JP2010520188A - カルモテロールの異性体を調製する方法 - Google Patents

カルモテロールの異性体を調製する方法 Download PDF

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Abstract

式(III)の化合物を調製する方法であって、式(I)のオキシラニル化合物を式(II)のアミンまたはその塩と縮合させることを具備する方法:ここで、Rはアルキル、アリール、アリル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロ環、アルケニル、ベンゾシクロアルキル、アラルキル、ハロアリールアルキル、ヘテロアラルキル、ハロアルキル、アルコキシアラルキル、置換されたシリルおよびベンジルから選択される基であり;またRは水素、任意に置換されたシリル、または任意に置換されたベンジルである。また、化合物(III)から(R,R)−カルモテロールを調製する方法も記載される。
【化1】

Description

発明の技術分野
本発明は、R,R−カルモテロールを合成するための新規な方法に関する。
発明の背景
化学名は8−ヒドロキシ−5−[1−ヒドロキシ{[2−(4−メトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ}エチル]2(1H)−キノリノンであるカルモテロールは、長期持続性の気管支拡張効果を有する非常に強力なβ2−選択的アドレナリン受容体アゴニストである。カルモテロールの構造は下記に示す通りである。
Figure 2010520188
星印は、カルモテロールが分子内に二つのキラル中心を有し、その各々が二つの可能なコンフィギュレーション(RまたはS)で存在し得ることを示している。これは、カルモテロールの四つの可能なコンフィギュレーション、即ち、(R,R)(S,S)(S,R)および(R,S)を生じる。この明細書の全体を通して、最初の「R」または「S」は、−CH(OH)−の位置における不斉炭素原子のコンフィギュレーションを意味し、また二番目の「R」または「S」は、−CH(CH)−の位置における不斉炭素原子のコンフィギュレーションを意味する。例えば、(R,S)の用語は、−CH(OH)−の位置における不斉炭素原子がRコンフィギュレーションを有し、また−CH(CH)−の位置における不斉炭素原子がSコンフィギュレーションをもったカルモテロールのジアステレオマーを意味する。(R,R)および(S,S)は相互に鏡像体であり、従ってエナンチオマーである。これら二つのエナンチオマーはα−異性体と称される。同様に、(S,R)および(R,S)はエナンチオマー対であり、β−異性体と称される。
カルモテロールの四つの全ての異性体が既に合成されており、(R,R)異性体がもっとも強力である一方、他の異性体は効力が低いと報告されている。
カルモテロールおよびその異性体は、米国特許第4,579,854号に最初に開示された。そのプロセスは、調製1並びに実施例2,3および4に開示されている。この採用された合成プロセスを、以下のスキーム1に示す。
<スキーム1>
Figure 2010520188
同様のプロセスがUS4,579,854の実施例(5)に開示されており、ここでは化合物(e)が、化合物(f)の光学的に純粋な(R)−N−(2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチルアミンと反応されて、カルモテロールのジアステレオマー混合物を与え、次いで、該ジアステレオマー混合物はカラムクロマトグラフィーにより分離されて、R,RおよびS,S異性体を生じる。これらの異性体は加水分解および還元されてR,R−カルモテロールを生じる。
光学的に純粋な(R)−8−ベンジロキシ−5−オキシラニルカルボスチリルの調製がWO95/25104に開示されているが、これは合成のための多重ステップを含んでおり、またジクロロヨウ素酸ベンジルトリメチルアンモニウムのような高価な試薬を使用する。この生成物は、長たらしいプロセスを使用して単離される。
WO95/25104はまた、(R)−8−ベンジロキシ−5−オキシラニルカルボスチリル、即ち、カルモテロールの中間体を調製する方法に関し、カルモテロール自身を調製する方法は開示していない。WO95/25104の式(III)の化合物は、(R)−8−ベンジロキシ−5−オキシラニルカルボスチリル化合物(II)と反応されて、カルモテロール誘導体への保護された前駆体を形成する。化合物(III)は遊離アミンの形態である。カルモテロール誘導体を調製するこの方法の欠点は、遊離アミンの過剰使用が、二量体不純物、並びに分離するのが困難な位置異性体を生じることである。
カルモテロール前駆体の二量体不純物は、以下の構造を有するであろう。
Figure 2010520188
カルモテロールの位置異性体は以下の構造を有するであろう。
Figure 2010520188
8−(置換オキシ)−5−(R)−オキシラニルカルボスチリル・オキシラニル化合物を調製する方法が、特許出願WO2004/076422に開示されている。この方法は、対応するハロヒドリンの調製ためのハロ誘導体の使用、およびオキシラニル化合物を得るための該ハロヒドリンの環化を含んでいる。しかし、クロロ化合物以外の何らかのハロ化合物の使用を開示した実施例は存在しない。
WO2004/076422はまた、5−[(R)−2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イル−アミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−8−ヒドロキシ−(1H)−キノリン−2−オンの塩または溶媒和物を調製するための方法に関し、カルモテロール自身を調製する方法の開示は存在しない。化合物2−アミノ−(5,6−ジエチル)−インダンが、8−(置換オキシ)−5−オキシラニルカルボスチリル化合物と反応されて、インダニル化合物への保護された前駆体を形成する。2−アミノ−(5,6−ジエチル)−インダン化合物は遊離アミンの形態である。
5−[(R)−2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イル−アミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−8−ヒドロキシ−(1H)−キノリン−2−オンの塩または溶媒和物を調製する方法の欠点は、過剰な遊離アミンの使用が二量体不純物、並びに分離が困難な位置異性体を生じることである。
従来技術に開示された方法は煩雑である。従って、工業的なスケールアップに適した、光学的に純粋なカルモテロールを製造するためのより経済的且つ効率的な方法についての必要性が存在している。
本発明は、従来技術に伴った全ての欠点を回避するカルモテロールの合成方法を提供するものである。
本発明の目的は、(R,R)−カルモテロールおよびその塩を調製するための改善された方法を提供することである。
本発明のもう一つの目的は、(R,R)−カルモテロールの合成のための新規な中間体を提供することである。
本発明の更にもう一つの目的は、(R,R)−カルモテロールの合成に使用される新規な中間体を調製するための改善された方法を提供することである。
本発明の更にもう一つの目的は、単純かつ経済的で、しかも工業的スケールアップに適した方法を提供することである。
本発明の第一の側面に従えば、式(III)の化合物の(R,R)−,(S,S)−,(R,S)−、または(S,R)−ジアステレオマーを調製する方法であって:
Figure 2010520188
式(I)のオキシラニル化合物のRまたはSエナンチオマーを
Figure 2010520188
式(II)のアミンのRまたはSエナンチオマーまたはその塩と縮合させることを含んでなる方法が提供され、
Figure 2010520188
ここで、Rは、アルキル、アリール、アリル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロ環、アルケニル、ベンゾシクロアルキル、アラルキル、ハロアリールアルキル、ヘテロアラルキル、ハロアルキル、アルコキシアラルキル、および任意に置換されたシリルから選択される基であり;Rは、(a)任意に置換されたシリル、(b)任意に置換されたベンジル、または(c)水素であり;Rが任意に置換されたシリルであるときは、R’およびRはRと同じであるか;R’はRと同じで、且つRは水素であるか;またはR’は水素で、且つRはRと同じであるかの何れかであり;Rが任意に置換されたベンジルであるときは、R’が水素で、且つRはRと同じであり;またRが水素であるときは、R’が水素で且つRが水素である。
化合物(III)は、上記では(R,R)−ジアステレオマーの形態で描かれている。
一つの実施形態において、化合物(III)の(R,R)−ジアステレオマーは化合物(I)のRエナンチオマーを化合物(II)のRエナンチオマーと反応させることによって調製される。或いは、化合物(III)の(R,S)−ジアステレオマーは、化合物(I)のRエナンチオマーを化合物(II)のSエナンチオマーと反応させることによって調製される。或いは、化合物(III)の(S,S)−ジアステレオマーは、化合物(I)のSエナンチオマーを化合物(II)のSエナンチオマーと反応させることによって調製される。或いは、化合物(III)の(S,R)−ジアステレオマーは、化合物(I)のSエナンチオマーを化合物(II)のRエナンチオマーと反応させることによって調製される。
一実施形態において、Rは直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、例えば、C−C10アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、直鎖もしくは分岐鎖のペンチル、直鎖もしくは分岐鎖のヘキシル、直鎖もしくは分岐鎖のヘプチル、直鎖もしくは分岐鎖のノニル、または直鎖もしくは分岐鎖のデシルである。適切には、アルキルはC−Cアルキルである。
一実施形態において、Rは、C−Cl4アリール、好ましくはC−C10アリールである。該アリール基は、メルカプト、ジアルキルアミノ、ニトロ、アルコキシ、ハロゲン、ケト、シアノまたはこれらの組合せから選択される少なくとも一つの基で置換されてよい。好ましくは、アリールはベンジルである。
「アルコキシ」の用語は「アルキルオキシ」を意味し、ここでの「アルキル」は上記で与えられたのと同じ意味を有する。一実施形態において、Rは直鎖もしくは分岐鎖のアルコキシ、例えばC−C10アルコキシ、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、または直鎖もしくは分岐鎖の−ペントキシ、−ヘキシロキシ、−ヘプチロキシ、−オクチロキシ、−ノニロキシまたは−デシロキシである。適切には、RはC−Cアルコキシである。
一実施形態において、Rは、3〜8の環炭素原子を有するC−C10シクロアルキル、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルまたはシクロヘプチルであり、これらは何れも1または2以上の置換基、例えばC−C アルキル基、特にメチル基で置換されてよい。適切には、RはC−Cシクロアルキルである。
一実施形態において、Rは、20以下の炭素原子を有し、且つ窒素、酸素および硫黄から選択される1,2,3または4のヘテロ原子を有する一価のヘテロ環基であり、該基は任意に、環の炭素原子または窒素原子に結合したアルキル、アルキルカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキルまたはアラルキル基を有し、環炭素原子を介して分子の残りの部分に結合される。例えば、この基は一つの窒素、酸素または硫黄原子を備えた基、好ましくは単環基、例えばピリル、ピリジル、ピペリジル、フリル、テトラヒドロフリルまたはチエニルであるか、または、窒素、酸素および硫黄から選択される二つのヘテロ原子を備えた基、好ましくは単環基、例えばイミダゾリル、ピリミジニル、ピペラジニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、モルホリニルまたはチをモルホリニルである。適切には、該ヘテロ環は5または6の環原子を有し、且つ1もしくは2の窒素原子または一つの窒素原子および一つの酸素原子を環の中に有し、任意に、環窒素原子上でC−Cアルキル、ヒドロキシC−Cアルキル、C−CアルキルカルボニルまたはフェニルC−Cアルキルにより置換される。
一実施形態において、Rは直鎖もしくは分岐鎖のアルケニル、例えばC−C10アルケニル、例えばビニル、1-プロペニル、2-プロペニル、1-ブテニル、イソブテニル、または直鎖もしくは分岐鎖のペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、をクテニル、ノネニル、またはデセニルである。適切には、RはC−Cアルケニルである。
一実施形態において、Rはベンゾシクロアルキルであり、ここでのシクロアルキルは上記で定義された通りであり、二つの隣接する炭素原子においてベンゼン環に結合している。適切には、Rはベンゾ-C5-C6-シクロアルキル、またはベンゾシクロヘキシル(テトラヒドロナフチル)である。
一実施形態において、Rはアリールアルキルを意味するアラルキルであり、ここでのアリールおよびアルキルは、直鎖もしくは分岐鎖のC−C10アリール−C−C10アルキルのような上記で与えられたのと同じ意味を有し、例えば、上記で述べたC−C10アルキル基のうちの一つ、特に、フェニル、トリル、キシリル、またはナフチルで置換されたC−Cアルキル基を意味する。適切には、アラルキルはフェニル−C−Cアルキル、特にベンジルまたは2−フェニルエチルである。
一実施形態において、Rはハロアルキルであり、ここでのアルキルは上記で定義した通りであるが、1以上、例えば1、2または3以上のハロゲン原子、好ましくはフッ素原子または塩素原子で置換されている。
一実施形態において、Rはハロアリールアルキルであり、ここでのアラルキルは上記で定義した通りであるが、上記で定義した1以上のヘテロ環基で置換されている。
一実施形態において、Rはヘテロアラルキルであり、ここでのアラルキルは上記で定義した通りであるが、12、3または4の炭素原子が窒素、酸素および硫黄から選択されるヘテロ原子で置換されている。
一実施形態において、Rはアルコキシアラルキルであり、ここでのアルコキシおよびアラルキルは上記で与えられたのと同じ定義を有する。
一実施形態において、Rは置換シリル基であり、ここでのシリル基は上記で定義された少なくとも一つのアルキル基で置換されている。
一実施形態において、化合物(II)の塩は塩酸塩である。
一実施形態において、Rは任意に置換されたシリルであり、R’は任意に置換されたシリルであり、Rは水素である。一実施形態において、RおよびR’はシリルである。適切には、RおよびR’はトリアルキルシリルであり、ここでのアルキルは上記で与えられたのと同じ意味を有し、また各アルキルは同じでも異なってもよい。適切には、該シリル基はトリメチルシリル、トリエチルシリル、およびt−ブチルジメチルシリルからなる群から選択される。或いは、Rはジアリールアルキルシリルであってよく、ここでのアリールおよびアルキルは上記で与えられたのと同じ意味を有し、また各アリールは同じであっても異なってもよい。適切には、該ジアリールアルキルシリルはt−ブチルジフェニルシリルである。
