JP2010531402A - 削岩リグ制御方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

本発明に係るドリルリグの制御方法及び制御装置は、少なくとも一つの送りビーム(3)を備えたキャリア車両を有し、前記送りビーム(3)上に、削岩機(2)が前後に移動可能に設けられた掘削リグ(1)の制御方法及び装置であって、リグのパラメータが制御ユニット(6)によって設定され、複数の動作モード(M1〜M6)の各々が、リグの異なる動作パラメータに対する特別な動作設定を含む。リグの動作が掘削を実行すべき岩盤の特別な種類に関連するように各動作モード(M1〜M6)が選択可能であり、各動作モード(M1〜M6)は実施されている岩盤の種類に適合させる動作設定を含む。本発明は、ドリルリグにも関する。
【選択図】図1

Description

本発明は、少なくとも一つの送りビームを備えたキャリア車両を有し、前記送りビーム上で削岩機が前後に移動可能である削岩リグの制御方法及び装置であって、削岩リグの制御パラメータが制御ユニットによって設定され、複数の動作モードの一つ一つが、リグの異なる動作パラメータのための特別な動作設定を含む削岩リグの制御方法及び制御装置に関する。
衝撃削岩を実行する時、削岩機の衝撃機構によって衝撃波が発生させられる。この衝撃波は、エネルギ応力波としてドリルロッドを通してドリルビッドまで伝達される。応力波がドリルビットに達すると、岩盤を破砕するような強い力で、ドリルビットの硬質金属ボタン要素が、岩盤に対して押圧される。一回の打撃の後に、硬質金属ボタン要素を、打撃の影響を受けていない岩盤に接触させるために、ドリルロッドは、(しばしば水圧駆動式の)回転モータ及び変速装置を有する回転装置によって回転させられる。岩粉は、フラッシングによってドリルビットの前側から連続的に除去される。
削岩機は、送りビーム上で前後に移動可能であるクレードル上に搭載される。削岩機及び滑動部は、油圧シリンダ又はチェーン送り装置であり得る送りモータによって送りビームに沿って岩盤に向けて駆動される。
新しい削岩リグが買主に届けられる時に、そのリグは、削岩リグの掘削パラメータ又は動作パラメータに関する基本設定で設定される。これらのパラメータは、とりわけ、リグの様々な構成部品に対する圧力レベル及び水圧フローレベルである。さらに、感知される様々な動作状況の間にリグをどのように制御するか、又は、感知される様々な動作状況に対してリグをどのように反応させるかに関連するリグの動作機能に対する特性が設定される。
新しい削岩リグの基本設定は、通常、リグを使用する目的の領域で使われる動作状況に合わせられ、かつ、使用者の要求に可能な限り合わせられる。掘削状況の異なる別の場所で削岩リグが動作される場合、より一般的には、削岩リグを動作中に削岩状況が相当変化する場合、それらの新しい動作状況に適合させて掘削を可能な限り効果的にするために、パラメータは、異なる設定に調整されるべきである。
リグ設定の調整は、通常、専門家、ある場合にはリグオペレータによって手動で行われ、それによって、削岩機の打撃機構、回転モータ及び送りモータ等に作用する複数のパラメータが設定される。
そのように設定することが困難な基本パラメータは以下の通りである。
送り圧力:高すぎると掘削方向が逸れる原因になり、また、低すぎるとドリルストリング連結部の緩みや摩耗の原因になり、最終的にはドリルストリングの破損の原因になり得る。
打撃圧力:高すぎると、摩耗や破損の原因となり、ドリルストリングを通した反射の増大につながり、また、低すぎると生産性の低下の原因になり得る。
回転速度:高すぎると摩耗の原因になり、しばしば、掘削方向の逸れる原因になり、また、低すぎると、摩耗や生産性の低下の原因になり得る。
基本パラメータ以外にも、設定をする必要がある多数の掘削パラメータがあり、例えば、下記のようなものがある。
送り速度及び送り制御レベル:高すぎると、掘削中にドリルビットが空洞に入った時に装置を損傷させる原因になり、低すぎると生産性を低下させる原因になり得る。
