本発明の幾つかの実施形態は、環境条件を超える温度で少なくとも約7日間コンテナを貯蔵することおよび貯蔵後のコンテナについて放出試験を実施することを含む、医薬製品を製造する方法を提供する。この方法により製造された製品は、薬剤製品寿命にわたる環境条件および加速安定性条件で、より不変の微粒子サイズ分布(FSD)および微粒子の割合(FPF)を有する。有利なことに、そのような製品は、米国食品医薬品局(USFDA)などの規制当局により、承認薬剤製品に対して要求される試験要件を、より信頼性をもって且つ法規に合って合格することができる。それに加えて、そのような薬剤製品は、FSDまたはFPFの変化が生じ得る製品に関する安全性および有効性の懸念を回避する。これらの方法は、環境条件で、典型的には約2年である製品寿命を通して、実質的に同じ微粒子分布および微粒子の割合を呈する薬剤製品を提供する。コンテナは、少なくとも1種の活性医薬、場合により噴射剤および場合により賦形剤を含む懸濁液または溶液を含むことができる。幾つかの実施形態において、APAは、エタノールに少なくとも部分的に可溶である。
本発明の種々の局面は、少なくとも1種の活性医薬を含む懸濁液または溶液を含むコンテナを調製すること、およびコンテナを貯蔵することを含む、医薬製品を製造する方法を提供する。コンテナの貯蔵は、環境条件を超える温度で少なくとも約7日間であってもよい。あるいは、コンテナの貯蔵は、環境条件を超える温度で約3日の期間、続いて環境条件において約3日間コンテナを貯蔵し、少なくとも1つのAPAが、環境条件で貯蔵されたときに、約2カ月と約2年の間のある期間などの期間を通して、実質的に同じままである微粒子サイズ分布および/または微粒子の割合を有するまで、望むままにそのような貯蔵を繰り返すことであってもよい。コンテナは、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパンまたはそれらの組合せなどの噴射剤、および場合により賦形剤も含むことができる。この方法は、貯蔵後のコンテナについて放出試験を実施することをさらに含んでもよい。
本発明の他の局面は、この方法により生産された医薬製品を提供する。薬剤製品の粒子サイズ分布は、長期間にわたって実質的に同じままであることが見出された。幾つかの実施形態において、少なくとも1種の活性医薬は、フランカルボン酸モメタゾンおよびフマル酸ホルモテロールを含む。有用な任意選択の賦形剤は、共溶媒、界面活性剤およびそれらの組合せを含む。種々の実施形態において、エタノールは賦形剤として含まれる。
本発明の追加の実施形態は、定量吸入器のコンテナ、または鼻用スプレーコンテナなどのスプレー吸入器などのコンテナを含む薬剤製品を提供する。コンテナは、医薬製剤を含む。製剤は、噴射剤および場合により1種以上の賦形剤、ならびに少なくとも1種の活性医薬を含むことができる。幾つかの実施形態において、APAは、環境条件で貯蔵されたときに、製造日から約6カ月間などの期間にわたって実質的に同じままである微粒子サイズ分布を有する。種々の実施形態が、エタノール、および1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパンなどの噴射剤を含むMDIコンテナを有する薬剤製品を提供する。他の実施形態は、1種以上の賦形剤を含む鼻用スプレー吸入器のコンテナを提供する。幾つかの特定の実施形態において、少なくとも1つのAPAはコルチコステロイドを含む。
有用な賦形剤はエタノールを含む。エタノールは、それが、共溶媒を必要とするAPAのための共溶媒として作用し得るので、有用な賦形剤である。エタノールは、APAを濡らすことに役立ち、表面張力を低下させてAPAの溶解を助け、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパンなどの噴射剤の存在中に置かれたときに、懸濁液の調製を可能にすることができる。幾つかの実施形態において、少なくとも1つのAPAは、エタノールに少なくとも部分的に可溶である。エタノールに少なくとも部分的に可溶とは、エタノールに非常によく溶けるAPAならびにエタノールに部分的に可溶なAPAを含む。エタノールを含む薬剤製品は、振盪後長期間にわたってより良好な懸濁液のままであることが可能であるという点において、より堅牢であると見なすことができる。
