JP2010520759A - 「順モード(forwardmode)」調節化合物において、ナトリウム−カルシウム交換体(NCX)を調節する化合物を検出ための蛍光ベースのアッセイ - Google Patents

「順モード(forwardmode)」調節化合物において、ナトリウム−カルシウム交換体(NCX)を調節する化合物を検出ための蛍光ベースのアッセイ Download PDF

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Abstract

輸送体は、非常に大きな可能性を有する新たな標的ファミリーであり、経済的および科学的機会を提供する。ナトリウム/カルシウム交換体は、種々の細胞からCa2+を排出する重要な機構である。心臓において、前記ナトリウム/カルシウム交換体は、収縮の開始のためにCa2+チャネルを通して入っているCa2+を押し出すと同時にNa+を心臓細胞に入れる。ナトリウム−カルシウム交換体の活性化を調節する化合物をつきとめることはかなりの関心事である。本発明は、「順モード」でNCXを調節する化合物を検出するための蛍光ベースのアッセイに関する。本発明は、さらにNCXを発現する細胞を含むパーツセットおよびNCXのアゴニストまたはアンタゴニストとしての活性について化合物を試験する前記パーツセットの使用に関する。

Description

本発明は、ナトリウム−カルシウム交換体(NCX)およびその活性を測定するための方法に関する。より具体的には、本発明はNCX「順モード」調節化合物を検出するための蛍光ベースのアッセイに関する。本発明は、さらにNCXをエクスプライムする(expriming)細胞を含むキットオブパーツおよびキットオブパーツの使用に関する。
生命の基本的な要件は、生体膜を用いたコンパートメント化であり、生体膜はこの原理を実現するための自然界のツールである。しかし、脂質二重層−細胞膜の基本的な構造−は、細胞および生命体において生体機能を維持するために輸送が必須であるほとんどのイオンおよび化合物に対して不透過性である。このパラドックスに対する答えは、細胞膜の半透性の性質にあり、膜を通過する必要がある溶質は特定の膜タンパク質によって輸送される。これらの輸送体は、イオン勾配の生成および維持、栄養素の摂取、代謝産物の輸送、シグナル伝達分子の再取込みならびに毒性化合物および排泄化合物の処理に関与する。従って、これに関連して、輸送体は、疾患関連の異常に直接的な影響を及ぼし得る潜在的な薬物標的である。
ナトリウム/カルシウム交換体は、種々の細胞からCa2+を排出するための重要な機構である。心臓において、この交換体は、Ca2+チャネルを通して流入しているCa2+を押し出し、収縮を起こすと同時にNa+を心臓細胞に流入させる。心疾患におけるこの交換体の関連性は、例えば非特許文献1に説明されている。従って、製薬産業は、例えば非特許文献2に記載されるようなNCXを阻害する化合物を開発している。例えば非特許文献3で電気生理学的な手段によって明らかにされているように、Na+/Ca2+交換体は、逆方向に動くCa2+1個毎に3〜4個のNa+を起電的に輸送する。NCXは、細胞質のCa2+濃度([Ca2+]流入)を、細胞外のCa2+濃度([Ca2+]排出)に3〜4桁満たない規模で維持することができる。それにもかかわらず、正味のCa2+輸送の方向は、Na+の電気化学的な勾配に依存する。Na+およびCa2+の移送(translocation)について、同時の、および連続した輸送モデルが示唆されており、そして証拠の大部分が後者を支持している。
輸送体は、科学的および経済的機会を提供する非常に大きな可能性を有する新たな標的ファミリーである。他方では、輸送体は、創薬技術に関して難しい標的の部類である。
例えば、カルシウムの流れを遮断し、そして/またはカルシウムチャネルの活性化を阻害することにより、チャネル活性化を調節する化合物を同定することは相当興味深い。これを行うための1つの標準的な方法が、パッチクランプ実験の利用である。これらの実験では、高度な技術を有するオペレータが、膜電位変化および/または試験化合物の適用に反応して細胞膜を通過するカルシウム電流を測定することにより、細胞を個々にそして順に評価しなければならない。イヌの心室乳頭筋におけるSea0400、NCXの新規な特異的阻害剤の活動電位に対する作用が研究され、発表されている(非特許文献4および非特許文献5)。巨大なパッチ中イオン流束を定量するためのイオン選択性電極法を使用して、心臓のNa+/Ca2+交換体は、多数の輸送モードを有することが明らかにされた(非特許文献6)。
これらの実験は、有効かつ有益であるが、非常に時間がかかり、カルシウムイオンチャネル活性を調節する化合物のハイスループットアッセイに応用できない。
電気生理学の標準方法に代わる手段として種々の技術が開発されている。例えば、放射性流束アッセイ(radioactive flux assay)が使用されており、ここで細胞を放射性トレーサー(例えば、45Ca)に暴露し、そして放射標識Caの流束をモニターする。トレーサーをローディングしている細胞を化合物に暴露し、そしてトレーサーの流出を増強させるかまたは減少させるいずれかのこれら化合物を、細胞膜のイオンチャネルの可能性ある活性化剤または阻害剤として同定している。特定の例は非特許文献7に含まれている。特許文献1には、筋小胞体(sarcolemmal vesicles)を使用してNa+/Ca2+交換体の活性を測定する方法が記載されており、45Ca放射能を測定することにより、筋小胞体のCa2+取込みの濃度を決定している。
