JP2010518946A - 顎の骨壊死および顎の放射線骨壊死の予防および処置 - Google Patents

顎の骨壊死および顎の放射線骨壊死の予防および処置 Download PDF

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Abstract

本発明は、ONJおよびORNJの進行を治療、予防または減速するのに有用な組成物および方法を提供する。本発明は、ONJおよびORNJの進行を治療、予防または減速するのに有用な医薬の調製における、薬学的に許容される緩衝液中のPDGFの使用を提供する。本発明は、ONJおよびORNJの進行を治療、予防または減速するのに有用な医薬の調製における、生体適合性マトリックス中に配置される、薬学的に許容される緩衝液中のPDGFの使用を提供する。一実施形態では、ONJまたはORNJの進行を治療、予防または減速する方法は、生体適合性マトリックス中に配置されたPDGF溶液を含む組成物を提供するステップと、組成物を顎中の所望の部位に適用するステップとを含む。

Description

本発明は、顎の骨壊死および顎の放射線骨壊死の進行を治療、予防または遅延するのに有用な、組成物、方法およびキットに関する。
顎の骨壊死(ONJ)は、特定の患者における歯科外科処置の病的続発症であり得る。確定的なONJ病因論は決定されていないが、ONJを発症し得る最も感受性の高い患者は、ビスホスホネートを投与されている、また、転移性骨癌(例えば、前立腺、乳房、肺、腎臓由来)、多発性骨髄腫、骨形成不全症およびパジェット病の併存疾患を有しているという懸念が高まっている。
ONJの病因論は、血管新生の減少と関連している可能性がある。血管新生は、粘膜治癒、歯周再生および骨形成に先行する重要な過程である。ビスホスホネート投与中の患者では、血小板由来増殖因子(PDGF)および血管内皮増殖因子(VEGF)が減少していると報告されている。PDGFは、新規血管形成を誘導し、VEGFは、血管新生の際の内皮細胞の内皮細胞成熟を促進する。結果として、傷薬因子PDGFおよびVEGFのタンデム効果は、創傷治癒部位での新規血管形成ならびに血管の成熟および機能的安定性にとって不可欠なものである。
放射線療法を受けた癌患者における顎の放射線骨壊死(ORNJ)において見られるように、血管が発達しないと、組織創傷治癒は起こらず、粘膜組織は急激に変性する。血管がないことまたは減少すること、軟部組織創傷治癒が悪いこと、ならびに粘膜の破壊および裂開は、ONJおよびORNJに共通の臨床徴候である。
さらに、回復中の骨損傷での血管欠損は、前破骨細胞系細胞、具体的には、前破骨細胞になり得る血液由来単球の減少というさらなる悪影響を及ぼす。前破骨細胞前駆体集団の減少の重要性は、回復中の骨および骨ホメオスタシス両方のリモデリングと高度に関連している。下顎骨および上顎骨における高代謝回転(すなわち、リモデリング)には、骨形成細胞、骨芽細胞および骨吸収細胞、破骨細胞間のバランスが必要であると示唆されている。ビスホスホネートは、破骨細胞性骨吸収を混乱させ、破骨細胞機能を低下させ、破骨細胞アポトーシス(すなわち、細胞死)を増大させる。さらに、ビスホスホネートの結果としての下顎骨および上顎骨における脈管構造の減少は、血管を通る単球移行とそれらのその後の破骨細胞との結合進行を大幅に制限することによって破骨細胞再生を制限する。骨細胞不均衡(すなわち、破骨細胞:骨芽細胞比)の結果として、リモデリングがアンカップリングになり、骨ホメオスタシス(すなわち、骨代謝:損傷を受けた骨の置換および再生)が喪失する。したがって、下顎骨および上顎骨における微小破壊が、適切に修復されず、この領域をONJにさせる。さらに、下顎骨および上顎骨は、咀嚼および嚥下からの連続生体力学的刺激のために高骨代謝回転領域であり、ビスホスホネート誘導性ホメオスタシスの不均衡は口腔領域をONJにさせる。
ビスホスホネートは、破骨細胞形成および活性、ならびに、生存力を阻害することがわかっている。ビスホスホネートは、石灰化した組織、例えば、骨に組み込まれ、骨中で最大12年の半減期を有し得る。したがって、再吸収の際に骨断片をインターナライズする骨吸収性破骨細胞は、大きく影響を受ける。骨代謝回転、骨芽細胞−破骨細胞カップリングを含むリモデリングのホメオスタシス過程は、10年毎の骨の完全骨格リモデリングをもたらすと記載することは注目に値する。結果として、破骨細胞に対するビスホスホネート効果は、ホメオスタシス骨代謝回転に対して大きな効果を有し、その効果の大きさは、ビスホスホネートの化学によって決まる。
ビスホスホネートは、アミン基または非アミン基のいずれかを含有するものとして分類され得る。アミノビスホスホネートは、現代の薬物のクラスであり、細胞傷害性であるアデノシン三リン酸類似体を導入し、それによって、アポトーシスを促進し、ならびに、ファルネシル二リン酸合成を阻害することによって破骨細胞に影響を及ぼす。この結果、破骨細胞の細胞内輸送を混乱させ、細胞骨格組織崩壊を引き起こす。さらに、アミノビスホスホネートが、骨芽細胞由来の破骨細胞阻害因子のアップレギュレーションを促進するという仮説が立てられている。
ビスホスホネートの全体的な治療的有用性は、大きなものであり、骨粗鬆症患者にとって、特に、多発性骨髄腫、骨形成不全症、パジェット病および癌転移を有する患者にとって不可欠なものである。しかし、骨粗鬆症のための長期のビスホスホネート治療の不利点のために、ビスホスホネート投与計画の戦略上重要な再評価が促されている。例えば、ビスホスホネートによって引き起こされる破骨細胞および骨芽細胞間のアンカップリング作用の結果として、リモデリングは負に影響を受ける。結果として、ミネラルが高密度であるように見え得る新規骨の沈着にもかかわらず、新規骨は実際には、生体力学的に能力がなく、したがって、骨折しやすい。沈着した骨は、実際には、大理石骨病の様である。したがって、医学界の多くによって「ビスホスホネート」からの「回避」を可能にする戦略が、広められている。
ORNJは、放射線によって引き起こされる。顎腫瘍は、腫瘍を根絶するために放射線で治療されることがある。しかし、放射線治療の悪影響が、限局化された組織低酸素、低細胞性および低血管分布をもたらす場合がある。これらの続発症は、固体状態の腫瘍とって、細胞過多および血管過多と関与する腫瘍学的活性を根絶するのに有効である。
ORNJは、局所血管分布を増大させることによって逆転させることができる。高圧酸素(HBO)治療は、ORNJにとって有効な治療である。HBOは、新規血管の形成を増大させると思われる。しかし、HBOは、ONJにとっては有効ではなかった。ONJに対して、HBOを用いても利益がない理由は、ONJが、ORNJとは異なる病因論を有するということである。ORNJとONJの病因論間の明確に表す、際立った相違は、後者の病理学は、低血管性であることに加え、リモデリング不均衡をもたらす、破骨細胞−骨芽細胞アンカップリングでもあるということである。この不均衡が、分解に対する回復中の骨の局所感受性を高め、それによって、壊死性となると思われる。したがって、血管分布の問題(すなわち、低血管分布)のために病因論に重複する類似点があるものの、ONJは、骨芽細胞と破骨細胞間のリモデリング不均衡というさらなる病因論的関与を有し、これはORNJとは一致しないと思われる。
現在、ONJを防ぐために利用可能な製剤はない。ONJのための既存の治療は、一時的に抑えるものであり、生存出血骨への極めて限定された拡張を伴う壊死骨のデブリードマン、鎮痛、クロルヘキシジンすすぎおよび抗生物質を含み得る種々のプロトコールからなる。
前記の問題を考慮して、ONJを治療するための組成物および方法を提供することが望まれるであろう。また、ONJを発症する危険のある患者のONJを予防またはその進行を遅延するための組成物および方法を提供することも望まれるであろう。また、ORNJを予防および治療またはその進行を遅延するための組成物および方法も必要とされる。
本発明は、ONJを発症する危険のある患者のONJを治療するために、ONJを予防するためにまたはその進行を遅延するために有用な、またORNJを治療および/または予防またはその進行を遅延するための組成物および方法を提供することによってこれらの必要性に対処する。
本発明は、患者のONJまたはORNJを治療、予防またはその進行を減速するための医薬の調製における薬学的に許容されるビヒクルにおけるPDGFの使用を提供する。本発明は、患者のONJまたはORNJを治療、予防またはその進行を減速するための医薬の調製における生体適合性マトリックス中に配置された薬学的に許容されるビヒクル中のPDGFの溶液を含む組成物の使用を提供する。
一実施形態では、これらの組成物は、生体適合性マトリックス中にPDGFを含む。別の実施形態では、本組成物は、薬学的に許容される緩衝液中のPDGFの溶液を含む。転移性骨癌、多発性骨髄腫およびパジェット病の併存疾患を有しているか、または有していないビスホスホネートを投与(経口的にまたは静脈内に)されている個体は、ONJにかかりやすく、ONJを防ぐための予防的処置から大きく恩恵を受ける。予防的処置は、ONJの危険のある患者集団に適当である。
例えば、癌治療の際に放射線治療を受けている個体は、ORNJにかかりやすく、ORNJのための治療から大きく恩恵を受ける。予防的処置は、ORNJの危険のある患者集団に適当である。
防止(prevention)は予防(prophylaxis)を重視し、これは、歯科処置と同時のPDGF含有組成物の同時投与を意味する。例えば、抜歯などの歯科外科的処置の危険にある、また、これを受けた患者は、一実施形態では、例えば、歯科抜歯医薬または包帯と同時投与されたPDGF含有組成物を受ける。PDGF含有組成物の使用についてのさらに別の例として、PDGF含有組成物が嚢胞腔中に入れられる口腔歯科嚢胞切除術がある。さらに別の例として、歯肉組織が切開され、歯槽および/または歯根間オッセオ−デンタル(osseo−dental)術が実施され、PDGF含有組成物が歯周治療包帯と同時投与される歯周処置が挙げられる。
いくつかの実施形態では、投与されるPDGF含有組成物の量は、例えば、抜歯窩、嚢胞切除術から、または歯周骨手術の間に、外科的に除去された骨容積によって決まる。
骨治癒処置のために投与されるPDGF含有治療用組成物の投与は、不可欠なものである。以下の記載に拘束されようとは思わないが、PDGFは、化学誘引物質として、間葉系細胞、例えば、それだけには限らないが、骨芽細胞、破骨細胞、間葉系幹細胞、線維芽細胞および血管平滑筋細胞を、細胞が不足している可能性がある回復中の骨損傷に補充すると考えられている。さらに、PDGFの有糸分裂促進性が、有糸分裂誘発(すなわち、細胞複製)を誘導することによって、骨治癒部位に補充される細胞の量を増幅または増大させる。この結果が、この豊富な細胞プールが、そうでなければ長期のビスホスホネート治療を受けた可能性がある患者にとって治癒性芽体になり得るということであり、長期のビスホスホネート治療は細胞集団および骨治癒に必要なその集団の活性を大幅に減少させる。以下の記載に拘束されようとは思わないが、PDGFの血管新生特性は、ORNJの低血管分布部位へ血管分布を回復させるのに役立ち得るということも考えられている。
本発明のいくつかの実施形態では、ONJの進行を治療または遅延するための組成物および方法が提供される。本発明のいくつかの実施形態では、ONJを予防するための組成物および方法が提供される。
本発明のいくつかの実施形態では、ORNJの進行を治療または遅延するための組成物および方法が提供される。本発明のいくつかの実施形態では、ORNJを予防するための組成物および方法が提供される。
