JP2010532657A - クレブシエラ属の抗原 - Google Patents

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Abstract

本発明は、抗原をコードする単離された核酸分子、このような核酸分子を含むベクター、およびこのようなベクターを含む宿主細胞に関する。さらに、本発明は、クレブシエラ属(Klebsiella)の種に由来する抗原、ならびにその断片および変種、このような抗原を作製する方法、ならびにこのような抗原を発現する細胞を作製する方法を提供する。さらに、本発明は、このような抗原に結合する抗体、このような抗体を産生するハイブリドーマ細胞、このような抗体を作製する方法、このような核酸分子、抗原、ベクターまたは抗体を含む薬学的組成物、薬学的組成物を調製するための、このような核酸分子、抗原、ベクターまたは抗体の使用、このような抗原に結合することができるか、またはこのような抗原の相互作用活性を低下もしくは阻害することができるアンタゴニストを特定する方法、感染症を診断する方法、および感染症を治療または予防する方法を提供する。さらに具体的には、このような抗原は、院内感染を引き起こす細菌病原体によって産生されるか、もしくは院内感染を引き起こす細菌病原体と関連するか、または肺炎桿菌によって引き起こされる細菌感染症と関連する。

Description

本発明は、抗原をコードする単離された核酸分子、このような核酸分子を含むベクター、およびこのようなベクターを含む宿主細胞に関する。さらに、本発明は、クレブシエラ属(Klebsiella)の種に由来する抗原、ならびにその断片および変種、このような抗原を作製する方法、ならびにこのような抗原を発現する細胞を作製する方法を提供する。さらに、本発明は、このような抗原に結合する抗体、このような抗体を産生するハイブリドーマ細胞、このような抗体を作製する方法、このような核酸分子、抗原、ベクターまたは抗体を含む薬学的組成物、薬学的組成物を調製するための、このような核酸分子、抗原、ベクターまたは抗体の使用、このような抗原に結合することができる、またはこのような抗原の相互作用活性を低下もしくは阻害することができるアンタゴニストを特定する方法、感染症を診断する方法、および感染症を治療または予防する方法を提供する。さらに具体的には、このような抗原は、院内感染を引き起こす細菌病原体によって産生されるか、もしくは院内感染を引き起こす細菌病原体と関連するか、または肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)によって引き起こされる細菌感染症と関連する。
肺炎桿菌(K.pneumoniae)は、グラム陰性通性嫌気性細菌である。肺炎桿菌の株は、莢膜多糖の存在によって区別され、このうち77種類の抗原型がある。この莢膜は細胞表面全体を包んでおり、グラム染色すると生物の大きな外観を占め、多くの宿主防御機構に対する耐性をもたらす。コロニーは大きく、粘液性が高い。肺炎桿菌は、窒素を固定する能力、すなわち、大気窒素ガスをアンモニウムに変換する能力を有する。
クレブシエラ属には2つの一般的な生息地がある。一方は自然環境であり、クレブシエラ属は地表水、下水、および土に見られ、他方は、クレブシエラ属がコロニー形成する哺乳動物、例えば、ヒト、ウマ、またはブタの粘膜表面である。ヒトでは、肺炎桿菌は、気道、腸管、および泌尿生殖路の中で腐生菌として存在する。しかしながら、クレブシエラ属細菌が消化管外に出ると、重篤な感染症が起こる場合がある。
肺炎桿菌は、尿路感染症、院内肺炎、腹腔内感染症、手術創感染症、および血液感染症の原因となる、一般的な院内感染性病原体である。これらの感染症は全て、積極的に早期に治療されなければショックおよび死亡に進行する場合がある。肺炎桿菌はまた潜在的な市中感染性病原体でもある。クレブシエラ属の種は地方病性院内感染症の8%、大流行の3%を占めると見積もられている(Stamm E. et al., 1981)。
クレブシエラ属の病原性は、熱安定性エンテロトキシンの産生に起因する場合がある。今までに特定された肺炎桿菌の病原因子には、莢膜多糖(CPS)、リポ多糖、アドヘシン(1型および3型線毛、KPF-28フィンブリア、CF29K、および集合性アドヘシン(aggregative adhesin))、ならびに鉄獲得系(Podschun R et al., 1998)が含まれる。
肺炎桿菌による感染症は、病院内でよく見られ、肺炎(血痰の出現を特徴とする)およびカテーテル挿入された患者では尿路感染症の原因となる。実際には、肺炎桿菌は、尿路病原体としては大腸菌に次ぐ2番目の細菌である。肺炎桿菌は、全ての院内尿路感染症(UTI)の6〜17パーセントを占める。現在、クレブシエラ属による感染症は以前より増して見られる。これは、おそらく、細菌の抗生物質耐性によるものである。クレブシエラ属の種は、アンピシリンおよびカルベニシリンなどの抗生物質に対する耐性を付与する耐性プラスミド(R-プラスミド)を含有する場合がある(Wu et al., 2005)。さらに悪いことには、R-プラスミドは他の腸内細菌に移ることがあり、この腸内細菌は同じ種の細菌とは限らない。多剤耐性クレブシエラ属種の院内大流行は、多くの場合、新型株であるESBL産生株(基質特異性拡張型βラクタマーゼ)によって引き起こされる。クレブシエラ属の臨床分離株の中からのESBL産生株の発生率は過去数年にわたって着実に増加している。ある地域では、40%までの頻度が報告されている。肺炎桿菌感染症を治療するためには、セフェピム、ポリミキシンB(Parchuri et al., 2005)、カルバペネム(メロペネムおよびイミペネム)(Ueda Y. et al., 2005)のように利用可能な抗生物質がわずかしかない。
クレブシエラ属に対するワクチンの開発が試みられている。様々な細菌構成物のうち、抗クレブシエラ属ワクチン候補として、2つの表面成分であるLPSおよびCPSが主に議論されている(Yadav et al., 2005)。LPS含有ワクチンによる能動免疫の大きな欠点は有害な毒性反応を誘導することであり、これはエンドトキシン内容物によって引き起こされる。CPSは免疫原性が高く、かつ無毒であることが分かっている。しかしながら、クレブシエラ属CPSワクチンの重大な欠点は、異なるK抗原(現在、77種類)が多数あることである。後に、安全性および免疫原性があることが判明した(Cryz et al., 1986)、6価クレブシエラ属CPSワクチンがあるが、クレブシエラ属血液分離株の30%しかカバーしないのに対して、25価ワクチンは最高75%までカバーする。さらに、このような多価ワクチンの作製は難しく、高価である。この状況を克服するために、タンパク質に基づくクレブシエラ属ワクチンを開発しなければならない。Kurupati et al. (2006)は、肺炎桿菌から多数の免疫原性抗原を同定しており、候補遺伝子の2つ、すなわち、OmpAおよびFepAがインビボマウスモデルにおいてさらに特徴付けられている。しかしながら、現在、予防用のクレブシエラ属ワクチンは市販されておらず、公的な情報によれば、積極的に前臨床開発も臨床開発もなされていない。Berna Biotechのクレブシエラ属ワクチン開発プログラム(Klebgen Berna(登録商標))は中断されている。
ワクチンは多種多様な抗原を含有してもよい。抗原の例は、全滅生物もしくは弱毒化生物、これらの生物/組織の亜分画、タンパク質、または最も単純な形ではペプチドである。抗原はまた、グリコシル化されたタンパク質またはペプチドの形でも免疫系によって認識されることがあり、多糖または脂質でもよく、多糖または脂質を含有してもよい。例えば、細胞傷害性T細胞(CTL)は、主要組織適合複合体(MHC)と共に、短い、通常、8〜11アミノ酸長のペプチドの形を取る抗原を認識するので、短いペプチドを使用することができる。B細胞は、4〜5アミノ酸と短い線状エピトープならびに三次元構造(高次構造エピトープ)を認識することができる。持続的な抗原特異的免疫応答を得るために、アジュバントが、免疫系の全ての細胞に関与する免疫カスケードを誘発する必要がある。主に、アジュバントは、いわゆる、抗原提示細胞(APC)に作用するが、アジュバントの作用様式は制限されない。これらの細胞が、通常、最初に抗原に遭遇した後に、プロセシングされた抗原または改変されていない抗原が免疫エフェクター細胞に提示される。中間の細胞タイプも関与することがある。生産的免疫応答では、適切な特異性を有するエフェクター細胞しか活性化されない。アジュバントはまた、抗原および共に注射された因子を局所に保つこともできる。さらに、アジュバントは、他の免疫細胞の化学誘引物質として作用してもよく、免疫系の刺激剤として局所および/または全身に作用してもよい。
ヒト抗原に対する交差反応性抗体を誘導する可能性があるという潜在的なリスクのために、ヒト用の不活化全細胞ワクチンの開発には懸念がある。従って、サブユニットワクチンは、肺炎桿菌による感染症の予防において最大の可能性があるとみなされている。
本発明の根底にある問題は、クレブシエラ属によって引き起こされる院内感染に対する薬学的組成物、例えば、ワクチンを開発するための手段を提供することであった。より具体的には、この問題は、薬学的組成物の調製に使用することができる、クレブシエラ属に由来する核酸分子あるいは抗原またはその断片もしくは変種の効率的な、関連する、かつ包括的なセットを提供することであった。なおさらなる問題は、抗原、その断片または変種を作製する方法および手段を提供することであった。さらに別の問題は、核酸または抗原を含む薬学的組成物を提供することであった。本発明のなおさらなる問題は、抗体、抗体を含む薬学的組成物、抗体を作製する方法、および薬学的調整物の調製のための抗体の使用を提供することであった。さらに、本発明の目的は、抗原またはその断片もしくは変種に結合することができるアンタゴニストを特定する方法を提供すること、ならびにこのような抗原とその相互作用パートナーとの相互作用活性を低下または阻害することができるアンタゴニストを特定する方法を提供することであった。本発明のさらなる問題は、クレブシエラ属生物による感染症を診断する方法を提供することであった。本発明の根底にあるさらに別の問題は、クレブシエラ属感染症を治療する方法を提供すること、および動物またはヒトを免疫化する方法を提供することであった。
本発明の根底にある問題は、1つの局面では、抗原またはその断片をコードする単離された核酸分子であって、以下:
a)SEQ ID NO:1〜187およびSEQ ID NO:375を含む群より選択されるヌクレオチド配列を有する核酸分子と少なくとも70%の配列同一性を有する核酸分子、
b)a)の核酸分子に相補的な核酸分子、
c)a)またはb)の核酸分子の少なくとも15個の連続した塩基を含む核酸分子、
d)ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、a)、b)、またはc)の核酸分子にアニーリングする核酸分子、
e)遺伝暗号の縮重がなければ、a)、b)、c)またはd)において定義された核酸分子にハイブリダイズする核酸分子
からなる群より選択される、核酸配列を含む単離された核酸分子によって、解決される。
本発明による1つの態様では、SEQ ID NO:1〜187またはSEQ ID NO:375との配列同一性は、少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%、96%、97%、98%、もしくは99%、または最も好ましくは100%である。
別の態様では、核酸はDNAである。
代わりの態様では、核酸はRNAである。
さらに別の態様では、核酸分子は、ゲノムDNA、好ましくは、クレブシエラ属に由来する、好ましくは、3つの亜種ニューモニエ(pneumoniae)、オゼネ(ozaenae)、およびリノスクレロマチス(rhinoscleromatis)を含む肺炎桿菌、K.オキシトカ(K. oxytoca)、K.プランチコラ(K. planticola)、K.テリゲナ(K. terrigena)、ならびにK.オルニチノリティカ(K. ornithinolytica)を含む群より選択される種に由来する、より好ましくは、肺炎桿菌またはK.オキシトカに由来するゲノムDNAから単離される。Orskov, I.(1984)によるクレブシエラ属の命名法または分類法が本明細書において用いられる。
本発明の1つの態様では、断片は、その活性断片もしくは活性変種である。
1つの態様では、核酸は、クレブシエラ属に由来する、好ましくは3つの亜種ニューモニエ、オゼネ、およびリノスクレロマチスを含む肺炎桿菌、K.オキシトカ、K.プランチコラ、K.テリゲナ、ならびにK.オルニチノリティカに由来するポリペプチドもしくはペプチド断片、より好ましくは肺炎桿菌またはK.オキシトカに由来するポリペプチドもしくはペプチド断片を含むか、またはこのようなポリペプチドもしくはペプチド断片からなる、抗原またはその断片をコードする。
さらに、本発明の根底にある問題は、前記の核酸分子を含むベクターによって解決される。
1つの態様では、ベクターは、前記で定義した核酸分子によってコードされる抗原またはその断片を組換え発現するように適合される。
本発明はまた、前記で定義したベクターを含む宿主細胞に関する。
本発明の根底にある問題は、さらなる局面では、クレブシエラ属に感染しているヒトに由来するまたはクレブシエラ属に以前に感染したことのある非感染健常ヒトに由来する血清と免疫学的に反応する抗原であって、クレブシエラ属、好ましくは、3つの亜種ニューモニエ、オゼネ、およびリノスクレロマチスを含む肺炎桿菌、K.オキシトカ、K.プランチコラ、K.テリゲナ、ならびにK.オルニチノリティカ、より好ましくは、肺炎桿菌またはK.オキシトカに由来する単離されたポリペプチドまたはその活性断片もしくは活性変種を含む抗原によって解決される。
本明細書で使用する「非感染健常ヒト」という用語は、病原体と複数回遭遇している、または複数回遭遇したことがあり、その結果、集落形成があり得るが、症状が全くないか、疾患が軽度である、個体を含む。この用語、および抗原を特定するために非感染健常ヒトの血清を選択した理由は、Nagy, E. et al. (2003)においてさらに定義されている。
本発明の別の局面は、SEQ ID NO:188〜374およびSEQ ID NO:376からなる群より選択される単離されたポリペプチドまたはその活性断片もしくは活性変種を含む、あるいは前記の単離されたポリペプチドまたはその活性断片もしくは活性変種からなる、抗原に関する。
本発明による1つの態様では、前記ポリペプチドは、前記で定義した核酸分子によってコードされる。
別の態様では、抗原の活性断片は、前記ポリペプチドの、特に、SEQ ID NO:188〜374またはSEQ ID NO:376のいずれかによって定義されるポリペプチドの、少なくとも50%、特に少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%、96%、97%、または98%、最も好ましくは99%からなる。
別の態様では、抗原の活性変種は、前記ポリペプチドと、特に、SEQ ID NO: 188〜374またはSEQ ID NO:376のいずれかによって定義されるポリペプチドと、少なくとも50%、特に少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%、96%、97%、または98%、最も好ましくは99%の配列同一性を有する。
本発明の1つの態様では、抗原の活性断片は、SEQ ID NO:205のアミノ酸2-130;SEQ ID NO:216のアミノ酸26-356;SEQ ID NO:223のアミノ酸2-180;SEQ ID NO:224のアミノ酸1-168; SEQ ID NO:235のアミノ酸23-397;SEQ ID NO:240のアミノ酸2-420および414-847;SEQ ID NO:241のアミノ酸582-1099;SEQ ID NO:242のアミノ酸1-245;SEQ ID NO:247のアミノ酸24-703;SEQ ID NO:252のアミノ酸23-328;SEQ ID NO:263のアミノ酸23-248;SEQ ID NO:267のアミノ酸2-335;SEQ ID NO:268のアミノ酸38-633;SEQ ID NO:269のアミノ酸26-742;SEQ ID NO:281のアミノ酸26-429;またはSEQ ID NO:285のアミノ酸1-632を含むか、このようなアミノ酸からなる。前記で列挙された断片は、SEQ ID NO:188〜203および376においてさらに定義される(表16も参照されたい)。
別の態様では、抗原の活性変種は、SEQ ID NO:205のアミノ酸2-130;SEQ ID NO:216のアミノ酸26-356;SEQ ID NO:223のアミノ酸2-180;SEQ ID NO:224のアミノ酸1-168;SEQ ID NO:235のアミノ酸23-397;SEQ ID NO:240のアミノ酸2-420および414-847;SEQ ID NO:241のアミノ酸582-1099;SEQ ID NO:242のアミノ酸1-245;SEQ ID NO:247のアミノ酸24-703;SEQ ID NO:252のアミノ酸23-328;SEQ ID NO:263のアミノ酸23-248;SEQ ID NO:267のアミノ酸2-335;SEQ ID NO:268のアミノ酸38-633;SEQ ID NO:269のアミノ酸26-742;SEQ ID NO:281のアミノ酸26-429;またはSEQ ID NO:285のアミノ酸1-632と少なくとも50%、特に少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%、96%、97%、または98%、最も好ましくは99%の配列同一性を有する。
さらに別の態様では、前記で定義した抗原の活性変種は、異なる株および/または血清型の肺炎桿菌、特に、血清型が、K1、K2、K3、K10、K21、K22、K30、K55、K64、O1、O2a、O3、O4、O5、もしくはO12、または該Kの血清型と該Oの血清型との任意の組み合わせである肺炎桿菌の相同配列に由来する。
KPORF-13(SEQ ID NO:216)の変種の例を、表8およびSEQ ID NO:413-451に示した。KPORF-21(SEQ ID NO:224)の変種の例を、表9およびSEQ ID NO:452-500に示した。KPORF-32(SEQ ID NO:235)の変種の例を、表10およびSEQ ID NO:501-540に示した。KPORF-37(SEQ ID NO:240)の変種の例を、表11およびSEQ ID NO:541-579に示した。KPORF-38(SEQ ID NO:241)の変種の例を、表12およびSEQ ID NO:580-617に示した。KPORF-39(SEQ ID NO:242)の変種の例を、表13およびSEQ ID NO:618-667に示した。KPORF-60(SEQ ID NO:263)の変種の例を、表14およびSEQ ID NO:668-717に示した。KPORF-65(SEQ ID NO:268)の変種の例を、表15およびSEQ ID NO:718-765に示した。
従って、本発明のさらに別の態様では、前記で定義した抗原の活性変種は、SEQ ID NO:413-765からなる群より選択される。
さらに別の態様では、抗原は、
a)SEQ ID NO:240のアミノ酸2-420もしくは414-847を含む抗原の活性断片またはSEQ ID NO:240のアミノ酸2-420もしくは414-847からなる抗原の活性断片に対する、あるいはSEQ ID NO:240のアミノ酸2-420もしくは414-847に由来する抗原の活性変種に対する、1〜400個のさらなるアミノ酸残基、好ましくは、1〜350個、1〜300個、1〜250個、または1〜200個、より好ましくは、1〜150個、さらにより好ましくは、多くとも1〜100個、さらにより好ましくは、多くとも1〜50個、最も好ましくは、1個、2個、3個、4個、5個、10個、20個、30個、または40個のさらなるアミノ酸残基、あるいは
b)SEQ ID NO:241のアミノ酸582-1099を含む抗原の活性断片もしくはSEQ ID NO:241のアミノ酸582-1099からなる抗原の活性断片に対する、またはSEQ ID NO:241のアミノ酸582-1099に由来する抗原の活性変種に対する、1〜1100個のさらなるアミノ酸残基、好ましくは、1〜1000個、1〜900個、1〜800個、1〜700個、1〜600個、1〜500個、1〜400個、もしくは1〜300個、より好ましくは、1〜200個、さらにより好ましくは、多くとも1〜100個、さらにより好ましくは、多くとも1〜50個、最も好ましくは、1個、2個、3個、4個、5個、10個、20個、30個、または40個のさらなるアミノ酸残基
によって、さらに定義される。
さらなるアミノ酸残基は、前記で定義した抗原と相同でもよい。相同とは、断片を得たクレブシエラ属抗原のアミノ酸配列と同一の任意のアミノ酸残基を指す。
その代わりとして、またはさらに、ポリペプチドは、抗原、任意で、前記で定義したさらなる配列、および抗原と非相同の少なくとも1個のアミノ酸残基を含んでもよく、これらからなってもよい。
本発明の1つの態様では、抗原は、抗原と非相同の少なくとも1個のアミノ酸残基、好ましくは、マーカータンパク質のアミノ酸配列をさらに含み、これからさらになる。
前記で定義したさらなる配列またはアミノ酸残基は、任意のアミノ酸でよく、L-アミノ酸および/またはD-アミノ酸、天然アミノ酸、および別のアミノ酸でもよい、アミノ酸残基からなる。好ましくは、アミノ酸は、任意の天然アミノ酸、例えば、アラニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、リジン、ロイシン、メチオニン、アスパラギン、プロリン、グルタミン、アルギニン、セリン、スレオニン、バリン、トリプトファンまたはチロシンである。
しかしながら、アミノ酸はまた、修飾アミノ酸または稀なアミノ酸でもよい。これらの例は、2-アミノアジピン酸、3-アミノアジピン酸、β-アラニン、2-アミノ酪酸、4-アミノ酪酸、6-アミノカプロン酸、2-アミノヘプタン酸、2-アミノイソ酪酸、3-アミノイソ酪酸、2-アミノピメリン酸、2,4-ジアミノ酪酸、デスモシン、2,2’-ジアミノピメリン酸、2,3-ジアミノプロピオン酸、N-エチルグリシン、N-エチルアスパラギン、ヒドロキシリジン、アロ-ヒドロキシリジン、3-ヒドロキシプロリン、4-ヒドロキシプロリン、イソデスモシン、アロ-イソロイシン、N-メチルグリシン、N-メチルイソロイシン、6-N-メチルリジン、N-メチルバリン、ノルバリン、ノルロイシンまたはオルニチンである。さらに、アミノ酸は、翻訳後修飾などの修飾に供されてもよい。修飾の例には、アセチル化、アミド化、ブロッキング、ホルミル化、γ-カルボキシグルタミン酸ヒドロキシル化、グリコシル化、メチル化、リン酸化、および硫酸化が含まれる。複数のさらなるアミノ酸残基または非相同アミノ酸残基がペプチドに存在する場合、これらのアミノ酸残基は同じでもよく、互いに異なってもよい。
1つの態様では、本発明のペプチドは、抗原と非相同の少なくとも1個のアミノ酸残基をさらに含む。「非相同アミノ酸」または「抗原と非相同のアミノ酸」という特徴は、クレブシエラ属、好ましくは、3つの亜種ニューモニエ、オゼネ、およびリノスクレロマチスを含む肺炎桿菌、K.オキシトカ、K.プランチコラ、K.テリゲナ、ならびにK.オルニチノリティカ、より好ましくは、肺炎桿菌またはK.オキシトカの任意の天然タンパク質の中で、抗原に隣接して位置するアミノ酸とは異なる任意のアミノ酸を指す。従って、少なくとも1個の非相同アミノ酸を含む本発明のタンパク質は、クレブシエラ属、好ましくは、3つの亜種ニューモニエ、オゼネ、およびリノスクレロマチスを含む肺炎桿菌、K.オキシトカ、K.プランチコラ、K.テリゲナ、ならびにK.オルニチノリティカ、より好ましくは、肺炎桿菌またはK.オキシトカの任意の天然タンパク質またはその断片とは異なるタンパク質を指す。
1つの態様では、さらなるアミノ酸残基は、抗原のN末端に隣接するか、C末端に隣接するか、またはN末端とC末端とに隣接する。
別の態様では、本発明は、前記のさらなるアミノ酸残基が
a)SEQ ID NO:240のアミノ酸2-420もしくはそのC末端に由来する変種、
b)SEQ ID NO:240のアミノ酸414-847もしくはそのN末端に由来する変種、または
c)SEQ ID NO:241のアミノ酸582-1099もしくはそのN末端およびC末端に由来する変種
によって定義される抗原に隣接する、前記の抗原に関する。
別の態様では、抗原は、リーダー配列もしくは分泌配列、精製に用いられる配列、またはプロタンパク質配列のいずれかの配列をさらに含むか、あるいはこのようないずれかの配列からさらになる。
本発明の別の局面は、表1の「推定された免疫原性アミノ酸」もしくは「特定された免疫原領域の位置」の列において示された、または表4の「aaから」および「aaまで」の列によって定義された、または表5の「タンパク質内の位置(aa)」の列において示された少なくとも1つのコアアミノ酸配列を含む抗原に関する。より好ましくは、コアアミノ酸配列は、SEQ ID NO:204のアミノ酸11-27、35-47、68-107、113-122、124-136、140-146、152-164、168-174、183-201、211-218、228-243、246-253、および180-226;SEQ ID NO:205のアミノ酸13-31、48-59、69-91、109-115、121-127、および46-105;SEQ ID NO:206のアミノ酸12-44、49-95、102-145、148-178、184-229、233-244、249-273、292-299、304-329、334-348、354-365、367-385、394-426、428-440、444-487、503-527、531-539、546-554、556-584、および273-286;SEQ ID NO:207のアミノ酸7-17、22-32、34-41、55-77、79-86、93-111、118-126、131-148、152-162、165-177、183-197、213-220、234-250、253-262、267-294、および211-269;SEQ ID NO:208のアミノ酸22-29、41-56、58-66、79-88、94-121、124-131、134-157、162-171、173-180、189-197、201-214、216-224、242-254、257-270、282-287、290-302、309-315、320-325、341-355、362-368、372-378、および1-48;SEQ ID NO:209のアミノ酸5-15、18-35、48-61、65-71、112-119、138-154、157-169、179-208、214-223、226-232、243-250、256-262、277-286、289-296、338-348、352-363、370-376、385-408、420-436、443-454、462-483、498-561、563-592、600-642、661-671、673-709、714-733、748-754、771-776、798-806、808-821、823-839、および31-83;SEQ ID NO:210のアミノ酸5-14、21-26、31-41、59-77、101-115、132-145、147-156、180-185、188-197、および97-158;SEQ ID NO:211のアミノ酸6-18、23-43、45-56、69-80、87-97、112-123、135-151、164-171、178-193、200-227、249-258、262-274、279-291、302-308、322-327、329-336、351-363、366-373、384-399、403-411、415-434、440-446、461-482、488-506、510-516、518-551、574-589、607-629、634-665、667-687、694-712、725-739、743-751、753-768、および521-583;SEQ ID NO:212のアミノ酸4-13、19-44、55-63、71-82、89-110、120-130、132-138、145-161、168-182、189-258、261-272、278-288、290-301、および11-76;SEQ ID NO:213のアミノ酸4-22、43-56、63-68、81-90、93-99、139-148、155-160、170-176、189-195、207-218、227-232、241-249、251-258、260-266、277-295、300-327、329-336、340-356、384-390、418-423、427-433、438-444、および383-428;SEQ ID NO:214のアミノ酸10-18、32-37、45-55、60-69、77-83、89-95、120-125、133-170、172-185、193-211、214-223、232-249、255-275、277-303、305-310、320-328、334-341、347-353、355-369、380-386、389-395、および71-85;SEQ ID NO:215のアミノ酸4-23、27-35、67-73、80-103、117-126、132-138、140-159、162-171、180-194、198-208、211-218、228-234、239-253、262-270、272-291、296-305、および39-110;SEQ ID NO:216のアミノ酸13-24、27-34、37-66、69-88、99-104、149-155、164-175、184-193、199-209、227-235、264-273、276-285、288-315、323-335、346-353、56-111、および199-261;SEQ ID NO:217のアミノ酸11-22、25-48、51-60、64-72、80-96、108-122、132-137、142-150、152-167、175-199、214-229、237-244、252-258、260-266、279-287、301-340、345-350、および109-153;SEQ ID NO:218のアミノ酸37-43、50-57、65-82、87-109、123-129、141-150、152-157、166-172、179-203、209-241、249-284、290-300、308-326、329-335、345-357、359-368、379-386、390-417、420-425、438-444、461-466、473-490、497-505、524-534、541-550、586-597、608-614、622-632、660-666、679-694、696-706、708-722、725-731、737-763、784-789、810-825、837-854、857-880、882-895、901-907、911-928、14-76、および176-220;SEQ ID NO:219のアミノ酸9-16、38-52、61-86、93-100、110-117、123-132、138-145、151-169、172-181、186-202、208-225、227-253、264-275、289-295、320-329、335-342、および113-193;SEQ ID NO:220のアミノ酸11-18、24-30、42-49、53-63、69-80、87-93、95-103、144-171、173-185、193-200、202-208、215-221、242-261、266-273、277-286、290-299、322-328、338-351、354-377、391-409、441-451、461-466、499-515、521-527、562-569、621-629、647-663、676-682、694-701、703-713、725-731、735-744、755-764、793-800、および490-547;SEQ ID NO:221のアミノ酸4-11、14-22、38-70、81-90、97-114、118-132、147-171、173-181、187-202、244-250、252-298、301-311、313-331、342-368、410-418、446-451、456-462、468-474、476-492、499-507、519-528、552-565、568-575、584-613、618-624、626-649、および417-489;SEQ ID NO:222のアミノ酸4-9、32-53、66-72、74-90、97-104、110-130、133-139、144-152、166-177、203-213、215-241、256-275、291-304、307-316、321-326、334-345、352-367、および201-255;SEQ ID NO:223のアミノ酸13-19、26-43、66-72、80-85、95-101、109-125、131-137、および25-107;SEQ ID NO:224のアミノ酸13-24、35-43、50-56、58-68、77-83、104-110、117-125、132-138、140-153、および19-66;SEQ ID NO:225のアミノ酸15-31、37-42、47-54、68-87、89-96、107-117、121-127、131-137、145-151、176-182、220-226、232-246、250-257、291-300、317-325、328-333、337-359、368-393、403-428、460-478、480-493、500-506、511-516、519-526、528-559、565-572、584-595、597-605、608-613、626-648、679-684、687-693、703-714、718-735、742-750、757-765、768-788、793-799、813-819、823-829、839-850、および576-623;SEQ ID NO:226のアミノ酸10-35、37-60、63-76、79-86、88-97、108-113、118-126、128-134、138-145、153-159、168-188、194-208、211-243、255-260、270-276、285-301、307-346、348-367、および275-339;SEQ ID NO:227のアミノ酸4-17、21-33、35-42、47-64、72-80、85-92、98-103、125-147、151-161、165-177、183-230、232-246、256-262、284-306、310-328、331-367、369-383、392-399、および32-85;SEQ ID NO:228のアミノ酸5-11、18-27、42-52、60-65、75-84、90-102、107-116、125-178、184-206、221-233、235-242、249-257、264-277、288-317、および267-313;SEQ ID NO:229のアミノ酸5-11、14-42、50-75、79-86、89-98、120-125、152-160、166-181、185-193、200-207、および85-114;SEQ ID NO:230のアミノ酸4-30、36-43、46-55、63-111、144-152、159-168、179-189、191-200、205-213、および37-109;SEQ ID NO:231のアミノ酸20-45、57-77、80-100、119-126、131-137、143-169、179-185、195-203、207-231、235-264、282-302、320-329、341-347、353-359、361-373、および266-296;SEQ ID NO:232のアミノ酸5-22、24-37、41-55、57-65、72-78、90-103、105-116、119-130、164-170、190-202、209-231、244-254、260-276、300-339、344-350、355-376、389-397、399-406、408-421、429-437、および103-152;SEQ ID NO:233のアミノ酸8-16、18-25、31-47、71-82、87-102、104-114、126-156、176-183、190-200、205-212、218-228、231-243、256-279、287-301、303-312、324-332、335-348、351-357、365-380、395-412、422-451、456-464、467-483、501-507、および405-468;SEQ ID NO:234のアミノ酸4-18、21-39、46-56、63-69、72-86、116-130、132-160、162-190、196-201、209-231、233-241、251-265、269-282、292-298、309-324、333-369、391-415、417-427、436-454、471-480、482-499、510-518、521-533、537-543、545-561、571-581、585-597、599-607、609-635、638-643、650-665、671-685、687-695、701-707、710-720、724-736、747-757、764-769、772-784、791-796、808-820、および317-401;SEQ ID NO:235のアミノ酸4-12、15-33、58-77、82-89、98-106、108-118、120-135、141-147、152-160、168-215、225-233、235-247、250-264、284-312、314-321、336-343、359-374、386-394、および159-218;SEQ ID NO:236のアミノ酸4-16、24-36、40-47、49-56、61-81、84-143、148-156、158-164、170-175、194-206、208-214、および126-203;SEQ ID NO:237のアミノ酸28-45、50-61、94-111、113-124、137-142、147-173、180-188、190-196、202-223、229-235、239-249、262-270、280-288、290-321、325-332、347-355、359-368、389-407、415-427、429-453、458-465、477-485、499-505、516-527、531-549、569-592、594-602、605-615、628-635、647-659、662-683、727-735、760-765、771-780、788-809、811-818、および549-630;SEQ ID NO:238のアミノ酸21-28、33-40、48-100、104-111、113-134、および1-46;SEQ ID NO:239のアミノ酸12-24、31-41、53-61、73-87、112-128、133-140、151-156、および26-98;SEQ ID NO:240のアミノ酸4-9、19-26、32-56、58-67、71-81、90-95、97-105、112-118、124-132、138-144、147-167、169-177、199-207、212-217、231-241、250-260、266-272、274-282、289-296、299-310、316-331、344-350、352-363、368-377、381-394、399-406、412-450、459-473、486-503、508-514、518-548、564-570、579-587、602-608、616-623、628-635、638-654、678-688、691-696、703-709、716-723、761-772、784-793、819-826、835-844、および790-834;SEQ ID 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47-105;SEQ ID NO:251のアミノ酸36-43、45-60、76-97、107-125、131-156、158-164、および118-163;SEQ ID NO:252のアミノ酸5-32、40-50、52-60、70-88、92-101、106-126、138-150、152-161、175-193、201-234、237-248、270-285、297-303、312-318、および209-255;SEQ ID NO:253のアミノ酸4-12、23-34、49-55、59-65、70-81、83-130、および62-113;SEQ ID NO:254のアミノ酸4-26、38-49、69-76、82-96、103-119、126-140、143-190、194-209、212-218、および100-167;SEQ ID NO:255のアミノ酸7-29、35-47、56-66、80-94、97-123、125-148、150-160、166-173、175-191、193-200、207-225、および75-176;SEQ ID NO:256のアミノ酸14-36、39-45、51-59、66-71、76-88、106-117、121-126、140-157、164-187、198-206、210-252、および202-256;SEQ ID NO:257のアミノ酸4-19、27-35、90-107、120-134、144-150、166-175、192-198、221-243、249-255、263-278、283-288、305-321、324-334、342-349、355-366、377-390、413-425、442-448、および130-178;SEQ ID NO:258のアミノ酸17-26、41-51、54-61、64-72、78-105、117-125、127-137、147-155、175-213、230-236、238-261、271-277、282-297、309-318、329-347、355-372、377-390、および69-126;SEQ ID 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1つの態様では、さらに、抗原は、
a)1〜50個のさらなるアミノ酸残基、好ましくは1〜40個、より好ましくは1〜30個、さらにより好ましくは多くとも1〜25個、さらにより好ましくは多くとも1〜10個、最も好ましくは、1個、2個、3個、4個、もしくは5個のさらなるアミノ酸残基;および/または
b)コアアミノ酸配列と非相同の少なくとも1個のアミノ酸残基
からなる。
前記のさらなるアミノ酸残基は、前記でさらに定義されている。
別の態様では、前記のアミノ酸残基は、コアアミノ酸配列のN末端に隣接するか、C末端に隣接するか、またはN末端とC末端とに隣接する。
本発明の1つの態様では、抗原は、前記で定義した、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、または少なくとも6個のコアアミノ酸配列を含む。
本発明の根底にある問題は、別の局面では、前記で定義した核酸分子を発現させる工程を含む、本発明において定義された抗原またはその活性断片もしくは活性変種を作製する方法によって解決される。
さらに、本発明は、適した宿主細胞を前記で定義したベクターで形質転換またはトランスフェクトする工程を含む、前記で定義した抗原またはその活性断片もしくは活性変種を発現する細胞を作製する方法に関する。
1つの態様では、抗原またはその活性断片もしくは活性変種は、クレブシエラ属から、好ましくは、3つの亜種ニューモニエ、オゼネ、およびリノスクレロマチスを含む肺炎桿菌、K.オキシトカ、K.プランチコラ、K.テリゲナ、ならびにK.オルニチノリティカから、より好ましくは、肺炎桿菌またはK.オキシトカから単離される。
本発明の根底にある問題は、別の局面では、前記で定義した抗原またはその活性断片もしくは活性変種、あるいは前記で定義した核酸分子、あるいは前記で定義したベクターを含む、薬学的組成物、好ましくは、ワクチンによって解決される。
本発明の別の局面は、クレブシエラ属、好ましくは、3つの亜種ニューモニエ、オゼネ、およびリノスクレロマチスを含む肺炎桿菌、K.オキシトカ、K.プランチコラ、K.テリゲナ、ならびにK.オルニチノリティカ、より好ましくは、肺炎桿菌またはK.オキシトカによる感染症の治療用または予防用の、前記で定義した抗原またはその活性断片もしくは活性変種、あるいは前記で定義した核酸分子、あるいは前記で定義したベクターを含む、薬学的組成物、好ましくは、ワクチンを提供する。
好ましい態様では、本発明の薬学的組成物は、免疫賦活物質、好ましくは、ポリカチオンポリマー、特に、ポリカチオンペプチド、免疫賦活性オリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、特に、オリゴ(dIdC)13、少なくとも2個のLysLeuLysモチーフを含有するペプチド、特に、
Figure 2010532657
、神経刺激性化合物、特に、ヒト成長ホルモン、ミョウバン、フロイント完全アジュバントもしくはフロイント不完全アジュバント、またはその組み合わせを含む群より選択される免疫賦活物質をさらに含む。
本発明の薬学的組成物のより好ましい態様では、免疫賦活物質は、ポリカチオンポリマーと免疫賦活性デオキシヌクレオチドとの組み合わせ、または少なくとも2個のLysLeuLysモチーフを含有するペプチドと免疫賦活性デオキシヌクレオチドとの組み合わせ、好ましくは、
Figure 2010532657
およびオリゴ(dIdC)13の組み合わせのどちらかである。
本発明の薬学的組成物のさらにより好ましい態様では、ポリカチオンポリマーは、ポリカチオンペプチド、特に、ポリアルギニンである。
本発明のさらに別の局面は、クレブシエラ属、好ましくは、3つの亜種ニューモニエ、オゼネ、およびリノスクレロマチスを含む肺炎桿菌、K.オキシトカ、K.プランチコラ、K.テリゲナ、ならびにK.オルニチノリティカ、より好ましくは、肺炎桿菌またはK.オキシトカによる感染症の治療用または予防用の、前記で定義した抗原またはその活性断片もしくは活性変種、あるいは前記で定義した核酸分子、あるいは前記で定義したベクターを提供する。
本発明の別の好ましい態様は、クレブシエラ属、好ましくは、3つの亜種ニューモニエ、オゼネ、およびリノスクレロマチスを含む肺炎桿菌、K.オキシトカ、K.プランチコラ、K.テリゲナ、ならびにK.オルニチノリティカ、より好ましくは、肺炎桿菌またはK.オキシトカによる感染症の治療用または予防用の薬学的組成物を調製するための、特にワクチンを調製するための、前記で定義した核酸分子、または前記で定義した抗原、その活性断片もしくは活性変種の使用に関する。
本発明の根底にある問題は、さらなる局面では、前記で定義した抗原またはその断片、好ましくは、抗原の活性断片または変種、好ましくは、抗原の活性変種の少なくとも選択部分に結合する、抗体または少なくともその有効部分によって解決される。
好ましい態様では、抗体はモノクローナル抗体である。
別の好ましい態様では、前記有効部分は、Fabフラグメント、F(ab)フラグメント、F(ab)Nフラグメント、F(ab)2フラグメント、またはFvフラグメントである。
本発明のさらに別の態様では、抗体はキメラ抗体である。
さらに別の態様では、抗体はヒト化抗体である。
本発明の別の局面は、前記で定義した抗体を産生するハイブリドーマ細胞株に関する。
さらに、本発明の根底にある問題は、前記で定義した抗体を作製する方法によって解決される。前記方法は、以下の工程を特徴とする。
a)前記で定義した抗原またはその活性断片もしくは活性変種を非ヒト動物に投与することによって、該動物において免疫応答を惹起する工程、
b)該動物から、抗体含有体液を取り出す工程、および
c)該抗体含有体液をさらなる精製工程に供することによって、該抗体を作製する工程。
さらに、本発明は、以下の工程を特徴とする、前記で定義した抗体を作製する方法に関する。
a)前記で定義した抗原またはその活性断片もしくは活性変種を非ヒト動物に投与することによって、該動物において免疫応答を惹起する工程、
b)該動物から、脾臓または脾臓細胞を取り出す工程、
c)該脾臓または脾臓細胞のハイブリドーマ細胞を作製する工程、
d)該抗原またはその活性断片もしくは活性変種に特異的なハイブリドーマ細胞を選択およびクローニングする工程、
e)クローニングされた該ハイブリドーマ細胞を培養することによって該抗体を作製する工程、ならびに
f)任意で、さらなる精製工程を行う工程。
本発明の別の局面は、前記で特定された抗体を含む薬学的組成物に関する。
なおさらなる局面は、クレブシエラ属、好ましくは、3つの亜種ニューモニエ、オゼネ、およびリノスクレロマチスを含む肺炎桿菌、K.オキシトカ、K.プランチコラ、K.テリゲナ、ならびにK.オルニチノリティカ、より好ましくは、肺炎桿菌またはK.オキシトカによる感染症の治療用または予防用の、前記で定義した抗体または前記で定義した抗体を含む薬学的組成物に関する。
本発明の根底にある問題は、別の局面では、クレブシエラ属、好ましくは、3つの亜種ニューモニエ、オゼネ、およびリノスクレロマチスを含む肺炎桿菌、K.オキシトカ、K.プランチコラ、K.テリゲナ、ならびにK.オルニチノリティカ、より好ましくは、肺炎桿菌またはK.オキシトカによる感染症の治療用または予防用の薬学的組成物の調製のための、前記で定義した抗体の使用によって解決される。
別の局面によれば、本発明は、本発明に開示される抗原またはその活性断片もしくは活性変種に結合する、またはこれらに結合することができる、アンタゴニストを提供する。なおさらなる局面によれば、本発明によるアンタゴニストは、本発明による抗原またはその活性断片もしくは活性変種とその相互作用パートナーとの相互作用活性を低下または阻害することができるアンタゴニストである。このような相互作用パートナーは、好ましい態様では、前記抗原またはその活性断片もしくはその活性変種の抗体もしくは受容体、好ましくは、生理学的受容体である。
別の局面によれば、本発明は、前記で定義した抗原またはその活性断片もしくは活性変種に結合することができるアンタゴニストを特定する方法を提供する。前記方法は、以下の工程を含む。
a)候補アンタゴニストと前記で定義した抗原またはその活性断片もしくは活性変種との結合を可能にする条件下、該候補アンタゴニストと該抗原またはその活性断片もしくは活性変種との結合に応答して検出可能なシグナルを発することができる成分の存在下で、単離されたもしくは固定化された該抗原またはその活性断片もしくは活性変種と、該候補アンタゴニストを接触させる工程、および
b) 該アンタゴニストと該抗原またはその活性断片もしくは活性変種との結合に応答して生じたシグナルの有無を検出する工程。
本発明の根底にある問題は、前記で定義した抗原またはその活性断片もしくは活性変種と、その相互作用パートナーとの相互作用活性を低下または阻害することができるアンタゴニストを特定する方法によってさらに解決される。前記方法は、以下の工程を含む。
a)前記で定義した抗原またはその活性断片もしくは活性変種を準備する工程、
b)該抗原またはその活性断片もしくは活性変種に対する相互作用パートナー、特に、前記で定義した抗体を準備する工程、
c)該抗原またはその活性断片もしくは活性変種と該相互作用パートナーを相互作用させて、相互作用複合体を形成する工程、
d)候補アンタゴニストを準備する工程、
e)該候補アンタゴニストと相互作用複合体との間で競合反応を起こす工程、
f)該候補アンタゴニストが、該抗原またはその活性断片もしくは活性変種と該相互作用パートナーとの相互作用活性を阻害または低下するかどうか判断する工程。
さらに、本発明は、前記の抗原またはその活性断片もしくは活性変種の相互作用パートナーを単離および/または精製および/または特定するための、前記で定義した抗原またはその活性断片もしくは活性変種のいずれかの使用に関する。
本発明の別の局面は、クレブシエラ属生物による感染症を診断する方法に関する。前記方法は、以下の工程を含む。
a)被験体から得られた試料と、前記で定義した抗原またはその活性断片もしくは活性変種を接触させる工程;および
b)試料中の、前記クレブシエラ属生物に対する抗体の存在を検出する工程。
さらに別の局面では、本発明は、クレブシエラ属生物による感染症を診断する方法に関する。前記方法は、以下の工程を含む。
a)被験体から得られた試料と、前記で定義した抗体を接触させる工程;および
b)試料中の、前記クレブシエラ属生物の抗原の存在を検出する工程。
前記方法の1つの態様では、前記クレブシエラ属生物の抗原は、前記で定義した抗原またはその活性断片もしくは活性変種である。
さらに別の局面は、クレブシエラ属生物による感染症を診断する方法に関する。前記方法は、以下の工程を含む。
a)被験体から得られた試料と、前記で定義した核酸分子またはその断片に特異的なプライマーまたはプローブを接触させる工程、および
b)試料中の、このような核酸分子またはその断片の存在を検出する工程。
本発明はまた、本発明による抗原またはその断片の発現に関連する疾患をインビトロで診断する方法も提供する。この方法は、本発明による前記の抗原もしくはその断片をコードする核酸配列の存在を確認する工程、または本発明による抗原もしくはその断片の存在を確認する工程を含む。
クレブシエラ属生物による感染症を診断する前記の方法のいずれかの態様では、クレブシエラ属生物は、病原性クレブシエラ属生物、より好ましくは、3つの亜種ニューモニエ、オゼネ、およびリノスクレロマチスを含む肺炎桿菌、K.オキシトカ、K.プランチコラ、K.テリゲナ、ならびにK.オルニチノリティカを含む群より選択されるクレブシエラ属生物であり、より好ましくは、肺炎桿菌またはK.オキシトカより選択されるクレブシエラ属生物である。
さらに、本発明は、本発明において定義された抗原またはその断片もしくは変種に結合するペプチドであるアンチカリン(anticaline)を作製するための、本発明において定義された抗原またはその断片もしくは変種の使用を提供する。
さらに、本発明は、アプタマーおよびスピーゲルマー(spiegelmer)を含む群より選択される機能的核酸を調製するための、前記で定義した抗原またはその活性断片もしくは活性変種の使用を提供する。
別の局面では、本発明は、リボザイム、アンチセンス核酸およびsiRNAを含む群より選択される機能的リボ核酸を調製するための、前記で定義した核酸分子の使用を提供する。
さらに、本発明の根底にある問題は、動物またはヒトにおいて、好ましくは、クレブシエラ属による感染症の治療を必要とする動物またはヒトにおいて、クレブシエラ属による感染症を治療する方法によって解決される。前記方法は、治療的有効量の、前記局面のいずれかにおいて定義された、抗原またはその活性断片もしくは活性変種、あるいは核酸分子、あるいはベクター、あるいは抗体、あるいは薬学的組成物を前記動物またはヒトに投与する工程を含む。
1つの態様では、クレブシエラ属による感染症は、3つの亜種ニューモニエ、オゼネ、およびリノスクレロマチスを含む肺炎桿菌、K.オキシトカ、K.プランチコラ、K.テリゲナ、ならびにK.オルニチノリティカ、より好ましくは、肺炎桿菌またはK.オキシトカによる感染症である。
本発明の根底にある問題は、別の局面では、クレブシエラ属生物による感染症に対して動物またはヒトを免疫化する方法によって解決される。前記方法は、前記動物またはヒトにおいて免疫応答を誘発するのに適した有効量の、前記で定義した抗原またはその活性断片もしくは活性変種、あるいは前記で定義した核酸分子、あるいは前記で定義したベクター、あるいは前記で定義した抗体、あるいは前記で定義した薬学的組成物を、前記動物またはヒトに投与する工程を含む。
クレブシエラ属生物による感染症に対して動物またはヒトを免疫化する前記方法の1つの態様では、クレブシエラ属生物は、3つの亜種ニューモニエ、オゼネ、およびリノスクレロマチスを含む肺炎桿菌、K.オキシトカ、K.プランチコラ、K.テリゲナ、ならびにK.オルニチノリティカを含む群より選択され、より好ましくは、肺炎桿菌またはK.オキシトカより選択される。
本発明の根底にある問題は、さらに別の局面では、動物またはヒトにおいて、クレブシエラ属生物に対する免疫応答を刺激する方法によって解決される。前記方法は、前記動物またはヒトにおける免疫応答を刺激するのに適した有効量の、前記で定義した抗原またはその活性断片もしくは活性変種、あるいは前記で定義した核酸分子、あるいは前記で定義したベクター、あるいは前記で定義した抗体、あるいは前記で定義した薬学的組成物を、前記動物またはヒトに投与する工程を含む。
動物またはヒトにおいて、クレブシエラ属生物に対する免疫応答を刺激する前記方法の1つの態様では、クレブシエラ属生物は、3つの亜種ニューモニエ、オゼネ、およびリノスクレロマチスを含む肺炎桿菌、K.オキシトカ、K.プランチコラ、K.テリゲナ、ならびにK.オルニチノリティカを含む群より選択され、より好ましくは、肺炎桿菌またはK.オキシトカより選択される。
本発明において定義された抗原が用いられる様々な方法および使用はまた、このような抗原の断片、好ましくは、このような抗原の活性断片、またはこのような抗原の変種、好ましくは、このような抗原の活性変種、好ましくは、本明細書に記載のものを用いて実行または実施できることは本発明の範囲内である。さらにまたはその代わりに、本発明による抗原と相互作用する、または本発明による抗原を標的とすると本明細書において開示された様々な種類の化合物が、前記抗原の活性断片もしくは活性変種と相互作用するか、または前記抗原の活性断片または活性変種を標的とすることも本発明の範囲内である。
抗体が用いられる実施における、それぞれのおよび任意の方法はまた、抗体の代わりに、本明細書において定義されるアンチカリンまたは機能的核酸が用いられる時にも原則として実施可能なことも、本発明の範囲内である。このような機能的核酸はアプタマーおよびスピーゲルマーを含む群より選択されることが好ましい。これは本願の様々な使用に等しく適用される。
好ましい態様では、本明細書において開示される抗原の断片は、このような抗原の少なくとも1つの特徴を示す、このような抗原の一部である。好ましくは、このような特徴は、感染症治療のための適性、ヒトを含む動物の免疫化、および/またはヒトを含む動物における免疫応答の刺激を含む群より選択される特徴である。
クレブシエラ属、より具体的には肺炎桿菌に関して本明細書においてなされた任意の開示が、どのクレブシエラ属またはクレブシエラ属の種にも等しく当てはまることも、本発明の範囲内である。クレブシエラ属の種は、好ましくは、3つの亜種ニューモニエ、オゼネ、およびリノスクレロマチスを含む肺炎桿菌、K.オキシトカ、K.プランチコラ、K.テリゲナ、ならびにK.オルニチノリティカを含む群より選択され、より好ましくは、肺炎桿菌またはK.オキシトカより選択される。
「ポリペプチド」、「ペプチド」、「タンパク質」、または「抗原」という用語は本明細書全体を通じて同義に用いられ、本発明による抗原のそれぞれのおよび任意の変種、断片、類似体または誘導体、特に、本明細書に記載のものも含めて、本発明による抗原を包括的に指している。ポリペプチド、ペプチド、タンパク質、または抗原という用語が本明細書において用いられる時はいつでも、かつ特に明記されていなければ、それぞれの開示は、本発明による抗原のそれぞれのおよび任意の変種、断片、類似体または誘導体、特に、本明細書に記載のものも含めて、本発明による任意の抗原についても、または本発明による任意の抗原に関してもなされる。本発明によるポリペプチド、ペプチド、タンパク質、または抗原という用語によってカバーされる任意の前述の化合物に関して述べられたどの使用または局面も、本発明によるポリペプチド、ペプチド、タンパク質、または抗原という用語によってカバーされる、それぞれのおよび他の任意の前述の化合物にも適用されるものとすることも理解されるはずである。
本発明は、複数のヒト血漿プールからの抗体調製物および肺炎桿菌ゲノムに由来する表面発現ライブラリーを用いて、単離された核酸分子、ならびに単離された核酸分子によってコードされる抗原、その活性断片および活性変種の効率的な、関連する、かつ包括的なセットを有利に提供する。従って、本発明は、病原性クレブシエラ属、より好ましくは、3つの亜種ニューモニエ、オゼネ、およびリノスクレロマチスを含む肺炎桿菌、K.オキシトカ、K.プランチコラ、K.テリゲナ、ならびにK.オルニチノリティカ、最も好ましくは、肺炎桿菌またはK.オキシトカによって引き起こされる感染症に対して有効な抗体の調製および化合物の特定のための手順において有用な、肺炎桿菌抗原、ワクチン、診断薬、および製品の幅広く感じられている要望を満たす。
有効なワクチンは、全ての株で発現され、かつ前記の病原性クレブシエラ属、特に、3つの亜種ニューモニエ、オゼネ、およびリノスクレロマチスを含む肺炎桿菌、K.オキシトカ、K.プランチコラ、K.テリゲナ、ならびにK.オルニチノリティカ、より好ましくは、肺炎桿菌またはK.オキシトカの細胞表面成分に対する高親和性の豊富な抗体を誘導することができるタンパク質またはポリペプチドからならなければならない。抗体は、オプソニン化の場合にはIgG1および/またはIgG3、付着中和および毒素作用の場合には任意のIgGサブタイプでなければならない。化学的に規定されたワクチンは、前記の病原性クレブシエラ属のヒト組織交差反応成分またはオプソニン化阻害成分、特に、3つの亜種ニューモニエ、オゼネ、およびリノスクレロマチスを含む肺炎桿菌、K.オキシトカ、K.プランチコラ、K.テリゲナ、ならびにK.オルニチノリティカ、より好ましくは、肺炎桿菌またはK.オキシトカのヒト組織交差反応成分またはオプソニン化阻害成分を排除することができ、防御抗体および/または防御免疫応答を誘導する個々のポリペプチドを選択することができるので、全細胞ワクチン(弱毒化または死菌)と比較して明らかに優れているはずである。
本発明の好ましい態様では、核酸分子は、SEQ ID NO:1〜187およびSEQ ID NO:375に示したヌクレオチド配列に対して全長にわたって70%の同一性を示す。SEQ ID NO:1〜187およびSEQ ID NO:375に示した核酸分子に対して全長にわたって少なくとも 80%または少なくとも 85% 同一の領域を含む核酸がより好ましい。これに関して、SEQ ID NO:1〜187およびSEQ ID NO:375に示した核酸分子に対して全長にわたって少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、または96%同一の核酸分子が特に好ましい。さらに、少なくとも97%の同一性を有する核酸分子が極めて好ましく、少なくとも98%および少なくとも99%の同一性を有する核酸分子が特に極めて好ましく、少なくとも99%または99.5%の同一性を有する核酸分子がさらに好ましく、100%の同一性を有する核酸分子が特に好ましい。さらに、これに関して、好ましい態様は、SEQ ID NO:188〜374およびSEQ ID NO:376に示した成熟ポリペプチドと実質的に同じ生物学的機能または活性を保持する抗原またはその断片(ポリペプチド)をコードする核酸である。本発明による核酸分子は、タンパク質、好ましくは、抗原をコードすることもまた本発明の範囲内である。なおさらに、SEQ ID NO:188〜374およびSEQ ID NO:376によって定義される分子がタンパク質、好ましくは、抗原であることもまた本発明の範囲内である。
当技術分野において公知の、および本明細書において用いられる同一性は、配列比較によって求められる2つまたはそれ以上のポリペプチド配列間または2つまたはそれ以上のポリヌクレオチド配列間の関係である。当技術分野において、同一性はまた、ポリペプチド配列間またはポリヌクレオチド配列間の配列関連性の程度を意味し、場合によっては、このような配列間のマッチによって求められることがある。同一性は容易に計算することができる。2つのポリヌクレオチド配列間または2つのポリペプチド配列間の同一性を測定する多くの方法が存在するが、この用語は当業者に周知である(例えば、Sequence Analysis in Molecular Biology, von Heinje, G., Academic Press, 1987)。同一性を求める好ましい方法は、試験配列間の最大マッチを与えるように設計されたものである。同一性を求める方法はコンピュータプログラムにおいて体系化されている。2つの配列間の同一性を求める好ましいコンピュータプログラム方法には、GCGプログラムパッケージ(Devereux, J. et al., 1984)、BLASTP、BLASTN、およびFASTA(Altschul, S. et al., 1990)が含まれるが、これに限定されない。
SEQ ID NO:1-187およびSEQ ID NO:375を参照して本明細書において説明された核酸分子は本明細書において第1の選択肢として言及されたが、この核酸分子の第2の選択肢として、本発明による核酸分子は、本明細書において第1の選択肢に従って説明された核酸に少なくとも本質的に相補的な核酸分子でもよい。個々の核酸分子は、別の個々の核酸分子に少なくとも本質的に相補的であることが当業者により認められるであろう。本明細書で使用する、相補的とは、核酸鎖がワトソン・クリック塩基対形成を介して第2の核酸鎖と塩基対形成することを意味する。本明細書で使用する、本質的に相補的とは、それぞれの鎖の全ての塩基について塩基対形成が起こっておらず、ある特定の数またはパーセントの塩基が対形成していないか誤って対形成していることを意味する。正しく対形成している塩基のパーセントは、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは80%、さらに好ましくは90%、最も好ましくは90%超の任意のパーセントである。このようなさらに高いパーセントには、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%および100%が含まれ、このような定義は、この種の用語が用いられる本願のそれぞれの局面に適用することができる。マッチ塩基のパーセントが70%であるときは相同とみなされ、この程度のマッチ塩基対を有するハイブリダイゼーションはストリンジェントであるとみなされることに留意しなければならない。この種のストリンジェントなハイブリダイゼーションのハイブリダイゼーション条件は、Current Protocols in Molecular Biology (John Wiley and Sons, Inc., 1987)から選択することができる。より具体的には、ハイブリダイゼーション条件は以下でもよい。
-ハイブリダイゼーションを、例えば、5xSSPE、5xデンハルト試薬、0.1%SDS、100g/mLの切断(sheared)DNA中で68℃で行う。
-0.2xSSC、O.1%SDS中、42℃で中程度のストリンジェンシー洗浄を行う。
-0.1xSSC、0.1%SDS中、68℃で高ストリンジェンシー洗浄を行う。
GC含量50%のゲノムDNAのTMは約96℃である。1%のミスマッチがあると、TMは約1℃下がる。
さらに、原則的に、本明細書に記載のさらなる任意のハイブリダイゼーション条件も適用することができる。
もちろん、ある特定のコード配列の開示によって、本発明によって同定されたものと同じポリペプチド分子をコードする全ての核酸配列分子が包含される。なぜなら、ある特定のポリペプチド分子をコードする全ての可能性のある核酸分子を明確に決めるために、遺伝暗号の縮重を、このような縮重核酸分子の数が多い場合があっても、直接適用できるからである。完全長抗原を使用した場合と同じ効果を得ることができるように、ある特定の抗原の活性断片または活性変種が使用に適した抗原をコードしている限り、このことは活性断片または活性変種にも適用することができる。好ましくは、このような抗原またはその活性断片もしくは活性変種は、ワクチン接種用途において、例えば、能動ワクチンまたは受動ワクチンとして使用することができる。
本発明による核酸分子はまた、第3の選択肢として、上記の本発明による核酸分子の第1および第2の選択肢による核酸分子の少なくとも15塩基の配列を含む核酸でもよい。好ましくは、塩基は連続した塩基配列を形成する。しかしながら、配列が、多数の塩基によって分離された2つまたはそれ以上の部分からなることも本発明の範囲内である。
本発明による核酸分子は、本明細書において開示した配列に由来する、好ましくは少なくとも20、さらにより好ましくは少なくとも30、特に少なくとも50の連続した塩基からなってもよい。適切な長さは目的の使用分野によって容易に最適化することができる(例えば、(PCR)プライマー、プローブ、捕捉分子(例えば、(DNA)チップ上のもの)など)。好ましい核酸分子は、少なくとも、表1および表4に列挙した1つまたは複数の免疫原性アミノ酸配列の連続した15塩基部分を含有する。具体的には、(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/genomes/lproks.cgiまたはhttp://pedant.gsf.de/およびhttp://cmr.tigr.org/)で入手可能な肺炎桿菌MGH78578およびKp342の未完成ゲノム配列と比較して、ならびに以下のアクセッション番号肺炎桿菌プラスミドpJHCMW1、NC_003486、肺炎桿菌プラスミドpIP843、NC_005015、肺炎桿菌プラスミドpK2044、NC_006625、肺炎桿菌プラスミドpKlebB-k17-80、NC_002610、肺炎桿菌プラスミドpKPN2、NC_005018、肺炎桿菌プラスミドpLVPK、NC_005249、クレブシエラ属の種KCL-2プラスミドpMGD2、NC_003789によって特定されるプラスミドと比較して、1個または複数の、好ましくは2個を超える、特に5個を超える非同一核酸残基を示す、本願の配列プロトコールに含まれる任意の配列のDNA配列の連続した部分を含有する核酸が好ましい。しかしながら、前記の未完成ゲノム配列は、一連の再配列決定、訂正、修正、および追加に供される。例えば、2007年4月現在、http://cmr.tigr.org/で入手可能な配列は9つのステータスコードのうちステータス7にあり、このことは、ギャップ閉鎖(gap closure)のために作製された追加配列が構築され、データリリース(http://www.tigr.org/tdb/mdb/mdbinprogress.html)に追加されたことを意味している。特に好ましい非同一核酸残基は、非同一アミノ酸残基につながる残基である。好ましくは、核酸配列は、前記の公表または列挙された肺炎桿菌対応物と比較して少なくとも1個、好ましくは少なくとも2個、好ましくは少なくとも3個の異なるアミノ酸残基を有する、ポリペプチド、タンパク質、または抗原をコードする。好ましくは、この種のポリペプチド、タンパク質、または抗原は依然として、同一のアミノ酸残基を有すると本明細書において開示した分子の特徴の少なくとも1つを有する。少なくとも6個、7個、または8個のアミノ酸残基を有し、本明細書に記載の核酸によりコードされる、本明細書において開示した、例えば、配列表に開示したタンパク質の断片または抗原の断片である、このような単離されたポリペプチドも好ましい。
本発明による核酸分子はまた、第4の選択肢として、本明細書において開示される第1、第2および第3の選択肢による本発明の核酸のいずれかとストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でアニーリングする核酸分子でもよい。ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、典型的には、本明細書に記載のものである。
最後に、本発明による核酸分子は、第5の選択肢として、遺伝暗号の縮重がなければ、本明細書において概説される第1、第2、第3および第4の選択肢による本発明の核酸分子のいずれかとハイブリダイズする核酸分子でもよい。この種の核酸分子は、好ましくは、本発明による核酸が本発明による抗原またはその断片もしくは変種をコードすることを指す。この種の核酸分子は、本発明による核酸分子の検出において特に有用であり、従って、それぞれの微生物、例えば、肺炎桿菌または任意の病原性クレブシエラ属、特に、本明細書において開示された病原性クレブシエラ属の種、およびこれらの種の微生物が関与する任意の疾患または疾患状態の診断において有用である。好ましくは、このような微生物、特に、日和見性微生物は、このような疾患の直接的または間接的な原因となっている。好ましくは、ハイブリダイゼーションは、本明細書に記載の第4の選択肢に関して記載したストリンジェントな条件下で起こってもよく、行われてもよい。
