JP2010519898A - ライノウイルス感染を制御するための化合物の同定方法及び標的 - Google Patents

ライノウイルス感染を制御するための化合物の同定方法及び標的 Download PDF

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Abstract

本発明は、ライノウイルス感染を制御することができる、遺伝子、発現制御因子、受容体、タンパク質産物受容体、及びタンパク質の同定方法を提供する。同定される遺伝子は、疾患の発症及び進行についてのマーカーとして、並びに治療の有効性を測定するために、使用することができる。本発明はまた、ライノウイルス感染を制御することができる作用因子のスクリーニング方法も提供する。本発明はまた、同定される遺伝子、発現制御因子、受容体、タンパク質産物受容体、及びタンパク質の発現並びに活性を制御することにより、種々の疾病を治療することができる治療用化合物の同定方法も提供する。

Description

本発明は、ライノウイルス感染を制御、診断、及び監視するための遺伝子、タンパク質、発現制御因子、受容体、タンパク質産物受容体、及び化合物の同定方法に関する。
感冒の症状は主に200種の異なるウイルスにより引き起こされ、ライノウイルスは風邪のおよそ30〜50%の割合を占める。これらはまた、ぜんそく及び慢性閉塞性肺疾患(COPD)の急性増悪に関して最も一般的な病原体でもある。しかしながら、ライノウイルスが気道疾患を引き起こす又は増悪するメカニズムは、十分に解明されないままである。
感冒感染は、よく蔓延し、成人は年に2〜3回風邪に苦しむことがあり、児童であれば年に5〜7回風邪に苦しむことがあると推定されている。米国では、診療所への訪問の50%は呼吸器系の病気についてである。風邪は、仕事及び学校からの短期欠席の原因の50%を占める。風邪の平均持続期間は7〜10日である。症状の重篤度を低減し、風邪の持続期間を短縮し、風邪の発症を低減するための効果的な治療は、未だ到達し難い目標である。商業的な風邪治療は一部の風邪症状には効果的であるが、他のものには効果的ではない。
ライノウイルス(RV)は、ピコナウイルス科に属する、小さな無エンベロープのプラス鎖RNAを含有するウイルスである。RVは、煙霧質又は直接接触により伝染することがある。ライノウイルス感染は感冒の主要な原因であるが、どのように感染が発病に至るのかというメカニズムの理解は限られている。
接種の主要部位は鼻粘膜である。RVは、気道上皮に吸着して局所的に広がり、鼻咽頭を移動することにより、鼻を介して体に侵入する。RVのほとんどの菌種は、細胞間接着分子1(ICAM−1)すなわちヒトRV受容体を介して上皮細胞に侵入する。RVは細胞侵入の間に、それに続くウイルスの脱殻のためにもICAM−1を使用する。いったん細胞に入ると、ウイルスの複製プロセスが開始し、8〜10時間以内にウイルス放出が生じる。RVは大量に放出され、鼻洗浄液1ミリリットル当たりに100万ものウイルス粒子が存在する。ウイルス放出は、風邪の症状が患者によって認識される数日前に生ずることがあり、病気の2〜7日でピークに達し、3〜4週間もの間にわたって続くこともある。
感冒の発病機序は複雑である。培養されたヒト気道上皮細胞は、疾患発病機序において役割を担うことができる種々の炎症誘発性及び宿主防御分子を生成することにより、ヒトライノウイルスの感染に反応することが判明している。したがって、専門家の合意は、ウイルスではなく宿主反応が、感冒のほとんどの症状を生じさせるということである。炎症媒介物質と風邪の症状との間のこの関係は、ある程度詳細に研究されてきている。風邪の症状は複数の炎症経路の作用から生じる。気道でのウイルスに対する局所的な炎症反応は、鼻汁、鼻詰まり、くしゃみ、及び喉の炎症を引き起こすことがある。鼻上皮の損傷は生じず、炎症はサイトカイン及び他の媒介物質の生産により媒介される炎症誘発性及び抗炎症性サイトカインのこの複合な混合物の生成は、感染から早ければ3〜8時間後に起こることもある。時間と共に、サイトカイン濃度は、風邪症状の進展過程で、増加及び減少する。単分子アプローチに基づく風邪の治療は、これらの経路の全てをブロックせず、部分的な軽減のみを与える。これは、製品が、炎症媒介物質の生成に影響を与えて結果的に風邪の症状に影響を与えるため使用できる領域である。
病気の3〜5日目までに、鼻汁は、インターロイキン−8などの走化性誘引物質に反応して感染部位に移動した多核白血球から、粘液膿性になることがある。鼻粘膜粘液繊毛輸送は病気の間に著しく低下し、数週間にわたって損なわれることもある。分泌免疫グロブリンA及び血清抗体の両方が病気からの回復及び再感染からの防御に関係する。
したがって、風邪プロセスの制御因子を同定する継続的な必要性が存在する。しかしながら、風邪の治療に使用するための化合物の同定に関する1つの問題は、このような化合物の同定のための良好なスクリーニング標的及びスクリーニング方法を欠くことであった。ゲノミクス及びバイオインフォマティクスという急速に発展している分野は現在、この病気に関する基本的なプロセスに、より大きな見通しを生む、更なる包括的な評価のための可能性を提供している。
本発明は、ライノウイルス感染を制御するための化合物の同定方法に関し、少なくとも1つの化合物を、表Iに同定されている遺伝子、表Iの遺伝子によりコードされているタンパク質、表Iの遺伝子によりコードされている発現制御因子、表Iの遺伝子によりコードされているタンパク質の受容体、表Iの遺伝子によりコードされているタンパク質の産物、表Iの遺伝子のタンパク質の産物の受容体、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される標的と接触させる工程と、化合物が、標的と結合するかどうかを判定する工程と、標的と結合する化合物を、ライノウイルス感染を制御するための化合物として同定する工程と、を含む。
本発明は更にライノウイルス感染を制御するための化合物の同定方法に関し、少なくとも1つの化合物を、表Iに同定されている遺伝子、表Iの遺伝子によりコードされて表IIに同定されているタンパク質、表Iの遺伝子の表IIに同定されている発現制御因子、表Iの遺伝子によりコードされている表IIに同定されているタンパク質の受容体、表Iの遺伝子によりコードされている表IIに同定されているタンパク質の産物、表Iの遺伝子の表IIに同定されているタンパク質の産物の受容体、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される標的と接触させる工程と、化合物が、標的と結合するかどうかを判定する工程と、標的と結合する化合物を、ライノウイルス感染を制御するための化合物として同定する工程と、を含む。
本発明は更にライノウイルス感染を制御するための化合物の同定方法に関し、少なくとも1つの化合物を、表Iに同定されている遺伝子、表Iの遺伝子によりコードされているタンパク質、表Iの遺伝子の発現制御因子、表Iの遺伝子によりコードされているタンパク質の受容体、表Iの遺伝子によりコードされているタンパク質の産物、表Iの遺伝子のタンパク質の産物の受容体、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される標的を含有するライノウイルス感染モデルシステムと接触させる工程と、化合物が、ライノウイルス感染モデルシステム内で、ライノウイルス感染を制御するかどうかを更に判定する工程と、ライノウイルス感染モデルシステム内で、ライノウイルス感染を制御する化合物を、ライノウイルス感染を制御するための化合物として同定する工程と、を含む。
本発明は更にライノウイルス感染を制御するための化合物の同定方法に関し、少なくとも1つの化合物を、表Iに同定されている遺伝子、表Iの遺伝子によりコードされている表IIに同定されているタンパク質、表Iの遺伝子の表IIに同定されている発現制御因子、表Iの遺伝子によりコードされている表IIに同定されているタンパク質の受容体、表Iの遺伝子によりコードされている表IIに同定されているタンパク質の産物、表Iの遺伝子の表IIに同定されているタンパク質の産物の受容体、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される標的と接触させる工程と、化合物が、標的と結合するかどうかを判定する工程と、化合物が、ライノウイルス感染モデルシステム内で、ライノウイルス感染を制御するかどうかを更に判定する工程と、ライノウイルス感染モデルシステム内で、ライノウイルス感染を制御する化合物を、ライノウイルス感染を制御するための化合物として同定する工程と、を含む。
本発明は更にライノウイルス感染を制御するための化合物の同定方法に関し、少なくとも1つの化合物を、表Iに同定されている遺伝子、表Iの遺伝子によりコードされているタンパク質、表Iの遺伝子の発現制御因子、表Iの遺伝子によりコードされているタンパク質の受容体、表Iの遺伝子によりコードされているタンパク質の産物、表Iの遺伝子のタンパク質の産物の受容体、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される標的を含有するライノウイルス感染モデルシステムと接触させる工程と、化合物が、ライノウイルス感染モデルシステム内で、ライノウイルス感染に反応して制御するかどうかを更に判定する工程と、ライノウイルス感染モデルシステム内で、ライノウイルス感染に反応して制御する化合物を、ライノウイルス感染を制御するための化合物として同定する工程と、を含む。
本発明は更にライノウイルス感染を制御するための化合物の同定方法に関し、少なくとも1つの化合物を、表IIに同定されている表Iの遺伝子によりコードされているタンパク質を発現する細胞集団と接触させる工程と、化合物と接触していない細胞集団内のタンパク質の活性のレベルに対して、化合物と接触している細胞集団内のタンパク質の活性のレベルを判定及び比較する工程と、化合物と接触していない細胞集団内の活性と比較して、化合物と接触している細胞集団内のタンパク質の活性を調節する化合物を、ライノウイルス感染を制御するための化合物として同定する工程と、を含む。
本発明は更にライノウイルス感染を制御するための化合物の同定方法に関し、少なくとも1つの化合物を、表Iに同定されているタンパク質を発現する細胞集団と接触させる工程と、化合物と接触していない細胞集団内のタンパク質の活性のレベルに対して、化合物と接触している細胞集団内のタンパク質の活性のレベルを判定及び比較する工程と、化合物と接触していない細胞集団内のタンパク質の活性と比較して、化合物と接触している細胞集団内のタンパク質の活性を調節する化合物を、ライノウイルス感染を制御するための化合物として同定する工程と、を含む。
本発明は更にライノウイルス感染を制御するための化合物の同定方法に関し、少なくとも1つの化合物を、表IIに同定されている表Iの遺伝子によりコードされているタンパク質を発現する細胞集団と接触させる工程と、化合物と接触していない細胞集団内のタンパク質の発現のレベルに対して、化合物と接触している細胞集団内のタンパク質の発現のレベルを判定及び比較する工程と、化合物と接触していない細胞集団内のタンパク質の発現と比較して、化合物と接触している細胞集団内のタンパク質の発現を調節する化合物を、ライノウイルス感染を制御するための化合物として同定する工程と、を含む。
本発明は更にライノウイルス感染を制御するための化合物の同定方法に関し、少なくとも1つの化合物を、表Iに同定されているタンパク質を発現する細胞集団と接触させる工程と、化合物と接触していない細胞集団内のタンパク質の発現のレベルに対して、化合物と接触している細胞集団内のタンパク質の発現のレベルを判定及び比較する工程と、化合物と接触していない細胞集団内のタンパク質の発現と比較して、化合物と接触している細胞集団内のタンパク質の発現を調節する化合物を、ライノウイルス感染を制御するための化合物として同定する工程と、を含む。
本発明は更にライノウイルス感染を制御するための化合物の同定方法に関し、少なくとも1つの化合物を、表Iに同定されている遺伝子を発現する細胞集団と接触させる工程と、化合物と接触していない細胞集団内の遺伝子の発現のレベルに対して、化合物と接触している細胞集団内の遺伝子の発現のレベルを判定及び比較する工程と、化合物と接触していない細胞集団内の遺伝子の発現と比較して、化合物と接触している細胞集団内の遺伝子の発現を調節する化合物を、ライノウイルス感染を制御するための化合物として同定する工程と、を含む。
本発明は更にライノウイルス感染の診断方法に関し、生体サンプルにおいて表I及び表IIに同定されているライノウイルス感染に関与する群から選択される1つ以上の標的についての発現プロファイルを、生体サンプルにおいて判定する工程、又は生体サンプルにおいて表IIに同定されているライノウイルス感染を制御することに関与する1つ以上のタンパク質の発現又は活性のレベルを測定する工程と、対照サンプル若しくはデータベースからの1つ以上の標的の発現のレベルに対して、生体サンプルにおいて同定されている1つ以上の標的の発現のレベルを比較する工程、又は対照サンプル若しくはデータベースからのタンパク質の発現若しくは活性プロファイルのレベルに対して、サンプルからのタンパク質の発現若しくは活性プロファイルのレベルを比較する工程と、を含み、対照レベルからの有意な偏差はライノウイルス感染における症状進展を示す。
本発明は更にライノウイルス感染の診断方法に関し、表Iに同定されているライノウイルス感染に関与する1つ以上の遺伝子についての遺伝子発現プロファイルを調製する工程、又は生体サンプルにおいて表Iに同定されているライノウイルス感染を制御することに関与する1つ以上のタンパク質の発現若しくは活性のレベルを測定する工程と、対照サンプル若しくはデータベースからの遺伝子の発現のレベルに対してサンプルからの遺伝子の発現のレベルを比較する工程、又は対照サンプル若しくはデータベースからのタンパク質の発現又は活性のレベルに対してサンプルからのタンパク質の発現又は活性のレベルを比較する工程と、を含み、対照レベルからの有意な偏差はライノウイルス感染における症状進展を示す。
本発明は更に、ライノウイルス感染の進行の監視方法に関し、(a)生体サンプルにおいて表Iで同定されているライノウイルス感染を制御することに関与する1つ以上の遺伝子についての遺伝子発現プロファイルを判定する工程、又は好適なライノウイルス感染モデルシステムから、生体サンプルにおいて表Iに同定されているライノウイルス感染を制御することに関与する1つ以上のタンパク質のタンパク質発現プロファイル又はタンパク質活性プロファイルを調製する工程と、(b)治療レジメンの後の好適な時間後に、工程(a)におけるものと同様の発現又は活性プロファイルを調製する工程と、治療過程の間、工程(b)を繰り返す工程と、ライノウイルス感染の進行を監視するためにデータを評価する工程と、を含む。
