JP6899415B2 - C20−c22長鎖一価不飽和脂肪酸の濃縮組成物とc20−c22長鎖多価不飽和脂肪酸の濃縮組成物との製造方法 - Google Patents

C20−c22長鎖一価不飽和脂肪酸の濃縮組成物とc20−c22長鎖多価不飽和脂肪酸の濃縮組成物との製造方法 Download PDF

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Description

1つの観点において、本発明は、長鎖一価不飽和脂肪酸と長鎖多価不飽和脂肪酸との両方を含む油脂組成物、一般的には魚油組成物から長鎖一価不飽和脂肪酸の濃縮組成物を得るための方法に関する。他の観点において、本発明は、長鎖一価不飽和脂肪酸を少なくとも70重量%含む組成物に関する。
ドコサヘキサエン酸(DHA)及びエイコサペンタエン酸(EPA)といった長鎖多価不飽和脂肪酸の摂取は、ごく最近、それらの一価不飽和等価体の摂取が不健康であると考えられるようになるまでは、様々な健康的な利点をもたらすものと長い間考えられてきた。非特許文献1において、イマムラたちは、「1960年代から1980年代における、齧歯類、豚、及びヒト以外の霊長類における食餌実験は、エルカ酸(22:1n9)及びセトレイン酸(22:1n11)の摂取が、心臓脂肪症を起こすことを示唆した。ヒトでの潜在的な影響は、いまだに研究されていないが、メカニズムの研究は、長鎖一価不飽和脂肪酸(LCMUFA、20:1、22:1及び24:1脂肪酸)への曝露は心筋を損ないうることを示唆している。」と述べている。この点につき、脂質は、式X:YnZにおいて、Xはアルキル鎖中の炭素原子の数、Yはその鎖中の二重結合の数、そして「Z」は、メチル末端基から第一の二重結合までの炭素元素の数によって説明される点に留意されたい。天然では、二重結合は全てシス型である。多価不飽和脂肪酸では、各二重結合は、1つのメチレン(−CH−)基によって隣から分離されている。この命名法を使用すると、EPAは20:5n3であり、一方DHAは、22:6n3である。
動脈硬化症又は鬱血性心不全を示す患者におけるリン脂質LCMUFA含有量の循環を解析した後、イマムラは、24:1の増加が、特定の生理学的リスク因子、及び鬱血性心不全の高い発症率と関連することを発見した。22:1の消費は、いくらかリスクを増加させることにつながり(22:1は24:1まで伸長するため)、20:1脂肪酸に関しては、関連が発見されなかった。
最近の調査は、20:1及び22:1の長鎖一価不飽和脂肪酸が実際には好ましい健康上の効果を有していることを示している。このように、非特許文献2において、ヤンたちは、10:16が、そのような長鎖一価不飽和脂肪酸を用いたそのようなマウスの食事療法が、糖尿病の症状を改善させることを開示している。
不幸なことに、最近の調査は、魚油由来のEPA(20:5)及びDHA(22:6)のような高長鎖多価不飽和脂肪酸(LC−PUFA)と、植物由来のオレイン酸(18:1)のような特定の一価不飽和脂肪酸との組み合わせが、それぞれから誘導される健康上の利点を打ち消し合うことがあることも示している。このように、Hlaisたちは、非特許文献3において、「総コレステロール及びLDLコレステロールへのオレイン酸(n−9)の影響は、魚油(n−3)の添加によって変化した。これらの効果は、脂肪酸の2つの種類の間の酵素の競合の結果であるかもしれない。」(アブストラクト)と結論づけている。
従って、高濃度の高長鎖一価不飽和脂肪酸(つまり、20:1及び22:1)を含み、その上、高長鎖多価不飽和脂肪酸を多量に含有しない組成物を有することが望ましい。そのような材料の製造に関連する難点の1つは、そのような高長鎖一価不飽和脂肪酸を高濃度で有するオイルを産出する魚種の多く(例えば、ニシン)が、同じように高濃度の高長鎖多価脂肪酸も産出することである。興味深いことに、逆は真ならず、EPA及びDHAのような大半の高長鎖多価不飽和脂肪酸は、高い含有量の長鎖多価不飽和脂肪酸と低い含有量の長鎖一価不飽和脂肪酸とを有する油脂を産出する魚種(主にアンチョビ、南アメリカの西部沖で見られる)から、分離される。このように、例えば、非特許文献4では、ペルーアンチョビが、20:5及び22:6の含有量が33.7(重量/重量%)であるが、20:1+22:1の含有量がわずかに2.8%であることが報告されている。
不幸なことに、短行程蒸留及び超臨界流体抽出のような、魚油の脂肪酸を濃縮させるために一般的に使用される多くのプロセスは、飽和度よりも鎖長の変化に基づいて脂肪酸誘導体を主に分離する。尿素分画のような分別方法が採用され得るが、そのようなプロセスは、特に長鎖多価不飽和脂肪酸と長鎖一価不飽和脂肪酸とを大量に含む魚油では、多量の試薬が必要であって、経済的に受け入れ難い。
リチウム塩は、過去、魚油の他の成分から長鎖多価不飽和脂肪酸を分離するために用いられてきた。このように、例えば、特許文献1(Keliher et al)は、互いから脂肪酸を分離するというよりも、単一の脂肪酸から非酸性不純物を除去するために、リチウム塩を使用するプロセスを開示している。非酸性不純物は、一般的には、単一の脂肪酸を化学的に合成する際に生成される不純物である(特許文献1の段落44を参照)。特許文献2(Horlacher et al)は、高いEPA及びDHA含有量を有する魚油から濃縮された遊離脂肪酸を、ナトリウム又はリチウム塩とエタノールとによって処理することにより、飽和脂肪酸を多価不飽和脂肪酸(一般にEPA及びDHA)から除去するプロセスを開示する。先行技術は、リチウム塩/アセトン分別プロセスを採用しうることを開示するが、そのような技術は、そのようなプロセスの使用は特に効果的ではないことを示唆している。このように、Fontellたちは、非特許文献5にて、「[リチウム塩/アセトン分別]の方法の1つの固有の欠点は、脂肪酸の共結晶であり、溶解度のデータから予測されるよりも、完全性の低い分離につながる。この方法によれば、不飽和脂肪酸から飽和脂肪酸をかなりよく分離することが通常可能であるが、ポリエン酸からのモノエンの分離は、より正確性が低い」ことを示している(391−392頁)。