別の実施形態において、Rは任意に置換されたシリルであり、R’は水素であり、またRは任意に置換されたシリルである。一実施形態において、RおよびRはシリルである。適切には、RおよびRはトリアルキルシリルであり、ここでのアルキルは 上記で与えられたのと同じ意味を有し、また各アルキルは同じであっても異なってもよい。適切には、該シリル基はトリメチルシリル、トリエチルシリルおよびt−ブチルジメチルシリルからなる群から選択される。或いは、Rはジアリールアルキルシリルであってよく、ここでのアリールおよびアルキルは上記で与えられたのと同じ意味を有してよく、また各アリールは同じであっても異なってもよい。適切には、ジアリールアルキルシリルはt−ブチルジフェニルシリルである。
更なる実施形態において、R、R’およびRは全て任意に置換されたシリル、好ましくはシリルである。適切には、該シリルはトリアルキルシリルであり、ここでのアルキルは上記で与えられたのと同じ意味を有し、また各アルキルは同じであっても異なってもよい。適切には、該シリル基は、トリメチルシリル、トリエチルシリルおよびt−ブチルジメチルシリルからなる群から選択される。或いは、該シリルはジアリールアルキルシリルであってよく、ここでのアリールおよびアルキルは上記で与えられたのと同じ意味を有し、また各アリールは同じであっても異なってもよい。適切には、該ジアリールアルキルシリルはt−ブチルジフェニルシリルである。
別の実施形態において、Rはベンジルであり、R’は水素であり、またRはベンジルである。
もう一つの実施形態において、Rは水素であり、R’は水素であり、またRは水素である。
一実施形態において、化合物(I)および(II)は光学的に純粋である。この明細書の全体を通して、「光学的に純粋な」とは、97%を越える光学異性体過剰率を有することを意味する。好ましくは98%超であり、もっとも好ましくは99%超である。
一実施形態において、縮合は溶媒の存在下で行われる。該溶媒は有機溶媒であってよく、例えば、該有機溶媒はメタノール、エタノール、イソプロピル アルコール(IPA)、t−ブタノール、メチルイソブチルケトン、トルエン、t−アミルアルコール、アセトニトリル、ジグリム、ジメチルスルホキシド(DMSO)、キシレン、およびヘキサメチルホスホラミド(HMPA)からなる群から選択されてよい。或いは、該縮合は溶媒の不存在下で行われてもよい。この実施形態において、縮合は、適切には約100〜約140℃の温度で行われる。
一実施形態において、縮合工程は140℃未満、適切には120℃未満で行われる。
一実施形態において、該縮合工程は塩基の存在下で行われる。該塩基は有機塩基または無機塩基であってよい。該塩基は、トリエチルアミン、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム およびジイソプロピルエチルアミンから選択されてよい。
一実施形態において、Rはシリルであり、式(II)の化合物は(IIa)と称される。該式(IIa)のシリル化された化合物の使用は、二量体不純物および位置異性体の形成を最小化する。
式(IIa)の化合物は、Rが水素である式(II)の化合物(化合物(IIc)と称する)を、適切なシリル化剤と反応させることによって得られてよい。このシリル化剤はシリル基を含んでなり、またトリアルキルシリル基を含んでよく、ここでの「トリアルキルシリル」の用語は上記で与えられたのと同じ意味を有する。或いは、該シリル化剤はジアリールアルキルシリル基を含んでよく、ここでの「ジアリールアルキルシリル」の用語は上記で与えられたのと同じ意味を有する。一実施形態において、シリル基はトリメチルシリル、トリエチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル、およびt−ブチルジメチルシリルからなる群から選択される。
式(IIc)の化合物は、当該技術において知られた何れかの方法、例えばUS4,579,854に記載の方法によって製造することができる。
一実施形態において、式(IIa)の化合物は、任意に約110℃において、Rがベンジルである式(I)の化合物と縮合され、対応する式(III)の化合物を得る。
もう一つの実施形態において、Rは置換ベンジルであり、また式(II)の化合物は(IIb)と指定される。驚くべきことに、式(IIb)のベンジル化された化合物の使用は、二量体不純物および位置異性体の形成を最小化することが見出された。置換基は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードのようなハロ;メトキシのようなアルコキシ;およびニトロからなる群から選択されてよい。一実施形態において、Rはペンタフルオロベンジル(即ち、五つのフッ素置換基)である。適切には、4−位(即ち、パラ位)に位置する一つのハロ、アルコキシ、またはニトロ基が存在する。
もう一つの実施形態において、縮合工程は溶媒、好ましくはHMPA中において行われ、これにより二量体不純物および位置異性体の形成が最小化される。
更に、もう一つの実施形態において、Rがシリルでないとき、当該反応は、HMPA溶媒を使用して好ましくは100℃未満の温度で行われる。驚くべきことに、これらの反応条件は二量体不純物および位置異性体の形成を最小化することが見出された。
式(IIb)の化合物は、先行技術において知られた方法を使用することによって合成されてよい。
一実施形態において、化合物(I)は、式(Ig)の化合物を化合物(I)に変換することによって調製される。該変換は、この明細書に記載の何れかの方法に従ってよい。
Figure 2010520188
一実施形態において、化合物(Ig)は、式(If)の化合物を化合物(Ig)に変換することによって調製される。該変換は、この明細書に記載の何れかの方法に従って行えばよい。
Figure 2010520188
一実施形態において、化合物(If)は、式(Ie)の化合物を化合物(If)に変換することによって調製される。該変換は、この明細書に記載の何れかの方法に従って行えばよい。
Figure 2010520188
一実施形態において、化合物(Ie)は、式(Id)の化合物を化合物(Ie)に変換することによって調製される。該変換は、この明細書に記載の何れかの方法に従って行えばよい。
Figure 2010520188
一実施形態において、化合物(Id)は、式(Ic)の化合物を化合物(Id)に変換することによって調製される。該変換は、この明細書に記載の何れかの方法に従って行えばよい。
Figure 2010520188
一実施形態において、化合物(Ic)は、式(Ib)の化合物を化合物(Ic)に変換することによって調製される。該変換は、この明細書に記載の何れかの方法に従って行えばよい。
Figure 2010520188
一実施形態において、化合物(Ib)は、式(Ia)の化合物を化合物(Ib)に変換することによって調製される。該変換は、この明細書に記載の何れかの方法に従って行えばよい。
Figure 2010520188
本発明の方法は、更に、式(III)の化合物の(R,R)−、(S,S)−、(R,S)−、または(S,R)−ジアステレオマーを、カルモテロールの対応する(R,R)−、(S,S)−、(R,S)−、または(S,R)−ジアステレオマーに変換することを含んでよい。
一実施形態において、式(III)の化合物の(R,R)−、(S,S)−、(R,S)−、または(S,R)−ジアステレオマーは、酸の存在下で加水分解されて、式(IV)の化合物の対応する(R,R)−、(S,S)−、(R,S)−、または(S,R)−ジアステレオマーを与える。
Figure 2010520188
この酸は、カルボン酸、例えば安息香酸、蓚酸、マレイン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸;または鉱酸、例えば塩酸であってよい。他の酸には、サリチル酸、ジ−p−トルイル−D−酒石酸、ジ−ベンゾイル−D−酒石酸、ジ−ピバロイル−D−酒石酸、グルタミン酸、エチレンジアミン四酢酸、マンデル酸、マロン酸、酢酸、アントラニル酸、ニコチン酸およびフロ酸が含まれる。
縮合工程および加水分解工程は、化合異物(III)の単離を伴わずに行われる。
化合物(IV)は、式(V)の化合物のようなその酸付加塩の形態で単離されてよい。
Figure 2010520188
ここで、Rは上記で定義した通りであり、Aは陰イオンである。この陰イオンは、加水分解工程で使用した酸に対応している。従って、該陰イオンは、蓚酸イオン、フマル酸イオン、酒石酸イオン、安息香酸イオン、サリチル酸イオン、ジ−p−トルイル−D−酒石酸イオン、ジ−安息香酸−D−酒石酸イオン、ジ−ピバロイル−D−酒石酸イオン、コハク酸イオン、グルタミン酸イオン、エチレンジアミン四酢酸イオン、マレイン酸イオン、マンデル酸イオン、マロン酸イオン、酢酸イオン、アントラニル酸イオン、ニコチン酸イオン、およびフロ酸イオンから選択されてよい。
一実施形態において、式(IV)または(V)の化合物は結晶化によって単離される。適切には、(V)の結晶化は、この酸付加塩を異なる塩、例えば塩酸塩に変換することを含んでいる。この酸付加塩の変換は、遊離塩基の単離または遊離塩基の単離を含んでよい。
更なる実施形態において、式(IV)または(V)の化合物の(R,R)−、(S,S)−、(R,S)−、または(S,R)−ジアステレオマーは、カルモテロールの対応する(R,R)−、(S,S)−、(R,S)−、または(S,R)−ジアステレオマーに変換される。適切には、この変換はOR基を適切な脱保護試薬を使用して脱保護することを含んでいる。当業者に周知のように、この脱保護試薬は保護基の性質に依存する。
加水分解工程および脱保護工程は、化合物(IV)または(V)の単離を伴わずに行われてよい。
縮合工程、加水分解工程および脱保護工程は、化合物(III)および(IV)または(V)の単離を伴わずに行われてよい。
がベンジル酸であるとき、当該脱保護は、貴金属触媒および水素ガスの存在下での式(IV)または(V)の化合物の水素化分解を含んでよい。
或いは、他の脱保護試薬、例えば適切な溶媒中の鉱酸、強酸、ルイス酸または水性無機塩基が使用されてよい。
が置換シリルであるとき、この脱保護は、式(IV)または(V)の化合物をフッ化t−ブチルアンモニウム、またはフッ化カリウムで処理することを含んでよい。
がアリールアルキルまたは置換アリールアルキルであるとき、該脱保護はパラジウム系または白金系触媒、例えばパラジウム、水酸化パラジウム、活性炭上のパラジウム、アルミナ上のパラジウム、白金、活性炭上の白金、およびラニーニッケルを使用した触媒還元を含んでよい。
一実施形態において、化合物(IV)または(V)の脱保護は、溶媒の存在下で行われる。該溶媒は、酢酸アルキル、低級アルキルアミン、例えばC〜Cアルキルアミン、アルコール、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ヘテロ環もしくはジアルキルエーテル、酸、水および水混和性溶媒の混合物、イオン性液体、ハロゲン化溶媒、およびこれらの混合物のような有機溶媒から選択されてよい。
更なる実施形態において、R,R−カルモテロール塩基は、その医薬的に許容可能な塩に変換される。
本発明のもう一つの側面に従えば、カルモテロールの(R,R)−、(S,S)−、(R,S)−、または(S,R)−ジアステレオマーを調製する方法であって、式(III)の化合物の(R,R)−、(S,S)−、(R,S)−、または(S,R)−ジアステレオマーを、式HAを有する酸の存在下で式(V)の化合物に変換することを含んでなる方法が提供される。
Figure 2010520188
ここで、R、R、R’、RおよびAは上記で与えられたのと同じ意味を有する。酸は、安息香酸、蓚酸、マレイン酸、コハク酸、フマル酸または酒石酸のようなカルボン酸;または塩酸のような鉱酸であってよい。他の酸には、サリチル酸、ジ−p−トルイル−D−酒石酸、ジ−ベンゾイル−D−酒石酸、ジ−ピバロイル−D−酒石酸、グルタミン酸、エチレンジアミン四酢酸、マンデル酸、マロン酸、酢酸、アントラニル酸、ニコチン酸およびフロ酸が含まれる。
一実施形態において、式(III)の化合物の(R,R)−ジアステレオマーは、(R,R)−カルモテロールに変換される。
本発明のもう一つの側面に従えば、指揮(II)の化合物のRまたはSエナンチオマーが提供される。
Figure 2010520188
ここで、Rは任意に置換されたシリルである。
一実施形態において、式(II)の化合物はRエナンチオマーの形態にある。一実施形態において、Rはトリアルキルシリル基であり、ここでの「アルキル」の用語は上記で与えられたのと同じ意味を有し、また各アルキルは同じであっても異なってもよい。一実施形態において、該トリアルキルシリル基は、トリメチルシリル、トリエチルシリルおよびt−ブチルジメチルシリルからなる群から選択される。或いは、Rはジアリールアルキルシリルであってよく、ここでのアリールおよびアルキルは上記で与えられたのと同じ意味を有し、また各アリールは同じであっても異なってもよい。適切には、該ジアリールアルキルシリルはt−ブチルジフェニルシリルである。
本発明のもう一つの側面に従えば、式(II)の化合物のRまたはSエナンチオマーを調製する方法であって:
Figure 2010520188
ここでのRは任意に置換されたシリルである
(R)−N−(2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル)アミンを式(II)の化合物に変換することを含んでなる方法が提供される。
一実施形態において、式(II)の化合物はRエナンチオマーの形態にある。
一実施形態において、Rはシリルであり、また当該変換は、(R)−N−(2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル)アミンを適切なシリル化剤と反応させることを含んでなるものである。該シリル化剤はシリル基を含み、またトリアルキルシリル基もしくはジアリールアルキルシリル基を含んでよく、ここでの「トリアルキルシリル」および「ジアリールアルキルシリル」は上記で与えられたのと同じ意味を有する。一実施形態において、該シリル基はトリメチルシリル、トリエチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル、およびt−ブチルジメチルシリルからなる群から選択される。該シリル化剤は、ヘキサメチルジシラザン(Rがトリメチルシリルである化合物(II)を形成するため)またはヘキサエチルジシラザン(Rがトリエチルシリルである化合物(II)を形成するため)であってよい。
(R)−N−(2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル)アミンは、当該技術において既知の何れかの方法、例えばUS4,579,854に記載の方法により製造されてよい。