一態様では、本発明は、PDGFを含む溶液と、生体適合性マトリックスとを含んでなり、溶液が、生体適合性マトリックス中に配置される、ONJの進行を治療、予防または遅延するための組成物を提供する。この組成物は、骨壊死の部位または骨壊死に弱い部位などの所望の部位に適用される。
別の態様では、本発明は、PDGFを含む溶液と、生体適合性マトリックスとを含んでなり、溶液が、生体適合性マトリックス中に配置される、ORNJの進行を治療、予防または遅延するための組成物を提供する。この組成物は、骨壊死の部位または骨壊死に弱い部位などの所望の部位に適用される。
いくつかの実施形態では、PDGFは、約0.01mg/ml〜約10mg/ml、約0.05mg/ml〜約5mg/mlまたは約0.1mg/ml〜約1.0mg/mlの範囲の濃度で溶液中に存在する。溶液内でのPDGFの濃度は、上記の濃度範囲のいずれか内であり得る。
本発明のいくつかの実施形態では、PDGFは、PDGF−AA、PDGF−BB、PDGF−AB、PDGF−CC、PDGF−DDおよびそれらの混合物および誘導体をはじめとするPDGFホモ二量体およびヘテロ二量体を含む。一実施形態では、PDGFは、PDGF−BBを含む。別の実施形態では、PDGFは、組換えヒトPDGF−BB(rhPDGF−BB)などの組換えヒト(rh)PDGFを含む。いくつかの実施形態では、PDGFは、種々のホモ二量体および/またはヘテロ二量体の混合物を含む。本発明の実施形態は、PDGF−AA、PDGF−BB、PDGF−AB、PDGF−CCおよび/またはPDGF−DDの任意の組合せを考慮する。
本発明のいくつかの実施形態では、PDGFは、1種以上のPDGF断片を含む。一実施形態では、rhPDGF−Bは、以下の断片を含む:全B鎖のうちアミノ酸配列1〜31、1〜32、33〜108、33〜109および/または1〜108。PDGFのB鎖の完全アミノ酸配列(1〜109)は、米国特許第5,516,896号の図15に提供されている。本発明のrhPDGF組成物は、無傷のrhPDGF−B(1〜109)およびその断片の組合せを含んでなり得るということは理解されるべきである。米国特許第5,516,896号に開示されるものなどのPDGFのその他の断片を使用してもよい。一実施形態に従って、rhPDGF−BBは、無傷のrhPDGF−B(1〜109)の全アミノ酸配列の少なくとも60%を含む。
生体適合性マトリックスは、本発明のいくつかの実施形態によれば、足場材料を含む。いくつかの実施形態では、足場材料は、リン酸カルシウムを含む。リン酸カルシウムは、一実施形態では、β−リン酸三カルシウム(β−TCP)を含む。
別の態様では、本発明は、生体適合性マトリックス中に配置されたPDGF溶液を含んでなり、生体適合性マトリックスが、足場材料と生体適合性結合剤とを含む、ONJまたはORNJの進行を治療、予防または遅延するのに有用な組成物を提供する。いくつかの実施形態では、生体適合性結合剤は、組み合わされた物質間の接着を促進するよう働く材料を含む。生体適合性結合剤は、例えば、生体適合性マトリックスの形成において足場材料の粒子間の接着を促進し得る。一実施形態では、コラーゲンを含む生体適合性結合剤は、足場材料のβ−TCP粒子間の接着を促進し得る。さらに、足場材料と、生体適合性結合剤とを含む生体適合性マトリックス中に配置されたPDGF溶液は、本明細書に記載されるPDGFの濃度を有し得る。
生体適合性結合剤は、本発明のいくつかの実施形態によれば、タンパク質、多糖、グリコサミノグリカン、核酸、炭水化物、合成ポリマーまたはそれらの混合物を含む。一実施形態では、生体適合性結合剤は、コラーゲンを含む。別の実施形態では、生体適合性結合剤は、ヒアルロン酸を含む。さらなる実施形態では、生体適合性結合剤は、キトサンまたはエラスチンを含む。さらに、生体適合性結合剤を含めた生体適合性マトリックスは、本明細書に提供されるものと一致し得る。一態様では、生体適合性マトリックスは、生体適合性結合剤または移植骨、例えば、脱灰凍結乾燥移植骨(DFDBA)、石灰化凍結乾燥移植骨(FDBA)または粒子状脱灰骨マトリックス(DBM)または異種移植骨またはそれらの組合せを伴って、または伴わずに、リン酸カルシウム粒子を含み得る。
別の態様では、本発明は、薬学的に許容される緩衝液中にPDGF溶液を含む、ONJまたはORNJの進行を治療、予防または遅延するのに有用な組成物を提供する。
別の態様では、本発明は、第1の容器中の生体適合性マトリックスと、第2の容器中のPDGFを含む溶液とを含んでなり、ONJまたはORNJを治療または予防するのに有用であるキットを提供する。別の実施形態では、キットは、容器中に薬学的に許容される緩衝液中にPDGFを含む溶液を含んでなり、キットは、ONJまたはORNJを治療または予防するのに有用である。別の実施形態では、キットは、第1の容器中の薬学的に許容される緩衝液と、PDGFを含む第2の容器とを含んでなり、キットは、ONJまたはORNJを治療または予防するのに有用である。いくつかの実施形態では、溶液は、所定の濃度のPDGFを含む。PDGFの濃度は、ONJまたはORNJの進行を治療、予防または遅延することなどの実施されている外科的処置に従って予め決定され得る。さらに、いくつかの実施形態では、生体適合性マトリックスは、キット中に所定量で存在し得る。キットによって提供される生体適合性マトリックスの量は、実施されている外科的処置に応じて変わり得る。いくつかの実施形態では、PDGF溶液を含有する第2の容器は、シリンジを含む。シリンジは、生体適合性マトリックス中でのPDGF溶液の配置を促進し得る。キットは、その使用のための使用説明書を場合により含む。
本発明は、さらに、ONJまたはORNJを治療または予防するのに有用な組成物を製造する方法を提供する。一実施形態では、このような組成物を製造する方法は、PDGFを含む溶液を提供することと、生体適合性マトリックスを提供することと、この溶液を生体適合性マトリックス中に配置することとを含む。
別の態様では、本発明は、生体適合性マトリックス中に配置されたPDGF溶液を含む組成物を提供することと、上顎骨または下顎骨および/または関連軟部組織中の損傷または欠損の少なくとも1部位に組成物を適用することとを含む、ONJを治療する方法を提供する。
別の態様では、本発明は、生体適合性マトリックス中に配置されたPDGF溶液を含む組成物を提供することと、ONJに弱い顎中の少なくとも1部位に組成物を適用することとを含む、ONJを予防するか、またはONJの進行を遅延させる方法を提供する。
別の態様では、本発明は、生体適合性マトリックス中に配置されたPDGF溶液を含む組成物を提供することと、上顎骨または下顎骨および/または関連軟部組織中の損傷または欠損の少なくとも1部位に組成物を適用することとを含む、ORNJを治療する方法を提供する。
別の態様では、本発明は、生体適合性マトリックス中に配置されたPDGF溶液を含む組成物を提供することと、ORNJに弱い顎中の少なくとも1部位に組成物を適用することとを含む、ORNJを予防するか、またはORNJの進行を遅延させる方法を提供する。
したがって、本発明の目的は、ONJを治療するのに有用な、生体適合性マトリックス中に配置されたPDGFを含む組成物を提供することである。
本発明の別の目的は、ONJの進行を予防するか、または進行を遅延させるのに有用な、生体適合性マトリックス中に配置されたPDGFを含む組成物を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、ORNJを治療するのに有用な、生体適合性マトリックス中に配置されたPDGFを含む組成物を提供することである。
本発明の別の目的は、ORNJの進行を予防するか、または進行を遅延させるのに有用な、生体適合性マトリックス中に配置されたPDGFを含む組成物を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、生体適合性マトリックス中に配置されたPDGFを含む組成物を投与することを含む、ONJを治療するのに有用な方法を提供することである。
本発明の別の目的は、生体適合性マトリックス中に配置されたPDGFを含む組成物を投与することを含む、ONJの進行を予防または減速するのに有用な方法を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、生体適合性マトリックス中に配置されたPDGFを含む組成物を投与することを含む、ORNJを治療するのに有用な方法を提供することである。
本発明の別の目的は、生体適合性マトリックス中に配置されたPDGFを含む組成物を投与することを含む、ORNJの進行を予防または減速するのに有用な方法を提供することである。
別の態様では、本発明は、薬学的に許容される緩衝液中にPDGFの溶液を含む組成物を提供することと、上顎骨または下顎骨および/または関連軟部組織中の損傷または欠損の少なくとも1部位に組成物を適用することとを含む、組成物を適用することとを含む、ONJを治療する方法を提供する。
別の態様では、本発明は、薬学的に許容される緩衝液中にPDGFの溶液を含む組成物を提供することと、ONJに弱い顎中の少なくとも1部位に組成物を適用することとを含む、ONJを予防するか、またはONJの進行を遅延させる方法を提供する。
別の態様では、本発明は、組成物、薬学的に許容される緩衝液中のPDGFの溶液を提供することと、上顎骨または下顎骨および/または関連軟部組織中の損傷または欠損の少なくとも1部位に組成物を適用することとを含む、ORNJを治療する方法を提供する。
別の態様では、本発明は、薬学的に許容される緩衝液中にPDGFの溶液を含む組成物を提供することと、ORNJに弱い顎中の少なくとも1部位に組成物を適用することとを含む、ORNJを予防するか、またはORNJの進行を遅延させる方法を提供する。
したがって、本発明の目的は、ONJを治療するのに有用な、薬学的に許容される緩衝液中にPDGFの溶液を含む組成物を提供することである。
本発明の別の目的は、ONJの進行を予防またはONJの進行を遅延させるのに有用な、薬学的に許容される緩衝液中にPDGFの溶液を含む組成物を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、ORNJを治療するのに有用な、薬学的に許容される緩衝液中にPDGFの溶液を含む組成物を提供することである。
本発明の別の目的は、ORNJの進行を予防またはORNJの進行を遅延させるのに有用な、薬学的に許容される緩衝液中にPDGFの溶液を含む組成物を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、薬学的に許容される緩衝液中にPDGFの溶液を含む組成物を投与することを含む、ONJを治療するのに有用な方法を提供することである。
本発明の別の目的は、薬学的に許容される緩衝液中にPDGFの溶液を含む組成物を投与することを含む、ONJの進行を予防または減速するのに有用な方法を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、薬学的に許容される緩衝液中にPDGFの溶液を含む組成物を投与することを含む、ORNJを治療するのに有用な方法を提供することである。
本発明の別の目的は、組成物、薬学的に許容される緩衝液中にPDGFの溶液を投与することを含む、ORNJの進行を予防または減速するのに有用な方法を提供することである。