本明細書で使用する核酸分子は、一般的に、任意のリボ核酸分子またはデオキシリボ核酸分子を指し、非改変RNAまたは非改変DNAでもよく、改変RNAまたは改変DNAでもよい。従って、例えば、本明細書で使用する核酸分子は、特に、一本鎖DNAおよび二本鎖DNA、一本鎖RNAおよび二本鎖RNAの混合物であるDNA、ならびに一本鎖および二本鎖領域の混合物であるRNA、一本鎖、またはより典型的には二本鎖、または三本鎖、または一本鎖領域および二本鎖領域の混合物でもよいDNAおよびRNAを含むハイブリッド分子である。さらに、本明細書で使用する核酸分子は、RNA、またはDNA、またはRNAとDNAの両方を含む三本鎖領域も指す。このような領域にある鎖は同じ分子に由来してもよく、異なる分子に由来してもよい。領域は、1つまたは複数の分子に由来してもよいが、より典型的には、いくつかの分子の一領域のみを含む。多くの場合、三重らせん領域の分子の1つはオリゴヌクレオチドである。本明細書で使用する、核酸分子という用語は、1つまたは複数の修飾塩基を含有する前記のDNAまたはRNAを含む。従って、安定性またはその他の理由のために改変された骨格を有するDNAまたはRNAは、この用語が本明細書において意図されるように「核酸分子」である。さらに、二例しか挙げないが、珍しい塩基、例えば、イノシン、または修飾塩基、例えば、トリチル化塩基を含むDNAまたはRNAは、この用語が本明細書において用いられるように、核酸分子である。当業者に公知の多くの有用な目的にかなう様々な改変をDNAおよびRNAに加えることができることが理解されるだろう。核酸分子という用語が本明細書で用いられる時、特に、このような化学的に改変された形態の核酸分子、酵素的に改変された形態の核酸分子、または代謝的に改変された形態の核酸分子、ならびにウイルスならびに単細胞および複合細胞を含む細胞に特徴的な化学形態のDNAおよびRNAを含む。核酸分子という用語はまた、オリゴヌクレオチドと呼ばれることが多い短い核酸分子も含む。「ポリヌクレオチド」および「核酸」または「核酸分子」は本明細書において同義に用いられることが多い。
本発明において提供される核酸分子はまたは、本願の配列表に示した核酸分子配列、より具体的には、肺炎桿菌コード領域の核酸分子配列より長いまたは短い、非常に多くの独特の断片も含み、これらは標準的なクローニング法によって作製することができる。独特であるためには、断片は、他の公知の核酸配列と区別できるほど十分な大きさでなければならず、任意の選択された肺炎桿菌断片と、生物配列(biosequence)データベース、例えば、GenBankのヌクレオチド配列を比較することによって最も容易に決定される。肺炎桿菌に関する任意の局面において本明細書において言われたものは、本明細書に記載の他のクレブシエラ属の種、より好ましくは、本明細書に記載の任意の病原性クレブシエラ属の種のいずれにも等しく適用されると当業者に理解されるだろう。
さらに、本発明に包含される核酸分子およびポリペプチドに対して改変を加えることができる。例えば、核酸は、遺伝暗号の縮重の結果である配列も含む。20種類の天然アミノ酸があり、これらのほとんどは複数のコドンによって特定される。従って、核酸によってコードされるポリペプチドに影響を及ぼさないヌクレオチド置換を行うことができる。従って、抗原またはその断片をコードする全ての核酸分子が本発明に包含される。
さらに、融合タンパク質を作り出すために、本発明により提供される抗原またはその断片をコードする任意の核酸分子は、標準的な技法、例えば、標準的なクローニング法を用いて、肺炎桿菌の調節配列でも異種の調節配列でも任意の望ましい調節配列に、異種のリーダー配列に、異種マーカー配列に、異種コード配列でも機能的に連結することができる。
本発明の核酸分子は、クローニングによって得られた、または化学合成法によって作製された、またはその組み合わせによって作製された、RNA、例えば、mRNAまたはcRNAの形態でもよく、例えば、cDNAおよびゲノムDNAを含むDNAの形態でもよい。DNAは三本鎖でもよく、二本鎖でもよく、一本鎖でもよい。一本鎖DNAは、センス鎖とも知られるコード鎖でもよく、アンチセンス鎖とも呼ばれる非コード鎖でもよい。
さらに、本発明は、配列表に示した肺炎桿菌の推定アミノ酸配列を有する、断片、抗原およびその断片の類似体および誘導体をコードする本明細書に記載の核酸分子の変種に関する。核酸分子の変種は、天然の変種、例えば、天然の対立遺伝子変種でもよく、天然に生じることが知られていない変種でもよい。このような非天然の核酸分子変種は、核酸分子、細胞または生物に適用される変異誘発法を含む変異誘発法によって作ることができる。
これに関する変種の中には、ヌクレオチド置換、欠失、または付加によって上述の核酸分子と異なる変種がある。置換、欠失、または付加は1つまたは複数のヌクレオチドを伴ってもよい。変種は、コード領域または非コード領域が変化したものでもよく、その両方が変化したものでもよい。コード領域の変化は、保存的アミノ酸置換または非保存的アミノ酸置換、欠失または付加を生じてもよい。配列表に示した肺炎桿菌配列を有し、いくつかの、数個の、5〜10個、1〜5個、1〜3個、2個、1個のアミノ酸が置換、欠失、もしくは付加が任意の組み合わせでなされている、または置換、欠失、もしくは付加がなされていない、変種、類似体、誘導体もしくは断片、または断片の変種、類似体もしくは誘導体をコードする核酸分子が好ましい。これらの中で特に好ましいのは、配列表に示した肺炎桿菌ポリペプチドの性質および活性を変えない、サイレントな置換、付加、および欠失である。これに関して、保存的置換も特に好ましい。
本発明の核酸分子はまた、本発明のポリペプチドをコードする完全長cDNAおよびゲノムクローンを単離するための、ならびに本発明の核酸分子と高い配列類似性を有する他の遺伝子のcDNAおよびゲノムクローンを単離するための、ハイブリダイゼーションプローブ、例えば、RNA用、cDNA用、およびゲノムDNA用のハイブリダイゼーションプローブとしても使用することができる。このようなプローブは、一般的に、少なくとも15塩基を含む。好ましくは、このようなプローブは、少なくとも20塩基、少なくとも25塩基、または少なくとも30塩基を有し、少なくとも50塩基を有することもある。特に好ましいプローブは少なくとも30塩基を有し、50塩基またはそれ以下、例えば、30塩基、35塩基、40塩基、45塩基、または50塩基を有する。
例えば、本発明の核酸分子のコード領域は、オリゴヌクレオチドプローブ合成用の公知のDNA配列を用いて関連ライブラリーをスクリーニングすることによって単離することができる。次いで、本発明の遺伝子に相補的な配列を有する標識オリゴヌクレオチドを用いて、cDNA、ゲノムDNA、またはmRNAのライブラリーをスクリーニングして、プローブがどのライブラリーメンバーにハイブリダイズするか決定する。
本発明の核酸分子およびポリペプチドは、本明細書においてさらに議論するように、薬学的組成物の開発もしくは調製および/または疾患、特に、ヒト疾患の診断薬のための試薬および材料として使用することができる。
オリゴヌクレオチドである本発明の核酸分子は、本明細書において全体または一部が同定された肺炎桿菌遺伝子が感染組織、例えば、皮膚、滑液、もしくは血液の中で存在するかどうか、および/または転写されているかどうか決定するために本明細書に記載の方法、好ましくは、PCRについて述べられた方法において使用することができる。このような配列はまた、病原体が獲得した感染段階または感染型の診断においても有用であると認められる。この目的および他の目的のために、本明細書に記載の本発明による核酸またはポリペプチドの少なくとも1つを含む当技術分野において公知のアレイを使用することができる。
本発明による核酸分子は、核酸分子およびこれらの核酸を含有する生物または試料の検出に使用することができる。好ましくは、このような検出は、診断、より好ましくは、クレブシエラ属またはクレブシエラ属の他の任意の病原体種、特に、3つの亜種ニューモニエ、オゼネ、およびリノスクレロマチスを含む肺炎桿菌、K.オキシトカ、K.プランチコラ、K.テリゲナ、ならびにK.オルニチノリティカ、より好ましくは、肺炎桿菌またはK.オキシトカの有無に関連または関係する疾患の診断のための検出である。
クレブシエラ属、またはクレブシエラ属の他の任意の病原体種、特に、3つの亜種ニューモニエ、オゼネ、およびリノスクレロマチスを含む肺炎桿菌、K.オキシトカ、K.プランチコラ、K.テリゲナ、ならびにK.オルニチノリティカ、より好ましくは、肺炎桿菌またはK.オキシトカに感染した真核生物(本明細書において「個体」ともいう)、特に、哺乳類、特に、ヒトは、様々な技法によってDNAレベルで検出される本発明による任意の核酸分子を検出することによって特定することができる。クレブシエラ属または前記の他の病原性クレブシエラ属と他の生物と区別するのに好ましい核酸分子候補を得ることができる。
本発明は、クレブシエラ属またはクレブシエラ属の他の任意の病原体種、特に、3つの亜種ニューモニエ、オゼネ、およびリノスクレロマチスを含む肺炎桿菌、K.オキシトカ、K.プランチコラ、K.テリゲナ、ならびにK.オルニチノリティカ、より好ましくは、肺炎桿菌またはK.オキシトカによる感染症から生じた疾患を診断する方法を提供する。この方法は、本明細書において開示した、より好ましくは、配列表に示した核酸分子の配列を有する核酸分子の発現レベルの上昇を、個体から単離された試料または個体に由来する試料から決定する工程を含む。核酸分子の発現は、核酸分子の定量のための当技術分野において周知の方法のいずれか1つ、例えば、PCR、RT-PCR、RNase保護、ノザンブロッティング、他のハイブリダイゼーション法、および本明細書に記載のアレイを用いて測定することができる。
本明細書で使用する単離とは、その天然の状態から「人の手によって」分離されていることを意味する。すなわち、それが天然に存在する場合、その元の環境から変化もしくは取り出されているか、またはその両方である。例えば、天然状態において生物に天然に存在する天然の核酸分子またはポリペプチドは「単離」されていないが、同じ核酸分子またはポリペプチドがその天然状態の共存する材料から分離されていると、この用語が本明細書において用いられるように「単離」されている。単離の一部としてまたは単離の後に、このような核酸分子は、例えば、変異誘発、融合タンパク質の形成、ならびに宿主内での増殖または発現のために、他の核酸分子、例えば、DNAに接続することができる。単離された核酸分子は単独で、または他の核酸分子、例えば、ベクターと接続させて、培養宿主細胞または生物内の宿主細胞に導入することができる。培養宿主細胞または生物内の宿主細胞に導入されても、このようなDNAは、この用語が本明細書において用いられるように単離されている。なぜなら、このようなDNAは、天然の形態または環境にはないからである。同様に、核酸分子およびポリペプチドは、組成物、例えば、培地配合物、核酸分子またはポリペプチドを、例えば、細胞に導入するための溶液、化学反応または酵素反応のための組成物または溶液、例えば、天然組成物でない組成物または溶液の中にあってもよく、これらの中では、この用語が本明細書において用いられるように、この用語の意味の範囲内で、単離された核酸分子またはポリペプチドのままである。
本発明の核酸分子は、最初に、インビトロで、例えば、化学合成によって、または細胞培養で形成され、その後に、単離または精製されてもよい。一般的に、核酸は、エンドヌクレアーゼおよび/またはエキソヌクレアーゼおよび/またはポリメラーゼおよび/またはリガーゼおよび/またはリコンビナーゼによって核酸を操作することによって得られてもよく、当業者に公知の他の核酸作製法によって得られてもよい。
SEQ ID NO:1〜187およびSEQ ID NO:375によって定義される核酸配列は、ベクターに挿入された断片に含まれ、SEQ ID NO:188〜374およびSEQ ID NO:376により定義される最初のアミノ酸をコードする最初の完全コドンから始まる。しかしながら、組換えによる作製の場合、クローニングおよび発現を容易にするために、さらなる核酸が有用または必要な場合がある。
好ましくは、核酸は、当業者に公知の方法によって、クレブシエラ属またはクレブシエラ属の他の任意の病原体種から、特に、3つの亜種ニューモニエ、オゼネ、およびリノスクレロマチスを含む肺炎桿菌、K.オキシトカ、K.プランチコラ、K.テリゲナ、ならびにK.オルニチノリティカから、より好ましくは、肺炎桿菌またはK.オキシトカから単離することができる。同じことが本発明によるポリペプチドに当てはまる。
本発明はまた、本発明の核酸分子を含むベクターに関する。さらに、ベクターは、宿主細胞内での複製を可能にする核酸配列、例えば、複製起点、1つもしくは複数の治療用遺伝子および/または選択マーカー遺伝子、ならびに当技術分野において公知の他の遺伝因子、例えば、コードタンパク質の転写、翻訳、および/または分泌を指向する調節エレメントを含んでもよい。ベクターは、細胞に形質導入、細胞を形質転換、または細胞に感染して、細胞に天然にあるもの以外の核酸および/またはタンパク質を細胞が発現するように使用することができる。ベクターは、任意で、核酸を細胞に入れるのを助ける材料、例えば、ウイルス粒子、リポソーム、タンパク質コーティングなどを含む。
本発明はまた、本発明のベクターを用いて遺伝子操作された宿主細胞、および組換え法による本発明によるポリペプチドの作製に関する。
本発明によるポリペプチドを発現するために様々な発現ベクターを使用することができる。一般的に、この点に関する発現のために、宿主内でポリペプチドを発現するように核酸を維持、増殖、または発現するのに適した任意のベクターを使用することができる。本発明のこの局面によれば、ベクターは、例えば、プラスミドベクター、一本鎖または二本鎖ファージベクター、一本鎖または二本鎖RNAもしくはDNAウイルスベクターでもよい。本明細書において開示した出発プラスミドは市販されているか、公的に入手可能であるか、周知の公表された手順を日常的に適用することによって、入手可能なベクターから構築することができる。ある点では、ベクターの中で、本発明による核酸分子およびポリペプチドを発現するためのベクターが好ましい。宿主細胞内の核酸構築物は従来どおり用いて、組換え配列によってコードされる遺伝子産物を産生することができる。または、本発明によるポリペプチドは、従来のペプチド合成機によって合成により作製することができる。成熟タンパク質を、適切なプロモーターの制御下で哺乳動物細胞、酵母、細菌、または他の細胞の中で発現させることができる。無細胞翻訳系も使用して、本発明のDNA構築物に由来するRNAを用いて、このようなタンパク質を産生することができる。
宿主細胞は、本発明の核酸分子を組み込み、本発明の核酸分子を発現するように遺伝子操作することができる。適した宿主の代表例には、細菌細胞、例えば、連鎖球菌、ブドウ球菌、大腸菌、ストレプトマイセス属(Streptomyces)および枯草菌(Bacillus subtilis)細胞;真菌細胞、例えば、酵母細胞およびアスペルギルス属(Aspergillus)細胞;昆虫細胞、例えば、ショウジョウバエ(Drosophila)S2およびスポドプテラ属(Spodoptera)Sf9細胞;動物細胞、例えば、CHO、COS、HeLa、C127、3T3、BHK、293およびBowes黒色腫細胞;および植物細胞が含まれる。
宿主細胞は、例えば、従来の手段、例えば、エレクトロポレーションによって、転写調節配列の制御下にある本発明の核酸を含有する少なくとも1つの発現ベクターを用いてトランスフェクトすることができる。
本発明の別の局面によれば、新規のポリペプチドの包括的なセットが提供される。このようなポリペプチドは、本明細書において既に述べたように、本明細書において開示した抗原およびその断片、好ましくは、その活性断片およびその変種、好ましくは、その活性変種である。好ましくは、本発明によるポリペプチドは抗原およびその断片である。本発明の好ましい態様では、アミノ酸配列、好ましくは、本明細書に記載の核酸分子およびその断片のいずれか1つによりコードされるアミノ酸配列を含む抗原が提供される。本発明の別の好ましい態様では、SEQ ID NO:188〜374およびSEQ ID NO:376を含む群より選択されるアミノ酸配列を含む、タンパク質および抗原ならびにその活性断片および活性変種の新規のセットが提供される。
本発明によるポリペプチド、すなわち、本発明によって提供される抗原は、好ましくは、配列表に示した任意のポリペプチドまたは分子、ならびにこのような本発明によるポリペプチドと少なくとも70%の同一性、好ましくは、このような本発明によるポリペプチドと少なくとも80%または85%の同一性、より好ましくは、このような本発明によるポリペプチド、より好ましくは、配列表に示したポリペプチドと少なくとも90%の類似性(より好ましくは、少なくとも90%の同一性)、さらにより好ましくは、このような本発明によるポリペプチドと少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、または99.5%の類似性(さらにより好ましくは、少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、または99.5%の同一性)を有するポリペプチドを含み、また、このようなポリペプチドの部分も含み、このようなポリペプチドの部分は、一般的に少なくとも4個のアミノ酸、より好ましくは少なくとも8個の、さらにより好ましくは少なくとも30個の、さらにより好ましくは多くとも50個のアミノ酸、例えば、4個、8個、10個、20個、30個、35個、40個、45個、または50個のアミノ酸を含有する。好ましい態様では、このような部分は本発明によるポリペプチドの活性断片である。
本発明はまた、本発明によるポリペプチドの断片、類似体、および誘導体に関する。「断片」、「誘導体」、および「類似体」という用語は、このようなポリペプチド、好ましくは、配列表に示したアミノ酸配列を有するポリペプチドについて言及しているときは、このようなポリペプチドと本質的に同じ、または類似の生物学的活性を保持しているポリペプチドを意味する。本明細書で使用する「類似の生物学的活性」という用語の意味は、好ましくは、検討されているポリペプチドに左右される、より具体的には、その機能に左右されると当業者に認められるだろう。本明細書で使用する「生物学的活性」という用語は、以下でさらに定義される。より好ましくは、類似の生物学的機能または生物学的活性は、活性、親和性、免疫原性、安定性、および/または特異性の程度の点で、非断片または非誘導体の機能とは異なる。好ましい態様では、この差は、50%未満、75%未満、または90%未満である。
1つの態様では、本発明によるポリペプチドの断片、誘導体、変種または類似体は、1)アミノ酸残基の1つまたは複数が、保存的アミノ酸残基または非保存的アミノ酸残基(好ましくは、保存的アミノ酸残基)で置換されたものであり、このような置換アミノ酸残基は遺伝暗号によってコードされるものでもよく、コードされないものでもよい、あるいは2)アミノ酸残基の1つまたは複数が置換基を含むもの、あるいは3)本発明によるポリペプチドまたはその断片が、別の化合物、例えば、本発明によるポリペプチドのまたはその断片の半減期を延ばす化合物、例えば、ポリエチレングリコールと融合したもの、あるいは4)さらなるアミノ酸、例えば、リーダー配列もしくは分泌配列、または本発明によるポリペプチドもしくはその断片の精製に用いられる配列、またはプロタンパク質配列が、本発明によるポリペプチドまたはその断片と融合したものである。このような断片、誘導体、変種および類似体は、本明細書の開示から当業者の範囲内とみなされる。
本発明はまた、異なるクレブシエラ属の種、好ましくは、病原性クレブシエラ属の種、特に、3つの亜種ニューモニエ、オゼネ、およびリノスクレロマチスを含む肺炎桿菌、K.オキシトカ、K.プランチコラ、K.テリゲナ、ならびにK.オルニチノリティカ、より好ましくは、肺炎桿菌またはK.オキシトカのタンパク質および抗原、好ましくは、ホモログであるタンパク質および抗原に関する。このようなホモログは、本明細書において開示した核酸配列およびアミノ酸配列に基づいて簡単に単離することができる。各病原体について現在まで区別されている複数の血清型または臨床株があり、タイピングは、血清型に特異的な抗血清または分子アプローチに基づいている。従って、あらゆる血清型について、すべての抗原の存在を確認することができる。異なるクレブシエラ属感染症への様々な血清型の寄与は、異なる年齢群、特に、地域によって異なる。特に、クレブシエラ属の関連する血清型は、例えば、K1、K2、K3、K10、K21、K22、K30、K55、K64、O1、O2a、O3、O4、O5、もしくはO12、または該Kの血清型と該Oの血清型との任意の組み合わせである。最も価値のある防御抗原が様々な臨床株の中で保存されている必要があることは重要な局面である。
さらに、このような抗原、変種、類似体、誘導体、およびその断片、ならびに断片の変種、類似体、および誘導体を含む融合ポリペプチドも本発明に包含される。このような融合ポリペプチドおよびタンパク質、ならびにこれらをコードする核酸分子は、融合タンパク質をコードする組換えポリ核酸の作製および発現のための標準的な組換え法を含む標準的な技法を用いて容易に作ることができる。
好ましい変種の中には、保存的アミノ酸置換だけ基準と異なるものがある。このような置換は、本発明によるポリペプチドの所定のアミノ酸を、類似の特徴を有する別のアミノ酸で置換したものである。保存的置換として典型的にみられるのは、脂肪族アミノ酸、Ala、Val、LeuおよびIleの間で、あるアミノ酸と別のアミノ酸の置換;ヒドロキシル残基SerおよびThrの交換、酸性残基AspおよびGluの交換、アミド残基AsnおよびGlnの間での置換、塩基性残基LysおよびArgの交換、ならびに芳香族残基PheおよびTyrの間での交換である。
本発明の別の態様では、前記で定義したペプチドは、改変ペプチドと本質的に同じ活性(断片および変種について前記で定義した)を有し、任意で、他の望ましい特性を有する誘導体を作製するように様々な化学的技法によって改変することができる。例えば、タンパク質のカルボン酸基はC末端にあっても側鎖にあっても、薬学的に許容されるカチオンの塩の形で提供されてもよく、エステルを形成するようにエステル化されてもよく、アミドに変換されてもよい。ペプチドのアミノ基はアミノ末端にあっても側鎖にあっても、薬学的に許容される酸添加塩、例えば、HCl塩、HBr塩、酢酸塩、安息香酸塩、トルエンスルホン酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、および他の有機塩の形をとってもよく、アミドに変換されてもよい。ペプチド側鎖のヒドロキシル基は、よく認識された技法を用いて、アルコキシまたはエステルに変換することができる。ペプチド側鎖のフェニルおよびフェノール環は、1つまたは複数のハロゲン原子、例えば、フッ素、塩素、臭素もしくはヨウ素、またはそのアルキル、アルコキシ、カルボン酸およびそのエステル、またはこのようなカルボン酸のアミドで置換することができる。チオールは、よく認識されている多数の保護基のいずれか1つ、例えば、アセトアミド基を用いて保護することができる。
これに関してさらに特に好ましいのは、本明細書において開示した、好ましくは、配列表に示した本発明による任意のポリペプチドのアミノ酸配列を有し、いくつかの、数個の、5〜10個、1〜5個、1〜3個、2個、1個のアミノ酸残基が任意の組み合わせで置換、欠失、または付加されている、または置換、欠失、もしくは付加がなされていない、変種、類似体、誘導体および断片、ならびに断片の変種、類似体および誘導体である。これらの中で特に好ましいのは、本発明のペプチドの性質および活性を変えない、サイレントな置換、付加、および欠失である。これに関して、保存的置換も特に好ましい。配列表に示したアミノ酸配列を有し、置換のないペプチドが最も極めて好ましい。
本明細書において開示した様々な態様における任意の抗原の変種、特に、本明細書においてSEQ ID NO:188〜374およびSEQ ID NO:376と特定した抗原およびペプチドは、典型的には、バイオインフォマティクスによって特徴付けることもできる。配列分析プログラムblastp、blastn、blastx、tblastnおよびtblastxと併用するために、NCBI Basic Local Alignment Search Tool(BLAST)(Altschul et al., 1990)などの各ツールが、米国立バイオテクノロジー情報センター(National Center for Biotechnology Information)(NCBI, Bethesda, MD)を含むいくつかの情報源から、およびインターネット上で入手可能である。NCBI Blast 2.0を使用する時には、gapped blastpはデフォルトパラメータに設定されている。少なくとも35個のアミノ酸のアミノ酸配列を比較するために、デフォルトパラメータ(gap existence cost 11、およびper residue gap cost 1)に設定されたデフォルトBLOSUM62マトリックスを用いて、Blast 2配列機能が用いられる。(約35アミノ酸より少ない)短いペプチドをアラインメントする時には、アラインメントは、Blast 2配列機能を使用し、デフォルトパラメータ(open gap 9、extension gap 1ペナルティ)に設定されたPAM30マトリックスを用いて行われる。このような短いウィンドウ、例えば、15アミノ酸またはそれ以下にわたる配列同一性を求める方法は、Bethesda, Marylandにある米国立バイオテクノロジー情報センターによって管理されているウェブサイトおよび(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/)において説明されている。
抗原の活性変種は、相反することが明記されていなければ、抗原のそれぞれのおよび任意の変種、断片、類似体または誘導体も含む、抗原の配列変化によって得られる。ここで、配列変化を有する本発明によるポリペプチドは、免疫化を誘導する能力、ならびに/またはクレブシエラ属生物に対する防御を示す能力、例えば、敗血症モデルおよび/もしくは致死モデル(lethality model)においてクレブシエラ属に対する防御を示す能力を含む、本発明による変化していないポリペプチドの機能を保持する、例えば、完全抗原により表される生物学的活性と類似の生物学的活性を有する。本発明による変化していないポリペプチドの機能を保持するさらなる例は、変化していない形の本発明によるポリペプチドが結合するポリペプチド特異的抗体に、抗原の活性変種が特異的に結合することである。「生物学的機能」または「生物学的活性」とは、好ましくは、ポリペプチドの機能が細胞および生物の成長または生存にそれぞれ必要でなくても、ポリペプチドが天然に生じる細胞または生物でのポリペプチドの機能を意味する。例えば、ポーリンの生物学的機能は、細胞外培地に存在する化合物が細胞に流入するのを可能にする機能である。生物学的機能は抗原機能とは異なる。本発明によるポリペプチドは複数の生物学的機能を有してもよい。
このような変種の配列変化には、保存的置換、欠失、変異、および挿入が含まれ得るが、これに限定されない。好ましくは、活性変種は敗血症患者のヒト血清と反応性を示し、より好ましくは、セロコンバージョンを媒介し、最も好ましくは、殺菌活性を示す。活性変種のこれらの特徴は、例えば、実施例に詳述したように評価することができる。本発明の文脈において、特異的抗体(好ましくは、動物、例えば、マウス、ウサギにおいて組換えタンパク質に対して産生されたポリクローナル抗体、またはマウスにおいて作製されたまたはモノクローナル抗体)に特異的に結合する変種は、変種の活性が、配列変化のない抗原の活性の少なくとも10%、好ましくは少なくとも25%、より好ましくは少なくとも50%、さらにより好ましくは少なくとも70%、さらにより好ましくは少なくとも80%、特に少なくとも90%、特に少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも99%に達すれば、敗血症患者からのヒト血清との反応性を示すか、セロコンバージョンを媒介するか、または殺菌活性を示す。
前記の活性変種には、天然の対立遺伝子変種、ならびに変異体または他の任意の非天然変種が含まれる。当技術分野において公知のように、対立遺伝子変種は、前記のようにポリペプチド生物学的機能を本質的に変えない1つまたは複数のアミノ酸の置換、欠失、または付加を有することを特徴とする別の形態の(ポリ)ペプチドである。
生物界のどんな種の中でも、対立遺伝子変異は普通のことである。例えば、どんな細菌種でも、例えば、肺炎桿菌でも、通常、マイナー対立遺伝子変異だけ互いに異なる様々な株(クローン生殖を特徴とする)によって表される。実際に、異なる株において同じ生物学的機能を果たすポリペプチドは、それぞれの株において同一でないアミノ酸配列を有することがある。このような対立遺伝子変異はポリヌクレオチドレベルで等しく反映される。
クラスAβラクタマーゼK2について述べられたように(Haeggman, S. et al., 1997)、対立遺伝子変異はクレブシエラ属の種の中で非常によく見られる。
好ましい態様では、アミノ酸の交換、欠失または挿入によって、本発明によるポリペプチドから得られた活性変種または活性断片は、活性(本明細書において定義した、反応性、セロコンバージョンおよび/または殺菌活性)を保存することがあり、より好ましくは、活性(本明細書において定義した、反応性、セロコンバージョンおよび/または殺菌活性)を改善することがある。さらに、これらのポリペプチドは、同じT細胞応答または好ましくは改善したT細胞応答を誘発するエピトープをカバーしてもよい。これらエピトープは、本明細書においてさらに定義される「ヘテロクリティック」と呼ばれる。これらエピトープは、MHC/HLA分子に対して同様のまたは好ましくはより高い親和性を有し、元のエピトープに対するT細胞受容体(TCR)を同様にまたは好ましくはより強く刺激する能力を有する。ヘテロクリティックエピトープは、合理的な設計によって、すなわち、例えば、Rammensee et al. (1999)に記載のようにMHC/HLAへの結合への個々の残基の寄与を考慮に入れることと、TCRと潜在的に相互作用する残基を系統的に交換し、結果として生じた配列を元のエピトープに対するT細胞を用いて試験することを組み合わせて得ることができる。このような設計は、過度の実験なく当業者に可能である。
本発明のさらにより好ましい態様では、本発明によるポリペプチドの活性変種は、本明細書において開示した任意のポリペプチドであり、より具体的には、SEQ ID NO:188〜374およびSEQ ID NO:376のいずれかのポリペプチドと少なくとも50%の配列同一性を有する、特に、SEQ ID NO:188〜374およびSEQ ID NO:376のいずれかのポリペプチドと少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%、96%、97%、98%、最も好ましくは99%の配列同一性を有する、SEQ ID NO:188〜374およびSEQ ID NO:376によって定義される任意のポリペプチドであり、および/または保存的置換によって、SEQ ID NO:188〜374およびSEQ ID NO:376の任意の配列のポリペプチドから得られるものである。保存的置換は、側鎖および化学的特性に関連性があるアミノ酸ファミリーの中で起こる置換である。このようなファミリーの例は、塩基性側鎖を有するアミノ酸、酸性側鎖を有するアミノ酸、非極性脂肪族側鎖を有するアミノ酸、非極性芳香族側鎖を有するアミノ酸、無電荷極性側鎖を有するアミノ酸、小さな側鎖を有するアミノ酸、大きな側鎖を有するアミノ酸などである。1つの態様では、1つの保存的置換がペプチドに含まれる。別の態様では、2つまたはそれ以下の保存的置換がペプチドに含まれる。さらなる態様では、3つまたはそれ以下の保存的置換がペプチドに含まれる。
保存的アミノ酸置換の例には、以下に列挙した保存的アミノ酸置換が含まれるが、これに限定されない。
Figure 2010532657
本発明によるポリペプチドならびにその断片および変種はまた、改変エピトープを含むか、または改変エピトープからなる。改変エピトープでは、好ましくは、所定のエピトープの1個または2個のアミノ酸が、例えば、Tourdot, S. et al., 2000に開示される規則に従って改変または置換されており、このような改変エピトープをコードする核酸配列も同様である。本発明によるポリペプチドによって示されるエピトープは、本明細書において本発明のエピトープとも呼ばれる。
エピトープのT細胞活性化能を改善する、保存する、または少なくとも有意に妨げないアミノ酸交換によって本発明のエピトープから得られるエピトープも本発明によるエピトープに含まれることは明らかである。従って、本発明のエピトープは、肺炎桿菌由来の元の配列を含有しないが、同じT細胞応答または好ましくは改善したT細胞応答を誘発するエピトープも含む。これらエピトープは「ヘテロクリティック」と呼ばれ、MHC/HLA分子に対して同様のまたは好ましくはより高い親和性を有する必要があり、元のエピトープに対するT細胞受容体(TCR)を同様にまたは好ましくはより強く刺激する能力を有する必要がある。
エピトープ、より具体的にはヘテロクリティックエピトープを特定する別の可能性があるものには、本発明のエピトープの1つまたはいくつかに対するT細胞を用いたペプチドライブラリーのスクリーニングが含まれる。好ましい手法の1つが合成ペプチドライブラリーの位置スキャニング(positional scanning)である。このようなアプローチは、例えば、Hemmer, B. et al., (1999)およびその参考文献に詳述されている。
本明細書において開示される、本発明から得られるアミノ酸配列によって表されるエピトープまたはヘテロクリティックエピトープの代わりとして、本明細書において「ペプチドミメティカ(peptidemimetica)」または「レトロインバースペプチド(retro-inverse-peptide)」とも呼ばれる、これらのエピトープを模倣する物質または化合物も適用することができ、従って、本発明の範囲内である。
改善されたエピトープの設計の別の局面は、T細胞を刺激する能力を高める物質を用いた製剤または改変である。これらには、Tヘルパー細胞エピトープ、脂質もしくはリポソーム、またはWO01/78767に記載の好ましい改変が含まれる。
エピトープのT細胞刺激能を高める別の手法は、免疫刺激物質、例えば、サイトカインまたはケモカイン、例えば、インターロイキン-2、-7、-12、-18、クラスIおよびIIインターフェロン(IFN)、特に、IFN-γ、GM-CSF、TNF-α、flt3-リガンド、およびその他を用いた製剤である。
本発明によるポリペプチドは、好ましくは、単離された形で提供され、好ましくは、均一になるまで精製されている。
本発明の別の態様では、変種は断片である。断片は、前記で定義した抗原から1つまたは複数のアミノ酸欠失によって得られていることを特徴とする。欠失は、C末端にあってもよく、N末端にあってもよく、および/または内部にあってもよい。好ましくは、断片は、多くとも10、20、30、40、50、60、80、100、150、または200、より好ましくは、多くとも10、20、30、40、または50、さらにより好ましくは、多くとも5、10、または15、さらにより好ましくは、多くとも5または10、最も好ましくは、1、2、3、4、または5の欠失によって得られる。本発明の活性断片は、免疫化を誘導する能力、ならびに/またはクレブシエラ属に対する防御を示す能力、例えば、敗血症モデルおよび/もしくは致死モデルにおいてクレブシエラ属に対する防御を示す能力を含む、完全抗原により表される生物学的活性と類似の生物学的活性を有することを特徴とする。断片の活性が、配列変化のない抗原の活性の少なくとも10%、好ましくは少なくとも25%、より好ましくは少なくとも50%、さらにより好ましくは少なくとも70%、さらにより好ましくは少なくとも80%、特に少なくとも90%、特に少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも99%に達すれば、抗原の断片は本発明の文脈では活性がある。これらの断片は、約50〜80アミノ酸長と短い長さを含めて任意の望ましい長さで設計または入手することができる。