多くに放射能イオン輸送体アッセイは、感度が限られていて、従ってデータの質が不十分である。さらに、放射能スクリーニング技術に関連する費用および安全性の問題は、広範囲の適用を妨げるハードルである。
EP1031556
Hobai,JA & O’Rourke,B(2004)Expert Opin.Investig.Drugs,13,653〜664 Iwamoto,T.et al.(2004)J.Biol.Chem.,279,7544〜7553 Hinata,M.et al.(2002)J.Physiol.545,453〜461 K.Acsai,「ESC Congress 2004」(表題:Effect of a specific sodium−calcium exchanger blocker Sea0400 on the ventricular action potential and triggered activity in dog ventricular muscle and Purkinje fiber), Munich on Poster Nr.2886 C.Lee et al.,The journal of pharmacology and experimental therapeutics;Vol.311:748−757,2004;表題:Inhibitory profile of SEA0400[2−[4−[(2,5−Difluorophenyl)methoxy]phenoxy]−5−ethoxyaniline]assessed on the cardiac Na+/Ca2+ exchanger,NCX1.1 Tong Mook Kang & Donald W.Hilgemann;Nature;Vol.427,5 February 2004;表題:Multiple transport modes of the cardiac Na+/Ca2+ exchanger T.Kuramochi et al.;Bioorganic&Medicinal Chemistry;12(2004)5039−5056;表題:Synthesis and structure−activity relationships of phenoxypyridine derivates as novel inhibitors of the sodium−calcium exchanger
上記の創薬技術の中で、イオンチャネルおよびイオン輸送体の活性を調節する化合物を同定するための放射性流束アッセイの使用は、細胞からのCa2+の流束をモニターすることにより、試験化合物を可能性ある活性化剤または阻害剤として同定し得る技術なので、本発明に最も近い先行技術である。その放射性アッセイについての多くの問題は、1秒当り約1〜1000分子−ほとんどのイオンチャネルの104分の1−のイオン輸送体の限られた代謝回転の検出困難性に基づく。従って、最先端にある技術から生じる問題は、NCXモジュレーターのハイスループットスクリーニングおよびプロファイリングにとって非常に良好な感度および有用性を有するロブストアッセイをつきとめることである。この課題の解決が本発明により提供される。
発明の要旨
本発明の1つの主題は、NCXタンパク質の活性を検出するためのアッセイであって、ここで
a)NCXを発現する細胞を提供し;
b)細胞内カルシウムを測定するための着色物質を提供し;
c)細胞をNCX活性化剤と接触させ;そして
d)上記着色物質からのルミネセンス発光シグナルのカルシウム仲介性変化を、対照の実験で生じたルミネセンス発光シグナルと比較する、
アッセイに関する。
本発明の別の主題は、化合物の添加に反応した、NCXタンパク質の活性を測定するためのアッセイであって、ここで:
a)NCXを発現する(expriming)細胞を提供し;
b)細胞内カルシウムを測定するための着色物質を提供し;
c)細胞を化合物と接触させ、ここで、該細胞は、該化合物で処理される前に、NCX活性化剤で処理され;そして
d)上記着色物質からのルミネセンス発光シグナルのカルシウム仲介性変化を、対照の実験で生じたルミネセンス発光シグナルと比較する、
アッセイに関する。
一般的に、使用されるNCXタンパク質は、哺乳動物由来、特にヒト由来のものであった。NCXタンパク質は、NCX1、NCX2、NCX3、NCX4、NCX5、NCX6および/またはNCX7、特にNCX1、NCX2および/またはNCX3から選択される。
一般的に、本発明のアッセイに使用される細胞は、任意の真核生物から誘導され得る。好ましい実施形態において、細胞は哺乳動物の細胞である。より好ましい実施形態において、細胞は、CHO(CCL−61)、HEK(CCL−1573)、COS7(CRL−1651)および/またはJURKAT(CRL−1990)細胞である。
特に、本発明のアッセイに使用されるNCX活性化剤は、イオノマイシンである。
好ましい実施形態において、前記着色物質は、細胞に入って、色素に加水分解され得る色素前駆体として細胞に添加され、これにより該細胞中のカルシウムと色素が複合体化し、そしてルミネセンス発光シグナルをもたらす。さらに、前記色素前駆体は、好ましくはアセトキシメチルエステル誘導体であり得、そして該色素は、好ましくはカルシウム感受性蛍光色素fluo−4であり得る。より好ましい実施形態において、前記ルミネセンス発光シグナルは蛍光であり、そして前記モニター工程c)はFLIPRデバイスを使用する。
