JP2010530883A - ピロリジノン、ピロリジン−2,5−ジオン、ピロリジンおよびチオスクシンイミド誘導体、癌の治療のための組成物および方法 - Google Patents

ピロリジノン、ピロリジン−2,5−ジオン、ピロリジンおよびチオスクシンイミド誘導体、癌の治療のための組成物および方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、式I〜IVのピロリジン−2−オン、ピロリジン−2,5−ジオン、ピロリジンおよびチオスクシンイミド化合物、ならびにこれらの化合物の調製方法に関する。本発明は、ピロリジン−2−オン、ピロリジン−2,5−ジオン、ピロリジンおよびチオスクシンイミド化合物を含む医薬組成物にも関する。本発明は、治療有効量の本発明のピロリジン−2−オン、ピロリジン−2,5−ジオン、ピロリジンおよびチオスクシンイミド化合物を、必要とする対象に投与することによって、癌などの細胞増殖性障害を治療する方法も提供する。

Description

(関連出願への相互参照)
本願は、2007年6月22日に出願された米国仮特許出願第60/945,834号の利益を主張し、この米国仮特許出願の全体の内容は、本明細書中に参考として援用される。
(発明の背景)
癌は、米国における第2の主要死亡原因であり、これを上回るのは心臓疾患だけである(Cancer Facts and Figures 2004年、American Cancer Society、Inc.)。癌の診断および治療における最近の進歩にもかかわらず、癌が早期に発見された場合、外科処置や放射線治療が治療に有効であるが、転移性疾患のための現在の薬物治療は概して一時的に抑えるに過ぎず、めったに長期的な治癒をもたらすものではない。新規な化学療法が市場に参入してきているが、耐性腫瘍の治療における、第1治療としての、そして、第2および第3治療としての、単剤治療かまたは既存の薬剤との併用治療に有効な新規な薬物が依然として求められている。
癌細胞は本質的に不均一な(heterogeneous)ものである。例えば、単一の組織または細胞タイプ内で、多重変異性の「機序」は癌の発生をもたらす可能性がある。したがって、異なる個体に由来する同じ組織および同じタイプの腫瘍からとった癌細胞間で、不均一性がしばしば存在する。いくつかの癌に付随してしばしば観察される変異性の「機序」は、1つの組織タイプと別の組織タイプでは異なっている可能性がある(例えば、しばしば観察される結腸癌をもたらす変異性の「機序」は、しばしば観察される白血病をもたらす「機序」と異なっている可能性がある)。したがって、特定の癌が、特定の化学療法剤に応答するかどうかを予測することは困難なことが多い(Cancer Medicine、第5版、Bastら編、B.C.Decker Inc.、Hamilton、Ontario)。
乳癌は、女性において最も多く診断される皮膚以外の癌であり、女性における癌による死亡の中で肺癌に次いで第2位にランクされる(Cancer Facts and Figures 2004年、American Cancer Society、Inc.)。乳癌のための最近の治療選択肢には、外科処置、放射線治療、タモキシフェン、アロマターゼ阻害剤、HERCEPTIN(登録商標)(トラスツズマブ)、TAXOL(登録商標)(パクリタキセル)、シクロホスファミド、メトトレキサート、ドキソルビシン(アドリアマイシン)および5−フルオロウラシルなどの薬剤を用いる化学療法/ホルモン療法が含まれる。癌の診断法および治療法における進歩にも関わらず、乳癌罹患率は1980年以来増加し続けている。2004年では、女性では約215,000人の乳癌の新たな症例が予測され、男性では約1,450人の乳癌の新たな症例が予測されている。したがって、乳癌を治療するための新規な化合物が求められている。
正常細胞の増殖と分化を制御する細胞シグナル伝達経路の構成要素(Component)は、それが調節不全となった場合、細胞増殖性障害や癌の発生をもたらす可能性がある。細胞シグナル伝達タンパク質における変異は、細胞周期において、そうしたタンパク質が、不適切なレベルでかつ不適切な時に発現するかまたはそれを活性化させる可能性があり、制御されていない細胞増殖、または細胞−細胞結合特性の変化をもたらす可能性がある。例えば、変異、遺伝子再構成、遺伝子増幅、および受容体とリガンドの両方の過剰発現による受容体チロシンキナーゼの異常調節は、ヒト癌の発生と進行に関係している。
c−Met受容体チロシンキナーゼは、細胞分散因子としても知られている、肝細胞成長因子(HGF)に対する唯一の公知の高親和性受容体である。HGFとc−Met細胞外リガンド結合ドメインの結合は、c−Metの細胞内部における受容体の多量体化および複数チロシン残基のリン酸化反応をもたらす。c−Metの活性化は、Gab−1、Grb−2、Shcおよびc−Cblなどのアダプタータンパク質の結合とリン酸化反応をもたらし、続いて、PI3K、PLC−γ、STAT、ERK1および2ならびにFAKなどのシグナル伝達物質の活性化をもたらす。c−MetおよびHGFは多くの組織において発現し、その発現は通常、主として上皮および間葉由来の細胞にそれぞれ限定される。c−MetおよびHGFはヒト癌において調節不全となり、細胞増殖の異常調節、腫瘍細胞の転移、ならびに疾患の増悪および転移の際の腫瘍浸潤に影響を及ぼす可能性がある(例えば、非特許文献1および非特許文献2を参照されたい)。c−MetおよびHGFは、多くの癌において周囲組織に対して高度に発現され、その発現は患者の不良な予後と相関する(例えば、非特許文献3;非特許文献4;非特許文献5および非特許文献6を参照されたい)。理論に拘泥するわけではないが、c−MetおよびHGFは、DNA損傷剤によって誘発される細胞死に対して腫瘍を保護し、したがって、腫瘍の化学療法耐性および放射線耐性に影響を及ぼすことができる。いかなる理論にもとらわれるわけではないが、c−Metの阻害剤は、乳癌を含む増殖性障害の治療における治療薬として有用である(例えば、非特許文献7を参照されたい)。
特許文献1は、ピロール−2,5−ジオン化合物およびピロリジン−2,5−ジオン化合物、ならびにこれらの化合物の調製方法を開示している。これらの化合物は、c−Metの活性を選択的に阻害することが可能であり、癌などの細胞増殖性障害の治療に使用することができる。癌の治療のためのさらなるc−Met阻害剤の開発が求められている。
本明細書で引用する文献を、特許請求する本発明の先行技術であると認めるものではない。
国際公開第2006/086484号パンフレット
Journal of Clinical Investigation、第109号:863〜867頁(2002年) Cancer Cell、5〜6頁、2004年7月 Journal of Cellular Biochemistry、第86号、665〜677頁(2002年) Int. J. Cancer (Pred. Oncol.)、第74号、301〜309頁(1997年) Clinical Cancer Research、第9号、1480〜1488頁(2003年) Cancer Research、第62号、第589〜596頁(2002年) Cancer and Metastasis Reviews、第22号、第309〜325頁(2003年)
(発明の要旨)
本発明は、式I、II、IIIもしくはIVの化合物または薬学的に許容されるその塩を提供する
(式中、
R1、R2およびR3は、H、F、Cl、Br、I、−NR7R8、−(C1〜C6)アルキル、−(C1〜C6)置換アルキル、−(C3〜C9)シクロアルキル、−(C3〜C9)置換シクロアルキル、−O−(C1〜C6)アルキル、−O−(C3〜C9)シクロアルキルおよび−O−(C3〜C9)置換シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルからなる群から独立に選択され、
R4は、H、−(C1〜C4)アルキルおよび−(C1〜C4)置換アルキルからなる群から選択され、
R5は、H、−(C1〜C6)アルキル、−CHR6、−CONHR9、−COR10および−SOR11からなる群から選択され、
R6は、−O−P(=O)(OH)、−O−P(=O)(−OH)(−O−(C1〜C6)アルキル)、−O−P(=O)(−O−(C1〜C6)アルキル)、−O−P(=O)(−OH)(−O−(CH)−フェニル)、−O−P(=O)(−O−(CH)−フェニル)、カルボン酸基、アミノカルボン酸基およびペプチドからなる群から独立に選択され、
R7およびR8は、Hおよび−(C1〜C6)アルキルからなる群から独立に選択され、
R9、R10およびR11は、H、NHR12、−(C1〜C6)アルキル、−(C1〜C6)置換アルキル、−(C3〜C9)シクロアルキル、−(C3〜C9)置換シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルからなる群から独立に選択され、
Qは、インドリル、置換インドリル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルおよびアルキルからなる群から独立に選択され、
VおよびZは、O、S、Hからなる群から独立に選択され、VとZがどちらもOである場合、R4は、−(C1〜C4)アルキルまたは−(C1〜C4)置換アルキルであり、ZとVがどちらもHでない場合、R5は、H、−(C1〜C6)アルキルまたは−CHR6であり、
Xは、−CH−、−NR12、S、O、および結合からなる群から選択され、
R12は、H、−(C1〜C6)アルキル、−(C1〜C6)置換アルキル、−(C3〜C9)シクロアルキル、−(C3〜C9)置換シクロアルキル、−O−(C1〜C6)アルキル、−C(=O)−O−(C1〜C6)アルキルおよび−C(=O)−O−(C1〜C6)置換アルキルからなる群から選択され、
Wは、−CH−、CO、および結合からなる群から選択され、
mは0、1または2である)。
一実施形態では、Qは、インドリル基、あるいは、F、Cl、Br、I、−(C〜C)アルキル、−(C〜C)フルオロ−置換アルキル、−(C〜C)シクロアルキル、−(C〜C)フルオロ−置換シクロアルキル、−O−(C〜C)アルキル、−O−(C〜C)フルオロ−置換アルキル、−O−(C〜C)シクロアルキルおよび−O−(C〜C)フルオロ−置換シクロアルキル、−アリール、−O−アリール、−O−(C〜C)アルキル−アリール、−O−(C〜C)アルキル−複素環ならびに−S(=O)−(C〜C)アルキルからなる群から独立に選択される1つまたは複数の置換基で置換されたインドリル基である。
一実施形態では、VはOであり、ZはO、SまたはHであり、ZがOである場合、R4は−(C1〜C4)アルキルまたは−(C1〜C4)置換アルキルである。他の実施形態では、VはSであり、ZはOまたはHである。他の実施形態では、VはHであり、ZはO、SまたはHである。
一実施形態では、Wは−CH−である。他の実施形態では、mは1である。さらに他の実施形態では、Xは結合である。
一実施形態では、R5はHである。
本発明は、請求項1に記載の式I、II、IIIもしくはIVの化合物、または薬学的に許容されるその塩を、1つもしくは複数の薬学的に許容される担体または賦形剤と合わせて含む医薬組成物も提供する。この医薬組成物は第2の化学療法剤をさらに含むことができる。
本発明はさらに、細胞増殖性障害の治療方法を提供する。その方法は、それを必要とする対象に、治療有効量の請求項1に記載の式I、II、III、IVの化合物、あるいは薬学的に許容されるその塩、またはそのプロドラッグもしくは代謝産物を、薬学的に許容される担体と合わせて投与することを含む方法であって、前記細胞増殖性障害が治療される方法を含む。
一実施形態では、上記細胞増殖性障害は前癌状態または癌である。他の実施形態では、その癌は、肺癌、結腸癌、乳癌、膵臓癌、前立腺癌、慢性骨髄性白血病、黒色腫および卵巣癌からなる群から独立に選択される。
一実施形態では、式I、II、III、IVの化合物、あるいは薬学的に許容されるその塩、またはそのプロドラッグもしくは代謝産物を、第2の化学療法剤と合わせて投与する。
一実施形態では、癌の治療は、腫瘍のサイズの縮小もしくは転移性癌細胞浸潤の阻害、またはその両方を含む。
一実施形態では、増殖障害(order)を有する細胞はc−MetをコードするDNAを含む。他の実施形態では、細胞は構成的に高められたc−Met活性を有する。
本発明の他の特徴および利点は、様々な実施例を含む本明細書で提供するさらなる説明から明らかである。提供される実施例は、本発明を実施するのに有用な様々な成分および手法を例示するものである。これらの実施例は、請求の範囲に記載されている発明を限定するものではない。本開示をもとにして、当業者は、本発明を実施するのに有用な他の成分および手法を特定しそれを用いることができる。
図1Aは、ZvAD−FMKカスパーゼ阻害を伴うか伴わないで、met siRNAによるc−Met経路の阻害がHT29細胞に及ぼす影響を示す図である。図1Bは、met siRNAが、HT29細胞におけるGAPDHおよびc−Metのノックダウンに及ぼす影響を示す図である。
(発明の詳細な説明)
1.ピロリジン−2−オン、ピロリジン−2,5−ジオン、ピロリジンおよびチオスクシンイミド
本発明は、式I、II、IIIまたはIVのピロリジン−2−オン、ピロリジン−2,5−ジオン、ピロリジンおよびチオスクシンイミド化合物、ならびに式I、II、IIIまたはIVの化合物の調製方法を提供する。
(式中、
R1、R2およびR3は、H、F、Cl、Br、I、−NR7R8、−(C1〜C6)アルキル、−(C1〜C6)置換アルキル、−(C3〜C9)シクロアルキル、−(C3〜C9)置換シクロアルキル、−O−(C1〜C6)アルキル、−O−(C3〜C9)シクロアルキルおよび−O−(C3〜C9)置換シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルからなる群から独立に選択され、
R4は、H、−(C1〜C4)アルキルおよび−(C1〜C4)置換アルキルからなる群から選択され、
R5は、H、−(C1〜C6)アルキル、−CHR6、−CONHR9、−COR10および−SOR11からなる群から選択され、
R6は、−O−P(=O)(OH)、−O−P(=O)(−OH)(−O−(C1〜C6)アルキル)、−O−P(=O)(−O−(C1〜C6)アルキル)、−O−P(=O)(−OH)(−O−(CH)−フェニル)、−O−P(=O)(−O−(CH)−フェニル)、カルボン酸基、アミノカルボン酸基およびペプチドからなる群から独立に選択され、
R7およびR8は、Hおよび−(C1〜C6)アルキルからなる群から独立に選択され、
R9、R10およびR11は、H、NHR12、−(C1〜C6)アルキル、−(C1〜C6)置換アルキル、−(C3〜C9)シクロアルキル、−(C3〜C9)置換シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルからなる群から独立に選択され、
Qは、インドリル、置換インドリル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルおよびアルキルからなる群から独立に選択され、
VおよびZは、O、S、Hからなる群から独立に選択され、VとZがどちらもOである場合、R4は、−(C1〜C4)アルキルまたは−(C1〜C4)置換アルキルであり、ZとVがどちらもHでない場合、R5は、H、−(C1〜C6)アルキルまたは−CHR6であり、
Xは、−CH−、−NR12、S、O、および結合からなる群から選択され、
R12は、H、−(C1〜C6)アルキル、−(C1〜C6)置換アルキル、−(C3〜C9)シクロアルキル、−(C3〜C9)置換シクロアルキル、−O−(C1〜C6)アルキル、−C(=O)−O−(C1〜C6)アルキルおよび−C(=O)−O−(C1〜C6)置換アルキルからなる群から選択され、
Wは、−CH−、CO、および結合からなる群から選択され、
mは0、1または2である)。
一実施形態では、VはOであり、ZはO、SまたはHであり、ZがOである場合R4は−(C1〜C4)アルキルまたは−(C1〜C4)置換アルキルである。
一実施形態では、VはSであり、ZはOまたはHである。
一実施形態では、VはHであり、ZはO、SまたはHである。
一実施形態では、Wは−CH−である。他の実施形態では、mは1である。さらに他の実施形態では、Xは結合である。
一実施形態では、R5はHである。
一実施形態では、本発明の化合物は、4−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−3−(1H−インドール−3−イル)−ピロリジン−2−オン、(3R,4R)−4−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−3−(1H−インドール−3−イル)−ピロリジン−2−オン、(3R,4R)−3−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−4−(1H−インドール−3−イル)−ピロリジン−2−オン、(±)−トランス−3−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−4−(1H−インドール−3−イル)−ピロリジン−2−オン、(3R,4R)−4−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−3−(1H−インドール−3−イル)−5−チオキソ−ピロリジン−2−オン、(3R,4R)−3−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−4−(1H−インドール−3−イル)−5−チオキソ−ピロリジン−2−オン、1−[(3R,4R)−4−(1H−インドール−3−イル)−ピロリジン−3−イル]−5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン、(3R,4R)−3−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−4−(1H−インドール−3−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸エチルアミド、1−[(3R,4R)−4−(1H−インドール−3−イル)−1−(プロパン−2−スルホニル)−ピロリジン−3−イル]−5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン、およびシクロブチル−[(3R,4R)−3−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−4−(1H−インドール−3−イル)−ピロリジン−1−イル]−メタノン、(±)−トランス−3−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピロリジン−2−オン、(±)−トランス−3−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−4−(3−メトキシ−フェニル)−ピロリジン−2−オン、1−[(3R,4R)−1−ベンゼンスルホニル−4−(1H−インドール−3−イル)−ピロリジン−3−イル]−5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン、および1−[(3R,4R)−3−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−4−(1H−インドール−3−イル)−ピロリジン−1−イル]−3,3−ジメチル−ブタン−1−オンからなる群から独立に選択される。
「アルキル」という用語は、不飽和を有さない、炭素および水素を含む基を指す。アルキル基は直鎖状であっても分岐状であってもよい。アルキル基の例には、これらに限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ヘキシル、t−ブチル、sec−ブチルなどが含まれる。アルキル基は範囲を用いて表示することができる。すなわち、例えば(C〜C)アルキル基は、直鎖状または分岐状のアルキル骨格中に1〜6個の炭素原子を有するアルキル基である。置換および非置換アルキル基は独立に、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキル、(C〜C10)アルキル、(C〜C10)アルキルまたは(C〜C10)アルキルであってよい。別段の記述のない限り、「アルキル」という用語は、「シクロアルキル」を含まない。
「シクロアルキル」基は、「環部分」に、表示された数の炭素原子を有する環状アルキル基を指す。その「環部分」は、縮合、スピロまたは架橋環構造のような1つもしくは複数の環構造からなってよい。例えば、C3〜C6シクロアルキル基(例えば、(C〜C)シクロアルキル)は環中に3〜6個の炭素原子を有する環構造である。範囲が示されていない場合、シクロアルキルは、環部分に3〜9個の炭素原子((C〜C)シクロアルキル)を有する。シクロアルキル基の例には、これらに限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびアダマンチルが含まれる。好ましいシクロアルキル基は、環構造中に3、4、5、6、7、8、9個または3〜9個の炭素原子を有する。
置換アルキルおよび置換シクロアルキルという用語は、フッ素、アリール、ヘテロアリール、−O−(C〜C)アルキルおよび−NR7R8(R7およびR8は、水素および−(C〜C)アルキルからなる群から独立に選択される)からなる群から独立に選択される1つまたは複数の置換基で置換された、上記定義のアルキルおよびシクロアルキル基を指す。
「アリール」という用語は、1、2または3個の芳香族環を有する芳香族炭素環基を指す。アリール基の例には、これらに限定されないが、フェニル、ナフチルなどが含まれる。アリール基は、4〜9員を有する1つもしくは複数の追加の非芳香族炭素環または複素環と縮合した1、2または3個の芳香族環構造を含む。縮合アリール基の例には、ベンゾシクロブタニル、インダニル、テトラヒドロナフチレニル、1,2,3,4−テトラヒドロフェナントレニル、テトラヒドロアントラセニル、1,4−ジヒドロ−1,4−メタノナフタレニル、ベンゾジオキソリルが含まれる。
「ヘテロアリール」という用語は、芳香族環の中に1〜4個のヘテロ原子(窒素、イオウまたは酸素など)を含む1、2または3個の芳香族環を有するヘテロ芳香族(ヘテロアリール)基を指す。ヘテロアリール基は、4〜9員を有する1つもしくは複数の追加の非芳香族環と縮合した1〜4個のヘテロ原子を含む1、2または3個の芳香族環構造を含む。芳香族環の中に単一のタイプのヘテロ原子を含むヘテロアリール基は、そこに含まれるヘテロ原子のタイプによって表され、したがって、窒素含有ヘテロアリール、酸素含有ヘテロアリールおよびイオウ含有ヘテロアリールは、1つもしくは複数の窒素、酸素またはイオウ原子をそれぞれ含むヘテロ芳香族基を表す。ヘテロアリール基の例には、これらに限定されないが、ピリジル、ピリミジニル、トリアゾリル、キノリル、キナゾリニル、チアゾリル、ベンゾ[b]チオフェニル、フラニル、イミダゾリル、インドリルなどが含まれる。
