JP2010514915A - 低トランス脂肪を含むトリグリセリドの生産のための方法及び触媒 - Google Patents

低トランス脂肪を含むトリグリセリドの生産のための方法及び触媒 Download PDF

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Abstract

優れた熱的安定性を示し、減少した飽和度及びトランス脂肪酸値を有する水素化植物油は、活性化された水素化触媒及び/又は高せん断が組み込まれた改善された水素化方法を用いて生産される。反応器装置として水素化方法に組み込まれる高せん断機械装置の使用は、特定の反応圧力及び温度条件下で通常は不可能である反応を可能とすることが示されている。例えば、本明細書に開示される水素化方法は、現在の方法よりも水素化時間の短縮、及び低温での操作を可能とする。結果的に生じる水素化植物油は、揚げ物、焼き菓子、及び特に低トランス脂肪含有量又は高熱的安定性が望まれるその他の応用において有用である。生産される水素化油は5重量%未満のリノレン酸(C18:3)と共に10重量%未満のトランス脂肪酸を含むことが可能である。

Description

本発明は、概して水素化(hydrogenation)の分野に関する。より詳細には、本発明はトランス脂肪値が低下したトリグリセリド組成物を得るための不飽和脂肪酸組成物の水素化方法及び触媒に関する。さらに詳細には、本発明は脂肪酸の活性化のための触媒、及び水素化反応を向上させるための高せん断方法に関する。開示された方法は、水素化が従来から工業界において直面しているものを超えて加速可能であるように温度、圧力及び接触時間の条件を作成する。
液体、気体、及び固体を含めた化学反応は、反応速度を決定するための時間、温度、及び圧力を含む速度法則に依存する。異なる相(すなわち固体及び液体;液体及び気体;固体、液体及びガス)における2つの原料を反応させることが望ましい場合、反応速度の制御において制限される要素の1つに反応物の接触時間が含まれる。触媒された反応の場合、触媒が更なる反応物質を触媒可能とすることにおいて、触媒の表面から取り除かれた反応生成物を有するという更なる律速因子がある。
化学的観点から、脂肪は外観的にEと類似するグリセロール由来の短い骨格と結合した3つの脂肪酸基を支持した巨大分子である。一般的にトランス脂肪(trans fat)と称されるものは、より正確にはトランス脂肪酸基を含有する脂肪として表されている。脂肪酸分子は炭素原子が夫々水素原子と結合した骨格(及び本説明とは関連しないが、分子末端に位置するカルボキシル基も同様に)からなる。脂肪酸は脂肪酸中の二重結合の数を基にして飽和又は不飽和として特徴付けられる。もし分子が最大限可能な数の水素を含有していると、それは飽和している:そうでない場合はそれは不飽和である。
炭素原子は四価であり、他の分子と4つの共有結合を形成しており、一方で水素原子は他の1つの分子とのみ結合する。飽和脂肪酸において、夫々の炭素原子は2つの水素原子と共にそれの隣の2つの炭素原子と結合している。不飽和脂肪酸において、水素原子を失った炭素原子は夫々の炭素原子が4つの結合に加わるために単結合ではなく二重結合で結合される。
不飽和炭素の炭素二重結合の水素化は、植物ベースの油の処理方法と同様、一般的に石油及び化学処理操作によって実行される。水素化の主な目的は、油の安定性を向上させること及び/又はそれの物理的特性を変更させることである。本発明の焦点は特に脂肪酸の水素化であるが、その方法は石油生産物を含めてあらゆる不飽和液体炭化水素に直ちに応用できる。
不飽和脂肪酸の水素化は脂肪酸への水素原子の添加を指し、炭素原子が新たな水素パートナを獲得するように(炭素原子につき4つの結合を維持するために)二重結合から単結合へと転換させる。完全な水素化により分子は最大限の量の水素を含有する(言い換えると不飽和脂肪酸を飽和脂肪酸に変換させる)。部分的な水素化は、いくつかの空いている位置に水素原子が追加され、それに対応して二重結合の数が減少する。工業的な水素化は、安定性を増加させるため及び/又は室温では固体であるが加熱調理(又は消費)によって溶解するような順応性のある脂肪を得るために一般的に部分的である。
植物種子、及び大豆、トウモロコシ、菜種及びそれらと同等のものなどの生産物から抽出される油は、主として3つの脂肪酸分子と結合したグリセリン分子であるトリグリセリドから成る。異なる材料源に由来する植物油は、トリグリセリドの脂肪酸成分により互いに異なる。脂肪酸は炭素鎖の長さ及びそれらの炭素鎖に存在する二重結合の数の両方の点で異なる。植物油における大部分の脂肪酸は約Cから約C20まで様々な炭素鎖長を有する。
