JP2010527014A5 - - Google Patents
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Description
【書類名】明細書
【発明の名称】光学位置測定装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学位置測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
2つの移動可能な物体の相対位置を検出するための公知の光学位置測定装置は、通例、走査ユニットと走査ユニットに相対して少なくとも1つの測定方向に移動可能なスケールとを有する。走査ユニットとスケールとは、2つの物体、例えば互いに相対的に移動可能な機械部品にそれぞれ結合されている。この場合、基本的に問題となるのは、走査ユニットとスケールとを相対的に正確に組み立てることである。スケールと走査ユニットとがスケールに対して垂直な軸を中心にして望ましくない回転をする場合、これは、いわゆるモアレ回転と呼ばれる。この種のモアレ回転の結果、測定動作時に走査信号強度の低下が生じ、位置測定における望ましくない誤差が生じる。
【0003】
モアレ誤差を低減することは、例えば、本出願人の特許文献1で開示されている光学位置測定装置を用いることで可能である。この光学位置測定装置は、スケール、例えば入射光式直線スケールとして構成されたスケールの他に、少なくとも1つの測定方向にスケールに対して相対的に変位可能である走査ユニットを有する。走査ユニットの側には、走査格子、複数の光電検出素子等の他に、再帰反射体としての少なくとも1つの光学再帰反射素子も配置されている。スケールによって最初に反射された部分光束が、この再帰反射体を介してスケールの方向に逆反射される。この場合、それに続いて、部分光束の2回目の反射が生じ、その後、最終的に、干渉する部分光束が検出素子に到達して、そこで、変位に依存して変調された走査信号を生成する。反射素子は、この種の位置測定装置では、再帰反射体の光学的機能性を有するダハプリズム(Dachkantprisma)として形成されている。プリズム状の再帰反射体として形成された光学的な反射素子を有する別の位置測定装置は、例えば特許文献2または特許文献3から公知である
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際特許出願公開第02/23131号明細書
【特許文献2】欧州特許第387520号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第1347271号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第102005029917号明細書
【特許文献5】独国特許出願公開第102006042743号明細書
【特許文献6】国際特許出願公開第2007/034379号明細書
【特許文献7】独国特許出願公開第19648018号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の基本的な課題は、生じ得る誤差、例えば特に走査ユニットとスケールとがモアレ回転する際に生じる誤差を従来技術よりもさらに良好に補償することを保証する光学位置測定装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、本発明において、請求項1に記載の特徴を有する位置測定装置によって解決される。
【0007】
本発明に係る位置測定装置の有利な実施態様は、従属請求項に記載の特徴に基づいて得られる。
【0008】
次に、本発明では、スケールを組み合わせ式の構成ユニットとして形成することが想定されており、この構成ユニットは、測定目盛の他に1つまたは複数の反射素子も有している。光源から来る光束は、スケールの前で少なくとも2つの部分光束に分割され、これらの部分光束は、スケールにおいてそれぞれ測定目盛に2回照射され、反射素子に1回照射される。その後、これらの部分光束は再び走査ユニットの方向に伝播し、そこで、変位に依存する信号が検出される。
【0009】
スケールがこのような構成であるので、あるいは走査光路がこの構成で可能な光路であるので、状況に応じて生じるモアレ回転を確実に光学的に補正することができる。モアレ回転は、本発明に係る光学位置測定装置では、位置測定に対して誤差を生じるように作用することがなくなり、走査信号の強度を低下させることがない。これが特に有利であるのは、とりわけ、測定目盛の側に小さな目盛周期を用いる場合、すなわち、高分解能の位置測定装置の場合である。
【0010】
本発明に係る解決手段の別の利点としては、スケールへ入射して出射する部分光束が側方へ変位するので、そうでない場合にはこの部分光束を分割するために必要となる、測定目盛への斜めの照射が不必要となるという点がある。従って、全体的な対称性が高い走査光学系が得られ、その結果、調整公差を明らかに、より大きくすることができる。
【0011】
本発明に係る光学位置測定装置によって、走査ユニットとそれに相対して少なくとも1つの方向に移動可能なスケールとの相対位置を検出することが可能となる。スケールは、組み合わせ式の構成ユニットとして形成されており、少なくとも1つの反射素子と測定目盛とを有する。走査ユニットには、光源と1つまたは複数の検出素子とが付設されている。走査ユニットは分割手段を有し、この分割手段が、光源から発せられた光束を測定方向に少なくとも2つの部分光束に分割する。これらの部分光束は、分割後、スケールの方向に伝播する。
【0012】
本発明に係る光学位置測定装置の1つの有利な実施形態では、逆向きの対称的な方向から入射する少なくとも2つの部分光束が、逆向きの偏向作用を受けて、測定目盛への照射後に同じ空間方向へ伝播するように測定目盛が構成されている。
【0013】
本発明に係る光学位置測定装置の別の1つの有利な実施形態では、異なった方向から入射する少なくとも2つの部分光束が、逆向きの偏向作用を受けて、測定目盛への照射後に対称的な空間方向に伝播するように測定目盛が構成されている。
【0014】
例えば、入射する部分光束に、
−第1の偏向作用が、測定方向およびスケールに対する法線方向を介して広がる平面に生じ、
−第2の偏向作用が、測定方向に対して横向きの方向に生じ、この第2の偏向により、少なくとも1つの反射素子への集束が関連するように、測定目盛を構成しておくことができる。
【0015】
測定目盛は、互い違いに直線状である円柱レンズ構造として形成されているのが有利である。
【0016】
さらに、両偏向方向に回折次数が+1および−1の部分光束のみが出射して、より高い回折次数、特に+3次および−3次の不所望な回折次数が抑制されるように測定目盛の周期性を選定することが可能である。
【0017】
1つの可能な別態様では、分割された部分光束が、スケールにおいてまず測定目盛で回折され、それに続いて、少なくとも1つの反射素子で反射されて、最終的に測定目盛で新たに回折される。その後、部分光束は再び走査ユニットの方向に伝播する。
【0018】
測定目盛は、本発明では、透過光目盛としても入射光目盛としても構成することが可能である。
【0019】
さらに、スケールが透明な支持体を有し、この支持体の一方の側に測定目盛を配設しておき、この支持体のもう一方の側に前記少なくとも1つの反射素子を配置しておくことが可能である。
【0020】
この場合、支持体の、走査ユニットの方を向いた側に、透過光目盛として構成された測定目盛を配設することができる。
【0021】
反射素子が、少なくとも1つの平面的な反射鏡として、または全反射面として構成されていると有利である。
【0022】
走査ユニットにおける分割手段は、少なくとも1つの透過光走査格子を有することができる。
【0023】
また、スケール上に複数の目盛トラックを配設しておくことが可能である。
【0024】
この場合、全ての目盛トラックの第2の偏向作用が、共通の焦点を有していてもよい。
【0025】
スケールの測定目盛は、位相量が180°の位相目盛として構成されているのが有利である。
【0026】
最後に、また別の態様では、スケールにおける入射光束と出射光束との間のビーム位置偏差が、ビーム断面よりも大きくなるように、第2の偏向作用の大きさを設定しておくことができる。
【0027】
本発明のその他の詳細および利点については、図面を参照しながら、実施例を用いた以下の説明において明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1a】本発明に係る位置測定装置の第1の実施例の走査光学系を示す正面図である。
