JP2010518251A - ビオチンまたはビオチン誘導体との少なくとも1つの共有結合を含むヘパリン、これらの調製方法およびこれらの使用 - Google Patents

ビオチンまたはビオチン誘導体との少なくとも1つの共有結合を含むヘパリン、これらの調製方法およびこれらの使用 Download PDF

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Abstract

本発明はヘパリンを構成する多糖類がこれらの還元性末端に−(R1)、−Biotとの共有結合を有し、一般式(I)に相当することを特徴とするビオチン化ヘパリンに関し、式中、iは0または1であり、R1は式−CO−(CH−NH−または−CO−(CH−NH−(CH−NHの鎖であり、jおよびkは1から10のいずれかの値を有する整数であり、Biotはビオチンまたはビオチン誘導体の基であり、nは15000Daの平均分子量を有するヘパリンについて約25の平均値を有する整数であり、XはHまたはSONaであり、YはCOCHまたはSONaであり、波線はこれらが結合しているピラノース環の下または上にある結合を表す。本発明は同化合物を調製するための方法およびこれらの治療法における使用にも関する。

Description

本発明は、ビオチンまたはビオチン誘導体との少なくとも1つの共有結合を含有するヘパリンに関し、これらの調製方法、これらを含有する薬剤組成物、これらの治療上の使用にも関する。
ヘパリンは、15000ダルトン(Da)前後の分子量を有する、動物由来の硫酸化されたムコ多糖類の混合物である。以下にヘパリンまたはヘパリン類について言及する:ヘパリンの構造、平均分子量および多糖鎖の多分散性は実際にヘパリンが由来する動物種および器官によって変化し得る(例:ブタ粘膜ヘパリン、ウシ腸ヘパリンなど)。
ヘパリンは、特に抗トロンビンIII(ATIII)を介して、血液凝固連鎖に関与する2つの酵素、すなわち第Xa因子および第11a因子(またはトロンビン)の阻害を触媒する。したがってこれは、この抗凝固性および抗血栓性の故に治療に使用される。
しかし、ヘパリンはこの使用条件を制限する欠点を有する。特に、この高い抗凝固活性(特にこの高い抗第IIa活性)は、出血の原因となることがある(Seminars in Thrombosis and Hemostasis、5巻、補遺3、1999年)。ヘパリン誘導体はこれらの望ましくない出血性副作用で知られている。
血栓治療の分野においては、目的は同時に出血の誘発を避けつつ血液の流動性を回復または維持することである。実際には、何らかの突発的理由で、治療中の患者において出血が引き起こされる可能性があることが知られている。抗血栓治療中の患者に対して外科手術を実施する必要もあり得る。さらに、ある種の外科手術の途中で血液の凝固を防ぐために抗凝固剤が高い投与量で使用されることがあり、手術の終わりにはこれらを中和することが望ましい。したがって、いつでも抗凝固剤の活性を止めるために中和可能な抗血栓剤に対する必要性がある。
ビオチン化合成多糖類などの中和可能な抗血栓剤が特許出願WO02/24754およびWO06/030104に記載されている。これらの合成は、特に上述の多糖類自体にではなくこれらの保護された等価物に対して実行されるビオチンまたはビオチン誘導体のグラフト化を含み、本発明の化合物に対しては適用できない。この理由は、多糖類の混合物であり、したがって、それに対しては上述の特許出願に記載されているビオチンのグラフト化が、グラフト位置の十分な位置選択性を誘導することを可能にせず、またヘパリンのすべての官能化可能な多糖鎖のビオチン化も可能にしない不均質な製品である最終製品に対するビオチン化を実行することが望まれていることである。
Osmondらのチームは、Analytical Biochemistry、31巻(2002)199−207頁に、ブタヘパリンをビオチン化するためのいくつかの技法を記載しており、それらの1つは還元的アミノ化に続くビオチンのカップリングを経るヘパリンの還元性末端におけるビオチンのカップリングを含むと記載している。しかし、この文献に記載されている操作条件はビオチン化ヘパリンが十分に再現可能に得られることを可能にせず:彼らはヘパリンの構造的多様性および市販のヘパリン中に存在する多糖鎖の実際の構造を考慮に入れていない。市販のヘパリンは、それらの還元性末端に、Osmondらによって記載されている手順によってはビオチンで官能化させることができない、分解されたグリコセリンを含有する多糖鎖の大きな比率を含む。したがって、前記刊行物に記載されているブタヘパリンのビオチン化のための操作条件は、効率的な中和を可能にするに足るビオチン化の程度などの期待される特徴を有するビオチン化ヘパリンが十分に再現性を以って得られることを可能にはしない。