水素化植物油は一般的に触媒存在下で水素ガスが植物油と接触することにより生産される。水素化は、例えば油を構成するトリグリセリドの化学的安定性を増加させるため、及び/又は室温で固形であるトリグリセリドの含有量を増加させるために、水素をトリグリセリドの脂肪酸の一部分である炭素−炭素二重結合と反応させて使用される。
トリグリセリドを基礎とした植物脂肪及び油は、部分的又は完全な水素化を経て高融点を有する脂肪及び油に変換できる。水素化方法は、通常粉末ニッケル化合物などの触媒の存在下において、一般的に水素と共に高温及び高圧で油を「まき散らす(sparging)」ことを含んでいる。トリグリセリド中の夫々の二重結合が開裂するにつれ、2つの水素原子は単結合を形成する。水素原子を添加することによる二重結合の除去は飽和と称される;飽和度が増加するにつれ、油は完全な水素化に向けて進行する。油は酸敗臭(酸化)に対する抵抗を増加させるため、又はそれの物理的特性を変化させるために水素化可能である。飽和度が増加するにつれて、油の粘性及び物理的状態が変化する(液体から固体)可能性がある。
食品において水素化油の使用は決して完全に満足されているものではない。トリグリセリドの中心部はトリグリセリド末端によっていくらか遮蔽されているため、大部分の水素化はトリグリセリド末端で起こっている。これは脂肪をより不安定とする結果になる。天然に飽和されたトロピカル油から作られるマーガリンは、水素化大豆油から作られるマーガリンよりもより柔軟(より広げやすい)である。更に、部分的な水素化はトランス脂肪の形成をもたらすおそれがあり、トランス脂肪は約1970年代から健康によくないという見方が強まっている。従来の水素化植物油における水素化の方法は、多数の二重結合をシス型からトランス型へと転換させてしまう。トランス脂肪酸は高コレステロール血症などの健康への悪影響と関連するため、これらのトランス脂肪酸は人間の消費には好ましくない。
食品中のトランス脂肪酸値についての現在の健康上の懸念により、「トランス脂肪ゼロ(zero trans fat)」を含むようにラベル表示できる食用脂肪及び油を生産することが望まれている。2006年1月1日施行の米国食品医薬品局(U.S. Food and Drug Administration)によって発行された現在の規制により、製品中のトランス脂肪値が一人分につき0.5g未満であれば「トランス脂肪ゼロ」を含むようなラベル表示を許可している(68連邦公報(Federal Register) 41434(2003))。本明細書で使用されている用語「低トランス脂肪(low trans fat)」は、これらの規則に従って「トランス脂肪ゼロ」とラベル表示できるよう、それらを含む製品が適格となるトランス脂肪値を指す。
低トランス脂肪製品(例えば、特定のマーガリン及び水素化植物油)は、一般的にエステル交換された脂肪の混合物、不飽和植物油、飽和植物油及びそれらの混合物から形成される。これらの方法は低トランス脂肪製品を生産する一方で、製品は多くの場合、飽和した脂肪の値は高い。飽和脂肪も、また健康に悪影響を及ぼすため人間の消費に望ましくない。飽和脂肪の形成を最小限にするように努力しながらトランス脂肪を減少させるためのその他の方法が開示されてきたが、いずれも十分に証明されていない。例えば、1つには当業者に周知なように、物理的分離よって油を冷却して飽和脂肪を固化させることにより、水素化油のステアリン酸(C18:0)含有量を低下させることができる(食品工業マニュアル(Food Industries Manual),第24版,1997,クリストファー ジー ジェイ ベーカー(Christopher G J Baker);スプリンガー(Springer)発行;pp.289−291)。
トランス脂肪値又は飽和脂肪値を制御するためのトリグリセリドの水素化に関する非常に多くの特許がある。
米国特許第5,064,670号(ハーシュホーン(Hirshorn)他)には、油で揚げられた脂肪及びドーナツなどの揚げられた菓子類も同様に、減少した飽和脂肪の濃度を示す食品を揚げる方法が記載されている。それらの脂肪製品は揚げ物又は菓子類に使用するよう所望の特性とするために、様々な油を混合することにより生産されている。
米国特許第5,194,281号(ジョンストン(Johnston)他)には、減少したトランス二重結合値のポリオール脂肪酸ポリエステル及びそれらの調製方法が記載されている。
米国特許出願公開第2005/0027136号(バン トール(Van Toor)他)には活性触媒と共に植物油を水素化する方法が記載されている。その方法は約7から約30バール(約100psiから400psiを超えて)の範囲の圧力を使用し、反応時間は100分(min)から400分を超える範囲である。バン トールらはそのような長い水素化時間(460分)は、低価格の揚げ油、マーガリン、パン用脂肪又は類似の応用のためには極度に高価となる可能性があることを示している。水素化のために使用される最も商業的な設備は、反応時間60から90分で60psiの範囲の圧力を利用している。実施例において生産される水素化油のヨウ素価は示されておらず、そのような水素化の程度を決定することは困難である。