環境条件とは、典型的には、約20℃と25℃の間の温度範囲を指す。実質的に同じとは、微粒子サイズ分布の変化が、約20%を超えない、好ましくは約15%を超えない、より好ましくは10%を超えない、およびさらにより好ましくは約5%を超えないときを指す。
他の実施形態は、少なくとも1種の活性医薬、エタノール、噴射剤を含む、定量吸入器のコンテナを含む薬剤製品を提供する。少なくとも1種の活性医薬は、環境条件で貯蔵されたときに、製造日から少なくとも約3カ月間の期間にわたって実質的に同じままである微粒子の割合を有し得る。少なくとも1種の活性医薬は、フランカルボン酸モメタゾンおよび場合によりフマル酸ホルモテロールを含むことができる。環境条件は、約20℃と25℃の間の温度を含むと見なされる。望ましくは、微粒子の割合は、約20%を超えて、または約15%を超えて、または約10%を超えて、または約5%を超えて変化することがない。有用な賦形剤は、共溶媒、界面活性剤、担体およびそれらの2つ以上の組合せを含む。より具体的に、有用な賦形剤は、ラクトース、レシチン、オレイン酸およびそれらの2つ以上の組合せを含む。
本発明の種々の実施形態は、薬剤製品をある期間貯蔵することにより、薬剤製品を安定化する方法を提供する。薬剤製品は、環境条件を超える温度で少なくとも約7日の期間、少なくとも1種の活性医薬を含む懸濁液または溶液を含む定量吸入器コンテナを含むことができる。
有用な貯蔵期間は、40℃/環境RHにおける少なくとも約2週間から少なくとも約10週間を含む。より具体的に、有用な安定化期間は、少なくとも(at lease)約2、3、4、5、6、7、8、9または約10週間を含む。1つの特に有用な安定性期間は、少なくとも約6週間である。適当な貯蔵または安定化期間は、約2、3、4、5または6週間の期間をさらに含む。追加の有用な貯蔵期間は、少なくとも約2週間、少なくとも約3週間、少なくとも約4週間、約5週間、少なくとも約6週間の期間を含む。貯蔵ステップは、定量吸入器について放出試験が実施される前に行われてもよい。
有用な貯蔵温度は、環境条件を超える温度を含む。特に有用な温度は、約30℃と約60℃の間、約35℃と約45℃の間の温度、約30℃、約35℃または約40℃を含む。1実施形態において、貯蔵条件は、約40℃の温度における少なくとも2週間の期間である。他の実施形態において、貯蔵条件は、約4、約5または約6週間の間の約40℃の温度である。
種々の実施形態において、貯蔵は、環境温度を超える温度で約3日など数日間、および次いで環境条件で3日など数日間製品が貯蔵されてもよい繰り返し手順で実施し、環境条件で約6カ月間などの期間にわたって、微粒子サイズ分布が実質的に同じであるようになるまで、望むままに繰り返すことができる。環境温度を超える有用な温度は、約30℃から約60℃、約30℃から約50℃、約35℃から約45℃および約40℃を含む。
有用な活性医薬は、抗コリン薬、コルチコステロイド、長時間作用型βアゴニスト、ホスホジエステラーゼIV阻害剤およびそれらの組合せを含む。そのようなAPAは、呼吸器の、炎症性の、または閉塞性気道疾患の予防または治療に有用であり得る。具体的に、有用な活性医薬は、フランカルボン酸モメタゾン、フマル酸ホルモテロールおよびそれらの組合せを含む。
有用なコルチコステロイドは、フランカルボン酸モメタゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、ブデソニド、フルチカゾン、デキサメタゾン、フルニソリド、トリアムシノロン、(22R)−6α,9α−ジフルオロ−11β,21−ジヒドロキシ−16α,I7α−プロピルメチレンジオキシ−4−プレグネン(pregnen)−3,20−ジオン、チプレダン、またはそれらの薬学的に許容される塩、異性体もしくは水和物を含む。エタノールに部分的に可溶である有用なコルチコステロイドは、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、フルニソリド、トリアムシノロン、フランカルボン酸モメタゾンを含む。
吸入器の開発中に、製造工程に貯蔵ステップを加えることにより、環境条件(環境温度および環境相対湿度の両方)で、粒子サイズ分布が、長期間にわたって有意に変化しないことが見出された。