Tsengらのチームは、Biomaterials、27巻(2006年)、2627−2636頁に、ヘパリンのビオチンを用いる官能化に続いてヘパリンをアビジンとの相互作用によってフィルム上に固定化するための技法を記載している。ヘパリンのビオチン化は、ヨウ素を用いる酸化を介して実行され、ラクトンの形成に次いでビオチンの2−(4−アミノフェニル)エチルアミン誘導体を用いるカップリングが続く。しかし、Tsengらによって提示された操作条件は、還元性末端においてビオチン化ヘパリンの全体的および再現性のある生成を想定しておらず、酸化段階が還元性末端に選択的であり得ることまたはかかる処置の後でヘパリンの生物学的活性が保存されることを示唆するものは何もない。
Kettらのチームは、Biochimica and Biophysica Acta、1620巻(2003年)、225−234頁に、アビジンと様々なグリコサミノグリカンの間の親和性の研究を記載しており、アビジンがヘパリンに対する強い親和性を示すことを実証している。これらの親和性の研究において、ヘパリンはビオチンを用いて誘導体化され得るが、ヘパリンの多糖鎖中のビオチン化部位の指摘はない。
国際公開第02/24754号パンフレット 国際公開第06/030104号パンフレット
Seminars in Thrombosis and Hemostasis、5巻、補遺3、1999年 Analytical Biochemistry、31巻(2002)199−207頁 Biomaterials、27巻(2006年)、2627−2636頁 Biochimica and Biophysica Acta、1620巻(2003年)、225−234頁
したがって、本出願人は、アビジンまたはストレプトアビジンを用いて中和され得、天然のヘパリンと同等の生物学的特性を有する新規なヘパリンを提供するという目的を設定した。
本発明は、構成多糖類がこれらの還元性末端に−(R1)−Biot基への共有結合を有すること、および一般式(I)に相当することを特徴とする、本明細書において以下「ビオチン化ヘパリン」と呼ばれる、新規な修飾されたヘパリン
Figure 2010518251
[式中、
−iは、0または1に等しく、
−R1は、式(a)または(b)の配列を表し、
Figure 2010518251
Figure 2010518251
[式中、jおよびkは、同一でありまたは異なって、1から10のいずれかの値を取り得る整数である。]、
−Biotは、ビオチン基またはビオチン誘導体を表し、
−nは、15000Daの平均分子量を有するヘパリンについて約25の平均値を有する整数を表し、
−Xは、HまたはSONaを表し、
−Yは、COCHまたはSONaを表し、
−波線は、これらが結合しているピラノース環の面の下または上のいずれかに位置する結合を意味する。]
およびこれらの薬剤として許容される塩に関する。
意外にも、多糖鎖の還元性末端におけるビオチンまたはビオチン誘導体の導入は、ヘパリンの薬剤学上の活性を変更しない。具体的には、本発明の主題である新規なビオチン化ヘパリンは、天然のヘパリン、すなわちビオチン化前のヘパリンと同等の抗血栓作用を有する。
これらは、天然のヘパリンを超える重要な利点を有する:これらは緊急の事態において特定の解毒剤を用いて急速に中和され得る。この特定の解毒剤は、テトラマーまたはモノマー形態のアビジン、またはストレプトアビジンであり、それぞれ66000、16400および60000Daに等しい質量を有する(The Merck Index、12版、1996年、M.N.920、151−152頁、Revue Pierce Avidin−Biotin Handbook)。
これらはまた、使用される投与量が高く、同時に出血のリスクを低減するという治療指標において有用であるという利点を有し、したがって動脈治療分野において有用であり得る。
上述のビオチン(Biot)基はヘキサヒドロ−2−オキソ−1H−チエノ[3,4−d]イミダゾール−4−ペンタン酸から誘導される基である。本発明による一般式(I)中のBiot基は式(c)に相当するのが有利である。
Figure 2010518251
ビオチン誘導体は市販されており(「Pierce」Biotin−avidin products catalogue、2005年、7−11頁)または当業の熟練者に知られている標準的な方法を使用して調製され得る。特に特許出願WO02/24754で言及されているビオチン誘導体を挙げることができる。
本発明によるビオチン化ヘパリンにおいて、インデックスiは0に等しくてよく、この場合はビオチンまたはビオチン誘導体との結合は、多糖鎖の還元性末端の糖単位に付いているアミン官能基上に直接作られる。
あるいは、iは1に等しくてもよく、ビオチン基またはビオチン誘導体との結合は、例えば、jが5に等しい上記の式(a)の配列またはjおよびkが同一であり5に等しい上記の式(b)の配列から成る。したがって、上記の式(I)において、R1は、例えば、式−CO−(CH−NHまたは−CO−(CH−NH−CO−(CH−NH−を表し得る。
