JP2010523097A - 肥満及び/あるいは2型糖尿病に関連するfto遺伝子多型 - Google Patents

肥満及び/あるいは2型糖尿病に関連するfto遺伝子多型 Download PDF

Info

Publication number
JP2010523097A
JP2010523097A JP2010501513A JP2010501513A JP2010523097A JP 2010523097 A JP2010523097 A JP 2010523097A JP 2010501513 A JP2010501513 A JP 2010501513A JP 2010501513 A JP2010501513 A JP 2010501513A JP 2010523097 A JP2010523097 A JP 2010523097A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
obesity
diabetes
type
subject
risk
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010501513A
Other languages
English (en)
Inventor
ディナ、クリスチヤン、ラファエル
デラマーレ、ソフィー、カトリーヌ ガリナ
シェブル、ジャン−クロード
マイル、ダビド、ジャン−クロード
フロゲル、フィリップ
Original Assignee
サントル ナショナル ドゥ ラ ルシェルシェ シアンチフィック(シーエヌアールエス)
ユニベルシテ ドュ ドロワ エ ドゥ ラ サンテ ドゥ リール 2
リール・パズツール研究所
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by サントル ナショナル ドゥ ラ ルシェルシェ シアンチフィック(シーエヌアールエス), ユニベルシテ ドュ ドロワ エ ドゥ ラ サンテ ドゥ リール 2, リール・パズツール研究所 filed Critical サントル ナショナル ドゥ ラ ルシェルシェ シアンチフィック(シーエヌアールエス)
Publication of JP2010523097A publication Critical patent/JP2010523097A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6876Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes
    • C12Q1/6883Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes for diseases caused by alterations of genetic material
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q2600/00Oligonucleotides characterized by their use
    • C12Q2600/156Polymorphic or mutational markers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q2600/00Oligonucleotides characterized by their use
    • C12Q2600/158Expression markers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q2600/00Oligonucleotides characterized by their use
    • C12Q2600/172Haplotypes

Abstract

本発明は、fatso(FTO)遺伝子中の一連のSNPに属する、あるいは関連する核酸バイオマーカーの検出に基づいて、ヒトにおける肥満及び/あるいは2型糖尿病のリスク評価及び/あるいは診断及び/あるいは予後のための手段及び方法を提供する。本発明は、また、ヒトにおける肥満及び/あるいは2型糖尿病への罹患性に関連するSNPハプロタイプの特定、ヒトにおける肥満及び/あるいは2型糖尿病を予防及び/あるいは治療するのに役立つ薬剤の選択、ヒトにおけるfatso(FTO)遺伝子をハプロタイプする手段及び方法も提供する。

