JP2010538127A - 固形状脂肪酸の製造 - Google Patents

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Abstract

本発明の目的は、魚油又は植物油で見出された脂肪酸から、ヒトにより簡単に消化され、酸化に対してより抵抗性の脂肪酸金属塩を製造することである。つまり、水酸化カルシウム非含有で実質的にグリセリンフリーの脂肪酸金属塩の製造方法であって、a)グリセリンエステルを含み、かつ魚油、フラックスシード油、カノーラ油等又はこれらの組み合わせからなる群から選択された脂肪酸源、ならびにb)グリセリンを形成するため、実質的に全てのグリセリンエステルと反応させるための少なくとも十分量の塩基及び該塩基を溶解させるための十分量の水を混合し、前記脂肪酸源、塩基及び水によって反応混合物を規定し;60〜100℃で十分な時間、全体にわたる不活性ガスバブリングの存在下、前記反応混合物を混合して中間溶液を形成し;該中間溶液に緩衝剤を添加して少なくともpHを8.0以上に維持し;ならびに前記中間溶液に水性金属塩溶液を添加して脂肪酸金属塩を析出物として形成することを含む脂肪酸金属塩の製造方法を提供する。

Description

本発明は、人体が消化することができる魚及び植物油に由来する固形状の脂肪酸の製造に関する。
本出願は、米国仮出願第60/969,334号(全ての目的のために、全体としてここに参照することによってその内容をここに取り込む)、2007年8月31日出願の利益を享有する。
近年、健康増進栄養素としてのオメガ−3(オメガ−6及びオメガ−9)脂肪酸に対する関心が、劇的に拡大している。急増する文献では、心血管疾患、アテローム性動脈硬化症、自己免疫不全、糖尿病等の疾患の軽減に高度不飽和脂肪酸が有利であることを記載している。
広範囲な研究では、オメガ−3脂肪酸が炎症を軽減し、特定の慢性疾患(例えば、心臓病及び関節炎)の予防を助長することを示している。これらの必須脂肪酸は、高濃度で脳に存在し、特に認識及び行動機能にとって重要であると思われる。実際、妊娠中に、彼らの母から十分なオメガ−3脂肪酸を受け取らない幼児は、不適当な視覚及び神経の発展の危険にさらされる。
オメガ−3脂肪酸は、必須脂肪酸と考えられており、それは人間の健康にとって重要であるが、人体が産生することはできない。そのため、オメガ−3脂肪酸は、もう一つの源(主に食物)から得なければならない。魚油及び植物油は、オメガ−3脂肪酸の主要な食事供給源である。オメガ−3脂肪酸は、冷水魚(例えば、サーモン、サバ、オヒョウ、イワシ及びニシン)で見られる。オメガ−3脂肪酸は、亜麻仁、亜麻仁油、カノーラ(菜種)油、大豆、大豆油、カボチャの種、カボチャの種油、スベリヒユ、シソの種油、クルミ及びクルミ油でも見られる。また、オメガ−3(及びオメガ−6)脂肪酸は、高度不飽和脂肪酸として知られており、人間の脳と人体の通常の成長及び発達に有益である。
進化上の評価は、大部分の西洋人が今や栄養的に望ましく思うよりはるかにオメガ−3脂肪酸を消費していることを示唆する。魚油は、オメガ−3脂肪酸の最高の源であるが、魚の消費は必要条件を満たすにはあまりに少ない。オメガ−3脂肪酸を、食品で補う努力は、油に関する一般に不快な味及び臭いのため、あまり成功していない。オメガ−3が豊富な魚油は、非常に酸化に影響されやすい。よって、酸化及び不快臭についての開発を必要とする。臭いを減らすために、酸化防止剤が魚油にうまく添加されたが、それにもかかわらず、特定の人における不十分な酵素産生の結果、油状でオメガ−3脂肪酸を消化することができない人に対して、特に、問題が残る。
酸素へのオメガ−3脂肪酸の非常に高い感受性は、1)オメガ−3酸の分子構造、2)オメガ−3脂肪酸を含有する魚油の液体状態に関連する。開示された方法のさらなる理解のために、オメガ−3酸化のいくつかの側面を以下に示す。
液相での有機化合物の酸化は、いくつかの連続したステップからなることが知られている(N.M. Emanuel, E.T.Denisov, Z.K.Maizus. Liquid Phase Oxidation of Hydrocarbons, Plenum Press, New York, 1967)。これらのステップは以下の通りである。(1)液相への酸素の拡散、(2)開始、(3)伝播、(4)分岐及び(5)終了である。