本発明は更にライノウイルス感染の進行の監視方法に関し、(a)生体サンプルにおいて表Iに同定されているライノウイルス感染を制御することに関与する1つ以上の遺伝子についての遺伝子発現プロファイルを調製する工程、又は好適なライノウイルス感染モデルシステムから表Iに同定されているライノウイルスを制御することに関与する1つ以上のタンパク質についての好適なタンパク質発現プロファイル又はタンパク質活性プロファイルを調製する工程と、(b)被験者に治療レジメンを施す工程と、(c)治療レジメンの後の好適な時間後に、工程(a)におけるものと同様の発現又は活性プロファイルを調製する工程と、(d)処置前のプロファイルを処置後のプロファイルと比較する工程と、治療過程の間、工程(b)、(c)、及び(d)を繰り返す工程と、ライノウイルス感染の進行を監視するためにデータを評価する工程と、を含む。
本発明は更に、ライノウイルス感染の症状進展を有する患者において疾病の治療又は疾病進行の監視方法に関し、(a)生体サンプルにおいて表Iに同定されているライノウイルス感染を制御することに関与する1つ以上の遺伝子についての遺伝子発現プロファイルを判定する工程、又は被験者からの生体サンプルにおいて表Iに同定されているライノウイルス感染を制御することに関与する1つ以上のタンパク質のタンパク質発現プロファイル又はタンパク質活性プロファイルを調製する工程と、(b)被験者に治療レジメンを施す工程と、(c)治療レジメンの後の好適な時間後に、被験者からの生体サンプルから工程(a)におけるものと同様の発現又は活性プロファイルを調製する工程と、(d)治療前のプロファイルを治療後のプロファイルと比較する工程と、治療過程又は疾病過程の間、工程(b)、(c)、及び(d)を繰り返す工程と、治療の有効性又は疾病の進行を監視するためにデータを評価する工程と、を含む。
本発明は更に、ライノウイルス感染の症状が進展する患者における治療又は疾病進行の監視方法に関し、(a)生体サンプルにおいて表Iに同定されているライノウイルス感染を制御することに関与する1つ以上の遺伝子についての遺伝子発現プロファイルを判定する工程、又は被験者からの生体サンプルにおいて表Iに同定されているライノウイルス感染を制御することに関与する1つ以上のタンパク質のタンパク質発現プロファイル又はタンパク質活性プロファイルを調製する工程と、(b)被験者に治療レジメンを施す工程と、(c)治療レジメンの後の好適な時間後に、被験者からの細胞若しくは組織サンプルから工程(a)におけるものと同様の発現又は活性プロファイルを調製する工程と、(d)治療前のプロファイルを治療後のプロファイルと比較する工程と、治療過程又は疾病過程の間、工程(b)、(c)、及び(d)を繰り返す工程と、治療の有効性又は疾病の進行を監視するためにデータを評価する工程と、を含む。
本発明は更、少なくとも1つの化合物を、表Iに同定されている遺伝子、表Iの遺伝子によりコードされているタンパク質、表Iの遺伝子の発現制御因子、表Iの遺伝子によりコードされているタンパク質の受容体、表Iの遺伝子のタンパク質の産物の受容体、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される標的と接触させ、化合物が、標的と結合するかどうかを判定し、標的と結合する化合物を、ライノウイルス感染を制御するための化合物として同定する方法により同定される、安全かつ有効な量の少なくとも1つの化合物と、製薬上許容できるキャリアと、を含む医療品組成物に関する。
本発明は更に医薬品組成物に関し、表Iに同定されているライノウイルス感染を制御することに関与するタンパク質の、安全かつ有効な量のアゴニスト又はアンタゴニストと、製薬上許容できるキャリアと、を含む。
本発明は更に、ライノウイルス感染の制御が望ましい被験者を同定する工程と、少なくとも1つの化合物を、表Iに同定されている遺伝子、表Iの遺伝子によりコードされているタンパク質、表Iの遺伝子の発現制御因子、表Iの遺伝子によりコードされているタンパク質の受容体、表Iの遺伝子によりコードされているタンパク質の産物、表Iの遺伝子のタンパク質の産物の受容体、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される標的と接触させる工程と、化合物が、標的と結合するかどうかを判定する工程と、標的と結合する化合物を、ライノウイルス感染を制御するための化合物として同定する工程と、を含む方法又は少なくとも1つの化合物を、表Iに同定されている遺伝子、表Iの遺伝子によりコードされているタンパク質、表Iの遺伝子の発現制御因子、表Iの遺伝子によりコードされているタンパク質の受容体、表Iの遺伝子によりコードされているタンパク質の産物、表Iの遺伝子のタンパク質の産物の受容体、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される標的を含有するライノウイルス感染モデルシステムに接触させる工程と、化合物が、ライノウイルス感染モデルシステム内で、ライノウイルス感染を制御するかどうかを更に判定する工程と、ライノウイルス感染モデルシステム内で、ライノウイルス感染を制御する化合物を、ライノウイルス感染を制御するための化合物として同定する工程と、の方法により同定される、安全かつ有効な量の化合物を被験者に投与する工程と、を含む方法により、かかる制御が望ましい被験者におけるライノウイルス感染の制御方法に関する。
本発明は更に制御が望ましい被験者におけるライノウイルス感染の制御方法に関し、ライノウイルス感染の制御が望ましい被験者を同定する工程と、表Iに同定されている遺伝子によりコードされているタンパク質からのタンパク質の、アゴニスト、アンタゴニスト、及び活性化物質若しくは阻害物質である、安全かつ有効な量の化合物を被験者に投与する工程と、を含む。
表Iに同定されている遺伝子によりコードすることができるタンパク質、発現制御因子、タンパク質の産物、タンパク質の受容体は、表IIに同定されている。
本発明の分子
本発明は種々の分子からなる:DNAである遺伝子、RNAである転写産物、アンチセンス分子、siRNA、マイクロRNAなどのこれらの発現を制御する核酸、DNA又はRNAプローブなどのこれらを検出するために使用することができる分子、関連する遺伝子を同定及び単離するために使用することができるプライマー、並びにタンパク質、ポリペプチド、及びこれらを阻害若しくは活性化する化合物。
したがって、用語「分子」は、本明細書では、本発明の実体の全て又は一部を記述するために使用される。これは、使用される文脈で解釈されるべきである。
多くの生物学的機能は、転写(例えば、開始、RNA前駆体の供給、RNAプロセシングの調節を介して)又は翻訳の調節を介して、種々の遺伝子の発現を変更することにより達成される。例えば、細胞周期、細胞分化、及び細胞死などの基本的な生物過程は多くの場合、遺伝子群の発現レベル及びこれらの翻訳産物における偏差により特徴付けられる。
遺伝子発現での変化はまた病因にも関連することがある。例えば、機能性癌抑制遺伝子の十分な発現が欠如する又は癌遺伝子/癌原遺伝子が過剰に発現すると、細胞の腫瘍形成又は過形成性増殖(hyperplastic growth)を生じることがある。したがって、特定の遺伝子又は遺伝子ファミリーの発現レベルにおける変化は、種々の疾患の存在及び進行の標識としての役割を果たすことができる。
遺伝子発現における変化の監視は、薬剤のスクリーニング時に特定の利点を提供することができる。多くの場合、薬剤は、主要な標的と相互作用する能力に関してスクリーニングされ、薬剤が細胞に他の作用を有するかどうかは考慮されていない。多くの場合、このような他の作用は全哺乳動物において毒性を引き起こし、潜在的薬剤の使用を妨げる。
本発明者は、ライノウイルス感染の種々のモデルを調査してライノウイルス感染時の遺伝子発現の大域的な変化を同定した。遺伝子発現におけるこれらの大域的な変化は、発現プロファイルとしても参照されるが、ライノウイルス感染の治療のための新規標的を提供することができる。これらはまた、診断用途に有用なマーカー並びに疾患状態、疾患進行、毒性、薬剤の有効性、及び薬剤代謝を監視するために使用することができるマーカーを提供することもできる。
発現プロファイルは、様々な条件下で様々に発現する遺伝子を同定するために使用することもできる。加えて、本発明は、様々に発現する遺伝子のファミリーを同定するために使用することもできる。本明細書で使用するとき、「遺伝子ファミリー」は、本明細書の受入番号により同定される特定の遺伝子、並びに関連する配列を含むが、これらに限定されない。関連配列は、例えば、ヌクレオチドレベル又はアミノ酸レベルのどちらかで同定されている配列と高度の配列相同性を有する配列であってもよい。高度の配列相同性は、同定される配列と、ヌクレオチドレベルで、少なくとも約65%配列同一性、好ましくは少なくとも約80%、より好ましくは少なくとも約85%、更に好ましくは少なくとも約90%、更により好ましくは少なくとも約95%、一層好ましくは少なくとも約98%又はより高い配列同一性であると考えられる。アミノ酸同一性に関しては、高度の相同性は、同定される配列と、少なくとも約50%配列同一性、より好ましくは少なくとも約75%、更に好ましくは少なくとも約85%、更により好ましくは少なくとも約95%、一層好ましくは少なくとも約98%又はより高い配列同一性であると考えられる。種々の配列間の相同性及び同一性の判定に関する方法は、当該技術分野において既知である。特に、関連配列は、様々な生体からのホモログ及びオルソログを含む。例えば、同定されている遺伝子が非ヒト哺乳動物であるならば、遺伝子ファミリーは、他の脊椎動物からの又はヒトを含む哺乳動物からの相同遺伝子を包含する。同定されている遺伝子がヒト遺伝子であるならば、遺伝子ファミリーは様々な生体からの相同遺伝子を包含する。当業者であれば、相同遺伝子が異なる長さであってもよく、特異的に同定される配列を同定するための異なる量の配列同一性を有する領域を含んでもよいことを理解するであろう。
当業者はまた、配列リストに列挙した以外の種、特に脊椎動物種からの遺伝子及びタンパク質が本発明で有用であることができることも認識している。このような種には、ラット、モルモット、ウサギ、イヌ、ブタ、ヤギ、ウシ、サル、チンパンジー、ヒツジ、ハムスター、及びゼブラフィッシュが挙げられるが、これらに限定されない。当業者は更に、既知の種の配列由来のプローブを用いることにより、cDNA又は既知の配列と相同なゲノム配列を、既知のクローニング方法により同種又は代替種から得ることができることを認識している。このようなホモログ及びオルソログは、本発明の遺伝子及びタンパク質として有用であると考えられる。
「変異型」は、類似の配列を意図する。例えば、保存的変異型は、遺伝暗号の縮重のために、本発明のポリペプチドのうちの1つのアミノ酸配列をコードする配列を含む場合がある。天然に存在する対立遺伝子変異型及びスプライス変異型は、既知の技術、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、一塩基多型(SNP)解析、及びハイブリダイゼーション技術を使用することにより同定できる。オルソログ及びホモログを単離するために、一般に、特異的配列、配列長、グアニン+シトシン(GC)含量、及び他のパラメータにより決定される、厳しいハイブリダイゼーション条件が利用される。変異型ヌクレオチド配列は、合成的に誘導されたヌクレオチド配列、例えば、部位特異的突然変異誘発を使用することにより誘導されたものも含む。変異型は、ゲノム遺伝子座のみからの又は他の配列と組み合わせた付加配列を含有してもよい。
本発明の分子はまた、リガンド結合又はシグナル伝達に必要のないタンパク質領域が欠失又は改変されている、切断及び/又は突然変異型タンパク質も含む。同様に、それらは、突然変異が生じて、リガンド結合又はシグナル伝達活性が改変される場合がある。このような突然変異は、アミノ酸又はタンパク質ドメインの非保存的突然変異、欠失又は付加を含んでもよい。変異型タンパク質は、生物活性を保持していてもよいし、していなくてもよい。このような変異型は、例えば、遺伝的多型又は人間による操作から得ることができる。
本発明の遺伝子並びにタンパク質の断片及び変種も本発明により包含される。「断片」とは、ヌクレオチド又はタンパク質配列の一部を意図する。断片は、天然タンパク質の生物活性を保持することができる。ヌクレオチド配列の断片はまた、ハイブリダイゼーションプローブ及びプライマーとしても又は、例えばアンチセンス、siRNA若しくはマイクロRNAのように遺伝子の発現調節にも有用である。生物活性部分は、ヌクレオチド配列の一部を単離し、単離部分を発現させ(例えば、組み換え体発現により)、コードされているタンパク質の活性を評価することにより調製することができる。
タンパク質又はタンパク質断片の異なるポリペプチドへの融合も考えられる。既知の方法を用いて、当業者は融合タンパク質を作製することができ、これは天然構造とは異なるが有用である。例えば、融合の相手は、翻訳と同時に又は翻訳後に、タンパク質の合成部位から別の部位への移動を誘導するシグナル(又はリーダー)ポリペプチド配列であってもよい(例えば、酵母α−因子リーダー)。あるいは、本発明のタンパク質の精製又は同定を容易にする工夫が加えられてもよい(例えば、ポリ−His、フラッグペプチド又は蛍光タンパク質)。
本発明の分子は、クローニング、PCR系クローニング、部位特異的突然変異誘発、突然変位誘発、DNAシャッフリング、及び当該技術分野において既知のヌクレオチド配列変更が挙げられるがこれらに限定されない種々の方法により調製されてもよい。例えば、サムブルック(Sambrook)、フリッチュ(Fristch)及びマニアティス(Maniatis)の「分子クローニング:実験室マニュアル第2版(Molecular Cloning: A Laboratory Manual 2ndEdition)」(コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレス(Cold Spring Harbor Laboratory Press)、1989年)、オースベル(Ausubel)らの「分子生物学の最新プロトコル(Current Protocols in Molecular Biology)」(ジョン・ワーリー・アンド・サンズ(John Wiley and Sons)、1996年及び改訂版)、「分子生物学の方法(シリーズ)(Methods in Molecular Biology(series))」(ヒューマナ・プレス(Humana Press)、158巻及び182巻)、イニス(Innis)、ゲルファンド(Gelfand)、スニンスキー(Sninsky)及びホワイト(White)の「PCRプロトコル:方法及び応用の手引き(PCR Protocols: A guide to Methods and Applications)」(アカデミック・プレス(Academic Press)、1990年)を参照されたい。
