JP2010521432A - ジクロロ−フルオロ−トリフルオロメチルベンゼンの混合物を用いた2,6−ジクロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニルヒドラジンの調製方法 - Google Patents

ジクロロ−フルオロ−トリフルオロメチルベンゼンの混合物を用いた2,6−ジクロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニルヒドラジンの調製方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、式Iの2,6-ジクロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニルヒドラジン:
【化1】
Figure 2010521432

の調製方法に関し、
上記方法において、1,3-ジクロロ-2-フルオロ-5-トリフルオロメチルベンゼンおよび1,2-ジクロロ-3-フルオロ-5-トリフルオロメチルベンゼンを含む混合物を、ヒドラジン、ヒドラジン水和物またはヒドラジンの酸付加塩から選択されるヒドラジン供給源と、場合により少なくとも1種の有機溶媒の存在下で反応させる。
【選択図】なし

Description

本発明は、ジクロロ-フルオロ-トリフルオロメチルベンゼンの混合物を出発物質として使用する、式Iの2,6-ジクロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニルヒドラジン:
Figure 2010521432
の調製方法に関する。
式Iの2,6-ジクロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニルヒドラジン(別名:1-[2,6-ジクロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]ヒドラジン)は、種々の農薬の調製のための重要な中間生成物である(例えば、WO 00/59862、EP-A 0 187 285、WO 00/46210、EP-A 096645、EP-A 0954144およびEP-A 0952145を参照)。
式Iの2,6-ジクロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニルヒドラジンの調製については、多くの方法が知られている。
EP-A 0 187 285には、ピリジン中で3,4,5-トリクロロトリフルオロメチル-ベンゼンとヒドラジン水和物を115〜120℃の温度で反応させることによる、2,6-ジクロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニルヒドラジンの調製が記載されている(調製例1を参照)。
しかしながら、この方法は比較的高温で行わねばならず、選択性が制限される。さらに、異性体の融点が非常に近いために、3,4,5-トリクロロトリフルオロメチル-ベンゼンの変換により得られる反応混合物は、面倒で困難な異性体からの所望の最終生成物の分離を必要とする。
WO 00/59862 EP-A 0 187 285 WO 00/46210 EP-A 096645 EP-A 0954144 EP-A 0952145
したがって、本発明の目的は、式Iの2,6-ジクロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニルヒドラジンの改善された調製方法を提供すること、特に、穏やかな温度で行うことができ、より高い選択性、さらには反応混合物からの所望の最終生成物のより容易な分離および単離を可能にする方法を見出すことである。
本発明の目的は、式IIの1,3-ジクロロ-2-フルオロ-5-トリフルオロメチルベンゼン:
Figure 2010521432
および式IIIの1,2-ジクロロ-3-フルオロ-5-トリフルオロメチルベンゼン:
Figure 2010521432
を含む混合物(以下、単純に「混合物」とも呼ぶ)
を、ヒドラジン、ヒドラジン水和物およびヒドラジンの酸付加塩から選択されるヒドラジン供給源と、場合により少なくとも1種の有機溶媒(A)の存在下で反応させ、式Iの2,6-ジクロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニルヒドラジンを得る、式Iの2,6-ジクロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニルヒドラジンの調製方法により達成される。
驚くべきことに、出発物質として本明細書に定義される混合物を使用することにより、従来の方法と比較してより穏やかな条件下で、混合物中に存在する式IIの1,3-ジクロロ-2-フルオロ-5-トリフルオロメチルベンゼンを選択的に変換し、反応混合物から所望の最終生成物をより容易に分離および単離して、式Iの2,6-ジクロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニルヒドラジンを得ることができることが見出された。