或いは、(R)−N−(2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル)アミンは、R−(+)−フェニルエチルアミンを使用して第一の還元剤の存在下に4−メトキシフェニルアセトンを分割して(R)−(+)−N−(1−フェニルエチル)−N−[1−(p−メトキシフェニル)−2−プロピル)]アミンを製造し、任意に、該(R)−(+)−N−(1−フェニルエチル)−N−[1−(p−メトキシフェニル)−2-プロピル)]アミンハイドロクロライドを塩酸塩のような塩に変換し、続いて該(R)−(+)−N−(1−フェニルエチル)−N−[1−(p−メトキシフェニル)−2−プロピル)]アミンまたはその塩を、第二の還元剤の存在下で(R)−N−(2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル)アミンに変換することによって調製されてよい。
一実施形態において、第一の還元剤は、ラニーニッケルおよびメタノールである。
一実施形態において、第二の還元剤は、炭素上の10%パラジウムおよびメタノールである。
本発明のもう一つの側面に従えば、式(I)のRまたはSエナンチオマーを調製する方法であって、式(If)の化合物をキラル還元に付して式(Ig)の化合物のRまたはSエナンチオマーを形成し、続いて、式(I)の化合物のRまたはSエナンチオマーに結晶化させることを含んでなる方法が提供される。
Figure 2010520188
ここで、Rは上記で与えられたのと同じ意味を有する。
一実施形態において、式(I)のRエナンチオマーは、式(If)の化合物をキラル還元に付して式(Ig)の化合物のRエナンチオマーを形成し、続いて式(I)の化合物のRエナンチオマーに結晶化させることによって調製される。
一実施形態において、式(I)のSエナンチオマーは、式(If)の化合物をキラル還元に付して式(Ig)の化合物のSエナンチオマーを形成し、続いて式(I)の化合物のSエナンチオマーに結晶化させることによって調製される。
一実施形態においては、ブロモアセチル化合物(If)が、(−)−DIP−塩化物、β−イソピノカムフィニル−9BBN(R−アルピン−ボラン)、キラルβ−オキソアルジミナトコバルト(II)錯体、およびボラン還元剤からなる群から選択されるキラル還元剤を使用して、任意にキラルオキサゾボロリジンから誘導された触媒量のオキサゾボロリジンの単一エナンチオマーの存在下において、キラル還元に付される。
適切には、キラル還元剤はキラルβ−オキソアルジミナトコバルト(II)錯体であり、該錯体は約1モル%の量で存在する。
適切には、キラル還元剤はボラン還元剤であり、該ボラン還元剤は約1当量で存在する。
一実施形態において、ボラン還元剤はBH・THF(THF=テトラヒドロフラン)またはボラン−メチルスルフィドである。
一実施形態において、キラルのオキサゾボロリジン触媒は、cis−(1R,2S)−アミノインダノール、R−ジフェニルプロリノール、R−メチルオキサゾボロリデン(R−ジフェニルプロリノール、トリメチルボロキシンおよびメチルボロン酸から誘導される)および非α置換の(R)−インドリン−2−カルボン酸からなる群から選択される。オキサザボロリジン触媒は、R−ジフェニルプロリノールおよびジボランからインサイチューで発生されてよい。
還元は、高度にエナンチオ選択的であり、典型的には、1モルのケトン(If)当たり低モル%の触媒を使用したときにさえ、98%eeを越えるエナンチオマー過剰で単一の異性体が形成される。一実施形態において、オキサザボロリジン触媒は、1モルのケトン(If)当たり約5〜約10モル%の量で存在する。
一実施形態において、式(Ig)の化合物は少なくとも1当量の塩基で処理されて、式(I)の化合物を生じる。この塩基は有機塩基または無機塩基であってよい。適切には、該塩基は水性のNaOHまたはKCOである。任意に、水性のNaOHまたはKCOはアルコール溶媒または溶媒混合物、例えばMeOH/TH、アセトン/THF中に存在する。或いは、塩基はピペリジン、ピリジンまたはピロリジン、好ましくはピペリジンである。
一実施形態において、式(I)の化合物は式(Ig)の化合物の単離を伴わずに得られる。
式(I)の化合物は、不活性な有機溶媒からの再結晶化によって精製されてよい。
一実施形態において、上記で述べた式(III)の化合物を調製するために使用される式(I)の化合物は、上記に記載した方法に従って調製される。
一実施形態において、式(If)の化合物は、臭素化剤の存在下において、式(Ie)の化合物を臭素化することにより調製される。
Figure 2010520188
ここで、Rは上記で与えられたのと同じ意味を有する。
一実施形態において、臭素化剤はN−ブロモスクシンイミドまたは臭素である。該臭素化剤は、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、クロロホルム、メタノール、四塩化炭素、またはそれらの混合物からなる群から選択される溶媒;好ましくはジクロロメタン中に存在してよい。
本発明のもう一つの側面に従えば、式(Ie)の化合物を調製する方法であって、試薬の存在下に式(Id)の化合物を加熱することを含む方法が提供される:
Figure 2010520188
ここで、Rは上記で与えられたのと同じ意味を有し、また試薬は約1.5容量〜約5容量の範囲で存在する。
「容量」とは、溶解される化合物1g当たりに使用される溶媒の容積(mL)を言う。
US4,579,854(第21欄、調製例1)では、5−アセチル−8−ベンジロキシキノリンe−N−オキシドを製造するために、5グラムの5−アセチル−8−ベンジロキシキノリンが使用される。理論的には、5グラムの5−アセチル−8−ベンジロキシキノリンe(Rがベンジルである化合物(Ic))は、5.27グラムの5−アセチル−8−ベンジロキシキノリンe−N−オキシド(Rがベンジルである化合物(Id))を生じる。この5−アセチル−8−ベンジロキシキノリン−N−オキシドを、60mLの無水酢酸中で撹拌する。これは、11.3容量の無水酢酸に対応する。驚くべきことに、本発明の方法では、より小容量の試薬を使用できることが見出された。例えば、10グラムの5−アセチル−8−ベンジロキシカルボスチリルは、20mLの無水酢酸、即ち、2容量の無水酢酸中に溶解される。これは、大量の溶媒の取り扱いを回避する。この必要な混合法は、高純度の製品を与えるために単純化され、また先行技術で与えられた混合法を用いるときに形成される不純物の形成を最小化する。
一実施形態において、該試薬は約1.5容量〜約3容量に亘る容量、好ましくは2容量で存在する。
一実施形態において、該試薬は無水物、適切には無水酢酸または無水トリフルオロ酢酸、好ましくは無水酢酸である。最も好ましくは、該試薬は約2容量で存在する無水酢酸である。
一実施形態において、上記で述べた式(If)の化合物を調製するために試用される式(Ie)の化合物は、上記の方法に従って調製される。
本発明のもう一つの側面に従えば、式(Id)の化合物を調製する方法であって、酸化剤およびジクロロメタン、酢酸エチルまたはそれらの混合物から選択される溶媒の存在下で、式(Ic)の化合物を酸化することを含んでなる方法が提供される:
Figure 2010520188
ここで、Rは上記で与えられたのと同じ意味を有する。
一実施形態において、酸化剤は、例えば過オキシ安息香酸、m−クロロ過安息香酸、過酢酸、ペルオキシトリフルオロ酢酸、ペルオキシ硫酸、過臭素酸、過蟻酸、ペルオキシマレイン酸およびペルオキシジクロロマレイン酸(例えば、過酸化水素および無水ジクロロマレイン酸から調製されたもの);バナジウム触媒の存在下におけるtert−ブチルヒドロペルオキシド;ジメチルジオキシラン;二酸化セレン;m−フェナントロリンジ−N−オキシド(Hおよびm−フェナントロリンから調製されたもの);硝酸、および過酸化水素からなる群から選択される。好ましくは、酸化剤はm−クロロペルオキシ安息香酸である。
US 4,579,854では、溶媒としてクロロホルムが使用され、また反応時間は95.5時間である。驚くべきことに、ジクロロメタン、酢酸エチルまたはこれらの混合物の溶媒としての使用は、反応時間を激烈に低下させ、例えば約5時間に低下させた。
一実施形態において、化合物(Id)を調製する方法は、10時間未満、好ましくは8時間未満、更に好ましくは6時間未満で実施される。
一実施形態において、上記で述べた式(Ie)の化合物を調製するために使用される式(Id)の化合物は、上記の方法に従って調製される。
本発明のもう一つの側面に従えば、式(Ic)の化合物を調製する方法であって、式(Ib)の化合物を、低沸点溶媒の存在下で保護基と反応させることを含んでなる方法が提供される:
Figure 2010520188
ここで、Rは上記で与えられたのと同じ意味を有する。
低沸点溶媒は、70℃未満、好ましくは60℃未満の沸点を有する。一実施形態において、該溶媒はアセトンである。
ヒドロキシ基のための適切な保護基は当業者に周知であり、低級アルカノイル、例えばC〜Cアルカノイル、置換もしくは非置換のベンジル、および置換もしくは非置換のフェニルから選択される基を含んでなる化合物が含まれる。好ましくは、該保護剤は臭化ベンジルであり、これは如何なる抽出手順も回避して、蒸留により単純化された製造方法をもたらす。
US4,579,854においては、保護試薬として塩化ベンジルが使用され、これは反応塊を酢酸エチル中に抽出することを必要とする(US4,579,854、第20欄の調製例1参照)。更に、この先行技術の反応は、DMFのような高沸点溶媒を使用して実行される。本発明の方法は、アセトンのような低沸点溶媒を使用する。これはまた、如何なる抽出手順も回避して、蒸留により単純化された製造方法をもたらす。
一実施形態において、上記で述べた式(Id)の化合物を調製するために使用される式(Ic)の化合物は、上記の方法に従って調製される。
本発明のもう一つの側面に従えば、式(Ib)の化合物を調製する方法であって、低沸点溶媒の存在下で、式(Ia)の化合物をアシル化剤および酸触媒でアシル化することを含んでなる方法が提供される。
Figure 2010520188
該低沸点溶媒は、90℃未満、好ましくは80℃未満の沸点を有してよい。使用される溶媒は、好ましくはハロゲン化溶媒、二硫化炭素、およびそれらの混合物から選択され、好ましくはジクロロエタンである。本発明の上記方法のために使用される溶媒は、先行技術(例えば、Journal of American Chemical Society 1930, Vol 52, pp 4433-4436であり、これはニトロベンゼンを使用する)において使用される溶媒よりも有利である。後者は高沸点の危険な溶媒であり、生成物を単離するために水蒸気蒸留で除去する必要がある。本発明の方法の生成物は、例えば反応塊を水中で急冷し、該生成物を任意に塩基に変換することによって容易に単離される。
一実施形態において、アシル化剤はハロアセチル化合物であり、ここでのハロはクロロ、ブロモ、ヨードまたはフルオロ、好ましくはクロロである。
一実施形態において、酸触媒はルイス酸触媒、例えば三塩化ホウ素、塩化アルミニウム、四塩化チタン、三フッ化ホウ素、四塩化錫または塩化亜鉛である。
一実施形態において、上記で述べた式(Ic)の化合物を調整するために使用される式(Ib)の化合物は、上記に記載した方法に従って調製される。
本発明のもう一つの側面に従えば、上記の方法に従って調製された(R,R)−カルモテロールが提供される。上記で説明した方法に従って調製される中間体(Ib)〜(Ig)、(I)、(II)、(IV)および(V)もまた、本発明の更なる側面を形成する。
本発明のもう一つの側面に従えば、一以上の医薬的に許容可能な賦形剤と共に上記で述べた(R,R)−カルモテロールを含有してなる医薬組成物が提供される。
本発明のもう一つの側面に従えば、医薬における上記で述べた(R,R)−カルモテロールの使用が提供される。
本発明の更なる側面に従えば、喘息または慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療における上記(R,R)−カルモテロールの使用が提供される。8日の治療期間に亘って行われた研究により、カルモテロールは肺機能において顕著な改善を提供することが示された。
本発明の更なる側面に従えば、喘息または慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療のための医薬の製造における、上記(R,R)−カルモテロールの使用が提供される。
本発明のもう一つの側面に従えば、喘息および慢性閉塞性肺疾患(COPD)を治療する方法であって、それを必要としている患者に対して、上記の(R,R)−カルモテロールを投与することを含んでなる方法が提供される。
発明の詳細な説明
本発明は、光学的に純粋なカルモテロール、特に(R,R)および(S,S)−カルモテロールを合成するための改善された方法を提供する:
Figure 2010520188
その最も広い側面において、本発明は化合物(III)(カルモテロールの前駆体)またはその塩を調製するための方法であって、下記の工程を含んでなる方法に関する:
(i)光学的に純粋な式(I)のオキシラニル化合物を、
Figure 2010520188
ここで、R=アルキル基、アリール基、アリル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、ヘテロ環基、アルケニル基、ベンゾシクロアルキル基、アラルキル基、ハロアリールアルキル基、ヘテロアラルキル基、ハロアルキル基、アラルキル基、アルコキシアラルキル基、置換ベンジル基、置換シリル基である
を、光学的に純粋な式(II)のアミンと縮合させて、
Figure 2010520188
ここで、a−R=任意に置換されたシリル基、または
b−R=任意に置換されたベンジル基、または
c−R=水素;
任意に単離され得る式(III)の化合物を得る。
Figure 2010520188
が任意に置換されたシリルであるときは、R’およびRの何れかがRと同じであるか;R’はRと同じで且つRは水素であるか;またはR’が水素で且つRはRと同じであり;Rが任意に置換されたベンジルであるときは、R’は水素で且つRはRと同じであり;また、Rが水素であるときは、R’は水素で、且つRは水素である。
典型的には、式(I)の化合物は、メタノール、エタノール、イソプロピル アルコール(IPA)、t−ブタノール、メチルイソブチルケトン、トルエン、t−アミルアルコール、アセトニトリル、ジグリム、ジメチルスルホキシド(DMSO)、キシレンまたはHMPAのような溶媒中において、140℃未満で式(II)の化合物と縮合される。 この反応は、光学的に純粋な化合物(III)を得るために、任意に溶媒の不存在下で、約100〜約140℃の温度で行うことができる。更に、この反応はまた、反応を促進するために、任意に有機塩基または無機塩基、例えばトリエチルアミン、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ジイソプロピルエチルアミンの存在下において行うことができる。