遺伝子組換え型ポリヌクレオチドのライブラリーは、実質的な配列同一性を有する領域を含む関連配列の集団から産生されてもよく、インビトロ又はインビボで組み換えてもよい。例えば、このアプローチを使用して、関心のある領域をコードする配列モチーフは、例えば優性ネガティブ変異(オーバ(Ohba)らの「分子細胞生物学(Mol. Cell. Biol.)」(1998年、18巻、51199〜51207ページ)、マツモト(Matsumoto)らの「ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J. Biol. Chem.)(2001年、276巻、14400〜14406ページ)といった関心のある変更された性質を有するタンパク質をコードする新しい遺伝子を得るために、本発明の遺伝子と他の既知の遺伝子との間でシャッフルしてもよい。
「パーセント同一性」又は「配列同一性」は、2つの配列又は部分配列を配列比較用ウインドウ上に整列することにより判定してもよく、比較用ウインドウ内の配列の一部は2つの配列の最適アラインメントのための参照配列(付加又は欠失を含んでもよい)と比較して所望により付加又は欠失(すなわち、不一致)を含んでもよい。百分率は、同一残基(例えば、核酸塩基又はアミノ酸)が両方の配列に生じている位置の数を判定し、一致した位置の数を比較用ウインドウ内の位置の総数で除し、結果を100で乗じて配列同一性のパーセントを得ることにより計算される。
百分率配列同一性は、スミス(Smith)及びウォーターマン(Waterman)の「高等応用数学(Adv. Appl. Math.)」(1980年、2巻、482〜485ページ)の局所的相同性アルゴリズムにより又はニードルマン(Needleman)及びワンシュ(Wunsch)の「ジャーナル・オブ・モルキュラー・バイオロジー(J. Mol. Biol.)」(1970年、48巻、443〜445ページ)の相同性アラインメントアルゴリズムにより計算してもよく、手作業で行っても又はこれらのアルゴリズムのコンピューター化された実装プログラム(GCGウィスコンシン・ソフトウェア・パッケージ(GCG Wisconsin Software Package)のギャップ&ベネフィット(GAP & BESTFIT)(ジェネティックス・コンピューター・グループ(Genetics Computer Group))、NIHのナショナル・センター・フォー・バイオテクノロジー・インフォメーション(National Center for Biotechnology Information)(NCBI)からの様々なBLAST)で行ってもよい。
相同性又は配列同一性を判定するための好ましい方法は、プログラムblastp、blastn、blastx、tblast及びtblastx(カーリン(Karlin)らの「米国科学アカデミー紀要(Proc. Natl. Acad. Sci. USA)」(1990年、87巻、2264〜2268ページ)及びアルチュール(Altschul)の「ジャーナル・オブ・モルキュラー・エボリューション(J. Mol. Evol.)」(1993年、36巻、290〜300ページ)により採用されているアルゴリズムを使用するBLAST(基本的な局所的アラインメント検索ツール(Basic Local Alignment Search Tool))分析によるものであり、これらは配列類似性検索用に作られている。
本明細書に記載しているように、これらの種々の遺伝子及びタンパク質、対立遺伝子変異及び他の変異(例えば、スプライシングバリアント)、他の種及び種々の断片からのこれらのホモログ及びオルソログは、配列変異を呈してもよい。比較される配列の長さは、完全長配列より短くてもよい。
本明細書で使用するとき、用語「発現制御因子」は、特に明記しない限り、遺伝子発現を情報若しくは下方制御するタンパク質、DNA又は他の分子を指す。
本明細書で使用するとき、用語「受容体」は、特に明記しない限り、表Iの遺伝子によりコードされているタンパク質の受容体を指す(例えば、CCR5はCCL5の受容体である)。
本明細書で使用するとき、用語「タンパク質の受容体」は、特に明記しない限り、表Iの遺伝子によりコードされているタンパク質酵素によって産生又は可動化される産物を指す(例えば、PGE2は遺伝子PTGE2によりコードされているタンパク質COXの「タンパク質の産物」である)。
本明細書では、用語「タンパク質の産物の受容体」は、特に明記しない限り、上記タンパク質の産物の受容体を指す(例えば、タンパク質産物PGE2のためのEP2受容体)。
本明細書で使用するとき、用語「哺乳動物」は、ヒト、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、ウサギ、モルモット、ハムスター、アレチネズミ、クロアシイタチ、動物園の哺乳動物、及びマウスなどを意味する。
本明細書で用語「結合する」は、特に明記しない限り、任意のタンパク質との又は他の非タンパク質分子を含むこともある2つ以上のタンパク質の複合体との選択的な相互作用、刺激の受容の結果として細胞若しくは生体の状態又は活性の変化、任意の核酸との選択的な相互作用、翻訳の制御における役割、細胞外又は細胞内メッセンジャーと一体化しての細胞活性の変化の誘導及び別の分子上の1つ以上の特定部位との分子の選択的な、多くの場合は化学量論的な、相互作用を意味する。
細胞株、ベクター、クローニング、及び遺伝子組換え型分子の発現
本発明の分子は、タンパク質又は核酸産物の精製、抗体の産生、アッセイをスクリーニングする際の試薬としての使用、医薬組成物としての使用が挙げられるがこれらに限定されない種々の用途のために調製することができる。いくつかの実施形態は単離遺伝子又はタンパク質を使用しながら実行してもよく、その一方で、他の実施形態はこれらを発現する細胞の使用を必要とすることがある。
分子の供給源が細胞株である場合、細胞は分子を内因的に発現することもあり、刺激されて内因性発現を増加した可能性もあり、遺伝子組み換えされて分子を発現した可能性もある。関心のあるタンパク質の発現は、適切な抗体(例えば、ウエスタンブロット)でのポリペプチドの検出、そのタンパク質をコードしているmRNAを検出するためのDNAプローブ(例えば、ノーザンブロット若しくは種々のPCRに基づく技術)又は関心のあるポリペプチドに対して選択的な作用因子(例えば、好適に標識された選択的リガンド)の結合の測定によって、判定してもよい。
本発明は更に、本発明の分子のコード配列又は異型を含有する遺伝子組換え型分子を提供する。組み換えDNA分子では、コーディングDNA配列は、組み込み、複製、転写、発現、及び修飾のための種々の制御配列が挙げられるがこれらに限定されない関心のある他のDNA配列に操作可能に連結される。
本発明の遺伝子配列が操作可能に連結されるベクター及び制御配列の選択は、所望される機能特性に依存する(例えば、タンパク質発現、形質転換される宿主細胞)。本発明のベクターは、宿主染色体への複製又は挿入、好ましくは遺伝子の発現を誘導可能であってもよい。
遺伝子の発現を制御するために使用される制御因子は当該技術分野において既知であり、誘導可能な又は構成的プロモーター、分泌シグナル、エンハンサー、終結シグナル、リボソーム結合部位、及び他の制御因子が挙げられるが、これらに限定されない。最適には、誘導可能なプロモーターは容易に調節され、例えば、栄養素又は抗生物質に反応性である。
1つの実施形態では、核酸分子を組み入れるベクターは、原核生物レプリコン、すなわち、宿主細菌細胞などの原核生物宿主細胞内の組換え型DNA分子の自律複製、及び染色体外の維持を誘導する能力を有するDNA配列を含んでもよい。加えて、原核生物レプリコンを含むベクターはまた、発現が検出可能な特性(例えば、アンピシリンへの耐性)を付与する遺伝子を含んでもよい。
ベクターは更に、大腸菌などの宿主細菌細胞内のコーディング遺伝子配列の発現(転写及び翻訳)を誘導することができる原核生物又はバクテリオファージプロモーターを含んでもよい。宿主細菌と適合性のあるプロモーター配列は、本発明のDNA配列の挿入に好都合な制限部位を含有するプラスミドベクター、例えば、pCDNA1、pCDNA3に提供してもよい。
真核生物細胞と適合性のある発現ベクターはまた、関心のある配列を含有する遺伝子組換え型分子を形成するために使用してもよい。市販のベクター(例えば、インビトロジェン(Invitrogen)(商標)からのpCDNAシリーズ)は、多くの場合、遺伝子導入細胞又は哺乳動物を産生するために、原核生物細胞から真核生物細胞へ、更にES細胞への切り換えを容易に行えるように、原核生物及び真核生物レプリコン並びに制御配列の両方を含有する。
遺伝子組換え型分子を作製するために使用される真核生物細胞発現ベクターは更に、真核生物細胞内で有効である選択的なマーカー(例えば、ネオマイシン耐性)を含んでもよい。あるいは、選択マーカーは、個別のプラスミド上、宿主細胞の同時形質移入により導入された2つのベクター上及び選択的なマーカーに適した薬剤内で培養することによって選択される形質移入体上に存在することもできる。ベクターはまた、融合タンパク質又は発現タンパク質の精製若しくは検出を促進するタグ配列を含有してもよい。
本発明は更に、本発明の遺伝子組換え型分子で形質転換された宿主細胞を提供する。宿主細胞は、原核生物(例えば、細菌)のものであってもよく、真核生物のもの(例えば、酵母菌、昆虫又は脊椎動物(マウス、サル、カエル、ヒト、ラット、モルモット、ウサギ、イヌ、ブタ、ヤギ、ウシ、チンパンジー、ヒツジ、ハムスター、及びゼブラフィッシュが挙げられるが、これらに限定されない)細胞)であってもよい。一般的に使用される真核生物宿主細胞株には、CHO細胞、ATCCL61、NIH−3T3、及びBHK細胞が挙げられるが、これらに限定されない多くの例では、哺乳動物からの初代細胞培養が好ましい。
本発明の分子での適切な宿主細胞の形質転換は採用される宿主系に依存する既知の方法により、達成してもよい。原核生物宿主細胞を形質転換するためには電気穿孔法、及び塩処理法を採用することができる一方で、真核生物細胞の形質転換するためには電気穿孔法、カチオン性脂質又は塩処理方法を採用することができる(上記サムブルック(Sambrook)ら(1989年)を参照されたい)。レトロウイルスベクター及びアデノウイルスベクターが挙げられるが、これらに限定されないウイルスベクターもまた、初期分化細胞又は最終分化細胞の形質移入を促進するように開発されてきている。細胞内にDNAを導入する他の技術、例えばヒト組織内へ、関心のある遺伝子を含有するリポゾーム、金粒子又はDNA発現ベクターを直接注入すること(入射体として)もまた使用してもよい。
うまく形質転換された細胞は、安定したクローンを産生するためにクローニングされてもよい。これらのクローンからの細胞は、採取、溶解され、既知の方法を使用して遺伝子組換え型分子の存在についてこれらの含量を調査される。
生体サンプル
当業者にとって明白であるように、DNA及び/又はRNAであることができ、本発明の方法及びアッセイで使用される核酸サンプルは、入手可能な方法により調製してもよい。トータルmRNAの単離方法は既知である。例えば、核酸の単離及び精製方法は、テイッセン(Tijssen)の「生物化学及び分子生物学における実験室技術:核酸プローブでのハイブリッド形成(Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology: Hybridization with Nucleic Acid Probes)」(エルゼビア・プレス(Elsevier Press)、1993年)の第3章に詳細に記載されている。このようなサンプルにはRNAサンプルが挙げられるが、関心のある細胞又は組織から単離されたmRNAから合成されるcDNAも挙げてもよい。このようなサンプルには、cDNAから増幅されたDNA及び増幅DNAから転写されたRNAも挙げられる。
核酸を含有する生体サンプル又はタンパク質は、任意の有機体からの任意の生体組織、体液若しくは細胞のものであってもよく、並びに細胞株及び組織培養細胞などのインビトロで成長した細胞であってもよい。サンプルは、患者に由来するサンプルである「臨床サンプル」であってもよい。典型的な臨床サンプルには、痰、鼻洗浄液、血液、血球(例えば、白血球)、種々の組織、器官若しくはこれらの部分又は細径針生検サンプル、尿、腹腔液、及び胸水、あるいはこれらからの細胞が挙げられるが、これらに限定されない。生体サンプルはまた、組織学的目的のために取られる凍結切片又はホルムアルデヒド固定切片などの、組織の切片も含んでもよい。
鼻洗浄液法
鼻洗浄液サンプルは、各鼻孔の中に5mLの生理食塩水溶液を注入することにより採取することができる。この洗浄液は、すぐにパラフィン紙コップ中に排出して、冷蔵しておき、分析に備えて処理される。
ウイルス及びライノウイルスの存在/不在の評価のために、鼻洗浄液サンプルの一部が4倍濃縮ウイルス採取ブロス(4X concentrated viral collecting broth)と混合する。およそ2mLの処理サンプルをスクリューキャップされたクライオバイアル中に配置して、評価まで−70℃で貯蔵し凍結させておく。バイオマーカー濃度の評価のために、鼻洗浄液サンプルの一部を5%ウシアルブミンと混合する。次に、1mLの処理サンプルを2mLクライオバイアル中に配置して、評価まで−70℃で貯蔵し凍結させておく。
鼻擦過法
鼻擦過サンプルは、視診下で下鼻甲介の前方部分から採取することができる。これらを、使い捨て細胞試料採取掻爬器(ライノプローブ(Rhinoprobe)(登録商標))(アーリントン・サイエンティフィック社(Arlington Scientific, Inc.)、ユタ州スプリングビル(Springville))で鼻甲介の表面を5回にわたって優しく擦過することにより、採取する。次に、この手順を第2の掻爬器で繰り返す。