一般に、ヒドラジン供給源は、混合物中に存在する式IIの1,3-ジクロロ-2-フルオロ-5-トリフルオロメチルベンゼンのモル量に対して、少なくとも等モル量で、またはわずかに過剰に使用する。混合物中に存在する1モルの式IIの1,3-ジクロロ-2-フルオロ-5-トリフルオロメチルベンゼンに対して、1〜6モル、特に1〜4モル、より好ましくは1〜3モルのヒドラジン供給源を使用することが好ましい。
好ましい実施形態では、混合物はヒドラジン水和物と反応させる。ヒドラジン水和物の量は一般に、混合物中に存在する1モルの式IIの1,3-ジクロロ-2-フルオロ-5-トリフルオロメチルベンゼンに対して、1〜6モル、特に1〜4モル、より好ましくは1〜3モルである。
用語「ヒドラジンの酸付加塩」は、鉱酸などの強酸から形成されるヒドラジン塩(例えば硫酸ヒドラジンおよび塩酸ヒドラジン)を指す。
混合物中の式IIの1,3-ジクロロ-2-フルオロ-5-トリフルオロメチルベンゼンと式IIIの1,2-ジクロロ-3-フルオロ-5-トリフルオロメチルベンゼンのモル比は通常、3:1〜9:1、特に3.2:1〜9:1、より好ましくは3.3:1〜9:1である。
好ましい実施形態では、混合物は、65〜98重量%、特に70〜95重量%、より好ましくは70〜90重量%の式IIの1,3-ジクロロ-2-フルオロ-5-トリフルオロメチルベンゼンおよび2〜35重量%、特に5〜30重量%、より好ましくは10〜30重量%の式IIIの1,2-ジクロロ-3-フルオロ-5-トリフルオロメチルベンゼンを含む(全ての重量パーセントは混合物の全重量に基づく)。
本発明の方法は原則的にバルク中で、好ましくは少なくとも1種の有機溶媒(A)の存在下で行うことができる。
好適な有機溶媒(A)は実質的には全ての不活性有機溶媒であり、以下のものが含まれる:環状または脂肪族エーテル、例えばジメトキシエタン、ジエトキシエタン、ビス(2-メトキシエチル)エーテル(ジグリム(diglyme))、トリエチレングリコールジメチルエーテル(トリグリム(triglyme))、ジブチルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン等;芳香族炭化水素、例えばトルエン、キシレン(オルト-キシレン、メタ-キシレンおよびパラ-キシレン)、エチルベンゼン、メシチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、アニソール等;アルコール、例えばメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール等;第3級C1-C4アルキルアミン、例えばトリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等;複素環式芳香族化合物、例えばピリジン、2-メチルピリジン、3-メチルピリジン、5-エチル-2-メチルピリジン、2,4,6-トリメチルピリジン(コリジン)、ルチジン(2,6-ジメチルピリジン、2,4-ジメチルピリジンおよび3,5-ジメチルピリジン)、4-ジメチルアミノピリジン等;および上記の溶媒の任意の混合物。
好ましい有機溶媒(A)は、環状エーテル(特に上に定義したもの)、アルコール(特に上に定義したもの)、芳香族炭化水素(特に上に定義したもの)および複素環式芳香族化合物(特に上に定義したもの)、ならびにそれらの任意の混合物である。より好ましくは、有機溶媒(A)は、環状エーテル(特に上に定義したもの)および芳香族炭化水素(特に上に定義したもの)、ならびにそれらの任意の混合物から選択される。
驚くべきことに、非極性溶媒、弱極性溶媒、極性プロトン性溶媒および極性非プロトン性溶媒を含む多様な有機溶媒(A)を本発明の方法に使用することができる。
好ましい実施形態では、25℃の温度において12以下、好ましくは8以下の誘電率を有する非極性または弱極性の有機溶媒を、本発明の方法における有機溶媒(A)して使用する。このような非極性または弱極性の有機溶媒は、当業者に公知の種々の有機溶媒、特に上に挙げたものから選択することができる。上記の要件を満たす有機溶媒(A)の具体的な例には、芳香族炭化水素、特にトルエン(25℃で2.38の誘電率を有する)、および環状エーテル、特にテトラヒドロフラン(25℃で7.58の誘電率を有する)が含まれる。
好ましい有機溶媒(A)は、芳香族炭化水素、特に上に挙げたものおよびそれらの任意の混合物である。芳香族炭化水素の中でトルエンが最も好ましい。
複素環式芳香族化合物の有機溶媒(A)、特に上に挙げたものおよびそれらの任意の混合物、最も好ましくはピリジンを使用することも好ましい。
最も好ましい有機溶媒(A)は、環状エーテル、特に4〜8炭素原子を有する環状エーテル、より好ましくはテトラヒドロフランである。