(1)液体への酸素の拡散は、ガス及び液体を混合することにより助長される。それらがより激しく混合されるほど、酸素飽和に速く到達し、酸化反応が速く起こる。固体へのガスは、液体への拡散よりかなり遅い点に注意することが重要である。
(2)酸化中の連鎖開始は、酸素とオメガ−3分子における反応中心との間の相互作用の結果として起こる。開始の比率は、C−H結合の強度及びこの種の反応の経過中に産生される遊離基の安定性に基づく。オメガ−3分子の二重結合の特定の分布は、これらの遊離基を、開始反応の間に生産される他のタイプの遊離基と比較して極めて安定にする。連鎖開始反応の結果として産生されたラジカルが、さらに別の酸素分子と反応し、ペルオキシ基に変化する。
(3)連鎖伝播は、ペルオキシ基とオメガ−3脂肪酸の他の分子との間の反応である。新しい遊離基とヒドロペルオキシド分子が産生される。通常、連鎖伝播は、2つの別々の分子間の反応であり、その割合は、分子運動速度に大いに依存する。液相における分子速度は高く、一方、固体状態における速度は非常に遅い。固体状態では、分子は動かず、振動する。よって、固体状態での連鎖伝播反応速度は、非常に遅い。
(4)連鎖分岐は、ヒドロペルオキシドの分裂の結果として起こる。液相では、この反応は、いわゆる自己加速酸化プロセスが原因である。固相では、この反応は、セル効果のため重要でない。これは、オメガ−3脂肪酸が変換することができ、その分子構造に変化を与えずに固体状態で保管できる場合、酸化安定性が増大するという結論をもたらす。
オメガ−3脂肪酸は、魚油又は亜麻仁油のいずれかを主要な構成成分とするカプセル形態とすることもできる。不飽和脂肪酸を含有する全ての油が、空気中の酸素及び他の酸化剤によって酸化に非常に感受性であることが知られている。これらの油の酸化によって、それらの味及び香りにおける劇的で好ましくない変化が起こり、それらの栄養価を非常に低下させる。これは、それらの油を冷蔵することを勧める理由である。
目下、ヒトによって消費される安価なオメガ−3脂肪酸は、油の形態で提供される。摂取後、オメガ−3油(化学的にはオメガ−3脂肪酸のトリグリセリド)は、胃及び膵液の活動によって、遊離オメガ−3脂肪酸及びグリセリンに加水分解される。しかし、多くの人々は、油脂を消化することが困難であり、よって、さらなるストレスを、すい臓、肝臓及び胆嚢にもたらす。
すい臓は膵液を分泌し、それは炭水化物、脂肪及びタンパク質を分解する3種の酵素を含む。胆嚢は、脂肪を溶解することを助ける胆汁を分泌する。
すい臓又は胆嚢が適切に機能することができないため、一部の個人において消化障害が起こるかもしれない。これは、結局、特定の人体が、オメガ−3脂肪酸を含む油の十分量を摂取することを妨げるかもしれない。
また、先行技術は、不飽和脂肪酸の塩類(主に、カルシウム塩)を製造する種々の方法について議論している。これらの方法は、高温での水の存在下で、酸化カルシウムでの脂肪の反応に基づく。クレビッツによる米国特許第858,295号は、石鹸の製造について開示しており、それは、脂肪酸のカルシウム塩の形成の第1の製造工程を有することを記載している。バレットによる米国特許第898,547号は、200℃にて、脂肪分が消石灰と反応することによる脂肪酸の不溶性消石灰の製造を記載している。ストローマイヤーによる米国特許第6,229,031号、第6,559,324号、第6,576,667号及びビンチによる米国特許第5,382,678号は、オメガ−3酸を含む不飽和脂肪酸からのカルシウム塩の製造を記載している。
上述した全ての特許は、水の存在下、酸化カルシウムの化学量論過剰量での液状油の反応に基づく合成方法を教示している。その結果、これらの特許方法は、脂肪酸のカルシウム塩を含む生成物を生成する。これらの引用は、カルシウム塩の生成物が、5%以下の反応していない油を含み、さらに、生成物中に残存するグリセリンを含むことを開示している。ストローマイヤー及びビンチによれば、製造されるオメガ−3脂肪酸のカルシウム塩は、未反応酸化カルシウムが残存するために、非常に高いpHを有し、結果として、ヒトの摂取に用いることができないことを意味する。上述の特許は、脂肪酸のカルシウム塩以外の製造方法の可能性を提供せず、教示せず、示唆もしていないことに留意することも重要である。
結局、上述した特許によって生産されるオメガ−3脂肪酸の塩類の全ては、ほとんど又は全く栄養価を生産される塩類に与えない非加水分解トリグリセリド、非反応酸化カルシウム又は水酸化カルシウムを含むに過ぎない。
