JP2010533494A5 - - Google Patents

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核酸の指数関数的増幅のためのニック形成および伸長増殖
本発明は、一般に、一定温度における短鎖のDNAまたはRNA配列の迅速な指数関数的増幅を対象とする。
関連出願
参照され、参考としてその全体が本明細書に援用される、2007年7月14日に出願された「Nicking and Extension Amplification Reaction for the Exponential Amplification of Nucleic Acids」という名称の米国特許出願第11/778,018号の優先権を主張する。
有害な分子種の存在を迅速に検出することも、対象領域の遺伝子配列を迅速に決定することも可能なシステムに対する必要が急激に高まるにつれ、in vitro診断法の分野が急速に拡大しつつある。現在の分子診断法は、バイオマーカーの検出を中心とし、小分子検出、免疫ベースのアッセイ、および核酸検査を含む。2本の相補的であるかまたは実質的に相補的な核酸鎖間における生来の特異性により、固有のDNAまたはRNAを用いる迅速で特異的な認識が可能となり、その単純さは、核酸検査を有望なものとしている。細菌性およびウイルス性の危険な作用物質、遺伝子改変された食品、および疾患管理のための単一塩基多型の同定は、これらの分子診断ツールの発展が極めて有利となるいくつかの領域に過ぎない。これらの高まる必要を満たすために核酸増幅法が開発され、これらの特異性および感度の必要に合わせて調整されている。
歴史的に、最も一般的な増幅法は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)であり、これは、その信頼性および特異性のために、多くの場合において、検出法のゴールドスタンダードとなっている。この技法は、dsDNAを変性させるステップと、短鎖オリゴヌクレオチドプライマーをアニールするステップと、熱安定性ポリメラーゼにより鋳型に沿ってプライマーを伸長させるステップとを経るのに、温度循環を必要とする。工学における多くの新規の発展は、これらの反応時間を20〜30分間まで短縮するのに成功したが、これらのサーモサイクリングユニットの必要を満たすには、なお大幅な累乗倍の必要が存在する。
温度循環に対する必要を回避するために、各種の等温増幅法が開発されてきた。DNAおよびRNAの等温増幅法は、この要求から出現した。
転写媒介増幅(TMA)は、RNアーゼ活性を有する逆転写酵素、RNAポリメラーゼ、および5’末端においてプロモーター配列を有するプライマーを用いる。逆転写酵素がプライマーからcDNAを合成し、RNA標的を分解し、逆方向プライマーの結合後に第2鎖を合成する。次いで、RNAポリメラーゼがdsDNAのプロモーター領域に結合し、さらなる逆転写の鋳型として用い得る新規のRN転写物を転写する。該反応は、20〜30分間で10億倍の増幅をもたらし得る。このシステムは、他のDNA増幅法ほどに頑健でなく、したがって、無菌の実験室外におけるRNアーゼの遍在のために、現場で展開可能な検査ではない。この増幅法は、自家持続配列複製(3SR)および核酸配列ベース増幅(NASBA)と極めて類似するが、用いられる酵素が異なる。
単一プライマー等温増幅(SPIA)もまた、複数のポリメラーゼおよびRNアーゼHを伴う。まず、逆転写酵素が、RNA標的に沿ってキメラプライマーを伸長させる。RNアーゼHが該RNA標的を分解し、DNAポリメラーゼにcDNAの第2鎖を合成させる。次いで、RNアーゼHがキメラプライマーの一部を分解してcDNAの一部を放出し、結合部位を開放して次のキメラプライマーに結合させ、増幅過程は再度該サイクルを経る。該直鎖状増幅システムが増幅できるRNA標的は、約3.5時間において極めて低レベルである。
Q−ベータレプリカーゼシステムは、プローブ増幅法である。最適の標的と相補的であるかまたは実質的に相補的なプローブ領域を、Q−ベータレプリカーゼの天然鋳型であるMDV−1 RNA内に挿入する。Q−ベータ法は、合成される産物がそれ自体Q−ベータレプリカーゼの鋳型であるようにMDV−1プラスミドを複製する結果、鋳型とすべき余剰のレプリカーゼが存在する限り、指数関数的な増幅がもたらされる。Q−ベータ複製工程は、極めて高感度であるが、標的が存在するかどうかにかかわらず増幅が可能であるため、非特異的に結合した複製プラスミド試料をパージする複数回の洗浄ステップが必要とされる。指数関数的増幅の所要時間は約30分間であるが、すべての洗浄ステップを含む総所要時間は約4時間である。
多数の等温DNA増幅法もまた開発されてきた。ローリングサークル増幅(RCA)は、プラスミドおよびウイルスの天然の複製に基づいて開発された。プライマーが、環状の鋳型に沿って伸長する結果として、一本鎖タンデムリピートが合成される。標的の存在下で鋳型を選択的に環状化させ、バックグラウンドの増幅を低減するためには、捕捉ステップ、洗浄ステップ、およびライゲーションステップが必要である。分岐増幅(RAM)は、さらなる幾何級数的増幅のためのカスケーディングプライマーを添加する。この技法は、二本鎖または一本鎖の非特異的なサイズの増幅を伴う。
ヘリカーゼ依存性増幅(HDA)は、熱安定性ヘリカーゼ(Tte−UvrD)を活用してdsDNAの二本鎖を解くことで一本鎖を作製し、次いで、これがポリメラーゼによるプライマーのハイブリダイゼーションおよび伸長に用いられる。熱安定性HDA法は、非熱安定性HDAが必要とする付属タンパク質を必要としない。該反応は単一温度で実施することができるが、初期の熱変性によりプライマーを結合させることで、より多くの産物がもたらされる。70〜120塩基対長の産物を増幅するための反応時間が、1時間を超えることが報告されている。
ループ媒介増幅(LAMP)は、鎖置換能を有する熱安定性ポリメラーゼと、4つ以上のプライマーとを用いる、高感度で特異的な等温増幅法である。プライマーは、標的に沿って、順方向および逆方向の方向に連続的にアニールするよう設計されている。外側プライマーの伸長が、伸長した内側プライマーを置換して一本鎖を放出する。各プライマーは、置換されると、ヘアピンへと閉じて自己プライミングおよびさらなるポリメラーゼ伸長
を容易にする、ヘアピン端部を有するように設計される。さらなるループプライマーにより、増幅時間を短縮させることができるが、反応混合物が複雑となる。全体として、LAMPは、増幅工程を進めるために標的にアニールしなければならない複数のプライマーにより極めて特異的であることが報告されているが、多重増幅する、すなわち、一度に複数の標的配列を増幅することが困難な増幅法である。反応は等温条件下で進行するが、二本鎖標的には、初期の熱変性ステップが必要とされる。増幅は25〜50分間で進行し、ラダーパターンの多様な長さの産物をもたらす。
鎖置換増幅(SDA)は、1992年にWalkerらにより開発された。この増幅法は、2セットのプライマーと、鎖置換ポリメラーゼと、制限エンドヌクレアーゼとを用いる。バンパープライマーを用いて初期に伸長したプライマーを置換して一本鎖を作製し、次のプライマーに結合させる。制限部位は、プライマーの5’側領域内に存在する。合成された産物内にチオール修飾されたヌクレオチドを組み込み、合成された鎖の切断を阻害する。この修飾により、ポリメラーゼによる伸長が可能な該鎖のプライマー側にニック形成部位が作製される。この手法は、二本鎖標的に対する初期の熱変性ステップを必要とする。次いで、反応は、二本鎖標的領域の融点未満の温度で実行される。この方法を用いると、60〜100塩基対長の産物が、通常、30〜45分間で増幅される。
これらおよび他の増幅法は、例えば、非特許文献1;非特許文献2;非特許文献3;非特許文献4;および非特許文献5で論じられている。これらの一般的な増幅法についての他の参考文献は、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10、特許文献11、特許文献12;ならびに米国特許公開第20030082590号、同第20030138800号、同第20040058378号、および同第20060154286号を含む。
米国特許第7112423号明細書 米国特許第5455166号明細書 米国特許第5712124号明細書 米国特許第5744311号明細書 米国特許第5916779号明細書 米国特許第5556751号明細書 米国特許第5733733号明細書 米国特許第5834202号明細書 米国特許第5354668号明細書 米国特許第5591609号明細書 米国特許第5614389号明細書 米国特許第5942391号明細書
VanNess, Jら、PNAS、2003年、第100巻、第8号、4504〜4509頁 Tan, E.ら、Anal. Chem.、2005年、第77巻、7984〜7992頁 Lizard, P.ら、Nature Biotech.、1998年、第6巻、1197〜1202頁 Notomi, T.ら、NAR、2000年、第28巻、第12号、e63頁 Kurn, N.ら、Clin. Chem.、2005年、第51巻、第10号、1973〜1981頁
本明細書では、例えば、鎖置換増幅反応などの従来の増幅反応よりも短い配列をより迅速な時間枠において増幅するニック形成反応および伸長反応に依存する、標的の核酸配列を増幅する方法が提供される。本発明の実施形態は、例えば、等温条件下において、標的配列を増幅する2つだけの鋳型と、1つまたは2つのニック形成酵素と、ポリメラーゼとを用いる反応を含む。例示的な実施形態において、ポリメラーゼおよびニック形成酵素は好熱性であり、反応温度はハイブリダイズされる標的領域の融点を大きく下回る。ニック形成酵素は、二本鎖である二重鎖中のただ1本の鎖にニックを形成するため、従来の鎖置換増幅の場合のような修飾ヌクレオチドの組込みは不要である。本発明の方法では、初期の熱変性ステップが必要とされない。反応の単純さにより、例示的な実施形態において、反応は極めて実行しやすく、サーモサイクラーなどの特別の装置を必要とせず、わずか約2.5〜約10分間でゲノムDNAに由来する20〜30merの産物を10から1010倍に増幅することが可能である。さらに、他の例示的な実施形態において、該方法には、別個の逆転写ステップなしに、RNAを増幅することが可能である。
したがって、本発明の第1の実施形態では、二本鎖核酸の標的配列を増幅する方法であって、ポリメラーゼが順方向および逆方向の鋳型を標的配列に沿って伸長させて二本鎖ニック形成部位を作製し、ニック形成酵素が前記ニック形成部位においてニックを形成して増幅産物を作製する複数のサイクルにより増幅が実行される条件下において;センス鎖およびアンチセンス鎖を有する二本鎖標的配列を含む標的のDNA分子を順方向鋳型および逆方向鋳型と接触させるステップであって、前記順方向鋳型が、該標的配列のアンチセンス鎖の3’末端と相補的であるかまたは実質的に相補的な3’末端における認識領域と、前記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、前記ニック形成酵素結合部位および前記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含む核酸配列を含み;前記逆方向鋳型が、該標的配列のセンス鎖の3’末端と相補的であるかまたは実質的に相補的な3’末端における認識領域と、前記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、前記ニック形成酵素結合部位および前記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含むヌクレオチド配列を含むステップと;前記順方向鋳型の該ニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、前記標的配列内においてはニックを形成しない、第1のニック形成酵素を提供するステップと;前記逆方向鋳型の該ニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、前記標的配列内においてはニックを形成しない、第2のニック形成酵素を提供するステップと;DNAポリメラーゼを提供するステップとを含む方法が提供される。
本発明の特定の実施形態において、DNAポリメラーゼは、好熱性ポリメラーゼである。本発明の他の例において、該ポリメラーゼおよび前記ニック形成酵素は、37℃、42℃、60℃、65℃、70℃、75℃、80℃、または85℃までの温度において安定である。特定の実施形態において、該ポリメラーゼは、60℃まで安定である。該ポリメラーゼは、例えば、Bst(大断片)、9°N、Vent(登録商標)(エキソ)DNAポリメラーゼ、Therminator、およびTherminator IIからなる群から選択することができる。
ニック形成酵素は、例えば、ニック形成酵素結合部位の上流においてニックを形成することもあり、例示的な実施形態において、ニック形成酵素は、ニック形成酵素結合部位の下流においてニックを形成することもある。特定の実施形態において、順方向および逆方
向の鋳型は、同一のニック形成酵素により認識されるニック形成酵素結合部位を含み、前記第1および前記第2のニック形成酵素は同一である。ニック形成酵素は、例えば、Nt.BspQI、Nb.BbvCi、Nb.BsmI、Nb.BsrDI、Nb.BtsI、Nt.AlwI、Nt.BbvCI、Nt.BstNBI、Nt.CviPII、Nb.Bpu10I、およびNt.Bpu10Iからなる群から選択することができる。
本発明の特定の態様において、標的配列は、前記順方向鋳型認識領域と前記逆方向鋳型認識領域とのヌクレオチド和よりも1〜5ヌクレオチド多く含む。
DNA分子は、例えば、ゲノムDNAであり得る。DNA分子は、例えば、プラスミドDNA、ミトコンドリアDNA、およびウイルスDNAからなる群から選択することができる。特定の実施形態において、順方向鋳型は、逆方向鋳型と同じ濃度で提供される。他の例において、順方向鋳型は、1:100〜100:1の比の範囲にある逆方向鋳型に対する比で提供される。
本発明の他の例において、該方法は、第2のポリメラーゼの使用をさらに含む。増幅は、例えば、一定温度で実施される。この温度は、例えば、54℃〜60℃であり得る。反応が生じる時間について述べると、特定の例において、増幅反応は、1〜10分間にわたり一定温度に保たれる。
本発明は、例えば、ゲル電気泳動、質量分析、SYBR I蛍光、SYBR II蛍光、SYBR Gold、Pico Green、TOTO−3、挿入色素検出、FRET、分子ビーコン検出、表面捕捉、キャピラリー電気泳動、捕捉による検出を可能とする標識ヌクレオチドの組込み、蛍光分極、および側方流動捕捉からなる群から選択される方法により増幅産物を検出するステップをさらに含む。増幅産物は、例えば、少なくとも1つの捕捉プローブが固体表面上に固定化され、これが増幅された配列に結合する、例えば、固体表面法を用いて検出することができる。
本発明は、多重増幅に用いることができる。したがって、例えば、本発明の特定の実施形態では、少なくとも2つの標的配列が増幅可能である。「増幅可能である」とは、増幅反応が、少なくとも2つの標的配列を増幅するのに適切な鋳型および酵素を含むことを意味する。したがって、例えば、増幅反応は、少なくとも2つの標的配列を検出するように準備することができるが、検査される試料中に実際に存在する標的配列がただ1つの場合もあるため、実際に増幅される配列がただ1つであっても、いずれの配列も増幅可能である。または、2つの標的配列が存在する場合、増幅反応の結果、いずれの標的配列の増幅ももたらされ得る。多重増幅反応は、該反応がそのために適切な鋳型および酵素を含む標的配列の1つ、いくつか、またはすべての増幅を結果としてもたらし得る。
少なくとも1つの鋳型は、例えば、スペーサー、遮断基、または修飾ヌクレオチドを含み得る。
また、本発明の実施形態として、一本鎖核酸の標的配列を増幅する方法であって、ポリメラーゼが順方向および逆方向の鋳型を標的配列に沿って伸長させて二本鎖ニック形成部位を作製し、ニック形成酵素が前記ニック形成部位においてニックを形成して増幅産物を作製する複数のサイクルにより増幅が実行される条件下において;一本鎖標的配列を含む標的核酸を逆方向鋳型と接触させるステップであって、前記逆方向鋳型が、該標的配列の3’末端と相補的であるかまたは実質的に相補的な3’末端における認識領域と、前記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、前記ニック形成酵素結合部位および前記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含むヌクレオチド配列を含むステップと;前記逆方向鋳型の該ニック形成部位においてニックを形成することが
可能であり、前記標的配列内においてはニックを形成しない、第1のニック形成酵素を提供するステップと;DNAポリメラーゼを、前記ポリメラーゼが前記逆方向鋳型を前記標的配列に沿って伸長させる条件下において提供するステップと;前記伸長した逆方向鋳型を順方向鋳型と接触させるステップであって、前記順方向鋳型が、該標的配列の5’末端と同一の3’末端における認識領域と、前記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、前記ニック形成酵素結合部位および前記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含むステップと;前記順方向鋳型の該ニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、前記標的配列内においてはニックを形成しない、第2のニック形成酵素を提供するステップとを含む方法も提供される。
当業者は、二本鎖核酸の標的配列の増幅および増幅産物の検出に関する、本明細書で提示される例がまた、一本鎖核酸の標的配列の増幅および増幅産物の検出にも適用されることを理解する。さらに、本発明の例において、標的配列は、例えば、メッセンジャーRNA(mRNA)、リボソームRNA(rRNA)、ウイルスRNA、マイクロRNA、マイクロRNA前駆体、またはsiRNAなどであるがこれらに限定されない、例えば、RNAであり得る。例えば、標的配列がRNAである、本発明の例示的な実施形態において、ポリメラーゼは逆転写酵素活性を有する。本発明のさらに他の例において、標的配列は、例えば、ゲノムDNAなどのDNAであるか、または、例えば、標的配列は、プラスミドDNA、ミトコンドリアDNA、およびウイルスDNA、もしくはまたPCR産物からなる群から選択される。
本発明による方法が複数のポリメラーゼの使用を伴う場合、例示的な実施形態では、少なくとも1つのポリメラーゼが逆転写酵素活性を有し得る。
本発明の他の実施形態では、標的配列のアンチセンス鎖の3’末端と相補的であるかまたは実質的に相補的な3’末端における認識領域と、前記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、前記ニック形成酵素結合部位および前記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含む、核酸増幅のための第1鋳型と;前記標的配列のアンチセンス鎖の5’末端と同一の3’末端における認識領域と、前記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、前記ニック形成酵素結合部位および前記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含む、核酸増幅のための第2鋳型とを含み;前記標的配列が、該アンチセンス鎖の前記3’末端と前記アンチセンス鎖の前記5’末端との間に、いずれの鋳型にも結合しない1〜5のスペーサー塩基を含む、オリゴヌクレオチド鋳型のセットが提供される。
さらに他の実施形態では、DNAポリメラーゼと;標的配列のアンチセンス鎖の3’末端と相補的であるかまたは実質的に相補的な3’末端における認識領域と、前記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、前記ニック形成酵素結合部位および前記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含む、核酸増幅のための第1鋳型と;標的配列のセンス鎖の3’末端と相補的であるかまたは実質的に相補的な3’末端における認識領域と、前記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、前記ニック形成酵素結合部位および前記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含む、核酸増幅のための第2鋳型と;いずれか1つの酵素が、前記第1鋳型および前記第2鋳型の該ニック形成部位においてニックを形成することが可能であるか、または第1酵素が前記第1プライマーのニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、第2酵素が前記第2プライマーの酵素部位においてニックを形成することが可能である、1つまたは2つの熱安定性ニック形成酵素とを含む、核酸増幅のための本発明の方法に従うためのキットが提供される。
キットは、例えば、容器内において、前記ポリメラーゼと、ニック形成酵素と、鋳型と
を提供し得る。キットは、例えば、2つの容器内において、前記ポリメラーゼと、ニック形成酵素と、鋳型とを提供し得る。特定の例では、該ポリメラーゼおよびニック形成酵素が第1の容器内にあり、前記鋳型が第2の容器内にある。特定の例において、該ポリメラーゼおよびニック形成酵素は凍結乾燥されている。キットは、例えば、本発明の増幅法に従うための指示書をさらに含み得る。キットは、例えば、キュベットをさらに含み得る。キットは、例えば、側方流動装置またはディップスティックをさらに含み得る。側方流動装置またはディップスティックは、例えば、増幅産物に結合する捕捉プローブをさらに含み得る。キットは、例えば、蛍光色素、金コロイド粒子、ラテックス粒子、分子ビーコン、ポリスチレンビーズなどからなる群から選択される検出器構成要素をさらに含み得る。他の例において、キットの少なくとも1つの鋳型は、スペーサー、遮断基、または修飾ヌクレオチドを含み得る。
増幅反応には、デオキシヌクレオシド三リン酸(dNTP)が含まれている。1種または複数種のdNTPを修飾または標識することができるが、本明細書で論じる通り、本方法において修飾NTPは必要とされない。ヌクレオチドは、以下の通りに称する。リボヌクレオシド三リン酸は、NTPまたはrNTPと称し、Nは、特定のリボヌクレオチドを示すA、G、C、U、またはm5Uであり得る。デオキシヌクレオシド三リン酸基質は、dNTPと示し、NはA、G、C、T、またはUであり得る。本文全体において、単量体のヌクレオチドサブユニットは、A、G、C、またはTと示し、DNAまたはRNAを具体的に指示しない。
別の実施形態では、核酸の増幅方法であって、ポリメラーゼが順方向および逆方向の鋳型を標的配列に沿って伸長させて二本鎖ニック形成部位を作製し、ニック形成酵素が前記ニック形成部位においてニックを形成して増幅産物を作製する複数のサイクルにより増幅が実行される条件下において;センス鎖およびアンチセンス鎖を有する二本鎖標的配列と;該標的配列のアンチセンス鎖の3’末端と相補的であるかまたは実質的に相補的な3’末端における認識領域と、前記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、前記ニック形成酵素結合部位および前記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含む核酸配列を含む順方向鋳型と;該標的配列のセンス鎖の3’末端と相補的であるかまたは実質的に相補的な3’末端における認識領域と、前記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、前記ニック形成酵素結合部位および前記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含むヌクレオチド配列を含む逆方向鋳型と;前記順方向鋳型の該ニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、前記標的配列内においてはニックを形成しない、第1のニック形成酵素と;前記逆方向鋳型の該ニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、前記標的配列内においてはニックを形成しない、第2のニック形成酵素と;好熱性ポリメラーゼとを含む、標的核酸の混合物を形成するステップを含む方法が提供される。特定の実施形態では、順方向および逆方向の鋳型上におけるニック形成酵素結合部位が同一のニック形成酵素により認識され、ただ1つのニック形成酵素が反応に用いられる。
別の実施形態では、核酸の増幅方法であって、ポリメラーゼが順方向および逆方向の鋳型を標的配列に沿って伸長させて二本鎖ニック形成部位を作製し、ニック形成酵素が前記ニック形成部位においてニックを形成して増幅産物を作製する複数のサイクルにより増幅が実行される条件下において;一本鎖標的配列と;該標的配列の3’末端と相補的であるかまたは実質的に相補的な3’末端における認識領域と、前記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、前記ニック形成酵素結合部位および前記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含むヌクレオチド配列を含む逆方向鋳型と;前記逆方向鋳型の該ニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、前記標的配列内においてはニックを形成しない、第1のニック形成酵素と;前記逆方向鋳型を前記標的配列に沿って伸長させる条件下における好熱性ポリメラーゼと;該標的配列の5’末
端と同一であるかまたは実質的に同一の3’末端における認識領域とを含む核酸配列を含む順方向鋳型と;前記順方向鋳型の該ニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、前記標的配列内においてはニックを形成しない、第2のニック形成酵素とを含む、標的核酸の混合物を形成するステップを含む方法が提供される。特定の実施形態では、順方向および逆方向の鋳型上におけるニック形成酵素結合部位が同一のニック形成酵素により認識され、ただ1つのニック形成酵素が反応に用いられる。
本発明の他の実施形態では、本発明の増幅法により得られる増幅された核酸の分離のための方法が提供される。本発明のさらなる実施形態では、例えば、SYBR I、II、SYBR Gold、Pico Green、TOTO−3、および大半の挿入色素、分子ビーコン、FRET、蛍光を伴う固定化プローブを用いる表面捕捉、電気化学、または比色検出、質量分析、キャピラリー電気泳動、捕捉もしくは蛍光分極による検出を可能とする標識ヌクレオチドの組込み、側方流動を用いる方法、ならびに捕捉プローブを伴う他の方法を含む、本発明の増幅法により得られる増幅された核酸を検出および/または分析する方法が提供される。
検出に捕捉プローブを用いる方法は、例えば、捕捉プローブが増幅された核酸に結合するように、増幅産物鎖と相補的であるかまたは実質的に相補的な配列を含む核酸分子(捕捉プローブ)の使用を含む。特定の実施形態において、該プローブは、検出可能な標識に連結することができ、増幅産物は、増幅産物に特異的にハイブリダイズするプローブの検出可能な標識に基づいて検出することができる。該反応は、例えば、捕捉プローブ内に組み込まれるか、またはこれに結合する分子に対して方向づけられる抗体をさらに含む。あるいは、例えば、捕捉プローブ、または捕捉プローブに結合する分子は、例えば、酵素標識、例えば、ペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、もしくはベータ−ガラクトシダーゼ、例えば、フルオレセインもしくはローダミンなどの蛍光標識、または、例えば、化学発光活性もしくは生物発光活性を有する他の分子を組み込み得る。一部の実施形態において、プローブは固体支持体に連結され、増幅産物鎖は、当業者により知られ選択される条件下で、固体支持体に連結された捕捉プローブに特異的に固定化され得る。後者の実施形態において、固体支持体に固定化された増幅産物は、洗浄、イオン交換、固体支持体からの放出、または他の処理ステップなどの処理ステップにかけることができる。一部の実施形態において、増幅産物は、固体支持体に固定化されたときに検出され得る。本発明の実施形態はまた、これらの検出法および分析法の組合せも含む。
例えば、本発明は、以下の項目を提供する:
(項目1)
ヌクレオチド配列の増幅方法であって、ポリメラーゼが鋳型核酸を伸長させ、これにより、伸長された鋳型核酸のアンプリコンが得られる条件下で、
増幅反応において、標的ヌクレオチド配列を有する標的核酸を、(i)ポリメラーゼ、(ii)上記標的ヌクレオチド配列の第1鎖にハイブリダイズする第1鋳型核酸、および(iii)上記標的ヌクレオチド配列の上記第1鎖の相補体にハイブリダイズする第2鋳型核酸と混合するステップを含み、
上記標的ヌクレオチド配列が20〜40ヌクレオチド長であり、
上記標的ヌクレオチド配列が約10分間で1E+6倍以上に増幅され、
上述のステップが実質的な等温条件下で実施される方法。
(項目2)
ヌクレオチド配列の増幅方法であって、ポリメラーゼが鋳型核酸を伸長させ、これにより、伸長された鋳型核酸のアンプリコンが得られる条件下で、
増幅反応において、標的ヌクレオチド配列を有する標的核酸を、(i)ポリメラーゼ、(ii)上記標的ヌクレオチド配列の第1鎖にハイブリダイズする第1鋳型核酸、および(iii)上記標的ヌクレオチド配列の上記第1鎖の相補体にハイブリダイズする第2鋳型核酸と混合するステップを含み、
上記標的ヌクレオチド配列が20〜40ヌクレオチド長であり、
上記第1鋳型が上記標的ヌクレオチド配列の上記第1鎖の3’末端と相補的であるかまたは実質的に相補的な3’末端における第1鋳型認識領域を含む核酸配列を含み、
上記第2鋳型が上記標的ヌクレオチド配列の上記第1鎖の相補体の3’末端と相補的であるかまたは実質的に相補的な3’末端における第2鋳型認識領域を含むヌクレオチド配列を含み、
上記標的ヌクレオチド配列が、上記第1鋳型認識領域と上記第2鋳型認識領域とのヌクレオチド和よりも1〜5ヌクレオチド多く含み、
上記標的ヌクレオチド配列が約10分間で1E+6倍以上に増幅され、上述のステップが実質的な等温条件下で実施される方法。
(項目3)
ヌクレオチド配列の増幅方法であって、ポリメラーゼが鋳型核酸を伸長させ、これにより、伸長された鋳型核酸のアンプリコンが得られる条件下で、
増幅反応において、標的ヌクレオチド配列を有する標的核酸を、(i)ポリメラーゼ、(ii)上記標的ヌクレオチド配列の第1鎖にハイブリダイズする第1鋳型核酸、および(iii)上記標的ヌクレオチド配列の上記第1鎖の相補体にハイブリダイズする第2鋳型核酸と混合するステップを含み、
上記第1鋳型が上記標的ヌクレオチド配列の上記第1鎖の3’末端と相補的であるかまたは実質的に相補的な3’末端における8〜15ヌクレオチド長の第1鋳型認識領域を含む核酸配列を含み、
上記第2鋳型が上記標的ヌクレオチド配列の上記第1鎖の相補体の3’末端と相補的であるかまたは実質的に相補的な3’末端における8〜15ヌクレオチド長の第2鋳型認識領域を含むヌクレオチド配列を含み、
上記標的ヌクレオチド配列が約10分間で1E+6倍以上に増幅され、上述のステップが実質的な等温条件下で実施される方法。
(項目4)
上記第1鋳型が、上記標的ヌクレオチド配列の上記第1鎖の3’末端と相補的であるかまたは実質的に相補的な3’末端における第1鋳型認識領域を含む核酸配列を含み、
上記第2鋳型が、上記標的ヌクレオチド配列の上記第1鎖の相補体の3’末端と相補的であるかまたは実質的に相補的な3’末端における第2鋳型認識領域を含むヌクレオチド配列を含む、項目1に記載の方法。
(項目5)
上記標的ヌクレオチド配列が、上記第1鋳型認識領域と上記第2鋳型認識領域とのヌクレオチド和よりも1〜5ヌクレオチド多く含む、項目3に記載の方法。
(項目6)
上記第1鋳型および第2鋳型が、上記認識部位の上流にあるニック形成酵素結合部位とニック形成部位とを含み、上記増幅反応が、順方向および逆方向鋳型の上記ニック形成部位においてニックを形成することが可能である1つまたは複数のニック形成酵素をさらに含み、1つのニック形成酵素で上記鋳型の両方にニックを形成することが可能であるか、または少なくとも1つのニック形成酵素により各鋳型にニックを形成することが可能であり、上記1つまたは複数のニック形成酵素が、上記標的配列内においてニックを形成しない、項目2、3、4、または5のいずれかに記載の方法。
(項目7)
上記標的ヌクレオチド配列が、上記第1鋳型認識領域と上記第2鋳型認識領域とのヌクレオチド和よりも1ヌクレオチド多く含む、項目6に記載の方法。
(項目8)
上記標的ヌクレオチド配列が、上記第1鋳型認識領域と上記第2鋳型認識領域とのヌクレオチド和よりも2ヌクレオチド多く含む、項目6に記載の方法。
(項目9)
上記標的ヌクレオチド配列が、上記第1鋳型認識領域と上記第2鋳型認識領域とのヌク
レオチド和よりも3ヌクレオチド多く含む、項目6に記載の方法。
(項目10)
上記標的核酸が二本鎖または一本鎖である、項目1から9のいずれかに記載の方法。
(項目11)
上記標的核酸が二本鎖DNAである、項目10に記載の方法。
(項目12)
上記標的核酸が一本鎖DNAである、項目10に記載の方法。
(項目13)
上記標的核酸がRNAである、項目10に記載の方法。
(項目14)
上記標的核酸が、ゲノムDNA、プラスミドDNA、ウイルスDNA、ミトコンドリアDNA、および合成二本鎖DNAからなる群から選択される、項目11に記載の方法。
(項目15)
上記標的核酸が、ウイルスDNA、cDNA、および合成一本鎖DNAからなる群から選択される、項目12に記載の方法。
(項目16)
上記標的核酸が、メッセンジャーRNA、ウイルスRNA、リボソームRNA、転移RNA、マイクロRNA、マイクロRNA前駆体、および合成RNAからなる群から選択される、項目13に記載の方法。
(項目17)
上記DNAポリメラーゼが好熱性ポリメラーゼである、項目1から16のいずれかに記載の方法。
(項目18)
上記ポリメラーゼが、Bst(大断片)、9°N、Vent (登録商標)(エキソ)DNAポリメラーゼ、Therminator、およびTherminator IIからなる群から選択される、項目1から16のいずれかに記載の方法。
(項目19)
上記ポリメラーゼがBst(大断片)である、項目1から19のいずれかに記載の方法。
(項目20)
上記第1および第2の鋳型が、同一のニック形成酵素により認識されるニック形成酵素結合部位を含み、上記第1および上記第2のニック形成酵素が同一である、項目6から12のいずれかに記載の方法。
(項目21)
上記ニック形成酵素が、Nt.BspQI、Nb.BbvCi、Nb.BsmI、Nb.BsrDI、Nb.BtsI、Nt.AlwI、Nt.BbvCI、Nt.BstNBI、Nt.CviPII、Nb.Bpu10I、およびNt.Bpu10Iからなる群から選択される、項目19に記載の方法。
(項目22)