有機溶媒(A)は一般に、混合物中に存在する1モルの式IIの1,3-ジクロロ-2-フルオロ-5-トリフルオロメチルベンゼンに対して、1〜20モル、特に2〜15モル、より好ましくは3〜10モルの量で使用する。
本発明の方法は、反応混合物の沸点以下の温度で行うことができる。有利には、本方法は、60℃未満など予想外に低い温度で行うことができる。好ましい温度範囲は、0℃〜60℃、より好ましくは10℃〜55℃、さらにより好ましくは15℃〜50℃、さらにより好ましくは15℃〜45℃、さらにより好ましくは20℃〜40℃、最も好ましくは20℃〜30℃である。
混合物とヒドラジン供給源との反応は、減圧、常圧(すなわち大気圧)または加圧下で行うことができる。ほぼ大気圧で反応を行うことが好ましい。
反応時間は広範囲で変化し得、例えば、反応温度、有機溶媒(A)、ヒドラジン供給源およびそれらの量などの種々の要因に依存する。反応に必要な反応時間は一般に、1〜120時間、好ましくは1〜24時間の範囲にある。
式IIの1,3-ジクロロ-2-フルオロ-5-トリフルオロメチルベンゼンおよび式IIIの1,2-ジクロロ-3-フルオロ-5-トリフルオロメチルベンゼンを含む混合物ならびにヒドラジン供給源は、任意の好適な方法で互いに接触させることができる。しばしば、混合物を最初に、場合により所望の有機溶媒とともに反応容器に入れ、次いでヒドラジン供給源を得られた混合物に加えることが有利である。
反応混合物は後処理することができ、式Iの2,6-ジクロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニルヒドラジンは、洗浄、抽出、沈殿、結晶化および蒸留などの公知の方法により、該反応混合物から単離することができる。
所望により、式Iの2,6-ジクロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニルヒドラジンは、当技術分野において公知の技術、例えば蒸留、再結晶等を用いることにより、単離した後に精製することができる。
混合物中に存在する式IIの1,3-ジクロロ-2-フルオロ-5-トリフルオロメチルベンゼンの変換率は通常、50%、特に70%、より好ましくは80%、さらにより好ましくは90%を超える。
変換率は通常、反応溶液から採取した試料のガスクロマトグラフィーアッセイにおけるシグナルの面積-%(以下、「GC面積-%」とも呼ぶ)を評価することにより測定する。本発明の目的で、変換率は、最初の反応混合物においてアッセイした式IIの1,3-ジクロロ-2-フルオロ-5-トリフルオロメチルベンゼンのGC面積-%に対する、最初の反応混合物においてアッセイした式IIの1,3-ジクロロ-2-フルオロ-5-トリフルオロメチルベンゼンのGC面積-%から反応終了後の反応混合物においてアッセイした変換されていない式IIの1,3-ジクロロ-2-フルオロ-5-トリフルオロメチルベンゼンのGC面積-%を引いた差の比率として定義される(該比率は100をかけることによりパーセント変換率とする)。
混合物中に含まれる式IIの1,3-ジクロロ-2-フルオロ-5-トリフルオロメチルベンゼンおよび式IIIの1,2-ジクロロ-3-フルオロ-5-トリフルオロメチルベンゼンは公知の化合物であり、EP-A 0 034 402、US 4,388,472、US 4,590,315、Journal of Fluorine Chemistry, 30 (1985), pp. 251-258、EP-A 0 187 023(実施例6を参照)に記載される方法などの公知の方法により、または類似の方法で調製することができる。
好ましい実施形態では、混合物は、式IVの1,2,3-トリクロロ-5-トリフルオロメチルベンゼン:
Figure 2010521432
をフッ素化剤と、場合により少なくとも1種の有機溶媒(B)の存在下で反応させることにより得られる。
式IVの1,2,3-トリクロロ-5-トリフルオロメチルベンゼンは公知の化合物であり、公知の方法(例えばDE-OS 2 644 641およびUS 2,654,789を参照)により調製することができる。
式IVの1,2,3-トリクロロ-5-トリフルオロメチルベンゼンとフッ素化剤との反応は、本明細書において「フッ素-塩素交換」とも呼ぶ。
好適なフッ素化剤の例は、アルカリ金属フッ化物(例えばフッ化カリウム、フッ化ナトリウムおよびフッ化セシウム)、アルカリ土類金属フッ化物(例えばフッ化カルシウム)、およびそれらの混合物である。アルカリ金属フッ化物、特にフッ化カリウムを使用することが好ましい。アルカリ金属フッ化物および/またはアルカリ土類金属フッ化物は、噴霧乾燥された形態または結晶形態で使用することができる。