いかなる理論にも制約されず、若干量のエタノールおよび、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン、またはそれらの組合せなどの噴射剤、およびエタノールに部分的に可溶な少なくとも1つのAPAを含むMDIコンテナを有する薬剤製品は、ある期間で、微粒子サイズ分布がより変化しやすい可能性があると考えられる。したがって、エタノールに部分的に可溶なAPAは、オストワルド熟成の危険性がより高い可能性がある。種々の実施形態が、エタノール、および1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン、またはそれらの組合せなどの噴射剤およびエタノールに若干の溶解性を有する少なくとも1つのAPAを含むMDIコンテナを有する薬剤製品を提供する。エタノールに部分的に可溶なAPAは、トリアムシノロン、フルニソリド、ベクロメタゾンおよびフランカルボン酸モメタゾンを含むが、これらに限定されない。
したがって、本発明の種々の局面は、少なくとも1種の活性医薬と、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパンおよびそれらの組合せからなる群から選択される噴射剤と、場合により賦形剤とを含む懸濁液または溶液を含むコンテナを調製すること;環境条件を超える温度で少なくとも約7日間、前記コンテナを貯蔵することを含む、医薬製品を製造する方法を提供する。
有用な貯蔵または安定化期間は、40℃/環境RHにおける少なくとも約2週間から少なくとも約10週間を含む。より具体的に、有用な安定化期間は、少なくとも(at lease)約2、3、4、5、6、7、8、9または約10週間を含む。1つの特に有用な安定性期間は少なくとも約6週間である。適当な貯蔵または安定化期間は、約2、3、4、5または6週間の期間をさらに含む。それに加わる有用な貯蔵期間は、少なくとも約2週間、少なくとも約3週間、少なくとも約4週間、約5週間、少なくとも約6週間の期間を含む。貯蔵ステップは、定量吸入器について放出試験が実施される前に行われてもよい。
有用な貯蔵温度は、環境条件を超える温度を含む。特に有用な温度は、約30℃と約60℃の間の温度、約35℃と約45℃の間の温度、約30℃、約35℃または約40℃を含む。1実施形態において、貯蔵条件は、約40℃の温度で少なくとも2週間の期間である。他の実施形態において、貯蔵条件は、約40℃の温度で約4、約5または約6週間である。
種々の実施形態において、貯蔵は、環境温度を超える温度で約3日など数日間、および次いで環境条件で3日など数日間製品が貯蔵され得る繰り返し手順で実施し、環境条件で約6カ月間などの期間にわたって、微粒子サイズ分布が実質的に同じままであるようになるまで、望むままに繰り返すことができる。環境温度を超える有用な温度は、約30℃から約60℃、約30℃から約50℃、約35℃から約45℃および約40℃を含む。
有用な活性医薬は、抗コリン薬、コルチコステロイド、長時間作用型βアゴニスト、ホスホジエステラーゼIV阻害剤およびそれらの組合せを含む。そのようなAPAは、呼吸器の、炎症性の、または閉塞性気道疾患の予防または治療に有用であり得る。
具体的に、有用な活性医薬は、フランカルボン酸モメタゾン、フマル酸ホルモテロールおよびそれらの組合せを含む。
有用なコルチコステロイドは、フランカルボン酸モメタゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、ブデソニド、フルチカゾン、デキサメタゾン、フルニソリド、トリアムシノロン、(22R)−6α,9α−ジフルオロ−11β,21−ジヒドロキシ−16α,17α−プロピルメチレンジオキシ−4−プレグネン(pregnen)−3,20−ジオン、チプレダン、またはそれらの薬学的に許容される塩、異性体もしくは水和物を含む。エタノールに部分的に可溶な有用なコルチコステロイドは、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、フルニソリド、トリアムシノロン、フランカルボン酸モメタゾンを含む。