稀な例外を除いて、480℃以下では金属触媒無しで水素分子(H)と有機化合物との間の反応は起こらない。触媒は水素分子と不飽和基質の両方を同時に結び付けて、それらの結合を促進させる。白金族金属、特に白金、パラジウム、ロジウム及びルテニウムは高活性触媒である。高活性触媒は低温及び低圧の水素分子で操作できる。高価でない金属触媒、特にニッケルを基礎としたもの(ラネー(Raney)ニッケル及びウルシバラ(Urushibara)ニッケル)は、また経済的代替物として開発されてきたが、しかしそれらは多くの場合遅く、及び/又は高温が必要とされる。交換条件となるものは、活性(反応速度)に対して、触媒の費用及び高圧力の使用のために必要な装置の費用である。
2つの広い触媒の分類が知られており、それらは均一系触媒及び不均一系触媒である。均一系触媒は不飽和基質が含まれる溶媒に溶解する。不均一系触媒は基質と同じ溶媒中に懸濁されるか又は気体の基質と一緒に処理される固形物である。製薬業界において、及び特別な化学的応用のために、ウィルキンソン触媒(Wilkinson’s catalyst)として知られるロジウムを基礎とした化合物、又はイリジウムを基礎としたクラブトリー触媒(Crabtree’s catalyst)などの可溶性「均一系」触媒が時々使用される。
触媒の活性及び選択性は金属の周囲の環境(すなわち配位圏)を変えることによって調節することができる。例えば結晶不均一系触媒の異なる外観は異なる活性を示す。同様に、不均一系触媒はそれらの担持、すなわち不均一系触媒上の物質が結合されることによって影響を受ける。均一系触媒はそれらの配位子によって影響を受ける。多くの場合、高度な実験に基づく変更は選択的「毒物(poisons)」を含む。従って、注意深く選択された触媒は、芳香環に接触しないアルケンの水素化、又はリンドラーズ(Lindlar’s)触媒を使用したアルキンからアルケンへの選択的水素化など、他に影響することなくいくつかの官能基を水素化するために使用できる。プロキラル基質に対しては、触媒の選択性において1つの鏡像異性体が生産されるように調整可能である。
不飽和のトリグリセリドは水素化に対して反応しにくく、十分な水素化を行うためには一般的に高温、高圧力、長い水素化時間又はそれらの組み合わせを必要とする。従来、不飽和トリグリセリドは60psigから100psig及びそれを超える圧力の下で、約150℃又はそれを超える温度において少なくとも0.2から0.5%及び場合によってはそれを超えるニッケル水素化触媒存在下で、水素と共に水素化されている。希望する水素化の程度によっては少なくとも1から8時間又はそれ以上の時間が必要となる。それとは対照的に、グリセリド油(一般的に水素化に対して反応しにくくはない)の水素化は、通常約0psigから100psigの圧力で約100℃から260℃で比較的短時間で達成することができる。その結果、脂肪酸はグリセロール油と比較及び対比すると水素化に対して反応しにくいと見なされる。脂肪酸及びグリセリド油の水素化はベイリーズ インダストリアル オイル アンド ファティ プロダクツ(Bailey’s Industrial Oil and Fatty Products),第3版,pp.719−896(インターサイエンス パブリッシャーズ(Interscience Publishers)、ニューヨーク市、ニューヨーク州、1964)に概説されており、同様ものは参考文献によって本明細書に明示的に組み込まれている。また、脂肪酸の水素化のための連続工程は米国特許第5,382,717号及び第4,847,016号に記載されており、それらは全ての目的のために本明細書中に組み込まれている。
上述したように、脂肪酸の水素化を含む技術は水素化に要求される触媒を改良することに焦点が置かれてきた。この点において、水素の不飽和脂肪酸への物質移動を改善する方法、又は水素化反応の温度を低下させる方法は、今まで取り組まれてこなかった。
非常に多くの装置が脂肪酸の水素化以外の反応に対して反応速度を加速させるために提唱されてきた。例えば、流体力学的キャビテーション(hydrodynamic cavitation)の使用を介して化学反応を加速させる方法がシャー(Shah)他(キャビテーション リアクション エンジニアリング(Cavitation Reaction Engineering),ISBN 06461412)によって開示されている。流動液体速度における変動が原因となる圧力変動が、相変化及び化学反応を加速させる温度及び圧力の急速な上昇をもたらすときに、流体力学的キャビテーションが起こる。