本発明のこれらおよびその他の実施形態は、以下の詳細な説明において、より詳細に説明される。本発明のこれらおよびその他の目的、特徴および利点は、開示される実施形態および特許請求の範囲の以下の詳細な説明を検討した後に明らかになる。
本発明は、ONJおよびORNJの進行を治療、予防および遅延するための組成物および方法に関する。用語、顎は、ONJまたはORNJに言及する場合は、下顎骨、上顎骨、口腔および/または関連軟部組織のその他の骨を含むと理解されるべきである。本発明は、患者のONJまたはORNJの進行を治療、予防または減速する医薬の調製における、薬学的に許容されるビヒクル中のPDGFの使用を提供する。本発明はまた、患者のONJまたはORNJの進行を治療、予防または減速する医薬の調製における、生体適合性マトリックス中に配置された薬学的に許容されるビヒクル中のPDGFの溶液を含む組成物の使用を提供する。
一実施形態では、例えば、ONJまたはORNJの進行を治療、予防または遅延するための組成物は、PDGFを含む溶液と、生体適合性マトリックスとを含んでなり、溶液は生体適合性マトリックス中に配置されている。別の実施形態では、本組成物は、薬学的に許容される緩衝液中のPDGFの溶液を含む。別の実施形態では、本組成物は、生体適合性マトリックス中に配置されたPDGF溶液を含んでなり、生体適合性マトリックスは、足場材料と、生体適合性結合剤とを含む。一態様では、生体適合性マトリックスは、生体適合性結合剤または異種移植骨または移植骨、例えば、脱灰凍結乾燥移植骨(DFDBA)、石灰化凍結乾燥移植骨(FDBA)または粒子状脱灰骨マトリックス(DBM)またはそれらの組合せを伴って、または伴わずに、リン酸カルシウム粒子を含み得る。別の実施形態では、生体適合性結合剤は、コラーゲンである。
本発明はまた、ONJおよびORNJを予防および治療するのに有用なキットを提供する。別の態様では、本発明は、生体適合性マトリックスを含む第1の容器と、第2の容器中のPDGFを含む溶液とを含むキットを提供する。第2の容器は、シリンジなどの分配手段として作用し得る。いくつかの実施形態では、溶液は、所定の濃度のPDGFを含む。別の実施形態では、キットは、容器中に薬学的に許容される緩衝液中にPDGFを含む溶液を含んでなり、キットは、ONJまたはORNJを治療または予防するのに有用である。別の実施形態では、キットは、第1の容器中の薬学的に許容される緩衝液と、PDGFを含む第2の容器とを含んでなり、キットは、ONJまたはORNJを治療または予防するのに有用である。いくつかの実施形態では、PDGFの濃度は、本明細書に提供される値と一致する。PDGFの濃度は、治療されている状態に従って予め決定され得る。キットは、骨足場材料をさらに含む場合もあり、骨足場材料は、生体適合性結合剤をさらに含む場合もある。さらに、キットによって提供される生体適合性マトリックスの量は、治療されている骨欠損の性質または分類に応じて変わり得る。さらに、いくつかの実施形態では、生体適合性マトリックスは、キット中に所定量で存在し得る。キットによって提供される生体適合性マトリックスの量は、実施されている外科的処置に応じて変わり得る。キット中に含まれ得る生体適合性マトリックスは、骨足場材料、骨足場材料および生体適合性結合剤ならびに/またはDFDBA、FDBAもしくはDBMなどの移植骨ならびに/または異種移植骨あるいはそれらの組合せであり得る。いくつかの実施形態では、生体適合性マトリックスは、β−リン酸三カルシウム(β−TCP)を含む。いくつかの実施形態では、生体適合性マトリックスは、β−リン酸三カルシウムをコラーゲンなどの結合剤とともに含む。シリンジは、所望の部位、例えば、顎中の部位での適用のための生体適合性マトリックス中のPDGF溶液の配置を容易にし得る。キットはまた、使用のための使用説明書を含み得る。
次いで、本発明の種々の実施形態に含まれ得る成分については、本発明の組成物は、PDGFを含む溶液を含む。
PDGF溶液
一態様では、本発明によって提供される組成物は、PDGFを含む溶液と、生体適合性マトリックスとを含んでなり、溶液は生体適合性マトリックス中に配置されている。別の態様では、本発明によって提供される組成物は、薬学的に許容される緩衝液中のPDGFの溶液を含む。いくつかの実施形態では、PDGFは、約0.01mg/ml〜約10mg/ml、約0.05mg/ml〜約5mg/mlまたは約0.1mg/ml〜約1.0mg/mlの範囲の濃度で溶液中に存在する。PDGFは、これらの記載された範囲内の任意の濃度で溶液中に存在し得る。その他の実施形態では、PDGFは、以下の濃度のうちのいずれか1種で溶液中に存在する:約0.05mg/ml;約0.1mg/ml;約0.15mg/ml;約0.2mg/ml;約0.25mg/ml;約0.3mg/ml;約0.35mg/ml;約0.4mg/ml;約0.45mg/ml;約0.5mg/ml、約0.55mg/ml、約0.6mg/ml、約0.65mg/ml、約0.7mg/ml;約0.75mg/ml;約0.8mg/ml;約0.85mg/ml;約0.9mg/ml;約0.95mg/ml;約1.0mg/ml;または約3.0mg/ml。いくつかの実施形態では、PDGFは、約0.2mg/ml〜約2mg/ml、約0.3mg/ml〜約3mg/ml、約0.4mg/ml〜約4mg/mlまたは約0.5mg/ml〜約5mg/mlの範囲の濃度で溶液中に存在する。これらの濃度は単に、特定の実施形態の例であり、PDGFの濃度は、上記の濃度範囲のいずれか内であり得るということは理解されるべきである。
種々の量のPDGFを本発明の組成物中に使用してよい。任意の臨床上有効な量を使用してよい。使用してよいPDGFの量として、以下の範囲中の量が挙げられる:約1μg〜約50mg、約10μg〜約25mg、約100μg〜約10mgおよび約250μg〜約5mg。
本発明の実施形態における、PDGFまたはその他の増殖因子の濃度は、米国特許第6,221,625号、同5,747,273号および同5,290,708号に記載される酵素結合免疫測定法ならびにPDGF濃度を調べるための当技術分野で公知の任意のその他のアッセイを使用することによって調べることができる。本明細書に提供される場合、PDGFのモル濃度は、PDGF二量体の分子量(例えば、PDGF−BB;MW約25kDa)に基づいて求められている。
本発明の実施形態では、PDGFは、PDGFホモ二量体およびヘテロ二量体、例えば、PDGF−AA、PDGF−BB、PDGF−AB、PDGF−CC、PDGF−DDならびにそれらの混合物および誘導体を含む。一実施形態では、PDGFは、PDGF−BBを含む。別の実施形態では、PDGFは、組換えヒトPDGF、例えば、rhPDGF−BBを含む。いくつかの実施形態では、PDGFは、種々のホモ二量体および/またはヘテロ二量体の混合物を含む。本発明の実施形態は、PDGF−AA、PDGF−BB、PDGF−AB、PDGF−CCおよび/またはPDGF−DDの任意の組合せを考慮する。
PDGFは、いくつかの実施形態では、天然供給源から得ることができる。その他の実施形態では、PDGFは、組換えDNA技術によって製造することができる。その他の実施形態では、PDGFまたはその断片は、固相ペプチド合成などの技術分野の当業者に公知のペプチド合成技術を用いて製造することができる。PDGFは、天然供給源から得られる場合には、生体液に由来するものであり得る。いくつかの実施形態によれば、生体液は、生体と関連している任意の処理または未処理液、例えば、血液を含んでなり得る。
別の実施形態では、生体液はまた、血液成分、例えば、血小板濃縮物(PC)、アフェレーシス血小板、多血小板血漿(PRP)、血漿、血清、新鮮凍結血漿(FFP)およびバフィーコート(BC)を含む場合がある。生体液は、さらなる実施形態では、血漿から分離され、生理液に再懸濁された血小板を含む場合がある。
組換えDNA技術によって製造される場合には、単一のモノマー(例えば、PDGF B鎖またはA鎖)またはその断片をコードするDNA配列を、いくつかの実施形態では、発現し、続いて、ホモ二量体(例えば、PDGF−BBまたはPDGF−AA)を生成するために培養原核細胞または真核細胞に挿入することができる。その他の実施形態では、PDGFヘテロ二量体を、ヘテロ二量体の両単量体ユニットをコードするDNA配列を、培養された原核生物、真核細胞または昆虫細胞に挿入することと、翻訳された単量体ユニットが細胞によってプロセシングされてヘテロ二量体(例えば、PDGF−AB)が生じるのを可能にすることとによって作製することができる。市販のcGMP組換えPDGF−BBは、Novartis Corporation(Chiron)(Emeryville、CA)から商業的に入手できる。研究等級のrhPDGF−BBは、R&D Systems、Inc.(Minneapolis、MN)、BD Biosciences(San Jose、CA)およびChemicon International(Temecula、CA)をはじめ、複数の供給源から入手できる。いくつかの実施形態では、単量体ユニットは、原核細胞において変性した形で産生され得、この変性した形は、その後、活性分子にリフォールディングされる。
本発明の実施形態では、PDGFは、1種以上のPDGF断片を含む。一実施形態では、組換えヒト(rh)PDGF−Bは、以下の断片を含む:全B鎖のうちアミノ酸配列1〜31、1〜32、33〜108、33〜109および/または1〜108またはそれらの混合物。PDGFのB鎖の完全アミノ酸配列(1〜109)は、米国特許第5,516,896号の図15に提供されている。rhPDGF組成物は、本発明のいくつかの実施形態では、無傷のrhPDGF−B(1〜109)およびその断片の組合せを含んでなり得るということは理解されるべきである。米国特許第5,516,896号に開示されるものなどのPDGFのその他の断片を使用してもよい。一実施形態に従って、rhPDGF−BBは、無傷のrhPDGF−B(1〜109)の少なくとも60%を含む。別の実施形態では、rhPDGF−BBは、無傷のrhPDGF−B(1〜109)の少なくとも65%、75%、80%、85%、90%、95%または99%を含む。
本発明のいくつかの実施形態では、PDGFは精製されている場合もある。本明細書において、精製PDGFは、本発明の溶液中への組み込みに先立って約95重量%を越えるPDGFを有する組成物を含む。溶液は、任意の薬学的に許容される溶液であり得る。その他の実施形態では、PDGFは、実質的に精製されていてもよい。本明細書において、実質的に精製されたPDGFは、本発明の溶液中への組み込みに先立って約5%〜約95重量%のPDGFを有する組成物を含む。一実施形態では、実質的に精製されたPDGFは、本発明の溶液中への組み込みに先立って約65%〜約95重量%のPDGFを有する組成物を含む。その他の実施形態では、実質的に精製されたPDGFは、本発明の溶液中への組み込みに先立って約70%〜約95%、約75%〜約95%、約80%〜約95%、約85%〜約95%または約90%〜約95重量%のPDGFを有する組成物を含む。精製PDGFおよび実質的に精製されたPDGFは、足場および結合剤中に組み込まれてもよい。
さらなる実施形態では、PDGFは、部分精製されている場合もある。本明細書において、部分精製されたPDGFは、多血小板血漿(PRP)、新鮮凍結血漿(FTP)またはPDGFを製造するために収集および分離を必要とする任意のその他の血液製剤という状況でPDGFを有する組成物を含む。本発明の実施形態は、ホモ二量体およびヘテロ二量体を含む、本明細書に提供されるPDGFアイソフォームのいずれも、精製または部分精製されていてもよいということを考慮する。PDGF混合物を含有する本発明の組成物は、部分精製された割合でPDGFアイソフォームまたはPDGF断片を含み得る。部分精製および精製PDGFは、いくつかの実施形態では、米国特許出願番号第11/159,533号(公開番号第20060084602号)に記載のとおり調製できる。