従って、長鎖多価不飽和脂肪酸と長鎖一価不飽和脂肪酸との両方の物質を高い濃度で含む組成物において、長鎖多価不飽和脂肪酸から長鎖一価不飽和脂肪酸を分離するために、そのようなエタノール及び/又はアセトンのような有機溶媒を用いたリチウム分別を使用し得ることは、全く予期できない。
米国特許出願公開第2013/150602号明細書 国際公開第2011/095284号
Dietary supplementation with long-chain monounsaturated fatty acids attenuates obesity-related metabolic dysfunction and increases expression of PPAR gamma in adipose tissue in type 2 diabetic KK-Ay mice, Nutrition & Metabolism 2013 Dietary supplementation with long-chain monounsaturated fatty acids attenuates obesity-related metabolic dysfunction and increases expression of PPAR gamma in adipose tissue in type 2 diabetic KK-Ay mice, Nutrition & Metabolism 2013 Combined Fish Oil and High Oleic Sunflower Oil Supplements Neutralize the Individual Effects on the Lipid Profile of Healthy Men, Lipids (2013) 48:853-861 Opstvedt, Fish Lipids in Animal Nutrition, Norwegian Herring Oil & Meal Industry Research Industry, Technical Bulletin No. 22, October 1985 Some new method for separation and analysis of fatty acids and other lipids, Journal of Lipid Research, Volume 1, Number 5, pages 391-404 (1960)
1つの観点において、本発明は、
a)C20−C22長鎖多価不飽和脂肪酸と、少なくとも15重量%のC20−C22長鎖一価不飽和脂肪酸とを含む油脂組成物を、(i)C−Cアルコール及び式R(C=O)Rで示されR及びRがそれぞれ独立してC−Cアルキルであるケトンからなる群から選択される有機溶媒並びに(ii)リチウム塩と、15℃〜80℃で混合して、長鎖多価不飽和脂肪酸のリチウム塩と長鎖一価不飽和脂肪酸のリチウム塩とを含む混合組成物を形成するステップと、
b)長鎖一価不飽和脂肪酸のリチウム塩が沈殿物を形成するように、ステップaで形成された混合組成物の温度を下げるステップと、
c)沈殿物を取り出して、長鎖一価不飽和脂肪酸の濃縮組成物を得るステップと、
を含む、C20−C22長鎖一価不飽和脂肪酸の濃縮組成物を得るための方法に関する。
他の観点において、本発明は、少なくとも70重量%のC20−C22長鎖一価不飽和脂肪酸を含む組成物に関する。
1つの観点において、本発明は、C20−C22長鎖一価不飽和脂肪酸の濃縮組成物を得るための方法であって、
a)C20−C22長鎖多価不飽和脂肪酸と少なくとも15重量%のC20−C22長鎖一価不飽和脂肪酸とを含む油脂組成物を、(i)C−Cアルコール及び式R(C=O)Rで示されR及びRがそれぞれ独立してC−Cアルキルであるケトンからなる群から選択される有機溶媒並びに(ii)リチウム塩と、15℃から80℃で混合して、長鎖一価不飽和脂肪酸のリチウム塩と長鎖多価不飽和脂肪酸のリチウム塩とを含む混合組成物を形成するステップと、
b)長鎖一価不飽和脂肪酸のリチウム塩が沈殿物を形成するように、ステップaで形成された混合組成物の温度を下げるステップと、
c)沈殿物を取り出して、長鎖一価不飽和脂肪酸の濃縮組成物を得るステップと、
を含む方法に関する。
本明細書で用いられている「長鎖一価不飽和脂肪酸」又は「LC−MUFA」という用語は、20〜22の炭素原子と、アルキル鎖中の1つの二重結合とを有する脂肪酸(20:1から22:1脂肪酸)を指す。同様に「長鎖多価不飽和脂肪酸」又は「LC−PUFA」という用語は、20〜22の炭素原子と、アルキル鎖中の複数の二重結合とを有する脂肪酸を指す。
更に、本明細書で用いられている「油脂組成物」という用語は、油脂それ自体(例えば、魚油)、又は、(エチル化、短行程蒸留、及び/又は超臨界流体抽出などの処理によって)そのような油脂から誘導され、少なくとも15重量%のLC−MUFAを含む材料を意味する。
油脂組成物出発材料は、少なくとも15重量%のLC−MUFA含有量を有する任意の供給源に由来してもよい。一般的に、そのような油脂組成物は、かなりのLC−PUFA含有量(例えば、5重量%以上)を含むだろう。そのような油脂は、魚、オキアミのような甲殻類、藻類、プランクトン、高等植物、又は他の任意の供給源に由来してもよい。好適な魚種は、ニシン、シシャモ、サバ、ブルーホワイティング(blue whiting)、イカナゴ、タラの内臓、及びスケトウダラの内臓を含む。
出発材料は、油脂、遊離脂肪酸(例えば、加水分解された魚油)、エチルエステルのようなモノエステル、又はそれらの混合物を含んでもよい。いずれの炭素鎖長でも飽和脂肪酸のリチウム塩は、対応する一価不飽和脂肪酸のリチウム塩と比較して有機溶媒中での溶解性が低いため、第1の分別ステップは、飽和脂肪酸(以下の実施例1及び2に説明されているように)の含有量を低減させるために実施されてもよい。エチルエステルのようなモノエステル、又は遊離脂肪酸を使用する場合、一般には、そのような出発材料は、そのような組成物からより短鎖の脂肪酸を除去するため、事前濃縮ステップ(例えば、短行路蒸留又は超臨界流体抽出)に供される。魚油の飽和脂肪酸は、比較的短い鎖長であるため(ニシン油では大部分がC14及びC16)、そのような手順は、出発材料中の飽和脂肪酸の含有量を著しく低減させる。