さらなる態様では、断片、より好ましくは、本発明によるポリペプチドの断片は、本発明によるポリペプチドならびにこのような断片の組み合わせの構造的性質または機能的性質、すなわち、αヘリックスおよびαヘリックス形成領域、βシートおよびβシート形成領域、ターンおよびターン形成領域、コイルおよびコイル形成領域、親水性領域、疎水性領域、α両親媒性領域、β両親媒性領域、可動性領域、表面形成領域、基質結合領域、ならびに高抗原性指数領域を含む断片を特徴とする。好ましい領域は、本発明によるポリペプチドの抗原性および抗体結合活性を媒介する領域である。これに関して、本発明の抗原およびその断片の化学的活性、生物学的活性、または他の活性を有する断片が、類似の活性もしくは改善した活性を有する断片または望ましくない活性が低下した断片も含めて最も極めて好ましい。このような改善した活性は免疫原性および安定性であり、このような低下する望ましくない活性は、酵素機能および毒性機能ならびにヒト交差反応性抗体の産生である。特に好ましいのは、クレブシエラ属または他の任意の病原性クレブシエラ属の種の生存に必須の機能あるいはヒトにおいて疾患を引き起こす能力を付与する、受容体または酵素ドメインを含む断片である。本発明によるポリペプチドのさらに好ましい断片は、動物、特に、ヒトにおける抗原決定基または免疫原決定基を含む、または含有する断片である。このような断片は抗原性断片とも呼ばれる。
抗原性断片は、好ましくは、それ自体で抗原性のある断片、またはハプテンとして提供される時に抗原性となり得る断片と定義される。従って、1つのアミノ酸交換を示す抗原または抗原性断片、特に、長い断片の場合では、いくつかのアミノ酸交換しか示さない抗原または抗原性断片もまた、アミノ酸が交換されたこのような断片の抗原性または抗原能が交換によりひどく損なわれていなければ、すなわち、抗原が接種された個体における適切な免疫応答の誘発に適しており、個体の血清に由来する個体抗体調製物によって特定されれば、本発明により可能である。
本発明によるポリペプチドのこのような断片の好ましい例は、表16に列挙した断片(SED ID NO 188-203および376)である。
本発明によるポリペプチドのこのような断片のさらに好ましい例は、表1の「推定された免疫原性アミノ酸」もしくは「特定された免疫原領域の位置」の列において示された、または表4の「aaから」および「aaまで」の列によって定義された、または表5の「タンパク質内の位置(aa)」の列において示されたコアアミノ酸配列である。
表1、表4、および表5に列挙した、これらの全ての断片は個々に、およびそれぞれ独立して、本発明の好ましい選択された局面を形成する。
本発明はまた、特に、上述の断片、変種、活性変種、および活性断片をコードする核酸分子、断片、変種、活性変種、および活性断片をコードする核酸分子にハイブリダイズする核酸分子、特に、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸分子、ならびに断片をコードする核酸分子を増幅するための核酸分子、例えば、PCRプライマーに関することが認められるだろう。これらに関して、好ましい核酸分子は、前記のように好ましい断片に対応する核酸分子である。
本発明によるポリペプチドは、改変された形態、例えば、融合タンパク質として発現してもよく、分泌シグナルだけでなく、さらなる異種機能領域を含んでいてもよい。従って、例えば、精製の間または後の操作および保存の間の宿主細胞内での安定性および持続性を改善するさらなるアミノ酸、特に、荷電アミノ酸領域を、ポリペプチドのN末端またはC末端に付加することができる。また、精製を容易にする領域または発現を強化する領域をポリペプチドに付加してもよい。このような領域はポリペプチドの最終調製の前に除去することができる。特に、分泌もしくは排出を生じさせるため、安定性を改善するため、発現を強化するため、または精製を促進するために、ペプチド部分をポリペプチドに付加することはよく知られており、当技術分野において日常的な技法である。好ましい融合タンパク質は、ポリペプチドの可溶化または精製に有用な免疫グロブリンからの異種領域を含む。例えば、EP0464533は、イムノグロビン(immunoglobin)分子の定常部の様々な部分と別のタンパク質またはその部分を含む融合タンパク質を開示している。創薬では、例えば、アンタゴニストを特定するハイスループットスクリーニングアッセイのために、タンパク質と抗体Fc部分が融合されている。例えば、(Bennett, D. et al., 1995)および(Johanson, K. et al., 1995)を参照されたい。融合はまた、脂質および炭水化物を含むアミノ酸以外の部分と融合または結合した本発明によるポリペプチドを含んでもよい。さらに、本発明の抗原は、先行技術に述べられている他の接種用薬剤、ならびに他の微生物に由来する他の種の接種用薬剤と併用されてもよい。このようなタンパク質は、広域クレブシエラ属分離株によって引き起こされる疾患の予防、治療、および診断において有用である。
さらなる態様では、本発明のペプチドは、抗タグ物質が選択的に結合することができるエピトープをもたらすエピトープタグに融合される。エピトープタグは、一般的に、ペプチドのアミノ末端またはカルボキシル末端に配置されるが、生物学的活性が許す限り内部の挿入または置換として組み込まれてもよい。このようなエピトープタグがつけられた形のペプチドの存在は、タグ化ペプチドに対する抗体などの物質を用いて検出することができる。また、エピトープタグを設けると、ペプチドを、抗タグ抗体またはエピトープタグに結合する別のタイプのアフィニティマトリックスを用いたアフィニティ精製によって容易に精製することができる。様々なタグポリペプチドおよびその抗体が当技術分野において周知である。例には、ポリヒスチジン(poly-his)、ポリヒスチジン-グリシン(poly-his-gly)タグ、HAタグポリペプチド、c-mycタグ、Strepタグ、およびFLAGタグが含まれる。
本発明のポリペプチドは、多くの任意の従来技法よって調製することができる。例えば、本発明のポリペプチドは、化学合成ならびにバイオテクノロジー手段によって生成することができる。後者は、本発明による核酸を含有するベクターによる宿主細胞のトランスフェクションまたは形質転換を含む。好ましい態様では、ベクターは、本発明によるベクターである。本発明によるポリペプチドのバイオテクノロジーによる生成は、トランスフェクションまたは形質転換された宿主細胞を、タンパク質発現が可能であり、かつ当業者に公知の条件下で培養することを含む。発現タンパク質は、当業者に公知の適切な手段によって、細胞(または細胞外に発現された場合には培地)から、単離された形、任意で精製された形で回収される。例えば、タンパク質は、細胞溶解後に可溶性の形で単離されるか、公知の技法を用いて、例えば、塩化グアニジン(guanidine chloride)中に抽出される。本発明のポリペプチドおよび抗原を含む分子は、様々な任意の従来方法を用いてさらに精製することができる。従来方法には、硫安沈殿またはエタノール沈殿、酸抽出、液体クロマトグラフィー、例えば、HPLC、FPLCなどを用いた順相または逆相液体クロマトグラフィー;アフィニティクロマトグラフィー(例えば、無機リガンドまたはモノクローナル抗体を用いたアフィニティクロマトグラフィー)、サイズ排除クロマトグラフィー、陰イオンまたは陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、レクチンクロマトグラフィー、固定化金属キレートクロマトグラフィー、ゲル電気泳動などが含まれるが、これに限定されない。当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく、最も適切な単離法および精製法を選択することができる。このような精製を用いると、微生物の他のタンパク質性材料および非タンパク質性材料を実質的に含まない形で抗原が得られる。
本発明によるポリペプチドを調製する代わりのアプローチは、酵素消化によって、例えば、タンパク質の特定のアミノ酸残基によって定義される部位を切断することが知られている酵素を用いてタンパク質を処理することによって、または適切な制限酵素でDNAを消化し、消化されたDNAを発現させ、望ましい断片を単離することによって、公知のペプチドの断片を作製することを伴う。さらに別の適切な技法は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって、望ましいペプチド断片をコードするDNA断片を単離および増幅することを伴う。DNA断片の望ましい末端を規定するオリゴヌクレオチドは、PCRにおいて5'プライマーおよび3'プライマーとして用いられる。公知の配列を有するDNA、従って、タンパク質の予め決められた部位に、変異、例えば、欠失、挿入および置換を作る技法は周知である。従来技法、例えば、PCRを用いる当業者であれば、本明細書において提供される抗原およびペプチドを容易に使用して、他の類似のタンパク質を同定および単離することができる。このような方法は日常的なものであり、本明細書において提供される情報があれば過度の実験を必要とするとみなされない。例えば、オリゴヌクレオチドを介した部位特異的変異誘発(Carter, P. et al., 1986; Zoller, M.J. et al., 1987)、カセット変異誘発(Wells、J.A. et al., 1985)、制限選択変異誘発(Wells et al., 1986)、PCR変異誘発を用いて、変異を加えることができる。または、本発明のペプチドを生成するために、クローニングされたDNAに対して他の公知の技法を実施することができる。
本発明によるポリペプチドは、これらの生物またはタンパク質または抗原を、その断片を含めて含有する試料において生物を検出するのに使用することができる。好ましくは、このような検出は、診断のための検出であり、より好ましくは、疾患の診断、最も好ましくは、グラム陰性細菌、特に、病原性クレブシエラ属の種、特に、3つの亜種ニューモニエ、オゼネ、およびリノスクレロマチスを含む肺炎桿菌、K.オキシトカ、K.プランチコラ、K.テリゲナ、ならびにK.オルニチノリティカを含む群より選択される細菌、より好ましくは、肺炎桿菌またはK.オキシトカより選択される細菌の存在または存在量に関連または関係する疾患の診断のための検出である。
本発明による核酸はまた、試料中の生物の診断または検出にも使用することもできる。生物は、好ましくは、本発明によるポリペプチドおよび本発明による抗体の使用に関してそれぞれ開示されたものと同じ生物である。基本的に、本開示を考慮すれば、このような診断および検出のためのアッセイおよび方法をそれぞれ設計および実施することは当業者の技術の範囲内である。より好ましくは、このような診断または検出では、本発明による核酸分子と特異的に相互作用するプライマーまたはプローブが用いられる。このようなプライマーおよびプローブの長さおよび設計は、それぞれ、実施される特定の方法または診断に応じて異なる。好ましい態様では、例えば、PCRに基づく検出システムまたは診断システム、すなわち、方法またはアッセイのためにプライマーが用いられる場合、プライマーの長さは、約10ヌクレオチド〜約30ヌクレオチド、より好ましくは、約16〜25ヌクレオチドである。プローブに基づく検出システムまたは診断システムの場合、プローブの長さは、好ましくは、プライマーに基づくシステムについて特定されたものとほぼ同じである。さらに、プローブに基づくシステムの場合、プローブは、プローブの検出を直接的または間接的に可能にする部分を含む。直接検出のためのこのような部分は、当業者に公知の放射性標識でもよく、蛍光標識でもよい。間接検出のためのこのような部分はビオチンでもよく、さらなる化合物との相互作用を媒介する他の任意の部分でもよく、化合物は相互作用後に検出可能となるように標識される。
本発明はまた、診断アッセイ、例えば、細胞および組織における本発明によるポリペプチド、より好ましくは、本発明の抗原およびその断片のレベルを、正常レベルおよび異常レベルの決定も含めて検出するための定量アッセイおよび診断アッセイに関する。従って、例えば、正常対照組織試料と比較して本発明によるポリペプチドの過剰発現を検出するための本発明による診断アッセイは、感染の存在を検出するのに、例えば、感染生物を特定するのに使用することができる。宿主に由来する試料におけるこのようなポリペプチドのレベルの決定に用いることができるアッセイ技法は当業者に周知である。このようなアッセイ方法には、ラジオイムノアッセイ、競合結合アッセイ、ウェスタンブロット分析およびELISAアッセイが含まれる。これらの中で、ELISAおよびウェスタンブロット分析が好ましいことが多い。ELISAアッセイは、最初に、本発明によるポリペプチドの1つに特異的な抗体、好ましくは、モノクローナル抗体を調製することを含む。さらに、一般的に、モノクローナル抗体に結合するレポーター抗体が調製される。レポーター抗体は、検出試薬、例えば、放射性試薬、蛍光試薬、または酵素試薬、例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ酵素に取り付けられる。本発明によるポリペプチド、より好ましくは、本発明による抗原およびその断片の1つまたはいくつか、試験しようとする患者または被験体の血清中の反応性抗体を検出するためにELISAプレートに固定化することができる。
ウェスタンブロットアッセイでは、最初に、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって、本発明によるポリペプチドが個々にまたは組み合わされて分離され、その後に、固体支持体マトリックス、例えば、ニトロセルロース、ナイロンまたはその組み合わせに転写および固定化される。レポーター抗体と共に反応性抗体を検出することができる。レポーター抗体は、検出試薬、例えば、放射性試薬、蛍光試薬、または酵素試薬、例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ酵素に取り付けられる。
本発明によるポリペプチド、または本発明による核酸分子、または本明細書に記載のように本発明による核酸分子に対して作られたプライマーもしくはプローブはまた、アレイの目的で、またはアレイと共に使用することができる。本発明による核酸分子ならびに本発明による核酸分子に対して作られたプライマーおよびプローブの場合、プローブおよびプライマーの長さは、好ましくは、約25〜約75ヌクレオチド、より好ましくは、約35〜約50ヌクレオチドの範囲内でもよい。より具体的には、本発明によるポリペプチドの少なくとも1つを支持体上に固定化することができる。支持体は、典型的には、様々な本発明によるポリペプチドならびに/または抗原およびその断片を含む。ここで、多様性は、本発明による抗原およびその断片ならびに/または異なる抗原およびその断片の1つもしくはいくつかを用いることによって作り出すことができる。このようなアレイならびに任意のアレイの特徴は、一般的に、支持体上またはその表面上の別個のまたは予め定義された領域または位置に、別個のポリペプチドが固定化されることである。このために、アレイの別個の位置または領域にあるあらゆる活性を、特定のポリペプチドと相関付けることができる。支持体上に固定化された、異なるポリペプチド、より好ましくは、異なる抗原およびその断片の数は、それぞれ、10種類と少数から数千種類のポリペプチドならびに抗原およびその断片でもよい。1cm2当たりの前記分子の密度は、好ましい態様では、1cm2当たり10種類という少数のこのようなペプチド〜1cm2当たり少なくとも400種類のこのようなポリペプチドであり、より具体的には、1cm2当たり少なくとも1000種類のこのようなポリペプチドであり、より好ましくは、1cm2当たり種類の抗原およびその断片である。本発明によるポリペプチドの固定化および本発明によるポリペプチドの使用について本明細書において言われたものは、当業者に認められるように、核酸分子ならびに核酸分子に対して作られたプライマーおよびプローブにもそれぞれ当てはまる。
このようなアレイの製造は当業者に公知であり、例えば、米国特許第5,744,309号に記載されている。アレイは、好ましくは、少なくとも第1の表面を有する平面状、多孔性、または非孔性の固体支持体を含む。本発明によるポリペプチドは前記表面上に固定化される。好ましい支持体材料は、特に、ガラスまたはセルロースである。アレイが本明細書に記載の診断用途のいずれかに用いられることもまた本発明の範囲内である。本発明によるポリペプチドの他に本発明による核酸分子も前記のアレイの作製に使用することができ、原則的に、ポリペプチドを含有するアレイについて開示された全ての目的に使用することができる。このことは、抗体、好ましくは、モノクローナル抗体、特に、本明細書に記載のモノクローナル抗体から作られたアレイにも当てはまる。
さらなる局面では、本発明は、本発明による任意のポリペプチドに対する抗体、本発明によるその誘導体、断片、変種、活性断片および活性変種に関する。本発明は、例えば、モノクローナル抗体およびポリクローナル抗体、キメラ抗体、単鎖抗体、およびヒト化抗体、ならびにFabフラグメントまたはFab発現ライブラリーの産物を含む。抗体がキメラでもよい、すなわち、その異なる部分が異なる種に由来するか、または少なくともそれぞれの配列が異なる種から得られることは本発明の範囲内である。
このような抗体は、一般的に、特に、本発明の配列に対応する抗原およびその断片に対して作られ、本発明によるポリペプチドを動物に直接注射することによって、または前記ポリペプチドを動物、好ましくは、非ヒトに投与することによって得ることができる。次いで、このように得られた抗体は、前記ポリペプチドそれ自体に結合する。このようにして、前記ポリペプチドの断片しかコードしない配列でも、本発明による天然のポリペプチド全体に結合する抗体を作製するのに使用することができる。次いで、このような抗体は、抗原およびその断片を発現する組織から本発明によるポリペプチドを単離するのに使用することができる。この手順は、前記ポリペプチドの断片、変種、活性断片および活性変種にも当てはまることが当業者に理解されるだろう。
モノクローナル抗体の調製のために、((Kohler、G. et al., 1975)において最初に述べられた)連続継代性細胞系培養によって産生される抗体を提供する当技術分野において公知の任意の技術を使用することができる。
単鎖抗体の産生について記載されている技術(米国特許第4,946,778号)は、本発明による多様な態様において、免疫原性抗原およびその断片に対する単鎖抗体を産生するように適合することができる。また、トランスジェニックマウス、または他の生物、例えば、他の哺乳動物を用いて、本発明によるポリペプチドに対するヒト化抗体を発現させることができる。
本発明のさらなる別の局面は、本発明の抗体を産生するハイブリドーマ細胞株に関する。
望ましいモノクローナル抗体を発現するハイブリドーマ細胞株は、周知の従来技法によって作製される。ハイブリドーマ細胞は、正常な活性化抗体産生B細胞と骨髄腫細胞を融合することによって作製することができる。本発明の文脈において、ハイブリドーマ細胞は、本発明の抗原に特異的に結合する抗体を産生することができる。
同様に、これらの抗原に対して作られたモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体に公知の組換え技法を適用することによって、望ましい高力価抗体が作られる(例えば、PCT特許出願番号PCT/GB85/00392;英国特許出願公開番号GB2188638A; Amit, A.G. et al., 1986; Queen, C. et al., 1989; PCT 特許出願番号WO90/07861; Riechmann, L. et al., 1988; Huse, W.D. et al., 1988を参照されたい)。
または、ファージディスプレイ技術またはリボソームディスプレイを利用して、それぞれの標的抗原を有するようにスクリーニングされたヒト由来リンパ球のPCR増幅v-遺伝子レパートリーから、またはナイーブライブラリーから、本発明によるポリペプチドに対して結合活性を有する抗体遺伝子を選択することができる(McCafferty, J. et al., 1990);(Marks, J. et al., 1992)。これらの抗体の親和性は、鎖シャフリング(chain shuffling)によっても改善することができる(Clackson, T. et al., 1991)。
2つの抗原結合ドメインが存在する場合、各ドメインは異なるエピトープに対するものでもよい。これは「二重特異性」抗体と呼ばれる。
上記の抗体は、アフィニティクロマトグラフィーにより単離および/または精製するために抗体を固体支持体を取り付けることによって、本発明によるポリペプチドを発現するクローンを単離または同定するのに使用することができる。
従って、特に、本発明によるポリペプチドに対する抗体は、感染症、特に、細菌感染症、特に、病原性クレブシエラ属の種、特に、3つの亜種ニューモニエ、オゼネ、およびリノスクレロマチスを含む肺炎桿菌、K.オキシトカ、K.プランチコラ、K.テリゲナ、ならびにK.オルニチノリティカ、より好ましくは、肺炎桿菌またはK.オキシトカから生じる感染症を阻害および/または治療するのに使用することができる。
本発明によるポリペプチド、より具体的には抗原およびその断片は、多様な態様において、本発明のある特定の局面を形成する、抗原的に、エピトープ的に、または免疫学的に等価な誘導体を含む。本明細書で使用する「抗原的に等価な誘導体」という用語は、前記ポリペプチドに対して特定の抗体が産生された時に、病原体と哺乳動物宿主の相互作用を妨害する特定の抗体によって特異的に認識される、このような本発明によるポリペプチドまたはその等価物を包含する。本明細書で使用する「免疫学的に等価な誘導体」という用語は、適切な製剤の中に用いられた時に、病原体と哺乳動物宿主の相互作用を妨害するように作用する抗体を脊椎動物において産生する、ペプチドまたはその等価物を包含する。
本発明によるポリペプチド、より具体的には、抗原およびその断片、多様な態様では、例えば、抗原的もしくは免疫学的に等価な誘導体、またはその融合タンパク質は、マウスまたは他の動物、例えば、ラットもしくはニワトリを免疫化する抗原として使用することができる。融合タンパク質は、本発明によるポリペプチドに安定性をもたらし得る。このようなポリペプチドは、例えば、免疫原性の担体タンパク質、例えば、ウシ血清アルブミン(BSA)またはキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)と接合することによって結合することができる。または、多コピーの本発明によるポリペプチドを含む抗原性ペプチド、より好ましくは、抗原およびその断片、または抗原的もしくは免疫学的に等価な抗原およびその断片は、免疫原性が改善して担体が不要となるほど十分に抗原性がある場合がある。
好ましくは、抗体またはその誘導体は、個体において免疫原性が低くなるよう改変される。例えば、個体がヒトの場合、抗体は最も好ましくは「ヒト化」することができる。ヒト化抗体では、例えば、(Jones, P. et al., 1986)または(Tempest, P. et al., 1991)に記載のように、ハイブリドーマ由来抗体の相補性決定領域がヒトモノクローナル抗体に移植されている。
遺伝子による免疫化における本発明による核酸分子の使用では、好ましくは、適切な送達法、例えば、プラスミドDNAの筋肉への直接注射、特定のタンパク質担体と複合化したDNAの送達、DNAとリン酸カルシウムとの共沈、様々な形態のリポソームへのDNAのカプセル封入、パーティクルボンバードメント(Tang, D. et al., 1992)、(Eisenbraun, M. et al., 1993)、およびクローニングされたレトロウイルスベクターを用いたインビボ感染(Seeger, C. et al., 1984)が用いられる。
さらなる局面では、本発明は、本発明による任意のポリペプチドへのペプチド結合、およびこのようなペプチドを調製する方法に関する。前記の方法は前記ポリペプチドの使用を特徴とし、基本工程は当業者に公知である。
このようなペプチドは、最新技術による方法、例えば、ファージディスプレイまたはリボソームディスプレイを用いて作製することができる。ファージディスプレイの場合、基本的に、ペプチドライブラリーをファージの形で作製し、この種のライブラリーを、標的分子、本件では、本発明によるポリペプチドと接触させる。その後に、標的分子に結合しているペプチドを、それぞれの反応から、好ましくは、標的分子との複合体として取り出す。結合特性は、少なくともある程度まで、特に、実現した実験状況、例えば、塩濃度などに左右されることが当業者に公知である。より高い親和性またはより大きな力を用いて、標的分子に結合していないペプチドをライブラリーの非結合メンバーから分離した後、任意で、標的分子およびペプチドの複合体から標的分子も除去した後に、続いて、それぞれのペプチドを特徴付けることができる。特徴付けの前に、任意で、例えば、ペプチドコードファージを増殖させることによって、増幅工程が行われる。特徴付けは、好ましくは、標的結合ペプチドの配列決定を含む。基本的に、ペプチドの長さに制限はない。しかしながら、好ましくは、長さが約8〜20アミノ酸のペプチドが、それぞれの方法で得られる。ライブラリーのサイズは、約102〜1018、好ましくは、108〜1015種類のペプチドでもよいが、これに限定されない。好ましい態様では、このようなペプチドは高親和性結合ペプチドである。さらにより好ましい態様では、ペプチドはペプチドアプタマーである。
前記のような特定の形の標的結合ペプチドは、いわゆる「アンチカリン」であり、特に、独国特許出願DE19742706に記載されている。本発明はまた、本発明によるポリペプチドに特異的に結合するペプチド、ならびに本明細書に記載の任意の治療用途および診断用途のための、好ましくは、抗体のための、その使用に関する。
さらなる局面において、本発明は、本発明による任意のポリペプチドと相互作用する機能的核酸、およびこのような機能的核酸を調製する方法に関する。前記方法は本発明によるポリペプチドの使用を特徴とし、基本工程は当業者に公知である。機能的核酸は、好ましくは、アプタマーおよびスピーゲルマーである。本発明はまた、本発明によるポリペプチドに特異的に結合するアプタマーおよびスピーゲルマー、ならびに本明細書に記載の任意の治療用途および診断用途のための、好ましくは、抗体のための、その使用に関する。
アプタマーは、標的分子と特異的に相互作用する、一本鎖または二本鎖のD-核酸である。アプタマーの調製または選択は、例えば、欧州特許EP0533838に記載されている。基本的には以下の工程が行われる。第1に、核酸、すなわち、潜在的アプタマーの混合物を準備する。ここで、それぞれの核酸は、典型的には、数個、好ましくは少なくとも8個のそれに続くランダムヌクレオチドのセグメントを含む。その後に、この混合物と標的分子を接触させる。これによって、例えば、候補混合物と比較して標的に対する高い親和性またはより強い力に基づいて、核酸は標的分子に結合する。その後に、結合した核酸を混合物の残りから分離する。任意で、このように得られた核酸を、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応を用いて増幅する。これらの工程を数回繰り返して、最終的に標的に特異的に結合する核酸の比が増した混合物が得られる。次いで、これから最終的な結合核酸が任意で選択される。これらの特異的に結合する核酸はアプタマーと呼ばれる。アプタマーを作製または同定する方法のいずれの段階においても、個々の核酸の混合物の試料を採取して、標準的な技法を用いてその配列を決定できることは明らかである。例えば、アプタマーの作製の当業者に公知の特定の化学基を導入することによって、アプタマーを安定化できることは本発明の範囲内である。このような改変は、例えば、ヌクレオチドの糖部分の2'位へのアミノ基の導入でもよい。アプタマーは現在、治療剤として用いられている。しかしながら、このように選択または作製されたアプタマーを、標的バリデーションのために、および/または、薬学的組成物、好ましくは低分子に基づく薬学的組成物の開発のためのリード物質として使用できることもまた本発明の範囲内である。これは、実際には、競合アッセイにより行われる。競合アッセイでは、標的分子とアプタマーとの特異的相互作用が候補薬剤によって阻害され、これによって、それぞれの薬剤候補が標的およびアプタマーの複合体からアプタマーを置換すると、標的とアプタマーの間の相互作用を特異的に阻害することができ、相互作用が特異的であれば、候補薬剤は少なくとも原則的には標的のブロックに適しており、従って、このような標的を含むそれぞれの系における生物学的利用能または生物学的活性を減少させると考えることができる。次いで、このように得られた低分子は、その物理的、化学的、生物学的、および/または医学的な特徴、例えば、毒性、特異性、生分解性およびバイオアベイラビリティを最適化するために、さらなる誘導体化および改変に供することができる。
スピーゲルマーおよびその作製または調製は同様の原理に基づいている。スピーゲルマーの調製は国際特許出願WO98/08856に記載されている。スピーゲルマーはL-核酸であり、これは、スピーゲルマーがアプタマーのようにD-ヌクレオチドではなくL-ヌクレオチドから構成されることを意味する。スピーゲルマーは生物系において非常に高い安定性を有することを特徴とし、アプタマーと同様に、スピーゲルマーの標的分子と特異的に相互作用する。スピーゲルマーを作製する方法では、D-核酸の不均一な集団を作り出し、この集団を標的分子の鏡像異性体、本件では、例えば、本発明による抗原およびその断片の天然のL-鏡像異性体のD-鏡像異性体と接触させる。その後に、標的分子の鏡像異性体と相互作用しないD-核酸を分離する。しかし、標的分子の鏡像異性体と相互作用するD-核酸を分離し、任意で、同定および/または配列決定し、その後に、D-核酸から得られた核酸配列情報に基づいて、対応するL-核酸を合成する。これらのL-核酸は、標的分子の鏡像異性体と相互作用する前述のD-核酸と配列の点では同じであり、その鏡像異性体ではなく、天然の標的分子と特異的に相互作用する。アプタマーの作製方法と同様に、様々な工程を数回繰り返して、標的分子の鏡像異性体に特異的に相互作用する核酸を濃縮することも可能である。
さらなる局面において、本発明は、本発明による任意の核酸分子と相互作用する機能的核酸、およびこのような機能的核酸の調製方法に関する。前記方法は、本発明による核酸分子およびそのそれぞれの配列を使用することを特徴とし、基本工程は当業者に公知である。機能的核酸は、好ましくは、リボザイム、アンチセンスオリゴヌクレオチド、およびsiRNAである。本発明はまた、本発明によるポリペプチドに特異的に結合する、この種の機能的核酸、ならびに本明細書に記載の治療用途および診断用途のいずれか、好ましくは、抗体のための、その使用に関する。
リボザイムは触媒活性のある核酸であり、好ましくは、RNAからなり、基本的には2つの部分を含む。第1の部分は触媒活性を示すのに対して、第2の部分は、標的核酸、本件では本発明によるポリペプチドをコードする核酸との特異的相互作用を担う。標的核酸とリボザイムの第2の部分が相互作用すると、典型的には、2本のハイブリダイズ鎖にある本質的に相補的な塩基配列がハイブリダイゼーションおよびワトソン・クリック塩基対形成することにより相互作用すると、触媒活性部分が活性となり得る。このことは、リボザイムの触媒活性がホスホジエステラーゼ活性である場合、リボザイムが分子内または分子間で標的核酸を触媒することを意味する。その後に、さらに標的核酸が分解され、最終的に、標的核酸ならびに標的核酸に由来するタンパク質が分解され得る。リボザイム、その使用および設計原理は当業者に公知であり、例えば、(Doherty, E. et al., 2001)および(Lewin, A. et al., 2001)に記載されている。
薬学的組成物調製用のおよび診断剤としてのアンチセンスオリゴヌクレオチドの活性および設計は、それぞれ、同様の作用機序に基づいている。基本的には、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、塩基相補性に基づいて、標的RNA、好ましくはmRNAにハイブリダイズし、それによってRNaseHが活性化される。RNaseHは、ホスホジエステル結合DNAおよびホスホロチオエート結合DNAの両方によって活性化される。しかしながら、ホスホロチオエート結合DNAを除き、ホスホジエステル結合DNAは細胞ヌクレアーゼによって急速に分解される。これらの耐性のある非天然DNA誘導体はRNAとハイブリダイゼーションしてもRNaseHを阻害しない。言い換えると、アンチセンスポリヌクレオチドはDNA RNAハイブリッド複合体としてのみ有効である。この種のアンチセンスオリゴヌクレオチドの例は、特に、米国特許第5,849,902号および同第5,989,912号に記載されている。言い換えると、適切なアンチセンスオリゴヌクレオチドは、標的分子の核酸配列、本件では、本発明による抗原およびその断片の核酸分子の核酸配列に基づいて、原則的に、それぞれの核酸配列を推定することができる標的タンパク質から、または、核酸配列、特に、mRNAを知ることによって塩基相補性の原理に基づいて設計することができる。
短いホスホロチオエートDNA配列(3〜9塩基)を有するアンチセンスオリゴヌクレオチドが特に好ましい。細菌RNaseHの活性化には最低3個のDNA塩基が必要であり、哺乳動物RNaseH活性化には最低5個の塩基が必要である。これらキメラオリゴヌクレオチドでは、RNaseH基質を形成する中心領域と、RNaseH基質を形成しない改変ヌクレオチドからなるハイブリダイズ「アーム」が隣接している。キメラオリゴヌクレオチドのハイブリダイズアームは、例えば、2'-O-メチルまたは2'-フルオロによって改変されていてもよい。代わりのアプローチでは、アームにメチルホスホネート結合またはホスホルアミダート結合が用いられた。本発明の実施に有用なアンチセンスオリゴヌクレオチドのさらなる態様は、P-メトキシオリゴヌクレオチド、部分P-メトキシオリゴデオキシリボヌクレオチド、またはP-メトキシオリゴデオキシリボヌクレオチドである。
本発明に特に関連し、かつ有用なものは、前述の2つの米国特許においてさらに具体的に説明されるアンチセンスオリゴヌクレオチドである。これらのオリゴヌクレオチドは天然の5'=>3'連結ヌクレオチドを含有しない。もっと正確に言うと、これらのオリゴヌクレオチドは、2タイプのヌクレオチド:RNaseHを活性化する2'-デオキシホスホロチオエート、およびRNaseHを活性化しない2'改変ヌクレオチドを有する。2'改変ヌクレオチド間の連結は、ホスホジエステル、ホスホロチオエート、またはP-エトキシホスホジエステルでもよい。RNaseHの活性化は、連続したRNaseH活性化領域によって達成される。RNaseH活性化領域は、細菌RNaseHの活性化には3〜5個の2'-デオキシホスホロチオエートヌクレオチドを含み、真核生物、特に、哺乳動物RNaseHの活性化には5〜10個の2'-デオキシホスホロチオエートヌクレオチドを含む。分解からの保護は、5'末端塩基および3'末端塩基を高度にヌクレアーゼ耐性にし、任意で、3'末端ブロック基を配置することによって達成される。
より具体的には、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、5'末端および3'末端;ならびに2'改変ホスホジエステルヌクレオチドおよび2'改変P-アルキルオキシホスホトリエステルヌクレオチドからなる群より独立して選択される、位置11〜59の5'=>3'連結ヌクレオチドを含む。ここで、5'末端ヌクレオシドは、3〜10個の連続したホスホロチオエート連結デオキシリボヌクレオチドのRNaseH活性化領域に取り付けられ、前記オリゴヌクレオチドの3'末端は、逆位デオキシリボヌクレオチド、1〜3個のホスホロチオエート2'改変リボヌクレオチドの連続した配列、ビオチン基、およびP-アルキルオキシホスホトリエステルヌクレオチドからなる群より選択される。
5'末端ヌクレオシドがRNaseH活性化領域に取り付けられていないが、3'末端ヌクレオシドが上記の通りであるアンチセンスオリゴヌクレオチドも使用することができる。また、前記オリゴヌクレオチドの3'末端ではなく5'末端が特定の基から選択される。
本発明による核酸ならびにポリペプチドは、多様な態様において、薬学的組成物、特に、ワクチンとして、または薬学的組成物、特に、ワクチンの調製に使用することができる。好ましくは、このような薬学的組成物、好ましくは、ワクチンは、クレブシエラ属の種、好ましくは、病原性クレブシエラ属、特に、3つの亜種ニューモニエ、オゼネ、およびリノスクレロマチスを含む肺炎桿菌、K.オキシトカ、K.プランチコラ、K.テリゲナ、ならびにK.オルニチノリティカ、より好ましくは、肺炎桿菌またはK.オキシトカによって引き起こされる、またはこれらに関する、またはこれらと関連する疾患の予防用または治療用の薬学的組成物である。本発明の別の局面は、個体、特に、哺乳動物における免疫応答を誘導する方法に関する。前記方法は、抗体を産生して、前記微生物による感染症から個体を守るのに十分な、多様な態様における本発明によるポリペプチドまたはその断片もしくは変種を個体に接種する工程を含む。