上記標的ヌクレオチド配列の上記第1鎖と相補的であるかまたは実質的に相補的な上記第1鎖の核酸配列部分が8〜15ヌクレオチド長であり、上記標的ヌクレオチド配列と相補的であるかまたは実質的に相補的な上記第2鎖の部分が8〜15ヌクレオチド長である、項目1から20のいずれかに記載の方法。
(項目23)
上記第1鋳型が上記第2鋳型と同じ濃度で提供される、項目1から22のいずれかに記載の方法。
(項目24)
上記第1または第2鋳型のうちの一方が、他方の鋳型に対して1:100〜100:1の比の範囲で提供される、項目1から22のいずれかに記載の方法。
(項目25)
第2のポリメラーゼをさらに含む、項目1から25のいずれかに記載の方法。
(項目26)
上記第1または第2のポリメラーゼの少なくとも1つが逆転写酵素活性を含む、項目25に記載の方法。
(項目27)
上記増幅が54℃〜60℃で実施される、項目1から26のいずれかに記載の方法。
(項目28)
上記増幅が56℃〜58℃で実施される、項目1から26のいずれかに記載の方法。
(項目29)
上記増幅反応が1〜10分間にわたり一定温度に保持される、項目1から28のいずれかに記載の方法。
(項目30)
上記増幅反応が1〜20分間にわたり一定温度に保持される、項目1から28のいずれかに記載の方法。
(項目31)
増幅産物を検出するステップをさらに含む、項目1から30のいずれかに記載の方法。(項目32)
上記増幅産物が、ゲル電気泳動、質量分析、SYBR I蛍光、SYBR II蛍光、SYBR Gold、Pico Green、TOTO−3、挿入色素検出、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)、分子ビーコン検出、表面捕捉、キャピラリー電気泳動、捕捉による検出を可能とする標識ヌクレオチドの組込み、蛍光分極、および側方流動捕捉からなる群から選択される検出法により検出される、項目31に記載の方法。
(項目33)
少なくとも2つの標的配列が増幅可能である、項目1から32のいずれかに記載の方法。
(項目34)
上記増幅産物が固体表面上において検出される、項目1から33のいずれかに記載の方法。
(項目35)
少なくとも1つの捕捉プローブが固体表面上に固定化される、項目1から34のいずれかに記載の方法。
(項目36)
少なくとも1つの上記鋳型が、スペーサー、遮断基、または修飾ヌクレオチドを含む、項目1から35のいずれかに記載の方法。
(項目37)
上記標的ヌクレオチド配列が約5分間で1E+6倍以上に増幅される、項目1から36のいずれかに記載の方法。
(項目38)
上記標的ヌクレオチド配列が約2.5分間で1E+6倍以上に増幅される、項目1から36のいずれかに記載の方法。
(項目39)
上記標的ヌクレオチド配列が約5分間で1E+7倍以上に増幅される、項目1から36のいずれかに記載の方法。
(項目40)
上記標的ヌクレオチド配列が約5分間で1E+8倍以上に増幅される、項目1から36のいずれかに記載の方法。
(項目41)
上記標的ヌクレオチド配列が約5分間で1E+9倍以上に増幅される、項目1から36のいずれかに記載の方法。
(項目42)
二本鎖核酸の標的配列を増幅する方法であって、ポリメラーゼが順方向および逆方向の鋳型を標的配列に沿って伸長させて二本鎖ニック形成部位を作製し、ニック形成酵素が上記ニック形成部位または上記部位の増幅されたコピーにおいてニックを形成して増幅産物を作製する複数のサイクルにより増幅が実行される本質的に等温の条件下において、
a)センス鎖およびアンチセンス鎖を有する二本鎖標的配列を含む標的のDNA分子を順方向鋳型および逆方向鋳型と接触させるステップであって、
i)上記順方向鋳型が、上記標的配列のアンチセンス鎖の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、上記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、上記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含む核酸配列を含み、上記標的のアンチセンス鎖の3’末端と相補的な核酸配列部分が8〜15ヌクレオチド長であり、
ii)上記逆方向鋳型が、上記標的配列のセンス鎖の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、上記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、上記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含むヌクレオチド配列を含み、上記標的のアンチセンス鎖の3’末端と相補的な核酸配列部分が8〜15ヌクレオチド長であるステップと、
b)上記順方向鋳型の上記ニック形成部位の上流、下流、または上記部位においてニックを形成することが可能であり、上記標的配列内においてはニックを形成しない、第1のニック形成酵素を提供するステップと、
c)上記逆方向鋳型の上記ニック形成部位の上流、下流、または上記部位においてニックを形成することが可能であり、上記標的配列内においてはニックを形成しない、第2のニック形成酵素を提供するステップと、
d)DNAポリメラーゼを提供するステップと
を含む方法。
(項目43)
一本鎖核酸の標的配列を増幅する方法であって、
a)一本鎖標的配列を含む標的核酸を逆方向鋳型と接触させるステップであって、上記逆方向鋳型が、上記標的配列の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、上記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、上記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含む核酸配列を含み、上記標的配列の3’末端と相補的な核酸配列部分が8〜15ヌクレオチド長であるステップと、
b)上記逆方向鋳型の上記ニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、上記標的配列内においてはニックを形成しない、第1のニック形成酵素を提供するステップと、
c)DNAポリメラーゼを、上記ポリメラーゼが上記逆方向鋳型を上記標的配列に沿って伸長させる条件下において提供するステップと、
d)上記伸長した逆方向鋳型を順方向鋳型と接触させるステップであって、上記順方向鋳型が上記伸長した逆方向鋳型の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、上記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、上記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含み、上記標的アンチセンス鎖の3’末端と相補的な核酸配列部分が8〜15ヌクレオチド長であるステップと、
e)上記順方向鋳型の上記ニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、上記標的配列内においても、上記標的配列の相補体内においてもニックを形成しない、第2のニック形成酵素を提供するステップと
を含み、上記ポリメラーゼが上記順方向および逆方向の鋳型を上記標的配列に沿って伸長させて二本鎖ニック形成部位を作製し、上記ニック形成酵素が上記ニック形成部位においてニックを形成して増幅産物を作製する複数のサイクルにより増幅が実行される本質的に等温の条件下において増幅が実施される方法。
(項目44)
上記DNAポリメラーゼが好熱性ポリメラーゼである、項目42または43に記載の方
法。
(項目45)
上記ポリメラーゼが、Bst(大断片)、9°N、Vent (登録商標)(エキソ)DNAポリメラーゼ、Therminator、およびTherminator IIからなる群から選択される、項目42または43に記載の方法。
(項目46)
上記ポリメラーゼがBst(大断片)である、項目42または43に記載の方法。
(項目47)
上記ニック形成酵素が、上記ニック形成酵素結合部位の下流においてニックを形成する、項目42または43に記載の方法。
(項目48)
上記順方向および逆方向の鋳型が、同一のニック形成酵素により認識されるニック形成酵素結合部位を含み、上記第1および上記第2のニック形成酵素が同一である、項目42または43に記載の方法。
(項目49)
上記ニック形成酵素が、Nt.BspQI、Nb.BbvCi、Nb.BsmI、Nb.BsrDI、Nb.BtsI、Nt.AlwI、Nt.BbvCI、Nt.BstNBI、Nt.CviPII、Nb.Bpu10I、およびNt.Bpu10Iからなる群から選択される、項目42または43に記載の方法。
(項目50)
上記標的配列が、上記順方向鋳型認識領域と上記逆方向鋳型認識領域とのヌクレオチド和よりも1〜5ヌクレオチド多く含む、項目42または43に記載の方法。
(項目51)
上記標的配列が、上記順方向鋳型認識領域と上記逆方向鋳型認識領域とのヌクレオチド和よりも1ヌクレオチド多く含む、項目42または43に記載の方法。
(項目52)
上記標的配列が、上記順方向鋳型認識領域と上記逆方向鋳型認識領域とのヌクレオチド和よりも2ヌクレオチド多く含む、項目42または43に記載の方法。
(項目53)
上記標的DNA分子が、ゲノムDNA、プラスミドDNA、ミトコンドリアDNA、およびウイルスDNAからなる群から選択される、項目42に記載の方法。
(項目54)
上記標的核酸が、ウイルスDNA、メッセンジャーRNA、マイクロRNA、およびマイクロRNA前駆体からなる群から選択される、項目43に記載の方法。
(項目55)
上記順方向鋳型が上記逆方向鋳型と同じ濃度で提供される、項目42または43に記載の方法。
(項目56)
上記順方向鋳型または上記逆方向鋳型のうちの一方が、他の鋳型に対して1:100〜100:1の比の範囲の比で提供される、項目42または43に記載の方法。
(項目57)
第2のポリメラーゼをさらに含む、項目43に記載の方法。
(項目58)
上記ポリメラーゼの少なくとも1つが逆転写酵素活性を含む、項目57に記載の方法。(項目59)
上記増幅が54℃〜60℃で実施される、項目42または43に記載の方法。
(項目60)
上記増幅反応が1〜10分間にわたり一定温度に保持される、項目42または43に記載の方法。
(項目61)
上記増幅産物を検出するステップをさらに含む、項目42または43に記載の方法。
(項目62)
上記増幅産物が、ゲル電気泳動、質量分析、SYBR I蛍光、SYBR II蛍光、SYBR Gold、Pico Green、TOTO−3、挿入色素検出、FRET、分子ビーコン検出、表面捕捉、キャピラリー電気泳動、捕捉による検出を可能とする標識ヌクレオチドの組込み、蛍光分極、および側方流動捕捉からなる群から選択される方法により検出される、項目42または43に記載の方法。
(項目63)
少なくとも2つの標的配列が増幅可能である、項目42または43に記載の方法。
(項目64)
上記増幅産物が固体表面上において検出される、項目42または43に記載の方法。
(項目65)
少なくとも1つの捕捉プローブが固体表面上に固定化される、項目42または43に記載の方法。
(項目66)
少なくとも1つの上記鋳型が、スペーサー、遮断基、または修飾ヌクレオチドを含む、項目42または43に記載の方法。
(項目67)
二本鎖核酸の標的配列を増幅する方法であって、ポリメラーゼが順方向および逆方向の鋳型を標的配列に沿って伸長させて二本鎖ニック形成部位を作製し、ニック形成酵素が上記ニック形成部位または上記部位の増幅されたコピーにおいてニックを形成して増幅産物を作製する複数のサイクルにより増幅が実行される本質的に等温の条件下において、
a)センス鎖およびアンチセンス鎖を有する二本鎖標的配列を含む標的のDNA分子を順方向鋳型および逆方向鋳型と接触させるステップであって、
i)上記順方向鋳型が、上記標的配列のアンチセンス鎖の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、上記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、上記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含む核酸配列を含み、
ii)上記逆方向鋳型が、上記標的配列のセンス鎖の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、上記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、上記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含むヌクレオチド配列を含み、
iii)上記標的配列が、上記順方向鋳型認識領域と上記逆方向鋳型認識領域とのヌクレオチド和よりも1〜5ヌクレオチド多く含むステップと、
b)上記順方向鋳型の上記ニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、上記標的配列内においてはニックを形成しない、第1のニック形成酵素を提供するステップと、
c)上記逆方向鋳型の上記ニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、上記標的配列内においてはニックを形成しない、第2のニック形成酵素を提供するステップと、
d)DNAポリメラーゼを提供するステップと
を含む方法。
(項目68)
一本鎖核酸の標的配列を増幅する方法であって、
a)一本鎖標的配列を含む標的核酸を逆方向鋳型と接触させるステップであって、上記逆方向鋳型が、上記標的配列の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、上記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、上記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含む核酸配列を含み、上記標的配列の3’末端と相補的な核酸配列部分が8〜15ヌクレオチド長であるステップと、
b)上記逆方向鋳型の上記ニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、上記標的配列内においてはニックを形成しない、第1のニック形成酵素を提供するステップと、
c)DNAポリメラーゼを、上記ポリメラーゼが上記逆方向鋳型を上記標的配列に沿って伸長させる条件下において提供するステップと、
d)上記伸長した逆方向鋳型を順方向鋳型と接触させるステップであって、上記順方向鋳型が上記伸長した逆方向鋳型の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、上記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、上記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含み、上記標的配列が、上記順方向鋳型認識領域と上記逆方向鋳型認識領域とのヌクレオチド和よりも1〜5ヌクレオチド多く含むステップと、
e)上記順方向鋳型の上記ニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、上記標的配列内においても、上記標的配列の相補体内においてもニックを形成しない、第2のニック形成酵素を提供するステップと
を含み、上記ポリメラーゼが上記順方向および逆方向の鋳型を上記標的配列に沿って伸長させて二本鎖ニック形成部位を作製し、上記ニック形成酵素が上記ニック形成部位においてニックを形成して増幅産物を作製する複数のサイクルにより増幅が実行される本質的に等温の条件下において増幅が実施される方法。
(項目69)
上記標的ヌクレオチド配列が、上記順方向鋳型認識領域と上記逆方向鋳型認識領域とのヌクレオチド和よりも1ヌクレオチド多く含む、項目67または68に記載の方法。
(項目70)
上記標的ヌクレオチド配列が、上記順方向鋳型認識領域と上記逆方向鋳型認識領域とのヌクレオチド和よりも2ヌクレオチド多く含む、項目67または68に記載の方法。
(項目71)
上記標的ヌクレオチド配列が、上記順方向鋳型認識領域と上記逆方向鋳型認識領域とのヌクレオチド和よりも3ヌクレオチド多く含む、項目67または68に記載の方法。
(項目72)
二本鎖核酸の標的配列を増幅する方法であって、ポリメラーゼが順方向および逆方向の鋳型を標的配列に沿って伸長させて二本鎖ニック形成部位を作製し、ニック形成酵素が上記ニック形成部位または上記部位の増幅されたコピーにおいてニックを形成して増幅産物を作製する複数のサイクルにより増幅が実行される本質的に等温の条件下において、
a)センス鎖およびアンチセンス鎖を有する二本鎖標的配列を含む標的のDNA分子を順方向鋳型および逆方向鋳型と接触させるステップであって、
b)上記順方向鋳型が、上記標的配列のアンチセンス鎖の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、上記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、上記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含む核酸配列を含み、
c)上記逆方向鋳型が、上記標的配列のセンス鎖の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、上記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、上記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含むヌクレオチド配列を含むステップと、
d)上記順方向鋳型の上記ニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、上記標的配列内においてはニックを形成しない、第1のニック形成酵素を提供するステップと、
e)上記逆方向鋳型の上記ニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、上記標的配列内においてはニックを形成しない、第2のニック形成酵素を提供するステップと、
f)DNAポリメラーゼを提供するステップと
を含む方法。
(項目73)
二本鎖核酸の標的配列を増幅する方法であって、ポリメラーゼが順方向および逆方向の鋳型を標的配列に沿って伸長させて二本鎖ニック形成部位を作製し、ニック形成酵素が上記ニック形成部位または上記部位の増幅されたコピーにおいてニックを形成して増幅産物を作製する複数のサイクルにより増幅が実行される本質的に等温の条件下において、
a)センス鎖およびアンチセンス鎖を有する二本鎖標的配列を含む標的のDNA分子を順方向鋳型および逆方向鋳型と接触させるステップであって、
b)上記順方向鋳型が、上記標的配列のアンチセンス鎖の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、上記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、上記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含む核酸配列を含み、
ii)上記逆方向鋳型が、上記標的配列のセンス鎖の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、上記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、上記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含むヌクレオチド配列を含むステップと、
c)上記順方向鋳型の上記ニック形成部位の上流、下流、または上記部位においてニックを形成することが可能であり、上記標的配列内においてはニックを形成しない、第1のニック形成酵素を提供するステップと、
d)上記逆方向鋳型の上記ニック形成部位の上流、下流、または上記部位においてニックを形成することが可能であり、上記標的配列内においてはニックを形成しない、第2のニック形成酵素を提供するステップと、
e)DNAポリメラーゼを提供するステップと
を含む方法。
(項目74)
二本鎖核酸の標的配列を増幅する方法であって、ポリメラーゼが順方向および逆方向の鋳型を標的配列に沿って伸長させて二本鎖ニック形成部位を作製し、ニック形成酵素が上記ニック形成部位または上記部位の増幅されたコピーにおいてニックを形成して増幅産物を作製する複数のサイクルにより増幅が実行される本質的に等温の条件下において、
a)センス鎖およびアンチセンス鎖を有する二本鎖標的配列を含む標的のDNA分子を順方向鋳型および逆方向鋳型と接触させるステップであって、
b)上記順方向鋳型が、上記標的配列のアンチセンス鎖の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、上記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、上記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含む核酸配列を含み、
c)上記逆方向鋳型が、上記標的配列のセンス鎖の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、上記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、上記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含むヌクレオチド配列を含むステップと、
d)上記順方向鋳型の上記ニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、上記標的配列内においてはニックを形成しない、第1のニック形成酵素を提供するステップと、
e)上記逆方向鋳型の上記ニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、上記標的配列内においてはニックを形成しない、第2のニック形成酵素を提供するステップと、
f)DNAポリメラーゼを提供するステップと
を含み、12分間にわたって増幅反応を実行すると、22〜35ヌクレオチド長の標的配列の少なくとも1E+7倍の増幅が得られる方法。
(項目75)
二本鎖核酸の標的配列を増幅する方法であって、ポリメラーゼが順方向および逆方向の鋳型を標的配列に沿って伸長させて二本鎖ニック形成部位を作製し、ニック形成酵素が上記ニック形成部位または上記部位の増幅されたコピーにおいてニックを形成して増幅産物を作製する複数のサイクルにより増幅が実行される本質的に等温の条件下において、
a)センス鎖およびアンチセンス鎖を有する二本鎖標的配列を含む標的のDNA分子を順方向鋳型および逆方向鋳型と接触させるステップであって、
b)上記順方向鋳型が、上記標的配列のアンチセンス鎖の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、上記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、上記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含む核酸配列を含み、上記標
的のアンチセンス鎖の3’末端と相補的な核酸配列部分が8〜15ヌクレオチド長であり、
c)上記逆方向鋳型が、上記標的配列のセンス鎖の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、上記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、上記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含むヌクレオチド配列を含み、上記標的のアンチセンス鎖の3’末端と相補的な核酸配列部分が8〜15ヌクレオチド長であるステップと、
d)上記順方向鋳型の上記ニック形成部位の上流、下流、または上記部位においてニックを形成することが可能であり、上記標的配列内においてはニックを形成しない、第1のニック形成酵素を提供するステップと、
e)上記逆方向鋳型の上記ニック形成部位の上流、下流、または上記部位においてニックを形成することが可能であり、上記標的配列内においてはニックを形成しない、第2のニック形成酵素を提供するステップと、
f)DNAポリメラーゼを提供するステップと
を含み、12分間にわたって増幅反応を実行すると、22〜35ヌクレオチド長の標的配列の少なくとも1E+7倍の増幅が得られる方法。
(項目76)
核酸の標的配列を増幅するためのキットであって、
a)DNAポリメラーゼと、
b)標的配列のセンス鎖の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、上記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、上記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含み、上記標的配列のセンス鎖の3’末端と相補的な核酸配列部分が8〜15ヌクレオチド長である核酸増幅のための第1鋳型と、
c)標的配列のセンス鎖の相補体の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、上記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、上記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含み、上記標的配列のセンス鎖の相補体の3’末端と相補的な核酸配列部分が8〜15ヌクレオチド長である核酸増幅のための第2鋳型と、
d)いずれか1つの酵素が、上記第1および上記第2の鋳型の上記ニック形成部位においてニックを形成することが可能であるか、または第1酵素が上記第1プライマーのニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、第2酵素が上記第2プライマーの酵素部位においてニックを形成することが可能である、1つまたは2つの熱安定性ニック形成酵素と
を含むキット。
(項目77)
上記標的配列が、上記第1鋳型認識領域と上記第2鋳型認識領域とのヌクレオチド和よりも1〜5ヌクレオチド多く含む、項目76に記載のキット。
(項目78)
上記ポリメラーゼ、ニック形成酵素、および鋳型が容器内にある、項目76に記載のキット。
(項目79)
上記ポリメラーゼ、ニック形成酵素、および鋳型が2つの容器内にある、項目76に記載のキット。
(項目80)
上記ポリメラーゼおよびニック形成酵素が第1の容器内にあり、上記鋳型が第2の容器内にある、項目76に記載のキット。
(項目81)
上記ポリメラーゼ、ニック形成酵素、および鋳型が乾燥凍結される、項目76に記載のキット。
(項目82)
上記増幅方法に従うための指示書をさらに含む、項目76に記載のキット。
(項目83)
キュベットをさらに含む、項目76に記載のキット。
(項目84)
側方流動装置またはディップスティックをさらに含む、項目76に記載のキット。
(項目85)
上記側方流動装置またはディップスティックが捕捉プローブをさらに含む、項目84に記載のキット。
(項目86)
蛍光色素、金コロイド粒子、ラテックス粒子、分子ビーコン、ポリスチレンビーズからなる群から選択される検出器構成要素をさらに含む、項目76に記載のキット。
(項目87)
少なくとも1つの上記鋳型が、スペーサー、遮断基、または修飾ヌクレオチドを含む、項目76に記載のキット。
(項目88)
核酸の標的配列を増幅するためのキットであって、
a)DNAポリメラーゼと、
b)標的配列のセンス鎖の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、上記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、上記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含む核酸増幅のための第1鋳型と、
c)上記標的配列のセンス鎖の相補体の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、上記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、上記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含む核酸増幅のための第2鋳型であって、上記標的配列が、第1鋳型認識領域と第2鋳型認識領域とのヌクレオチド和よりも1〜5ヌクレオチド多く含む、第2鋳型と、
d)いずれか1つの酵素が、上記第1および上記第2の鋳型の上記ニック形成部位においてニックを形成することが可能であるか、または第1酵素が上記第1プライマーのニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、第2酵素が上記第2プライマーの酵素部位においてニックを形成することが可能である、1つまたは2つの熱安定性ニック形成酵素と
を含むキット。
(項目89)
上記標的配列のセンス鎖の3’末端と相補的である上記第1鋳型の核酸配列部分が8〜15ヌクレオチド長であり、上記標的配列のセンス鎖の相補体の3’末端と相補的である上記第2鋳型の核酸配列部分が8〜15ヌクレオチド長である、項目88に記載のキット。
(項目90)
上記ポリメラーゼ、ニック形成酵素、および鋳型が容器内にある、項目88に記載のキット。
(項目91)
上記ポリメラーゼ、ニック形成酵素、および鋳型が2つの容器内にある、項目88に記載のキット。
(項目92)
上記ポリメラーゼおよびニック形成酵素が第1の容器内にあり、上記鋳型が第2の容器内にある、項目88に記載のキット。
(項目93)
上記ポリメラーゼ、ニック形成酵素、および鋳型が乾燥凍結される、項目88に記載のキット。
(項目94)
上記増幅方法に従うための指示書をさらに含む、項目88に記載のキット。
(項目95)
キュベットをさらに含む、項目88に記載のキット。
(項目96)
側方流動装置またはディップスティックをさらに含む、項目88に記載のキット。
(項目97)
上記側方流動装置またはディップスティックが捕捉プローブをさらに含む、項目96に記載のキット。
(項目98)
蛍光色素、金コロイド粒子、ラテックス粒子、分子ビーコン、ポリスチレンビーズからなる群から選択される検出器構成要素をさらに含む、項目88に記載のキット。
(項目99)
少なくとも1つの上記鋳型が、スペーサー、遮断基、または修飾ヌクレオチドを含む、項目88に記載のキット。
本発明の反応のメカニズムを示すグラフ図である。図1Dは、図1の説明である。 本発明の反応のメカニズムを示すグラフ図である。図1Dは、図1の説明である。 本発明の反応のメカニズムを示すグラフ図である。図1Dは、図1の説明である。 本発明の反応のメカニズムを示すグラフ図である。図1Dは、図1の説明である。 DNAのNEAR(商標)アッセイからの反応産物の20%ポリアクリルアミドゲルの図である。
本発明の方法に従った反応を56℃で2.5分間実施し、次いで94℃で4分間熱変性させた。6マイクロリットルの反応混合物を約2.5時間160Vにおいて20%ポリアクリルアミドゲルに施した。ゲルはSYBRIIゲル染色液で染色した。レーン1:25merアッセイの標的対照なし。レーン2:27merアッセイの標的対照なし。レーン3:ゲノムBacillus subtilis DNAの3.5E+5コピーを用いた25merアッセイ用。レーン4:ゲノムBacillus subtilis DNAの1.1E+6コピーを用いた27merアッセイ用。
本発明の方法を使用するRNAアッセイからの反応産物の20%ポリアクリルアミドゲルの図である。
反応は56℃で12分間実施し、次いで94℃で4分間熱変性させた。6マイクロリットルの反応混合物を約2.5時間160Vにおいて20%ポリアクリルアミドゲルに施した。ゲルはSYBRIIゲル染色液で染色した。レーン1および2:Ebola Armored RNA(Ambion)の1E+6コピーを用いた25merアッセイの反応用。レーン3および4:25merアッセイの標的対照なしの反応。25merの反応産物は白枠で輪郭を描く。
Bacillus anthracisのDNAアッセイ産物の質量スペクトルの図である。
A)標的の0コピーまたはB)反応に加えたゲノムDNAの5E+5コピー。反応は10分間実施し、次いで94℃で4分間熱変性させた。10マイクロリットルの試料をLC/ESI−MSに注入した。26mer産物およびその相補配列の(−4)の荷電状態を黒枠で輪郭を描く。最小隣接ピークは主要産物のナトリウム付加物である。
MS2ゲノムRNAアッセイ産物の質量スペクトルの図である。
A)標的の0コピー、B)MS2ゲノムRNAの1E+6コピー、またはC)反応に加えた合成標的DNAの1E+6コピー。反応は10分間実施し、次いで94℃で4分間熱変性させた。10マイクロリットルの試料をLC/ESI−MSに注入した。27mer産物およびその相補配列の(−4)の荷電状態を黒枠で輪郭を描く。最小隣接ピークは主要産物のナトリウム付加物である。
蛍光挿入色素を使用した増幅の実時間検出の図である。
標的対照なし(NTC、白色三角形)と比較した500コピー(四角形)でのYersinia pestisのゲノムDNAの実時間増幅。反応は58℃で10分間実施し、SYBRIIを用いて実時間蛍光によってモニターした(n=5)。
蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)を使用した増幅の実時間検出の図である。
標的対照なし(NTC、白色三角形)と比較した10,000コピー(四角形)でのYersinia pestisの合成DNAの実時間増幅。反応は57℃で10分間実施した、n=3。
分子ビーコンを使用して実時間で検出したFrancisella tularensisのDNA増幅の図である。
0コピー(白色三角形)または1E+5コピー(四角形)のいずれかを反応混合物に加え、57.5℃で10分間実施した。
平均AUC値と比較した偽陽性率試験の結果の図である。
エラーバーは一標準偏差を示す。Bacillus subtilisのアッセイは、Bacillus subtilisのゲノムDNAの存在下および不在下において55℃で10分間実施した。酵素は94℃で4分間熱変性させた。10μLの試料をLC/ESI−MSに注入し、産物ピークの濃度曲線下面積(AUC)を分析した。真陽性は、Bacillus subtilisのDNAの10,000コピーおよび近傍分類種(Bacillus thuringiensis)のDNAの990,000コピーを含有していた。真陰性は、E.coliのDNAの10,000コピーおよび近傍分類種のDNAの990,000コピーを含有しており、水の陰性対照は対照としてDNAを含有しなかった。
異なる2日で実験を実施した異なるオペレーターによる、分子ビーコン検出を使用した複製試験の図である。
反応は(Francisella tularensisのゲノムDNAの500コピーの存在下および不在下において)57.5℃で10分間実施し、94℃で4分間熱殺菌した。300nMの分子ビーコンを加え45、50、および57℃でモニターした(n=24)。