本発明は、さらに、前に述べたように、NCXのアゴニストまたはアンタゴニストとしての活性について化合物を試験するためのアッセイの使用に関する。別の好ましい実施形態において、本発明は、前に述べたように、NCXの変化した発現に関連する疾患を診断するためのアッセイの使用に関する。
本発明は、さらに、
a)NCXタンパク質を発現する(expriming)凍結乾燥した細胞;
b)着色物質;
c)化合物緩衝液;および
d)着色物質緩衝液;
を含むキットオブパーツに関する。
本発明のキットオブパーツの好ましい実施形態において、前記着色物質は、カルシウム感受性蛍光色素fluo−4である。別の好ましい実施形態において、使用されるNCXタンパク質は、哺乳動物由来、特にヒト由来のものであった。NCXタンパク質は、NCX1、NCX2、NCX3、NCX4、NCX5、NCX6および/またはNCX7、特にNCX1、NCX2および/またはNCX3から選択される。
本発明は、さらに、前に述べたように、NCXのアゴニストまたはアンタゴニストとしての活性について化合物を試験するためのキットの使用に関する。別の好ましい実施形態において、本発明は、前に述べたように、NCXの変化した発現に関連する疾患を診断するためのキットオブパーツの使用に関する。
発明の詳細な説明
用語「アッセイ」とは、系または物の特性を測定する手順をいう。アッセイは、生物学的アッセイについて一般に用いられる略語であり、そしてインビトロ実験の一種である。アッセイは、典型的に、生体に対する物質の効果を測定するために行われる。アッセイは、定性的でもまたは定量的でもよく、新薬の開発に必須である。
NCXタンパク質の活性を測定し得るように、本発明のアッセイは広ダイナミックレンジを提供する。特に、本発明は、NCXタンパク質と特異的に相互作用し、そしてNCXタンパク質の活性を調節する薬学的に有効な化合物をスクリーニングおよびプロファイリングするための迅速で、効果的なアッセイを利用可能とする。
本発明の文脈における用語「NCXタンパク質」または「NCX」は、単独のまたは互いに組み合わせた以下のリストのNa+/Ca2+交換体タンパク質のいずれか一つを意味するものとする:NCX1、NCX2、NCX3、NCX4、NCX5、NCX6、NCX7。アミノ酸配列がそれぞれ配列番号1、配列番号2および配列番号3に対応するNCX1、NCX2および/またはNCX3が特に好ましい。
このようなNCXタンパク質は、任意の脊椎動物、特に哺乳動物種(例えば、イヌ、ウマ、ウシ、マウス、ラット、イヌ、ウサギ、ニワトリ、類人猿、ヒトなど)から誘導され得る。NCXは、このような脊椎動物生命体の組織プローブから単離され得るか、またはNCXタンパク質を発現し得る組換え生物学的材料により製造され得る。
用語「NCXタンパク質」とは、ポリペプチド、多型変異体、突然変異体、および配列番号1、配列番号2および配列番号3に含まれる核酸配列によりコード化されるアミノ酸配列に対して、好ましくは少なくとも約25、50、100、200、もしくは500またはそれ以上のアミノ酸の領域にわたり約80%より大きいアミノ酸配列同一性、85%
、90%、好ましくは91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%もしくは99%またはそれ以上のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を有する種間のホモログをいう。
用語「生物材料」とは、遺伝情報を含み、それ自己増殖可能であるか、または生物系において増殖可能な任意の材料を意味する。組換え生物材料は、当業者によく知られた組換え技術によって生産されたか、変えられているか、または修飾されたあらゆる生物材料である。
以下の参考文献は、特定のNCXタンパク質のクローニングの例である:イヌのNa+/Ca2+交換体NCX1は、Nicoll,DA.et al.(Science.250(4980):562〜5,1990;表題:Molecular cloning and functional expression of the cardiac sarcolemmal Na(+)−Ca2+exchanger.)によりクローニングされている。ヒトNa+/Ca2+交換体NCX1は、Komuro,I.et al.(Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.89(10),4769〜4773,1992;表題:Molecular cloning and characterization of the human cardiac Na+/Ca2+exchanger cDNA)およびKofuji,P.et al.(Am.J.Physiol.263(Cell Physiol.32):C1241−C1249,1992;表題:Expression of the Na−Ca exchanger in diverse tissues:a study using the cloned human cardiac Na−Ca exchanger)によりクローニングされている。ヒトNa+/Ca2+交換体NCX2は、Li,Z.et al.(J.Biol.Chem.269(26):17434〜9,1994;表題:Cloning of the NCX2 isoform of the plasma membrane Na(+)−Ca2+exchanger)によりクローニングされている。ラットNa+/Ca2+交換体NCX3は、Nicoll,DA.et al.(J.Biol.Chem.271(40):24914〜21.1996;表題:Cloning of a third mammalian Na+/Ca2+exchanger,NCX3)によりクローニングされている。ヒトNa+/Ca2+交換体NCX3は、Gabellini,N.et al.(Gene.298:1〜7,2002;表題:The human SLC8A3 gene and the tissue−specific Na+/Ca2+exchanger 3 isoforms)によりクローニングされている。
