JPH06113778A - ドコサヘキサエン酸を含む味噌 - Google Patents

ドコサヘキサエン酸を含む味噌

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JPH06113778A
JPH06113778A JP4283534A JP28353492A JPH06113778A JP H06113778 A JPH06113778 A JP H06113778A JP 4283534 A JP4283534 A JP 4283534A JP 28353492 A JP28353492 A JP 28353492A JP H06113778 A JPH06113778 A JP H06113778A
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JP
Japan
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miso
dha
oil
docosahexaenoic acid
present
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Pending
Application number
JP4283534A
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English (en)
Inventor
Kazuyoshi Yazawa
一良 矢澤
Sei Kondo
聖 近藤
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KANAGAWA KAGAKU KENKYUSHO KK
Original Assignee
KANAGAWA KAGAKU KENKYUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 調味料としてきわめて一般的に用いられてい
る味噌より、DHAを容易に摂取することが可能な、ペ
ースト状又は固体状の味噌を提供する。 【構成】 ドコサヘキサエン酸を1〜20重量%含む味
噌。 【効果】 本発明のDHAを含む味噌は、原料として用
いるDHA魚油に由来する魚臭を呈することなく、味、
香り及び口ざわり共に良好である。また、DHAの保存
性も良好である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はドコサヘキサエン酸(以
下DHAと略す。)を含むペースト状又は固状の味噌に
関し、更に詳しくは、ドコサヘキサエン酸を1〜20重
量%含むペースト状又は固状の味噌に関するものであ
る。
【0002】
【従来技術】最近の日本人の食生活の欧米化は魚類に対
して肉類を中心とした食事の機会が大幅に増え、それに
伴い疾病の種類も変化し高血圧、心臓病などの循環器系
疾患や乳癌、大腸癌などが増加して、大きな社会問題に
なっている。これら疾病の原因は、不飽和脂肪酸の種類
のアンバランスな摂取によることが明らかにされ、DH
Aやイコサペンタエン酸(EPA)の含量を高めた食品
の開発が進められている。
【0003】このDHAは、上記の他に幾つかの有用な
生理作用を有することが知られており(油化学,37(1
0). 781, (1988) )、研究の進展に伴い、細胞機能の維
持に深く関わりがあること、脳機能向上剤あるいは制ガ
ン剤としての効能を有することが明らかにされている。
【0004】一方、調味料は独特の香気と風味を生命と
するもので、味噌はペースト状調味料として古くから愛
用されてきている。この味噌に、DHAを含むものはこ
れまで知られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明においてDHA
を含む味噌とはそれらを加工したペースト状又は固状物
をも意味するもので、味噌にDHAを添加するにはその
風味を損なうことがないようにしなければならない。し
かしながら、安定に入手可能なDHAには製造原料に由
来する魚臭を伴う。すなわち、従来DHAの製法は例え
ばイワシ、オキアミ等の魚体や海産物から煮取法等にて
採取した油脂より抽出、精製されている。最近、高純度
のDHAの製法(特開平4−95048号)が開発され
ているが、このものも海産動物油脂を原料としてる。
【0006】また、魚油はその構成脂肪酸の不飽和結合
が酸化されやすく、加工工程、保存期間中に酸敗を起こ
し、甚だしい場合には酸味や渋味をおび、着色するいわ
ゆる油やけまで進むことが知られている。DHAはそれ
