JP2010517740A - 炭素担体担持金触媒、その製造方法及び有機化合物の酸化のための使用 - Google Patents

炭素担体担持金触媒、その製造方法及び有機化合物の酸化のための使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、担体をクロロ金酸前駆物質の水溶液又は懸濁液と接触させる、炭素担体上に担持された金触媒を製造する方法に関する。本発明はまた、炭素担体担持金触媒、並びにアルコール、アルデヒド、ポリヒドロキシ化合物及び炭水化物を酸化するためのその利用にも関する。

Description

本発明は多孔質炭素担体及びクロロ金酸前駆物質を用いた担体担持金触媒を製造する方法に関する。また本発明は炭素担体担持金触媒、並びに特にアルコール、アルデヒド、ポリヒドロキシ化合物及び炭水化物の酸化のためのその使用に関する。
とりわけ、アルコール、アルデヒド、ポリヒドロキシ化合物及び単糖、オリゴ糖及び多糖のような有機化合物の酸化のために使用することができる、高活性の安定した触媒が通常必要とされる。
グルコースの酸化のために、担体担持パラジウム及び白金触媒を使用することは知られている。しかし選択性と変換率が低いためその使用ははなはだ限られている。反応副生物は多くの場合、生成混合物からもはや分離されないか又は非常に分離しにくい。生成物の純度は精製可能性と関連している。多くの反応生成物は含まれる反応副生物をもはや分離できないという理由だけから、高純度とみなされる。場合によっては反応副生物自体が慣用の方法でまったく検出又は識別することができないこともある。
また吸着及び/又は触媒毒効果により触媒表面がブロッキングされることにより、しばしば触媒の比較的急速な失活が起こる。この効果はとりわけ担体材料としての炭素について知られている。周知のように生成混合物の精製のために活性炭が使用されるからである。
炭水化物から酸化物を工業的に生産するためには、依然として発酵法が使用されることが多いが、この方法は多額の設備費と廃水負荷を伴う。
この理由から、例えば酸化剤として酸素分子を使用してアルドン酸を製造するための、特に炭水化物の効果的な触媒酸化を可能にし、高い活性と選択性のほかに長い寿命も有する、新しいタイプの触媒を開発しなければならない。
担体に担持させた金触媒は周知である。この触媒は主としてCO及びプロペンの気相酸化及び選択的水素化のために使用される。また炭素に担持させた金触媒は液相でのD-グルコースのD-グルコン酸への選択的酸化にも使用される。炭素又は金属酸化物担体上にナノ分散分布させた金粒子を有する担体担持金触媒はドイツ特許公開DE10319917A1に開示されている。これはとりわけグルコース及びその他の炭水化物のC1-選択的酸化のために使用される。ところがこの触媒の活性は十分でない。
「incipient wetness(初期湿式)」法により担体を含浸することによる金触媒の製造方法は知られている。しかしこのような含浸法は文献で、活性の高い安定した金触媒の合成には不適当であると記述されている。このことはとりわけ、この方法では通常大きな金粒子(10 nm超)しか得られないとされることに起因する。
本発明の根底にある技術課題は、とりわけ、有機化合物、例えばアルコール、アルデヒド及びポリヒドロキシ化合物の酸化において改善された活性及び選択性を有する改良された担体担持金触媒及びその製造方法を提供することである。さらに本発明の根底には、先行技術の欠点を克服する、特にアルドン酸の製造のための、炭水化物の選択的かつ効率的な酸化方法を提供するという技術問題がある。
根底にある技術問題は、請求項1に係る、多孔質炭素担体及びクロロ金酸前駆物質から担体担持金触媒を製造するための方法を提供することによって解決される。その方法においては、工程a)において炭素担体を調製し、工程b)において担体をクロロ金酸前駆物質の水溶液又は懸濁液と接触させる。工程b)では、そこから、含浸触媒前駆体が得られ、次の工程c)でこの触媒前駆体を乾燥させる。本発明に係る方法は特に工程a)で担体を乾燥させ粉末化又は顆粒化した形態で又は成形体として調製し、工程b)でクロロ金酸前駆物質の水溶液又は懸濁液の体積を最大で担体の気孔体積に相当するように選択することを特徴とする。この体積は気孔体積より少なく選択することができるが、それより多くなるように選択することはできない。