分子ビーコン検出を使用した反応の感度の図である。
アッセイは57.5℃で10分間実施した。94℃における4分間の熱不活化ステップで反応を停止させた。300nMの分子ビーコンを加え、蛍光は57.5℃でモニターした(n=3)。Francisella tularensisのゲノムDNAの1E+6、5E+5、5E+4、5E+2、50、および0(NTC)インプットコピーで増幅した反応混合物の存在下で始めてビーコンに関して蛍光をモニターし、ビーコン単独のバックグラウンド蛍光と比較した(MB)。
NEAR反応における増幅産物の最終濃度の図である。
NEAR(商標)反応を、Bacillus subtilisのゲノムDNAの様々
なコピーを用いて55℃で10分間実施した。94℃における4分間の熱不活化ステップで反応を停止させた。10マイクロリットルの試料をLC/ESI−MSに注入し、1944ダルトンでの産物ピークのAUCを分析し、標準曲線と比較した。
インプットRNA標的コピー数と増幅産物の最終濃度の相関関係の図である。
EbolaのNEAR(商標)アッセイは、EbolaゲノムDNAに相当する合成RNAの様々なコピーを用いて55℃で12分間実施した。94℃における4分間の熱不活化ステップで反応を停止させた。10マイクロリットルの試料をLC/ESI−MSに注入し、1936ダルトンでの産物ピークのAUCを分析し、AUC値の標準曲線と比較した。(n=3)
NEAR反応特異性を実証する質量スペクトルによる産物の分析の図である。
Bacillus anthracisのNEAR(商標)反応を、56℃で10分間Bacillus thuringiensisのコピーの希釈物の存在下で実施し(n=3)、次いで94℃で4分間熱変性させた。10μLの試料をLC/ESI−MSに注入し、産物ピークのAUC値を分析した。
増幅に対する干渉物質の影響の図である。
Bacillus subtilisのDNAの反応は55℃で10分間実施し、94℃で4分間加熱して停止させた。反応はBacillus subtilisのゲノムDNAの1E+5コピーの存在下(「_1E+5」)または標的DNAの不在下(「_0」)において三連で実施した。試料xは干渉物質を加えない対照アッセイである。干渉物質A〜FはBacillus subtilisアッセイに50%の反応体積で加えた。質量スペクトルによる産物のピークのAUCは二元ANOVAおよびボンフェロニのt−検定を使用して分析した。(キー:A=なし;B=ハウスダスト、スキムミルク;C=AZ試験用ダスト、フミン酸;D=ディーゼルのすす;E=スキムミルク;F=カビ胞子)
Bacillus subtilis/Bacillus anthracisのDNA二重鎖反応に関するゲル電気泳動の結果の図である。
Bacillus subtilis(Bs)とBacillus anthracis(Ba)のDNAの両方に特異的な鋳型を含めたNEAR(商標)反応を、標的DNAの不在下(陰性)、Bacillus subtilisのみの存在下(27mer産物に関して陽性)、およびBacillus subtilisとBacillus anthracisの両方の存在下(それぞれ27merおよび25mer産物に関して陽性)において実施した。このアッセイ中で使用した標的コピー数は500,000コピーであった。アッセイは57℃で10分間実施した。鋳型は増幅を制御するためのアッセイ間で濃度が異なっていた(Bacillus anthracisに関して100nMおよびBacillus subtilisに関して50nM)。試料は約2時間160Vにおいて20%ポリアクリルアミドゲルに施した。ゲルはSYBRII蛍光色素で染色し、イメージングした。蛍光バンドは定量化し、積分光学濃度(IOD)として分析した(n=8)。
ゲル電気泳動によって示したBacillus subtilis/Bacillus anthracisのDNA二重鎖反応に関する特異性の結果の図である。
Bacillus subtilis(Bs)とBacillus anthracis(Ba)のDNAの両方用の鋳型を含むNEAR(商標)反応を、標的DNAの不在下(陰性)、Bacillus subtilisのDNAのみの存在下(27mer産物
に関して陽性)、およびBacillus subtilisとBacillus anthracisの両方のDNAの存在下(それぞれ27merおよび25mer産物に関して陽性)において実施した。このアッセイ中存在したそれぞれのゲノムの標的コピー数は500,000コピーであった。すべての反応は、外因性核酸としてBacillus
thuringiensisの500,000コピーを含有していた。鋳型は増幅を制御するためのアッセイ間で濃度が異なっていた。アッセイは57℃で10分間実施し、94℃で4分間熱変性させ、6マイクロリットルを20%ゲル上に載せ、約2時間160Vで実施した。ゲルはSYBRII蛍光色素で染色し、イメージングした。蛍光バンドは定量化し、積分光学濃度(IOD)として分析した。
MS2/EbolaのRNA二重鎖反応に関するゲル電気泳動の結果の図である。
MS2アッセイとEbolaアッセイの両方用の鋳型を含むNEAR(商標)反応を、標的RNAの不在下(陰性、レーン2〜5)、MS2のみの存在下(27mer産物、レーン6および7)、およびMS2のRNAとEbolaのRNAの両方の存在下(27merおよび25mer産物、それぞれレーン8および9)において実施した。このアッセイ中で使用した標的コピー数は1E+6コピーであった。アッセイは57℃で10分間実施した。鋳型は増幅を制御するためのアッセイ間で濃度が異なっていた。試料は約2.5時間160Vにおいて20%ポリアクリルアミドゲルに施した。ゲルはSYBRII蛍光色素で染色し、イメージングした。蛍光バンドは定量化し、積分光学濃度(IOD)として分析した。
溶解胞子由来のDNAの増幅の質量スペクトルによる分析の図である。
溶解試料と非溶解試料を比較した増幅産物質量からの平均AUC値。次いで溶解胞子試料をマスター混合物に加え、55℃で10分間実施し、94℃で4分間熱変性させ、分析用の質量スペクトルを施した。産物ピークのAUCを平均し比較した。(n=3)
表面検出用の捕捉および伸長手法の実証の図である。
A.)平均結合(ポリメラーゼを加えない陽性反応産物)、B.)500,000の標的(ポリメラーゼを加えた陽性反応産物)、およびC.)標的なし(ポリメラーゼを加えた陰性反応)を比較する。NEAR(商標)アッセイは55℃で10分間実施し、94℃で4分間熱変性させ、次いで5’末端で表面と結合した捕捉プローブをプレートに加えた。ポリメラーゼは陽性反応の1ウェルに加える。プレートは55℃で30分間インキュベートし、洗浄し、SYBRIIを加え、3回洗浄し、Tecanプレートリーダーで読み取る(495nm励起/530nm発光)。
ゲノムDNAの1E+6コピーの存在下(四角形)およびの不在下(白色三角形)において、表面に固定した一鋳型を用いるNEAR(商標)FRETアッセイの擬似実時間蛍光検出の図である。
反応はニュートラアビジンで被覆した平底96ウェルプレートにおいて実施した。1マイクロモルのFRET標識逆方向鋳型の溶液を、軽く混合しながら37℃で1時間インキュベートした。ウェルはPBS−Tween溶液で3回洗浄して非結合鋳型を切り離した。本発明の方法のNEAR(商標)の反応混合物をウェルに加え(採取したそれぞれの時間地点の1つ)、135RPMに設定した振とうインキュベーター中の加熱ブロック部において58℃でインキュベートした。1マイクロリットルのEDTAをウェルに加えて反応を停止させることによって時間地点を得た。蛍光はTecan100プレートリーダーを使用して底部から読み取った。
Chlamydia trachomatisに関する検出限界アッセイの図である。一連のアッセイをChlamydia標的の2倍希釈物を使用して実施した。A)3アッセイからの平均として検出限界を示す蛍光検出の棒グラフ。B)個々のアッセイの結果を示す棒グラフ。 Listeria monocytogenesとL.innocuaの識別の図である。2つの異なる細菌を識別するためのアッセイの能力を決定するために実施した一連のアッセイの結果を示す棒グラフ。 ウイルスRNAを用いたアッセイの図である。ウイルスRNA標的の様々な希釈物を用いた本発明の方法の一連のアッセイの結果を示す棒グラフ。 bar遺伝子標的配列の検出用のアッセイの結果を示す棒グラフの図である。 miRNA標的配列の検出用の本発明の方法のアッセイの結果を示す棒グラフの図である。 Gcアッセイ:LODの図である。A)ゲノム標的配列の検出用の一連のアッセイの平均を示す棒グラフ。B)それぞれ50のゲノムコピーを含む個々のアッセイの結果。 B.subtilisのNEAR(商標)アッセイの図である。A)試料に加えた参照オリゴヌクレオチドの量と濃度曲線下面積(AUC)の間の相関関係を決定するための標準曲線。B)生成した特異的産物の量を決定するための本発明の方法のアッセイの結果を示す棒グラフ。C)アッセイの結果を示す表。 スペーサー長試験の図である。A)様々なスペーサー長の影響を決定するための本発明の方法のアッセイの結果を示す棒グラフ。B)異なるスペーサー長を得るために使用した鋳型配列。 図29中に示したアッセイ用に使用した鋳型設計の図である。 安定化領域の影響の図である。A)安定化領域を含むオリゴ鋳型、または安定化領域を含まないオリゴ鋳型のいずれかを使用する本発明の方法のアッセイの結果のグラフ。B)A)のグラフの一部の拡大。 Mg+2濃度の滴定の図である。A)様々な量のMg+2を使用するNEARアッセイのセットの結果を示す棒グラフ。B)アッセイの構成要素を記載する表。 本発明の方法の反応のメカニズムを示す図である。 標的およびオリゴ鋳型配列の例の一覧の図である。 標的およびオリゴ鋳型配列の例の一覧の図である。
本明細書では、短鎖のDNAまたはRNA配列の指数関数的増幅のための方法が提供される。
本発明の標的核酸は、二本鎖および一本鎖の核酸分子を含む。該核酸は、例えば、DNAまたはRNAであり得る。標的核酸がRNA分子である場合、該分子は、例えば、二本鎖、一本鎖であることもあり、該RNA分子は、一本鎖である標的配列を含むこともある。標的核酸は、例えば、ゲノム核酸、プラスミド核酸、ミトコンドリア核酸、細胞核酸、およびウイルス核酸を含む。標的核酸は、例えば、ゲノムDNA、染色体DNA、プラスミドDNA、遺伝子、任意の種類の細胞RNA、または合成オリゴヌクレオチドであり得る。「ゲノム核酸」とは、例えば、胞子内に存在するゲノムを含む、例えば、動物ゲノム、植物ゲノム、昆虫ゲノム、および細菌ゲノムを含む任意のゲノムに由来する任意の核酸を意味する。二本鎖DNAの標的核酸は、例えば、ゲノムDNA、プラスミドDNA、ミトコンドリアDNA、ウイルスDNA、および合成二本鎖DNA、または本明細書で説明されるかもしくは当技術分野で知られる他の種類のDNAを含む。一本鎖DNAの標的核酸は、例えば、ウイルスDNA、cDNA、および合成一本鎖DNA、または本明細書で説明されるかもしくは当技術分野で知られる他の種類のDNAを含む。RNAの標的核酸は、例えば、メッセンジャーRNA、ウイルスRNA、リボソームRNA、転移RNA、マイクロRNAおよびマイクロRNA前駆体、ならびにsiRNA、または本明細書で説明されるかもしくは当技術分野で知られる他のRNAを含む。
マイクロRNA、miRNA、または低分子一過性RNA(stRNA)は、遺伝子調節に関与する約21〜23ヌクレオチド長の短い一本鎖のRNA配列である。マイクロRNAは、メッセンジャーRNAに対して部分的に相補的であるため、メッセンジャーRNAの翻訳に干渉すると考えられる(例えば、Ruvkun, Gl、Science、第294巻、797〜99頁(2001年);Lagos−Quintana, M.ら、Science、第294巻、854〜58頁(2001年);Lau, N.C.ら、Science、第294巻、858〜62頁(2001年);Lee, R.C.およびAmbros, V.、Science、第294巻、862〜64頁(2001年);Baulcombe, D.ら、Science、第297巻、2002〜03頁(2002年);Llave, C.ら、Science、第297巻、2053〜56頁(2002年);Hutvagner, G.およびZamore, P.D.、Science、第297巻、2056〜60頁(2002年)を参照されたい)。ノックアウトマウスにおいて近年報告された研究によれば、マイクロRNAはまた、免疫系においても役割を有し得る(例えば、Wade, N.、「Studies Reveal and
Immune System Regulator」、New York Times、2007年4月27日を参照されたい)。本発明の方法を用いてもまた検出し得るマイクロRNA前駆体は、例えば、一次転写物(プリmiRNA)、およびmiRNAへとさらにプロセシングされるプレmiRNAというステム−ループ構造のRNAを含む。
短鎖干渉RNA、またはsiRNAは、例えば、ウイルス複製または遺伝子発現の下方調節におけるRNA干渉に関与することが分かっている、少なくとも部分的に二本鎖で約20〜25ヌクレオチド長のRNA分子である(例えば、Zamoreら、2000年、Cell、第101巻、25〜33頁;Bass、2001年、Nature、第411巻、428〜429頁;Elbashirら、2001年、Nature、第411巻、494〜498頁;およびKreutzerら、国際PCT公開第00/44895号;Zernicka−Goetzら、国際PCT公開第01/36646号;Fire、国際PCT公開第99/32619号;Plaetinckら、国際PCT公開第00/01846号;MelloおよびFire、国際PCT公開第01/29058号;Deschamps−Depaillette、国際PCT公開第99/07409号;ならびにLiら、国際PCT公開第00/44914号;Allshire、2002年、Science、第297巻、1818〜1819頁;Volpeら、2002年、Science、第297巻、1833〜1837頁;Jenuwein、2002年、Science、第297巻、2215〜2218頁;ならびにHallら、2002年、Science、第297巻、2232〜2237頁;HutvagnerおよびZamore、2002年、Science、第297巻、2056〜60頁;McManusら、2002年、RNA、第8巻、842〜850頁;Reinhartら、2002年、Gene & Dev.、第16巻、1616〜1626頁;ならびにReinhartおよびBartel、2002年、Science、第297巻、1831頁を参照されたい)。
「標的配列」という用語の使用は、センス鎖もアンチセンス鎖も指す場合があり、また、それらが標的核酸、元の標的配列の増幅されたコピー、または該配列の増幅産物上に存在する場合の配列も指す。増幅産物は、標的配列の他、少なくとも1つの他の配列または他のヌクレオチドを含むより大きな分子であり得る。標的配列の長さ、およびグアノシン:シトシン(GC)濃度(パーセント)は、反応が実行される温度に依存し、この温度は、反応で用いられるポリメラーゼおよびニック形成酵素の安定性に依存する。当業者は、試行アッセイを行って、反応条件に適切な該長さおよびGC濃度を決定することができる。例えば、ポリメラーゼおよびニック形成酵素が60℃まで安定である場合、標的配列は、例えば、19〜50ヌクレオチド長の場合もあり、例えば、20〜45、20〜40、
22〜35、または23〜32ヌクレオチド長の場合もある。これらの条件下におけるGC濃度は、例えば、60%未満、55%未満、50%未満、または45%未満であり得る。標的配列およびニック形成酵素は、標的配列が、反応混合物中に含まれるどのニック形成酵素に対するニック形成部位も含有しないように選択される。
標的配列は、胞子、ウイルス、細胞、原核動物もしくは真核動物に由来する核酸、または任意の遊離核酸を含有する試料を含むがこれらに限定されない多くの種類の試料から増幅することができる。例えば、アッセイでは、溶解の必要なしに、胞子の外側にあるDNAを検出することが可能である。試料は、標的配列を含有することが疑われる任意の物質から単離することができる。例えば、動物、例えば、ヒトなどの哺乳類の場合、試料は、血液、骨髄、粘液、リンパ液、硬組織、例えば、肝臓、脾臓、腎臓、肺、もしくは卵巣、生検、痰、唾液、涙液、便、または尿を含み得る。あるいは、標的配列は、空気、植物、土壌、または生物体を含有することが疑われる他の物質中に存在し得る。
標的配列は、粉塵、花粉、および煤煙(例えば、ディーゼル排気に由来する)などの環境汚染物質、または、尿、粘液、もしくは唾液などの臨床的に重要な基質もまた含有し得る試料中に存在し得る。標的配列はまた、排水、飲料水、空気、ミルク、または他の食品中にも存在し得る。これらの汚染物質の濃度に応じて、当業者に知られる試料精製法により、増幅の成功に対する阻害物質を除去することが必要とされ得る。精製は、例えば、洗浄剤溶解物、超音波処理、ガラス製ビーズによるボルテキシング、またはフレンチプレスの使用を伴い得る。この精製はまた、試料標的の濃縮も結果としてもたらし得る。試料はまた、例えば、濾過、フェノール抽出、クロマトグラフィー、イオン交換、ゲル電気泳動、または密度依存遠心分離によってもさらに精製することができる。具体的な実施形態において、試料は、標的核酸の予備精製なしに、反応混合物に直接に添加するか、またはあらかじめ希釈し、次いで、反応混合物に添加することができる。
オリゴヌクレオチドは、2つ以上、例えば、3つを超えるデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドを含む分子である。オリゴヌクレオチドの長さは、それがどのように用いられるかに依存する。オリゴヌクレオチドは、合成またはクローニングによって抽出することができる。
2つの核酸配列を指す場合の「相補的な」という用語は、一般に、2つの配列が、2つの核酸のハイブリダイゼーションにより形成される二本鎖ヌクレオチド配列を安定化させるのに十分な水素結合を2つの核酸の間で形成する能力を指す。2つの配列において、一方の配列中におけるすべてのヌクレオチドは、他方の配列中における対応するヌクレオチドに相補的であり得る。一部の実施形態では、2つの配列中における対応するヌクレオチド(すなわち、非相補的ヌクレオチド)間には、例えば、10ヌクレオチド中に1ミスマッチ、20ヌクレオチド中に1ミスマッチ、または30ヌクレオチド中に1ミスマッチなど、いくつかのミスマッチが存在することがあり、本明細書では、これらの配列を「実質的に相補的な」と称する。図1A〜1Dに示す通り、各鋳型核酸は、鋳型核酸がハイブリダイズする標的核酸鎖(またはその相補体)に相補的であるかまたは実質的に相補的な認識領域を含むことが多い。これもまた図1A〜1Dに示す通り、各鋳型核酸は、標的核酸配列またはその相補配列に相補的でないかまたは実質的に相補的でない、認識領域の5’側の安定化領域およびニック作用物質の認識領域を含むことが多い。
本明細書で用いられる「ハイブリダイゼーション」および「結合」は互換的に用いられ、互いと相補的な核酸配列の非共有結合または「塩基対合」を指す。特定のプローブがポリヌクレオチド配列との塩基対合を保つかどうかは、相補性の程度、プローブの長さ、および結合条件の厳密性に依存する。厳密性を上昇させれば、相補性の程度も上昇させなければならず、かつ/または結合または塩基対合のためのプローブを長くして安定性を保た
なければならない。
本明細書で用いられる「厳密性」とは、核酸がその下に置かれる、pHの極限値、高温、および塩濃度など、二本鎖核酸を構成要素の一本鎖に解離させる条件の組合せを指す。「高度な厳密性」という表現は、特異的な塩基対合だけが生じるのに十分厳密であるかまたは制限的であるハイブリダイゼーション条件を指す。特異性は、標準的なサザンハイブリダイゼーションプロトコール(J. Mol. Biol.、第98巻、503頁(1975年)で説明される)の下で、オリゴヌクレオチドプローブまたはこれに密接に関連する配列を用いて固有の配列の検出を可能とするのに十分であるものとする。
鋳型は、標的配列の認識領域に結合し、また、認識領域の上流におけるニック形成酵素結合領域およびニック形成酵素結合領域の上流における安定化領域も含有するオリゴヌクレオチドと定義される。
「認識領域」とは、標的配列上における核酸配列と相補的であるかまたは実質的に相補的な鋳型上における核酸配列を意味する。「標的配列上における認識領域」とは、鋳型と相補的であるかまたは実質的に相補的であり、これに結合する、標的配列上におけるヌクレオチド配列を意味する。
「安定化領域」とは、例えば、ニック形成反応および/または伸長反応のための分子を安定化するように設計された、例えば、約50%のGC含量を有する核酸配列を意味する。
例えば、標的配列または鋳型などにおける核酸分子上における特定の配列の位置取りを説明する場合、「3’側」および「5’側」という用語は、互いに対して特定の配列または領域の位置を指すことが、当業者には理解される。したがって、配列または領域が、別の配列または領域に対して3’側であるかまたはその3’側である場合、該位置は、該別の配列または領域と、その核酸鎖の3’ヒドロキシルとの間である。核酸内における位置が、別の配列または領域に対して5’側であるかまたはその5’側である場合、それは、該位置が、該別の配列または領域と、その核酸鎖の5’リン酸との間にあることを意味する。
ポリメラーゼはとは、ヌクレオチドの特異的な組込みを触媒して、例えば、鋳型オリゴヌクレオチドなど、核酸の標的配列に対するプライマー分子の3’ヒドロキシル末端を伸長させることが可能なタンパク質である。ポリメラーゼは、高い反応温度においてもそれが活性であるように、例えば、好熱性であり得る。それはまた、例えば、鎖置換能も有し得る。しかし、それは、極めて前進性である必要はない(1回の合成につき30〜40ヌクレオチドで十分である)。用いられるポリメラーゼは、5’−3’エキソヌクレアーゼ活性を有さないことが多い。ポリメラーゼが逆転写酵素活性(Bst(大断片)、9°N、Therminator、Therminator IIなど)もまた有する場合、反応はまた、別個の逆転写酵素を用いずに、1ステップでRNA標的を増幅することも可能である。反応には複数のポリメラーゼを組み入れることができ、一例では、1つのポリメラーゼが逆転写酵素活性を有し、他のポリメラーゼは逆転写酵素活性を欠くことがある。例示的な実施形態において、ポリメラーゼはBST(大断片)である。ポリメラーゼは、例えば、表1に列挙される1つまたは複数のポリメラーゼからなる群から選択することができる。
以下の逆転写酵素(RT)の非限定的な例:OmniScript(Qiagen社製)、SensiScript(Qiagen社製)、MonsterScript(Epicentre社製)、Transcriptor(Roche社製)、HIV RT(Ambion社製)、SuperScript III(Invitrogen社製)、ThermoScript(Invitrogen社製)、Thermo−X(Invitrogen社製)、ImProm II(Promega社製)を本方法の反応において用いて、RNA配列を検出する場合の性能を改善することができる。
これらの異なるRTは、標準的な反応緩衝液中において異なるレベルで作用し、この性能等級が以下に列挙される。「+」は、増幅反応が、結果として特異的産物をもたらすことを意味する。より多くの「+」は、反応がより良好に作用することを示し、「+++++」は、最良の結果を示す。「−」は、反応が、結果として特異的産物をもたらさないか、またはバックグラウンドを上回る特異的産物をもたらさなかったことを示す。
「ニック形成」とは、完全または部分的な二本鎖核酸の二本鎖部分のただ1本の鎖の切断を指す。核酸にニックを形成する位置を、ニック形成部位と称する。ニック形成酵素が認識する認識配列を、ニック形成酵素結合部位と称する。「ニックを形成することが可能である」とは、ニック形成酵素の酵素能を指す。
ニック形成酵素とは、二本鎖DNAに結合し、二本鎖による二重鎖の1本の鎖を切断するタンパク質である。ニック形成酵素は、結合部位またはニック形成酵素認識部位の上流を切断することもあり、下流を切断することもある。例示的な実施形態において、反応は、産物の配列がニック形成部位を有さないように、結合部位の下流を切断するかまたはこれにニックを形成するニック形成酵素(上方鎖ニック形成酵素)の使用を含む。結合部位の下流を切断する酵素を用いることで、ニック形成酵素を置換する必要なしに、ポリメラーゼによるより容易な伸長が可能となる。ニック形成酵素は、ポリメラーゼと同じ反応条件において機能しなければならないので、両者のための2つの理想的条件の間での最適化が必要である。ニック形成酵素は、例えば、New England Biolabs(NEB)社およびFermentas社から入手できる。ニック形成酵素は、例えば、表3に列挙される1つまたは複数のニック形成酵素からなる群から選択することができる。
ニック形成酵素は、例えば、Nt.BspQI(NEB社製)、Nb.BbvCI(NEB社製)、Nb.BsmI(NEB社製)、Nb.BsrDI(NEB社製)、Nb.BtsI(NEB社製)、Nt.AlwI(NEB社製)、Nt.BbvCI(NEB社製)、Nt.BstNBI(NEB社製)、Nt.CviPII(NEB社製)、Nb.Bpu101(Fermantas社製)、およびNt.Bpu101(Fermentas社製)からなる群から選択することができる。特定の実施形態において、ニック形成酵素は、Nt.NBst.NBI、Nb.BsmI、およびNb.BsrDIからなる群から選択することができる。当業者は、本明細書で具体的に言及されるニック形成酵素以外の各種のニック形成酵素も、本方法で用い得ることを承知している。
本方法のニック形成酵素およびポリメラーゼは、例えば、室温で安定であり得、該酵素はまた、例えば、37℃、42℃、60℃、65℃、70℃、75℃、80℃、または85℃までの温度でも安定であり得る。特定の実施形態において、該酵素は、60℃まで安定である。
酵素が37℃、42℃、50〜60℃、54〜60℃、56〜58℃、60℃、65℃
、70℃、75℃、80℃、または85℃までの温度で安定である場合、該酵素は「好熱性」である。
産物または増幅産物は、ニックを形成され、放出される、標的に沿う鋳型の伸長の最終結果として定義される。次いで、この産物は、増幅サイクルにフィードバックされる場合もあり、その相補鎖または分子ビーコンにアニールする場合もある。
「天然ヌクレオチド」とは、アデニル酸、グアニル酸、シチジル酸、チミジル酸、またはウリジル酸を指す。「誘導体化ヌクレオチド」とは、天然ヌクレオチド以外のヌクレオチドである。
反応は、例えば、ジデオキシリボヌクレオシド三リン酸(dNTP)などの天然ヌクレオチドの存在下で実施することができる。反応はまた、例えば、32P、33P、125I、または35Sなどの、例えば、放射性標識、アルカリホスファターゼなどの酵素標識、イソチオシアン酸フルオレセイン(FITC)などの蛍光標識、ビオチン、アビジン、ジゴキシゲニン、抗原、ハプテン、または蛍光色素などで標識されたdNTPの存在下でも実施することができる。これらの誘導体化ヌクレオチドは、場合によって、鋳型内にも存在し得る。
「一定温度」、「等温条件」、「本質的に等温の」、または「等温で」とは、増幅反応の経過時において、反応温度が本質的または実質的に一定に保たれる反応条件のセットを意味する。本方法の増幅法の利点は、高温と低温との間で温度を循環させる必要がないことである。ニック形成反応および伸長反応は、同一温度または同一の狭い温度範囲内において作用する。しかし、温度を正確に1つの温度に維持する必要はない。高温を維持するのに用いられる装置により、反応混合物の温度が、数度、または、例えば、1度、0.8度、0.6度、0.4度、または0.2度未満など、10分の数度変化する場合、これは増幅反応に有害ではなく、やはり等温反応であると考えることができる。
「多重増幅」という用語は、対象の1種または複数種の核酸の増幅を指す。例えば、それは、多重鎖置換増幅の例を提供する、例えば、米国特許第5,422,252号および同第5,470,723号において論じられる通り、同一の試料に由来する複数の配列の増幅を指す場合もあり、試料中における複数の配列のうちの1つの増幅を指す場合もある。該用語はまた、複数の試料中に存在する1つまたは複数の配列の同時的または段階的な増幅も指す。
鋳型の設計
順方向および逆方向の鋳型、ならびに第1および第2の鋳型は、オリゴヌクレオチドの5’末端に安定化領域があり、安定化領域の下流にニック形成酵素結合部位およびニック形成部位があり、ニック形成酵素結合部位およびニック形成部位の下流の3’末端に認識領域があるように設計される。オリゴ鎖の全長は、各個別領域の長さ、温度、標的配列の長さ、およびGC濃度に応じて、19〜40ヌクレオチド、例えば、19〜40、23〜40、20〜30、20〜24、23〜24、23〜32、25〜40、27〜40、または27〜35ヌクレオチドの範囲であり得る。当業者には、鋳型のこれらの特徴の間でどのようにバランスをとるかがか分かるであろう。鋳型は、1本がセンス鎖に結合し、もう1本がアンチセンス鎖に結合する両者を合わせて、標的配列の100%以下に結合するように設計することができる。各鋳型の長さは、他の鋳型と同じである必要はない。例えば、順方向鋳型が標的アンチセンス鎖の約60%に結合する場合、逆方向鋳型は、例えば、標的センス鎖の約40%に結合し得る。鋳型は、いずれの鋳型にも結合しない、標的配列上におけるスペーサー塩基を許容するように設計することができる。したがって、鋳型は、標的配列の約30%、約40%、約50%、または約60%に結合し得る。
順方向鋳型認識領域は、標的センス鎖の5’側領域と実質的に同一であるかまたはこれと同一であり、標的部位アンチセンス鎖の3’末端と相補的であるかまたは実質的に相補的であるように設計される。順方向鋳型認識領域は、任意の適切な長さ、例えば、約8、9、10、11、12、13、14、15、または16塩基長であり、場合によっては、8〜16、9〜16、10〜16、8〜12、8〜15、9〜15、10〜15、または11〜14ヌクレオチド長である。例示的な実施形態において、該長さは、11〜13、11〜12、12、または12〜13ヌクレオチド長である。逆方向鋳型認識領域は、標的部位センス鎖の3’末端と実質的に相補的であるかまたはこれと相補的であるように設計される。逆方向鋳型認識領域は、任意の適切な長さ、例えば、約8、9、10、11、12、13、14、15、または16塩基長であり、場合によっては、8〜16、9〜16、10〜16、8〜12、8〜15、9〜15、10〜15、または11〜14ヌクレオチド長である。例示的な実施形態において、該長さは、11〜13、11〜12、12、または12〜13ヌクレオチド長である。第1鋳型認識領域の長さは、第2鋳型認識領域の長さと同一である場合もあり、異なる場合もある。
鋳型認識配列は、生物の固有配列または実質的な固有配列と相補的であるかまたは実質的に相補的であることが多い。本明細書で用いられる「固有配列」という用語は、既知の他の生物には存在しない、ある生物におけるヌクレオチド配列を指す。本明細書で用いられる「実質的な固有配列」とは、生物の特定のファミリーまたは約1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10種までの他の生物において存在するヌクレオチド配列を指す。一部の実施形態において、固有配列または実質的な固有配列は、リボソームRNAまたはリボソームRNAをコードするDNAのセンス鎖またはアンチセンス鎖に存在する。
当業者は、最適で効果的な増幅に適切な認識領域の長さを決定することができる。特定の実施形態において、適切な特異性を提供するには、8塩基長の鋳型認識領域が下限である。反応の解析特異性は、順方向および逆方向の鋳型の2つの鋳型認識領域の総和と関連する。例えば、各鋳型が8ヌクレオチドの認識領域を有する場合、これにより、「標的サイズ」と称する8+8=16ヌクレオチドの固有の組合せを検出することが可能なアッセイがもたらされる。所与のDNA鎖に対して、16ヌクレオチドの標的サイズは、4.29×109通りの可能な組合せを有する。ヒトゲノムは3.3×109ヌクレオチド長である。したがって、統計学的に述べると、特異的な16ヌクレオチドの配列は、ヒトゲノム中において約1回出現すると予測される。標的サイズが、例えば、15ヌクレオチドに減少すると、ヒトゲノムにおいて、平均で3回出現すると予測され(3.3×109回の出現において1.07×109通りの可能性)、したがって、16ヌクレオチドの標的サイズほど特異的ではない。14塩基のアッセイ標的サイズをもたらす7ヌクレオチドの認識領域を有するアッセイの場合、これは、ヒトゲノムにおいて12回出現すると予測される(3.3×109回の出現において2.68×108通りの可能性)。この場合、診断的状況では価値の低い、特異性の低いアッセイがもたらされる。したがって、各鋳型に対して8塩基の認識領域が、特定のアッセイに対する下限であると考えられることが多い。
本発明による増幅アッセイを実施して、認識領域の最適の長さを決定した。標的DNAの0または100,000個のコピーを用いる10分間のアッセイにおいて、20merの認識領域の鋳型セットが検出可能な特異的産物をもたらさなかったのに対し、12merの認識領域の鋳型セットを用いると特異的産物が検出された。16merの認識領域の鋳型セットは、結果として検出可能な特異的産物をもたらしたが、検出された特異的産物は、12merの認識領域の鋳型セットを用いるアッセイにおける場合の4分の1であった。特定の実施形態では、15merの認識領域の鋳型セットの使用により、16merの認識領域の鋳型セットよりも多くの特異的産物がもたらされた。
したがって、特定の例示的な実施形態では、二本鎖核酸の標的配列を増幅する方法であって、ポリメラーゼが順方向および逆方向の鋳型を標的配列に沿って伸長させて二本鎖ニック形成部位を作製し、ニック形成酵素が該ニック形成部位においてニックを形成して増幅産物を作製する複数のサイクルにより増幅が実行される条件下において;センス鎖およびアンチセンス鎖を有する二本鎖標的配列を含む標的のDNA分子を順方向鋳型および逆方向鋳型と接触させるステップであって、該順方向鋳型が、該標的配列のアンチセンス鎖の3’末端と相補的であるかまたは実質的に相補的な3’末端における8〜15ヌクレオチド長の認識領域と、該認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、該ニック形成酵素結合部位および該ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含む核酸配列を含み;該逆方向鋳型が、該標的配列のセンス鎖の3’末端と相補的であるかまたは実質的に相補的な3’末端における8〜15ヌクレオチド長の認識領域と、該認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、該ニック形成酵素結合部位および該ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含むヌクレオチド配列を含むステップと;該順方向鋳型の該ニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、該標的配列内においてはニックを形成しない、第1のニック形成酵素を提供するステップと;該逆方向鋳型の該ニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、該標的配列内においてはニックを形成しない、第2のニック形成酵素を提供するステップと;DNAポリメラーゼを提供するステップとを含む方法が提供される。したがって、特定の実施形態において、順方向鋳型もしくは逆方向鋳型の認識領域、または順方向鋳型および逆方向鋳型の各々は、8、9、10、11、12、13、14、または15ヌクレオチド長である。特定の実施形態において、標的配列は、該順方向鋳型認識領域と該逆方向鋳型認識領域とのヌクレオチド和よりも1〜5ヌクレオチド多く含む。