Description

本発明は、ヒトにおける肥満及び/あるいは2型糖尿病を診断、予後、治療及び/あるいは予防する手段に関する。
より正確に言えば、本発明は、fatso(FTO)遺伝子内の一連のSNP(“single nucleotide polymorphisms” − 一塩基多型)に属する、あるいは関連する核酸バイオマーカーの検出に基づき、ヒトにおける肥満及び/あるいは2型糖尿病のリスク評価及び/あるいは診断及び/あるいは予後する手段あるいは方法を提供する。
本発明は、また、ヒトにおける肥満及び/あるいは2型糖尿病の罹患性に関連するSNPハプロタイプを特定するための手段及び方法、ならびにヒトにおける肥満及び/あるいは2型糖尿病の予防及び/あるいは治療に効果のある薬剤の選択手段及び方法を提供する。
肥満は、ヒトあるいは他の哺乳動物の脂肪組織に保存される自然エネルギー蓄積が、特定の症状あるいは死亡率の増加に結びつく段階まで増大された状態である。
肥満は、個人的な臨床症状であるが、段々と深刻な公共衛生問題としてもみなされるようになっている。過度の体重により、様々な疾患、特に循環器疾患、睡眠時無呼吸、骨関節炎、2型(真性)糖尿病などの発症の可能性が高まることが現在では一般的に知られている。より正確に言うと、肥満、特に中心性肥満(男性型あるいは内蔵型肥満)は「メタボリック症候群」(シンドロームX)の重要なリスク要因である。メタボリック症候群は、多数の疾患及び循環器疾患の発症性を極度に高めるリスク要因が集合したものであり、これらのリスク要因には、2型(真性)糖尿病、高血圧、高コレステロール値(血液中)、高トリグリセリド(複合型高脂血症)などがある。上記症状とあいまってアテローム性動脈硬化症の多発に関与するとされている炎症状態も存在し、血栓形成促進性は、循環器系疾患のリスクをさらに増大する可能性がある。
臨床の場において、肥満は通常BMI(肥満度指数)や胴囲を測定し、また、リスク要因及び併存疾患の存在を見きわめることにより診断される。疫学研究においては、BMI単独で、肥満の罹患および発生の指標として使用されている。BMIは、被験者の体重(キログラムを単位にして)を、被験者の身長(メートルを単位にして)の2乗で割ることにより計算される。
BMI=(kg/m2)またはBMI=[体重(ポンド)]×703/身長(インチ)2]
通常は、以下のように考えられる:
− BMI18.5未満は過少体重
− BMI18.5〜24.9は普通体重
− BMI25.0〜29.9は過体重
− BMI30.0〜39.9は肥満
− BMI40.0以上は、重度の(病的な)肥満
− また、BMI35.0以上で、最低他に1つ重大な併存疾患が存在する場合、通常病的な肥満に分類される。
肥満発生に寄与すると言われている要素は、過食のみならず、以下のものも含まれる。
− 遺伝因子およびいくつかの遺伝性疾患(例:プラダーウィリ症候群)
− 基礎疾患(例:甲状腺機能低下症)
− 特定の薬物(例:非定型抗精神病薬)
− 座りがちな生活習慣、他。
肥満はよく、遺伝的および非遺伝的因子の組み合わせによるものであるとされる。この点において、原因遺伝子はまだ特定されていない。
今日、肥満は先進国および新興国が直面している、最も大きな健康問題と考えられている。
肥満に対抗するために使えるようになったあらゆる手段の中でも、肥満(症治療)手術の実施が増加している。この方法は、シリコンリングを胃の上部辺りに装着させることから成り、一回あたりの摂食量を制限するのに役立つ。いずれかの消化管の切開や、またはルートを変更するなど、他にもっと侵襲的な手術方法も同様に使用されている。しかしながら、これらの手術はすべて、患者にとって危険性が伴い、また、体重減少、疾病率及び死亡率低下を保証するものではない。
明細書末尾の一覧表を参照のこと。
そのため、肥満に対抗するために本当に効果があるであろう新薬に向けた技術に対する需要が存在する。この点において、肥満発症に関与する遺伝子、つまり治療標的の有望な候補となる遺伝子を特定することは、科学者および医療関係者にとってより重要な関心事の一つである。
本発明は、これまでに報告済みの遺伝要因と肥満の間の最も重要な関連性を開示することにより、この需要を満たそうとするものである。実際に、本発明は、肥満(FTO)遺伝子座におけるいくつかのSNP(一塩基多型)が、ヨーロッパ母集団における早期発症および重度の肥満及び肥満に関連した2型糖尿病に大いにならびに有意に関連しているという発見に基づいている。
SNPは、最もよく見られる遺伝的変異型の一つを表す。これらの多型は、ゲノムにおける単一ヌクレオチドが変形(例えば、置換、付加あるいは欠失を通じて)した際に現れる。多型部位に関する配列の各変形は、多型部位の「対立遺伝子(allele)」と呼ばれる。SNPは、世代から世代へと進化的に安定している傾向があり、そのため、母集団を通じて特定の遺伝的異常を研究する目的で使用することが可能である。SNPがタンパク質コード領域で発生した場合、遺伝的疾患の発生につながる恐れのあるタンパク質の変異形の、時として欠陥のある、タンパク質の発現につながる可能性がある。SNPの中には非コード領域で発生するものもあるが、その場合でも、特異なあるいは欠損したスプライシング、または変異タンパク質の発現レベルになる可能性がある。SNPはそれゆえに、遺伝的疾患の有効な指標としての機能を果たすことができる。SNPは同様に、疾病素因のある個体を識別し、疾患を患っている個体の遺伝子型を決定し、また、発症プロセスにおける標的タンパク質の役割に関して明らかになった識見に基づく薬品開発を促進するための、診断ツールとして使用することも可能である。
錯誤を回避するために詳述すると、本発明の方法に、人体で行われる診断は含まれない。本発明の方法は、個体から事前に除去された試料で行われるのが好ましい。以下に記載される本発明のキットには、個体からの試料を摘出する手段も含まれる可能性がある。
本発明の方法により、肥満及び/あるいは2型糖尿病発症時あるいはそれ以前におけるそれらの症状による健康のリスクを正確に評価することができ、それにより、肥満及び/あるいは2型糖尿病による悪影響が減少あるいは最小化する。特に、本発明により、肥満及び/あるいは2型糖尿病のリスクをより良く予知することができ、そのため、後の合併症をより良く予知することができる。本発明の方法は、肥満及び/あるいは2型糖尿病の臨床的症状及び徴候が無い者、肥満及び/あるいは2型糖尿病を既に持つ者、肥満及び/あるいは2型糖尿病の家族歴を持つ者、あるいは肥満及び/あるいは2型糖尿病のリスク要因のレベルが高い者に適用することができる。
本発明において、「バイオマーカー」(「マーカー」とも呼ばれる)は、ヒトにおける肥満及び/あるいは2型糖尿病を示す遺伝子マーカーであり、つまり肥満及び/あるいは2型糖尿病発症に特異的にそして有意的に関わる核酸配列である。本発明において、かかるマーカーは「肥満及び/あるいは2型糖尿病リスクSNPマーカー」あるいは「リスクSNPマーカー」あるいは「リスクマーカー」あるいは「SNPマーカー」と呼ばれることもある。
本発明で主として使用される遺伝子マーカーは肥満及び/あるいは2型糖尿病に関連する「多型部位」における特定の対立遺伝子である。母集団において、ゲノム内で一つ以上のヌクレオチド配列が可能な位置を「多型部位」と呼ぶ。多型部位は長さが単一ヌクレオチドである場合、当該部位は、一般に「SNP」と呼ばれる。例えば、ある特定の染色体位置において、母集団の一要素がアデニン、同母集団の他の要素が同位置にチミンを持つ場合、当該位置は多型部位であり、より具体的には、多型部位はSNPである。多型部位は、例えば、挿入、欠失、転換、置換、重複、あるいは転座によりヌクレオチド数個分の長さを持つ場合がある。多型部位における各配列は、多型部位の「対立遺伝子」と呼ばれる。このため、前の例で言えば、SNPはアデニン対立遺伝子とチミン対立遺伝子の両方を持つことができる。これらの対立遺伝子は「変異形」対立遺伝子である。ヌクレオチド配列変異体は、コーディング領域でもあるいは非コーディング領域でも、コードされたポリペプチドの配列を変化させることができ、かくしてそれらの属性に影響を与えることがある(活動の変化、分布の変化、安定性の変化など)。あるいは、ヌクレオチド配列変異体は、コーディング領域でもあるいは非コーディング領域でも、遺伝子の転写あるいはmRNAの翻訳に影響を与える変化が起こる場合がある。すべての場合において、その変化は定性的、定量的、あるいは両方の場合がある。
当業者は、個体の核酸中の、本発明において開示されているSNPマーカーの一つあるいはそのいくつかに存在するヌクレオチドの分析は、多型部位に存在するヌクレオチドを限定することができるいずれの方法あるいは技術を用いてもできることが容易に分かるであろう。例えば、本発明の方法において、シーケンス、ミニ・シーケンス、ハイブリダイゼーション、制限断片解析、オリゴヌクレオチドライゲーション定量、アリール特異的PCR、あるいはそれらの組み合わせを行うことによりバイオマーカーを検出することができる。勿論、このリストは単なる例であり、限定的ではない。当業者は、かかる検出達成のため適切な方法をどれでも使用することができる。
当該技術において明白なように、SNPマーカーに存在するヌクレオチドは、どちらかの核酸ストランドあるいは両方のストランドにより限定されることができる。
本発明において使用されるバイオマーカーは、FTO遺伝子に「関連があり」、つまり、当該バイオマーカーは、構造的にFTO遺伝子と関連している。例えば、バイオマーカーは、FTO遺伝子座、あるいはその近辺にあり、そして/あるいは前記バイオマーカーはFTO遺伝子と機能的に関連している。例えば、バイオメーカーは、FTO遺伝子又はその発現産物と反応するか影響を与える。
本発明の方法及びキットで使用されるバイオマーカーは、下記の表2、表3、表6乃至表9(下記の例のパートII参照)のいずれかにリストしてある一塩基多型(SNP)のグループから選択するのが好ましい。また、表2、表3、表6乃至表9のいずれかにリストしてあるSNPで極めて大きな予測価値のものはrs9940128、rs1421085、rs1121980、rs17817449、rs3751812、rs11075990、rs9941349、rs7206790、rs8047395、rs10852521、rs1477196、rs4783819から選択するのが更に好ましい。このグループ中では、rs9940128、rs1421085、rs1121980、rs3751812、rs7206790、rs8047395、rs17817449のSNPが特に関心があるものである。rs1421085あるいはrs17817449のSNPを少なくとも一つ使用することがより好ましい。
あるいは、バイオマーカーは、下記表2、表3、表6乃至表9のいずれかにリストされているグループから選択された少なくとも一つのSNPに関連のある多型部位でも良い。上記で定義されているように、「関連のある」というのは、前記バイオマーカーが前記SNPに構造的及び/あるいは機能的に関連のあることを意味する。より具体的には、「関連のある」という用語は、前記バイオマーカーが前記SNPと高度の連鎖不平衡にあることを意味する。つまり、それらは、HapMapの欧州のデータセット及び/あるいは本発明者によって下記のように試験的に分析された母集団における前記SNPと、r2が0.6以上及び/あるいはD’が0.5の相関関係を示す。
さらに、バイオマーカーは、下記表2、表3、表6乃至表9のいずれかにリストされているグループから選択されたSNPの少なくとも一つと完全連鎖不平衡にある多型部位の場合もある。
FTO領域における連鎖不平衡構造及び相関。 FTO領域における連鎖不平衡構造及び相関。 ヒト組織におけるFTO遺伝子発現。 FTO遺伝子における推定原因場所の位置の事後確立分布の分布。
このように、本発明の第一の態様は、人体実験の被験者における肥満及び/あるいは2型糖尿病のリスク評価及び/あるいは診断及び/あるいは予後のインビトロ方法に関するもので少なくとも次の工程を含む。
a)前記人体実験の被験者からの核酸試料において、FTO遺伝子に関連した少なくとも1つのバイオマーカーを検出する工程、
b)前記人体実験の被験者における肥満及び/または2型糖尿病のリスク評価及び/または診断及び/または予後をするために、工程a)で前記人体実験の被験者から取得したバイオマーカーのデータを、健常者及び/または疾患患者からのバイオマーカーのデータとを比較する工程。
「リスク評価」とは、ここでは本発明により人体実験の被験者が肥満及び/あるいは2型糖尿病を発症するリスクを推定、あるいは評価することを可能にすることを意味する(「疾病素質あるいは罹患性評価」とも呼ばれる)。この点において、肥満及び/あるいは2型糖尿病の「リスクがある」個体とは、少なくとも一つのリスク対立遺伝子あるいは一つ以上の「肥満及び/あるいは2型糖尿病リスクSNPマーカー」を持つハプロタイプを持つ者である。更に、「リスクがある」個体は、下記のような肥満及び/あるいは2型糖尿病発症に寄与することで知られているリスク要因のうち少なくとも一つを持つこともありえる。
− 肥満及び/あるいは2型糖尿病の家族歴
− 遺伝性疾患(例:プラダーウィリ症候群)
− 基礎疾患(例:甲状腺機能低下症)
− 高血圧及び血圧高騰
− 摂食障害
− 特定の医薬品(例:非定型抗精神病薬)
− 座ることの多いライフスタイル