遊離脂肪酸は、例えば、Gudmundur G. Haraldsson and Bj5rn Kristinsson in J.Am.Oil Chem.Soc. (1998) 75: 1551 -1556に示されているように、当業者には既知のプロセスに従って、加水分解によって油脂から形成されてもよい。エチルエステルのようなモノエステルは、当業者によく知られたプロセス、例えば、ナトリウムアルコラートを触媒として使用し、副生成物として形成されるグリセロールを除去する、油脂及び対応する無水アルコールの反応によるプロセス、換言すれば、バイオディーゼルの製造のため、又は市販のオメガ−3製品の生産のための既知の技術に似た技術を使用することによって、形成されうる。
驚くことに、本発明のプロセスは、油脂のモノエステル(好適にはエチルエステル)に均等によく作用し、そして更に油脂それ自体に直接的にさえ作用する。更には、エステルを用いて始まるプロセスは、水酸化カリウム及び水酸化リチウムの混合物を使用し、効率的に実施されうることが予期せずに発見された。リチウムとカリウムとを合わせた含有量は、油脂のin situ加水分解をもたらすのに十分でなければならない、一方で、より高価な水酸化リチウムの含有量は、所望の分別度を得るのに、つまりはリチウム塩として、脂肪酸の所望の沈殿度を得るのに十分でありさえすればよい。水酸化カリウムの代わりとして、水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム等の他の塩基を使用してもよい。
本プロセスのステップaにおいて、油脂組成物は、有機溶媒の存在下でリチウム塩と混合され、長鎖一価不飽和脂肪酸のリチウム塩と長鎖多価不飽和脂肪酸のリチウム塩とを含む混合組成物が形成される。
経済的な考慮から、リチウム塩は、所望の画分を沈殿させるのに、辛うじて十分な量で、加えられると好ましい。エチルエステル又は油脂を出発材料として使用する場合、リチウム塩は、好ましくは、所望の分別のために十分な量が加えられ、そして別の塩基(水酸化カリウムのような)は、油脂を完全に加水分解するのに十分な量で加えられる。水酸化カリウムを使用する利点は、周囲のエタノール、及び水の両方に容易に溶解でき、それにより不必要に溶媒全体の体積を増加させずに溶媒中の所望の水含有量を得るための柔軟性がもたらされることにある。
使用される有機溶媒は、C−Cアルコールと、式R(C=O)Rで示され、R及びRがそれぞれ独立してC−Cアルキルであるケトンと、からなる群から選択される。好適な有機溶媒は、アセトン及びエタノールを含む。ある実施形態において、そのような有機溶媒は、少量の水(換言すれば、50重量%未満、一般的には25重量%未満)と混合されてもよい。そのような溶媒は、魚組成物1キログラムあたり、通常、0.5〜8リットル、好適には1〜4リットルの量が加えられる。有機溶媒中に任意的に含有される水に加えて、水は、加水分解及び/又は脂肪酸の沈殿を達成するために使用される水酸化リチウム及び/又は水酸化カリウム及び/又は任意の他のアルカリ物質の溶媒として、使用されてもよい。
使用され得るリチウム塩は、炭酸リチウム、重炭酸リチウム及び水酸化リチウムを含み、水酸化リチウムが好ましい。リチウム塩は、例えば、水酸化リチウム一水和物のような水和物として使用されてもよい。そのようなリチウム塩(1又は複数)は、一般的に水溶液の形態で使用される、しかしながら、そのような塩が、使用される特定の有機溶媒中に溶解可能である場合は、固形物として加えられてもよい。従って、例えば、水酸化リチウムは、エタノールを有機溶媒として使用する場合、固形物として使用されてもよい。
例として、C20:1のリチウム塩を使用すると、リチウムは、塩の重量の2.2%を構成する。従って、所望の分別を得るためには、リチウム塩は、比較的低い重量で十分である。所望の分別によって、一般的には、そのようなリチウム塩は、油脂組成物1キログラムあたり、リチウム換算で5〜70グラムの量で加えられ、好適には油脂組成物1キログラムあたり、10〜60グラムであり、更に好適には油脂組成物1キログラム当たり10〜40グラムのリチウム塩が加えられる。そのようなリチウム塩のコストのため、対応するカリウム等価物(例えば、水酸化カリウムを混合物に付加的に加えてもよい)と組み合わせて、そのような塩を使用することは、商業的な利点となり得る。
油脂組成物、リチウム塩及び有機溶媒は、長鎖一価不飽和脂肪酸のリチウム塩と長鎖多価不飽和脂肪酸のリチウム塩とが形成されるまで、混合される。そのような混合は、体積、成分の濃度、選択された特定の成分、使用されている撹拌の程度、選択された温度等のような要因により、数分以下から数時間以上までの範囲としてもよい。一般的には、成分は、気温(換言すれば、約15℃以上)から80℃の間の温度で、数分の間の時間、特に遊離脂肪酸を出発材料とする場合は24時間まで、特にエチルエステルとトリグリセリドとを出発材料とすると更に長い時間、混合される。油脂又はそのエチルエステルが出発材料として用いられる場合(遊離脂肪酸とは対照的に)、そのようなリチウム塩を生成するためには、通常、より長い混合時間が必要である。
本発明のプロセスのステップbにおいて、ステップaで形成された混合組成物は、長鎖一価不飽和脂肪酸のリチウム塩が沈殿物を形成するような条件にさらされる。一般的に、これは、気温未満の温度、好ましくは10℃以下、更に好ましくは約0℃以下までの冷却(又はそのような組成物を冷やす)を含む。より大量のリチウム塩は、非常に低い温度まで反応混合物を冷却する必要性を減少させるだろう。一価不飽和脂肪酸を取り出すための他の手順は、比較的高い温度、例えば10〜15℃で形成される沈殿物を取り出し、そして、沈殿物の1つ以上の更なる画分を取り出す前に、好適な蒸発プロセスによって、1つ以上のステップで反応混合物の体積を減少させることである。