特に、実質的に純粋な形態で式(III)の対応する化合物を得るために、Rがシリルである式(IIa)の化合物を、約110℃で、Rがベンジルである式(I)の化合物と縮合させてもよい。シリル化された式(IIa)の化合物の使用は、二量体不純物および位置異性体の形成を最小化するが、この形態は本発明のもう一つの側面である。式(IIa)の化合物は、式(IIc)の化合物を適切なシリル化剤と反応させることによって得ることができる。アミン官能基を保護するために使用される適切なシリル化剤は、トリメチルシリル、トリエチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル、t−ブチルジメチルシリル等から選択される基を含んでよい。式(IIc)の化合物は、当該技術において既知の何れかの方法によって製造することができる。
本発明の方法は、更に、(ii)式(III)の化合物を酸で加水分解して式(IV)の化合異物を得る工程を含んでよい。
Figure 2010520188
工程(i)および(ii)は、式(III)の化合物を単離することなく行ってよい。
式(IV)の化合物は、式(V)の、その酸付加塩の形態で単離されてよい。
Figure 2010520188
ここで、Rは上記で定義した通りであり、Aは陰イオンである。該陰イオンは酸に対応する。工程(ii)で任意に使用されるこの酸は、好ましくは安息香酸、蓚酸、マレイン酸、コハク酸、フマル酸または酒石酸のようなカルボン酸;または塩酸のような無機酸である。
式(IV)または(V)の化合物は、結晶化によって単離されてよい。結晶化は、縮合工程の際に形成される位置異性体の量を低減させるので、当該反応に付随する不純物を除去するための補助となる。該酸付加塩は、塩酸塩のような異なる塩に変換されてよい。この酸付加塩の変換は、遊離塩基の単離を含んでもよく、該遊離塩基の単離を含まなくてもよい。この変換は、二量体不純物および位置異性体不純物を検出限界以下に低減する。
本発明の方法は、更に、(iii)適切な脱保護条件下でのOR基の脱保護を含んでよい。当業者に周知のように、この脱保護条件は保護基の性質に依存する。例えば、脱保護は、光学的に純粋なR,R−カルモテロール塩基を得るために、貴金属触媒および水素ガスの存在下での式(V)の化合物の水素添加分解、または相間移動水素化を使用した式(V)の化合物の水素添加分解を含んでよい。或いは、適切な溶媒中の鉱酸、強酸、ルイス酸、または水性無機塩基のような、他の脱保護試薬を使用してもよい。
が置換シリルであるときに、脱保護のための好ましい方法は、式(V)の化合物をフッ化t−ブチルアンモニウムまたはフッ化カリウムで処理することによるものである。
がアリールアルキルまたは置換アリールアルキルであるとき、脱保護のための好ましい方法は、パラジウム、水酸化パラジウム、活性炭上のパラジウム、アルミナ上のパラジウム、白金、活性炭上の白金、およびラネーニッケルのような触媒を使用した触媒還元である。
工程(iii)で使用される溶媒は、好ましくは、酢酸アルキル、低級アルキルアミン、アルコール、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ヘテロ環、ジアルキルエーテル、酸、水および水混和性溶媒の混合物、イオン性液体、ハロゲン化溶媒、並びにこれらの混合物から選択される。
本発明の方法は、更に、(iv)R,R−カルモテロール塩基を医薬的に許容可能なその塩に変換する工程を含んでよい。
或いは、(R,R)−カルモテロールは、Rが置換ベンジルである式(IIb)の化合物を式(I)の化合物と反応させ、次いで脱ベンジル化することによって合成されてよい。
式(IIb)の化合物は、先行技術において既知の方法を使用することにより合成されてよい。
式(I)の化合物は、式(If)のブロモアセチル化合物から、スキーム2に示すようにして調製されてよい。
<スキーム2>
Figure 2010520188
ここでのブロモアセチル化合物は、(−)−DIP塩化物、β−イソピノカンフィニル−9BBN(R−アルピン−ボラン)のようなキラル還元剤を使用してキラル還元を受ける。この還元は、式(Ig)の化合物を得るために、1モル%のキラルβ−オキソアルジミナトコバルト(II)錯体または約1当量のボラン還元剤[例えばBH.THF(THF=テトラヒドロフラン)もしくはボラン−メチルスルフィド]の存在下において、任意にはキラルオキサザボロリジン触媒から誘導された触媒量の単一エナンチオマーのオキサザボロリジンの存在下において行われる。
キラルオキサザボロリジン触媒の例は、cis−(1R、2S)−アミノインダノール、R−ジフェニルプロリノール、R−メチルオキサゾボロリデン(R−ジフェニルプロリノール、トリメチルボロキシンおよびメチルホウ酸から誘導されたもの)、非−α−置換(R)−インドリン−2−カルボン酸等である。
更に、光学的に純粋な式(Ig)のハロヒドリンは、ラセミ化を伴わずに光学的に純粋な式(I)のエポキシドを生じさせるために、少なくとも1当量の塩基で処理されてよい。水性NaOHまたはKCOのような種々の有機塩基および無機塩基を、アルコール溶媒またはMeOH/TH、アセトン/THFのような溶媒混合物中で用いてよい。
本発明の方法において、式(I)のエポキシドは、式(Ig)のブロモヒドリンの単離を伴わずに、好ましくはピペリジン、ピリジン、またはピロリジンのような塩基の存在下で得てもよい。この得られたエポキシドは、不活性有機溶媒からの再結晶化により精製されてよい。
(Ig)の調製のために任意に使用される触媒、例えば単一エナンチオマーのオキサザボロリジンは、R−ジフェニルプロリノールおよびジボランからインサイチューで発生されてよい。
式(I)のオキシラニル化合物の合成に有用な式(If)の中間化合物は、スキーム3に示すようにして調製されてよい。
<スキーム3>
Figure 2010520188
ここでの化合物(Ia)、即ち、8−ヒドロキシキノリンは、対応する式(Ib)の5−アセチル化合物を得るために、適切な溶媒の存在下で適切なルイス酸触媒を使用して、ハロアセチル化合物でアシル化されてよい。
使用されるルイス酸触媒は、三塩化ホウ素、塩化アルミニウム、四塩化チタン、三フッ化ホウ素、四塩化錫および塩化亜鉛から選択されてよい。
使用される溶媒は、好ましくは、ハロゲン化溶媒、二硫化炭素、およびそれらの混合物から選択され、好ましくはジクロロエタンである。
化合物(Ib)において、ヒドロキシル基は、低級アルカノイル、例えばC〜Cアルカノイル、置換もしくは非置換のベンジル、および置換もしくは非置換のフェニルのような広範な保護基を使用して保護されて、化合物(Ic)を与えてよい。本発明の方法において、臭化ベンジルはヒドロキシ基の保護のための好ましい試薬であり、これは蒸留による単純化された加工手順をもたらし、如何なる抽出手順をも回避する。
式(Ic)の化合物は、酸化剤によって対応する式(Id)のN−オキシドに酸化されてよい。適切な酸化剤は、ペルオキシ安息香酸、m−クロロ過安息香酸、過酢酸、ペルオキシトリフルオロ酢酸、ペルオキシ硫酸、過臭素酸、過蟻酸、ペルオキシマレイン酸、ペルオキシジクロロマレイン酸(例えば、過酸化水素およびジクロロマレイン酸無水物から調製される)のような過酸、バナジウム触媒の存在下のtert−ブチルヒドロペルオキシド、ジメチルジオキシラン、二酸化セレン、m−フェナントロリンジ−N−オキシド(例えば Hおよびm−フェナントロリンから調製される)、硝酸および過酸化水素である。
このプロセスのために使用される溶媒は、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、メタノール、tert−ブタノール、酢酸、硫酸、水、トリフルオロ酢酸、クロロホルム、およびそれらの混合物から選択される。好ましくは、該反応はジクロロメタン、酢酸エチル、または それらの混合物から選択される。
化合物(Id)は、式(Ie)の化合物を得るために、無水酢酸および無水トリフルオロ酢酸を含む無水物のような試薬、好ましくは無水酢酸の中で加熱されてよい。この反応は、小容量、例えば2容量の無水酢酸中に存在する試薬を用いて行ってもよい。化合物(Ie)は、実質的に小容量の無水酢酸のような適切な溶媒を使用して、結晶化により単離されてよい。
式(Ie)の化合物は、式(If)のブロモケトンを得るために、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、クロロホルム、メタノール、四塩化炭素、またはそれらの混合物からなる群から選択される溶媒、好ましくはジクロロメタン中のN−ブロモスクシンイミドまたは臭素のような臭素化剤を使用して臭素化されてよい。
カルモテロールの他のジアステレオマーは、(R,R)−カルモテロールについて上記で与えた合成プロトコルに続いて、適切なエポキシド(I)およびアミン(II)を反応させることによって調製されてよい。こうして、式(I)の化合物(Rエナンチオマーの形態で描かれている)は、Sエナンチオマーの形態で合成され、式(III)の化合物の(S,R)ジアステレオマーを調製する上記で述べた方法に従って式(I)の化合物(Rエナンチオマーの形態で描かれている)と反応され、続いて上記で述べた方法に従って化合物(IV)または(V)の(S,R)ジアステレオマーに変換し、次いで上記で述べた方法に従って(S、R)−カルモテロールに変換されてよい。
或いは、式(II)の化合物は、Sエナンチオマーの形態で合成され、上記で述べた方法に従って式(I)の化合物と反応させて、化合物(III)の(R,S)ジアステレオマーを形成し、続いて上記で述べた方法に従って化合物(IV)または(V)の(R,S)ジアステレオマーに変換され、次いで上記で述べた方法に従って(R,S)−カルモステロールに変換されてよい。
或いは、式(II)の化合物は、Sエナンチオマーの形態で合成されてよく、また式(I)の化合物はSエナンチオマーの形態で合成されてよく、この二つのSエナンチオマーを上記で述べた方法に従って反応させて化合物(III)の(S,S)ジアステレオマーを調製し、続いて上記で述べた方法に従って化合物(IV)または(V)の(S,S)ジアステレオマーに変換し、次いで上記で述べた方法に従って(S,S)−カルモテロールに変換してよい。
以下の実施例に与えられる本発明の詳細は例示に過ぎず、従って、これら実施例は本発明の範囲を限定するように解釈されるべきものではない。
実施例1
5−アセチル−8−ヒドロキシキノリン(化合物(Ib))の調製
8−ヒドロキシキノリン(500gm/3.44モル)を、25〜30℃の不活性雰囲気中において塩化エチレン(5L)の中に溶解した。この溶液に、塩化アセチル(260mL/4.12モル)を2時間かけて滴下により添加した。反応塊を15〜20分間撹拌した。塩化アルミニウム(1.15Kg/8.62モル)を2時間かけて一度に添加した。反応塊を25〜30℃において15〜20分間撹拌し、70℃において13〜14時間加熱した。反応が完了した後、該反応塊を25〜30℃に冷却し、粉砕した氷(10Kg)および濃HCl(500mL)の混合物中で徐々に冷却した。得られたスラリーを15〜20分間撹拌した。粗製の5−アセチル−8−ヒドロキシキノリン塩酸塩を濾過により単離し、2リットルのアセトンで洗浄し、真空下で1時間乾燥した。収量:680グラム。
20リットルの丸底フラスコに湿ったケーキ(680グラム)および水(5リットル)を充填した。この混合物を、液体アンモニア(300mL)を使用して塩基性化し、15〜20分間撹拌した。得られたスラリーを、ジクロロメタン(3.5リットル)で2回抽出した。該溶液を活性炭(40グラム)およびシリカゲル(500グラム)と共に15時間撹拌した。この反応塊をヒフロ(hyflo)床上で濾過し、ジクロロメタン(2リットル)で洗浄した。透明な溶液を真空下に40℃で蒸留した。残渣をジイソプロピルエーテル(500mL)でストリップして、痕跡量のジクロロメタンを除去した。残渣にジイソプロピルエーテル(1リットル)を満たして撹拌した。この反応塊を30〜40℃に加温し、徐々に25〜30℃に冷却し、0〜5℃に冷やし、この同じ温度で30分間撹拌した。得られた5−アセチル−8−ヒドロキシキノリンを濾過により単離し、ジイソプロピルエーテル(500mL)で洗浄し、60〜65℃において5〜6時間乾燥した。収量:252グラム。
実施例2
5−アセチル−8−ベンジロキシキノリン(化合物(Ic);R=ベンジル)の調製
機械式撹拌機、温度計、添加ロート、および還流コンデンサを備えた5リットルの四つ口フラスコに、5−アセチル−8−ヒドロキシキノリン(300グラム/1.44モル)およびアセトン(3リットル)を充填した。この溶液に、無水炭酸カルシウム(443グラム/1.6モル)を30分かけて加え、続いて臭化ベンジル(229mL/1.92モル)を90分掛けて徐々に加えた。得られたスラリーを加熱して12時間還流させた。この反応塊をヒフロ(hyflo)床を通して濾過し、反応の完了後に熱酢酸エチル(300mL)で洗浄した。透明な濾液を、高真空下に55〜60℃で完全に留去した。残渣をアセトン(300mL)中に溶解し、5〜10分間50℃に加温し、25〜30℃に冷却し、更に0〜5℃に冷やして30分間撹拌した。得られた5−アセチル−8−ベンジロキシキノリンを濾過により単離し、アセトンおよびジイソプロピルエーテルの1:1混合物(150mL)で洗浄し、真空下に60〜65℃で4〜5時間乾燥した。収量:202グラム。
実施例3
5−アセチル−8−ベンジロキシキノリン−N−オキシド(化合物(Id);R=ベンジル)の調製
5−アセチル−8−ベンジロキシキノリン(200グラム/0.72モル)を、室温においてジクロロメタン(4リットル)中に溶解した。この溶液に、m−クロロ過安息香酸(355.64グラム/1.44モル)を撹拌下で90分かけて加えた。この混合物を25〜30℃において2時間撹拌した。反応が完了した後、反応塊を8%重炭酸ナトリウム溶液(3.04リットル)で30分かけて徐々に冷却し、同じ温度で5〜10分間撹拌した。有機層を分離し、水層をジクロロメタン(2.5リットル)で抽出した。有機相を合体させ、塩水溶液(2.5リットル)で洗浄した。ジクロロメタンを、真空下に40℃で留去した。残渣をアセトン(500mL)でストリップして、痕跡量のジクロロメタンを除去した。その残渣をアセトン(200mL)と共に撹拌し、0〜5℃に2時間冷却した。得られた5−アセチル−8−ベンジロキシキノリン−N−オキシドを濾過により単離し、ジエチルエーテル(200mL)で洗浄し、真空下に60〜65℃で2〜3時間乾燥した。収量:116グラム。
実施例4
5−アセチル−8−ベンジロキシカルボスチリル(化合物(Ie);R=ベンジル)の調製
5−アセチル−8−ベンジロキシキノリン−N−オキシド(10グラム/0.034モル)を、25〜30℃で無水酢酸中に充填した。得られたスラリーを40℃に加熱して、40℃において2時間撹拌した。反応が完了した後、該反応塊を25〜30℃に冷却し、0〜5℃に冷やし、0〜5℃において30分間撹拌した。粗製の5−アセチル−8−ヒドロキシキノリン塩酸塩を濾過により単離し、2リットルのアセトンで洗浄し、真空下において1時間乾燥した。収量:680グラム。得られた5−アセチル−8−ベンジロキシカルボスチリルを濾過により単離し、ジイソプロピルエーテル(50mL)で洗浄し、真空化に60〜65℃で2〜3時間撹拌した。収量:7グラム。
実施例5
5−ブロモアセチル−8−ベンジロキシカルボスチリル(化合物(If);R=ベンジル)の調製