いくつかの実施形態では、PDGFを含む溶液は、PDGFを1種以上の緩衝液に溶解することによって形成される。本発明のPDGF溶液において使用するのに適した緩衝液は、それだけには限らないが、炭酸塩、リン酸塩(例えば、リン酸緩衝生理食塩水)、ヒスチジン、酢酸塩(例えば、酢酸ナトリウム)、酸性緩衝液、例えば、酢酸およびHClならびに有機緩衝液、例えば、リシン、Tris緩衝液(例えば、tris(ヒドロキシメチル)アミノエタン)、N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸(HEPES)および3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)を含んでなり得る。緩衝液は、PDGFとの生体適合性および緩衝液の、望ましくないタンパク質修飾を妨げる能力に基づいて選択され得る。緩衝液は、宿主組織との適合性に基づいてさらに選択され得る。別の態様では、本発明によって提供される組成物が、薬学的に許容される緩衝液中にPDGFの溶液を含む場合には、当業者に公知の任意の薬学的に許容される緩衝液を使用してよい。一実施形態では、酢酸ナトリウム緩衝液が用いられる。緩衝液は種々のモル濃度、例えば、約0.1mM〜約100mM、約1mM〜約50mM、約5mM〜約40mM、約10mM〜約30mMまたは約15mM〜約25mMまたはこれらの範囲内の任意のモル濃度で使用してよい。一実施形態では、酢酸緩衝液は、約20mMのモル濃度で使用される。
別の実施形態では、PDGFを含む溶液は、凍結乾燥したPDGFを水に可溶化することによって形成され、これでは、可溶化に先立って、PDGFは適当な緩衝液から凍結乾燥される。
PDGFを含む溶液は、本発明の実施形態によれば、約3.0〜約8.0の範囲のpHを有し得る。一実施形態では、PDGFを含む溶液は、約5.0〜約8.0、より好ましくは、約5.5〜約7.0、最も好ましくは、約5.5〜約6.5の範囲のpH、またはこれらの範囲内の任意の値を有する。PDGFを含む溶液のpHは、いくつかの実施形態では、PDGFまたは任意のその他の所望の生物学的に活性な薬剤の長期の安定性および効力と適合し得る。PDGFは、通常、酸性環境においてより安定である。したがって、一実施形態に従って、本発明は、PDGF溶液の酸性保存製剤を含む。この実施形態に従って、PDGF溶液は、好ましくは、約3.0〜約7.0の、より好ましくは、約4.0〜約6.5のpHを有する。しかし、PDGFの生物活性は、中性のpH範囲を有する溶液中で最適化され得る。したがって、さらなる実施形態では、本発明は、PDGF溶液の中性pH製剤を含む。この実施形態に従って、PDGF溶液は、好ましくは、約5.0〜約8.0、より好ましくは、約5.5〜約7.0、最も好ましくは、約6.0〜約7.0のpHを有する。本発明の方法に従って、酸性PDGF溶液は、中性pH組成物に再処方され、次いで、このような組成物がONJまたはORNJを治療または予防するために用いられる。本発明の好ましい実施形態に従って、溶液中で利用されるPDGFとして、rhPDGF−BBがある。
いくつかの実施形態では、PDGF含有溶液のpHは、PDGFのマトリックス基板またはリンカーとの結合動力学を最適化するよう変更され得る。必要に応じて、マテリアルのpHは隣接するマテリアルと平衡化するので、結合しているPDGFは不安定になり得る。
PDGFを含む溶液のpHは、いくつかの実施形態では、本明細書に列挙される緩衝液によって制御され得る。種々のタンパク質は、それらが安定である種々のpH範囲を示す。タンパク質安定性は、等電点およびタンパク質上の電荷によって主に反映される。pH範囲は、タンパク質のコンホメーション構造およびタンパク質分解、加水分解、酸化およびタンパク質の構造への修飾および/または生物活性をもたらし得るその他のプロセスに対するタンパク質の感受性に影響を及ぼし得る。当業者に公知の任意の薬学的に許容される緩衝液を用いて、レシピエントへの投与のためのPDGFの溶液を形成してもよい。
いくつかの実施形態では、PDGFを含む溶液は、その他の生物活性薬剤などのさらなる成分をさらに含んでなり得る。その他の実施形態では、PDGFを含む溶液は、細胞培養培地、アルブミンなどのその他の安定化タンパク質、抗菌剤、プロテアーゼ阻害剤[例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレングリコール−ビス(β−アミノエチルエーテル)−N,N,N’,N’−四酢酸(EGTA)、アプロチニン、ε−アミノカプロン酸(EACA)など]ならびに/または繊維芽細胞増殖因子(FGF)、上皮成長因子(EGF)、トランスフォーミング増殖因子(TGF)、ケラチノサイト増殖因子(KGF)、インスリン様成長因子(IGF)、肝細胞増殖因子(HGF)、骨形成タンパク質(BMP)もしくはPDGF−AA、PDGF−BB、PDGF−AB、PDGF−CCおよび/もしくはPDGF−DDの組成物をはじめとするその他のPDGFなどのその他の増殖因子をさらに含んでなり得る。
本発明の組成物は、PDGFを含む溶液に加え、中にPDGF溶液が配置され、生体適合性結合剤も含んでなり得る生体適合性マトリックスも含む。
生体適合性マトリックス
足場材料
生体適合性マトリックスは、本発明の実施形態によれば、足場材料を含む。足場材料は、本発明の実施形態によれば、新規組織および/または骨成長が始まるためのフレームワークまたは足場を提供する。足場材料は、いくつかの実施形態では、さまざまな直径の多方向の、相互接続している細孔を含む。いくつかの実施形態では、足場材料は、相互接続している細孔に加え、種々の直径の複数のポケットおよび相互接続していない細孔を含む。いくつかの実施形態では、生体適合性マトリックスは、異種移殖片またはDFDBA、FDBAもしくはDBMなどの同種移植片またはそれらの組合せを含む。足場材料は、いくつかの実施形態では、少なくとも1種のリン酸カルシウムを含む。いくつかの実施形態では、生体適合性マトリックスは、少なくとも1種のリン酸カルシウムを、結合剤、例えば、コラーゲンおよび/または同種移植片とともに含む。その他の実施形態では、足場材料は、複数のリン酸カルシウムを含んでなり得る。足場材料として使用するのに適したリン酸カルシウムは、本発明の実施形態では、0.5〜2.0の範囲のカルシウム対リン原子比を有する。
足場材料として使用するのに適したリン酸カルシウムの限定されない例は、非晶質リン酸カルシウム、リン酸一カルシウム一水和物(MCPM)、リン酸一カルシウム無水物(MCPA)、リン酸二カルシウム二水和物(DCPD)、リン酸二カルシウム無水物(DCPA)、リン酸八カルシウム(OCP)、α−リン酸三カルシウム、β−リン酸三カルシウム、ヒドロキシアパタイト(OHAp)、低結晶性ヒドロキシアパタイト、リン酸四カルシウム(TTCP)、十リン酸七カルシウム、メタリン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム二水和物、炭酸リン酸カルシウムおよびピロリン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイトまたはそれらの誘導体を含む。
いくつかの実施形態では、足場材料は、ポリマー材料を含む。ポリマー足場は、いくつかの実施形態では、コラーゲン、ポリ乳酸、ポリ(L−ラクチド)、ポリ(D,L−ラクチド)、ポリグリコール酸、L−ラクチド・グリコリド共重合体、L−ラクチド・D,L−ラクチド共重合体、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリメチルメタクリレート、キトサンまたはそれらの組合せもしくは誘導体を含む。
いくつかの実施形態では、足場材料は、多孔性構造を含む。多孔性足場材料は、いくつかの実施形態によれば、約1μm〜約1mmの範囲の直径を有する細孔を含んでなり得る。一実施形態では、足場材料は、約100μm〜約1mmの範囲またはそれを超える直径を有するマクロ孔を含む。別の実施形態では、足場材料は、約10μm〜約100μmの範囲の直径を有するメソ細孔を含む。さらなる実施形態では、足場材料は、約10μm未満の直径を有するミクロ細孔を含む。本発明の実施形態は、マクロ孔、メソ細孔およびミクロ細孔またはそれらの任意の組合せを含む足場材料を考慮する。
多孔性足場材料は、一実施形態では、約25%を超える、または約40%を超える空隙率を有する。別の実施形態では、多孔性足場材料は、約50%を超える、約60%を超える、約65%を超える、約70%を超える、約80%を超える、または約85%を超える空隙率を有する。さらなる実施形態では、多孔性足場材料は、約90%を超える空隙率を有する。いくつかの実施形態では、多孔性足場材料は、足場材料中への細胞移動を容易にする空隙率を含む。
いくつかの実施形態では、足場材料は、複数の粒子を含む。足場粒子は、mm、μmまたは1ミクロン未満の(nm)大きさであり得る。足場粒子は、一実施形態では、約1μm〜約5mmの範囲の平均直径を有する。その他の実施形態では、粒子は、約1mm〜約2mm、約1mm〜約3mmまたは約250μm〜約750μmの範囲の平均直径を有する。足場粒子は、別の実施形態では、約100μm〜約300μmの範囲の平均直径を有する。さらなる実施形態では、足場粒子は、約75μm〜約300μmの範囲の平均直径を有する。さらなる実施形態では、足場粒子は、約25μm未満、約1μm未満または約1mm未満の平均直径を有する。
いくつかの実施形態では、足場粒子は、約100μm〜約5mmまたは約100μm〜約3mmの範囲の平均直径を有する。その他の実施形態では、足場粒子は、約250μm〜約2mm、約250μm〜約1mmまたは約200μm〜約3mmの範囲の平均直径を有する。粒子はまた、約1nm〜約1μm、約500nm未満または約250nm未満の範囲であり得る。
足場材料は、いくつかの実施形態によれば、移植に適した形(例えば、球、円柱またはブロック)で提供され得る。その他の実施形態では、足場材料は、成形可能、押し出し成形可能および/または注射可能である。成形可能、押し出し成形可能および注射可能足場材料は、顎の損傷および/または欠損中およびその周囲への本発明の組成物の効率的な配置を容易にし得る。いくつかの実施形態では、成形可能、押し出し成形可能および/または注射可能足場材料を、スパチュラまたは同等の装置を用いて顎中の部位に適用する。いくつかの実施形態では、足場材料は、流動性を有する。流動性を有する足場材料は、いくつかの実施形態では、シリンジおよびニードルまたはカニューレを通して顎中の部位に適用できる。
いくつかの実施形態では、足場材料は、生体吸収性である。足場材料は、一実施形態では、in vivo移植の後、1年以内に、少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、75%または90%再吸収され得る。別の実施形態では、足場材料は、in vivo移植の1、3、6、9、12または18ヶ月以内に、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%または90%吸収され得る。いくつかの実施形態では、足場材料は、in vivo移植の1、3、6、9、12または18ヶ月以内に、90%を超えて吸収され得る。生体吸収性は、(1)マトリックス材料の性質(すなわち、その化学構成、物理的構造および大きさ)、(2)マトリックスが配置される身体内の位置、(3)使用されるマトリックス材料の量、(4)患者の代謝状態(糖尿病/非糖尿病、骨粗鬆症、喫煙者、高齢、ステロイド使用など)、(5)治療される損傷の程度および/または種類ならびに(6)その他の骨同化、異化および抗異化因子などの、マトリックスの他の、その他の材料の使用に応じて変わる。