【図1b】本発明に係る位置測定装置の第1の実施例の走査光学系を示す側面図である。
【図2a】本発明に係る位置測定装置の第1の実施例の、再帰反射作用を有するスケールの偏向作用を表す詳細正面図である。
【図2b】本発明に係る位置測定装置の第1の実施例の、再帰反射作用を有するスケールの偏向作用を表す詳細側面図である。
【図3】図1a、1b、2a、2bに示された本発明に係る位置測定装置における、再帰反射目盛として構成された目盛の構造を示す詳細図である。
【図4a】本発明に係る位置測定装置の第2の実施例の走査光学系を示す正面図である。
【図4b】本発明に係る位置測定装置の第2の実施例の走査光学系を示す側面図である。
【図5a】図4aおよび4bに示されたスケールの偏向作用を表す別の正面図である。
【図5b】図4aおよび4bに示されたスケールの偏向作用を表すまた別の正面図である。
【図6a】本発明に係る位置測定装置の第3の実施例の走査光学系を示す正面図である。
【図6b】本発明に係る位置測定装置の第3の実施例の走査光学系を示す側面図である。
【図7a】本発明に係る位置測定装置の第4の実施例の走査光学系を示す正面図である。
【図7b】本発明に係る位置測定装置の第4の実施例の走査光学系を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0029】
図1a、1b、2a、2bおよび3を参照しながら、以下に本発明に係る位置測定装置の第1の実施形態について説明する。図1aおよび1bは、本発明に係る位置測定装置の第1の実施例の走査光学系を示す各種の図であり、位置測定装置は、走査ユニットAEとそれに対して相対的に測定方向Mrに移動可能なスケールMfとを有する。走査ユニットAEとスケールMfとは、相対位置を(図示していない)検出すべき物体に結合されている。この物体は、例えば、互いに相対的に移動可能な2つの機械部品である。
【0030】
位置測定装置のスケールMfは、本発明では、組み合わせ式の構成ユニットとして形成されており、2つの反射素子R1、R2および測定目盛Gfを有する。走査ユニットAEには、光源LDおよび複数の検出素子PE−1、PE0、PE+1が付設されている。さらに、走査ユニットAEは、透過光走査格子Gmを具備する分割手段Mmを有する。光源LDと検出素子PE−1、PE0、PE+1とを走査ユニットAEのハウジング内に上記のように配置する代わりに、これらの要素を走査ユニットAEから空間的に分離して配置し、適当な導光体を介して走査ユニットAEに接続することで、走査ユニットAEに付設することも可能である。
【0031】
光源、例えばレーザダイオードとして構成された光源LDから発せられる光束は、コリメータレンズLによって視準され、光軸OAに対して平行に分割手段Mmへ向かって垂直に案内される。分割手段の上側で、透過光走査格子Gmは、分割箇所Paにおいて、光束を少なくとも2つの部分光束、好ましくは回折次数が−1次と+1次の部分光束に分割する。両部分光束は、スケールMfの方向に伝播する。このスケールは、走査ユニットAEの方を向いた、透明な支持部材の下側において、特別な透過光目盛として構成された測定目盛Gfを保持する。測定目盛Gfは、測定方向Mrを見たときに光軸OAに対して平行になるように部分光束を案内する。測定目盛Gfは、光軸に対して横向きに部分光束を集束して偏向させるが、その際、部分光束が、走査ユニットAEから遠い側である、スケールMfの支持部材後面側における反射素子R1あるいはR2に集束して当たるように偏向される。反射素子R1、R2で反射した後、部分光束は、再び測定目盛Gfに到達する。そこで、部分光束は測定方向Mrに再び偏向され、その際、この偏向は、入射する部分光束に対して対称的に行われる。測定目盛Gfは、部分光束を再び測定方向Mrに対して横向きに視準し、光軸OAに対して平行にそれらを案内する。出射する部分光束は、走査ユニットAE内の透過光走査格子Gmに戻り、合流箇所Pbにおいて屈折次数+1、0および−1を生じるように回折して重なり合い、干渉される。
【0032】
屈折次数−1、0および+1で出射する部分光束が、それぞれ120°の位相差でその強度が変調されて、検出素子PE−1、PE0およびPE+1によって検出されるように、分割手段Mmの透過光走査格子Gmの目盛構造が選定される。
【0033】
また、本発明にとって重要であるのは、測定目盛Gfの構成である。図2aおよび2bには、測定目盛Gfの光学的作用を説明するために、スケールMfの領域の走査ビーム経路におけるビームの流れが詳細に示してある。測定目盛Gfは、回折構造体として同時に2つの機能を果たす。
【0034】
一方では、測定目盛は、入射する部分光束を測定方向Mrにあるいはその逆方向に偏向する。この偏向作用は、目盛周期あるいは周期性dfを有する周期的な目盛の光学的作用に一致する。本例では透過光目盛として構成された測定目盛Gfを2回通過するので、この実施例の場合、周期性dfは、分割手段Mmの透過光走査格子Gmの目盛周期あるいは周期性dmと等しくなければならない。
【0035】
また一方で、測定目盛Gfは、回折円柱レンズでもある。この円柱レンズは、部分光束を測定方向Mrに対して横向きに反射素子R1あるいはR2に集束させる。これが図2bに示されている。測定方向Mrに対して横向きであるこの同時的な偏向は、入射する部分光束の、円柱レンズの中心Zに対する位置偏差Sによって実現される。反射素子R1およびR2は、金属鏡としても干渉鏡としても構成しておくことができる。
【0036】
ビームが進行時に2回通過するこの円柱レンズは、反射素子R1あるいはR2と共に光学反射素子を形成し、この光学反射素子は、入射するビーム方向を測定方向Mrに対して横向きに、かつ横向きにのみ反転させる。この再帰反射体は、プリズム角度が90°のダハプリズムと同じ光学的作用を有する。再帰反射によって、光軸OAを中心としてスケールMfあるいは走査ユニットAEが分割手段Mmと共に回転して生じるかなり大きなねじれを補償することが可能となる。このようなモアレ回転と呼ばれるスケールMfの傾き、あるいは分割手段Mmを具備する走査ユニットAEの傾きがある場合、両部分光束の逆向きのビーム傾斜が、測定方向Mrに対して横向きに生じる。再帰反射体がない場合、このモアレ傾きが信号低下を招き、この信号低下は、特に信号周期が小さな位置測定装置では、非常に大きくなる。その結果、モアレ傾きに対する信頼性のある調整公差は、極めて小さくなってしまう。再帰反射体の光学的作用によって、測定方向Mrに対して横向きにビーム傾斜が補償され、従って、信号周期が非常に小さな位置測定装置の場合でも、かなり大きなモアレ公差を設定することが可能である。また別の実施態様は、特許文献4および特許文献5に記載されている。
【0037】
特許文献4により公知の(走査)目盛とは異なり、本例の測定目盛Gfは、入射部分光束を測定方向Mrにもその逆方向にも偏向しなければならず、従って、法線方向の目盛の分割作用を有さなければならない。この結果、必要とされる測定目盛Gfは、別の寸法に設定する必要がある。図3は、測定目盛Gf(「再帰反射目盛」)の構造を詳細に示す。この測定目盛は、幅がそれぞれdf/2の個別のストライプGfA、GfBから成り、これらのストライプは、測定方向Mrに周期的に配設されている。両ストライプGfA、GfBは互いに相補的であり、すなわち、これらの構造体は、この2部構成の構造体の両状態が各箇所で入れ替わることによって、互いに移行し合うことができる。各ストライプGfA、GfBは、回折円柱レンズを形成する。この回折円柱レンズは、以下の位相関数φ(y)を用いて算定される。
【0038】
【数1】
ここで、
y =横位置
Df=スケールMfの厚さ
n =スケールMfの屈折率
λ =用いられる光源の波長
である。
【0039】
ストライプGfAでは、第1の状態は、各箇所において|φ(y)|≦π/2の関係を有する。ストライプGfBでは、相補的な第2の状態がその各箇所にある。この2部構成の構造体は、位相量が180°の位相目盛として構成されるのが好ましい。周辺領域では局所的な目盛周期が波長λの付近にあるので、数値の最適化を利用して、位相量および構造体幅あるいは構造体形状を局所的に適合させることで、用いられる回折次数の最大回折効率が得られるようにすることが可能である。この最適化によって、一般的に、図3に示されたような直角ではなく、丸みを帯びた構造要素が生じる。特に有利であるのは、高コストであるが、ストライプ状の円柱レンズをブレーズ型構造体として構成することである。