− 高グリセミック指数食(食後血糖値の高い食事)
− ダイエットを繰り返し試みることによる体重ヨーヨー現象
− ストレスを感じやすい性格
− 睡眠不足
− 禁煙、その他。
リスクの推定は、通常、リスクが増加あるいは減少したことを示唆する。
本発明において使用できる核酸試料のタイプには制限はない。この意味において、例えば、DNA試料、ゲノムDNA試料、RNA試料、cDNA試料、hnRNA試料、あるいはmRNA試料などを使用することができる。
本発明の方法における「疾患患者」は肥満及び/あるいは2型糖尿病に罹患している人々をさす。
様々な実施形態によれば、上記記載の方法は以下の目的に役立つ。
− 肥満及び/あるいは2型糖尿病を発症するリスクのある人体実験の被験者の特定。
− 人体実験の被験者の肥満及び/あるいは2型糖尿病の診断。
− 肥満及び/あるいは2型糖尿病を持つ人体実験の被験者のための安全で効率の良い療法の選択。
− 肥満及び/あるいは2型糖尿病を持つ人体実験の被験者に施された療法の効力のモニタリング。
− 肥満及び/あるいは2型糖尿病の治療を必要とする、人体実験の被験者に対する療法の有効性の予知。
− 肥満及び/あるいは2型糖尿病を発症するリスクのある、人体実験の被験者に対する安全で効率の良い予防法の選択。
− 肥満及び/あるいは2型糖尿病を発症するリスクのある、人体実験の被験者に施された予防法の効果のモニタリング。
− リスクのある人体実験の被験者に対して肥満及び/あるいは2型糖尿病を予防する療法の有効性の予知。
「治療」及び「療法」という用語は、肥満及び/あるいは2型糖尿病に関連する症状を改善することを表わすだけではなく、疾患発症を防止あるいは遅延し、そして/あるいは疾患の症状の程度あるいは頻度を減少させ、そして/あるいは疾患の再発を防止あるいは遅延させることを表わす。
本発明の第二の態様は、人体実験の被験者における肥満及び/あるいは2型糖尿病罹患性に関連するSNPハプロタイプを特定するためのインビトロ方法に関するもので、前記方法は、少なくとも次の工程を含む。
a)前記人体実験の被験者からの核酸試料において、FTO遺伝子に関連した少なくとも一つのSNPを検出する工程であって、その少なくとも一つのSNPは肥満及び/あるいは2型糖尿病の罹患性を示す工程、および、
b)前記人体実験の被験者における前記SNPハプロタイプを特定する工程であって、前記SNPハプロタイプは工程a)で検出した前記SNPを少なくとも一つ含む工程。
該技術分野で周知のように、「ハプロタイプ」は、遺伝子マーカーのいかなる組み合わせも表わす。ハプロタイプは、二つ以上の対立遺伝子を含むことができる。ここに記述されているハプロタイプ(あるいは「リスクのあるハプロタイプ」)は、肥満及び/あるいは2型糖尿病リスクがない個体よりも、肥満及び/あるいは2型糖尿病リスクがある個体においての方が、より頻繁かつ有意的に発見される。そのため、これらのハプロタイプは、個体における肥満及び/あるいは2型糖尿病リスク、あるいは肥満及び/あるいは2型糖尿病罹患性を検出する予測価値を持つ。「リスクのあるハプロタイプ」は、肥満及び/あるいは2型糖尿病と有意で高い相関関係を示すマーカー上に表わされた一つのハプロタイプあるいはハプロタイプの組み合わせを包含するものである。
ハプロタイプ検出は、該技術分野周知の多型部位における配列検出のための方法を用いて達成することができる。
工程a)で検出されるSNPは、下記表2、表3、表6乃至表9のいずれかにリストされているグループから選択することが好ましい。
本発明の第三の態様は、人体実験の被験者における肥満及び/あるいは2型糖尿病のリスク評価及び/あるいは診断及び/あるいは予後を行うインビトロ方法に用いられるテストキットを提供することであり、前記テストキットは以下工程のための適切な手段を含む。
a)前記人体実験の被験者からの核酸試料中のFTO遺伝子に関連するバイオマーカーのうち少なくとも一つのタイプ及び/あるいはレベルを評価する工程、および、
b)前記人体実験の被験者からの工程a)で評価されたバイオマーカーのデータを健常者及び/あるいは疾患患者からのバイオマーカーのデータと比較する工程であって、前記人体実験の被験者における肥満及び/あるいは2型糖尿病のリスク評価及び/あるいは診断及び/あるいは予後を行う工程。
本発明の第四の態様は、前記人体実験の被験者における肥満及び/あるいは2型糖尿病罹患性に関連するSNPハプロタイプを特定するためのインビトロ方法に使用されるテストキットに関するもので、以下の工程のための適切な手段を含む。
a)前記人体実験の被験者からの核酸試料中のFTO遺伝子の少なくとも一つのSNPを検出する工程であって、少なくとも一つの前記SNPは肥満及び/あるいは2型糖尿病罹患性を示す工程、および、
b)前記人体実験の被験者のSNPハプロタイプを特定する工程であって、前記SNPハプロタイプはa)で検出された少なくとも一つの前記SNPを含む工程。
「テストキット」及び「キット」という用語は同義語であり、互換性がある。
本発明において、テストキットが参照された場合、<<適切な手段>>とは、指し示された目的を達成するために役立つ技術的手段のいずれかをさす。かかる適切な手段の非限定的な例として、試薬及び/あるいは材料及び/あるいはプロトコル及び/あるいは指示及び/あるいはソフトウェアなどを挙げることができる。本発明のすべてのキットは、適切なパッケージング及びここにおいて開示される方法の使用方法を含む場合がある。キットは更に、適切なバッファ及び熱安定性ポリメラーゼ(例:Taqポリメラーゼ)のようなポリメラーゼを含む場合がある。かかるキットはコントロールプライマー及び/あるいはプローブも含む場合がある。
好ましい実施形態によれば、本発明のテストキットは少なくとも以下のものを含む場合がある。
a)関心のある核酸を特に増幅するための、前進プライマーと後退プライマーを含む一つの独立PCRプライマー及び/あるいは
b)関心のある核酸を特に伸長させるための独立のプライマー及び/あるいは
c)関心のある核酸に特に結合する独立の核酸プローブ及び/あるいは
d)関心のある核酸によってコードされたタンパク質を特に結合させる独立の抗体及び/あるいは
e)上記a)乃至d)のうちの少なくとも一つを含むマイクロアレイあるいは多重井戸型プレート。
「関心のある核酸」とは、ここにおいては、肥満及び/あるいは2型糖尿病を示すバイオマーカーを含む核酸領域あるいはセグメントを意味する。この意味において、関心のある核酸とは、バイオマーカーより大きい場合も、バイオマーカーに限られる場合もある。
「プローブ」と「プライマー」は、核酸分子の相補鎖と塩基特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドである。「塩基特異的」とは、二つの配列が、プライマーあるいはプローブがハイブリダイズするために十分なヌクレオチド相補性を持つ必要があることを意味する。従って、プライマーあるいはプローブ配列はテンプレートの配列に完全に相補する必要はない。非相補塩基あるいは修飾塩基をプライマーあるいはプローブに散在させることができるが、それは塩基代用がハイブリダイゼーションを抑制する場合を除く。
プローブあるいはプライマーは通常、核酸テンプレートの少なくとも8個、好ましくは約10個、12個、15個、更に好ましくは約20個、25個、30個、35個、そして時によっては約40個、50個、60個、70個の連続核酸とハイブリダイズする核酸領域を含む。
プライマー及びプローブは通常、隣接あるいは相補核酸配列(これが「テンプレート」である)と少なくとも70%同一である。同一性は、少なくとも80%、90%、95%が好ましいが、98%、99%、99.5%、99.8%がより好ましい。
有利なことに、プライマー及びプローブは、さらにラベル、例えば、ラジオアイソトープ、蛍光物質、酵素、あるいは酵素補因子を含む。
本発明の第五の態様は、人体実験の被験者における肥満及び/あるいは2型糖尿病の予防及び/あるいは治療に役立つ薬剤を選択する方法に向けられており、少なくとも以下の工程を含む。
a)ヒトのFTO遺伝子を包含するモデル生体系に候補薬剤を投与する工程、
b)前記候補薬剤の、前記FTO遺伝子及び/あるいはその発現産物に関わる生体メカニズムへの効果を判定する工程、および、
c)前記生体メカニズムへの変更効果を持つ薬剤を選択する工程であって、選択された薬剤は人体実験の被験者における肥満及び/あるいは2型糖尿病の予防及び/あるいは治療に役立つとみなされる工程。
「薬剤」は、生物由来薬剤、化学薬剤、あるいは両方をさす。ただし、それらは人体実験の被験者における肥満及び/あるいは2型糖尿病の予防及び/あるいは治療に役に立つとみなされなければならない。生物由来薬剤の例は、siRNAを含む核酸、毒素を含むポリペプチド、酵素、抗体(ポリクローナルあるいはモノクローナル)、核酸とポリペプチドの組み合わせなどである。化学薬剤の例は、化学分子、化学分子錯体、化学部分など(例:ラジオアイソトープ他)である。
本発明の第六の態様は、肥満及び/あるいは2型糖尿病に関する病態生理学及び/あるいは分子メカニズム研究のためにヒトの遺伝子を含むモデル生体系を使用することに関する。
ここにおける「モデル生体系」は、非人間トランスジェニック動物、あるいは培養微生物、昆虫、あるいは哺乳類細胞、あるいは哺乳類組織あるいは器官を意味することが好ましい。前記モデル生体系は、ヒトのFTO遺伝子を発現あるいは過剰発現することがより好ましい。
本発明の第七の態様は、人体実験の被験者におけるFTO遺伝子をハプロタイプするためのインビトロ方法に関するもので、少なくとも以下の工程を含む。
a)前記人体実験の被験者からの核酸試料中で、「肥満及び/あるいは2型糖尿病罹患性ハプロタイプ」の各対立遺伝子位置に存在するヌクレオチドを検出する工程であって、ハプロタイプは表2、表3、表6乃至表9のいずれかにリストされているSNP、あるいはそれらと連鎖不平衡にある遺伝子を少なくとも一つ含む工程、および
b)工程a)において検出されたヌクレオチドに従って、前記人体実験の被験者に対して特定のハプロタイプを割当てる工程。
好ましい実施形態においては、本方法は、工程b)で割当てられた特定ハプロタイプに従い、前記人体実験の被験者が肥満及び/あるいは2型糖尿病を発症するリスクを判定する工程をさらに含む。
各対立遺伝子位置に存在するヌクレオチドは、上記方法の工程a)において適切な、どの技術を用いても検出することができる。例えば、当該検出は前記核酸試料の酵素増幅(ポリメラーゼ連鎖反応あるいは対立遺伝子特異的増幅など)を使用して行ってもよい。あるいは、前記検出は、シーケンスによっても実施できる。
さらに、ここで開示されるSNP及びハプロタイプにより患者層別化が可能である。特に、特定の薬剤を用いた療法に最も適する患者を特定するのに遺伝子多型の知識が使用される標的臨床試験プログラムや薬理遺伝学療法のため、肥満及び/あるいは2型糖尿病発症のリスクが高い、あるいは低いと特定された個体のサブグループを使用することができる。
ここにおいて記述されているSNP及びハプロタイプは、例えば、アイデンティティ、疾患の発症/進行に対する罹患性、あるいは特定薬剤を使用した治療に対する感受性などに関して個体を特徴づけるのに役立つ貴重な情報源を提供する。
そのため、本発明の第八の態様は、肥満及び/あるいは2型糖尿病を治療及び/あるいは予防するための療法の効能を評価するための臨床試験に参加する人体実験の被験者を選択するための方法に向けられており、少なくとも以下の工程を含む。
a)各人体実験の被験者が属する特定のFTO遺伝子ハプロタイプに従って人体実験の被験者をグループに分ける工程、および、
b)前記臨床試験に含めるため、工程a)で取得されたハプロタイプの少なくとも一つのグループから少なくとも一人の人体実験の被験者を選択する工程。
本方法において、有利なことに、特定のFTO遺伝子ハプロタイプは、各人体実験の被験者からの核酸試料中の、「肥満及び/あるいは2型糖尿病罹患性ハプロタイプ」の各対立遺伝子位置に存在するヌクレオチドを検出することによって、インビトロで判定することができる。ここにおけるハプロタイプは表2、表3、表6乃至表9のいずれかにリストされているSNPの少なくとも一つあるいはそれらと連鎖不平衡にある遺伝子多型を含む。
本発明の第九の態様は、上記方法に従って人体実験の被験者におけるFTO遺伝子をインビトロでハプロタイプするためのテストキットを提供し、前記テストキットは以下の工程のための適切な手段を含む。
a)各人体実験の被験者からの核酸試料中の、「肥満及び/あるいは2型糖尿病罹患性ハプロタイプ」の各対立遺伝子位置に存在するヌクレオチドを検出する工程であって、ハプロタイプは表2、表3、表6乃至表9のいずれかにリストされているグループから選択されたSNPの少なくとも一つあるいはそれらと連鎖不平衡にある遺伝子多型を含む工程、および、
b)工程a)で検出されたヌクレオチドに従って、前記人体実験の被験者に特定のハプロタイプを割当てる工程。
更に、本発明の第十の態様は、テストキットを上記のように使用して、人体実験の被験者を特定のハプロタイプ・グループに層別化することに関する。
有利なことに、本テストキットは、更に、肥満及び/あるいは2型糖尿病の治療及び/あるいは予防のための療法の効能を評価するための臨床試験に含めるために、少なくとも一つのハプロタイプ・グループから少なくとも一人の人体実験の被験者を選択するのに使用される。