両方の掻爬器は、トリゾール(TRIzol)(登録商標)(インビトロジェン社(Invitrogen Corp.)、カリフォルニア州カールスバッド(Carlsbad))RNアーゼフリー(RNase-free)を含有するスクリューキャップされたクライオバイアル中に配置される。クライオバイアルを撹拌して、掻爬器から細胞性物質を取り出し、次に遺伝子発現レベルのアッセイのために−70℃で貯蔵し凍結させておく。
遺伝子チップ分析
トータルRNA単離は、約500μLのRNA−STAT60(テル−テスト(Tel-Test)、テキサス州フレンズウッド(Friendswood))中での細胞の懸濁及び、5mmステンレス鋼ビーズを使用するレッチェ(Retsch)(バイエルン州ヴンジーデル(Wunsiedel, Bavaria))MM300ビード−ビーター・ミル(Bead-Beater Mill)中での均質化を含む。溶解液にクロロホルムを加え、混合物を1〜2分間にわたって振とうする。水相は、未精製核酸を含有しており、取り出されて、イソプロパノール中に沈殿させられる。核酸は遠心分離によりペレット状になり、このペレットを70%エタノールで洗浄し、次にDEPC水中に再懸濁する。次に、QIAジェン(QIAgen)(ドイツ、ヒルデン(Hilden))RNイージー・クリーンアップ(RNEasy Cleanup)ミニカラム及び製造者の推奨プロトコルを使用して、RNAを精製する。RNAの量は紫外線分光法により判定され、質はアジレント(Agilent)(カリフォルニア州パロアルト(Palo Alto))バイオアナライザー(Bioanalyzer)2100を使用して判定される。
遺伝子チップ標的合成(GeneChip Target Synthesis)及び遺伝子チップ処理(GeneChip processing)は、アフィメトリクス(Affymetrix)により提供されるプロトコルを使用して精製トータルRNAをcRNA遺伝子チップ(cRNA GeneChip)標的に変換することを伴う。アフィメトリクス発現分析(Affymetrix Expression Analysis)プロトコルに従ってcRNA標的を断片化してハイブリッド形成させ、洗浄及び走査を行う。標的合成及び遺伝子チップ処理のための完全なプロトコルは、www.affymetrix.com/support/download/manuals/expression s2_manual.pdfに見出だすことができる。
最後に、アフィメトリクス(Affymetrix)MAS5.0アルゴリズムを使用して、遺伝子チップ走査を伴う遺伝子チップ分析(GeneChip Analysis)を表形式データに変換するが、これはwww.affymetrix.com/Auth/support/downloads/manuals/mas_manual.zipに記載されている。いったんデータ品質が確定してから、アフィメトリクス・データ・マイニング・ツール(Affymetrix Data Mining Tool)(DMT)、スポットファイア(Spotfire)(マサチューセッツ州サマービル(Sommerville)、及びオムニビズ(Omniviz)(マサチューセッツ州メイナード(Maynard))などの種々の市販のツールを使用して分析及び可視化する。
他の関連する核酸分子の単離
前述したように、表I及び/又は表IIのヒト核酸分子の同定により、当業者は、本明細書に記載されている配列に加えて遺伝子ファミリーの他のメンバーをコードする核酸分子を単離することができる。更に、本開示の核酸分子により、当業者は遺伝子ファミリーの他のメンバーをコードする核酸分子を単離することができる。
当業者は、表IIのタンパク質又はこれらの断片を使用して抗体プローブを産生し、適切な細胞から調製されている発現ライブラリーをスクリーニングしてもよい。1つの実施形態では、断片は、アミノ酸挿入及び置換を含有してもよい。精製タンパク質で免疫化されたウサギなどの哺乳動物からのポリクローナル抗血清又はモノクローナル抗体を使用して、哺乳動物cDNA又はλgt11ライブラリーなどのゲノム発現ライブラリーを精査し、タンパク質ファミリーの他のメンバーのための適切なコーディング配列を得てもよい。クローニングされたcDNAは、融合タンパク質として発現するか、それ自体の制御配列を使用して発現するか、タンパク質の発現に使用される特定の宿主に適切な制御配列を使用する構造体により発現されることができる。
あるいは、本明細書に記載されているコーディング配列の一部を合成して、任意の生体からのタンパク質ファミリーのメンバーをコードする関連するDNAに対するプローブとして使用してもよい。例えば18〜20個のヌクレオチドを含有するオリゴマーを調製して使用し、ゲノムDNA又はcDNAライブラリーをスクリーニングして、厳格な条件又は過度のレベルの偽陽性を排除するのに十分な厳格性を有する条件の下でのハイブリッド形成を得てもよい。
加えて、オリゴヌクレオチドプライマーの対をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)での使用のために調製して、核酸分子をクローニングしてもよい。種々のPCRフォーマットが当該技術分野において既知であり、他の核酸分子の単離における使用に適合することができる。
試験化合物の選択
本発明のアッセイに従ってスクリーニングすることができる化合物には、植物又は哺乳動物抽出物などの天然産物を含む既知の化合物のライブラリーが挙げられるがこれらに限定されない。また、例えば、タンパク質、核酸及びペプチドといった、合成化学物質、生物学的活性物質も含むことができ、これには、D−又はL−配置のアミノ酸とホスホペプチドとからなるランダムペプチドライブラリー及びコンビナトリアルケミストリー由来分子ライブラリー、抗体(ポリクローナル、モノクローナル、キメラ、ヒト、抗イディオタイプ若しくは1本鎖抗体並びにFab、F(ab’)及びFab発現ライブラリー断片、並びにこれらのエピトープ結合断片が挙げられるが、これらに限定されない)、他の有機及び無機分子が挙げられるが、これらに限定されない。
試験化合物のより伝統的な供給源に加えて、コンピューターモデリング及び検索技術は、本発明のタンパク質のリガンド結合部位からの構造情報により、試験化合物の合理的な選択を可能にする。このような試験化合物の合理的な選択は、治療用化合物を同定するためにスクリーニングしなければならない試験化合物の数を削減することができる。本発明のタンパク質配列の知識により、可能性のあるリガンドのためのスクリーニングに使用することができるこれらの結合部位のモデルを作ることが可能になり得る。このプロセスは当該技術分野において既知の方法により達成することができる。好ましいアプローチは、タンパク質配列の配列アラインメントを鋳型(同様なタンパク質の結晶構造又はNMRに基づくモデルに由来する)に対して産生すること、アミノ酸構造を変換すること、並びに分子力学及び外観検査によりモデルを改定することを伴う。強度の配列アラインメントが得られない場合には、モデルは、疎水性らせん構造のモデルを構築することにより産生してもよい。接触残基を指す突然変異データもまた、互いに関連するらせん構造の接触が達成されるようにこれらを特定するために使用してもよい。このプロセス中に、らせん構造内の結合部位の空洞の中へ既知のリガンドをドッキングさせることもまた使用して、リガンドの結合を安定化する相互作用を発生させることにより、らせん構造を特定するのを助けてもよい。分子力学を使用する改定及び標準的な相同性モデリング技術を使用するループ構造作製によりモデルを完成してもよい。モデリングについての一般情報は、T.ショーンバーグ(Schoneberg, T.)らの「モルキュラー・アンド・セルラー・エンドクリノロジー(Molecular and Cellular Endocrinology)」(1999年、151巻、181〜193ページ)、D.フラワー(Flower, D.)の「バイオキミカ・エト・バイオフィジカ・アクタ(Biochim Biophys Acta)」(1999年、1422巻、207〜234ページ)及びP.A.セクストン(Sexton, P.M.)の「カレント・オピニオン・ドラッグ・ディスカバリー・アンド・ディベロップメント(Curr. Opin. Drug Discovery and Development)」(1999年、2巻、4
40〜448ページ)に見出すことができる。
いったんモデルが完成してから、モデルをいくつかのコンピュータープログラムの1つ、例えば、DOCKプログラム(UCSFモルキュラー・デザイン・インスティトゥート(UCSF Molecular Design Institute)、カリフォルニア州94143−0446サンフランシスコ、パルナッスス・アヴェニュー533、U64、ボックス0446(533 Parnassus Ave, U-64, Box 0446, San Francisco, California 94143-0446))又は、FLEXX(トリポス社(Tripos Inc.)、ミズーリ州セントルイス、サウスハンリー・ロード1699(1699 South Hanley Rd., St. Louis, MO))と併用しながら使用して、スクリーニングする化合物の数を絞ることができる。結合部位に対する立体的適合及び静電的相補性のために商業的な及び/又は商標付きの化合物をスクリーニングしてもよい。
化合物を同定するためのスクリーニングアッセイ
本発明の遺伝子がライノウイルス感染の制御、監視及び/又は治療において役割を担うことができることの発見により、ライノウイルス感染の予防的及び治療的処置のために使用することができる種々のスクリーニング方法が可能となる。
予防、監視又は治療に有用な化合物を選択するとき、化合物が本発明の、タンパク質発現制御因子、タンパク質産物及びタンパク質の受容体に対して選択的であることが好ましい。1次スクリーニングに関して、表IIに記載されているタンパク質のアミノ酸配列と、例えば少なくとも約80%同一、好ましくは少なくとも約90%同一、より好ましくは同一である、アミノ酸配列を有する本発明のプロテインを使用して、インビトロスクリーニングが実行されることが好ましい。試験化合物は、好ましくは脊椎動物タンパク質、より好ましくはヒトタンパク質に対してスクリーニングすることができる。化合物のスクリーニングに関して、治療が想定されている種からのタンパク質を使用することが好ましい。
本発明の方法は、ハイスループット用途も受け入れることができるが、本方法において、ただ1種の化合物の使用も用語「スクリーニング」により包含される。このインビトロスクリーニングは、化合物の範囲、すなわち更なる調査に値する化合物を選択するための手段を提供する。例えば、200nM未満の濃度で本発明のタンパク質を活性化する化合物は哺乳動物モデルで更に試験されてもよく、閾値を越えるものは更に試験されなくてもよい。
下記のアッセイシステムは、本発明のタンパク質又は本発明のタンパク質を発現する細胞を含むキットに配合されてもよく、例えば、バイアル、チューブ、マイクロタイタープレート、及びボトルなどの種々の容器に包装されてもよい。例えば、陽性及び陰性対照サンプル並びに緩衝液などの他の試薬は、キットに含まれてもよい。
1つの実施形態では、本発明は、本発明のタンパク質に結合する化合物を同定する方法を提供する。タンパク質への化合物の結合を判定する方法は、当該技術分野において既知である。アッセイは、試験化合部の存在下又は不在下で、タンパク質に結合することが既知である標識化合物と共に、本発明のタンパク質をインキュベートすること及び結合した標識化合物の量を測定することを含む。本発明のタンパク質の供給源は、タンパク質を発現する細胞又は何らかの形態の単離されたタンパク質のいずれかであることができる。標識化合物は、好ましくは定量的に測定できるよう、既知のリガンド又は標識リガンド類縁体であることができる(例えば、125I、35S−メチオニン又は蛍光タグ、ペプチド又は蛍光融合タンパク質で標識される)。標識についてのこのような方法は、当該技術分野において既知である。本発明のタンパク質に結合する試験化合物は、タンパク質に結合するリガンドを削減し、これによって対照サンプルと比較してシグナルのレベルを下げることができる。この技術の変型が、M.キーン(Keen, M.)の「受容体シグナル伝達プロトコルにおける膜標本及び無傷細胞のための放射性リガンド結合法(Radioligand Binding Methods for Membrane Preparations and Intact cells in Receptor Signal Transduction Protocols)」(R.A.J.チャリス(R.A.J. Challis)編、ヒューマナ・プレス社(Humana Press Inc.)、ニュージャージー州トトワ(Totoway)、1997年)に記載されている。
別の実施形態では、本発明は、本発明のタンパク質を活性化する化合物を同定するための試験化合物をスクリーニングする方法を提供する。このアッセイは細胞系であるが、アゴニスト及びアンタゴニスト結合を識別することができる無細胞系が既知である。細胞系アッセイは、本発明のタンパク質を発現する細胞を試験化合物又は対照物質と接触させること及び影響されたシグナル伝達経路の構成成分の発現又は活性を測定することによってタンパク質の活性化を測定することを含む。例えば、試験化合物との好適なインキュベーションの後に、細胞の溶解液を調製して、タンパク質の転写、翻訳又は修飾について、例えばリン酸化、グリコシル化又はcAMPのようなセカンドメッセンジャーの誘導について、分析してもよい。加えて、細胞を溶解する必要なく反応を測定する、多くのハイスループットアッセイが利用可能であり、例えば、カルシウムイメージングが挙げられる。
1つの実施形態では、cAMP誘導は、種々のレポーター遺伝子のいずれかに連結されるcAMP応答性エレメントを含有する遺伝子組換え型構造体を使用することで、測定されてもよい。このようなレポーター遺伝子には、クロラムフェニコール・アセチルトランスフェラーゼ(CAT)、ルシフェラーゼ、グルクロニドシンセターゼ、成長ホルモン、蛍光タンパク質又はアルカリホスファターゼが挙げられるが、これらに限定されない。細胞を試験化合物に曝露するのに続いて、レポーター遺伝子の濃度は定量化されて、試験化合物のcAMP濃度を増加する能力を測定し、これにより試験化合物の、本発明のタンパク質を活性化する能力を測定することができる。