【0040】
測定目盛Gfは、図1bに示されているように、測定方向Mrに対して横向きのビーム位置偏差2*sを生じる。これにより、視準された光源の照射方向をスケールMfおよび分割手段Mmに対して垂直方向にすることが可能となり、また同時に、検出素子PE−1、PE0およびPE+1を用いてy方向に並列した検出部を設けることが可能となる。その際、ビーム位置偏差2*sは、ビーム断面よりも大きくなければならない。ここでは、斜めの照射方向は必要とされない。このようにシステムの対称性が大きいので、スケールMf、分割手段Mmおよび走査ユニットAEに対する特に大きな位置公差が実現される。特にスケールMfと分割手段Mmとの間の距離に関して、現実的に有意であるような公差制限はなくなる。
【0041】
一般的に、第1の実施例に準拠した測定目盛(再帰反射目盛)は、非常に多くの走査原理と組み合わせることができる。従って、走査光学系にモアレ補償を施すこと、および、状況に応じて、各顧客にオプションとして提供することが容易に可能である。
【0042】
上述の実施形態では、測定目盛Gfも透過光走査格子Mmも、それぞれ区切りのない通しの目盛フィールドを有する。特許文献6に記載の複数の変形態様の場合、各光束を、互いに区切られたそれぞれの目盛フィールドを通るように案内するために、スケールMfと走査ユニットAEとの互いに対する位置公差をさらに制限する必要があるが、本発明の実施形態では、そのような制限が不要である。
【実施例2】
【0043】
図4aおよび4bは、本発明に係る位置測定装置の第2の実施例を示しており、図1aおよび1bに示した第1の実施例の図に類似している。また図5aおよび5bには、第1の実施例の場合と同様に、スケールMfの領域の走査ビーム経路におけるビームの進行が示されている。
【0044】
この場合もやはり、走査ユニットAEの側では、発せられた光源LDの光束はコリメータレンズLによって視準され、光軸OAに対して平行に分割手段Mmへ向かって垂直に案内される。またやはり、分割手段の上側で、透過光走査格子Gmは、分割箇所Paにおいて、光束を回折次数が−1次と+1次の部分光束に分割する。
【0045】
分割された2つの部分光束は、走査ユニットAEに対して相対的に移動可能なスケールMfに達する。このスケールは、その下側の中心領域、あるいは走査ユニットAEの方を向いた側の中心領域に、反射層として構成された反射素子Rを保持する。反射層は、走査ユニットAEから遠い側の方向への反射作用を有する。スケールMfの下側において反射層の側方に隣接した位置で、分割された部分光束は光軸OAの方へ屈折され、偏向されて、スケールMfの上側の、本例では反射目盛あるいは入射光目盛として構成された測定目盛Gfに達する。測定目盛Gfは、本例では、反射位相格子として構成されており、その回折作用において、図1a、1bに示した第1の実施例の、透過光目盛として構成された目盛Gfと同じ光学特性を持つ。これはすなわち、測定目盛Gfに入射する部分光束が、測定方向Mrを見たとき、光軸OAに対して平行に整向され、測定方向Mrに対して横向きに部分光束が反射層あるいは反射素子Rに集束されるということを意味する。従ってまた、この測定目盛の光学的作用は、測定方向Mrに重なり合う際には分割格子に相当し、また、測定方向Mrに対して横向きには、回折円柱レンズに相当する。回折円柱レンズの焦点距離は、焦点が、回折円柱レンズ上の反射素子Rの平面に位置するように選定されている。
【0046】
次に、部分光束は、反射層で測定目盛Gfの方向に逆反射され、そこで、部分光束は、新たに視準され、また同時に測定方向Mrに偏向される。入射する部分光束と円柱レンズの光軸OAとの間に位置偏差sがあるので、スケールMfへ入射する部分光束とそこから出射する部分光束との間に、測定方向Mrに対して横向きに、すなわちy方向にビーム位置偏差2sが生じる。部分光束は、スケールMfを離れる際、再び屈折して、全ての部分光束が、合流箇所Pbにおいて分割手段Mmの透過光走査格子Gmに当たる。そこで、部分光束は、第1の実施例の場合と同様に、回折次数+1あるいは−1で回折することで重なり合わされ、干渉される。第1の実施例の場合と同じように、回折次数−1、0および+1を生じるようにそこから出射する光束は、互いに変位可能な構成要素が相対移動する場合に、それぞれ120°の位相差でその強度が変調されて、検出素子PE−1、PE0およびPE+1によって検出されるように、透過光走査格子Gmの目盛構造が選定される。
【0047】
本実施例の独自性は、スケールMfの構成にある。このスケールは、いわば後面スケールとして構成されており、反射位相格子として構成された測定目盛Gfを具備する。この測定目盛の具体的な光学特性については、第1の実施例の諸態様と同様であり、これらの態様は、反射位相格子にも適用できる。
【0048】
本例で特に有利であるのは、スケールMfが、測定目盛Gfとして耐汚染性の後面反射目盛を有することである。測定目盛Gfは、平面的な反射層、例えば金属層によって保護されているので、汚れが、位相目盛の溝の中へ入り込むことがない。スケールMfの、対向する側面は、汚れた際に容易に清掃できる平らな面のみを有している。
【0049】
図の第2の実施例に補足して、スケールMfの下側に反射防止膜を設けることで、スケールMfの支持体に入出射する部分光束に妨害反射が生じるのを避けることも可能である。
【実施例3】
【0050】
以下において、第3の実施例について、図6aおよび6bを参照しながら説明する。これらの図面も、これまでの実施例と同じように、本発明に係る位置測定装置を示す各種の図である。
【0051】
これまでの実施例の場合と同様に、走査ユニットAEの側では、発せられた光源LDの光束をコリメータレンズLによって視準し、光軸OAに対して平行に分割手段Mmへ向かって垂直に案内することが想定されている。この例では、分割手段の上側で、透過光走査格子Gmは、分割箇所Paにおいて、入射する光束を回折次数が−1次、0次および+1次の3つの部分光束に分割する。
【0052】
3つに分割された部分光束は、走査ユニットAEに対して相対的に移動可能なスケールMfの方向へ伝播する。このスケールは、その下側に、あるいは走査ユニットAEの方を向いた側に測定目盛Gfを保持する。測定目盛Gfは、この態様でも特殊な透過光目盛として構成されている。測定目盛Gfは、本実施例では、目盛周期あるいは周期性df=2*dmを有する。これにより、部分光束は、第1の実施例の場合とは異なり、測定方向Mrを見たとき、光軸OAに対して厳密に平行に偏向されることはなく、図6aに示されているように、部分光束は、測定目盛Gfを最初に通過した後、ビーム傾斜の一部分を維持し続ける。これにより、測定方向Mrにおいて、スケールMf内にわずかなビーム位置偏差が生じる。第1の実施例の場合と同様に、測定目盛Gfは、測定方向に対して横向きに部分光束を集束させ、そして、再び部分光束を偏向させるが、その際、部分光束が、走査ユニットAEから遠い側である、スケールMfの支持部材後面側における反射素子Rに集束して当たるように偏向させる。反射素子Rで反射した後、部分光束は再び測定目盛Gfに到達する。そこで、部分光束は測定方向Mrに再び偏向され、その際、この偏向は、入射する部分光束に対して対称的に行われる。測定目盛Gfは、測定方向Mrに対して横向きに部分光束を再び視準し、光軸OAに対して平行にそれらを案内する。出射する部分光束は、走査ユニットAE内の透過光走査格子Gmに戻り、合流箇所Pbにおいて屈折次数+1あるいは−1で回折することで重なり合い、干渉される。4つの検出素子PE−1、PE−2、PE+1、PE+2を介して、それぞれ90°の位相差の4つの位置信号が検出される。必要であれば、検出素子PE−1とPE+1とを並列接続することによって、位相差が120°の3つの位置信号を検出することも可能であろう。
【0053】
本発明に係る位置測定装置の本実施形態の特に有利な点として、光軸OAに沿って垂直に照射が行われるので、走査ビーム経路の対称性が大きくなることが挙げられる。このことからまた、走査間隔の変化および傾きに対する不感性が大きくなる。さらに、光源LDの入射する光束と、検出素子PE−1、PE−2、PE+1、PE+2によって検出される出射する光束との間に大きな位置偏差が生じる。検出素子PE−1、PE−2、PE+1、PE+2が、測定方向Mrにも測定方向に対して横向きにもずれているこのような光束だけを検出することによって、その他の全ての(不所望の回折次数によって生じる)光束は検出素子PE−1、PE−2、PE+1、PE+2に達することがなく、従って、生成された信号電流は極めてわずかなノイズしか含まない。