有用な抗コリン薬は、(R)−3−[2−ヒドロキシ−2,2−(ジチエン−2−イル)アセトキシ]−1−1[2−(フェニル)エチル]−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン、グリコピロレート、臭化イプラトロピウム、臭化オキシトロピウム、硝酸メチルアトロピン、硫酸アトロピン、イプラトロピウム、ベラドンナ抽出物、スコポラミン、スコポラミンメトブロミド、メトスコポラミン、ホマトロピンメトブロミド、ヒヨスチアミン、イソプリオプラミド、オルフェナドリン、塩化ベンザルコニウム、臭化チオトロピウム、GSK202405、または上記の任意のものの薬学的に許容される塩、異性体もしくは水和物、または上記の2つ以上の組合せを含む。エタノールに部分的に可溶であることが知られている抗コリン薬は、イプラトロピウムおよびチオトロピウムを含むが、これらに限定されない。
有用な長時間作用型βアゴニストは、カルモテロール、インダカテロール、TA−2005、アルブテロール、テルブタリン、サルメテロール、ビトルテロール、ホルモテロール、フェノテロール、メタプロテネロール(metaprotenerol)、GSK159802、GSK642444、GSK159797、GSK597901、GSK678077、または上記の任意のものの薬学的に許容される塩、異性体もしくは水和物を含む。
有用なホスホジエステラーゼIV阻害剤は、シロミラスト、ロフルミラスト、テトミラスト、1−[[5−(1(S)−アミノエチル)−2−[8−メトキシ−2−(トリフルオロメチル)−5−キノリニル]−4−オキサゾリル]カルボニル]−4(R)−[(シクロプロピルカルボニル)アミノ]−L−プロリン、エチルエステルまたは上記の任意のものの薬学的に許容される塩、異性体もしくは水和物を含む。
NASONEX(登録商標)の活性成分であるフランカルボン酸モメタゾンは、9,21−ジクロロ−11(β),17−ジヒドロキシ−16(α)−メチルプレグナ−1,4−ジエン−3,20−ジオンl7−(2フロエート)という化学名を有する抗炎症コルチコステロイドである。この成分は、MDIの作動当たり約25から約500マイクログラムの量で存在することができる。この製品は、ニュージャージー州Kenilworth所在のSchering−Plough Corporationから入手できる。
フマル酸ホルモテロールは、選択的β2−アドレナリン作用性気管支拡張薬である。その化学名は、(±)−2−ヒドロキシ−5[(1RS)−1−ヒドロキシ−2−[[(1RS)−2−(4−メトキシフェニル)−1−メチルエチル]−アミノ(am ino)]エチル]ホルムアニリドフマレート二水和物である。この成分は、作動当たり約3から約50マイクログラムの量で存在し得る。この製品は、ニュージャージー州East Hanover所在のNovartis Corporationおよびニュージャージー州Kenilworth所在のSchering−Plough CorporationからFORADIL(登録商標)の商品名で市販されている。
当技術分野における噴射剤ベースの医薬エアロゾル製剤は、噴射剤として、液体クロロフルオロカーボンの混合物を通常使用するが、多くの他の噴射剤ベースの医薬エアロゾル製剤は単独の噴射剤を使用する。当技術分野で知られているように、噴射剤は活性薬剤および賦形剤の両方の媒体として役立つ。フルオロトリクロロメタン、ジクロロジフルオロメタンおよびジクロロテトラフルオロエタンは、吸入による投与のためのエアロゾル製剤において、最も一般に使用される噴射剤である。しかしながら、そのようなクロロフルオロカーボン(CFC)は、オゾン層の破壊に関係しているとされて、それらの製造は段階的に廃止されつつある。非CFC噴射剤は、多くのクロロフルオロカーボン噴射剤よりオゾンに対して有害でないと言われている。非CFC噴射剤系は、加圧定量吸入器に対する幾つかの基準に合致しなければならない。それらは、無毒性、安定、ならびに弁/アクチュエータ中で薬物および他の主成分と非反応性でなければならない。適当であることが見出された1つの噴射剤はCF3CHFCF3であり、HFA227、HFC227または1,1,1,2,3,3,3ヘプタフルオロプロパンとしても知られている。定量吸入器における使用のためのもう1つのそのような噴射剤は、CF3CH2Fであり、1,1,1,2−テトラフルオロエタンまたはHFA134aとしても知られている。