自体でも一分子中に6個の二重結合を持っていることか
ら、極めて酸化され易くそのままでは食品に添加するこ
とはできないとされている。
【0007】本発明はこのような問題点を解決し、調味
料としてきわめて一般的に用いられている味噌より、D
HAを容易に摂取することを可能とするものである。す
なわち、風味を損なうことなく、有効量のDHAを含む
ペースト状又は固状の味噌を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を達成するため検討を行なった結果、意外にも、1〜2
0重量%のDHAを味噌に添加することにより、魚臭の
ない、口ざわりの良好なDHAを含む味噌が得られるこ
と、及びこのDHAは保存中も安定であることを見い出
し、本発明を完成した。すなわち、本発明はDHAを1
〜20重量%含むことを特徴とする味噌である。更に、
フレーバーを添加することにより、消費者の好みに応じ
た香味を有する良好な仕上がりの味噌を得ることも可能
である。
【0009】本発明において、ドコサヘキサエン酸(D
HA)とは、遊離酸のほか、そのエステル、グリセリ
ド、リン脂質、コリン化合物、アスコルビン酸化合物、
アミノ酸化合物等を意味するものである。
【0010】本発明に使用されるDHAとしては、海産
動物油脂、例えばイカ油、イワシ油、オキアミ油、カツ
オ油、サバ油、サケ油、サンマ油、タラ肝油、マグロ
油、メンハーデン油等のDHAを含むものであれば特に
限定されない。ただし、脱酸、脱色、脱臭、脱蝋され
た、物理的、化学的、生物学的な手法によって精製乃至
濃縮されたDHAを用いると、味噌の風味の変化は最も
少ない。DHAの添加量は味噌に対して1〜20重量%
であり、2〜15重量%の添加がより好ましい。
【0011】本発明に使用される味噌としては、既に周
知のどのような味噌であってもよく、例えば、米味噌、
麦味噌、豆味噌、あるいは、赤味噌、白味噌などを挙げ
ることができる。
【0012】本発明において使用されるフレーバーとし
ては、シュガーF(高砂香料のP−3096−D)、コ
クトウ−F(高砂香料のR−8682)や、オレンジ、
レモン、スダチ、レモンライム、およびカボス等の拑橘
類の果汁たはその処理物、例えばアップル−F(長谷川
香料のNSB−6253)、レモンライム−F(長谷川
香料のNSB−6254)、オレンジオイル、レモンオ
イルなどを挙げることができ、これらは単独であるいは
混合して用いてもよい。その添加量は味噌に対して0.
05〜5重量%が好ましい。
【0013】これらのDHAを添加した味噌は、驚くべ
きことに安定であり良好な保存性を示すが、所望によ
り、DHAの抗酸化剤として、トコフェロール、レシチ
ン、カテキン等を、また安定剤として可溶性澱粉、デキ
ストリン、シクロデキストリン等を加えてもよい。ま
た、レシチン、ラウリン酸加水分解コラーゲンナトリウ
ム等の乳化剤を添加することもできる。
【0014】このようにして得られた本発明の味噌は、
通常の凍結乾燥法、あるいは脱水剤を加えて、固形ある
いは粉末とすることができる。本発明において使用され
る脱水剤としては、例えばα−マルトース、無水アルド
ヘキソース、無水グリコシルフルクトース、無水パラチ
ノース、無水フラノース、無水セルロース等を挙げるこ
とができ、その添加量は本発明の味噌に対して10〜1
00重量%が好ましい。
【0015】また、最近の食品包装技術を用いて真空パ
ックあるいは脱酸素剤を使用しての包装により、これら
DHA添加味噌の劣化を防止することもできる。
【0016】なお、本発明のDHAを含む味噌の製造に
あたっては、DHAの変質、分解を防ぐために、味噌の
製造工程のなるべく後の工程でDHAを添加することが
好ましい。味噌の製造後にDHAを添加することもでき
る。DHAを添加したのち、一定期間熟成することが好
ましい。
【0017】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。なお、下記実施例で用いたDHA含有魚油は、常法
に従い精製処理したものである。
【実施例】
【0018】実施例1 市販の味噌(1000 g)に、マグロ油(200 g, DHAを25%含
有)及び大豆レシチン(50g)を攪拌しながら混入し、よく
混合した。その後、室温で3週間熟成した。
【0019】実施例2 市販の味噌(1000 g)に、カツオ油(200 g, DHAを27%含
有) 及びシュガーF(10g)を攪拌しながら混入し、よく
混合した。その後、室温で3週間熟成した。
【0020】実施例3 市販の味噌(1000 g)に、マグロ油(200 g, DHAを25%含