本発明は、酸化に対してより抵抗性の必須ミネラルの固体状態での、高純度グリセリン−遊離脂肪酸の製造方法に関する。本発明の目的は、魚油又は植物油で見出された脂肪酸から、ヒトにより簡単に消化され、酸化に対してより抵抗性の脂肪酸金属塩を製造することである。産生された脂肪酸金属塩は、グリセリン又は酸化カルシウム(水酸化物)、産生された全ての生成物に有害な化合物を含有しない。
水酸化カルシウムの使用は、水溶性が低いため、及び、形成された脂肪酸ミネラル塩析出物から分離することを困難とする好ましくない懸濁物の形成のため、好ましくない。最小限の上述した最終生成物に存在するグリセリンは、酸化の割合を増加させる傾向があるため、有害である。
本開示は、遊離オメガ−3脂肪酸塩を含有する固体状態への転換による、人体に有益なオメガ−3油のデリバリーを提供する。この固体状態において、生成物は、脂肪酸油源よりも相当匂いを低減することができ、過度の酸化による劣化をもたらさず、容易に消化させることができる。
その方法は、脂肪酸(例えば、魚油又は植物油等)源を準備することから始める。
オメガ−3及び/又はオメガ−6脂肪酸を含有する魚油は、冷水魚(例えば、サーモン、サバ、オヒョウ、イワシ及びニシン)で見られる。製造目的のために、魚油が、主として大量に準備され、種々の魚からの油を含むかもしれない。そのような例としては、Jedwards International, inc., Quincy, MA, USから大量に得られる魚油が挙げられる。必須のオメガ−3脂肪酸(供給元によって提供される分析証明書に従って)の内容物は、18%のエイコサペンタエン酸(EPA)と12%のドコサヘキサエン酸(DHA)である。
魚油の他、フラックスシード油、カノーラ(菜種)油、大豆油、カボチャの種油、エゴマ種油、クルミ油、麻の実油、オリーブ油、ココナッツオイル及びトウモロコシ油のような植物油が、オメガ−3、オメガ−6、オメガ−9脂肪酸を含み、使用することができる。
脂肪酸、特に、油(グリセリンエステル類)からこれらの酸の金属塩類の形態へのオメガ−3脂肪酸の転換方法を、特にここに記載する。産生されたミネラル塩は、酸化の有害な影響(好ましくない匂い)に抵抗するために緩衝される。
固体状態のミネラル又は金属塩類は、好ましくない味覚又は香りを示すことなく、重要なオメガ−3栄養を与える種々の食品に取り込むことができる。
我々の方法によって形成される脂肪酸の金属塩類は、カルシウム、亜鉛、鉄、マグネシウム、銅、マンガン、クロム等からなる群から選択される必須金属の塩、つまり、塩化カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム、硝酸カルシウム、酢酸カルシウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、硝酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、塩化銅、臭化銅、ヨウ化銅、硝酸銅、硫酸銅、酢酸銅、塩化第二クロム、臭化クロム、ヨウ化クロム、硝酸クロム、酢酸第二クロム、塩化鉄、臭化鉄、ヨウ化鉄、硝酸鉄、硫酸鉄、酢酸鉄、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、酢酸亜鉛、塩化マンガン、臭化マンガン、ヨウ化マンガン、硝酸マンガン、硫酸マンガン、酢酸マンガン、塩化コバルト、臭化コバルト、ヨウ化コバルト、硝酸コバルト、硫酸コバルト及び酢酸コバルトを用いて形成することができる。しかし、酸化カルシウム及び水酸化カルシウムは、特に、ヒトに消化の問題を引き起こすだけでなく、それらは完全に溶解しないため、我々の方法一部であるが、排除される。
生成物が脂肪酸金属塩であるため、生成物は、ミネラルの栄養源としても有益である。
我々の方法において、油分子中に存在するグリセリンは、脂肪酸分子から分離され、金属によって置換される。グリセリンは、ヒトの摂取に、ほとんど又は全く栄養的又は他の有益な価値を有さない物質である。また、グリセリンは、その液状形態のために有害であり、よって、酸化に影響されやすく、好ましくない味及び匂いを発する。脂肪酸の金属塩類は、魚油で見出されるオメガ−3脂肪酸よりかなり酸化に抵抗性であるが、特に、アルカリ条件においてはなおも酸化に影響されやすいままである。しかし、アルカリ環境での酸化は、我々の方法を使用すれば、著しく減少させることができる。
本発明のさらなる目的は、脂肪酸(特に、オメガ−3脂肪酸)を、その天然液体状態から、多くの生成物の製造環境でより簡単に使用することができる金属塩類に転換することである。