有用な製剤は、フランカルボン酸モメタゾン、および場合によりフマル酸ホルモテロール、液体賦形剤、および界面活性剤との組合せで、HFA227またはHFA134a、またはそれらの組合せを通常含むことができる。賦形剤は、噴射剤と薬物との適合性を助け、且つ放出圧も、許容される範囲、すなわち、絶対圧力約2.76〜5.52×105ニュートン/m2(40から80psi)、好ましくは絶対圧力3.45〜4.83×105ニュートン/m2(50から70psi)に低下させる。選択される賦形剤は、薬物と非反応性で、比較的無毒性でなければならず、且つ絶対圧力約3.45×105ニュートン/m2(50psi)未満の蒸気圧を有すべきである。
適当な賦形剤は、共溶媒、界面活性剤、担体およびそれらの組合せを含むが、これらに限定されない。より具体的に、有用な賦形剤は、エタノール、オレイン酸およびそれらの組合せを含む。
界面活性剤は、場合により添加してもよい。界面活性剤は、薬物と非反応性であり、且つ薬物、賦形剤および噴射剤の間の表面張力を実質的に低下させ、ならびに/または弁潤滑剤として作用する、任意の適当な無毒性化合物であってよい。有用な界面活性剤は、商品名MEDNIQUE6322およびEMERSOL6321で(オハイオ州Cincinnati所在、Cognis Corp.から)入手可能なオレイン酸、塩化セチルピリジニウム(ニュージャージー州Westwood所在、Arrow Chemical,Inc.から)、商品名EPIKURON200で(イリノイ州Decatur所在、Lucas Meyerから)入手可能なダイズレシチン、商品名ツイーン20で(デラウェア州Wilmington所在、ICI Specialty Chemicalsから)入手可能なポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート、商品名ツイーン60で(ICIから)入手可能なポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート、商品名ツイーン80で(ICIから)入手可能なポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート、商品名BRIJ76で(ICIから)入手可能なポリオキシエチレン(10)ステアリルエーテル、商品名BRIJ92で(ICIから)入手可能なポリオキシエチレン(2)オレイルエーテル、商品名TETRONIC150R1で(BASFから)入手可能なポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−エチレンジアミンブロックコポリマー、商品名PLURONIC L−92、PLURONIC L−121および(end)PLURONIC F68で(BASFから)入手可能なポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンブロックコポリマー、商品名ALKASURF CO−40で(カナダ、オンタリオ州Mississauga所在、Rhone−Poulencから)入手可能なエトキシル化ヒマシ油(castor oil ethoxylate)、およびそれらの組合せを含む。
適当な賦形剤は、−COOH基を末端として6〜12個の炭素原子、好ましくは8〜10個の炭素原子を有するアルキル基の鎖を指す「中鎖脂肪酸」を含む。「短鎖脂肪酸」という用語は、−COOH基を末端として4〜8個の炭素原子を有するアルキル基の鎖を指す。「アルコール」という用語は、メタノール、エタノールおよびイソプロパノールなどのC1〜C3アルコールを含む。