用語「ポリペプチド」、「ペプチド」および「タンパク質」は本明細書中で変換可能に用いられ、アミノ酸残基のポリマーをいう。これらの用語は、1つまたはそれ以上のアミノ酸残基が対応する天然のアミノ酸の人工的な化学模倣物(mimetic)であるアミノ酸ポリマー、さらに天然のアミノ酸ポリマーおよび非天然のアミノ酸ポリマーにも当てはまる。
用語「NCXタンパク質の活性」とは、細胞から細胞内Ca2+を排出する機構をいう。心臓において、これは、Ca2+チャネルを通して流入しているCa2+を押し出し、収縮を起こと同時にNa+を心臓細胞に入れる。心疾患におけるこの関連性は、例えば、Hobai,JA & O’Rourke,B(2004)Expert Opin.Investig.Drugs,13,653−664に説明されている。従って、製薬産業は、例えばIwamoto,T.et al.(2004)J.Biol.Chem.,279,7544−7553に記載されるようなNCXを阻害する化合物が開発している。例えば、Hinata,M.et al.(2002)J.Physiol.545,453−461中の電気生理学的手段により示されているようにNa+/Ca2+交換体は、逆方向に動くCa2+1個毎に3〜4個のNa+を起電的に輸送する。NCXは、細胞質のCa2+濃度([Ca2+]流入)を、細胞外のCa2+濃度([Ca2+]排出)に3〜4桁満たない規模で維持することができる。それにもかかわらず、正味のCa2+輸送の方向は、Na+の電気化学的な勾配に依存する。Na+およびCa2+の移送(translocation)について、同時のおよび連続した輸送モデルが示唆されており、そして証拠の大部分が後者を支持している。NCXタンパク質の活性は、カルシウムと複合体化する適切な着色物質によりもたらされる増強蛍光を測定することにより決定される。
用語「NCXを発現する細胞」とは、関心ある交換体を内因的に(endogenously)発現する細胞または組み換え細胞をいう。例えば、細胞、または核酸、タンパク質、またはベクターに関して使用される場合、用語「組み換え」は、細胞、核酸、タンパク質、またはベクターが異種核酸もしくはタンパク質の導入、または野生型核酸もしくはタンパク質の変化により修飾されていること、または細胞がこのように修飾された細胞から誘導されることを意味する。従って、例えば、組み換え細胞は、細胞の野生型(非組み換え)内で見出されない遺伝子を発現するか、または別の方法で異常に発現されるか、少し発現されるか、または全く発現されない野生型遺伝子を発現する。本発明において、組み換え細胞は、典型的には、NCXタンパク質をコード化する核酸配列でトランスフェクトされている細胞をいう。本アッセイは適切な培地を有する適切な容器中で細胞を増殖させることにより、簡単に行なわれる。細胞がアッセイの間生命を維持し得、そして倍地中で望ましく増殖し得さえすれば、細胞は、天然の細胞、野生型細胞、樹立細胞株、市販される細胞、遺伝子操作された細胞などであってよい。
本主題のアッセイを作成するための適切な細胞としては、原核生物、酵母、または高等真核細胞、特に哺乳動物細胞が挙げられる。原核生物としては、グラム陰性菌およびグラム陽性菌が挙げられる。細胞は、通常、ヒト細胞、マウス細胞、ラット細胞、チャイニーズハムスター細胞などのような哺乳動物細胞である。便利であることが見い出されている細胞としては、CHO、COS7、JURKAT、HeLa、HEKs、MDCKおよびHEK293細胞が挙げられる。細胞は周知の方法(Current protocols in cell biology,John Wiley & Sons Inc,ISBN:0471241059)で調製しても、または購入してもよい(Invitrogen Corp.,Sigma−Aldrich Corp.,Stratagene)。
用語「着色物質」とは、特に、カルシウム感受性蛍光色素をいう。色素前駆体は、アッセイの条件下ではルミネセンス発光性でなく、細胞に入ることができ、そしてルミネセンス発光性のオキシ化合物に細胞内で加水分解されるエステルであり、そしてカルシウムと複合体化すると増強したルミネセンス発光をもたらすことを特徴とする。細胞内加水分解酵素により加水分解を受けやすいエステルが選択される。