「ヘテロシクリル」または「複素環」という用語は、縮合、スピロまたは架橋により追加の環を形成していてよい、飽和かまたは不飽和の安定な非芳香族環構造を指す。各複素環は、1個または複数の炭素原子と、窒素、酸素およびイオウからなる群から選択される1〜4個のヘテロ原子からなる。「ヘテロシクリル」または「複素環」には、安定な非芳香族3〜7員の単環式複素環環構造および8〜11員の二環式複素環環構造が含まれる。ヘテロシクリル基は、安定な構造の形成をもたらす、任意の環内炭素または窒素原子で結合していてよい。好ましい複素環には、3〜7員の単環式複素環(より好ましくは5〜7員の単環式複素環)および8〜10員の二環式複素環が含まれる。そうした基の例には、ピペリジニル、ピペラジニル、ピラニル、ピロリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、オキソピペリジニル、オキソピロリジニル、オキソアゼピニル、アゼピニル、イソオキソゾリル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、ジオキソリル、ジオキシニル、オキサチオリル、ジチオリル、スルホラニル、ジオキサニル、ジオキソラニル、テトラヒドロフロジヒドロフラニル、テトラヒドロピラノジヒドロ−フラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロフロフラニル、テトラヒドロピラノフラン、キヌクリジニル(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタニル)およびトロパニル(8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタニル)が含まれる。
「インドリル」または「置換インドリル」」という用語は、インドリル基、または、F、Cl、Br、I、−(C1〜C6)アルキル、−(C1〜C6)フルオロ−置換アルキル、−(C3〜C9)シクロアルキル、−(C3〜C9)フルオロ−置換シクロアルキル、−O−(C1〜C6)アルキル、−O−(C1〜C6)フルオロ−置換アルキル、−O−(C3〜C9)シクロアルキル、−O−(C3〜C9)フルオロ−置換シクロアルキル、−アリール、−O−アリール、−O−(C1〜C4)アルキル−アリール、−O−(C1〜C4)アルキル−複素環および−S(=O)−(C1〜C6)アルキルからなる群から独立に選択される1つまたは複数の置換基で置換されたインドリル基を指す。
R6置換基について、「カルボン酸基」という用語は、−O−C(=O)−(C〜C)アルキル、−O−C(=O)−(C〜C)シクロアルキル、−O−C(=O)−アリール、−O−C(=O)−ヘテロアリール、−O−C(=O)−複素環、−O−C(=O)−(C−C)アルキル−アリール、−O−C(=O)−(C〜C)アルキル−ヘテロアリールまたは−O−C(=O)−(C−C)アルキル−複素環の形態の基を指す。「カルボン酸基」には、F、Cl、Br、I、−OH、−SH、−NR5’R6’、−(C〜C)アルキル、−(C〜C)置換アルキル、−(C〜C)シクロアルキル、−(C〜C)置換シクロアルキル、−O−(C〜C)アルキル、−O−(C〜C)置換アルキル、−S−(C〜C)アルキル、−O−(C〜C)シクロアルキル、−O−(C〜C)置換シクロアルキル、−アリール、−O−アリール、−O−(C〜C)アルキル−アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、−O−(C〜C)アルキル−複素環、−(S(=O))−(C〜C)アルキル、−NH−C(=NH)−NH(すなわち、グアニド)、−COOHおよび−C(=O)−NR5’R6’(R5’およびR6’は、水素および−(C〜C)アルキルからなる群から独立に選択される)からなる群から独立に選択される1つまたは複数の置換基で置換された−O−C(=O)−(C〜C)アルキル、−O−C(=O)−(C〜C)シクロアルキル、−O−C(=O)−アリール、−O−C(=O)−ヘテロアリール、−O−C(=O)−複素環、−O−C(=O)−(C〜C)アルキル−アリール、−O−C(=O)−(C〜C)アルキル−ヘテロアリールまたは−O−C(=O)−(C〜C)アルキル−複素環の形態の基が含まれる。さらに、R6置換基について、「アミノカルボン酸基」という用語は、1つまたは複数の独立に選択されるアミノ基の形態の−NR5’R6’(R5’およびR6’は水素および(C1〜C6)アルキルからなる群から独立に選択される)を担持する上記置換基の1つまたは複数で置換されたカルボン酸基を含むカルボン酸基を指す。
本発明の一実施形態では、R6は、これらに限定されないが、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリンまたはその立体異性体もしくはラセミ混合物を含むαアミノ酸またはαイミノ酸である。本発明の他の実施形態では、R6は、L−アラニン、L−アルギニン、L−アスパラギン、L−アスパラギン酸、L−システイン、L−グルタミン、L−グルタミン酸、L−グリシン、L−ヒスチジン、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−リシン、L−メチオニン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、L−セリン、L−トレオニン、L−トリプトファン、L−チロシン、L−バリンからなる群から選択されるαアミノ酸またはαミノ酸である。
R6置換基について、「ペプチド」という用語は、加水分解により2、3、4または5個のアミノ酸またはイミノ酸(例えば、プロリン)をそれぞれ放出するジペプチド、トリペプチド、テトラペプチドまたはペンタペプチドを指す。R6について、ペプチドは、分子の残りの部分とエステル結合を介して結合している。一実施形態では、R6のペプチドは、これらに限定されないが、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリンまたはその立体異性体もしくはラセミ混合物を含むαアミノ酸またはαイミノ酸を含み、本実施形態のより好ましい形態は、エステル結合に関わるカルボキシル基は、側鎖カルボキシルの反対側の、ペプチドのカルボキシル末端COOH基である。本発明の他の実施形態では、R6は、L−アラニン、L−アルギニン、L−アスパラギン、L−アスパラギン酸、L−システイン、L−グルタミン、L−グルタミン酸、L−グリシン、L−ヒスチジン、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−リシン、L−メチオニン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、L−セリン、L−トレオニン、L−トリプトファン、L−チロシンおよびL−バリンからなる群から選択されるαアミノ酸またはαイミノ酸であり、この好ましい実施形態のより好ましい形態では、エステル結合に関わるカルボキシル基は、側鎖カルボキシルの反対側のペプチドのカルボキシル末端COOH基である。
本発明の化合物のすべての立体異性体は、ラセミ混合物の結晶形態および個別異性体の結晶形態を含む、混合形態、または純粋かもしくは実質的に純粋な形態であるものとする。本発明による化合物の定義は、可能性のあるすべての立体異性体(例えば、各不斉中心のR配置およびS配置)およびその混合物を包含する。それは特に、ラセミ体、および特定の活性を有する単離された光学異性体を包含する。ラセミ体は、例えば、分別結晶化、ジアステレオマー誘導体の分離または結晶化、キラルカラムクロマトグラフィーまたは超臨界流体クロマトグラフィーによる分離、などの物理的方法で分割することができる。個々の光学異性体は、光学的に活性な酸との塩の形成、続く結晶化などの従来の方法でラセミ化合物から得ることができる。さらに、二重結合でのE配置およびZ配置などのすべての幾何異性体は、別段の言及のない限り、本発明の範囲内であるものとする。本発明の具体的な化合物は、互変異性型で存在することができる。そうした化合物のすべての互変異性型は、別段の言及のない限り、本発明の範囲内であるものとする。本発明は、類似物または誘導体の1つまたは複数の位置異性体混合物も含む。
本明細書で用いる「塩」という用語は、薬学的に許容される塩であり、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸、硫酸塩、硫酸水素塩、アルキルスルホン酸塩、アリールスルホン酸塩、酢酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、乳酸塩および酒石酸塩を含む酸付加塩;Na、K、Liなどのアルカリ金属カチオン、MgもしくはCaなどのアルカリ土類金属塩または有機アミン塩を含むことができる。
本明細書用いる「代謝産物」という用語は、本発明の化合物または薬学的に許容されるその塩、類似体または誘導体の代謝による産物であって、前記本発明の化合物に対してインビボで同様の活性を示す産物を意味する。
本明細書用いる「プロドラッグ」という用語は、アミノ酸部分または他の水溶性部分などの1つまたは複数のプロ部分と共有結合した本発明の化合物を意味する。本発明の化合物は、加水分解的、酸化的および/または酵素的放出機序によってプロ部分から放出させることができる。一実施形態では、本発明のプロドラッグ組成物は、高い水溶解度、改善された安定性および改善された薬物動態プロファイルからなる追加的利益を示す。所望のプロドラッグ特徴が得られるようにプロ部分を選択することができる。例えば、プロ部分、例えばR5内のホスフェートなどのアミノ酸部分または他の水溶性部分は、溶解性、安定性、生物学的利用能および/またはインビボでの送達または摂取にもとづいて選択することができる。
2.ピロリジン−2−オン、ピロリジンおよびチオスクシンイミドの合成
有機分子の調製のための標準的な合成方法または手順、ならびに保護基の使用を含む官能基の転換および操作法は、この分野の関連する科学文献または標準的参考書から得ることができる。1つまたは複数のいずれかの情報源に限定するわけではないが、広く認められている有機合成の参考書には、Smith、M.B.;March、J.March’s Advanced Organic Chemistry:Reactions、Mechanisms、and Structure、第5版;John Wiley & Sons:New York、2001年;およびGreene、T.W.;Wuts、P.G.M.Protective Groups in Organic Synthesis、3rd;John Wiley & Sons:New York、1999年が含まれる。合成方法の以下の記述は、限定するわけではないが、本発明の化合物の調製のための基本手順を示すものである。
本発明は、式I、II、IIIまたはIVのピロリジン−2−オン、ピロリジンおよびチオスクシンイミド化合物を提供する。
2.1 式I、II、IIIまたはIVの化合物(ZとVの両方がOまたはHであることはない)の調製のための基本手順
式I、II、IIIまたはIVの化合物(ZとVの両方がOまたはHであることはない)の調製は、式VまたはXの化合物の還元、スキーム1および2によって達成することができる。
2.1.1 式Vの化合物からの式VI、VII、VIII、IXの化合物の調製
式Vの化合物の式VI、VII、VIIIおよびIXの化合物への還元は、これらに限定されないが、アルコール中の金属(還元手順A)、触媒的水素化(還元手順B)または触媒的水素化(還元手順B)を用いた還元、続く、基本スキーム1による異性化などの様々な手順を用いて実施することができる。
スキーム1
還元手順A
式Vの化合物は、これらに限定されないが、メタノール、エタノール、n−プロパノールおよびイソプロパノールなどの適切な無水溶媒中で、不活性雰囲気下、50℃〜混合物の沸点の範囲の温度で、これらに限定されないが、ナトリウム、カルシウムまたはマグネシウム等適切な還元性金属と0.5〜12時間反応させることによって、式VIIIおよびIXの化合物に還元することができる。時間と温度はどちらも、使用する化合物の具体的な置換基に応じて変えることができる。特定の実施形態では、反応は、実施例1のステップ10に記載するように、メタノール中、還流下で約6時間、金属マグネシウムを使用する。
還元手順B
式Vの化合物は、これらに限定されないが、エタノール、メタノール、テトラヒドロフラン(THF)またはN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)などの適切な溶媒中、20〜100℃の温度範囲で、酸化白金、パラジウム炭素、ロジウムまたはルテニウムなどの貴金属触媒を用いて、少なくとも1気圧の水素ガス下で1〜48時間触媒的水素化することによって、式VIおよびVIIの化合物に還元することができる。時間と温度はどちらも、使用する化合物の具体的な置換基に応じて変えることができる。
式VIIIおよびIXの化合物は、式VIおよびVIIの化合物を、これらに限定されないが、THF、tert−ブタノールまたはDMFなどの適切な溶媒中で、これらに限定されないが、カリウムtert−ブトキシド、水酸化カリウムまたはナトリウムメトキシドなどの適切な塩基を用いて、周囲温度から混合物の沸点の温度範囲で、1〜48時間異性化することによっても調製することができる。時間と温度はどちらも、使用する化合物の具体的な置換基に応じて変えることができる。
2.1.2 式Xの化合物からの式XI、XII、XIII、XIVの化合物の調製
式Xの化合物からの式XI、XII、XIIIおよびXIVの化合物の調製、スキーム2は、節2.1.1に記載の基本手順を用いて実施することができる。
スキーム2
2.1.3 式XVの化合物からの式Vの化合物の調製
式Vの化合物は、式XVの化合物から、式XVIまたはXVIIの酸または酸クロリドとカップリングし、続く保護、塩基による環化、脱保護するスキーム3(Pは保護基である)によって調製することができる。
式XVIIIの化合物を得るための式XVの化合物の式XVIまたはXVIIの酸または酸クロリドとのカップリングは、これらに限定されないが、THF、ジクロロメタン(DCM)、1,2−ジクロロエタン(DCE)またはDMFなどの適切な任意の無水溶媒中で、これらに限定されないが、カルボニルジイミダゾール(CDI)、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)またはジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)などの酸に対する適切なカップリング試薬を用い、必要に応じて、これらに限定されないが、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)またはピリジンなどの適切な塩基を用いて、0℃〜100℃の温度範囲で、0.5〜24時間実施することができる。時間と温度はどちらも、使用する化合物の具体的な置換基に応じて変えることができる。
スキーム3
式XIXの化合物を作製するための式XVIIIの化合物の保護は、これらに限定されないが、THF、DCMまたはDMFなどの適切な任意の溶媒中、これらに限定されないが、ジ−tert−ブチルジカーボネートなどの適切な保護剤を用い、必要なら、これらに限定されないが、水酸化ナトリウム、重炭酸ナトリウム、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)などの塩基を用いて、0℃〜60℃の温度範囲で0.5〜24時間実施することができる。時間と温度はどちらも、使用する化合物の具体的な置換基に応じて変えることができる。
式XXの化合物を作製するための式XIXの化合物の環化は、これらに限定されないが、THF、DMFまたはN,N−ジメチルアセトアミド(DMA)などの適切な任意の無水溶媒中、これらに限定されないが、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、水素化ナトリウム、リチウムヘキサメチルジシラザン(LiHMDS)またはカリウムtert−ブトキシド(tBuOK)などの適切な塩基を用いて、−78℃〜130℃の温度範囲で0.5〜24時間実施することができる。時間と温度はどちらも、使用する化合物の具体的な置換基に応じて変えることができる。
式Vの化合物を得るための式XXの化合物の脱保護は、これらに限定されないが、THF、1,4−ジオキサン、DCM、メタノール、DMFまたはDMAなどの適切な任意の溶媒中、これらに限定されないが、トリフルオロ酢酸(TFA)、塩酸またはピペリジンなどの適切な脱保護試薬を用いて、0℃〜50℃の温度範囲で0.5〜24時間実施することができる。時間と温度はどちらも、使用する化合物の具体的な置換基に応じて変えることができる。
2.1.4 式XXIの化合物からの式Vの化合物の調製
式Vの化合物は、式XXIの化合物から、式XXIIのオキソエステル(R13は(C1〜C4)アルキル基である)と縮合して式XXIIIの化合物を生成し、続いて、チオカルボニル基を除去することによって得ることもできる(スキーム4)。
式XXIIIの化合物を形成するための式XXIの化合物の式XXIIのオキソエステルとの縮合は、これらに限定されないが、THFまたはジエチルエーテルなどの適切な任意の無水溶媒中、これらに限定されないが、水素化ナトリウム、LiHMDSまたはtBuOKなどの適切な塩基の存在下、−78℃〜25℃の温度範囲で0.5〜24時間実施することができる。時間と温度はどちらも、使用する化合物の具体的な置換基に応じて変えることができる。
スキーム4
式XXIIIの化合物は、これらに限定されないが、チオカルボニル基を除去することができるラネーニッケルなどの還元剤を用いて、これらに限定されないが、エタノールまたはメタノールなどの適切な溶媒中、25℃から反応混合物の沸点の温度範囲で0.5〜24時間反応させることによって、式Vの化合物へ転換させることができる。時間と温度はどちらも、使用する化合物の具体的な置換基に応じて変えることができる。
2.1.5 式XXVの化合物からの式Xの化合物の調製
式Xの化合物は、節2.1.3.スキーム5に記載の基本手順によって式XXVの化合物から調製することができる。
スキーム5
2.1.6 式XXXの化合物からの式Xの化合物の調製
式Xの化合物は、節2.1.4.スキーム6に記載の基本手順によって式XXXの化合物から調製することができる。
スキーム6
2.2 式I、II、IIIまたはIV(ZとVの両方がOまたはSであることはない)および式I、II、IIIまたはIV(ZとVの両方がOまたはHであることはない)の化合物の調製
式I、II、IIIまたはIV(ZとVの両方がOまたはSであることはない)の化合物は、WO2006086484に記載のようにして、カルボニル基をチオカルボニル基に転換させることができる試薬で処理することによって式XXXII〜XXXVの化合物から調製することができ、式I、II、IIIまたはIV(ZとVの両方がOまたはHであることはない)の化合物は、チオカルボニル基を除去することによって式XXXVI〜XLIIIの化合物から得ることができる(スキーム7)。
2.2.1 式XXXVI〜XLIIIの化合物の調製
式XXXVI〜XLIIIの化合物は、式XXXII〜XXXVの化合物から、これらに限定されないが、THF、1,4−ジオキサンまたはトルエンなどの適切な溶媒中、25℃から反応混合物の沸点の温度範囲で0.5〜24時間、これらに限定されないが、ローソン試薬または五硫化リンなどの、カルボニル基をチオカルボニル基に転換させることができる試薬で処理することによって調製することができる。時間と温度はどちらも、使用する化合物の具体的な置換基に応じて変えることができる。
2.2.2 式XXXVI〜XLIIIの化合物からの式VI〜IXおよびXI〜XIVの化合物の調製
式XXXVI〜XLIIIの化合物からの式VI〜IXおよびXI〜XIVの化合物の調製は、25℃から反応混合物の沸点の温度範囲で0.5〜24時間、これらに限定されないが、エタノールまたはメタノールなどの適切な溶媒中、これらに限定されないが、チオカルボニル基を除去することができるラネーニッケルなどの還元剤と反応させることによって実施することができる。時間と温度はどちらも、使用する化合物の具体的な置換基に応じて変えることができる。
スキーム7
2.3 式I、II、IIIまたはIV(ZとVはどちらもHである)の化合物の調製
式I、II、IIIまたはIV(ZとVはどちらもHである)の化合物は、式XXXII、XXXIII、XXXIVまたはXXXVの化合物から、これを還元し、続いてイソシアネート、酸もしくは酸クロリド、スルホニルクロリドまたはアルキル化試薬と反応させることによって調製することができる(スキーム8)。
2.3.1 式XXXII〜XXXVの化合物からの式XLIVおよびXLVIの化合物の調製
式XLIVの化合物は、式XXXII〜XXXVの化合物から、これらに限定されないが、THFまたは1,4−ジオキサンなどの適切な溶媒中、25℃から反応混合物の沸点の温度範囲で0.5〜24時間、これらに限定されないが、水素化アルミニウムリチウムなどの適切な還元剤と反応させることによって調製することができる。時間と温度はどちらも、使用する化合物の具体的な置換基に応じて変えることができる。
式XLVIの化合物は、式XLIVの化合物から、最初に、これらに限定されないが、THF、DMFまたはDCMなどの適切な溶媒中、0℃〜60℃の温度範囲で0.5〜24時間、これらに限定されないが、ジ−tert−ブチルジカーボネートなどの適切な保護剤を用い、必要なら、これらに限定されないが、水酸化ナトリウム、重炭酸ナトリウムまたはDMAPなどの塩基を用いて処理することによって式XLVの化合物に転換せることができる。時間と温度はどちらも、使用する化合物の具体的な置換基に応じて変えることができる。
式XLVの化合物は、これらに限定されないが、THF、1,4−ジオキサン、DCM、メタノール、DMFまたはDMAなどの適切な溶媒中、0℃〜50℃の温度範囲で0.5〜24時間、これらに限定されないが、TFA、塩酸またはピペリジンなどの適切な脱保護試薬で脱保護することによって、式XLVIの化合物に転換させることができる。時間と温度はどちらも、使用する化合物の具体的な置換基に応じて変えることができる。
2.3.2 式XLVII、XLVIII、XLIXおよびLXの化合物の調製