従来の反応器において、反応物及び/又は触媒のための接触時間は、多くの場合、化学反応中に含まれる2つ又はそれ以上の反応物を接触させて混合することにより制御される。化学反応を加速させるために、混合及び混合装置の使用を最大限にすることに直接関連して様々な革新が行われてきた。
高せん断及び高エネルギー混合器は、いくつかの化学反応における使用が報告されているよく知られた装置である。例えば、米国特許第7,138,434号(ハフ(Huff)他)には、液状媒体中に懸濁された固形粒子状のフィッシャー−トロプシュ(Fischer-Tropsch)触媒の懸濁液を含んだ反応器を備える連続撹拌反応器システム中に、合成ガス供給流を導入することによって合成ガスを高級炭化水素に転換するための方法が記載されている。
米国特許第6,822,007号(ケトリー(Ketlry)他)には、高せん断混合区域が注入−混合ノズルである場合に、高せん断混合及び管状ループ反応器を利用して合成ガスを高級炭化水素に転換させるための方法が記載されている。
米国特許第6,502,980号(エクストレム(Ekstrom)他)には薬剤、生物製剤、化粧品、化学薬品及び食品組成物において使用される乳化物、懸濁液及び混合物のために、ハウジング内で回転子及び固定子を使用する直列(in-line)のホモジナイザーの使用が記載されている。
米国特許出願公開第20050130838号(ドゥアン,シュエ(Duan,Xue)他)には、ナノスケールの磁性固体を基にした触媒を生産するためのコロイドミル(colloid mill)反応器の使用が記載されている。
米国特許第5,369,167号(ポティック(Pottick)他)には、エポキシ樹脂を伴う溶解混合酸又は無水物移植片コポリマーペレットが記載されている。エポキシ樹脂で修飾されたブロックコポリマーブレンドは、エポキシ樹脂中で修飾された水素化ブロックコポリマーの安定な分散を効果的に提供するように、修飾された水素化ブロックコポリマーの官能基をエポキシ基と反応させるのに十分な条件の下で高せん断混合することによって得られる。
用語「高せん断混合器(high-shear mixer)」は非機械的混合器を説明するために使用されてきた。米国特許第6,235,961号(クルクチ(Kurukchi))は、エチレンプラントにおける苛性塔処理の前に分解ガスを前処理するための方法が記載されており、エチレンプラントは苛性溶液及び分解ガスと共に直列の並流静的混合器又はベンチュリスクラバ(venturi scrubber)などの高せん断混合器を使用することによって、苛性塔の効率及び能力を効果的に増加させる。
化学反応において反応物間の接触を提供する必要性の認識において、反応が起こっている間の状態を説明するときに、先行技術は多くの場合「混合(mixing)」、「高せん断混合(high shear mixing)」、「高速混合(rapid mixing)」及びそれらと同等のものなどの用語を含んできた。混合効率のためによく使用されるこれらの非定量的なパラメータは、含まれる反応物の全体反応速度に寄与する効率の程度についてわずかな見識しか提供できていない。
脂肪酸組成物の水素化に対する改良された方法及び触媒は、工業界において今だ必要である。改良された触媒及び/又は方法は先行技術の触媒及び方法と関連する問題を減少させるか又は取り除かなければならない。これらの問題は無味又は無香料のどちらか及び/又は好ましくない食感を有する製品の製造;プラントの処理能力を減少させる水素化の拡大された反応時間;高価な触媒の使用(白金を基礎とする触媒の場合など);過剰な反応圧力及び/又は温度の使用;商業用の揚げ物への応用において使用されるために必要とされる安定性を有さない脂肪酸の製造;及び/又は消費者及び保健専門家に受け入れられるトランス脂肪値及び飽和脂肪値に達成不能であることを含むが、これらに限定されない。水素化のためのそのような改良された方法、例えば液相中の水素の気体溶解性及び/又は触媒の活性を向上させることにより、水素化反応の速度を加速可能である。
米国特許第5,064,670号明細書 米国特許第5,194,281号明細書 米国特許出願公開第2005/0027136号明細書 米国特許第5,382,717号明細書 米国特許第4,847,016号明細書 米国特許第7,138,434号明細書 米国特許第6,822,007号明細書 米国特許第6,502,980号明細書 米国特許出願公開第2005/0130838号明細書 米国特許第5,369,167号明細書 米国特許第6,235,961号明細書