本発明のさらに別の局面は、個体における免疫応答の誘導方法に関する。前記方法は、疾患が既に個体において確立しているかどうかに関係なく、免疫応答を誘導して、抗体を産生するか、またはサイトカイン産生T細胞もしくは細胞傷害性T細胞いずれかの細胞性T細胞応答を生じさせて、疾患から個体を守るために本発明によるポリペプチドをインビボで発現するための、本発明による核酸分子、好ましくは、多様な態様における抗原およびその断片を機能的にコードする核酸分子を、遺伝子療法または他の方法を介して送達する工程を含む。遺伝子を投与する方法の1つは、粒子上のコーティングとして、または他の方法により、遺伝子を加速して望ましい細胞の中に入れる方法である。
本発明のさらなる局面は、免疫応答を誘導することができる宿主または免疫応答を誘導したことのある宿主に導入されると、このような宿主において免疫応答を誘導する免疫学的組成物に関する。ここで、前記組成物は、多様な態様における本発明によるポリペプチドの少なくとも1つをコードおよび発現する組換えDNAを含む。免疫応答は治療または予防に用いられてもよく、抗体免疫、または細胞性免疫、例えば、CTLもしくはCD4+T細胞を生じる細胞性免疫の形をとってもよい。
本発明によるポリペプチドは、多様な態様では、それ自体では抗体を産生できないが、第1のタンパク質を安定化し、免疫原性および防御特性を有する融合タンパク質を産生することができる共タンパク質と融合することができる。この融合組換えタンパク質は、好ましくは、抗原性のある共タンパク質、例えば、タンパク質を可溶化し、その産生および精製を容易にする比較的大きな共タンパク質であるグルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)またはβガラクトシダーゼをさらに含む。さらに、共タンパク質は、免疫系を全身刺激するという意味ではアジュバントとしても作用することができる。共タンパク質は、第1のタンパク質のアミノ末端またはカルボキシ末端のいずれに取り付けられてもよい。
本明細書に記載のクレブシエラ属の任意の種、特に、3つの亜種ニューモニエ、オゼネ、およびリノスクレロマチスを含む肺炎桿菌、K.オキシトカ、K.プランチコラ、K.テリゲナ、ならびにK.オルニチノリティカ、より好ましくは、肺炎桿菌またはK.オキシトカによる感染症の動物モデルでの、このような遺伝子による免疫化実験において、多様な態様における本発明による核酸分子を使用する方法も本発明により提供される。このような分子は、特に、予防的免疫応答または治療的免疫応答を引き起こすことができるタンパク質エピトープを同定するのに有用である。このアプローチを用いると、哺乳動物、特に、ヒトにおける、本明細書に記載のクレブシエラ属の種、特に、3つの亜種ニューモニエ、オゼネ、およびリノスクレロマチスを含む肺炎桿菌、K.オキシトカ、K.プランチコラ、K.テリゲナ、ならびにK.オルニチノリティカ、より好ましくは、肺炎桿菌またはK.オキシトカの予防剤または治療法を開発するために、感染症に抵抗または感染症を排除することに成功した動物の必須の臓器から、特に価値のあるモノクローナル抗体を後で調製することが可能になる。
多様な態様における本発明によるポリペプチドは、例えば、損傷した組織への細菌の付着をブロックすることによって細菌の侵入を防ぐ特異的抗体を産生するために宿主へのワクチン接種用の抗原として使用することができる。組織損傷およびこのように損傷した組織の例には、皮膚または結合組織および粘膜組織での創傷、例えば、ウイルス感染(特に、呼吸器感染、例えば、インフルエンザ)、機械的損傷、化学的損傷もしくは熱による損傷、または留置装置の埋め込みによって引き起こされる創傷、あるいは粘膜、例えば、口、乳腺、尿道、もしくは膣での創傷が含まれる。
本発明はまた、多様な態様における本発明によるポリペプチドの1つまたはいくつかと、1つもしくは複数の適切な担体および/または賦形剤を含むワクチン製剤も含む。本発明において有用な薬学的に許容される担体および/または賦形剤は従来のものであり、緩衝剤、安定剤、希釈剤、防腐剤、および可溶化剤を含んでもよい。Remington's Pharmaceutical Sciences, E. W. Martin, Mack Publishing Co., Easton, PA, 15th Edition (1975)は、本明細書において開示した(ポリ)ペプチドの薬学的送達に適した組成物および製剤について述べている。一般的に、担体または賦形剤がどういったものであるかは、使用されている特定の投与方法に左右される。例えば、非経口製剤は、通常、ビヒクルとして薬学的および生理学的に許容される液体、例えば、水、生理食塩水、平衡塩類溶液、水性デキストロース、グリセロールなどを含む注射液を含む。固体組成物(例えば、散剤、丸剤、錠剤、またはカプセルの形)の場合、従来の無毒の固体担体は、例えば、薬品用のマンニトール、ラクトース、デンプン、またはステアリン酸マグネシウムを含んでもよい。生物学的に中性の担体に加えて、投与しようとする薬学的組成物は、微量の無毒の補助物質、例えば、湿潤剤または乳化剤、防腐剤、およびpH緩衝剤など、例えば、酢酸ナトリウムまたはソルビタンモノラウレートを含有してもよい。
本発明によるポリペプチドは胃の中で分解されることがあるので、好ましくは、非経口投与される。非経口投与には、例えば、皮下投与、筋肉内投与、静脈内投与、皮内投与、鼻腔内投与、または経皮投与が含まれる。非経口投与に適した製剤には、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、および製剤を個体の体液、好ましくは、血液と等張にする溶質を含有してもよい、水性または非水性の滅菌注射溶液;ならびに懸濁剤または増粘剤を含んでいてもよい、水性および非水性の滅菌懸濁液が含まれる。製剤は、単位用量または複数用量の容器、例えば、密封アンプルおよびバイアルに入れて提供されてもよく、使用の直前に滅菌液体担体の添加のみ必要とする凍結乾燥状態で保存されてもよい。ワクチン製剤は、製剤の免疫原性を増強するためのアジュバント系、例えば、当技術分野において公知の水中油型系および他の系を含んでいてもよい。投与量はワクチンの比活性に左右され、日常的な実験によって容易に決定することができる。
別の局面によれば、本発明は、本明細書に記載の様々なクレブシエラ属の種、特に、3つの亜種ニューモニエ、オゼネ、およびリノスクレロマチスを含む肺炎桿菌、K.オキシトカ、K.プランチコラ、K.テリゲナ、ならびにK.オルニチノリティカ、より好ましくは、肺炎桿菌またはK.オキシトカの、多様な態様における本発明によるポリペプチドの1つまたはいくつかを含む薬学的組成物に関する。このような薬学的組成物は、前記クレブシエラ属の種に対する前記ポリペプチドの1つ、好ましくは、少なくとも2つまたはそれ以上を含んでもよい。任意で、組み合わせ薬学的組成物では、このようなポリペプチドはまた、なおさらなる病原体に対する抗原と組み合わされてもよい。好ましくは、前記の薬学的組成物は、クレブシエラ属の種、より好ましくは、病原性クレブシエラ属の種、例えば、3つの亜種ニューモニエ、オゼネ、およびリノスクレロマチスを含む肺炎桿菌、K.オキシトカ、K.プランチコラ、K.テリゲナ、ならびにK.オルニチノリティカ、より好ましくは、肺炎桿菌またはK.オキシトカ、ならびに/またはワクチンに含まれたことのある抗原を有する他の病原体によって引き起こされる感染症を予防または治療するためのワクチンである。
さらなる局面によれば、本発明は、本発明による核酸分子を含む薬学的組成物に関する。このような薬学的組成物は、本発明によるポリペプチドをコードする本発明による核酸分子の1つまたは複数を含んでもよい。任意で、本発明によるポリペプチドをコードするこのような核酸分子は、組み合わせ薬学的組成物では、他の病原体に対する抗原をコードする核酸分子と組み合わされる。好ましくは、前記の薬学的組成物は、クレブシエラ属の種、より好ましくは、本明細書において開示される病原性クレブシエラ属の種、特に、3つの亜種ニューモニエ、オゼネ、およびリノスクレロマチスを含む肺炎桿菌、K.オキシトカ、K.プランチコラ、K.テリゲナ、ならびにK.オルニチノリティカ、より好ましくは、肺炎桿菌もしくはK.オキシトカ、ならびに/またはワクチンに含まれたことのある抗原を有する他の病原体によって引き起こされる感染症を予防または治療するためのワクチンである。
薬学的組成物は、任意の適切な補助物質、例えば、緩衝剤物質、安定剤、またはさらなる活性成分、特に、薬学的組成物および/もしくはワクチンの製造と関連することが知られている成分を含有してもよい。
好ましい態様では、薬学的組成物は、免疫賦活物質、例えば、アジュバントをさらに含む。アジュバントは投与方法に基づいて選択することができ、ポリカチオン物質、特に、ポリカチオンペプチド、免疫賦活性核酸分子、好ましくは、免疫賦活性オリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、特に、オリゴ(dIdC) 13、少なくとも2個のLysLeuLysモチーフを含有するペプチド、特に、ペプチド
Figure 2010532657
、ミョウバン、鉱油をベースとするアジュバント、例えば、フロイント完全アジュバントおよびフロイント不完全アジュバント、神経刺激性化合物、特に、ヒト成長ホルモン、または前述のアジュバントの1つもしくは複数の任意の組み合わせを含んでもよい。他の適切なアジュバントは、Montanide Seppic不完全アジュバント、例えば、ISA、水中油型エマルジョンアジュバント、例えば、Ribiアジュバント系、syntaxムラミルジペプチド含有アジュバント製剤、もしくはアルミニウム塩アジュバント、またはその組み合わせからなる群より選択されてもよい。好ましくは、アジュバントは、IC31(登録商標)(Intercell;WO02/32451に記載のペプチドモチーフKLKを含む合成アジュバント、およびWO01/93905に記載のオリゴヌクレオチド)である。
本発明において使用する「オリゴ(dIdC) 13」という用語は、ホスホジエステルで置換された、13個のデオキシ(イノシン-シトシン)モチーフを含有する一本鎖ODNを意味し、[オリゴ-d(IC) 13]という用語によっても定義される。正確な配列は、
Figure 2010532657
である。オリゴ(dIdC) 13は、例えば、WO01/93903およびWO01/93905に記載のように、(オリゴ-dIC26);オリゴ-dIC26-mer;オリゴ-デオキシIC,26-mer;またはオリゴ-dIC,26-merという用語によっても定義することができる。
薬学的組成物、特に、ワクチンは、多様な態様における本発明によるポリペプチドの1つもしくはいくつか、および/または本発明によるそのコードする核酸分子に加えて、生物学的または薬学的に活性のある他の化合物を含むことも本発明の範囲内である。好ましくは、ワクチン組成物は、少なくとも1種類のポリカチオンペプチドを含む。本発明に従って用いられるポリカチオン化合物は、WO97/30721に従って特徴的な効果を示す任意のポリカチオン化合物でもよい。好ましいポリカチオン化合物は、塩基性ポリペプチド、有機ポリカチオン、塩基性ポリアミノ酸、またはその混合物より選択される。これらのポリアミノ酸は、少なくとも4個のアミノ酸残基(WO97/30721)の鎖長を有しなければならない。特に好ましいのは、ポリリジン、ポリアルギニン、および8個超、特に、20個超の範囲のアミノ酸残基において20%超、特に、50%超の塩基性アミノ酸を含有するポリペプチドのような物質、またはその混合物である。好ましい他のポリカチオンおよびその薬学的組成物はWO97/30721(例えば、ポリエチレンイミン)およびWO99/38528に記載されている。好ましくは、これらのポリペプチドは、20〜500個のアミノ酸残基、特に、30〜200個の残基を含む。
これらのポリカチオン化合物は化学的にまたは組換えによって作製されてもよく、天然供給源に由来してもよい。
カチオン(ポリ)ペプチドは、(Ganz, T., 1999)に概説されている性質を有する抗菌剤でもよい。これらの(ポリ)ペプチドは原核生物または動物または植物に由来してもよく、化学的にまたは組換えによって作製されてもよい(WO02/13857)。ペプチドはまたデフェンシンのクラスに属するものでもよい(WO02/13857)。このようなペプチドの配列は、例えば、以下のインターネットアドレス:http://www.bbcm.univ.trieste.it/〜tossi/pag2.htmlのAntimicrobial Sequence Databaseにおいて見られる。
このような宿主防御ペプチドまたは防御物質(defensives)もまた本発明によるポリカチオンポリマーの好ましい形である。一般的に、最終産物として、適応免疫系、好ましくは、APC(樹状細胞を含む)によって媒介される適応免疫系の活性化(またはダウンレギュレーション)を可能とする化合物がポリカチオンポリマーとして用いられる。
本発明におけるポリカチオン物質として使用するのに特に好ましいのは、カテリシジンに由来する抗菌ペプチドまたはその誘導体(参照により本明細書に組み入れられる、国際特許出願WO02/13857)、特に哺乳動物カテリシジン由来の抗菌ペプチド、好ましくはヒト、ウシまたはマウス由来の抗菌ペプチドである。
天然供給源由来のポリカチオン化合物には、HIV-REVまたはHIV-TAT(HIV-REVまたはHIV-TATに由来するカチオンペプチド、アンテナペディアペプチド、キトサンまたは他のキチン誘導体)、あるいはこれらのペプチドまたはタンパク質に由来する、生化学的にまたは組換えによって作製された他のペプチドが含まれる。他の好ましいポリカチオン化合物は、カテリン(cathelin)またはカテリンに関連または由来する物質である。例えば、マウスカテリンはアミノ酸配列
Figure 2010532657
を有するペプチドである。関連するまたは由来するカテリン物質は、少なくとも15〜20個のアミノ酸残基を有するカテリン配列の全部または一部を含む。誘導には、20種類の標準アミノ酸以外のアミノ酸による天然アミノ酸の置換または改変が含まれ得る。さらに、さらなるカチオン性残基を、このようなカテリン分子に導入することができる。これらのカテリン分子は、抗原と組み合わされることが好ましい。これらのカテリン分子は、驚くべきことに、さらなるアジュバントを添加しなくても抗原のアジュバントとして有効であることも判明している。従って、さらなる免疫活性化物質とともに、またはそれをともなわずに、ワクチン製剤中に有効なアジュバントとしてこのようなカテリン分子を使用することができる。
本発明に従って用いられる別の好ましいポリカチオン物質は、3〜7個の疎水性アミノ酸のリンカーによって分けられた少なくとも2個のKLKモチーフを含有する合成ペプチドである(参照により本明細書に組み入れられる、国際特許出願WO02/32451)。
本発明の薬学的組成物は免疫賦活性核酸をさらに含んでもよい。免疫賦活性核酸は、例えば、中性または人工のCpG含有核酸、非脊椎動物に由来する短い核酸配列、または非メチル化シトシン-グアニンジ-ヌクレオチド(CpG)をある特定の塩基の状況で含有する短いオリゴヌクレオチド(ODN)の形である(例えば、WO96/02555に記載)。または、例えば、WO01/93903に記載のイノシンおよびシチジンに基づく核酸、またはデオキシ-イノシンおよび/またはデオキシウリジン残基を含有するデオキシ核酸(参照により本明細書に組み入れられる、WO01/93905およびWO02/095027に記載)もまた、好ましくは、本発明に関連する免疫賦活性核酸として使用することができる。好ましくは、異なる免疫賦活性核酸の混合物を本発明に従って使用することができる。
前述の任意のポリカチオン化合物が前述の任意の免疫賦活性核酸と組み合わされることもまた、本発明の範囲内である。好ましくは、このような組み合わせは、参照により本明細書に組み入れられるWO01/93905、WO02/32451、WO01/54720、WO01/93903、WO02/13857、WO02/095027、およびWO03/047602に記載のものに従う。
さらに、またはその代わりとして、このようなワクチン組成物は、本発明によるポリペプチド、および本発明による核酸分子、好ましくは、本発明によるコード核酸分子に加えて、神経刺激性化合物を含んでもよい。好ましくは、神経刺激性化合物は、例えば、WO01/24822に記載のヒト成長因子である。また好ましくは、神経刺激性化合物は、前述の任意のポリカチオン化合物および/または免疫賦活性核酸と組み合わされる。
また、本発明による薬学的組成物は、以下の化合物:本発明による核酸分子、多様な態様における本発明によるポリペプチド、本発明によるベクター、本発明による細胞、本発明による抗体、本発明による機能的核酸、および本発明による結合ペプチド、例えば、アンチカリンおよび高親和性結合ペプチドおよびペプチドアプタマー、本発明による任意のアゴニストおよびアンタゴニスト、好ましくは、本明細書に記載のようにスクリーニングされたアゴニストおよびアンタゴニストの少なくともいずれか、またはその組み合わせを含む薬学的組成物である。これに関連して、これらの化合物はいずれも、細胞、組織または生物と使用するために非滅菌担体または滅菌担体、例えば、被験体への投与に適した薬学的担体と組み合わせて使用することができる。このような組成物は、例えば、培地添加物または治療的有効量の本発明の抗原およびその断片、ならびに薬学的に許容される担体または賦形剤を含む。このような担体には、食塩水、緩衝食塩水、デキストロース、水、グリセロール、エタノール、およびその組み合わせが含まれ得るが、これに限定されない。製剤は投与方法に適合しなければならない。
組成物は、例えば、被験体を免疫化または治療するのに使用することができる。薬学的組成物は、本発明のペプチドの少なくとも1つを含む。しかしながら、薬学的組成物はまた、本発明の様々なペプチド(断片および他の変種を含む)を含有し、任意で、他の病原体の様々な抗原性のタンパク質またはペプチドと混合したカクテル(すなわち、単一混合物)も含有してよい。これらのペプチド、ポリペプチド、タンパク質またはその断片もしくは変種のこのような混合物は、例えば、広域クレブシエラ属分離株に対する望ましい抗体の作製において有用である。本発明のペプチドはまた、薬学的に許容される塩の形でも使用することができる。本発明のペプチドと塩を形成することができる適切な酸および塩基は当業者に周知であり、無機および有機の酸および塩基を含む。
本発明のさらに別の局面は、以下:
(i)本発明の核酸および/またはそれに相補的な核酸
からなる群より選択される核酸、ならびに
(ii)任意で、薬学的に許容される担体または賦形剤
を含有する薬学的組成物である。
核酸配列は単独で、あるいは他の病原性微生物の抗原または他の病原性微生物に対する抗体をコードする他の核酸配列と組み合わせて、薬学的組成物の成分としてさらに使用することができる。組成物は、クレブシエラ属による感染症、好ましくは、3つの亜種ニューモニエ、オゼネ、およびリノスクレロマチスを含む肺炎桿菌、K.オキシトカ、K.プランチコラ、K.テリゲナ、ならびにK.オルニチノリティカ、より好ましくは、肺炎桿菌またはK.オキシトカによって引き起こされる疾患を有するヒトおよび/または動物を免疫化または治療するのに使用することができる。薬学的に許容される担体または賦形剤は前記で定義したものでもよい。
別の態様では、本発明の核酸配列は単独で、または他の病原性微生物に由来する他の抗原または抗体をコードする核酸配列と共に、被験体内で病原体に対する防御免疫応答を能動的に誘導するように向けられた組成物において、さらに使用することができる。本発明のこれらの成分は、ヒトおよび/または動物において、クレブシエラ属、好ましくは、3つの亜種ニューモニエ、オゼネ、およびリノスクレロマチスを含む肺炎桿菌、K.オキシトカ、K.プランチコラ、K.テリゲナ、ならびにK.オルニチノリティカ、より好ましくは、肺炎桿菌またはK.オキシトカによる感染症に対する防御免疫応答を誘導する方法において有用である。
治療用組成物またはワクチン組成物の調製において使用する場合、核酸送達のための組成物および方法が有用であり、当業者に公知である。本発明の核酸は、本発明の方法または本明細書に記載の組成物において、裸のDNAとして投与されるDNA配列として、または薬学的に許容される担体と結合したDNA配列として用いられてもよく、抗原、ペプチド、またはポリペプチドのインビボ発現をもたらす。いわゆる「裸のDNA」は、患者においてインビボで本発明の抗原、ペプチド、またはポリペプチドを発現させるために使用することができる(「裸のDNA」の類似の使用について述べている、例えば、Cohen, J., 1993を参照されたい)。例えば、調節配列と結合した「裸のDNA」を、例えば、注射によって、治療のために、またはワクチン組成物の一部として投与することができる。
または、本発明の抗原もしくはペプチドをコードする核酸またはそれに相補的な核酸は、本発明の抗原またはペプチドまたはポリペプチドをインビボで発現させるために、例えば、抗体を誘導するために、薬学的組成物と共に使用することができる。
本発明の好ましい態様は、本発明による核酸がベクターおよび/または細胞の中に含まれる薬学的組成物に関する。本発明の文脈において適切なベクターおよび細胞は前述されている。ベクターは、特に、DNAワクチンに用いられる。送達に適したベクターは当業者により容易に選択することができる。インビボ遺伝子送達用の例示的なベクターは様々な学術的および商業的な供給元から容易に入手可能であり、例えば、アデノ随伴ウイルス(国際特許出願番号PCT/US91/03440)、アデノウイルスベクター(Kay, M. et al., 1994; Ishibashi, S. et al., 1993)、または別のウイルスベクター、例えば、様々なポックスウイルス、ワクシニアなどを含む。細胞染色体に外因性DNAを組み込むには、組換えウイルスベクター、例えば、レトロウイルスまたはアデノウイルスが好ましい。
本発明の薬学的組成物は、例えば、特に、局所経路、経口経路、肛門経路、腟経路、静脈内経路、腹腔内経路、筋肉内経路、皮下経路、鼻腔内経路、気管内経路または皮内経路による投与を含む、任意の有効な従来のやり方で投与することができる。
療法において、または予防薬として、本発明の薬学的組成物の活性薬剤は、注射用組成物として、例えば、滅菌水性分散液、好ましくは、等張性の滅菌水性分散液として個体に投与することができる。
または、組成物、好ましくは、薬学的組成物は、局所塗布用に、例えば、軟膏、クリーム、ローション剤、眼軟膏、点眼薬、点耳剤、口内洗浄剤、含浸処理した包帯および縫合糸、ならびにエアゾール剤の形で処方されてもよく、例えば、防腐剤、薬物浸透を助ける溶媒、ならびに軟膏およびクリームに含まれる軟化薬を含む適切な従来の添加物を含有してもよい。このような局所製剤はまた、適合性の従来の担体、例えば、クリームまたは軟膏の基剤、ローション剤の場合はエタノールまたはオレイルアルコールを含有してもよい。このような担体は、製剤の約1%〜約98重量%を構成してもよく、より通常は、製剤の約80重量%までを構成する。
上記の療法に加えて、本発明の組成物は、一般的に、創傷組織内の曝露したマトリックスタンパク質に細菌が付着するのを防ぐ創傷治療剤として、および歯科治療における予防的使用のために抗生物質予防法の代替としてまたは抗生物質予防法と共に使用することができる。
好ましい態様では、薬学的組成物はワクチン組成物である。好ましくは、このようなワクチン組成物は、都合よく、注射液の形をとっている。免疫応答を高めるために、従来のアジュバントを使用することができる。タンパク質抗原をワクチン接種するのに適した単位用量は、成人の場合、0.02〜3μg抗原/kg体重、小児の場合、0.2〜10μg抗原/kg体重であり、このような用量は、好ましくは、1〜3回、2〜24週間の間隔をあけて投与される。
本発明の抗原、核酸、ベクター、抗体、または薬学的組成物の「有効量」または「治療的有効量」は、インビボで効果を示すことができる量、例えば、クレブシエラ属、特に、3つの亜種ニューモニエ、オゼネ、およびリノスクレロマチスを含む肺炎桿菌、K.オキシトカ、K.プランチコラ、K.テリゲナ、ならびにK.オルニチノリティカ、より好ましくは、肺炎桿菌またはK.オキシトカによる感染症の徴候または症状を予防または寛解することができる量として計算することができる。このような量は当業者によって決定することができる。
指示された用量の範囲であれば、適切な個体への投与を妨げる毒性有害作用は本発明の化合物で予想されない。
さらなる態様では、本発明は、上述の本発明の組成物の成分の1つまたは複数が充填された1つまたは複数の容器を備える診断用および薬品用のパックおよびキットに関する。前記の成分は、有用な量、投与量、処方、または組み合わせで存在してもよい。このような容器には、薬品または生物学的製品の調製、使用、または販売を規制する政府機関によって定められた形式で、ヒト投与のための製品の調製、使用または販売が政府機関によって許可されたことを示す貼り紙が添付されてもよい。
本発明に関して、本明細書において開示される使用、例えば、薬学的組成物またはワクチンの使用に関連する疾患は、クレブシエラ属、より好ましくは、病原性クレブシエラ属の任意の種、特に、3つの亜種ニューモニエ、オゼネ、およびリノスクレロマチスを含む肺炎桿菌、K.オキシトカ、K.プランチコラ、K.テリゲナ、ならびにK.オルニチノリティカ、より好ましくは、肺炎桿菌またはK.オキシトカによって引き起こされる、またはこれらに関する、またはこれらと関連する疾患または疾患状態である。本発明に従って予防および/または治療しようとする、細菌感染に関する、または細菌感染によって引き起こされる、または細菌感染に関連する疾患には、院内感染が含まれる。よく見られる部位には、尿路、下気道、胆道、および手術創部位が含まれる。この範囲の臨床的症候群には、肺炎、菌血症、血栓静脈炎、尿路感染症(UTI)、胆嚢炎、下痢、上気道感染症、創傷感染症、骨髄炎、および髄膜炎が含まれる。
生物、例えば、任意の動物またはヒトと、クレブシエラ属の種、より好ましくは、病原性クレブシエラ属の種、特に、3つの亜種ニューモニエ、オゼネ、およびリノスクレロマチスを含む肺炎桿菌、K.オキシトカ、K.プランチコラ、K.テリゲナ、ならびにK.オルニチノリティカ、より好ましくは、肺炎桿菌またはK.オキシトカとの接触に直接的または間接的に関連または起因する、本明細書に記載の症状、疾患、障害、または症候群がそれぞれ、またはいずれも、別々におよび独立して、本発明の意味での適応症、疾患、または障害であることは本発明の範囲内である。従って、および単なる例示として、本願の意味での疾患は、敗血症ならびに髄膜炎および骨髄炎である。
本明細書に記載の様々な化合物を使用することができる疾患はまた、本発明によるポリペプチドが発現している疾患、または本明細書に記載の化合物、例えば、本発明によるポリペプチド、ワクチン、抗体、ならびに任意のアプタマーおよびスピーゲルマーがそれぞれ治療および/またはその診断に適している任意の疾患であることは本発明の範囲内である。このような潜在的な使用は、交差反応性および相同性からそれぞれ生じてもよい。本発明による薬学的組成物に関して述べられたいずれの疾患も本明細書に記載の薬学的組成物を使用することができ、逆もまた同じであることが当業者に理解される。
本発明の文脈における治療とは、治療と、予防的処置または防止的処置の両方を指す。ここで、目的は、標的とする病的状態または障害を予防または減速(緩和)することである。治療を必要とする人には、すでに障害がある人、ならびに障害を起こしやすい人、または障害を予防しようとする人が含まれる。
なおさらなる態様では、本発明は、本発明による任意のポリペプチドまたは本発明による任意の核酸を用いたスクリーニング方法に関する。このようなスクリーニング方法は当業者に公知であり、アゴニストまたはアンタゴニストがスクリーニングされるように設計することができる。このようなスクリーニング方法に関して、好ましくは、本件では、本発明による任意の抗原およびその断片と相互作用パートナーとの結合を阻害または阻止するアンタゴニストがスクリーニングされる。このような相互作用パートナーは天然の相互作用パートナーでもよく、非天然の相互作用パートナーでもよい。
本発明はまた、本発明によるポリペプチドまたは本発明の核酸分子の機能、例えば、結合分子との相互作用を増強するもの(アゴニスト)または阻害するもの(アンタゴニスト)を同定するための化合物スクリーニング方法を提供する。このスクリーニング方法はハイスループットを伴ってもよい。
例えば、アゴニストまたはアンタゴニストをスクリーニングするために、本発明による核酸分子および核酸の相互作用パートナーは、合成反応混合物、細胞区画、例えば、膜、細胞エンベロープもしくは細胞壁、または、そのいずれかの調製物でもよく、本発明によるポリペプチドに結合する分子を発現する細胞から調製されてもよい。調製物を、アゴニストまたはアンタゴニストでもよい候補分子の非存在下または存在下で、標識された形のこのようなポリペプチドと共にインキュベートする。候補分子が結合分子に結合する能力は、標識リガンドの結合の減少に反映される。無報酬で結合する分子、すなわち、前記ポリペプチドの機能効果を誘導することなく結合する分子は、良好なアンタゴニストである可能性が最も高い。良好に結合し、本発明によるポリペプチドと同じまたは密接に関連する機能効果を誘発する分子は、良好なアゴニストである。
潜在的なアゴニストおよびアンタゴニストの機能効果は、例えば、候補分子と細胞または適切な細胞調製物が相互作用した後にレポーター系の活性を求め、その効果と、本発明によるポリペプチドまたは前記ポリペプチドと同じ効果を誘発する分子の効果を比較することによって測定できる。これに関して有用であり得るレポーター系には、生成物に変換される比色用標識基質、本発明によるポリペプチドの機能活性の変化に応答するレポーター遺伝子、および当技術分野において公知の結合アッセイが含まれるが、これに限定されない。
アンタゴニストのアッセイの別の例は競合アッセイである。競合アッセイは、本発明によるポリペプチドおよび潜在的なアンタゴニストと、膜結合型結合分子、組換え結合分子、天然の基質もしくはリガンド、または基質模倣物もしくはリガンド模倣物とを、競合阻害アッセイに適した条件下で組み合わせるものである。潜在的なアンタゴニストの有効性を評価するために、本発明によるポリペプチドが結合分子に結合した分子数または生成物に変換した分子数を正確に求めることができるように、本発明によるポリペプチドは、例えば、放射能または比色化合物によって標識することができる。
潜在的なアンタゴニストには、本発明によるポリペプチドに結合し、それによって、その活性を阻害または消失させる、有機低分子、ペプチド、ポリペプチドおよび抗体が含まれる。潜在的なアンタゴニストはまた、本発明によるポリペプチドの機能的活性を誘導することなく結合分子の同じ部位に結合する、有機低分子、ペプチド、ポリペプチド、例えば、密接に関連するタンパク質または抗体でもよい。
潜在的なアンタゴニストには、本発明によるポリペプチドの結合部位に結合し、結合部位を占有して、正常な生物学的活性が阻止されるように細胞結合分子との結合を妨げる低分子が含まれる。低分子の例には、有機低分子、ペプチドまたはペプチド様分子が含まれるが、これに限定されない。
他の潜在的なアンタゴニストにはアンチセンス分子が含まれる(これらの分子の説明については、(Okano, H. et al., 1991); OLIGODEOXYNUCLEOTIDES AS ANTISENSE INHIBITORS OF GENE EXPRESSION; CRC Press, Boca Raton, FL (1988)を参照されたい)。
好ましい潜在的なアンタゴニストには、本発明の抗原およびその断片の誘導体が含まれる。
本明細書で使用する、本発明によるポリペプチドの活性は、その任意の相互作用パートナーと結合する能力、またはそのもしくは任意の相互作用パートナーに結合する、このような能力の程度である。
特定の局面において、本発明は、i)哺乳動物細胞外マトリックスタンパク質への、本明細書において開示されるクレブシエラ属の種、より好ましくは、その病原性種、特に、3つの亜種ニューモニエ、オゼネ、およびリノスクレロマチスを含む肺炎桿菌、K.オキシトカ、K.プランチコラ、K.テリゲナ、ならびにK.オルニチノリティカ、より好ましくは、肺炎桿菌またはK.オキシトカの付着の阻止;ii)哺乳動物細胞外マトリックスタンパク質と、組織反応を媒介する細菌タンパク質との細菌付着のブロック;iii)免疫防御の回避;iv)留置装置移植または他の外科法以外の方法によって、例えば、栄養分の獲得を阻害することによって惹起される感染症における発病の通常進行のブロックにおいて使用することができる。
本明細書において提供されるDNAコード配列はそれぞれ、抗菌化合物の発見、開発、および/または調製において使用することができる。コードされているタンパク質は発現すると、抗細菌薬スクリーニングの標的として使用することができる。さらに、コードされているタンパク質のアミノ末端領域をコードするDNA配列、またはそれぞれのmRNAのShine-Delgarno配列もしくは他の翻訳促進配列を用いて、関心対象のコード配列の発現を制御するアンチセンス配列を構築することができる。
アンタゴニストおよびアゴニストは、例えば、クレブシエラ属の種、特に、3つの亜種ニューモニエ、オゼネ、およびリノスクレロマチスを含む肺炎桿菌、K.オキシトカ、K.プランチコラ、K.テリゲナ、ならびにK.オルニチノリティカ、より好ましくは、肺炎桿菌またはK.オキシトカから生じた疾患を阻害するのに用いられてもよい。
なおさらなる局面では、本発明は親和性装置に関する。このような親和性装置は、少なくとも、支持体材料および支持体材料に取り付けられた本発明による任意のポリペプチドを含む。前記ポリペプチドには、その標的細胞または標的分子またはその相互作用パートナーに対して特異性があるので、前記ポリペプチドを用いると、結合条件が合えば、支持体材料に適用された任意の種類の試料から相互作用パートナーを選択的に取り出すことができる。試料は生物学的試料または医学的試料でよい。試料には、発酵ブロス、細胞細片、細胞調製物、組織調製物、臓器調製物、血液、尿、リンパ液、羊水などが含まれるが、これに限定されない。
本発明によるポリペプチドは、共有結合によりマトリックスに取り付けられてもよく、非共有結合によりマトリックスに取り付けられてもよい。適切な支持体材料は当業者に公知であり、セルロース、ケイ素、ガラス、アルミニウム、常磁性ビーズ、デンプン、およびデキストランを含む群より選択することができる。
本発明は、以下の図面、表、実施例および配列表によってさらに説明され、これらからさらなる特徴、態様、および利点を理解することができる。本実施例は例示に過ぎず、開示を限定するものではないことが理解されるだろう。
病原体特異的抗体の供給源としてのヒト血清の特徴付けを示す。 ライブラリーの特徴付けを示す。 ビオチン化ヒトIgGを用いたMACSによる細菌細胞の選択を示す。 それぞれの細菌病原体の臨床分離株における選択された抗原の遺伝子分布を求めるPCR分析を示す。 マウスにおいて作製されたエピトープ血清を用いた表面染色の例を示す。 アジュバントとしてCFA/IFAを使用した時に、マウス致死モデルにおける、選択された肺炎桿菌抗原を用いた能動免疫によって付与された防御を示す。 アジュバントとしてCFA/IFAを使用した時に、マウス致死モデルにおける、選択された肺炎桿菌抗原を用いた能動免疫によって付与された防御を示す。 アジュバントとしてCFA/IFAを使用した時に、マウス致死モデルにおける、選択された肺炎桿菌抗原を用いた能動免疫によって付与された防御を示す。 アジュバントとしてCFA/IFAを使用した時に、マウス致死モデルにおける、選択された肺炎桿菌抗原を用いた能動免疫によって付与された防御を示す。 アジュバントとしてCFA/IFAを使用した時に、マウス致死モデルにおける、選択された肺炎桿菌抗原を用いた能動免疫によって付与された防御を示す。 アジュバントとしてミョウバンを使用した時に、マウス致死モデルにおける、選択された肺炎桿菌抗原を用いた能動免疫によって付与された防御を示す。 アジュバントとしてIC31(登録商標)を使用した時に、マウス致死モデルにおける、選択された肺炎桿菌抗原を用いた能動免疫によって付与された防御を示す。 マウス致死モデルにおける、選択された肺炎桿菌抗原に対して産生されたポリクローナルウサギ血清を用いた受動免疫によって付与された防御を示す。
本明細書において言及され得る図面および表を以下でさらに詳細に説明する。
