JP2010530011A - セリウム酸化物、二酸化ケイ素及びアミノ酸を含む分散液 - Google Patents

セリウム酸化物、二酸化ケイ素及びアミノ酸を含む分散液 Download PDF

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Abstract

セリウム酸化物の粒子及びコロイド状二酸化ケイ素並びにそれぞれの場合に1種又は複数種のアミノカルボン酸及び/又はその塩を含む分散液であって、二酸化ケイ素粒子のゼータ電位が負であり且つセリウム酸化物粒子のゼータ電位が正又はゼロに等しく、且つ該分散液のゼータ電位は全体的に負であり、平均粒径について・セリウム酸化物粒子が200nm以下であり、二酸化ケイ素粒子が100nm未満であり、含有率について、それぞれの場合に分散液の全量を基準として・セリウム酸化物粒子が0.1〜5質量%であり、二酸化ケイ素粒子が0.01〜10質量%であり且つ・アミノカルボン酸又はその塩が0.01〜5質量%であり且つ−分散液のpHは7.5〜10.5である、分散液。

Description

本発明はセリウム酸化物、二酸化ケイ素、及びアミノ酸を含む分散液に関し、且つその製造及び使用に関する。
セリウム酸化物分散液が、ガラス表面、金属表面及び誘電体表面の研磨、粗研磨(高い材料除去、不規則な側面、スクラッチ)と精密研磨(低い材料除去、平坦な表面、あったとしても、わずかなスクラッチ)との両方の研磨のために使用できることは公知である。欠点は、時としてセリウム酸化物の粒子及び研磨される表面が異なる電荷を有しており、結果として互いに引きつけ合うことであることが判明している。その結果、セリウム酸化物粒子を研磨された表面から再度除去することが困難である。
米国特許第7112123号は、ガラス表面、金属表面及び誘電体表面を研磨するための分散液であって、研磨剤として0.1〜50質量%のセリウム酸化物粒子及び0.1〜10質量%の粘土研磨剤粒子を含み、90%の粘土研磨剤粒子が粒径10nm〜10μmを有し、且つ90%のセリウム酸化物粒子が粒径100nm〜10μmを有する分散液を開示している。セリウム酸化物粒子、粘土研磨剤粒子、及び研磨される表面としてのガラスは負の表面電荷を有する。かかる分散液はセリウム酸化物粒子のみをベースとする分散液よりも有意に高い材料除去を可能にする。しかしながら、かかる分散液は高い不良率を引き起こす。
米国特許第5891205号は、二酸化ケイ素及びセリウム酸化物を含むアルカリ性分散液を開示している。セリウム酸化物粒子の粒径は、二酸化ケイ素粒子のサイズ以下である。気相法から生じる分散液中に存在するセリウム酸化物粒子は凝集せず、且つ100nm以下の粒径を有する。米国特許第5891205号によれば、セリウム酸化物粒子及び二酸化ケイ素粒子の存在の結果として、材料除去率が急激に上昇し得る。これを達成するために、二酸化ケイ素/セリウム酸化物の質量比は7.5:1〜1:1でなければならない。該二酸化ケイ素は有利には50nm未満の粒径を有し、且つ該セリウム酸化物は40nm未満の粒径を有する。要約すれば、a)二酸化ケイ素の割合はセリウム酸化物の割合よりも高く、且つb)二酸化ケイ素粒子はセリウム酸化物粒子よりも大きい。
米国特許第5891205号に開示されている分散液は、セリウム酸化物粒子のみをベースとする分散液よりも有意に高い材料除去を可能にする。かかる分散液はセリウム酸化物粒子のみをベースとする分散液よりも有意に高い材料除去を可能にする。しかしながら、かかる分散液は高い不良率を引き起こす。
国際公開第2004/69947号パンフレットは、シリコン含有誘電体層を研磨する方法であって、研磨剤粒子として、二酸化ケイ素、セリウム酸化物又はその2つの組み合わせ及びアミノ酸を含む分散液を使用する方法を開示している。分散液のpHは、十分な研磨の結果を得るために7以下でなければならない。