別の例示的な実施形態では、一本鎖核酸の標的配列を増幅する方法であって、ポリメラーゼが順方向および逆方向の鋳型を標的配列に沿って伸長させて二本鎖ニック形成部位を
作製し、ニック形成酵素が該ニック形成部位においてニックを形成して増幅産物を作製する複数のサイクルにより増幅が実行される条件下において;一本鎖標的配列を含む標的核酸を逆方向鋳型と接触させるステップであって、該逆方向鋳型が、該標的配列の3’末端と相補的であるかまたは実質的に相補的な3’末端における8〜15ヌクレオチド長の認識領域と、該認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、該ニック形成酵素結合部位および該ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含むヌクレオチド配列を含むステップと;該逆方向鋳型の該ニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、該標的配列内においてはニックを形成しない、第1のニック形成酵素を提供するステップと;該逆方向鋳型を該標的配列に沿って伸長させる条件下においてDNAポリメラーゼを提供するステップと;該伸長した逆方向鋳型を順方向鋳型と接触させるステップであって、該順方向鋳型が、該標的配列の5’末端と同一の3’末端における8〜15ヌクレオチド長の認識領域と、該認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、該ニック形成酵素結合部位および該ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含むステップと;該順方向鋳型の該ニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、該標的配列内においてはニックを形成しない、第2のニック形成酵素を提供するステップとを含む方法が提供される。したがって、特定の実施形態において、順方向鋳型もしくは逆方向鋳型の認識領域、または順方向鋳型および逆方向鋳型の各々は、8、9、10、11、12、13、14、または15ヌクレオチド長である。特定の実施形態において、標的配列は、該順方向鋳型認識領域と該逆方向鋳型認識領域とのヌクレオチド和よりも1〜5ヌクレオチド多く含む。
特定の実施形態において、増幅反応が実施される温度は、鋳型および標的の融点(T)より低い。特定の実施形態において、反応温度は、例えば、鋳型および標的のTよりも1℃〜10℃、1℃〜8℃、1℃〜6℃、1℃〜4℃、1℃〜2℃、2℃〜10℃、2℃〜8℃、2℃〜6℃、2℃〜4℃、2℃〜2℃;2℃〜4℃;または2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、もしくは8℃低い。反応温度はまた、反応産物(例えば、図1Bおよび図1Cに示される、ステップ9A後における増幅二重鎖のニック形成およびポリメラーゼ伸長の産物)のTより低いことも多い。反応温度は、初期鋳型/標的配列複合体(図1Aのステップ(1)の上方の図)のTよりも高い場合がある。鋳型が伸長して安定的な複合体を形成すると、安定的な複合体のTは、反応温度よりも高くなる。
したがって、鋳型/標的核酸のTは、反応温度よりも高いことが多く、場合によって、該Tは、反応温度よりも5℃以上高いか、または、例えば、反応温度よりも約1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、もしくは8℃以上高い。ニック形成後においてニックを形成された鎖の各部分のTは反応温度よりも高いことが多く、場合によって、ニックを形成された各部分のTは反応温度よりも5℃以上高いか、または、例えば、反応温度よりも約1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、もしくは8℃以上高い。鋳型および標的のTは、例えば、反応条件の塩濃度を考慮し、idtdna.com/analyzer/Applications/OligoAnalyzer/のワールドワイドウェブURLにおいて、IDT Oligo Analyzer(Integrated DNA Technologies社製)用に提供されるプログラムを用いて計算することができる。IDT社のウェブサイトで論じられている通り、該Analyzerを用いるTの計算は、以下の通りに実行される。
融点(T)とは、オリゴヌクレオチド二重鎖の50%が一本鎖形態であり50%が二本鎖形態である温度である。Oligo Analyzerは、短いDNA二重鎖に適用可能な最隣接二状態モデル:
[式中、ΔH°(エンタルピー)およびΔS°(エントロピー)は、配列および公表された最隣接熱力学パラメータから計算された融解パラメータであり、Rは、理想気体定数(1.987cal・K−1モル−1)であり、[オリゴ鎖]は、オリゴヌクレオチドのモル濃度であり、−273.5の定数によりケルビンから摂氏度数へと温度が変換される]からTを推定する。最も正確な最隣接パラメータは、DNA/DNA塩基対(Allawi,H.、SantaLucia,J.,Jr.、Biochemistry、第36巻、10581頁)、RNA/DNA塩基対(Sugimoto,N.ら、Biochemistry、第34巻、11211頁)、RNA/RNA塩基対(Xia,T.ら、Biochemistry、第37巻、14719頁)、およびLNA/DNA塩基対(McTigue,P.M.ら、Biochemistry、第43巻、5388頁)について、以上の刊行物から入手した。
は、溶媒の一価の塩濃度([Na])に依存する。Tの直線補正は、当技術分野において既知の方法である。IDT社のウェブサイトで論じられている通り、IDT社の研究者は、各種のナトリウム緩衝液中における約100種の短いDNA二重鎖に対して、一連の大規模なUV融解実験(約3000回の測定)を実施し、この一次関数が不正確であると判定した。Oligo Analyzerでは、改良された二次T塩補正関数(Owczarzy,R.ら、Biochemistry、第43巻、3537頁)、
[式中、f(GC)は、GC塩基対の割合である]が用いられている。
特定の実施形態において、認識領域の長さは、標的配列内において、順方向鋳型認識領域内に存在せず、また、逆方向鋳型認識領域内にもその相補配列を有さない、少なくとも1ヌクレオチドが存在するように調整される。これらのスペーサー塩基(「スペーサー領域」を形成する)は、順方向鋳型の3’末端と逆方向鋳型の3’末端との間に存在する、標的配列内に含有されるヌクレオチドである。スペーサー塩基は、例えば、それらが、順方向鋳型の3’末端と逆方向鋳型の3’との間における標的のセンス配列およびアンチセンス配列の部分として示され、また、「スペーサー領域」内にあるものとしても示される、図30において示されている。例えば、図30の鋳型T2およびT1を標的と共に用いる場合、標的のセンス鎖は1つのスペーサー塩基(または1ヌクレオチドのギャップ)であるTを有し、標的のアンチセンス鎖は1つのスペーサー塩基(または1ヌクレオチドのギャップ)であるAを有する。特定の実施形態において、標的配列内には、5以下のスペーサー塩基が存在する。例示的な実施形態において、スペーサー塩基数は2〜3である。特定の実施形態において、スペーサー塩基数は1、2、または3である。他の実施形態では、1つのスペーサー塩基が存在する。他の実施形態では、2つのスペーサー塩基が存在する。他の実施形態では、3つのスペーサー塩基が存在する。他の実施形態において、スペーサー塩基数は1、2、3、4、または5である。
したがって、本方法の例示的な実施形態において、標的配列は、第1鋳型の3’末端にハイブリダイズする標的配列のヌクレオチドと、第2鋳型の3’末端にハイブリダイズする第1鎖の相補体のヌクレオチドに対応するヌクレオチドとの間に1〜5ヌクレオチドを含む。「対応するヌクレオチド」とは、2本の鎖が整列する場合、標的のヌクレオチド配
列の相補鎖にハイブリダイズする該標的のヌクレオチド配列の1本の鎖上におけるヌクレオチドを意味する。これらの1〜5ヌクレオチドはまた、スペーサー塩基とも呼ばれる。
これらのスペーサー塩基は、プライマーダイマーと同様の形で、重複鋳型を原因とする伸長により増幅される任意のバックグラウンド産物から、真の増幅産物を識別することを可能とする。これを考慮することで、バックグラウンドのノイズと標的配列の増幅との間の識別の改善が可能となる。しかし、これらのスペーサー塩基は、増幅の進行には必要とされない。
したがって、特定の例示的な実施形態では、二本鎖核酸の標的配列を増幅する方法であって、ポリメラーゼが順方向および逆方向の鋳型を標的配列に沿って伸長させて二本鎖ニック形成部位を作製し、ニック形成酵素が該ニック形成部位においてニックを形成して増幅産物を作製する複数のサイクルにより増幅が実行される条件下において;センス鎖およびアンチセンス鎖を有する二本鎖標的配列を含む標的のDNA分子を順方向鋳型および逆方向鋳型と接触させるステップであって、該順方向鋳型が、該標的配列のアンチセンス鎖の3’末端と相補的であるかまたは実質的に相補的な3’末端における認識領域と、該認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、該ニック形成酵素結合部位および該ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含む核酸配列を含み;該逆方向鋳型が、該標的配列のセンス鎖の3’末端と相補的であるかまたは実質的に相補的な3’末端における認識領域と、該認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、該ニック形成酵素結合部位および該ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含むヌクレオチド配列を含むステップと;該順方向鋳型の該ニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、該標的配列内においてはニックを形成しない、第1のニック形成酵素を提供するステップと;該逆方向鋳型の該ニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、該標的配列内においてはニックを形成しない、第2のニック形成酵素を提供するステップと;DNAポリメラーゼを提供するステップとを含み、該標的配列が、該順方向鋳型認識領域と該逆方向鋳型認識領域とのヌクレオチド和よりも1〜5ヌクレオチド多く含む方法が提供される。したがって、特定の実施形態において、標的配列は、該順方向鋳型認識領域と該逆方向鋳型認識領域とのヌクレオチド和よりも1、2、3、4、または5ヌクレオチド多く含む。
別の例示的な実施形態では、一本鎖核酸の標的配列を増幅する方法であって、ポリメラーゼが順方向および逆方向の鋳型を標的配列に沿って伸長させて二本鎖ニック形成部位を作製し、ニック形成酵素が該ニック形成部位においてニックを形成して増幅産物を作製する複数のサイクルにより増幅が実行される条件下において;一本鎖標的配列を含む標的核酸を逆方向鋳型と接触させるステップであって、該逆方向鋳型が、該標的配列の3’末端と相補的であるかまたは実質的に相補的な3’末端における認識領域と、該認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、該ニック形成酵素結合部位および該ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含むヌクレオチド配列を含むステップと;該逆方向鋳型の該ニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、該標的配列内においてはニックを形成しない、第1のニック形成酵素を提供するステップと;該逆方向鋳型を該標的配列に沿って伸長させる条件下においてDNAポリメラーゼを提供するステップと;該伸長した逆方向鋳型を順方向鋳型と接触させるステップであって、該順方向鋳型が、該標的配列の5’末端と同一の3’末端における認識領域と、該認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、該ニック形成酵素結合部位および該ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含むステップと;該順方向鋳型の該ニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、該標的配列内においてはニックを形成しない、第2のニック形成酵素を提供するステップとを含み、該標的配列が、該順方向鋳型認識領域と該逆方向鋳型認識領域とのヌクレオチド和よりも1〜5ヌクレオチド多く含む方法が提供される。したがって、特定の実施形態において、標的配列は、
該順方向鋳型認識領域と該逆方向鋳型認識領域とのヌクレオチド和よりも1、2、3、4、または5ヌクレオチド多く含む。
鋳型のニック形成酵素結合部位の配列は、各鋳型にどのニック形成酵素が選択されるかに依存する。単一のアッセイにおいて異なるニック形成酵素を用い得るが、単純な増幅では、例えば、いずれの鋳型との使用でも単一のニック形成酵素が用いられる。したがって、本方法の実施形態は、いずれの鋳型共に同一のニック形成酵素に対する認識部位を含み、反応においてただ1つのニック形成酵素が用いられる実施形態を含む。これらの実施形態において、第1および第2のニック形成酵素は同一である。本方法はまた、各鋳型が異なるニック形成酵素に対する認識部位を含み、反応において2つのニック形成酵素が用いられる実施形態も含む。
例えば、Nt.BstNBIの場合、酵素結合部位は5’−GAGTC−3’であり、該酵素は、この部位の4ヌクレオチド下流の上方鎖にニックを形成する(すなわち、GAGTCNNNN^)。増幅反応は、これらの4ヌクレオチド(N)の配列にはほとんど依存しないが、この領域の最適の配列はGC含量が25%以下であり、該結合領域の5’側のヌクレオチドにはチミンが隣接する。後者の規定により、ポリメラーゼにより付加される追加のアデニンを有する産物のプライミング能がもたらされる。適用に応じて4ヌクレオチドの配列を最適化し、ヘアピン、セルフダイマー、またはヘテロ二量体の存在を創出または除去することができる。
鋳型オリゴヌクレオチドの5’末端における安定化領域は、GCが約50%であるように設計される。したがって、GC含量は、例えば、約40%〜60%、約42%〜58%、約44%〜56%、約46%〜54%、約48%〜52%、または約49%〜51%であり得る。これらのパラメータは、Nt.BstNBI酵素の場合、8〜11ヌクレオチドの安定化領域長を結果としてもたらすが、最短で6ヌクレオチドおよび最長で15ヌクレオチドの長さも調べられており、この増幅法ではこれらも作用することが示されている。より長い安定化領域または50%を超えるGC%の上昇も、より高い反応温度におけるニック形成反応および伸長反応をさらに安定化させ得る。順方向および逆方向の鋳型の5’側の安定化領域の配列は通常同一であるが、目的が各産物鎖を独立に捕捉することである場合は変化し得る。この領域の配列はニック形成部位または認識領域に干渉しないものとするが、鋳型配列内における短い内部ヘアピンは、実時間の結果を改善したことが示されている。
特定の実施形態では、核酸の相互反応(例えば、鎖間相互作用または鎖内相互作用)を不安定化させる1種または複数種の作用物質が増幅工程内に組み入れられるが、代替的な実施形態では、1種または複数種のこのような作用物質が増幅工程内に組み入れられることはない。核酸相互作用を不安定化させる作用物質の例は、二本鎖構造(例えば、二本鎖DNA)および/または鎖内構造(例えば、RNAにおける二次構造または三次構造)を不安定化させる作用物質であり、ベタインおよび他のテトラアンモニウム化合物、ホルムアミド、グリセロール、ソルビトール、過塩素酸ナトリウム、ジメチルスルホキシド(DMSO)、低級アルキルアルコール(例えば、エタノール、1〜4炭素のアルコール)、尿素、トリアルキルアンモニウム塩(例えば、トリエチルアンモニウムクロリド)、例えば、大腸菌(E.coli)一本鎖結合(ssb)タンパク質などのssbタンパク質、例えば、大腸菌DNAヘリカーゼI、II、またはIVなどのヘリカーゼ、低級アルキル(1〜4Cの)アルコールなどを含むがこれらに限定されない。理論に拘束されずに述べれば、このような作用物質は、核酸相互作用の融点(T)を低下させる(例えば、二重鎖のTを低下させる)。当業者は、例えば、不安定化の量の他、酵素活性を維持する必要を考慮して、反応に適切な不安定化剤および該適切な不安定化剤の濃度を決定することができる。濃度の例は、約10%のグリセロール、約10%の過塩素酸ナトリウム、約1
0%のDMSO、約10%のソルビトール、約2.4モルのトリエチルアンモニウムクロリド、および約1、2、3、4、または5モルを超えるベタイン、例えば、約5〜6モルのベタインを含む。ベタインまたはN,N,N−トリメチルグリシンは、例えば、Sigma−Aldrich社から、例えば、カタログ番号B2629またはB0300で購入することができる。ベタインは、例えば、低濃度のDMSO、例えば、1Mのベタインに対して約1〜2または約1.3%のDMSOと組み合わせて用いることができる。
本方法の鋳型は、例えば、スペーサー、遮断基、および修飾ヌクレオチドを含み得る。修飾ヌクレオチドは、天然のヌクレオチドおよびヌクレオチド三リン酸とは組成および/または構造が異なるヌクレオチドまたはヌクレオチド三リン酸である。例えば、制限エンドヌクレアーゼ認識部位が存在する二本鎖核酸の1本の鎖上に修飾が存在する場合、修飾されたヌクレオチドまたはヌクレオチド三リン酸が、修飾鎖を制限酵素による切断から保護する形で、本明細書で用いられる修飾されたヌクレオチドまたはヌクレオチド三リン酸を修飾することができる。したがって、修飾されたヌクレオチドまたはヌクレオチド三リン酸の存在により、二本鎖核酸の切断ではなくニック形成が促進される。遮断基は、鋳型に付加されて、ポリメラーゼによる標的配列から独立した核酸の重合を阻害し得る化学基である。遮断基は通常、鋳型の3’末端に位置する。遮断基の例は、例えば、アルキル基、ヌクレオチド以外のリンカー、ホスホロチオエート、アルカンジオール残基、ペプチド核酸、および、例えば、コルジセピンを含む3’−OHを欠くヌクレオチド誘導体を含む。スペーサーの例は、例えば、C3スペーサーを含む。スペーサーは、例えば、鋳型内において、また、例えば、5’末端においても用いて、例えば、標識などの他の基に結合させることができる。
鋳型の伸長のためには、非修飾ヌクレオチドが提供されることが多い。伸長した鋳型内への組込みのためには、修飾されないヌクレオチドおよびヌクレオチド誘導体が提供されないことが多い。しかし、特定の実施形態では、1種または複数種の修飾されたヌクレオチドおよびヌクレオチド誘導体を提供し、伸長した鋳型内に組み込むことができる。
増幅反応はまた、ヘルパーオリゴヌクレオチドも含み得る。ヘルパーオリゴヌクレオチドは、例えば、約5〜10、5〜15、5〜20ヌクレオチド長である。ヘルパーオリゴヌクレオチドが存在すると、増幅反応の速度、量、または感度が増大し得る。ヘルパーオリゴヌクレオチドは、最終産物内には組み込まれない。当業者は、反応に添加するのに適切なヘルパーオリゴヌクレオチドの他、該添加量も決定することができるであろう。適切なヘルパーオリゴヌクレオチドを決定する方法の一例は、標的核酸の各領域またはその相補体と相補的なオリゴヌクレオチドを合成し、それらを様々な量でアッセイに添加し、ヘルパーオリゴヌクレオチドを伴うアッセイを、ヘルパーオリゴヌクレオチドを伴わない対照としてのアッセイと比較することである。認識領域またはその相補体の上流または下流の領域と相補的なヘルパーオリゴヌクレオチドを合成することができる。例えば、認識領域の上流また下流において5〜10塩基ごとにスペースを置いた領域と相補的な、約10塩基長のヘルパーオリゴヌクレオチドのセットを合成し、次いで、対合したそれらが増幅反応を増強する能力について調べることができる。
増幅の詳細な機構
本方法の増幅反応は、すべて反応温度に保持された、核酸標的、少なくとも2つの鋳型オリゴヌクレオチド、ニック形成酵素、例えば、好熱性のニック形成酵素、好熱性ポリメラーゼ、および緩衝液成分を必要とする。鋳型認識領域は、相補的であるかまたは実質的に相補的な標的配列と相互作用する。標的および鋳型の相補的であるかまたは実質的に相補的な領域の融点は、反応温度よりも十分に低いので、2本の核酸鎖間における相互反応は一過性であるが、好熱性ポリメラーゼが鋳型の3’末端から標的鎖に沿って伸長させるのに十分な時間が与えられる。実験では、特定のポリメラーゼが一本鎖オリゴヌクレオチ
ドに結合することが示されている。この複合体のあらかじめの形成により、増幅工程の速度を速めることができる。
二本鎖標的の場合、二本鎖DNAの正常なブリージング時においては、いずれの鋳型も、対応する標的鎖と同時に相互反応し得る(順方向鋳型はアンチセンス鎖と相互反応し、逆方向鋳型はセンス鎖と相互反応する)。標的はまた、ゲノム配列内における単一または二重のニック部位によっても作製することができる。一本鎖標的(RNAまたはDNA)の場合、まず、逆方向鋳型が結合して伸長する(図1、工程1および2)。伸長した配列は、順方向鋳型に対する相補体を含む。次いで、順方向鋳型が標的のある領域を置換し、順方向鋳型認識領域に相補的であるかまたは実質的に相補的な3’側の合成領域に結合する(ステップ3)。代替的に、別の逆方向鋳型もまた、認識領域において初期の伸長した逆方向鋳型を置換し、一本鎖の伸長した逆方向鋳型を作製して順方向鋳型に結合させ得る。該鋳型の初期の結合および伸長は、合成された産物の融点が反応温度を上回るように、より短鎖のDNAを伸長させるプロセッシブでないポリメラーゼにより促進される。次いで、次の鋳型認識部位が結合し、ポリメラーゼに伸長させるための一本鎖産物が用意される。
順方向鋳型は、逆方向鋳型の5’末端まで伸長し、逆方向鋳型のための二本鎖ニック形成酵素結合部位を作製する(ステップ5)。次いで、ニック形成酵素が二重鎖に結合し、逆方向鋳型鎖の認識配列の上流(上方鎖ニック形成酵素の場合)に直接にニックを形成する(ステップ6)。該ニック下流の核酸配列は放出され(融点が反応温度に近い場合)、かつ/または3’−OHニック部位からのポリメラーゼ合成により置換される。ポリメラーゼは、順方向鋳型に沿って、順方向鋳型の5’末端まで伸長させる(ステップ8)。両方の鋳型の伸長から形成される二本鎖により、二重鎖のいずれの端部にもニック形成酵素結合部位が作製される。この二本鎖を、NEAR(商標)増幅二重鎖と称する。ニック形成酵素が結合しニックを形成するとき、2つのニック部位(5’−リン酸および3’−OHを伴う)の間に位置し、通常23(であるがこれに限定されない)〜29塩基長の範囲にある標的産物が放出される(ステップ9〜11A)か、または標的産物およびニック部位の逆方向相補体および鋳型の安定性領域(通常36〜48塩基長)を含有する一本鎖でニックを形成された産物が放出される(ステップ9〜11B)。反応機構の別の表示を図33に示す。
産物2に対する産物1の比は、鋳型の濃度を変化させることにより調整することができる。順方向:逆方向の鋳型比は、例えば、100:1、75:1、50:1、40:1、30:1、20:1、10:1、5:1、2.5:1、1:1、1:2.5、1:5、1:10、1:20、1:30、1:40、1:50、1:75、または1:100のモル比で変化し得る。産物の比(Bに対するA)は、ポリメラーゼに対するニック形成酵素の比に依存する、すなわち、ポリメラーゼが伸長させる前に両方の鎖に同時にニックを形成するニック形成酵素が比較的少ないので、ポリメラーゼの濃度が高いと、結果として長さがより長い産物(B)が多く得られる。逆方向鋳型の置換/放出産物が順方向鋳型にフィードされ、これと逆のことも起きるので、指数関数的な増幅が達成される。ニック形成酵素:ポリメラーゼ比は、例えば、20:1、15:1、10:1、5:1、4:1、3:1、2:1、1.5:1、1:1、1:1.5、1:2、1:3、1:4、1:5、1:10、1:15、1:20の酵素単位比で変化し得る。特定の実施形態において、ポリメラーゼに対するニック形成酵素の比は、例えば、1:3、1:2、1:1.5、または1:0.8であり得る。当業者は、これらの比が概数値を表し得ることを認める。このニック形成工程およびポリメラーゼ伸長工程は、供給源の1つ(通常はdNTPまたは酵素)を使い切るまで継続される。
実施例で示される通り、反応が実行される時間は、例えば、約1分間以内、または約2
、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、もしくは20分間以内で変化し得る。速度が問題でない場合は、より長い反応時間により許容される結果が得られる場合がある。一部の実施形態において、反応は、1〜20分間、1〜15分間であるか、または特定の実施形態では、1〜10、1〜8、1〜5、1〜2.5、2.5〜5、2.5〜8、2.5〜10、もしくは2.5〜20分間である。本明細書で説明される増幅工程は、効率的であり、例えば、実施例で示される通り、一部の実施形態では、例えば、5分間または10分間の反応時間枠において、約1×10倍以上の増幅、約1×10倍以上の増幅、約1×10倍以上の増幅、約1×10倍以上の増幅、または約1×1010倍以上の増幅がなされる。反応は高感度であり、試料中において最小で約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、もしくは100コピー以上、試料中において最大で約200、500、1,000、5,000、もしくは10,000コピー以上を検出することが可能であるか、または、例えば、約3.32E−13マイクロモル〜約3.32E−8マイクロモル、約1.66E−12マイクロモル〜約3.32E−8マイクロモル、約3.32E−13マイクロモル〜約3.32E−7マイクロモル、もしくは約3.32E−13マイクロモル〜約3.32E−6マイクロモルの濃度で存在する標的を検出し得る。
特定の例示的な実施形態では、二本鎖核酸の標的配列を増幅する方法であって、ポリメラーゼが順方向および逆方向の鋳型を標的配列に沿って伸長させて二本鎖ニック形成部位を作製し、ニック形成酵素が該ニック形成部位においてニックを形成して増幅産物を作製する複数のサイクルにより増幅が実行される条件下において;センス鎖およびアンチセンス鎖を有する二本鎖標的配列を含む標的のDNA分子を順方向鋳型および逆方向鋳型と接触させるステップであって、該順方向鋳型が、標的配列のアンチセンス鎖の3’末端と相補的であるかまたは実質的に相補的な3’末端における認識領域と、該認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、該ニック形成酵素結合部位および該ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含む核酸配列を含み;該逆方向鋳型が、標的配列のセンス鎖の3’末端と相補的であるかまたは実質的に相補的な3’末端における認識領域と、該認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、該ニック形成酵素結合部位および該ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含むヌクレオチド配列を含むステップと;該順方向鋳型の該ニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、該標的配列内においてはニックを形成しない、第1のニック形成酵素を提供するステップと;該逆方向鋳型の該ニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、該標的配列内においてはニックを形成しない、第2のニック形成酵素を提供するステップと;DNAポリメラーゼを提供するステップとを含み、等温条件下の10分間において約10(1E+06)コピーの標的配列が作製される方法が提供される。他の実施形態では、10分間で約10(1E+07)コピーの標的配列が作製される。多重増幅アッセイの場合、同量のコピーを作製する時間は、例えば、12、14、15、18、または20分間まで延長される場合がある。これらのアッセイにおける標的配列のサイズは、効率の計算上、例えば、約20〜40ヌクレオチド、約20〜30ヌクレオチド、または、例えば、約20〜33ヌクレオチドであり得る。反応時間は、増幅反応が開始するように、すべての反応産物が同じ容器(vessel、containerなど)内に存在する時間から、反応を停止させるのに熱が加えられるかまたは化学作用物質が添加される時間まで計算される。
別の例示的な実施形態では、一本鎖核酸の標的配列を増幅する方法であって、ポリメラーゼが順方向および逆方向の鋳型を標的配列に沿って伸長させて二本鎖ニック形成部位を作製し、ニック形成酵素が該ニック形成部位においてニックを形成して増幅産物を作製する複数のサイクルにより増幅が実行される条件下において;一本鎖標的配列を含む標的核酸を逆方向鋳型と接触させるステップであって、該逆方向鋳型が、該標的配列の3’末端
と相補的であるかまたは実質的に相補的な3’末端における認識領域と、該認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、該ニック形成酵素結合部位および該ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含むヌクレオチド配列を含むステップと;該逆方向鋳型の該ニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、該標的配列内においてはニックを形成しない、第1のニック形成酵素を提供するステップと;該逆方向鋳型を該標的配列に沿って伸長させる条件下においてDNAポリメラーゼを提供するステップと;該伸長した逆方向鋳型を順方向鋳型と接触させるステップであって、該順方向鋳型が、該標的配列の5’末端と同一の3’末端における認識領域と、該認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、該ニック形成酵素結合部位および該ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含むステップと;該順方向鋳型の該ニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、該標的配列内においてはニックを形成しない、第2のニック形成酵素を提供するステップとを含み、等温条件下の10分間において約10(1E+06)コピーの標的配列が作製される方法が提供される。他の実施形態では、10分間で約10(1E+07)コピーの標的配列が作製される。多重増幅アッセイの場合、同量のコピーを作製する時間は、例えば、12、14、15、18、または20分間まで延長される場合がある。これらのアッセイにおける標的配列のサイズは、効率の計算上、例えば、約20〜40ヌクレオチド、または、例えば、約20〜33ヌクレオチドであり得る。反応時間は、増幅反応が開始するように、すべての反応産物が同じ容器(vessel、containerなど)内に存在する時間から計算される。
本方法は、増幅法において増幅された核酸から標的配列を解離させるのに必要とされることが多い温度循環の使用を必要としない。反応温度は、配列の長さおよびGC濃度に基づいて変化することがあるが、当業者が理解する通り、温度は、非特異的結合を最小化するのに十分な程度に高いものとする。温度はまた、反応酵素であるニック形成酵素およびポリメラーゼにも適するものとする。例えば、反応は、約52℃、53℃、54℃、55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、または60℃で実行することができる。一部の実施形態において、反応は、約37℃〜85℃、37℃〜60℃、54℃〜60℃、55℃〜60℃、58℃〜60℃で実行され、例示的な実施形態では、56℃〜58℃で実施される。特定の実施形態において、該工程には変性ステップが存在しない。本方法の一部の実施形態において、鋳型を標的核酸と相互作用させるステップを含む全増幅工程は、実質的な等温条件内において、変性ステップ(例えば、著明な温度上昇(例えば、90〜110℃への温度上昇))なしに実施される。
特定の例示的な実施形態では、二本鎖核酸の標的配列を増幅する方法であって、ポリメラーゼが順方向および逆方向の鋳型を標的配列に沿って伸長させて二本鎖ニック形成部位を作製し、ニック形成酵素が該ニック形成部位においてニックを形成して増幅産物を作製する複数のサイクルにより増幅が実行される条件下において;センス鎖およびアンチセンス鎖を有する二本鎖標的配列を含む標的のDNA分子を順方向鋳型および逆方向鋳型と接触させるステップであって、該順方向鋳型が、標的配列のアンチセンス鎖の3’末端と相補的であるかまたは実質的に相補的な3’末端における認識領域と、該認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、該ニック形成酵素結合部位および該ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含む核酸配列を含み;該逆方向鋳型が、標的配列のセンス鎖の3’末端と相補的であるかまたは実質的に相補的な3’末端における認識領域と、該認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、該ニック形成酵素結合部位および該ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含むヌクレオチド配列を含むステップと;該順方向鋳型の該ニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、該標的配列内においてはニックを形成しない、第1のニック形成酵素を提供するステップと;該逆方向鋳型の該ニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、該標的配列内においてはニックを形成しない、第2のニック形成酵素
を提供するステップと;DNAポリメラーゼを提供するステップとを含み、上述のステップが等温条件下で実施される方法が提供される。