米国食品医薬品局(U.S. Food and DrugAdministration)、「68連邦公報(Federal Register)」、41434(2003)、2006年1月1日施行 クリストファー ジー ジェイ ベーカー(Christopher G JBaker)著、「食品工業マニュアル(Food Industries Manual),第24版,1997」、スプリンガー(Springer)発行、pp.289−291
脂肪酸組成物の水素化のための方法及び装置、及びそのための触媒が本明細書に説明されている。本発明の目的は、流動可能な植物油、揚げ油、ピーナッツバター安定剤、化粧品、菓子、フロスティング(frosting)、焼き菓子、調合されたケーキミックス及びマーガリンを含むがこれに限定されない広範囲に及ぶ製品、及び紙被覆を含めた工業的応用、及び石油を基礎としたワックスに対する代替品に適する、低トランス脂肪及び低飽和脂肪含有量の好適な水素化植物油を提供することである。
本発明の他の目的は、優れた製品外観、質感及び安定性を示す水素化植物油などを提供すること、及びそれの調製のための方法を提供することである。本明細書に開示されているものは、優れた製品外観、質感、及び安定性を示す水素化植物油の調製のための方法である。本発明の実施形態は飽和脂肪の含有量が低いことと共に減少したトランス脂肪酸値を有する水素化植物油を含む。
本発明の他の側面は、水素、触媒及び油の表面積及び接触を増加させるための高せん断装置における水素と油との接触を含む。理論によって制限されることは望まないが、高せん断装置は、また、水素化を促進する圧力及び温度の局所的条件をもたらす。高せん断はトリグリセリド相中の水素の分散性及び溶解性を促進させるために利用される。単独又は本発明のその他の側面との組み合わせのいずれでも使用されるこの新規の方法は、従来よりも低温及び/又は低圧力条件での水素化を可能とし、その一方で従来の反応時間と同等の反応時間を維持している。或いは、水素化は従来の温度及び/又は圧力において減少した反応時間で実行可能である。
本明細書に開示されているものは水素化システムであり、当該システムは、少なくとも1つの高せん断装置を含み、前記高せん断装置は、水素ガス及び不飽和液体脂肪又は油を含む混合物のための導入口を含み、又は不飽和液体脂肪又は油を含むストリーム(stream)のための少なくとも1つの導入口、及び水素を含むガス流のための少なくとも1つの導入口を含み、及び平均気泡サイズが約5μm未満である水素ガス気泡を有する分散物のための排出口を含む。実施形態において、平均気泡サイズは約0.4μm未満である。
高せん断装置は、反応物に適用する機械力を作り出す少なくとも1つの回転要素を備えている。高せん断装置は隙間を有して分離している少なくとも1つの固定子及び少なくとも1つの回転子を備えていてもよい。いくつかの実施形態において、固定子と回転子との間の最小限の隙間は約0.001インチから約0.125インチの範囲である。特定の実施形態において、固定子と回転子との間の最小限の隙間は約0.060インチである。高せん断装置は少なくとも1000ft/minの先端速度を出すことが可能である。高せん断装置はコロイドミルを備えていてもよい。実施形態において、コロイドミルは多段直列分散器である。高せん断装置によって作り出されるせん断力は、流路に沿った長手方向の位置によって異なる。
いくつかの実施形態において、システムは少なくとも1つの高せん断装置の下流に容器を更に含み、前記容器の導入口は高せん断装置の分散物排出口と流体的に連結している。容器は更にリサイクルストリームの排出口を備え、リサイクルストリームの排出口は、不飽和液体脂肪を含むストリームのための導入口と流体的に連結しているか、又は少なくとも1つの高せん断装置の混合物導入口と流体的に連結している。
システムはリサイクルストリームを少なくとも1つの高せん断装置に導入する前に、リサイクルストリームの圧力を増加させるよう構成されたポンプを更に備えることができる。
いくつかの実施形態において、高せん断システムは少なくとも2つの高せん断装置を備えている。少なくとも2つの高せん断装置は、いくつかの実施形態において直列に連結可能である。
また、本明細書には脂肪を水素化する方法が開示されており、その方法は少なくとも1つの高せん断装置において、水素及びトリグリセリド及び/又は不飽和脂肪酸を高せん断することと、高せん断装置において分散物を形成することとを含み、少なくとも1つの高せん断装置は、水素ガス及びトリグリセリド及び/又は不飽和脂肪酸を含む混合物のための導入口を備え、又は不飽和トリグリセリド及び/又は不飽和脂肪酸を含むストリームのための少なくとも1つの導入口、及び水素を含むガスストリームのための少なくとも1つの導入口を備え、及び分散物のための排出口を備えている。それによって水素は不飽和脂肪の少なくとも一部を飽和させるために不飽和脂肪と反応し、分散物は平均気泡サイズが約5μm未満である水素気泡を含む。実施形態において、気泡の直径は約0.4μm未満である。