図1は、免疫アッセイによって肺炎桿菌特異的抗体を測定することによるヒト血清の特徴付けを示す。IgG抗体の総レベルを標準ELISAによって測定した。(A)肺炎桿菌Mich61株およびその莢膜陰性変異体から調製した総細菌溶解産物。(B)肺炎桿菌708株およびその莢膜陰性変異体から調製した総細菌溶解産物。健常個体および敗血症患者からの血清試料を、2種類の血清希釈(1:1,000および1:5,000)で分析した。P3536.2、P3495.2、およびP3533.2は、病気から回復した後に患者から得た回復期血清であった。1:1,000に血清希釈した4種類のプールの選択された血清の結果を示した。
図2(A)は、pMAL4.31の中に入れた肺炎桿菌小断片ゲノムライブラリーKPL50の断片サイズ分布を示す。ランダムに選択したクローンを配列決定した後、ベクター残基を無くすために配列を刈り込み(476)、様々なゲノム断片サイズを有するクローンの数をプロットした。(B)は、pMAL4.31の中に入れた肺炎桿菌大断片ゲノムライブラリーKPF300の断片サイズ分布を示す。ランダムに選択したクローンの配列を刈り込み(425)、様々なゲノム断片サイズを有するクローンの数をプロットした。
図3(A)は、敗血症患者からの血清を用いたビオチン化ヒトIgGプールによるMACS選択を示す。pMAL9.1の中に入れたKPL50ライブラリーを、10〜20μgのビオチン化IgGを用いてスクリーニングした。負の対照として、スクリーニング用のライブラリー細胞に血清を添加しなかった。溶出後に選択された細胞の数を示した。(B)は、イムノブロット分析によって分析された時の、細菌表面ディスプレイによって選択された特異的クローン(1-20)およびWt(インサートのないpMAL9.1)と、1:3,000に希釈した、MACSによる選択に使用したヒト血清IgGプール(PKp34-IgG)との反応性を示す。星印は、クローンが陽性として検出されたことを示している。ローディング対照として、同じブロットを、1:5,000に希釈したプラットフォームタンパク質LamBに対する抗体でも分析した(データ示さず)。(C)は、敗血症患者からの血清によるビオチン化ヒトIgGプール(PKp35-IgG)およびpHIE11の中に入れたKPF300ライブラリーを用いたMACS選択を示す。(D)は、イムノブロット分析によって分析された時の、細菌表面ディスプレイによって選択された特異的クローン(1-20)およびWt(インサートのないpHIE11)と、1:3,000に希釈した、MACSによる選択に使用したヒト血清IgGプール(PKp35-IgG)との反応性を示す。星印は、クローンが陽性として検出されたことを示している。
図4は、1遺伝子の遺伝子分布分析のために、それぞれのオリゴヌクレオチドおよび46個の肺炎桿菌株を用いたPCR分析の一例を示す。肺炎桿菌からの抗原KPORF-54に由来するPCR断片の推定サイズは1040bpである。1-46:表2に示した株または臨床分離株;-:ゲノムDNAなし;+:肺炎桿菌MGH78578株のゲノムDNA。
図5は、マウスにおいて作製されたエピトープ血清を用いた表面染色の例を示す。3種類の抗原が肺炎桿菌A5054上に効率的に表面ディスプレイされたことを示す。KPORF-28、KPORF-82、およびKPORF-02は例であり、カテゴリーは「+」,0〜9%;「++」,10〜35%、および「+++」,>36%である。パーセントは、免疫血清とインキュベートしなかった細胞と比較してFACS分析において変化を示した細胞の数を示す。
図6(A)、(B)、(C)、(D)および(E)は、マウス致死モデルにおける、選択された肺炎桿菌抗原を用いた能動免疫によって達成された防御を示す。CD-1マウス(10マウス/群)を、肺炎桿菌MHG78578株からクローニングした組換え抗原を用いて皮下免役し、肺炎桿菌(O1:K2)B5055株を用いて抗原暴露した。抗原暴露後14日間、生存率をモニタリングした。組換えタンパク質50μgとアジュバントとしてCFA/IFAまたはIFAを用いて、マウスを皮下免役した。PBSとCFA/IFAまたはIFAを用いて免疫化したマウスは負の対照として用いたのに対して、肺炎桿菌B5055溶解産物(5μg)を用いて免疫化したマウスは正の対照として役立った。103CFU肺炎桿菌B5055を用いて、マウスの腹腔内に抗原暴露した。生存しているマウスの数をマウス総数のパーセントとしてプロットした。
図7(A)および(B)は、マウス致死モデルにおける、選択された肺炎桿菌抗原を用いて能動免疫によって付与された防御を示す。CD-1マウス(10マウス/群)を、肺炎桿菌MHG78578株からクローニングした組換え抗原を用いて皮下免役し、肺炎桿菌(O1:K2)B5055株を用いて抗原暴露した。抗原暴露後14日間、生存率をモニタリングした。組換えタンパク質50μgとアジュバントとしてミョウバンを用いて、マウスを皮下免役した。PBSとミョウバンを用いて免疫化したマウスは負の対照として用いたのに対して、肺炎桿菌B5055溶解産物(5μg)とミョウバンを用いて免疫化したマウスは正の対照として役立った。103CFU肺炎桿菌B5055を用いて、マウスの腹腔内に抗原暴露した。生存しているマウスの数をマウス総数のパーセントとしてプロットした。
図8(A)および(B)は、マウス致死モデルにおける、選択された肺炎桿菌抗原を用いた能動免疫によって付与された防御を示す。CD-1マウス(10マウス/群)を、肺炎桿菌MHG78578株からクローニングした組換え抗原を用いて皮下免役し、肺炎桿菌(O1:K2)B5055株を用いて抗原暴露した。抗原暴露後14日間、生存率をモニタリングした。組換えタンパク質50μgとアジュバントとしてIC31(登録商標)を用いて、マウスを皮下免役した。PBSとIC31(登録商標)を用いて免疫化したマウスは負の対照として用いたのに対して、肺炎桿菌B5055溶解産物(5μg)とIC31(登録商標)を用いて免疫化したマウスは正の対照として役立った。103CFU肺炎桿菌B5055を用いて、マウスの腹腔内に抗原暴露した。生存しているマウスの数をマウス総数のパーセントとしてプロットした。
図9(A)および(B)は、マウス致死モデルにおける、選択された肺炎桿菌抗原に対して産生されたポリクローナルウサギ血清を用いて受動免疫によって付与された防御を示す。CD-1マウス(10マウス/群)を、肺炎桿菌MHG78578株からクローニングした組換え抗原に対して産生された血清を用いて腹腔内免疫し、肺炎桿菌(O1:K2)B5055株を用いて抗原暴露した。抗原暴露後14日間、生存率をモニタリングした。PBS血清を用いて免疫化したマウスは負の対照として用いたのに対して、肺炎桿菌B5055溶解産物血清(5μg)を用いて免疫化したマウスは正の対照として役立った。103CFU肺炎桿菌B5055を用いて、マウスの腹腔内に抗原暴露した。生存しているマウスの数をマウス総数のパーセントとしてプロットした。
表1は、ゲノム肺炎桿菌ライブラリーおよびヒト血清を用いて行った全てのスクリーニングをまとめたものを示す。
表2は、遺伝子分布分析に使用した株を示す。
表3は、それぞれの細菌種の様々な株における選択された数の抗原についての遺伝子分布分析をまとめたものを示す。
表4は、ヒト血清を用いたペプチドELISAをまとめたものを示す。
表5は、マウスにおいて作製されたエピトープ血清を用いた表面染色を示す。
表6は、関心対象の遺伝子を増幅するのに使用したクレブシエラ属の種の独立した分離株を示す。
表7は、関心対象の遺伝子を増幅するのに使用したオリゴヌクレオチドの配列を示す。
表8は、KPORF-13の遺伝子保存を示す。
表9は、KPORF-21の遺伝子保存を示す。
表10は、KPORF-32の遺伝子保存を示す。
表11は、KPORF-37の遺伝子保存を示す。
表12は、KPORF-38の遺伝子保存を示す。
表13は、KPORF-39の遺伝子保存を示す。
表14は、KPORF-60の遺伝子保存を示す。
表15は、KPORF-65の遺伝子保存を示す。
表16は、防御実験に使用した抗原断片を示す。
(表1)肺炎桿菌から細菌表面ディスプレイによって同定された免疫原性タンパク質
Figure 2010532657
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A, lamBの中にある50 bp 肺炎桿菌ライブラリーと、IC38、IC40、IC76およびIC86を含有するICKp18-IgG プール (562の刈り込まれたクローン)、B, lamBの中にある50 bp 肺炎桿菌ライブラリーと、IC88、IC89、IC92およびIC93 血清を含有するICKp19-IgG プール (444の刈り込まれたクローン)、C, fhuAの中にある300 bp 肺炎桿菌ライブラリーと、 IC38、IC40、IC76およびIC86 血清を含有するICKp18-IgG プール (455の刈り込まれたクローン)、D, fhuAの中にある300 bp 肺炎桿菌ライブラリーと IC88、IC89、IC92、およびIC93 血清を含有するICKp19-IgG プール (591の刈り込まれたクローン)、E, lamBの中にある50 bp 肺炎桿菌ライブラリーとPKp34 プール (P3536.2、P3548、P3560、P3582およびP3583 血清) (618の刈り込まれたクローン)、F, lamBの中にある50 bp 肺炎桿菌ライブラリーとPKp35 プール (P3495.2、P3533.2、P3567およびP3576 血清) (562の刈り込まれたクローン)、G, fhuAの中にある300 bp 肺炎桿菌ライブラリーとPKp34 プール (P3536.2、P3548、P3560、P3582およびP3583 血清) (562の刈り込まれたクローン)、H, fhuAの中にある300 bp 肺炎桿菌ライブラリーとPKp35 プール (P3495.2、P3533.2、P3567およびP3576 血清) (593の刈り込まれたクローン);P3536.2、P3495.2、およびP3533.2は、病気から回復した後に患者から得た回復期血清であった。*、5 アミノ酸より長い抗原性配列の推定は、プログラムANTIGENIC (Kolaskar, A. et al., 1990)を用いて行った。肺炎桿菌 MGH78578のゲノム配列に対する、決定されたエピトープ配列のBLASTによって同定された肺炎桿菌由来遺伝子を列挙した(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/genomes/lproks.cgi、http://pedant.gsf.de/)。ORFの番号付けは恣意的なものである。アノテーション/推定機能は、主に、他の細菌の種、優先的に、グラム陰性細菌からのオープンリーディングフレームとの相同性によって得た。
(表2)遺伝子分布分析に使用した株のリスト
Figure 2010532657
表2は、遺伝子分布研究のために分析した肺炎桿菌分離株の異なる株を示す。種ならびに関連するK型およびO型を示す。MGH78578はゲノムライブラリーの作製に使用した。nd、未決定。
(表3)様々なクレブシエラ属の種および肺炎桿菌株における選択された数の抗原についての遺伝子分布分析
Figure 2010532657
Figure 2010532657
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表3に示したように46種類のクレブシエラ属株とPCRの正の対照であるMGH78578を、関連する抗原をコードする遺伝子に特異的なオリゴヌクレオチドを用いてPCRによって試験した。この遺伝子分布表は、各遺伝子についての46種類の株からのPCR陽性結果の数を列挙し、クレブシエラ属の種の多様な分離株において遺伝子が存在し、保存されていることを示す。
(表4)肺炎桿菌抗原に由来するペプチドを用いたペプチドELISA
Figure 2010532657
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選択されたエピトープを表す個々の合成ペプチドと個々のヒト血清との免疫反応性を示す。反応性の程度を色分けした。白色、<0.05OD単位;薄い灰色、0.05〜0.2OD単位;濃い灰色、0.2〜0.4OD単位;黒色、>0.4OD単位。「合計」は、OD405nm測定値が、コーティングのないブランクを上回る、少なくとも0.05OD単位であった血清の数を表している。スコアは、全ての反応性の合計として計算した(白色=0;濃い灰色=1;濃い灰色=2;黒色=3)。「aaから」および「aaまで」は、それぞれの配列識別番号(SEQ ID NO:)で示した完全長タンパク質に対するペプチドの位置を示す。ELISA実験は、肺炎桿菌抗原に由来するペプチドと22の高力価ヒト血清(P3494.2、P3495.2、P3518.2、P3533.2、P3536.2、P3545、P3548、P3560、P3567、P3571、P3576、P3581、P3582、P3583、IC38、IC40、IC76、IC86、IC88、IC89、IC92、およびIC93)を用いて行った。P3494.2、P3495.2、P3518.2、P3533.2およびP3536.2は回復期血清である。
(表5)マウスにおいて作製されたエピトープ血清を用いた表面染色
Figure 2010532657
肺炎桿菌A5054株およびフライドランダー204株の細胞の表面に結合するかどうか、マウスにおいて作製されたエピトープ特異的抗体をFACS分析において試験した。FACS分析において有意な変化を示した血清を列挙した。変化の程度は、「+」の数によって示した。+,0〜9%;++,10〜35%、+++,>36%パーセントは、免疫血清とインキュベートしなかった細胞と比較してFACS分析において変化を示した細胞の数を示す。
(表6)肺炎桿菌抗原の遺伝子保存分析に利用したクレブシエラ属の種の株
Figure 2010532657
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(表7)配列保存分析に使用したオリゴヌクレオチド
Figure 2010532657
Figure 2010532657
KPORFおよびプライマー名、SEQ ID NO:、遺伝子に対するプライマーの方向、配列、および遺伝子に対する位置を示した。遺伝子または遺伝子断片のPCR増幅とその後の配列分析にオリゴヌクレオチドを使用した。
(表8)KPORF-13の遺伝子保存
Figure 2010532657
Figure 2010532657
1、2、3、4、肺炎桿菌MGH78578を基準とした、クレブシエラ属の種のそれぞれの株の配列決定された遺伝子における各位置で観察されたアミノ酸。
(表9)KPORF-21の遺伝子保存
Figure 2010532657
1、2、3、4、肺炎桿菌MGH78578を基準とした、クレブシエラ属の種のそれぞれの株の配列決定された遺伝子における各位置で観察されたアミノ酸。
(表10)KPORF-32の遺伝子保存
Figure 2010532657
Figure 2010532657
Figure 2010532657
1、2、3、肺炎桿菌MGH78578を基準とした、クレブシエラ属の種のそれぞれの株の配列決定された遺伝子における各位置で観察されたアミノ酸。
(表11)KPORF-37の遺伝子保存
Figure 2010532657
1、2、肺炎桿菌MGH78578を基準とした、クレブシエラ属の種のそれぞれの株の配列決定された遺伝子における各位置で観察されたアミノ酸。
(表12)選択されたクレブシエラ属の種および株からのクレブシエラ属遺伝子KPORF-38の配列決定によって得られた配列長(アミノ酸)
Figure 2010532657
全ての配列を、最初のコドン(開始)から、示した位置まで決定した。
(表13)KPORF-39の遺伝子保存
Figure 2010532657
1、2、肺炎桿菌MGH78578を基準とした、クレブシエラ属の種のそれぞれの株の配列決定された遺伝子における各位置で観察されたアミノ酸。
(表14)KPORF-60の遺伝子保存
Figure 2010532657
1、2、3、肺炎桿菌MGH78578を基準とした、クレブシエラ属の種のそれぞれの株の配列決定された遺伝子における各位置で観察されたアミノ酸。
(表15)KPORF-65の遺伝子保存
Figure 2010532657
1、肺炎桿菌MGH78578を基準とした、クレブシエラ属の種のそれぞれの株の配列決定された遺伝子における各位置で観察されたアミノ酸。
(表16)防御実験に使用した抗原断片の概要(実施例8)
Figure 2010532657
実施例
実施例1:本発明によるペプチドを同定するための一般的なスクリーニング手順
本発明に用いられたアプローチは、肺炎桿菌によってコードされるタンパク質またはペプチドと、ヒト血清中に存在する抗体との相互作用に基づいている。ヒト免疫系によって産生され、ヒト血清中に存在する、肺炎桿菌に対する抗体は、抗原タンパク質がインビボで発現され、抗原タンパク質に免疫性があることを示している。さらに、予め選択された血清のプールを用いて、細菌表面ディスプレイ発現ライブラリーによって同定された抗原タンパク質を、選択または作製された個々の血清による2回目および3回目のスクリーニングにおいて処理する。従って、本発明は、薬学的組成物、特に、肺炎桿菌によって引き起こされる感染症を予防するワクチンとしての抗原の効率的な、関連する、包括的なセットを供給する。
本発明による抗原の包括的なセットを同定するための抗原同定プログラムでは、肺炎桿菌に由来する少なくとも2種類の細菌表面発現ライブラリーが、いくつかの血清プールまたは血漿画分(抗体プール)を用いてスクリーニングされる。抗体プールは、肺炎桿菌の抗原化合物、例えば、全細胞、総抽出物に対して試験されている血清収集物に由来する。好ましくは、(17の試料を用いた)4種類の血清プールを使用する。高いELISA価を有することが確認された血清は、本発明に適用されるスクリーニング方法において、過免疫、従って、関連性があると見なされるためには、イムノブロッティングにおいて複数のタンパク質と反応しなければならない。
本発明で使用する発現ライブラリーは、可能性のある全ての抗原、例えば、肺炎桿菌の全ての分泌型タンパク質および表面タンパク質に由来する抗原を発現しなければならない。細菌表面ディスプレイライブラリーは、肺炎桿菌の発現ペプチド配列のセット(全てのセット)を、細菌宿主膜にある2種類の外膜タンパク質(LamBおよびFhuA)上にディスプレイする細菌宿主の組換えライブラリーによって表される(Georgiou, G., 1997);(Etz, H. et al., 2001)。組換え発現ライブラリーを用いる利点の一つは、同定された抗原の産生が、さらなる組換えDNA技術またはクローニング工程を必要とせずに、スクリーニングおよび選択された抗原発現クローンのコード配列を発現することによって直ちに可能となることである。
説明された本発明によるプログラムによって同定された抗原の包括的なセットを、もう1回またはそれ以上のスクリーニングによってさらに分析する。従って、免疫原性があると特定された選択ペプチドに対して作製した個体抗体調製物または抗体が用いられる。好ましい態様によれば、2回目のスクリーニング用の個体抗体調製物は、健常成人、および/またはある特定の最低値を上回る抗体価を示す、抗原暴露された成人に由来する。例えば、抗体価は、試験したヒト(患者または健常個体)の血清の80パーセンタイルを超える、好ましくは、90パーセンタイルを超える、特に、95パーセンタイルを超える。このような高力価の個体抗体調製物を、2回目のスクリーニングで用いることにより、肺炎桿菌に由来する抗原およびその断片を非常に選択的に同定することが可能になる。
包括的スクリーニング手順の後に、組換えタンパク質として発現させた、もしくは原核生物発現系において発現できなければインビトロ翻訳産物として発現させた、選択された抗原タンパク質、または、(合成により生成された)同定された抗原ペプチドを、2回目のスクリーニングにおいて免疫原性を評価するために、大きなヒト血清収集物(最低約20個の健常人血清および患者血清)を用いた一連のELISAおよびウェスタンブロッティングアッセイによって試験する。
個体抗体調製物(選択された血清でもよい)を用いて、1回目からの見込みのある全ての候補から、全ての抗原の中で最も見込みのある候補を選択的に同定できることが重要である。従って、好ましくは、2回目のスクリーニングにおけるこれらの抗原の同定では、少なくとも10個の個体抗体調製物(すなわち、選択された病原体に暴露された少なくとも10人の個体に由来する抗体調製物(例えば、血清))を使用しなければならない。もちろん、10個未満の個体調製物を使用することも可能であるが、この工程の選択性が少数の個体抗体調製物では最適でない場合がある。他方で、所定の抗原(またはその抗原断片)が少なくとも10個の個体抗体調製物、好ましくは少なくとも30個、特に少なくとも50個の個体抗体調製物によって認識されるのであれば、この抗原の同定は適切な同定に十分な選択性もある。もちろん、血清反応性は、可能な限り多くの(例えば、100個超、さらには1,000個超の)個体調製物を用いて試験することができる。
従って、血清に反応する、本発明による抗体調製物の関連部分は、好ましくは、少なくとも10個の、より好ましくは、少なくとも30個の、特に、少なくとも50個の個体抗体調製物でなければならない。その代わりとして(または組み合わせて)、抗原はまた、2回目のスクリーニングにおいて使用した全ての個体抗体調製物の好ましくは少なくとも20%、好ましくは少なくとも30%、特に少なくとも40%を用いて同定することもできる。
本発明の好ましい態様によれば、2回目のスクリーニング用の個体抗体調製物を調製するのに用いられる(または抗体調製物として用いられる)血清は、肺炎桿菌(例えば、この病原体の調製物、例えば、溶解産物、細胞壁成分、および組換えタンパク質)に対する力価によって選択される。好ましくは、生物全体(総溶解産物または全細胞)がELISAの抗原として用いられる場合、一部は1,000Uを上回る、特に、5,000Uを上回るIgG価(U=単位、所定の希釈でのOD405nm測定値から計算する)によって選択される。
ヒト免疫系によって産生され、ヒト血清中に存在する、肺炎桿菌に対する抗体は、抗原タンパク質がインビボで発現され、抗原タンパク質に免疫性があることを示している。血清抗体によって認識される線状エピトープの認識は、4〜5と短いアミノ酸の配列に基づいてもよい。もちろん、このことは、これらの短いペプチドが所定の抗体をインビボで誘導できることを必ずしも意味しているわけではない。このような理由で、規定されたエピトープ、ポリペプチド、およびタンパク質は、選択されたタンパク質に対する抗体をインビボで誘導する能力について、動物(主にマウス)においてさらに試験しなければならない。
好ましい抗原は細胞表面上に位置するか、または分泌されたものであり、従って、細胞外で接近可能なものである。細胞壁タンパク質に対する抗体は、複数の目的、すなわち、付着の阻害、栄養分の獲得の妨害、免疫回避の阻害、および食作用の促進にかなうと期待されている(Hornef, M. et al., 2002)。分泌タンパク質に対する抗体は、毒素または病原性成分としての分泌タンパク質の機能の中和において有益である。細菌は分泌タンパク質を介して互いに情報交換していることも知られている。これらのタンパク質に対する中和抗体は、感染症を引き起こす病原体種間または種内での、成長を促進するクロストークを妨害する。生物情報分析(シグナル配列、細胞壁局在化シグナル、膜貫通ドメイン)が細胞表面局在または分泌の評価に非常に有用であることが判明した。この実験アプローチには、対応するエピトープおよびタンパク質を有する抗体のヒト血清からの単離、ならびに細菌表面ディスプレイスクリーニングにより選択された(ポリ)ペプチドに対するマウスにおける免疫血清の作製が含まれる。次いで、これらの血清を、3回目のスクリーニングにおいて、以下のアッセイ:様々な条件下で増殖させた肺炎桿菌の細胞表面染色(FACSまたは顕微鏡観察)、中和能(毒素、付着)の測定、ならびにオプソニン化および食作用の促進(インビトロ食作用アッセイ)の少なくとも1つの試薬として使用する。
このような目的で、細菌大腸菌クローンをマウスに直接注射し、免疫血清を採取し、関連するインビトロアッセイにおいて試験する。または、ペプチドまたはタンパク質を基質として用いて、特異的抗体をヒトまたはマウスの血清から精製することができる。
本明細書において使用した抗原同定方法によれば、本発明は、驚くべきことに、特に、本明細書に記載のような、肺炎桿菌の包括的な新規の核酸および新規の抗原、その変種および断片のセットを提供することができる。本発明による、抗原をコードするヌクレオチド配列は、好ましくは、SEQ ID NO:1〜187およびSEQ ID NO:375に個々に示したヌクレオチド配列を有し、コードされる対応するアミノ酸配列は、好ましくは、SEQ ID NO:188〜374およびSEQ ID NO:376に示したアミノ酸配列を有する。
ある特定の抗原の全ての線状断片は、少なくとも10アミノ酸の長さを有し、1アミノ酸だけ重複するペプチドのセットによって、タンパク質抗原の配列全体を分析することによって同定することができる。その後に、完全長の発現タンパク質またはそのドメインポリペプチドと過免疫血清を用いてタンパク質抗原を分析することによって、非線状エピトープを同定することができる。タンパク質の別個のドメインが、ネイティブタンパク質とは無関係に3D構造を形成するのに十分だとすると、それぞれの組換えドメインポリペプチドまたは合成により生成されたドメインポリペプチドを過免疫血清によって分析すれば、マルチドメインタンパク質の個々のドメイン内の高次構造エピトープが同定できるだろう。ドメインが線状エピトープおよび高次構造エピトープを有する抗原の場合、線状エピトープに対応するペプチドによる競合実験を用いて、高次構造エピトープの存在を確かめることができる。
実施例2:抗クレブシエラ属抗体に基づくヒト血清試料の特徴付けおよび選択、ならびに抗体スクリーニング試薬の調製
実験手順
酵素結合免疫測定法(ELISA)
ELISAプレート(Maxisorb, Millipore)を、コーティング緩衝液(0.1M炭酸ナトリウムpH9.2)で希釈した5〜10μg/ml総タンパク質でコーティングした。2種類の血清希釈液(1,000xおよび5,000x)をPBS-BSAに溶解して作製した。高度に特異的な西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)結合抗ヒトIgG二次抗体(Southern Biotech)を、製造業者の推奨(希釈:1,000x)に従って使用した。抗原-抗体複合体は、自動ELISAリーダー(TECAN SUNRISE)によるOD405nm測定値に基づいて、基質(ABTS)から着色生成物への変換を測定することによって定量した。
総細菌抽出物の調製
肺炎桿菌Mich61株(K型15; O型4)および708株(K型 80; O型12)ならびにこれらの莢膜陰性変種を、Nutrient Broth(Difco 234000)中で37℃で一晩増殖させた。ドライアイス/エタノール混合物上で凍結するまで1分間インキュベーションした後に、37℃で5分間融解する凍結融解サイクルを繰り返すことによって、細胞を溶解した。この溶解手順を3回繰り返した後、超音波処理を行った。4,000rpm、4℃で15分間、遠心分離した後、上清は全細胞抽出物を含有しており、上清を収集した。ペレットを捨て、タンパク質濃度を、タンパク質アッセイ色素試薬濃縮物(Bio-Rad Laboratories, Austria)を用いたBradfordアッセイによって測定した。
ゲノムスクリーニング用抗体の精製
ELISAでの莢膜陰性株に対する血清の反応が莢膜のある株に対する反応より強いことに基づいて、抗体プール1つにつき4〜5個の血清を選択した。熱失活血清と全細胞大腸菌DH5α細胞(pHIE11で形質転換し、細菌表面ディスプレイに使用したものと同じ条件下で増殖させた)をインキュベートすることによって、大腸菌DH5αタンパク質に対する抗体を除去した。プールされ、枯渇された血清から高度に濃縮されたIgG調製物を、プロテインGアフィニティクロマトグラフィー(UltraLink Immobilized Protein G, Pierce)によって、製造業者の説明書に従って作製した。枯渇および精製の効率はELISA測定によってチェックした。
結果
ヒト免疫系によって産生され、ヒト血清中に存在する、肺炎桿菌に対する抗体は、抗原タンパク質がインビボで発現され、抗原タンパク質に免疫性があることを示している。これらの分子は、抗菌性特異的抗体と対応する肺炎桿菌ペプチドまたはタンパク質の相互作用に基づく本発明に記載のアプローチにおいて、個々の抗原を同定するのに不可欠である。関連する抗体レパートリーを利用するために、敗血症患者および暴露された健常人からヒト血清を収集した。
100人のドナーから50個の急性期血清試料および100個の回復期血清試料を収集し、健常個体から採取した49の血清と共に一連の免疫アッセイによって抗肺炎桿菌抗体について特徴付けた。最初の特徴付けは、肺炎桿菌Mich61株および708株ならびにこれらの莢膜陰性変種の総細菌溶解産物を用いてELISAによって行った。抗体価を測定し、ELISA単位を、直線的な応答の範囲にある血清希釈から計算した。ELISAでの、莢膜を有する株および莢膜を有さない株から調製した溶解産物に対する反応の差に基づいて血清をランク付けし、抗体プールに含める血清を選択するのに使用した。プールの作製に使用した血清と、肺炎桿菌からの細菌溶解産物との反応性を図1Aおよび1Bに示した。
細菌表面ディスプレイによる抗原同定のために、選択した血清を、4種類のIgGプールに含めた(各プールにおいて4〜5個の血清)。アフィニティクロマトグラフィーによって血清プールからIgG抗体を精製し、細菌表面ディスプレイスクリーニングでのバックグラウンドを避けるために大腸菌DH5α反応性抗体を枯渇させた。健常個体を表す血清プールは、ICKp18(IC38、IC40、IC76およびIC86)ならびにICKp19(IC88、IC89、IC92およびIC93)であり、敗血症患者からの血清プールは、PKp34(P3536.2、P3548、P3560、P3582、およびP3583)ならびにPKp35(P3495.2、P3533.2、P3567、およびP3576)である。
実施例3:肺炎桿菌の非常にランダムな、フレーム選択した、小断片のゲノムDNAライブラリーの作製
実験手順
肺炎桿菌MGH78578株(ATCC700721)からのゲノムDNAの調製
400ml細菌培養物から細胞を採取し(5,000rpm、20分、室温)、80mlの50mM Tris pH7.4で洗浄し、10mlの50mM Tris pH 7.4/25%スクロース/50mM EDTAに再懸濁した。懸濁液を新しいガラス管に移し、リゾチーム(最終濃度:1.5mg/ml)およびSDS(最終濃度:2%)を添加した。細胞溶解のためにガラス管を氷上でインキュベートした。プロテイナーゼK(最終濃度:0.1mg/ml)を添加し、37℃で10分間インキュベートし、その後に、フェノール/クロロホルム(1:1)抽出を数回行った。最終抽出工程は、フェノールの痕跡を除去するためにクロロホルム/イソアミルアルコール(1:24)を用いて行った。試料を、RNaseA(最終濃度:10μg/ml)で室温で1時間処理し、フェノール/クロロホルムおよびクロロホルム/イソアミルアルコール抽出を前記のように行った。出発体積の1/10の3M NaAc(pH5.3)およびこの体積の2.5倍の99.5%エタノールを添加することによって、残った上清中のDNAを沈殿させた。-20℃で1時間インキュベーションした後、混合物を遠心分離し(20,000rpm、15分)、ペレットを70%エタノールで洗浄した。最後に、ペレットをTE緩衝液に溶解した。
ゲノムDNA小断片の調製
ゲノムDNA断片を、カップホーン(cup-horn)超音波処理器(BB5カップホーンを備えたBandelin Sonoplus UV 2200超音波処理器、100%出力で10秒のパルス)を用いて機械的に剪断して150〜300bpのサイズの断片にするか、または、穏やかなDNaseI(Novagen)処理によって50〜70bpのサイズの断片にした。超音波処理によって、非常に密な断片サイズ分布が得られ、この時、DNAが150〜300bpサイズ範囲の断片に分解されることが観察された。しかしながら、超音波により誘導された流体力学的剪断力にDNAを大規模に暴露したにもかかわらず、それに続く断片サイズの減少は効率的かつ再現可能に達成できなかった。従って、50〜70bpのサイズの断片は、Novagenのショットガン切断キットを用いた穏やかなDNaseI処理によって得た。キットに付いているDNaseIの1:20希釈を調製し、酵素による二本鎖の切断を確実にするために、MnCl2の存在下、60μl体積で、消化を20℃で5分間行った。反応を2μlの0.5M EDTAで止め、断片化効率を2%TAE-アガロースゲルで評価した。この処理の結果、ゲノムDNAが全て約50〜70bpの断片へと断片化された。末端の効率的なフラッシング(flushing)を確実にするために、T4 DNAポリメラーゼを用いて100μMの各dNTPの存在下で、断片を2回平滑末端化した。断片を連結反応にすぐに使用したか、または後で使用するために-20℃で凍結した。
ベクターの説明
ベクターpMAL4.31は、βラクタマーゼ(bla)遺伝子をカナマイシン耐性遺伝子で置換したpASK-IBAバックボーン(Skerra, A., 1994)上に構築した。さらに、bla遺伝子をマルチクローニングサイトにクローニングした。細胞膜を横切る効率的な分泌を可能にするために、成熟βラクタマーゼをコードする配列の前にompAリーダーペプチド配列を配置した。リーダーペプチダーゼ切断部位のすぐ後ろの配列の融合を避けるために、ompAリーダーペプチド配列の後に、成熟βラクタマーゼの最初の12アミノ酸(スペーサー配列)をコードする配列をさらに配置した。なぜなら、例えば、この領域にある正に荷電したアミノ酸のクラスターが、細胞膜を横切る転移を減少または無くすからである(Kajava, A. et al., 2000)。SmaI制限部位はライブラリー挿入に役立つ。選択された断片の回収に用いた上流FseI部位および下流NotI部位がSmaI部位に隣接する。bla遺伝子が-1のリーディングフレームにて転写されると、NotI部位の15bp後に終止コドンが生じるように、3つの制限部位は12アミノ酸スペーサー配列をコードする配列の後に挿入される。+1bpが挿入されるとblaのORFが回復し、その結果、βラクタマーゼタンパク質が生じ、結果としてアンピシリン耐性が獲得される。
ベクターpMAL9.1は、lamB遺伝子をpEH1(Hashemzadeh-Bonehi, L. et al., 1998)のマルチクローニングサイトにクローニングすることによって構築した。その後に、制限部位FseI、SmaIおよびNotIを含有する配列を、lamBのアミノ酸154の後に挿入した。この挿入のためのリーディングフレームは、プラスミドpMAL4.31からのFseIおよびNotIによる消化により切り出された、フレーム選択したDNA断片の導入によって、lamBおよびそれぞれのインサートの連続的なリーディングフレームが生じるように構築した。
ベクターpHIE11は、pEH1のマルチクローニングサイトにfhuA遺伝子をクローニングすることによって構築した。その後、制限部位FseI、XbaIおよびNotIを含有する配列を、fhuAのアミノ酸405の後に挿入した。この挿入のためのリーディングフレームは、プラスミドpMAL4.31からのFseIおよびNotIによる消化により切り出され、フレーム選択したDNA断片の導入によって、fhuAおよびそれぞれのインサートの連続的なリーディングフレームが生じるように選択した。
クローニングおよびフレーム選択用のライブラリーの評価
肺炎桿菌(MGH78578株)ゲノムDNA断片をベクターpMAL4.31のSmaI部位に連結した。組換えDNAをDH10Bエレクトロコンピテント大腸菌細胞(GIBCO BRL)にエレクトロポレーションし、形質変換体をカナマイシン(50μg/ml)およびアンピシリン(50μg/ml)を添加したLB寒天に播いた。プレートを37℃で一晩インキュベートし、コロニーをラージスケールDNA抽出のために収集した。代表的なプレートを、コロニーPCR分析用およびラージスケール配列決定用のコロニーを収集するために保管および保存した。簡単なコロニーPCRアッセイを用いて、最初に、大まかな断片サイズ分布および挿入効率を決定した。配列決定データから、正確な断片サイズを評価し、挿入部位における接合部の完全性およびフレーム選択の正確さ(3n+1規則)を評価した。