同種移植片を含む足場
本発明の組成物は、いくつかの実施形態によれば、PDGFとともに、移植材料、例えば、自己骨髄、自己血小板抽出物、同種移植片、合成骨マトリックス材料、異種移植片およびそれらの誘導体およびそれらの組合せをさらに含んでなり得る。いくつかの実施形態では、生体適合性マトリックスは、同種移植片、例えば、DFDBA、FDBAまたはDBMまたはそれらの組合せを含む。このような同種移植片は、商業ベンダーおよび骨バンクから入手可能である。同種移植片の特徴として、それだけには限らないが、同種異系骨粒子(種々の範囲、125〜500μm;125〜1,000μm)が挙げられ、粒子は完全に、もしくは実質的に脱灰されている(約4%残部が、通常、使用される最も脱灰したものである)か、または脱灰されていないが、脱有機化されているのいずれか、およびそれらの組合せである。同様に、脱有機化異種材料、例えば、BioOss(Geistlich Biomaterials、Inc.)を使用してもよい。同種移植片および異種移殖片の特徴として、粒子、ブレンド、網目、ブロックおよび種々の量の脱灰および脱有機化ならびにそれらの組合せが挙げられる。
β−リン酸三カルシウムを含む足場
生体適合性マトリックスとして使用するための足場材料は、いくつかの実施形態では、β−リン酸三カルシウム(β−TCP)を含む。β−TCPは、いくつかの実施形態によれば、種々の直径の多方向の、相互接続している細孔を有する多孔性構造を含んでなり得る。いくつかの実施形態では、β−TCPは、相互接続している細孔に加え、種々の直径の複数のポケットおよび相互接続していない細孔を含む。β−TCPの多孔性構造は、一実施形態では、約100μm〜約1mmの範囲またはそれを超える直径を有するマクロ孔、約10μm〜約100μmの範囲の直径を有するメソ細孔、約10μm未満の直径を有するミクロ細孔を含む。β−TCPのマクロ孔およびメソ細孔は、軟骨細胞移動および増殖ならびに骨誘導および骨伝導を含めた組織内部成長を促進し、一方で、マクロ孔、メソ細孔およびミクロ細孔は、流体連絡および栄養素輸送を可能にし、β−TCP生体適合性マトリックス中での軟骨および/または骨再生を含めた組織再生を支援し得る。
β−TCPは、多孔性構造を含むことにおいて、いくつかの実施形態では、25%を超える、または約40%を超える空隙率を有し得る。その他の実施形態では、β−TCPは、50%を超える、約60%を超える、約65%を超える、約70%を超える、約75%を超える、約80%を超える、または約85%を超える空隙率を有し得る。さらなる実施形態では、β−TCPは、90%を超える空隙率を有し得る。いくつかの実施形態では、β−TCPは、β−TCP中への細胞移動を容易にする空隙率を有し得る。
いくつかの実施形態では、足場材料は、β−TCP粒子を含んでなり、β−TCP粒子は、いくつかの実施形態では、個々に、足場材料について本明細書に提供される細孔直径、細孔構造および空隙率のいずれも示し得る。
β−TCP粒子は、一実施形態では、約1μm〜約5mmの範囲の平均直径を有する。その他の実施形態では、β−TCP粒子は、約1mm〜約2mm、約1mm〜約3mm、約100μm〜約5mm、約100μm〜約3mm、約250μm〜約2mm、約250μm〜約750μm、約250μm〜約1mm、約250μm〜約2mmまたは約200μm〜約3mmの範囲の平均直径を有する。別の実施形態では、β−TCP粒子は、約100μm〜約300μmの範囲の平均直径を有する。いくつかの実施形態では、β−TCP粒子は、約75μm〜約300μmの範囲の平均直径を有する。いくつかの実施形態では、β−TCP粒子は、約25μm未満の、約1μm未満の、または約1mm未満の平均直径を有する。いくつかの実施形態では、β−TCP粒子は、約1nm〜約1μmの範囲の平均直径を有する。さらなる実施形態では、β−TCP粒子は、約500nm未満または約250nm未満の平均直径を有する。
β−TCP足場材料を含む生体適合性マトリックスは、いくつかの実施形態では、移植に適した形(例えば、球、円柱またはブロック)で提供される。その他の実施形態では、β−TCP足場材料は、成形可能である、押し出し成形可能である、かつ/または流動性を有し、それによって、顎中の所望の部位へのマトリックスの適用が容易になる。流動性を有するマトリックスは、シリンジ、チューブ、カニューレまたはスパチュラによって適用できる。
β−TCP足場材料は、いくつかの実施形態によれば、生体吸収性である。一実施形態では、β−TCP足場材料は、in vivo移植の後、1年で、少なくとも30%、40%、50%、60%、65%、70%、75%、80%または85%再吸収され得る。別の実施形態では、β−TCP足場材料は、in vivo移植の後、1年で、90%を超えて再吸収され得る。
足場材料および生体適合性結合剤
別の実施形態では、生体適合性マトリックスは、足場材料および生体適合性結合剤を含む。
生体適合性結合剤は、いくつかの実施形態によれば、組み合わされた物質間の接着を促進するよう働く材料を含んでなり得る。生体適合性結合剤は、例えば、生体適合性マトリックスの形成において足場材料の粒子間の接着を促進し得る。特定の実施形態では、同一材料が、足場材料および結合剤の両方として働く場合がある。一実施形態では、例えば、コラーゲンまたはキトサンなどの本明細書に記載されるポリマー材料が、足場材料および結合剤の両方として働き得る。
生体適合性結合剤は、いくつかの実施形態では、コラーゲン、エラスチン、多糖、核酸、炭水化物、タンパク質、ポリペプチド、ポリ(α−ヒドロキシ酸)、ポリ(ラクトン)、ポリ(アミノ酸)、ポリ(無水物)、ポリウレタン、ポリ(オルトエステル)、ポリ(無水−コ−イミド)、ポリ(オルトカーボネート)、ポリ(α−ヒドロキシアルカノエート)、ポリ(ジオキサノン)、ポリ(ホスホエステル)、ポリ乳酸、ポリ(L−ラクチド)(PLLA)、ポリ(D,L−ラクチド)(PDLLA)、ポリグリコリド(PGA)、ラクチド・グリコリド共重合体(PLGA)、L−ラクチド・D,L−ラクチド共重合体、D,L−ラクチド・トリメチレンカーボネート共重合体、ポリグリコール酸、ポリヒドロキシブチレート(PHB)、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリ(δ−バレロラクトン)、ポリ(γ−ブチロラクトン)、ポリ(カプロラクトン)、ポリアクリル酸、ポリカルボン酸、ポリ(アリルアミンヒドロクロリド)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)、ポリ(エチレンイミン)、ポリプロピレンフマレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート、炭素繊維、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(エチルオキサゾリン)、ポリ(エチレンオキシド)−コ−ポリ(プロピレンオキシド)ブロックコポリマー、ポリ(エチレンテレフタレート)ポリアミドおよびそれらの共重合体および混合物を含んでなり得る。
生体適合性結合剤は、その他の実施形態では、アルギン酸、アラビアゴム、グアーガム、キサンタンガム(xantham gum)、ゼラチン、キチン、キトサン、酢酸キトサン、乳酸キトサン、硫酸コンドロイチン、N,O−カルボキシメチルキトサン、デキストラン(例えば、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリンまたはデキストラン硫酸ナトリウム)、フィブリン糊、レシチン、ホスファチジルコリン誘導体、グリセロール、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、セルロース(例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはヒドロキシエチルセルロース)、グルコサミン、プロテオグリカン、デンプン(例えば、ヒドロキシエチルデンプンまたは可溶性デンプン)、乳酸、プルロン酸(pluronic acids)、グリセロリン酸ナトリウム、グリコーゲン、ケラチン、シルクおよびそれらの誘導体および混合物を含んでなり得る。
いくつかの実施形態では、生体適合性結合剤は水溶性である。水溶性結合剤は、生体適合性マトリックス移植後すぐに、生体適合性マトリックスから溶解することができ、それによって、生体適合性マトリックスにマクロ多孔性が取り入れられる。本明細書で論じられるマクロ多孔性は、インプラント部位での破骨細胞および骨芽細胞のアクセス、その結果として、リモデリング活性を増強することによって、インプラント材料の骨伝導性を高め得る。
いくつかの実施形態では、生体適合性結合剤は、マトリックスの約5重量パーセント〜約50重量パーセントの範囲の量で、生体適合性マトリックス中に存在し得る。その他の実施形態では、生体適合性結合剤は、生体適合性マトリックスの約10重量パーセント〜約40重量パーセントの範囲の量で存在し得る。別の実施形態では、生体適合性結合剤は、生体適合性マトリックスの約15重量パーセント〜約35重量パーセントの範囲の量で存在し得る。さらなる実施形態では、生体適合性結合剤は、生体適合性マトリックスの約20重量パーセントの量で存在し得る。別の実施形態では、生体適合性結合剤は、マトリックスの約50重量パーセントを超える、または約60重量パーセントを超える量で生体適合性マトリックス中に存在し得る。一実施形態では、生体適合性結合剤は、マトリックスの最大約99重量パーセントの量で生体適合性マトリックス中に存在し得る。
足場材料および生体適合性結合剤を含む生体適合性マトリックスは、いくつかの実施形態によれば、流動性を有し、成形可能であり、かつ/または押し出し成形可能であり得る。このような実施形態では、生体適合性マトリックスは、ペースト、パテまたは顆粒形の形であり得る。ペーストまたはパテの形の生体適合性マトリックスは、一実施形態では、生体適合性結合剤によって互いに接着している足場材料の粒子を含んでなり得る。
ペーストまたはパテの形の生体適合性マトリックスは、所望のインプラントの形に成形してもよいし、移植部位の輪郭に成形してもよい。一実施形態では、ペーストまたはパテの形の生体適合性マトリックスは、シリンジまたはカニューレを用いて移植部位に注射してもよい。
いくつかの実施形態では、ペーストまたはパテの形の生体適合性マトリックスが、移植後に硬化せず、流動性を有し、成形可能な形のままである。別の実施形態では、ペーストまたはパテは移植後に硬化し、それによってマトリックス流動性および成形性を低減し得る。
足場材料および生体適合性結合剤を含む生体適合性マトリックスは、いくつかの実施形態では、所定の形、例えば、ブロック、球または円柱または任意の所望の形、例えば、型または適用部位によって規定される形で提供され得る。