別の実施形態では、本発明は、式IIの1,3-ジクロロ-2-フルオロ-5-トリフルオロメチルベンゼンおよび式IIIの1,2-ジクロロ-3-フルオロ-5-トリフルオロメチルベンゼンを含む混合物の調製方法に関し、該方法において、式IVの1,2,3-トリクロロ-5-トリフルオロメチルベンゼンをフッ素化剤と、場合により少なくとも1種の有機溶媒(B)の存在下で反応させ、該フッ素化剤は、アルカリ金属フッ化物、アルカリ土類金属フッ化物、およびそれらの混合物から選択される。好ましいアルカリ金属フッ化物または好ましいアルカリ土類金属フッ化物は上に挙げたものと同一である。アルカリ金属フッ化物、特にフッ化カリウムを使用することがさらに好ましい。アルカリ金属フッ化物および/またはアルカリ土類金属フッ化物も同様に、噴霧乾燥された形態または結晶形態で使用することができる。
わずかに過剰のフッ素化剤を使用してフッ素-塩素交換を行うことが好ましい。フッ素化剤の量は一般に、1モルの式IVの1,2,3-トリクロロ-5-トリフルオロメチルベンゼンに対して、1.05〜2.0モル、特に1.1〜1.5モル、より好ましくは1.15〜1.3モルである。
式IVの1,2,3-トリクロロ-5-トリフルオロメチルベンゼンとフッ素化剤との反応は原則的にバルク中で、好ましくは少なくとも1種の有機溶媒(B)の存在下、より好ましくは不活性有機溶媒(B)中無水条件下で行うことができる。使用することができる好適な有機溶媒(B)には、例えば、芳香族炭化水素、例えばトルエン、オルト-キシレン、メタ-キシレン、パラ-キシレン等;ハロゲン化芳香族炭化水素、例えばクロロベンゼン;ジアルキルスルホキシド、例えばジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジプロピルスルホキシド、ジオクチルスルホキシド等;アルキレン尿素、例えばN,N’-ジメチルエチレン尿素(DMEU)、N,N’-ジメチルプロピレン尿素(DMPU)等;カルボン酸アミド、例えばN,N-ジアルキルホルムアミド(例えばN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジエチルホルムアミド等)、およびN,N-ジアルキルアセトアミド(例えばN,N-ジメチルアセトアミド(DMA));ジアルキルスルホン、例えばジメチルスルホン、ジエチルスルホン等;ジアリールスルホン、例えばジフェニルスルホン;N-アルキル2-ピロリドン、例えばN-メチル2-ピロリドン(NMP);テトラヒドロチオフェン-1,1-ジオキシド(スルホラン);および上記の溶媒の任意の混合物が含まれる。N,N’-ジメチルエチレン尿素(DMEU)、N,N’-ジメチルプロピレン尿素(DMPU)、N-メチル2-ピロリドン(NMP)、テトラヒドロチオフェン-1,1-ジオキシド(スルホラン)、およびそれらの任意の混合物が特に好ましい。
一般に、フッ素-塩素交換は、3〜16時間の範囲の期間にわたって行うことができる。
フッ素-塩素交換は一般に、90℃〜315℃の温度で行う。アルカリ金属フッ化物および/またはアルカリ土類金属フッ化物をフッ素化剤として使用する好ましい実施形態では、温度範囲は100℃〜300℃、好ましくは170℃〜230℃である。
本発明の方法の別の実施形態では、フッ素-塩素交換は、相間移動触媒の存在下で行うことが好ましい。
ハロゲン-フッ素交換反応(ハレックス反応(halex reaction)としても知られる)にこれまで使用されてきた相間移動触媒は、例えば、第4級アルキルアンモニウムまたはアルキルホスホニウム塩(US 4,287,374)、ピリジニウム塩(WO 87/04194)、クラウンエーテルまたはテトラフェニルホスホニウム塩(J. H. Clarkら, Tetrahedron Letters 28, 1987, 111〜114ページ)、グアニジニウム塩、アミノホスホニウム塩およびポリアミノホスファゼニウム(phosphazenium)塩(例えば、US 5,824,827、WO 03/101926、EP-A 1 070 723、EP-A 1 070 724、EP-A 1 266 904およびUS 2006/0241300を参照)である。
本発明の目的に好適な相間移動触媒の例には、第4級アンモニウム塩、第4級ホスホニウム塩、グアニジニウム塩、ピリジニウム塩、クラウンエーテル、ポリグリコールおよびそれらの混合物が含まれる。
また、1以上の次式(Va)、(Vb)および(Vc)の化合物:
Figure 2010521432
[式中、式VaおよびVbにおいて、R1はC1-C4アルキルであり、R2およびR3はともに-CH2-CH2-または-CH2-CH2-CH2-を表し、R4はC1-C4アルキルであり、式Vcにおいて、R1およびR2は両方ともC1-C4アルキルである]を使用することができる。
上に使用した用語「C1-C4アルキル」は、1〜4炭素原子を有する直鎖状または分岐鎖状の脂肪族アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチルおよびtert-ブチルを指す。