【0054】
これまでに述べた実施形態の場合と同様に、スケールMfが再帰反射特性を有するので、再帰反射作用を実現するための構成部材を走査ユニットAEに付加する必要がない。従って、全体的なコストが低減される。
【実施例4】
【0055】
次に、第4の実施例について、図7aおよび7bを参照しながら説明する。これらの図面も、前述の諸例と同様に本発明に係る位置測定装置を示す各種の図である。
【0056】
この場合もやはり、走査ユニットAEの側では、光源LDから発せられた光束は、コリメータレンズLによって視準され、光軸OAに対して平行に分割手段Mm1、Mm2へ向かって垂直に案内される。これまでの実施例と異なり、ここでは、走査ユニットAE内の分割手段Mm1、Mm2が2部材構成であり、周期性dm1の第1の透過光走査格子Gm1と、周期性dm2の第2の透過光走査格子Gm2とを有する。両透過光走査格子Gm1、Gm2の周期性dm1、dm2は、dm2≒dm1/2となるように選定されている。
【0057】
透明な支持部材の上側に配置された第1の透過光走査格子Gm1を介して、分割箇所Paにおいて、入射する光束が、回折次数−1と+1の2つの部分光束に分割される。回折された部分光束は、第2の透過光走査格子Gm2の方向に伝播し、この走査格子で、両部分光束は、再び光軸OAの方向に戻るように偏向される。その後、部分光束は、走査ユニットAEに対して相対的に移動可能なスケールMfの方向にさらに伝播する。スケールMfは、その下側に、あるいは走査ユニットAEの方を向いた側に測定目盛Gfを保持する。測定目盛Gfは、この態様においても、上述の光学的作用を具備する特殊な透過光目盛として構成されている。測定目盛Gfは、本実施例では、目盛周期あるいは周期性df=dm1を有する。測定目盛Gfへの照射後、部分光束は、光軸OAに対して平行に整向され、図7bのzy平面において光軸に対して横向きに偏向されて、スケールMfの支持部材の上側に配置された反射素子Rに集束される。反射素子Rで反射した後、部分光束は、再び測定目盛Gfに達する。そこで、部分光束は、測定方向Mrにおいて、再び入射方向に偏向される。測定目盛Gfは、測定方向Mrに対して横向きに部分光束を再び視準し、光軸OAに対して平行に部分光束を案内する。出射する部分光束は、走査ユニットAE内の第2の透過光走査格子Gm2に戻り、そこで、第1の透過光走査格子Gm1上の合流箇所Pbの方向に偏向される。合流箇所Pbにおいて、分割された部分光束は再び重ね合わされ、干渉される。3つの検出素子PE−1、PE0、PE+1を介して、それぞれ120°の位相差の3つの位置信号が検出される。
【0058】
このように2つの透過光走査格子Gm1、Gm2が設けられていて、走査ビーム経路がこれらと結び付いてるので、本実施例では、本発明に係る位置測定装置のいわゆる中立回転中心NPfの特定位置が生じる。その際、中立回転中心とは、生成される位置信号が誤りを含むことなく、走査ユニットAEとスケールMfとが傾くことができる際の中心点を意味するものとする。図7aから分かるように、中立回転中心NPfは、測定目盛Gfの上方あるいはスケールMfの上方に位置する。このことは、スケールMfと走査ユニットAEとをいわゆる工具中心点の下方に配置しなければならず、かつ、精度要件が高いのでアッベ条件を順守しなければならないような測定用途の場合に有利である。さらに、本実施例においても、走査ビーム経路の対称性が大きいということが指摘できるのであり、このような対称性は、走査間隔の公差および傾きの公差にとって好都合である。
【0059】
当然ながら、上述の諸例以外にも、本発明において、数多くの他の実施形態が可能である。
【0060】
例えば、スケールMfの反射素子Rでの反射を全反射によって行うことも可能である。この場合、反射コーティングは不要である。
【0061】
さらに、絶対基準を設けるために、本発明に従って構成されたスケールの側に基準マークを配設することが可能である。その際、特に有利であるのは、例えば、いわゆるチャープ基準マークを配設することであり、この基準マークは、チャープされた目盛を測定方向に有する。この目盛は、本発明では、測定方向に対して横向きの回折円柱レンズと組み合わされる。その際、このチャープ目盛の構造は、局所的には図3の実施例の目盛と等しいが、こちらの場合には、目盛周期dfは、測定方向Mrに沿って連続的に変化する(「チャープされる」)。その際、基準マークの走査ビーム経路は、上述の諸実施形態の走査ビーム経路の1つに等しくてもよく、この場合、目盛がチャープされているので、部分光束は、測定方向Mrにやや発散あるいは収束しながら延びる。チャープ目盛を具備するこのような基準マークの精密な設計に関しては、特許文献7を参照のこと。
【0062】
大抵の場合、基準マークトラックと周期的なインクリメンタルトラックとが、互いに並べてスケール上に配置される。その結果、両トラックの有効測定点も、測定方向に対して横向きに互いに並置されており、スケールのモアレ傾き時に基準マーク信号がインクリメンタル信号に対して相対的に変位される。本発明においてこの短所を避けるには、円柱レンズが共通の光軸を有し、かつ、インクリメンタルトラックと基準マークトラックのいずれもがそれぞれ光軸に対して対称的に配置されているように、全ての目盛トラックを構成しておくことである。このようにした場合、両方の有効測定点が光軸上に位置しており、モアレ傾きが生じた場合にも、それがインクリメンタル信号と基準マーク信号との割り当てに影響を及ぼすことがない。
【0063】
また、好都合であることが明らかであるのは、所望の回折次数光のみが出射し、より高い不所望の回折次数光が抑制されるように、測定目盛の局所的な周期性を細かく選定する場合である。特に好都合であるのは、+3次および−3次の回折次数光が、測定方向にも測定方向に対して横向きにも伝播できない場合である。その場合、目盛周期dfは、光源の波長の3倍未満になるように選定すべきである。これにより、回折効率は格段に向上し、すなわち、より強度の大きい位置信号が生じる。
【0064】
最後に、本発明に係る方策は、当然ながら回転位置測定装置と組み合わせて用いることも可能である。その場合、それぞれ様々な線状の目盛を、適切な構成の半径方向目盛に取り替える必要があるであろう。例えば、線状の測定目盛の代わりに、局所的にそれぞれ半径方向に集束を行う円柱レンズを備えた半径方向目盛を用いなければならないであろう。
【発明の名称】光学位置測定装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学位置測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
2つの移動可能な物体の相対位置を検出するための公知の光学位置測定装置は、通例、走査ユニットと走査ユニットに相対して少なくとも1つの測定方向に移動可能なスケールとを有する。走査ユニットとスケールとは、2つの物体、例えば互いに相対的に移動可能な機械部品にそれぞれ結合されている。この場合、基本的に問題となるのは、走査ユニットとスケールとを相対的に正確に組み立てることである。スケールと走査ユニットとがスケールに対して垂直な軸を中心にして望ましくない回転をする場合、これは、いわゆるモアレ回転と呼ばれる。この種のモアレ回転の結果、測定動作時に走査信号強度の低下が生じ、位置測定における望ましくない誤差が生じる。
【0003】
モアレ誤差を低減することは、例えば、本出願人の特許文献1で開示されている光学位置測定装置を用いることで可能である。この光学位置測定装置は、スケール、例えば入射光式直線スケールとして構成されたスケールの他に、少なくとも1つの測定方向にスケールに対して相対的に変位可能である走査ユニットを有する。走査ユニットの側には、走査格子、複数の光電検出素子等の他に、再帰反射体としての少なくとも1つの光学再帰反射素子も配置されている。スケールによって最初に反射された部分光束が、この再帰反射体を介してスケールの方向に逆反射される。この場合、それに続いて、部分光束の2回目の反射が生じ、その後、最終的に、干渉する部分光束が検出素子に到達して、そこで、変位に依存して変調された走査信号を生成する。反射素子は、この種の位置測定装置では、再帰反射体の光学的機能性を有するダハプリズム(Dachkantprisma)として形成されている。プリズム状の再帰反射体として形成された光学的な反射素子を有する別の位置測定装置は、例えば特許文献2または特許文献3から公知である