まず、魚油及び植物油等の脂肪酸源を、水性塩基溶液と混合し、反応混合物を規定し、窒素等の不活性ガスの存在下、実質的に完全な加水分解を行うために、十分な時間、十分な温度で攪拌する。
攪拌/加熱及びバブリング工程の結果、油は、加水分解され、グリセリンと酸性塩の形態での必須脂肪酸を生成する。
適当な塩基は、実質的に完全に水に溶解するアルカリ又はアルカリ土類金属の酸化物又は水酸化物を含む。好ましくは、これらの塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウムまたはそれらの組合せからなる群から選択される。
化学量論の正確な計算は、魚油の不明確な分子量のため、不可能である。さらに、魚油の供給品は、それらが異なる種比率を含むかもしれないため、互いに異なるかもしれず、よって、正確な分子量を計算する困難性が増大する。
魚油は、化学的に、その分子を含む多種多様な脂肪酸を有するトリグリセリドである。文献は、魚油トリグリセリド分子中の脂肪酸は、14〜24の炭素原子又はC14〜C24の高度不飽和脂肪酸を有することを示唆する。我々は、魚油脂肪酸が、C18のカーボン鎖の平均長を有し、したがって魚油分子の分子式がC57100であると考えると仮定する。この「分子」の分子量は、880g/モルと計算される。
魚油脂肪酸の分子量が推定されたため、塩基の過剰量を、反応混合物が完全に加水分解することを確保するために用いられる。これは、形成することができるグリセリンの実質的に100%が形成され、中間溶液の一部となることを確実にするために必要である。
反応混合物は以下を含む:a)グリセリンのエステル類を含有する脂肪酸源、b)存在するグリセリンの全てを脂肪酸源から分離するための十分量の塩基、及びc)塩基を溶解させる十分量の水。好ましくは、必要な塩基の量は、存在する脂肪酸1モルに対して少なくとも塩基3モルである。我々は、実験を通して、少なくとも、2.0モルの塩基溶液が十分となろうこと、使用に対する溶液の量は、加水分解する脂肪酸源の量に依存することを見出した。2.0M以下では、効果的な加水分解を起こすために存在する塩基が不十分な量となる。
反応混合物は、最初は不透明なエマルジョンであり、全体にわたってバブリングしながら、不活性ガス(好ましくは、窒素)の存在下で攪拌され、十分な温度で、十分な時間加熱され、実質的に完全に加水分解される。
室温でも反応を引き起こすかもしれないが、60〜95℃のような高温で反応速度を上げることが好ましい。しかし、大気圧で好ましくない起泡を起こすため、100℃は推薦されない。しかし、加圧型の容器が反応に使われる場合には、100℃も可能である。好ましい実施形態では、高温は、90〜95℃である。
攪拌/加熱/バブリング工程は、反応混合物の物理的外観が不透明から着色透明溶液に変化するまで継続される。この物理的変化は、実質的に完全な加水分解を示す。反応生成物は、水溶性塩類の形態でグリセリン及び脂肪酸からなる。攪拌/加熱/バブリング工程の間、油中にもともと存在し、不快な匂いを発する役割を果たす揮発性物質と半揮発性物質が、バブリングする不活性ガスによって反応混合物から除去される点に注意すべきである。
次に、加水分解工程が完了した後、緩衝剤を添加し、溶液のpHを維持する。特定のpHの範囲を維持するために溶液を緩衝することが、酸化を実質的に減少させ、オメガ−3脂肪酸性塩の安定性、乾燥し得る析出物を形成するために必要である。緩衝剤の化学構造は公知であるが、使用する緩衝剤の量は、使用される反応物の量及び種類に依存するため、必要量は実験的に確立される。
代表的な緩衝剤は、リン酸、ポリリン酸、アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、リンゴ酸、クエン酸及びそれらの塩類等の有機酸及び無機酸並びにそれらの塩、さらに、アスコルビン酸/アスコルビン酸カリウム、クエン酸/クエン酸カリウム、リン酸/リン酸カリウム、エリソルビン酸/エリソルビン酸ナトリウム及びpHの望ましい値を維持するのに用いることができるそれらの他の有機及び無機酸の組み合わせ並びに塩類等を含んでいてもよい。
金属の有効量を含有する水性塩溶液を、メタセシス反応を起こす緩衝液に加え、金属塩析出物を形成する。好ましくは、水性塩溶液は、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸亜鉛、硫酸鉄及び硫酸マンガン又はその組合せからなる群から選択される。