クローニングおよび細菌表面ディスプレイ用ライブラリーの評価
ゲノムDNA断片を、肺炎桿菌ライブラリーを含有するpMAL4.31ベクターから、制限酵素FseIおよびNotIによって切り出した。次いで、断片の全集団を、FseIおよびNotIで消化したプラスミドpMAL9.1(LamB)またはpHIE11(FhuA)に移した。8bp GCリッチ配列を認識する、これら2つの制限酵素を用いることにより、pMAL4.31ベクターにおいて選択されたリーディングフレームが、プラットフォームベクターのそれぞれにおいて維持される。次いで、プラスミドライブラリーを用いたエレクトロポレーションによって、大腸菌DH5α細胞を形質転換した。細胞を、50μg/mlカナマイシンを添加したラージLB-寒天プレートに播き、37℃で一晩、明らかに目に見えるシングルコロニーが得られる密度で増殖させた。次いで、細胞を、これらのプレートの表面から掻き取り、新しいLB培地で洗浄し、ライブラリースクリーニングのためにアリコートに分けて-80℃で保存した。
結果
フレーム選択用ライブラリー
肺炎桿菌MGH78578株について、2つのライブラリーをpMAL4.31ベクター中に作成し、サイズはそれぞれ約70bpおよび約300bpであった。各ライブラリーについて、約1μgのpMAL4.31プラスミドDNAおよび50ngの断片化ゲノム肺炎桿菌DNAの連結と、その後の形質転換により、フレーム選択後に3x105〜2x106のクローンが得られた。ライブラリーのランダム性を評価するために、各ライブラリーの約500〜600個のランダムに選択したクローンを配列決定した。2つのライブラリー(KPL50およびKPF300)の代表的な生物情報分析により、これらのライブラリーに対応するクローンのうち、2回以上存在するクローンはごくわずかしかないことが示された。さらに、KPL50ライブラリーについては、平均インサートサイズが77bpであり、予想されたインサートサイズに非常に近いことが示された(図2A)。KPF300ライブラリーについては、平均インサートサイズは187bpであり、予想されたインサートサイズよりわずかに短かった(図2B)。
細菌表面ディスプレイライブラリー
ペプチドを大腸菌表面上にディスプレイするには、フレーム選択ベクターpMAL4.31からのKPL50およびKPF300ライブラリーからのインサートを、ディスプレイプラスミドpMAL9.1(LamB)またはpHIE11(FhuA)に導入することが必要であった。ゲノムDNA断片をFseIおよびNotI制限によって切り出し、5ngのインサートと0.1μgのプラスミドDNAを連結し、次いで、DH5α細胞を形質転換して、3x105〜2x106クローンを得た。クローンをLBプレートから掻き取り、さらに増幅させずに凍結した。
実施例4:細菌表面ディスプレイゲノムライブラリーおよびヒト血清を用いた、肺炎桿菌からの免疫原性の高いペプチド配列の同定
実験手順
MACSスクリーニング
所定のライブラリーから約2.5x108細胞を、50μg/mlカナマイシンを添加したLB培地5ml中で37℃で2時間培養した。発現は、1mM IPTGの添加により30分間誘導した。細胞を新鮮なLB培地で2回洗浄し、約2x107細胞をLB培地100μlに再懸濁し、エッペンドルフチューブに移した。
血清から精製され、ビオチン化したヒトIgG 10〜20μgを細胞に添加し、懸濁液をおだやかに振盪しながら4℃で一晩インキュベートした。LB培地900μlを添加し、懸濁液を混合し、その後に、6,000rpm、4℃で10分間、遠心分離した。細胞をLB 1mlで1回洗浄し、次いで、LB培地100μlに再懸濁した。ストレプトアビジン(Miltenyi Biotech, Germany)に結合したMACSマイクロビーズ10μlを添加し、インキュベーションを4℃で20分間続けた。その後、LB培地900μlを添加し、MACSマイクロビーズ細胞懸濁液を、磁石に固定した平衡化MSカラム(Miltenyi Biotech, Germany)にロードした。MSカラムは、70%EtOH 1mlで1回、LB培地2mlで2回洗浄することによって平衡化した。
次いで、カラムをLB培地3mlで3回洗浄した。磁石を取り除いた後、細胞をLB培地2mlで洗浄することにより溶出した。LB培地3mlでカラムを洗浄した後、2mlの溶出液を再び同じカラムにロードし、洗浄および溶出のプロセスを繰り返した。3回目のローディング、洗浄および溶出のプロセスを行い、その結果、最終溶出液は2mlとなった。2回目の選択の後に選択された細胞を、50μg/mlカナマイシンを添加したLB-寒天プレートに播き、37℃で一晩増殖させた。
配列決定およびウェスタンブロット分析による、選択されたクローンの評価
ランダムに選択されたクローンを、50μg/mlカナマイシンを添加したLB培地3ml中で37℃で一晩増殖させて、標準的手順を用いてプラスミドDNAを調製した。配列決定はMWG(Germany)またはAgowa(Germany)で行った。
ウェスタンブロット分析のために、約10〜20μgの総細胞タンパク質を10%SDS-PAGEによって分離し、HybondCメンブレン(Amersham Pharmacia Biotech, England)にブロッティングした。LamB融合タンパク質またはFhuA融合タンパク質を、ヒト血清を一次抗体として約1:3,000〜1:5,000の希釈で用い、HRP結合抗ヒトIgG抗体を二次抗体として1:5,000の希釈で用いて検出した。検出はECL検出キット(Amersham Pharmacia Biotech, England)を用いて行った。または、融合タンパク質を検出するために、一次抗体としてウサギ抗FhuA抗体またはウサギ抗LamBポリクローナル免疫血清と、それぞれのHRP結合二次抗体を組み合わせて使用した。
結果
ビオチン化Igを用いた磁気活性化細胞ソーティング(MACS)による細菌表面ディスプレイライブラリーのスクリーニング
pMAL9.1中のライブラリーKPL50およびpHIE11中のKPF300を、非感染健常成人の血清から調製したビオチン化ヒトIgGプール(IC38、IC40、IC76、IC86、IC88、IC89、IC92、およびIC93)、ならびに急性肺炎桿菌感染症(敗血症)患者の血清から調製したビオチン化ヒトIgGプール(P3536.2、P3548、P3560、P3582、P3583、P3495.2、P3533.2、P3567およびP3576)を用いてスクリーニングした(実施例1:ヒト血清からの抗体の調製を参照されたい)。この選択手順は実験手順に記載のように行った。図3Aは、KPL50ライブラリーおよびPKp34-IgGを用いたスクリーニングの代表例を示す。MACSスクリーニングからの1回目の選択サイクル後のコロニー数から分かるように、最終的に回収された細胞の総数は、2.2x107細胞から約1.2x104細胞へと劇的に減少し、抗体を用いなかった選択では細胞数はさらに著しく減少した。このことは、選択が肺炎桿菌特異的抗体に依存したことを示している(図3A)。スクリーニングの性能を評価するために、20個の選択されたクローンをランダムに選び、スクリーニングPKp34-IgGプールを用いてイムノブロット分析に供した(図3B)。この分析により、選択されたクローンの大半は、関連する血清に存在する抗体と反応性を示すのに対して、肺炎桿菌特異的インサートを含まないFhuAを発現する対照株は同じ血清と反応しないことが明らかになった。一般的に、反応性の割合は15〜85%の範囲内にあることが観察された。コロニーPCR分析により、選択された全てのクローンは、予想されたサイズ範囲内のインサートを含有することが示された(データ示さず)。他の血清プールからのライブラリーを用いたスクリーニングにおいて、同様の結果が見られた。第2の例として、図3Cおよび3Dは、大きなインサートKPF300およびPKp35-IgG抗体プールを用いて得られたデータを示している。1回目のMACS選択によって、特異的IgGの存在下でのみ細胞は濃縮し、特異的IgGの非存在下では濃縮しなかった(図3C)。このことは、選択は、適用された抗体に特異的であったことを示している。次いで、この特異的選択は、同じPKp35-IgG抗体プールを用いた、個々の細菌クローンのウェスタンブロット分析において確かめられた(図3D)。
この後に、それぞれのスクリーニングから、ランダムに選ばれた多数のクローン(600〜800個)を配列決定することによって、スクリーニングに使用したヒト血清抗体により特異的に認識される遺伝子および対応するペプチド配列またはタンパク質配列が同定された。特異的クローンが選択される頻度は、このクローンによって提示されるエピトープを認識する、選択に用いられた血清中の特異的抗体の存在量および/または親和性を少なくとも部分的に反映している。表1は、実施された8回全てのスクリーニングについて得られたデータをまとめたものである。表1に示した全てのクローンは、シングルクローンからの全細胞抽出液を用いたイムノブロット分析によって、それぞれのスクリーニングにおいて使用したヒト血清プールと示された反応性を示すことが確証された。表1から分かるように、様々なサイズのタンパク質断片がプラットフォームタンパク質によって表面にディスプレイされるので、同定されたORFの別個の領域に免疫原性があると特定された。
さらに、細菌表面ディスプレイスクリーニングによって同定された遺伝子の多くが、細菌表面に取り付けられるタンパク質をコードすることは注目に値する。これは、表面に取り付けられるタンパク質が肺炎桿菌の毒性において役割を果たすと予想されることと一致する。
実施例5:肺炎桿菌から同定された免疫原性の高いタンパク質を用いた遺伝子分布研究
実験手順
PCRによる抗原の遺伝子分布
理想的なワクチン抗原とは、ワクチンの対象となる標的生物の全てまたは大多数の株に存在する抗原であろう。同定された肺炎桿菌抗原をコードする遺伝子が関連する株に遍在するかどうかを証明するために、一連の独立した細菌分離株に対して、関心対象の遺伝子に特異的なプライマーを用いてPCRを行った。プライマーとしてのオリゴヌクレオチド配列を、全ての同定されたORFについて、約1,000bpの産物を生じるように、可能であれば、全ての同定された免疫原性エピトープをカバーするように設計した。全ての肺炎桿菌株のゲノムDNAを実施例2に記載のように調製した。PCRはTaqポリメラーゼ(1U)、200nM dNTP、10pMolの各オリゴヌクレオチド、およびキットを製造業者の説明書に従って用いて(Invitrogen, The Netherlands)、反応体積25μlで行った。個々のプライマー対に条件を合わせなければならなかった場合を除いて、標準として、30サイクル(1x:5分95℃、30x:30秒95℃、30秒56℃、30秒72℃、1x4分72℃)を行った。
結果
免疫原性タンパク質をコードする同定された遺伝子を、46種類の肺炎桿菌株に存在するかどうかPCRによって試験した(表3)。95個の遺伝子を全て一緒に分析した。40%(38/95)が>90%の株(>41/46)において検出されたのに対して、25%(24/95)が>75%の株(<35/46)において見られず、従って、十分に保存されていないと分類された。一例として、図4は、示された46種類全ての株を用いた肺炎桿菌KPORF-54抗原に対するPCR反応を示している。はっきりと目に見えるように、この遺伝子は、分析した全ての株に存在している。選択された抗原に関する全ての結果を表3にまとめた。重要なことに、同定された抗原の80%が、分析した肺炎桿菌株の中で、少なくとも、遺伝子特異的PCR産物の存在およびサイズの点で良好に保存されており、従って、ワクチン候補の可能性を評価するさらなる研究のために選択された。
実施例6:ペプチドELISAによる肺炎桿菌由来ペプチドのバリデーション
酵素結合免疫測定法(ELISA)
ELISAプレート(Maxisorb, Millipore)を、コーティング緩衝液(0.1M炭酸ナトリウムpH9.2)で希釈した5〜10μg/ml総タンパク質でコーティングした。2種類の血清希釈液(400xおよび2,000x)をPBS-BSAに溶解して作製した。高度に特異的な西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)結合抗ヒトIgG二次抗体(Southern Biotech)を、製造業者の推奨(希釈:1,000x)に従って使用した。抗原-抗体複合体は、自動ELISAリーダー(TECAN SUNRISE)によるOD405nm測定値に基づいて、基質(ABTS)から着色生成物への変換を測定することによって定量した。400x希釈での測定値は、表4に示した結果の計算に使用した。
結果
ヒトにおける免疫原性
表4にまとめたように、ヒト血清中に特異的抗体が存在するかどうかをペプチドELISAによって決定された。この分析に使用したヒト血清は、細菌表面ディスプレイスクリーニングによる抗原の同定に適用した様々な血清プールに含めた血清に対応する。肺炎桿菌MGH78578からの個々の抗原からの1つまたは複数のペプチドを分析し、これらの多くがヒトにおいて免疫原性があることが示された。選択されたペプチドの中には、調べられたヒト血清の多くまたは全てと高度に反応するものもあれば(例えば、ORF-26.01またはORF-81.01)、中間のまたは低い反応性を示すものもあったことは明らかである。選択されたエピトープが30個を上回るアミノ酸を含む抗原の場合、5〜6個のアミノ酸が重複する複数のペプチドを設計した。抗原の一部について、同じ抗原に由来する、これらの複数のペプチドが異なる反応性を示すことが観察された。このことは、それぞれの抗原(例えば、KPORF-27またはKPORF-42)の免疫原領域をさらに示している。これらの実験によって、同定されたエピトープ/タンパク質の多くがヒトにおいて高い免疫原性をもつことが確かめられ、これらが、感染中に病原体によって発現され、強力な免疫応答を誘導できることを示している。
実施例7:大腸菌表面上にディスプレイされた、肺炎桿菌に由来する免疫原性の高いタンパク質/ペプチドで免疫化されたマウスから得られた免疫血清の、肺炎桿菌の表面への結合
実験手順
FACS分析
肺炎桿菌A5054株およびフライドランダー204株を、グリセロールストックからTHB培地5mlに接種し、37℃で一晩インキュベートした。200μlを新鮮なTHB培地10mlに添加することによって、一晩培養したものを再接種し、OD600が約0.6(約5x108細胞/ml)に達するまでインキュベートした。細菌を、4,000rpm、5分間の遠心分離によってペレット化し、HBSS 2mlで2回洗浄した。細胞密度が5x106細胞/mlとなるように、最後のペレットを、0.5%BSAを含むHBSSに再懸濁した。細菌100μlに、免疫血清5μlを添加し、氷上で45分間インキュベートした。細菌を、1,000gで4分間の遠心分離によってペレット化し、0.5%BSAを含むHBSS 1mlで1回洗浄し、0.5%BSAを含むHBSS 100μlに再懸濁した。オプソニン化細菌には、結合型抗マウス抗体を、製造業者の推奨に従う希釈(100μlに希釈)で添加した。二次染色を氷上で45分間、暗所で行った。インキュベーションの終わりに、試料を5,000rpmで3分間遠心分離し、HBSS 1mlで洗浄し、HBSS-2%パラホルムアルデヒド1mlに再懸濁した。試料をボルテックスし、一晩固定し、フローサイトメトリーで分析した。
結果
肺炎桿菌細胞の表面への結合
肺炎桿菌A5054上およびフライドランダー204上にある表面タンパク質を認識する抗体が存在するかどうかをFACS分析において試験した。表5にまとめたように、異なる血清によって表される103個の抗原のうち、36個がFACS分析において緩衝液対照と比較して有意な変化を示した。これらのインビトロ実験から、インビトロで培養した肺炎桿菌細胞において、これらの36個の抗原は表面上に発現されたことが分かる。一例として、図5は、肺炎桿菌KPORF-28、KPORF-82およびKPORF-02抗原のFACS染色を示す。これらは、それぞれ、カテゴリー「+」、「++」および「+++」を代表する。
実施例8:抗原は、肺炎桿菌により誘導される致死性敗血症に対する防御免疫応答を誘導する
実験手順
組換え肺炎桿菌タンパク質の発現および精製
遺伝子/DNA断片のクローニング:
関心対象の遺伝子/DNA断片を、肺炎桿菌MGH78578のゲノムDNAから遺伝子特異的プライマーを用いてPCR増幅した。遺伝子特異的部分に加えて、プライマーには、増幅されたPCR産物のディレクショナルクローニングを助ける制限部位があった。プライマーの遺伝子アニーリング(特異的)部分は15〜30塩基長であった。得られたPCR産物を適切な制限酵素で消化し、Hisタグ化タンパク質用のpET28b(+)ベクター(Novagen)にクローニングした。組換えプラスミドが関心対象の遺伝子を含有すると確かめられたら、発現宿主として役立つ大腸菌BL21-CodonPlus(登録商標)細胞(Stratagene)を形質転換した。インサートを配列決定した。遺伝子特異的断片のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列を、それぞれの配列識別番号(SEQ ID NO:DNA、タンパク質):KPORF-02.1:1、188;KPORF-13.1:2、189;KPORF-20.1:3、190;KPORF-21.1:4、191;KPORF-32.1:375、376;KPORF-37.1:5、192;KPORF-37.2:6、193;KPORF-38.2:7、194;KPORF-39.1:8、195;KPORF-44.1:9、196;KPORF-49.1:10、197;KPORF-60.1:11、198;KPORF-64.1:12、199;KPORF-65.1:13、200;KPORF-66.1:14、201;KPORF-78.1:15、202;KPORF-82.1:16、203(表16も参照されたい)を付けて列挙した。
タンパク質の発現および精製
えり抜きの組換えプラスミドを有する大腸菌BL21-CodonPlus(登録商標)細胞を、必要とされる培養体積中で対数期まで増殖させた。OD600nmが0.6になったら、培養物を0.5mM IPTGと共に37℃で3時間インキュベートした。細胞を遠心分離により採取し、凍結融解法とそれに続く‘Bug-buster(登録商標)(Novagen)を用いた細胞破壊の組み合わせによって溶解した。溶解産物を、遠心分離によって可溶性画分(上清)および不溶性画分(ペレット)に分離した。タンパク質の位置に応じて、異なる精製戦略を適用した。A)Hisタグ化タンパク質が可溶性画分にあれば、タンパク質精製は、上清をNi-Sepharoseビーズ(Ni-Sepharose(商標)6 Fast Flow, GE Healthcare)に結合させることによって行った。発現タンパク質のC末端にヘキサヒスチジン(6xHIS)が存在するために、発現タンパク質はNi-Sepharoseに結合するが、他の汚染タンパク質は洗浄緩衝液によってカラムから洗浄される。20mM NaH2PO4、0.5mM NaClに溶解した500mMイミダゾール緩衝液pH7.4によって、タンパク質を溶出した。溶出液を濃縮し、タンパク質濃度についてBradfordによってアッセイし、SDS-PAGEおよびウェスタンブロットによってチェックした。B)タンパク質が不溶性画分に存在すれば、8M尿素を含有する適切な緩衝液中でペレットを可溶化し、前記と同じ材料および手順を用いて変性条件下で(8M尿素含有緩衝液中で)Ni-NTAカラムにアプライした。尿素を含まない洗浄緩衝液によって汚染タンパク質をカラムから洗浄した。タンパク質をNi-NTAマトリックス上に固定化したままで、Hisタグ化タンパク質のリフォールディングを行った。再生後、500mMイミダゾールを添加することによってタンパク質を溶出した。微量の尿素を除去するために溶出液を透析し、体積が多ければ濃縮し、SDS-PAGEによってチェックし、Bradford法によって測定した。
動物防御研究
動物:
CD-1雌マウス(6〜8週)を使用した。
能動免疫(皮下経路):
表16に列挙した組換えタンパク質50μgと、アジュバントとしてフロイント完全アジュバント(CFA)、ミョウバン、またはIC31(登録商標)を用いて、CD-1マウスに皮下注射した。14日目および28日目に、(CFAでななくフロイント不完全アジュバント(IFA)を使用した以外は)同量のタンパク質およびアジュバントを用いて、マウスを追加免疫した。肺炎桿菌B5055溶解産物で免疫化したマウスは正の対照として役立ったのに対して、PBSとアジュバントのみで免疫化したマウスは負の対照として役立った。それぞれの組換えタンパク質を用いたELISAによって35日目に抗体価を測定した。
受動免疫(腹腔内経路):
IP細菌抗原暴露の1〜3時間前に、表16に列挙した個々の肺炎桿菌組換えタンパク質抗原に対して産生された過免疫ウサギ血清150μlをCD-1マウスに腹腔内(IP)注射した。免疫化に使用した血清の抗体価を、それぞれの組換えタンパク質を用いて測定した。
細菌抗原暴露:
直前に増殖させた肺炎桿菌B5055株を使用した。細菌接種材料に存在する生細胞数を求めるために、接種材料の希釈液を血液寒天プレート上にプレートすることによって、CFUを求めた。103CFUを腹腔内に適用した。免疫化により付与される防御は、抗原暴露後2週間、生存率を追跡する菌血症/敗血症モデルを用いて測定した。生存率は、動物の総数(10マウス/群)のパーセントとして表した。
結果
能動免疫実験
ヒトにおける予防的ワクチンの主な標的適応症の1つは敗血症であるので、候補抗原を評価するために腹腔内抗原暴露モデルを使用し、このマウス敗血症/致死モデルにおいて防御を示すかどうかについて、前もって選択した肺炎桿菌抗原を試験した。これまでに、腹腔内抗原暴露モデルにおいて、2つの別個のタンパク質について防御が観察されている。肺炎桿菌抗原暴露に対する防御は抗体により媒介されるので、最高レベルの抗体を得るために、アジュバントとしてCFA/IFAを用いて、免疫化を行った。図6Aおよび図6B/Cに図示した2つの独立した実験において分かるように、タンパク質KPORF-21.1およびKPORF-60.1は100%の防御を示し、KPORF-38.2およびKPORF-39.1は、それぞれ、90%および60%の防御を示した。これらの抗原は、肺炎桿菌感染症を防ぐことが以前に示されていない。
9個のORFについて部分的な防御が観察された。KPORF-02.1(30%)、KPORF-13.1(40%)、KPORF-20.1(40%)、KPORF-37.1(20%)、KPORF-37.2(20%)、KPORF-44.1(30%)、KPORF-64.1(40%)、KPORF-65.1(50%)、およびKPORF-66.1(40%)(図6A、B、およびC)。
組換えタンパク質KPORF-13.1およびKPORF-37.1を同じモデルにおいて再試験した。1つの実験では、肺炎桿菌IP抗原暴露に対して、KPORF-13.1による免疫化は70%の防御を示し、KPORF-37.1による免疫化は50%の防御を示した(図6D)。
さらに、もう2つの組換えタンパク質、KPORF-32.1およびKPORF-39.1-IB(タンパク質はKPORF-39.1と同じであるが、封入体(inclusion body)として免疫化した)を同じモデルにおいて試験した。これらは、それぞれ、50%および40%の防御レベルを示した(図6E)。正の対照である肺炎桿菌B5055溶解産物による免疫化は、全ての実験において一貫して100%の防御を示した。
前記の実験セットにおいて、CFA/IFAをアジュバントとして用いた時に防御を証明した8つの組換え肺炎桿菌タンパク質を、アジュバントとしてミョウバンまたはIC31(商標登録)を用いた能動免疫実験において再試験した。アジュバントとしてミョウバンを用いた3つの独立した実験では、KPORF-13.1およびKPORF-21.1は、それぞれ、60%(図7A)、50%、および40%の防御を示した。KPORF-32.1は、それぞれ、80%(図7A)、75%、および70%の防御を示した。3つの独立した実験において、KPORF-39.1-IBは100%の防御を示した(図7B、1回の実験を示した)。3つの独立した実験において一貫して、KPORF-37.1は40%の防御(図7A)、KPORF-38.2は60%(図7B)、KPORF-65.1は50%(図7B)の防御を示した(1回の実験を示した)。3つの独立した実験において、KPORF-60.1は、67%(図7B)、58%、および50%の防御を示した。
アジュバントとしてIC31(登録商標)を用いた3つの独立した実験において、タンパク質KPORF-13.1は、それぞれ、40%(図8A)、35%、および30%の防御を示した。KPORF-21.1は、60%(図8B)、55%、および50%の防御を示した。KPORF-32.1による免疫化は、22%(図8B)、16%、および10%の生存しかもたらさなかった。KPORF-37.1は、3つの独立した実験において、30%の防御(図8B、1回の実験を示した)を示した。KPORF-38.2は、3つの独立した実験において、60%(図8A)、55%、および50%の防御を示した。KPORF-39.1-IBは、それぞれ、50%(図8A)、40%、および30%の防御を示した。KPORF-60.1は、それぞれ、63%(図8A)、59%、および56%の防御を示した。KPORF-65.1による免疫化は、それぞれ、50%(図8B)、35%、および20%の生存をもたらした。
受動免疫実験
肺炎桿菌B5055溶解産物、PBS、および能動免疫実験において防御を証明した8つの個々の組換え肺炎桿菌タンパク質;KPORF-13.1、KPORF-21.1、KPORF-32.1、KPORF-37.1、KPORF-38.2、KPORF-39.1、KPORF-60.1、およびKPORF-65.1に対して個々に、過免疫ウサギ血清を産生した。1回の実験において、肺炎桿菌抗原暴露に対して、KPORF-60.1血清によるマウスの受動免疫は60%の防御を示し(図9A)、KPORF-37.1血清による免疫化は40%の防御を示した(図9B)。肺炎桿菌B5055溶解産物血清で免疫化した全てのマウスにおいて100%の防御が観察された。PBS血清で免疫化したマウスでは生存は観察されなかった(図9Aおよび9B)。KPORF-32.1血清で免疫化したマウスでは20%の生存が観察された(図9B)。他の5つのタンパク質KPORF-13.1、KPORF-21.1、KPORF-38.2、KPORF-60.1(図9A)、KPORF-65.1(図9B)に対して産生された血清で免疫化したマウスでは、防御は観察されなかった。
これらの抗原は、肺炎桿菌感染症を防ぐことが以前に示されていない。
実施例9:クレブシエラ属抗原の遺伝子保存
クレブシエラ属の種のゲノムDNAの調製
DIFCO0001 培地7mlを、凍結穿針培養からのクレブシエラ属の種のそれぞれの株に接種し、振盪することなく37℃一晩増殖させた。次いで、培養物2mlを、Biofuge fresco(Heraeus)の中で13,000rpmで5分間遠心分離することによって採取し、上清を除去した。Wizard(登録商標)ゲノムDNA精製キット(Promega)のプロトコールに従って、DNAを細菌細胞ペレットから単離した。最後に、DNAペレットを風乾し、ddH2O 70μlに溶解した。
クレブシエラ属の種の抗原のPCR増幅
関心対象の遺伝子に特異的なプライマーを用いて、一連の独立したクレブシエラ属の種の分離株に対してPCRを行った(表6)。8個の抗原候補について、プライマーとしてのオリゴヌクレオチド配列を、公的なプログラムであるPrimer3(http://frodo.wi.mit.edu/cgi-bin/primer3/primer3_www_slow.cgi)を用いて設計したか、または手作業で選択した。遺伝子全体を増幅できるようにするために、PCRプライマーとしてのオリゴヌクレオチド配列を、選択した抗原について設計した。クレブシエラ属の種の全ての株のゲノムDNAを前記のように調製した。PCRは、Taqポリメラーゼ(1U)、200nM dNTP、10pMolの各オリゴヌクレオチド、約10〜20ngのDNA、およびキットを製造業者の説明書(Invitrogen, The Netherlands)に従って用いて、30μlの反応体積で行った。個々のプライマー対に条件を合わせなければならなかった場合を除いて、標準として、30サイクル(1x:5分95℃、30x:30秒95℃、30秒52℃、90秒72℃、1x:4分72℃)を行った。PCR増幅はBiometra T3 Thermocyclerで行った。1回目の増幅におけるネガティブなPCR反応は全て、最適化条件を適用することによって繰り返した。その後に、DNA断片を1%アガロースゲル上での電気泳動によって視覚化し、EtBr染色した。
クレブシエラ属の種の遺伝子の配列分析
クレブシエラ属の種の多様な株からの抗原の配列を決定するために、前記のように、関心対象の遺伝子に特異的なプライマーを用いてPCRを行った。これらの分析に使用したクレブシエラ属の種の株を表6に示した。配列決定は、専用のプライマーと、テンプレートとしてPCR産物を用いて行った。オリゴヌクレオチドの配列を表7に列挙した。クレブシエラ属の種の全ての株のゲノムDNAを前記のように調製した。個々のプライマー対に条件を合わせなければならなかった場合を除いて、PCRは、前記のように30μlの反応体積で行った。PCR試料を、表7に列挙したオリゴヌクレオチドを用いて配列決定した。配列決定はAgowa(Berlin, Germany)で行った。
結果
選択された肺炎桿菌抗原は高度に保存されている
8個の選択された遺伝子のPCRおよび配列決定を方法に記載のように行った。表6は、配列決定に使用した株を示しているのに対して、表7は、PCRおよび配列決定分析に使用したオリゴヌクレオチドを列挙している。KPORF-21を除く、8個の遺伝子のうち7個は分析された全ての株において約93%より大きなレベルの配列同一性を示している。KPORF-21は、少なくとも、83%のレベルの同一性である。個々の遺伝子の詳細な分析を以下で別個に説明する。
KPORF-13の配列分析
39の株から配列を得た。アミノ酸配列同一性のレベルは、肺炎桿菌MGH78578からのKPORF-13の参照配列と比較して95.8%〜100%であった。表8は、肺炎桿菌MGH78578からのKPORF-13と比較して別個のアミノ酸を示した43個全てのアミノ酸位置を列挙している。
KPORF-21の配列分析
49の株から配列を得た。アミノ酸配列同一性のレベルは、肺炎桿菌MGH78578からのKPORF-21の配列と比較して83.3%〜100%であった。表9は、肺炎桿菌MGH78578からのKPORF-21と比較して別個のアミノ酸を示した43個全てのアミノ酸位置を列挙している。
KPORF-32の配列分析
40の株から配列を得た。アミノ酸配列同一性のレベルは、肺炎桿菌MGH78578からのKPORF-32の配列と比較して92.7%〜99.5%であった。表10は、肺炎桿菌MGH78578からのKPORF-32と比較して別個のアミノ酸を示した69個全てのアミノ酸位置を列挙している。
KPORF-37の配列分析
39の株から配列を得た。アミノ酸配列同一性のレベルは、肺炎桿菌MGH78578からのKPORF-37の配列と比較して99.4%〜100%であった。表11は、肺炎桿菌MGH78578からのKPORF-37と比較して別個のアミノ酸を示した20個全てのアミノ酸位置を列挙している。
KPORF-38の配列分析
C末端に極めて近い部分をコードするヌクレオチド配列は今までに首尾よく増幅されていないので、38の株から部分配列を得た(表12)。アミノ酸配列同一性のレベルは、肺炎桿菌MGH78578からのKPORF-38の配列と比較して98.2%〜99.9%であった。クレブシエラ属の種のi252/94株およびクレブシエラ属の種の708株から得られたKPORF-38部分配列を除き、分析した全ての配列は、肺炎桿菌MGH78578からのKPORF-38のKPORF-38.2(アミノ酸範囲582-1099)断片を含む対応アミノ酸配列を含んでいる。
KPORF-39の配列分析
50の株から配列を得た。アミノ酸配列同一性のレベルは、肺炎桿菌MGH78578からのKPORF-39の配列と比較して93.1%〜100%であった。表13は、肺炎桿菌MGH78578からのKPORF-39と比較して別個のアミノ酸を示した29個全てのアミノ酸位置を列挙している。
KPORF-60の配列分析
50の株から配列を得た。アミノ酸配列同一性のレベルは、肺炎桿菌MGH78578からのKPORF-60の配列と比較して94.4%〜100%であった。表14は、肺炎桿菌MGH78578からのKPORF-60と比較して別個のアミノ酸を示した14個全てのアミノ酸位置を列挙している。
KPORF-65の配列分析
48の株から配列を得た。アミノ酸配列同一性のレベルは、肺炎桿菌MGH78578からのKPORF-65の配列と比較して98.3%〜100%であった。表15は、肺炎桿菌MGH78578からのKPORF-65と比較して別個のアミノ酸を示した27個全てのアミノ酸位置を列挙している。
参考文献
本明細書において省略されたバージョンで列挙された以下の参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。
Figure 2010532657
Figure 2010532657
明細書、特許請求の範囲、および/または図面に開示される本発明の特徴は別々に、かつその任意の組み合わせで、本発明を様々な形で実現するのに重要であり得る。

Claims (63)

  1. 抗原またはその断片をコードする単離された核酸分子であって、
    以下からなる群より選択される、核酸配列を含む単離された核酸分子:
    a)SEQ ID NO:1〜187およびSEQ ID NO:375を含む群より選択されるヌクレオチド配列を有する核酸分子と少なくとも70%の配列同一性を有する核酸分子、
    b)a)の核酸分子に相補的な核酸分子、
    c)a)またはb)の核酸分子の少なくとも15個の連続した塩基を含む核酸分子、
    d)ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、a)、b)、またはc)の核酸分子にアニーリングする核酸分子、
    e)遺伝暗号の縮重がなければ、a)、b)、c)またはd)において定義された核酸分子にハイブリダイズする核酸分子。
  2. SEQ ID NO:1〜187またはSEQ ID NO:375との配列同一性が、少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%、96%、97%、98%、もしくは99%、または最も好ましくは100%である、請求項1記載の単離された核酸分子。
  3. DNAである、請求項1または2のいずれか一項記載の核酸分子。
  4. RNAである、請求項1または2のいずれか一項記載の核酸分子。
  5. ゲノムDNA、好ましくはクレブシエラ(Klebsiella)属の種に由来する、より好ましくは3つの亜種ニューモニエ(pneumoniae)、オゼネ(ozaenae)、およびリノスクレロマチス(rhinoscleromatis)を含む肺炎桿菌(K. pneumoniae)、K.オキシトカ(K.oxytoca)、K.プランチコラ(K.planticola)、K.テリゲナ(K.terrigena)、ならびにK.オルニチノリティカ(K.ornithinolytica)を含む群より選択される種に由来する、より好ましくは肺炎桿菌またはK.オキシトカに由来するゲノムDNAから単離された、請求項1〜3のいずれか一項記載の単離された核酸分子。
  6. 断片が、その活性断片または活性変種である、請求項1〜5のいずれか一項記載の核酸。
  7. 抗原またはその断片が、クレブシエラ属に由来する、好ましくは3つの亜種ニューモニエ、オゼネ、およびリノスクレロマチスを含む肺炎桿菌、K.オキシトカ、K.プランチコラ、K.テリゲナ、ならびにK.オルニチノリティカ、より好ましくは肺炎桿菌またはK.オキシトカに由来するポリペプチドもしくはペプチド断片を含むか、またはこのようなポリペプチドもしくはペプチド断片からなる、請求項1〜6のいずれか一項記載の核酸。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項記載の核酸分子を含む、ベクター。
  9. 請求項1〜7のいずれか一項において定義された核酸分子によってコードされる抗原またはその断片を組換え発現するように適合された、請求項8記載のベクター。