本発明との関連において、「還元性末端」という用語は、末端グルコサミンまたはマンノサミン(グルコサミンの塩基性媒体中でのエピマー化からもたらされるマンノサミン)が下記の式(II)に相当する環状ヘミアセタール官能基を有する多糖鎖の末端を意味する。
Figure 2010518251
式中、
−Xは、HまたはSONaを表し、
−Yは、COCHまたはSONaを表し、
−波線は、これらが結合しているピラノース環の面の下または上のいずれかに位置する結合を意味する(下:グルコサミン、上:マンノサミン)。
「ヘパリンの構成多糖類」という用語は、ウロン酸残基を含有する二糖単位(D−グルクロン酸またはL−イズロン酸)およびN−硫酸化またはN−アセチル化されていてもよいD−グルコサミン残基の反復によって特徴付けられる多糖類を意味する。二糖単位はD−グルコサミンのC6および/またはC3位置においてならびにウロン酸のC2位置においてO−硫酸化されていてもよい(Heparin−binding proteins、H.Edward Conrad、1998年、1頁)。
先に示した通り、ヘパリンは動物由来の硫酸化されたムコ多糖類の混合物である。天然のヘパリン類、すなわちビオチン化の前の出発ヘパリン類は「ヘパリン類」と呼ばれる。
本発明において使用されるヘパリン類は、特にウシ、ヒツジまたはブタ由来のものであればよく、より具体的にはウシの肺、ウシの腸粘膜、ブタの腸粘膜またはヒツジの腸粘膜に由来することができる。有利には、本発明において使用されるヘパリンはブタ由来のものであり、例えばブタの腸粘膜に由来する。
本発明によるビオチン化ヘパリンは、前記ヘパリンの構成多糖類の少なくとも60%、有利には少なくとも64%が、これらの還元性末端に−(R1)−Biot基への共有結合を有し、ヘパリンの元の構造とは無関係に上記で定義された式(I)に相当するものであり;有利には少なくとも前記ヘパリンの構成多糖類の少なくとも80%がこれらの還元性末端に−(R1)−Biot基への共有結合を有する。
本発明は薬剤として許容される塩のいずれの形態にあるビオチン化ヘパリンをも対象とする。
本発明の1つの主題は、以下のステップを含むことを特徴とする、上述のビオチン化ヘパリンを調製する方法でもある。
a)ヘパリンはヘパリナーゼ3を用いて処理されるステップと、
b)次いで上記で得られた生成物に対してアミン塩および還元剤の存在下で20から80℃の間の温度において還元的アミノ化が実行されるステップと、
c)最後にR1、iおよびBiotが上記式(I)に関して定義された通りである活性化された−(R1)−Biot基を用いて、水性媒体または有機媒体中の塩基の存在下でアシル化が実行されるステップ。
ヘパリンに基づく混合物の構成成分のヘパリナーゼ1、2および3の混合物の存在下での解重合の後の上記の調製方法の全ステップは、分析HPLCモニタリング、特にSAXタイプ、より詳しくはCTASAXタイプによって制御され得る。かかる分析モニタリングは、例えば特許出願US2005/0186679A1に記載されている方法を使用して実行され得る。
還元的アミノ化ステップb)の後に、前記ヘパリンの構成多糖類の少なくとも80%、有利には少なくとも90%がこれらの還元性末端に−NH官能基(還元的アミノ化された多糖類)を有していることが特に確認される。
アシル化ステップc)の後では、前記還元アミノ化された多糖の少なくとも80%、有利には少なくとも90%がビオチン化されていることが特に確認される。
したがって、本発明によるビオチン化ヘパリンを調製する方法の全収率は少なくとも60%であり、有利には少なくとも64%である。有利には、この収率は少なくとも80%である。
以下の用語は次の通りに定義される。
−ヘパリナーゼ1:フラボバクテリウム・ヘパリナム(Flavobacterium heparinum)由来の酵素ヘパリンリアーゼI(EC4.2.2.7)、
−ヘパリナーゼ2:フラボバクテリウム・ヘパリナム由来の酵素ヘパリンリアーゼII、
−ヘパリナーセ3:フラボバクテリウム・ヘパリナム由来の酵素ヘパリンリアーゼIII(EC4.2.2.8)。
ヘパリナーゼ3は、ヘパリンの多糖鎖のタンパク質への結合のための領域(グリコセリン)の除去を可能にし、鎖の還元性末端がグリコセリン残基を含まない鎖の生成を可能にする。ヘパリナーゼ1および2は、多糖鎖の低分子量の断片への開裂を可能にする(ヘパリン解重合反応)。
本発明による化合物を調製する方法は、出発ヘパリン(「天然」ヘパリン)として以前に文献において報告されている通りに調製されたヘパリンを使用する。特に刊行物「L’heparine,fabrication,structure,proprietes,analyses」、J.P Duclos、Masson刊、1984年が参照される。ヘパリンは特に特許出願US2005/0215519A1に記載されている方法によって調製され得る。