用語「細胞に入ることができる」とは、前駆体が細胞膜を通過し、そして細胞中で加水分解され得ることを意味し、色素前駆体は、pH、温度などの特異的な条件下、細胞に入るか、異なる速度で細胞に入るか、または特異的な条件下で細胞に入らない。着色物質は、よく知られたプロトコルを使用して細胞に添加される(Current protocols in cell biology,John Wiley & Sons Inc,ISBN:0471241059)。着色物質の使用が通常であり、そして市販の試薬(Invitrogen Corp.)や、さらに研究室で合成された試薬も使用され得る。上記の要件を満たす多数の市販の色素が公知である。Ca2+をモニターするための蛍光色素はよく知られており、そしてthe Molecular Probes catalog,第9編の節20.1〜20.4に詳細に記載されている。これらは、通常、フルオレセイン、ローダミン、クマリン、アミノフェニルインドールなどのような蛍光核に結合した2つのビス−カルボキシメチルアミノ基を有する。大部分の化合物は前駆体ではオキシ基が置換され、そしてルミネセンス発光色素ではそれらが非置換である、3,6−ジオキシ置換キサンテンである。通常、フェノールおよび酸を保護するアセトキシメチル基が存在する。例えば、Fluo3/4、Fura2/3、カルセイングリーンなどを参照のこと。アセチル基の加水分解は、ルミネセンス発光生成物をもたらす。前駆体は細胞膜を通過し、そして細胞中で加水分解され得る。
用語「ルミネセンス」とは、「冷光」、他のエネルギー源からの光をいい、これは標準温度および低温で起こり得る。ルミネセンスにおいて、あるエネルギー源は、その「基底」(最も低いエネルギー)状態から「励起」(より高いエネルギー)状態に原子の電子を上げる(kick);次いで、電子は光の形態でエネルギーを返すのでその「基底」状態に戻ることができる。エネルギー源が何であるか、またはルミネセンスのトリガーが何であるかということに従って各々命名された、いくつかのルミネセンスが存在する。
用語「蛍光」とは、光子の分子吸収がより長い波長を有する別の光子の発光(emission)の引き金となる、冷体(cold body)における光学現象として主として見いだされるルミネセンスをいう。吸収される光子と放射される光子との間のエネルギー差は、結局最後には分子振動または分子熱になる。通常、吸収された光子は紫外線領域中にあり、そして放射光は可視領域にあるが、これは吸光度曲線および特定のフルオロフォアのストークスシフトに依存する。蛍光は、しばしばこの現象を示すフッ化カルシウムで構成される鉱物の蛍石にちなんで名付けられている。
インジケーター色素からの蛍光は、発光測定装置または蛍光撮像装置で測定し得る。1つの好ましい検出装置は、蛍光測定画像解析用プレートリーダー(FLIPR)(Molecular Devices,Sunnyvale,Calif.)である。FLIPRは、96または384ウェルのマイクロタイタープレートに同時にピペッティングし得る統合液体ハンドリングと、電荷結合素子イメージングカメラに接続されたアルゴンレーザーを使用する高速動的検出とを組み入れる場合、本発明の方法を使用するハイスループットスクリーニングに十分に適している。
カルシウムインジケーター色素の使用の代替法は、エクオリン系の使用である。エクオリン系は、タンパク質アポエクオリンを使用し、これはエクオリンとして公知である、アポエクオリンとセレンテラジンの組み合わせを形成する脂溶性発色団セレンテラジンに結合する。アポエクオリンは3つのカルシウム結合部位を有しており、カルシウム結合すると、エクオリンのアポエクオリン部分はその立体配座を変化させる。立体配座におけるこの変化が、セレンテラジンの酸化を引き起こし、セレンテラミド、CO2、および青色光(466nm)の光子となる。この光子を、適切な計測装置を用いて検出し得る。エクオリンの使用の概説について、以下を参照のこと:Creton et al.,1999,Microscopy Research and Technique 46:390−397;Brini et al.,1995,J.Biol.Chem.270:9896−9903;Knight & Knight,1995,Meth.Cell.Biol.49:201−216。アポエクオリンを発現する哺乳動物細胞にセレンテラジン補因子を添加することにより哺乳動物細胞における細胞内カルシウムを測定する方法を記載する米国特許第5,714,666号もまた興味深い。NCXポリヌクレオチドおよびポリペプチド配列の「阻害剤」、「活性化剤」および「モジュレーター」は、NCXポリヌクレオチドおよびポリペプチド配列の細胞ベースのアッセイを使用して同定される活性化分子、阻害分子、または調節分子をいうために使用される。「阻害剤」は、例えば結合して、活性を部分的にまたは完全に遮断する、低減する、妨げる、活性化を遅延させる、不活化する、感受性を低下させる、またはNCXタンパク質の活性または発現を下方制御する化合物、例えばアンタゴニストである。
「活性化剤」は、NCXタンパク質の活性を増大する、開口する、活性化する、促進する、活性化を増強する、感受性を高める、作動する、または上方制御する化合物である。好ましいNCX活性化剤は、イオノマイシン、Streptomyces conglobatus由来のイオノフォアである。阻害剤、活性化剤、またはモジュレーターはまた、NCXタンパク質の遺伝子学的に修飾されたバージョン、例えば改変した活性を有するバージョン、さらに天然および合成のリガンド、アンタゴニスト、アゴニスト、ペプチド、環状ペプチド、核酸、抗体、アンチセンス分子、リボザイム、有機低分子などを含む。