減衰圧力制御レベル:レベルが高すぎると、打撃圧力が非常に頻繁にカラーリングレベルまで低減されることになるので、生産性を低下させる原因になり、また、低すぎると、摩耗や破損の原因になる。
フラッシング媒体圧力:高すぎると、ドリルビットの摩耗やエネルギの大量消費の原因になり、また、低すぎると、ドリルビットがスタックする原因になる。
パラメータの手動設定による問題は、あるパラメータを変更することが、一つ又は複数の他のパラメータの状態に影響を及ぼし得るので、最新の削岩リグの精密なパラメータ設定を正確に行うことは非常に複雑であることにある。具体的には、送り力及び回転トルクは、効果的な掘削作業を維持するために相互にバランスをとる必要がある。岩層状態の変化によって、このバランスが崩れると、より簡単にジャミングするという問題につながる。
従って、システムの機能に関する卓越した知識を有する熟練の技術者やオペレータでさえも、よい結果を得ることは非常に困難である。ほとんどの場合、非常に時間がかかる試行錯誤法を実行する必要がある。
この結果、しばしば新しい調整が全く行われないか、又は、リグが最高の効率では動作しないような設定にされることになる。このことは、摩耗及び/又は必要のない無駄な動作を増大させることになる。
従来技術の一例として、米国特許公開US2004/0140112 A1号が説明され得る。この刊行物には、削岩工程を制御するための構成が開示されており、その制御方法では、様々な基準で掘削を制御するために複数の制御モードが選択され得る。制御モードの幾つかの例として、効率モード、品質モード、コストモード及び最適モードが説明されている。
本発明の目的は、従来技術の欠点を少なくとも低減させることができる方法及び装置を提供することにある。
これらの目的は、上記したように、各動作モードが、掘削が行われるべき岩盤の独特な種類に関連しており、実施される岩盤のタイプに適合した動作設定に設定するために各動作モードが選択可能である方法及び装置によって達成される。
これにより、削岩リグは、独特な種類の岩盤での動作が、可能な限り良好に最適化される方向に向けて設定されることが保証される。これにより、動作パラメータは、実施される掘削状況に適合させるために、設定されることになる。
一例として、岩盤との接触を容易に得ることができる硬い岩盤においては、より大きな送り力と打撃圧力で「積極的な」掘削をすることが可能であり、一方、他のタイプの岩盤、例えば柔らかい岩盤においては、高い送り速度と送り速度制御レベルであるが、送り力は低い、より動力学的な制御を必要とすることが説明される。
また、各モードにおいて、設定は、手動設定システムの場合であれば容易であり得る設定が相互に共同し妨げにならないように変えられる。例えば、低い送り力と高い打撃圧力とは、特定の状況においては、装置に有害になり得る。とりわけ、このような望ましくない組合せは、本発明を通して回避され得る。
前記動作パラメータは、好ましくは、送りモータ圧力、回転モータ圧力、制御レベル、回転速度、回転圧力、送りモータ流量、回転モータ流量、フラッシング流体流量、減衰圧力制御レベル、送り速度制御レベルのグループから選択される複数のパラメータである。
一つの制御モードを起動すると、リグの作動中の又は停止中の異なる掘削制御関数に対するパラメータ値が設定されることが好ましい。これにより、前記掘削制御関数は、以下のグループから選択される一つ又は複数の掘削制御関数になる。
・ブースト:ドリルビットが硬い岩盤に接触した場合に、打撃圧力が上昇させられること、即ち、「増やされること」を意味する。これは、柔らかい又は中くらい硬さの岩盤であって、岩盤の硬さが大幅に変化し得る岩盤を掘削している場合に好ましい。
・ホールフラッシング:柔らかい岩盤に対してはより強力なフラッシングが必要とされる。位置、空気流及び空洞の数から調整される。
・減衰制御関数:送り圧力が減衰圧力の関数として調整される。この関数は、硬い岩盤で良好に動作するが、柔らかい岩盤には直接は適さないものであり得る。
・回転上昇:柔らかい岩盤には有用であるが、ビットの摩耗が増大するので硬い岩盤には適さない。
・抗ジャミング機能:
抗ジャミング機能の場合、削岩機の軌道上にスタックがある時に、ドリルビットを回転させるためにより高いトルクが必要になるので、一般には、回転モータへの回転圧力は上げられることになる。
回転圧力が「ジャムリミット」に対応するレベルまで上げ続けられると、抗ジャミング保護機能は始動され、ドリルスライドを逆送りにする。ジャミングが設定時間内に終わらない場合には、全ての掘削機能が停止される。
・送りの圧力制御−送りの流量制御
出願人によって予測される別の掘削制御関数としては、削岩機がその軌道上でジャミングにあった時に、より優しく、かつ、より反応の良い制御を提供するために、送りモータへの送り流の圧力及びフロー制御の組合せが提供される。この関数は、回転圧力が第一レベルより上に上昇した時に起動される。前記第一レベルは、回転トルクと、それにより回転抵抗とが、通常の削岩に対応すると見なされ得る値より高く上がったことを示すパラメータの実験的に決められた値のセットであり得る。この関数は送り流を低減させるので、関数は、中くらい硬さ又は柔らかい岩盤に最も適合したものになる。
前記した動作モードは、柔らかい岩盤、中くらいの硬さの岩盤、硬い岩盤のグループの何れかに関連する。また、緩んだ岩盤、角々しい岩盤、鉱石を含有している岩盤等のような別のグループに合わせることもできる。
本発明を通して、様々なモードに対する様々な掘削制御関数に関して、ある関数が起動されると、その関数の複数の変数の一つ又は複数が有効にされ、各モードの範囲内で圧力及び流量レベルが、初期制御測定値に設定される。
好ましい実施例によれば、ビットサイズ及びロッドサイズのグループから一つ又は複数のパラメータが選択される。これは、好ましくは、手動でなされ得る。これにより、システムは、装置の要素に影響を及ぼす掘削工程に容易に適合される。好ましくは、フラッシング流量、回転速度、送り圧力、打撃圧力、送り力及び回転トルク関係の比率、抗ジャミング関数を始動する開始点の一つ又は複数がビットサイズの関数として変動する。また、好ましくは、打撃圧力及び送りモータ圧力の一つ又は複数が、ロッドサイズの関数として変動する。
熟練のオペレータは、しばしば、制御システムによって得ることができることの範囲を超えた面でドリルリグの動作に対する勘がはたらく。本発明の一つの特徴によれば、推奨する範囲内でのパラメータの調整、又は設定値からのパラメータの調整を推奨することが可能になる。
手動調整による問題がしばしばあるが、本発明の一つの特徴によれば、熟練のオペレータがある程度自由にリグの設定の微調整を行うことを可能にするという利点を有する。具体的には、システムが、熟練のオペレータに、予め決められ得る一定の範囲内で一定のパラメータの設定の操る機会を与えるので有利である。一つの好ましい実施例では、システムは、オペレータに推奨する設定を表示し、それによってオペレータは、推奨された設定に一定の調整をする機会を得て、決められた最大値の範囲で推奨パラメータ値から外れるように調整をするか、又は、推奨範囲内で調整をする。これらの推奨データは、相互に衝突することになるパラメータがないように、有利な方法で決められる。
対応する効果は、本発明による装置でも得られる。
本発明のさらなる効果及び特徴は、以下に詳細に説明される。
制御システムを備えた本発明に係る装置が搭載された削岩リグを概略的に示している。 本発明による装置用の入力装置を概略的に示している。 方法のシーケンスを簡単なフローチャートの形式で概略的に示している。 送り力をトルクの関数として示す図表である。 最大打撃力レベルを、ドリルロッドサイズの関数として示す図表である。 本発明による装置用の別の入力装置を示している。
以下に、本発明を添付図面を参照して幾つかの実施例を用いて詳細に説明していく。
図1において、符号1は、送りビーム3を支持するアームを備えた削岩用の掘削リグを示している。送りビーム3上には、従来のように、削岩機2が前後に移動可能に支持されており、前記削岩機2はドリルロッド4に作用し、該ドリルロッド4は、その遠位末端にドリルビット5が設けられている。