上記調製方法の還元的アミノ化ステップb)において、アミン塩は第四級アミン塩でよく;有利には式NHZに相当するハロゲン化アンモニウム塩であり、式中、Zはハロゲン原子、例えば塩素、フッ素、臭素またはヨウ素の原子を表す。
上記調製方法の還元的アミノ化ステップb)において、還元剤はボロハイドライド塩、例えばシアノボロハイドライド塩でよい。
上記調製方法の還元的アミノ化ステップb)において、温度は有利には50から80℃の間である。
上記調製方法のアシル化ステップc)において、塩基は炭酸塩または炭酸水素塩、特にナトリウムまたはカリウム塩形態であればよく、あるいは水溶性または有機溶解性の当業の熟練者に知られている有機塩基であってもよい。
上記調製方法のアシル化ステップc)において、「有機媒体」という用語は、例えば、ジクロロメタンまたはジメチルホルムアミドを意味する。
本発明によるビオチン化ヘパリンを調製する方法は、有利には以下のステップを含む:
a)ヘパリンがヘパリナーゼ3を用いて処理されるステップと、
b)上記で得られた生成物に対してハロゲン化アンモニウム塩およびボロハイドライド塩の存在下で50から80℃の間の温度において還元的アミノ化が実行されるステップと、
c)最後に、活性化されたエステル形態の上記で定義された−(R1)−Biot基を用いて、水性媒体中の塩基の存在下でアシル化が実行されるステップ。
上記で定義されたビオチン化された誘導体−(R1)−Biotは、あらかじめ形成されたまたは当業の熟練者に知られている標準的なカップリング条件を使用してその場で発生された活性化されたエステルの形態で直接アシル化反応において使用され得る。N−ヒドロキシスクシンイミド誘導体または3−スルホ−N−ヒドロキシスクシンイミド誘導体の形態の活性化されたエステルが特に使用され得る。
本発明による調製方法はスキーム1に例示されている。
Figure 2010518251
スキーム1によれば、ヘパリンは残っているタンパク質結合(すなわち天然または分解されたグリコセリン)を除去するためにヘパリン3を用いて処理され、グリコセリン残基を含まない還元性末端を含む化合物1を得る。このヘパリン(化合物1)は、次いでアミン塩およびボロハイドライド塩などの還元剤の存在下で還元的アミノ化を施されて遊離のアミン官能基を還元性末端に含有する化合物2を生成する。
この化合物は、次いで上記で定義された活性化されたビオチン誘導体−(R1)−Biotとの反応を経て、塩基の存在下でアシル化されてビオチン化された化合物3をもたらす。この反応は、例えば、R1が配列−CO−(CH−NH−CO−(CH−NH−を表す場合はエステル3−スルホスクシンイミジル6−ビオチンアミドヘキサノイルヘキサノエートのナトリウム塩と、R1が配列−CO−(CH−NH−を表す場合はエステル3−スルホスクシンイミジル6−ビオチンアミドヘキサノエートのナトリウム塩と、あるいはR1が存在しない場合は(i=0)ビオチノイル−3−スルホスクシンイミジルエステルのナトリウム塩と実行され得る。
スキーム1において、実際には多糖鎖の混合物のヘパリン誘導体としてあるものなので化合物1、2および3は仮想上の表現であることは理解される。
本文書の以下に、本発明によるビオチン化ヘパリンおよびこれらを得るために有用な様々な中間体の合成の実施例が例示のために詳述される。
以下の略称が使用される。
EPBヘパリン:Bioiberica社によって販売されているヘパリン;
HPLC:高性能液体クロマトグラフィー;
SAX:強アニオン交換クロマトグラフィー;
CTA:セチルトリメチルアンモニウム;
qs:−に足る量
LC:長鎖、6−アミノヘキサノイル配列に対応して;
スルホ−NHS:3−スルホスクシンイミジルエステルのナトリウム塩;
ヘパリナーゼ1:フラボバクテリウム・ヘパリナム由来のヘパリンリアーゼI酵素(EC4.2.2.7);
ヘパリナーゼ2:フラボバクテリウム・ヘパリナム由来のヘパリンリアーゼII酵素;
ヘパリナーゼ3:フラボバクテリウム・ヘパリナム由来のヘパリンリアーゼIII(EC4.2.2.8)。
1.1 ヘパリナーゼ3を用いる解重合によって精製されたEPBヘパリン:
20℃前後の温度において、粗製のEPBヘパリン1gをpH7.0±0.1、20mM塩化ナトリウムおよびBSA1mg/mlに調節された5mMのリン酸ナトリウム水溶液15ml中に溶解させる。ヘパリナーゼ3の0.5IUをヘパリン溶液に加える。得られる反応混合物を5日間攪拌する。塩化ナトリウム1gおよびメタノール45mlを反応混合物に加える。得られる懸濁液を0.45μmの膜を通してろ過する。ケーキをメタノールおよびジエチルエーテルで洗浄し、次いで真空乾燥する。白色固体0.98gが得られる。観察される収率は98%である。
生成物は、ヘパリナーゼ1,2および3の混合物を用いる解重合によって制御することができ、特許出願US2005/0186679A1に記載されている方法を使用してHPLC−SAXによって分析することができる。結果は出発ヘパリン中に存在するグリコセリン種の少なくとも80%の消失を示している。