足場材料および生体適合性結合剤を含む生体適合性マトリックスは、いくつかの実施形態では、生体吸収性である。生体適合性マトリックスは、このような実施形態では、in vivo移植の1年以内に再吸収され得る。別の実施形態では、足場材料および生体適合性結合剤を含む生体適合性マトリックスは、in vivo移植の1、3、6または9ヶ月内に再吸収され得る。いくつかの実施形態では、足場材料および生体適合性結合剤を含む生体適合性マトリックスは、in vivo移植の1、3または6年以内に再吸収され得る。生体吸収性は、(1)マトリックス材料の性質(すなわち、その化学構成、物理的構造および大きさ)、(2)マトリックスが配置される身体内の位置、(3)使用されるマトリックス材料の量、(4)患者の代謝状態(糖尿病/非糖尿病、骨粗鬆症、喫煙者、高齢、ステロイド使用など)、(5)治療される損傷の程度および/または種類ならびに(6)その他の骨同化、異化および抗異化因子などの、マトリックスの他の、その他の材料の使用に応じて変わる。
β−TCPおよびコラーゲンを含む生体適合性マトリックス
いくつかの実施形態では、生体適合性マトリックスは、β−TCP足場材料および生体適合性コラーゲン結合剤を含んでなり得る。コラーゲン結合剤との組合せに適したβ−TCP足場材料は、本明細書において上記で提供されたものと一致する。
コラーゲン結合剤は、いくつかの実施形態では、任意の種類のコラーゲン、例えば、I型、II型およびIII型コラーゲンを含む。一実施形態では、コラーゲン結合剤は、コラーゲンの混合物、例えば、I型およびII型コラーゲンの混合物を含む。その他の実施形態では、コラーゲン結合剤は、生理学的条件下で可溶性である。骨または筋骨格組織中に存在するその他の種類のコラーゲンを、使用してもよい。組換え、合成および天然に存在する形のコラーゲンを本発明において使用してもよい。
生体適合性マトリックスは、いくつかの実施形態によれば、コラーゲン結合剤で互いに接着している複数のβ−TCP粒子を含んでなり得る。いくつかの実施形態では、コラーゲン結合剤と組み合わせるためのβ−TCP粒子は、約1μm〜約5mmの範囲の平均直径を有する。その他の実施形態では、β−TCP粒子は、約1mm〜約2mm、約1mm〜約3mm、約100μm〜約5mm、約100μm〜約3mm、約250μm〜約2mm、約250μm〜約750μm、約250μm〜約1mm、約250μm〜約2mmまたは約200μm〜約3mmの範囲の平均直径を有する。別の実施形態では、β−TCP粒子は、約100μm〜約300μmの範囲の平均直径を有する。いくつかの実施形態では、β−TCP粒子は、約75μm〜約300μmの範囲の平均直径を有する。いくつかの実施形態では、β−TCP粒子は、約25μm未満、約1μm未満または約1mm未満の平均直径を有する。いくつかの実施形態では、β−TCP粒子は、約1nm〜約1μmの範囲の平均直径を有する。さらなる実施形態では、β−TCP粒子は、約500nm未満または約250nm未満の平均直径を有する。
いくつかの実施形態では、β−TCP粒子をコラーゲン結合剤によって互いに接着し、多孔性構造を有する生体適合性マトリックスを製造できる。いくつかの実施形態では、β−TCP粒子およびコラーゲン結合剤を含む生体適合性マトリックスの多孔性構造は、さまざまな直径の多方向の、相互接続している細孔を示す。いくつかの実施形態では、生体適合性マトリックスは、相互接続している細孔に加え、種々の直径の複数のポケットおよび相互接続していない細孔を含む。
いくつかの実施形態では、β−TCP粒子およびコラーゲン結合剤を含む生体適合性マトリックスは、約1μm〜約1mmの範囲またはそれを超える直径を有する細孔を含んでなり得る。β−TCP粒子およびコラーゲン結合剤を含む生体適合性マトリックスは、約100μm〜約1mmの範囲の直径を有するマクロ孔、約10μm〜100μmの範囲の直径を有するメソ細孔および約10μm未満の直径を有するミクロ細孔を含んでなり得る。
β−TCP粒子およびコラーゲン結合剤を含む生体適合性マトリックスは、約25%を超える、または約40%を超える空隙率を有し得る。別の実施形態では、生体適合性マトリックスは、約50%を超える、約65%を超える、約70%を超える、約75%を超える、約80%を超える、または約85%を超える空隙率を有し得る。さらなる実施形態では、生体適合性マトリックスは、約90%を超える空隙率を有し得る。いくつかの実施形態では、生体適合性マトリックスは、マトリックス中への細胞移動を容易にする空隙率を有し得る。
いくつかの実施形態では、β−TCP粒子は、個々に、β−TCPおよびコラーゲン結合剤を含む生体適合性マトリックスについて本明細書に提供される細孔直径、細孔構造および空隙率のいずれも示す。
β−TCP粒子を含む生体適合性マトリックスは、いくつかの実施形態では、コラーゲン結合剤を、マトリックスの約5重量パーセント〜約50重量パーセントの範囲の量で含んでなり得る。その他の実施形態では、コラーゲン結合剤は、生体適合性マトリックスの約10重量パーセント〜約40重量パーセントの範囲の量で存在し得る。別の実施形態では、コラーゲン結合剤は、生体適合性マトリックスの約15重量パーセント〜約35重量パーセントの範囲の量で存在し得る。さらなる実施形態では、コラーゲン結合剤は、生体適合性マトリックスの約20重量パーセントの量で存在し得る。
β−TCP粒子およびコラーゲン結合剤を含む生体適合性マトリックスは、いくつかの実施形態によれば、流動性を有し、成形可能であり、かつ/または押し出し成形可能であり得る。このような実施形態では、生体適合性マトリックスは、ペーストまたはパテの形であり得る。ペーストまたはパテは、所望のインプラントの形に成形してもよいし、移植部位の輪郭に成形してもよい。一実施形態では、β−TCP粒子およびコラーゲン結合剤を含む、ペーストまたはパテまたは顆粒の形の生体適合性マトリックスは、シリンジまたはカニューレを用いて移植部位に注入できる。
いくつかの実施形態では、β−TCP粒子およびコラーゲン結合剤を含む、ペーストまたはパテの形の生体適合性マトリックスは、移植された場合に流動性を有する形態および成形可能な形態を保持し得る。その他の実施形態では、ペーストまたはパテが、移植後に硬化し、それによって、マトリックス流動性および成形性を低減し得る。
β−TCP粒子およびコラーゲン結合剤を含む生体適合性マトリックスは、いくつかの実施形態では、ブロック、球または円柱などの所定の形で提供され得る。
β−TCP粒子およびコラーゲン結合剤を含む生体適合性マトリックスは、再吸収され得る。一実施形態では、β−TCP粒子およびコラーゲン結合剤を含む生体適合性マトリックスは、in vivo移植の1年後に少なくとも75%再吸収され得る。別の実施形態では、β−TCP粒子およびコラーゲン結合剤を含む生体適合性マトリックスは、in vivo移植の1年後に90%を超えて再吸収され得る。
いくつかの実施形態では、PDGFを含む溶液を、生体適合性マトリックス中に配置し、ONJまたはORNJの進行を治療、予防または減速するための組成物を製造することができる。いくつかの実施形態では、骨を治療するために、PDGFを含む溶液を生体適合性マトリックス中に配置できる。
生体適合性マトリックス中にPDGF溶液を配置すること
本発明は、ONJまたはORNJを治療または予防するための組成物を製造する方法を提供する。一実施形態では、このような組成物を製造する方法は、PDGFを含む溶液を提供することと、生体適合性マトリックスを提供することと、この溶液を生体適合性マトリックス中に配置することとを含む。組み合わせるのに適したPDGF溶液および生体適合性マトリックスは、本明細書において上記で記載したものと一致する。
いくつかの実施形態では、生体適合性マトリックスをPDGF溶液中に浸漬することによって、PDGF溶液を生体適合性マトリックス中に配置できる。PDGF溶液は、別の実施形態では、生体適合性マトリックスをPDGF溶液とともに注入することによって、生体適合性マトリックス中に配置できる。いくつかの実施形態では、PDGF溶液を注入することは、PDGF溶液をシリンジ中に配置することと、PDGF溶液を生体適合性マトリックス中に放出して生体適合性マトリックスを満たすこととを含んでなり得る。
いくつかの実施形態では、PDGFは、生体適合性マトリックスの細孔中に吸収される。いくつかの実施形態では、PDGFは、生体適合性マトリックスの細孔内の表面を含む、生体適合性マトリックスの1以上の表面上に吸着される。
生体適合性マトリックスは、いくつかの実施形態によれば、PDGF溶液を入れる前にれんが状の塊または円柱などの所定の形であり得る。生体適合性マトリックスは、PDGF溶液を入れた後に、流動性を有し、押し出し成形可能であり、かつ/または注射可能であるペーストまたはパテの形を有し得る。その他の実施形態では、生体適合性マトリックスは、PDGFを含む溶液を入れる前に、流動性を有し、押し出し成形可能であり、かつ/または注射可能なペーストまたはパテの形をすでに示す場合もある。
生物学的に活性な薬剤をさらに含む組成物
本発明の組成物は、いくつかの実施形態によれば、PDGFに加えて、1種以上の生物学的に活性な薬剤をさらに含んでなり得る。PDGFに加えて、本発明の組成物に組み込むことができる生物学的に活性な薬剤は、有機分子、無機材料、タンパク質、ペプチド、核酸(例えば、遺伝子、遺伝子断片、低分子干渉リボ核酸[si−RNA]遺伝子調節配列、核転写因子およびアンチセンス分子)、核タンパク質、多糖(例えば、ヘパリン)、糖タンパク質およびリポタンパク質を含んでなり得る。例えば、抗癌剤、抗生物質、鎮痛薬、抗炎症薬、免疫抑制剤、酵素阻害剤、抗ヒスタミン剤、ホルモン、筋弛緩薬、プロスタグランジン、栄養因子、骨誘導タンパク質、増殖因子およびワクチンをはじめとする、本発明の組成物に組み込むことができる生物学的に活性な化合物の限定されない例は、米国特許出願番号第11/159,533号(公開番号:20060084602)に開示されている。本発明の組成物に組み込むことができる生物学的に活性な化合物として、骨誘導因子、例えば、インスリン様成長因子、繊維芽細胞増殖因子またはその他のPDGFが挙げられる。その他の実施形態に従って、本発明の組成物に組み込むことができる生物学的に活性な化合物は、骨誘導および骨刺激因子、例えば、骨形成タンパク質(BMP)、BMPミメティクス、カルシトニンまたはカルシトニンミメティクス、スタチン、スタチン誘導体、繊維芽細胞増殖因子、インスリン様成長因子、増殖−分化因子、Wntアンタゴニストの小分子または抗体ブロッカー(例えば、スクレロスチン、DKK、可溶性Wnt受容体)または副甲状腺ホルモンを含むことが好ましい。いくつかの実施形態では、因子として、また、プロテアーゼ阻害剤、ならびに骨吸収を低減する骨粗鬆症治療、例えば、ビスホスホネート、テリパラチド(teriparadide)、およびNF−kBリガンド(RANK)リガンドのアクチベーター受容体に対する抗体が挙げられる。
さらなる生物学的に活性な薬剤の送達のための標準プロトコールおよび投与計画は、当技術分野で公知である。さらなる生物学的に活性な薬剤は、移植部位への薬剤の適当な投与形の送達を可能にする量で本発明の組成物中に導入することができる。ほとんどの場合、投与形は、開業医に公知であり、問題の特定の薬剤に適用される指針を用いて決定される。本発明の組成物に含まれるべく、さらなる生物学的に活性な薬剤の量は、状態の種類および程度、個々の患者の全体的な健康状態、生物学的に活性な薬剤の処方、放出動力学および生体適合性マトリックスの生体吸収性のような変数に応じて変わり得る。標準臨床試験を用いて、任意の特定のさらなる生物学的に活性な薬剤について用量および投与頻度を最適化できる。
本発明の組成物は、いくつかの実施形態によれば、PDGFとともに、自己骨髄、自己血小板抽出物、同種移植片、合成骨マトリックス材料、異種移植片およびそれらの誘導体をはじめとするさらなる移植材料の添加をさらに含んでなり得る。