別の例示的な実施形態では、一本鎖核酸の標的配列を増幅する方法であって、ポリメラーゼが順方向および逆方向の鋳型を標的配列に沿って伸長させて二本鎖ニック形成部位を作製し、ニック形成酵素が該ニック形成部位においてニックを形成して増幅産物を作製する複数のサイクルにより増幅が実行される条件下において;一本鎖標的配列を含む標的核酸を逆方向鋳型と接触させるステップであって、該逆方向鋳型が、該標的配列鎖の3’末端と相補的であるかまたは実質的に相補的な3’末端における認識領域と、該認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、該ニック形成酵素結合部位および該ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含むヌクレオチド配列を含むステップと;該逆方向鋳型の該ニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、該標的配列内においてはニックを形成しない、第1のニック形成酵素を提供するステップと;該逆方向鋳型を該標的配列に沿って伸長させる条件下においてDNAポリメラーゼを提供するステップと;該伸長した逆方向鋳型を順方向鋳型と接触させるステップであって、該順方向鋳型が、該標的配列の5’末端と同一の3’末端における認識領域と、該認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、該ニック形成酵素結合部位および該ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含むステップと;該順方向鋳型の該ニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、該標的配列内においてはニックを形成しない、第2のニック形成酵素を提供するステップとを含み、上述のステップが等温条件下で実施される方法が提供される。
ポリメラーゼは、ニック形成酵素の前、後、またはこれと同時に、標的の核酸分子と混合することができる。例示的な実施形態において、反応緩衝液は、ニック形成酵素およびポリメラーゼのいずれにも適するように最適化される。
反応は、すなわち、供給源の1つを使い切ると終了させることができる。または、反応は、例えば、熱による不活性化、もしくはEDTAの添加、高濃度の塩、もしくは洗浄剤など、当業者に知られる方法を用いて停止させることができる。例示的な実施形態において、増幅後に質量分析を用いる場合、EDTAを用いて反応を停止させることができる。
反応成分
1.5mLのエッペンドルフ管では、上から下への順で以下の試薬が組み合わされる。
本例における成分濃度は、以下の通りである。
緩衝条件、MgSO濃度、ポリメラーゼ濃度、および鋳型濃度のすべてにおける変化は、アッセイ配列および所望の検出法に基づいて最適化することができる。例えば、より高濃度の酵素ストックを用いる場合は、グリセロール量を低下させることができる。特定の実施形態において、反応剤として添加されるMg2+イオンの濃度は、約9mM〜約25mM、約9mM〜21mM、約9〜21mM、約9〜20mM、約9〜15mMであり、例えば、例示的な実施形態において、約10mM〜約18mM、約10mM〜約25mM、約10mM〜21mM、約12〜21mM、約10〜20mM、約10〜15mM、約10.3mM〜約20mM、約10.3mM〜約14.9mM、または約15mMである。また、当業者は、EDTAまたはBSAなしに反応を実行し得るが、反応において、酵素の保存用緩衝液の一部としてこれらの成分が存在し得ることも認める。用量は、より大量またはより少量の総反応容量に応じて増減させることができる。用量は通常、5μL〜100μLである。
鋳型濃度は、標的濃度を上回ることが典型的である。順方向および逆方向の鋳型の濃度
は同じ濃度でもあり得、1つの産物の増幅を他の産物の増幅に対して偏向させるよう、異なる濃度でもあり得る。各々の濃度は通常、10nM〜1μMである。
BSA、Triton X−100またはTween−20などの非イオン性洗浄剤、DMSO、DTT、およびRNアーゼ阻害剤などの添加剤を、増幅反応に有害な作用を及ぼすことのない最適化の目的で組み入れることができる。
標的の調製/添加
標的は、1倍濃度のThermopol Buffer II、1倍濃度のTE(pH7.5)、またはHO中において希釈することができる。高温の開始条件により、より速くより特異的な増幅が可能となる。この場合、反応混合物(から酵素または鋳型および標的を除いたもの)を反応温度まで加熱して2分間置き、その後、他の成分(酵素または鋳型/標的)に反応混合物を添加する。反応において必要とされる水の総量までの任意の容量で標的を添加することができる。この場合、標的は、水で希釈される。総反応容量50マイクロリットルの上例では、1回の反応につき2.5マイクロリットルの調製された標的を添加して、総反応容量を50マイクロリットルにするものとする。本方法の反応容量は、使用者の必要に応じて増加させることも減少させることもできる。本方法では、例えば、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50マイクロリットル以上の反応容量、または、例えば、75、100、150、200、300、400、500マイクロリットルのより大きな反応容量を用いることができる。
反応の実行
反応は一定温度で、Bstポリメラーゼ(大断片)とNt.Bst.NB1ニック形成酵素との組合せの場合、通常54℃〜60℃で実行する。他の酵素の組合せも用いることができ、最適の反応温度は、協同作用するニック形成酵素およびポリメラーゼの両方に対する最適温度の他、反応産物の融点にも基づく。反応は、例えば、所望量の増幅が達成されるまで、2.5〜10分間にわたり保温される。反応は、酵素を不活化する熱による不活化ステップにより停止させることができる(熱により死滅させ得る酵素を用いる場合)。代替的に、反応は、これにEDTAを添加することにより停止させることができる。
リードアウト
増幅された標的配列は、当業者に知られる任意の方法により検出することができる。非限定的な例として述べると、本明細書では、これらの既知の方法のいくつかが提示される。一方法において、増幅産物は、ゲル電気泳動により検出することができ、したがって、特定の長さを有する反応産物が検出される。例えば、ヌクレオチドは、例えば、ビオチンなどで標識することができる。ビオチンで標識された増幅配列は、シグナル生成酵素、例えば、ペルオキシダーゼに結合したアビジンを用いて捕捉することができる。
核酸検出法では、二本鎖DNAを特異的に染色する色素を用いることができる。DNAまたはRNAに対する結合時において蛍光の増強を示す挿入色素は、分子生物学および細胞生物学において基本的なツールである。色素は、例えば、DNAまたはRNAに挿入するフルオロフォアである場合があり、以下の例:アクリジンオレンジ、臭化エチジウム、ヘキスト色素、Pico Green、ヨウ化プロピジウム、SYBR I(非対称性のシアニン色素)、SYBR II、TOTO(チアゾールオレンジの二量体)、およびYOYO(オキサゾールイエローの二量体)などを含み得るがこれらに限定されない。色素は、各種の検出法と共に用いると核酸検出感度増大の可能性をもたらし、多様な最適の使用パラメータを有し得る。例えば、ゲル電気泳動後のアガロースゲルおよびPCR時においてDNAを染色するには一般的に臭化エチジウムが用いられ(Hiquchiら、Nature Biotechnology、第10巻、413〜417頁、1992年4月)、フローサイトメトリーにより細胞のDNA倍数性を決定するにはヨウ化プロピジウム
およびヘキスト33258を用い、レーザー誘導蛍光検出を伴うキャピラリー電気泳動による二本鎖DNAの解析にはSYBR Green 1が用いられ、イオン対のマッチによるポリヌクレオチドクロマトグラフィー後における二本鎖DNA検出の増強にはPico Greenが用いられている(Singerら、Analytical Biochemistry、第249巻、229〜238頁、1997年)。
核酸検出法にはまた、標的配列内または対象の標的と相補的であるかもしくは実質的に相補的な配列を含有するプローブ内に直接に組み込まれる、標識されたヌクレオチドも用いることができる。このような標識は、天然において放射性および/または蛍光性であり得、本明細書で論じられる任意の方式で解像することができる。検出は可能であるが、その他の点では天然のヌクレオチドとして機能し得る、標識されたヌクレオチドは、天然のヌクレオチドとして機能しない修飾ヌクレオチドとは識別される。
核酸産物増幅の検出および/または継続的なモニタリングの方法もまた当業者に知られており、以下でいくつかの例が説明される。
標的の核酸および核酸配列の生成または存在は、分子ビーコンにより検出およびモニタリングすることができる。分子ビーコンは、一方の端部におけるフルオロフォアと、反対側の端部における消光色素とを含有する、ヘアピン形状のオリゴヌクレオチドである。該ヘアピンのループは、標的配列と相補的であるかまたは実質的に相補的なプローブ配列を含有し、該ステムは、プローブ配列の両側に位置する相補的であるかまたは実質的に相補的なアーム配列のアニーリングにより形成される。フルオロフォアおよび消光分子は、各アームの対向する端部において共有結合される。オリゴヌクレオチドがその相補的であるかもしくは実質的に相補的な標的にハイブリダイズすることを阻止する条件下におけるか、または分子ビーコンが溶液中において遊離している場合、蛍光分子と消光分子とは互いに近接し、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)が阻止される。分子ビーコンが標的分子に遭遇するとハイブリダイゼーションが生じ、ループ構造は、安定的でより固定的な立体構造に転換され、フルオロフォアと消光分子との分離を引き起こし、蛍光がもたらされる(Tyagiら、Nature Biotechnology、第14巻、1996年3月、303〜308頁)。プローブの特異性により、蛍光の生成は、もっぱら、意図される増幅産物の合成による。
分子ビーコンは極めて特異的であり、単一塩基多型を識別することが可能である。分子ビーコンはまた、異なる色のフルオロフォアおよび異なる標的配列によっても合成することができ、同じ反応における複数種の産物を同時に定量することを可能とする。定量的な増幅工程の場合、分子ビーコンは、増幅の各サイクル後における増幅された標的に特異的に結合することが可能であり、ハイブリダイズしなかった分子ビーコンは暗色であるので、プローブ−標的ハイブリッドを単離して、増幅産物を定量的に決定する必要がない。結果として得られるシグナルは、増幅産物の量に比例する。これは、実時間で実行することができる。他の実時間の形と同様に、各プライマー/プローブのセットが確度および精度を確保するには、特異的な反応条件を最適化しなければならない。
標的の核酸および核酸配列の生成または存在はまた、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)によっても検出およびモニタリングすることができる。FRETは、2つの発色団:ドナー分子およびアクセプター分子の間におけるエネルギー移動機構である。略述すると、ドナーフルオロフォア分子は、特定の励起波長で励起される。その後にドナー分子がその基底状態に戻るときの該分子からの発光は、遠距離の双極子間相互作用により、アクセプター分子に励起エネルギーを移動させ得る。アクセプター分子の発光強度はモニタリングが可能であり、ドナーとアクセプターとの間の距離、ドナーの発光スペクトルとアクセプターの吸収スペクトルとの重複、ならびにドナーの発光双極子モーメントおよびアクセ
プターの発光双極子モーメントの向きの関数である。FRETは、例えば、分子ビーコンについてみられるDNA間相互作用における分子動力学を定量化する有用なツールである。特異的産物の生成をモニタリングする場合、プローブの一方の端部をドナー分子で標識し、他方の端部をアクセプター分子で標識することができる。プローブ−標識間のハイブリダイゼーションは、ドナーおよびアクセプターの距離または向きの変化をもたらし、FRETの変化が観察される(Joseph R. Lakowicz、「Principles of Fluorescence Spectroscopy」、Plenum
Publishing社、第2版(1999年7月1日))。
標的の核酸および核酸配列の生成または存在はまた、質量分析によっても検出およびモニタリングすることができる。質量分析は、標的核酸分子種の構造および量を決定するのに用いることができ、これを用いて複雑な混合物の迅速な解析を提供することができる。該方法に従い試料をイオン化し、結果として得られるイオンをそれらの質量対電荷比により電場および/または磁場内で分離し、検出器によりイオンの質量対電荷比を測定する(Crain, P. F.およびMcCloskey, J. A.、Current Opinion in Biotechnology、第9巻、25〜34頁(1998年))。質量分析法は、例えば、MALDI法、MALDI/TOF法、またはエレクトロスプレー法を含む。これらの方法は、ガスクロマトグラフィー(GC/MS)および液体クロマトグラフィー(LC/MS)と組み合わせることができる。MSは、DNAおよびRNAのオリゴヌクレオチドの配列決定に適用されている(Limbach P.、MassSpectrom. Rev.、第15巻、297〜336頁(1996年);Murray K.、J. Mass Spectrom.、第31巻、1203〜1215頁(1996年))。MSおよびより具体的に、マトリックス支援レーザー脱離イオン化MS(MALDI MS)は、高速のシグナル収集および自動化された固体表面の解析により極めて高度なハイスループットの潜在力を有する。MSは、時間の節約に加えて、分子の内在的な特性を測定し、したがって、著明により有用なシグナルをもたらすことが指摘されている(Koster H.ら、Nature Biotechnol.、第14巻、1123〜1128頁(1996年))。
標的の核酸および核酸配列の生成または存在はまた、各種のゲル電気泳動法によっても検出およびモニタリングすることができる。ゲル電気泳動は、マトリックスを介して分子を引き寄せる起電力を用いて、マトリックス、一般には架橋されたポリマーを介する核酸の分離を伴う。分子は異なる速度でマトリックス内を移動し、オートラジオグラフィー、リン光体造影(phosphorimaging)、および核酸キレート化色素による染色を含むがこれらに限定されない多数の方法のいずれか1つにより視覚化および解釈が可能な産物間の分離を引き起こす。
標的の核酸および核酸配列の生成または存在はまた、キャピラリーゲル電気泳動によっても検出およびモニタリングすることができる。キャピラリーゲル電気泳動(CGE)は、従来のゲル電気泳動と、細孔キャピラリー内におけるポリアクリルアミドなどの媒体を用いる液体クロマトグラフィーとの組合せにより、単一塩基までの解像度を有する高速で高効率の核酸分子の分離をもたらす。CGEは、一般に、最小で6個の染色DNAを検出し得るレーザー誘導蛍光(LIF)検出と組み合わされる。CGE/LIF検出は、一般に、臭化エチジウム、YOYO、およびSYBR Green 1を含む蛍光DNA挿入色素の使用を伴うが、また、蛍光色素がDNAに共有結合する蛍光DNA誘導体の使用も伴い得る。この方法を用いて、複数の異なる標的配列の同時的な同定を行うことができる。
標的の核酸および核酸配列の生成または存在はまた、各種の表面捕捉法によっても検出およびモニタリングすることができる。これは、特定のオリゴヌクレオチドを表面に固定
化して、高感度であると共に高度に選択性でもあるバイオセンサーを作製することにより達成される。この方法で用いられる表面は、金および炭素を含み得るがこれらに限定されず、プローブを表面に結合させる多数の共有結合法または非共有結合法を用いることができる。その後における標的DNAの検出は、各種の方法によりモニタリングすることができる。
電気化学法は、一般に、DNAプローブ電極上におけるメチレンブルーなどの挿入剤の陰極ピークを測定するステップを伴い、方形波のボルタモグラムにより視覚化される。標的配列の結合は、それがdsDNAおよびssDNAと異なる形で相互作用し、ハイブリッド形成の程度を反映する、メチレンブルーのボルタンメトリー還元シグナルの大きさの減少により観察することができる。
表面プラズモン共鳴(SPR)もまた、プローブ結合の反応速度の他、標的捕捉過程をモニタリングするのに用いることができる。SPRは、蛍光プローブまたは他の標識の使用を必要としない。SPRは、屈折率の異なる2つの透明の媒質の界面上において反射および屈折される光の原理に依拠する。単色のp分極光と、金の薄層を含む界面を有する2つの透明な媒質とを用いると、臨界角を超えた光の全反射が観察されるが、該光の電磁場成分は、屈折率のより小さな媒質中に達し、エバネセント波およびくっきりとした影をもたらす(表面プラズモン共鳴)。これは、波と表面プラズモンとの間における共鳴エネルギー移動による。共鳴条件は、金属薄膜上において吸収される物質により影響され、共鳴単位と質量濃度との間の関係に基づいて、核酸分子、タンパク質、および糖の濃度を測定することができる。
標的の核酸および核酸配列の生成または存在はまた、側方流動装置によっても検出およびモニタリングすることができる。側方流動装置はよく知られている。これらの装置は、一般に、毛細管力により流体がその中を流れる、固相の流体透過性流路を含む。例は、ディップスティックアッセイおよび各種の適切な被覆を伴う薄層クロマトグラフィープレートを含むがこれらに限定されない。流路上には、試料に対する各種の結合試薬、試料に対する結合パートナーまたは結合パートナーを伴うコンジュゲート、およびシグナル生成システムが固定化されている。試料の検出は、複数の方法、例えば、酵素検出、ナノ粒子検出、比色検出、および蛍光検出で達成することができる。酵素検出は、側方流動装置の表面上における相補的であるかまたは実質的に相補的な核酸標的にハイブリダイズする酵素標識したプローブを伴い得る。結果として得られる複合体は、適切なマーカーにより処理して、読み取り可能なシグナルを発することが可能である。ナノ粒子検出は、金コロイド、ラテックス、および常磁性ナノ粒子を用い得るビーズ技術を伴う。一例では、ビーズを抗ビオチン抗体にコンジュゲートする。標的配列を直接にビオチン化することもでき、標的配列を配列特異的なビオチン化プローブにハイブリダイズさせることもできる。金およびラテックスからは裸眼で見ることのできる比色シグナルが発せされ、常磁性粒子からは、磁場内で励起された場合に、目には見えないシグナルが発せされ、特別の読み取り装置により読み取ることができる。
例えば、フルオレセインおよびビオチン二重標識オリゴプローブ法、水晶中に埋め込まれたランタニド元素からなる上方変換リン光体レポーターを用いるUPT−NALF法(Corstjensら、Clinical Chemistry、第47巻、第10号、1885〜1893頁、2001年)の他、量子ドットの使用など、蛍光ベースの側方流動検出法もまた知られている。
核酸はまた、側方流動装置上でも捕捉することができる。捕捉手段は、抗体に依存する方法および抗体に依存しない方法を含み得る。抗体に依存する捕捉は、一般に、抗体捕捉ラインと、標的に相補的であるかまたは実質的に相補的な配列である標識プローブとを含
む。抗体に依存しない捕捉では、一般に、2つの結合パートナー間における非共有結合的相互作用、例えば、ビオチン化したプローブとストレプトアビジンラインとの間における高親和性で不可逆的な結合が用いられる。捕捉プローブは、側方流動膜上に直接に固定化することができる。抗体に依存する方法および抗体に依存しない方法共に、多重増幅において用いることができる。
標的の核酸および核酸配列の生成または存在はまた、多重DNA配列決定によっても検出およびモニタリングすることができる。多重DNA配列決定は、DNAプールから標的DNA配列を同定する手段である。該技法は、多くの配列決定鋳型の同時的な処理を可能とする。プールされた多数の鋳型は、処理終了時には、個別の配列に分解することができる。略述すると、DNA分子をプールし、増幅し、化学的に断片化する。配列決定ゲル上において生成物をサイズにより画分し、ナイロン製の膜へと転写する。標準的なDNA配列決定法において用いられる方法と同様の方法を用いて、該膜をプローブし、オートラジオグラフ撮影する(Churchら、Science、1998年4月8日、第240巻(第4849号)、185〜188頁)。オートラジオグラフは評価が可能であり、標的核酸配列の存在を定量化することができる。
キット
本方法に用いられるキットは、本明細書で説明される通り、例えば、1つまたは複数のポリメラーゼ、順方向および逆方向の鋳型、ならびに1つまたは複数のニック形成酵素を含み得る。1つの標的が増幅される場合、1つまたは2つのニック形成酵素をキット中に組み入れることができる。複数の標的配列を増幅し、これらの標的配列に対して設計される鋳型が、同じニック形成酵素に対するニック形成酵素結合部位を含む場合、1つまたは2つのニック形成酵素を組み入れることができる。または、鋳型が異なるニック形成酵素により認識される場合、例えば、3つ以上など、より多数のニック形成酵素をキット中に組み入れることができる。
本方法に用いられるキットはまた、任意の数の分離容器、パケット、チューブ、バイアル、マイクロ滴定プレートなどの中における1つまたは複数の成分を含むこともあり、このような容器内における各種の組合せで成分が組み合わされることもある。
キットの成分は、例えば、1つまたは複数の容器内に存在することもあり、例えば、すべての成分が1つの容器内に存在することもあり、例えば、酵素が鋳型とは別の容器内に存在することもある。成分は、例えば、凍結乾燥(lyophilized、freeze dried)されることもあり、安定的な緩衝液中に存在することもある。一例では、ポリメラーゼおよびニック形成酵素が単一容器内における凍結乾燥形態で存在し、鋳型が異なる容器内において凍結乾燥(lyophilized、freeze dried)されるかもしくは緩衝液中に存在する。または、別の例では、ポリメラーゼ、ニック形成酵素、および鋳型が、単一容器内において凍結乾燥形態で存在する。または、ポリメラーゼとニック形成酵素とを異なる容器内に分離することもできる。
キットは、例えば、反応において用いられるdNTPもしくは修飾ヌクレオチド、反応に用いられるキュベットもしくは他の容器、または乾燥凍結された成分を再水和化する水もしくは緩衝液のバイアルをさらに含み得る。用いられる緩衝液は、例えば、ポリメラーゼ活性およびニック形成酵素活性のいずれに対しても適切であり得る。
本方法に用いられるキットはまた、本明細書で説明される1つもしくは複数の方法を実施するための指示書および/または本明細書で説明される1つもしくは複数の組成物もしくは試薬の説明書も含み得る。指示書および/または説明書は、冊子形態である場合もあり、キットの添付書中に含まれる場合もある。キットはまた、このような指示書または説
明書を提供するインターネットサイトについての説明書も含み得る。
キットは、例えば、FRETに用いられる試薬、側方流動装置、ディップスティック、蛍光色素、金コロイド粒子、ラテックス粒子、分子ビーコン、またはポリスチレンビーズなど、検出法に用いられる試薬をさらに含み得る。
本発明および本キットの利点は、それらが、サーモサイクラ−、インキュベーションオーブン、水槽、および伝熱ブロックを含む、一定温度を提供する任意の機器内において用い得ることである。
したがって、本方法では、ヌクレオチド配列の増幅方法であって、ポリメラーゼが鋳型核酸を伸長させ、これにより、伸長された鋳型核酸のアンプリコンが得られる条件下で、増幅反応において、標的ヌクレオチド配列を有する標的核酸を、(i)ポリメラーゼ、(ii)該標的ヌクレオチド配列の第1鎖にハイブリダイズする第1鋳型核酸、および(iii)該標的ヌクレオチド配列の第1鎖の相補体にハイブリダイズする第2鋳型核酸と混合するステップを含み、該該標的ヌクレオチド配列が20〜40ヌクレオチド長であり、該該標的ヌクレオチド配列が約10分間で1E+6倍以上に増幅され、上述のステップが実質的な等温条件下で実施される方法が提供される。
また、ヌクレオチド配列の増幅方法であって、ポリメラーゼが鋳型核酸を伸長させ、これにより、伸長された鋳型核酸のアンプリコンが得られる条件下で、増幅反応において、標的ヌクレオチド配列を有する標的核酸を、(i)ポリメラーゼ、(ii)該標的ヌクレオチド配列の第1鎖にハイブリダイズする第1鋳型核酸、および(iii)該標的ヌクレオチド配列の第1鎖の相補体にハイブリダイズする第2鋳型核酸と混合するステップを含み、該標的ヌクレオチド配列が20〜40ヌクレオチド長であり、該第1鋳型が該標的ヌクレオチド配列の該第1鎖の3’末端と相補的であるかまたは実質的に相補的な3’末端における第1鋳型認識領域を含む核酸配列を含み、該第2鋳型が該標的ヌクレオチド配列の該第1鎖の相補体の3’末端と相補的であるかまたは実質的に相補的な3’末端における第2鋳型認識領域を含むヌクレオチド配列を含み、標的ヌクレオチド配列が、該第1鋳型認識領域と該第2鋳型認識領域とのヌクレオチド和よりも1〜5ヌクレオチド多く含み、該標的ヌクレオチド配列が約10分間で1E+6倍以上に増幅され、上述のステップが実質的な等温条件下で実施される方法も提供される。
また、ポヌクレオチド配列の増幅方法であって、ポリメラーゼが鋳型核酸を伸長させ、これにより、伸長された鋳型核酸のアンプリコンが得られる条件下で、増幅反応において、標的ヌクレオチド配列を有する標的核酸を、(i)ポリメラーゼ、(ii)該標的ヌクレオチド配列の第1鎖にハイブリダイズする第1鋳型核酸、および(iii)該標的ヌクレオチド配列の第1鎖の相補体にハイブリダイズする第2鋳型核酸と混合するステップを含み、該第1鋳型が該標的ヌクレオチド配列の該第1鎖の3’末端と相補的であるかまたは実質的に相補的な3’末端における8〜15ヌクレオチド長の第1鋳型認識領域を含む核酸配列を含み、該第2鋳型が該標的ヌクレオチド配列の該第1鎖の相補体の3’末端と相補的であるかまたは実質的に相補的な3’末端における8〜15ヌクレオチド長の第2鋳型認識領域を含むヌクレオチド配列を含み、該標的ヌクレオチド配列が約10分間で1E+6倍以上に増幅され、上述のステップが実質的な等温条件下で実施される方法も提供される。
本方法の特定の態様において、第1鋳型は、標的ヌクレオチド配列の第1鎖の3’末端と相補的であるかまたは実質的に相補的な3’末端における第1鋳型認識領域を含む核酸配列を含み、第2鋳型は、該標的ヌクレオチド配列の該第1鎖の相補体の3’末端と相補的であるかまたは実質的に相補的な3’末端における第2鋳型認識領域を含むヌクレオチ
ド配列を含む。特定の態様において、標的ヌクレオチド配列は、第1鋳型認識領域と第2鋳型認識領域とのヌクレオチド和よりも1〜5ヌクレオチド多く含む。他の態様において、第1鋳型および第2鋳型は、認識部位の上流におけるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位を含み、増幅反応は、前記順方向および前記逆方向鋳型の該ニック形成部位においてニックを形成することが可能である1つまたは複数のニック形成酵素をさらに含み、1つのニック形成酵素で前記鋳型の両方にニックを形成することが可能であるか、または少なくとも1つのニック形成酵素により各鋳型にニックを形成することが可能であり、前記1つまたは複数のニック形成酵素は、前記標的配列内においてニックを形成しない。
一部の実施形態において、標的ヌクレオチド配列は、第1鋳型認識領域と第2鋳型認識領域とのヌクレオチド和よりも1ヌクレオチド多く含む。他の実施形態において、標的ヌクレオチド配列は、第1鋳型認識領域と第2鋳型認識領域とのヌクレオチド和よりも2ヌクレオチド多く含む。さらに他の実施形態において、標的ヌクレオチド配列は、第1鋳型認識領域と第2鋳型認識領域とのヌクレオチド和よりも3ヌクレオチド多く含む。
本方法の特定の態様において、標的核酸は、二本鎖または一本鎖である。特定の態様において、標的核酸は二本鎖DNAである。他の態様において、標的核酸は一本鎖DNAである。さらに他の態様において、標的核酸はRNAである。標的核酸は、例えば、ゲノムDNA、プラスミドDNA、ウイルスDNA、ミトコンドリアDNA、および合成二本鎖DNAからなる群から選択することができる。標的核酸は、例えば、ウイルスDNA、cDNA、および合成一本鎖DNAからなる群から選択することができる。標的核酸は、例えば、メッセンジャーRNA、ウイルスRNA、リボソームRNA、転移RNA、マイクロRNA、マイクロRNA前駆体、および合成RNAからなる群から選択することができる。
本発明の方法において、DNAポリメラーゼは、例えば、好熱性ポリメラーゼである。該ポリメラーゼは、例えば、Bst(大断片)、9°N、Vent(登録商標)(エキソ)DNAポリメラーゼ、Therminator、およびTherminator IIからなる群から選択することができる。特定の態様において、該ポリメラーゼは、Bst(大断片)である。
特定の実施形態において、第1および第2の鋳型は、同一のニック形成酵素により認識されるニック形成酵素結合部位を含み、前記第1および前記第2のニック形成酵素は同一である。ニック形成酵素は、例えば、Nt.BspQI、Nb.BbvCi、Nb.BsmI、Nb.BsrDI、Nb.BtsI、Nt.AlwI、Nt.BbvCI、Nt.BstNBI、Nt.CviPII、Nb.Bpu10I、およびNt.Bpu10Iからなる群から選択することができる。
本方法の一部の態様において、標的ヌクレオチド配列の第1鎖と相補的であるかまたは実質的に相補的な第1鎖の核酸配列部分は8〜15ヌクレオチド長であり、該標的ヌクレオチド配列と相補的であるかまたは実質的に相補的な第2鎖の部分は8〜15ヌクレオチド長である。一部の実施形態において、第1鋳型は、第2鋳型と同じ濃度で提供される。他の態様において、第1または第2鋳型の1つは、1:100〜100:1の比の範囲の他の鋳型に対する比で提供される。本方法の反応は、第2のポリメラーゼをさらに含み得る。一部の態様において、第1または第2のポリメラーゼの少なくとも1つは、逆転写酵素活性を含む。
本方法の特定の実施形態において、増幅は、54℃〜60℃で実施される。他の実施形態において、増幅は、56℃〜58℃で実施される。特定の実施形態において、増幅反応
は、1〜10分間にわたり一定温度に保持される。他の実施形態において、増幅反応は、1〜20分間にわたり一定温度に保持される。
本方法は、増幅産物を検出するステップをさらに含み得る。したがって、特定の態様において、増幅産物は、ゲル電気泳動、質量分析、SYBR I蛍光、SYBR II蛍光、SYBR Gold、Pico Green、TOTO−3、挿入色素検出、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)、分子ビーコン検出、表面捕捉、キャピラリー電気泳動、捕捉による検出を可能とする標識ヌクレオチドの組込み、蛍光分極、および側方流動捕捉からなる群から選択される検出法により検出される。
一部の態様では、少なくとも2つの標的配列が増幅可能である。特定の態様において、増幅産物は、固体表面上において検出される。一部の態様では、少なくとも1つの捕捉プローブが固体表面上に固定化される。一部の実施形態において、少なくとも1つの前記鋳型は、例えば、スペーサー、遮断基、または修飾ヌクレオチドを含む。
本方法の一部の実施形態において、標的ヌクレオチド配列は、約5分間で1E+6倍以上に増幅される。他の実施形態において、標的ヌクレオチド配列は、約2.5分間で1E+6倍以上に増幅される。他の実施形態において、標的ヌクレオチド配列は、約5分間で1E+7倍以上に増幅される。他の実施形態において、標的ヌクレオチド配列は、約5分間で1E+8倍以上に増幅される。さらに他の実施形態において、標的ヌクレオチド配列は、約5分間で1E+9倍以上に増幅される。
本方法はまた、二本鎖核酸の標的配列を増幅する方法であって、ポリメラーゼが順方向および逆方向の鋳型を標的配列に沿って伸長させて二本鎖ニック形成部位を作製し、ニック形成酵素が前記ニック形成部位または前記部位の増幅されたコピーにおいてニックを形成して増幅産物を作製する複数のサイクルにより増幅が実行される本質的に等温の条件下において;センス鎖およびアンチセンス鎖を有する二本鎖標的配列を含む標的のDNA分子を順方向鋳型および逆方向鋳型と接触させるステップであって、前記順方向鋳型が、該標的配列のアンチセンス鎖の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、前記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、前記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含む核酸配列を含み、該標的のアンチセンス鎖の3’末端と相補的な該核酸配列部分が8〜15ヌクレオチド長であり;前記逆方向鋳型が、該標的配列のセンス鎖の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、前記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、前記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含むヌクレオチド配列を含み、該標的のアンチセンス鎖の3’末端と相補的な該核酸配列部分が8〜15ヌクレオチド長であるステップと;前記順方向鋳型の該ニック形成部位の上流、下流、または該部位においてニックを形成することが可能であり、前記標的配列内においてはニックを形成しない、第1のニック形成酵素を提供するステップと;前記逆方向鋳型の該ニック形成部位の上流、下流、または該部位においてニックを形成することが可能であり、前記標的配列内においてはニックを形成しない、第2のニック形成酵素を提供するステップと;DNAポリメラーゼを提供するステップとを含む方法も含む。
また、一本鎖核酸の標的配列を増幅する方法であって、一本鎖標的配列を含む標的核酸を逆方向鋳型と接触させるステップであって、前記逆方向鋳型が、該標的配列の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、前記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、前記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含む核酸配列を含み、該標的配列の3’末端と相補的な該核酸配列部分が8〜15ヌクレオチド長であるステップと;前記逆方向鋳型の該ニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、前記標的配列内においてはニックを形成しない、第1のニック形成酵素を提