O(25℃、δ(ppm))中での多糖類混合物のH NMRスペクトル:主要シグナル:2.05(CHCO,s)、3.28(CH,m)、3.65(CH,m)、3.77(CH,m)、4.05(CH,m)、4.10(CH,s)、4.20(CH,s)、4.25(CH,d,12Hz)、4.35(CH,s)、4.42(CH,m)、4.88(CH,s)、5.22(CH,s)、5.42(CH,s)。
1.2 還元アミノ化されたヘパリナーゼ3を用いるヘパリン解重合:
ヘパリナーゼ3を用いて精製されたヘパリン0.5gを5M塩化アンモニウム水溶液中に溶解させる。ナトリウムシアノボロハイドライド0.5gをヘパリン溶液に加える。混合物を70℃に24時間維持する。溶液を20℃前後の温度まで冷却し、水(50mlになる量)で希釈し、次いでSephadex G10カラムで脱塩する。得られる画分をQ−Sepharoseカラムに注入する。生成物を水で希釈し、次いで過塩素酸ナトリウムのグラジエントで希釈する。得られた生成物をSephadex G10のカラムで脱塩し、次いで凍結乾燥する。白色の凍結乾燥物444mgが得られる。観察される収率は89%である。この生成物は、これ以上の精製をすることなく、次のアシル化ステップにおいて使用する。
O(25℃、δ(ppm))中での多糖類混合物のH NMRスペクトル:主要シグナル:2.05(CHCO,s)、3.28(CH,m)、3.65(CH,m)、3.77(CH,m)、4.05(CH,m)、4.10(CH,s)、4.20(CH,s)、4.25(CH,d,12Hz)、4.35(CH,s)、4.42(CH,m)、4.88(CH,s)、5.22(CH,s)、5.42(CH,s)。
1.3 ビオチン化され還元的アミノ化された、ヘパリナーゼ3を用いて解重合されたヘパリン:
解重合され還元的アミノ化されたヘパリン200mgを0.5M炭酸水素ナトリウム溶液2ml中に20℃前後の温度で溶解させる。スルホ−NHS−LC−ビオチン37mgを得られた溶液に加える。得られた溶液を20℃前後の温度で1時間攪拌する。この溶液を0.5M炭酸水素ナトリウム溶液4mlで希釈する。スルホ−NHS−LC−ビオチン37mgを加えて、得られた混合物を2時間攪拌する。さらにスルホ−NHS−LC−ビオチン37mgを加えて、反応混合物を16時間攪拌する。得られた反応媒体を水(200mlになる量)で希釈し、0.45μmの膜でろ過してQ−Sepharoseカラムに注入する。生成物を水で、次いで過塩素酸ナトリウムのグラジエントで溶離する。得られた生成物をSephadex G10のカラムで脱塩し、次いで凍結乾燥する。白色の凍結乾燥物188mgが得られる。観察される収率は94%である。
生成物は、ヘパリナーゼ1,2および3の混合物を用いる解重合によって制御することができ、特許出願US2005/0186679A1に記載されている方法を使用してHPLC−SAXによって分析することができる。
O(25℃、δ(ppm))中での多糖類混合物のH NMRスペクトル:主要シグナル:1.3−1.8(CHビオチン,m)、2.05(CHCO,s)、2.25(CHCOビオチン,t,7Hz)、2.79(1H,d,12Hz)、3.00(1H,dd,12−5Hz)、3.20(NCHビオチン,m)、3.30(CH,m)、3.68(CH,m)、3.80(CH,m)、4.05(CH,m)、4.10(CH,s)、4.20(CH,s)、4.25(CH,m)、4.35(CH,s)、4.45(CH,m)、4.63(NCHビオチン,m)、4.85(CH,s)、5.22(CH,s)、5.42(CH,s)。
2.1 US2005/0215519A1によって得られるヘパリン、ヘパリナーゼ3を用いる解重合:
20℃前後の温度でUS2005/0215519A1によるヘパリン1gを、pH7.0±0.1、20mM塩化ナトリウムおよびBSA1mg/mlに調節された5mMリン酸ナトリウム水溶液15ml中に溶解させる。ヘパリナーゼ3の0.5IUをヘパリン溶液に加える。得られる反応混合物を7日間攪拌する。塩化ナトリウム1gおよびメタノール45mlを反応混合物に加える。得られる懸濁液を0.45μmの膜を通してろ過する。ケーキをメタノールおよびジエチルエーテルで洗浄し、次いで真空乾燥する。白色固体0.96gが得られる。観察される収率は96%である。
生成物は、ヘパリナーゼ1,2および3の混合物を用いる解重合によって制御することができ、US2005/0186679A1に記載されている方法を使用してHPLC−SAXによって分析することができる。結果は出発ヘパリン中に存在するグリコセリン種の少なくとも80%の消失を示している。