一旦、長鎖一価不飽和脂肪酸のリチウム塩を含む沈殿物が形成されると、沈殿物は、一般に濾過によって溶液から分離され、長鎖一価不飽和脂肪酸のリチウム塩を含む組成物と、長鎖多価不飽和脂肪酸の濃縮溶液を含む濾液とが得られる。
濾液は、クエン酸、塩酸等のような酸を用いる処理によって、遊離脂肪酸(及び回収されたリチウム)へと逆変換可能な高濃度の長鎖多価不飽和脂肪酸のリチウム塩を含む。形成された遊離LC−PUFAは、更に、当業者によく知られているプロセスを使用して精製され、80重量%以上の濃度で回収され、続いて、グリセロールを使用した酵素又は化学触媒エステル化によって、トリグリセリドへと逆変換され得る。このように、本発明のプロセスは、LC−MUFAの高い含有量及びLC−PUFAの比較的低い含有量のために出発材料として一般に採用されない魚又は他の油脂から、高濃度のLC−PUFAを製造することができ、それにより、そのような高濃縮のLC−PUFA組成物を製造するために一般的に使用される魚種の十分な供給量を容易に入手できない場合に、出発材料の選択における柔軟性を高めることができる。
沈殿物は、エタノールのような溶媒を使用した再結晶化によって、任意に精製されてもよい。そのような(任意に精製された)LC−MUFA組成物は、クエン酸、塩酸、リン酸、硫酸等のような酸を用いる処理によって遊離脂肪酸へと変換される。形成された遊離LC−MUFAは、更に、当業者によく知られたプロセスを使用して精製され、70重量%以上の濃度で回収され、続いて、グリセロールを用いた酵素触媒エステル化を使用してトリグリセリドへと再変換されてもよい。他の実施形態において、遊離長鎖一価不飽和脂肪酸は、当業者によく知られているプロセスによって、エステル(それらのエチルエステルのような)、又は塩(それらのリチウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム塩等のような)へと変換することができる。
本発明のプロセスによれば、少なくとも70重量%の長鎖一価不飽和脂肪酸を含む組成物の製造が可能である。好適には、そのような組成物は、75重量%を超える、より好適には80重量%より高いLC−MUFA濃度を備える。そのようなC20−C22長鎖一価不飽和脂肪酸は、遊離脂肪酸、モノエステル(好適にはエチルエステル)、トリグリセリド、又はそれらの混合物の形態であってもよい。
本開示の各成分、化合物、置換基又はパラメータは、単独で、又は、本開示の成分、化合物、置換基、又はパラメータのそれぞれ及び他の全てのうち1つ以上と組み合わせて使用するために開示されていると解釈されうるということが理解されるべきである。
本開示の各成分、化合物、置換基又はパラメータのそれぞれの量/数値、又は量/数値の範囲は、本開示の任意の他の成分、化合物、置換基又はパラメータについて開示されている各量/数値又は量/数値の範囲と組み合わせることが開示されていると解釈されること、本開示の2以上の成分、化合物、置換基又はパラメータについてのそれぞれの量/数値、又は量/数値の範囲との任意の組み合わせも、本説明の目的のために互いに組み合わせられることも開示されていること、も理解されるべきである。
本開示の各範囲の下限は、同じ成分、化合物、置換基又はパラメータについて開示されている各範囲の上限と組み合わせて開示されているとして解釈されるべきであるということが更に理解される。このように、2つの範囲の開示は、各範囲の各下限を各範囲の各上限と組み合わせて生ずる4つの範囲の開示として解釈されるべきである。3つの範囲の開示は、各範囲の各下限を各範囲の各上限と組み合わせる等によって生ずる9つの範囲の開示として解釈されるべきである。更には、説明又は実施例で開示されている成分、化合物、置換基又はパラメータ特定の量/数値は、範囲の下限又は上限の何れかの開示であると解釈されるべきであり、それゆえ、他の場所で開示されている同じ成分、化合物、置換基又はパラメータについての任意の他の範囲の下限又は上限と、その成分、化合物、置換基又は成分の範囲を形成するために適用する際、組み合わせ得る。
(実施例)
以下の実施例は、本発明の原理に従い本発明の説明のために提供されるものであり、いかなる方法であっても、添付の請求項に示されているものを除いて、発明を限定するものと解釈されるべきではない。
以下の実施例において、特に示されている場合を除き、以下に挙げる組成を備えるニシン油を出発魚油材料として使用した。
表1、ガスクロマトグラフィによる分析に使用されたニシン油の脂肪酸組成
Figure 0006899415
実施例1 2ステップ分別:飽和脂肪酸を除去するための第1分別ステップ
加水分解された表1のニシン油に由来する1000グラムの遊離脂肪酸(FFA)を、2リットルのアセトン中に溶かした。100mlの5M LiOH(3.5gのリチウムイオン又は出発脂肪酸に対して0.35重量%に相当)を加え、40℃で一晩撹拌した後、追加のアセトンを2リットル加え、反応混合物をアイスバス内で4時間冷却した。形成された沈殿物は、飽和脂肪酸が濃縮されており、濾過によって除去し、廃棄した。
濾液を、クエン酸を用いて酸化し、残留するアセトン/水溶液から遊離脂肪酸が分離相を形成するように、ロータリーエバポレータにより真空下でアセトンの一部を除去した。遊離脂肪酸を、分液漏斗を使用して取り除き、pH5〜6となるまで、水で複数回洗浄した。遊離脂肪酸相を、安定した重量が得られるまで、ロータリエバポレータにより真空下で処理した。この方法で、798.5gの遊離脂肪酸が分離された。この画分の脂肪酸組成を、表2に示す。分析後、この遊離脂肪酸混合物(786.7g)を、1.6リットルのアセトンに溶かした。LiOH(472ml 5M、16.4gのリチウムイオンに相当、又は遊離脂肪酸に対して2.1重量%)を撹拌しながら加えた。40℃で一晩撹拌した後、1.6リットルの追加のアセトンを加え、反応混合物をアイスバスで4時間冷却し、濾過した。