別の実施形態では、特定のホスホ−チロシン又はホスホ−セリン抗体を使用して、試験化合物への曝露後のシグナルタンパク質のリン酸化のレベルを測定してもよく、これにより対照サンプルと比較するとリン酸化レベルにおける有意な偏差は本発明のタンパク質の活性化を示す。場合によっては、アゴニストへの長時間曝露の後、タンパク質(例えば、受容体)の反応は沈静し又は減感していく。多くの場合、関心のあるタンパク質は酵素であることができ、それゆえに試験化合物の結合の効果は酵素活性における変化で測定することができる。同様に、細胞内カルシウム濃度[Ca2+]における変化は一般に、多くのシグナルカスケードの活性化を示す。
細胞系受容体結合アッセイ
細胞系受容体結合アッセイは、新規化合物の潜在的生物学的活性を評価するために有用なツールとして、薬学及び生物工学コミュニティで一般的に使用されている。実際、ハイスループットスクリーニング(HTS)法は薬剤開発のための新たなリード化合物の主要な供給源となっている。薬剤発見及び基礎研究プログラムは、多数の、活性について未知の化合物を処理及びスクリーニングするためのより迅速で信頼できる手順を必要としている。いくつかの特殊検出技術が、数百万の化合物の費用及び時間効率的なスクリーニングを促進するために開発されてきている。
最も頻繁に使用されるアッセイ技術の1つは、シンチレーション近接アッセイ(SPA)であり得る。これを使用して、受容体に対する種々の薬剤の親和性、並びに受容体ファミリー及び様々な組織又はサンプルにおけるこれらのサブタイプの結合部位密度を測定することができる。阻害物質は、受容体の結合部位と競争することにより、特定の化学発光又は放射線強度を低下させることができる。これらの研究は、薬剤が異なるサブタイプにおいて治療効果を有するのか、逆効果を有するのかを判定するのに役立つことができる。
一般的なアッセイ手順は、アッセイプレートに所望の標的受容体を有する細胞又は細胞膜を加えることを伴う。非特異的結合を最小化する遮断剤を加え、室温で30分間にわたってインキュベートする。試験化合物、試薬、標識リガンドをリーディング緩衝液と共に加え、所定の時間にわたってインキュベートする。強度の読み取りは必要とされる頻度で行う。受容体を発現しない細胞は特定の結合を呈示しない。競合結合曲線は、試験化合物について潜在能の順位序列を作ることができる。
NF−κB活性化アッセイ
多くの炎症誘発剤(例えば、サイトカイン、ケモカイン、及びシクロオキシゲナーゼ)の転写は、転写因子NF−κBにより制御される。ライノウイルス(RV)感染後にNF−κB並びに多くのケモカイン及びサイトカインの両方が情報制御されるという本発明者らの発見は、NF−κBの阻害が症状緩和に向けての鍵となる介入点であることを示す。
核因子−κB(NF−κB)は、サイトカイン及びケモカインなどの炎症に決定的な多数の遺伝子の発現を制御する、鍵となる核転写因子である。活性化時にはNF−κBは細胞質から核に移行して、転写のためにそのプロモーターを活性化する。文献及び本発明者らの実験室からの結果はどちらも、ライノウイルス感染後の多数の遺伝子の転写を支持し、NF−κBが潜在的な鍵となる介入点であることを示している。したがって、NF−κBの活性化及び移行を監視するためのアッセイは、可能性のある抗炎症技術の評価に有用である。
セロミクス社(Cellomics, Inc)(ペンシルバニア州ピッツバーグ(Pittsburgh))はNF−κBの細胞内位置を明らかにする抗体系アッセイを開発し、これにより細胞質から核へのNF−κBの移行の定量を可能にした。NF−κBは核内にあって遺伝子発現を誘導しなければならないので、その移行はその活性化の決定的な尺度であり、レポーター遺伝子発現よりも初期の事象を標識する。このアッセイは、複数の細胞タイプにおけるNF−κB移行を検出することができる96ウェルの中間スループット技術の例である。この細胞系アッセイは、呼吸器系効果を予測する潜在性を有する。
アッセイは標準的な高密度のマイクロプレートで実行することができ、そこではNF−κBの比率及び範囲の測定が、より多くの生物学的に代表的な情報を提供する無傷細胞において行われる。セロミクス(Cellomics)のNF−κB活性化キット(カタログ番号K01−001−1)は、蛍光試薬と、最適化されたサンプル調製及びアッセイのためのプロトコルとを組み合わせることができ、細胞溶解液、精製又は濾過工程を必要としない。固定後、4℃で遮光条件下で貯蔵されるとき、プレートは長期間にわたって安定である。
細胞単位に基づいてNF−κBを阻害又は活性化する化合物の同定のために完全に自動化されたスクリーンを作製してもよい。調製された細胞は、標準的な蛍光顕微鏡検査を使用して、又は細胞質から核への移行のバイオアプリケーション(Cytoplasm to Nucleus Translocation Bioapplication)を有するセロミクス(Cellomics)の完全に自動化されたHCSリーダー(HCS Reader)を使用して分析することができ、自動化プレート操作、ピント調整、画像収集、分析、定量、及びデータ格納が可能となる。
COX阻害物質スクリーニングアッセイ
シクロオキシゲナーゼ(COX、プロスタグランジンHシンターゼ又はPGHSとも呼ばれる)酵素は、シクロオキシゲナーゼ及びペルオキシダーゼ活性の両方を含有する。COXは、プロスタグランジン(PG)、トロンボキサン、及びプロスタサイクリンの生合成における第1工程を触媒する。すなわち、アラキドン酸のPGH2への変換を触媒する。COXには2種のイソ型が存在することが今や立証されている。シクロオキシゲナーゼ−1(COX−1)は種々の細胞タイプに構成的に発現されており、正常細胞恒常性に関与する。ホルボールエステル、リポ多糖、及びサイトカインなどの種々のマイトジェン刺激は、COXの第2のイソ型であるシクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)の誘導された発現を引き起こす。COX−2は、急性炎症条件下のPGの生合成の要因となっている。この誘導可能なCOX−2は、非ステロイド系抗炎症薬剤の抗炎症活性についての標的酵素であると考えられている。
COX阻害物質スクリーニングアッセイの例(カタログ番号560101、ケイマン・ケミカル社(Cayman Chemical Company)(ミシガン州アン・ハーバー(Ann Harbor))製)は、COX誘導されたPGH2のSnCl2還元により産生されるPGF2を直接計測する。プロスタノイド産物は、全ての主要なプロスタグランジン化合物に結合する広く特定される抗体を使用して、酵素イムノアッセイ(EIA)により定量化することができる。それゆえに、COXアッセイは、ペルオキシダーゼ阻害に基づくアッセイよりも正確で信頼できる。ケイマンCOX阻害物質スクリーニングアッセイ(Cayman COX Inhibitor Screening Assay)は、アイソザイム特定阻害物質をスクリーニングするために、ヒツジCOX−1及びヒト遺伝子組換え型COX−2酵素の両方を含む。このアッセイは、一般的な阻害物質スクリーニングのために又はより特定的でない方法により産生される偽陽性リードを排除するために、使用することができる優れたツールであることができる。
プロスタグランジンE2アッセイ
シクロオキシゲナーゼ(Cycloxygenases)は、炎症及び痛みの媒介物質であることができるプロスタグランジンの産生に関与することができる。COX2(シクロオキシゲナーゼ−2)は、ウイルス感染により誘導されるタンパク質(遺伝子PTGS2によりコードされている)であり、PGE2(プロスタグランジンE2)は疲労、頭痛、咽頭痛のような症状を生じ得る産物である。PGE2産生又はCOX活性を抑える化合物はウイルス感染の症状を緩和することができる。
プロスタグランジンの産生は、炎症刺激への反応であるホスホリパーゼA2による膜リン脂質からのアラキドン酸の遊離で始まる。次に、シクロオキシゲナーゼ酵素COX−1及びCOX−2はアラキドン酸をPGH2(プロスタグランジンH2)に変換する。COX−1は構成的に発現されて粘液分泌などの恒常性機能を維持するように作用する一方、COX−2は炎症刺激に反応して誘導される。更に下流では、細胞に固有のプロスタグランジンシンターゼがPGH2をPGI2、PGF2、PGD2、及びPGE2などの一連のプロスタグランジンに変換する。アラキドン酸代謝の主要産物であるPGE2は、マクロファージ、線維芽細胞、及び一部の悪性細胞などの複数の細胞タイプにより産生される。これは4種の受容体、すなわちEP1、EP2、EP3、及びEP4を介してその作用を発揮する。その産生は、COX−1及びCOX−2活性調節及びグランジンシンターゼの検出に一般的に使用される方法である。
PGE2を定量化するために利用可能ないくつかの標準的な方法が存在する。HTRF(登録商標)PGE2アッセイ(シスビオ・インターナショナル(Cisbio International)により開発、カタログ番号62P2APEB)はPGE2を定量化するための高感度の方法の例である。その原理は、HTRF技術(均一時間分解蛍光(Homogeneous Time-Resolved Fluorescence))に基づく。これは細胞上清の中又は直接、細胞全体の存在下のいずれかで実行することができる。この方法は、細胞により産生された天然PGE2及びd2標識PGE2が、クリプテートで標識された抗PGE2モノクローナル抗体との結合をめぐって競合する、競合的イムノアッセイである。HTRFシグナルは、標準物質中又はサンプル中のPGE2の濃度に反比例である。HTRF検出試薬の添加に続くインキュベーション時間及び温度は、アッセイの結果にほとんど影響を及ぼさず、アッセイ可撓性の別のレベルを提供する。
簡潔には、サンプルの連続的な希釈(0〜5000pg/mLの範囲)は、希釈剤により調製することができる。試薬を384ウェル低容量プレート(20μL)の中に分与する(プロトコルの概要のように)。陰性及び陽性対照が含まれる。プレートをプレートシーラーでカバーし、室温で5時間にわたって、そして4℃で一晩にわたってインキュベートする。サンプルからの遊離PGE2は、クリプテートと結合した抗PGE2抗体との結合をめぐってXL665で標識されたPGE2と競合する。次に、プレートを適合するHTRFリーダー上で読み取る。
細胞培養、組織、及びライノウイルスの哺乳動物モデルを使用する化合物のためのスクリーニング
上記のように、インビトロアッセイにより1種以上の試験化合物から選択される化合物は、これらのライノウイルスを制御する能力に関して更に試験されてもよい。このようなモデルは、インビトロ細胞培養モデル及びインビトロ哺乳動物モデルの両方を含む。このような追加的なレベルのスクリーニングは、例えば、臨床試験といった追加的な調査に値する候補化合物の範囲を更に絞るために有用である。このようなモデルシステムには、気管支上皮細胞プロスタグランジン及びケモカイン放出アッセイ、PBMC増殖/生存アッセイ、PBMC、PBMC走化性アッセイ、ケモカイン受容体結合アッセイ、RV感染気管支上皮細胞中のライノウイルス滴定(titering)、並びにヒトRV誘導風邪モデルが挙げられるが、これらに限定されない。
走化性アッセイ
表Iの複数のケモカインは、RV感染時に誘導されるものである(例えば、IP10、MCP1)。ケモカインは小さなタンパク質で、感染細胞により放出され、他の免疫細胞(例えば、リンパ球)上の受容体に作用して、走化性を誘導し、これによって炎症プロセスを開始する。したがって、ウイルス感染は、1)ケモカインを下方制御するか、2)ケモカイン受容体をブロックする、活性物質により調節することができる。ケモカイン受容体アンタゴニストは、走化性アッセイにより同定することができる。
走化性アッセイの目的は、関心のあるタンパク質又は小分子が特定の細胞タイプについて走化性活性を有するかどうかを判定することである。走化性は、タンパク質が特定の細胞の遊走を方向付ける能力である。このアッセイは、走化性物質の勾配を作り出し、細胞が膜を通り抜けて走化性物質に向かって遊走するようにするという前提に基づく。この物質が細胞に対して走化性ではない場合には、ほとんどの細胞は膜上に留まる。この物質が走化性である場合には、細胞は膜を通り抜けて遊走して、走化性プレートのウェルの底部に沈降する。
このアッセイは、白血球又は他の遊走細胞の24、96、384サンプルを並列で測定するマルチウェルチャンバ(例えば、ニューロプローブ(NeuroProbe))を使用してもよい。利点は、複数の並列を同一の条件で分析することである。マルチウェルチャンバは、均一なサイズの孔を含有するフィルターによって隔てられている。調査される白血球のサイズはフィルターの孔径を決定する。活性物質の遊出を可能にする直径を選択することが必須である。
ケモカイン又は走化性因子を含有する溶液を下部(botton)チャンバに配置し、白血球の細胞懸濁液を上部チャンバに配置する。細胞は孔を通って、フィルターの厚さを通過して、走化性誘引物質の供給源(下部チャンバ)に向かって遊走することができる。フィルターを通過して遊走し、下面に付着した細胞を計数する。データは、多くの場合遊走指数で、すなわち、ランダムに、つまり緩衝液のみに向かって遊走した細胞の数に対する、アゴニストに反応して遊走した細胞の数で表記される。細胞の検出のために、一般的な染色技術(例えば、トリパンブルー)又は特別なプローブ(例えば、MTTアッセイでのミトコンドリア脱水素酵素検出)を使用する。標識された(例えば、セル・トラッカー・グリーン(Cell Tracker Green)のような蛍光色素などで)細胞も使用する。
炎症媒介物質の複合アッセイ分析
複合アッセイは、単一サンプル中の複数種のタンパク質の濃度及び/又は活性を測定するための非常に有用なツールとなっている。これらは、従来のELISA(酵素結合免疫吸着検定法(Enzyme-Linked ImmunoSorbent Assay))技術及び圧電印刷技術に基づいた定量的なプレートベースの抗体配列である。これらは、血清、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ヘパリン及びクエン酸ナトリウム血漿、培養上清、並びに他のサンプルタイプの中の複数の検体(タンパク質)の定量的測定のために最適化することができる。