式XLVIIの化合物は、式XLVIの化合物から、これらに限定されないが、THF、1,4−ジオキサン、DCM、メタノールまたはDMFなどの適切な溶媒中で、これらに限定されないが、エチルイソシアネート、シクロプロピルイソシアネート、フェニルイソシアネート、ベンゾイルイソシアネートなどの適切なイソシアネートを用い、必要なら、これらに限定されないが、トリエチルアミン、DIPEAまたはピリジン等適切な塩基を用いて、0℃〜60℃の温度範囲で0.5〜24時間反応することによって調製することができる。時間と温度はどちらも、使用する化合物の具体的な置換基に応じて変えることができる。
式XLVIIIの化合物は、式XLVIの化合物を、これらに限定されないが、THF、DCM、DMFまたはDMAなどの適切な無水溶媒中、0℃〜100℃の温度範囲で0.5〜24時間、これらに限定されないが、CDI、HBTUまたはDCCなどの適切なカップリング試薬(酸のためだけ)、必要に応じて、これらに限定されないが、トリエチルアミン、DIPEAまたはピリジンなどの適切な塩基の存在下、安息香酸、ニコチン酸、酢酸などの酸、またはこれらに限定されないが、シクロブチルカルボニルクロリド、tert−ブチルアセチルクロリドなどの酸クロリドと縮合させることによって調製することができる。時間と温度はどちらも、使用する化合物の具体的な置換基に応じて変えることができる。
式XLIXの化合物は、式XLVIの化合物から、これらに限定されないが、THF、1,4−ジオキサン、ピリジンまたはDCMなどの適切な溶媒中、これらに限定されないが、トリエチルアミン、DIPEAまたはピリジンなどの適切な塩基の存在下、0℃〜100℃の温度範囲で0.5〜24時間、これらに限定されないが、イソプロピルスルホニルクロリド、ベンゼンスルホニルクロリド、メタンスルホニルクロリド、p−トルエンスルホニルクロリドなどの適切なスルホニルクロリドと反応させることによって調製することができる。時間と温度はどちらも、使用する化合物の具体的な置換基に応じて変えることができる。
式LXの化合物は、式XLVIの化合物から、これらに限定されないが、THF、1,4−ジオキサン、DCM、DMFまたはDMA等適切な溶媒中、これらに限定されないが、トリエチルアミン、DIPEA、ピリジン、水素化ナトリウム、炭酸セシウムまたは炭酸カリウムなどの適切な塩基の存在下、0℃〜100℃の温度範囲で0.5〜24時間、これらに限定されないが、臭化ベンジル、クロロアセトアミド、ヨウ化メチル、ヨウ化ブチルなどの適切なアルキルハライドを用いて調製することができる。時間と温度はどちらも、使用する化合物の具体的な置換基に応じて変えることができる。
スキーム8
2.4。式Aの化合物からの式XV、XXI、XXIVおよびXXIXの化合物の調製
式XV、XXI、XXIVおよびXXIXの化合物は、式Aの化合物から、市販されているか、またはWO2006086484および文献Tetrahedron Letter 1997年、第38巻(30号)、5379〜5382頁;Journal of Heterocyclic Chemistry 1988年、第25巻(3号)、937〜942頁;Bioorganic & Medicinal Chemistry Letter 2004年、第24巻(12号)、3217〜3220頁(スキーム9)に記載されている様々な合成経路によって得ることができる。
2.4.1 式Aの化合物からの式XXIVおよびXXIXの化合物の調製
式XXIXの化合物は、式Aの化合物から、これらに限定されないが、THF、1,4−ジオキサンまたはDCMなどの適切な無水溶媒中、0℃〜25℃の温度範囲で0.5〜24時間塩化オキサリルと反応させ、続いて、これらに限定されないが、エタノール、メタノールまたはイソプロパノールなどの適切なアルコールを加えて0℃〜25℃の温度範囲で0.5〜24時間反応させることによって得ることができる。時間と温度はどちらも、使用する化合物の具体的な置換基に応じて変えることができる。
式Bの化合物は、式XXIXの化合物から、これらに限定されないが、THF/水または1,4−ジオキサン/水などの適切な水性溶媒混合液中、60℃から混合物の沸点の温度範囲で0.5〜24時間、これらに限定されないが、次亜リン酸ナトリウムおよびパラジウム炭素などの還元剤で処理して得ることができる。時間と温度はどちらも、使用する化合物の具体的な置換基に応じて変えることができる。
式XXIVの化合物は、式Bの化合物から、これらに限定されないが、THF/水、1,4−ジオキサン/水、エタノール/水またはメタノール/水などの適切な水性溶媒混合液中、20℃から混合物の沸点の温度範囲で0.5〜24時間、これらに限定されないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは水酸化リチウムなどの塩基で加水分解することによって得ることができる。時間と温度はどちらも、使用する化合物の具体的な置換基に応じて変えることができる。
2.4.2 式Aの化合物からの式XXIの化合物の調製
式XXIの化合物は、式Aの化合物から、様々な合成経路、スキーム9によって得ることができる。
式Cの化合物は、式Aの化合物から、これらに限定されないが、THF、1,4−ジオキサンまたはDCMなどの適切な無水溶媒中、0℃〜25℃の温度範囲で0.5〜24時間塩化オキサリルと反応させ、続いて、これらに限定されないが、水、エタノール、メタノールまたはイソプロパノールなどの適切な溶媒中でアンモニアを加えて0℃〜25℃の温度範囲で0.5〜24時間反応させることによって得ることができる。時間と温度はどちらも、使用する化合物の具体的な置換基に応じて変えることができる。
式Dの化合物は、節2.4.1で説明した式XXIXの化合物から式Bの化合物を得る手順によって式Cの化合物から得るか、あるいは式XXIVの化合物から、これらに限定されないが、THF、1,4−ジオキサンまたはDCMなどの適切な無水溶媒中、これらに限定されないが、CDI、HBTUまたは塩化オキサリルなどの活性化剤で、0℃〜25℃の温度範囲で0.5〜24時間処理し、続いて、これらに限定されないが、水、エタノール、メタノールまたはイソプロパノールなどの適切な溶媒中、0℃〜25℃の温度範囲で0.5〜24時間アンモニアを加えることによって得ることができる。時間と温度はどちらも、使用する化合物の具体的な置換基に応じて変えることができる。
式Eの化合物は、式Dの化合物から、これらに限定されないが、THF、1,4−ジオキサンまたはDCMなどの適切な無水溶媒中、0℃〜25℃の温度範囲で0.5〜24時間、これらに限定されないが、バージェス試薬などの適切な脱水試薬で処理することによって得ることができる。時間と温度はどちらも、使用する化合物の具体的な置換基に応じて変えることができる。
式XXIの化合物は、式Eの化合物から、酢酸中、60℃〜120℃の温度範囲で0.5〜24時間、チオ酢酸で処理することによって得ることができる。時間と温度はどちらも、使用する化合物の具体的な置換基に応じて変えることができる。
2.4.3 式Aの化合物からの式XVの化合物の調製
式XVの化合物は、4段階の一連のスキーム9により式Aの化合物から得ることができる。
式Fの化合物は、式Aの化合物から、0℃〜100℃の温度範囲で0.5〜6時間、2−クロロ−N,N−ジメチルアセトアミドおよびオキシ塩化リンと反応させることによって得ることができる。時間と温度はどちらも、使用する化合物の具体的な置換基に応じて変えることができる。
式Gの化合物は、式Fの化合物から、これらに限定されないが、DMF、DMF/水、DCM/水、THF/水などの適切な溶媒中、0℃〜80℃の温度範囲で0.5〜24時間、これらに限定されないが、アジ化ナトリウムまたはアジ化リチウムなどの無機アジドと反応させることによって得ることができる。時間と温度はどちらも、使用する化合物の具体的な置換基に応じて変えることができる。
式Jの化合物は、式Gの化合物から、これらに限定されないが、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、エタノールまたはメタノールなどの適切な溶媒中でジ−tert−ブチルジカーボネートの存在下、少なくとも1気圧の水素ガス下、20℃〜80℃の温度範囲で0.5〜24時間、これらに限定されないが、酸化白金、パラジウム炭素、酢酸ロジウムまたは塩化ルテニウムなどの貴金属触媒を用いた触媒による還元によって得ることができる。時間と温度はどちらも、化合物上にある具体的な置換基に応じて変えることができる。
式XVの化合物は、式Jの化合物から、これらに限定されないが、THF、1,4−ジオキサン、DCMまたはメタノールなどの適切な溶媒中、0℃〜100℃の温度範囲で0.5〜24時間、これらに限定されないが、塩酸またはトリフルオロ酢酸などの適切な脱保護試薬で処理することによって得ることができる。時間と温度はどちらも、存在する具体的な置換基に応じて変えることができる。
スキーム9
2.5 式I、II、IIIおよびIVの化合物の分離
式I、II、IIIおよびIVの構造を有する個々の生成物の単離が望ましい場合、その生成物は、1つまたは複数のクロマトグラフィー媒体を用いたクロマトグラフィーにより分離することができる。試料中に存在する生成物のアイデンティティおよび純度を判定するために、クロマトグラフィーは、分取スケールまたは分析的スケールで実施することができる。これらに限定されないが、シリカ、C18逆相シリカ、イオン交換、キラルクロマトグラフィー媒体またはその組合せを含む適切な任意のクロマトグラフィー媒体を分離に有利に使用することができるが、式I、II、IIIおよびIVを有する生成物の分離のための具体的なクロマトグラフィー媒体の適合性および条件は、その化合物上に存在する置換基に依存することになる。好ましい実施形態では、クロマトグラフィー分離はHPLCを用いて実施する。他の好ましい実施形態では、分離は超臨界流体クロマトグラフィーを用いて実施する。超臨界流体クロマトグラフィーを用いる場合、CO、またはCOとアセトニトリル(ACN)、メタノール、エタノール、イソプロパノールもしくはヘキサンを含む他の溶媒の混合物が好ましい移動相であり、COとメタノールの混合物が最も好ましい。これらに限定されないが、ChiralCel OA、OB、ODまたはOJ;ChiralPak ADまたはAS;Cyclobond I、IIまたはIII;およびChirobiotic T、VおよびR媒体を含む様々なクロマトグラフィー媒体(固定相)を、超臨界流体クロマトグラフィーで使用することができる。
より好ましい実施形態では、生成物が式I、II、IIIおよびIVの個々の異性体である場合、その異性体の2つ以上を含む混合物を、キラル媒体を用いた超臨界流体クロマトグラフィーにより分離することができる。1つのより好ましい実施形態では、CHIRALPAK(登録商標)ADカラム(Daicel(U.S.A.)Inc.Fort Lee、NJ)を用いて分離を行う。その実施形態では、生成物を、メタノールとアセトニトリルの混合物、またはアセトニトリル中でADカラムにかけ、続いて、カラムを、CO中でメタノールを用いて溶出させる。
式I、II、IIIおよびIVの化合物の個々のラセミ体は、例えば、ジアステレオマー誘導体の分別結晶化または結晶化などの物理的方法によっても分割することができる。さらに、個々の光学異性体は、光学的に活性な酸を用いた塩の生成、必要に応じて、続く結晶化などの従来の方法によって、ラセミ混合物から得ることができる。
3.治療方法
本明細書で用いるように、「対象」は任意の哺乳動物、例えば、ヒト、霊長類、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ラクダであってよい。好ましい態様では、対象はヒトである。
本明細書で用いるように、「それを必要とする対象」は、細胞増殖性障害を有する対象、または一般集団と比較して細胞増殖性障害を起こすリスクの高い対象である。一態様では、それを必要とする対象は、前癌状態を有する。好ましい態様では、それを必要とする対象は、癌を有する。
本明細書で用いるように、用語「細胞増殖性障害」は、細胞の無秩序または異常な増殖、またはその両方が、癌性であっても癌性でなくともよい望ましくない状態または疾患の発生をもたらし得る状態を指す。一態様では、細胞増殖性障害には、非癌性の状態、例えば、関節リウマチ、炎症、自己免疫疾患、リンパ球増殖性状態、先端巨大、リウマチ様脊椎炎、骨関節炎、痛風、他の関節炎状態、敗血症、敗血症性ショック、内毒素ショック、グラム陰性の敗血症、毒素ショック症候群、喘息、成人呼吸窮迫症候群、慢性閉塞性肺疾患、慢性肺炎症、炎症性腸疾患、クローン病、乾癬、湿疹、潰瘍性大腸炎、膵臓線維症、肝臓線維症、急性および慢性の腎疾患、過敏性腸症候群、発熱(pyresis)、再狭窄、大脳マラリア、脳卒中および虚血傷害、神経外傷、アルツハイマー病、ハンチントン病、パーキンソン病、急性および慢性疼痛、アレルギー性鼻炎、アレルギー結膜炎、慢性心不全、急性冠状動脈症候群、悪液質、マラリア、ハンセン病、リーシュマニア症、ライム病、ライター症候群、急性滑膜炎、筋肉変性、滑液包炎、腱炎、滑液鞘炎、ヘルニア性、破裂性または脱出性の椎間板症候群、大理石骨病、血栓症、再狭窄、ケイ肺症、肺筋肉の異常増殖、骨粗鬆症などの骨吸収疾患、移植片対宿主反応、多発硬化症、ループス、線維筋痛、エイズおよび帯状ヘルペス、単純ヘルぺスI型またはII型、インフルエンザウイルスおよびサイトメガロウイルスなどの他のウイルス疾患、ならびに糖尿病が含まれる。別の態様では、細胞増殖性障害には、前癌または前癌状態が含まれる。別の態様では、細胞増殖性障害には、癌が含まれる。治療する様々な癌には、それらに限定されないが、乳癌、肺癌、結腸直腸癌、膵臓癌、卵巣癌、前立腺癌、腎癌、肝癌、脳腫瘍、黒色腫、多発性骨髄腫、慢性骨髄性白血病、血液腫瘍およびリンパ腫が含まれ、それらには、原発腫瘍部位から離れている他の組織または器官の転移病巣も含まれる。治療する癌には、それらに限定されないが、肉腫、癌腫および腺癌が含まれる。一態様では、「前癌細胞」または「前癌性の細胞」は、前癌または前癌状態である細胞増殖性障害を発現している細胞である。別の態様では、「癌細胞」または「癌性の細胞」は、癌である細胞増殖性障害を発現している細胞である。癌細胞または前癌細胞を特定するために、再現性のある任意の測定手段を用いることができる。好ましい態様では、癌細胞または前癌細胞は、組織試料(例えば、生検試料)の組織学的タイピングまたは類別によって特定される。別の態様では、癌細胞または前癌細胞は、適当な分子マーカーを用いることによって特定される。
「血液系の細胞増殖性障害」は、血液系の細胞に関わる細胞増殖性障害である。一態様では、血管系の細胞増殖性障害には、リンパ腫、白血病、骨髄新生物、肥満細胞新生物、脊髄形成異常、良性単クローン性免疫グロブリン症、リンパ腫様肉芽腫症、リンパ腫様丘疹症、真性赤血球増加症、慢性骨髄性白血病、原因不明骨髄様化生および本態性血小板血症が含まれる。別の態様では、血液系の細胞増殖性障害には、血液系の細胞の過形成、異形成および化生が含まれる。好ましい態様では、本発明の組成物は、本発明の血液癌または本発明の血液細胞増殖性障害からなる群から選択される癌を治療するために用いることができる。一態様では、本発明の血液癌には、多発性骨髄腫、リンパ腫(ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、小児リンパ腫ならびにリンパおよび皮膚起源のリンパ腫を含む)、白血病(小児白血病、毛様細胞性白血病、急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄球性白血病、慢性骨髄性白血病および肥満細胞性白血病を含む)、骨髄新生物および肥満細胞新生物が含まれる。
「肺の細胞増殖性障害」は、肺の細胞に関わる細胞増殖性障害である。一態様では、肺の細胞増殖性障害には、肺細胞に影響を及ぼす細胞増殖性障害のすべての形態が含まれる。一態様では、肺の細胞増殖性障害には、肺癌、肺の前癌または前癌状態、肺の良性の増殖または病巣、および肺の悪性の増殖または病巣、および肺以外の体組織および器官の転移病巣が含まれる。好ましい態様では、本発明の組成物を、肺癌または肺の細胞増殖性障害を治療するために用いることができる。一態様では、肺癌には、肺の癌のすべての形態が含まれる。別の態様では、肺癌には、悪性の肺新生物、上皮内癌、定型的カルチノイド腫瘍および非定型カルチノイド腫瘍が含まれる。別の態様では、肺癌には、小細胞肺癌(「SCLC」)、非小細胞肺癌(「NSCLC」)、扁平上皮癌、腺癌、小細胞癌、大細胞癌、腺扁平上皮癌および中皮腫が含まれる。別の態様では、肺癌には、「瘢痕癌」、気管支肺胞癌、巨細胞癌、紡錘体細胞癌および大細胞神経内分泌癌が含まれる。別の態様では、肺癌には、組織学的および超微細構造的不均一性(例えば、混合した細胞型)を有する肺新生物が含まれる。
一態様では、肺の細胞増殖性障害には、肺細胞に影響を及ぼす細胞増殖性障害のすべての形態が含まれる。一態様では、肺の細胞増殖性障害には、肺癌、肺の前癌状態が含まれる。一態様では、肺の細胞増殖性障害には、肺の過形成、化生および異形成が含まれる。別の態様では、肺の細胞増殖性障害には、アスベスト誘発過形成、扁平上皮化生および良性反応性中皮化生が含まれる。別の態様では、肺の細胞増殖性障害には、円柱上皮の重層扁平上皮との交換、および粘膜異形成が含まれる。別の態様では、たばこの煙およびアスベストなどの吸入された有害な環境因子に曝露した個体は、肺の細胞増殖性障害を発症するリスクが高いことがある。別の態様では、個体が肺の細胞増殖性障害を発症する素因になり得る先行肺疾患には、慢性間質性肺疾患、壊死性肺疾患、強皮症、リウマチ様疾患、サルコイドーシス、間質性肺炎、結核、反復肺炎、特発性肺線維症、肉芽腫、石綿肺症、線維化性肺胞炎およびホジキン病が含まれる。
「結腸の細胞増殖性障害」は、結腸の細胞に関わる細胞増殖性障害である。好ましい態様では、結腸の細胞増殖性障害は、結腸癌である。好ましい態様では、本発明の組成物を、結腸癌または結腸の細胞増殖性障害を治療するために用いることができる。一態様では、結腸癌には、結腸の癌のすべての形態が含まれる。別の態様では、結腸癌には、散発性および遺伝性の結腸癌が含まれる。別の態様では、結腸癌には、悪性の結腸新生物、上皮内癌、定型的カルチノイド腫瘍および非定型カルチノイド腫瘍が含まれる。別の態様では、結腸癌には、腺癌、扁平上皮癌および腺扁平上皮癌が含まれる。別の態様では、結腸癌は、遺伝性の非ポリープ性結腸直腸癌、家族性腺腫様ポリープ症、ガードナー症候群、ポイツ−ジェガーズ症候群、ターコット症候群および若年性ポリポーシスからなる群から選択される遺伝性の症候群と関連する。別の態様では、結腸癌は、遺伝性の非ポリープ性結腸直腸癌、家族性腺腫様ポリープ症、ガードナー症候群、ポイツ−ジェガーズ症候群、ターコット症候群および若年性ポリポーシスからなる群から選択される遺伝性の症候群に起因する。
一態様では、結腸の細胞増殖性障害には、結腸細胞に影響を及ぼす細胞増殖性障害のすべての形態が含まれる。一態様では、結腸の細胞増殖性障害には、結腸癌、結腸の前癌状態、結腸の腺腫性ポリープおよび結腸の異時性病巣が含まれる。一態様では、結腸の細胞増殖性障害には、腺腫が含まれる。一態様では、結腸の細胞増殖性障害は、結腸の過形成、化生および異形成を特徴とする。別の態様では、個体が結腸の細胞増殖性障害を発症する素因になることができる先行結腸疾患には、先行結腸癌が含まれる。別の態様では、個体が結腸の細胞増殖性障害を発症する素因になることができる現在の疾患には、クローン病および潰瘍性大腸炎が含まれる。一態様では、結腸の細胞増殖性障害は、p53、ras、FAPおよびDCCからなる群から選択される遺伝子の突然変異と関連する。別の態様では、個体は、p53、ras、FAPおよびDCCからなる群から選択される遺伝子の突然変異の存在のために、結腸の細胞増殖性障害を発症するリスクが高い。
「前立腺の細胞増殖性障害」は、前立腺の細胞に関わる細胞増殖性障害である。一態様では、前立腺の細胞増殖性障害には、前立腺細胞に影響を及ぼす細胞増殖性障害のすべての形態が含まれる。一態様では、前立腺の細胞増殖性障害には、前立腺癌、前立腺の前癌または前癌状態、前立腺の良性の増殖または病巣、および前立腺の悪性の増殖または病巣、および前立腺以外の体組織および器官の転移病巣が含まれる。別の態様では、前立腺の細胞増殖性障害には、前立腺の過形成、化生および異形成が含まれる。
「皮膚の細胞増殖性障害」は、皮膚の細胞に関わる細胞増殖性障害である。一態様では、皮膚の細胞増殖性障害には、皮膚細胞に影響を及ぼす細胞増殖性障害のすべての形態が含まれる。一態様では、皮膚の細胞増殖性障害には、皮膚の前癌または前癌状態、皮膚の良性の増殖または病巣、黒色腫、悪性黒色腫、および皮膚の他の悪性の増殖または病巣、および皮膚以外の体組織および器官の転移病巣が含まれる。別の態様では、皮膚の細胞増殖性障害には、皮膚の過形成、化生および異形成が含まれる。
「卵巣の細胞増殖性障害」は、卵巣の細胞に関わる細胞増殖性障害である。一態様では、卵巣の細胞増殖性障害には、卵巣細胞に影響を及ぼす細胞増殖性障害のすべての形態が含まれる。一態様では、卵巣の細胞増殖性障害には、卵巣の前癌または前癌状態、卵巣の良性の増殖または病巣、卵巣癌、卵巣の悪性の増殖または病巣、および卵巣以外の体組織および器官の転移病巣が含まれる。別の態様では、皮膚の細胞増殖性障害には、卵巣の過形成、化生および異形成が含まれる。
「乳房の細胞増殖性障害」は、乳房の細胞に関わる細胞増殖性障害である。一態様では、乳房の細胞増殖性障害には、乳房細胞に影響を及ぼす細胞増殖性障害のすべての形態が含まれる。一態様では、乳房の細胞増殖性障害には、乳癌、乳房の前癌または前癌状態、乳房の良性の増殖または病巣、および乳房の悪性の増殖または病巣、および乳房以外の体組織および器官の転移病巣が含まれる。別の態様では、乳房の細胞増殖性障害には、乳房の過形成、化生および異形成が含まれる。
一態様では、乳房の細胞増殖性障害は、乳房の前癌状態である。一態様では、本発明の組成物を、乳房の前癌状態を治療するために用いることができる。一態様では、乳房の前癌状態には、乳房の非定型過形成、腺管上皮内癌(DCIS)、分泌管内癌、上皮内小葉癌(LCIS)、小葉新生物、および乳房の第0期または段階0の増殖または病巣(例えば、第0期または段階0の乳癌または上皮内癌)が含まれる。別の態様では、乳房の前癌状態は、アメリカ癌合同委員会(AJCC)によって認められているようなTNM分類スキームによって段階付けされ、そこでは、原発腫瘍(T)はT0期またはTis期が割り当てられ、所属リンパ節(N)はN0期が割り当てられ、遠隔転移(M)はM0期が割り当てられている。