方法は更に分散物を水素化触媒と接触させることを含む。触媒は鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム及び白金又はそれらの組み合わせを含むことが可能である。実施形態において、水素は約100℃未満の反応温度で不飽和脂肪の少なくとも一部分を飽和させるために不飽和脂肪と反応する。いくつかの実施形態において、水素は約70℃未満の反応温度で不飽和脂肪の少なくとも一部分を飽和させるために不飽和脂肪と反応する。いくつかの実施形態において、水素は約35℃未満の反応温度で不飽和脂肪の少なくとも一部分を飽和させるために不飽和脂肪と反応する。
開示された方法のいくつかの実施形態において、少なくとも部分的に水素化された生成物を形成するための分散物の水素化触媒との接触は、分散物を触媒を有する固定層反応器へ導入することを含む。
トリグリセリド及び/又は不飽和脂肪酸を含むストリームは更に水素化触媒を含んでいてもよい。
水素化方法は更に水素ガスをトリグリセリド及び/又は不飽和脂肪酸を含むストリームに導入する前に、スラリーを形成するため触媒をトリグリセリド及び/又は不飽和脂肪酸を含むストリームと混合させることを含む。スラリーを形成するために触媒をトリグリセリド及び/又は不飽和脂肪酸を含むストリームと混合させることは、反応器内で触媒と液体ストリームとを接触させることを含んでいてもよく、反応器は、トリグリセリド及び/又は不飽和脂肪酸を含むストリームのための導入口と流体的に連結されているか又は少なくとも1つの高せん断装置の混合物導入口と流体的に連結されるリサイクル排出口、ガスのための排出口、及び分散物のための導入口を備えており、そして、その方法は更にリサイクル排出口を介してスラリーを反応器から少なくとも1つの高せん断装置に導入すること、及び分散物を分散物のための導入口を介して少なくとも1つの高せん断装置から反応器内に導入することを含む。反応器は大気圧で稼動してもよい。
水素は反応器から出たスラリー中に連続的に注入されて、所望の飽和度に達するまでスラリーはシステム中を循環する。
実施形態において、不飽和脂肪酸は、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、α−リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、及びそれらの組み合わせから成る群より選択される。
実施形態において、トリグリセリドストリームは、植物油、菜種油、動物性脂肪、トウモロコシ油、キャノーラ油、オリーブ油、綿実油、サフラワー油、パーム油、大豆油、ヒマワリ油、ピーナッツ油、ヤシ油、及びそれらの組み合わせから成る群より選択される。
実施形態において、トリグリセリド及び/又は不飽和脂肪酸のヨウ素価は少なくとも10%減少される。
本発明の他の新規な側面は、水素化工程の間、シス型からトランス型への不飽和脂肪酸の高転換しない水素化、及び飽和度の制御を可能とする水素化方法における不活性ガス又は有機溶媒の使用を含む。窒素などの不活性ガスの添加及び/又は有機溶媒の注入は水素化方法の反応速度を修正できる。理論によって制限されることは望まないが、不活性ガス又は有機溶媒は触媒、水素及び油の間のより均一な熱的及び物理的接触を提供可能であると理論付けられる。
従って、トリグリセリド及び/又は不飽和脂肪酸を含むストリームは更に有機溶媒を含む。実施形態において、有機溶媒はヘキサンを含む。
以前に説明された方法において使用される触媒は、触媒を含む活性化容器を加熱すること、及び大気圧を超える圧力で活性化ガスを触媒に導入することによって活性化できる。活性化ガスはさらに水素、二酸化炭素、ヘリウム、窒素、及びそれらの組み合わせから成る群より選択されるガスを含んでいていてもよい。触媒を活性化させることは更に活性化の間、活性化容器からガスをパージすることを含んでいてもよい。
また、開示されているものは、結果的に生じる触媒が不飽和脂肪酸の水素化において、より活性となるような商業的に利用可能な水素化触媒の活性化方法である。この活性触媒の使用によって、非活性な商業的触媒において最初から利用できるものよりもより活性部位を露出することができ、水素化油中で酸化物及びその他の不純物中に存在することを減少させることができる。実施形態において、水素ガスは触媒を活性化させるために利用される。
