPA活性アッセイキット(Roche)によって再フォールディング効率を測定し、ミリIU(国際単位)/mL単位の活性tPAを測定した。tPA再フォールディング(すなわちtPAの生物学的活性)に対する再フォールディングバッファー中の0.0002〜0.004Mの還元グルタチオンの影響を研究した。その結果を以下に示す。
実施例2に記載の方法にしたがって、再フォールディングバッファー(実施例2に記載)に異なる濃度の還元グルタチオンを添加した後に、tPA再フォールディング(すなわち活性タンパク質)収量に対する再フォールディングバッファー中の還元状態のグルタチオンの濃度の影響を研究した。Chromozyme tPA活性アッセイキット(Roche)によって再フォールディング効率を測定し、ミリIU(国際単位)/mL単位の活性tPAを測定した。tPA再フォールディング(すなわちtPAの生物学的活性)に対する再フォールディングバッファー中の0.0002〜0.004Mの還元グルタチオンの影響を研究した。その結果を以下に示す。
上記結果ならびに図4は、0.002Mの還元グルタチオンを含有する再フォールディングバッファー中で再フォールディング効率が最も高かったことを示す。この濃度で、最も多量の活性tPA(ミリIU/mL)が生成されたからである。
(E)tPA収量に対する再フォールディングバッファー中のTween80濃度の影響
実施例2に記載の方法にしたがって、再フォールディングバッファー(実施例2に記載)に異なる濃度のTween80を添加した後に、tPA再フォールディング(すなわち活性タンパク質)収量に対する再フォールディングバッファー中のTween80濃度の影響を研究した。Chromozyme tPA活性アッセイキット(Roche)によって再フォールディング効率を測定し、ミリIU(国際単位)/mL単位の活性tPAを測定した。tPA再フォールディング(すなわちtPAの生物学的活性)に対する再フォールディングバッファー中の0%〜0.05%のTween80(w/v)の影響を研究した。その結果を以下に示す。
実施例2に記載の方法にしたがって、再フォールディングバッファー(実施例2に記載)に異なる濃度のTween80を添加した後に、tPA再フォールディング(すなわち活性タンパク質)収量に対する再フォールディングバッファー中のTween80濃度の影響を研究した。Chromozyme tPA活性アッセイキット(Roche)によって再フォールディング効率を測定し、ミリIU(国際単位)/mL単位の活性tPAを測定した。tPA再フォールディング(すなわちtPAの生物学的活性)に対する再フォールディングバッファー中の0%〜0.05%のTween80(w/v)の影響を研究した。その結果を以下に示す。
上記結果ならびに図5は、0.05%のTween80(w/v)を含有する再フォールディングバッファー中で再フォールディング効率が最も高かったことを示す。この濃度で、最も多量の活性tPA(ミリIU/mL)が生成されたからである。
このように、発明者らは本発明の基本的な新規特徴を説明してきたが、本発明の思想から逸脱することなく、形式および詳細の種々の省略および代用および変更が可能であることが理解される。例えば、同一の結果を達成するための実質的に同一の様式で実質的に同一の機能を果たす該要素および/または方法ステップのすべての組み合わせは本発明の範囲に含まれることが明示的に意図される。
Claims (26)
- 組み換え組織プラスミノーゲンアクチベータ(tPA)の精製方法であって、以下のステップ:
(a)細胞中でtPAを組み換え的に発現させるステップ;
(b)細胞中で組み換え的に発現されたtPAから封入体を単離するステップ;
(c)封入体およびそこに含有されるtPAタンパク質を溶解するステップ;
(d)少なくとも0.1Mのアルギニンを含む再フォールディングバッファー中でtPAタンパク質を再フォールディングさせるステップ;
(e)続いて、少なくとも0.1Mのアルギニンを含む平衡化バッファーで予め平衡化したイオン交換クロマトグラフィーカラムにtPAタンパク質を添加するステップ;および
(f)(i)平衡化バッファー、および(ii)塩化ナトリウムを含む平衡化バッファーを用いて該カラムからtPAタンパク質を溶出するステップ
を含む、上記方法。 - ステップ(d)の後までいかなるクロマトグラフィーを行なうステップも含まない、請求項1に記載の方法。
- 再フォールディングステップ(d)のすぐ後に、アフィニティークロマトグラフィーカラムを用いるステップを含まない、請求項1に記載の方法。
- 再フォールディングステップ(d)を室温(23〜28℃)で行う、請求項1に記載の方法。
- ステップ(c)〜(f)を室温(23〜28℃)で行なう、請求項1に記載の方法。