機械式撹拌機、温度計、添加漏斗、および還流コンデンサを備えた乾燥した3リットルの四つ口丸底フラスコに、アルゴン下で、5−アセチル−8−ベンジロキシカルボスチリル(50グラム/0.17モル)および乾燥ジクロロメタン(1リットル)を充填した。この反応塊に、ジクロロメタン(100mL)中の臭素(8.4mL/0.17モル)の溶液を、還流温度において4時間かけて徐々に添加した。該混合物を、追加の30分だけ還流させた。この反応塊を30℃に冷却し、10%炭酸カルシウム水溶液(470mL)を使用してpH8〜9に調節した。
真空下に35℃で溶媒を部分的に蒸留し、0〜5℃に冷却し、10〜15分間撹拌した。得られた粗製の5−ブロモアセチル−8−ベンジロキシカルボスチリルを濾過により単離し、ジイソプロピルエーテル(100mL)で洗浄し、真空下に50〜55℃で14時間乾燥した。収量:56.58グラム。
<粗製5−ブロモアセチル−8−ベンジロキシカルボスチリル(化合物(If);R=ベンジル)の精製>
粗製5−ブロモアセチル−8−ベンジロキシカルボスチリル(56グラム)を、クロロホルム(280mL)と共に丸底フラスコの中に充填した。反応塊を加熱して30分間還流させ、25〜30℃に2〜3時間冷却した。反応塊を更に0〜5℃に冷却し、30分間撹拌させた。得られた固体を濾過により単離し、クロロホルム(55mL)で洗浄し、真空下に55〜60℃で4〜5時間乾燥して、41グラムの5−ブロモアセチル−8−ベンジロキシカルボスチリルを得た。
実施例6
8−ベンジロキシ−5−[(R)−(2−ブロモ−1−ヒドロキシエチル)]−カルボスチリル(化合物(Ig);R=ベンジル)の調製
機械式撹拌機、温度計、添加漏斗、および還流コンデンサを備えた乾燥した5リットルのフラスコに、アルゴン下で、5−ブロモアセチル−8−ベンジロキシカルボスチリル(100グラム/0.268モル)および乾燥THF(1.2リットル)を充填した。トルエン中の(R)−テトラヒドロ−1−メチル3,3−ジフェニル(1H,3H)−ピロロ[1,2−c][1,3,2]−オキサゾボロリジン触媒の溶液(43mL/0.388モル)を添加し、反応塊を0〜2℃に冷却した。次いで、温度を0〜2℃に維持しながら、THF(342mL)中のボラン−メチルスルフィドの1M溶液(32.42mL/0.3417モル)を3時間かけて加えた。この反応を、同じ温度で更に15〜20分間撹拌した。メタノール(171mL)を15〜20分で添加することにより、反応塊を冷却した。得られた溶液の温度は25〜30℃に上昇させ、真空下に50℃において500mLの容積にまで濃縮した。この濃縮物に、水(1.45リットル)および濃HCl(74mL)の混合物を10〜15分間で加えた。得られた懸濁液を25℃で30分間撹拌した。得られた固体の8−ベンジロキシ−5−[(R)−(2−ブロモ−1−ヒドロキシエチル)]−カルボスチリルを濾過により単離し、中性pHになるまで水で洗浄し、真空下に60〜65℃で12〜14時間乾燥した。収量:70〜73グラム。
実施例7
8−ベンジロキシ−5−(R)−オキシラニルカルボスチリル(化合物(I);R=ベンジル)の調製
機械式撹拌機、温度計、添加漏斗、および還流コンデンサを備えた乾燥した5リットルのフラスコに、8−ベンジロキシ−5−[(R)−(2−ブロモ−1−ヒドロキシエチル)]−カルボスチリル(70グラム/0.187モル)、炭酸カルシウム(74グラム/0.536モル)、アセトン(3.5リットル)および水(35ml)を加えた。得られたスラリーを加熱して還流させ、2.5時間維持した。反応が完了した後に、熱い反応塊をヒフロ床上で濾過して無機物を除去した。その残渣をジクロロメタン(200mL)中にスラリー化し、ヒフロ床上でろ過した。濾液を合体させ、真空下で完全に濃縮した。残渣をジクロロメタン(500mL)中に溶解し、ヒフロ床上で濾過して痕跡量の不溶物を除去し、ジクロロメタン(100mL)で洗浄した。透明な濾液を完全に蒸留して残渣を得た。この残渣にメタノール(70mL)を加え、撹拌し、30分間50℃に加熱した。得られたスラリーを25〜30℃に冷却し、0〜5℃に冷やし、1時間撹拌した。得られた固体を濾過により単離し、メタノール(30mL)および続いてジイソプロピルエーテル(100mL)で洗浄し、真空下に60〜65℃で10〜12時間乾燥して、40〜41グラムの8−ベンジロキシ−5−(R)−オキシラニルカルボスチリルを得た。
実施例8
5−ブロモアセチル−8−ベンジロキシカルボスチリル(化合物(I);R=ベンジル)からの、8−ベンジロキシ−5−(R)−オキシラニルカルボスチリルの調製
機械式撹拌機、温度計、添加漏斗、および還流コンデンサを備えた乾燥した250mLのフラスコに、5−ブロモアセチル−8−ベンジロキシカルボスチリル(5グラム/0.0134モル)ならびに乾燥THF(60ml)を、アルゴン下で充填した。(R)−テトラヒドロ−1−メチル3,3−ジフェニル(1H,3H)−ピロロ[1,2−c][1,3,2]−オキサゾボロリジン触媒のトルエン中溶液(2.15ml/0.002モル)を添加し、反応塊を0〜2℃に冷却した。次いで、ボロンジメチルスルフィドのTHF(17mL)中1モル溶液を、0〜2℃の温度を維持しながら45分かけて添加した。この反応塊を同じ温度で更に1時間撹拌し、次いで、水(80mL)中のピペリジン(8.5mL/0.0861モル)溶液を30分かけて添加することにより冷却した。この反応塊を0〜2℃で30分間撹拌した。反応が完了した後、反応塊を20〜22℃にして、ジクロロメタン(50、L)で3回抽出した。組み合わせたジクロロメタン抽出液を水(100mL)で3回洗浄した。真空下に30℃で有機層を完全に留去した。得られた残渣にメタノール(12mL)を加え、50℃に5〜10分間加温した。得られたスラリーを25〜30℃に冷却し、30分間撹拌した。得られた8−ベンジロキシ−5−(R)−オキシラニルカルボスチリルを濾過により単離し、メタノール(10mL)で洗浄し、続いてジイソプロピルエーテル(30mL)で洗浄し、真空下に60〜65℃で10〜12時間乾燥した。収量:12グラム。
実施例9
蓚酸8−ベンジロキシ−5−{((1R)−1−ヒドロキシ−2−[N−(1R)−2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル)アミノ]エチル}カルボスチリル(化合物(IV)の蓚酸塩;R=ベンジル)の調製
<工程1>:(R)−N−トリメチルシリル[2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル)]アミン(化合物(II);R=トリメチルシリル)の調製
(R)−N−[2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル)]アミン塩酸塩(22.6グラム/0.112モル)を、ジクロロメタン(226mL)、水(452mL)の中に溶解し、液体アンモニア(22mL)で塩基性化した。有機層を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空下に30℃で濃縮した。得られた残渣をアルゴン下でジグリム(670mL)中に溶解した。次いで、ヘキサメチルジシラザン(25.6mL/0.121モル)を25℃で加えた。この反応塊を110℃に1時間加熱し、30℃に冷却して透明な溶液を得た。
(a)蓚酸8−ベンジロキシ−5−{((1R)−1−ヒドロキシ−2−[N−(1R)−2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル)アミノ]エチル}カルボスチリル(化合物(V);R=ベンジル;A=蓚酸イオン)の調製
機械式撹拌機、温度計、添加漏斗、および還流コンデンサを備えた乾燥した250mLのフラスコに、アルゴン下で、8−ベンジロキシ−5−(R)−オキシラニルカルボスチリル(30グラム/0.102モル)およびジグリム(60mL)を充填した。この反応塊を100℃に加熱し、工程1で調製された溶液を5時間かけて徐々に充填した。得られた透明な溶液を更に100℃で25時間加熱した。反応が完了した後、反応塊を80℃に冷却した。次いで、エタノール(150mL)中の蓚酸二水和物(25.6グラム/0.203モル)の溶液を、80℃で徐々に反応塊に加えた。この反応塊を80℃で30分間撹拌し、25℃に徐々に冷却し、16時間撹拌した。得られた固体を濾過により単離し、エタノール(100mL)で洗浄し、真空下に60〜65℃で10〜12時間乾燥して、50グラムの蓚酸8−ベンジロキシ−5−{((1R)−1−ヒドロキシ−2−[N−(1R)−2−(p−メトキシフェニル)−1−メチル エチル)アミノ]エチル}カルボスチリルを得た。
同様に、実施例9aに記載した方法を使用して下記の化合物を調製した。
(b)フマル酸 8−ベンジロキシ−5−{((1R)−1−ヒドロキシ−2−[N−(1R)−2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル アミノ]エチル}カルボスチリル
(c)酒石酸 8−ベンジロキシ−5−{((1R)−1−ヒドロキシ−2−[N−(1R)−2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル アミノ]エチル}カルボスチリル
(d)安息香酸 8−ベンジロキシ−5−{((1R)−1−ヒドロキシ−2−[N−(1R)−2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル アミノ]エチル}カルボスチリル
(e)サリチル酸 8−ベンジロキシ−5−{((1R)−1−ヒドロキシ−2−[N−(1R)−2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル アミノ]エチル}カルボスチリル
(f)ジ−p−トルイル−D−酒石酸 8−ベンジロキシ−5−{((1R)−1−ヒドロキシ−2−[N−(1R)−2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル アミノ]エチル}カルボスチリル
(g)ジベンゾイル−D−酒石酸 8−ベンジロキシ−5−{((1R)−1−ヒドロキシ−2−[N−(1R)−2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル アミノ]エチル}カルボスチリル
(h)ジピバロイル−D−酒石酸 8−ベンジロキシ−5−{((1R)−1−ヒドロキシ−2−[N−(1R)−2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル アミノ]エチル}カルボスチリル
(i)コハク酸 8−ベンジロキシ−5−{((1R)−1−ヒドロキシ−2−[N−(1R)−2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル アミノ]エチル}カルボスチリル
(j)グルタミン酸 8−ベンジロキシ−5−{((1R)−1−ヒドロキシ−2−[N−(1R)−2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル アミノ]エチル}カルボスチリル
(k)エチレンジアミン四酢酸 8−ベンジロキシ−5−{((1R)−1−ヒドロキシ−2−[N−(1R)−2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル アミノ]エチル}カルボスチリル
(l)マレイン酸 8−ベンジロキシ−5−{((1R)−1−ヒドロキシ−2−[N−(1R)−2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル アミノ]エチル}カルボスチリル
(m)マンデル酸 8−ベンジロキシ−5−{((1R)−1−ヒドロキシ−2−[N−(1R)−2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル アミノ]エチル}カルボスチリル
(n)マロン酸 8−ベンジロキシ−5−{((1R)−1−ヒドロキシ−2−[N−(1R)−2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル アミノ]エチル}カルボスチリル)
(o)酢酸 8−ベンジロキシ−5−{((1R)−1−ヒドロキシ−2−[N−(1R)−2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル アミノ]エチル}カルボスチリル
(p)アントラニル酸 8−ベンジロキシ−5−{((1R)−1−ヒドロキシ−2−[N−(1R)−2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル アミノ]エチル}カルボスチリル
(q)リンゴ酸 8−ベンジロキシ−5−{((1R)−1−ヒドロキシ−2−[N−(1R)−2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル アミノ]エチル}カルボスチリル
(r)ニコチン酸 8−ベンジロキシ−5−{((1R)−1−ヒドロキシ−2−[N−(1R)−2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル アミノ]エチル}カルボスチリル
(s)フロ酸 8−ベンジロキシ−5−{((1R)−1−ヒドロキシ−2−[N−(1R)−2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル アミノ]エチル}カルボスチリル
実施例10
蓚酸8−ベンジロキシ−5−{((1R)−1−ヒドロキシ−2−[N−(1R)−2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル)アミノ]エチル}カルボスチリル(化合物(V);R=ベンジル、A=蓚酸イオン)の調製
<工程1>:(+)−(R)−N−[2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル)]アミンの調製
(R)−N−[2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル)]アミン塩酸塩(22.6グラム/0.112モル)を、ジクロロメタン(226mL)、水(452mL)中に溶解し、液体アンモニア(22mL)で塩基性化した。有機層を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空下に30℃で濃縮した。得られた残渣をアルゴン下でHMPA(60mL)中に溶解した。
(a)蓚酸8−ベンジロキシ−5−{((1R)−1−ヒドロキシ−2−[N−(1R)−2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル)アミノ]エチル}カルボスチリルの調製