担体の比気孔体積が不明の場合は、担体がそれ以上の体積の前駆物質溶液をもはや吸収できなくなるまで、前駆物質溶液を乾燥した担体に徐々に加えることによって、乾燥した担体に供給される前駆物質水溶液の体積を経験的に決定すればよい。これはとりわけ担体材料の濡れた外観が現れることで見分けることができる。各炭素担体の種類ごとに比吸収能(ml/触媒担体g)が示される。この比吸収能はとりわけ表面積/体積比、気孔サイズ及び炭素担体の乾燥度に依存する。「乾燥」とは、多孔質炭素担体が気孔体積に本質的に水分を含まず、気孔体積に前駆物質溶液を吸収することができることを意味するものとする。
特に好ましい変法では、工程a)〜c)が逐次2回以上行われる。代替変法では工程b)及びc)が同時に、即ち1つの反応バッチで互いに並行して、行われる。
好ましい実施形態では工程b)でクロロ金酸前駆物質を炭素担体にかき混ぜながら滴下することによって、炭素担体とクロロ金酸前駆物質の接触が行われる。好ましい変法では前駆物質を担体に吹きつけ、その際、担体をかき混ぜることが好ましい。担体と加えられた前駆物質をかき混ぜながら乾燥することが好ましい(工程c)。一変法では前駆物質と担体の接触がコーティングタンク又はペレット化皿で行われ、その際、滴下し又は吹きつけ、場合によっては同時に乾燥することが好ましい。別の変法では担体が流動床に存在し、前駆物質が流動床に送り込まれ、とりわけ吹き込まれ、その際担体は加えられる前駆物質とともに乾燥されることが好ましい(工程c)。
クロロ金酸前駆物質としてテトラクロロ金酸(HAuCl4)の酸水溶液、特に塩酸中の酸性溶液又は懸濁液を使用することが好ましい。その場合酸の濃度は0.1 mol/l〜12 mol/l、とりわけ1 mol/l〜4 mol/l、特に2 mol/lであることが好ましい。特に好ましい実施形態では最終的な前駆物質溶液のpH値は常に6若しくはそれ未満又は5若しくはそれ未満又は4若しくはそれ未満又は3若しくはそれ未満又は2若しくはそれ未満であり、最も好ましくは常に1若しくはそれ未満である。本発明に基づき使用される前駆物質溶液はとりわけ又は場合によっては、用途に応じて、さらに少なくとも1つの別の酸を含む。別の酸として、及び塩酸の代わりに、別の無機又は有機酸を使用できることはもちろんである。
前駆物質水溶液の調製のために、必要量のテトラクロロ金酸を酸水溶液に直接計り取って溶解することが特に好ましい。テトラクロロ金酸の溶解のために、とりわけ0.1 mol/l〜12 mol/l、1 mol/l〜4 mol/l、特に2 mol/lの濃度の塩酸水溶液を使用することが好ましい。
TEM測定が示したところでは、本発明に基づき製造された触媒は、驚いたことに10 nm未満、特に1 nm〜10 nm、とりわけ1 nm〜9 nm、特に1 nm〜5 nm又は実に1 nm〜2 nmという極めて微細で活動的な粒度を有する。「incipient wetness法」により炭素担体上に10 nmより著しく小さな粒度の触媒活性金粒子を調製することには、本発明者らが本発明の方法により初めて成功した。この結果は驚くべきものであり、関係文献の記述又は予想に反するものである。得られる金触媒は例えばグルコース又はラクトースの変換において、これまで得られなかった活性と選択性を示す。特に強酸性前駆物質溶液(例えばテトラクロロ金酸について、溶媒としてHCl 1Lあたり2 mol)を使用することによって、これまでで最も活性の高い炭素担体担持金触媒を調製することができた。本発明に基づき製造された触媒はグルコース酸化において約2000 mmol g/金属・分の活性を示す。
HAuCl4は水溶液中で安定でなく、加水分解される。連続的な複数の平衡状態:[AuCl4]、[AuCl3(OH)]、[AuCl2(OH)2]、[AuCl2(OH)]、[AuCl(OH)2]、[Au(OH)3]、[Au(OH)4]において、塩化物と水及び水酸基の連続交換が起こる。これらの平衡状態は時間依存性及びpH依存性である。十分に低いpH値によって加水分解を阻止又は影響を及ぼすことができる。