アセトン濾液を、クエン酸を用いて酸化し、遊離脂肪酸トリグリセリドオメガ−3濃縮物(185g)を、上述した手順を用いて分離した。濃縮物の脂肪酸組成を、表2に示す。
分離されたリチウム塩を含む濾液を、エタノールから再結晶化した。再結晶化塩の酸性化後、373gのMUFA高濃縮物が得られた。再結晶化後のMUFA濃縮物の脂肪酸組成を、表2に示す。
表2:ガスクロマトグラフィによって分析された濃度(パーセント)
Figure 0006899415
再結晶化MUFA濃縮物を、ラボラトリ短行路蒸留器(Leybold KDL 4)を使用して、2回蒸留した。1回目の蒸留時(120℃、10〜10mbar)、短鎖長の脂肪酸を除去するため、28.3%の蒸留物を廃棄した。この蒸留物からの残留物を、185℃で蒸留し、80.6%の蒸留物を生成物として得た(165.8g)。
FFA濃縮物は、グリセロールを用いた酵素を触媒とするエステル化により、トリグリセリドへ変換された。トリグリセリドとしてのMUFA濃縮物の酸性組成物を、表3に示す。当業者は、酵素を触媒とするエステル化工程は、脂肪酸組成に何の影響も与えず、そのため、表3は、FFA濃縮物の脂肪酸組成も表すことを理解している。
表3:ニシン油由来のLC−MUFAのTG濃縮物の脂肪酸組成
分析は、タラ肝油についてPh. Eur. monograph number 1192で説明されているものと同様のガスクロマトグラフィ温度勾配(temperature gradient)を使用して実施する。
Figure 0006899415
MUFAトリグリセリド生成物は、完全に無味であり、観測できる臭いもなかった。当業者は、必要であれば、製品の感覚的な特性を更に改善するために脱臭処理を用い得ること理解するであろう。濃縮物の品質の特性を、表4に示す。
当業者は、酵素を触媒とするエステル化により、サンプル中の不けん化(UFS)物又はコレステロールの含有量が変わり得ないことを理解している。出発油脂(それぞれ78及び96%)と比較したこれらの2つの特徴の減少は、脂肪酸分別プロセスによって生ずる。従って、本プロセスは、MUFAの非常に高い濃縮物を製造するために効果的であるだけでなく、コレステロールを含み、UFSが非常に少ないという濃縮物を製造するためにも効果的である。
それらの親油性により、DDT、PCB、ダイオキシン及びPBDEのような汚染物は、コレステロールと同程度まで、UFS画分に伴うことが予測される。本発明に従って得られたMUFA濃縮物は、それゆえ、通常の食事ではこれらの脂肪酸に付随する有害な環境汚染物を含まない、価値のあるLC−MUFAを提供するという点において独特であると理解される。表4は、生成物は、酸化物の含有量が非常に低いことも示す。
表4:MUFAのトリグリセリド(TG)濃縮物の組成
Figure 0006899415
得られたMUFA生成物と出発魚油材料とを、残留性有機汚染物質の含有量について分析した。その分析結果を、以下の表4Aに示す。
Figure 0006899415
北大西洋産ニシン油は、オメガ−3濃縮物の製造で通常使用される南アメリカ産魚油と比較して高いレベルのPOPを含むということが知られている。これにも関わらず、そのようなニシン油を出発油脂として使用し、そしてPOP含有量を減少させるための油脂の事前処理を何も行わない場合に、本発明は、そのような汚染物質が非常に少ないMUFA生成物の製造を可能とする。一般に、POPレベルは、出発材料と比較して90%を超えて低減する。上記の実施例において、出発ニシン油は、EUにおける食品用の海洋油脂中のPOPの許容限界値に適合していなかったが、MUFAトリグリセリド生成物は、これらの許容限界値を大きく下回るPOP含有量であった。
実施例2
反応混合物をアイスバス中に4時間置く前に、表1のニシン油に由来する遊離脂肪酸1352.5gを、710mlのアセトン、36mlの5M LiOH水溶液に溶かし、40℃で一晩撹拌した。形成された沈殿物は、飽和脂肪酸が濃縮されており、濾過により除去し、廃棄した。クエン酸を用いて酸性化した後、実施例1に説明する手順を用い、223.5gの遊離脂肪酸油脂を回収した。
反応混合物をアイスバス中に4時間置く前に、この油脂50gを、アセトン200mlとLiOH(水溶液)35mlと共に一晩撹拌させることによる更なる分別ステップに供した。形成された沈殿物は、濾過した。クエン酸水溶液を用いた濾液の酸性化と、実施例1のような分離により、表5(生成物2a)に示される組成を備えるMUFA濃縮物(34.1g)が得られた。濾液の酸性化と実施例1の手順に従った処理は、表5、生成物2bに示される組成を備えるオメガ−3濃縮物が回収された。当業者は、例えば、上述した短行路蒸留及び再結晶化を用いて、これらの濃縮物を更に精製可能であることを理解している。(SFA=飽和脂肪酸)
表5:2ステップリチウム分別の結果。GCエリア%における結果。
Figure 0006899415
実施例3:ニシン油の蒸留エチルエステルでの分別
表1のニシン油のエチルエステルにおける飽和脂肪酸の含有量は、短鎖脂肪酸(飽和C14:0及びC16:0を含む)を91℃、10−4mbarの圧力で蒸留により除去するためラボラトリ短行路蒸留器(Leybold KDL 4)を使用することで、減少した。蒸留物(30重量%)は廃棄した。蒸留の残留物は、表6に示す脂肪酸組成を有していた。
蒸留の残留物850gを、アセトン1700mlに溶かした。混合物は、5M KOH水溶液520ml、5M LiOH水溶液1280ml及び、更にアセトン1700mlを加えながら、撹拌した。40℃で一晩撹拌した後、反応混合物を約4時間アイスバス中に置いた。
濾過後、濾液を酸性化し、溶解している脂肪酸塩を遊離脂肪酸へと変換した。回収されたオメガ−3リッチな脂肪酸(182g)の組成を、表6に示す。
そして、軽及び重副生成物を除去するため、回収されたエチルエステルの2ステップ短行路蒸留を実施した。第1の蒸留ステップ:130℃、10−4mbar、蒸留物約11%、残留物約89%。第2の蒸留ステップを、第1のステップの残留物で実施した(182℃、10−4mbar、蒸留物約97.8%、残留物約2.2%)。