機械式撹拌機、温度計、添加漏斗、および還流コンデンサを備えた乾燥した250mLのフラスコに、アルゴン下で、8−ベンジロキシ−5−(R)−オキシラニルカルボスチリル(30グラム/0.102モル)およびヘキサメチルホスホラミド(60mL)を充填した。この反応塊を撹拌し、工程1で調製された溶液を25℃で充填した。得られた透明な溶液を更に80℃で45時間加熱した。反応が完了した後、反応塊を80℃に冷却した。次いで、エタノール(150mL)中の蓚酸二水和物(25.6グラム/0.203モル)の溶液を、80℃で徐々に反応塊に加えた。この反応塊を80℃で30分間撹拌し、25℃に徐々に冷却し、16時間撹拌した。得られた固体を濾過により単離し、エタノール(100mL)で洗浄し、真空下に60〜65℃で10〜12時間乾燥して、30グラムの蓚酸8−ベンジロキシ−5−{((1R)−1−ヒドロキシ−2−[N−(1R)−2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル)アミノ]エチル}カルボスチリルを得た。
実施例11
蓚酸8−ベンジロキシ−5−{((1R)−1−ヒドロキシ−2−[N−(1R)−2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル)アミノ]エチル}カルボスチリル(化合物(V);R=ベンジル、A=蓚酸イオン)の調製
<工程1>:(R)−N−トリメチルシリル[2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル)]アミン(化合物II;R=トリメチルシリル)の調製
(R)−N−[2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル)]アミン塩酸塩(7.55グラム/0.0375モル)をジクロロメタン(75mL)、水(150mL)中に溶解し、液体アンモニア(8mL)で塩基性化した。有機層を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空下に30℃で濃縮した。得られた残渣をアルゴン下でHMPA(60mL)中に溶解した。次いで、ヘキサメチルジシラザン(9mL/0.0409モル)を25℃で加えた。反応塊を80℃に1時間加熱し、30℃に冷却して透明な溶液を得た。
(a)蓚酸8−ベンジロキシ−5−{((1R)−1−ヒドロキシ−2−[N−(1R)−2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル)アミノ]エチル}カルボスチリル(化合物(V);R1=ベンジル;A=蓚酸イオン)の調製
機械式撹拌機、温度計、添加漏斗、および還流コンデンサを備えた乾燥した250mLのフラスコに、アルゴン下で、8−ベンジロキシ−5−(R)−オキシラニルカルボスチリル(10g、0.102モル)およびHMPA(20mL)を充填した。この反応塊を80℃に加熱し、工程1で調製された溶液を5時間掛けて徐々に充填した。得られた透明な溶液を更に80℃で45時間加熱した。反応が完了した後、反応塊を50℃に冷却した。次いで、エタノール(100mL)中の蓚酸二水和物(6グラム/0.0477モル)の溶液を、50℃で徐々に反応塊に加えた。この反応塊を50℃で30分間撹拌し、25℃に徐々に冷却し、16時間撹拌した。得られた固体を濾過により単離し、エタノール(100mL)で洗浄し、真空下に60〜65℃で10〜12時間乾燥して、10グラムの蓚酸8−ベンジロキシ−5−{((1R)−1−ヒドロキシ−2−[N−(1R)−2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル)アミノ]エチル}カルボスチリルを得た。
実施例12
8−ベンジロキシ−5−{((1R)−1−ヒドロキシ−2−[N−(1R)−2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル)アミノ]エチル}カルボスチリル塩酸塩(化合物(V);R=ベンジル;A=塩素イオン)
実施例9aのようにして調製された蓚酸8−ベンジロキシ−5−{((1R)−1−ヒドロキシ−2−[N−(1R)−2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル)アミノ]エチル}カルボスチリル(50グラム/0.0912モル)を、ジクロロメタン(100mL)と共に、丸底フラスコの中に充填した。この反応塊を10%水酸化ナトリウム(50mL)で塩基性にした。有機層を分離し、水(100mL)で3回洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空下に35℃で完全に濃縮した。得られた残渣をイソプロパノール(450mL)中に溶解し、IPA−HCl(50mL)を滴下により充填してpHを3〜4に調節した。反応塊を加熱して還流させ、濃厚なスラリーを得た。次いで、還流を維持しながら、水(50mL)を30分かけて滴下により加えた。得られた透明な溶液を25℃に24時間冷却し、更に10℃で1時間冷却した。得られた8−ベンジロキシ−5−{((1R)−1−ヒドロキシ−2−[N−(1R)−2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル)アミノ]エチル}カルボスチリル塩酸塩を濾過により単離し、イソプロパノール(100mL)で洗浄し、真空下に60〜65℃で10〜12時間乾燥した。収量:40グラム
表題化合物は、出発物質として実施例9b〜9sの生成物を使用し、実施例10の方法を使用したときにも同様に調製された。
実施例13
8−ベンジロキシ−5−{((1R)−1−ヒドロキシ−2−[N−(1R)−2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル)アミノ]エチル}カルボスチリル塩酸塩(化合物(V);R=ベンジル;A=塩素イオン)
メタノール(500mL)、THF(500mL)、8−ベンジロキシ−5−(R)−オキシラニルカルボスチリル(83グラム/0.283モル)、(R)−(+)−N−(1−フェニルエチル)−N−[1−(p−メトキシフェニル)−2−プロピル)]アミン塩酸塩(83グラム/0.271モル)および粉末炭酸カルシウム(37.4グラム/0.271モル)の混合物を、撹拌下においてRTのアルゴン下に、乾燥したフラスコの中に充填した。反応塊を25〜30℃で1時間撹拌し、真空下に30〜35℃で濃縮した。得られたスラリーをトルエン(1リットル)と共に30分間撹拌下。次いで、反応塊に水(1リットル)を充填し、同じ温度で30分間撹拌した。有機層を分離し、水層をトルエン(200mL)で逆抽出した。有機層を合体させ、中性pHになるまで水で洗浄し(4×500mL)、硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空下に35℃未満で濃縮して溶媒を除去した。その残渣をヘプタン(500mL)で3回ストリップして、痕跡量のトルエンを除去した。その残渣を、不活性雰囲気中での撹拌下に、140℃で徐々に加熱した。この加熱は30〜35時間継続した。反応塊を35℃に冷却し、ジクロロメタン(1リットル)と共に撹拌し、同じ温度で更に30分間撹拌を継続した。反応塊をRTに冷却した。該溶液を活性炭(20グラム)およびシリカゲル(40グラム)と共に室温で30分間撹拌し、ヒフロ床上で濾過し、ジクロロメタン(100mL)で洗浄した。透明な濾液をIPA−HCl(100mL)で酸性化し、真空下に50℃で完全に蒸留した。得られた残渣をジイソプロピルエーテル(100mL)で3回ストリップして、痕跡量のジクロロメタンおよびIPAを除去した。その残渣にジイソプロピルエーテル(500mL)を50℃で充填し、30分間撹拌した。この得られたスラリーを25〜30℃にし、同じ温度で更に30分間撹拌した。得られた固体を濾過により単離し、ジイソプロピルエーテル(200mL)で洗浄し、真空下に40〜45℃で4カラ5時間乾燥した。105グラムの8−ベンジロキシ−5−{((1R)−1−ヒドロキシ−2−[N−(1R)−2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル)アミノ]エチル}カルボスチリル塩酸塩を得た。
実施例14
8−ヒドロキシ−5−{((1R)−1−ヒドロキシ−2−[N−(1R)−2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル) アミノ]エチル}カルボスチリル塩酸塩(R,R−カルモテロール塩酸塩)の調製
8−ベンジロキシ−5−{((1R)−1−ヒドロキシ−2−[N−(1R)−2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル)アミノ]エチル}カルボスチリル塩酸塩(25グラム/0.050モル)、メタノール(250mL)、および水(25mL)中の10%Pd/C触媒(2.5グラム)のスラリーを、25℃で水素化器の中に充填した。この反応塊は、45〜45psiを1時間加えることにより、25℃で水素化された。反応が完了した後、該反応塊をヒフロ床上で濾過した。このヒフロ床をメタノール(100mL)で洗浄した。透明な濾液を2%活性炭と共に25〜30℃で30分間撹拌し、ヒフロ床上で濾過し、メタノール(100mL)で洗浄した。透明な濾液を真空下に50℃で完全に蒸留した。得られた残渣をエタノール(100mL)で3回ストリップして、痕跡量のメタノールを除去した。その残渣にエタノール(125mL)を加えた。反応塊を加熱して1時間還流させ、次いで、6時間かけて徐々に25℃に冷却した。得られた固体を濾過により単離し、エタノール(50mL)で洗浄し、真空下に50〜55℃で12〜14時間乾燥して、11グラムの8−ヒドロキシ−5−{((1R)−1−ヒドロキシ−2−[N−(1R)−2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル)アミノ]エチル}カルボスチリル塩酸塩、即ち、R,R−カルモテロール塩酸塩を得た。
実施例15
(+)−(R)−N−(1−フェニルエチル)−N−[1−(p−メトキシフェニル)−2−プロピル)]アミン塩酸塩の調製
4−メトキシフェニルアセトン(400グラム/2.439モル)、R(+)−フェニルエチルアミン(300グラム/2.479モル)、ラネーニッケル(100グラム)、およびメタノール(2.4リットル)を、水素添加器の中に充填した。10Kg/cmの水素圧を25時間加えることによって、反応塊を70℃で水素化した。反応が完了した後、反応塊を25〜30℃に冷却し、ヒフロ床上で濾過し、メタノール(400mL)で洗浄した。IPA(1.1リットル)中のHClの溶液を使用して、pHを1〜2に調節した。透明な濾液を真空下に65℃で蒸留して、容積を500mLにした。残渣を酢酸エチル(500mL)で3回ストリップして、痕跡量のメタノールを除去した。その残渣に65℃で酢酸エチル(2.0リットル)を充填し、30分間撹拌した。得られたスラリーを25〜30℃にし、0〜5℃に冷やし、更に30分間撹拌した。得られた(+)−(R)−N−(1−フェニルエチル)−N−[1−(p−メトキシフェニル)−2−プロピル)]アミン塩酸塩を、濾過により単離し、酢酸エチル(200mL)で洗浄し、真空下に60〜65℃で12〜14時間乾燥した。収量:470グラム。
実施例16
(+)−(R)−N−[2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル)]アミン塩酸塩(化合物(II)の塩酸塩)の調製
(R)−(+)−N−(1−フェニルエチル)−N−[1−(p−メトキシフェニル)−2−プロピル)]アミン塩酸塩(464グラム/1.591モル)、およびメタノール4.64リットル)中の10%Pd/C(93グラム)のスラリーを、水素添加器の中に充填した。反応塊は、5Kgの水素圧を8〜10時間加えることによって水素化された。該反応塊を室温に冷却し、ヒフロ床上で濾過して触媒を除去し、メタノール(500mL)で洗浄した。濾液を合体し、IPA−HCl(750mL)を使用してpH1〜2に酸性化した。透明な濾液を真空下に50℃で完全に蒸発させた。残渣を酢酸エチル(500mL)で3回ストリップして、痕跡量のメタノールを除去した。その残渣に65℃で酢酸エチル(2.0リットル)を充填し、30分間撹拌した。この残渣をアセトン(1.6リットル)中にスラリー化し、25〜30℃に冷却した。得られた(+)−(R)−N−[2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル)]アミン塩酸塩を濾過により単離し、アセトン(400mL)で洗浄し、真空下に50〜55℃で2〜4時間乾燥した。収量285グラム。
実施例17
蓚酸8−ヒドロキシ−5−{((1R)−1−ヒドロキシメチル2−[N−(1R)−2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル)アミノ]エチル}カルボスチリル(位置異性体)
(a)機械式撹拌機、温度計、添加漏斗、および還流コンデンサを備えた乾燥した250mLのフラスコに、(R)−N−[2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル)]アミン塩酸塩(3.78グラム/0.0187モル)、ジクロロメタン(50mL)、水(100mL)を充填し、液体アンモニア(5mL)で塩基性化した。有機層を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空下に30℃で濃縮した。得られた残渣をアルゴン下でジグリム(10mL)中に溶解した。次いで、25℃においてヘキサメチルジシラザン (4.275mL/0.02モル)を加えた。該反応塊を1時間110℃に加熱し、75℃に冷却した。反応塊に、ジグリム(10mL)中の8−ベンジロキシ−5−(R)−オキシラニルカルボスチリル(5グラム/0.017モル)を加え、続いてメタンスルホン酸(0.5mL)を加えた。反応塊を徐々に100℃まで加熱した。得られた透明な液を、更に100℃で25時間加熱した。反応が完了した後、反応塊を80℃に冷却した。次いで、エタノール(25mL)中の蓚酸二水和物(4.15グラム/0.0329モル)を80℃で徐々に反応塊に加えた。この反応塊を30分間撹拌し、徐々に25℃に冷却し、16時間撹拌した。得られた固体を濾過により単離し、エタノール(15mL)で洗浄し、真空下に60〜65℃で10〜12時間乾燥して、5.0グラムの蓚酸8−ベンジロキシ−5−{((1R)−1−ヒドロキシメチル2−[N−(1R)−2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル)アミノ]エチル}カルボスチリルを得た。
(b)次いで、実施例15aで得た蓚酸塩を実施例12の方法を使用して水素化し、それにより3.0グラムの蓚酸8−ヒドロキシ−5−{((1R)−1−ヒドロキシメチル2−[N−(1R)−2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル)アミノ]エチル}カルボスチリルを得た。
実施例18
8−ベンジロキシ−5−{((1R)−1−ヒドロキシ−2−[N−(1R)−2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル)アミノ]エチル}カルボスチリル(化合物(IV);R=ベンジル)の調製