第4級アンモニウム塩の具体的な例は、ベンジルトリブチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジメチルジステアリルアンモニウムビスルフェート、ジメチルジステアリルアンモニウムメトスルフェート、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、メチルトリブチルアンモニウムクロリド、メチルトリブチルアンモニウム水素スルフェート、メチルトリカプリリルアンモニウムクロリド、メチルトリオクチルアンモニウムクロリド、ミリスチルトリメチルアンモニウムブロミド、フェニルトリメチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムボロハイドライド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムフルオリド、テトラブチルアンモニウム水素スルフェート、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヨージド、テトラブチルアンモニウムペルクロラート、テトラエチルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムブロミド、テトラヘキシルアンモニウムヨージド、テトラメチルアンモニウムブロミド、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムフルオリド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラメチルアンモニウムヨージド、テトラオクチルアンモニウムブロミド、テトラプロピルアンモニウムブロミド、テトラプロピルアンモニウムクロリド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルメチルアンモニウムクロリド、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド、およびそれらの任意の混合物である。
好適なグアニジニウム塩は、例えば、ヘキサ-C1-C6-アルキルグアニジニウムクロリド、ヘキサ-C1-C6-アルキルグアニジニウムブロミドおよびそれらの任意の混合物である。
第4級ホスホニウム塩の具体例には、ベンジルトリフェニルホスホニウムブロミド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロリド、ブチルトリフェニルホスホニウムブロミド、ブチルトリフェニルホスホニウムクロリド、エチルトリフェニルホスホニウムアセテート、エチルトリフェニルホスホニウムブロミド、エチルトリフェニルホスホニウムヨージド、メチルトリフェニルホスホニウムブロミド、テトラブチルホスホニウムブロミド、テトラフェニルホスホニウムブロミド、テトラキスジエチルアミノホスホニウムブロミド、およびそれらの任意の混合物が含まれる。
ピリジニウム塩の具体的な例は、セチルピリジニウムブロミド、セチルピリジニウムクロリド、およびそれらの任意の混合物である。
クラウンエーテルの例は、18-クラウン-6、ジベンゾ-18-クラウン-6(例えばAliplex DB186(登録商標))、およびそれらの任意の混合物である。
ポリグリコールの具体例には、式(VI)のグリコールジエーテル:
CH3(OCH2 CH2)n OCH3 (VI)
[式中、nは1〜50の整数を表す]、特にモノエチレングリコールジメチルエーテル(モノグリム(monoglyme))、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム(diglyme))、トリエチレングリコールジメチルエーテル(トリグリム(triglyme))、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(テトラグリム(tetraglyme))、nが4〜5である式VIのグリコールジエーテル(例えばポリグリコールDME 200(登録商標)、Clariant)、nが3〜8である式VIのグリコールジエーテル(例えばポリグリコールDME 250(登録商標)、Clariant)、nが6〜16である式VIのグリコールジエーテル(例えばポリグリコールDME 500(登録商標)、Clariant)、nが22である式VIのグリコールジエーテル(例えばポリグリコールDME 1000(登録商標)、Clariant)、およびnが44である式VIのグリコールジエーテル(例えばポリグリコールDME 2000(登録商標)、Clariant)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル(ブチルジグリム(butyl diglyme))、ポリエチレングリコールジブチルエーテル、特に300の分子量を有するポリエチレングリコールジブチルエーテル(例えばポリグリコールBB 300(登録商標)、Clariant)、ならびにそれらの任意の混合物が含まれる。