最終蒸留物150.6gは、オメガ−3脂肪酸が濃縮されていた。蒸留されたオメガ−3濃縮物の組成を、表6に示す。オメガ−3濃縮物は、78%のオメガ−3脂肪酸を含んでいた。当業者は、濃度は、既知の技術に従って更に濃度を増加可能であることを理解している。
表6:実施例3の脂肪酸の分析(ガスクロマトグラフィエリア%)
Figure 0006899415
窒素を流して溶媒の大半を除去した後の濾過の沈殿物は、1890gの重量であった。この材料100gを、エタノール(96%)100ml中で再結晶化した。再結晶化リチウム塩は、クエン酸を用いて酸性化され、MUFA遊離脂肪酸の濃縮物22.7gを回収した。これは、仮に全ての材料が再結晶化された場合、429gの濃縮物に相当する。
再結晶化前後のMUFA濃縮物の脂肪酸組成を、表6に示す。再結晶化MUFA濃縮物は、88%のMUFA含有量と、僅か0.1%のオメガ−3脂肪酸(再結晶前の4.5%から減少)を含有する。後者の特性は、生成物からの酸腐臭の進行、及び「魚」臭を回避するために重要である。
実施例4:溶媒としてエタノールを使用したニシン油の蒸留エチルエステルでの分別
実施例3と同じバッチの出発材料(蒸留によって短鎖脂肪酸が除去されているエチル化ニシン油)を、実施例4において用いた。実施例4は、実施例3では850mlであるのに代えて100gのエチルエステルで開始した。実施例3との比較が可能なように、試薬及び溶媒の体積を、ほぼ同じ比で減少させた(200+200mlエタノール(96%)200+200ml、5M KOH60ml、5M LiOH160ml)。その他の反応条件は、実施例3に記載の通りである。
濾過によるリチウム塩の除去後、エタノール溶液の酸性化後に、遊離脂肪酸29.1gを得た。沈殿した塩の酸性化は、44.6gの遊離脂肪酸の分離をもたらした(脂肪酸塩は再結晶化せず)。2つの生成物の脂肪酸組成は、表7で見られる。
その結果から、エタノールでの分別は、同じ体積のアセトンを使用した分別よりも、LC−MUFAがよりリッチなMUFA濃縮物が得られるということがわかる。予期せず、C18:1は、エタノールを溶媒として使用した場合、同じ体積のアセトンと比較して、より少ない程度に沈殿した。
これにより、副産物として、地中海ダイエット由来の価値のある脂肪酸と考えられているオレイン酸(C18:1n9)を相当量含有するオメガ−3濃縮物が得られる。このように、エタノールでの分別は、有益なオメガ−3脂肪酸とオレイン酸とが濃縮された濃縮物が得られ、加えてLC−MUFAが濃縮された別の濃縮物を得ることができる。
表7:実施例4の脂肪酸分析(ガスクロマトグラフエリア%)
Figure 0006899415
実施例5
溶媒としてエタノールを使用したニシン油の蒸留エチルエステルでの分別
表8のニシン油のエチルエステル中の飽和脂肪酸含有量を、短行路蒸留(VTA、脱気装置を備えるモデルVK83−6−SKR−G)のパイロットプラント設備を使用し、実施例3での説明と同様の方法で減少させた。蒸留は、113℃の温度、7.kg/hのフロー、0.01mbarの真空下で実施した。短鎖脂肪酸の除去後のエチルエステルの組成は、得られたMUFA濃縮物の脂肪酸組成と共に、表8に示す。
MUFA濃縮物は、以下の方法で得られた。
短鎖脂肪酸エチルエステルの除去後、非蒸留残留物の約50gの部分を、50mlの96%エタノールと混合し、そして、
A:25mlの5M KOH(水溶液)、及び分別に使用するエチルエステル組成物1kgあたり、リチウム換算で45gに相当する65mlの5M LiOH(水溶液)、
B:15mlの5M KOH(水溶液)、及びエチルエステル組成物1kgあたり、リチウム換算で52gに相当する75mlの5M LiOH(水溶液)、
C:5mlの5M KOH(水溶液)、及びエチルエステル組成物1kgあたり、リチウム換算で59gに相当する85mlの5M LiOH(水溶液)、
反応混合物を40℃で2時間撹拌し、アイスバスで冷却した。実用上の理由から、冷却は一晩続けた。
沈殿物は、濾過によって除去した。HCl(4M)を酸性化のために加え、得られた混合物を、液体の遊離脂肪酸相の分離を起こすために、撹拌しながら穏やかに加熱した。遊離脂肪酸相は、少量の水を除去するために、ロータリーエバポレータにおいて真空下で処理された。生成物は、GCで分析された。結果は、表8に示す。
収量(出発エチルエステル混合物についてC20の平均鎖長から算出され、加水分解から遊離脂肪酸への理論収率は92%である):
A:25.9g(出発材料としてのエチルエステル50.6gに基づくと56%)
B:27.4g(出発材料としてのエチルエステル49.8gに基づくと60%)
C:25.3g(出発材料としてのエチルエステル50.3gに基づくと55%)
沈殿物の除去後、濾液を、4M HCl(4M)を用いて酸性化した。液体遊離脂肪酸相を得るために、撹拌しながら穏やかに加熱した。遊離脂肪酸相は、少量の水で洗浄し、そして、遊離脂肪酸相をロータリーエバポレータで乾燥させた。得られたオメガ−3脂肪酸とオレイン酸(C18:1n9)の濃縮物の組成を、表8に示す。
収量(出発エチルエステル混合物についてC20の平均鎖長から算出され、加水分解から遊離脂肪酸への理論収率は92%である):
A:11.5g(出発材料としてのエチルエステル50.6gに基づくと25%)
B:8.7g(出発材料としてのエチルエステル49.8gに基づくと19%)
C:9.1g(出発材料としてのエチルエステル50.3gに基づくと20%)
収量について、少量の材料であるため、中間体及び生成物の変換中のマテリアルロスの量が、大規模な装置で同じ反応を実施する場合と比較して、パーセントベースでより大きくなることを当業者は理解するだろうということに留意されたい。
表から理解できるように、MUFA濃縮物の組成は、実験A、B、Cを通じて著しい変化はない。明細書中及び実施例1で述べた様に、得られた遊離酸の酸性化と分離との前に、沈殿したリチウム塩を再結晶化させることは、MUFA含有量を増加させ、これらのMUFA濃縮物のPUFA含有量を減少させた。