提供されるマイクロプレートの各ウェルは、プレートに添加された標準液及びサンプルの中の特定の検体を捕捉する抗体で予めスポットされている。非結合タンパク質を洗い流した後、ビオチン化検出抗体を加え、標的タンパク質上の第2部位に結合させる。各抗体スポットは特定のサイトカイン、ケモカイン又はビオチン化抗体カクテルにより検出された他のバイオマーカーを捕捉することができ、続いてストレプトアビジン−西洋ワサビペルオキシダーゼ(SA−HRP)及びスーパーシグナルELISA化学発光器基質(SuperSignal ELISA Chemiluminescent Substrate)を加えてもよい。過剰な検出抗体は取り除くことができ、SA−HRP又はSA−デイライト800蛍光剤(SA-DyLight 800 Fluor)を加えてもよい。酵素−基質(HRP−スーパーシグナル)反応は、サーチライトプラスCCDイメージングシステム(SearchLight Plus CCD Imaging System)によって検出することができる発光シグナルを生じる。赤外線アレイに関して、デイライト800蛍光剤からのシグナルは、Li−CORバイオサイエンス(LI-COR Biosciences)からのオデッセイ(Odyssey)(登録商標)又はエアリエス(Aerius)(登録商標)赤外線イメージングシステム(Infrared Imaging Systems)により測定することができる。各スポットで生じるシグナルの量は、元の標準液又はサンプルの中の各特定タンパク質の量に比例する。
基質のHRP−触媒酸化から生じる光は、冷却CCDカメラでプレートをイメージングすることにより、測定することができる。遺伝子組換え型配列タンパク質の混合物を使用して、標準曲線を作成する。サンプル中のタンパク質濃度は、対応する標準曲線に対してスポットの強度を比較することにより、定量化することができる。
遺伝子導入哺乳動物及び遺伝子治療
マウス、ラット、ウサギ、モルモット、ブタ、ヤギ、イヌ、カエル、及びヒトを除く霊長類が挙げられるがこれらに限定されない、多くの種の哺乳動物、好ましくは脊椎動物を使用して、本発明のタンパク質を発現する遺伝子導入哺乳動物を作り出すことができる。いくつかの技術が当該技術分野において既知であり、導入遺伝子を哺乳動物に導入して、遺伝子導入哺乳動物の樹立系統を作り出すために使用することができる。このような技術には、前核顕微注入、生殖系統へのレトロウイルスに媒介された遺伝子導入、胚幹細胞での標的遺伝子組換え、胚の電気穿孔、及び精子に媒介された遺伝子導入が挙げられるがこれらに限定されない。
本発明のタンパク質の全体的な活性は、そのタンパク質に関する遺伝子の過剰発現により、増強することができる。過剰発現は、トータル細胞性タンパク質活性を増強し、これによって機能を増強する。関心のある遺伝子を患者において発現に好適なベクターに挿入する。これらのベクターには、アデノウイルス、アデノウイルス関連ウイルス、レトロウイルス、及びヘルペスウイルスベクターが挙げられるがこれらに限定されない。細胞内にDNAを導入する他の技術、例えばヒト組織内へ、関心のある遺伝子を含有するリポゾーム、金粒子又はDNA発現ベクターを直接注入すること(入射体として)もまた使用してもよい。
ライノウイルス感染の治療
本発明の遺伝子、タンパク質、発現制御因子、タンパク質の産物、及び受容体(標的)並びに標的を活性化又は阻害する少なくとも1種の化合物、少なくとも2種の化合物、少なくとも3種の化合物を含むがこれらに限定されない1種以上の化合物を、ライノウイルス感染の治療のための方法に使用することができる。用語「制御する」は、上方制御若しくは下方制御する、固定する、秩序若しくは均一性をもたらす、支配する又は種々の手段により方向づけることを含むが、これらに限定されない。1つの態様では、化合物は「ライノウイルス感染」の治療のための方法に使用することができる。本発明により治療することができるライノウイルス感染及びライノウイルス感染に関連する疾病の非限定例は、本明細書で以下に記載される。
本発明の標的及び化合物は、風邪及び流感を含むがこれらに限定されない上気道感染(URI)を治療、監視又は診断するために使用することができる。これには、ほとんどのURIの主な原因であるライノウイルス、パラインフルエンザウイルス、コロナウイルス、アデノウイルス、ミクソウイルス、エコーウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、コクサッキーウイルス、及びインフルエンザウイルスが挙げられるがこれらに限定されない。
製剤処方及び使用方法
本明細書で記載されるスクリーニング方法により同定される化合物は、本発明の遺伝子、タンパク質、発現制御因子、タンパク質産物、及び受容体(標的)により制御される疾患若しくは疾病を治療又は予防するために、哺乳動物に投与することができる。用語「治療」は、本明細書では本発明の化合物の投与が、宿主の疾患又は疾病を軽減することを意味する。したがって、用語「治療」は、特に、宿主が疾患にかかりやすくなっているが、疾患と診断されてはいないときに、宿主内で生じる疾病を予防すること、疾病を阻害すること及び/又は疾病を緩和若しくは逆行させることを含む。本発明の方法が疾病を予防することを目的とする限り、「予防」という用語は疾患状態を完全に阻止する必要はないと理解される。(「ウェブスター大学生用辞典第9版(Webster's Ninth Collegiate Dictionary)」を参照のこと。)むしろ、本明細書で使用するとき、予防という用語は、当業者の、疾患の発症前に本発明の化合物を投与できるように、疾病にかかりやすい集団を特定する能力を指す。この用語は、疾患状態を完全に回避することを意味するものではない。本発明のスクリーニング方法により同定される化合物は、他の化合物と併用して投与することができる。
同定された化合物の安全性及び治療効果は、インビトロ又はインビボ技術を用いる標準的な方法により測定し得る。大きな治療指標を示す化合物が好ましい場合があるが、副作用の水準が許容可能である場合、治療指標の低い化合物が有用である場合もある。インビトロ又はインビボ毒物学及び薬理学的技術から得たデータは、投与量の範囲を処方するために用いることができる。
化合物の有効性は、哺乳動物モデルにおいて又は患者の臨床治験においてのいずれかで、ライノウイルス感染について更に評価してもよい。
本明細書で使用するとき、「製薬上許容できるキャリア」は、薬剤投与に適合した、全ての溶媒、分散媒、コーティング、抗菌及び抗真菌剤、等張剤、並びに吸収遅延剤などを含むことを意図する。薬剤的活性物質に対するこのような媒質及び剤の使用は、当該技術分野において既知である。従来の任意の媒質又は剤が活性化合物に適合しない場合を除いて、このような媒質は本発明の組成物中に使用されてもよい。補足的活性化合物は、組成物に組み込まれてもよい。本発明の医薬組成物は、目的とする投与経路に適合するように配合される。投与経路の例としては、非経口、例えば、静脈内、皮内、皮下、経口(例えば、吸入)、経皮(局所)、経粘膜、及び直腸投与が挙げられる。非経口、皮内若しくは皮下適用に使用される溶液又は懸濁液としては、次の構成成分、注射用の水、食塩水溶液、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール又は他の合成溶媒のような無菌希釈剤;ベンジルアルコール若しくはメチルパラベンのような抗菌剤;アスコルビン酸若しくは亜硫酸水素ナトリウムのような酸化防止剤;エチレンジアミン四酢酸のようなキレート剤;アセテート、シトレート若しくはホスフェートのような緩衝剤;並びに塩化ナトリウム若しくはデキストロースのような張度調節用の剤を挙げることが可能である。pHは、塩酸又は水酸化ナトリウムのような、酸又は塩基で調節することができる。非経口製剤は、ガラス又はプラスチックで製造されたアンプル、使い捨て注射器又は複数回投与バイアル内に入れてもよい。
注入可能な用途に好適な医薬組成物としては、無菌水溶液(水溶性である場合)又は分散液、及び注入可能な無菌溶液若しくは分散液の即時調合のための無菌粉末が挙げられる。静脈内投与に好適なキャリアには、生理食塩水、静菌水、クレモフォア(Cremophor)EL(商標)(BASF、ニュージャージー州パーシパニー(Parsippany))又はリン酸緩衝生理食塩水(PBS)が挙げられる。全ての場合において、組成物は無菌でなければならず、容易に注入可能である程度に流動的であるべきである。それは、製造及び保管条件下で安定でなければならず、細菌及び真菌のような微生物の混入作用に対して保護されなければならない。キャリアは、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコール等)、及びこれらの好適な混合物を含有する溶媒又は分散媒であってもよい。例えば、レシチンのようなコーティングを使用することにより、分散液の場合には必要な粒径を維持することにより及び界面活性剤を使用することにより、適切な流動性を維持することができる。微生物の活動の予防は、種々の抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサールなどにより達成することができる。多くの場合、組成物中に、等張剤、例えば、糖、マンニトール及びソルビトールのような多価アルコール並びに塩化ナトリウムを含むことが好ましい。注入可能な組成物の持続的吸収は、組成物中に、吸収遅延剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンを含むことによりもたらすことができる。
無菌注入可能溶液は、必要な量の活性化合物を、上記成分の1種又は組み合わせと共に、適切な溶媒に組み込み、必要に応じて、続いて濾過滅菌することにより調製することができる。一般に分散液は、活性化合物を基本の分散媒及び必要な他の成分を含有する無菌賦形剤に組み込むことにより調製される。無菌注入可能溶液の調製用無菌粉末の場合、好ましい調製方法は、その既に濾過済み無菌溶液から、任意の所望の追加成分に加えて活性成分の粉末を得る、真空乾燥及び凍結乾燥である。
口腔用組成物は、一般に不活性希釈剤又は食用キャリアを含む。それらは、ゼラチンカプセルに封入してもよく、圧し固めて錠剤にしてもよい。経口投与では、胃を通り抜けられるように、剤を腸溶性の形態に収めてよく、また既知の方法によって消化管の特定の領域で放出されるように、剤を更にコーティング若しくは混合してもよい。治療的な経口投与の目的では、活性化合物を賦形剤と共に組み込んでよく、また錠剤、トローチ又はカプセルの形態で使用してもよい。口腔用組成物は、マウスウォッシュとして使用するための流体キャリアを使用して調製してもよく、その際、流体キャリア中の化合物は、口腔に適用され、ブクブクうがいをしてから、吐き出されるか、飲み込まれる。薬学的に適合性のある結合剤及び/又は補助剤物質を、組成物の一部として含めてもよい。錠剤、丸薬、カプセル、トローチ剤などは、次の成分:微結晶セルロース、トラガカントガム若しくはゼラチンのような結合剤、デンプン若しくはラクトースのような賦形剤、アルギン酸、プリモゲル(Primogel)(商標)又はコーンスターチのような崩壊剤、ステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤、コロイド状二酸化ケイ素のような流動促進剤、スクロース若しくはサッカリンのような甘味剤又はペパーミント、サリチル酸メチル若しくはオレンジフレーバのような着香剤、あるいは同様の性質の化合物のいずれかを含有してもよい。
吸入による投与では、化合物は好適な噴射剤、例えば二酸化炭素などのガスを含有する加圧容器若しくはディスペンサー又はネブライザーからの、エアゾールスプレーの形態で供給される。
全身投与はまた、経粘膜又は経皮的手段によるものであってもよい。経粘膜又は経皮的投与では、浸透する障壁に対して適切な浸透剤を製剤中に用いる。このような浸透剤は、一般に当該技術分野において既知であり、例えば、経粘膜投与の場合、洗浄剤、胆汁酸塩、及びフシジン酸誘導体が挙げられる。経粘膜投与は、鼻内噴霧又は坐剤を用いて達成することができる。経皮投与では、活性化合物は、当該技術分野において一般に既知であるように、膏薬、軟膏、ゲル又はクリームに配合される。
化合物はまた、坐剤(例えば、カカオバター及び他のグリセリドのような従来の坐剤基剤を含む)又は直腸送達のための停留浣腸の形態で調製してもよい。
1つの実施形態では、活性化合物は、植込錠及びマイクロカプセル化送達系を含む、徐放性製剤のような、体からの急速な排泄に対して化合物を保護するキャリアと共に調製される。エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、及びポリ乳酸のような、生分解性、生体適合性ポリマーを使用してもよい。このような製剤の調製方法は、当業者には明白である。材料は、アルザ社(Alza Corporation)及びノバ・ファーマスーティカル社(Nova Pharmaceuticals, Inc.)からも商業的に入手することができる。リポソーム懸濁液(ウイルス抗原に対するモノクローナル抗体を移入させる細胞を標的とするリポソームを含む)もまた、製薬上許容できるキャリアとして使用してもよい。これらは、当業者に既知の方法に従って、例えば、米国特許第4,522,811号に記載されているように調製してもよい。
投与の容易さ及び投与量の均一性のために、経口又は非経口組成物を単位剤形(dosage unit form)で処方することは特に有利である。「単位剤形」は、本明細書で使用するとき、治療される患者に対する単位用量として好適な、物理的に分離した単位を指し、各単位は、必要な薬剤キャリアに関連して所望の治療効果を生じさせるために算出された、所定の量の活性化合物を含有する。単位剤形の規格は、活性化合物の独自の特性及び達成される特定の治療効果及び個体の治療のためにこのような活性化合物を配合する当該技術分野において固有の制限により決定され、直接左右される。
診断用途
上記のように、表Iに提供されている遺伝子及び遺伝子発現情報は、サンプル組織の疾患状態の予測又は同定のための診断マーカーとして使用することができる。例えば、組織サンプルは、上記方法のいずれかによって分析してもよく、表Iからの遺伝子又は遺伝子ファミリーのメンバーに関する発現レベルは、健常な被験者に見られる発現レベルと比較してもよい。発現レベルは、その診断を支援できる同様の疾患状態を呈するサンプル組織で観察される、発現レベルと比較してもよい。発現データ並びに入手可能な配列又は他の情報の比較は、研究者又は診断によって行ってもよく、あるいは上記のようなコンピューター及びデータベースによって行ってもよい。このような方法を使用して、表Iに記載されている遺伝子の異常発現によって特徴付けられる状態を診断又は同定することができる。