仮説に拘束されるものではないが、強酸性水溶液(2 mol/l HCl)中ではテトラクロロ錯体[AuCl4]が支配的である。この錯体の存在は、意外なことに、とりわけ、当該触媒前駆体の還元の際に極微細な粒子を安定化するという結果をもたらす。別の弱酸性溶液ではおそらく、塩化物イオンと水及び水酸化物イオンの連続交換が徐々に起こる。
工程c)で室温以上の温度、とりわけ60℃〜200℃、特に60℃〜100℃の温度で乾燥することが好ましい。
工程c)の後に好ましくは行われるさらなる工程d)においては触媒前駆体を還元することが好ましい。これは水素気流の中で行うことが好ましい。水素気流は5体積%〜15体積%、とりわけ10体積%の水素含有率を有することが好ましい。適用分野によっては、水素気流は場合によって少なくとも1つの不活性ガス、例えば窒素又は希ガスを含むことができる。特に水素気流は水素ガスと少なくとも1つの不活性ガスからなることが好ましい。あるいは還元を、液相還元として、適当な還元剤、例えば水素化ホウ素ナトリウム、ギ酸塩、炭水化物、ホルムアルデヒド又はヒドラジンを用いるそれ自体公知の方法で行うことができる。
本発明に基づく方法の好ましい実施形態では、工程a)〜c)、特に工程b)及びc)が逐次数回行われる場合は、その間に、とりわけ工程a)〜c)、特にb)及びc)を経る毎に、触媒前駆体が還元されるようにすることが好ましい(工程d)。
工程d)での還元は250℃以上の温度で行うことが好ましい。本発明に基づき還元は10分〜300分、とりわけ80〜120分行うことが好ましい。
また本発明に基づき担体及び/又はクロロ金酸前駆物質の水溶液又は懸濁液に少なくとも1つのドーピング添加物を加えることも意図する。このドーピング添加物はアルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類金属の酸化物から選ぶことが好ましい。ナトリウム、カリウム、セシウム、カルシウム、セリウム及び/又はサマリウムによるドーピングが特に好ましい。少なくとも1つのドーピング添加物を、0.01重量%〜1重量%の割合で加えることが好ましい。
そこで本発明のもう一つの目的は、濃度0.1 mol/l〜12 mol/l、とりわけ1 mol/l〜4 mol/l、特に2 mol/lの酸水溶液である溶媒中のテトラクロロ金酸(HAuCl4)の溶液若しくは懸濁液を含むか、又はそれからなる、クロロ金酸前駆物質の使用の提供である。酸は塩酸(HCl)であることが好ましい。塩酸は場合によっては少なくとも1つの別の酸と組み合わせることが好ましい。本発明に基づきこのクロロ金酸前駆物質は、炭素担体に担持させた金触媒を製造するために、とりわけ前記の方法により使用される。
また本発明のもう一つの目的は、上記の方法により製造可能な又は製造される炭素担体に担持させた金触媒の提供である。本発明に基づく触媒は特に担体上の金粒子の平均粒度がおおむね10 nm未満、とりわけ5 nm未満、特に1 nm〜2 nmであることを特徴とする。本発明に基づく触媒は0.01重量%〜10重量%、とりわけ0.01重量%〜2重量%、特に0.3重量%の金含有率を有することが好ましい。
最後に本発明のもう一つの目的は、特にアルコール、アルデヒド及びポリヒドロキシ化合物から選ばれる有機反応物の酸化のための上記の本発明の触媒の使用の提供である。本発明に基づき触媒は不均一触媒作用で使用することが好ましい。即ち触媒は固形形態で存在し、酸化される反応物は液相で存在し、例えば水溶液として存在する。その場合酸化のために好ましく使用される酸素分子はガスとして液相に通気され、激しい攪拌により液相に分散され、溶解される。触媒は好ましくは粉末又は顆粒形態で使用される。別の好ましい変法では成形体、例えば円柱体、中空円柱体、球体又は押し出し物が使用される。