析出物を、濾過し、洗浄し、その後、好ましくは真空で乾燥し、続いて、気密パッケージで真空密閉する。このプロセスの間、pHを、使用した水性塩溶液に対して、表1で記載された最低限の要求レベルを下回らないようにすることが重要である。
pHの上限は、金属塩に依存することを見出している。表1は、異なる水性塩溶液に対する推奨されるpH範囲を示す。
Figure 2010538127
いずれの場合においても、全ての塩溶液は、少なくともpH8.0を維持しなければならない。それよりも低下すると、形成される析出物は、望ましくなく粘度となり、粘着性で、好ましくない酸化傾向を有することとなるかもしれない。
最も好ましい実施形態では、水性金属溶液が、脂肪酸金属塩の酸化防止を助けるために、中間溶液に添加される前に、酸化防止剤を加える。
合成酸化防止剤の使用が可能であるが、それは好まれない。これは、固体状態のオメガ−3脂肪酸の酸化を効果的に阻害するための200ppmという食品に対する通常の最大使用量を超える濃度を必要とするからである。後述する酸化防止剤としてのエッセンシャルオイルの用途は、200ppm以上使うことができ、特に、魚油に由来する溶液にとって、より良好な匂いを与えるさらなる利点をも有する。
我々の発明の目的のためのエッセンシャルオイルは以下を含む。ラベンダー、ティー・ツリー、ユーカリ、ベルガモット、シーダーウッド、カモミール、ゼラニウム、ジンジャー、グレープフルーツ、ヘリクリサム、レモン、レモングラス、オレンジ、パルマローザ、シトロネラ、パチョリ、ペパーミント、ローズマリー、ビャクダン、ウィンター・グリーン等。酸化から保護されている生成物を安定させるのに用いることができるエッセンシャルオイルの選択は、主に処方する人の味覚次第である。
析出物形成の後で、析出物を濾過し、洗浄し、乾燥する。乾燥は、室温又は高温のいずれかで行うことができ、より好ましくは真空乾燥である。
上述の方法の結果、乾燥析出物が、高い酸化安定性を有する微粉末の外観の脂肪酸金属塩となる。実際の脂肪酸金属塩の外観及び色は、用いられた水性金属塩溶液の特定種類に依存する。
上述したように、脂肪酸金属塩を得る好ましい方法は、真空乾燥である。しかし、真空乾燥器材が利用できなかったため、以下の試験工程では、乾燥チャンバを用いて行い、酸化防止剤を添加した。
実施例1:オメガ−3脂肪酸のカルシウム塩の製造
上述したように、魚油分子の推定分子量を880g/モルとする。この分子量を使って、必要な塩基量を計算することができる。この実施例では、水酸化カリウム(KOH)を塩基として用いる。
魚油1「モル」を880gとして計算し、完全な反応のために、化学量論的に3モルのKOHを必要とする。それは固体のKOH、56×3=168gである。
合理的な時間で完全な魚油の加水分解を起こすために、使用する塩基の量は、必要とされる化学量論的の過剰量でなければなければならない。
この実施例において、我々のテストでは、50gの魚油を用い、よって、9.4gの固体KOHが、塩基溶液の一部となるために化学量論的に要求される。しかし、我々は実験を通して、合理的な時間で完全な魚油の加水分解を起こすために、50gの魚油を加水分解するために要求されるKOHの量が15gであるとわかった。従って、少なくとも1.57(つまり、4.7/3)倍の化学量論的に計算された塩基量が、実質的に完全な加水分解を起こすために必要である。
使用される塩基量を溶解させることができるように、十分量の水が必要である。水の過剰量は、それが反応プロセスを有害に遅くするかもしれないため、望まれない。
この実施例では、120mlの水、15gのKOH(つまり、2.2MのKOH溶液)及び50gの魚油を、フラスコに入れ、熱い水浴に浸漬し、反応溶液を、約90〜95℃の温度で維持する。フラスコは、スターラー及びフラスコの底に達するチューブを備えている。内容物を攪拌し、中間溶液が透明な黄褐色の外観となるまで、6時間、窒素ガスをチューブによって、反応混合物にバブリングする。フラスコから熱を取り除き、0.5gのショウガ色の油(エッセンシャル・オイル)及び4.2gのエリソルビン酸ナトリウム塩(バッファー)を添加し、中間溶液をpH9.5に維持し、0.5時間攪拌する。
バッファリング工程の後、水性塩溶液を添加する。化学量論に基づいて、1モルの魚油から産生することができる脂肪酸の3モルの最大量を析出させるために、1.5モルの金属塩が必要である。使用する塩化カルシウム量を決定するために、魚油1モル当たり1.5モルの塩化カルシウムが、880gの魚油につき166.5gの塩化カルシウム(つまり、111g/モル×1.5モル)と計算される。