本発明の第十一の態様は、ヒトFTO遺伝子中の、表2、表3、表6乃至表9のいずれかにリストされているグループから選択された少なくとも一つのSNPのアイデンティティをインビトロで判定するためのテストキットに関するもので、かかる判定のための適切な手段を含む。
本発明は、以下の図によって説明されるが、これらの図により制約されるものではない。
図1:FTO領域における連鎖不平衡構造及び相関。
A)連鎖不平衡を2x2のマトリックスとして表わしている。濃グレーは高度な連鎖不平衡(r2)を示し、白はSNP間に相関関係が存在しないことを示す。
B)各SNPにおいて、肥満度III(880人)のp値のlog10対コントロール(2700)分析を表わす
図2:ヒト組織におけるFTO遺伝子発現。
脂肪組織(BioChain Institute, USA)、膵島、FACS分離ベータセル(Human Pancreatic Cell Core Facility提供(フランスのリル市大学病院))、多組織cDNAパネル(BD Biosciences Clontech)からのヒトcDNAにおけるFTO発現、ここで1:FTOネガティブコントロール、2:GAPDH、3:GAPDHネガティブコントロール、4:GAPDH+FTO、5:GAPDH+FTOネガティブコントロール、6:分子重量マーカー50bp、150bp、300bp、500bp、750bp、1kb、7:脂肪組織、8:脂肪組織RTマイナスコントロール、9:膵島、10:膵島RTマイナスコントロール、11:心臓、12:脳、13:胎盤、14:肺、15:肝臓、16:骨格筋、17:腎臓、18:膵臓、19:膵ベータ細胞。インターナル・コントロールとしてグリセルアルデヒド-3-リン酸脱水素酵素(GAPDH)が使用された。ベータ細胞の純度は、免疫化学(98%インスリン陽性細胞)及びPCR(外分泌細胞に対して特異的なキモトリプシン・プライマーによって増幅なし、ベータ細胞に対して特異的なPdx1プライマーによって増幅あり)によって確認された。使用されたFTOプライマーは5’−TGCCATCCTTGCCTCGCTCA−3’(SEQ ID No.1)及び5’-TGGGGGCTGAATGGCTCACA−3’(SEQ ID No.2)。これらの二つのプライマーは、高性能液体クロマトグラフィーにより精製された。1μgの脂肪組織、膵島及びベータ細胞RNAは指示に従い、M−MLV逆転写酵素(Promega, USA)を使用して無作為に逆転写された。FastStart Taq DNAポリメラーゼ・キット(ロッシュ、ドイツ)を使用して、1.25mmol/lのMgCl2、各プライマー0.4μmol/l、5μl単鎖cDNAで、ホット・スタート法により、指示に従いPCRがなされた。ホット・スタート法は以下のように修正された。95℃で4分、95℃で30秒を40サイクル、68℃で2分、その後68℃で3分。PCR産物は、2%(重量/容量)のアガロースゲル上で分離され、臭化エチジウムとUVトランスイルミネーションを使用して、可視化された。
図3:FTO遺伝子における推定原因場所の遺伝子座の事後確立分布の分布。位置は染色体16上にkbで示されている。ドットは、単SNP相関p値のlog10を表わす。線は、95%、90%、75%の信頼区間の境界を表わす。
本発明の他の実施形態及び利点は、以下の例を読むことにより理解されるであろう。
I.材料及び方法:
I.1:統計的分析
a)相関テスト:乗法的モデルのケースコントロールにおける相関の検定にはロジスティック回帰検定が、一般相関モデルにはピアソンのカイ二乗検定が使用された。
肥満の子供及び成人におけるrs1421085及びrs17817449のSNPのそれぞれの対立遺伝子C及びGの頻度増加に関する特定の仮説を検定するためのレプリケーションのp値は片側の値である。
家族に基づくコーホートにおける両方のSNPの関連テストは、ヘテロ接合親から罹病している子供への、リスクのある対立遺伝子の伝達数を、その予想と比較するTDT検定を用いて行われた。マクネマー・カイ二乗検定は有意性を評価する。
異なる検定のp値の統合にはフィッシャー検定が使用され、ここにおいてn個のp値の自然対数の負の和の2倍が、自由度2nのカイ二乗分布に従う。
b)遺伝的モデル。我々の家族性疾病研究母集団(フランスの肥満の子供の両親)の成人創始者とリープジッグ・コホートからの子供において説明されたBMI変動の比率が推定された。BMIは、正規化され、SDSで表わされた。
定量的罹患度特性L(全母集団での平均0、SD1)及び閾値T(閾値以上の値を持つ個体は、罹患していると分類される)を持つQLT罹患度閾値モデルが使用された。特性Lは三つの正規分布N(μgR)の混合に従う。μgは遺伝子型特異的なL平均(−a0、aの値をとる)で、σ2 Rは、遺伝子座に左右されない残差分散の比率である。肥満は、一定の閾値以上のBMIを持つものと定義されているため、肥満の特性Lは、BMIによって特定することができる。
これらのパラメータにより、疾病リスクは、遺伝子型リスク率 GRRi=P(罹患者/G=i)/P(罹患者/G=0) によって表わすことができた。研究における、遺伝子座による変動は、a値及びf値、母集団におけるリスクのある対立遺伝子の頻度:
σ2 α=2.f.(1−f).a2(式1)
から直接導いた。分散(σ2 α)によって説明される変動のパーセンテージは、式1を逆にして、線形回帰モデルから導いた。そして、普通の肥満に用いられる有病率10%に対応するGRRを反復計算により求めた。
I.2:ジェノタイピング
最初のケース・コントロール・ジェノタイピングは、Applied Biosystems SNPlex Technology により、オリゴヌクレオチドライゲーション定量(OLA)とマルチプレックスPCR標的増幅を組み合わせることによりなされた(http://www.appliedbiosystems.com)。分析の化学は、Universal core reagent kitのセットとSNP特異のライゲーション・プローブのセットに依存し、ユニークな試料の48のSNPのマルチプレックス・ジェノタイピングを同時に行うことができる。品質コントロール対策は、分析の各工程のための特別なインターナル・コントロールを使用することにより(製造者の指示による)、含まれていた。対立遺伝子差別化は、Applied Biosystems 3730xlDNA Analyzer及びGeneMapper 3.7ソフトウェアを使用して、キャピラリー電気泳動分析によって行われた。複製試料は、100%の一致率で分析された。
レプリケーション試料におけるrs1421085及びrs17817449変異体のハイスループット・ジェノタイピングが、TaqMan(登録商標)SNP Genotyping Assays(Applied Biosystems, Foster City, Calif. USA)を使用して行われた。PCRプライマーとTaqManプローブはPrimer Expressの設計によるもので、製造者のプロトコルにより最適化された。
すべてのSNPはハーディー・ワインベルグ平衡にあった(P>0.05)。コール率は、スイス人の肥満の個体を除いては、すべての母集団におけるすべてのケースグループとコントロールグループにおいて95%を超えた。
コール率及びHWE検定p値は下記表1に示されている。
pHWE:ハーディー・ワインベルグ不平衡検定のp値。
不在:ジェノタイプ失敗のパーセンテージ
CC,CT及びTT(rs1421085のSNP)、GG、GT、及びTT(rs17817449)のジェノタイプ・カウントは上記表1に示されている。
ジェノタイプ不在率が一番高いコントロール試料であるスイス人研究におけるコントロールにおいて、C及びG対立遺伝子の異常に高い頻度が観測された。これは、この匿名提供者の試料中に非検出の肥満個体が存在するためであるか、コール率と対立遺伝子頻度の間に相関があることを示すかどちらかである(差異コール率)。しかしながら、最高のコール率を持ち、ケースとコントロールの間に不在率の差を示さない試料(フランス人成人肥満とドイツ人子供肥満)は、通常の範囲の対立遺伝子頻度差異(0.41から0.51)を示した。したがって、観測された関連は、ケースとコントロールにおけるジェノタイプ依存的コール率差異によることはありそうもない。
通常の複製の他に、535名の肥満の子供及び329名の肥満度IIIの肥満成人がケース‐コントロール及び家族性疾病研究の両方においてジェノタイプされた。これら二つのジェノタイプ技術の一致率は、両方の研究の両方のSNPについて100%であった。
I.3:その他の実験手順
a)ジェノタイプ:
6833名の個体における39のSNPがジェノタイプされた。これらは、位置5234790kb(rs1861868)から位置52386696kb(rs13337696)にわたる領域において、MAF(Minor Allele Frequency)が1%より高いSNPを100%捕らえる。
個体(N=5037)の73%は39のSNPが、そして88%(6030名の個体)は少なくとも38のSNPが首尾よくジェノタイプされた。コール率の平均は99%であった。
b)フェノタイプ
BMIが計算され、BMIのz-スコアがColeの方法(Cole et.al, 1990)によって決定された。
c)統計的解析:
・モデル選択:
疾患の状況を予測することに関して、一番有益で簡潔なハプロタイプ形状を選択するため、1からkの遺伝子多型の、可能性のあるすべての組み合わせの系統的解析が行われた。SNPは強い連鎖不平衡(LD)にあるため、1つを上回る遺伝子多型の組み合わせの尤度を、ハプロタイプ解析から推定した。THESIASというプログラムによって生成された尤度は、各ハプロタイプモデル毎にBayesian Information Criterion (BIC)値に変換され、すべての研究したモデルにおいて、各モデルについて得られた最小BIC値を引き、各ハプロタイプモデルに基準を変更したBIC値を与えた。基準変更後のBIC−2を持つモデルは一番益効なモデルとみなされ、これらのモデルのうち、遺伝子多型の数が一番少ない一番簡潔なモデルが最高のモデルとみなされる。
・ハプロタイプ・クラスタリング
推定リスク増加変異体の近辺において類似のハプロタイプのケースが豊富なクラスターの確率的探索のため、HapClusterが使用された。クラスター内のハプロタイプはリスク増加対立遺伝子を持つことが予測されている。アルゴリスムは原因変異体の証拠を要約するためベイズ因子と、その場所の事後分布からの試料をもたらす。最新版は、www.daimi.au.dk/~mailund/HapCluster/において自由に入手でき、相加効果に適する対立遺伝子モデルが可能であり、相分離されていないジェノタイプ・データも受容する。Waldron et al(2006)に記述されているこれらのアルゴリスムへの改善が適用された。
II. 結果:
II.1:肥満研究の結果
II.1.A:最初の実験結果と例
フランス人白人のケース‐コントロール肥満データセットにおける中性SNP分布を推定するため、まず異なる遺伝子間領域の48のSNPが選択された。驚くべきことには、染色体16q12.2に位置するrs1121980SNPは、肥満度IIIの重度の(BMI>40kg/m2)成人肥満に大きく関連していることがわかった(OR=1.55[1.39−1.73]、p値=5.3x10-16)。
このSNPはヒトの中に9つの予測されたエキソンを持ち、NCBI36.1のヒトゲノムアセンブリ上で、大きな410,507bpゲノム領域を包含するfatsoあるいはFTOと呼ばれる新たに記載された遺伝子(Peters et al., 1999)の最初のイントロン内に実際に位置するように見えた。追加のSNPは、rs1121980があるLDブロックにわたる60kb領域(このSNPの各側における30kb)において検定された。この領域は、FTO遺伝子の最初のイントロンの一部、二番目のエキソン、及び二番目のイントロンの最初の部分を包含する。r2>0.7のすべての頻度マーカーに付いているSNP(MAF>0.05)及び機能的である可能性のある要素(転写因子の結合部位あるいは他の調節要素及び種間保存領域)内に、そして最初のrs1121980のSNPがあるr2>0.8内に位置したSNPが選択された。結局は25のSNPが選択され、23が首尾よくジェノタイプされた。ケース・コントロール試料は896名の肥満度IIIの肥満の成人(BMI>40kg/m2)と2700名の非肥満のフランス人白人コントロール(BMI<27kg/m2)を含んだ。肥満の成人個体とコントロール両方とも以前に説明されている(Meyre et al., 2005)。
結果は下記表2に示されている。いくつかのSNPと肥満度IIIの肥満(1.9x10-16<p<5x10-9)との強い関連が発見された。興味深いことに、最も有意的に関連のある5つのうち3つのSNP(rs17817449、rs3751812、rs1421085)は、11の脊椎種について計算したPhastCons保存スコア(Siepel et al., 2005)及び7種について計算した潜在的調節スコア(King et al., 2005)の両方に基づくと、推定機能的であった。ジェノタイプされたSNPに関する情報は、下記表2と表3に示されている。
MAF:マイナー対立遺伝子頻度