好ましい態様では、乳房の細胞増殖性障害は、乳癌である。好ましい態様では、本発明の組成物を、乳癌を治療するために用いることができる。一態様では、乳癌には、乳房の癌のすべての形態が含まれる。一態様では、乳癌には、原発性上皮乳癌が含まれる。別の態様では、乳癌には、リンパ腫、肉腫または黒色腫などの他の腫瘍が乳房に関わる癌が含まれる。別の態様では、乳癌には、乳房の癌腫、乳房の腺管癌、乳房の小葉癌、乳房の未分化癌腫、乳房の葉状嚢胞肉腫、乳房の血管肉腫および乳房の原発性リンパ腫が含まれる。一態様では、乳癌には、I期、II期、IIIA期、IIIB期、IIIC期およびIV期乳癌が含まれる。一態様では、乳房の腺管癌には、侵襲性の癌腫、管内成分優位の侵襲性の上皮内癌、炎症性乳癌、および、面皰、膠様(コロイド状)、髄様、リンパ浸潤を伴う髄様、乳頭状、硬性および管状からなる群から選択される組織型を有する、乳房の腺管癌が含まれる。一態様では、乳房の小葉癌には、原位置成分優位の侵襲性の小葉癌、侵襲性の小葉癌および浸潤性の小葉癌が含まれる。一態様では、乳癌には、ページェット病、管内癌を伴うページェット病、および侵襲性の腺管癌を伴うページェット病が含まれる。別の態様では、乳癌には、組織学的および超微細構造的不均一性(例えば、混合した細胞型)を有する乳房新生物が含まれる。
好ましい態様では、本発明の化合物を、乳癌を治療するために用いることができる。一態様では、治療される乳癌には、家族性乳癌が含まれる。別の態様では、治療される乳癌には、散発性の乳癌が含まれる。一態様では、治療される乳癌は、男性対象で生じた。一態様では、治療される乳癌は、女性対象で生じた。一態様では、治療される乳癌は、閉経前の女性対象または閉経後の女性対象で生じた。一態様では、治療される乳癌は、30才以上の対象、または30才未満の対象で生じた。一態様では、治療される乳癌は、50才以上の対象、または50才未満の対象で生じた。一態様では、治療される乳癌は、70才以上の対象、または70才未満の対象で生じた。
一態様では、治療される乳癌は、BRCA1、BRCA2またはp53の家族性または自然発生の突然変異を特定するために分類されている。一態様では、治療される乳癌は、HER2/neu遺伝子増幅を有する、HER2/neuを過剰発現するか、または、低い、中間の、または高いレベルのHER2/neu発現を有すると、分類されている。別の態様では、治療される乳癌は、エストロゲン受容体(ER)、プロゲステロン受容体(PR)、ヒト上皮成長因子受容体−2、Ki−67、CA15−3、CA27−29およびc−Metからなる群から選択されるマーカーについて分類されている。一態様では、治療される乳癌は、未知ER、富ERまたは貧ERと分類されている。別の態様では、治療される乳癌は、ER陰性またはER陽性と分類されている。乳癌のER分類は、任意の再現性のある手段によって実施することができる。好ましい態様では、乳癌のER分類は、Onkologie、第27号、:175〜179頁(2004年)に記載されているように実施することができる。一態様では、治療される乳癌は、未知PR、富PRまたは貧PRと分類されている。別の態様では、治療される乳癌は、PR陰性またはPR陽性と分類されている。別の態様では、治療される乳癌は、受容体陽性または受容体陰性と分類されている。一態様では、治療される乳癌は、CA15−3またはCA27−29、またはその両方の上昇した血液レベルと関連すると分類されている。
一態様では、治療される乳癌には、乳房の限局性腫瘍が含まれる。一態様では、治療される乳癌には、陰性のセンチネルリンパ節(SLN)生検と関連する乳房の腫瘍が含まれる。一態様では、治療される乳癌には、陽性のセンチネルリンパ節(SLN)生検と関連する乳房の腫瘍が含まれる。別の態様では、治療される乳癌には、1つまたは複数の陽性の腋窩リンパ節と関連する乳房の腫瘍が含まれ、ここで、腋窩リンパ節は任意の適用できる方法によって段階付けされている。別の態様では、治療される乳癌には、結節陰性の状態(例えば、リンパ節陰性)または結節陽性の状態(例えば、リンパ節陽性)を有すると分類されている乳房の腫瘍が含まれる。別の態様では、治療される乳癌には、体の他の部位へ転移した乳房の腫瘍が含まれる。一態様では、治療される乳癌は、骨、肺、肝臓または脳からなる群から選択される部位に転移したと分類されている。別の態様では、治療される乳癌は、転移性、限局性、領域性、局所領域性、局所進行性、遠隔、多中心性、両側性、同側性、対側性、新規診断、再発性および手術不能からなる群から選択される特徴によって分類される。
一態様では、本発明の化合物は、一般集団と比較して乳癌発症リスクの高い対象で、乳房の細胞増殖性障害を治療もしくは予防するために、または、乳癌を治療もしくは予防するために用いることができる。一態様では、一般の集団と比較して乳癌発症リスクの高い対象は、乳癌の家族歴または既往のある女性対象である。別の態様では、一般の集団と比較して乳癌発症リスクの高い対象は、BRCA1またはBRCA2またはその両方の、生殖細胞系または自然発生の突然変異を有する女性対象である。一態様では、一般の集団と比較して乳癌発症リスクの高い対象は、乳癌の家族歴およびBRCA1またはBRCA2またはその両方の、生殖細胞系または自然発生の突然変異を有する女性対象である。別の態様では、一般の集団と比較して乳癌の発症リスクの高い対象は、30才、40才、50才、60才、70才、80才または90才を超える女性である。一態様では、一般の集団と比較して乳癌の発症リスクの高い対象は、乳房の非定型過形成、腺管上皮内癌(DCIS)、分泌管内癌、上皮内小葉癌(LCIS)、小葉新生物または乳房の0期の増殖もしくは病巣(例えば、0期または段階0の乳癌または上皮内癌)を有する対象である。
別の態様では、治療される乳癌はScarff−Bloom−Richardson系によって組織学的に段階付けされており、そこでは、乳房腫瘍は1、2または3の有糸分裂カウントスコア、1、2または3の核多形スコア、1、2または3の細管形成スコア、および、3〜9の総Scarff−Bloom−Richardsonスコアが割り当てられている。別の態様では、治療される乳癌は、段階1、段階1〜2、段階2、段階2〜3または段階3からなる群から選択される、International Consensus Panel on the Treatment of Breast Cancerによる腫瘍段階が割り当てられている。
一態様では、治療される癌は、アメリカ癌合同委員会(AJCC)TNM分類系によって段階付けされており、そこでは、腫瘍(T)はTX、T1、T1mic、T1a、T1b、T1c、T2、T3、T4、T4a、T4b、T4cまたはT4dの各期が割り当てられ、所属リンパ節(N)はNX、N0、N1、N2、N2a、N2b、N3、N3a、N3bまたはN3cの各期が割り当てられ、遠隔転移(M)はMX、M0またはM1の各期が割り当てられている。別の態様では、治療される癌は、アメリカ癌合同委員会(AJCC)分類によってI期、IIA期、IIB期、IIIA期、IIIB期、IIIC期またはIV期と段階付けされている。別の態様では、治療される癌は、AJCC分類によって段階GX(例えば、段階を評価することができない)、段階1、段階2、段階3または段階4のように、段階が割り当てられている。別の態様では、治療される癌は、pNX、pN0、PN0(I−)、PN0(I+)、PN0(mol−)、PN0(mol+)、PN1、PN1(mi)、PN1a、PN1b、PN1c、pN2、pN2a、pN2b、pN3、pN3a、pN3bまたはpN3cのAJCC病理分類(pN)によって段階付けされている。
一態様では、治療される癌には、直径約2センチメートル以下であると判定された腫瘍が含まれる。別の態様では、治療される癌には、直径約2〜約5センチメートルであると判定された腫瘍が含まれる。別の態様では、治療される癌には、直径約3センチメートル以上であると判定された腫瘍が含まれる。別の態様では、治療される癌には、直径5センチメートルを超えると判定された腫瘍が含まれる。別の態様では、治療される癌は、顕微鏡的外観によって、よく分化している、適度に分化している、あまり分化していない、または未分化であると分類される。別の態様では、治療される癌は、有糸分裂カウント(例えば、細胞分裂の量)または核多形(例えば、細胞の変化)に関する顕微鏡的外観によって分類される。別の態様では、治療される癌は、顕微鏡的外観によって、壊死領域(例えば、死にかけているか変性している細胞の領域)と関連していると分類される。一態様では、治療される癌は、異常な核型を有する、異常な染色体数を有する、または、外観が異常である1つまたは複数の染色体を有すると分類される。一態様では、治療される癌は、異数体、三倍体、四倍体である、または、変化した倍数性を有すると分類される。一態様では、治療される癌は、染色体転位、またはある染色体全体の欠失もしくは重複、または、ある染色体の欠失領域、ある部分の重複もしくは増幅を有すると分類される。
一態様では、治療される癌は、DNAサイトメトリー、フローサイトメトリーまたは画像サイトメトリーによって評価される。一態様では、治療される癌は、細胞分裂の合成期(例えば、細胞分裂のS期)の細胞の10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%を有すると分類されている。一態様では、治療される癌は、低いS期分画または高いS期分画を有すると分類されている。
本明細書で用いるように、「正常細胞」は、「細胞増殖性障害」の一部として分類することができない細胞である。一態様では、正常な細胞は、望ましくない状態または疾患の発症をもたらすことができる、無秩序または異常な増殖またはその両方が欠如している。好ましくは、正常な細胞は、正常に機能している細胞周期チェックポイント制御機構を有する。
本明細書で用いるように、「細胞を接触させること」は、物質の化合物または他の組成物が細胞と直接接触しているか、細胞で所望の生物効果を誘導するのに十分近接している状態を指す。
本明細書で用いるように、「候補化合物」は、その化合物が、研究者または臨床医が調査中の細胞、組織、系、動物またはヒトにおいて、所望の生物学的応答または医学的応答を引き出す可能性があるか否かを判定するために、1つまたは複数のインビトロまたはインビボの生物検定で試験された、または試験される本発明の化合物を指す。一態様では、候補化合物は、式Iの化合物である。別の態様では、候補化合物は、式II、IIIまたはIVの化合物である。好ましい態様では、生物学的または医学的な応答は、癌の治療である。別の態様では、生物学的または医学的な応答は、細胞増殖性障害の治療または予防である。一態様では、インビトロまたはインビボの生物検定には、それらに限定されないが、酵素活性アッセイ、電気泳動移動度シフトアッセイ、リポーター遺伝子アッセイ、インビトロ細胞生存度アッセイ、および、本明細書の実施例11〜13に示すアッセイが含まれる。
本明細書で用いるように、「単独療法」は、それを必要とする対象への単一の活性化合物または治療的化合物の投与を指す。好ましくは、単独療法は治療有効量の活性化合物の投与を含む。例えば、(±)−シス−3−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1イル)−4(1H−インドール−3−イル)ピロリジン−2−オンによる癌単独療法は、癌の治療が必要な対象への、治療有効量の(±)−シス−3−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1イル)−4(1H−インドール−3−イル)ピロリジン−2−オン、または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、代謝産物、類似体または誘導体の投与を含む。単独療法は、好ましくはその組合せの各成分が治療有効量で存在する、複数の活性化合物の組合せが投与される併用療法と対比させることができる。一態様では、本発明の化合物による単独療法は、所望の生物効果を誘導することにおいては併用療法よりも有効である。
本明細書で用いるように、「治療すること」は、疾患、状態または障害と闘うための患者の管理およびケアのことを述べ、それには、症状または合併症の開始を予防すること、症状または合併症を軽減すること、または疾患、状態もしくは障害を除去することのための本発明の化合物の投与が含まれる。
一態様では、癌を治療することは、腫瘍のサイズの縮小をもたらす。腫瘍のサイズの縮小は、「腫瘍退縮」と呼ぶこともできる。好ましくは、治療の後、腫瘍サイズは、その治療前のサイズと比較して5%以上縮小し、より好ましくは、腫瘍サイズは10%以上縮小し、より好ましくは、20%以上縮小し、より好ましくは、30%以上縮小し、より好ましくは、40%以上縮小し、さらにより好ましくは、50%以上縮小し、最も好ましくは、75%以上を超えて縮小する。腫瘍のサイズは、再現性のある任意の測定手段によって測定することができる。好ましい態様では、腫瘍のサイズは、腫瘍の直径として測定することができる。
別の態様では、癌を治療することは、腫瘍容積の減少をもたらす。好ましくは、治療の後、腫瘍容積は、その治療前のサイズと比較して5%以上減少し、より好ましくは、腫瘍容積は10%以上減少し、より好ましくは、20%以上減少し、より好ましくは、30%以上減少し、より好ましくは、40%以上減少し、さらにより好ましくは、50%以上減少し、最も好ましくは、75%以上を超えて減少する。腫瘍容積は、再現性のある任意の測定手段によって測定することができる。
別の態様では、癌を治療することは、腫瘍数の減少をもたらす。好ましくは、治療の後、腫瘍数は、治療前の数と比較して5%以上減少し、より好ましくは、腫瘍数は10%以上減少し、より好ましくは、20%以上減少し、より好ましくは、30%以上減少し、より好ましくは、40%以上減少し、さらにより好ましくは、50%以上減少し、最も好ましくは、75%を超えて減少する。腫瘍の数は、再現性のある任意の測定手段によって測定することができる。好ましい態様では、腫瘍数は、肉眼で、または特定の倍率で見える腫瘍を計数することによって測定することができる。好ましい態様では、特定の倍率は2×、3×、4×、5×、10×または50×である。
別の態様では、癌を治療することは、原発腫瘍部位から離れている他の組織または器官における転移病巣の数の減少をもたらす。好ましくは、治療の後、転移病巣の数は、治療前の数と比較して5%以上減少し、より好ましくは、転移病巣数は10%以上減少し、より好ましくは、20%以上減少し、より好ましくは、30%以上減少し、より好ましくは、40%以上減少し、さらにより好ましくは、50%以上減少し、最も好ましくは、75%を超えて減少する。転移病巣の数は、再現性のある任意の測定手段によって測定することができる。好ましい態様では、転移病巣数は、肉眼で、または特定の倍率で見える転移病巣を計数することによって測定することができる。好ましい態様では、特定の倍率は2×、3×、4×、5×、10×または50×である。
別の態様では、癌を治療することは、担体単独を投与された集団に比較して、治療対象集団の平均生存期間の増加をもたらす。好ましくは、平均生存期間は30日を超えて、より好ましくは、60日を超えて、より好ましくは、90日を超えて、最も好ましくは、120日を超えて増加する。集団の平均生存期間の増加は、再現性のある任意の手段によって測定することができる。好ましい態様では、集団の平均生存期間の増加は、例えば、ある集団について活性化合物による治療の開始後の生存期間の平均長さを計算することによって測定することができる。別の好ましい態様では、集団の平均生存期間の増加は、例えば、ある集団について活性化合物による1回目の治療の終了後の生存期間の平均長さを計算することによって測定することもできる。
別の態様では、癌を治療することは、未処置対象集団に比較して、治療対象集団の平均生存期間の増加をもたらす。好ましくは、平均生存期間は30日を超えて、より好ましくは、60日を超えて、より好ましくは、90日を超えて、最も好ましくは、120日を超えて増加する。集団の平均生存期間の増加は、再現性のある任意の手段によって測定することができる。好ましい態様では、集団の平均生存期間の増加は、例えば、ある集団について活性化合物による治療の開始後の生存期間の平均長さを計算することによって測定することができる。別の好ましい態様では、集団の平均生存期間の増加は、例えば、ある集団について活性化合物による1回目の治療の終了後の生存期間の平均長さを計算することによって測定することもできる。
別の態様では、癌を治療することは、本発明の化合物、および薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、代謝産物、類似体または誘導体でない薬剤を用いる単独療法を投与された集団に比較して、治療対象集団の平均生存期間の増加をもたらす。好ましくは、平均生存期間は30日を超えて、より好ましくは、60日を超えて、より好ましくは、90日を超えて、最も好ましくは、120日を超えて増加する。集団の平均生存期間の増加は、再現性のある任意の手段によって測定することができる。好ましい態様では、集団の平均生存期間の増加は、例えば、ある集団について活性化合物による治療の開始後の生存期間の平均長さを計算することによって測定することができる。別の好ましい態様では、集団の平均生存期間の増加は、例えば、ある集団について活性化合物による1回目の治療の終了後の生存期間の平均長さを計算することによって測定することもできる。
別の態様では、癌を治療することは、担体単独を投与された集団に比較して、治療対象集団の死亡率の低下をもたらす。別の態様では、癌を治療することは、未処置集団に比較して、治療対象集団の死亡率の低下をもたらす。さらなる態様では、癌を治療することは、本発明の化合物、および薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、代謝産物、類似体または誘導体でない薬剤の単独療法を投与された集団に比較して、治療対象集団の死亡率の低下をもたらす。好ましくは、死亡率は、2%を超えて、より好ましくは、5%を超えて、より好ましくは、10%を超えて、最も好ましくは、25%を超えて低下する。好ましい態様では、治療対象集団の死亡率の低下は、再現性のある任意の手段によって測定することができる。別の好ましい態様では、集団の死亡率の低下は、例えば、ある集団について活性化合物による治療の開始後の単位時間あたりの疾患関連死の平均数を計算することによって測定することができる。別の好ましい態様では、集団の死亡率の低下は、例えば、ある集団について活性化合物による1回目の治療の終了後の単位時間あたりの疾患関連死の平均数を計算することによって測定することもできる。
別の態様では、癌を治療することは、腫瘍増殖速度の低下をもたらす。好ましくは、治療の後、腫瘍増殖速度は、治療前の数字と比較して少なくとも5%低下し、より好ましくは、腫瘍増殖速度は少なくとも10%低下し、より好ましくは、少なくとも20%低下し、より好ましくは、少なくとも30%低下し、より好ましくは、少なくとも40%低下し、より好ましくは、少なくとも50%低下し、さらにより好ましくは、少なくとも60%低下し、最も好ましくは、少なくとも75%低下する。腫瘍増殖速度は、再現性のある任意の測定手段によって測定することができる。好ましい態様では、腫瘍増殖速度は、単位時間あたりの腫瘍直径の変化によって測定される。
別の態様では、癌を治療することは、腫瘍再成長の減少をもたらす。好ましくは、治療の後、腫瘍再成長は5%未満であり、より好ましくは、腫瘍再成長は10%未満、より好ましくは、20%未満、より好ましくは、30%未満、より好ましくは、40%未満、より好ましくは、50%未満、さらにより好ましくは、60%未満、最も好ましくは、75%未満である。腫瘍再成長は、再現性のある任意の測定手段によって測定することができる。好ましい態様では、腫瘍再成長は、例えば、治療後の先行する腫瘍縮小の後の腫瘍直径の増加を測定することで測定される。別の好ましい態様では、腫瘍再成長の減少は、治療が停止した後に腫瘍が再発生することができないことによって示される。
別の態様では、細胞増殖性障害を治療または予防することは、細胞増殖速度の低下をもたらす。好ましくは、治療の後、細胞増殖速度は少なくとも5%、より好ましくは、少なくとも10%、より好ましくは、少なくとも20%、より好ましくは、少なくとも30%、より好ましくは、少なくとも40%、より好ましくは、少なくとも50%、さらにより好ましくは、少なくとも60%、最も好ましくは、少なくとも75%低下する。細胞増殖速度は、再現性のある任意の測定手段によって測定することができる。好ましい態様では、細胞増殖速度は、例えば、単位時間あたりの組織試料中の分裂細胞数を測定することによって測定される。
別の態様では、細胞増殖性障害を治療または予防することは、増殖細胞の割合の低下をもたらす。好ましくは、治療の後、増殖細胞の割合は少なくとも5%低下し、より好ましくは、少なくとも10%、より好ましくは、少なくとも20%、より好ましくは、少なくとも30%、より好ましくは、少なくとも40%、より好ましくは、少なくとも50%、さらにより好ましくは、少なくとも60%、最も好ましくは、少なくとも75%低下する。増殖細胞の割合は、再現性のある任意の測定手段によって測定することができる。好ましい態様では、増殖細胞の割合は、例えば、組織試料中の非分裂細胞数と比較した分裂細胞数を定量化することで測定される。別の好ましい態様では、増殖細胞の割合は、分裂指数と同等である。
別の態様では、細胞増殖性障害を治療または予防することは、細胞増殖の領域または帯域のサイズの低下をもたらす。好ましくは、治療の後、細胞増殖の領域または帯域のサイズは、治療前のそのサイズと比較して少なくとも5%低下し、より好ましくは、少なくとも10%低下し、より好ましくは、少なくとも20%低下し、より好ましくは、少なくとも30%低下し、より好ましくは、少なくとも40%低下し、より好ましくは、少なくとも50%低下し、さらにより好ましくは、少なくとも60%低下し、最も好ましくは、少なくとも75%低下する。細胞増殖の領域または帯域のサイズは、再現性のある任意の測定手段によって測定することができる。好ましい態様では、細胞増殖の領域または帯域のサイズは、細胞増殖の領域または帯域の直径または幅として測定することができる。
別の態様では、細胞増殖性障害を治療または予防することは、異常な外観または形態を有する細胞の数または割合の低下をもたらす。好ましくは、治療の後、異常な形態を有する細胞の数は、治療前のそのサイズと比較して少なくとも5%低下し、より好ましくは、少なくとも10%低下し、より好ましくは、少なくとも20%低下し、より好ましくは、少なくとも30%低下し、より好ましくは、少なくとも40%低下し、より好ましくは、少なくとも50%低下し、さらにより好ましくは、少なくとも60%低下し、最も好ましくは、少なくとも75%低下する。異常な細胞の外観または形態は、再現性のある任意の測定手段によって測定することができる。一態様では、異常な細胞の形態は、鏡検によって、例えば、倒立組織培養顕微鏡を用いて測定される。一態様では、異常な細胞の形態は、核多形の形態をとる。