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際特許出願公開第02/23131号明細書
【特許文献2】欧州特許第387520号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第1347271号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第102005029917号明細書
【特許文献5】独国特許出願公開第102006042743号明細書
【特許文献6】国際特許出願公開第2007/034379号明細書
【特許文献7】独国特許出願公開第19648018号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の基本的な課題は、生じ得る誤差、例えば特に走査ユニットとスケールとがモアレ回転する際に生じる誤差を従来技術よりもさらに良好に補償することを保証する光学位置測定装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、本発明において、請求項1に記載の特徴を有する位置測定装置によって解決される。
【0007】
本発明に係る位置測定装置の有利な実施態様は、従属請求項に記載の特徴に基づいて得られる。
【0008】
次に、本発明では、スケールを組み合わせ式の構成ユニットとして形成することが想定されており、この構成ユニットは、測定目盛の他に1つまたは複数の反射素子も有している。光源から来る光束は、スケールの前で少なくとも2つの部分光束に分割され、これらの部分光束は、スケールにおいてそれぞれ測定目盛に2回照射され、反射素子に1回照射される。その後、これらの部分光束は再び走査ユニットの方向に伝播し、そこで、変位に依存する信号が検出される。
【0009】
スケールがこのような構成であるので、あるいは走査光路がこの構成で可能な光路であるので、状況に応じて生じるモアレ回転を確実に光学的に補正することができる。モアレ回転は、本発明に係る光学位置測定装置では、位置測定に対して誤差を生じるように作用することがなくなり、走査信号の強度を低下させることがない。これが特に有利であるのは、とりわけ、測定目盛の側に小さな目盛周期を用いる場合、すなわち、高分解能の位置測定装置の場合である。
【0010】
本発明に係る解決手段の別の利点としては、スケールへ入射して出射する部分光束が側方へ変位するので、そうでない場合にはこの部分光束を分割するために必要となる、測定目盛への斜めの照射が不必要となるという点がある。従って、全体的な対称性が高い走査光学系が得られ、その結果、調整公差を明らかに、より大きくすることができる。
【0011】
本発明に係る光学位置測定装置によって、走査ユニットとそれに相対して少なくとも1つの方向に移動可能なスケールとの相対位置を検出することが可能となる。スケールは、組み合わせ式の構成ユニットとして形成されており、少なくとも1つの反射素子と測定目盛とを有する。走査ユニットには、光源と1つまたは複数の検出素子とが付設されている。走査ユニットは分割手段を有し、この分割手段が、光源から発せられた光束を測定方向に少なくとも2つの部分光束に分割する。これらの部分光束は、分割後、スケールの方向に伝播する。
【0012】
本発明に係る光学位置測定装置の1つの有利な実施形態では、逆向きの対称的な方向から入射する少なくとも2つの部分光束が、逆向きの偏向作用を受けて、測定目盛への照射後に同じ空間方向へ伝播するように測定目盛が構成されている。
【0013】
本発明に係る光学位置測定装置の別の1つの有利な実施形態では、異なった方向から入射する少なくとも2つの部分光束が、逆向きの偏向作用を受けて、測定目盛への照射後に対称的な空間方向に伝播するように測定目盛が構成されている。
【0014】
例えば、入射する部分光束に、
−第1の偏向作用が、測定方向およびスケールに対する法線方向を介して広がる平面に生じ、
−第2の偏向作用が、測定方向に対して横向きの方向に生じ、この第2の偏向により、少なくとも1つの反射素子への集束が関連するように、測定目盛を構成しておくことができる。
【0015】
測定目盛は、互い違いに直線状である円柱レンズ構造として形成されているのが有利である。
【0016】
さらに、両偏向方向に回折次数が+1および−1の部分光束のみが出射して、より高い回折次数、特に+3次および−3次の不所望な回折次数が抑制されるように測定目盛の周期性を選定することが可能である。
【0017】
1つの可能な別態様では、分割された部分光束が、スケールにおいてまず測定目盛で回折され、それに続いて、少なくとも1つの反射素子で反射されて、最終的に測定目盛で新たに回折される。その後、部分光束は再び走査ユニットの方向に伝播する。
【0018】
測定目盛は、本発明では、透過光目盛としても入射光目盛としても構成することが可能である。
【0019】
さらに、スケールが透明な支持体を有し、この支持体の一方の側に測定目盛を配設しておき、この支持体のもう一方の側に前記少なくとも1つの反射素子を配置しておくことが可能である。
【0020】
この場合、支持体の、走査ユニットの方を向いた側に、透過光目盛として構成された測定目盛を配設することができる。
【0021】
反射素子が、少なくとも1つの平面的な反射鏡として、または全反射面として構成されていると有利である。
【0022】
走査ユニットにおける分割手段は、少なくとも1つの透過光走査格子を有することができる。
【0023】
また、スケール上に複数の目盛トラックを配設しておくことが可能である。
【0024】
この場合、全ての目盛トラックの第2の偏向作用が、共通の焦点を有していてもよい。
【0025】
スケールの測定目盛は、位相量が180°の位相目盛として構成されているのが有利である。
【0026】
最後に、また別の態様では、スケールにおける入射光束と出射光束との間のビーム位置偏差が、ビーム断面よりも大きくなるように、第2の偏向作用の大きさを設定しておくことができる。
【0027】
本発明のその他の詳細および利点については、図面を参照しながら、実施例を用いた以下の説明において明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1a】本発明に係る位置測定装置の第1の実施例の走査光学系を示す正面図である。
【図1b】本発明に係る位置測定装置の第1の実施例の走査光学系を示す側面図である。
【図2a】本発明に係る位置測定装置の第1の実施例の、再帰反射作用を有するスケールの偏向作用を表す詳細正面図である。
【図2b】本発明に係る位置測定装置の第1の実施例の、再帰反射作用を有するスケールの偏向作用を表す詳細側面図である。
【図3】図1a、1b、2a、2bに示された本発明に係る位置測定装置における、再帰反射目盛として構成された目盛の構造を示す詳細図である。
【図4a】本発明に係る位置測定装置の第2の実施例の走査光学系を示す正面図である。
【図4b】本発明に係る位置測定装置の第2の実施例の走査光学系を示す側面図である。
【図5a】図4aおよび4bに示されたスケールの偏向作用を表す別の正面図である。
【図5b】図4aおよび4bに示されたスケールの偏向作用を表すまた別の正面図である。
【図6a】本発明に係る位置測定装置の第3の実施例の走査光学系を示す正面図である。
【図6b】本発明に係る位置測定装置の第3の実施例の走査光学系を示す側面図である。
【図7a】本発明に係る位置測定装置の第4の実施例の走査光学系を示す正面図である。
【図7b】本発明に係る位置測定装置の第4の実施例の走査光学系を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0029】
図1a、1b、2a、2bおよび3を参照しながら、以下に本発明に係る位置測定装置の第1の実施形態について説明する。図1aおよび1bは、本発明に係る位置測定装置の第1の実施例の走査光学系を示す各種の図であり、位置測定装置は、走査ユニットAEとそれに対して相対的に測定方向Mrに移動可能なスケールMfとを有する。走査ユニットAEとスケールMfとは、相対位置を(図示していない)検出すべき物体に結合されている。この物体は、例えば、互いに相対的に移動可能な2つの機械部品である。
【0030】