(R)−N−[2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル)]アミン塩酸塩(7.56グラム/0.0375モル)を、ジクロロメタン(200mL)、水(400mL)中に溶解し、水酸化ナトリウム(1.6グラム/0.04モル)で塩基性化した。有機層を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空下に30℃で濃縮した。得られた残渣を、アルゴン下でIPA(200mL)中に溶解した。次いで、8−ベンジロキシ−5−(R)−オキシラニルカルボスチリル(10グラム/0.0341モル)を加えた。反応塊を、20〜25時間、85〜90℃に徐々に加熱し、30℃に冷却し、ヒフロ床上で濾過し、該床をIPA(50mL)で洗浄した。透明な濾液を真空下に50℃で濃縮した。その残渣を、ジイソプロピルエーテル(100mL)で2回ストリップして、痕跡量のIPAを除去した。この残渣に、50℃でジイソプロピルエーテル(100mL)を充填し、30分間撹拌し、30℃に冷却した。得られた(+)(R)−N−[2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル)]アミンを濾過により単離し、ジイソプロピルエーテル(50mL)で洗浄し、真空下に35〜40℃で2〜4時間乾燥した。収量:7.2グラム。
実施例19
8−ベンジロキシ−5−{((1R)−1−ヒドロキシ−2−[N−(1R)−2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル)アミノ]エチル}カルボスチリル 塩酸塩 (化合物 (V);R=ベンジル;A=塩素イオン)の、塩基の単離を伴わない調製
実施例9aのようにして調製した蓚酸8−ベンジロキシ−5−{((1R)−1−ヒドロキシ−2−[N−(1R)−2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル)アミノ]エチル}カルボスチリル(1グラム/0.00182モル)を、イソプロパノール(10mL)と共に丸底フラスコに充填した。反応塊を80℃に加熱し、IPA−HCl(1mL)をpH3〜4まで滴下により加えた。この反応塊を加熱して、5〜10分間還流させた。得られた透明な溶液を25℃に冷却し、同じ温度で12〜14時間攪拌し、更に10℃に1時間冷却した。得られた8−ベンジロキシ−5−{((1R)−1−ヒドロキシ−2−[N−(1R)−2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル)アミノ]エチル}カルボスチリル塩酸塩を濾過により単離し、イソプロパノール(5mL)で洗浄し、真空下に60〜65℃で5〜6時間乾燥した。収量:0.6グラム。
上記で述べた(R,R)−カルモテロール、またはカルモテロールの他のジアステレオマーは、ぜんそくおよび慢性閉塞性肺疾患(COPD)のような、気管支拡張効果を必要とする症状を治療するために適した医薬組成物に処方されてよい。このような組成物は従来技術において周知である。例えば、カルモテロールはネブライザを介して液体(水または水性アルコール)製剤として、乾燥粉末吸入器による乾燥粉末として、または各駆動に際し計量された容量の医薬を放出する適切な加圧計量投与量吸入器(pMDIs)を必要とするハロゲン化炭化水素噴射剤中において投与されてよい。
カルモテロールは、US2007/0065366に開示されたように、液状の噴射剤を含まない医薬製剤の形態であってよい。
本発明は、添付の特許請求の範囲の範囲内で変更され得ることが理解されるであろう。

Claims (131)

  1. 式(III)の化合物の(R,R)−,(S,S)−,(R,S)−、または(S,R)−ジアステレオマーを調製する方法であって:
    Figure 2010520188
    式(I)のオキシラニル化合物のRまたはSエナンチオマーを
    Figure 2010520188
    式(II)のアミンのRまたはSエナンチオマーまたはその塩と縮合させることを含んでなる方法:
    Figure 2010520188
    ここで、Rは、アルキル、アリール、アリル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロ環、アルケニル、ベンゾシクロアルキル、アラルキル、ハロアリールアルキル、ヘテロアラルキル、ハロアルキル、アルコキシアラルキル、および任意に置換されたシリルから選択される基であり;Rは、(a)任意に置換されたシリル、(b)任意に置換されたベンジル、または(c)水素であり;Rが任意に置換されたシリルであるときは、R’およびRはRと同じであるか;R’はRと同じで、且つRは水素であるか;またはR’は水素で、且つRはRと同じであるかの何れかであり;Rが任意に置換されたベンジルであるときは、R’が水素で、且つRはRと同じであり;またRが水素であるときは、R’が水素で且つRが水素である。
  2. 請求項1に記載の方法であって、化合物(I)および(II)はそれらのRエナンチオマーの形態であり、また化合物(III)は(R,R)−ジアステレオマーの形態である方法。
  3. 請求項1または2に記載の方法であって、前記化合物(III)の塩は塩酸塩である方法。
  4. 請求項1、2または3に記載の方法であって、Rが直鎖もしくは分岐鎖のC−Cアルキル、またはC−Cl4アリール、好ましくはベンジルである方法。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の方法であって、Rおよび/またはR’および/またはRがトリアルキルシリルである方法。
  6. 請求項5に記載の方法であって、RおよびR’はトリアルキルシリルであり、Rは水素である方法。
  7. 請求項5に記載の方法であって、RおよびRはトリアルキルシリルであり、R’は水素である方法。
  8. 請求項5、6または7に記載の方法であって、前記トリアルキルシリル基がトリメチルシリル、トリエチルシリルおよびt−ブチルジメチルシリルからなる群から選択される方法。
  9. 請求項1〜4の何れか1項に記載の方法であって、Rおよび/またはR’および/またはRがジアリールアルキルシリルである方法。
  10. 請求項9に記載の方法であって、RおよびR’がジアリールアルキルシリルであり、Rは水素である方法。
  11. 請求項9に記載の方法であって、Rおよび/またはRがジアリールアルキルシリルであり、R’は水素である方法。
  12. 請求項9、10または11に記載の方法であって、前記ジアリールアルキルシリルがt−ブチルジフェニルシリルである方法。
  13. 請求項1〜4の何れか1項に記載の方法であって、Rがベンジルである方法。
  14. 請求項1〜13の何れか1項に記載の方法であって、化合物(I)は光学的に純粋である方法。
  15. 請求項1〜14の何れか1項に記載の方法であって、化合物(II)は光学的に純粋である方法。
  16. 請求項1〜15の何れか1項に記載の方法であって、前記縮合は溶媒の存在下で行われる方法。
  17. 請求項16に記載の方法であって、前記溶媒は有機溶媒である方法。
  18. 請求項16に記載の方法であって、前記溶媒はメタノール、エタノール、イソプロピル アルコー (IPA)、t−ブタノール、メチルイソブチルケトン、トルエン、t−アミルアルコール、アセトニトリル、ジグリム、ジメチルスルホキシド(DMSO)、キシレン、およびヘキサメチルホスホラミド(HMPA)からなる群から選択され、このましくはHMPAである方法。
  19. 請求項1〜18の何れか1項に記載の方法であって、前記縮合工程は140℃未満の温度で行われる方法。
  20. 請求項19に記載の方法であって、前記縮合工程は120℃未満の温度で行われる方法。
  21. 請求項1〜15の何れか1項に記載の方法であって、前記縮合は溶媒の不存在下で行われる方法。
  22. 請求項21に記載の方法であって、前記縮合は約100〜約140℃の温度で行われる方法。
  23. 請求項1〜22の何れか1項に記載の方法であって、前記縮合は塩基の存在下で行われる方法。
  24. 請求項23に記載の方法であって、前記塩基は有機塩基または無機塩基である方法。
  25. 請求項23に記載の方法であって、前記塩基はトリエチルアミン、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、およびジイソプロピルエチルアミンから選択される方法。
  26. 請求項1〜4の何れか1項に記載の方法であって、Rはシリルであり、式(II)の化合物は(R)−N−(2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル)アミン、(R)−N−(2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル)アミンをシリル化剤でシリル化することにより調製される方法。
  27. 請求項26に記載の方法であって、前記シリル化剤はヘキサメチルジシラザンまたはヘキサエチルジシラザンである方法。
  28. 請求項1〜25の何れか1項に記載の方法であって、Rはベンジルであり、式(II)の化合物は、(R)−N−(2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル)アミン (R)−N−(2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル)アミンをベンジル化剤でベンジル化することにより調製される方法。
  29. 請求項1に記載の方法であって、Rはベンジルであり、Rはシリルである方法。
  30. 請求項29に記載の方法であって、Rはベンジルであり、Rはトリアルキルシリルである方法。
  31. 請求項30に記載の方法であって、前記トリアルキルシリルは、トリメチルシリル、トリエチルシリル、およびt−ブチルジメチルシリルからなる群から選択される方法。
  32. 請求項29に記載の方法であって、Rはジアリールアルキルシリルである方法。
  33. 請求項32に記載の方法であって、前記ジアリールアルキルシリルはt−ブチルジフェニルシリルである方法。
  34. 請求項1〜33の何れか1項に記載の方法であって、化合物(I)は、式(Ig)の化合物を化合物(I)に変換することによって調製される方法:
    Figure 2010520188
  35. 請求項34に記載の方法であって、化合物(Ig)は、式(If)の化合物を化合物(Ig)に変換することによって調製される方法:
    Figure 2010520188
  36. 請求項35に記載の方法であって、化合物(I)は、式(Ig)の化合物を化合物(I)に変換することによって調製される方法:
    Figure 2010520188
  37. 請求項36に記載の方法であって、化合物(Ie)は、式(Id)の化合物を化合物(Ie)に変換することによって調製される方法:
    Figure 2010520188
  38. 請求項37に記載の方法であって、化合物(Id)は、式(Ic)の化合物を化合物(Id)に変換することによって調製される方法:
    Figure 2010520188
  39. 請求項38に記載の方法であって、化合物(Ic)は、式(Ib)の化合物を化合物(Ic)に変換することによって調製される方法:
    Figure 2010520188
  40. 請求項39に記載の方法であって、化合物(Ib)は、式(Ia)の化合物を化合物(Ib)に変換することによって調製される方法:
    Figure 2010520188
  41. 請求項1〜40の何れか1項に記載の方法であって、更に、式(III)の化合物の(R,R)−、(S,S)−、(R,S)−、または(S,R)−ジアステレオマーを、カルモテロールの対応する(R,R)−、(S,S)−、(R,S)−、または(S,R)−ジアステレオマーに変換することを含んでなる方法。
  42. 請求項41に記載の方法であって、更に、式(III)の化合物の(R,R)−ジアステレオマーを、カルモテロールの(R,R)−ジアステレオマーに変換することを含んでなる方法。
  43. 請求項1〜40の何れか1項に記載の方法であって、更に、式(III)の化合物の(R,R)−、(S,S)−、(R,S)−、または(S,R)−ジアステレオマーを、酸の存在下で加水分解して、式(IV)の化合物の対応する(R,R)−、(S,S)−、(R,S)−、または(S,R)−ジアステレオマーを得ることを含んでなる方法。
    Figure 2010520188
    ここで、Rは請求項1で定義した通りである。
  44. 請求項43に記載の方法であって、更に、式(III)の化合物の(R,R)−ジアステレオマーを加水分解して、式(IV)の化合物の(R,R)−ジアステレオマーを得ることを含んでなる方法。
  45. 請求項43または44に記載の方法であって、前記酸がカルボン酸または鉱酸である方法。
  46. 請求項43または44に記載の方法であって、前記酸は、安息香酸、蓚酸、マレイン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、塩酸、サリチル酸、ジ−p−トルイル−D−酒石酸、ジ−ベンゾイル−D−酒石酸、ジ−ピバロイル−D−酒石酸、グルタミン酸、エチレンジアミン四酢酸、マンデル酸、マロン酸、酢酸、アントラニル酸、ニコチン酸、およびフロ酸からなる群から選択される方法。
  47. 請求項43〜46の何れか1項に記載の方法であって、前記縮合工程および加水分解工程は、化合物(III)の単離を伴わずに行われる方法。
  48. 請求項43〜44の何れか1項に記載の方法であって、化合物(IV)は、式(V)の化合物としてのその酸付加塩の形態で製造される方法:
    Figure 2010520188
    ここで、Rは請求項1または2で定義した通りであり、Aは陰イオンである。
  49. 請求項48に記載の方法であって、前記陰イオンは、蓚酸イオン、フマル酸イオン、酒石酸イオン、安息香酸イオン、サリチル酸イオン、ジ−p−トルイル・D−酒石酸イオン、ジ−ベンゾイル・D−酒石酸イオン、ジ−ピバロイル・D−酒石酸イオン、コハク酸イオン、グルタミン酸イオン、エチレンジアミン四酢酸イオン、マレイン酸イオン、マンデル酸イオン、マロン酸イオン、酢酸イオン、アントラニル酸イオン、ニコチン酸イオン、およびフロ酸イオンからなる群から選択される方法。
  50. 請求項43〜49の何れか1項に記載の方法であって、式(IV)または(V)の化合物は結晶化によって単離される方法。
  51. 請求項50に記載の方法であって、(V)結晶化は、前記酸付加塩を異なる酸の塩に変換することを含む方法。
  52. 請求項51に記載の方法であって、前記異なる酸の塩は塩酸塩である方法。
  53. 請求項51または52に記載の方法であって、前記酸付加塩の変換には式(V)の化合物の遊離塩基の単離が含まれる方法。
  54. 請求項51または52に記載の方法であって、前記酸付加塩の変換には化合物(V)の遊離塩基の単離が含まれない方法。
  55. 請求項43〜54の何れか1項に記載の方法であって、更に、式(IV)または(V)の(R,R)−、(S,S)−、(R,S)−、または(S,R)−ジアステレオマーをカルモテロールの(R,R)−、(S,S)−、(R,S)−、または(S,R)−ジアステレオマーに変換することを含んでなる方法。