他の有用な賦形剤は、商品名MIGLYOL840で(ニュージャージー州Piscataway所在、Huls America,Inc.から)入手可能な、中鎖脂肪酸のプロピレングリコールジエステル、商品名MIGLYOL812で(Hulsから)入手可能な中鎖脂肪酸(fatty add)のトリグリセリドエステル、商品名VERTREL245で(デラウェア州Wilmington所在、E.I.DuPont de Nemours and Co.Inc.から)入手可能なペルフルオロジメチルシクロブタン、商品名OCTAFLUOROCYCLOBUTANEで(フロリダ州Gainsville所在、PCRから)入手可能なペルフルオロシクロブタン、商品名EG400で(ニュージャージー州Parsippany所在、BASFから)入手可能なポリエチレングリコール、メントール(コネチカット州Stanford所在、Pluess−Stauffer Internationalから)、商品名LAUROGLYCOLで(ニューヨーク州Elmsford所在、Gattefosseから)入手可能なプロピレングリコールモノラウレート、商品名TRANSCUTOLで(Gattefosseから)入手可能なジエチレングリコールモノエチルエーテル、商品名LABRAFAC HYDRO WL1219で(Gattefosseから)入手可能な中鎖脂肪酸(fatty add)のポリグリコール化グリセリド、エタノール、メタノールおよびイソプロパノールなどのアルコール、(Pluses−Stauffer Internationalから)入手可能なユーカリ油、およびそれらの組合せを含む。
ある最小レベルのエタノールが、計量投与ディスペンサー(metered dose dispenser)からの変動しない予測可能な薬剤送達を提供するために使用され得る。適当な最小レベルは、辛うじて許容される薬剤送達をもたらす全製剤の約1重量パーセントを含む。増加させた量のエタノールは、一般的に薬剤送達特性を改善する。しかしながら、製剤中における薬剤の結晶成長の防止を助けるために、エタノール濃度は限られ得る。
エタノールを含む製剤のために、適当量のエタノールを使用して、増量剤のスラリーを、有利に調製することができる。スラリーは、製剤の残りの部分にそれを添加するのに先だって、高圧均質化にかけられる。製造中に、ホルモテロールおよびモメタゾンは、通常、適当量のHFA134aおよび/またはHFA227と、適用可能または所望であればエタノール、すなわち、分散を助けるが、いずれの薬剤の過剰な部分的溶解も生じさせないような量のエタノールとを用いて最初は分散されて、冷濃厚液に調製される。この分散液は、通常は高せん断混合後、次いで沸点または沸騰範囲未満に冷却された液体形態の第2の適当量のHFA134aおよび/またはHFA227に加えられる。その後、(均質化された)増量剤スラリーが添加される。あるいは、薬剤分散液が添加される前に、増量剤スラリーを、第2の適当量の噴射剤に加えてもよい。界面活性剤が使用されるなら、それは、好ましくは、環境温度で適当量のエタノールに溶解されて、薬剤含有分散液または増量剤スラリーのいずれかに添加される。
計量投与弁などの従来の分配弁を備えたエアロゾルバイアルを有する製品が使用できる。従来のディスペンサーおよびエアロゾルバイアルは、懸濁液または溶液を入れるために使用できる。ガラスのエアロゾルバイアル、またはポリマー特にフルオロカーボンポリマーでコートされた内部表面を有する金属特にアルミニウムのバイアルを使用することができる。内部表面、特に弁の部材のそのような表面、またはディスペンサーの内部表面の全ては、ポリマー、特にフルオロカーボンポリマーでコートすることができる。適当なフルオロカーボンポリマーは、次のモノマーユニット:テトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、フッ化ビニリデン(PVDF)、および塩素化エチレンテトラフルオロエチレンの1種以上の多数で作製されるフルオロカーボンポリマーを含む。ペルフルオロカーボンポリマー例えばPTFE、PFA、およびFEPのような、フッ素の炭素に対する比較的高い比を有するポリマー。
弁は、例えば、ステンレス鋼、アセタール、ナイロンまたはポリブチレンテレフタレートで作製された放出口、およびニトリルまたはEPDMエラストマーで作製されたシールを備えた任意の適当な計量弁であってよい。