位置測定装置のスケールMfは、本発明では、組み合わせ式の構成ユニットとして形成されており、2つの反射素子R1、R2および測定目盛Gfを有する。走査ユニットAEには、光源LDおよび複数の検出素子PE−1、PE0、PE+1が付設されている。さらに、走査ユニットAEは、透過光走査格子Gmを具備する分割手段Mmを有する。光源LDと検出素子PE−1、PE0、PE+1とを走査ユニットAEのハウジング内に上記のように配置する代わりに、これらの要素を走査ユニットAEから空間的に分離して配置し、適当な導光体を介して走査ユニットAEに接続することで、走査ユニットAEに付設することも可能である。
【0031】
光源、例えばレーザダイオードとして構成された光源LDから発せられる光束は、コリメータレンズLによって視準され、光軸OAに対して平行に分割手段Mmへ向かって垂直に案内される。分割手段の上側で、透過光走査格子Gmは、分割箇所Paにおいて、光束を少なくとも2つの部分光束、好ましくは回折次数が−1次と+1次の部分光束に分割する。両部分光束は、スケールMfの方向に伝播する。このスケールは、走査ユニットAEの方を向いた、透明な支持部材の下側において、特別な透過光目盛として構成された測定目盛Gfを保持する。測定目盛Gfは、測定方向Mrを見たときに光軸OAに対して平行になるように部分光束を案内する。測定目盛Gfは、光軸に対して横向きに部分光束を集束して偏向させるが、その際、部分光束が、走査ユニットAEから遠い側である、スケールMfの支持部材後面側における反射素子R1あるいはR2に集束して当たるように偏向される。反射素子R1、R2で反射した後、部分光束は、再び測定目盛Gfに到達する。そこで、部分光束は測定方向Mrに再び偏向され、その際、この偏向は、入射する部分光束に対して対称的に行われる。測定目盛Gfは、部分光束を再び測定方向Mrに対して横向きに視準し、光軸OAに対して平行にそれらを案内する。出射する部分光束は、走査ユニットAE内の透過光走査格子Gmに戻り、合流箇所Pbにおいて屈折次数+1、0および−1を生じるように回折して重なり合い、干渉される。
【0032】
屈折次数−1、0および+1で出射する部分光束が、それぞれ120°の位相差でその強度が変調されて、検出素子PE−1、PE0およびPE+1によって検出されるように、分割手段Mmの透過光走査格子Gmの目盛構造が選定される。
【0033】
また、本発明にとって重要であるのは、測定目盛Gfの構成である。図2aおよび2bには、測定目盛Gfの光学的作用を説明するために、スケールMfの領域の走査ビーム経路におけるビームの流れが詳細に示してある。測定目盛Gfは、回折構造体として同時に2つの機能を果たす。
【0034】
一方では、測定目盛は、入射する部分光束を測定方向Mrにあるいはその逆方向に偏向する。この偏向作用は、目盛周期あるいは周期性dfを有する周期的な目盛の光学的作用に一致する。本例では透過光目盛として構成された測定目盛Gfを2回通過するので、この実施例の場合、周期性dfは、分割手段Mmの透過光走査格子Gmの目盛周期あるいは周期性dmと等しくなければならない。
【0035】
また一方で、測定目盛Gfは、回折円柱レンズでもある。この円柱レンズは、部分光束を測定方向Mrに対して横向きに反射素子R1あるいはR2に集束させる。これが図2bに示されている。測定方向Mrに対して横向きであるこの同時的な偏向は、入射する部分光束の、円柱レンズの中心Zに対する位置偏差Sによって実現される。反射素子R1およびR2は、金属鏡としても干渉鏡としても構成しておくことができる。
【0036】
ビームが進行時に2回通過するこの円柱レンズは、反射素子R1あるいはR2と共に光学反射素子を形成し、この光学反射素子は、入射するビーム方向を測定方向Mrに対して横向きに、かつ横向きにのみ反転させる。この再帰反射体は、プリズム角度が90°のダハプリズムと同じ光学的作用を有する。再帰反射によって、光軸OAを中心としてスケールMfあるいは走査ユニットAEが分割手段Mmと共に回転して生じるかなり大きなねじれを補償することが可能となる。このようなモアレ回転と呼ばれるスケールMfの傾き、あるいは分割手段Mmを具備する走査ユニットAEの傾きがある場合、両部分光束の逆向きのビーム傾斜が、測定方向Mrに対して横向きに生じる。再帰反射体がない場合、このモアレ傾きが信号低下を招き、この信号低下は、特に信号周期が小さな位置測定装置では、非常に大きくなる。その結果、モアレ傾きに対する信頼性のある調整公差は、極めて小さくなってしまう。再帰反射体の光学的作用によって、測定方向Mrに対して横向きにビーム傾斜が補償され、従って、信号周期が非常に小さな位置測定装置の場合でも、かなり大きなモアレ公差を設定することが可能である。また別の実施態様は、特許文献4および特許文献5に記載されている。
【0037】
特許文献4により公知の(走査)目盛とは異なり、本例の測定目盛Gfは、入射部分光束を測定方向Mrにもその逆方向にも偏向しなければならず、従って、法線方向の目盛の分割作用を有さなければならない。この結果、必要とされる測定目盛Gfは、別の寸法に設定する必要がある。図3は、測定目盛Gf(「再帰反射目盛」)の構造を詳細に示す。この測定目盛は、幅がそれぞれdf/2の個別のストライプGfA、GfBから成り、これらのストライプは、測定方向Mrに周期的に配設されている。両ストライプGfA、GfBは互いに相補的であり、すなわち、これらの構造体は、この2部構成の構造体の両状態が各箇所で入れ替わることによって、互いに移行し合うことができる。各ストライプGfA、GfBは、回折円柱レンズを形成する。この回折円柱レンズは、以下の位相関数φ(y)を用いて算定される。
【0038】
【数1】
ここで、
y =横位置
Df=スケールMfの厚さ
n =スケールMfの屈折率
λ =用いられる光源の波長
である。
【0039】
ストライプGfAでは、第1の状態は、各箇所において|φ(y)|≦π/2の関係を有する。ストライプGfBでは、相補的な第2の状態がその各箇所にある。この2部構成の構造体は、位相量が180°の位相目盛として構成されるのが好ましい。周辺領域では局所的な目盛周期が波長λの付近にあるので、数値の最適化を利用して、位相量および構造体幅あるいは構造体形状を局所的に適合させることで、用いられる回折次数の最大回折効率が得られるようにすることが可能である。この最適化によって、一般的に、図3に示されたような直角ではなく、丸みを帯びた構造要素が生じる。特に有利であるのは、高コストであるが、ストライプ状の円柱レンズをブレーズ型構造体として構成することである。
【0040】
測定目盛Gfは、図1bに示されているように、測定方向Mrに対して横向きのビーム位置偏差2*sを生じる。これにより、視準された光源の照射方向をスケールMfおよび分割手段Mmに対して垂直方向にすることが可能となり、また同時に、検出素子PE−1、PE0およびPE+1を用いてy方向に並列した検出部を設けることが可能となる。その際、ビーム位置偏差2*sは、ビーム断面よりも大きくなければならない。ここでは、斜めの照射方向は必要とされない。このようにシステムの対称性が大きいので、スケールMf、分割手段Mmおよび走査ユニットAEに対する特に大きな位置公差が実現される。特にスケールMfと分割手段Mmとの間の距離に関して、現実的に有意であるような公差制限はなくなる。
【0041】
一般的に、第1の実施例に準拠した測定目盛(再帰反射目盛)は、非常に多くの走査原理と組み合わせることができる。従って、走査光学系にモアレ補償を施すこと、および、状況に応じて、各顧客にオプションとして提供することが容易に可能である。
【0042】
上述の実施形態では、測定目盛Gfも透過光走査格子Mmも、それぞれ区切りのない通しの目盛フィールドを有する。特許文献6に記載の複数の変形態様の場合、各光束を、互いに区切られたそれぞれの目盛フィールドを通るように案内するために、スケールMfと走査ユニットAEとの互いに対する位置公差をさらに制限する必要があるが、本発明の実施形態では、そのような制限が不要である。
【実施例2】
【0043】
図4aおよび4bは、本発明に係る位置測定装置の第2の実施例を示しており、図1aおよび1bに示した第1の実施例の図に類似している。また図5aおよび5bには、第1の実施例の場合と同様に、スケールMfの領域の走査ビーム経路におけるビームの進行が示されている。
【0044】
この場合もやはり、走査ユニットAEの側では、発せられた光源LDの光束はコリメータレンズLによって視準され、光軸OAに対して平行に分割手段Mmへ向かって垂直に案内される。またやはり、分割手段の上側で、透過光走査格子Gmは、分割箇所Paにおいて、光束を回折次数が−1次と+1次の部分光束に分割する。
【0045】