N11、N12、及びN22は、それぞれ高頻度対立遺伝子ホモ接合体、ヘテロ接合体、及び稀対立遺伝子ホモ接合体のジェノタイプ頻度である。
一般:一般検定モデル検定の結果、ケース及びコントロールにおけるジェノタイプ頻度の比較を行う自由度2のピアソンカイ二乗検定。
相加:リスクのある対立遺伝子数に関するケース-コントロールのステータスのロジスティック回帰の結果。
上記表3には、各SNPの、NCBIアセンブリーBuild35を使用して、11の脊椎種について計算したPhastCons保存スコア、及び7種について計算した潜在的調節スコアが、物理的な位置(bpを単位にして)の上に、報告されている。SNPが転写因子の結合部位を挿入あるいは削除する(Genomatix Suiteのインスペクター・ツールを用いて)ときは、星印が追加されている。太文字で記された三つのSNPは一番高いスコアを持ち、そのため、一番機能的である可能性がある。
全領域で観測された関連が、一つの独特な徴候を反映しているものなのか、あるいは他のSNP又はハプロタイプもそれ自体の関連を表わすのかどうか試験がなされ、リスクのある対立遺伝子はほとんど完全にお互いの代用となるという結論に達した。従って、少なくともこれら三つのSNPは、ハプロタイプがコントロールにおいて40%の頻度で誘導対立遺伝子(NCBIから)を結合するものであるという一つのユニークな関連を反映する可能性がある。
最近、概説されたとおり(Ott,2004)、特に事前研究において遺伝子関与の見込みが低い場合(fatsoもそうであるが)、誤りの結論を除外するため追加試料における関連データのレプリケーションが必要である。rs1421085及びrs17817449のSNPは非常に高い関連の証拠を示すと共に推定機能的であるため、これらの解析を行うため選択された。これらの解析において、すべてのp値は片側の値であった。
最初、1010名の非肥満のフランス人の個体(Hercberg et al., 1998)(SUVIMAXコホート、BMI<27kg/m2)から選択されたSNPの対立遺伝子頻度を736名の肥満の子供(平均年齢=11歳、BMI>第97パーセンタイル)と比較し、肥満早期発症との有意的な関連を発見した(rs1421085及びrs17817449はそれぞれOR=1.28[1.11−1.47]p=2x10-5及びOR=1.25[1.09−1.44]p=5x10-4)。それから532名の非肥満のフランス人の若い成人(Vu−Hong et al., 2006)(Haguenauコホート、平均年齢=21歳、BMI<25kg/m2)及びセントビンセント・ドゥ・ポール病院からの505名のフランス人の肥満の子供(BMI>第97パーセンタイル)(Le Fur et al, 2002)が解析された。再び、早期発症肥満との類似の関連が発見された(rs1421085及びrs17817449はそれぞれOR=1.47[1.23−1.75]p=1.17x10-5及びOR=1.52[1.28−1.81]p=1.82x10-6)。最後に700名の贅肉のない子供(平均年齢=11.7歳、BMIは第16パーセンタイルと第85パーセンタイルの間)及び283名の肥満の子供(平均年齢=11.7歳、BMI>第90パーセンタイル)がジェノタイプされた。両方ともドイツ人白人の血統を持つ者であった(Korner et al., 2007)。両方のSNPに関して関連が再び確認された(rs1421085及びrs17817449はそれぞれOR=1.69[1.38−2.06]p=3.46x10-7及びOR=1.65[1.35−2.01]p=1.23x10-6)。下記表4は、効果量推定を表わす。
mZBMI:標準偏差で表わしたBMIの平均
mAge:研究母集団における平均年齢
a:リスクのある対立遺伝子数に対してZBMIの回帰スロープにより推定された相加効果。
σ2 a:遺伝的変異(ここでは相加モデルからの逸脱なしと想定している)。全変異は1であるから、遺伝的変異は遺伝率に等しい。
GRR1:野生型ホモ接合体とヘテロ接合体の浸透度の間のジェノタイプリスク率
PAR:母集団寄与リスク
557名のスイス人の肥満度IIIの成人と541名のスイス人の匿名提供者もジェノタイプされ、更にfatsoと肥満の間の最初の関連が再現された(rs1421085及びrs17817449はそれぞれOR=1.26[1.07−1.49]p=0.0032及びOR=1.21[1.02−1.43]p=0.01)。注意したいことは、スイス人の肥満の被験者の対立遺伝子頻度は、フランス人の肥満の被験者(MAF=0.50)の最初の観測と一致したが、肥満テストを受けていないスイス人血液提供者コホートは、より高い対立遺伝子頻度(f=0.46対0.41)を示した。これはこの匿名個体グループにおける肥満の存在によって説明できる可能性がある。
各ステータスにおいて、各独立解析のp値を統合するフィッシャーの方法を用いて、全体的な有意性が評価された。SNPの間の相関関係を説明する一方、複数の試験を修正するため、各工程においてそれぞれ16.72回及び1.2回の有効試験(Nyholt, 2004)が使用された。肥満の関連の証拠を統合するメタ分析は高い有意性を示す結果が得られた(rs1421085及びrs17817449SNPそれぞれに対してp値=1.67x10-26及びp値=1.07x10-24)。
非検出の潜在的層別化効果を除外するため、これら二つのSNPはフランス人の肥満の子供及び肥満度IIIの肥満の成人両方の両親及び兄弟姉妹においてジェノタイプされた。rs1421085及びrs17817449のSNPの肥満「リスクのある」それぞれC及びG対立遺伝子が肥満の子供及び成人へ過伝達することが観測された(肥満の子供のrs1421085及びrs17817449に対してそれぞれ伝達%=57%、p値=1x10-4、及び伝達%=66%、p値=0.00045、そして肥満成人のrs1421085及びrs17817449に対してそれぞれ伝達%=57%、p値=2.5x10-4及び伝達%=62%、p値=0.005)。スエーデン系人で、肥満の重度が一致しない家族(少なくとも一人が肥満度IIIの肥満で、一人の兄弟姉妹が贅肉がない)154を含む追加のコホートが更に解析され、同対立遺伝子の肥満の子供への過伝達が同様に観測された(両方のSNPに対して伝達%=61%、p値=0.05)。これらの、家族を基盤とした三つの研究を統合した全体的有意性は2.8x10-6である。
更に、フランス人の子供時代の肥満の家族データセットの創始者において、両方のSNPに対して年齢と性別を加味したBMIとの非常に強い関連が発見された(rs1421085及びrs17817449に対してそれぞれβ=0.19[0.09−0.29]、p=8x10-5及びβ=0.17[0.07−0.27]、p=4x10-4)。すべてのレプリケーション結果は下記表5に示され、ジェノタイプカウントは上記表1に示されている。
各コホートの、ケース‐コントロール及び家族を基盤とする解析結果は上記表5のセクションA,B,及びDに示されている。関連解析は、肥満及び非肥満個体のジェノタイプ頻度を、ロジスティック回帰を使用して比較した。ORは、リスクのある対立遺伝子数によるリスク増加である。
セクションCにおいては、すべての成人と子供のケース‐コントロール研究を統合したメタ解析の有意性が示されている。各p値は、フィッシャー検定統計に加えられる前に、LDマトリックスで推測された効果試験の数を使用して修正されている。
セクションDは、三つの家族性試料における伝達(Tr)及び非伝達(Non Tr.)対立遺伝子の数を示す。
*p値は、最初の試料を除きすべて片側の値である。
**最初の子供時代の肥満研究の祖父母と両親のトリオを含む。
II.1.B:他の実験結果及び例:
ハプロタイプ・クラスタリング方法(Molitor et al., 2003)を使用して、根本原因変異体の局所化を制限するため、精細マッピング解析がなされた。2446名のコントロール及び1935名の肥満の成人及び子供を含む6933名の個体において、47kbの隣接ブロックを含む100kbにわたる39のSNPがジェノタイプされた(下記表6)。このデザインは、r2>0.8で、この領域において1%より高いMAFを示すすべてのHapMapのSNPを網羅する。
HapClusterプログラム(Waldron et al., 2006)を使用して得られた事後位置確率分布(図3)は、rs7206790、rs8047395、rs9940128、rs1421085をハイライトし、これらは又、有意性の高い関連の証拠を個別に示す(上記表6、2x10-12−5x10-16)。95%信頼区間の長さは20kb(chr16:52354480−52374503)であるが、90%及び75%信頼区間は、関心のある領域をそれぞれ16kb(chr16:52354480−52370450)及び9kb(chr16:52354480−52363464)に減少させる(図3)。
実際に、ヨーロッパ母集団において、rs1421085と高いLDr2>0.7にある、chr16:52344480‐5240000の区間にあるすべてのマーカーは、本発明の状況において関心の対象となるように思われる(表7)。
このように、この領域におけるLDが非常に高いにも関わらず、肥満のステータスとの関連における有意差がこの領域に沿って発見された。事後確率分布は、HapMap(www.hapmap.org)から検索された精細再統合データと一致する(図3)。
20kb領域で96の個体のシーケンスが行われた。これにより、新たな66のSNPが特定することができ(「単ヌクレオチド多型データベース」のdbSNPには報告されていないが)、それらは下記表8Aに、その位置によって記載されている。これらのSNPが今までに特定されなかったのは、少なくともヒトゲノムシーケンスアセンブリーのために使用された個体の数が、すべての頻度の高い遺伝的変異を検出するための統計的検定力を確実にするほど大きくないためである。ここで96の個体を使用することにより、初めて頻度の高いSNP(MAF>0.05)を発見するのに十分な力を持つ事ができた。上記に記載された再シーケンスの手順を通して確認された62のdbSNPは下記表8Bにリストされている。上記に記載された再シーケンスの手順を通して発見されなかった26のdbSNPは下記表8Cにリストされている。
これは、この領域において行われたシーケンス研究でも最大のものであるため(96の個体)、発明者は、新たなSNP(つまりdbSNPにもHapMapにもリストされていないもの)を特定することができたと共に、以前に特定されたSNP(dbSNP,HapMap、あるいは他の公開データベースのどれかでのSNP)を確認(あるいは棄却)することができた。すべてのSNP(確認されたものあるいは新たなもの)は、明確にされたリスクのあるSNP(rs1421085を含む)と強い連鎖不平衡(高いr2及び/あるいはD’)にあるため、本発明の範囲内にあることは注目すべきことである。
II.2:2型糖尿病研究の結果
下記表9は、2400名のコントロール(上記で説明された肥満研究に使用されたコントロールの一部)及びフランス人白人の血統を持つ2200名の2型糖尿病患者のケース・コントロール解析の結果を示す。
解析は、相加モデルのもとで行われた。
III. 結論