本明細書で用いるように、用語「選択的に」は、1つの集団において別の集団でよりも高い頻度で起こる傾向を意味する。一態様では、比較される集団は細胞集団である。好ましい態様では、本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、代謝産物、類似体もしくは誘導体は、正常な細胞には作用しないが、癌または前癌細胞に選択的に作用する。別の好ましい態様では、本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、代謝産物、類似体もしくは誘導体は、選択的に作用して1つの分子標的(例えば、c−Met)を調節するが、別の分子標的(例えば、プロテインキナーゼC)を有意には調節しない。別の好ましい態様では、本発明は、キナーゼなどの酵素の活性を選択的に阻害する方法を提供する。好ましくは、ある事象が集団Bと比較して集団Aで2倍を超えてより頻繁に起こる場合、その事象は集団Bと比較して集団Aで選択的に起こる。より好ましくは、ある事象が集団Aで5倍を超えてより頻繁に起こる場合、その事象は選択的に起こる。より好ましくは、ある事象が集団Bと比較して集団Aで10倍を超えて、より好ましくは、50倍を超えて、さらにより好ましくは、100倍を超えて、最も好ましくは、集団Aで1000倍を超えてより頻繁に起こる場合、その事象は選択的に起こる。例えば、細胞死が正常細胞と比較して癌細胞で2倍を超えてより頻繁に起こるならば、その細胞死は癌細胞で選択的に起こると言われるであろう。
好ましい態様では、本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、代謝産物、類似体もしくは誘導体は、分子標的(例えば、c−Met)の活性を調節する。一態様では、調節することは、分子標的の活性を刺激または阻害することを指す。好ましくは、本発明の化合物が、その化合物の存在を欠くこと以外は同じ条件下での分子標的の活性と比較して、少なくとも2倍分子標的の活性を刺激または阻害する場合、前記化合物は分子標的の活性を調節する。より好ましくは、本発明の化合物が、その化合物の存在を欠くこと以外は同じ条件下での分子標的の活性と比較して、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、分子標的の活性を刺激または阻害する場合、前記化合物は分子標的の活性を調節する。分子標的の活性は、再現性のある任意の手段によって測定することができる。分子標的の活性は、インビトロまたはインビボで測定することができる。例えば、分子標的の活性は、酵素活性アッセイもしくはDNA結合アッセイによりインビトロで測定することができ、または、分子標的の活性は、リポーター遺伝子の発現について検査することによってインビボで測定することができる。
一態様では、本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、代謝産物、類似体もしくは誘導体は、その化合物の添加が、その化合物の存在を欠くこと以外同じ条件下の分子標的の活性と比較して10%を超えて分子標的の活性を刺激または阻害しない場合、分子標的の活性を有意には調節しない。
本明細書で用いるように、用語「アイソザイム選択的」は、酵素の第2のアイソフォームと比較した、酵素の第1のアイソフォームの優先的阻害または刺激(例えば、キナーゼアイソザイムβと比較したキナーゼアイソザイムαの優先的阻害または刺激)を意味する。好ましくは、本発明の化合物は、生物効果を達成するのに必要な投薬量の、最低4倍の差、好ましくは10倍の差、より好ましくは50倍の差を示す。好ましくは、本発明の化合物は、阻害の範囲全域にわたってこの差を実証し、差は、目的の分子標的のIC50、すなわち50%阻害で例証される。
好ましい実施形態では、細胞またはそれを必要とする対象へ、本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、代謝産物、類似体もしくは誘導体を投与することは、c−Metの活性の調節(すなわち、刺激または阻害)をもたらす。本明細書で用いるように、c−Metの活性とは、c−Metによって実行される任意の生物学的機能または活性を指す。例えば、c−Metの機能には、下流の標的タンパク質のリン酸化が含まれる。c−Metの他の機能には、自己リン酸化、Gab−1、Grb−2、Shc、SHP2およびc−Cblなどのアダプタータンパク質の結合、ならびに、Ras、Src、PI3K、PLC−γ、STATs、ERK 1および2およびFAKなどのシグナルトランスデューサの活性化が含まれる。
好ましい実施形態では、細胞またはそれを必要とする対象へ、本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、代謝産物、類似体もしくは誘導体を投与することは、ERK 1またはERK 2またはその両方の活性の調節(すなわち、刺激または阻害)をもたらす。本明細書で用いるように、ERK 1またはERK 2の活性とは、ERK 1またはERK 2によって実行される任意の生物学的機能または活性を指す。例えば、ERK 1またはERK 2の機能には、下流の標的タンパク質のリン酸化が含まれる。
一態様では、活性化とは、物質の組成物(例えば、タンパク質または核酸)を、所望の生物学的機能を実行するのに適する状態に置くことを指す。一態様では、活性化されることができる物質の組成物は、非活性化状態も有する。一態様では、活性化された物質の組成物は、阻害性または刺激性、またはその両方の生物学的機能を有することができる。
一態様では、上昇とは、物質の組成物(例えば、タンパク質または核酸)の所望の生物活性の増大を指す。一態様では、上昇は、物質の組成物の濃度の増加を通して起こり得る。
本明細書で用いるように、「細胞周期チェックポイント経路」は、細胞周期チェックポイントの調節に関与する生化学経路を指す。細胞周期チェックポイント経路は、細胞周期チェックポイントを含む1つまたは複数の機能に対して、刺激性または阻害性の作用またはその両方を有することができる。細胞周期チェックポイント経路は、少なくとも2つの物質の組成物、好ましくはタンパク質を含み、その両方は細胞周期チェックポイントの調節に寄与する。細胞周期チェックポイント経路は、細胞周期チェックポイント経路の1つまたは複数の構成員の活性化を通して活性化することができる。好ましくは、細胞周期チェックポイント経路は、生化学的シグナル伝達経路である。
本明細書で用いるように、「細胞周期チェックポイント調節因子」は、細胞周期チェックポイントの調節において、少なくとも一部作用することができる物質の組成物を指す。細胞周期チェックポイント調節因子は、細胞周期チェックポイントを含む1つまたは複数の機能に対して、刺激性または阻害性の作用またはその両方を有することができる。一態様では、細胞周期チェックポイント調節因子は、タンパク質である。別の態様では、細胞周期チェックポイント調節因子は、タンパク質でない。
一態様では、癌または細胞増殖性障害を治療することは細胞死をもたらし、好ましくは、細胞死は集団内の細胞数の少なくとも10%の減少をもたらす。より好ましくは、細胞死は少なくとも20%の減少、より好ましくは、少なくとも30%の減少、より好ましくは、少なくとも40%の減少、より好ましくは、少なくとも50%の減少、最も好ましくは、少なくとも75%の減少を意味する。集団内の細胞数は、再現性のある任意の手段によって測定することができる。一態様では、集団内の細胞数は、蛍光標示式細胞分取(FACS)によって測定される。別の態様では、集団内の細胞数は、免疫蛍光顕微鏡検査法によって測定される。別の態様では、集団内の細胞数は、光学顕微鏡法によって測定される。別の態様では、細胞死の測定方法は、Liら、(2003年)Proc Natl Acad Sci USA.第100巻(5号):2674〜8頁に示されるとおりである。一態様では、細胞死はアポトーシスによって起こる。
好ましい態様では、本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、代謝産物、類似体もしくは誘導体の有効量は、正常細胞にあまり細胞傷害性ではない。治療有効量での化合物の投与が正常細胞の10%を超えて細胞死を誘導しない場合、その化合物の治療有効量は正常細胞にあまり細胞傷害性でない。治療有効量での化合物の投与が正常細胞の10%を超えて細胞死を誘導しない場合、その化合物の治療有効量は正常細胞の生存度にあまり影響しない。一態様では、細胞死はアポトーシスによって起こる。
一態様では、細胞を本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、代謝産物、類似体もしくは誘導体と接触させることは、癌細胞で選択的に細胞死を誘導または活性化する。好ましくは、それを必要とする対象に本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、代謝産物、類似体もしくは誘導体を投与することは、癌細胞で選択的に細胞死を誘導または活性化する。別の態様では、細胞を本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、代謝産物、類似体もしくは誘導体と接触させることは、細胞増殖性障害の影響を受ける1つまたは複数の細胞で選択的に細胞死を誘導する。好ましくは、それを必要とする対象に本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、代謝産物、類似体もしくは誘導体を投与することは、細胞増殖性障害の影響を受ける1つまたは複数の細胞で選択的に細胞死を誘導する。
好ましい態様では、本発明は、それを必要とする対象に本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、代謝産物、類似体もしくは誘導体を投与することによって癌を治療または予防する方法に関し、そこで、本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、代謝産物、類似体もしくは誘導体の投与は、以下のうちの1つをもたらす。細胞周期のG1期および/またはS期の細胞の蓄積、正常細胞のかなりの量の細胞死を伴わない癌細胞の細胞死による細胞傷害性、動物での少なくとも2の治療指数を有する抗腫瘍活性、および細胞周期チェックポイントの活性化。本明細書で用いるように、「治療指数」は、有効な用量で割った最大耐量である。
当分野の技術者は、本明細書で述べる既知の技術または同等技術の詳細な説明のために、一般の参考テキストを参照することができる。これらのテキストには、Ausubelら、Current Protocols in Molecular Biology、John Wiley and Sons, Inc.(2005年)、Sambrookら、Molecular Cloning, A Laboratory Manual(第3版)、Cold Spring Harbor Press、Cold Spring Harbor、New York(2000年)、Coliganら、Current Protocols in Immunology、John Wiley & Sons、N.Y.、Ennaら、Current Protocols in Pharmacology、John Wiley & Sons、N.Y.、Finglら、The Pharmacological Basis of Therapeutics(1975年)、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Co.、Easton、PA、第18版(1990年)が含まれる。当然、これらのテキストは、本発明の態様を作製または使用することに参照することもできる。
さらなる態様では、本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、代謝産物、類似体もしくは誘導体は、第2の化学療法剤と併用投与することができる。第2の化学療法剤は、タキサン、アロマターゼ阻害剤、アントラサイクリン、微小管標的剤、トポイソメラーゼ毒薬、標的モノクローナルもしくはポリクローナル抗体、分子標的もしくは酵素の阻害剤(例えば、キナーゼ阻害剤)、またはシチジン類似薬であり得る。好ましい態様では、化学療法剤は、それらに限定されないが、タモキシフェン、ラロキシフェン、アナストロゾール、エクセメスタン、レトロゾール、HERCEPTIN(登録商標)(トラスツズマブ)、GLEEVEC(登録商標)(イマチニブ)、タキソール(登録商標)(パクリタキセル)、シクロホスファミド、ロバスタチン、ミノシン、araC、5−フルオロウラシル(5−FU)、メトトレキサート(MTX)、タキソテール(登録商標)(ドセタキセル)、ZOLADEX(登録商標)(ゴセレリン)、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ノコダゾール、テニポシド、エトポシド、GEMZAR(登録商標)(ゲムシタビン)、エポチロン、ナベルビン、カンプトテシン、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、ミトキサントロン、アムサクリン、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、エピルビシンまたはイダルビシン、またはwww.cancer.org/docroot/cdg/cdg_0.aspに掲載されている物質であることができる。別の態様では、第2の化学療法剤は、G−CSF(顆粒球コロニー刺激因子)などのサイトカインであることができる。別の態様では、本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、代謝産物、類似体もしくは誘導体は、放射線療法と併用投与することができる。さらなる別の態様では、本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、代謝産物、類似体もしくは誘導体は、標準の化学療法併用剤、例えば、それらに限定されないが、CMF(シクロホスファミド、メトトレキサートおよび5−フルオロウラシル)、CAF(シクロホスファミド、アドリアマイシンおよび5−フルオロウラシル)、AC(アドリアマイシンおよびシクロホスファミド)、FEC(5−フルオロウラシル、エピルビシンおよびシクロホスファミド)、ACTもしくはATC(アドリアマイシン、シクロホスファミドおよびパクリタキセル)、またはCMFP(シクロホスファミド、メトトレキサート、5−フルオロウラシルおよびプレドニゾン)と併用投与することができる。
本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、代謝産物、類似体もしくは誘導体は、投与に適する医薬組成物に組み込むことができる。そのような組成物は、化合物(すなわち、活性化合物を含む)および薬学的に許容される賦形剤または担体を一般的に含む。本明細書で用いるように、「薬学的に許容される賦形剤」または「薬学的に許容される担体」には、薬剤投与に適合する任意またはすべての溶媒、分散媒、コーティング材、抗細菌剤および抗かび剤、等張剤および吸収遅延剤などが含まれるものとする。適する担体は、当分野で標準の参考テキストであるRemington’s Pharmaceutical Sciencesの最新版に記載されている。そのような担体または希釈剤の好ましい例には、それらに限定されないが、水、生理食塩水、リンガー溶液、デキストロース溶液および5%ヒト血清アルブミンが含まれる。薬学的に許容される担体には、乳糖、白土、ショ糖、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アラビアゴム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸などの固体担体が含まれる。例示的な液体担体には、シロップ、落花生油、オリーブ油、水などが含まれる。同様に、担体または希釈剤には、単独のもしくはワックスと一緒のモノステアリン酸グリセリンまたはジステアリン酸グリセリン、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メタクリル酸メチルなどの、当技術分野で公知である時間遅延型物質を含めることができる。他の充填剤、賦形剤、矯味矯臭剤、および当技術分野で知られているような他の添加剤も、本発明による医薬組成物に含まれてもよい。リポソーム、および不揮発性油などの非水性媒体を用いることもできる。薬学的に活性な物質のためのそのような媒体および物質の使用は、当技術分野で公知である。従来の任意の媒体または物質が活性化合物と相容れない場合以外は、組成物中でのそれらの使用が企図されている。補助活性化合物を、組成物に組み込むこともできる。
一態様では、本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、代謝産物、類似体もしくは誘導体は、有効成分として本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、代謝産物、類似体もしくは誘導体の治療有効量(例えば、腫瘍増殖の阻害、腫瘍細胞の殺滅、細胞増殖性障害の治療もしくは予防その他を通して所望の治療効果を達成するのに十分な効力レベル)を、従来の手順(すなわち、本発明の医薬組成物を生成すること)によって標準の医薬担体または希釈剤と組み合わせることによって調製される、適する剤形で投与される。これらの手順は、成分を混合、造粒、および、所望の調製物を達成するために適宜圧縮または溶解することを含むことができる。
本発明の医薬組成物は、その意図された投与経路に適合するように製剤化される。投与経路の例には、非経口投与、例えば、静脈内、皮内、皮下、経口(例えば、吸入)、経皮(局所)および経粘膜投与が含まれる。非経口、皮内または皮下適用のために用いられる溶液または懸濁液は、以下の成分を含むことができる。注射用蒸留水、食塩水、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールまたは他の合成溶媒などの滅菌希釈剤;ベンジルアルコールまたはメチルパラベンなどの抗菌剤;アスコルビン酸または亜硫酸水素ナトリウムなどの抗酸化剤;エチレンジアミン四酢酸などのキレート化剤;酢酸、クエン酸またはリン酸などの緩衝剤、および塩化ナトリウムまたはデキストロースなどの張性調節剤。pHは、塩酸または水酸化ナトリウムなどの酸または塩基で調節することができる。非経口調製物は、ガラス製またはプラスチック製のアンプル、使い捨て注射器または多回用量バイアルに封入することができる。
本発明の化合物または医薬組成物は、化学療法治療のために現在用いられている公知の方法の多くで、対象に投与することができる。例えば、癌の治療のために、本発明の化合物を腫瘍に直接注入すること、血流もしくは体腔に注入すること、または経口的に投与するか、パッチにより皮膚を通して適用することができる。選択される用量は、有効な治療を構成するのに十分であるべきであるが、受け入れがたい副作用を起こすほど高くてはいけない。好ましくは、病状の状態(例えば、癌、前癌など)および患者の健康状態を、治療中および治療後の相応な期間、密に監視すべきである。
用語「治療有効量」は、本明細書で用いるように、特定された疾患または状態を治療、改善または予防する薬剤量、あるいは、検出可能な治療効果または阻害効果を示す薬剤量を指す。効果は、当技術分野で公知である任意のアッセイ方法によって検出することができる。対象のための正確な有効量は、対象の体重、サイズおよび健康、状態の性質および程度、ならびに、投与のために選択される治療法または治療法の組合せによって決まる。所与の状況のための治療有効量は、臨床医の技術および判断の範囲内である日常の実験によって判定することができる。好ましい態様では、治療される疾患または状態は、癌である。別の態様では、治療される疾患または状態は、細胞増殖性障害である。
任意の化合物について、治療有効量は、最初に、例えば新生細胞の細胞培養アッセイで、または、通常ラット、マウス、ウサギ、イヌまたはブタの動物モデルで推定することができる。動物モデルを用いて、適当な濃度範囲および投与経路を決定することもできる。そのような情報を次に用いて、ヒトの有益な用量および投与経路を決定することができる。治療的/予防的効力および毒性は、細胞培養または実験動物における標準の製薬手順によって、例えば、ED50(集団の50%で治療的に有効な用量)およびLD50(集団の50%に致死性の用量)で判定することができる。治療効果と毒性効果との間の用量比は治療指数であり、それは、比ED50/LD50で表すことができる。高い治療指数を示す医薬組成物が、好ましい。投薬量は、使用した剤形、患者の感受性および投与経路によって、この範囲内で異なることができる。
用法および用量は、活性剤の十分なレベルを提供するか、所望の効果を維持するように調節する。考慮することができる因子には、疾患状態の程度、対象の健康状態、年齢、体重および対象の性別、食事、投与の時間および頻度、薬剤の組合せ、反応感受性、ならびに療法に対する寛容性/応答が含まれる。持続性医薬組成物は、特定の製剤の半減期およびクリアランス速度によって、3〜4日ごと、毎週または2週間に1回投与することができる。
4.医薬組成物および製剤
本発明の活性化合物を含む医薬組成物は、公知である方法で、例えば、従来の混合、溶解、造粒、糖衣錠化、摩砕、乳状化、封入、混入または凍結乾燥工程によって製造することができる。医薬組成物は、薬学的に用いることができる調製物への活性化合物の加工を促進する、賦形剤および/または補助剤を含む1つまたは複数の薬学的に許容される担体を用いて、従来の方法で製剤化することができる。当然、適当な製剤は、選択される投与経路によって決まる。
注射用に適する医薬組成物には、滅菌の水溶液(水溶性の場合)または分散液、および、滅菌注射用溶液または分散液の即時使用の調製物のための滅菌粉末が含まれる。静脈内投与のためには、適する担体には、生理的食塩水、静菌水、Cremophor EL(商標)(BASF、Parsippany、N.J.)またはリン酸緩衝食塩水(PBS)が含まれる。すべての場合に、組成物は滅菌でなければならず、注射針を容易に通過するように流動的であるべきである。この組成物は製造および保存の条件下で安定でなければならず、細菌および真菌などの微生物の汚染作用から保存されなければならない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコールなど)およびそれらの適する混合物を含む溶媒または分散媒であってよい。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用によって、分散液の場合には必要とされる粒径の維持によって、および、界面活性剤の使用によって維持することができる。微生物の作用の予防は、様々な抗細菌剤および抗かび剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサールなどによって達成することができる。多くの場合、等張剤、例えば、糖、マンニトール、ソルビトールなどの多価アルコール、塩化ナトリウムを組成物に含むことが好ましい。注射可能な組成物の長期吸収は、組成物に吸収を遅らせる物質、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンを含ませることによってもたらすことができる。