水素化触媒を活性化させる方法は、活性化容器中で触媒を加熱させること、大気圧を超える高められた圧力まで容器圧力を増加させるために活性化ガスを導入すること、活性化維持のために高められた圧力に容器を維持することを含み、容器は活性化の間、ガスでパージされる。実施形態において、活性化ガスは水素、窒素、ヘリウム、一酸化炭素、及びそれらの組み合わせから成る群より選択される少なくとも1つを含む。
また、本明細書には、開示された高せん断の使用、触媒活性化、及び有機溶媒の使用を組み込んだ、不飽和脂肪の水素化の間に生産されるトランス脂肪を減少させる方法が開示されている。この方法は、水素化触媒の存在下で不飽和脂肪及び有機溶媒を水素と接触させることを含み、大気圧を超えるまで容器の圧力を増加させるため、水素化の前に活性化ガスを触媒が入った容器に注入することによって水素化触媒は活性化され、容器は活性化の間パージされる。活性化ガスは窒素、ヘリウム、二酸化炭素、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される少なくとも1つを含む。有機溶媒はヘキサンを含んでいてもよい。
以下の発明の詳細な説明がよく理解されるように、前述の記載は本発明の特徴及び技術的効果をかなり大まかに概説している。発明の請求項の対象を形成するこれら及び追加の特徴と効果は、以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。観念及び開示される特定の実施形態は、本発明と同じ目的を実行するためにその他の構造を修正又は設計することを基礎として即座に利用できると当業者に理解されるべきである。また、それらの同等な構造は添付の特許請求の範囲に記載される発明の精神及び範囲から逸脱しないことが当業者に理解されるべきである。
本発明の好ましい実施形態のより詳細な説明のために、添付の図面が参照される。
撹拌器及び加熱マントルを備えた水素化反応器の従来の構成の図である。この先行技術構成は本発明の実施形態に従って、発明的活性化触媒、不活性ガス注入、及び/又は有機溶媒と共に使用できる。 高せん断装置を備えた高せん断水素化システムの実施形態の概略フロー図である。 高せん断ユニットの排出口で集められたガスが高せん断装置の吸引末端に再導入されることによる高せん断水素化システムの強化を説明するフロー図である。 本開示に従う高せん断水素化システムの他の実施形態の概略フロー図であり、本実施形態は2つの高せん断装置を備えている。 活性化された水素化触媒を生産するための本開示の実施形態において使用される反応器の図である。 高せん断装置の排出口から採取されて、気泡サイズが分析される油の試料の顕微鏡写真(20倍及び50倍の倍率)である。
注釈及び用語
特定の用語は特定のシステム要素を参照するために以下の説明及び請求項を通して使用される。本文書は名称は異なるが機能が同等である要素を区別することを意図しない。
本明細書で使用される「多相(multiple-phase)」は2つまたはそれ以上の異なる相の反応を含む反応を指す。
本明細書で使用される用語「脂肪(fat)」は、由来又はそれらが室温で固体又は液体であるかどうかに関わらず全てのトリグリセリドを含むよう意図される。用語「脂肪」は、通常液体及び通常固体の植物性又は動物性脂肪及び油を含むが、これらに限定されない。本明細書で使用される用語「油(oil)」は、これに限定されないが原油などの不飽和の炭素間二重結合を含む生成物と同様に、それらの非活性状態において液体であるそれらの脂肪を指すよう意図される。それらの油は植物を基礎とした油の処理と同様に、石油及び化学処理操作から得られる。天然及び合成脂肪及び油はこれらの用語に含まれるが、本明細書は、それらの脂肪が食用であることに焦点を当てている。この群内に含まれるものは、例えば通常CからC20などの長さの長炭素鎖を含む脂肪酸である。
本明細書で使用される用語「食用油(edible oil)」又は「基油(base oil)」は、室温でほぼ液体であり、ヨウ素価が70を超え、より好ましくは90を超える油を指す。基油は水素化されていない油又は部分的に水素化された油、加工された油、又はそれらの混合物である。
本明細書で使用される用語「飽和(saturates)」、「飽和脂肪」、「飽和脂肪酸」はその他に示されている場合を除いて、不飽和でないものを含むCからC26の脂肪酸又はエステルを指す。本明細書に含まれる実施例において、トリグリセリドの脂肪酸組成物はAOCS オフィシャル メソッド(Official Method) Ce 2−66(米国 オイル ケミスト ソサイエティ(American Oil Chemists’ Society)(AOCS),2211 ダブリュ.ブラッドリー アベニュー,シャンペーン,イリノイ州(W. Bradley Ave.,Champaign,IL))を使用して得られた。