fatso(FTO)の機能は、ほとんど知られていない。FTOシンテニック合指症(Ft)のマイスヘテロ接合は、プログラム細胞死が影響を受けていることを示す前肢の部分的合指症と、巨大胸腺肥大症によって特徴づけられる。ホモ接合Ft/Ft胎芽は、妊娠中期において死亡し、頭蓋顔面構造の重大な奇形を示す。しかしながら、この物理的不活性は、同領域におけるいくつかの遺伝子が関与し、このためこれらのフェノタイプはFTO自体とは必ずしも関係していない。ヒトにおいて、小さな染色体複製が、fatso(FTO)位置を含む大きな染色体16q12.2領域において特定された(Stratakis et al., 2000)。知的障害、異形顔貌、及び指異常の他に、著者は一次的症状として肥満も報告している。fatso(FTO)位置変異も、最近フランス系カナダ人の高血圧症の家族におけるメタボリック症候群と若干相関があることが報告されている(Sede et al., 2005)。
FTO遺伝子発現は、いくつかのヒト組織、特に肥満に関して興味がある脳、脂肪組織などにおいて調査され、ヒトfatso遺伝子は、図2で示したように、試験された11のすべての組織で発現されていることが発見された。更に、マイクロアレイに基づく、Novartis Research FoundationのGenomics Institute (“GNF”/SymAtlas)の遺伝子発現データベースは、fatsoはヒト視床下部、下垂体、副腎に大いに発現されていることを示し、これは体重規制に関与するとみられる視床下部‐下垂体-副腎軸(HPA)で役割を果たしている可能性があることを示唆している(Su et al., 2004)(http://symatlas.gnf.org/SymAtlas/)。更に、タンパク質はその機能と生理的な役割を予知するのに役立つ特定された構造ドメインも(Peters et al., 1999)、他のタンパク質との、情報に基づくネットワークリンクも持たない(Ingenuity ソフトウェア・ツール)。
ここで、fatso(FTO)遺伝子座におけるいくつかの潜在機能的SNPはヨーロッパ母集団における肥満の早期発症及び重度の肥満に大いに関連していることが示されている。リスクのあるハプロタイプの高頻度によって説明される母集団寄与リスクの0.22という計算結果は、母集団肥満への推定重要効果を示すものである。これは、これまで肥満について報告された関連の中で一番有意性が高いように思われる(Lyon et al., 2007)。又、同SNPが2型糖尿病と大いに関連していることがここで示されている。
遺伝研究におけるほとんどの研究成果は偶然であるかもしれないが、最近事前研究の見込みが低い場合でも、強い関連の多重レプリケーションは、研究成果が真実であるという肯定的な予測価値を大いに増大することが示された(Moonesinghe et al., 2007)。この点において、fatsoは、そのグルコースホメオスタシスにおける役割は未だ未知ではあるが、肥満及び2型糖尿病に強く関与する遺伝子であるように思われる。
参考文献一覧
1. Peters, T., Ausmeier, K. & Ruther, U. Cloning of Fatso (Fto), a novel gene deleted by the Fused toes (Ft) mouse mutation. Mamm Genome 10, 983-6 (1999). 2. Meyre, D. et al. Variants of ENPP1 are associated with childhood and adult obesity and increase the risk of glucose intolerance and type 2 diabetes. Nat Genet 37, 863-7 (2005).
3. Siepel, A. et al. Evolutionary conserved elements in vertebrate, insect, worm, and yeast genomes. Genome Res 15, 1034-50 (2005).
4. King, D. C. et al. Evaluation of regulatory potential and conservation scores for detecting cis-regulatory modules in aligned mammalian genome sequences. Genome Res 15, 1051 -60 (2005).
5. Ott, J. Association of genetic loci: Replication or not, that is the question. Neurology 63, 955-8 (2004).
6. Hercberg, S. et al. A primary prevention trial using nutritional doses of antioxidant vitamins and minerals in cardiovascular diseases and cancers in a general population: the SU.VI.MAX study-design, methods, and participant characteristics. Supplementation en Vltamines et Mineraux AntioXydants. Control Clin Trials 19, 336-51
(1998).
7. Vu-Hong, T.A. et al. The INS VNTR locus does not associate with smallness for gestational age (SGA) but interacts with SGA to increase insulin resistance in young adults. J Clin Endocrinol Metab 91 , 2437-40 (2006).
8. Le Fur, S., Le Stunff, C. & Bougneres, P. Increased Insulin Resistance in Obese Children Who Have Both 972 IRS-1 and 1057 IRS-2 Polymorphisms. Diabetes 51 , S304-307 (2002).
9. Korner, A., Berndt, J., Stumvoll, M., Kiess, W. & Kovacs, P. TCF7L2-gene polymorphisms confer an increased risk for early
impairment of glucose metabolism and increased height in obese children. J CHn Endocrinol Metab (2007).
10. Nyholt, D. R. A simple correction for multiple testing for single- nucleotide polymorphisms in linkage disequilibrium with each other. Am J Hum Genet 74, 765-9 (2004).
11. Stratakis, CA. et al. Anisomastia associated with interstitial duplication of chromosome 16, mental retardation, obesity, dysmorphic facies, and digital anomalies: molecular mapping of a new syndrome by fluorescent in situ hybridization and microsatellites to 16q13 (D16S419-D16S503). J CHn Endocrinol
Metab 85, 3396-401 (2000).
12. Seda O, T.J., Merlo E, Gaudet D, Broeckel U, Bouchard G, Antoniol G, Brunelle P-L, Gurau A, Gossard F, Pintos J, Kotchen TA, Cowley AW, Hamet P. The Genomic Signatures of Hypertension. Hypertension 46, 875-887 (2005).
13. Lyon, H.N. et al. The association of a SNP upstream of INSIG2 with Body Mass Index is reproduced in several but not all cohorts. PLoS Genetics preprint, e61.eor (2007).
14. Moonesinghe, R., Khoury, M.J. & Janssens, A.C. Most published research findings are false-but a little replication goes a long way.
PLoS Med 4, e28 (2007).
15. Su et al. Proc Natl Acad Sci USA 101 , 6062-7 (2004).
16. Molitor, J., Marjoram, P. & Thomas, D. Fine-scale mapping of disease genes with multiple mutations via spatial clustering techniques. Am J Hum Genet 73, 1368-84 (2003).
17. Waldron, E. R., Whittaker, J.C. & Balding, D.J. Fine mapping of disease genes via haplotype clustering. Genet Epidemiol 30, 170-9 (2006).
18. Cole, T.J., Freeman, J.V. & Preece, M.A. Body mass index reference curves for the UK, 1990. Arch Dis Child 73, 25-9 (1995).
19. McVean, G.A. et al. The fine-scale structure of recombination rate variation in the human genome. Science 304, 581 -4 (2004).
20. Hudson, R. R. Two-locus sampling distributions and their application. Genetics 159, 1805-17 (2001 ).