ONJまたはORNJの進行を治療、予防または減速するために本発明の組成物を投与すること
本組成物は、任意の適当な手段によって投与してよい。一実施形態では、PDGFを含有する生体適合性マトリックスを含む組成物の投与は、所望の部位での組成物の直接適用によって起こり得る。別の実施形態では、薬学的に許容される担体中のPDGFの溶液を含む組成物の投与は、所望の部位での組成物の直接適用によって起こり得る。このような部位として、それだけには限らないが、歯槽構造およびONJまたはORNJによって罹患する任意のその他の骨または軟部組織を含む、上顎骨、下顎骨およびそれらの付属器(adnexia)が挙げられる。下顎骨では、臼後隆起の前側の部位が所望の部位を構成し得る。例えば、手術野が、ONJまたはORNJの患者の上顎骨または下顎骨中に開いており、壊死部位がデブリードメントされ、準備されると、組成物をシリンジ送達によって、ニードルまたはカニューレによって、スパチュラ、ピンセット、スプーンまたはその他の許容される手段を用いた直接適用によって適用してよい。その他の実施形態では、ONJまたはORNJに弱いと予想される部位が同定されると、この部位を外科的に露出し、組成物を適用してもよく、または下顎骨または上顎骨中の部位を外科的に露出することなく、組成物を皮膚を通ってシリンジおよびニードル注射によって所望の部位の近傍に適用してもよい。その他の実施形態では、組成物を、直接経皮投与によって所望の部位に適用してもよい。
いくつかの実施形態では、PDGF含有組成物が、歯科処置と同時に、または歯科処置の直後に投与される。例えば、抜歯などの歯科の外科的処置の危険のある、またこれを受けている患者は、一実施形態では、例えば、歯科抜歯医薬または包帯と同時投与されたPDGF含有組成物を有する。PDGF含有組成物のさらに別の例として、PDGF含有組成物が嚢胞腔中に入れられる口腔歯科嚢胞切除術がある。さらに別の例として、歯肉組織が切開され、歯槽および/または歯根間オッセオ−デンタル(osseo−dental)術が実施され、PDGF含有組成物が歯周治療包帯と同時投与される歯周処置が挙げられる。
いくつかの実施形態では、投与されるPDGF含有組成物の量は、例えば、抜歯窩、嚢胞切除術から、または歯周骨手術の際に、外科的に除去された骨容積によって決まる。
いくつかの実施形態では、PDGF含有組成物を用いたORNJまたはONJの予防的処置のために、先に記載した臨床徴候および症状に加え、歯根膜の厚さのX線写真による測定も考慮される診断基準であり得る。
キット
別の態様では、本発明は、ONJまたはORNJを治療または予防するのに有用である、生体適合性マトリックスを含む第1の容器と、第2の容器中のPDGFを含む溶液とを含むキットを提供する。いくつかの実施形態では、溶液は、所定の濃度のPDGFを含む。別の実施形態では、キットは、容器中に薬学的に許容される緩衝液中のPDGFを含む溶液を含んでなり、キットは、ONJまたはORNJを治療または予防するのに有用である。別の実施形態では、キットは、第1の容器中の薬学的に許容される緩衝液と、PDGFを含む第2の容器とを含んでなり、キットは、ONJまたはORNJを治療または予防するのに有用である。PDGFの濃度は、治療されている骨折の性質または分類に従って予め決定され得る。キットは、骨足場材料をさらに含む場合もあり、骨足場材料は、生体適合性結合剤をさらに含む場合もある。さらに、キットによって提供される生体適合性マトリックスの量は、治療されている骨の性質または分類に応じて変わり得る。キット中に含まれ得る生体適合性マトリックスは、骨足場材料、骨足場材料および生体適合性結合剤ならびに/またはDFDBAまたはDBMなどの移植骨であり得る。いくつかの実施形態では、生体適合性マトリックスは、β−リン酸三カルシウム(β−TCP)を含む。一実施形態では、骨足場材料は、β−TCPなどのリン酸カルシウムを含む。いくつかの実施形態では、PDGF溶液を含有する第2の容器は、シリンジを含む。シリンジは、骨中の骨折の部位などの手術部位に適用するために、生体適合性マトリックス中でのPDGF溶液の配置を容易にし得る。キットはまた、その使用のための使用説明書を含み得る。
以下の実施例は、本発明をさらに例示するために役立ち、しかし、同時に、そのいかなる制限も構成しない。対照的に、本明細書の説明を読んだ後に、本発明の趣旨から逸脱することなく、当業者に思い浮かぶ種々の実施形態、修飾およびそれと同等のものを用いてもよいということは明確に理解されるべきである。
(実施例1)
PDGFの溶液および生体適合性マトリックスを含む組成物の調製
PDGFの溶液および生体適合性マトリックスを含む組成物を、以下の手順に従って調製した。
予め秤量された、β−TCPおよびコラーゲンを含む生体適合性マトリックスのブロックを得た。β−TCPは、約100μm〜約300μmの範囲の大きさを有する純粋なβ−TCP粒子を含むものであった。β−TCP粒子は、約20重量%の可溶性1型ウシコラーゲン結合剤を含んで製剤されていた。このようなβ−TCP/コラーゲン生体適合性マトリックスは、Kensey Nash(Exton、Pennsylvania)から商業的に入手できる。
rhPDGF−BBを含む溶液を入手した。rhPDGF−BBは、Novartis Corporationから、酢酸ナトリウム緩衝液中、10mg/mlの保存濃度で(すなわち、ロット番号QA2217)市販されている。rhPDGF−BBは、Novartis Corporation(Chiron)によって酵母発現系において産生され、米国食品医薬品局によってヒト使用のために承認されている、製剤REGRANEX(登録商標)、(Johnson&Johnson)およびGEM21S(BioMimetic Therapeutics)において利用されるrhPDGF−BBと同じ製造設備に由来する。このrhPDGF−BBはまた、欧州連合およびカナダにおいてヒト使用のために承認されている。rhPDGF−BB溶液を、酢酸ナトリウム緩衝液で0.3mg/mlに希釈した。rhPDGF−BB溶液は、本発明の実施形態に従って任意の所望の濃度に希釈してよい。
約100g乾重のβ−TCP/コラーゲン生体適合性マトリックスに対して、約3mlのrhPDGF−BB溶液の比率を用いて組成物を製造した。rhPDGF−BB溶液を、シリンジで生体適合性マトリックス上に放出し、得られた組成物を、骨壊死の部位または骨壊死に弱い部位での適用のための調製において、ブレンドし、成形した。
(実施例2)
顎の骨壊死の治療
PDGFで修正された生体適合性マトリックス、例えば、移植骨の実施方法は、露出した骨の領域を治療するための従来の歯科業をたどる。患者がONJを示す場合には、患者の徴候および症状の以下の判定基準を評価する:
1)歯根膜の広がりのX線撮影による証拠;X線を通さない腐骨を含むか、含まない、虫に食われた不十分にしか決まらないX線透過性;
2)露出した骨の培養によって、アクチノミセス(Actinomyces)種が同定され得る;
3)露出した骨および壊死骨を含む粘膜組織が局所的にないことの臨床上の証拠;
4)疼痛は症状であってもなくてもよい。
記載される徴候および症状を同定した後、PDGFを補給した同種移植片のための実施方法は、以下のステップを含む:同種移植片に加えてもよいPDGFの投与量は、出願において先に記載されており、それだけには限らないが、以下の開示内容を含む。同種移植に適用されるPDGF溶液は、最終量が臨床上有効であるのに十分であるという条件で、上記の濃度中であり得る。PDGFは、約0.01mg/ml〜約10mg/ml、約0.05mg/ml〜約5mg/mlまたは約0.1mg/ml〜約1.0mg/mlの範囲の濃度で溶液中に存在する。PDGFは、これらの記載された範囲内の任意の濃度で溶液中に存在し得る。その他の実施形態では、PDGFは、以下の濃度のうち任意の1種で溶液中に存在する:約0.05mg/ml;約0.1mg/ml;約0.15mg/ml;約0.2mg/ml;約0.25mg/ml;約0.3mg/ml;約0.35mg/ml;約0.4mg/ml;約0.45mg/ml;約0.5mg/ml、約0.55mg/ml、約0.6mg/ml、約0.65mg/ml、約0.7mg/ml;約0.75mg/ml;約0.8mg/ml;約0.85mg/ml;約0.9mg/ml;約0.95mg/ml;または約1.0mg/ml。これらの濃度は、単に、特定の実施形態の例であり、PDGFの濃度は、上記の濃度範囲のいずれか内であり得るということは理解されるべきである。
PDGFの種々の最終量を、量が臨床上有効であるという条件で、本発明の同種移植に用いてもよい。使用してよいPDGFの量として、以下の範囲中の量が挙げられる:約1μg〜約50mg;約10μg〜約25mg;約100μg〜約10mg;および約250μg〜約5mg。
デブリードマン後の骨欠損を満たすために、十分な量の、PDGFを含有する同種移植片が投与される。この容量は、罹患骨の腐骨摘出術およびデブリードマンの程度に基づいて異なる。手順を以下の文に記載する。局所麻酔を施して、罹患したONJ部位を麻酔する。軟部組織フラップは緩やかに持ち上がり、下部の壊死骨(すなわち、ONJ部位)を反映している。壊死骨の直径を測定する。皮質骨の除去を含む、保存的腐骨摘出術を、辺縁出血骨へ、および下位にある歯槽骨中に拡張して実行する。デブリードメントされた皮質骨の周縁部をノギスで測定し、除去された骨の深さを歯周プローブで測定する。データを、患者のカルテに記録する。指定された用量のrhPDGF−BB(一実施形態では、0.3mg/mL)を、得られた欠損を埋めるのに必要な同種移植片の容積に加え、次いで、これを準備された被移植部中に入れる。部位に送達されるPDGFの用量は、治療的でなくてはならない。骨の「くぼみ」(腐骨摘出術およびデブリードマン後に残っている欠損)のばらつきの結果として、個々のくぼみに加えることができるPDGFの量は、同種移植片中に含まれるPDGFの量は、その部位でのONJの進行を治療、予防または減速するのに臨床上有効な量であるという条件で、変わり得る。
十分な粘膜軟部組織が存在する場合には、フラップを引っ張らずに用意して治療されたONJ部位を覆い、そうでなければ、二次的意図によって非移植部位に肉芽組織が形成されることが許され、これは、口腔中の外皮または粘膜を閉じるのに不十分な能力であり得る場合に、軟部組織または堅組織における肉芽組織充填欠損に関与する。
十分な粘膜軟部組織が存在しない場合には、吸収性コラーゲン材料を治療された部位上におき、移植材料を含むよう欠損の骨周縁部を越えて2〜3mm伸ばす。縫合は、移植片封じ込めを最大にするよう行う。
同種移植片およびPDGFは、キット中に存在し得る。具体的には、一実施形態では、キットは、同種移植片および0.3mg/mlのrhPDGF−BBの溶液を含有するシリンジを含む。同種移植片およびPDGF溶液を、同種移植片粒子が十分に飽和されるよう、滅菌ダッペンディッシュまたは手術用ステンレスボウル中で混合する。この時間の間に、ONJ部位を、手用器具の使用および滅菌生理食塩水での最終洗浄を用いて、場合により、完全にデブリードメントしてもよい。次いで、水分補給した、PDGFを含有する同種移植片を入れて骨欠損を埋め、かつ/または粘膜軟部組織フラップを上記のように用意してもよい。
(実施例3)
PDGFの溶液および生体適合性マトリックスを含む組成物の調製