削岩機2には、本質的に公知の方法で、回転装置(図示せず)が設けられており、前記回転装置は、掘削中にドリルロッド4を回転させる。回転モータは、導管8を通してポンプ7から放出される回転流体流によって水圧駆動される。導管8内の圧力は、圧力センサ9によって感知される回転圧力である。
削岩機2は、ポンプ10により発生させられ、送り導管11を通して送られる送り流で水圧駆動される送りモータ(図示せず)によって送り力Fで前進駆動される。送り導管11内の圧力は、圧力センサ12によって感知される送り圧力である。符号6は、中央処理装置(CPU)を示しており、このCPU6は、センサ9及び12からの信号を受け取り、これらの導管内の圧力を監視する。削岩機ハウジング内の打撃機構(図示せず)は、従来通り、打撃流体圧力を持つ打撃流体流によって駆動される。削岩の位置及び速度は、送りビーム上に設けられた長さセンサ(図示せず)を用いて決められる。
CPU6は、それが制御機能を実行する状態になった時に、削岩機2に加えてポンプ7及び10と通信する。打撃流体圧力は、CPU6によって監視され制御される。さらに、CPU6は、好ましくは、本発明の目的ではないのでこの明細書では説明されていない他の機能も有する。図1には、地下で動作するリグが示されているが、本発明は、地上で動作するリグにも適用することができる。
符号13は、タッチスクリーンの形態の入力装置を示している。この入力装置は、使用するべきモードを選択するためにCPUと通信をするためのものである。図示したタッチスクリーンの場合、6つのモードM1〜M6が予めプログラムされており、タッチスクリーン上にボタン領域が表示されている。符号14は、CPUに接続されたメモリを示しており、このメモリには、様々なモードの設定が記憶されている。また、このメモリは、CPUの内部メモリの一部でもあり得る。選択的に、LANやインターネット等を通して特定のモードのための値が、リグに通信され得る。
また、リグのオペレータプログラムメニューのように、モードの入力を実行するために他の方法を使用して、特別な作業場に対して使用するべきモードを自動入力するためにリグを遠隔制御したり、CPUを通してリグを単純に設定ボタンに接続したり、一つ又は複数の調整ノブ等に接続したりしてもよい。
削岩リグの動作に影響を及ぼすのは岩盤の状態だけではない。異なるドリルビット及び異なるドリルロッドも、様々な動作パラメータに影響を及ぼす。このため、本発明の好ましい実施例によれば、掘削工程中に使用されるドリルビット及びドリルロッドに関する情報をCPUに入力することができるようにすることが好ましい。
図2には、三種類の岩盤状態、即ち、ソフト(S)、ミディアム(M)及びハード(H)の中から一つを選択するモードセレクタ30を有する入力装置が示されている。
さらに、図2における装置は、好ましくは適当な数の標準的なビットサイズの中から回転セレクタ31を用いてビットサイズを選択して入力する手段を備えている。ここでは、一例として、1、2及び3の三つの選択肢は、115mm、125mm及び140mmのビッド直径を示している。
図2に示した装置は、さらに、ロッドサイズを入力する手段を備えている。符号32は、三つの異なるロッドサイズ(A、B及びC)の中から一つを選択するための回転セレクタを示しており、このでは、一例として三つのロッドサイズ(A、B及びC)は、45mm、51mm及び60mmのロッド直径を示している。
図2に示す入力装置のように、電気水力学的システムに関して単純な入力装置を使用することによって、これらの予め決められたパラメータが、制御システムの制御モードに入力され得る。これにより、システムの調整及び処理の切り替えが簡単化されることになる。
図2における入力装置は、例えば、ロッド及びビットサイズのセレクタを図1に示すタッチスクリーンと同様のタッチスクリーン上に含めるように、変更することができる。
図3には、フローチャートの形式で方法のシーケンスが示されている。
ポジション20は、シーケンスの開始を示している。
ポジション21は、掘削が実行される岩盤の独特の種類に関する動作モードの選択と、目的とする掘削処理のためのロッド及びビットサイズの入力とを示している。