Claims (15)

  1. 被験者における肥満及び/あるいは2型糖尿病のリスク評価及び/あるいは診断及び/あるいは予後のインビトロ方法であって、
    a)前記被験者からの核酸試料において、FTO遺伝子に関連した少なくとも一つのバイオマーカーを検出する工程と、
    b)工程a)で前記被験者から取得したバイオマーカーのデータを、健常者及び/または疾患患者からのバイオマーカーのデータと比較して、前記被験者における肥満及び/あるいは2型糖尿病のリスク評価及び/あるいは診断及び/あるいは予後を行う工程と、
    を少なくとも含む方法。
  2. 請求項1に記載された方法において、前記バイオメーカーの少なくとも一つが表2、表3、及び表6乃至9のいずれかにリストされている一塩基多型(SNP)のグループから選択されている方法。
  3. 請求項1に記載された方法において、前記バイオマーカーの少なくとも一つが表2、表3、及び表6乃至9のいずれかにリストされているグループから選択されたSNPの少なくとも一つに関連している多型部位である方法。
  4. 請求項1に記載された方法において、前記バイオマーカーの少なくとも一つが表2、表3、及び表6乃至9のいずれかにリストされているグループから選択されたSNPの少なくとも一つと完全連鎖不平衡の状態にある多型部位である方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載された方法において、前記方法が、肥満及び/あるいは2型糖尿病を発症するリスクがある、被験者を特定するためのものである方法。
  6. 請求項1乃至4のいずれかに記載された方法において、前記方法が、被験者において肥満及び/あるいは2型糖尿病を診断するためのものである方法。
  7. 請求項1乃至4のいずれかに記載された方法において、前記方法が、肥満及び/あるいは2型糖尿病を持つ被験者にとって効率が良く安全な療法を選択するためのものである方法。
  8. 請求項1乃至4のいずれかに記載された方法において、前記方法が、肥満及び/あるいは2型糖尿病を持つ被験者に施された療法の効果をモニタリングするためのものである方法。
  9. 請求項1乃至4のいずれかに記載された方法において、前記方法が、肥満及び/あるいは2型糖尿病の治療を必要とする被験者を治療するために施されたその療法の効果を予測するためのものである方法。
  10. 請求項1乃至4のいずれかに記載された方法において、前記方法が、肥満及び/あるいは2型糖尿病を発症するリスクのある被験者に施す効率が良く安全な予防療法を選択するためのものである方法。
  11. 請求項1乃至4のいずれかに記載された方法において、前記方法が、肥満及び/あるいは2型糖尿病を発症するリスクのある被験者に施された予防療法の効果をモニタリングするためのものである方法。
  12. 請求項1乃至4のいずれかに記載された方法において、前記方法が、リスクのある被験者における肥満及び/あるいは2型糖尿病を予防する療法の効果を予測するためのものである方法。
  13. 請求項1乃至12のいずれかに記載された方法において、表2、表3、表6乃至表9のいずれかにリストされている前記SNPの少なくとも一つがrs9940128、rs1421085、rs1121980、rs17817449、rs3751812、rs11075990、rs9941349、rs7206790、rs8047395、rs10852521、rs1477196、及びrs4783819から選択されている方法。
  14. 請求項13に記載された方法において、表2、表3、表6乃至表9のいずれかにリストされている前記SNPの少なくとも一つがrs9940128、rs1421085、rs1121980、rs3751812、rs7206790、rs8047395、及びrs17817449から選択されている方法。
  15. 請求項1乃至14のいずれかによるインビトロ方法に使用されるテストキットであって、
    a)被験者からの核酸試料中のFTO遺伝子と関連のある少なくとも一つのバイオマーカーのタイプ及び/あるいはレベルを評価する手段と、
    b)手段a)で評価された前記被験者からのバイオマーカーのデータを健常者及び/あるいは疾患患者からのバイオマーカーのデータと比較し、前記被験者の肥満及び/あるいは2型糖尿病のリスク評価及び/あるいは診断及び/あるいは予後を行う手段と、
    を適切な手段として含むテストキット。
JP2010501513A 2007-04-03 2008-04-03 肥満及び/あるいは2型糖尿病に関連するfto遺伝子多型 Pending JP2010523097A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US90982607P 2007-04-03 2007-04-03
EP07108984A EP1978107A1 (en) 2007-04-03 2007-05-25 Fto gene polymorphisms associated to obesity and/or type II diabetes
PCT/EP2008/054031 WO2008119838A1 (en) 2007-04-03 2008-04-03 Fto gene polymorphisms associated to obesity and/or type ii diabetes

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010523097A true JP2010523097A (ja) 2010-07-15