米国特許第6491843号は、SiO及びSiの材料除去率に対して高度な選択性を有すると言われる水性分散液を開示している。この分散液は研磨剤粒子及び有機化合物を含み、該有機化合物はカルボキシル基と第2の塩化物又はアミン含有官能基との両方を有する。上述の好適な有機化合物としてアミノ酸が挙げられる。原則的に、全ての研磨剤粒子は適していると言われているが、特にアルミニウム酸化物、セリウム酸化物、銅酸化物、鉄酸化物、ニッケル酸化物、マンガン酸化物、二酸化ケイ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素、スズ酸化物、二酸化チタン、炭化チタン、タングステン酸化物、イットリウム酸化物、ジルコニウム酸化物又は上述の化合物の混合物が好適である。しかしながら、実施例において、セリウム酸化物のみが研磨剤粒子として記載されている。
望まれているのは、低い不良率及び高い選択性で高い材料除去率をもたらす分散液である。ウェハーの研磨及び洗浄後、あったとしても、ごく少量の堆積物のみ表面上に存在すべきである。
驚くことに、この目的が、セリウム酸化物粒子及びコロイド状二酸化ケイ素及び1種又は複数種のアミノカルボン酸及び/又はその塩を含む分散液であって、
− 二酸化ケイ素粒子のゼータ電位が負であり且つセリウム酸化物粒子のゼータ電位が正又はゼロに等しく、且つ該分散液のゼータ電位は全体的に負であり、
− 平均粒径について、
・セリウム酸化物粒子が200nm以下であり
二酸化ケイ素粒子が100nm未満であり、
− 含有率について、それぞれの場合に分散液の全量を基準として、
・セリウム酸化物粒子が0.01〜50質量%であり
二酸化ケイ素粒子が0.01〜10質量%であり且つ
・アミノカルボン酸又はその塩が0.01〜5質量%であり且つ
− 分散液のpHは7.5〜10.5である
分散液によって達成されることがここで判明した。
ゼータ電位は粒子の表面電荷の測定値である。ゼータ電位は、分散液中の粒子/電解質の電気化学的二重層内での滑り面での電位を意味すると理解される。ゼータ電位に関して重要なパラメータは、粒子に対する等電点(IEP)である。IEPはゼータ電位がゼロであるところでのpHと規定する。ゼータ電位がより大きいほど、分散液はより安定である。表面での電荷密度は、取り囲んでいる電解質中で電位決定イオンの濃度を変えることによって影響され得る。
同一の材料の粒子は、同一の符号の表面電荷を有し、従って互いに反発する。しかしながら、ゼータ電位が小さすぎると、反発力が粒子のファンデルワールス引力を補償できず、粒子の凝集及び場合によっては沈降が生じる。
ゼータ電位は、例えば、分散液のコロイド振動電流(CVI)を測ることによって、あるいは電気泳動の移動度を測定することによって測定される。さらには、ゼータ電位は界面動電音響振幅法(ESA)によって測定できる。
本発明の分散液は、好ましくは−20〜−100mVのゼータ電位、更に好ましくは−25〜−50mVのゼータ電位を有する。
本発明の分散液は更に7.5〜10.5のpHを特徴とする。これは、例えば、アルカリ領域における誘電体表面の研磨を可能にする。特に9〜10のpHを有する分散液が好ましい。
本発明の分散液中のセリウム酸化物の割合は、分散液を基準として0.01〜50質量%の範囲にわたって変化し得る。例えば、輸送コストの最小化を意図する場合は、高いセリウム酸化物の含有率が望ましい。研磨剤として使用する場合、セリウム酸化物の含有率は、分散液を基準として好ましくは0.1〜5質量%、更に好ましくは0.2〜1質量%である。
本発明の分散液中のコロイド状二酸化ケイ素の含有率は、分散液を基準として0.01〜10質量%である。研磨目的の場合、0.05〜0.5質量%の範囲が好ましい。
本発明の分散液中でのセリウム酸化物/二酸化ケイ素の質量比は好ましくは1.1:1〜100:1である。研磨工程においては、セリウム酸化物/二酸化ケイ素の質量比が1.25:1〜5:1であれば有利であることが判明した。
さらには、セリウム酸化物粒子及びコロイド状二酸化ケイ素粒子以外に、さらなる粒子が存在しない本発明の分散液が好ましい。
本発明の分散液中でのセリウム酸化物粒子の平均粒径は200nm以下である。40〜90nmの範囲が好ましい。この範囲内で、研磨工程において、材料除去、選択性及び不良率に関して最良の結果が得られる。