コンテナを調製する有用な方法は、冷充填法および加圧充填法を含む。例えば、有用な調製方法は、無水フランカルボン酸モメタゾンと、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパンおよびそれらの組合せからなる群から選択される、クロロフルオロカーボン(chlorfluorocarbon)を含まない噴射剤と、場合により、共溶媒、界面活性剤およびそれらの組合せからなる群から選択される賦形剤とを、圧力下に保たれた容器中に導入して、懸濁液または溶液を形成させるステップ;懸濁液または溶液を容器から充填ヘッドを含むラインを通して循環させるステップ;充填ヘッドを、前記定量吸入器コンテナの弁を通して定量吸入器コンテナと連絡させるステップ;ある量のこのような懸濁液または溶液を、ラインの充填ヘッドから定量吸入器コンテナの前記弁を通してコンテナ中に導入するステップ;定量吸入器コンテナから充填ヘッドを取り外すステップ;定量吸入器コンテナを密封するステップを含む。
表1および表2中の試料は、冷充填法によって調製した。冷充填法においては、冷却された噴射剤HFA227を冷却された計量容器(batching vessel)に加え、連続的に攪拌する。濃縮容器(concentrate vessel)中で、エタノールとオレイン酸の混合物を調製して、計量容器に加え、プラセボ混合物を形成させる。引き続き、プラセボ混合物の一部を、計量容器から予め冷却した冷濃縮容器に移す。活性医薬(複数可)を冷濃縮容器中の冷却された内容物に加えて混合する。濃縮物を冷濃縮容器中で混合し、次いで計量容器中に戻す。生じた製剤を連続的に混合して、約−50℃と約−60℃の間に保つ。所望量の製剤を、FEP内面コートアルミニウムカニスターなどの適当なカニスターの中に分配し、それを直ちに計量弁で密封する。ユニットは、重量検査を行い、熱ストレスをかける。ユニットを少なくとも1週間貯蔵して、弁を平衡させ、弁が正しく機能するか100%の機能を試験し、100%重量検査を行う。ユニットは、40℃/環境相対湿度で約4ないし約6週間の期間安定化させて、100%重量検査を行う。
表1に示したように、フマル酸ホルモテロールおよびフランカルボン酸モメタゾンに対するFPDは、40℃/環境RHにおける2週間経過で急速な(rAPAd)減少を示し、製品安定化期間中のその後の時点でレベルが下がる。
製品安定化プロファイルは、アンダーセン式カスケードインパクション(Anderson Cascade Impaction)(ACI)を使用して、空気力学的粒子サイズ分布(APSD)をモニターすることにより、APAについてFPDを分析することにより決定される。アンダーセンサンプラー(米国薬局方24モノグラフ<601>装置1)は次のようにして使用された。濾紙(ワットマン934−AH)を切り「F」段に合わせ、それをスタック中に組み込んだ。USPスロートを含めてスタックの残部を組み立てた。
試験は、初回ショットからなり、通常約4回の作動で、標準アクチュエータにより発射される。弁および内部バルブステムを水(30ml)、続いてエタノール(30ml)で清浄化して、徹底的に乾燥する。アンダーセンサンプラーが毎分28.3リットルで空気を引きながら、未使用試料アクチュエータを使用して投与量を分配した。これを、作動後5秒まで、グロメットで、USPスロートのポート中に密閉して保った。内容物を均一にするために記載された作動プロトコルを使用して、6回のショットを発射した。最終作動後30秒に、真空源のスイッチを切った。ユニットを秤量した。
バルブステム(内部を含む)、アクチュエータ、スロート(グロメットを含む)、0段および導入口コーン、プレート0〜2、プレート3〜5、プレート6〜7およびフィルタを適当な溶媒で別々にすすいだ。内容物を均一にするために、試料希釈剤を使用した。各洗浄液を高圧液体クロマトグラフィにより分析して、マイクログラムで各薬剤含有量を定量する。
表にしたパラメータの計算は次のようである:微粒子の割合(FPF)は、プレート3ないし7から分析されたAPA量を、弁およびアクチュエータを計算から除いて、インパクタの残部から回収されたAPA合計で割ることにより定量される。FPFは、肺などの所望の領域に送達され得る薬剤を表す値である。微粒子投与量は、プレート3ないし7およびフィルタから分析された薬剤である(マイクログラム)。平均の計量投与量は、全希釈剤試料からの薬剤回収の合計である(マイクログラム)。
フランカルボン酸モメタゾンおよびフマル酸ホルモテロール懸濁液を含むMDIの安定性試験中に、40℃/75%RHにおいて貯蔵後、平均微粒子分布(FPD)の低下が観察された。データは、6週間の試験時点におけるFPDの初期低下を示し、それは、その後、表1に示した後続時点を通して、安定なままであった。カスケードインパクタから回収された薬剤の合計における変化は、同じ期間を通して観察されなかった。