ポジション22は、選択した動作モードを始動し、それによって、選択された動作モード用に記憶された動作パラメータを設定することを示している。
ポジション23は、選択された動作モードに関して掘削制御機能を設定して始動することを示している。
ポジション24は、始動された動作モードに従ってドリルリグを動作させることを示している。
ポジション25は、シーケンスの終了を示している。
本発明に従って始動される機能を実行する本発明による装置に関連する手段は、それ自体は、従来の制御装置である。
打撃機構を制御する手段は、減衰圧力又は送り圧力を検知するセンサを含み得、それらのセンサに反応して、打撃圧力及び/又は打撃ピストンのストローク長を制御し得る。
そのパラメータの値の変動に応じて送り力の圧力制御又は流量制御をするために回転トルクに関するパラメータを監視する手段は、一方では、公知の圧力制御手段に接続されたCPU内のソフトウェアとして適当に実現され、他方では、公知の流体制御手段に結合されたCPU内のソフトウェアとして適当に実現される。
パラメータ値の変化に関連して送りを実行する送りモータ手段への送り流を変更することによって、送り力の低減及び増加をそれぞれ行う手段は、公知の流体制御手段に結合されたCPU内のソフトウェアとして適当に実現される。
予め設定された削岩機パラメータによって抗ジャミング機能を初期化する手段は、公知の設定手段に結合されたCPU内のソフトウェアを通して適当に実現される。
流量制御のために、適当には、供給用メインバルブの内側と外側との圧力差を可能な限り一定に維持するように圧力補償バルブが使用され得る。
また、圧力制御のために、電気制御式圧力制限装置が使用され得る。圧力が所定のレベルを超えた時に、前記制限装置がタンクへ開放され、導管内の圧力が低減される。また、制御された水圧ポンプを使用してもよい。
市場に存在する掘削制御では、しばしば、調整ができない予め調整されたバルブを用いるか、又は現場で試行錯誤法を用いて、抗ジャミング、掘削力調整及びシステムエネルギレベル調整のために最高の結果を得るための制御パラメータを決めている。この方法では、調整とセットアップを実行するために熟練したオペレータを必要とする。異なる岩盤層を持つ掘削現場で、定期的にこの方法を実行しなければならないのは、実用的ではない。上述したように、実際には、このようなシステムでは、設定方法の実行が困難であるため、調整されないままになる。
衝撃掘削に関する抗ジャミング機構は、ドリルストリングがジャミングすることを防ぐために、回転トルクレベルが送り力レベル(即ち、スラスト力)を調整するという原則に基づいて構成されている。これは、トルクレベルが、ドリルストリングに供給される送り力に比例するという理論に基づいている。特定の岩盤の状態で高すぎる送り力が供給されると、トルクレベルは、ロックドリル回転モータの能力を超えて、非常に高いレベルまで上昇されることになる。そして、ジャミング状況が、現れることになる。
抗ジャミング機構におけるパラメータが、実際にどのようなオペレータでも、システムを最適化する方向で容易にシステムの調整ができるような方法で予め決められていると、システムによって送り力が決められる時に、利益が得られる。これにより、スムースな掘削及びエネルギの最適な利用を達成するために、何時でも、抗ジャミング処理を可能な限り効果的に行うことができるようになる。
図4には、送り力を、T1:F−k(T−T1)から始まるトルクレベルの関数として表している。Dをビットサイズ、Hを岩盤硬度とすると、上記した式におけるT1は、ビットサイズDと岩盤硬度Hの両方の関数として定義される。曲線の傾きkもまた、ビットサイズD及び岩盤硬度Hの関数である。これらは、次式のように表され得る。
T1=f(D,H)
k=f(D,H)
最大打撃力レベルは、ドリルロッドサイズ、加えられる送り力、ドリルロッドに使用される材料のストレスレベル制限及びロッドを接続するための接続部に直接関連する。
Pを掘削力、dをロッドサイズとすると、関係を以下の式で表すことができる。
P=f(d、F)
この関係は図5に示されている。
上記した式中、
Fは、掘削送り力であり、