好ましい実施形態では、少なくとも約10 mmol/l、とりわけ少なくとも約100 mmol/l、150 mmol/l、200 mmol/l、250 mmol/l、1000 mmol/l又は1500 mmol/lの割合で反応物を含む酸化すべき反応物又は反応混合物の水溶液又は懸濁液を調製する。続いて反応物水溶液に約10 mg/l〜10 g/lの量のとりわけ粉末状の本発明の触媒を加える。その場合1リットル当り約1gの触媒を使用することが好ましい。酸化すべき反応物の量と炭素担体上に存在する金の量の比は少なくとも約300〜400000、好ましくは少なくとも300、500、1000、2000、4000、10000、20000、50000、100000、200000又は400000であることが好ましい。
反応物又は反応混合物の酸化は7〜11、とりわけ8〜10のpH値で行うことが好ましい。20℃〜140℃、40℃〜90℃、とりわけ40℃〜80℃の温度を使用することが好ましい。圧力は約1バール〜約25バールであることが好ましい。酸素及び/又は空気を100 ml/(分×反応器容積L)〜10000 ml/(分×反応器容積L)、とりわけ500 ml/(分×反応器容積L)の給気率で反応物、混合物又は組成物の反応物水溶液に通気することが好ましい。
アルドースの酸化の際に本発明に基づく金触媒を用いてアルデヒド位に対して100%の選択性が生じることが示される。従って本発明に基づく金触媒はさらに炭水化物の選択的酸化に適している。これは特に炭水化物のC1炭素において酸化可能なアルデヒド基がカルボキシル基へと酸化され、一方、炭水化物の他の炭素原子のアルコール基は酸化されないことを意味するものとされる。従ってその結果とりわけアルドン酸が得られる。本発明に基づき好ましく使用される炭水化物は、C1炭素に酸化可能なアルデヒド基を有するアルドース、又はC1炭素原子に酸化可能なアルデヒド基を導入することができる2-ケトースであることが好ましい。アルドースのアルデヒド基の選択的酸化によってアルドン酸が得られる。従ってアルドースの混合物の選択的酸化により種々のアルドン酸の混合物が得られる。
そこで本発明は酸化可能なアルデヒド基を有する1又はそれ以上のアルドースの選択的酸化によるアルドン酸又は種々のアルドン酸の混合物の製造のための本発明に基づく触媒の使用にも関する。
そこで本発明は1又はそれ以上の2-ケトースを使用してアルドン酸又は種々のアルドン酸の混合物を製造するための使用にも関する。その場合1又はそれ以上の2-ケトースがまず酸化可能なアルデヒド基を持つ互変異性形態アルドースに変換され、次に触媒を使用することにより選択的に酸化される。
本発明によれば、酸化される炭水化物は単量体ポリヒドロキシアルデヒド又はポリヒドロキシケトン、即ち単糖、その二量体〜十量体、即ちオリゴ糖、例えば二糖、三糖等及び高分子多糖を包含する。本発明に関連して「単糖」とは、3〜7個の酸素官能基を有する一般化学式CnH2nOnの化合物を意味するものとされる。その場合天然単糖はおおむねヘキソース及びペントースである。単糖の炭素鎖は非分岐又は分岐である。「オリゴ糖」とは、脱水して2個〜10個の単糖分子が結合することによって得られる化合物を意味するものとされる。
特に単糖、例えばグルコース、ガラクトース、マンノース、キシロース及びリボース;並びに二糖アルドース、例えばマルトース、ラクトース、セロビオース及びイソマルトース;並びに二糖2-ケトース、例えばパラチノース;並びにデンプンシロップ及びマルトデキストリン;並びにこれらの炭水化物の混合物から選ばれた炭水化物の選択的酸化のためにこの触媒を使用することが好ましい。高い選択性に基づき、工業用シロップとして知られる、典型的なデンプンシロップを直接酸化することができる。
本発明に基づく方法を使用したグルコースの酸化により、酸化生成物としてグルコン酸が得られる。本発明に基づく方法を使用したガラクトースの酸化により、酸化生成物としてガラクトン酸が得られる。
別の好ましい実施形態では、酸化される炭水化物はオリゴ糖、特に二糖である。酸化される二糖はとりわけ二糖−アルドース、例えばマルトース、ラクトース、セロビオース又はイソマルトースである。本発明に基づき本発明の方法を使用したマルトースの選択的酸化により、酸化生成物としてマルトビオン酸が得られる。本発明に基づく方法を使用して、ラクトース酸化により酸化生成物として副生成物のないラクトビオン酸が得られる。