供するステップと;DNAポリメラーゼを、前記ポリメラーゼが前記逆方向鋳型を前記標的配列に沿って伸長させる条件下において提供するステップと;前記伸長した逆方向鋳型を順方向鋳型と接触させるステップであって、前記順方向鋳型が前記伸長した逆方向鋳型の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、前記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、前記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含み、該標的アンチセンス鎖の3’末端と相補的な該核酸配列部分が8〜15ヌクレオチド長であるステップと;前記順方向鋳型の該ニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、前記標的配列内においても、前記標的配列の相補体内においてもニックを形成しない、第2のニック形成酵素を提供するステップとを含み、前記ポリメラーゼが前記順方向および逆方向の鋳型を前記標的配列に沿って伸長させて二本鎖ニック形成部位を作製し、前記ニック形成酵素が前記ニック形成部位においてニックを形成して増幅産物を作製する複数のサイクルにより増幅が実行される本質的に等温の条件下において増幅が実施される方法も提供される。本発明の一部の態様において、DNAポリメラーゼは、好熱性ポリメラーゼである。例えば、該ポリメラーゼは、Bst(大断片)、9°N、Vent(登録商標)(エキソ)DNAポリメラーゼ、Therminator、およびTherminator IIからなる群から選択することができる。特定の態様において、該ポリメラーゼは、Bst(大断片)である。
特定の態様において、ニック形成酵素は、ニック形成酵素結合部位の下流においてニックを形成する。他の態様において、順方向および逆方向の鋳型は、同一のニック形成酵素により認識されるニック形成酵素結合部位を含み、前記第1および前記第2のニック形成酵素は同一である。特定の態様において、ニック形成酵素は、例えば、Nt.BspQI、Nb.BbvCi、Nb.BsmI、Nb.BsrDI、Nb.BtsI、Nt.AlwI、Nt.BbvCI、Nt.BstNBI、Nt.CviPII、Nb.Bpu10I、およびNt.Bpu10Iからなる群から選択することができる。
本発明の一部の実施形態において、標的配列は、前記順方向鋳型認識領域と前記逆方向鋳型認識領域とのヌクレオチド和よりも1〜5ヌクレオチド多く含む。特定の実施形態において、標的配列は、第1鋳型認識領域と第2鋳型認識領域とのヌクレオチド和よりも1ヌクレオチド多く含む。他の実施形態において、標的配列は、第1鋳型認識領域と第2鋳型認識領域とのヌクレオチド和よりも2ヌクレオチド多く含む。
特定の態様において、標的DNA分子は、ゲノムDNA、プラスミドDNA、ミトコンドリアDNA、およびウイルスDNAからなる群から選択される。他の態様において、標的核酸は、例えば、ウイルスDNA、メッセンジャーRNA、マイクロRNA、およびマイクロRNA前駆体からなる群から選択される。他の実施形態において、順方向鋳型は、逆方向鋳型と同じ濃度で提供される。さらに他の態様において、順方向鋳型または逆方向鋳型の1つは、1:100〜100:1の比の範囲にある他の鋳型に対する比で提供される。
特定の実施形態において、本方法は、第2のポリメラーゼをさらに含み得る。例えば、ポリメラーゼの少なくとも1つは、逆転写酵素活性を含み得る。特定の態様において、増幅は、54℃〜60℃で実施される。他の実施形態において、増幅反応は、1〜10分間にわたり一定温度に保持される。
本方法は、増幅産物を検出するステップをさらに含み得る。例えば、増幅産物は、ゲル電気泳動、質量分析、SYBR I蛍光、SYBR II蛍光、SYBR Gold、Pico Green、TOTO−3、挿入色素検出、FRET、分子ビーコン検出、表面捕捉、キャピラリー電気泳動、捕捉による検出を可能とする標識ヌクレオチドの組込み、蛍光分極、および側方流動捕捉からなる群から選択される方法により検出することができ
る。
特定の態様では、少なくとも2つの標的配列が増幅可能である。他の態様において、増幅産物は、固体表面上において検出される。一部の態様では、少なくとも1つの捕捉プローブが固体表面上に固定化される。他の実施形態において、少なくとも1つの前記鋳型は、例えば、スペーサー、遮断基、または修飾ヌクレオチドを含む。
本方法はまた、二本鎖核酸の標的配列を増幅する方法であって、ポリメラーゼが順方向および逆方向の鋳型を標的配列に沿って伸長させて二本鎖ニック形成部位を作製し、ニック形成酵素が前記ニック形成部位または前記部位の増幅されたコピーにおいてニックを形成して増幅産物を作製する複数のサイクルにより増幅が実行される本質的に等温の条件下において;センス鎖およびアンチセンス鎖を有する二本鎖標的配列を含む標的のDNA分子を順方向鋳型および逆方向鋳型と接触させるステップであって、前記順方向鋳型が、該標的配列のアンチセンス鎖の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、前記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、前記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含む核酸配列を含み;前記逆方向鋳型が、該標的配列のセンス鎖の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、前記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、前記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含むヌクレオチド配列を含み;前記標的配列が、前記順方向鋳型認識領域と前記逆方向鋳型認識領域とのヌクレオチド和よりも1〜5ヌクレオチド多く含むステップと;前記順方向鋳型の該ニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、前記標的配列内においてはニックを形成しない、第1のニック形成酵素を提供するステップと;前記逆方向鋳型の該ニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、前記標的配列内においてはニックを形成しない、第2のニック形成酵素を提供するステップと;DNAポリメラーゼを提供するステップとを含む方法も含む。
また、一本鎖核酸の標的配列を増幅する方法であって、一本鎖標的配列を含む標的核酸を逆方向鋳型と接触させるステップであって、前記逆方向鋳型が、該標的配列の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、前記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、前記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含む核酸配列を含み、該標的配列の3’末端と相補的な該核酸配列部分が8〜15ヌクレオチド長であるステップと;前記逆方向鋳型の該ニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、前記標的配列内においてはニックを形成しない、第1のニック形成酵素を提供するステップと;DNAポリメラーゼを、前記ポリメラーゼが前記逆方向鋳型を前記標的配列に沿って伸長させる条件下において提供するステップと;前記伸長した逆方向鋳型を順方向鋳型と接触させるステップであって、前記順方向鋳型が前記伸長した逆方向鋳型の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、前記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、前記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含み、前記標的配列が、前記順方向鋳型認識領域と前記逆方向鋳型認識領域とのヌクレオチド和よりも1〜5ヌクレオチド多く含むステップと;前記順方向鋳型の該ニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、前記標的配列内においても、前記標的配列の相補体内においてもニックを形成しない、第2のニック形成酵素を提供するステップとを含み、前記ポリメラーゼが前記順方向および逆方向の鋳型を前記標的配列に沿って伸長させて二本鎖ニック形成部位を作製し、前記ニック形成酵素が前記ニック形成部位においてニックを形成して増幅産物を作製する複数のサイクルにより増幅が実行される本質的に等温の条件下において増幅が実施される方法も提供される。
特定の実施形態において、標的ヌクレオチド配列は、前記順方向鋳型認識領域と前記逆方向鋳型認識領域とのヌクレオチド和よりも1ヌクレオチド多く含む。他の実施形態において、標的ヌクレオチド配列は、前記順方向鋳型認識領域と前記逆方向鋳型認識領域との
ヌクレオチド和よりも2ヌクレオチド多く含む。他の実施形態において、標的ヌクレオチド配列は、前記順方向鋳型認識領域と前記逆方向鋳型認識領域とのヌクレオチド和よりも3ヌクレオチド多く含む。
また、二本鎖核酸の標的配列を増幅する方法であって、ポリメラーゼが順方向および逆方向の鋳型を標的配列に沿って伸長させて二本鎖ニック形成部位を作製し、ニック形成酵素が前記ニック形成部位または前記部位の増幅されたコピーにおいてニックを形成して増幅産物を作製する複数のサイクルにより増幅が実行される本質的に等温の条件下において;センス鎖およびアンチセンス鎖を有する二本鎖標的配列を含む標的のDNA分子を順方向鋳型および逆方向鋳型と接触させるステップであって、前記順方向鋳型が、該標的配列のアンチセンス鎖の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、前記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、前記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含む核酸配列を含み;前記逆方向鋳型が、該標的配列のセンス鎖の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、前記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、前記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含むヌクレオチド配列を含むステップと;前記順方向鋳型の該ニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、前記標的配列内においてはニックを形成しない、第1のニック形成酵素を提供するステップと;前記逆方向鋳型の該ニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、前記標的配列内においてはニックを形成しない、第2のニック形成酵素を提供するステップと;DNAポリメラーゼを提供するステップとを含む方法も提供される。
また、二本鎖核酸の標的配列を増幅する方法であって、ポリメラーゼが順方向および逆方向の鋳型を標的配列に沿って伸長させて二本鎖ニック形成部位を作製し、ニック形成酵素が前記ニック形成部位または前記部位の増幅されたコピーにおいてニックを形成して増幅産物を作製する複数のサイクルにより増幅が実行される本質的に等温の条件下において;センス鎖およびアンチセンス鎖を有する二本鎖標的配列を含む標的のDNA分子を順方向鋳型および逆方向鋳型と接触させるステップであって、前記順方向鋳型が、該標的配列のアンチセンス鎖の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、前記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、前記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含む核酸配列を含み;前記逆方向鋳型が、該標的配列のセンス鎖の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、前記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、前記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含むヌクレオチド配列を含むステップと;前記順方向鋳型の該ニック形成部位の上流、下流、または該部位においてニックを形成することが可能であり、前記標的配列内においてはニックを形成しない、第1のニック形成酵素を提供するステップと;前記逆方向鋳型の該ニック形成部位の上流、下流、または該部位においてニックを形成することが可能であり、前記標的配列内においてはニックを形成しない、第2のニック形成酵素を提供するステップと;DNAポリメラーゼを提供するステップとを含む方法も提供される。
また、二本鎖核酸の標的配列を増幅する方法であって、ポリメラーゼが順方向および逆方向の鋳型を標的配列に沿って伸長させて二本鎖ニック形成部位を作製し、ニック形成酵素が前記ニック形成部位または前記部位の増幅されたコピーにおいてニックを形成して増幅産物を作製する複数のサイクルにより増幅が実行される本質的に等温の条件下において;センス鎖およびアンチセンス鎖を有する二本鎖標的配列を含む標的のDNA分子を順方向鋳型および逆方向鋳型と接触させるステップであって、前記順方向鋳型が、該標的配列のアンチセンス鎖の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、前記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、前記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含む核酸配列を含み;前記逆方向鋳型が、該標的配列のセンス鎖の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、前記認識領域の上流にあるニック形成酵
素結合部位およびニック形成部位と、前記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含むヌクレオチド配列を含むステップと;前記順方向鋳型の該ニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、前記標的配列内においてはニックを形成しない、第1のニック形成酵素を提供するステップと;前記逆方向鋳型の該ニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、前記標的配列内においてはニックを形成しない、第2のニック形成酵素を提供するステップと;DNAポリメラーゼを提供するステップとを含み、12分間にわたって増幅反応を実行すると、22〜35ヌクレオチド長の標的配列の少なくとも1E+7倍の増幅が得られる方法も提供される。
本方法はまた、二本鎖核酸の標的配列を増幅する方法であって、ポリメラーゼが順方向および逆方向の鋳型を標的配列に沿って伸長させて二本鎖ニック形成部位を作製し、ニック形成酵素が前記ニック形成部位または前記部位の増幅されたコピーにおいてニックを形成して増幅産物を作製する複数のサイクルにより増幅が実行される本質的に等温の条件下において;センス鎖およびアンチセンス鎖を有する二本鎖標的配列を含む標的のDNA分子を順方向鋳型および逆方向鋳型と接触させるステップであって、前記順方向鋳型が、該標的配列のアンチセンス鎖の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、前記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、前記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含む核酸配列を含み、該標的のアンチセンス鎖の3’末端と相補的な該核酸配列部分が8〜15ヌクレオチド長であり;前記逆方向鋳型が、該標的配列のセンス鎖の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、前記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、前記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含むヌクレオチド配列を含み、該標的のアンチセンス鎖の3’末端と相補的な該核酸配列部分が8〜15ヌクレオチド長であるステップと;前記順方向鋳型の該ニック形成部位の上流、下流、または該部位においてニックを形成することが可能であり、前記標的配列内においてはニックを形成しない、第1のニック形成酵素を提供するステップと;前記逆方向鋳型の該ニック形成部位の上流、下流、または該部位においてニックを形成することが可能であり、前記標的配列内においてはニックを形成しない、第2のニック形成酵素を提供するステップと;DNAポリメラーゼを提供するステップとを含み、12分間にわたって増幅反応を実行すると、22〜35ヌクレオチド長の標的配列の少なくとも1E+7倍の増幅が得られる方法も提供する。
核酸の標的配列を増幅するためのキットであって、DNAポリメラーゼと;標的配列のセンス鎖の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、前記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、前記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含み、該標的配列のセンス鎖の3’末端と相補的な該核酸配列部分が8〜15ヌクレオチド長である核酸増幅のための第1鋳型と;該標的配列のセンス鎖の相補体の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、前記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、前記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含み、該標的配列のセンス鎖の相補体の3’末端と相補的な該核酸配列部分が8〜15ヌクレオチド長である核酸増幅のための第2鋳型と;いずれか1つの酵素が、前記第1および前記第2の鋳型の該ニック形成部位においてニックを形成することが可能であるか、または第1酵素が前記第1プライマーのニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、第2酵素が前記第2プライマーの酵素部位においてニックを形成することが可能である、1つまたは2つの熱安定性ニック形成酵素とを含むキットが提供される。
特定の実施形態において、標的配列は、第1鋳型認識領域と第2鋳型認識領域とのヌクレオチド和よりも1〜5ヌクレオチド多く含む。特定の実施形態において、ポリメラーゼ、ニック形成酵素、および鋳型は、容器内に存在する。特定の実施形態において、ポリメラーゼ、ニック形成酵素、および鋳型は、2つの容器内に存在する。他の実施形態では、該ポリメラーゼおよびニック形成酵素が第1の容器に存在し、前記鋳型が第2の容器に存
在する。一部の態様において、ポリメラーゼ、ニック形成酵素、および鋳型は、乾燥凍結される。一部の態様において、キットは、増幅法に従うための指示書をさらに含む。キットは、キュベットをさらに含み得る。または、例えば、キットは、側方流動装置またはディップスティックをさらに含み得る。一部の態様において、側方流動装置またはディップスティックは、捕捉プローブをさらに含む。一部の態様において、キットは、蛍光色素、金コロイド粒子、ラテックス粒子、分子ビーコン、ポリスチレンビーズからなる群から選択される検出器構成要素をさらに含む。キットの一部の態様において、少なくとも1つの前記鋳型は、スペーサー、遮断基、または修飾ヌクレオチドを含む。
また、核酸の標的配列を増幅するためのキットであって、DNAポリメラーゼと;第1鋳型認識領域と第2鋳型認識領域とのヌクレオチド和よりも1〜5ヌクレオチド多く含む標的配列のセンス鎖の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、前記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、前記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含む核酸増幅のための第1鋳型と;該標的配列のセンス鎖の相補体の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、前記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、前記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含み、該標的配列は、第1鋳型認識領域と第2鋳型認識領域とのヌクレオチド和よりも1〜5ヌクレオチド多く含む核酸増幅のための第2鋳型と;いずれか1つの酵素が、前記第1および前記第2の鋳型の該ニック形成部位においてニックを形成することが可能であるか、または第1酵素が前記第1プライマーのニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、第2酵素が前記第2プライマーの酵素部位においてニックを形成することが可能である、1つまたは2つの熱安定性ニック形成酵素とを含むキットも提供される。キットの一部の態様において、標的配列のセンス鎖の3’末端と相補的である第1鋳型の核酸配列部分は8〜15ヌクレオチド長であり、標的配列のセンス鎖の相補体の3’末端と相補的である第2鋳型の核酸配列部分は8〜15ヌクレオチド長である。
特定の実施形態において、ポリメラーゼ、ニック形成酵素、および鋳型は、2つの容器内にある。他の実施形態では、該ポリメラーゼおよびニック形成酵素が第1の容器内にあり、前記鋳型が第2の容器内にある。一部の態様において、ポリメラーゼ、ニック形成酵素、および鋳型は、乾燥凍結される。一部の態様において、キットは、増幅法に従うための指示書をさらに含む。キットは、キュベットをさらに含み得る。または、例えば、キットは、側方流動装置またはディップスティックをさらに含み得る。一部の態様において、側方流動装置またはディップスティックは、捕捉プローブをさらに含む。一部の態様において、キットは、蛍光色素、金コロイド粒子、ラテックス粒子、分子ビーコン、ポリスチレンビーズからなる群から選択される検出器構成要素をさらに含む。キットの一部の態様において、少なくとも1つの前記鋳型は、スペーサー、遮断基、または修飾ヌクレオチドを含む。
(実施例1)
試料のNEAR(商標)増幅アッセイ
この実施例は、本発明の方法の典型的なDNAウェットアッセイの例を与える。反応の体積および形式、アッセイを実施する時間の長さ、およびそれぞれの反応物の量に多数の改変を施すことができることを、当業者は理解している。
2つの96ウェルのマイクロタイタープレートを使用して、「ウェット」アッセイ、鋳型/標的プレートおよびマスター混合物プレートを設定する。始めに、5マイクロリットルの鋳型を鋳型標的プレート上の適切なウェルに等分する。「−標的」ウェル(標的を含まない対照ウェル)に関しては、5マイクロリットルのdHOを加える。試薬マスター混合物は、1本の試験管中でバッファー、塩、dNTP、酵素、およびdHOを一緒に
組み合わせ、試験する試料の数に基づいて適切な体積のそれぞれを使用することによって作製する(この実施例内の表を参照)。40マイクロリットルの試薬マスター混合物を、マスター混合物プレートの「−標的」と「+標的」ウェル(標的を含む対照ウェル)の両方に等分し、プレートは熱シーラントで密封する。すべての前のステップは前増幅ルームで実施し、すべての後のステップは後増幅ルームで実施した。熱シーラントを鋳型/標的プレートから、標的を加えるウェルのみから除去し、考えられる汚染を避けるために「−ウェル」は密封状態にする。5マイクロリットルの標的を適切な「+標的」ウェルに等分する。鋳型/標的プレートは熱シーラントで再度密封する。鋳型/標的プレートとマスター混合物プレートの両方を、サーマルサイクラーを使用してアッセイ温度(例えば、56℃、57℃、または58℃で2〜3分間インキュベートする。熱シーラントは両方のプレートから除去する。マスター混合物プレートのウェルからの40マイクロリットルの試薬マスター混合物を、鋳型/標的プレート上の適切なウェルに移し、鋳型/標的プレートは熱シーラントで再度密封する。試料はアッセイ温度で5〜10分間インキュベートする。反応に関する時間は、インキュベーションが始まる時間、試薬マスター混合物を鋳型/標的プレート上のウェルに移し、プレートを密封し、サーマルサイクラー中に置いた直後から計算する。反応は0.1%以上SDSを加えること、または80℃で2分間インキュベートすることによって停止させる。
増幅産物を検出するために、例えば、5マイクロモーラーの分子ビーコン3〜5マイクロリットルをそれぞれのウェルに加え、数回の上下のピペッティングにより混合する。蛍光の読み出しは、アッセイ温度で、1分間のインキュベーション後、分子ビーコン上に存在するフルオロフォアに基づいて適切な波長で実施する。
単一50マイクロリットルDNA反応に関する典型的な試薬の内訳(すべての体積はマイクロリットル単位)
5XIB2バッファーは:
250mMのTris−HCl(pH8.0)
75mMの(NHSO
75mMのNaSO
50mMのMgSO
5mMのDTT
0.5%のTritonX−100からなる
典型的な反応は標準標的濃度を有していないが、反応当たりの標的コピーは、例えば下端で10〜50から、例えば上端で1E+6コピー以上までの範囲である可能性がある。モル濃度の点では、標的の10コピーを用いる50マイクロリットルのアッセイは3.32e−13マイクロモルであり、標的の50コピーを用いる50マイクロリットルのアッセイは1.66e−12マイクロモルであり、かつ標的1e6のコピーを用いる50マイ
クロリットルのアッセイは3.32e−8マイクロモルである。
標的試料は、例えばdH2OまたはTE中に際懸濁した精製DNAまたはRNA、または精製しなかった試料からなっていてよい。例えば、子宮頸管スワブ臨床試料を回収し、試料はPierceのLyse−N−GoPCR試薬(カタログ番号78882)を使用してスワブから溶出および溶解させた。Lyse−N−Goは、非イオン性洗剤ベースである専用製剤である。次いでそれぞれの溶出/溶解試料のアリコートをアッセイに直接加え、結果はアッセイ活性の消失がないことを示す。ウイルス輸送媒体(VTM)、M4またはM5のいずれかにおいて回収した臨床試料を使用してアッセイをさらに実施した。VTMにおいて回収した試料をPierceのLyse−N−GoPCR試薬と混合して標的細胞を溶解させ、その後これらの試料のアリコートは、活性の消失なしでアッセイに加えた。最後に、砂、土、粘度、尿および血清などの様々な潜在的阻害剤の存在下でアッセイを実施し、かつこれらの阻害剤のそれぞれは耐用性良好であった。
(実施例2)
ゲル電気泳動によるDNAのNEAR(商標)アッセイ産物の検出
増幅反応産物はゲル電気泳動によって目に見える状態にすることができる。標的の不在下において、(相補的または実質的に相補的な3’塩基を有する)鋳型は1つまたは複数の塩基が重複し、ポリメラーゼがそれぞれの方向に伸長してNEAR(商標)増幅二重鎖を生成し(図1B)、増幅はNEAR(商標)増幅と同様のメカニズムで進行して、標的増幅産物より2塩基短い産物を増幅する。鋳型がAおよびTで終わる25merのアッセイの場合、結果として生じるバックグラウンド産物は23塩基である。27merのアッセイも、23merバックグラウンドおよび27mer産物を形成する。より長い反応産物も増幅する。これらの産物の配列は、図1C中のステップ9Bにより、ニック形成酵素がNEAR(商標)増幅二重鎖の両側にニックを形成することができる前の、ポリメラーゼによる伸長によるものであると仮定する。図2は、ゲル電気泳動によって、NEAR(商標)反応産物はバックグラウンド産物と容易に識別されることを示す。
(実施例3)
ゲル電気泳動によるRNAアッセイ産物の検出
本発明の方法の反応はRNA標的も増幅することができる。この場合、標的は、ウイルス粒子をシミュレートするためにMS2ファージのコートタンパク質によって被包されたRNAの約600塩基鎖である、Ebola Armored RNAである。反応は被包RNA配列内に含有されるEbolaゲノムの25塩基領域を増幅するように設計する。20%ポリアクリルアミドゲルにおいて実施した反応の産物(図3)は、増幅25mer産物ならびに23merおよび20merバックグラウンド産物を示す。この実施例は、ウイルス様粒子から放出されたRNAを増幅する反応の能力を実証する。
(実施例4)
質量分析によるDNAおよびRNAアッセイ産物の検出
本発明の方法の反応増幅産物は、フロントエンドLCを備えるESI/TOFシステムを使用する質量分析によって検出することもできる。観察した反応産物は多電荷イオン種である。通常、オリゴヌクレオチド産物の長さに応じて、−3または−4の荷電状態はスペクトル中の主要ピークである(1000〜3000AMUの範囲内)。通常ナトリウム付加物は、約20〜25%の強度で主要ピークに隣接するピークとしてスペクトル中に存在する。標的の存在下での陽性反応に特有のピークは、それぞれDNAおよびRNA反応に関して図4および5の両方において見ることができる。これらの反応中に形成されたバックグラウンド産物は、これらのスペクトルの質量範囲中には示されない。
(実施例5)
アッセイ増幅の実時間検出
本発明の方法の増幅反応は、図6中に示すように、SYBRII蛍光色素を用いて実時間でモニターすることもできる。蛍光はSYBRIIが増幅二本鎖産物中に挿入すると増大する。バックグラウンド産物も、実際の産物より遅い速度で蛍光を発生する。増幅配列、反応温度および反応バッファー条件の最適化は、陽性反応と陰性対照の間の明白な区別を目に見える状態にするために必要である。
(実施例6)
実時間NEAR(商標)アッセイ増幅のFRET検出
NEAR(商標)増幅は、図7中に示すように、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)によってモニターすることもできる。増幅は二重標識鋳型、それぞれの末端における鋳型(5’−FAM、3’−BHQ)を使用して行う。それが二本鎖になるときニック形成酵素による鋳型の切断によって、FAM標識オリゴヌクレオチドから蛍光が発生する。蛍光は初期ニック形成反応によって生成するので、この検出法は非常に感度が良い。鋳型の3’末端は標識の消光によって伸長を妨害されるので、バックグラウンド蛍光の生成は抑制される。
(実施例7)
実時間NEAR(商標)増幅の分子ビーコン検出
実時間増幅をモニターする第三の方法は、図8中に示すように、分子ビーコンを使用することである。この場合、増幅産物は分子ビーコンのループ領域とハイブリダイズし、ヘアピンステムのそれぞれの末端におけるフルオロフォアとクエンチャーの分離から蛍光の増大をもたらす。この相互作用は増幅後に生じるので、それは偽実時間でありFRET手法と比較して若干応答が遅い可能性があると考えられる。
(実施例8)
偽陽性率試験
この実験を設計して、本発明の方法の増幅反応が陰性反応において真の産物を生成する、または偽陽性である可能性を調べた。Bacillus subtilisのゲノムに特異的な25mer領域の特異的増幅を対象とする反応を、Bacillus subtilisのゲノムDNAの存在下(n=120)および不在下(n=320)において実施した。終点反応は質量分析計で実施し、質量スペクトル中の産物質量ピークの濃度曲線下面積(AUC)を分析した。図9中に示すように、結果は、いずれの320の陰性反応も水対照と等しいAUC値を有する偽陽性をもたらさなかったことを示す。真陽性のAUC値は、真陰性から少なくとも3標準偏差離れていた。全体的に、これらの結果は本発明の方法のアッセイの再現性を実証する。
Bacillus subtilis用のアッセイを開発して、配列5’−TTAACGTCTCTAATTTCAGCTTTTG−3’を有するmobA−nprE遺伝子領域の25ヌクレオチド領域を標的化した。この領域を増幅するために使用した鋳型はT1
5’−ATGCATGCATGAGTCACATTTAACGTCTCTA−3’、およびT2 5’−ATGCATGCATGAGTCACATCAAAAGCTGAAA−3’であった。このアッセイは実質的に実施例1中に記載したのと同様に、ここではBacillus subtilisのゲノムDNAの10,000コピーおよびBacillus thuringiensisのゲノムDNAの100,000コピー(真陽性)、大腸菌のゲノムDNAの10,000コピーおよびBacillus thuringiensisのゲノムDNAの100,000コピー(真陰性)または標的なし(水対照)で56℃において4分間に修正した。次いでそれぞれの試料のアリコートをエレクトロスプレーイオン化質量分析により分析して、濃度曲線下面積(AUC)の計算値を使用してそれぞれの反応中に生成した特異的産物の量を決定した。
(実施例9)
ビーコン検出:ビーコン検出によるアッセイの再現性
本発明の方法の反応産物の分子ビーコン検出は終点読み出しとして使用することもできる。図10中に示すように、反応産物の比は順方向鋳型と逆方向鋳型のインプット比を変えることによって操作することができる。反応産物の1つを優先するために鋳型を非対称にすることによって、分子ビーコンとのハイブリダイゼーションに利用可能である一本鎖産物を与える。開裂した分子ビーコンは蛍光シグナルを生成する。この検出法は非常に再現性がある。この試験では、2人のオペレーターが異なる2日で2連の同じアッセイを実施した。この試験の結果は、ある1日から翌日までのアッセイの再現性、およびオペレーター間の再現性を実証する。
(実施例10)
ビーコン検出によるアッセイ感度
ビーコンの読み出し値を用いてアッセイの感度を、Francisella tularensisのゲノムDNAの希釈物を使用して試験した。図11中に示すように、標的対照なしを超えてわずか50コピーを検出した。
(実施例11)
DNA増幅に関する増幅産物の濃度
アッセイの感度は、反応産物の質量分析による検出を使用してさらに試験した。図12は、100コピーまで標的対照なしを超えてシグナルを示す。この試験からのデータを使用して、インプットコピー数と増幅産物の最終量を関連付けた。この試験では、質量スペクトルによる産物ピークのAUC値を標準曲線に適合させて、アッセイの増幅産物の推定最終濃度を得た。増幅産物の量は、それぞれ1E+2および1E+5コピーに関して約250nM〜ほぼ1μMの範囲である。この産物の量は1E+8〜7E+10倍の増幅をもたらす。これらの反応はホットスタート条件なしで実施し、実際ホットスタート条件は増幅産物の量を劇的に増大させることが示されており、したがって増幅のさらなる増大を得る。ゼロコピー増幅反応は、標準曲線式中のy切片値のために正の最終濃度を有する。
(実施例12)
RNAアッセイに関する増幅産物の濃度
同様の試験を本発明の方法を使用してRNAの増幅に実施した。RNA標的の希釈物を本発明の方法のアッセイによって増幅した。産物に質量スペクトルを施し、図13中に示すように、産物ピークのAUC値を標準曲線に対して分析して最終産物の濃度を決定した。初期標的の30および30,000コピーで始める12分間の増幅は、それぞれ3E+9〜1E+7倍の増幅をもたらす。DNA増幅と比較して低い増幅の程度は、その複製能力と比較したポリメラーゼの低い有効性の逆転写酵素能力が原因である可能性がある。さらに、逆方向鋳型の伸長によって形成されるRNA:DNAハイブリッドは、通常のDNA:DNAハイブリッドと比較してより強力な相互作用であり、少ないブリージングを有して、正方向または別の逆方向鋳型が一本の鎖を置換するのを可能にする。しかしながら、RNA反応からの増幅産物は<100コピーで検出した。