完全なオメガ−3脂肪酸析出物を提供するために、50gの魚油につき約15g乾燥塩化カルシウムが必要である。魚油50gを完全に析出させるために必要な塩化カルシウムの量は15g又は2.4モルが必要である。したがって、水性塩溶液に存在する活性成分の化学量論的に計算された量の少なくとも1.6倍(つまり2.4/1.5)が、実質的に完全に析出させるために必要であった。
緩衝剤の添加の後、さらに中間溶液を加熱することは必要でない。添加された塩化カルシウムの量は0.7Mで200mlであった。白からオフホワイトのクリーム状の析出物が形成される。中間溶液を10〜15分間攪拌した。析出物をろ過し、水で数回ろ過して洗浄し、乾燥した。
得られた最終生成物は、白からオフホワイトの粉末の外観を有する48gの脂肪酸カルシウム塩であった。
同じシーケンスを、他の金属陽イオンの脂肪酸金属塩類を製造するのに用いた。唯一の違いは、水性金属塩溶液の一部として使用した金属塩の量(表2参照)及び十分な金属のオメガ−3脂肪酸性塩の析出の間に維持するpH値(表2参照)であった。使用された金属塩の望ましい量は、化学量論的な計算によって確立される。しかし、金属陽イオンが中間溶液に導入されるとき、析出物が生ずる点に留意する必要がある。化学量論的な計算は、脂肪酸金属塩の最大収率を推定するのに用いられる。
Figure 2010538127
また、匂いの低減における酸化防止剤の添加効果を、上述した実施例1の方法によって、脂肪酸カルシウム塩を使って決定した。
産生される脂肪酸金属塩類の酸化安定性を、サンプル中の揮発性有機化合物(VOC)の量を測定することによって評価した。上述したように、魚油の不快な匂いは、酸化によって生じるVOCに由来する。乾燥析出物に存在するVOCの量を、サンプル中のVOC含量の検出のためのガスクロマトグラフィ条件を与えるEPAGC方法8015を使用して定量化した。
以下の結果は、酸化防止剤を使用して得られた脂肪酸金属塩が、標準的な魚油より、かなり不快でない匂いを生じることを示す。脂肪酸カルシウム塩析出物を、異なるバッファシステム(それぞれ約48グラム)存在下で生成し、濾過後、7×7インチの面積に均一に配布し、室温で乾燥空気にさらした。乾燥4日後に、EPAGC8015法を使用して、サンプルを分析した。
脂肪酸カルシウム塩析出物は、異なる酸化安定性を有する。表3は、室温にて、戸外で4日間乾燥した後、脂肪酸カルシウム塩は部分的に酸化され、使用したバッファシステムに従って異なるVOCレベルをもたらす。
Figure 2010538127
表3に示されるデータから、脂肪酸カルシウム塩は、同じ条件下で、戸外にさらされる魚油よりかなり低いVOCのレベルをもたらす。脂肪酸カルシウム塩への魚油の転換は、同様に、VOC放出の低下を減少する酸化に対する脂肪酸の感受性を減じる。最も高い酸化防止剤活性を有する最も効果的なバッファシステムは、アスコルビン酸/アスコルビン酸カリウム及びエリスロビン酸ナトリウムである。

Claims (19)

  1. 水酸化カルシウム非含有で実質的にグリセリンフリーの脂肪酸金属塩の製造方法であって、
    a)グリセリンエステルを含み、かつ魚油、フラックスシード油、カノーラ油、大豆油、カボチャ種油、スベリヒユ、エゴマ種油、クルミ油、麻の実油、オリーブ油、ココナッツオイル、トウモロコシ油又はこれらの組み合わせからなる群から選択された脂肪酸源、ならびにb)グリセリンを形成するため、実質的に全てのグリセリンエステルと反応させるための少なくとも十分量の塩基及び該塩基を溶解させるための十分量の水を混合し、前記脂肪酸源、塩基及び水によって反応混合物を規定し、
    60〜100℃の温度範囲で十分な時間、全体にわたる不活性ガスバブリングの存在下、前記反応混合物を混合して中間溶液を形成し、
    該中間溶液に緩衝剤を添加して少なくともpHを8.0以上に維持し、ならびに
    前記中間溶液に水性金属塩溶液を添加して脂肪酸金属塩を析出物として形成することを含む脂肪酸金属塩の製造方法。
  2. 脂肪酸金属塩析出物を、ろ過、洗浄及び乾燥する工程をさらに含む請求項1の方法。
  3. 塩基が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウムまたはそれらの組合せからなる群から選択される請求項1の方法。