好ましい実施形態では、相間移動触媒は、第4級アンモニウム塩および第4級ホスホニウム塩、好ましくは第4級ホスホニウム塩、より好ましくは第4級ホスホニウムブロミドから選択され、特にテトラフェニルホスホニウムブロミドである。
市販されていない場合、上記の相間移動触媒は、例えばUS 4,287,374、WO 87/04194、J. H. Clarkら, Tetrahedron Letters 28, 1987, 111〜114ページ、US 5,824,827、WO 03/101926、EP-A 1 070 723、EP-A 1 070 724、EP-A 1 266 904およびUS 2006/0241300に記載される方法により、または類似の方法で、当技術分野において周知の方法により調製することができる。
相間移動触媒の量は一般に、1モルの式IVの1,2,3-トリクロロ-5-トリフルオロメチルベンゼンに対して、0.01〜0.02モル、特に0.01〜0.1モル、より好ましくは0.01〜0.05モルである。
有利には、フッ素-塩素交換は、特にN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)および/またはN-メチル2-ピロリドン(NMP)を有機溶媒(B)として使用する場合、還元防止剤(reduction inhibitor)の存在下で行う。還元防止剤は、式IVの1,2,3-トリクロロ-5-トリフルオロメチルベンゼンに対して化学量論量未満で使用する。好適な還元防止剤は、例えば、1,3-ジニトロベンゼン、1-クロロ-3-ニトロベンゼン、4-クロロニトロベンゼン、およびそれらの任意の混合物である。
好ましくは、反応混合物はフッ素-塩素交換後に後処理し、混合物は、洗浄、抽出および蒸留などの従来の方法を用いて反応混合物から単離することができる。所望により、混合物は、当技術分野において公知の技術、例えば蒸留、再結晶等を用いることにより、単離した後に精製することができる。フッ素化生成物が液体であるため、好ましい精製技術は蒸留である。好ましい実施形態では、得られるフッ素化生成物を反応中に留去する。蒸留によるフッ素化生成物の取り出しは、好ましくは減圧下(減圧蒸留)で行う。
反応混合物は、有機溶媒の蒸留により、または共溶媒の共沸蒸留により直接乾燥することができる。好ましくは、芳香族炭化水素および/またはハロゲン化芳香族炭化水素を共溶媒として使用する。トルエン、オルト-キシレン、メタ-キシレン、パラ-キシレン、クロロベンゼンまたはそれらの任意の混合物が好ましく、トルエンが最も好ましい。
本発明の好ましい実施形態は、以下のステップ:
a)式IVの1,2,3-トリクロロ-5-トリフルオロメチルベンゼンを本明細書に定義されるフッ素化剤と、場合により少なくとも1種の本明細書に定義される有機溶媒(B)の存在下で反応させて、式IIの1,3-ジクロロ-2-フルオロ-5-トリフルオロメチルベンゼンおよび式IIIの1,2-ジクロロ-3-フルオロ-5-トリフルオロメチルベンゼンを含む混合物を得るステップ、ならびに
b)ステップ(a)から得られた混合物と本明細書に定義されるヒドラジン供給源を、場合により少なくとも1種の本明細書に定義される有機溶媒(A)の存在下で反応させて、式Iの2,6-ジクロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニルヒドラジンを得るステップ
を含んでなる式Iの2,6-ジクロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニルヒドラジンの調製方法に関する。
本明細書に定義されるステップ(a)および(b)は、別々にまたはワンポット法で(すなわちステップ(a)から得られた混合物を単離することなく)行うことができる。
好ましい実施形態と他の好ましい実施形態との組み合わせは、本発明の範囲内にある。
本発明の方法は、2,6-ジクロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニルヒドラジンの調製にこれまで用いられた方法に対して多くの利点を有する。特に、本明細書に定義される混合物を出発物質として用いることにより、従来の方法と比較してより穏やかな条件下で、混合物中に存在する式IIの1,3-ジクロロ-2-フルオロ-5-トリフルオロメチルベンゼンを選択的に変換して、所望の最終生成物を得ることができることが示された。所望の最終生成物は、変換されない式IIIの1,2-ジクロロ-3-フルオロ-5-トリフルオロメチルベンゼンから容易に分離することができる。さらに、本発明の方法は、安価に製造することができる工業等級の式IIの1,3-ジクロロ-2-フルオロ-5-トリフルオロメチルベンゼンを使用することができる。具体的には、1,3-ジクロロ-2-フルオロ-5-トリフルオロメチルベンゼンから分離するのが困難な異性体の式IIIの1,2-ジクロロ-3-フルオロ-5-トリフルオロメチルベンゼンに対して、高純度の1,3-ジクロロ-2-フルオロ-5-トリフルオロメチルベンゼンを使用する必要がない。さらに、多様な溶媒中で穏やかな反応条件下、高い変換率が達成される。さらに、テトラヒドロフランなどの環状エーテルの使用、およびわずかに過剰なヒドラジンの使用は、従来技術に対して利点を提供する。これにより、原料費が節減され、廃棄物処理の労力も軽減される。要するに、本発明の方法は、式Iの2,6-ジクロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニルヒドラジンへのより経済的かつ工業的で、なおかつより実現可能なルートを提供する。