該セリウム酸化物粒子は孤立した個々の粒子として、あるいは凝集した一次粒子の形態で存在してよい。本発明の分散液は、好ましくは、凝集したセリウム酸化物粒子を含むか、あるいはセリウム酸化物粒子がほとんど、又は完全に凝集した形態で存在する。
特に適したセリウム酸化物粒子は、それらの表面及び表面近傍層内に炭酸基を含有するもの、特にDE−A−102005038136号内に開示されているものであると判明した。これらは、
− 25〜150m/gのBET表面積を有し、
− 一次粒子が5〜50nmの平均粒径を有し、
− 表面近傍の一次粒子の層が約5nmの深さを有し、
− 表面近傍層において、炭酸濃度が、該炭酸濃度が最高値である表面から内部に向かって減少し、
− 炭酸基から生じる炭素含有率が表面上で5〜50面積パーセントであり、且つ、表面近傍層において、約5nmの深さで0〜30面積パーセントであり、
− CeOとして計算され、且つ粉末を基準として、セリウム酸化物の含有率が、少なくとも99.5質量%であり、且つ
− 有機及び無機の炭素を含む炭素含有率が、粉末を基準として0.01〜0.3質量%である
セリウム酸化物粒子である。
炭酸基は、セリウム酸化物粒子の表面と約5nmまでの深さとの両方で検知できる。該炭酸基は化学的に結合し、且つ例えば、構造a〜cのように配置される。
Figure 2010530011
該炭酸基を、例えばXPS/ESCA分析で検知できる。表面近傍層における炭酸基を検知するために、表面を部分的にアルゴンイオン衝撃によって削磨し、そして生成させた新しい表面をXPS/ESCAによって同様に分析できる(XPS=X線光電子分光法;ESCA=化学分析用電子分光法)。
ナトリウムの含有率は一般に5ppm以下であり且つ塩素の含有率は20ppm以下である。述べられた元素は、一般に、化学機械研磨において少量のみが許容される。
使用されるセリウム酸化物粒子は、好ましくは30〜100m/g、更に好ましくは40〜80m/gのBET表面積を有する。
本発明の分散液のコロイド状二酸化ケイ素粒子は100nm未満の平均粒径を有する。好ましいのは3〜50nmの範囲であり、且つ特に好ましいのは10〜35nmの範囲である。
コロイド状二酸化ケイ素粒子は、互いに架橋しておらず、球状又は非常に実質的に球状の個別の粒子の形態で存在し、且つ表面にヒドロキシル基を有するものを意味すると理解される。
セリウム酸化物粒子がその表面上及び表面近傍層内に炭酸基を含み、且つ分散液のpHが9〜10である場合に特に有利であることが判明した。
本発明の分散液の更に重要な成分はアミノカルボン酸である。これは好ましくは、アラニン、4−アミノブタンカルボン酸、6−アミノヘキサンカルボン酸、12−アミノラウリン酸、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、グリシルグリシン、リシン及びプロリンからなる群から選択される。グルタミン酸及びプロリンが特に好ましい。
アミノ酸又はその塩の分散液中の含有率は、好ましくは0.1〜0.6質量%である。
本発明の分散液の液相は、水、有機溶剤、及び水と有機溶剤との混合物を含む。一般に、主成分は、液相の90質量%より高い含有率で、水である。
加えて、本発明の分散液は酸、塩基、塩も含んでよい。pHを、酸又は塩基を用いて調整することができる。使用される酸は無機酸、有機酸又は上記のものの混合物であってよい。使用される無機酸は、特に、リン酸、亜リン酸、硝酸、硫酸、それらの混合物、及びそれらの酸性塩であってよい。使用される有機酸は、好ましくは一般式C2n+1COH(式中、n=0〜6又はn=8、10、12、14、16である)のカルボン酸、又は一般式HOC(CHCOH(式中、n=0〜4である)のジカルボン酸、又は一般式RC(OH)COH(式中、R=H、R=CH、CHCOH、CH(OH)COH)のヒドロキシカルボン酸、又はフタル酸もしくはサリチル酸、あるいは上述の酸の酸性塩又は上述の酸とそれらの塩との混合物である。pHは、アンモニア、アルカリ金属水酸化物又はアミンの添加により上昇され得る。