有)、シュガーF(10 g)、モナコリン液〔200 ml, 生理
活性物質モナコリンを0.01 〜1%程度含有(特公昭59-25
599号)〕及び大豆レシチン(50 g)を攪拌しながら混入
し、よく混合した。その後、室温で3週間熟成した。
【0021】実施例4 実施例1の方法で得たDHAを含む味噌に3分の1重量
のα−マルトースを加え保温箱にて35℃24時間加温
し、固形化した。この固形物を粉末化し、粉末味噌を得
た。
【0022】実施例5 実施例3の方法で得たDHAを含む味噌に3分の1重量
のα−マルトースを加え保温箱にて35℃24時間加温
し、固形化した。この固形物を粉末化し、粉末味噌を得
た。
【0023】本発明の味噌の官能検査を行った結果を表
1〜2に示す。なお、官能検査は20名のパネルで市販
の味噌を対照に2点比較で行った。結果は良いと答えた
人の人数である。
【0024】
【表1】 表1 実施例1で調製 市販の どちらでも した味噌 味噌 ない ──────────────────── 味 5 4 11 香り 4 5 11 口ざわり 5 5 10 ────────────────────
【0025】
【表2】 表2 実施例3で調製 市販の どちらでも した味噌 味噌 ない ──────────────────── 味 14 4 2 香り 9 3 8 口ざわり12 5 3 ────────────────────
【0026】次に、本発明のDHAを含む味噌の保存性
について調べた結果を表3に示す。保存は25℃で行
い、DHA量は味噌中の総脂肪酸に対するパーセントと
して示した。なお、DHAの測定は常法に従いガスクロ
マトフラフィーにより行った。
【0027】
【表3】 表3 調製 2週 1ヶ 3ヶ 6ヶ 時 間後 月後 月後 月後 ─────────────────────── 実施例1で調製 した味噌 24.8 24.1 24.5 23.9 24.3 ───────────────────────
【0028】表3に示すように、本発明のDHAを含む
味噌の保存性は極めて良好であった。
【0029】続いて、6ケ月保存後の味噌について、上
記と同様の官能検査を行なった。結果を表4に示す。
【0030】
【表4】 表4 参考例1で調製 市販の どちらでも した味噌 味噌 ない ──────────────────── 味 5 5 10 香り 3 4 13 口ざわり5 4 11 ────────────────────
【0031】表4に示すように、本発明のDHAを含む
味噌は、6ケ月保存後においても市販の味噌と遜色がな
く、魚臭のもどり臭も認められなかった。。
【0032】
【発明の効果】本発明のDHAを含む味噌は、原料とし
て用いるDHA魚油に由来する魚臭を呈することなく、
味、香り及び口ざわり共に良好である。また、DHAの
保存性も良好である。従って、DHAを、日常使用され
る主要調味料である味噌を介して摂取することが可能と
なった。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドコサヘキサエン酸を1〜20重量%含
    む味噌。
  2. 【請求項2】 さらにフレーバーを0.05〜5重量%
    含む請求項1の味噌。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2の味噌に、脱水剤を10
    〜100重量%添加して成る固状物。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2の味噌の凍結乾燥物。
JP4283534A 1992-09-30 1992-09-30 ドコサヘキサエン酸を含む味噌 Pending JPH06113778A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0809939A1 (en) * 1995-02-17 1997-12-03 Kabushiki Kaisha Yakult Honsha Yogurt

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0809939A1 (en) * 1995-02-17 1997-12-03 Kabushiki Kaisha Yakult Honsha Yogurt
EP0809939A4 (en) * 1995-02-17 1998-03-11 Yakult Honsha Kk YOGHURT

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