注射可能な滅菌溶液は、必要に応じて上で列挙した成分の1つまたはそれらの組合せと一緒に、適当な溶媒中に必要とされる量の活性化合物を組み込み、続いてろ過滅菌することによって調製することができる。一般に、分散液は、活性化合物を、基礎分散媒および上で列挙されたものからの必要とされる他の成分を含む滅菌媒体に組み込むことによって調製される。注射可能な滅菌溶液の調製のための滅菌粉末の場合、調製法は、有効成分と、前もってろ過滅菌したその溶液からの任意の追加の所望の成分との粉末を産する、減圧乾燥およびフリーズドライイングである。
経口組成物は、不活性の希釈剤または食用の薬学的に許容される担体を一般に含む。それらは、ゼラチンカプセルに封入すること、または錠剤に圧縮することができる。経口治療投与のためには、活性化合物を賦形剤と一緒に組み込み、錠剤、トローチまたはカプセルの形で用いることができる。経口組成物は、洗口剤として用いるための流体担体を用いて調製することもでき、その場合、流体担体中の化合物は口に入れられてうがいされ、吐き出されるか飲み込まれる。薬学的に適合する結合剤および/またはアジュバント物質を、組成物の一部として含むことができる。錠剤、ピル、カプセル、トローチなどは、以下の成分または類似した性質の化合物のいずれかを含むことができる。微結晶性セルロース、トラガカントゴムまたはゼラチンなどの結合剤、デンプンまたは乳糖などの賦形剤、アルギン酸、Primogelまたはトウモロコシデンプンなどの崩壊剤、ステアリン酸マグネシウムまたはSterotesなどの滑沢剤、コロイド状二酸化ケイ素などの流動促進剤、ショ糖またはサッカリンなどの甘味剤、あるいは、ハッカ、サリチル酸メチルまたはオレンジ着香料などの着香剤。
吸入による投与のために、化合物は、適する噴射剤、例えば二酸化炭素などのガスを含む加圧容器もしくはディスペンサー、またはネブライザーからのエアゾール噴霧の形で送達される。
全身投与は、経粘膜または経皮的手段により得る。経粘膜または経皮的投与のために、浸透すべきバリアに適当な浸透剤が、製剤で用いられる。そのような浸透剤は一般に当技術分野で公知であり、例えば、経粘膜投与のためには、界面活性剤、胆汁酸塩およびフシジン酸誘導体がある。経粘膜投与は、鼻内噴霧剤または坐薬を用いることにより達成することができる。経皮投与のためには、一般に当技術分野で公知であるように、活性化合物は、軟膏、膏薬、ゲルまたはクリームに製剤化される。
一態様では、活性化合物は、インプラントおよびマイクロカプセル送達系を含む制御放出製剤など、体からの速やかな消失から化合物を保護する薬学的に許容される担体を用いて調製される。エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステルおよびポリ乳酸などの、生物分解性、生体適合性のポリマーを用いることができる。そのような製剤の調製方法は、当分野の技術者にとって明らかとなる。このような物質は、Alza CorporationおよびNova Pharmaceuticals,Inc.から市販されているものから得ることもできる。リポソーム懸濁液(ウイルス抗原に対するモノクローナル抗体を有する感染細胞を標的にしたリポソームを含む)を、薬学的に許容される担体として用いることもできる。これらは、例えば、米国特許第4,522,811号に記載されているような、当分野の技術者に公知である方法によって調製することができる。
投与の容易さおよび投薬量の均一性のために、経口または非経口組成物を投薬単位剤形で製剤化することが特に有利である。本明細書で用いる投薬単位剤形は、治療される対象のための単一投薬量として適する物理的に別々の単位を指し、各単位は、必要な医薬担体と組み合わせて所望の治療効果を生じるように計算された、活性化合物の所定量を含有する。本発明の投薬単位剤形の仕様は、活性化合物の特有の特性および達成すべき特定の治療効果によって決定され、およびそれらに直接依存する。
治療的適用では、本発明に従って用いられる医薬組成物の投薬量は、選択される投薬量に影響を及ぼす他の要素の中でも、薬剤、レシピエント患者の年齢、体重および臨床状態、ならびに、療法を投与する臨床医または開業医の経験および判断によって異なる。一般に、用量は、腫瘍の増殖を遅くし、好ましくは退縮させ、さらに、好ましくは癌の完全な退縮を引き起こすのに十分であるべきである。投薬量は、1日あたり約0.01mg/kg〜約3000mg/kgの範囲でよい。好ましい態様では、投薬量は、1日あたり約1mg/kg〜約1000mg/kgの範囲でよい。一態様では、用量は、単回の、分割された、または連続的な用量で、約0.1mg/日〜約50g/日、約0.1mg/日〜約25g/日、約0.1mg/日〜約10g/日、約0.1mg〜約3g/日、または約0.1mg〜約1g/日の範囲である(用量は、kgで表した患者の体重、mで表した体表面積および年齢について調整することができる)。医薬用薬剤の有効量は、臨床医または他の資格のある観察者が気づくような、客観的に識別可能な改善を提供する量である。例えば、患者の腫瘍の退縮は、腫瘍の直径について測定することができる。腫瘍の直径の減少は、退縮を示す。退縮は、治療が停止した後に腫瘍が再発生することができないことによっても示される。本明細書で用いるように、用語「投薬が有効な方法」は、対象または細胞で所望の生物効果を生成する活性化合物の量を指す。
医薬組成物は、投与のための説明書と一緒に、容器、パックまたはディスペンサーに入れることができる。
本明細書で引用したすべての特許、特許出願および参考文献は、参照により完全に本明細書に組み込まれる。
本発明の様々な特徴をさらに説明するために以下に実施例を示す。これらの実施例では、本発明を実施するための有用な方法も説明する。これらは、請求の範囲に記載されている発明を限定するものではない。
(実施例1)
4−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−3−(1H−インドール−3−イル)−ピロリジン−2−オンの調製
ステップ1
2−クロロ−N,N−ジメチルアセトアミド(10mL、97.5ミリモル)の氷冷溶液に、POCl(14mL、149.5ミリモル)を加えた。透明な混合液を室温で20分間撹拌した。5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン(10.20g、65.0ミリモル、調製についてはWO06086486A1を参照されたい)を加えた。混合物を80℃で2時間撹拌した。混合物を氷(200mL)およびジクロロメタン(300mL)に注加した。水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH>12に調節した。ジクロロメタン層を分離し、水(300mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、ろ過し、蒸発させて黒ずんだ固体を得た。固体をDCMに溶解し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:DCM中に0%〜1%EtOAc)で精製した。EtOAcで磨砕(tituration)した後、2−クロロ−1−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−エタノンを灰白色固体(10.82g、71%)として得た。融点=118−119°C;H NMR(400MHz,CDCl)δ:8.00(d,J=8.0Hz,1H),7.82(s,1H),7.23(m,1H),7.03(d,J=7.2Hz,1H),4.51(s,2H),4.21(t,J=6.0Hz,2H),3.01(t,J=6.0Hz,2H),2.27(m,2H).LCMS:m/e234.03[M+H]。
ステップ2
DMF(20mL)中の2−クロロ−1−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−エタノン(5.04g、21.6ミリモル)およびアジ化ナトリウム(1.47g、22.7ミリモル)の溶液を室温で16時間振とうした。水(200mL)および酢酸エチル(200mL)を加えた。酢酸エチル層を分離し、水(200mL)で2回洗浄し、NaSOで乾燥させ、ろ過し濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、純DCM)で精製して2−アジド−1−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−エタノンを灰白色固体(4.70g、90%)として得た。融点=92−93°C;H NMR(400MHz,CDCl)δ:7.99(d,J=8.0Hz,1H),7.75(s,1H),7.23(m,1H),7.04(d,J=7.6Hz,1H),4.35(s,2H),4.21(t,J=5.6Hz,2H),3.01(t,J=6.4Hz,2H),2.27(m,2H).LCMS:m/e241.07[M+H]。
ステップ3
THF(30mL)/MeOH(20mL)中の2−アジド−1−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−エタノン(4.70g、19.58ミリモル)、(BOC)O(4.48g、20.56ミリモル)、Pd/C(10%)の溶液を、H(60psi)雰囲気下で終夜振とうした。混合物をセライト(Celite)パッドでろ過し、濃縮して残留物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液、2/1ヘキサン(hex)/EtOAc)で精製した。[2−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルを白色固体(2.82g、46%)として得た。融点=175−177°C;H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ:8.35(s,1H),7.86(d,J=8.0Hz,1H),7.12(t,J=7.6Hz,1H),6.99(m,2H),4.27(d,J=6.0Hz,2H),4.23(t,J=6.0Hz,2H),2.94(t,J=6.4Hz,2H),2.14(m,2H),1.41(s,9H).LCMS:m/e315.21[M+H],259.17[M−56]。
ステップ4
DCM(50mL)中の[2−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(1.35g、4.30ミリモル)の溶液に、HCl(ジオキサン中に4M、11mL、44ミリモル)を室温で加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した。生成した沈殿物をろ紙でろ過し、DCMで洗浄し、真空下で乾燥して2−アミノ−1−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−エタノンHCl塩(1.06g、99%)を白色固体として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ:8.50(s,1H),8.42(brs,3H),7.88(d,J=8.0Hz,1H),7.20(m,1H),7.03(d,J=8.0Hz,1H),4.28(m,4H),2.95(t,J=5.6Hz,2H),2.15(m,2H).LCMS:m/e215.21[M+H]。
ステップ6および7
無水DCM(40mL)中の3−カルボキシメチル−インドール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.35g、4.95ミリモル)の溶液に、CDI(0.98g、6.03ミリモル)を室温で加えた。混合物を室温で2時間撹拌し、次いで0℃に冷却し、NaHCOの冷却水溶液で洗浄した。DCM層をMgSOで乾燥させ、ろ過し濃縮した。残留物をDCM(10mL)およびトルエン(10mL)に溶解し、蒸発させた。この残留物に無水THF(20mL)/DMF(20mL)、DIPEA(2.5mL、14.85ミリモル)を加え、続いて、2−アミノ−1−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−エタノンHCl塩(1.26g、5.04ミリモル)を加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物をEtOAc(200mL)と水(150mL)に分配させた。EtOAc層をNaHCO水溶液、塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濃縮し、次のステップで直接使用した。DCM(20mL)およびDMF(10mL)の中の残留物の懸濁液に、(Boc)O(3.23g、14.85ミリモル)とDMAP(触媒)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:3/1次いで2/1のヘキサン/EtOAc)で精製した。3−(2−{tert−ブトキシカルボニル−[2−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−アミノ}−2−オキソ−エチル)−インドール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを淡黄色固体(2.10g、74%、2段階について)として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ:8.44(s,1H),8.05(d,J=8.0Hz,1H),7.85(d,J=8.0Hz,1H),7.70(s,1H),7.54(d,J=8.0Hz,1H),7.30(m,1H),7.25(m,1H),7.13(dd,J=J=8.0Hz,1H),7.01(d,J=6.8Hz,1H),5.01(s,2H),4.37(s,2H),4.24(t,J=6.4Hz,2H),2.95(t,J=6.4Hz,2H),2.15(m,2H),1.62(s,9H),1.39(s,9H).LCMS:m/e572.20[M+H]。
ステップ8
無水DMF(20mL)中の3−(2−{tert−ブトキシカルボニル−[2−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−アミノ}−2−オキソ−エチル)−インドール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.04g、1.82ミリモル)とDBU(0.27mL、1.91ミリモル)の混合物を110℃で2時間撹拌した。混合物を冷却し、蒸発させた。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:4/1次いで3/1のヘキサン/EtOAc)で精製して3−[1−tert−ブトキシカルボニル−4−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−3−イル]−インドール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを黄色泡状固体(0.64g、64%)として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ:8.13(d,J=8.8Hz,1H),7.72(s,1H),7.47(s,1H),7.30(m,1H),7.05(m,3H),6.89(m,2H),5.00(s,2H),4.03(t,J=5.6Hz,2H),2.88(t,J=5.6Hz,2H),2.03(m,2H),1.65(s,9H),1.54(s,9H).LCMS:m/e554.21[M+H]。
ステップ9
3−[1−tert−ブトキシカルボニル−4−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−3−イル]−インドール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(408mg、738μmol)およびジオキサン(15mL)中の4M HClの混合物を室温で16時間振とうした。溶媒を除去し、残留物をEtOAcと2N NaOHに分配させた。有機物を濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、DCM/MeOH)で精製した。得られた固体をDCMから再結晶化させて4−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−3−(1H−インドール−3−イル)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オンを淡黄色固体(159mg、61%)として得た。融点=260−262°C;H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ:11.22(s,1H),8.16(s,1H),7.44−7.39(m,2H),7.31(s,1H),7.05−6.95(m,3H),6.82−6.74(m,3H),4.51(s,2H),4.00(t,J=5.6Hz,2H),2.86(t,J=6.0Hz,2H),2.05(t,J=5.2Hz,2H).LCMS:m/e354.12[M+H]。
ステップ10(還元手順A)
4−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−3−(1H−インドール−3−イル)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン(95mg、270μmol)、削り屑状マグネシウム(1.3g、54ミリモル)およびメタノール(15mL)の混合物を60℃で3時間加熱した。水を反応混合物に加え、濃HClでpHを1に調節した。混合物をEtOAcに抽出し、飽和炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。有機物を乾燥させ(MgSO)、ろ過し、蒸発させて黄褐色固体を得た。これを熱EtOAc中で摩砕して4−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−3−(1H−インドール−3−イル)−ピロリジン−2−オンを白色固体(15mg、16%、H NMRからシス/トランス:1/3.7)として得た。H NMR(400MHz,CDOD)トランス−δ:7.42(d,J=7.2Hz,1H),7.33(d,J=8.0Hz,1H),7.14(d,J=8.0Hz,1H),7.06(m,1H),7.00(s,1H),6.95(s,1H),6.93(m,1H),6.82(m,2H),4.14−4.05(m,4H),3.85(m,1H),3.71(m,1H),2.90(t,J=6.0Hz,2H),2.12(m,2H).LCMS:m/e356.13[M+H]。
(実施例2)
(3R,4R)−4−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−3−(1H−インドール−3−イル)−5−チオキソ−ピロリジン−2−オンおよび(3R,4R)−3−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−4−(1H−インドール−3−イル)−5−チオキソ−ピロリジン−2−オン(1/1混合物)の調製
無水テトラヒドロフラン(20mL)中の(3R,4R)−3−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−4−(1H−インドール−3−イル)ピロリジン−2,5−ジオン(1.1g、2.71ミリモル)の溶液に、ローソン試薬(1.0g、2.7ミリモル)を加えた。反応混合物を17時間還流加熱し、次いで室温に冷却した。減圧下で溶媒を除去し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、酢酸エチル:ヘキサン;40:60)で精製して、位置異性体(3R,4R)−4−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−3−(1H−インドール−3−イル)−5−チオキソ−ピロリジン−2−オンと、(3R,4R)−3−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−4−(1H−インドール−3−イル)−5−チオキソ−ピロリジン−2−オンの1/1混合物(470mg、44%)を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ:13.09(s,1H),11.4(d,J=18.4Hz,1H),7.35(m.3H),7.32(d,J=4.4Hz,1H),7.17(d,J=7.2Hz,1H),7.07(m,1H),6.95(t,,J=7.6Hz,2H),6.87(t,J=8.4Hz,1H),6.84(m,1H),4.65(dd,J=6.4および16.4Hz,1H),4.51(dd,J=6.4および10.0Hz,1H),4.08(t,J=5.6Hz,2H),2.88(t,J=9.6Hz2H),2.10(brs,2H).LCMS:386[M+H]。
(実施例3)
(3R,4R)−4−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−3−(1H−インドール−3−イル)−ピロリジン−2−オンおよび(3R,4R)−3−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−4−(1H−インドール−3−イル)−ピロリジン−2−オン(1/1混合物)の調製