以下の実施例は本発明の方法を説明するものであるが、本発明の方法を制限することを意図するものではない。本発明を以下の比較例(本発明でない)によりさらに説明する。
実施例1:式IIの1,3-ジクロロ-2-フルオロ-5-トリフルオロメチルベンゼンおよび式IIIの1,2-ジクロロ-3-フルオロ-5-トリフルオロメチルベンゼンを含む混合物の調製
23 g(0.396 mol)KF、12.8 g(0.03 mol)PPh4Br、91.2 g スルホランおよび152 ml トルエンを500 ml反応器中で混合した。トルエンを減圧下で留去した(140℃、60mbar;水の共沸除去)。100℃に冷却した後、76 g(0.305 mol)1,2,3-トリクロロ-5-トリフルオロメチルベンゼンを加え、得られた混合物を、190℃で15時間、減圧下(100 mbar)で加熱した。1,3-ジクロロ-2-フルオロ-5-トリフルオロメチルベンゼンおよび1,2-ジクロロ-3-フルオロ-5-トリフルオロメチルベンゼンの混合物を、カラムを介して同時に蒸留した。2つの蒸留画分を得、これらは31% GC面積-%の生成混合物、1% GC面積-%のジフルオロ化合物および6.6% GC面積-%の遊離体1,2,3-トリクロロ-5-トリフルオロメチルベンゼンを含んだ。混合物の同定は、GC/MS分光分析および19F-NMR分光法により決定した。
比較例1:1,2,3-トリクロロ-5-トリフルオロメチルベンゼン(3,4,5-トリクロロベンゾトリフルオリド)とテトラフェニルホスホニウム水素ジフルオリド(テトラフェニルホスホニウムビフルオリド)との反応
1.12 g(0.0029 mol)のテトラフェニルホスホニウム水素ジフルオリドを8.08 g(0.03 mol)の1,2,3-トリクロロ-5-トリフルオロメチルベンゼンに加え、得られた混合物を還流下で2時間加熱した。反応混合物を冷却し、水に溶解した。生成物をメチルtert-ブチルエーテルで抽出した。変換率を、ガスクロマトグラフィー分析により決定した。0.15 GC面積-%の式IIの1,3-ジクロロ-2-フルオロ-5-トリフルオロメチルベンゼン、0.04 GC面積-%の式IIIの1,2-ジクロロ-3-フルオロ-5-トリフルオロメチルベンゼン、および91.06% GC面積-%の遊離体1,2,3-トリクロロ-5-トリフルオロメチルベンゼンを得た。
比較例2:1:1化学量論の反応物を用いた、1,2,3-トリクロロ-5-トリフルオロメチルベンゼン(3,4,5-トリクロロベンゾトリフルオリド)とテトラフェニルホスホニウム水素ジフルオリド(テトラフェニルホスホニウムビフルオリド)との反応
1.12 g(0.0029 mol)のテトラフェニルホスホニウム水素ジフルオリドを0.75 g(0.003 mol)の1,2,3-トリクロロ-5-トリフルオロメチルベンゼンに加え、得られた混合物を還流下で2時間加熱した。反応混合物を冷却し、水に溶解した。生成物をメチルtert-ブチルエーテルで抽出した。変換率を、ガスクロマトグラフィー分析により決定した。14.2 GC面積-%の式IIの1,3-ジクロロ-2-フルオロ-5-トリフルオロメチルベンゼン、4.2 GC面積-%の式IIIの1,2-ジクロロ-3-フルオロ-5-トリフルオロメチルベンゼン、および44.6 GC面積-%の遊離体1,2,3-トリクロロ-5-トリフルオロメチルベンゼンを得た。
実施例2:式Iの2,6-ジクロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニルヒドラジンの調製
7 gの、73.3 wt-%の式IIの1,3-ジクロロ-2-フルオロ-5-トリフルオロメチルベンゼン(22 mmol)および21.5 wt-%の式IIIの1,2-ジクロロ-3-フルオロ-5-トリフルオロメチルベンゼン(6 mmol)を含む実施例1で得た混合物を、15 gのテトラヒドロフラン(208 mmol)に溶解した。この溶液に、3.6 g(72 mmol)のヒドラジン水和物(100%)を加えた。得られた混合物を25℃で24時間撹拌した。その後、21.8 gの有機層を分離し、これにはテトラヒドロフラン中の23.3 wt-%溶液として生成物2,6-ジクロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニルヒドラジンが含まれた。これは、利用できる1,3-ジクロロ-2-フルオロ-5-トリフルオロメチルベンゼンに基づいて94.1%の収率が得られたことを意味した。有機層は、さらに0.5 wt-%の2,3-ジクロロ-5-トリフルオロメチル)フェニルヒドラジンを含んだ。これは、利用できる1,2-ジクロロ-3-フルオロ-5-トリフルオロメチルベンゼンの7%が異性体のフェニルヒドラジンに変換されたことを意味した。生成物の同定は、比較試料に基づくGCアッセイから推定した。