Tは、掘削回転トルクであり、
Hは、岩盤硬度状態であり、
Dは、ドリルビットサイズであり、
Fは、ドリル打撃力レベルであり、
dは、ドリルロッドサイズであり、
kは、トルク−送り関係の比率である。
上記した式中における変数間の正確な関係は、材料強度、最大ストレスレベル及び実地試験から得られるデータによって決められる。殆どの場合、上記した式中、三つのパラメータだけが、岩盤状態、ドリルビットサイズ及びドリルロッドサイズが予め決められるように、システムに入力することが必要とされ、上記したパラメータ中のドリルビットサイズ及びドリルロッドサイズは、簡単に決められる。
掘削を実行するべき岩盤の種類を判断するために、即ち、現場で使用するべきモードを判断するために、判断の基礎は、岩盤の試験及び掘削試験等の間に実験的に得られた大量の値であり得る。
図6には、様々なパラメータ値を表示し、手動調整を可能にするためのディスプレイ及び入力装置を示している。この装置によって、熟練したオペレータは、所定の制限の範囲内で特定の選択したパラメータの設定を操作する機会を得られる。選択的に、システムにオペレータが入力するための入力手段は、オペレータが、好ましくは、システムによって選択されたパラメータ値を、ある範囲内で補正することを可能にするオーバーライド装置であり得る。
この実施例では、システムは、推奨するパラメータの範囲内で推奨する設定をオペレータに表示し、それによって、オペレータは、これらの範囲内で調整することが薦められる。
具体的には、図6は、回転圧力装置34、打撃圧力装置35及び減衰圧力装置36の三つのパラメータ装置を有するディスプレイスクリーンレイアウト33を示している。
減衰圧力装置36は、送り(モータ)圧力装置36に変更され得る。その場合、送り圧力のための推奨範囲の値が提供され得る。上述したことと同様に、オペレータは、推奨値に従って、送り圧力の調整を行うことができる。
34’、35’及び36’は、各装置のポインターを示している。回転圧力装置34は、単に、有効な回転圧力を表示するためだけに用いられる。これに対して、装置36及び36の各々は、半手動モードにおいて、オペレータが調整を行うのに推奨される推奨範囲を表示する。
装置34において、インディケータ38.1,38.2及び38.3は、制御レベルインディケータであり、これらは、異なる機能が作動することになるレベルを表示している。
打撃圧力を示す装置35においては、最小限度インディケータ39.1と最大限度インディケータ39.2とによって推奨範囲が表示される。より柔らかい岩盤状態に対しては、より小さな衝撃力が必要とされ、その結果、低い推奨圧力範囲が提供される。岩盤状態が中くらいの硬さの岩盤に変わると、貫通のために必要な衝撃圧力は高くなり、従って、推奨範囲も高くなる。中くらいの硬さから高い硬さの岩盤に変更した時も同様の関係が与えられる。通常、衝撃圧力はシステムによって設定され、モードを変更する時、圧力レベルは、推奨範囲の中間値に通常設定されるが、推奨の範囲で他の値に設定することもできる。
減衰圧力は、送り圧力と岩盤の硬さとの結果である。通常、柔らかい岩盤には、硬い岩盤に比べて、同じ送り圧力だと、低い減衰圧力が与えられる。送り圧力の増加に伴って、減衰圧力は増加することになる。送り力と衝撃圧力との間の良好なバランスを得るために、選択されたモードの推奨減衰圧力範囲が、装置36によって示される。装置36では、最小制限インディケータが符号40.1で示され、最大制限インディケータが符号40.2で示され、符号40.3は、制御レベルインディケータを示しており、これらは、装置34のインディケータ38.1、38.2及び38.3に対応している。
装置35及び36において、最小制限インディケータと最大制限インディケータとの間の各範囲は、オペレータが調整することが推奨される範囲である。
システムへの入力は、各装置に隣接する上向き矢印及び下向き矢印(図示せず)をポインティングするマウスで制御されるカーソール(図示せず)によって行われ得る。また、入力は、別体のキーボード(図示せず)上のボタンを押すことによっても行われ得る。また、スクリーンは、データを直接入力するためにタッチスクリーンであってもよい。具体的には、各装置に関して、要求される入力値は、好ましくは、例えば、インディケータと似た特別なマーカーで表示される。