O(25℃、δ(ppm))中での多糖類混合物のH NMRスペクトル:主要シグナル:2.05(CHCO,s)、3.28(CH,m)、3.65(CH,m)、3.77(CH,m)、4.05(CH,m)、4.10(CH,s)、4.20(CH,s)、4.25(CH,d,12Hz)、4.35(CH,s)、4.42(CH,m)、4.88(CH,s)、5.22(CH,s)、5.42(CH,s)。
2.2 ヘパリナーゼ3を用いて解重合され還元的アミノ化された、米国特許出願公開第2005/0215519号によるヘパリン:
ヘパリナーゼ3で処理されたUS2005/0215519A1によるヘパリン0.5gを5M塩化アンモニウム水溶液20ml中に溶解させる。ナトリウムシアノボロハイドライド0.5gをヘパリン溶液に加える。混合物を70℃に24時間維持する。溶液を20℃前後まで冷却し、水(50mlになる量)で希釈し、次いでSephadex G10のカラムで脱塩する。画分を集めて凍結乾燥する。白色の凍結乾燥物446mgが得られる。観察される収率は89%である。この生成物は、これ以上の精製をすることなく、次のアシル化ステップにおいて使用する。
O(25℃、δ(ppm))中での多糖類混合物のH NMRスペクトル:主要シグナル:2.05(CHCO,s)、3.28(CH,m)、3.65(CH,m)、3.77(CH,m)、4.05(CH,m)、4.10(CH,s)、4.20(CH,s)、4.25(CH,d,12Hz)、4.35(CH,s)、4.42(CH,m)、4.88(CH,s)、5.22(CH,s)、5.42(CH,s)。
2.3 ビオチン化され還元的アミノ化された、ヘパリナーゼ3を用いて解重合されたUS2005/0215519A1によるヘパリン:
還元的アミノ化された解重合されたヘパリン200mgを0.5M炭酸水素ナトリウム溶液2ml中に20℃前後の温度で溶解させる。スルホ−NHS−LC−ビオチン37mgを得られた溶液に加える。溶液を20℃前後の温度で1時間攪拌する。得られた懸濁液を0.5M炭酸水素ナトリウム溶液4mlで希釈する。スルホ−NHS−LC−ビオチン37mgを加え、混合物を2時間攪拌する。さらにスルホ−NHS−LC−ビオチン37mgを加え、反応混合物を16時間攪拌する。得られた反応媒体を水(200mlにする量)で希釈し、0.45μmの膜を通してろ過してQ−Sepharoseのカラムに注入する。生成物を水および次いで過塩素酸ナトリウムのグラジエントで溶離する。得られた生成物をSephadex G10のカラムで脱塩し、次いで凍結乾燥する。白色の凍結乾燥物188mgが得られる。観察される収率は94%である。
生成物は、ヘパリナーゼ1,2および3の混合物を用いる解重合によって制御することができ、特許出願US2005/0186679A1に記載されている方法を使用してHPLC−SAXによって分析することができる。
O(25℃、δ(ppm))中での多糖類混合物のH NMRスペクトル:主要シグナル:1.3−1.8(CHビオチン,m)、2.05(CHCO,s)、2.25(CHCOビオチン,t,7Hz)、2.79(1H,d,12Hz)、3.00(1H,dd,12−5Hz)、3.20(NCHビオチン,m)、3.30(CH,m)、3.68(CH,m)、3.80(CH,m)、4.05(CH,m)、4.10(CH,s)、4.20(CH,s)、4.25(CH,m)、4.35(CH,s)、4.45(CH,m)、4.63(NCHビオチン,m)、4.85(CH,s)、5.22(CH,s)、5.42(CH,s)。
本発明による化合物を、生化学的研究および薬剤学的研究の対象とした。
抗第IIa因子活性および抗第Xa因子活性の測定
ヒト血漿中または緩衝系中の抗第IIa因子(抗FIIa)活性および抗第Xa因子(抗FXa活性)を発色法によって解析する:抗第IIa因子活性は、発色基材S−2238、α−トロンビンおよびヒトATIII(アンチトロンビンIII)を含有するActichromeヘパリン抗第IIa因子キット(American diagnostica)によって試験する。抗FXa活性は自動化された凝固測定器ACL 7000(Instrumentation Laboratory)を用いて、ATIII、第Xa因子および発色基材S−2765を含有するHeparin kit(Instrumentation Laboratory)を使用して測定する。2つの分析は製造者の取扱説明書に従って実施する。
ビオチン化ヘパリン画分のヒト血漿および緩衝系中におけるインビトロ活性を測定するための標準較正曲線を確定するために以下の標準を使用する:
−第1 低分子量ヘパリンのための国際標準(National Institute for Biological Sandards and Control、London、UK、1987年制定、コード番号85/600)、
−第2 低分子量ヘパリンのための国際標準(National Institute for Biological Sandards and Control、London、UK、1987年制定、コード番号01/608、2006年6月から使用)