(実施例13)
DNAに対するNEAR(商標)反応の特異性
反応産物は通常20塩基長と30塩基長の間にあるので、これらの短い増幅アッセイが、他の近傍分類種ゲノムが存在する一配列領域を標的化するほど十分特異的であり得るかどうかに関する疑問が生じる。様々な量の近傍分類種ゲノムDNAの存在下および不在下で増幅反応を実施することによって、反応をその特異性に関して試験した(図14)。この場合、アッセイはBacillus anthracisのpXO2プラスミド中の特
異的配列を検出し、かつ近傍分類種ゲノムはBacillus thuringiensis(kurstaki)である。反応は産物ピークに関するAUC値によって分析した。以下の図は、的確な標的(Bacillus anthracis)の不在下では、真の増幅産物は存在しないことを実証する(レベルが低すぎてそれらはグラフのスケールでは目で見ることができない)。陽性反応の増幅の量は、三連の実験の1つに関する1つの低い値のために、0およびBacillus thuringiensisの5E+5コピー(Bacillus anthracisの5E+4コピー)に関する大きなエラーバーと一致する。全体としてこの実験は、アッセイをゲノムの特定領域内に設計するとき、反応は標的配列に非常に特異的であることを実証する。
(実施例14)
干渉物質の試験
一群の干渉物質を試験して増幅に対するそれぞれの影響をモニターした。図15は、干渉物質の存在下での本発明の方法のアッセイの確かな性質を実証する。フミン酸などのPCRを阻害することが知られているいくつかの干渉物質は、このアッセイは阻害しなかったようであるが、それぞれの干渉物質の量は知られていない。統計分析から、干渉物質B、C、およびEのみが対照アッセイxと統計上異なっていた。B、C、およびEの場合、その差は産物増幅の増大をもたらした。
(実施例15)
DNAアッセイを用いた2配列の多重増幅
DNA二重鎖をキャピラリー電気泳動(CE)検出用に設計した。増幅産物は25塩基長(Bacillus anthracisアッセイ、Ba)および27塩基長(Bacillus subtilisアッセイ、Bs)であり、バックグラウンド産物は23merであった。反応はそれぞれのゲノムDNA標的の5E+5コピーの有無の下で10分間実施した。試料は20%ポリアクリルアミドゲルに施して、反応産物を目に見える状態にした。図16は、Bacillus subtilisのみが存在するとき、およびBacillus subtilisとBacillus anthracisの両方が存在するときの陽性増幅産物の存在を示す。
(実施例16)
DNAアッセイ二重鎖の特異性
Bacillus subtilis(Bs)およびBacillus anthracis(Ba)を用いたDNA二重鎖反応は、それぞれのゲノムに特異的であることを示した。図17中に示すように、アッセイは近傍分類種、Bacillus thuringiensisの存在下において実施した。両方の鋳型のセットおよびBacillus
thuringiensisのゲノムDNAが存在する陰性反応中で、25または27mer領域における産物のバンドは存在しない。特異的ゲノム標的が存在するときのみ産物のバンドが現れ、これは二重鎖反応の特異性を実証する。
(実施例17)
RNAアッセイを用いた多重増幅
27mer産物を増幅するMS2アッセイおよび25mer産物を増幅するEbolaアッセイを開発し、すべての鋳型がそれぞれのアッセイ中に存在し産物の増幅が存在する標的に依存するように多重増幅した。鋳型のこの組合せは、23塩基長と20塩基長であるバックグラウンド産物を形成する。図18中に示すゲルは、1回の反応中で多数のRNA標的を増幅する、本発明の方法の反応に関する能力を実証する。
(実施例18)
溶解胞子からの増幅
増幅を半処理試料に実施して、溶解により胞子から放出されたDNAを増幅することが可能であるかどうか決定した。陰性対照反応は非溶解状態のDNアーゼ処理胞子を含有しており、したがって増幅するためのDNAは存在しないはずであった。陽性対照反応は、溶解により放出されたと推測されるDNAの量付近の濃度で精製ゲノムDNAを含有していた。図19中の結果は、非溶解状態のDNアーゼ処理胞子を用いた増幅は予想通り産物の増幅をもたらさず、一方増幅前に溶解した3試料は理論量の範囲内の産物量をもたらしたことを示す。
(実施例19)
捕捉および伸長
本発明の方法の反応産物は、固体表面上で検出することもできる。ビオチン/ストレプトアビジン結合によって表面と5’末端で結合した捕捉プローブは、そこからポリメラーゼが伸長してSYBRおよび任意の挿入色素が検出し得る安定した二重鎖を形成する反応産物と結合することができる。捕捉プローブの3’塩基は、鋳型またはバックグラウンド産物のいずれにも存在しない産物中の中央スペーサー塩基と相補的であるので、捕捉プローブを設計して、バックグラウンド産物より真の産物との結合による伸長を促進する。図20は、平均結合(捕捉プローブの伸長を除外するためのポリメラーゼの不在下での同じ反応)、およびバックグラウンド産物のみが増幅されるが、ポリメラーゼの捕捉プローブで安定した二重鎖を形成して伸長することはできない標的なしの対照を超える捕捉プローブおよびポリメラーゼの存在下における産物の増大した蛍光を実証する。
(実施例20)
表面NEAR(商標)FRET DNAアッセイ
本発明の方法の反応は、表面上に固定した鋳型を用いて実施することもできる。表面増幅のFRET検出用の鋳型は、3つの修飾:1つの5’ビオチンおよびTEGスペーサー、ビオチン内の1つのFAMフルオロフォア、およびバックグラウンド増幅を阻害するためおよびFAMフルオロフォアを消光するために働く3’末端上のクエンチャーを通常有する。鋳型はビオチン/ストレプトアビジン結合によって表面に固定する。図21は、追加的に混合しながら固定した両方の鋳型によって、溶液中増幅速度よりはるかに遅い速度で反応が進行することを実証する(ゲノムDNAの1E+6コピーに関しては16分間中の増幅)。1つの鋳型を表面上に固定し、もう1つの鋳型が溶液中に遊離しているとき、増幅反応はゲノムDNAの1E+6コピーに関して10分間の検出に増大する。バックグラウンド産物からの蛍光は、溶液相動態に関して観察したのと同様の産物のシグナル後に約3.5分間観察するが、相当減速する。
(実施例21)
ヘルスケアの例
Chlamydia trachomatis(Ct)のアッセイ
本発明の方法のアッセイを実施してChlamydia trachomatis(Ct)の標的配列の存在を検出した。CtP2_2アッセイの標的配列を含有する合成DNAの2倍希釈系を使用してアッセイの検出限界を決定した。その反応は、この実施例中に記載するようないくつかの修正で、実施例1中に記載したのとほぼ同様に実施した。希釈系は標的DNAの10,000コピーで始め、反応当たり1コピー未満まで進めた。「標的なし」の対照試料もこの実験に含めた。反応は96ウェルのマイクロタイタープレートにおいて、50マイクロリットル体積中、以下のバッファー:50mMのTris−HCl、pH8.0、30mMのNaCl、15mMの(NH(SO)、15mMのMgSO、1mMのDTT、0.1%のTritonX−100および0.3mMのdNTP、19.2単位のBstDNAポリメラーゼおよび15単位のNt.BstNBIニック形成酵素中で実施した。鋳型は200nM:100nM(鋳型1:鋳型2)の比で加えた。反応は以下のように実施した:プレート1では、5マイクロリットルの鋳型混
合物を前増幅ルーム中のそれぞれのウェルに加え、密封した。プレート2では、40マイクロリットルのマスター混合物を前増幅ルーム中のそれぞれのウェルに加え、密封した。マスター混合物は、dHOおよび鋳型以外の前述のすべてのアッセイ要素からなっていた。次いでこの2枚のプレートを後増幅ルーム中に移し、そこで5マイクロリットルの標的をプレート1のそれぞれのウェルに加えた(「標的なし」の対照ウェルは除く)。次いで2枚のプレートは、56℃での2〜3分間のプレインキュベーション用に、56℃にあらかじめ加熱したサーマルサイクラーに移した。次いでプレート2の中身をプレート1に移し、次いでそれを56℃で5分間インキュベートした(増幅ステップ)。このインキュベーション後、2分間80℃で酵素を不活性化することによって反応を停止させた。その後、増幅CtP2_2産物に特異的な分子ビーコンを300nMの最終濃度まで加え、蛍光は56℃で検出した。すべての試料は三連で実施し、エラーバーは標準偏差を示す。
CtP2_2のアッセイは、2つの鋳型、鋳型1(5’−ATGCATGCATGAGTCACATAGGCTTATGGAG−3’)および鋳型2(5’−ATGCATGCATGAGTCACATTTATACCGCTTA−3’)を、200nM:100nMの最終鋳型濃度で使用して実施した。蛍光検出に使用した分子ビーコン、MB5.18は、5’−FAMフルオロフォアおよび3’−BHQ1クエンチャー、および以下の配列:5’−ctggcTACCGCTTAACTCCATAAgccag−3’を含有していた。
これらの結果は図22中に示し、アッセイは試料中の標的の10未満のコピーを効率良く検出することができることを示す。図22Bは、約1〜2のコピーでさえ検出することはできるが、ただし希釈実験のため、いくつかのウェルは統計上如何なる標的DNAも有さない可能性があることを示す(図22b、バー1.2のa、b、およびcを比較)。
CtP2_2のアッセイの標的配列は5’AGGCTTATGGAGTTAAGCGGTATAA−3’である。子宮頸管スワブまたは膣スワブで回収した試料、スワブで回収し次いでM4またはM5などのウイルス輸送媒体に移した試料などの臨床試料を、以下のようにアッセイ中で使用するために調製することができる。それぞれのスワブは、300マイクロリットル〜1マイクロリットルのPierceのLyse−N−GoPCR試薬(カタログ番号78882)を含有する1.5ミリリットルまたは2.0ミリリットルのエッペンドルフチューブ中に置く。混合物は、時折混合しながら、放置して室温で5〜10分間インキュベートする。次いで溶出および溶解試料のアリコートをアッセイに直接加える。ウイルス輸送媒体中に存在する試料に関しては、試料のアリコートは、PierceのLyse−N−GoPCR試薬以上の体積を含有するエッペンドルフチューブに移し(1:1、1:2、1:10、1:20などの試料:Lyse−N−Goの比で)、時折混合しながら、放置して室温で5〜10分間インキュベートすることができる。次いで溶出および溶解試料のアリコートをアッセイに直接加える。
(実施例22)
食品安全性用途
Listeria monocytogenesのアッセイ
食品中病原菌を特異的に検出するための本発明の方法のアッセイの有効性を実証するために、Listeria monocytogenes、インスタント食製品由来の食品の安全性への最も深刻な脅威の1つでアッセイを実施した。このアッセイは、この実施例中に記載するようないくつかの修正で、実施例1中に記載したのとほぼ同様に実施した。L.monocytogenes菌株EGD−eのゲノムDNAを、密接に関連する非病原種L.innocua菌株Clip11262由来の多量のゲノムDNAと共にアッセイした。図23中に示すように、DNAが存在しなかった陰性対照反応はわずかなバックグラウンドレベルの蛍光を示し、50マイクロリットルの反応当たり100万ゲノム当量
までの多量のL.innocuaのDNAは、バックグラウンド蛍光の有意な増大は示さなかった。しかしながら、1,000ゲノム当量のL.monocytogenesの付加は実質的な蛍光の増大によって容易に検出され、非病原種L.innocuaが1000倍過剰に、50マイクロリットルの反応当たり100万ゲノム当量存在したときでさえ、L.innocuaの存在によって影響を受けることはなかった。それぞれの反応は、46mMのTrisバッファー、pH8.5、50mMのNaCl、10mMのKCl、10mMの(NHSO、5mMのMgCl、10mMのMgSO、0.5mMのジチオスレイトール、0.1%のTritonX−100、0.01mMのEDTA、0.3mMのそれぞれのdATP、dCTP、dGTP、およびdTTP、New England Biolabs,Inc.からの19.2単位のBstDNAポリメラーゼ、New England Biolabs,Inc.からの15単位のNt.BstNBIニック形成エンドヌクレアーゼ、200nMの第1オリゴヌクレオチド、および2マイクロモルの第2オリゴヌクレオチドからなっていた。オリゴヌクレオチドおよびListeriaのゲノムDNAを56℃において酵素バッファー混合物から別々にインキュベートし、次いで5マイクロリットルのこの混合物を45マイクロリットルの酵素バッファー混合物に加えた。反応混合物は56℃で10分間、次いで80℃で2分間インキュベートした。この後、分子ビーコンの5μM溶液3.2マイクロリットルをそれぞれの反応に加えた。分子ビーコンの配列は、それぞれ5’および3’末端にフルオロフォアおよびクエンチャーを有する増幅したL.monocytogenesの配列に特異的であった。分子ビーコンの付加後、反応混合物は56℃で1分間インキュベートし、次いで蛍光測定を行った。それぞれのアッセイ条件は2連で実施しており、平均蛍光値を示す。Listeria monocytogenesアッセイの標的配列は5’−AAAGCAAGAGAAAGTTATCGTGTAT−3’である。鋳型配列は以下の通りである:T15’−ATGCATGCATGAGTCACATAAAGCAAGAGAA−3’およびT25’−ATGCATGCATGAGTCACATATACACGATAAC−3’。
(実施例23)
ウイルスRNAの例
ウイルス陽性臨床試料から精製したウイルスRNAの10倍希釈系を使用して、アッセイの検出限界を決定した。ウイルスRNAは、市販のウイルスRNA精製キットを使用して精製した。「標的なし」の陰性対照試料を含めた。反応は96ウェルのマイクロタイタープレートにおいて、50マイクロリットル体積中、以下のバッファー:50mMのTris−HCl、pH8.0、30mMのNaCl、15mMの(NH(SO)、1mMのMgSO、1mMのDTT、0.1%のTritonX−100および0.1mMのdNTP、19.2単位のBstDNAポリメラーゼ、7.5単位のNt.BstNBIニック形成酵素および4単位のOmniScript逆転写酵素中で実施した。鋳型は400nM:20nM(鋳型1:鋳型2)の比で加えた。反応は以下のように実施した:プレート1では、5マイクロリットルの鋳型混合物を前増幅ルーム中のそれぞれのウェルに加え、密封した。プレート2では、40マイクロリットルのマスター混合物を前増幅ルーム中のそれぞれのウェルに加え、密封した。マスター混合物は、水および鋳型以外の前述のすべてのアッセイ要素からなっていた。次いでこの2枚のプレートを後増幅ルーム中に移し、そこで5マイクロリットルの標的をプレート1のそれぞれのウェルに加えた(「標的なし」の対照ウェルは除く)。次いで2枚のプレートは、56℃での2〜3分間のプレインキュベーション用に、56℃にあらかじめ加熱したサーマルサイクラーに移した。次いでプレート2の中身をプレート1に移し、次いでそれを56℃で5分間インキュベートした(増幅ステップ)。このインキュベーション後、2分間80℃で酵素を不活性化することによって反応を停止させた。その後、増幅産物に特異的な分子ビーコンを300nMの最終濃度まで加え、蛍光は56℃で検出した。すべての試料は三連で実施し、エラーバーは標準偏差を示す。結果は図24中に示す。
ウイルスRNAアッセイは、2つの鋳型(鋳型1:31ヌクレオチド長、および鋳型2:31ヌクレオチド長)を、400nM:20nMの最終鋳型濃度で使用して実施した。蛍光検出に使用した分子ビーコン(MB)は、5’−FAMフルオロフォアおよび3’−BHQ1クエンチャー、および29ヌクレオチド長の配列を含有していた。標的配列の長さは26ヌクレオチドであった。
(実施例24)
農業用途:農作物における遺伝子組換え形質の検出、遺伝子組換え(GMO)および従来型(非GMO)トウモロコシのアッセイ用試料調製
本発明の方法のアッセイを使用して、農業用途において遺伝子組換え生物(GMO)を検出することができる。このアッセイを使用して、非組換えトウモロコシDNAのバックグラウンドでトウモロコシゲノムに挿入したbar遺伝子の存在を検出した。bar遺伝子は、広域の除草剤グルホシネートに対する耐性を与える。このアッセイは、本明細書中に記載するようないくつかの修正で、実施例1中に記載したのとほぼ同様に実施した。遺伝子組換えおよび従来型(非組換え)のトウモロコシ種子を適切なレベルの粗さに砕いて、標準的なバッファーを使用して核酸を抽出した。製造者の説明書に従いサイズ排除カラムを使用して、抽出した物質を精製した。精製した核酸を組み合わせて、従来のバックグラウンドで5%bar−組換えトウモロコシの最終濃度を得て(例えば、5マイクロリットルのbarトウモロコシDNA抽出物を95マイクロリットルの従来型トウモロコシDNA抽出物と組み合わせた)、または100%従来型のトウモロコシの場合は非混合状態で使用した。bar遺伝子を検出するために使用したオリゴヌクレオチド配列は以下に列挙する。
鋳型1:ATGCATGCATGAGTCACATCATCGTCAACCA
鋳型2:ATGCATGCATGAGTCACATTGTCTCGATGTA
これらの鋳型を設計して以下の産物を生成した:
産物1:CATCGTCAACCACTACATCGAGACA
産物2:TGTCTCGATGTAGTGGTTGACGATG
使用したアッセイ試薬は:9.6単位のBst.ポリメラーゼ(NEB)、15単位のN.BstNBIニック形成酵素(NEB)、5マイクロリットルのThermopolIバッファー(NEB)、2.5マイクロリットルのNEBバッファー3、12mMのMgSO、0.3mMのdNTP、2.5%のDMSO(ジメチルスルホキシド)、5マイクロリットルの試料、鋳型および水であった。オリゴヌクレオチドは10nM(鋳型1)および100nM(鋳型2)の初期濃度で存在した。水を使用して最終体積を50マイクロリットルに調節し、10分間のアッセイを56℃で実施し、次に2分間94℃でインキュベートして酵素を不活性化させ、次に300nMの最終濃度で特異的分子ビーコンを用いて56℃において検出した。この分子ビーコンの配列は以下の配列である:
5’ FAM−CCTCGCCGTCAACCACTACATCGAGCGAGG−BHQ1−3’。
結果は図25中に示す。
(実施例25)
マイクロRNA(miRNA)の検出
MDA−MB−231ヒト乳癌細胞由来のマイクロRNAのアッセイ用試料調製
MDA−MB−231ヒト乳癌細胞(ATCC番号HTB−26)は、高レベルのマイクロRNA−21を発現することが知られている(Iorio, M.V.ら、2005年、MicroRNA gene expression deregulation in human breast cancer、Cancer Res、第65巻:7065〜7070頁)。成熟マイクロRNA−21配列を検出するmiR−21用のアッ
セイを開発した:
5’ UAGCUUAUCAGACUGAUGUUGA 3’
使用した鋳型配列は以下の配列であった(ニック形成酵素の配列に下線を引く):
鋳型1:ATGCATGCATGAGTCACATTAGCTTATCA
鋳型2:ATGCATGCATGAGTCACATTCAACATCAG
これらの鋳型を設計して以下の産物を生成した:
産物1:TAGCTTATCAGACTGATGTTGA
産物2:TCAACATCAGTCTGATAAGCTA
アッセイは、本明細書中に記載するようないくつかの修正で、実施例1中に記載したのとほぼ同様に実施した。RNAを得るために、10%のウシ胎児血清、グルコースおよび抗生物質を補充したダルベッコ改変イーグル培地(Invitrogen)において、当業者によく知られている標準的な方法を使用して、MDA−MB−231細胞を増殖および継代培養した。密集状態に達する前に、トリプシンを用いた処理によってプレートから細胞を除去し、その後−80℃での凍結前にリン酸緩衝生理食塩水中で洗浄した。細胞は後に採取し、製造者の説明書に従いTRI試薬(Molecular Research
Center,Inc.)を用いたRNA単離用に一部分を使用した。精製したRNAは260nmでのUV吸光度を使用して定量化した。
Molecular Research CenterのTRI試薬マニュアルによれば、1ngの精製したRNAは出発物質の約100細胞に相当する。様々な量の精製したRNAを、以下の試薬:50mMのTris−HCl、pH8.0、30mMの(NHSO、30mMのNaSO、1mMのDTT、0.1%のTritonX−100、10mMのMgSO、0.1mMのdNTP、19.2単位のBst.ポリメラーゼ(New England Biolabs)、7.5単位のN.BstNBIニック形成酵素(New England Biolabs)、7.4単位のOmniScript逆転写酵素(Qiagen)、それぞれ100nMでの2つのオリゴヌクレオチド、試料および水からなるアッセイ中で使用した。水を使用して最終体積を50マイクロリットルに調節し、20分間のアッセイを56℃で実施し、次に2分間94℃でインキュベートして酵素を不活性化させた。産物はエレクトロスプレーイオン化質量分析を使用して測定し、産物の量は濃度曲線下面積を計算することによって定量化した。アッセイの結果は図26中に示す。
(実施例26)
ゲノムDNA標的の検出
本発明の方法のアッセイを、ゲノム標的と結合するように設計したオリゴ鋳型を使用して、実施例1中に記載したのとほぼ同様に実施した。希釈実験を実施して検出の下限を決定した。図27中に示すように、50ゲノムコピーで一貫した検出があった。希釈試料が10ゲノムコピーを含有していたとき、検出はあったが、しかしながら、統計上、検出は一貫していなかった。
実施例26(図27)はNeisseria gonorrhoeaeのアッセイを示す。このアッセイはpilQ遺伝子、特に配列5’−ACTCTACCAACACGGAACTCAAAAA−3’を標的化する。この標的を増幅するために使用した鋳型配列はT15’−ATGCATGCATGAGTCACATTTTTTGAGTTCC−3’、およびT25’−ATGCATGCATGAGTCACATACTCTACCAACA−3’であった。アッセイは、本明細書中に記載するいくつかの修正で、実施例1中に記載したのとほぼ同様に実施した。簡単に言うと、アッセイは5分間56℃、次に熱不活性化ステップを80℃で2分間実施して反応を停止させた。増幅した特異的産物の終点検出は、56℃での1分間のインキュベーション前に、増幅した特異的産物に特異的であった5’−フルオロフォアおよび3’−クエンチャーを含有する300ナノモルの分子ビーコン
を使用して実施した。分子ビーコンの配列は以下の配列であった:5’−CGCATGGAGTTCCGTGTTGGTAGACATGCG−3’。
(実施例27)
B.subtilisアッセイ中に生成した特異的産物の計算
本発明の方法のアッセイを、Bacillis subtilisの標的配列と結合するように設計したオリゴ鋳型を使用して、実施例1中に記載したのとほぼ同様に実施し、その標的はppsA遺伝子であった:
標的配列(25mer)5’−CCAAGCTCAAAAAAGGAATCGTGAA−3’
T1 5’−ATGCATGCATGAGTCACATCCAAGCTCAAAA−3’
T2 5’−ATGCATGCATGAGTCACATTTCACGATTCCT−3’
図28中に示すように、線形回帰は、試料に加えた参照オリゴの量と濃度曲線下面積(AUC)の間の十分な相関関係を示した。この等式を使用して、ゲノムDNA標的の50または500コピーを反応に加えたときに生成した特異的産物の量を決定した。反応は5分間実施した。増幅倍数を計算し、それを以下の表中に示す。
計算は以下の:B.subtilisゲノム=4214814ヌクレオチド、2781777240の分子量(g/mole)に基づいた。アボガドロ数(分子/mole)=6.02E+23。モル中の50ゲノムコピーに関して、これは8.30E−23をもたらし、モル中の500ゲノムコピーに関して、これは8.30E−22をもたらす。
(実施例28)
異なるスペーサー長の影響
一連のChlamydia trachomatis(Ct)のアッセイを、図29および30中に記載したような様々な鋳型を使用して、実施例1および21中に記載したのとほぼ同様に実施した。図29は反応の結果を示し、図30は鋳型設計に関するさらなる詳細を与える。反応は標的の0または100コピーのいずれかを使用して10分間実施した。1〜11の範囲のスペーサー領域長(鋳型が結合した場合、オリゴ鋳型の結合部位間の標的配列上のヌクレオチドの数)を有する、一連のオリゴヌクレオチド鋳型を調製した。この実験に最適なスペーサー長は1、2、3、または4であった。
2、5、6、7、および8のスペーサー長を使用して実施例23m中に記載した方法とほぼ同じ方法に従い、同様の実験セットをウイルスRNA標的に実施した。質量分析によって決定したように、2および5のスペーサー長を使用して最適な特異的産物の検出を見
出し、スペーサー長が6以上であり反応を20分間実施した場合、このアッセイ中で特異的産物は検出しなかった。
同様の実験を他の標的でも実施した。miR−21などのいくつかの標的に関して、スペーサーヌクレオチドを鋳型設計に含めなかったとき、反応中に標的配列が存在するかどうかにかかわらず産物を検出した。アッセイ中に標的DNAが存在するかどうかにかかわらず産物は存在し、標的が存在することを必要とせずに、鋳型セットが特異的産物を生成していたことを示した。他の実験では、0ヌクレオチドのスペーサー領域は特異的産物をもたらした。したがって、本明細書で論じるアッセイ用の鋳型を設計する際には、2セット以上の鋳型を調製して、個々の標的から特異的産物を生成するのに最適であるスペーサー領域の長さを決定しなければならない。
(実施例29)
安定化領域の影響
1セットのChlamydia trachomatis(Ct)のアッセイを、実施例1および21中に記載したのとほぼ同様に実施した。安定化領域(5’ATGCATGCAT)を含んだ鋳型、または含まなかった鋳型のいずれかを調製した。反応は標的DNAの0または100コピーのいずれかを用いて10分間実施した。分析は実時間SybrGreen蛍光検出を使用して実施した。図31中に示すように、安定化領域を含まない鋳型を含有する試料は増幅を示さなかった。別のセットのアッセイでは、ウイルスRNAを使用して、標的の0または1000コピーのいずれかをアッセイ中に含めた。安定化領域を含まない鋳型を含有する試料は増幅を示さなかったが、一方安定化領域を含む鋳型を含有する試料は急速な増幅を示した。
(実施例30)
Mg+2濃度の影響
1セットのChlamydia trachomatis(Ct)のアッセイを、実施例1および21中に記載したのとほぼ同様に実施した。このアッセイは様々な濃度のMg+2を使用して実施した。図32中に示すように、このセットのアッセイでは、6mMのMg+2が存在したとき活性の完全な消失を見出し、9mMのMg+2が存在したとき活性の大幅な低下を見出した。12mM〜21mMのMg+2濃度で、アッセイを最適に実施した。
(実施例31)
他の鋳型/標的の組合せの例
本発明の方法は、本発明の実施形態および実施例中に与える特異的鋳型および標的に限られない。他の標的および鋳型を使用して、本明細書で論じる等温増幅法を実施することができる。他の標的および鋳型の例には、図34中に示す標的および鋳型があるが、これらだけには限られない。当業者は、図中に示す標的用の他の鋳型を設計することができ、図中に示す標的配列との関連標的配列を反応中で使用することができ、図中に含まれない標的配列が本発明の方法の範囲内にあることを理解している。
本明細書で参照される各特許、特許出願、刊行物、および文献は、参照により本明細書に組み込まれる。上記特許、特許出願、刊行物、および文献の引用は、前述のいずれかが関連の先行技術であることの承認ではなく、これらの刊行物または文献の内容または発行年月日についての承認を構成することもない。
単数形である「a」、「an」、および「the」は、文脈により明確に別段の指示がない限り、複数形への言及を含む。したがって、例えば、「サブセット(a subset)」への言及は複数のこのようなサブセットを含み、「核酸(a nucleic a
cid)」への言及は当業者に知られる1つまたは複数の核酸およびこれらの同等物を含むなどとなる。「または」という用語は、それが指示する1つまたは複数の項目に対して除外的であることを意味しない。例えば、「AまたはB」という構造の表現で用いられる場合、それは、Aのみ、Bのみ、またはAおよびBの両方を示し得る。
別段に定義されない限り、本明細書で用いられる技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野における当業者により一般的に理解される意味と同じ意味を有する。本発明の実施または試行では、本明細書で説明される方法および系と同様または同等な任意の方法および系を用い得るが、ここでは、方法、装置、および材料が説明される。本明細書で言及されるすべての刊行物は、本発明との関連で用い得る刊行物において報告される工程、系、および方法を説明および開示する目的で、参照により本明細書に組み込まれる。本明細書におけるいずれの内容も、本発明が、先行発明の理由でこのような開示に先行する権利を有さないことの承認とはみなされないものとする。
本発明の基本的な態様から逸脱しない限りにおいて、前述の内容に対して改変を行うことができる。1つまたは複数の特定の実施形態への参照により実質的な詳細において本発明を説明してきたが、当業者は、本適用において具体的に開示される実施形態に対して変更を行うことができ、これらの改変および改善がなお本発明の範囲および精神のうちにあることを認めるであろう。本明細書で例示的に説明された本発明は、本明細書で具体的に開示されない(1つまたは複数の)任意の要素の不在下においても適切に実施することができる。したがって、例えば、本明細書における各場合において、「含む」、「本質的に〜からなる」、および「からなる」といういずれの用語も、他の2つの用語のいずれかによって置換され得る。したがって、用いられた用語および表現は、説明の用語として用いられ、限定の用語としては用いられず、示され説明される特徴の同等物またはその一部は除外されず、本発明の範囲内では各種の改変が可能であることが認められる。以下の特許請求の範囲では、本発明の実施形態が記載される。

Claims (94)

  1. ヌクレオチド配列の増幅方法であって、ポリメラーゼが鋳型核酸を伸長させ、これにより、伸長された鋳型核酸のアンプリコンが得られる条件下で、
    増幅反応において、標的ヌクレオチド配列を有する標的核酸を、
    (i)ポリメラーゼ、
    (ii)前記標的ヌクレオチド配列の第1鎖にハイブリダイズする第1鋳型核酸
    iii)前記標的ヌクレオチド配列の前記第1鎖の相補体にハイブリダイズする第2鋳型核酸、および
    (iv)1つまたは複数のニック形成酵素
    と混合するステップを含み、
    前記標的ヌクレオチド配列が20〜40ヌクレオチド長であり、
    前記標的ヌクレオチド配列が約10分間で1E+6倍以上に増幅され、
    前記第1鋳型が、前記標的ヌクレオチド配列の前記第1鎖の3’末端と相補的であるかまたは実質的に相補的な3’末端における第1鋳型認識領域と、前記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、前記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含む核酸配列を含み、
    前記第2鋳型が、前記標的ヌクレオチド配列の前記第1鎖の相補体の3’末端と相補的であるかまたは実質的に相補的な3’末端における第2鋳型認識領域と、前記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、前記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含むヌクレオチド配列を含み、
    前記標的ヌクレオチド配列が、前記第1鋳型認識領域と前記第2鋳型認識領域とのヌクレオチド和よりも1〜5ヌクレオチド多く含み、
    前記1つまたは複数のニック形成酵素は、順方向鋳型および逆方向鋳型の前記ニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、
    上述のステップが実質的な等温条件下で実施される方法。
  2. ヌクレオチド配列の増幅方法であって、ポリメラーゼが鋳型核酸を伸長させ、これにより、伸長された鋳型核酸のアンプリコンが得られる条件下で、
    増幅反応において、標的ヌクレオチド配列を有する標的核酸を、
    (i)ポリメラーゼ、
    (ii)前記標的ヌクレオチド配列の第1鎖にハイブリダイズする第1鋳型核酸
    (iii)前記標的ヌクレオチド配列の前記第1鎖の相補体にハイブリダイズする第2鋳型核酸、および
    (iv)1つまたは複数のニック形成酵素
    と混合するステップを含み、
    前記第1鋳型が前記標的ヌクレオチド配列の前記第1鎖の3’末端と相補的であるかまたは実質的に相補的な3’末端における8〜15ヌクレオチド長の第1鋳型認識領域と、前記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、前記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含む核酸配列を含み、
    前記第2鋳型が前記標的ヌクレオチド配列の前記第1鎖の相補体の3’末端と相補的であるかまたは実質的に相補的な3’末端における8〜15ヌクレオチド長の第2鋳型認識領域と、前記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、前記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含むヌクレオチド配列を含み、
    前記標的ヌクレオチド配列が約10分間で1E+6倍以上に増幅され、
    前記1つまたは複数のニック形成酵素は、順方向鋳型および逆方向鋳型の前記ニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、
    前記標的ヌクレオチド配列が、前記第1鋳型認識領域と前記第2鋳型認識領域とのヌクレオチド和よりも1〜5ヌクレオチド多く含み、
    上述のステップが実質的な等温条件下で実施される方法。
  3. つのニック形成酵素で前記鋳型の両方にニックを形成することが可能であるか、または少なくとも1つのニック形成酵素により各鋳型にニックを形成することが可能であり、前記1つまたは複数のニック形成酵素が、前記標的配列内においてニックを形成しない、請求項1〜2のいずれかに記載の方法。
  4. 前記標的ヌクレオチド配列が、前記第1鋳型認識領域と前記第2鋳型認識領域とのヌクレオチド和よりも1ヌクレオチド多く含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記標的ヌクレオチド配列が、前記第1鋳型認識領域と前記第2鋳型認識領域とのヌクレオチド和よりも2ヌクレオチド多く含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記標的ヌクレオチド配列が、前記第1鋳型認識領域と前記第2鋳型認識領域とのヌクレオチド和よりも3ヌクレオチド多く含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記標的核酸が二本鎖または一本鎖である、請求項1からのいずれかに記載の方法。