図6におけるディスプレイスクリーンレイアウトは、異なる分野の他のパラメータ値(図示せず)を表示することもできる。これらのパラメータは、この実施例では、オペレータによって操作される対象にはならない。レイアウト33を有するスクリーンは、図1におけるスクリーン33と同じであってもよく、また、このようなスクリーンと平行に設けてもよい。
異なる熟練のオペレータには、異なるアクセルレベルが与えられ得、異なるパラメータ及び/又は異なるパラメータ範囲の調整をするための異なる権利が与えられ得る。
本発明は、特許請求の範囲の範囲内で変更可能であり、上述した実施例から外れることもあり得る。
上述した抗ジャミング機能の使用をするだけの簡単なシステムを持つことができる。例えば、リグが狭い限定された領域で使用される場合には、システムにビットサイズやロッドサイズを入力する手段を設ける必要がない場合もある。
上述したように、パラメータは、LANや他の適当な方法を通してシステムに入力することもできる

Claims (24)

  1. 少なくとも一つの送りビーム(3)を備えたキャリア車両を有し、前記送りビーム(3)上に、削岩機(2)が前後に移動可能に設けられた掘削リグ(1)の制御方法であって、
    リグのパラメータが制御ユニット(6)によって設定され、
    複数の動作モード(M1〜M6)の各々が、リグの異なる動作パラメータに対する特別な動作設定を含む
    掘削リグの制御方法において、
    ・リグの動作が、掘削を実行すべき岩盤の特別な種類に関連するように各動作モード(M1〜M6)が選択可能であり、
    ・各動作モード(M1〜M6)が、実施されている岩盤の種類に適合させる動作設定を含む
    ことを特徴とする制御方法。
  2. 前記動作パラメータが、送りモータ圧力、回転モータ圧力、回転速度、打撃圧力、打撃流体流量、送りモータ流量、回転モータ流量、フラッシング流体流量、及び減衰圧力制御レベルのグループから選択される複数のパラメータである
    ことを特徴とする請求項1に記載の制御方法。
  3. 一つの動作モード(M1〜M6)を作動する時に、リグ(1)の複数の掘削制御機能の値が設定される
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の制御方法。
  4. 前記掘削制御機能が、ブースト、ホールフラッシング、送り圧力制御、送りのフロー制御、抗ジャミング機能、減衰制御機能、超回転、打撃圧力の送り速度制御のグループから選択される一つ又は複数の機能である
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の制御方法。
  5. 前記制御モード(M1〜M6)が、柔らかい岩盤、中くらいの硬さの岩盤、硬い岩盤、緩い岩盤、角々しい岩盤及び鉱石を含有している岩盤のグループから選択される何れかに関連している
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の制御方法。
  6. ビットサイズ及びロッドサイズのグループから一つ又は複数のパラメータが選択される
    ことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の制御方法。
  7. ビットサイズが選択され、
    フラッシング流、回転速度、送り圧力、打撃圧力、送り力−回転トルク比率、及び抗ジャミング機能の初期化開始点の一つ又は複数が、ビットサイズの関数として変化する
    ことを特徴とする請求項6に記載の制御方法。
  8. ロッドサイズが選択され、
    打撃圧力及び送りモータ圧力の一つ又は複数がロッドサイズの関数として変化する
    ことを特徴とする請求項6又は7に記載の制御方法。
  9. 権限のあるオペレータによって動作パラメータ設定の調整を入力が行われる