用語「化合物」または「試験化合物」または「試験候補」またはそれらの文法的等価物は、NCX活性を調節する能力について試験しようとする天然または合成の任意の分子、例えばタンパク質、オリゴペプチド、有機低分子、多糖、脂質、脂肪酸、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチドなどを表わす(Current protocols in molecular biology,John Wiley & Sons Inc,ISBN:0471250961)。試験化合物は、試験化合物のライブラリー、例えば十分な範囲の多様性を与えるコンビナトリアルライブラリーまたはランダム化ライブラリーの形態であり得る(Current protocols in molecular biology,John Wiley & Sons Inc,ISBN:0471250937)。試験化合物は、場合により、融合パートナー、例えば標的化合物、レスキュー化合物、二量化化合物、安定化化合物、アドレス可能な化合物、および他の機能的部分に連結される。従来通り、いくつかの所望の特性または活性(例えば活性を増強する)を有する試験化合物(「リード化合物」と呼ばれる)をつきとめ、そのリード化合物の変形体を創製し、そしてそれら変形体化合物の特性および活性を評価することにより、有用な特性を有する新規化学物質を生み出す。望ましくは、ハイスループットスクリーニング(HTS)法がこのような分析のため利用される。
前記阻害剤、活性化剤および試験化合物は、細胞が増殖した後、培地に注入することにより細胞に添加してもよく、またはこれらは細胞増殖の前に培地中に存在してもよい(Current protocols in cell biology,John Wiley & Sons Inc,ISBN:0471241059)。細胞は、阻害剤、活性化剤および/または試験化合物上で適切な数まで増殖させてもよく、またはその上に配置し、そしてさらに増殖させずに使用してもよい。細胞は、阻害剤、活性化剤および/または試験化合物に結合させてもよく、または細胞をウェル中に配置またはで増殖させる実施形態において、細胞はウェル中の流体に懸濁される懸濁細胞であってもよい。
用語「対照の実験」とは、一緒に行うべき異なる種類の実験をいう。当業者は、本明細書中に記載される方法と一緒に対照を行うことは一般に有益であることを認識する。
例えば、NCXタンパク質の活性を測定するアッセイについての対照を有することは通常有益であり、この場合、細胞は、これらの細胞が関心あるNCXタンパク質を発現しないことを除いて、好ましくはアッセイに使用される細胞と本質的に同一である。さらに、化合物の添加に反応したNCXタンパク質の活性化を測定するアッセイのための対照を有することは通常有益であり、この場合、これらの細胞が関心あるNCXタンパク質を発現しないことを除いて、好ましくはアッセイに使用される細胞と本質的に同一である細胞に対して、化合物を本発明のアッセイにおいて試験する。このようにして、アッセイにより同定された化合物がある予期していない非特異的な機構を通してよりもむしろ、関心あるNCXタンパク質を通してそれらの効果を実際に発揮していると決定することができる。このような対照細胞についての1つの可能性は、実際の実験細胞が関心あるNCXタンパク質を発現する場合に、非組み換え型親細胞を使用することである。
化合物の添加に反応したNCXタンパク質の活性化を測定するアッセイのための他の対
照は、試験化合物を添加することなくアッセイを行い(低対照)、そして高濃度の試験化合物を添加してアッセイを行う(高対照)。他の種類の対照は、本発明のアッセイにより同定された化合物を関心あるNCXタンパク質のアゴニストまたはアンタゴニストとして採用し、及び先行技術の方法で試験した場合にもこれらの化合物がアゴニストまたはアンタゴニストであることを確認するために、先行技術の方法でこれらの化合物を試験することを含むことになる。さらに、当業者は、アッセイ値と標準値と比較することにより、統計分析を行うこともまた望ましいということを理解している。
用語「アゴニスト」および「アンタゴニスト」とは、受容体を介してシグナル伝達を調節する受容体エフェクター分子をいう。受容体エフェクター分子は、受容体に結合し得るにもかかわらず、天然のリガンドの結合部位に必ずしも結合しない。受容体エフェクターは、単独で使用される、すなわち代理(surrogate)リガンドであり得る場合、シグナル伝達を調節し得るか、または天然のリガンドの存在下、シグナル伝達を変え、天然のリガンドによりシグナル伝達を増強または阻害し得る。例えば、「アンタゴニスト」は、受容体のシグナル伝達活性化を遮断するか、または低減させる分子であり、例えばその受容体からのシグナル伝達を競合的に、非競合的に、および/またはアロステリックに阻害し得るのに対して、「アゴニスト」は受容体のシグナル伝達活性を増強、誘導または別の方法で促進する。
用語「NCXの変化した発現に関連する疾患」とは、拡張型心筋症、冠状動脈性心疾患、不整脈、心不全などをいう。
便利性のために、着色物質およびアッセイの他の成分を、キット中に提供してもよく、ここで着色物質は再構成可能な(reconstitutable)粉末として、または氷上の冷却溶液として緩衝液中に存在し得る。キットにはまた、緩衝液、活性化剤、阻害剤、試験化合物、NCXタンパク質を発現する(expriming)細胞などが含まれ得る。細胞は凍結乾燥細胞として存在し得る。前記キットオブパーツは、拡張型心筋症、冠状動脈性心臓病、不整脈、心不全などを診断するための診断キットとして使用され得る。
蛍光ベースの細胞NCXアッセイの典型的な結果を記載する以下の図および実施例によって、本発明をさらに詳細に説明するが、これらは保護範囲を限定しない。