−エノキサパリン(Clexane(登録商標)、sanofi−aventis、France)が内部標準として使用された。
抗FIIa活性の測定のために、サンプルまたは国際低分子量ヘパリン標準10μlをヒト血漿中のアンチトロンビンまたは0.05MのトリスHCl、0.154MのNaClを含有するpH7.4の緩衝系中に希釈する。この溶液10μlを96ウェルのマイクロ滴定プレートに加える。測定は三重に繰り返す(3つのウェル上で)。マイクロ滴定プレートは、300rpmで揺動させながら37℃に維持する。それぞれのウェルにトロンビン40μlを加えて、正確に2分間インキュベートする。Spectrozyme40μlを加える。90秒後に酢酸40μlを加えることによって反応を停止させる。吸収をSpectraMax 340(Molecular Devices)を使用して405nmにおいて測定する。
抗FXa活性測定のために、サンプルまたは国際低分子量ヘパリン標準をヒト血漿中または0.05MのトリスHCl、0.154MのNaClを含有するpH7.4の緩衝系を用いて希釈する。血漿または緩衝液中のヘパリノイドを含有するサンプルを、ATIIIを含有するワーキング緩衝液を用いて再度1:20に希釈し、プローブローター中に二重に入れる。第Xa因子試薬および発色基材を自動凝固測定器ACL 7000の指示された容器に注ぎ入れる。
抗FXa活性の測定は、ACL 7000ソフトウェア中に統合されている「ヘパリン」手順を用いて実施する。分析中は、(ワーキング緩衝液で希釈された)サンプル50μlを第Xa因子試薬50μlと混合する。37℃で60秒間のインキュベーション時間後、濃度1.1mMの発色基材50μlを加えて吸収の変化を時間の関数として波長405nmにおいて測定する。
得られた結果を、下表に特に記載する。
Figure 2010518251
したがって、本発明によるビオチン化ヘパリンの抗FXa活性が保存されることが、出発天然ヘパリンとの比較によって分かる。
本発明によるビオチン化ヘパリンは、薬剤の調製のために使用され得る。これらは特に抗血栓薬剤として使用され得る。したがって、もう1つの態様によれば、本発明の1つの主題は上記で定義されたビオチン化ヘパリンを含む薬剤である。これらの薬剤は、治療法において、特に静脈血栓、動脈血栓発作における治療および予防において、特に心筋梗塞または不安定狭心症、末梢動脈血栓症、例えば下肢動脈症、脳動脈血栓症および脳卒中などの事例において用途がある。これらは平滑筋細胞の増殖、血管形成の予防および治療において、またアテローム性動脈硬化症および動脈硬化症のための神経保護薬としても有用である。
もう1つの態様によれば、本発明は上述の病変を治療するための方法にも関し、この方法は本発明による化合物またはこれらの薬剤として許容される塩の有効な投与量の患者への投与を含む。上記において定義されたビオチン化ヘパリンの上述の病変を治療および予防するための使用は、前記ビオチン化ヘパリンのこれらの病変を治療または予防するための薬剤の製造のための使用と同様に、本発明の部分を形成する。
もう1つの態様によれば、本発明の1つの主題は、有効主剤として、本発明によるビオチン化ヘパリンまたはこの薬剤として許容される塩および少なくとも1つの薬剤として許容される不活性な賦形剤を含む薬剤組成物である。前記賦形剤は所望の薬剤形態および投与の態様、例えば経口、舌下、皮下、筋肉内、静脈内、経皮、経粘膜、局所または直腸内などの経路、によって選択される。
それぞれの投与単位中に、有効主剤は、所望の予防的または治療上の効果を得るための、想定される1日投与量に適した量で存在する。それぞれの投与単位は有効剤を25から150mg、好都合には30から100mg含有し得る。これらの抗凝固化合物はアビジンまたはストレプトアビジンを用いて中和され得る。
より高いまたはより低い投与量が適切である特殊な事例があり得る;かかる投与量は本発明に関する状況を外れるものではない。通常の慣行によれば、それぞれの患者にとって適当な投与量は投与の態様および前記患者の体重や反応に照らして医師によって決定される。
本発明による化合物は、所望の治療のために有用な1つまたは複数の他の有効剤、例えば抗血栓剤、抗凝固剤または抗血小板凝集剤などとの組合せにおいても使用され得る。
本発明の1つの主題は、本発明によるビオチン化ヘパリンを中和することを可能にすることを特徴とするアビジンまたはストレプトアビジンを使用する方法でもある。したがって、アビジンまたはストレプトアビジンは、本発明によるビオチン化ヘパリンを中和するための薬剤の調製のために使用され得る。

Claims (17)

  1. ビオチン化ヘパリンであって、前記ヘパリンの構成多糖類がこれらの還元性末端に−(R1)−Biot基への共有結合を有すること、および一般式(I)
    Figure 2010518251
    [式中、
    −iは、0または1に等しく、
    −R1は、式(a)または(b)の配列を表し、