特定の用途において、本発明の分散液が0.3〜20質量%の酸化剤を含有する場合が有利である。この目的のために、過酸化水素、過酸化水素付加物、例えば、ウレア付加物、有機過酸、無機過酸、イミノ過酸、過硫酸塩、過ホウ酸塩、過炭酸塩、酸化金属塩及び/又は上記の混合物を使用することが可能である。更に好ましくは、過酸化水素を使用してよい。いくつかの酸化剤は本発明の分散液の他の成分に対して安定性が低いので、それらを分散液の使用の直前まで添加しないことが望ましい。
本発明の分散液は更に酸化活性剤を含んでよい。適した酸化活性剤は、Ag、Co、Cr、Cu、Fe、Mo、Mn、Ni、Os、Pd、Ru、Sn、Ti、Vの金属塩及びそれらの混合物であってよい。カルボン酸、ニトリル、ウレア、アミド及びエステルもまた適している。硝酸鉄(II)が特に好ましい。酸化触媒の濃度は酸化剤及び研磨作業に依存し、0.001〜2質量%の間の範囲内で変化してよい。より好ましくは、該範囲は0.01〜0.05質量%であってよい。
腐食防止剤は、本発明の分散液中に一般に0.001〜2質量%の含有率で存在し、該腐食防止剤は窒素含有複素環式化合物、例えばベンゾトリアゾール、置換ベンズイミダゾール、置換ピラジン、置換ピラゾール及びそれらの混合物であってよい。
本発明は更に本発明の分散液の製造方法であって、
− 粉末形のセリウム酸化物粒子を、コロイド状二酸化ケイ素粒子を含む予備分散液中に導入し、その後分散させるか、又は
− セリウム酸化物粒子を含む予備分散液と、コロイド状二酸化ケイ素粒子を含む予備分散液とを合し、その後分散させ、次いで
− 1種又は複数種のアミノ酸を固体形、液体形又は溶解形で添加し、且つ
− 場合により酸化剤、酸化触媒及び/又は腐食防止剤を添加する
分散液の製造方法を提供する。
適した分散ユニットは、特に少なくとも約200kJ/mのエネルギー入力をもたらすものである。これらは、ローター・ステーターの原理によって稼働する系、例えば、ultra−turrax機、又は攪拌ボールミルを含む。より高いエネルギーの入力は、遊星歯車ニーダ/ミキサを用いて可能である。しかしながら、この系の効率は、粒子を分割するのに必要な高い剪断エネルギーを導入するために、加工される混合物の十分に高い粘度と関わっている。
高圧ホモジナイザーを使用して、2つの予め分散された懸濁液流を、ノズルを通して高圧下で放圧させる。この2つの分散液ジェットがちょうど互いにぶつかり合い、そして粒子が互いに粉砕する。別の実施態様において、該予備分散液を同様に高圧下に設置するが、粒子が外装された壁の部分に衝突する。この作業を任意の回数繰り返して、より小さい粒径を得ることができる。
更に、該エネルギー入力は超音波を用いても実施できる。
該分散装置及び粉砕装置は組み合わせても使用できる。酸化剤及び添加剤は異なる時間に分散液に供給できる。例えば、酸化剤及び酸化活性剤を、適切であればより低いエネルギー入力において、分散の最後まで導入しないことも有利である。
使用されるコロイド状二酸化ケイ素粒子のゼータ電位は、好ましくは、pH7.5〜10.5で−20〜−100mVである。
使用されるセリウム酸化物粒子のゼータ電位は、好ましくは、pH7.5〜10.5で0〜40mVである。
本発明は更に誘電体表面を研磨するための本発明の分散液の使用を提供する。
実施例
分析
比表面積をDIN 66131に従って測定する。
表面特性を広範囲(1cm)のXPS/ESCA分析によって測定する(XPS=X線光電子分光法;ESCA=化学分析用電子分光法)。この評価は、英国、テディントンの国立物理学研究所のDIN Technical Report No.39、DMA(A)97による一般的な推奨規格、及び"表面及び微細領域分析(Surface and Micro Range Analyses)"研究委員会NMP816(DIN)の開発に伴う標準化に関するこれまでの知見に基づいている。加えて、それぞれの場合において、技術文献から入手可能な比較スペクトルを考慮に入れる。それぞれの場合において報告されている電子準位の相対感度係数を考慮して、バックグラウンド除去によって値を計算する。本データは面積パーセントである。精度は相対的に+/−5%と見積もられる。