図1aは、配列番号1で表わされるNCX1のポリヌクレオチド配列を示す。 図1bは、配列番号2で表わされるNCX2のポリヌクレオチド配列を示す。 図1cは、配列番号3で表わされるNCX3のポリヌクレオチド配列を示す。 図2は、イオノマイシン添加後のCHO−NCX1細胞の蛍光シグナルを示す。細胞質ゾルカルシウムの増加に起因して、NCX1の阻害(高対照、30μM A000135933、赤)は蛍光の増加をもたらす。数秒後、活性なNCX1は、初期カルシウム負荷を確立する(低対照、黒)。 図3は、生データ:イオノマイシン添加後、種々の濃度のA000135933についての蛍光変化の動態を示す。50〜90秒の蛍光値の合計を使用し、対照と比較して、蛍光変化の割合を計算した。結果を図4に示す。 図4は、高対照および低対照ならびに種々の濃度のA000135933を含む96ウェルプレートについてのアッセイ統計を示す。計算されたシグナル対バックグラウンド比(S/B)、z’および種々の濃度のA000135933の50〜90秒の蛍光増加を掲記する(図2を参照のこと(s.a.))。この実施例についての計算されたA000135933のIC50は7.16μM(平均IC50:5.9 μM)であった。 図5は、A000135933の化合物濃度と比較した蛍光増加の割合および対応するフィット曲線を説明する。この実施例についての計算されたA000135933のIC50は7.16μM(平均IC50:5.9μM)であった。 図6は、FLIPRからの生データのプリントアウトを示す。 続きである。 図7は、1つの化合物クラスのNCX1蛍光ベースのFLIPRアッセイと電気生理学ベースのSURFE2R技術との間の相関を示す。両方の場合において、10μMでNCX1の阻害を測定した。
1.アッセイ手順
1.1.アッセイ試薬
Figure 2010520759
1.2.アッセイ手順
1]実験の20〜24時間前に、抗生物質を含まない増殖培地(Nutrient Mixture F12(HAM)Invitrogen,Karlsruhe,5% FCS,Biochrom,Berlin)に細胞を懸濁し、そして96ウェルブラッククリア底(black clear bottom)プレートに播種する(100μl中25000細胞/ウェル)。
2]培地を廃棄し、続いて色素ローディング緩衝液(100μl)を添加し、そしてプ
レートをRTで75分間暗所でインキュベートする。
3]アッセイ緩衝液(100μl)で3回洗浄することにより、色素ローディグ緩衝液を除去する。緩衝液を廃棄する。
4]化合物プレートから80μlを添加し、そしてプレートを16℃に30分間保つ。
5]プレートをFLIPRに移し、そして以下のプロトコルを使用してアッセイする(イオノフォアプレートから40μlの添加を含む):
Figure 2010520759
1.3.データ分析
NCX細胞中の試験化合物の阻害活性
阻害の計算
計算は統計エクスポート(statistics export)に基づく。生データを、
Figure 2010520759
に従って阻害に変換する。
平均高対照を、イオノマイシンを含む10または30μM A000135933の8つのペアサンプルの平均差から算出する。平均低対照をイオノマイシン対照から算出する
。基底蛍光(basal fluorescence)を1.3倍より高くする化合物は破棄する。
2.アッセイ実施例
2.1.高および低対照の応答
イオノマイシン(2μM)の添加後の高および低対照の典型的な蛍光応答を図2に示し、そして以下の通りである:NCX1が活性である場合(低対照)、イオノマイシン添加後、細胞に入っているカルシウムは細胞外に輸送される。数秒後、細胞の初期カルシウム負荷が回復する。細胞質ゾルカルシウムの増加に起因して、イオノマイシンの添加後、NCX1の阻害が蛍光増加をもたらす(高対照、30μM A000135933)。
2.2.ツール物質:A000135933
新規なNCX1阻害剤A000135933が、最初のHTSスクリーニングにおいて発見された。図3、4および5は、種々の濃度のA000135933の典型的な用量依存反応を示す。A000135933は、5.9μMの平均IC50を有する良好なNCX1阻害剤であり、そして以後アッセイにおいてツール物質として使用された。この化合物のIC50を、対照として全てのプレートに添加する。この実施例についてのS/B比およびz’値は、非常に良好であった。A000135933のIC50と一緒に、これらのパラメーターを使用して、全てのプレートについての良好な分析性能を示した:
1.2より大きいS/B
2.0.5〜0.7のz’値
3.ツール化合物A000135933のIC50は、およそ平均5.9μMであった。
2.3.ツール物質:アッセイ実施例
4つの化合物のIC50を用いて、アッセイを二連で行った(図6)。4つの化合物は、同じ化合物クラスに由来する。1つの化合物は、良好なNCX1阻害剤(A000135933)であり、2つの化合物は中程度の阻害を示し(A000136648、A000104243)、そして1つはその濃度範囲で活性ではなかった(A000103746)。この実施例は、アッセイがこのようにNCX1阻害剤をスクリーニングして構造活性関連性を確立するのに適切であることを示す。
2.4.電気生理学との相関関係