MUFA濃縮物と同時に形成されたPUFA濃縮物について、沈殿剤としてのリチウムイオンの量の増加に伴い、オメガ−3脂肪酸の濃度の有意な増加が観察されうる。対照的に、オメガ−6脂肪酸の濃度は、リチウムの量の増加に伴い、驚くほど一定を維持する。これは、PUFA濃縮物の形成のための尿素分画の一般的な使用とは対照的である。尿素分画中に、残念なことにオメガ−6脂肪酸は、対応するオメガ−3脂肪酸よりも多く濃縮される。このようにリチウム分別は、驚くことに、尿素分画で得られ得るものと比較して、より高く、そしてこのようにより有益な、オメガ−3/オメガ−6比を備えるPUFA濃縮物を製造するために使用することができる。
表8:GCエリア%における結果
Figure 0006899415
実施例6
魚油の直接分別
水産油脂は脂肪酸組成が非常に複雑であるがゆえ、長鎖オメガ−3脂肪酸の高い濃縮物は、商業的な規模では、いずれの単一の分別技術によっても簡単に得ることはできない。オメガ−3濃縮物の商業的な生産は、エタノールを用いた油脂のエステル交換で、又は、油脂を加水分解して遊離脂肪酸又はそれらの塩とすることにより、出発する。この慣行に反し、魚油それ自体を、本プロセスの出発材料として直接使用することができる。
表1のニシン油(つまり、TG状のオリジナル油脂)49.4gを、100mlのエタノール(96%)に溶かした。撹拌しながら、5M KOH30mlを加え、続いて、5M LiOH40mlと、追加量のエタノール(96%)100mlを加えた。反応物は、40℃で一晩撹拌し、その後、濾過の前にアイスバスで4時間冷却した。脂肪酸濃縮物を、上述した実施例と同じ方法で、沈殿したリチウム塩と溶解したカリウム/リチウム塩とから分離した。
生成物の組成を、表9に示す。上記の実施例と同様に、リチウム塩LC−MUFA濃縮物の再結晶化は、オメガ−3含有量を1%未満のレベルまで低減することができた。蒸留を使用し魚油のようなトリグリセリド油脂を分別することは不可能であるが、2つの初期の濃縮物が、事前に蒸留された出発材料から製造された濃縮物よりも、短鎖脂肪酸を多く含有することが観察され得る。しかしながら、当業者は、短行路蒸留又は他の既知の技術を用いて、表9の濃縮物を更に処理することで、C14及びC16脂肪酸の含有量を低減させることができることを理解するだろう。
Figure 0006899415
[付記1]
a)C20−C22長鎖多価不飽和脂肪酸と、少なくとも15重量%のC20−C22長鎖一価不飽和脂肪酸とを含む油脂組成物を、(i)C−Cアルコール及び式R(C=O)Rで示されR及びRがそれぞれ独立してC−Cアルキルであるケトンからなる群から選択される有機溶媒並びに(ii)リチウム塩と、55℃〜80℃で混合して、前記長鎖多価不飽和脂肪酸のリチウム塩と前記長鎖一価不飽和脂肪酸のリチウム塩とを含む混合組成物を形成するステップと、
b)前記長鎖一価不飽和脂肪酸の前記リチウム塩が沈殿物を形成するように、ステップaで形成された前記混合組成物の温度を下げるステップと、
c)前記沈殿物を取り出して、長鎖一価不飽和脂肪酸の濃縮組成物を得るステップを、
を含む、C20−C22長鎖一価不飽和脂肪酸の濃縮組成物を得るための方法。
[付記2]
前記油脂組成物は、魚、甲殻類、藻類、プランクトン、又は高等植物に由来する、
ことを特徴とする付記1に記載の方法。
[付記3]
前記油脂組成物は、遊離脂肪酸及び脂肪酸モノエステルからなる群から選択される1つを含む、
ことを特徴とする付記1又は2に記載の方法。
[付記4]
前記脂肪酸モノエステルは、エチルエステルを含む、
ことを特徴とする付記3に記載の方法。
[付記5]
前記油脂組成物は、飽和脂肪酸及び/又はより短鎖の脂肪酸の濃度を低減させるために、事前分別ステップに供される、
ことを特徴とする付記1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
[付記6]
追加の塩基が、ステップaにおいて加えられる、
ことを特徴とする付記1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
[付記7]
前記追加の塩基は、水酸化カリウムである、
ことを特徴とする付記6に記載の方法。
[付記8]
前記有機溶媒は、エタノール及びアセトンからなる群から選択される、
ことを特徴とする付記1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
[付記9]
前記溶媒は、油脂組成物1kgあたり0.5〜8リットルの量が加えられる、
ことを特徴とする付記1乃至8のいずれか1項に記載の方法。
[付記10]
前記リチウム塩は、炭酸リチウム、重炭酸リチウム、及び水酸化リチウムからなる群から選択される、
ことを特徴とする付記1乃至9のいずれか1項に記載の方法。
[付記11]
前記リチウム塩は、水酸化リチウムを含む、
ことを特徴とする付記10に記載の方法。
[付記12]
前記リチウム塩は、油脂組成物1kgあたり、リチウム換算で、5〜70グラムの量が加えられる、
ことを特徴とする付記1乃至11のいずれか1項に記載の方法。
[付記13]
混合された前記組成物は、ステップbにおいて、10℃以下に冷却される、
ことを特徴とする付記1乃至12のいずれか1項に記載の方法。
[付記14]
前記油脂組成物は、魚油組成物である、
ことを特徴とする付記1に記載の方法。
[付記15]
PCBの含有量によって測定される残留性有機環境汚染物質の含有量は、出発時の前記油脂組成物と比較して、90%より多く減少する、
ことを特徴とする付記1乃至14のいずれか1項に記載の方法。
[付記16]
少なくとも70重量%のC20−C22長鎖一価不飽和脂肪酸を含む組成物。
[付記17]
前記組成物は、少なくとも80重量%のC20−C22長鎖一価不飽和脂肪酸を含む、
ことを特徴とする付記16に記載の組成物。
[付記18]
前記組成物は、遊離C20−C22長鎖一価不飽和脂肪酸を含む、
ことを特徴とする付記16又は17に記載の組成物。
[付記19]
前記組成物は、C20−C22長鎖一価不飽和脂肪酸のモノエステルを含む、