    Figure 2010518251
    [式中、jおよびkは、同一でありまたは異なって、1から10のいずれかの値を取り得る整数である。]、
    −Biotは、ビオチン基またはビオチン誘導体を表し、
    −nは、15000Daの平均分子量を有するヘパリンについて約25の平均値を有する整数を表し、
    −Xは、HまたはSONaを表し、
    −Yは、COCHまたはSONaを表し、
    −波線は、これらが結合しているピラノース環の面の下または上のいずれかに位置する結合を意味する。]
    に相当することを特徴とする、ビオチン化ヘパリンおよびこれらの薬剤として許容される塩。
  2. iが0に等しいことを特徴とする、請求項1に記載のヘパリンおよびこれらの薬剤として許容される塩。
  3. iが1に等しいこと、およびR1が式(a)の配列を表し、式中、jは5に等しいことを特徴とする、請求項1に記載のヘパリンおよびこれらの薬剤として許容される塩。
  4. iが1に等しいこと、およびR1が式(b)の配列を表し、式中、jとkが同一であり5に等しいことを特徴とする、請求項1に記載のヘパリンおよびこれらの薬剤として許容される塩。
  5. Biotが式(c)
    Figure 2010518251
    のビオチン基を表すことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のヘパリンおよびこれらの薬剤として許容される塩。
  6. 前記ヘパリンの構成多糖類の少なくとも64%がこれらの還元性末端に−(R1)−Biot基への共有結合を有することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のヘパリンおよびこれらの薬剤として許容される塩。
  7. 前記ヘパリンの構成多糖類の少なくとも80%がこれらの還元性末端に−(R1)−Biot基への共有結合を有することを特徴とする、請求項6に記載のヘパリンおよびこれらの薬剤として許容される塩。
  8. 前記ヘパリンがブタ由来のものであることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のヘパリン。
  9. 前記ヘパリンがブタ腸粘膜に由来することを特徴とする、請求項8に記載のヘパリン。
  10. 請求項1から9の一項に記載のビオチン化ヘパリンを調製する方法であって、下記の
    a)ヘパリンがヘパリナーゼ3を用いて処理されるステップ、
    b)上記で得られた生成物に対してアミン塩および還元剤の存在下で20から80℃の間の温度において還元的アミノ化が実行されるステップ、
    c)最後にR1、iおよびBiotが請求項1から5のいずれか一項において定義されたとおりである活性化された−(R1)−Biot基を用いて水性媒体または有機媒体中の塩基の存在下でアシル化が実行されるステップ
    を含むことを特徴とする、方法。
  11. 下記の
    a)ヘパリンがヘパリナーゼ3を用いて処理されるステップ、
    b)上記で得られた生成物に対してハロゲン化アンモニウム塩およびボロハイドライド塩の存在下で50から80℃の間の温度において還元的アミノ化が実行されるステップ、
    c)最後に活性化されたエステル形態の−(R1)−Biot基を用いて水性媒体中の塩基の存在下でアシル化が実行されるステップ
    を含むことを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  12. 請求項1から9のいずれか一項に記載のビオチン化ヘパリンまたは前記ビオチン化ヘパリンの薬剤として許容される塩を含むことを特徴とする薬剤。
  13. 有効主剤として請求項1から9のいずれか一項に記載のビオチン化ヘパリンまたは前記ビオチン化ヘパリンの薬剤として許容される塩および少なくとも1つの薬剤として許容される賦形剤を含むことを特徴とする医薬組成物。
  14. 請求項1から9のいずれか一項に記載のビオチン化ヘパリンの抗血栓薬剤としての使用。
  15. 静脈血栓、動脈血栓発作、特に心筋梗塞または不安定狭心症、末梢動脈血栓症、例えば下肢動脈症、脳動脈血栓症または脳卒中などを治療および予防するための、平滑筋細胞の増殖、血管形成を治療および予防するための、およびアテローム性動脈硬化症および動脈硬化症のための神経保護薬としての、請求項14に記載の使用。
  16. アビジンまたはストレプトアビジンを使用する方法であって、請求項1から9のいずれか一項に記載のビオチン化ヘパリンを中和することを可能にすることを特徴とする、方法。
  17. 請求項1から9のいずれか一項に記載のビオチン化ヘパリンを中和するための薬剤の調製のための、アビジンまたはストレプトアビジンの使用。
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