直接的な電気生理学的方法(Iongate’s SURFE2R技術)を用いる蛍光ベースのアッセイから算出されたデータの比較は、このアッセイの性能を見積るのに最良の方法である。これらの2つの大変異なる技術の相関は非常に良好である(図7)。1つの化合物を除いて、SURFE2Rを用いて測定された阻害は、間接的なFLIPRアッセイから算出された阻害よりも高かった(平均14%)。

Claims (27)

  1. NCXタンパク質の活性を測定するためのアッセイであって、以下:
    e)NCXを発現する細胞を提供すること;
    f)細胞内カルシウムを測定するための着色物質を提供すること;
    g)細胞をNCX活性化剤と接触させること;および
    h)上記着色物質からのルミネセンス発光シグナルのカルシウム仲介性変化を対照の実験で生じたルミネセンス発光シグナルと比較すること;
    を含む、アッセイ。
  2. NCXタンパク質が以下のリスト:NCX1、NCX2、NCX3のNCXタンパク質である、請求項1に記載のアッセイ。
  3. NCXタンパク質が、哺乳動物由来、好ましくはラット、マウス、イヌ、ウシ、ブタ、類人猿またはヒト由来のものである、請求項1に記載のアッセイ。
  4. 細胞が、以下:CHO、HEK、COS7およびJURKAT細胞からなる群から選択される、請求項1に記載のアッセイ。
  5. 前記着色物質が、細胞に入り、そして色素に加水分解され得る色素前駆体として細胞に添加され、これにより該細胞中のカルシウムと色素が複合体化し、そしてルミネセンス発光シグナルをもたらす、請求項1に記載のアッセイ。
  6. 前記ルミネセンス発光シグナルが蛍光であり、そしてモニター工程c)はFLIPRデバイスを使用する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のアッセイ。
  7. 前記色素前駆体がアセトキシメチルエステル誘導体である、請求項5に記載のアッセイ。
  8. 前記色素がカルシウム感受性蛍光色素fluo−4である、請求項5に記載のアッセイ。
  9. 前記NCX活性化剤がイオノマイシンである、請求項1〜8のいずれか1項に記載のアッセイ。
  10. NCXのアゴニストまたはアンタゴニストとしての活性について化合物を試験するための、請求項1〜9のいずれか1項に記載のアッセイの使用。
  11. NCXの変化した発現に関連する疾患を診断するための、請求項1〜9のいずれか1項に記載のアッセイの使用。
  12. 化合物の添加に反応した、NCXタンパク質の活性を測定するためのアッセイであって、以下:
    a)NCXを発現する(expriming)細胞を提供すること;
    b)細胞内カルシウムを測定するための着色物質を提供すること;
    c)細胞を化合物と接触させること、ここで、該細胞は、該化合物で処理される前に、NCX活性化剤で処理されている;および
    d)上記着色物質からのルミネセンス発光シグナルのカルシウム仲介性変化を対照の実験で生じたルミネセンス発光シグナルと比較すること;
    を含む、アッセイ。
  13. NCXタンパク質が以下のリスト:NCX1、NCX2、NCX3のNCXタンパク質である、請求項12に記載のアッセイ。
  14. NCXタンパク質が、哺乳動物由来、好ましくはラット、マウス、イヌ、ウシ、ブタ、類人猿またはヒト由来のものである、請求項12に記載のアッセイ。
  15. 細胞が、以下:CHO、HEK、COS7およびJURKAT細胞からなる群から選択される、請求項12に記載のアッセイ。
  16. 前記着色物質が、細胞に入り、そして色素に加水分解され得る色素前駆体として細胞に添加され、これにより該細胞中のカルシウムと色素が複合体化し、そしてルミネセンス発光シグナルをもたらす、請求項12に記載のアッセイ。
  17. 前記ルミネセンス発光シグナルが蛍光性であり、そしてモニター工程c)はFLIPRデバイスを使用する、請求項12〜16のいずれか1項に記載のアッセイ。
  18. 前記色素前駆体がアセトキシメチルエステル誘導体である、請求項16に記載のアッセイ。
  19. 前記色素がカルシウム感受性蛍光色素fluo−4である、請求項16に記載のアッセイ。
  20. 前記化合物がNCXアンタゴニストである、請求項12〜19のいずれか1項に記載のアッセイ。
  21. 前記NCX活性化剤がイオノマイシンである、請求項12〜19のいずれか1項に記載のアッセイ。
  22. 以下:
    a)NCXタンパク質を発現する(expriming)凍結乾燥した細胞;
    b)着色物質;
    c)化合物緩衝液;および
    d)着色物質緩衝液を含むキットオブパーツ。
  23. 前記着色物質がカルシウム感受性蛍光色素fluo−4である、請求項22に記載のキットオブパーツ。
  24. NCXタンパク質が以下のリスト:NCX1、NCX2、NCX3のNCXタンパク質である、請求項22および23に記載のキットオブパーツ。
  25. NCXタンパク質が、哺乳動物由来、好ましくはラット、マウス、イヌ、ウシ、ブタ、類人猿またはヒト由来のものである、請求項22および23に記載のキットオブパーツ。
  26. NCXのアゴニストまたはアンタゴニストとしての活性について化合物を試験するための、請求項22〜25のいずれか1項に記載のキットオブパーツの使用。
  27. NCXの変化した発現に関連する疾患を診断するための、請求項22〜25のいずれか1項に記載のキットオブパーツの使用。
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