この実施例では、生体適合性マトリックスは、移植骨、DFDBA、FDBAまたはDBMを含む。既存の骨壊死の場合には、使用されるべき同種移植片の量は、骨喪失の程度と関連する。外科医が使用されるべき同種移植片の大きさを決定すると、所望の大きさのDFDBA、FDBAまたはDBM片を得、PDGF溶液を、同種移植片の適用部位で有効である量で同種移植片に適用する。
同種移植片に適用されるPDGF溶液は、最終量が、臨床上有効であるのに十分であるという条件で、上記の濃度中であり得る。PDGFは、約0.01mg/ml〜約10mg/ml、約0.05mg/ml〜約5mg/mlまたは約0.1mg/ml〜約1.0mg/mlの範囲の濃度で溶液中に存在する。PDGFは、これらの記載される範囲内の任意の濃度で溶液中に存在し得る。その他の実施形態では、PDGFは、以下の濃度のうち任意の1種で溶液中に存在する:約0.05mg/ml;約0.1mg/ml;約0.15mg/ml;約0.2mg/ml;約0.25mg/ml;約0.3mg/ml;約0.35mg/ml;約0.4mg/ml;約0.45mg/ml;約0.5mg/ml、約0.55mg/ml、約0.6mg/ml、約0.65mg/ml、約0.7mg/ml;約0.75mg/ml;約0.8mg/ml;約0.85mg/ml;約0.9mg/ml;約0.95mg/ml;または約1.0mg/ml。これらの濃度は、単に、特定の実施形態の例であり、PDGFの濃度は、上記の濃度範囲のいずれか内であり得るということは理解されるべきである。
PDGFの種々の最終量を、量が臨床上有効であるという条件で、本発明の同種移植片に入れてもよい。使用してよいPDGFの量として、以下の範囲中の量が挙げられる:約1μg〜約50mg;約10μg〜約25mg;約100μg〜約10mg;および約250μg〜約5mg。
手術野を同種移植片の適用のために露出すると、死骨または罹患骨を除去し、PDGF溶液を同種移植片に適用し、同種移植片を所望の部位に挿入する。
(実施例4)
ONJの期間のある患者のための予防的処置
ONJの危険のある患者集団として、経口または静脈内ビスホスホネートを投与されている、歯科外科治療、特に、より侵襲的であるか、外傷性であると考えられる処置、例えば、それだけには限らないが、歯科インプラント処置、抜歯および歯周手術を必要とする任意の患者が挙げられる。これらの患者は、ONJの発生を予防するために治療部位に予防的に、実施例2または3に記載される同種移植片およびPDGFを投与される。
(実施例5)
ORNJの危険のある患者のための予防的処置
ORNJの危険のある患者集団として、下顎骨、上顎骨または周囲組織および骨の放射線治療を受けている任意の患者が挙げられる。これらの患者は、ORNJの発生を予防するために顎中の脆弱部位に予防的に、PDGFを含有する同種移植片を投与される。組成物は、顎中の脆弱部位または複数の部位への経皮注射によって投与してよい。
(実施例6)
ONJの危険のある患者のための予防的処置
ONJの危険のある患者集団として、経口または静脈内ビスホスホネートを投与されており、歯科外科治療、特に、より侵襲的であるか、外傷性であると考えられる処置、例えば、それだけには限らないが、歯科インプラント処置、抜歯および歯周手術を必要とする任意の患者が挙げられる。これらの患者は、ONJの発生を予防するために治療部位に予防的に、薬学的に許容される緩衝液中のPDGFの溶液を投与される。
(実施例7)
ORNJの危険のある患者のための予防的処置
ORNJの危険のある患者集団として、下顎骨、上顎骨または周囲組織および骨の放射線治療を受けている任意の患者が挙げられる。これらの患者は、ORNJの発生を予防するために顎中の脆弱部位に予防的に、薬学的に許容される緩衝液中のPDGFの溶液を投与される。組成物は、顎中の脆弱部位または複数の部位への経皮注射によって適用してよい。
(実施例8)
顎の骨壊死のための治療
薬学的に許容される緩衝液中のPDGFの溶液を含む組成物の適用を実施する方法は、露出した骨の領域を治療するための従来の歯科業をたどる。患者がONJを示す場合には、患者の徴候および症状の以下の判定基準を評価する:
1)歯根膜の広がりの証拠となるX線像;X線を通さない腐骨を含むか含まない、虫に食われた不十分にしか決まらないX線透過性;
2)露出した骨の培養によって、アクチノミセス(Actinomyces)種が同定され得る;
3)露出した骨および壊死骨を含む粘膜組織が局所的にないことの臨床上の証拠;
4)疼痛は症状であってもなくてもよい。
記載される徴候および症状を同定した後、薬学的に許容される緩衝液中のPDGFの溶液を含む組成物の投与のための実施方法は、以下のステップを含む。PDGFの投与量は、出願において先に記載されており、それだけには限らないが、以下の開示内容を含む。PDGF組成物は、最終量が臨床上有効であるのに十分であるという条件で、上記の濃度中であり得る。PDGFは、約0.01mg/ml〜約10mg/ml、約0.05mg/ml〜約5mg/mlまたは約0.1mg/ml〜約1.0mg/mlの範囲の濃度で溶液中に存在する。PDGFは、これらの記載された範囲内の任意の濃度で溶液中に存在し得る。その他の実施形態では、PDGFは、以下の濃度のうち任意の1種で溶液中に存在する:約0.05mg/ml;約0.1mg/ml;約0.15mg/ml;約0.2mg/ml;約0.25mg/ml;約0.3mg/ml;約0.35mg/ml;約0.4mg/ml;約0.45mg/ml;約0.5mg/ml、約0.55mg/ml、約0.6mg/ml、約0.65mg/ml、約0.7mg/ml;約0.75mg/ml;約0.8mg/ml;約0.85mg/ml;約0.9mg/ml;約0.95mg/ml;または約1.0mg/ml。これらの濃度は、単に、特定の実施形態の例であり、PDGFの濃度は、上記の濃度範囲のいずれか内であり得るということは理解されるべきである。
PDGFの種々の最終量を、量が臨床上有効であるという条件で、使用してもよい。使用してよいPDGFの量として、以下の範囲中の量が挙げられる:約1μg〜約50mg;約10μg〜約25mg;約100μg〜約10mg;および約250μg〜約5mg。
PDGFを含む組成物の臨床上有効な量が、デブリードマン後の骨欠損に投与される。この量は、罹患骨の腐骨摘出術およびデブリードマンの程度に基づいて異なる。手順を以下の文に記載する。局所麻酔を施して、罹患したONJ部位を麻酔する。軟部組織フラップは緩やかに持ち上がり、下部の壊死骨(すなわち、ONJ部位)を反映している。壊死骨の直径を測定する。皮質骨の除去を含む、保存的腐骨摘出術を、辺縁出血骨へ、および下位にある歯槽骨中に拡張して実行する。デブリードメントされた皮質骨の周縁部をノギスで測定し、除去された骨の深さを歯周プローブで測定する。データを、患者のカルテに記録する。指定された用量のrhPDGF−BB(一実施形態では、0.3mg/mL)を、治療的効果を提供するよう部位へ送達する。このような送達はシリンジ適用によってであり得る。骨の「くぼみ」(腐骨摘出術およびデブリードマン後に残っている欠損)のばらつきの結果として、個々のくぼみに加えることができるPDGFの量は、その部位でのONJの進行を治療、予防または減速するのに臨床上有効な量であるという条件で、変わり得る。
十分な粘膜軟部組織が存在する場合には、フラップを引っ張らずに用意して治療されたONJ部位を覆い、そうでなければ、二次的意図によって被移植部位に肉芽組織が形成されることが許され、これは、口腔中の外皮または粘膜を閉じるのに不十分な能力であり得る場合に、軟部組織または堅組織における肉芽組織充填欠損に関与する。
十分な粘膜軟部組織が存在しないという場合には、吸収性コラーゲン材料を治療された部位上におき、PDGFを含むよう欠損の骨周縁部を越えて2〜3mm伸ばす。縫合は、移植片封じ込めを最大にするよう行う。
PDGFは、キット中に存在し得る。具体的には、一実施形態では、キットは、0.3mg/mlのrhPDGF−BBの溶液を含有するシリンジを含む。別の実施形態では、第1の容器は、PDGFを含んでなり、第2の容器は、薬学的に許容される緩衝液を含む。PDGFおよび緩衝液を、場合により、第1の容器中またはシリンジ中で混合する。この時間の間に、ONJ部位を、手用器具の使用および滅菌生理食塩水での最終洗浄を用いて、場合により、完全にデブリードメントしてもよい。次いで、PDGF溶液を入れて、骨欠損を埋め、かつ/または粘膜軟部組織フラップを上記のように用意してもよい。
上記で引用されるすべての特許、刊行物および要約は、参照によりその全文が本明細書に組み込まれる。前記のものは、本発明の好ましい実施形態にのみ関し、以下の特許請求の範囲において定義される本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、それに多数の修飾または変更を行ってもよいということは理解されるべきである。

Claims (15)

  1. 患者の顎の骨壊死または顎の放射線骨壊死の進行を治療、予防または減速するための医薬の調製における、生体適合性マトリックスに配置された血小板由来増殖因子(PDGF)の溶液を含む組成物の使用。
  2. 患者の顎の骨壊死または顎の放射線骨壊死の進行を治療、予防または減速するための医薬の調製における、薬学的に許容される緩衝液中のPDGFを含む組成物の使用。
  3. 前記生体適合性マトリックスが、足場材料および生体適合性結合剤を含む、請求項1に記載の使用。
  4. 前記生体適合性マトリックスが、リン酸カルシウム含有化合物または同種移植片を含む、請求項3に記載の使用。
  5. 患者の顎の骨壊死または顎の放射線骨壊死の発症または進行を治療、予防または遅延する方法であって、
    生体適合性マトリックス中に配置されたPDGF溶液を含む組成物を提供するステップと;
    前記組成物を、前記患者の顎の骨壊死または顎の放射線骨壊死の発症または進行を、治療、予防、遅延するのに有効な量で、顎中の所望の部位に適用するステップと
    を含む方法。
  6. 患者の顎の骨壊死または顎の放射線骨壊死の発症または進行を、治療、予防または遅延するための方法であって、
    薬学的に許容される緩衝液中のPDGFを含む組成物を提供するステップと;
    前記組成物を、患者の顎の骨壊死または顎の放射線骨壊死の発症または進行を、治療、予防、遅延するのに有効な量で、顎中の所望の部位に適用するステップと
    を含む方法。
  7. 患者の顎の骨壊死または顎の放射線骨壊死の発症または進行を、予防または遅延するのに有用なキットであって、
    生体適合性マトリックスを含む第1の容器と、
    PDGFを含む溶液を含む第2の容器と
    を含むキット。
  8. 前記第2の容器が、緩衝液溶液中のPDGFを含む、請求項7に記載のキット。
  9. 前記PDGFがrhPDGF−BBであり、前記緩衝液が酢酸緩衝液である、請求項8に記載のキット。
  10. 前記生体適合性マトリックスが、生体適合性結合剤をさらに含む、請求項9に記載のキット。
  11. 前記生体適合性マトリックスが、リン酸カルシウムを含む、前記請求項のいずれかに記載の生体適合性マトリックス。
  12. βリン酸三カルシウムである、前記請求項のいずれかに記載のリン酸カルシウム。
  13. コラーゲンを含む、前記請求項のいずれかに記載の生体適合性結合剤。
  14. 同種移植片、脱灰凍結乾燥移植骨、石灰化凍結乾燥移植骨または粒子状脱灰骨マトリックスを含む、前記請求項のいずれかに記載の生体適合性マトリックス。
  15. 組換えヒトPDGF−BBである、前記請求項のいずれかに記載のPDGF。
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