本発明の方法は、治療レジメンの有効性を診断又は監視するのに特に有用となることができる。表I及び/又はIIに同定されている1種以上の遺伝子若しくは遺伝子ファミリー、タンパク質、発現制御因子、タンパク質の産物又はタンパク質の受容体の発現を調節し、並びに/あるいは表Iに同定されている1つ以上の遺伝子若しくは遺伝子ファミリーのメンバーによりコードされている1種以上のタンパク質、発現制御因子、タンパク質の産物又はタンパク質の受容体の活性化合物は、治療レジメンに対する患者の反応を診断、監視及び評価するのに有用である。
(実施例A)
BEAS−2B細胞のインビトロ細胞株は、ライノウイルスRV−16に感染させることができる。次に、細胞を種々の化合物に曝露して抽出し、続けて、呼吸器バイオマーカータンパク質を分析することができる。抽出物及び化合物は、抽出物及び化合物への感染細胞の曝露後の呼吸器バイオマーカータンパク質の濃度を監視して、抽出物及び化合物に曝露されていない感染細胞中の呼吸器バイオマーカータンパク質の濃度と比較することにより、呼吸器バイオマーカータンパク質を制御するものとして同定される。
実施例では試験成分は、(andrographis paniculata)というハーブの抽出物又はその主成分であるアンドログラホリド(andrographolide)である。試験成分は5μMの濃度のアンドログラホリド含有量で試験される。呼吸器バイオマーカータンパク質は、IP−10(CXCL10)という走化性物質である。
Figure 2010519898
アンドログラフィスAは、サビンサ(Sabinsa)(ニュージャージー州ピスカタウェイ(Piscataway))から供給される。
アンドログラフィスBは、GNC(ペンシルバニア州ピッツバーグ(Pittsburgh))から供給される。
走化性タンパク質濃度における相当量の低減を、対照leg(control leg)と比較して、試験成分に見ることができる。
(実施例B)
ヒトにおける自然に誘導された風邪でのライノウイルス感染の経過における試験化合物の作用は、呼吸器タンパク質バイオマーカー濃度を監視することにより評価することができる。鼻洗浄液は、風邪の初発症候を呈する被験者から採取される。次に、被験者を治療し、鼻洗浄液サンプルを翌日に取る。
治療薬は、20mgのトータルアンドログラホリドに標準化されたセンシンレン抽出物、28.8mgのエゾウコギ(eleutherococcus senticosus)抽出物及び650mgのクルクミン(ウコン抽出物)からなる。この組み合わせは1日に3回投与される。呼吸器バイオマーカータンパク質は、IP−10(CXCL10)という走化性物質である。濃度は、治療の次の日に、治療に先立つ基準値についての統計的補正で分析される。
Figure 2010519898
センシンレン及びエゾウコギは、スウェーデン薬草協会(Swedish Herbal Institute)(スウェーデン、ヨーテボリ(Goteborg))から入手可能である。
クルクミンは、サビンサ(Sabinsa)(ニュージャージー州ピスカタウェイ(Piscataway))から入手可能である。
走化性タンパク質濃度における相当量の低減が、対照legと比較して、試験成分に見られる。
(実施例C)
ヒトに自然に誘導された風邪でのライノウイルス感染の経過における試験化合物の作用は、呼吸器タンパク質バイオマーカー濃度を監視することにより評価することができる。鼻洗浄液は、風邪の初発症候を呈する被験者から採取される。次に、被験者を治療し、鼻洗浄液サンプルを翌日に取る。
治療薬は、400mgのイブプロフェン及び4mgのマレイン酸クロルフェニラミンからなる。この組み合わせは1日に3回投与される。呼吸器バイオマーカータンパク質は、MCP1(CCL2)という走化性物質である。濃度は、治療の次の日に、治療に先立つ基準値についての統計的補正で分析される。
Figure 2010519898
イブプロフェンは、ワイス・コンシューマー・ヘルスケア(Wyeth Consumer Healthcare)(デラウェア州ウィルミントン(Wilmington))から入手可能である。
マレイン酸クロルフェニラミンは、シェリング・プラウ(Schering Plough)(ニュージャージー州ケニルワース(Kenilworth))から入手可能である。
走化性タンパク質濃度における相当量の低減が、対照legと比較して、試験成分に見られる。
(実施例D、E、及びF)
以下の実施例は、本発明の範囲内にある実施形態を更に説明及び実証する。これらの実施例は、説明の目的のためのみに提示するものであって、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、多くの変更が可能であるため、本発明を限定するものと解釈すべきではない。全ての例示した濃度は、特に指定のない限り、重量−重量パーセントである。
ウコン抽出物は、サビンサ社(Sabinsa Corporation)(ニュージャージー州ピスカタウェイ(Piscataway))から入手してもよい。ウコギ及びアンドログラフィス抽出物は、ダンスク・ドローゲ(Dansk Droge)(デンマーク)から入手してもよい。
(実施例D)
Figure 2010519898
51.0mgのセンシンレンは、5mgのアンドログラフィライド(andrographilide)を含有する。
**166.7mgのウコン抽出物は、158.3mgのクルクミノイド(curcuminoid)を含有する。
***7.2mgのエゾウコギ抽出物は、120mgのエゾウコギの根に相当する。
アンドログラフィス、ウコン、ウコギ、ピペリン、及びセルロース粉末を一緒に混合する。次にステアリン酸マグネシウムを添加し、ブレンド全体を更に混合する。得られる粉末ブレンドは、各々が400mgを含有するカプセルに分与される。投与は4個のカプセルであり、1日当たり3回にわたって服用される。
(実施例E)
Figure 2010519898
102mgのセンシンレンは、10mgのアンドログラフィライド(andrographilide)を含有する。
**333.3mgのウコン抽出物は、316.7mgのクルクミノイド(curcuminoid)を含有する。
***14.4mgのエゾウコギ抽出物は、240mgのエゾウコギの根に相当する。
アンドログラフィス、ウコン、ウコギ、ピペリン、及びセルロース粉末を一緒に混合する。次にステアリン酸マグネシウムを添加し、ブレンド全体を更に混合する。得られる粉末ブレンドは、各々が600mgを含有するカプセルに分与される。投与は2個のカプセルであり、1日当たり3回にわたって服用される。
(実施例F)
Figure 2010519898
102mgのセンシンレンは、10mgのアンドログラフィライド(andrographilide)を含有する。
**333.3mgのウコン抽出物は、316.7mgのクルクミノイド(curcuminoid)を含有する。
***14.4mgのエゾウコギ抽出物は、240mgのエゾウコギの根に相当する。
アンドログラフィス、ウコン、ウコギ、ピペリン、ポビドン、セルロース、及び半分のクロスカルメロースナトリウムを少量の水と造粒が生じるまで一緒に混合する。造粒をオーブンで乾燥して、水分を取り除き、ブレンドを製粉する。次に、残っている半分のクロスカルメロースナトリウム及びステアリン酸マグネシウムを添加して、ブレンド全体を混合する。得られる粉末ブレンドは、各々が600mgを含有する錠剤に圧縮される。錠剤を所望により砂糖でコーティングするか又はフィルムコーティングする。投与は2個のカプセルであり、1日当たり3回にわたって服用される。
(実施例G)
複数のケモカインはライノウイルス感染後に上方制御することができるので、走化性をブロックするための方法は、広域スペクトルケモカイン受容体アンタゴニストによる。PBMCは典型的には単核細胞及びリンパ球の混合物であり、すなわち、顆粒球が分離されて取り除かれた血液の白血球である。PBMCは、ロンザ・グループ社(Lonza Group Ltd)(スイス、バーゼル(Basel))から入手可能であるセル・トラッカー・グリーン(Cell Tracker Green)などの蛍光染料で標識することができ、ケモカインに反応しての遊走の阻害を監視することができる。走化性遊走は、USバイオロジカル(US Biological)(マサチューセッツ州スワンプスコット(Swampscott))から入手可能であるSDF1a(ストロマ由来因子1α)により誘導することができる。SDF1aは、CXCR4及びPBMC上に生じることができる他のものなどの走化性受容体に結合することにより、走化性遊走を誘導することができる。走化性遊走の阻害は、シグマ・アルドリッチ(Sigma-Aldrich)(ミズーリ州セントルイス(St. Louis))から入手可能であるvMIP−II(ウイルス性マクロファージ炎症性タンパク質−II(viral Macrophage Inflammatory Protein-II))などの潜在的な走化性阻害物質の適用時に観察することができる。vMIP−IIは、CCR2、CCR5、及びPBMC上に生じることができる他のもの、などの走化性受容体に結合することができる。走化性阻害物質は、走化性の部分的又は完全な阻害を示すことができ、投与依存性を示すことができる。
Figure 2010519898
(実施例H)
シグマ・アルドリッチ(Sigma-Aldrich)(ミズーリ州セントルイス(St. Louis))から入手可能であるエトキシキン、オイゲノール又はジヒドロオイゲノールなどの試験化合物は、精製酵素を使用してシクロオキシゲナーゼ活性の阻害について分析することができる。試験化合物は、ライノウイルスに感染されている細胞で個々に接触させることを介して、プロスタグランジン産生の阻害について分析することができる。プロスタグランジンについてのアッセイは、シスビオ・インターナショナル(Cisbio International)(マサチューセッツ州ベッドフォード(Bedford))から入手可能である。ライノウイルスによる感染に好適な1つの細胞株は、A549(ATCC表記CCL−185)という、ATCC(バージニア州マナッサス(Manassas))から入手可能であるヒト上皮性肺癌である。試験結果は、IC50(阻害濃度50%)として報告することができ、この濃度では、PGE2形成又はCOX−1若しくはCOX−2活性はその最大値の1/2である。COXアッセイはケイマン・ケミカル(Cayman Chemical)(ミシガン州アナーバー(Ann Arbor))から入手可能である。
Figure 2010519898
(実施例I)
クルクミン(シグマ・アルドリッチ(Sigma-Aldrich)、ミズーリ州セントルイス(St. Louis)から入手可能である)及びRo1069920(カルバイオケム(CalBiochem)、EMDバイオサイエンシズ(EMD Biosciences)、ドイツ、ダルムシュタット(Darmstadt)から入手可能である)などの試験化合物は、NF−kB活性化ヒットキット(NF-kB Activation HitKit)(登録商標)HCS試薬キット(Reagent Kit)(セロミックス(Cellomics)、ペンシルバニア州ピッツバーグ(Pittsburgh)から入手可能である)を使用して、Nf−kBの移行の低減を測定することによって、NF−kB活性の阻害について分析することができる。試験化合物は、ライノウイルスに感染されたか、IL1βを使用して活性化された細胞にNF−kBを個別に接触させることを介して、Nf−kB移行の抑制について分析することができる。ライノウイルスによる感染に好適な2つの細胞株は、A549(ヒト上皮性肺癌、ATCC表記CCL−185)及びBEAS−2B(ヒト気管支上皮細胞株、ATCC CRL−9609)である。この実施例では、両方の細胞型がIL1b(A549細胞については0.05ng/mL、BEAS−2B細胞については0.5ng/mL)で30分間にわたって予め処理されて、試験阻害物質の添加前に、NF−kB移行を刺激された。試験阻害剤の添加後、細胞を更に30分間にわたってインキュベートした。細胞は固定され、セロミックスNFKB活性化ヒットキット(Cellomics NFKB Activation HitKit)(登録商標)HCS試薬キット(Reagent Kit)を使用して分析された。試験結果は、IC50(阻害濃度50%)として報告してもよく、この濃度では、NF−kBの移行はその最大値の1/2である。
Figure 2010519898
(実施例J)
エピガロカテキン及びエピガロカテキン(epigallocatecfhine)没食子酸塩などの緑茶の抽出物からの成分(チャノキ(camellia sinensis))は、ICAM−1(表Iの遺伝子によりコードされている)ヒトライノウイルス受容体に近接して置くことができる。ICAM−1の発現においてこの成分の結合の程度は、標準的な競合的結合アッセイにより測定することができる。ICAM−1を実質的に結合するこれらの成分は、ウイルス性結合及び取り込みにおける作用を介する阻害によりライノウイルス感染を制御することに関与する化合物として同定することができる。
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく限定されるものとして理解されるべきでない。それよりむしろ、特に指定されない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示した寸法は、「約40mm」を意味することを意図したものである。
本明細書で引用した全ての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれているが、いかなる文献の引用も、それが本発明に関する先行技術であることの容認として解釈すべきでない。
本発明の特定の実施形態が説明及び記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行い得ることが当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
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Claims (36)

  1. ライノウイルス感染を制御するための化合物の同定方法であって、
    a.少なくとも1つの化合物を、表Iに同定されている遺伝子、表Iの遺伝子によりコードされているタンパク質、表Iの遺伝子の発現制御因子、表Iの遺伝子によりコードされているタンパク質の受容体、表Iの遺伝子によりコードされているタンパク質の産物、表Iの遺伝子のタンパク質の産物の受容体、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される標的と接触させる工程と、