メタノール(15mL)中の(3R,4R)−4−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−3−(1H−インドール−3−イル)−5−チオキソ−ピロリジン−2−オンおよび(3R,4R)−3−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−4−(1H−インドール−3−イル)−5−チオキソ−ピロリジン−2−オン(0.070g、0.181ミリモル)の溶液を、過剰のラネーニッケルで処理した。混合物を室温で15分間撹拌した。反応混合物を、N雰囲気下、セライトパッドでろ過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール;98:2)で精製して、位置異性体(3R,4R)−4−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−3−(1H−インドール−3−イル)−ピロリジン−2−オンと、(3R,4R)−3−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−4−(1H−インドール−3−イル)−ピロリジン−2−オンの混合物(1/1)(22mg、34%)として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ:10.84(d,J=13.6Hz,1H),7.91(brs,1H),7.46(dd,J=7.7および13.6Hz,1H),7.30−7.16(m,4H),7.02(m,1H),6.90(m,1H),6.84−6.78(m,3H),4.04(brs,2H),4.0(m,1H),3.72(m,1H),3.35(brs,2H),2.86(brm,2H),2.07(brm,2H).LCMS:356[M+H]。
(実施例4)
(±)−トランス−3−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−4−(1H−インドール−3−イル)−ピロリジン−2−オンの調製
ステップ1
(1H−インドール−3−イル)−アセトニトリル(5.0g、32ミリモル)、チオール酢酸(6.8mL、96ミリモル)および氷酢酸(25mL)の溶液を、100℃で4時間加熱した。室温に冷却した後、反応混合物をEtOAcで希釈し、水で2回洗浄し、塩水で洗浄した。次いで有機物を真空下で濃縮し、カラムクロマトグラフィー(SiO、EtOAc/ヘキサン)で精製して2−(1H−インドール−3−イル)−チオアセトアミドをオレンジ色固体(2.9g、48%)として得た。
ステップ2
無水THF(34mL)中の(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−オキソ−酢酸メチルエステル(3.4g、14ミリモル)および2−(1H−インドール−3−イル)−チオアセトアミド(2.9g、15ミリモル)の溶液に、N雰囲気下、−30℃でTHF中の1M tBuOK(42mL、42ミリモル)を滴下した。反応混合物を2時間かけて室温に加温した。反応混合物を0℃に冷却し、濃HCl(42mL)を徐々に加えた。混合物を撹拌しながら1時間かけて室温に加温し、続いて、EtOAcと水で希釈した。有機物を分離し、塩水で洗浄し、蒸発させて黒ずんだ残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO、EtOAc/ヘキサン)で精製した。3−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−4−(1H−インドール−3−イル)−5−チオキソ−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オンを黒ずんだ泡状物(4.7g、87%)として得た。
ステップ3
雰囲気下で撹拌しながら、MeOH(75mL)中の3−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−4−(1H−インドール−3−イル)−5−チオキソ−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン(4.7g、12ミリモル)の溶液に、ラネーニッケルを加えた。混合物をN雰囲気下でろ過し、ろ液を蒸発させた。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO、EtOAc/ヘキサン)で精製して3−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−4−(1H−インドール−3−イル)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オンを灰白色固体(2.2g、6ミリモル、51%)として得た。H NMR(400MHz,DMSO)δ:11.33(s,1H),8.19(s,1H),7.55(s,1H),7.37(dd,J=8.0,6.0Hz,2H),7.30(d,J=2.8Hz,1H),7.07(t,J=7.6Hz,1H),6.90(t,J=8.0Hz,1H),6.76(d,J=6.4Hz,1H),6.62(m,2H),4.53(s,2H),4.20(t,J=5.6Hz,2H),2.94(t,J=5.6Hz,2H),2.17(m,1H),1.17(m,1H);LCMS:354[M+H]。
ステップ4
3−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−4−(1H−インドール−3−イル)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン(700mg、2ミリモル)、MeOH(25mL)および削り屑状マグネシウム(963mg、40ミリモル)の混合物を60℃で4時間加熱した。次いで反応混合物を室温に冷却し、蒸発させた。残留物を1M HCl(70mL)中で15分間撹拌し、EtOAcで2回抽出した。有機物を蒸発させ、カラムクロマトグラフィー(SiO、EtOAc/MeOH)を用いて残留物を精製した。熱EtOAcで磨砕して(±)−トランス−3−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−4−(1H−インドール−3−イル)−ピロリジン−2−オンを灰白色粉末(190mg、27%)として得た。融点=241−243°C;H NMR(400MHz,DMSO−d6)d:10.86(d,J=1.6Hz,1H),7.92(s,1H),7.44(d,J=7.6Hz,1H),7.33−7.23(m,3H),7.17(s,1H),7.03(m,1H),6.90(m,1H),6.86−6.78(m,2H),4.03(m,4H),3.81(m,1H),3.31(m,1H),2.87(t,J=6.4Hz,2H),2.08(m,2H);LCMS:356[M+H]。
(実施例5)
(±)−トランス−3−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピロリジン−2−オンの調製
(1H−インドール−3−イル)−アセトニトリルの代わりに2−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)アセトニトリルを用いて、実施例4のステップ1〜4に示したようにして調製した。(±)−トランス−3−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピロリジン−2−オンを灰白色固体として得た。融点=82−85°C;H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ:7.95(s,1H),7.74(m,2H),7.53(m,2H),7.15(m,2H),6.80(m,2H),4.05(m,3H),3.90(m,1H),3.67(t,J=8.8Hz,1H),3.33(t,J=8.8Hz,1H),2.87(t,J=5.6Hz,2H),2.08(m,2H);LCMS:385[M+H]。
(実施例6)
(±)−トランス−3−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−4−(3−メトキシ−フェニル)−ピロリジン−2−オンの調製
(1H−インドール−3−イル)−アセトニトリルの代わりに2−(3−メトキシフェニル)アセトニトリルを用いて、実施例4のステップ1〜4に示したようにして調製した。(±)−トランス−3−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−4−(3−メトキシ−フェニル)−ピロリジン−2−オンを白色固体として得た。融点=191−194°C;H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ:7.86(s,1H),7.27(m,2H),7.16(m,1H),7.11(s,1H),6.80(m,4H),4.06(t,J=5.6Hz,2H),3.89(m,1H),3.73(m,1H),3.68(s,3H),3.62(m,1H),3.25(m,1H),2.87(t,J=5.8Hz,2H),2.07(m,2H);LCMS:347[M+H]。
(実施例7)
1−[(3R,4R)−4−(1H−インドール−3−イル)−ピロリジン−3−イル]−5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリンの調製
ステップ1
無水THF(400mL)中の(3R,4R)−3−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−4−(1H−インドール−3−イル)−ピロリジン−2,5−ジオン(WO2006086484A1、8.34g、22.6ミリモル)の溶液にNをパージし、0℃に冷却した。LiAlH(226mL、THF中に1M、226ミリモル)を滴下した。反応混合物を60℃で終夜撹拌した。混合物を氷水浴で冷却し、N雰囲気下で水(40mL)を滴下して過剰のLiAlHをクエンチした。水(500mL)を加えた。次いで混合物を4M HClでpH<2に酸性化した。2M NaOHを加えてpH>9に調節した。混合物をEtOAc(2×800mL)で抽出した。一緒にしたEtOAc層を飽和NaCl水溶液で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮して1−[(3R,4R)−4−(1H−インドール−3−イル)−ピロリジン−3−イル]−5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリンをオレンジ色/黄色固体として得た。
1−[(3R,4R)−4−(1H−インドール−3−イル)−ピロリジン−3−イル]−5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリンをTHF(150mL)に溶解し、ジ−tert−ブチルジカーボネート(5.17g、23.7ミリモル)およびDIPEA(11.8mL、67.8ミリモル)を加えた。次いで、混合物を室温で16時間撹拌した。溶媒を真空下で除去し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、溶離液:DCM中に2%EtOAc)で精製した。得られた固体をDCM/EtOAcから再結晶化して、(3R,4R)−3−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−4−(1H−インドール−3−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを白色固体(6.09g、61%)として得た。融点=239−240°C;H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ:10.81(s,1H),7.56(dd,J=8.0および4.8Hz,1H),7.39(d,J=8.0Hz,1H),7.28(d,J=8.0Hz,1H),7.22−7.18(m,2H),7.02(t,J=7.2Hz,1H),6.92(m,1H),6.84(m,1H),6.77(d,J=7.2Hz,1H),4.03−3.88(m,6H),3.44−3.29(m,2H),2.84(t,J=6.0Hz,2H),2.04(m,2H),1.42(s,9H).LCMS:m/e386.12[M−56]。
ステップ2
DCM(10mL)中の(3R,4R)−3−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−4−(1H−インドール−3−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.205g、0.46ミリモル)の溶液に、N雰囲気下でジオキサン中のHCl 4M(1.15mL、4.6ミリモル)を加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。減圧下で溶媒を除去し、残留物をDCMで洗浄した。EtOHから再結晶化して1−[(3R,4R)−4−(1H−インドール−3−イル)−ピロリジン−3−イル]−5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリンHCl塩を白色固体として得た。融点=>70°Cで分解;H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ:10.95(s,1H),9.24(s,1H),7.54(d,J=8.0Hz,1H),7.39(d,J=8.0Hz,1H),7.32−7.26(m,3H),7.05(t,J=7.6Hz,1H),6.94(t,J=7.6Hz,1H),6.87(t,J=7.6Hz,1H),6.80(d,J=7.2Hz,1H),4.03(m,4H),3.85(brs,1H),3.52−3.35(m,3H),2.85(t,J=6.0Hz,2H),2.05(m,2H).LCMS:m/e342.17[M+H]。
(実施例8)
(3R,4R)−3−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−4−(1H−インドール−3−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸エチルアミドの調製
DCM(5mL)中の(3R,4R)−3−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−4−(1H−インドール−3−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.20g、0.45ミリモル)の溶液に、ジオキサン中の4M HCl(1.7mL、6.8ミリモル)を加えた。2時間後、反応混合物を濃縮し、残留物をDCM(5mL)にとった。DIPEA(0.32mL、1.70ミリモル)およびエチルイソシアネート(42μL、0.53μmol)を加え、反応混合物を室温で終夜撹拌した。固体をろ別し、DCMで洗浄して(3R,4R)−3−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−4−(1H−インドール−3−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸エチルアミドを白色結晶(88mg、47%)として得た。融点=278−279°C;H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ:10.80(s,1H),7.57(d,J=8.0Hz,1H),7.39(d,J=7.6Hz,1H),7.29(d,J=8.0Hz,1H),7.20(d,J=2.4Hz,1H),7.17(s,1H),7.02(t,J=8.0Hz,1H),6.93(t,J=7.2Hz,1H),6.85(t,J=7.6Hz,1H),6.77(d,J=6.8Hz,1H),6.14(t,J=5.6Hz,1H),4.03−3.94(m,6H),3.41−3.32(m,2H),3.11−3.04(m,2H),2.84(t,J=6.0Hz,2H),2.04(t,J=5.2Hz,2H),1.03(t,J=7.2Hz,3H).LCMS:m/e413.16[M+H]。
(実施例9)
1−[(3R,4R)−1−ベンゼンスルホニル−4−(1H−インドール−3−イル)−ピロリジン−3−イル]−5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリンの調製
DCM(5mL)中の(3R,4R)−3−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−4−(1H−インドール−3−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(200mg、450μmol)の溶液に、窒素雰囲気下で、ジオキサン中の4M HCl(1.7mL、6.8ミリモル)を加えた。混合物を室温で2時間撹拌した。次いで溶媒を真空下で除去し、残留物をDCM(5mL)に溶解した。DIPEA(320μL、1.8ミリモル)およびベンゼンスルホニルクロリド(95mg、0.54μmol)を加え、混合物を室温で16時間撹拌した。溶媒を真空下で除去した。残留物をDCMに溶解し、飽和炭酸ナトリウム水溶液および水で洗浄し、蒸発させた。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO、EtOAc/ヘキサン)で精製して1−[(3R,4R)−1−ベンゼンスルホニル−4−(1H−インドール−3−イル)−ピロリジン−3−イル]−5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリンを白色固体(135mg、57%)として得た。融点= 115−125°C;H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ:10.81(s,1H),7.96(d,J=8.0Hz,2H),7.86(t,J=7.6Hz,1H),7.75(t,J=8.0Hz,2H),7.26(d,J=8.0Hz,1H),7.16(d,J=7.6Hz,1H),7.09(d,J=6.4Hz,1H),7.04(s,1H),7.00(t,J=7.6Hz,1H),6.92(dd,J=7.2,2.0Hz,1H),6.86(t,J=7.6Hz,1H),6.79−6.74(m,2H),4.00−3.90(m,4H),3.78−3.69(m,2H),3.39−3.29(m,2H),2.81(t,J=6.0Hz,2H),2.01(m,2H).LCMS:m/e482.09[M+H]。
(実施例10)
1−[(3R,4R)−4−(1H−インドール−3−イル)−1−(プロパン−2−スルホニル)−ピロリジン−3−イル]−5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリンの調製
DCM(5mL)中の(3R,4R)−3−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−4−(1H−インドール−3−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(200mg、450μmol)の溶液に、窒素雰囲気下で、ジオキサン中の4M HCl(1.7mL、6.8ミリモル)を加えた。混合物を室温で2時間撹拌した。次いで、溶媒を真空下で除去し、残留物をDCM(5mL)に溶解した。DIPEA(320μL、1.8ミリモル)およびイソプロピルスルホニルクロリド(77mg、0.54μmol)を加え、混合物を室温で16時間撹拌した。溶媒を真空下で除去し、残留物をDCMに溶解し、飽和炭酸ナトリウム水溶液および水で洗浄し、蒸発させた。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO、EtOAc/ヘキサン)で精製して1−[(3R,4R)−4−(1H−インドール−3−イル)−1−(プロパン−2−スルホニル)−ピロリジン−3−イル]−5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリンを白色固体(101mg、50%)として得た。融点=100−115°C;H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ:10.85(s,1H),7.56(d,J=8.0Hz,1H),7.39(d,J=8.0Hz,1H),7.29(d,J=8.0Hz,1H),7.26(d,J=2.4Hz,1H),7.23(s,1H),7.03(t,J=7.2Hz,1H),6.94(t,J=7.2Hz,1H),6.86(t,J=7.6Hz,1H),6.78(d,J=7.2Hz,1H),4.07−3.95(m,6H),3.55−3.46(m,3H),2.84(t,J=6.0Hz,2H),2.05(t,J=5.6Hz,2H),1.32(m,6H).LCMS:m/e448.13[M+H]。
(実施例11)
シクロブチル[(3R,4R)−3−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−4−(1H−インドール−3−イル)−ピロリジン−1−イル]−メタノンの調製
DCM(5mL)中の(3R,4R)−3−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−4−(1H−インドール−3−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(200mg、450μmol)の溶液に、窒素雰囲気下で、ジオキサン中の4M HCl(1.7mL、6.8ミリモル)を加えた。混合物を室温で2時間撹拌した。次いで、溶媒を真空下で除去し、残留物をDCM(5mL)に溶解した。DIPEA(320μL、1.8ミリモル)およびシクロブチルカルボニルクロリド(64mg、0.54μmol)を加え、混合物を室温で16時間撹拌した。溶媒を真空下で除去し、残留物をDCMに溶解し、飽和炭酸ナトリウム水溶液および水で洗浄し、蒸発させた。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO、EtOAc/ヘキサン)で精製し、メタノールから再結晶化させてシクロブチル[(3R,4R)−3−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−4−(1H−インドール−3−イル)−ピロリジン−1−イル]−メタノンを白色固体82mg、43%)として得た。融点=253−255°C;H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ:10.80(dd,J=8.0および2.0Hz,1H),7.54(dd,J=17.6および8.0Hz,1H),7.36(dd,J=18.0,8.0Hz,1H),7.27(d,J=8.0Hz,1H),7.20−7.16(m,2H),7.01(t,J=7.6Hz,1H),6.93−6.88(m,1H),6.86−6.81(m,1H),6.76(m,1H),4.10−3.87(m,6H),3.52−3.29(m,3H),2.82(t,J=6.0Hz,2H),2.24−2.00(m,6H),1.87(m,1H),1.75(m,1H).LCMS:m/e424.16[M+H]。