  4. 少なくとも十分量の塩基は、脂肪酸源1モルあたり少なくとも3.05モルの塩基であり、塩基と水との混合物が、少なくとも2.0Mの濃度である請求項1の方法。
  5. 少なくとも十分量の塩基は、脂肪酸源1モルあたり少なくとも3.05モルの塩基であり、塩基と水との混合物が、少なくとも2.0Mの濃度である請求項2の方法。
  6. 緩衝剤は、リン酸、ポリリン酸、アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、リンゴ酸、クエン酸及びそれらの塩類ならびにアスコルビン酸/アスコルビン酸カリウム、クエン酸/クエン酸カリウム、リン酸/リン酸カリウム、エリソルビン酸/エリソルビン酸ナトリウム又はそれらの組み合わせから選択される請求項1の方法。
  7. 中間溶液の形成後に酸化防止剤を添加し、該酸化防止剤は、ラベンダー油、ティー・ツリー油、ユーカリ油、ベルガモット油、シーダーウッド油、カモミール油、ゼラニウム油、ジンジャー油、グレープフルーツ油、ヘリクリサム油、レモン油、レモングラス油、オレンジ油、パルマローザ油、シトロネラ油、パチョリ油、ペパーミント油、ローズマリー油、ビャクダン油、ウィンター・グリーン油又はこれらの組み合わせから選択される請求項1の方法。
  8. 水性金属塩溶液が、塩化カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム、硝酸カルシウム、酢酸カルシウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、硝酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、塩化銅、臭化銅、ヨウ化銅、硝酸銅、硫酸銅、酢酸銅、塩化第二クロム、臭化クロム、ヨウ化クロム、硝酸クロム、酢酸第二クロム、塩化鉄、臭化鉄、ヨウ化鉄、硝酸鉄、硫酸鉄、酢酸鉄、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、酢酸亜鉛、塩化マンガン、臭化マンガン、ヨウ化マンガン、硝酸マンガン、硫酸マンガン、酢酸マンガン、塩化コバルト、臭化コバルト、ヨウ化コバルト、硝酸コバルト、硫酸コバルト、酢酸コバルト又はこれらの組み合わせからなる群から選択される請求項1の方法。
  9. 水性金属塩溶液は、脂肪酸源1モルあたり少なくとも1.5モル含む請求項1の方法。
  10. 脂肪酸金属塩の製造方法であって、
    a)魚油、フラックスシード油、カノーラ油、大豆油、カボチャ種油、スベリヒユ、エゴマ種油、クルミ油、麻の実油、オリーブ油、ココナッツオイル、トウモロコシ油又はこれらの組み合わせからなる群から選択された脂肪酸源、
    b)塩基量が前記脂肪酸源1モルあたり少なくとも3.05モルの塩基となるような塩基、及び
    c)少なくとも2.0Mの濃度を有する前記塩基を溶解させるための十分量の水を混合し、前記脂肪酸源、塩基及び水によって反応混合物を規定し、前記塩基が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウムまたはそれらの組合せからなる群から選択され、
    60〜100℃の温度範囲で十分な時間、全体にわたる不活性ガスバブリングの存在下、前記反応混合物を混合して中間溶液を形成し、
    該中間溶液に緩衝剤を添加してpHを8.0以上に維持し、
    前記中間溶液に水性金属塩溶液を添加して脂肪酸金属塩を析出物として形成し、並びに、
    その後、前記脂肪酸金属塩析出物を、ろ過、洗浄及び乾燥することを含む脂肪酸金属塩の製造方法。
  11. 緩衝剤は、リン酸、ポリリン酸、アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、リンゴ酸、クエン酸及びそれらの塩類並びにアスコルビン酸/アスコルビン酸カリウム、クエン酸/クエン酸カリウム、リン酸/リン酸カリウム、エリソルビン酸/エリソルビン酸ナトリウム又はそれらの組み合わせから選択される請求項10の方法。
  12. 中間溶液の形成後に酸化防止剤を添加し、該酸化防止剤は、ラベンダー油、ティー・ツリー油、ユーカリ油、ベルガモット油、シーダーウッド油、カモミール油、ゼラニウム油、ジンジャー油、グレープフルーツ油、ヘリクリサム油、レモン油、レモングラス油、オレンジ油、パルマローザ油、シトロネラ油、パチョリ油、ペパーミント油、ローズマリー油、ビャクダン油、ウィンター・グリーン油またはこれらの組み合わせから選択される請求項10の方法。