    ことを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載の制御方法。
  10. 調整が所定の範囲内で行われる
    ことを特徴とする請求項9に記載の制御方法。
  11. オペレータに、推奨パラメータ範囲内で推奨設定が表示される
    ことを特徴とする請求項9又は10に記載の制御方法。
  12. 少なくとも一つの送りビーム(3)を備えたキャリア車両を有し、前記送りビーム(3)上に、削岩機(2)が前後に移動可能に設けられた掘削リグ(1)の制御装置であって、
    リグのパラメータを設定する制御ユニット(6)が設けられ、
    複数の動作モード(M1〜M6)を記憶する記憶手段(14)を有し、各動作モード(M1〜M6)が、リグの異なる動作パラメータに対する特別な動作設定を含む
    掘削リグの制御装置において、
    ・リグの動作が、掘削を実行すべき岩盤の特別な種類に関連するように各動作モード(M1〜M6)が選択可能であり、
    ・各動作モード(M1〜M6)が、実施されている岩盤の種類に適合させる動作設定を含む
    ことを特徴とする制御装置。
  13. 前記動作パラメータが、送りモータ圧力、回転モータ圧力、回転速度、打撃圧力、打撃流体流量、送りモータ流量、回転モータ流量、フラッシング流体流量、及び減衰圧力制御レベルのグループから選択される複数のパラメータである
    ことを特徴とする請求項12に記載の制御装置。
  14. 一つの動作モード(M1〜M6)を作動する時に、リグ(1)の複数の掘削制御機能の値が設定されるように構成されている
    ことを特徴とする請求項12又は13に記載の制御装置。
  15. 前記掘削制御機能が、ブースト、ホールフラッシング、送り圧力制御、送りのフロー制御、抗ジャミング機能、減衰制御機能、超回転、打撃圧力の送り速度制御のグループから選択される一つ又は複数の機能である
    ことを特徴とする請求項12〜14の何れか一項に記載の制御装置。
  16. 前記制御モード(M1〜M6)が、柔らかい岩盤、中くらいの硬さの岩盤、硬い岩盤、緩い岩盤、角々しい岩盤及び鉱石を含有している岩盤のグループから選択される何れかに関連している
    ことを特徴とする請求項12〜15の何れか一項に記載の制御装置。
  17. 柔らかい岩盤、中くらいの硬さの岩盤、硬い岩盤、緩い岩盤、角々しい岩盤及び鉱石を含有している岩盤のグループから何れかの岩盤状態を選択するための入力装置を備えている
    ことを特徴とする請求項12〜16の何れか一項に記載の制御装置。
  18. ビットサイズ及びロッドサイズのグループから選択される何れか一つのパラメータに関連するデータを入力するための少なくとも一つの入力装置を備えている
    ことを特徴請求項12〜17の何れか一項に記載の制御装置。
  19. ビットサイズが選択可能であり、
    フラッシング流、回転速度、送り圧力、打撃圧力、送り力−回転トルク比率、及び抗ジャミング機能の初期化開始点の一つ又は複数を、ビットサイズの関数として変化させる手段を備えている
    ことを特徴とする請求項18に記載の制御装置。
  20. ロッドサイズが選択可能であり、
    打撃圧力及び送りモータ圧力の一つ又は複数をロッドサイズの関数として変化させる手段を備えている
    ことを特徴とする請求項18又は19に記載の制御装置。
  21. 権限のあるオペレータによる動作パラメータ設定の調整を入力するための入力手段が設けられている
    ことを特徴とする請求項12〜20の何れか一項に記載の制御装置。
  22. 所定の範囲内の調整を推奨する手段を備えている
    ことを特徴とする請求項21に記載の制御装置。
  23. オペレータに、推奨パラメータ範囲内の推奨設定を表示する手段を備えている
    ことを特徴とする請求項21又は22に記載の制御装置。
  24. 請求項12〜23の何れか一項に記載の制御装置を備えていることを特徴とする掘削リグ。
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