別の好ましい実施形態では、酸化されるオリゴ糖は二糖−ケトースである。酸化される二糖−ケトースは好ましくはパラチノース(イソマルツロース)である。酸化の前に本発明に基づきパラチノースを互変異性形態アルドースに変換し、その上でこれを酸化する。
発明の別の好ましい実施形態では、酸化される炭水化物はマルトデキストリンである。マルトデキストリンはデンプンの酵素分解によって得られる水溶性炭水化物、特にデキストロース等価体であって、これは無水グルコース2〜30単位、とりわけ5〜20単位の鎖長とマルトース分を有する。本発明に基づく方法を使用したマルトデキストリンの選択的酸化により、本発明に基づき、その組成に応じてオリゴ糖−アルドン酸に加えてマルトビオン酸分及びグルコン酸分を有する酸化生成物が得られる。
別の好ましい実施形態では、酸化される炭水化物はデンプンシロップである。デンプンシロップとは、デンプンから得られ、とりわけ精製水溶液として存在するグルコースシロップを意味するものとされ、その乾燥重量は通常少なくとも70%である。
別の好ましい実施形態では、酸化される炭水化物はフルフラールである。酸化されるフルフラールはとりわけヒドロキシメチルフルフラール(HMF)又はグリコシルオキシメチルフルフラール(GMF)である。
下記の実施例により発明を詳述する。なお実施例は限定的に解すべきでない。
実施例1:触媒の調製
クロロ金酸前駆物質の調製
必要量の結晶状のテトラクロロ金酸(Chempur社(50% Au))を、使用する担体量の最大で気孔体積に相当する体積の溶媒に溶解する。
前駆物質HAuCl4を塩酸、水及び水酸化カリウム溶液に溶解した、種々の触媒を調製した。さらに長時間貯蔵した前駆物質の水溶液(Au 25 g/l)を水及び塩酸で適切に希釈した。クロロ金酸前駆物質の下記のバッチを調製した。
1.前駆物質を計り取って2 mol/L HClに溶解したもの
2.前駆物質の原液水溶液から0.2mol/L HClに希釈した前駆物質溶液
3.前駆物質を計り取って水に溶解したもの
4.前駆物質の原液水溶液から水で希釈した前駆物質溶液
5.前駆物質を計り取ってKOL水溶液に溶解したもの
種々の金含有率を有する触媒を得るために、各バッチをそれぞれ異なる濃度で数回、調製又は希釈した。金属含有率0.1〜5%の金触媒が調製されるようにした。バッチごとにそれぞれ2gの金触媒が調製された。
炭素担体の含浸、Incipient-Wetness(初期湿式)法
それぞれ別個のバッチで、前駆物質溶液を同時に激しく混ぜ合わせながら徐々に担体材料に滴下した。気孔体積の飽和と、それとともに担体の吸収能の限界を示す、担体材料上の湿りが現れることで、添加の終了が認識される。
乾燥、還元
含浸した触媒前駆体を乾燥室で一晩乾燥し(約80℃)、続いて窒素/水素気流(約10% H2)中で250℃で3時間還元した。次にこれを窒素気流で冷却した。
結果
a)金含有率
調製したすべての金触媒について、まずICP-AESにより金含有率を決定した。金属含有率0.1〜5%の金触媒が調製された。実験的に決定した金含有率と理論的に計算した金含有率を比較した。すべてのバッチで理論的金含有率と実際の金含有率は大変よく相関する。金を損失なしに担体に載せることができる。
b)粒度
金触媒のTEM分析は1 nm〜最大でおよそ10 nmの粒度を示す。
c)還元温度
すべての触媒についてそれぞれ温度プログラムした還元のプロファイル(TRPプロファイル)を記録した。前駆体を強酸性溶液:2mol/L HCl中に計り取った場合の触媒が、最も高い還元温度を示し、前駆物質溶液を水で希釈した場合の触媒が最も低い還元温度を示す。
高い還元温度からは、金前駆物質の担体への強い吸着を推定することができる。
実施例2:グルコースの触媒酸化
実施例1により調製された触媒の触媒性能を、グルコースのグルコン酸への液相酸化で試験した。温度制御反応器(容積500 ml)で40℃で反応を行った。ガラスフリットを通して酸素流量500 ml/分で給気した。グルコース初期濃度は100 mmol/lであった。滴定器(Schott社、Titroline alpha)により2 mol/lの水酸化カリウム溶液を用いてpH値をpH9で一定に保った。グルコン酸はモノカルボン酸であるため、選択性100%で、消費した水酸化カリウム体積から、生成した酸の量を直接見積もることができる。さらにHPLCで確認を行った。