  13. 水性金属塩溶液が、塩化カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム、硝酸カルシウム、酢酸カルシウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、硝酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、塩化銅、臭化銅、ヨウ化銅、硝酸銅、硫酸銅、酢酸銅、塩化第二クロム、臭化クロム、ヨウ化クロム、硝酸クロム、酢酸第二クロム、塩化鉄、臭化鉄、ヨウ化鉄、硝酸鉄、硫酸鉄、酢酸鉄、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、酢酸亜鉛、塩化マンガン、臭化マンガン、ヨウ化マンガン、硝酸マンガン、硫酸マンガン、酢酸マンガン、塩化コバルト、臭化コバルト、ヨウ化コバルト、硝酸コバルト、硫酸コバルト、酢酸コバルト又はこれらの組み合わせからなる群から選択される請求項10の方法。
  14. 水性金属塩溶液は、脂肪酸源1モルあたり少なくとも1.5モル含む請求項1の方法。
  15. 水酸化カルシウム非含有で実質的にグリセリンフリーの脂肪酸金属塩の製造方法であって、
    a)脂肪酸を含有する魚油、
    b)塩基量が前記魚油1モルあたり少なくとも4.0モルの塩基となるような塩基、及び
    c)少なくとも2.0Mの濃度を有する前記塩基を溶解させるための十分量の水を混合し、前記魚油、塩基及び水によって反応混合物を規定し、前記塩基が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウムまたはそれらの組合せからなる群から選択され、
    90〜95℃の温度範囲で少なくとも5時間、全体にわたる不活性ガスバブリングの存在下、前記反応混合物を混合して、該反応混合物の物理的外観を不透明エマルジョンから透明着色中間溶液に変化させ、
    該中間溶液に緩衝剤の十分量を添加してpHを8.0以上に維持し、
    前記中間溶液に水性金属塩溶液を添加して脂肪酸金属塩を析出物として形成し、並びに、
    その後、前記脂肪酸金属塩析出物を、ろ過、洗浄及び乾燥することを含む脂肪酸金属塩の製造方法。
  16. 緩衝剤は、リン酸、ポリリン酸、アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、リンゴ酸、クエン酸及びそれらの塩類並びにアスコルビン酸/アスコルビン酸カリウム、クエン酸/クエン酸カリウム、リン酸/リン酸カリウム、エリソルビン酸/エリソルビン酸ナトリウム又はそれらの組み合わせから選択される請求項15の方法。
  17. 中間溶液の形成後に酸化防止剤を添加し、該酸化防止剤は、ラベンダー油、ティー・ツリー油、ユーカリ油、ベルガモット油、シーダーウッド油、カモミール油、ゼラニウム油、ジンジャー油、グレープフルーツ油、ヘリクリサム油、レモン油、レモングラス油、オレンジ油、パルマローザ油、シトロネラ油、パチョリ油、ペパーミント油、ローズマリー油、ビャクダン油、ウィンター・グリーン油またはこれらの組み合わせから選択される請求項15の方法。
  18. 水性金属塩溶液が、塩化カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム、硝酸カルシウム、酢酸カルシウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、硝酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、塩化銅、臭化銅、ヨウ化銅、硝酸銅、硫酸銅、酢酸銅、塩化第二クロム、臭化クロム、ヨウ化クロム、硝酸クロム、酢酸第二クロム、塩化鉄、臭化鉄、ヨウ化鉄、硝酸鉄、硫酸鉄、酢酸鉄、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、酢酸亜鉛、塩化マンガン、臭化マンガン、ヨウ化マンガン、硝酸マンガン、硫酸マンガン、酢酸マンガン、塩化コバルト、臭化コバルト、ヨウ化コバルト、硝酸コバルト、硫酸コバルト、酢酸コバルト又はこれらの組み合わせからなる群から選択される請求項15の方法。
  19. 水性金属塩溶液は、魚油1モルあたり少なくとも1.5モル含む請求項15の方法。
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