Claims (18)

  1. 式Iの2,6-ジクロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニルヒドラジン:
    Figure 2010521432
    の調製方法であって、
    式IIの1,3-ジクロロ-2-フルオロ-5-トリフルオロメチルベンゼン:
    Figure 2010521432
    および式IIIの1,2-ジクロロ-3-フルオロ-5-トリフルオロメチルベンゼン:
    Figure 2010521432
    を含む混合物を、ヒドラジン、ヒドラジン水和物またはヒドラジンの酸付加塩から選択されるヒドラジン供給源と、場合により少なくとも1種の有機溶媒(A)の存在下で反応させて式Iの2,6-ジクロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニルヒドラジンを得る、上記方法。
  2. 混合物とヒドラジン供給源との反応を、少なくとも1種の有機溶媒(A)の存在下で行う、請求項1に記載の方法。
  3. 有機溶媒(A)が環状エーテルから選択される、請求項2に記載の方法。
  4. 環状エーテルがテトラヒドロフランである、請求項3に記載の方法。
  5. 反応を15℃〜45℃の範囲の温度で行う、請求項2〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. ヒドラジン供給源がヒドラジン水和物である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. ヒドラジン水和物を、混合物中に存在する1モルの式IIの1,3-ジクロロ-2-フルオロ-5-トリフルオロメチルベンゼンに対して1〜6モルの量で使用する、請求項6に記載の方法。
  8. 混合物中の式IIの1,3-ジクロロ-2-フルオロ-5-トリフルオロメチルベンゼンと式IIIの1,2-ジクロロ-3-フルオロ-5-トリフルオロメチルベンゼンとのモル比が3:1〜9:1である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 混合物を、式IVの1,2,3-トリクロロ-5-トリフルオロメチルベンゼン:
    Figure 2010521432
    をフッ素化剤と、場合により少なくとも1種の有機溶媒(B)の存在下で反応させることにより得る、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. フッ素化剤がアルカリ金属フッ化物である、請求項9に記載の方法。
  11. 式IVの1,2,3-トリクロロ-5-トリフルオロメチルベンゼンとフッ素化剤との反応を少なくとも1種の有機溶媒(B)の存在下で行う、請求項9または10に記載の方法。
  12. 有機溶媒(B)がテトラヒドロチオフェン-1,1-ジオキシドである、請求項11に記載の方法。
  13. 式IVの1,2,3-トリクロロ-5-トリフルオロメチルベンゼンとフッ素化剤との反応を、相間移動触媒の存在下で行う、請求項9〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 相間移動触媒が第4級ホスホニウム塩から選択される、請求項13に記載の方法。
  15. 式IIの1,3-ジクロロ-2-フルオロ-5-トリフルオロメチルベンゼンおよび式IIIの1,2-ジクロロ-3-フルオロ-5-トリフルオロメチルベンゼンを含む混合物の調製方法であって、式IVの1,2,3-トリクロロ-5-トリフルオロメチルベンゼンをフッ素化剤と、場合により少なくとも1種の有機溶媒(B)の存在下で反応させ、該フッ素化剤がアルカリ金属フッ化物、アルカリ土類金属フッ化物およびそれらの混合物から選択される、上記方法。
  16. フッ素化剤がアルカリ金属フッ化物である、請求項15に記載の方法。
  17. アルカリ金属フッ化物がフッ化カリウムである、請求項16に記載の方法。
  18. 式Iの2,6-ジクロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニルヒドラジンを調製するための、式IIの1,3-ジクロロ-2-フルオロ-5-トリフルオロメチルベンゼンおよび式IIIの1,2-ジクロロ-3-フルオロ-5-トリフルオロメチルベンゼンを含む混合物の使用。
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