図1で見ることができるように、FPDの減少は、25℃/60RHにおける貯蔵後も観察されたが、程度は小さかった。26週間貯蔵後、フランカルボン酸モメタゾンについてのFPDは、40℃/75%RHで貯蔵されたときに6週間後に見られたのと同様なレベルに収束し、FPDは同じプラトーに安定化するが、速度の温度依存性は異なることを示した。
ACIデータは、製剤が、ある程度のオストワルド熟成を経た可能性があるという証拠を示した。オストワルド熟成とは、より大きい粒子より溶解性が高いより小さいサイズの粒子からより大きい粒子が成長することを指す。この過程において、より大きい粒子は、より小さい粒子を消費して成長し始める。その結果、より大きい微粒子の分布は増大し、それに対応して、より小さいサイズの微粒子分布は減少する。このことは、安定性について見られた、FPDにおいて観察された減少と矛盾しない。フランカルボン酸モメタゾンのACI析出プロファイルの例を図2に示す。
MDI中のAPAのAPSDおよびFPDの安定化に対する温度、湿度、および時間の効果を定量するために、検討を実施した。3つの異なった強度の試料を、40℃/環境RHおよび40℃/75%RHの貯蔵条件に置いた。0、2、4および6週間貯蔵後に、ACIを実施した。40℃/環境RHで貯蔵されたユニットについて、8週間後にさらなるACIを実施した。MDI中のフマル酸ホルモテロール5μgおよびフランカルボン酸モメタゾン200μgについてのFPDデータを、図3および図4に示す。図3および図4で見られるように、微粒子サイズ分布における変化は、フマル酸ホルモテロールよりもフランカルボン酸モメタゾンに対して起こりやすいようである。
フマル酸ホルモテロールおよびフランカルボン酸モメタゾンのFPDの性能において、40℃/75%RHおよび40℃/環境RHに対して得られたデータの組の間で差は認められず、FPD性能の安定化は、湿度により影響されないことが示された。全ての製品の強度は、FPD性能について類似の傾向を示した。したがって、相対湿度およびAPAの異なる量/濃度は、FPD性能の安定化に対して極小の効果を有すると思われる。図5および図6は、バッチ間差が存在しないかまたは極小であることを示す。
表3中の試料は、本明細書に組み込まれる米国特許出願第2004/0042973号に記載されたような加圧充填法などの加圧充填法を使用して調製される。加圧充填法においては、オレイン酸などの賦形剤とある分量のエタノールとをビーカー中で混合し、その後冷却された計量容器に加える。フマル酸ホルモテロールおよび次いでフランカルボン酸モメタゾンなどの活性医薬(複数可)を冷却された計量容器に加える。次いで、残っているエタノールを使用して、充填ポート(charging port)に付着しているいかなる残余APAも計量容器中にそそぎ入れる。十分なHFA−227噴射剤を計量容器に加えて、内在(in dwelling)ホモジナイザーの頭部を覆う。ホモジナイザー頭部が浸されたとき、ホモジナイザーのスイッチを入れて、製剤を全速で混合する。残存するHFA−277噴射剤を計量容器に連続的に加え、その間全速で混合する。噴射剤が全部加えられたら、ホモジナイザーの速度を落とす。製剤を混合して−5℃に冷却する。必要量の製剤を、計量弁に真空圧着することにより前もって密封してあったFEP内部コートアルミニウムカニスターなどのカニスター中に、計量室を通して加圧充填する。ユニットは、重量検査して、水浴中で熱ストレスをかける。ユニットを、少なくとも1週間貯蔵して弁を平衡させる。ユニットは、40℃/環境RHで6週間の間に安定化される。
表3の試料は、表2における試料の通りに試験した。表3および表4に示したように、フマル酸ホルモテロールおよびフランカルボン酸モメタゾンについてのFPFは、強化した安定性条件で試験した期間を通して、実質的に同じままである。
本発明の種々の実施形態の前記記載は、本発明の種々の局面の代表的なものであって、網羅的であること、または開示された詳細な形態に限定することは意図されていない。多くの修正および変形を当業者は思い付くであろう。本発明の範囲は、付記した特許請求の範囲によってのみ完全に定義されるべきことが意図されている。