Family

ID=38230124

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010501513A Pending JP2010523097A (ja) 2007-04-03 2008-04-03 肥満及び/あるいは2型糖尿病に関連するfto遺伝子多型

Country Status (6)

Country Link
US (1) US20110123981A1 (ja)
EP (2) EP1978107A1 (ja)
JP (1) JP2010523097A (ja)
CN (1) CN101960019A (ja)
CA (1) CA2682839A1 (ja)
WO (1) WO2008119838A1 (ja)

Families Citing this family (26)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009117415A2 (en) * 2008-03-17 2009-09-24 Geisinger Clinic Genetic indicators of weight loss
US20140322370A1 (en) * 2009-07-01 2014-10-30 Natures Remedies Ltd. Kit and method for preventing or treating obesity
WO2013024173A1 (en) * 2011-08-17 2013-02-21 Technische Universität München Computer implemented method for identifying regulatory regions or regulatory variations
EP2898101A4 (en) 2012-09-21 2016-08-03 Ethicon Endo Surgery Inc CLINICAL PREDICTORS FOR WEIGHT LOSS
WO2014047388A1 (en) 2012-09-21 2014-03-27 Ethicon Endo-Surgery, Inc. Systems and methods for predicting metabolic and bariatric surgery outcomes
US10242756B2 (en) 2012-09-21 2019-03-26 Ethicon Endo-Surgery, Inc. Systems and methods for predicting metabolic and bariatric surgery outcomes
CN102912452A (zh) * 2012-09-28 2013-02-06 湖北维达健基因技术有限公司 一种用于体重控制的基因芯片、制备方法、使用方法及其试剂盒
WO2014134970A1 (en) * 2013-03-08 2014-09-12 The Chinese University Of Hong Kong New biomarker for type 2 diabetes
CN107075562B (zh) * 2014-09-30 2021-09-24 深圳华大基因科技有限公司 用于肥胖症相关疾病的生物标记物
WO2016049932A1 (en) * 2014-09-30 2016-04-07 Bgi Shenzhen Co., Limited Biomarkers for obesity related diseases
CN104480195A (zh) * 2014-10-16 2015-04-01 武汉白原科技有限公司 肥胖基因检测试剂盒
WO2016105535A2 (en) * 2014-12-24 2016-06-30 Massachusetts Institute Of Technology Compositions and methods for manipulation of adipocyte energy consumption regulatory pathway
WO2016178591A2 (en) 2015-05-05 2016-11-10 Gene Predit, Sa Genetic markers and treatment of male obesity
CN107256323B (zh) * 2016-09-05 2020-11-13 云健康基因科技(上海)有限公司 一种ⅱ型糖尿病风险评估模型的构建方法和构建系统
CN106868108A (zh) * 2017-01-13 2017-06-20 中山大学 一种检测FTOrs79206939基因多态性的引物及其PCR方法
CN109207524A (zh) * 2017-06-29 2019-01-15 南京尧顺禹生物科技有限公司 基于fto基因的人类肥胖症斑马鱼模型的建立与应用
CN108359729A (zh) * 2018-04-04 2018-08-03 良培基因生物科技(武汉)有限公司 用于检测肥胖风险位点的核酸序列、试剂盒及其检测方法
CN110628906A (zh) * 2018-06-25 2019-12-31 武汉菲思特生物科技有限公司 一种肥胖基因多态性检测试剂盒及其检测方法和应用
CN108949965B (zh) * 2018-08-22 2019-09-03 中国人民解放军军事科学院军事医学研究院 Snp标志物在ii型糖尿病诊断中的应用
CN108998542A (zh) * 2018-08-30 2018-12-14 上海佰臻生物科技有限公司 一种食欲能力基因评估方法
KR102114746B1 (ko) * 2018-11-29 2020-05-25 연세대학교 산학협력단 유전적 위험 점수를 이용한 비만 예후 또는 위험도를 평가하는 방법 및 키트
CN111467497B (zh) * 2020-05-09 2022-03-01 复旦大学附属中山医院 Fto作为靶点在治疗压力负荷性心肌损伤中的应用
CN112086130B (zh) * 2020-08-13 2021-07-27 东南大学 一种基于测序和数据分析的肥胖风险预测装置的预测方法
US20230278029A1 (en) * 2022-03-01 2023-09-07 Dnanudge Limited Multiplex cartridge for detection of viral nucleic acids and human or animal snps
CN114517230A (zh) * 2022-03-02 2022-05-20 深圳市南山区疾病预防控制中心 检测人类肥胖易感基因多态性的探针及试剂盒
CN114836476A (zh) * 2022-05-12 2022-08-02 上海交通大学医学院附属瑞金医院 一种FTO rs1421085 T>C点突变小鼠模型及其应用

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006063332A2 (en) * 2004-12-09 2006-06-15 Perlegen Sciences, Inc. Markers for metabolic syndrome obesity and insulin resistance
WO2007032496A1 (ja) * 2005-09-16 2007-03-22 The University Of Tokushima 2型糖尿病の発症リスクの判定方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1994018218A1 (en) * 1993-02-01 1994-08-18 Seq, Ltd. Methods and apparatus for dna sequencing
US20030092019A1 (en) * 2001-01-09 2003-05-15 Millennium Pharmaceuticals, Inc. Methods and compositions for diagnosing and treating neuropsychiatric disorders such as schizophrenia
WO2003101177A2 (en) * 2002-06-04 2003-12-11 Sequenom, Inc. Diagnosing predisposition to fat deposition and therapeutic methods for reducing fat deposition and treatment of associated conditions
US20050074799A1 (en) * 2003-08-15 2005-04-07 Affymetrix, Inc. Use of guanine analogs in high-complexity genotyping
EP1828410A2 (en) * 2004-12-13 2007-09-05 F. Hoffmann-Roche AG Single nucleotide polymorphism (snp) associated to type ii diabetes
EP1736553A1 (en) * 2005-06-17 2006-12-27 Centre National De La Recherche Scientifique ENPP1 (PC-1) gene haplotype associated with the risk of obesity and type 2 diabetes and their applications

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006063332A2 (en) * 2004-12-09 2006-06-15 Perlegen Sciences, Inc. Markers for metabolic syndrome obesity and insulin resistance
WO2007032496A1 (ja) * 2005-09-16 2007-03-22 The University Of Tokushima 2型糖尿病の発症リスクの判定方法

Non-Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6011032678; 別冊・医学のあゆみ , 2004, p.400-402 *
JPN6013009534; SCIENCE Vol.316, 200705, p.889-894 *
JPN6013009542; Nature Vol.445, 200702, p.881-885 *

Also Published As

Publication number Publication date
CN101960019A (zh) 2011-01-26
EP1978107A1 (en) 2008-10-08
US20110123981A1 (en) 2011-05-26
CA2682839A1 (en) 2008-10-09
EP2142674A1 (en) 2010-01-13
WO2008119838A1 (en) 2008-10-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2010523097A (ja) 肥満及び/あるいは2型糖尿病に関連するfto遺伝子多型
Barcellos et al. High-density SNP screening of the major histocompatibility complex in systemic lupus erythematosus demonstrates strong evidence for independent susceptibility regions
US8367333B2 (en) Genetic variants as markers for use in diagnosis, prognosis and treatment of eosinophilia, asthma, and myocardial infarction
US20130338012A1 (en) Genetic risk factors of sick sinus syndrome
IL199049A (en) Genetic markers for risk management in cardiac arrhythmias
WO2014074942A1 (en) Risk variants of alzheimer&#39;s disease
EP2451977A1 (en) Genetic markers associated with risk of diabetes mellitus
KR101722107B1 (ko) 한국인 당뇨 연관 유전변이를 이용한 유전적 위험도 기반의 당뇨 예측 방법
WO2008144940A1 (en) Biomarker for hypertriglyceridemia
JP2008525000A (ja) 統合失調症及び関連障害を治療するための組成物及び方法
US8574845B2 (en) Method for identifying an increased susceptibility to ulcerative colitis
JP5263919B2 (ja) メタボリック症候群の検査方法
WO2009103992A1 (en) Genetic variation associated with coeliac disease
WO2010033825A2 (en) Genetic variants associated with abdominal aortic aneurysms
KR20150092937A (ko) 한국인의 고혈압 예측용 snp 마커
US20100105057A1 (en) Human diabetes susceptibility tnfrsf10d gene
WO2009036513A1 (en) Diagnostic and therapeutic protocols
Mueller Technologies for diabetes genomics
Al-Saud The genetics of obesity in Saudi Arabian population
Chikowore Evaluation of common genetic variants associated with type 2 diabetes susceptibility in a black South African population
Mistry Uncovering rare genetic variants predisposing to coeliac disease
Cunnington Investigation of the mechanisms mediating genetic susceptibility to cardiovascular disease on chromosomes 9p21 and 2q24
Barr et al. XIII World Congress on Psychiatric Genetics 2005 Sponsored by
US20100285459A1 (en) Human Diabetes Susceptibility TNFRSF10A gene
Mondal et al. Updates on Mapping Quantitative Trait Loci: Allelic expression imbalance screening of genes in chromosome 1q21–24 region to identify functional variants for Type 2 diabetes susceptibility

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110317

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130305

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20130529

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20130605

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20130612

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20130619

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20131112