ゼータ電位を、界面動電音響振幅法(ESA)を用いて、pH3〜12の範囲で測定する。このために、1%のセリウム酸化物を含む懸濁液を調製する。分散を超音波プローブ(400W)で実施する。該懸濁液を磁気攪拌機で攪拌し、且つ蠕動ポンプを用いてMatec ESA−8000装置のPPL−80センサを通してポンピングする。5MのNaOHを用いた電圧滴定を初期のpHから開始してpH12まで行う。pH4までの逆滴定を、5MのHNOを用いて行う。その評価を、該装置のソフトウェアversion pcava 5.94を用いて実施する。
Figure 2010530011
式中、ζはゼータ電位であり
Φは体積分率であり
Δρは粒子と液体との間の密度差であり
cは懸濁液中の音の速度であり
ηは液体の粘度であり
εは懸濁液の誘電率であり
|G(α)|は慣性の補正である。
平均凝集径はHoriba LB−500粒径分析器を用いて測定される。
原料
分散液を調製するために使用された原料は、DE−A−102005038136号、実施例2に記載の熱分解法セリウム酸化物である。更に、使用されるコロイド状二酸化ケイ素はH. C. Starck社製の2つのLevasil(登録商標)型である。それらの物質の重要な物理化学的パラメータを表1に示す。
Figure 2010530011
ウェハー/パッド:
二酸化ケイ素(200mm、層厚1000nm、熱酸化、SiMat製)及び窒化ケイ素(200mm、層厚160nm、LPCVD、SiMat製)。Rodel IC 1000−A3パッド。
分散液の調製
D1:該分散液を、セリウム酸化物粉末を水に添加し、そして超音波フィンガーを用いた超音波処理(Bandelin製 UW2200/DH13G、レベル8、100%;5分)によってそれを分散させることによって得る。その後、アンモニア水を用いてpHを7.5に調節する。
D2及びD3:該分散液を、セリウム酸化物及び水からなる予備分散液と、コロイド状二酸化ケイ素及び水からなる予備分散液とを混合し、超音波フィンガーを用いた超音波処理(Bandelin製 UW2200/DH13G、レベル8、100%;5分)によってそれを分散させることによって得て、その後、分散液D2及びD3の場合にグルタミン酸を添加し且つアンモニア水でpHを9.5に調節する。表2は得られる分散液の重要なパラメータを示す。それぞれの場合の接尾辞cは比較例を表す。
表3は、研磨の過程における材料除去並びに分散液の形成後及び14日後の選択性を示す。
アミノ酸のない分散液と比較して本発明の分散液D2及びD3は、窒化ケイ素の材料除去率を大幅に変えずに、有意に高い二酸化ケイ素の材料除去を示す。セリウム酸化物のみを含む、分散液D1と比較して、本発明の分散液は、同等の二酸化ケイ素及び窒化ケイ素の材料除去を有するが、表面上のスクラッチの数は著しく低い。
ウェハー及びパッド上の研磨残滓の評価
研磨残滓を視覚的に評価する(64倍までの拡大率の範囲の光学顕微鏡も用いる)。
このために、分散液D1(比較)及びD2及びD3(本発明)の粒径を研磨直後に分析する:
− D1は不安定であり且つわずか数分後に沈殿する。測定された粒径は1マイクロメートルより著しく大きい。
− 本発明の分散液は、対比して、研磨後でもまだ安定である。これは、これらの分散液の場合、大きな凝集物の形成がないことを意味する。研磨されたウェハーはまた、非常に低い水準の残滓を示す。
アミノ酸の存在下での負に帯電したコロイド状二酸化ケイ素の添加は、研磨残滓の割合を減少させることによってセリウム酸化物を含む分散液の研磨品質に好影響を与える。
可能性のある1つのメカニズムは、負に帯電したコロイド状二酸化ケイ素粒子によって正に帯電したセリウム酸化物粒子の外側を遮蔽することが、セリウム酸化物粒子の電荷の効率的な反転を確実にすることを含む。この電荷の反転の結果として、本発明の分散液は、とりわけ、セリウム酸化物単独のIEPに近いpH値での研磨の可能性を提供する。その相互作用は静電気力の相互作用であるため、コロイド状二酸化ケイ素粒子は研磨作業の間に剪断され、そのためセリウム酸化物の研磨作用が維持される。全ての粒子が研磨作業全体の間、常に外側が負に帯電している結果として、凝集物の形成が著しく減少する。長時間の分析は安定性及び研磨特性が長期にわたって維持されていることを示す。