  8. 前記標的核酸が二本鎖DNAである、請求項に記載の方法。
  9. 前記標的核酸が一本鎖DNAである、請求項に記載の方法。
  10. 前記標的核酸がRNAである、請求項に記載の方法。
  11. 前記標的核酸が、ゲノムDNA、プラスミドDNA、ウイルスDNA、ミトコンドリアDNA、および合成二本鎖DNAからなる群から選択される、請求項に記載の方法。
  12. 前記標的核酸が、ウイルスDNA、cDNA、および合成一本鎖DNAからなる群から選択される、請求項に記載の方法。
  13. 前記標的核酸が、メッセンジャーRNA、ウイルスRNA、リボソームRNA、転移RNA、マイクロRNA、マイクロRNA前駆体、および合成RNAからなる群から選択さ
    れる、請求項1に記載の方法。
  14. 記ポリメラーゼが好熱性ポリメラーゼである、請求項1から1のいずれかに記載の方法。
  15. 前記第1および第2の鋳型が、同一のニック形成酵素により認識されるニック形成酵素結合部位を含み、前記第1および前記第2のニック形成酵素が同一である、請求項からのいずれかに記載の方法。
  16. 前記ニック形成酵素が、Nt.BspQI、Nb.BbvC、Nb.BsmI、Nb.BsrDI、Nb.BtsI、Nt.AlwI、Nt.BbvCI、Nt.BstNBI、Nt.CviPII、Nb.Bpu10I、およびNt.Bpu10Iからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  17. 前記標的ヌクレオチド配列の前記第1鎖と相補的であるかまたは実質的に相補的な前記第1鋳型の核酸配列部分が8〜15ヌクレオチド長であり、前記標的ヌクレオチド配列と相補的であるかまたは実質的に相補的な前記第2鋳型の部分が8〜15ヌクレオチド長である、請求項1から15のいずれかに記載の方法。
  18. 前記第1鋳型が前記第2鋳型と同じ濃度で提供される、請求項1から17のいずれかに記載の方法。
  19. 前記第1または第2鋳型のうちの一方が、他方の鋳型に対して1:100〜100:1の比の範囲で提供される、請求項1から17のいずれかに記載の方法。
  20. 第2のポリメラーゼをさらに含む、請求項1から19のいずれかに記載の方法。
  21. 前記第1または第2のポリメラーゼの少なくとも1つが逆転写酵素活性を含む、請求項2に記載の方法。
  22. 前記増幅が54℃〜60℃で実施される、請求項1から2のいずれかに記載の方法。
  23. 前記増幅が56℃〜58℃で実施される、請求項1から2のいずれかに記載の方法。
  24. 前記増幅反応が1〜10分間にわたり一定温度に保持される、請求項1から2のいずれかに記載の方法。
  25. 前記増幅反応が1〜20分間にわたり一定温度に保持される、請求項1から2のいずれかに記載の方法。
  26. 増幅産物を検出するステップをさらに含む、請求項1から25のいずれかに記載の方法。
  27. 前記増幅産物が、ゲル電気泳動、質量分析、蛍検出、挿入色素検出、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)、分子ビーコン検出、表面捕捉、キャピラリー電気泳動、捕捉による検出を可能とする標識ヌクレオチドの組込み、蛍光分極、および側方流動捕捉からなる群から選択される検出法により検出される、請求項26に記載の方法。
  28. 少なくとも2つの標的配列が増幅可能である、請求項1から27のいずれかに記載の方法。
  29. 前記増幅産物が固体表面上において検出される、請求項27に記載の方法。
  30. 少なくとも1つの捕捉プローブが前記固体表面上に固定化される、請求項29に記載の方法。
  31. 少なくとも1つの前記鋳型が、スペーサー、遮断基、または修飾ヌクレオチドを含ここで、前記遮断基は、アルキル基、ヌクレオチド以外のリンカー、ホスホロチオエート、アルカンジオール残基、ペプチド核酸、および3’−OHを欠くヌクレオチド誘導体からなる群より選択される、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  32. 前記標的ヌクレオチド配列が約5分間で1E+6倍以上に増幅される、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  33. 前記標的ヌクレオチド配列が約2.5分間で1E+6倍以上に増幅される、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  34. 前記標的ヌクレオチド配列が約5分間で1E+7倍以上に増幅される、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  35. 前記標的ヌクレオチド配列が約5分間で1E+8倍以上に増幅される、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  36. 前記標的ヌクレオチド配列が約5分間で1E+9倍以上に増幅される、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  37. 二本鎖核酸の標的配列を増幅する方法であって、ポリメラーゼが順方向および逆方向の鋳型を標的配列に沿って伸長させて二本鎖ニック形成部位を作製し、ニック形成酵素が前記ニック形成部位または前記部位の増幅されたコピーにおいてニックを形成して増幅産物を作製する複数のサイクルにより増幅が実行される本質的に等温の条件下において、
    a)センス鎖およびアンチセンス鎖を有する二本鎖標的配列を含む標的のDNA分子を順方向鋳型および逆方向鋳型と接触させるステップであって、
    i)前記順方向鋳型が、前記標的配列のアンチセンス鎖の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、前記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、前記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含む核酸配列を含み、前記標的配列のアンチセンス鎖の3’末端と相補的な核酸配列部分が8〜15ヌクレオチド長であり、
    ii)前記逆方向鋳型が、前記標的配列のセンス鎖の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、前記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、前記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含むヌクレオチド配列を含み、前記標的配列のアンチセンス鎖の3’末端と相補的な核酸配列部分が8〜15ヌクレオチド長であるステップと、
    b)前記順方向鋳型の前記ニック形成部位の上流、下流、または前記部位においてニックを形成することが可能であり、前記標的配列内においてはニックを形成しない、第1のニック形成酵素を提供するステップと、
    c)前記逆方向鋳型の前記ニック形成部位の上流、下流、または前記部位においてニックを形成することが可能であり、前記標的配列内においてはニックを形成しない、第2のニック形成酵素を提供するステップと、
    d)DNAポリメラーゼを提供するステップと
    を含み、ここで、
    前記標的配列が、前記順方向鋳型認識領域と前記逆方向鋳型認識領域とのヌクレオチド和よりも1〜5ヌクレオチド多く含む、方法。
  38. 一本鎖核酸の標的配列を増幅する方法であって、
    a)一本鎖標的配列を含む標的核酸を逆方向鋳型と接触させるステップであって、前記逆方向鋳型が、前記標的配列の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、前記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、前記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含む核酸配列を含み、前記標的配列の3’末端と相補的な核酸配列部分が8〜15ヌクレオチド長であるステップと、
    b)前記逆方向鋳型の前記ニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、前記標的配列内においてはニックを形成しない、第1のニック形成酵素を提供するステップと、
    c)DNAポリメラーゼを、前記ポリメラーゼが前記逆方向鋳型を前記標的配列に沿って伸長させる条件下において提供するステップと、
    d)前記伸長した逆方向鋳型を順方向鋳型と接触させるステップであって、前記順方向鋳型が前記伸長した逆方向鋳型の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、前記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、前記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含み、前記標的アンチセンス鎖の3’末端と相補的な核酸配列部分が8〜15ヌクレオチド長であるステップと、
    e)前記順方向鋳型の前記ニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、前記標的配列内においても、前記標的配列の相補体内においてもニックを形成しない、第2のニック形成酵素を提供するステップと
    を含み、前記ポリメラーゼが前記順方向および逆方向の鋳型を前記標的配列に沿って伸長させて二本鎖ニック形成部位を作製し、前記ニック形成酵素が前記ニック形成部位においてニックを形成して増幅産物を作製する複数のサイクルにより増幅が実行される本質的に等温の条件下において増幅が実施され、ここで、
    前記標的配列が、前記順方向鋳型認識領域と前記逆方向鋳型認識領域とのヌクレオチド和よりも1〜5ヌクレオチド多く含む、方法。
  39. 前記DNAポリメラーゼが好熱性ポリメラーゼである、請求項37または38に記載の方法。
  40. 前記ニック形成酵素が、前記ニック形成酵素結合部位の下流においてニックを形成する、請求項37または38に記載の方法。
  41. 前記順方向および逆方向の鋳型が、同一のニック形成酵素により認識されるニック形成酵素結合部位を含み、前記第1および前記第2のニック形成酵素が同一である、請求項37または38に記載の方法。
  42. 前記ニック形成酵素が、Nt.BspQI、Nb.BbvC、Nb.BsmI、Nb.BsrDI、Nb.BtsI、Nt.AlwI、Nt.BbvCI、Nt.BstNBI、Nt.CviPII、Nb.Bpu10I、およびNt.Bpu10Iからなる群から選択される、請求項37または38に記載の方法。
  43. 前記標的配列が、前記順方向鋳型認識領域と前記逆方向鋳型認識領域とのヌクレオチド和よりも1ヌクレオチド多く含む、請求項37または38に記載の方法。
  44. 前記標的配列が、前記順方向鋳型認識領域と前記逆方向鋳型認識領域とのヌクレオチド和よりも2ヌクレオチド多く含む、請求項37または38に記載の方法。
  45. 前記標的DNA分子が、ゲノムDNA、プラスミドDNA、ミトコンドリアDNA、およびウイルスDNAからなる群から選択される、請求項37に記載の方法。
  46. 前記標的核酸が、ウイルスDNA、メッセンジャーRNA、マイクロRNA、およびマイクロRNA前駆体からなる群から選択される、請求項39に記載の方法。
  47. 前記順方向鋳型が前記逆方向鋳型と同じ濃度で提供される、請求項37または38に記載の方法。
  48. 前記順方向鋳型または前記逆方向鋳型のうちの一方が、他の鋳型に対して1:100〜100:1の比の範囲の比で提供される、請求項37または38に記載の方法。
  49. 第2のポリメラーゼをさらに含む、請求項39に記載の方法。
  50. 前記ポリメラーゼの少なくとも1つが逆転写酵素活性を含む、請求項49に記載の方法。
  51. 前記増幅が54℃〜60℃で実施される、請求項37または38に記載の方法。
  52. 前記増幅反応が1〜10分間にわたり一定温度に保持される、請求項37または38に記載の方法。
  53. 前記増幅産物を検出するステップをさらに含む、請求項37または38に記載の方法。
  54. 前記増幅産物が、ゲル電気泳動、質量分析、蛍検出、挿入色素検出、FRET、分子ビーコン検出、表面捕捉、キャピラリー電気泳動、捕捉による検出を可能とする標識ヌクレオチドの組込み、蛍光分極、および側方流動捕捉からなる群から選択される方法により検出される、請求項3に記載の方法。
  55. 少なくとも2つの標的配列が増幅可能である、請求項37または38に記載の方法。
  56. 前記増幅産物が固体表面上において検出される、請求項37または38に記載の方法。
  57. 少なくとも1つの捕捉プローブが固体表面上に固定化される、請求項37または38に記載の方法。
  58. 少なくとも1つの前記鋳型が、スペーサー、遮断基、または修飾ヌクレオチドを含ここで、前記遮断基は、アルキル基、ヌクレオチド以外のリンカー、ホスホロチオエート、アルカンジオール残基、ペプチド核酸、および3’−OHを欠くヌクレオチド誘導体からなる群より選択される、請求項37または38に記載の方法。
  59. 二本鎖核酸の標的配列を増幅する方法であって、ポリメラーゼが順方向および逆方向の鋳型を標的配列に沿って伸長させて二本鎖ニック形成部位を作製し、ニック形成酵素が前記ニック形成部位または前記部位の増幅されたコピーにおいてニックを形成して増幅産物を作製する複数のサイクルにより増幅が実行される本質的に等温の条件下において、
    a)センス鎖およびアンチセンス鎖を有する二本鎖標的配列を含む標的のDNA分子を順方向鋳型および逆方向鋳型と接触させるステップであって、
    i)前記順方向鋳型が、前記標的配列のアンチセンス鎖の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、前記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、前記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含む核酸配列を含み、
    ii)前記逆方向鋳型が、前記標的配列のセンス鎖の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、前記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、前記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含むヌクレオチド配列を含み、
    iii)前記標的配列が、前記順方向鋳型認識領域と前記逆方向鋳型認識領域とのヌクレオチド和よりも1〜5ヌクレオチド多く含むステップと、
    b)前記順方向鋳型の前記ニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、前記標的配列内においてはニックを形成しない、第1のニック形成酵素を提供するステップと、
    c)前記逆方向鋳型の前記ニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、前記標的配列内においてはニックを形成しない、第2のニック形成酵素を提供するステップと、
    d)DNAポリメラーゼを提供するステップと
    を含む方法。
  60. 一本鎖核酸の標的配列を増幅する方法であって、
    a)一本鎖標的配列を含む標的核酸を逆方向鋳型と接触させるステップであって、前記逆方向鋳型が、前記標的配列の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、前記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、前記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含む核酸配列を含み、前記標的配列の3’末端と相補的な核酸配列部分が8〜15ヌクレオチド長であるステップと、
    b)前記逆方向鋳型の前記ニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、前記標的配列内においてはニックを形成しない、第1のニック形成酵素を提供するステップと、
    c)DNAポリメラーゼを、前記ポリメラーゼが前記逆方向鋳型を前記標的配列に沿って伸長させる条件下において提供するステップと、
    d)前記伸長した逆方向鋳型を順方向鋳型と接触させるステップであって、前記順方向鋳型が前記伸長した逆方向鋳型の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、前記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、前記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含み、前記標的配列が、前記順方向鋳型認識領域と前記逆方向鋳型認識領域とのヌクレオチド和よりも1〜5ヌクレオチド多く含むステップと、
    e)前記順方向鋳型の前記ニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、前記標的配列内においても、前記標的配列の相補体内においてもニックを形成しない、第2のニック形成酵素を提供するステップと
    を含み、前記ポリメラーゼが前記順方向および逆方向の鋳型を前記標的配列に沿って伸長させて二本鎖ニック形成部位を作製し、前記ニック形成酵素が前記ニック形成部位においてニックを形成して増幅産物を作製する複数のサイクルにより増幅が実行される本質的に等温の条件下において増幅が実施される方法。
  61. 前記標的ヌクレオチド配列が、前記順方向鋳型認識領域と前記逆方向鋳型認識領域とのヌクレオチド和よりも1ヌクレオチド多く含む、請求項59または6に記載の方法。
  62. 前記標的ヌクレオチド配列が、前記順方向鋳型認識領域と前記逆方向鋳型認識領域とのヌクレオチド和よりも2ヌクレオチド多く含む、請求項59または6に記載の方法。
  63. 前記標的ヌクレオチド配列が、前記順方向鋳型認識領域と前記逆方向鋳型認識領域とのヌクレオチド和よりも3ヌクレオチド多く含む、請求項59または6に記載の方法。
  64. 二本鎖核酸の標的配列を増幅する方法であって、ポリメラーゼが順方向および逆方向の鋳型を標的配列に沿って伸長させて二本鎖ニック形成部位を作製し、ニック形成酵素が前記ニック形成部位または前記部位の増幅されたコピーにおいてニックを形成して増幅産物
    を作製する複数のサイクルにより増幅が実行される本質的に等温の条件下において、
    a)センス鎖およびアンチセンス鎖を有する二本鎖標的配列を含む標的のDNA分子を順方向鋳型および逆方向鋳型と接触させるステップであって、
    b)前記順方向鋳型が、前記標的配列のアンチセンス鎖の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、前記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、前記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含む核酸配列を含み、
    c)前記逆方向鋳型が、前記標的配列のセンス鎖の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、前記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、前記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含むヌクレオチド配列を含むステップと、
    d)前記順方向鋳型の前記ニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、前記標的配列内においてはニックを形成しない、第1のニック形成酵素を提供するステップと、
    e)前記逆方向鋳型の前記ニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、前記標的配列内においてはニックを形成しない、第2のニック形成酵素を提供するステップと、
    f)DNAポリメラーゼを提供するステップと
    を含み、ここで、
    前記標的配列が、前記順方向鋳型認識領域と前記逆方向鋳型認識領域とのヌクレオチド和よりも1〜5ヌクレオチド多く含む、方法。
  65. 二本鎖核酸の標的配列を増幅する方法であって、ポリメラーゼが順方向および逆方向の鋳型を標的配列に沿って伸長させて二本鎖ニック形成部位を作製し、ニック形成酵素が前記ニック形成部位または前記部位の増幅されたコピーにおいてニックを形成して増幅産物を作製する複数のサイクルにより増幅が実行される本質的に等温の条件下において、
    a)センス鎖およびアンチセンス鎖を有する二本鎖標的配列を含む標的のDNA分子を順方向鋳型および逆方向鋳型と接触させるステップであって、
    b)前記順方向鋳型が、前記標的配列のアンチセンス鎖の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、前記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、前記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含む核酸配列を含み、
    ii)前記逆方向鋳型が、前記標的配列のセンス鎖の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、前記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、前記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含むヌクレオチド配列を含むステップと、
    c)前記順方向鋳型の前記ニック形成部位の上流、下流、または前記部位においてニックを形成することが可能であり、前記標的配列内においてはニックを形成しない、第1のニック形成酵素を提供するステップと、
    d)前記逆方向鋳型の前記ニック形成部位の上流、下流、または前記部位においてニックを形成することが可能であり、前記標的配列内においてはニックを形成しない、第2のニック形成酵素を提供するステップと、
    e)DNAポリメラーゼを提供するステップと
    を含み、ここで、
    前記標的配列が、前記順方向鋳型認識領域と前記逆方向鋳型認識領域とのヌクレオチド和よりも1〜5ヌクレオチド多く含む、方法。
  66. 二本鎖核酸の標的配列を増幅する方法であって、ポリメラーゼが順方向および逆方向の鋳型を標的配列に沿って伸長させて二本鎖ニック形成部位を作製し、ニック形成酵素が前記ニック形成部位または前記部位の増幅されたコピーにおいてニックを形成して増幅産物を作製する複数のサイクルにより増幅が実行される本質的に等温の条件下において、
    a)センス鎖およびアンチセンス鎖を有する二本鎖標的配列を含む標的のDNA分子を
    順方向鋳型および逆方向鋳型と接触させるステップであって、
    b)前記順方向鋳型が、前記標的配列のアンチセンス鎖の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、前記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、前記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含む核酸配列を含み、
    c)前記逆方向鋳型が、前記標的配列のセンス鎖の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、前記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、前記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含むヌクレオチド配列を含むステップと、
    d)前記順方向鋳型の前記ニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、前記標的配列内においてはニックを形成しない、第1のニック形成酵素を提供するステップと、
    e)前記逆方向鋳型の前記ニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、前記標的配列内においてはニックを形成しない、第2のニック形成酵素を提供するステップと、
    f)DNAポリメラーゼを提供するステップと
    を含み、12分間にわたって増幅反応を実行すると、22〜35ヌクレオチド長の標的配列の少なくとも1E+7倍の増幅が得られ、ここで、
    前記標的配列が、前記順方向鋳型認識領域と前記逆方向鋳型認識領域とのヌクレオチド和よりも1〜5ヌクレオチド多く含む、方法。
  67. 二本鎖核酸の標的配列を増幅する方法であって、ポリメラーゼが順方向および逆方向の鋳型を標的配列に沿って伸長させて二本鎖ニック形成部位を作製し、ニック形成酵素が前記ニック形成部位または前記部位の増幅されたコピーにおいてニックを形成して増幅産物を作製する複数のサイクルにより増幅が実行される本質的に等温の条件下において、
    a)センス鎖およびアンチセンス鎖を有する二本鎖標的配列を含む標的のDNA分子を順方向鋳型および逆方向鋳型と接触させるステップであって、
    b)前記順方向鋳型が、前記標的配列のアンチセンス鎖の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、前記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、前記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含む核酸配列を含み、前記標的配列のアンチセンス鎖の3’末端と相補的な核酸配列部分が8〜15ヌクレオチド長であり、
    c)前記逆方向鋳型が、前記標的配列のセンス鎖の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、前記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、前記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含むヌクレオチド配列を含み、前記標的配列のアンチセンス鎖の3’末端と相補的な核酸配列部分が8〜15ヌクレオチド長であるステップと、
    d)前記順方向鋳型の前記ニック形成部位の上流、下流、または前記部位においてニックを形成することが可能であり、前記標的配列内においてはニックを形成しない、第1のニック形成酵素を提供するステップと、
    e)前記逆方向鋳型の前記ニック形成部位の上流、下流、または前記部位においてニックを形成することが可能であり、前記標的配列内においてはニックを形成しない、第2のニック形成酵素を提供するステップと、
    f)DNAポリメラーゼを提供するステップと
    を含み、12分間にわたって増幅反応を実行すると、22〜35ヌクレオチド長の標的配列の少なくとも1E+7倍の増幅が得られ、ここで、
    前記標的配列が、前記順方向鋳型認識領域と前記逆方向鋳型認識領域とのヌクレオチド和よりも1〜5ヌクレオチド多く含む、方法。
  68. 核酸の標的配列を増幅するためのキットであって、
    a)DNAポリメラーゼと、
    b)標的配列のセンス鎖の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、前記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、前記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含み、前記標的配列のセンス鎖の3’末端と相補的な核酸配列部分が8〜15ヌクレオチド長である核酸増幅のための第1鋳型と、
    c)標的配列のセンス鎖の相補体の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、前記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、前記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含み、前記標的配列のセンス鎖の相補体の3’末端と相補的な核酸配列部分が8〜15ヌクレオチド長である核酸増幅のための第2鋳型と、
    )1つの酵素、前記第1および前記第2の鋳型の前記ニック形成部位においてニックを形成することが可能であるか、または第1酵素が前記第1鋳型のニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、かつ第2酵素が前記第2鋳型の酵素部位においてニックを形成することが可能である、1つまたは2つの熱安定性ニック形成酵素と
    を含み、ここで、
    前記標的配列が、前記第1鋳型認識領域と前記第2鋳型認識領域とのヌクレオチド和よりも1〜5ヌクレオチド多く含むキット。
  69. 前記ポリメラーゼ、ニック形成酵素、および鋳型が容器内にある、請求項68に記載のキット。
  70. 前記ポリメラーゼ、ニック形成酵素、および鋳型が2つの容器内にある、請求項68に記載のキット。
  71. 前記ポリメラーゼおよびニック形成酵素が第1の容器内にあり、前記鋳型が第2の容器内にある、請求項68に記載のキット。
  72. 前記ポリメラーゼ、ニック形成酵素、および鋳型が乾燥凍結される、請求項68に記載のキット。
  73. 前記増幅方法に従うための指示書をさらに含む、請求項68に記載のキット。
  74. キュベットをさらに含む、請求項68に記載のキット。
  75. 側方流動装置またはディップスティックをさらに含む、請求項68に記載のキット。
  76. 前記側方流動装置またはディップスティックが捕捉プローブをさらに含む、請求項75に記載のキット。
  77. 蛍光色素、金コロイド粒子、ラテックス粒子、分子ビーコン、ポリスチレンビーズからなる群から選択される検出器構成要素をさらに含む、請求項68に記載のキット。
  78. 少なくとも1つの前記鋳型が、スペーサー、遮断基、または修飾ヌクレオチドを含ここで、前記遮断基は、アルキル基、ヌクレオチド以外のリンカー、ホスホロチオエート、アルカンジオール残基、ペプチド核酸、および3’−OHを欠くヌクレオチド誘導体からなる群より選択される、請求項68に記載のキット。
  79. 核酸の標的配列を増幅するためのキットであって、
    a)DNAポリメラーゼと、
    b)標的配列のセンス鎖の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、前記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、前記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含む核酸増幅のための第1鋳型と、
    c)前記標的配列のセンス鎖の相補体の3’末端と相補的な3’末端における認識領域と、前記認識領域の上流にあるニック形成酵素結合部位およびニック形成部位と、前記ニック形成部位の上流にある安定化領域とを含む核酸増幅のための第2鋳型であって、前記標的配列が、第1鋳型認識領域と第2鋳型認識領域とのヌクレオチド和よりも1〜5ヌクレオチド多く含む、第2鋳型と、
    )1つの酵素、前記第1および前記第2の鋳型の前記ニック形成部位においてニックを形成することが可能であるか、または第1酵素が前記第1鋳型のニック形成部位においてニックを形成することが可能であり、かつ第2酵素が前記第2鋳型の酵素部位においてニックを形成することが可能である、1つまたは2つの熱安定性ニック形成酵素と
    を含むキット。
  80. 前記標的配列のセンス鎖の3’末端と相補的である前記第1鋳型の核酸配列部分が8〜15ヌクレオチド長であり、前記標的配列のセンス鎖の相補体の3’末端と相補的である前記第2鋳型の核酸配列部分が8〜15ヌクレオチド長である、請求項79に記載のキット。
  81. 前記ポリメラーゼ、ニック形成酵素、および鋳型が容器内にある、請求項79に記載のキット。
  82. 前記ポリメラーゼ、ニック形成酵素、および鋳型が2つの容器内にある、請求項79に記載のキット。
  83. 前記ポリメラーゼおよびニック形成酵素が第1の容器内にあり、前記鋳型が第2の容器内にある、請求項79に記載のキット。
  84. 前記ポリメラーゼ、ニック形成酵素、および鋳型が乾燥凍結される、請求項79に記載のキット。
  85. 前記増幅方法に従うための指示書をさらに含む、請求項79に記載のキット。
  86. キュベットをさらに含む、請求項79に記載のキット。
  87. 側方流動装置またはディップスティックをさらに含む、請求項79に記載のキット。
  88. 前記側方流動装置またはディップスティックが捕捉プローブをさらに含む、請求項87に記載のキット。
  89. 蛍光色素、金コロイド粒子、ラテックス粒子、分子ビーコン、ポリスチレンビーズからなる群から選択される検出器構成要素をさらに含む、請求項79に記載のキット。
  90. 少なくとも1つの前記鋳型が、スペーサー、遮断基、または修飾ヌクレオチドを含ここで、前記遮断基は、アルキル基、ヌクレオチド以外のリンカー、ホスホロチオエート、アルカンジオール残基、ペプチド核酸、および3’−OHを欠くヌクレオチド誘導体からなる群より選択される、請求項79に記載のキット。
  91. 前記安定化領域が、約40%〜60%、約42%〜58%、約44%〜56%、約46%〜54%、約48%〜52%または約49%〜51%のGC含量を含む、請求項1〜2、37〜38、59〜60、64〜68および79のいずれか一項に記載の方法。
  92. 前記安定化領域が、6ヌクレオチド〜15ヌクレオチドの長さを有する、請求項1〜2
    、37〜38、59〜60、64〜68および79のいずれか一項に記載の方法。
  93. 前記安定化領域が、配列ATGCATGCATを有する、請求項1〜2、37〜38、59〜60、64〜68および79のいずれか一項に記載の方法。
  94. 前記安定化領域が、前記ニック形成部位または前記認識領域に干渉しない、請求項1〜2、37〜38、59〜60、64〜68および79のいずれか一項に記載の方法。
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