  56. 請求項55に記載の方法であって、更に、式(IV)または(V)の(R,R)−ジアステレオマーをカルモテロールの(R,R)−ジアステレオマーに変換することを含んでなる方法。
  57. 請求項55または56に記載の方法であって、前記変換は、脱保護剤を使用したOR基の脱保護を含んでなる方法。
  58. 請求項57に記載の方法であって、前記加水分解工程および脱保護工程は、化合物(IV)または(V)の単離を伴わずに行われる方法。
  59. 請求項57に記載の方法であって、前記縮合工程、加水分解工程および脱保護工程は、化合物(III),(IV)または(V)の単離を伴わずに行われる方法。
  60. 請求項57、58または59に記載の方法であって、Rはベンジル基であり、前記脱保護は貴金属触媒および水素ガスの存在下において式(IV)または(V)の化合物の水素化分解を含んでなる方法。
  61. 請求項57、58または59に記載の方法であって、前記脱保護剤は、鉱酸、強酸、ルイス酸、および水性無機塩基からなる群から選択される化合物、および該脱保護化合物のための溶媒である方法。
  62. 請求項57、58または59に記載の方法であって、Rはシリルであり、前記脱保護は、式(IV)または(V)の化合物をフッ化t−ブチルアンモニウムまたはフッ化カリウムで処理することを含んでなる方法。
  63. 請求項57、58または59に記載の方法であって、Rはアリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり、前記脱保護は、パラジウム系または白金系触媒を使用した触媒還元を含んでなる方法。
  64. 請求項63に記載の方法であって、前記触媒はパラジウム、水酸化パラジウム、活性炭上のパラジウム、アルミナ上のパラジウム、白金、活性炭上の白金、およびラネーニッケルからなる群から選択される方法。
  65. 請求項57〜64の何れか1項に記載の方法であって、化合物(IV)または(V)の前記脱保護は、溶媒の存在下で行われる方法。
  66. 請求項65に記載の方法であって、化合物(IV)または(V)の前記脱保護は、有機溶媒の存在下で行われる方法。
  67. 請求項65に記載の方法であって、前記溶媒は酢酸アルキル、C〜Cアルキルアミン、アルコール、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ヘテロ環、ジアルキルエーテル、酸、水および水混和性溶媒の混合物、イオン性液体、ハロゲン化溶媒、並びにこれらの混合物から選択される方法。
  68. 請求項55〜67の何れか1項に記載の方法であって、前記カルモテロールはその医薬的に許容可能な塩に変換される方法。
  69. 請求項68に記載の方法であって、前記塩は塩酸塩である方法。
  70. カルモテロールの(R,R)−、(S,S)−、(R,S)−、または(S,R)−ジアステレオマーを調製する方法であって、(R,R)−、(S,S)−、式(III)の化合物の(R,S)−または(S,R)−ジアステレオマーを、式HAを有する酸の存在下に式(V)の化合物に変換することを含んでなる方法:
    Figure 2010520188
    ここで、R、R、R’、RおよびAは請求項1で定義した通りである。
  71. 請求項70に記載の方法であって、前記酸がカルボン酸または鉱酸である方法。
  72. 請求項71に記載の方法であって、前記酸は、安息香酸、蓚酸、マレイン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、塩酸、サリチル酸、ジ−p−トルイル−D−酒石酸、ジ−ベンゾイル−D−酒石酸、ジ−ピバロイル−D−酒石酸、グルタミン酸、エチレンジアミン四酢酸、マンデル酸、マロン酸、酢酸、アントラニル酸、ニコチン酸、およびフロ酸からなる群から選択される方法。
  73. 請求項70、71または72に記載の方法であって、式(III)の化合物の(R,R)−ジアステレオマーが(R,R)−カルモテロールに変換される方法。
  74. 式(Ie)の化合物を調製する方法であって、試薬の存在下で式(Id)の化合物を加熱することを含んでなる方法:
    Figure 2010520188
    ここで、Rは請求項1で定義した通りであり、前記試薬は約1.5容量〜約5容量の範囲で存在する。
  75. 請求項74に記載の方法であって、前記試薬は約1.5容量〜約3容量の範囲、好ましくは2容量で存在する方法。
  76. 請求項74または75に記載の方法であって、前記試薬は酸無水物である方法。
  77. 請求項76に記載の方法であって、前記酸無水物は無水酢酸または無水トリフルオロ酢酸、好ましくは無水酢酸である方法。
  78. 請求項74に記載の方法であって、前記試薬は、約2容量で存在する無水酢酸である方法。
  79. 請求項36または37に記載の方法であって、化合物(Ie)は請求項74〜78の何れか1項に従って調製される方法。
  80. 請求項74〜79の何れか1項に記載の方法であって、更に、化合物(Ie)を式(If)の化合物に変換することを含んでなる方法:
    Figure 2010520188
    ここで、Rは請求項1に定義した通りである。
  81. 請求項80に記載の方法であって、化合物(If)は臭素化剤の存在下で化合物(Ie)を臭素化することによって調製される方法。
  82. 請求項81に記載の方法であって、前記臭素化剤はN−ブロモスクシンイミドまたは臭素である方法。
  83. 請求項81または82に記載の方法であって、前記臭素化剤はテトラヒドロフラン、塩化メチレン、クロロホルム、メタノール、四塩化炭素、またはそれらの混合物からなる群から選択される溶媒の中、好ましくはジクロロメタンの中に存在する方法。
  84. 請求項35または36に記載の方法であって、前記前記化合物(If)は請求項80〜83の何れか1項に従って調製される方法。
  85. 請求項80〜83の何れか1項に記載の方法であって、更に、式(If)の化合物を式(Ig)の化合物のRまたはSエナンチオマーに変換することを含んでなる方法:
    Figure 2010520188
    ここで、Rは請求項1に定義した通りである。
  86. 請求項85に記載の方法であって、式(Ig)の化合物が式(I)の化合物に変換される方法。
  87. 請求項86に記載の方法であって、式(If)の化合物から化合物(Ig)、化合物(I)への変換は、式(If)の化合物をキラル還元に付して式(Ig)の化合物のRまたはSエナンチオマーを形成し、続いて式(I)の化合物のRまたはSエナンチオマーへと環化することを含んでなる方法。
  88. 請求項87に記載の方法であって、式(If)の化合物は、(−)−DIP−塩化物、β−イソピノカムフィニル−9BBN(R−アルピン−ボラン)、キラルβ−オキソアルジミナトコバルト(II)錯体、およびボラン還元剤からなる群から選択されるキラル還元剤を使用し、任意にキラルオキサゾボロリジンから誘導された触媒量のオキサゾボロリジンの単一エナンチオマーの存在下において、キラル還元に付される方法。
  89. 請求項87または88に記載の方法であって、式(Ig)の化合物は少なくとも1当量の塩基で処理されて、式(I)の化合物を生じる方法。
  90. 請求項87、88または89に記載の方法であって、式(I)の化合物は式(Ig)の化合物の単離を伴わずに得られる方法。
  91. 請求項86〜90の何れか1項に記載の方法であって、式(I)の化合物は、不活性有機溶媒からの再結晶化によって精製される方法。
  92. 請求項1〜69の何れか1項に記載の方法であって、式(I)の化合物は、請求項86〜97の何れか1項に従って調製される方法。
  93. 式(Id)の化合物を調製する方法であって、酸化剤、およびジクロロメタン、酢酸エチルまたはそれらの混合物から選択される溶媒の存在下に、式(Ic)の化合物を酸化することを含んでなる方法:
    Figure 2010520188
    ここで、Rは請求項1に定義した通りである。
  94. 請求項93に記載の方法であって、前記酸化剤は、過酸;バナジウム触媒の存在下におけるtert−ブチルヒドロペルオキシド;ジメチルジオキシラン;二酸化セレン;m−フェナントロリンジ−N−オキシド(Hおよびm−フェナントロリンから調製されたもの);硝酸、および過酸化水素からなる群から選択される方法。
  95. 請求項94に記載の方法であって、前記過酸は、ペルオキシ安息香酸、m−クロロ過安息香酸、過酢酸、ペルオキシトリフルオロ酢酸、ペルオキシ硫酸、過臭素酸、過蟻酸、ペルオキシマレイン酸、およびペルオキシジクロロマレイン酸からなる群から選択され、好ましくはm−クロロ過安息香酸である方法。
  96. 請求項37または38に記載の方法であって、式(Id)の化合物は、請求項93〜95の何れか1項に従って調製される方法。
  97. 式(Ic)の化合物を調製する方法であって、式(Ib)の化合物を、低沸点溶媒の存在下で保護基と反応させることを含んでなる方法:
    Figure 2010520188
    ここで、Rは請求項1に定義した通りである。
  98. 請求項97に記載の方法であって、前記低沸点溶媒は70℃未満、好ましくは60℃未満の沸点を有する方法。
  99. 請求項97または98に記載の方法であって、前記溶媒はアセトンである方法。
  100. 請求項97、98または99に記載の方法であって、前記保護基はC〜Cアルカノイル、置換もしくは非置換のベンジル、および置換もしくは非置換のフェニルからなる群から選択される方法。
  101. 請求項97、98または99に記載の方法であって、前記保護基が臭化ベンジルである方法。
  102. 請求項38または39に記載の方法であって、前記式(Ic)の化合物は請求項97〜101の何れか1項に従って調製される方法。
  103. 式(Ib)の化合物を調製する方法であって、式(Ia)の化合物を、低沸点溶媒の存在下で、アシル化剤および酸触媒を用いてアシル化することを含んでなる方法。
    Figure 2010520188
  104. 請求項103に記載の方法であって、前記低沸点溶媒は90℃未満、好ましくは80℃未満の沸点を有する方法。
  105. 請求項103または104に記載の方法であって、溶媒はハロゲン化溶媒、二硫化炭素およびそれらの混合物から選択され、好ましくはジクロロメタンである方法。
  106. 請求項103、104または105に記載の方法であって、前記アシル化剤はハロアセチル化合物であり、ここでのハロはクロロ、ブロモ、ヨードまたはフルオロ、好ましくはクロロである方法。
  107. 請求項103〜106の何れか1項に記載の方法であって、前記酸触媒は、三塩化ホウ素、塩化アルミニウム、四塩化チタン、三フッ化ホウ素、四塩化錫、または塩化亜鉛から選択されるルイス酸触媒である方法。
  108. 請求項39または40に記載の方法であって、前記化合物(Ib)は、請求項103〜107の何れか1項に従って調製される方法。
  109. 式(II)の化合物を調製する方法であって:
    Figure 2010520188
    ここで、Rはシリルである
    (R)−N−(2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル)アミンを式(II)の化合物に変換することを含んでなる方法。
  110. 請求項109に記載の方法であって、前記変換は、(R)−N−(2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル)アミンをシリル化剤と反応させることを含んでなる方法。
  111. 請求項110に記載の方法であって、前記シリル化剤は、ヘキサメチルジシラザンまたはヘキサエチルジシラザンである方法。
  112. 請求項1〜60の何れか1項に記載の方法であって、前記式(II)の化合物は請求項109〜111の何れか1項に従って調製される方法。
  113. 式(II)の化合物:
    Figure 2010520188
    ここで、Rは任意に置換されたシリルである
  114. 請求項113に記載の化合物であって、Rがトリアルキルシリル基である化合物。
  115. 請求項114に記載の化合物であって、前記トリアルキルシリル基は、トリメチルシリル、トリエチルシリル、およびt−ブチルジメチルシリルからなる群から選択される化合物。
  116. 式(III)の化合物:
    Figure 2010520188
    ここで、Rは請求項1で定義した通りであり、R’は任意に置換されたシリルまたは水素であり;R’が任意に置換されたシリルであるときは、RはRと同じであるか、または水素であり;またR’が水素であるときは、RはRと同じである。
  117. 請求項116に記載の化合物であって、R’がトリアルキルシリル基である化合物。
  118. 請求項116または117に記載の化合物であって、Rがトリアルキルシリル基である化合物。
  119. 請求項117または118に記載の化合物であって、前記トリアルキルシリル基は、トリメチルシリル、トリエチルシリル、およびt−ブチルジメチルシリルからなる群から選択される化合物。
  120. 請求項116に記載の化合物であって、R’がジアリールアルキルシリル基である化合物。
  121. 請求項116または120に記載の化合物であって、Rがジアリールアルキルシリル基である化合物。
  122. 請求項120または121に記載の化合物であって、前記ジアリールアルキルシリル基がt−ブチルジフェニルシリルである化合物。
  123. 請求項55〜67または70〜73の何れか1項に記載の方法に従って調製される(R,R)−、(S,S)−、(R,S)−、または(S,R)−カルモテロール。
  124. 請求項123に記載の(R,R)−カルモテロール。
  125. 1以上の医薬的に許容可能な賦形剤と共に、請求項123または124に記載のカルモテロールを含有してなる医薬組成物。
  126. 請求項123または124に記載のカルモテロールの医薬における使用。
  127. 喘息または慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療における請求項123または124に記載のカルモテロールの使用。
  128. 喘息または慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療のための医薬の製造における請求項123または124に記載のカルモテロールの使用。
  129. 喘息または慢性閉塞性肺疾患(COPD)を治療する方法であって、それを必要としている患者に対して、請求項123または124に記載のカルモテロールを投与することを備えてなる方法。
  130. 実施例を参照して実質的にここに記載された(R,R)−カルモテロール。
  131. 実施例を参照して実質的にここに記載された方法。
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