Figure 2010530011
Figure 2010530011

Claims (19)

  1. セリウム酸化物の粒子及びコロイド状二酸化ケイ素並びに1種又は複数種のアミノカルボン酸及び/又はその塩を含む分散液であって、
    − 二酸化ケイ素粒子のゼータ電位が負であり且つセリウム酸化物粒子のゼータ電位が正又はゼロに等しく、且つ該分散液のゼータ電位は全体的に負であり、
    − 平均粒径について、
    ・セリウム酸化物粒子が200nm以下であり
    二酸化ケイ素粒子が100nm未満であり、
    − 含有率について、それぞれの場合に分散液の全量を基準として、
    ・セリウム酸化物粒子が0.1〜5質量%であり
    二酸化ケイ素粒子が0.01〜10質量%であり且つ
    ・アミノカルボン酸又はその塩が0.01〜5質量%であり且つ
    − 分散液のpHは7.5〜10.5である、
    分散液。
  2. 分散液のゼータ電位が−20〜−100mVである、請求項1記載の分散液。
  3. pHが9〜10である、請求項1又は2記載の分散液。
  4. セリウム酸化物の含有率が分散液を基準として0.1〜5質量%である、請求項1から3までのいずれか1項記載の分散液。
  5. コロイド状二酸化ケイ素の含有率が分散液を基準として0.01〜10質量%である、請求項1から4までのいずれか1項記載の分散液。
  6. セリウム酸化物/二酸化ケイ素の質量比が1.1:1〜100:1である、請求項1から5までのいずれか1項記載の分散液。
  7. セリウム酸化物粒子及び二酸化ケイ素粒子のみが分散液中の粒子である、請求項1から6までのいずれか1項記載の分散液。
  8. セリウム酸化物粒子の平均粒径が40〜90nmである、請求項1から7までのいずれか1項記載の分散液。
  9. セリウム酸化物粒子が凝集した一次粒子の形態で存在する、請求項1から8までのいずれか1項記載の分散液。
  10. セリウム酸化物粒子が、その表面及び表面近傍層に炭酸基を含有する、請求項1から9までのいずれか1項記載の分散液。
  11. コロイド状二酸化ケイ素粒子が3〜50nmの平均粒径を有する、請求項1から10までのいずれか1項記載の分散液。
  12. アミノ酸が、アラニン、4−アミノブタンカルボン酸、6−アミノヘキサンカルボン酸、12−アミノラウリン酸、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、グリシルグリシン、リシン及びプロリンからなる群から選択される、請求項1から11までのいずれか1項記載の分散液。
  13. アミノ酸又はその塩が0.1〜0.6質量%の含有率で分散液中に存在する、請求項1から12までのいずれか1項記載の分散液。
  14. 水が分散液の液相の主成分である、請求項1から13までのいずれか1項記載の分散液。
  15. 酸、塩基、塩、酸化剤、酸化触媒及び/又は腐食防止剤を含む、請求項1から14までのいずれか1項記載の分散液。
  16. 請求項1から15までのいずれか1項記載の分散液の製造方法であって、
    − 粉末形のセリウム酸化物粒子を、コロイド状二酸化ケイ素粒子を含む予備分散液中に導入し、その後分散させるか、又は
    − セリウム酸化物粒子を含む予備分散液と、コロイド状二酸化ケイ素粒子を含む予備分散液とを合し、その後分散させ、次いで
    − 1種又は複数種のアミノ酸を固体形、液体形又は溶解形で添加し、且つ
    − 場合により酸化剤、酸化触媒及び/又は腐食防止剤を添加する、
    請求項1から15までのいずれか1項記載の分散液の製造方法。
  17. コロイド状二酸化ケイ素粒子のゼータ電位が、pH7.5〜10.5で−20〜−100mVである、請求項16記載の方法。
  18. セリウム酸化物粒子のゼータ電位が、pH7.5〜10.5で0〜40mVである、請求項16又は17記載の方法。
  19. 誘電体表面の研磨のための請求項1から15までのいずれか1項記載の分散液の使用。
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