ことを特徴とする付記16又は17に記載の組成物。
[付記20]
前記組成物は、C20−C22長鎖一価不飽和脂肪酸のトリグリセリドを含む、
ことを特徴とする付記16又は17に記載の組成物。

Claims (18)

  1. 20 −C 22 長鎖一価不飽和脂肪酸の濃縮組成物とC 20 −C 22 長鎖多価不飽和脂肪酸の濃縮組成物とを製造するための方法であって、
    a)5重量%以上のC20−C22長鎖多価不飽和脂肪酸と、少なくとも15重量%のC20−C22長鎖一価不飽和脂肪酸とを含む油脂組成物を、(i)C−Cアルコール及び式R(C=O)Rで示されR及びRがそれぞれ独立してC−Cアルキルであるケトンからなる群から選択される有機溶媒並びに(ii)リチウム塩と、15℃〜80℃で混合して、前記長鎖多価不飽和脂肪酸のリチウム塩と前記長鎖一価不飽和脂肪酸のリチウム塩とを含む混合組成物を形成するステップと、
    b)前記長鎖一価不飽和脂肪酸の前記リチウム塩が沈殿物を形成するように、ステップaで形成された前記混合組成物の温度を下げるステップと、
    c)溶液から前記沈殿物を分離して、前記沈殿物から濃縮された長鎖一価不飽和脂肪酸の組成物を得て、前記溶液から濃縮された長鎖多価不飽和脂肪酸の組成物を得るステップと、
    を含み、
    前記C 20 −C 22 長鎖一価不飽和脂肪酸の濃縮組成物における前記C 20 −C 22 長鎖一価不飽和脂肪酸の重量%は、前記油脂組成物における前記C 20 −C 22 長鎖一価不飽和脂肪酸の重量%より高く、
    前記C 20 −C 22 長鎖多価不飽和脂肪酸の濃縮組成物の前記C 20 −C 22 長鎖多価不飽和脂肪酸の重量%は、前記油脂組成物における前記C 20 −C 22 長鎖多価不飽和脂肪酸の重量%より高い、20−C22長鎖一価不飽和脂肪酸の濃縮組成物とC20−C22長鎖多価不飽和脂肪酸の濃縮組成物とを製造するための方法。
  2. ステップaにおいて前記リチウム塩の量を増加させた場合に、前記長鎖多価不飽和脂肪酸の組成物は、増加されたオメガ−3/オメガ−6比を含む、
    ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記長鎖多価不飽和脂肪酸の組成物は、出発時の前記油脂組成物と比較して増加されたオメガ−3/オメガ−6比を含む、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記油脂組成物は、魚、甲殻類、藻類、プランクトン、又は高等植物に由来する、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記油脂組成物は、魚油組成物に由来する、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記油脂組成物は、遊離脂肪酸及び脂肪酸モノエステルからなる群から選択される1つを含む
    ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記油脂組成物は、飽和脂肪酸及び/又はC20より短鎖の脂肪酸の濃度を低減させるために、事前分別ステップに供される、
    ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の方法。
  8. 追加の塩基が、ステップaにおいて加えられる
    ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の方法。
  9. 追加の塩基が、ステップaにおいて加えられ、
    前記追加の塩基は水酸化カリウムである、
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記有機溶媒は、エタノール及びアセトンからなる群から選択される
    ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記有機溶媒は、エタノール及びアセトンからなる群から選択され、
    前記溶媒は油脂組成物1kgあたり0.5〜8リットルの量が加えられる、
    ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記リチウム塩は、炭酸リチウム、重炭酸リチウム、及び水酸化リチウムからなる群から選択され
    ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記リチウム塩は水酸化リチウムを含む、
    ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記リチウム塩は、油脂組成物1kgあたり、リチウム換算で、5〜70グラムの量が加えられる、
    ことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の方法。
  15. ステップaにおいて、前記リチウム塩は、ステップbにおいて前記長鎖一価不飽和脂肪酸の前記リチウム塩の沈殿物を形成するために、必要なだけ添加される、
    ことを特徴とする請求項1乃至1のいずれか1項に記載の方法。
  16. ステップcで得られた前記沈殿物を分離した後の前記溶液は、少なくとも50重量%のC20−C22長鎖多価不飽和脂肪酸を含む、
    ことを特徴とする請求項1乃至1のいずれか1項に記載の方法。
  17. ステップcで得られた前記沈殿物を分離した後の前記溶液を更に精製して、80重量%以上の濃度のC20−C22長鎖多価不飽和脂肪酸を回収する、
    ことを特徴とする請求項1乃至1のいずれか1項に記載の方法
  18. 前記長鎖一価不飽和脂肪酸の組成物中における、PCBの含有量によって測定される残留性有機環境汚染物質の含有量は、出発時の前記油脂組成物と比較して、90重量%より多く減少する、
    ことを特徴とする請求項1乃至1のいずれか1項に記載の方法。
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