(実施例12)
1−[(3R,4R)−3−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−4−(1H−インドール−3−イル)−ピロリジン−1−イル]−3,3−ジメチルブタン−1−オンの調製
DCM(5mL)中の(3R,4R)−3−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−4−(1H−インドール−3−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(200mg、450μmol)の溶液に、窒素雰囲気下で、ジオキサン中の4M HCl(1.7mL、6.8ミリモル)を加えた。混合物を室温で2時間撹拌した。次いで、溶媒を真空下で除去し、残留物をDCM(5mL)に溶解した。DIPEA(320μL、1.8ミリモル)および3,3−ジメチルブタノイルクロリド(72mg、0.54μmol)を加え、混合物を室温で16時間撹拌した。溶媒を真空下で除去し、残留物をDCMに溶解し、飽和炭酸ナトリウム水溶液および水で洗浄し、蒸発させた。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO、EtOAc/ヘキサン)で精製した。得られた固体をメタノールから再結晶化させて1−[(3R,4R)−3−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−4−(1H−インドール−3−イル)−ピロリジン−1−イル]−3,3−ジメチルブタン−1−オンを白色固体(106mg、53%)として得た。融点= 202−204°C;H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ:10.82(dd,J=7.2および1.6Hz,1H),7.56(dd,J=14.0および8.0Hz,1H),7.38(dd,J=13.6および8.0Hz,1H),7.30−7.18(m,3H),7.02(t,J=8.0Hz,1H),6.93(m,1H),6.86(m,1H),6.77(m,1H),4.21−3.89(m,6H),3.65−3.36(m,2H),2.83(t,J=5.6Hz,2H),2.21(s,2H),2.04(m,2H),1.04(s,9H).LCMS:m/e440.20[M+H]。
(実施例13)
指数的に増殖するHT29細胞を、黒色96ウェルプレートの10%FBS含有培地に、5,000細胞数/ウェルで一晩平板培養した。その翌日、DharmaFECT 4試薬を用いて、細胞を4つのmet特異21−ヌクレオチドRNAオリゴヌクレオチドのプールで2日間一時的にトランスフェクトし、組み合わされた2−ヌクレオチド3’オーバーハングを有する19−bp二重鎖コアを形成した(Dharmacon,Inc.、Lafayette、CO)。対照として、同じ条件下でのgapdh siRNA(Dharmacon,Inc.)および非標的siRNAのトランスフェクションを並行して行った(Dharmacon,Inc.)。次に、濃度を次第に高めた不可逆的カスパーゼ阻害剤ZvAD−FMKの非存在下または存在下で、細胞をさらに1日インキュベートした。2μg/ml Hoescht 33342(青色チャネル、Molecular Probes/Invitrogen Corp.、Natick、MA)、500倍希釈のAnnexin V−Fluos(緑色チャネル、Roche Applied Science、Indianapolis、IN)および1μg/mlヨウ化プロピジウム(赤色チャネル、Roche Applied Science)を含む標識化溶液(10mM HEPES、140mM NaClおよび6mM CaCl)で、少なくとも10分間細胞をインキュベートした。高含量画像獲得および分析を、Beckman Coulter IC100血球計算器を用いて実施した。プログラムは、1ウェルにつき4画像をとるように設定した。曝露時間は、DAPI、FITCおよびローダミンチャネルのために、それぞれ16.7ms/10%増、500ms/35%増および300ms/30%増に設定した。画像を処理し、各チャネルおよび各条件に陽性の細胞数を、Cytoshop 2.1ソフトウェア(Beckman Coulter,Inc.)を用いて判定した。対照(gapdhおよび非標的siRNAによってトランスフェクトされた細胞)と比較して、Annexin V−Fluosによって陽性に染色された細胞の割合によって判定された細胞死の増加量が、met siRNAでトランスフェクトされたHT29細胞で観察された。さらに、濃度を増加させたZvAD−FMKの存在は細胞死のレベルを低下させ、それは、c−MetノックダウンがHT29細胞でカスパーゼ依存性アポトーシスを誘導することを示す。さらに、これらのデータは、HT29細胞が、それらの生存のためにc−Met経路に少なくとも部分的に依存し、したがって、c−Met阻害化合物について試験するための良好なモデルであることを示す。例えば図1Aを参照。
HT29細胞でsiRNAを用いてGAPDHおよびc−Metの有効なノックダウンを調べるために、正確に同じ条件を用いて同じ実験を並行して実施した。3日間のトランスフェクションの後、20mMトリス−HCl[pH7.5]、150mM NaCl、1mM NaEDTA、1mM EGTA、1%トリトン、2.5mMピロリン酸ナトリウム、1mMβ−グリセロリン酸、1mM NaVO、1μg/mlロイペプチンおよび1mM PMSFを含む細胞溶解緩衝液(Cell Signaling Technology)で、全ての細胞抽出物を調製した。製造業者の指示に従ってBio−Rad試薬(BioRad、Hercules、CA)を用いて、タンパク質濃度をBradfordアッセイによって測定した。還元条件下で試料(50μgの総タンパク質)をSDS−7.5%ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)によって分解し、ポリビニリデン二フッ化膜(Millipore Corp.、Billerica、MA)に移した。3%ウシ血清アルブミンを含むTBS−T(50mMトリス−HCl[pH7.6]、200mM NaCl、0.1%Tween 20)中で、膜を4℃で一晩インキュベートした。ウサギポリクローナル抗c−Met抗体(sc−10、Santa Cruz Biotechnology、Santa Cruz、CA)、およびGAPDHに対するモノクローナル抗体(Dharmacon,Inc.)およびβ−アクチン(Invitrogen Corp、Carlsbad、CA)と一緒に膜を3%ウシ血清アルブミン含有TBS−T中でインキュベートすることによって、c−Met、GAPDHおよびβ−アクチンの発現レベルを判定した。TBS−T中での十分な洗浄の後、西洋ワサビペルオキシダーゼ標識二次抗体(Amersham Biosciences Corp.、Piscataway、NJ)の1:5,000希釈溶液を1時間加え、製造業者の説明書に従って強化化学発光検出システム(PerkinElmer検出システム、Woburn、MA)を用いて、特異的タンパク質バンドを視覚化した。例えば、図1Bを参照。
(実施例14)
c−Met 33Pアッセイ
Origen Technologiesから購入した完全長c−MetのcDNAを、PCR増幅のための鋳型として用いた。キナーゼドメイン(1038〜1346)をコードするDNA断片を、Novagenベクターpet28aのNcoIおよびSalIの部位の間に挿入した。プライマーは、N末端に6−ヒスチジンタグを含むように設計した。脱リン酸化c−Metキナーゼタンパク質を発現させるために、チロシンホスファターゼPTP1B(1−283)を、作製した構築物のSalIおよびNotIの部位の間に逐次的に連結した。第2のリボソーム結合部位を、SalI部位の後のPTP1Bプライマーに組み込んだ。N末端His標識タンパク質を、Circlegrow培養液(Q−Biogen)中に発現させた。形質転換E. Coli細胞系BL21(DE3)RIL(Stratagene)を、37℃でOD=0.8まで培養し、12℃で一晩、0.3mMのIPTGで誘導した。同時発現したタンパク質を金属キレート化クロマトグラフィーで、続いてアニオンおよびカチオンカラムで精製した。簡潔には、20mM MOPS pH=6.5、200mM NaCl、7.5%グリセロール、0.1%Igepalを含み、1mM PMSFを補給した140mlの緩衝液での超音波処理によって、4リットルの細胞を溶解した。50,000gで30分間の遠心分離によって上清を得、それを、4℃で1時間、8mLのNi−NTA His結合樹脂(Novagen)とインキュベートした。溶解緩衝液による最初の洗浄の後、第2段階の50mL洗浄緩衝液(100mM NaClおよび5mMイミダゾールで)を加えた。200mMイミダゾールpH=8.5、100mM NaClおよび7.5%グリセロールによってタンパク質を溶出させ、10mL QFFカラムを通させることによって直ちに清澄化した。希釈によってタンパク質フロースルーの塩濃度およびpH値を50mMおよび7.5に調節し、次に、1mL SP FFカラムに加えた。20mMトリスHCl pH=8.5、150mM NaCl、7.5%グリセロールおよび2mM DTTの平衡緩衝液で、タンパク質をさらにゲルろ過した。−80℃での保存のために、単量体非リン酸化c−Metタンパク質を30mg/mLまで濃縮した。
残基1038〜1346を含む組換え体非リン酸化c−Met(12.5ng)を、濃度を次第に高めた化合物と一緒に、室温で15分間プレインキュベートした。化合物とのプレインキュベーションに続いて、100μMのIGF−1Rtide基質および、2.5μCi[33P−γATP]を含む100μM ATPを混合液に加えた。反応は、8mM MOPS−NaOH pH=7.0、200μM EDTA、5mM酢酸マグネシウム、200μMジチオスレイトール(DTT)および10mM NaVOを含む反応緩衝液中で、30分間実行した。次に、10μLの3%リン酸で反応を終了させた。10μLをフィルタープレートに移し、1%リン酸で3回洗浄し、マイクロベータカウンターでカウントを読み取り、各化合物についてc−Met阻害のIC50を判定した。
(実施例15)
MTSアッセイ
HT29細胞を、96ウェルプレートの10%FBS含有培地に、1,800細胞数/ウェルで一晩播種した。その翌日、37℃で24時間、濃度を次第に高めた化合物で細胞を処理した。処理の後、化合物含有培地を除去し、細胞をPBSで2回洗浄し、10%FBSを含有する無薬剤培地でさらなる48時間インキュベートした。それぞれ2mg/mLおよび0.92mg/mLの濃度のMTSおよびPMSの4時間の添加の後、結果をλ=490nmでの分光測光によって数量化し、各化合物のIC50値を判定した。
他の実施形態は以下の特許請求の範囲内にあった。いくつかの実施形態を示し説明してきたが、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、様々な修正を加えることができる。

Claims (33)

  1. 式I、II、IIIもしくはIVの化合物または薬学的に許容されるその塩
    (式中、
    R1、R2およびR3は、H、F、Cl、Br、I、−NR7R8、−(C1〜C6)アルキル、−(C1〜C6)置換アルキル、−(C3〜C9)シクロアルキル、−(C3〜C9)置換シクロアルキル、−O−(C1〜C6)アルキル、−O−(C3〜C9)シクロアルキルおよび−O−(C3〜C9)置換シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルからなる群から独立に選択され、
    R4は、H、−(C1〜C4)アルキルおよび−(C1〜C4)置換アルキルからなる群から選択され、
    R5は、H、−(C1〜C6)アルキル、−CHR6、−CONHR9、−COR10および−SOR11からなる群から選択され、
    R6は、−O−P(=O)(OH)、−O−P(=O)(−OH)(−O−(C1〜C6)アルキル)、−O−P(=O)(−O−(C1〜C6)アルキル)、−O−P(=O)(−OH)(−O−(CH)−フェニル)、−O−P(=O)(−O−(CH)−フェニル)、カルボン酸基、アミノカルボン酸基およびペプチドからなる群から選択され、
    R7およびR8は、Hおよび−(C1〜C6)アルキルからなる群から独立に選択され、
    R9、R10およびR11は、H、NHR12、−(C1〜C6)アルキル、−(C1〜C6)置換アルキル、−(C3〜C9)シクロアルキル、−(C3〜C9)置換シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルからなる群から独立に選択され、
    Qは、インドリル、置換インドリル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルおよびアルキルからなる群から独立に選択され、
    VおよびZは、O、S、Hからなる群から独立に選択され、VとZがどちらもOである場合、R4は、−(C1〜C4)アルキルまたは−(C1〜C4)置換アルキルであり、ZとVがどちらもHでない場合、R5は、H、−(C1〜C6)アルキルまたは−CHR6であり、
    Xは、−CH−、−NR12、S、O、および結合からなる群から選択され、
    R12は、H、−(C1〜C6)アルキル、−(C1〜C6)置換アルキル、−(C3〜C9)シクロアルキル、−(C3〜C9)置換シクロアルキル、−O−(C1〜C6)アルキル、−C(=O)−O−(C1〜C6)アルキルおよび−C(=O)−O−(C1〜C6)置換アルキルからなる群から選択され、
    Wは、−CH−、CO、および結合からなる群から選択され、
    mは0、1または2である)。
  2. Qが、インドリル基、あるいは、F、Cl、Br、I、−(C〜C)アルキル、−(C〜C)フルオロ−置換アルキル、−(C〜C)シクロアルキル、−(C〜C)フルオロ−置換シクロアルキル、−O−(C〜C)アルキル、−O−(C〜C)フルオロ−置換アルキル、−O−(C〜C)シクロアルキルおよび−O−(C〜C)フルオロ−置換シクロアルキル、−アリール、−O−アリール、−O−(C〜C)アルキル−アリール、−O−(C〜C)アルキル−複素環ならびに−S(=O)−(C〜C)アルキルからなる群から独立に選択される1つまたは複数の置換基で置換されたインドリル基である、請求項1に記載の化合物。
  3. VがOである、請求項1に記載の化合物。
  4. ZがOであり、そしてR4が−(C1〜C4)アルキルまたは−(C1〜C4)置換アルキルである、請求項3に記載の化合物。
  5. ZがSまたはHである、請求項3に記載の化合物。
  6. VがSである、請求項1に記載の化合物。
  7. ZがOまたはHである、請求項6に記載の化合物。
  8. VがHである、請求項1に記載の化合物。
  9. ZがO、SまたはHである、請求項8に記載の化合物。
  10. Wが−CH−である、請求項1に記載の化合物。
  11. mが1である、請求項10に記載の化合物。
  12. Xが結合である、請求項11に記載の化合物。
  13. R5はHである、請求項1に記載の化合物。
  14. 4−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−3−(1H−インドール−3−イル)−ピロリジン−2−オン、(3R,4R)−4−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−3−(1H−インドール−3−イル)−ピロリジン−2−オン、(3R,4R)−3−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−4−(1H−インドール−3−イル)−ピロリジン−2−オン、(±)−トランス−3−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−4−(1H−インドール−3−イル)−ピロリジン−2−オン、(3R,4R)−4−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−3−(1H−インドール−3−イル)−5−チオキソ−ピロリジン−2−オン、(3R,4R)−3−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−4−(1H−インドール−3−イル)−5−チオキソ−ピロリジン−2−オン、1−[(3R,4R)−4−(1H−インドール−3−イル)−ピロリジン−3−イル]−5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン、(3R,4R)−3−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−4−(1H−インドール−3−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸エチルアミド、1−[(3R,4R)−4−(1H−インドール−3−イル)−1−(プロパン−2−スルホニル)−ピロリジン−3−イル]−5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン、およびシクロブチル−[(3R,4R)−3−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−4−(1H−インドール−3−イル)−ピロリジン−1−イル]−メタノン、(±)−トランス−3−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピロリジン−2−オン、(±)−トランス−3−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−4−(3−メトキシ−フェニル)−ピロリジン−2−オン、1−[(3R,4R)−1−ベンゼンスルホニル−4−(1H−インドール−3−イル)−ピロリジン−3−イル]−5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン、および1−[(3R,4R)−3−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−4−(1H−インドール−3−イル)−ピロリジン−1−イル]−3,3−ジメチル−ブタン−1−オンからなる群から独立に選択される、請求項1に記載の化合物。
  15. 請求項1に記載の式I、II、IIIもしくはIVの化合物、または薬学的に許容されるその塩を、1つもしくは複数の薬学的に許容される担体または賦形剤と合わせて含む、医薬組成物。
  16. 第2の化学療法剤をさらに含む、請求項15に記載の医薬組成物。
  17. 前記第2の化学療法剤が、タモキシフェン、ラロキシフェン、アナストロゾール、エキセメスタン、レトロゾール、トラスツズマブ、イマチニブ、パクリタキセル、シクロホスファミド、ロバスタチン、ミノシン、ゲムシタビン、araC、5−フルオロウラシル、メトトレキサート、ドセタキセル、ゴセレリン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ノコダゾール、テニポシド、エトポシド、ゲムシタビン、エポチロン、ナベルビン、カンプトテシン、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、ミトキサントロン、アムサクリン、ドキソルビシン、エピルビシンおよびイダルビシンからなる群から選択される、請求項16に記載の医薬組成物。
  18. 細胞増殖性障害を治療する方法であって、該治療を必要とする対象に、治療有効量の請求項1に記載の式I、II、III、IVの化合物、あるいは薬学的に許容されるその塩、またはそのプロドラッグもしくは代謝産物を、薬学的に許容される担体と組み合わせて投与することを含み、該細胞増殖性障害が治療される方法。
  19. 前記細胞増殖性障害が前癌状態である、請求項18に記載の方法。
  20. 前記細胞増殖性障害が癌である、請求項18に記載の方法。
  21. 前記癌が、肺癌、結腸癌、乳癌、膵臓癌、前立腺癌、慢性骨髄性白血病、黒色腫または卵巣癌である、請求項20に記載の方法。
  22. 前記細胞増殖性障害が乳房の細胞増殖性障害である、請求項18に記載の方法。
  23. 前記乳房の細胞増殖性障害が乳房の前癌状態である、請求項22に記載の方法。
  24. 前記乳房の前癌状態が、乳房の非定型過形成、腺管上皮内癌および上皮内小葉癌からなる群から選択される、請求項23に記載の方法。
  25. 前記乳房の細胞増殖性障害が乳癌である、請求項22に記載の方法。
  26. 前記乳癌がエストロゲン受容体陰性乳癌である、請求項25に記載の方法。
  27. 前記式I、II、III、IVの化合物、あるいは薬学的に許容されるその塩、またはそのプロドラッグもしくは代謝産物を、第2の化学療法剤と組み合わせて投与する、請求項18に記載の方法。
  28. 前記第2の化学療法剤が、タモキシフェン、ラロキシフェン、アナストロゾール、エキセメスタン、レトロゾール、トラスツズマブ、イマチニブ、パクリタキセル、シクロホスファミド、ロバスタチン、ミノシン、ゲムシタビン、araC、5−フルオロウラシル、メトトレキサート、ドセタキセル、ゴセレリン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ノコダゾール、テニポシド、エトポシド、ゲムシタビン、エポチロン、ナベルビン、カンプトテシン、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、ミトキサントロン、アムサクリン、ドキソルビシン、エピルビシンまたはイダルビシンからなる群から選択される、請求項27に記載の方法。
  29. 前記癌治療が腫瘍サイズの縮小を含む、請求項18に記載の方法。
  30. 前記癌が転移性癌である、請求項20に記載の方法。
  31. 前記癌治療が転移性癌細胞浸潤の阻害を含む、請求項30に記載の方法。
  32. 増殖性障害を有する細胞がc−MetをコードするDNAを含む、請求項18に記載の方法。
  33. 前記細胞が構成的に高められたc−Met活性を有する、請求項32に記載の方法。
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