分割された2つの部分光束は、走査ユニットAEに対して相対的に移動可能なスケールMfに達する。このスケールは、その下側の中心領域、あるいは走査ユニットAEの方を向いた側の中心領域に、反射層として構成された反射素子Rを保持する。反射層は、走査ユニットAEから遠い側の方向への反射作用を有する。スケールMfの下側において反射層の側方に隣接した位置で、分割された部分光束は光軸OAの方へ屈折され、偏向されて、スケールMfの上側の、本例では反射目盛あるいは入射光目盛として構成された測定目盛Gfに達する。測定目盛Gfは、本例では、反射位相格子として構成されており、その回折作用において、図1a、1bに示した第1の実施例の、透過光目盛として構成された目盛Gfと同じ光学特性を持つ。これはすなわち、測定目盛Gfに入射する部分光束が、測定方向Mrを見たとき、光軸OAに対して平行に整向され、測定方向Mrに対して横向きに部分光束が反射層あるいは反射素子Rに集束されるということを意味する。従ってまた、この測定目盛の光学的作用は、測定方向Mrに重なり合う際には分割格子に相当し、また、測定方向Mrに対して横向きには、回折円柱レンズに相当する。回折円柱レンズの焦点距離は、焦点が、回折円柱レンズ上の反射素子Rの平面に位置するように選定されている。
【0046】
次に、部分光束は、反射層で測定目盛Gfの方向に逆反射され、そこで、部分光束は、新たに視準され、また同時に測定方向Mrに偏向される。入射する部分光束と円柱レンズの光軸OAとの間に位置偏差sがあるので、スケールMfへ入射する部分光束とそこから出射する部分光束との間に、測定方向Mrに対して横向きに、すなわちy方向にビーム位置偏差2sが生じる。部分光束は、スケールMfを離れる際、再び屈折して、全ての部分光束が、合流箇所Pbにおいて分割手段Mmの透過光走査格子Gmに当たる。そこで、部分光束は、第1の実施例の場合と同様に、回折次数+1あるいは−1で回折することで重なり合わされ、干渉される。第1の実施例の場合と同じように、回折次数−1、0および+1を生じるようにそこから出射する光束は、互いに変位可能な構成要素が相対移動する場合に、それぞれ120°の位相差でその強度が変調されて、検出素子PE−1、PE0およびPE+1によって検出されるように、透過光走査格子Gmの目盛構造が選定される。
【0047】
本実施例の独自性は、スケールMfの構成にある。このスケールは、いわば後面スケールとして構成されており、反射位相格子として構成された測定目盛Gfを具備する。この測定目盛の具体的な光学特性については、第1の実施例の諸態様と同様であり、これらの態様は、反射位相格子にも適用できる。
【0048】
本例で特に有利であるのは、スケールMfが、測定目盛Gfとして耐汚染性の後面反射目盛を有することである。測定目盛Gfは、平面的な反射層、例えば金属層によって保護されているので、汚れが、位相目盛の溝の中へ入り込むことがない。スケールMfの、対向する側面は、汚れた際に容易に清掃できる平らな面のみを有している。
【0049】
図の第2の実施例に補足して、スケールMfの下側に反射防止膜を設けることで、スケールMfの支持体に入出射する部分光束に妨害反射が生じるのを避けることも可能である。
【実施例3】
【0050】
以下において、第3の実施例について、図6aおよび6bを参照しながら説明する。これらの図面も、これまでの実施例と同じように、本発明に係る位置測定装置を示す各種の図である。
【0051】
これまでの実施例の場合と同様に、走査ユニットAEの側では、発せられた光源LDの光束をコリメータレンズLによって視準し、光軸OAに対して平行に分割手段Mmへ向かって垂直に案内することが想定されている。この例では、分割手段の上側で、透過光走査格子Gmは、分割箇所Paにおいて、入射する光束を回折次数が−1次、0次および+1次の3つの部分光束に分割する。
【0052】
3つに分割された部分光束は、走査ユニットAEに対して相対的に移動可能なスケールMfの方向へ伝播する。このスケールは、その下側に、あるいは走査ユニットAEの方を向いた側に測定目盛Gfを保持する。測定目盛Gfは、この態様でも特殊な透過光目盛として構成されている。測定目盛Gfは、本実施例では、目盛周期あるいは周期性df=2*dmを有する。これにより、部分光束は、第1の実施例の場合とは異なり、測定方向Mrを見たとき、光軸OAに対して厳密に平行に偏向されることはなく、図6aに示されているように、部分光束は、測定目盛Gfを最初に通過した後、ビーム傾斜の一部分を維持し続ける。これにより、測定方向Mrにおいて、スケールMf内にわずかなビーム位置偏差が生じる。第1の実施例の場合と同様に、測定目盛Gfは、測定方向に対して横向きに部分光束を集束させ、そして、再び部分光束を偏向させるが、その際、部分光束が、走査ユニットAEから遠い側である、スケールMfの支持部材後面側における反射素子Rに集束して当たるように偏向させる。反射素子Rで反射した後、部分光束は再び測定目盛Gfに到達する。そこで、部分光束は測定方向Mrに再び偏向され、その際、この偏向は、入射する部分光束に対して対称的に行われる。測定目盛Gfは、測定方向Mrに対して横向きに部分光束を再び視準し、光軸OAに対して平行にそれらを案内する。出射する部分光束は、走査ユニットAE内の透過光走査格子Gmに戻り、合流箇所Pbにおいて屈折次数+1あるいは−1で回折することで重なり合い、干渉される。4つの検出素子PE−1、PE−2、PE+1、PE+2を介して、それぞれ90°の位相差の4つの位置信号が検出される。必要であれば、検出素子PE−1とPE+1とを並列接続することによって、位相差が120°の3つの位置信号を検出することも可能であろう。
【0053】
本発明に係る位置測定装置の本実施形態の特に有利な点として、光軸OAに沿って垂直に照射が行われるので、走査ビーム経路の対称性が大きくなることが挙げられる。このことからまた、走査間隔の変化および傾きに対する不感性が大きくなる。さらに、光源LDの入射する光束と、検出素子PE−1、PE−2、PE+1、PE+2によって検出される出射する光束との間に大きな位置偏差が生じる。検出素子PE−1、PE−2、PE+1、PE+2が、測定方向Mrにも測定方向に対して横向きにもずれているこのような光束だけを検出することによって、その他の全ての(不所望の回折次数によって生じる)光束は検出素子PE−1、PE−2、PE+1、PE+2に達することがなく、従って、生成された信号電流は極めてわずかなノイズしか含まない。
【0054】
これまでに述べた実施形態の場合と同様に、スケールMfが再帰反射特性を有するので、再帰反射作用を実現するための構成部材を走査ユニットAEに付加する必要がない。従って、全体的なコストが低減される。
【実施例4】
【0055】
次に、第4の実施例について、図7aおよび7bを参照しながら説明する。これらの図面も、前述の諸例と同様に本発明に係る位置測定装置を示す各種の図である。
【0056】
この場合もやはり、走査ユニットAEの側では、光源LDから発せられた光束は、コリメータレンズLによって視準され、光軸OAに対して平行に分割手段Mm1、Mm2へ向かって垂直に案内される。これまでの実施例と異なり、ここでは、走査ユニットAE内の分割手段Mm1、Mm2が2部材構成であり、周期性dm1の第1の透過光走査格子Gm1と、周期性dm2の第2の透過光走査格子Gm2とを有する。両透過光走査格子Gm1、Gm2の周期性dm1、dm2は、dm2≒dm1/2となるように選定されている。
【0057】
透明な支持部材の上側に配置された第1の透過光走査格子Gm1を介して、分割箇所Paにおいて、入射する光束が、回折次数−1と+1の2つの部分光束に分割される。回折された部分光束は、第2の透過光走査格子Gm2の方向に伝播し、この走査格子で、両部分光束は、再び光軸OAの方向に戻るように偏向される。その後、部分光束は、走査ユニットAEに対して相対的に移動可能なスケールMfの方向にさらに伝播する。スケールMfは、その下側に、あるいは走査ユニットAEの方を向いた側に測定目盛Gfを保持する。測定目盛Gfは、この態様においても、上述の光学的作用を具備する特殊な透過光目盛として構成されている。測定目盛Gfは、本実施例では、目盛周期あるいは周期性df=dm1を有する。測定目盛Gfへの照射後、部分光束は、光軸OAに対して平行に整向され、図7bのzy平面において光軸に対して横向きに偏向されて、スケールMfの支持部材の上側に配置された反射素子Rに集束される。反射素子Rで反射した後、部分光束は、再び測定目盛Gfに達する。そこで、部分光束は、測定方向Mrにおいて、再び入射方向に偏向される。測定目盛Gfは、測定方向Mrに対して横向きに部分光束を再び視準し、光軸OAに対して平行に部分光束を案内する。出射する部分光束は、走査ユニットAE内の第2の透過光走査格子Gm2に戻り、そこで、第1の透過光走査格子Gm1上の合流箇所Pbの方向に偏向される。合流箇所Pbにおいて、分割された部分光束は再び重ね合わされ、干渉される。3つの検出素子PE−1、PE0、PE+1を介して、それぞれ120°の位相差の3つの位置信号が検出される。