    b.前記化合物が、前記標的と結合するかどうかを判定する工程と、
    c.前記標的と結合する化合物を、ライノウイルス感染を制御するための化合物として同定する工程と、
    を含む、方法。
  2. 少なくとも2つの化合物を含む、請求項1に記載の方法。
  3. ライノウイルス感染を制御するための化合物の同定方法であって、
    a.少なくとも1つの化合物を、表Iに同定されている遺伝子、表Iの遺伝子によりコードされているタンパク質、表Iの遺伝子の発現制御因子、表Iの遺伝子によりコードされているタンパク質の受容体、表Iの遺伝子によりコードされているタンパク質の産物、表Iの遺伝子のタンパク質の産物の受容体、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される標的を含有するライノウイルス感染モデルシステムと接触させる工程と、
    b.前記化合物が、ライノウイルス感染モデルシステム内で、ライノウイルス感染を制御するかどうかを更に判定する工程と、
    c.ライノウイルス感染モデルシステム内で、ライノウイルス感染を制御する化合物を、ライノウイルス感染を制御するための化合物として同定する工程と、
    を含む、方法。
  4. 少なくとも2つの化合物を含む、請求項3に記載の方法。
  5. 請求項1の工程(c)で同定される前記化合物を哺乳動物に投与する工程と、前記化合物が、前記哺乳動物においてライノウイルス感染を制御するかどうかを判定する工程と、を更に含み、前記哺乳動物においてライノウイルス感染を制御する化合物が、インビボでライノウイルス感染を制御するための化合物として同定される、請求項1に記載の方法。
  6. 請求項1の工程(c)で同定される前記化合物を哺乳動物に投与する工程と、前記化合物が、前記哺乳動物においてライノウイルス感染に反応して制御するかどうかを判定する工程と、を更に含み、前記哺乳動物においてライノウイルス感染に反応して制御する化合物が、インビボでライノウイルス感染を制御するための化合物として同定される、請求項1に記載の方法。
  7. 請求項3の工程(c)で同定される前記化合物を哺乳動物に投与する工程と、前記化合物が、前記哺乳動物においてライノウイルス感染を制御するかどうかを判定する工程と、を更に含み、前記哺乳動物においてライノウイルス感染を制御する化合物が、インビボでライノウイルス感染を制御するための化合物として同定される、請求項3に記載の方法。
  8. ライノウイルス感染を制御するための化合物の同定方法であって、
    a.少なくとも1つの化合物を、表Iに同定されている遺伝子、表Iの遺伝子によりコードされているタンパク質、表Iの遺伝子の発現制御因子、表Iの遺伝子によりコードされているタンパク質の受容体、表Iの遺伝子によりコードされているタンパク質の産物、表Iの遺伝子のタンパク質の産物の受容体、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される標的を含有するライノウイルス感染モデルシステムと接触させる工程と、
    b.前記化合物が、ライノウイルス感染モデルシステム内で、ライノウイルス感染に反応して制御するかどうかを更に判定する工程と、
    c.ライノウイルス感染モデルシステム内でライノウイルス感染に反応して制御する化合物を、ライノウイルス感染を制御するための化合物として同定する工程と、
    を含む、方法。
  9. 少なくとも2つの化合物を含む、請求項8に記載の方法。
  10. 請求項8の工程(c)で同定される前記化合物を哺乳動物に投与する工程と、前記化合物が、前記哺乳動物においてライノウイルス感染に反応して制御するかどうかを判定する工程と、を更に含み、前記哺乳動物においてライノウイルス感染に反応して制御する化合物が、インビボでライノウイルス感染を制御するための化合物として同定される、請求項8に記載の方法。
  11. ライノウイルス感染を制御するための化合物の同定方法であって、
    a.少なくとも1つの化合物を、表Iの遺伝子によりコードされ、かつ表IIに同定されているタンパク質を発現する細胞集団と接触させる工程と、
    b.前記化合物と接触していない前記細胞集団内の前記タンパク質の活性のレベルに対して、前記化合物と接触している前記細胞集団内の前記タンパク質の活性のレベルを判定及び比較する工程と、
    c.前記化合物と接触していない前記細胞集団内の前記活性と比較して、前記化合物と接触している前記細胞集団内の前記タンパク質の前記活性を調節する化合物を、ライノウイルス感染を制御するための化合物として同定する工程と、
    を含む、方法。
  12. d.請求項11の工程(c)で同定される前記化合物が、ライノウイルス感染モデルシステム内で、ライノウイルス感染を制御するかどうかを更に判定する工程と、
    e.ライノウイルス感染モデルシステム内で、ライノウイルス感染を制御する化合物を、ライノウイルス感染を制御するための化合物として同定する工程と、
    を更に含む、請求項11に記載の方法。
  13. 請求項11の工程(c)で同定される前記化合物を哺乳動物に投与する工程と、前記化合物が、前記哺乳動物においてライノウイルス感染を制御するかどうかを判定する工程と、を更に含み、前記哺乳動物においてライノウイルス感染を制御する化合物が、ライノウイルス感染を制御するための化合物として同定される、請求項11に記載の方法。
  14. 請求項12の工程(e)で同定される前記化合物を哺乳動物に投与する工程と、前記化合物が、前記哺乳動物においてライノウイルス感染を制御するかどうかを判定する工程と、を更に含み、前記哺乳動物においてライノウイルス感染を制御する化合物が、ライノウイルス感染を制御するための化合物として同定される、請求項12に記載の方法。
  15. ライノウイルス感染を制御するための化合物の同定方法であって、
    a.少なくとも1つの化合物を、表Iの遺伝子によりコードされ、かつ表IIに同定されているタンパク質を発現する細胞集団と接触させる工程と、
    b.前記化合物と接触していない前記細胞集団内の前記タンパク質の発現のレベルに対して、前記化合物と接触している前記細胞集団内の前記タンパク質の発現のレベルを判定及び比較する工程と、
    c.前記化合物と接触していない前記細胞集団内の前記タンパク質の前記発現と比較して、前記化合物と接触している前記細胞集団内の前記タンパク質の前記発現を調節する化合物を、ライノウイルス感染を制御するための化合物として同定する工程と、
    を含む、方法。
  16. d.請求項15の工程(c)で同定される前記化合物が、ライノウイルス感染モデルシステム内で、ライノウイルス感染を制御するかどうかを判定する工程と、
    e.ライノウイルス感染モデルシステム内で、ライノウイルス感染を制御する化合物を、ライノウイルス感染を制御するための化合物として同定する工程と、
    を更に含む、請求項15に記載の方法。
  17. 請求項15の工程(c)で同定される前記化合物を哺乳動物に投与する工程と、前記化合物が、前記哺乳動物においてライノウイルス感染を制御するかどうかを判定する工程と、を更に含み、前記哺乳動物においてライノウイルス感染を制御する化合物が、ライノウイルス感染を制御するための化合物として同定される、請求項15に記載の方法。
  18. 請求項16の工程(e)で同定される前記化合物を哺乳動物に投与する工程と、前記化合物が、前記哺乳動物においてライノウイルス感染を制御するかどうかを判定する工程と、を更に含み、前記哺乳動物においてライノウイルス感染を制御する化合物が、ライノウイルス感染を制御するための化合物として同定される、請求項16に記載の方法。
  19. ライノウイルス感染を制御するための化合物の同定方法であって、
    a.少なくとも1つの化合物を、表Iに同定されている遺伝子を発現する細胞集団と接触させる工程と、
    b.前記化合物と接触していない前記細胞集団内の前記遺伝子の発現のレベルに対して、前記化合物と接触している前記細胞集団内の前記遺伝子の発現のレベルを判定及び比較する工程と、
    c.前記化合物と接触していない前記細胞集団内の前記遺伝子の前記発現と比較して、前記化合物と接触している前記細胞集団内の前記遺伝子の前記発現を調節する化合物を、ライノウイルス感染を制御するための化合物として同定する工程と、を含む、方法。
  20. d.請求項19の工程(c)で同定される前記化合物が、ライノウイルス感染モデルシステム内で、ライノウイルス感染を制御するかどうかを更に判定する工程と、
    e.ライノウイルス感染モデルシステム内で、ライノウイルス感染を制御する化合物を、ライノウイルス感染を制御するための化合物として同定する工程と、
    を更に含む、請求項19に記載の方法。
  21. 請求項19の工程(c)で同定される前記化合物を哺乳動物に投与する工程と、前記化合物が、前記哺乳動物においてライノウイルス感染を制御するかどうかを判定する工程と、を更に含み、前記哺乳動物においてライノウイルス感染を制御する化合物が、ライノウイルス感染を制御するための化合物として同定される、請求項19に記載の方法。
  22. 請求項20の工程(e)で同定される前記化合物を哺乳動物に投与する工程と、前記化合物が、前記哺乳動物においてライノウイルス感染を制御するかどうかを判定する工程と、を更に含み、前記哺乳動物においてライノウイルス感染を制御する化合物が、ライノウイルス感染を制御するための化合物として同定される、請求項20に記載の方法。
  23. ライノウイルス感染の診断方法であって、
    a.生体サンプルにおいて表I及び表IIに同定されているライノウイルス感染に関与する群から選択される1つ以上の標的についての発現プロファイルを、生体サンプルにおいて判定する工程、又は生体サンプルにおいて表IIに同定されているライノウイルス感染を制御することに関与する1つ以上のタンパク質の発現又は活性のレベルを測定する工程と、
    b.対照サンプル若しくはデータベースからの1つ以上の標的の発現のレベルに対して、生体サンプルにおいて同定されている1つ以上の標的の発現のレベルを比較する工程、又は対照サンプル若しくはデータベースからの前記タンパク質の発現若しくは活性プロファイルのレベルに対して、前記サンプルからの前記タンパク質の発現若しくは活性プロファイルのレベルを比較する工程と、
    を含み、対照レベルからの有意な偏差がライノウイルス感染における症状進展を示す、方法。
  24. ライノウイルス感染の進行の監視方法であって、
    a.生体サンプルにおいて表Iで同定されているライノウイルス感染を制御することに関与する1つ以上の遺伝子についての遺伝子発現プロファイルを判定する工程、又は好適なライノウイルス感染モデルシステムから、生体サンプルにおいて表Iに同定されているライノウイルス感染を制御することに関与する1つ以上のタンパク質のタンパク質発現プロファイル又はタンパク質活性プロファイルを調製する工程と、
    b.治療レジメン後の好適な時間後に、工程(a)におけるものと同様の発現又は活性プロファイルを調製する工程と、
    c.前記治療過程の間、工程(b)を繰り返す工程と、ライノウイルス感染の進行を監視するためにデータを評価する工程と、
    を含む、方法。
  25. ライノウイルス感染の症状進展を有する患者において疾病の治療又は進行の監視方法であって、
    a.生体サンプルにおいて表Iに同定されているライノウイルス感染を制御することに関与する1つ以上の遺伝子についての遺伝子発現プロファイルを判定する工程、又は被験者からの生体サンプルにおいて表Iに同定されているライノウイルス感染を制御することに関与する1つ以上のタンパク質のタンパク質発現プロファイル又はタンパク質活性プロファイルを調製する工程と、
    b.前記被験者に治療レジメンを施す工程と、
    c.前記治療レジメンの後の好適な時間後に、前記被験者からの生体サンプルから工程(a)におけるものと同様の発現又は活性プロファイルを調製する工程と、
    d.前記治療前の前記プロファイルを前記治療後のプロファイルと比較する工程と、
    e.前記治療過程又は疾病過程の間、前記工程(b)、(c)、及び(d)を繰り返す工程と、前記治療の有効性又は前記疾病の進行を監視するためにデータを評価する工程と、
    を含む、方法。
  26. a.請求項1の前記方法により同定される、安全かつ有効な量の少なくとも1つの化合物と、
    b.製薬上許容できるキャリアと、
    を含む、医薬品組成物。
  27. 請求項1の前記方法により同定される、安全かつ有効な量の少なくとも1つの化合物を含む、医薬品組成物。
  28. 請求項3の前記方法により同定される、安全かつ有効な量の少なくとも1つの化合物を含む、医薬品組成物。
  29. 請求項8の前記方法により同定される、安全かつ有効な量の少なくとも1つの化合物を含む、医薬品組成物。
  30. 請求項11の前記方法により同定される、安全かつ有効な量の少なくとも1つの化合物を含む、医薬品組成物。
  31. 請求項15の前記方法により同定される、安全かつ有効な量の少なくとも1つの化合物を含む、医薬品組成物。
  32. 請求項19の前記方法により同定される、安全かつ有効な量の少なくとも1つの化合物を含む、医薬品組成物。
  33. ライノウイルス感染の制御が望ましい被験者におけるライノウイルス感染の制御方法であって、
    a.ライノウイルス感染の制御が望ましい被験者を同定する工程と、
    b.請求項1の前記方法により同定される、安全かつ有効な量の少なくとも1つの化合物を前記被験者に投与する工程と、
    を含む、方法。
  34. ライノウイルスの前記望ましい制御が前記被験者におけるライノウイルス感染の低減である、請求項33に記載の方法。
  35. ライノウイルス感染の制御が望ましい被験者におけるライノウイルス感染の制御方法であって、
    a.ライノウイルス感染の制御が望ましい被験者を同定する工程と、
    b.請求項3の前記方法により同定される、安全かつ有効な量の少なくとも1つの化合物を前記被験者に投与する工程と、
    を含む、方法。
  36. ライノウイルス感染の前記望ましい制御が前記被験者におけるライノウイルス感染の低減である、請求項35に記載の方法。
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