- ステップ(c)で溶解した封入体5グラム毎に対して、ステップ(d)で35リットル未満の再フォールディングバッファーを用いることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
- 再フォールディングステップを20時間未満で行う、請求項1に記載の方法。
- 溶出されるtPAタンパク質の純度が少なくとも96%である、請求項1に記載の方法。
- ステップ(d)での再フォールディングバッファーが0.3〜0.8Mのアルギニンを含む、請求項1に記載の方法。
- ステップ(d)での再フォールディングバッファーが0.5Mのアルギニンを含む、請求項1に記載の方法。
- ステップ(d)での再フォールディングバッファーが0.25Mの尿素を含む、請求項1に記載の方法。
- ステップ(d)での再フォールディングバッファーが0.002〜0.004Mの還元グルタチオンを含む、請求項1に記載の方法。
- ステップ(d)での再フォールディングバッファーが0.002Mの還元グルタチオンを含む、請求項1に記載の方法。
- ステップ(d)での再フォールディングバッファーが0.01%〜0.05%のTween80(w/v)を含む、請求項1に記載の方法。
- ステップ(d)での再フォールディングバッファーが、基本的に、0.3M〜0.8Mのアルギニン、150mMのTrisバッファー、2mMのNa−EDTA塩、0.01〜0.05%(w/v)のTween80、0.2mM〜4mMの還元グルタチオン、および0.25M〜1Mの尿素からなり、約8.5のpHを有する、請求項1に記載の方法。
- ステップ(e)および(f)での平衡化バッファーが0.1〜0.5Mのアルギニンを含む、請求項1に記載の方法。
- ステップ(e)および(f)での平衡化バッファーがクエン酸ナトリウムおよび0.2〜0.3Mのアルギニンを含む、請求項1に記載の方法。
- ステップ(e)および(f)での平衡化バッファーが0.2Mのアルギニンを含む、請求項1に記載の方法。
- 精製されるtPAタンパク質がヒト切断型tPAである、請求項1に記載の方法。
- クロマトグラフィーカラムを1つのみ用いることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
- ステップ(e)および(f)でのクロマトグラフィーカラムがイオン交換クロマトグラフィーカラムである、請求項1に記載の方法。
- ステップ(e)および(f)でのクロマトグラフィーカラムが陽イオン交換クロマトグラフィーカラムである、請求項1に記載の方法。
- ステップ(e)および(f)でのクロマトグラフィーカラムがSPセファロース・ファスト・フロー・カラムである、請求項1に記載の方法。
- 組み換え組織プラスミノーゲンアクチベータ(tPA)の精製方法であって、以下のステップ:
(a)細胞中でtPAを組み換え的に発現させるステップ;
(b)細胞から封入体を単離するステップ;
(c)封入体およびそこに含有されるtPAタンパク質を溶解するステップ;
(d)少なくとも0.1Mのアルギニンを含む再フォールディングバッファー中でtPAタンパク質を再フォールディングさせるステップ;
(e)続いて、少なくとも0.1Mのアルギニンを含む平衡化バッファーで予め平衡化したSPセファロースカラムにtPAタンパク質を添加するステップ;および
(f)該カラムからtPAタンパク質を溶出するステップ
を含む、上記方法。 - 組み換え組織プラスミノーゲンアクチベータ(tPA)の精製方法であって、以下のステップ:
(a)細胞中でtPAを組み換え的に発現させるステップ;
(b)細胞から封入体を単離するステップ;
(c)封入体およびそこに含有されるtPAタンパク質を溶解するステップ;
(d)ステップ(c)とステップ(d)との間にクロマトグラフィーステップを行わずに、少なくとも0.3Mのアルギニンを含む再フォールディングバッファー中でtPAタンパク質を再フォールディングさせるステップ;
(e)続いて、10〜50mMのクエン酸ナトリウムおよび少なくとも0.2Mのアルギニンを含み、pH4〜5を有する平衡化バッファーで予め平衡化したクロマトグラフィーカラムにtPAタンパク質を添加するステップ;および
(f)(i)平衡化バッファー、および(ii)塩化ナトリウムを含む平衡化バッファーを用いて該カラムからtPAタンパク質を溶出するステップ
を含む、上記方法。 - 実質的に実施例および図面において本明細書中に例示される、請求項1〜25のいずれか1項に記載の組み換え組織プラスミノーゲンアクチベータ(tPA)の精製方法。
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