【0058】
このように2つの透過光走査格子Gm1、Gm2が設けられていて、走査ビーム経路がこれらと結び付いてるので、本実施例では、本発明に係る位置測定装置のいわゆる中立回転中心NPfの特定位置が生じる。その際、中立回転中心とは、生成される位置信号が誤りを含むことなく、走査ユニットAEとスケールMfとが傾くことができる際の中心点を意味するものとする。図7aから分かるように、中立回転中心NPfは、測定目盛Gfの上方あるいはスケールMfの上方に位置する。このことは、スケールMfと走査ユニットAEとをいわゆる工具中心点の下方に配置しなければならず、かつ、精度要件が高いのでアッベ条件を順守しなければならないような測定用途の場合に有利である。さらに、本実施例においても、走査ビーム経路の対称性が大きいということが指摘できるのであり、このような対称性は、走査間隔の公差および傾きの公差にとって好都合である。
【0059】
当然ながら、上述の諸例以外にも、本発明において、数多くの他の実施形態が可能である。
【0060】
例えば、スケールMfの反射素子Rでの反射を全反射によって行うことも可能である。この場合、反射コーティングは不要である。
【0061】
さらに、絶対基準を設けるために、本発明に従って構成されたスケールの側に基準マークを配設することが可能である。その際、特に有利であるのは、例えば、いわゆるチャープ基準マークを配設することであり、この基準マークは、チャープされた目盛を測定方向に有する。この目盛は、本発明では、測定方向に対して横向きの回折円柱レンズと組み合わされる。その際、このチャープ目盛の構造は、局所的には図3の実施例の目盛と等しいが、こちらの場合には、目盛周期dfは、測定方向Mrに沿って連続的に変化する(「チャープされる」)。その際、基準マークの走査ビーム経路は、上述の諸実施形態の走査ビーム経路の1つに等しくてもよく、この場合、目盛がチャープされているので、部分光束は、測定方向Mrにやや発散あるいは収束しながら延びる。チャープ目盛を具備するこのような基準マークの精密な設計に関しては、特許文献7を参照のこと。
【0062】
大抵の場合、基準マークトラックと周期的なインクリメンタルトラックとが、互いに並べてスケール上に配置される。その結果、両トラックの有効測定点も、測定方向に対して横向きに互いに並置されており、スケールのモアレ傾き時に基準マーク信号がインクリメンタル信号に対して相対的に変位される。本発明においてこの短所を避けるには、円柱レンズが共通の光軸を有し、かつ、インクリメンタルトラックと基準マークトラックのいずれもがそれぞれ光軸に対して対称的に配置されているように、全ての目盛トラックを構成しておくことである。このようにした場合、両方の有効測定点が光軸上に位置しており、モアレ傾きが生じた場合にも、それがインクリメンタル信号と基準マーク信号との割り当てに影響を及ぼすことがない。
【0063】
また、好都合であることが明らかであるのは、所望の回折次数光のみが出射し、より高い不所望の回折次数光が抑制されるように、測定目盛の局所的な周期性を細かく選定する場合である。特に好都合であるのは、+3次および−3次の回折次数光が、測定方向にも測定方向に対して横向きにも伝播できない場合である。その場合、目盛周期dfは、光源の波長の3倍未満になるように選定すべきである。これにより、回折効率は格段に向上し、すなわち、より強度の大きい位置信号が生じる。
【0064】
最後に、本発明に係る方策は、当然ながら回転位置測定装置と組み合わせて用いることも可能である。その場合、それぞれ様々な線状の目盛を、適切な構成の半径方向目盛に取り替える必要があるであろう。例えば、線状の測定目盛の代わりに、局所的にそれぞれ半径方向に集束を行う円柱レンズを備えた半径方向目盛を用いなければならないであろう。
Claims (14)
- 走査ユニット(AE)とこの走査ユニットに相対して少なくとも1つの測定方向(Mr)に移動可能なスケール(Mf)との相対位置を検出するための光学位置測定装置において、
−前記スケール(Mf)が、組み合わせ式の構成ユニットとして形成されており、この構成ユニットが、少なくとも1つの反射素子(R1、R2;Pr;R)と測定目盛(Gf)とを有し、
−前記走査ユニット(AE)に、光源(LD)と1つまたは複数の検出素子(PE−1、PE0、PE+1)とが付設されており、
−前記走査ユニットが分割手段(Mm;Mm1、Mm2)を有し、この分割手段が、前記光源(LD)から発せられた光束を測定方向(Mr)に少なくとも2つの部分光束に分割し、これらの部分光束が、この分割後、前記スケール(Mf)の方向に伝播することを特徴とする光学位置測定装置。 - 逆向きの対称的な方向から入射する前記少なくとも2つの部分光束が、逆向きの偏向作用を受けて、前記測定目盛(Gf)への照射後に同じ空間方向へ伝播するように前記測定目盛(Gf)が構成されていることを特徴とする請求項1に記載の光学位置測定装置。
- 異なった方向から入射する前記少なくとも2つの部分光束が、逆向きの偏向作用を受けて、前記測定目盛(Gf)への照射後に対称的な空間方向へ伝播するように前記測定目盛(Gf)が構成されていることを特徴とする請求項1に記載の光学位置測定装置。
- 前記入射する部分光束に、
−第1の偏向作用が、前記測定方向(Mr)および前記スケール(Mf)に対する法線方向を介して広がる平面に生じ、
−第2の偏向作用が、前記測定方向(Mr)に対して横向きの方向に生じ、この第2の偏向により、前記少なくとも1つの反射素子(R1、R2;Pr;R)への集束が関連するように前記測定目盛(Gf)が構成されていることを特徴とする請求項2に記載の光学位置測定装置。 - 前記測定目盛(Gf)が、互い違いに直線状である円柱レンズ構造として構成されていることを特徴とする請求項4に記載の光学位置測定装置。
- 両偏向方向に回折次数が+1次および−1次の部分光束のみが出射して、より高い回折次数、特に+3次および−3次の不所望な回折次数が抑制されるように前記測定目盛(Gf)の周期性(df)が選定されていることを特徴とする請求項1〜5の少なくとも1つに記載の光学位置測定装置。
- 前記分割された部分光束が、前記スケール(Mf)においてまず前記測定目盛(Gf)で回折され、それに続いて、前記少なくとも1つの反射素子(R1、R2;Pr;R)で反射されて、最終的に前記測定目盛(Gf)で新たに回折され、その後、これらの部分光束が再び走査ユニット(AE)の方向に伝播することを特徴とする請求項1〜6の少なくとも1つに記載の光学位置測定装置。
- 前記測定目盛(Gf)が、透過光目盛として、または入射光目盛として構成されていることを特徴とする請求項1〜7の少なくとも1つに記載の光学位置測定装置。
- 前記スケール(Mf)が透明な支持体を有し、この支持体の一方の側に前記測定目盛(Gf)が配設されており、この支持体のもう一方の側に前記少なくとも1つの反射素子(R1、R2;Pr;R)が配置されていることを特徴とする請求項1〜8の少なくとも1つに記載の光学位置測定装置。
- 前記走査ユニット(AE)における前記分割手段(Mm;Mm1、Mm2)が、少なくとも1つの透過光走査格子(Gm;Gm1、Gm2)を有することを特徴とする請求項1〜9の少なくとも1つに記載の光学位置測定装置。
- 前記スケール(Mf)上に複数の目盛トラックが配設されていることを特徴とする請求項1に記載の光学位置測定装置。
- 全ての目盛トラックの前記第2の偏向作用が、共通の焦点を有することを特徴とする請求項4または11に記載の光学位置測定装置。
- 前記スケール(Mf)の前記測定目盛(Gf)が、位相量が180°の位相目盛として構成されていることを特徴とする請求項1〜12の少なくとも1つに記載の光学位置測定装置。
- 前記スケール(Mf)における入射光束と出射光束との間のビーム位置偏差(2s)がビーム断面よりも大きくなるように、前記第2の偏向作用の大きさが設定されていることを特徴とする請求項4に記載の光学位置測定装置。
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