結果
a)選択性
調製した金触媒はこの反応においてグルコースのアルデヒド位(C1)に対して100%の選択性を示す。
b)触媒活性
すべての反応で変換は完全(100%)であった。触媒の比較には最大比活性を用いた。
c)長時間安定性
長時間安定性の試験により、触媒が十分な長時間安定性を有することが示された。金の浸出は観察できなかった。試験回数の増加に伴う活性の増加は、触媒損失による酸素限界の低下に起因する場合である。

Claims (14)

  1. 下記の工程:
    a)乾燥担体を調製する工程、
    b)担体と、テトラクロロ錯体の形態の前駆物質HAuCl4の溶液又は懸濁液とを接触させ、ここで該前駆物質溶液の体積は担体の気孔体積以下であり、これにより含浸触媒前駆体を得る工程、
    c)含浸触媒前駆体を乾燥させる工程、
    を含む、多孔質炭素担体及びクロロ金酸前駆物質から担体担持金触媒を製造する方法。
  2. 工程b)において前駆物質溶液を、徐々にかつ全体的に、担体がもはやそれ以上の体積の溶液を吸収できなくなる体積だけ乾燥担体に加える、請求項1に記載の方法。
  3. 前駆物質溶液が、場合により少なくとも1つの別の酸と組み合わせた、0.1 mol/l〜12 mol/lの塩酸水溶液中のHAuCl4の溶液又は懸濁液である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. さらなる工程d)において、該触媒前駆体を250℃以上の温度で水素気流中で、又は液相還元により、還元する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 工程d)において、還元が10分〜300分の時間にわたり行われる、請求項4に記載の方法。
  6. 工程d)において、水素気流が5体積%〜15体積%の水素含量及び場合により不活性ガスを含む、請求項4又は5に記載の方法。
  7. 工程c)において、乾燥が60℃〜200℃で行われる、請求項4〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 炭素担体及び/又は前駆物質溶液に、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類金属の酸化物から選ばれる少なくとも1つのドーピング添加物が0.01重量%〜1重量%の割合で含まれる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 特に請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法により、炭素担体担持金触媒を製造するための、テトラクロロ錯体としてのHAuCl4の溶液又は懸濁液であるクロロ金酸前駆物質の使用。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法により製造可能な、炭素担体担持金触媒。
  11. 担体上の金粒子の平均粒度が10 nm未満であることを特徴とする、請求項10に記載の触媒。
  12. 金の含有率が0.01重量%〜10重量%であることを特徴とする、請求項10又は11に記載の触媒。
  13. アルコール、アルデヒド、炭水化物及びポリヒドロキシ化合物から選ばれる有機化合物を酸化するための、請求項10〜12のいずれか1項に記載の触媒の使用。
  14. グルコース、ガラクトース、マンノース、キシロース及びリボースのような単糖;マルトース、ラクトース、セロビオース及びイソマルトースのような二糖−アルドース;パラチノースのような二糖−2-ケトース;及びデンプンシロップ及びマルトデキストリン;並びにこれらの混合物から選ばれる炭水化物の選択的酸化のための、請求項13に記載の使用。
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