  10. 請求項8または9において定義されたベクターを含む、宿主細胞。
  11. クレブシエラ属に感染しているヒトに由来するまたはクレブシエラ属に以前に感染したことのある非感染健常ヒトに由来する血清と免疫学的に反応する抗原であって、
    クレブシエラ属に由来する、好ましくは3つの亜種ニューモニエ、オゼネ、およびリノスクレロマチスを含む肺炎桿菌、K.オキシトカ、K.プランチコラ、K.テリゲナ、ならびにK.オルニチノリティカに由来する、より好ましくは肺炎桿菌またはK.オキシトカに由来する単離されたポリペプチドまたはその活性断片もしくは活性変種を含む、抗原。
  12. SEQ ID NO:188〜374、SEQ ID NO:376からなる群より選択される単離されたポリペプチドまたはその活性断片もしくは活性変種を含むか、あるいはこのような単離されたポリペプチドまたはその活性断片もしくは活性変種からなる、抗原。
  13. ポリペプチドが、請求項1〜7のいずれか一項において定義された核酸分子によってコードされる、請求項11または12記載の抗原。
  14. 抗原の活性断片が、前記ポリペプチドの、特に、SEQ ID NO:188〜374またはSEQ ID NO:376のいずれかによって定義されるポリペプチドの、少なくとも50%、特に少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%、96%、97%、または98%、最も好ましくは99%からなる、請求項11〜13のいずれか一項記載の抗原。
  15. 抗原の活性変種が、前記ポリペプチドと、特に、SEQ ID NO:188〜374またはSEQ ID NO:376のいずれかによって定義されるポリペプチドと、少なくとも50%、特に少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%、96%、97%、または98%、最も好ましくは99%の配列同一性を有する、請求項11〜14のいずれか一項記載の抗原。
  16. 抗原の活性断片が、SEQ ID NO:205のアミノ酸2-130;SEQ ID NO:216のアミノ酸26-356;SEQ ID NO:223のアミノ酸2-180;SEQ ID NO:224のアミノ酸1-168;SEQ ID NO:235のアミノ酸23-397;SEQ ID NO:240のアミノ酸2-420および414-847;SEQ ID NO:241のアミノ酸582-1099;SEQ ID NO:242のアミノ酸1-245;SEQ ID NO:247のアミノ酸24-703;SEQ ID NO:252のアミノ酸23-328;SEQ ID NO:263のアミノ酸23-248;SEQ ID NO:267のアミノ酸2-335;SEQ ID NO:268のアミノ酸38-633;SEQ ID NO:269のアミノ酸26-742;SEQ ID NO:281のアミノ酸26-429;またはSEQ ID NO:285のアミノ酸1-632を含むか、またはこのようなアミノ酸からなる、請求項14記載の抗原。
  17. 抗原の活性変種が、SEQ ID NO:205のアミノ酸2-130;SEQ ID NO:216のアミノ酸26-356;SEQ ID NO:223のアミノ酸2-180;SEQ ID NO:224のアミノ酸1-168;SEQ ID NO:235のアミノ酸23-397;SEQ ID NO:240のアミノ酸2-420および414-847;SEQ ID NO:241のアミノ酸582-1099;SEQ ID NO:242のアミノ酸1-245;SEQ ID NO:247のアミノ酸24-703;SEQ ID NO:252のアミノ酸23-328;SEQ ID NO:263のアミノ酸23-248;SEQ ID NO:267のアミノ酸2-335;SEQ ID NO:268のアミノ酸38-633;SEQ ID NO:269のアミノ酸26-742;SEQ ID NO:281のアミノ酸26-429;またはSEQ ID NO:285のアミノ酸1-632と、少なくとも50%、特に少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%、96%、97%、または98%、最も好ましくは99%の配列同一性を有する、請求項15記載の抗原。
  18. 抗原の活性変種が、肺炎桿菌の異なる血清型の相同配列に由来し、
    特に、該血清型が、K1、K2、K3、K10、K21、K22、K30、K55、K64、O1、O2a、O3、O4、O5、もしくはO12、または該Kの血清型と該Oの血清型との任意の組み合わせである、
    請求項11〜17のいずれか一項記載の抗原。
  19. 活性変種がSEQ ID NO:413〜765からなる群より選択される、請求項11〜18のいずれか一項記載の抗原。
  20. a) SEQ ID NO:240のアミノ酸2-420もしくは414-847を含む抗原の活性断片またはSEQ ID NO:240のアミノ酸2-420もしくは414-847からなる抗原の活性断片に対する、あるいはSEQ ID NO:240のアミノ酸2-420もしくは414-847に由来する抗原の活性変種に対する、1〜400個のさらなるアミノ酸残基、好ましくは、1〜350個、1〜300個、1〜250個、または1〜200個、より好ましくは、1〜150個、さらにより好ましくは、多くとも1〜100個、さらにより好ましくは、多くとも1〜50個、最も好ましくは、1個、2個、3個、4個、5個、10個、20個、30個、または40個のさらなるアミノ酸残基、あるいは
    b)SEQ ID NO:241のアミノ酸582-1099を含む抗原の活性断片もしくはSEQ ID NO:241のアミノ酸582-1099からなる抗原の活性断片に対する、またはSEQ ID NO:241のアミノ酸582-1099に由来する抗原の活性断片に対する、1〜1100個のさらなるアミノ酸残基、好ましくは、1〜1000個、1〜900個、1〜800個、1〜700個、1〜600個、1〜500個、1〜400個、もしくは1〜300個、より好ましくは、1〜200個、さらにより好ましくは、多くとも1〜100個、さらにより好ましくは、多くとも1〜50個、最も好ましくは、1個、2個、3個、4個、5個、10個、20個、30個、または40個のさらなるアミノ酸残基
    によってさらに定義される、請求項16〜19のいずれか一項記載の抗原。
  21. 抗原と非相同の少なくとも1個のアミノ酸残基、好ましくはマーカータンパク質をさらに含むか、またはこのような少なくとも1個のアミノ酸残基からさらになる、請求項11〜20のいずれか一項記載の抗原。
  22. さらなるアミノ酸残基が、抗原のN末端に隣接するか、抗原のC末端に隣接するか、または抗原のN末端とC末端とに隣接する、請求項20または21記載の抗原。
  23. さらなるアミノ酸残基が、
    a)SEQ ID NO:240のアミノ酸2-420もしくはそのC末端に由来する変種、
    b)SEQ ID NO:240のアミノ酸414-847もしくはそのN末端に由来する変種、または
    c)SEQ ID NO:241のアミノ酸582-1099もしくはそのN末端およびC末端に由来する変種
    によって定義される抗原に隣接する、請求項20〜22のいずれか一項記載の抗原。
  24. リーダー配列もしくは分泌配列、精製に用いられる配列、またはプロタンパク質配列のいずれかの配列をさらに含むか、あるいはこのようないずれかの配列からさらになる、請求項11〜23のいずれか一項記載の抗原。
  25. 少なくとも1つのコアアミノ酸配列が、表1の「推定された免疫原性アミノ酸」もしくは「特定された免疫原領域の位置」の列において示されるか、または表4の「aaから」および「aaまで」の列によって定義されるか、または表5の「タンパク質内の位置(aa)」の列において示され、
    より好ましくは、該コアアミノ酸配列が、以下:SEQ ID NO:204のアミノ酸11-27、35-47、68-107、113-122、124-136、140-146、152-164、168-174、183-201、211-218、228-243、246-253、および180-226;SEQ ID NO:205のアミノ酸13-31、48-59、69-91、109-115、121-127、および46-105;SEQ ID NO:206のアミノ酸12-44、49-95、102-145、148-178、184-229、233-244、249-273、292-299、304-329、334-348、354-365、367-385、394-426、428-440、444-487、503-527、531-539、546-554、556-584、および273-286;SEQ ID NO:207のアミノ酸7-17、22-32、34-41、55-77、79-86、93-111、118-126、131-148、152-162、165-177、183-197、213-220、234-250、253-262、267-294、および211-269;SEQ ID NO:208のアミノ酸22-29、41-56、58-66、79-88、94-121、124-131、134-157、162-171、173-180、189-197、201-214、216-224、242-254、257-270、282-287、290-302、309-315、320-325、341-355、362-368、372-378、および1-48;SEQ ID NO:209のアミノ酸5-15、18-35、48-61、65-71、112-119、138-154、157-169、179-208、214-223、226-232、243-250、256-262、277-286、289-296、338-348、352-363、370-376、385-408、420-436、443-454、462-483、498-561、563-592、600-642、661-671、673-709、714-733、748-754、771-776、798-806、808-821、823-839、および31-83;SEQ ID NO:210のアミノ酸5-14、21-26、31-41、59-77、101-115、132-145、147-156、180-185、188-197、および97-158;SEQ ID NO:211のアミノ酸6-18、23-43、45-56、69-80、87-97、112-123、135-151、164-171、178-193、200-227、249-258、262-274、279-291、302-308、322-327、329-336、351-363、366-373、384-399、403-411、415-434、440-446、461-482、488-506、510-516、518-551、574-589、607-629、634-665、667-687、694-712、725-739、743-751、753-768、および521-583;SEQ ID NO:212のアミノ酸4-13、19-44、55-63、71-82、89-110、120-130、132-138、145-161、168-182、189-258、261-272、278-288、290-301、および11-76;SEQ ID NO:213のアミノ酸4-22、43-56、63-68、81-90、93-99、139-148、155-160、170-176、189-195、207-218、227-232、241-249、251-258、260-266、277-295、300-327、329-336、340-356、384-390、418-423、427-433、438-444、および383-428;SEQ ID NO:214のアミノ酸10-18、32-37、45-55、60-69、77-83、89-95、120-125、133-170、172-185、193-211、214-223、232-249、255-275、277-303、305-310、320-328、334-341、347-353、355-369、380-386、389-395、および71-85;SEQ ID NO:215のアミノ酸4-23、27-35、67-73、80-103、117-126、132-138、140-159、162-171、180-194、198-208、211-218、228-234、239-253、262-270、272-291、296-305、および39-110;SEQ ID NO:216のアミノ酸13-24、27-34、37-66、69-88、99-104、149-155、164-175、184-193、199-209、227-235、264-273、276-285、288-315、323-335、346-353、56-111、および199-261;SEQ ID NO:217のアミノ酸11-22、25-48、51-60、64-72、80-96、108-122、132-137、142-150、152-167、175-199、214-229、237-244、252-258、260-266、279-287、301-340、345-350、および109-153;SEQ ID NO:218のアミノ酸37-43、50-57、65-82、87-109、123-129、141-150、152-157、166-172、179-203、209-241、249-284、290-300、308-326、329-335、345-357、359-368、379-386、390-417、420-425、438-444、461-466、473-490、497-505、524-534、541-550、586-597、608-614、622-632、660-666、679-694、696-706、708-722、725-731、737-763、784-789、810-825、837-854、857-880、882-895、901-907、911-928、14-76、および176-220;SEQ ID NO:219のアミノ酸9-16、38-52、61-86、93-100、110-117、123-132、138-145、151-169、172-181、186-202、208-225、227-253、264-275、289-295、320-329、335-342、および113-193;SEQ ID NO:220のアミノ酸11-18、24-30、42-49、53-63、69-80、87-93、95-103、144-171、173-185、193-200、202-208、215-221、242-261、266-273、277-286、290-299、322-328、338-351、354-377、391-409、441-451、461-466、499-515、521-527、562-569、621-629、647-663、676-682、694-701、703-713、725-731、735-744、755-764、793-800、および490-547;SEQ ID NO:221のアミノ酸4-11、14-22、38-70、81-90、97-114、118-132、147-171、173-181、187-202、244-250、252-298、301-311、313-331、342-368、410-418、446-451、456-462、468-474、476-492、499-507、519-528、552-565、568-575、584-613、618-624、626-649、および417-489;SEQ ID NO:222のアミノ酸4-9、32-53、66-72、74-90、97-104、110-130、133-139、144-152、166-177、203-213、215-241、256-275、291-304、307-316、321-326、334-345、352-367、および201-255;SEQ ID NO:223のアミノ酸13-19、26-43、66-72、80-85、95-101、109-125、131-137、および25-107;SEQ ID NO:224のアミノ酸13-24、35-43、50-56、58-68、77-83、104-110、117-125、132-138、140-153、および19-66;SEQ ID NO:225のアミノ酸15-31、37-42、47-54、68-87、89-96、107-117、121-127、131-137、145-151、176-182、220-226、232-246、250-257、291-300、317-325、328-333、337-359、368-393、403-428、460-478、480-493、500-506、511-516、519-526、528-559、565-572、584-595、597-605、608-613、626-648、679-684、687-693、703-714、718-735、742-750、757-765、768-788、793-799、813-819、823-829、839-850、および576-623;SEQ ID NO:226のアミノ酸10-35、37-60、63-76、79-86、88-97、108-113、118-126、128-134、138-145、153-159、168-188、194-208、211-243、255-260、270-276、285-301、307-346、348-367、および275-339;SEQ ID NO:227のアミノ酸4-17、21-33、35-42、47-64、72-80、85-92、98-103、125-147、151-161、165-177、183-230、232-246、256-262、284-306、310-328、331-367、369-383、392-399、および32-85;SEQ ID NO:228のアミノ酸5-11、18-27、42-52、60-65、75-84、90-102、107-116、125-178、184-206、221-233、235-242、249-257、264-277、288-317、および267-313;SEQ ID NO:229のアミノ酸5-11、14-42、50-75、79-86、89-98、120-125、152-160、166-181、185-193、200-207、および85-114;SEQ ID NO:230のアミノ酸4-30、36-43、46-55、63-111、144-152、159-168、179-189、191-200、205-213、および37-109;SEQ ID NO:231のアミノ酸20-45、57-77、80-100、119-126、131-137、143-169、179-185、195-203、207-231、235-264、282-302、320-329、341-347、353-359、361-373、および266-296;SEQ ID NO:232のアミノ酸5-22、24-37、41-55、57-65、72-78、90-103、105-116、119-130、164-170、190-202、209-231、244-254、260-276、300-339、344-350、355-376、389-397、399-406、408-421、429-437、および103-152;SEQ ID NO:233のアミノ酸8-16、18-25、31-47、71-82、87-102、104-114、126-156、176-183、190-200、205-212、218-228、231-243、256-279、287-301、303-312、324-332、335-348、351-357、365-380、395-412、422-451、456-464、467-483、501-507、および405-468;SEQ ID NO:234のアミノ酸4-18、21-39、46-56、63-69、72-86、116-130、132-160、162-190、196-201、209-231、233-241、251-265、269-282、292-298、309-324、333-369、391-415、417-427、436-454、471-480、482-499、510-518、521-533、537-543、545-561、571-581、585-597、599-607、609-635、638-643、650-665、671-685、687-695、701-707、710-720、724-736、747-757、764-769、772-784、791-796、808-820、および317-401;SEQ ID NO:235のアミノ酸4-12、15-33、58-77、82-89、98-106、108-118、120-135、141-147、152-160、168-215、225-233、235-247、250-264、284-312、314-321、336-343、359-374、386-394、および159-218;SEQ ID NO:236のアミノ酸4-16、24-36、40-47、49-56、61-81、84-143、148-156、158-164、170-175、194-206、208-214、および126-203;SEQ ID NO:237のアミノ酸28-45、50-61、94-111、113-124、137-142、147-173、180-188、190-196、202-223、229-235、239-249、262-270、280-288、290-321、325-332、347-355、359-368、389-407、415-427、429-453、458-465、477-485、499-505、516-527、531-549、569-592、594-602、605-615、628-635、647-659、662-683、727-735、760-765、771-780、788-809、811-818、および549-630;SEQ ID NO:238のアミノ酸21-28、33-40、48-100、104-111、113-134、および1-46;SEQ ID NO:239のアミノ酸12-24、31-41、53-61、73-87、112-128、133-140、151-156、および26-98;SEQ ID 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    少なくとも1つのコアアミノ酸配列を含む抗原。
  26. a)1〜50個のさらなるアミノ酸残基、好ましくは1〜40個、より好ましくは1〜30個、さらにより好ましくは多くとも1〜25個、さらにより好ましくは多くとも1〜10個、最も好ましくは1個、2個、3個、4個、もしくは5個のさらなるアミノ酸残基;および/または
    b)コアアミノ酸配列と非相同の少なくとも1個のさらなるアミノ酸残基
    からさらになる、請求項25記載の抗原。
  27. さらなるアミノ酸残基が、コアアミノ酸配列のN末端に隣接するか、C末端に隣接するか、またはN末端とC末端とに隣接する、請求項26記載の抗原。
  28. 請求項25において定義された、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、または少なくとも6個のコアアミノ酸配列を含む、請求項25〜27のいずれか一項記載の抗原。
  29. 請求項1〜7のいずれか一項において定義された核酸分子を発現させる工程を含む、請求項11〜28のいずれか一項において定義された抗原またはその活性断片もしくは活性変種を作製する方法。
  30. 適した宿主細胞を、請求項8または9において定義されたベクターで形質転換またはトランスフェクトする工程を含む、請求項11〜28のいずれか一項において定義された抗原またはその活性断片もしくは活性変種を発現する細胞を作製する方法。
  31. 抗原またはその活性断片もしくは活性変種が、クレブシエラ属から、好ましくは、3つの亜種ニューモニエ、オゼネ、およびリノスクレロマチスを含む肺炎桿菌、K.オキシトカ、K.プランチコラ、K.テリゲナ、ならびにK.オルニチノリティカから、より好ましくは、肺炎桿菌またはK.オキシトカから単離される、請求項29または30のいずれか一項記載の方法。
  32. ワクチンであることが好ましく、
    請求項11〜28のいずれか一項において定義された抗原またはその活性断片もしくは活性変種、あるいは請求項1〜7のいずれか一項において定義された核酸分子、あるいは請求項8〜9のいずれか一項において定義されたベクターを含む、
    薬学的組成物。
  33. ワクチンであることが好ましく、
    クレブシエラ属による、好ましくは、3つの亜種ニューモニエ、オゼネ、およびリノスクレロマチスを含む肺炎桿菌、K.オキシトカ、K.プランチコラ、K.テリゲナ、ならびにK.オルニチノリティカによる、より好ましくは、肺炎桿菌またはK.オキシトカによる感染症の治療用または予防用の、請求項11〜28のいずれか一項において定義された抗原またはその活性断片もしくは活性変種、あるいは請求項1〜7のいずれか一項において定義された核酸分子、あるいは請求項8〜9のいずれか一項において定義されたベクターを含む、
    薬学的組成物。
  34. 免疫賦活物質、好ましくは、ポリカチオンポリマー、特にポリカチオンペプチド、免疫賦活性オリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、特にオリゴ(dIdC)13、少なくとも2個のLysLeuLysモチーフを含有するペプチド、特に、ペプチド
    Figure 2010532657
    、神経刺激性化合物、特に、ヒト成長ホルモン、ミョウバン、フロイント完全アジュバントもしくはフロイント不完全アジュバント、またはその組み合わせを含む群より選択される免疫賦活物質をさらに含むことを特徴とする、請求項32または33記載の薬学的組成物。
  35. 免疫賦活物質が、ポリカチオンポリマーと免疫賦活性デオキシヌクレオチドとの組み合わせ、または少なくとも2個のLysLeuLysモチーフを含有するペプチドと免疫賦活性デオキシヌクレオチドとの組み合わせ、好ましくは、
    Figure 2010532657
    とオリゴ(dIdC)13との組み合わせのどちらかである、請求項34記載の薬学的組成物。
  36. ポリカチオンペプチドがポリアルギニンである、請求項34または35記載の薬学的組成物。
  37. クレブシエラ属による、好ましくは、3つの亜種ニューモニエ、オゼネ、およびリノスクレロマチスを含む肺炎桿菌、K.オキシトカ、K.プランチコラ、K.テリゲナ、ならびにK.オルニチノリティカによる、より好ましくは、肺炎桿菌またはK.オキシトカによる感染症の治療用または予防用の、請求項11〜28のいずれか一項において定義された抗原またはその活性断片もしくは活性変種、あるいは請求項1〜7のいずれか一項において定義された核酸分子、あるいは請求項8〜9のいずれか一項において定義されたベクター。
  38. クレブシエラ属による、好ましくは、3つの亜種ニューモニエ、オゼネ、およびリノスクレロマチスを含む肺炎桿菌、K.オキシトカ、K.プランチコラ、K.テリゲナ、ならびにK.オルニチノリティカによる、より好ましくは、肺炎桿菌またはK.オキシトカによる感染症の治療用または予防用の薬学的組成物を調製するための、特にワクチンを調製するための、請求項1〜7のいずれか一項において定義された核酸分子、あるいは請求項11〜28のいずれか一項において定義された抗原またはその活性断片もしくは活性変種の使用。
  39. 請求項11〜28のいずれか一項において定義された、抗原またはその断片、好ましくは、その活性断片、もしくはその変種、好ましくは、その活性変種の少なくとも選択部分に結合する、抗体または少なくともその有効部分。
  40. モノクローナル抗体である、請求項39記載の抗体。
  41. 有効部分が、Fabフラグメント、F(ab)フラグメント、F(ab)Nフラグメント、F(ab) 2フラグメント、またはFvフラグメントを含む、請求項39または40記載の抗体。
  42. キメラ抗体である、請求項39〜41のいずれか一項記載の抗体。
  43. ヒト化抗体である、請求項39〜42のいずれか一項記載の抗体。
  44. 請求項39〜43のいずれか一項において定義された抗体を産生する、ハイブリドーマ細胞株。
  45. 以下の工程を特徴とする、請求項39〜43のいずれか一項において定義された抗体を作製する方法:
    a)請求項11〜28のいずれか一項において定義された抗原またはその活性断片もしくは活性変種を非ヒト動物に投与することによって、該動物において免疫応答を惹起する工程、
    b)該動物から、抗体含有体液を取り出す工程、および
    c)該抗体含有体液をさらなる精製工程に供することによって、該抗体を作製する工程。
  46. 以下の工程を特徴とする、請求項39〜43のいずれか一項において定義された抗体を作製する方法:
    a)請求項11〜28のいずれか一項において定義された抗原またはその活性断片もしくは活性変種を非ヒト動物に投与することによって、該動物において免疫応答を惹起する工程、
    b)該動物から、脾臓または脾臓細胞を取り出す工程、
    c)該脾臓または脾臓細胞のハイブリドーマ細胞を作製する工程、
    d)該抗原またはその活性断片もしくは活性変種に特異的なハイブリドーマ細胞を選択およびクローニングする工程、
    e)クローニングされた該ハイブリドーマ細胞を培養することによって該抗体を作製する工程、ならびに
    f)任意で、さらなる精製工程を行う工程。
  47. 請求項39〜43のいずれか一項記載の抗体を含む、薬学的組成物。
  48. クレブシエラ属による、好ましくは、3つの亜種ニューモニエ、オゼネ、およびリノスクレロマチスを含む肺炎桿菌、K.オキシトカ、K.プランチコラ、K.テリゲナ、ならびにK.オルニチノリティカによる、より好ましくは、肺炎桿菌またはK.オキシトカによる感染症の治療用または予防用の、請求項39〜43いずれか一項記載の抗体、または請求項39〜43いずれか一項記載の抗体を含む薬学的組成物。
  49. クレブシエラ属による、好ましくは、3つの亜種ニューモニエ、オゼネ、およびリノスクレロマチスを含む肺炎桿菌、K.オキシトカ、K.プランチコラ、K.テリゲナ、ならびにK.オルニチノリティカによる、より好ましくは、肺炎桿菌またはK.オキシトカによる感染症の治療用または予防用の薬学的組成物の調製のための、請求項39〜43のいずれか一項において定義された抗体の使用。
  50. 以下の工程を含む、請求項11〜28のいずれか一項において定義された、抗原またはその活性断片もしくは活性変種に結合することができるアンタゴニストを特定する方法:
    a)候補アンタゴニストと請求項11〜28のいずれか一項において定義された抗原またはその活性断片もしくは活性変種との結合を可能にする条件下、該候補アンタゴニストと該抗原またはその活性断片もしくは活性変種との結合に応答して検出可能なシグナルを発することができる成分の存在下で、単離もしくは固定化された該抗原またはその活性断片もしくは活性変種と、該候補アンタゴニストを接触させる工程、および
    b) 該アンタゴニストと該抗原またはその活性断片もしくは活性変種との結合に応答して生じたシグナルの有無を検出する工程。
  51. 以下の工程を含む、請求項11〜28のいずれか一項において定義された抗原またはその活性断片もしくは活性変種とその相互作用パートナーとの相互作用活性を低下または阻害することができるアンタゴニストを特定する方法:
    a)請求項11〜28のいずれか一項において定義された抗原またはその活性断片もしくは活性変種を準備する工程、
    b)該抗原またはその活性断片もしくは活性変種に対する相互作用パートナー、特に、請求項39〜43のいずれか一項記載の抗体を準備する工程、
    c)該抗原またはその活性断片もしくは活性変種と該相互作用パートナーを相互作用させて、相互作用複合体を形成する工程、
    d)候補アンタゴニストを準備する工程、
    e)該候補アンタゴニストと相互作用複合体との間で競合反応を起こす工程、
    f)該候補アンタゴニストが、該抗原またはその活性断片もしくは活性変種と該相互作用パートナーとの相互作用活性を阻害または低下するかどうか決定する工程。
  52. 請求項11〜28のいずれか一項において定義された抗原またはその活性断片もしくは活性変種の相互作用パートナーを単離および/または精製および/または特定するための、該抗原またはその活性断片もしくは活性変種のいずれかの使用。
  53. 以下の工程を含む、クレブシエラ属生物による感染症を診断する方法:
    a)被験体から得られた試料と、請求項11〜28のいずれか一項において定義された抗原またはその活性断片もしくは活性変種を接触させる工程;および
    b)試料中の、該クレブシエラ属生物に対する抗体の存在を検出する工程。
  54. 以下の工程を含む、クレブシエラ属生物による感染症を診断する方法:
    a)被験体から得られた試料と、請求項39〜43のいずれか一項記載の抗体を接触させる工程;および
    b)試料中の、該クレブシエラ属生物の抗原の存在を検出する工程。
  55. クレブシエラ属生物の抗原が、請求項11〜28のいずれか一項において定義された抗原またはその活性断片もしくは活性変種である、請求項54記載の方法。
  56. 以下の工程を含む、クレブシエラ属生物による感染症を診断する方法:
    a)被験体から得られた試料と、請求項1〜7のいずれか一項において定義された核酸分子またはその断片に特異的なプライマーまたはプローブを接触させる工程、および
    b)試料中の、このような核酸分子またはその断片の存在を検出する工程。
  57. クレブシエラ属生物が、病原性クレブシエラ属生物であり、より好ましくは、3つの亜種ニューモニエ、オゼネ、およびリノスクレロマチスを含む肺炎桿菌、K.オキシトカ、K.プランチコラ、K.テリゲナ、ならびにK.オルニチノリティカを含む群より選択されるクレブシエラ属生物、より好ましくは、肺炎桿菌またはK.オキシトカより選択されるクレブシエラ属生物である、請求項53〜56のいずれか一項記載の方法。
  58. アプタマーおよびスピーゲルマーを含む群より選択される機能的核酸を調製するための、請求項11〜28のいずれか一項において定義された抗原またはその活性断片もしくは活性変種の使用。
  59. リボザイム、アンチセンス核酸、およびsiRNAを含む群より選択される機能的リボ核酸を調製するための、請求項1〜7のいずれか一項において定義された核酸分子の使用。
  60. 以下の工程を含む、動物またはヒトにおいて、好ましくは、クレブシエラ属による感染症の治療を必要とする動物またはヒトにおいて、クレブシエラ属感染症を治療する方法:
    治療的有効量の、請求項11〜28のいずれか一項において定義された抗原またはその活性断片もしくは活性変種、あるいは請求項1〜7のいずれか一項において定義された核酸分子、あるいは請求項8〜9のいずれか一項において定義されたベクター、あるいは請求項39〜43のいずれか一項において定義された抗体、あるいは請求項32〜36、47、または48のいずれか一項において定義された薬学的組成物を、該動物またはヒトに投与する工程。
  61. 以下の工程を含む、クレブシエラ属生物による感染症に対して動物またはヒトを免疫化する方法:
    該動物またはヒトにおいて免疫応答を誘発するのに適した有効量の、請求項11〜28のいずれか一項において定義された抗原またはその活性断片もしくは活性変種、あるいは請求項1〜7のいずれか一項において定義された核酸分子、あるいは請求項8〜9のいずれか一項において定義されたベクター、あるいは請求項39〜43のいずれか一項において定義された抗体、あるいは請求項32〜36、47、または48のいずれか一項において定義された薬学的組成物を、該動物またはヒトに投与する工程。
  62. 以下の工程を含む、動物またはヒトにおいてクレブシエラ属生物に対する免疫応答を刺激する方法:
    該動物またはヒトにおいて免疫応答を刺激するのに適した有効量の、請求項11〜28のいずれか一項において定義された抗原またはその活性断片もしくは活性変種、あるいは請求項1〜7のいずれか一項において定義された核酸分子、あるいは請求項8〜9のいずれか一項において定義されたベクター、あるいは請求項39〜43のいずれか一項において定義された抗体、あるいは請求項32〜36、47、または48のいずれか一項において定義された薬学的組成物を、該動物またはヒトに投与する工程。
  63. クレブシエラ属生物が、3つの亜種ニューモニエ、オゼネ、およびリノスクレロマチスを含む肺炎桿菌、K.オキシトカ、K.プランチコラ、K.テリゲナ、ならびにK.オルニチノリティカを含む群より選択され、より好ましくは、肺炎桿菌またはK.オキシトカより選択される、請求項60〜62のいずれか一項記載の方法。
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