本明細書で使用される用語「トランス(trans)」、「トランス脂肪酸」、「トランス異性体」及び「脂肪酸のトランス異性体」は、一般的に脂肪の水素化又は部分的な水素化において生じる、トランス型の二重結合を含む脂肪酸及び/又はエステルを指す。本明細書に含まれる実施例において、トランス及びシス異性体の測定はAOCS オフィシャル メソッド Ce 1c−89に示されている試験方法に従って実行された。
本明細書で使用される用語「ヨウ素価」又は「IV」は、100gの脂肪の試料によって吸収されるハロゲンと同等のヨウ素のグラム数を指す。IVは脂肪中の不飽和結合の基準である。本明細書に含まれる実施例として、ヨウ素価はAOCSが推奨する方法Cd 1c−85によって決定された。
本明細書で使用される「先端速度(tip speed)」は、反応物に適用される機械力を作り出す1つ又は複数の回転要素の先端に関連する速度(ft/min又はm/sec)を指す。
本明細書で使用される「高せん断(high shear)」は、1000ft/minを超える先端速度を可能とする回転子固定子装置を指す。
用語「標準(normal)」は20℃の温度及び1気圧の圧力の気体材料に適用する。
以下の説明及び請求項において、用語「含んでいる(including,comprising)」は拡張可能に使用されるため、「を含むが、これに限定されない。(including,but not limited to...)」を意味するように解釈されるべきである。
本明細書に挙げられている全てのパーセンテージは指定されない限り重量パーセントである。
概説
本明細書には高せん断装置において制御された環境で、化学成分の迅速な接触及び混合を提供するための少なくとも1つの外部高せん断機械装置の利用を含む水素化システム及び方法が開示されている。高せん断装置は反応における物質移動の制限を減少し、その結果全体の水素化速度が向上する。また、高せん断装置は水素化を促進する圧力及び温度の局所的条件を作り出す。
また、本明細書には水素化が促進されるように、水素化触媒を活性化させる方法が開示されている。本開示に従って活性化された触媒は従来の水素化方法、又は本明細書に説明されている高せん断水素化方法の一部として利用できる。
また、本明細書には、いくつかの側面においては、部分的に水素化された生成物におけるトランス脂肪値を改善することによって、水素化を促進するための不活性ガス注入及び/又は有機溶媒の利用を含む水素化の方法が開示されている。
従来の反応器において、反応物及び/又は触媒の接触時間は、多くの場合化学反応に含まれる2つ又はそれ以上の反応物との接触を提供する混合によって制御されている。開示された方法の実施形態は外部高せん断装置を含むことによって、物質移動の制限を減少させることで動力学的制限により接近することができる。
反応速度が加速すると滞留時間は減少し、その結果得られる処理量が増加する。或いは、現在の収量が許容範囲であれば、要求される滞留時間を減少させることで従来の水素化方法よりも低い温度及び/又は低い圧力で使用することができる。更に、均質水素化反応(すなわち固形触媒無し)において、開示された方法は、水素化を促進する反応器内でより均一な温度分散を提供できる。
本発明者は、更に以下に説明されるように、高せん断反応装置は従来では不可能であった時間及び圧力の下で水素化反応を実際に促進することを予想外に発見した。
I.システム
A.従来の水素化システムの説明
図1は従来の水素化システム100の図である。システム100は関連する内部パドル撹拌器28、冷却コイル27、及び加熱マントル30を有する反応器10を備えている。また、反応器10はガス注入弁29、圧力逃し弁3、放出弁23、温度プローブ25及び圧力計26を備えている。加熱マントル30は反応器10を加熱することができる。
実施形態において、反応器10は商業的に製造されている反応器から選ばれる。以下の実施例は500mL容量から10L容量の範囲の反応器を説明しているが、本開示に従って他のサイズも利用できる。
本開示における様々な実施形態に従って、活性水素化触媒、不活性ガス注入、及び/又は有機溶媒添加は図1に示される従来の水素化システム、又は以下の説明にある高せん断水素化システムにおいて利用できる。
B.高せん断水素化システムの説明
図2は水素化された脂肪酸組成物の生産のための代表的な高せん断水素化システム100のプロセスフロー図である。システムの基本的な構成要素は、外部高せん断装置40、反応器10、及びポンプ5を備えている。図2における破線の使用は、付加的な段階(図示されない)が方法のいくつかの応用及びいくつかの要素において反応器10、外部高せん断装置40、及びポンプ5の間に組み込まれてもよいことを示している。例えば、ポンプ6は特定の実施形態において選択的である。
ガス供給ストリーム
分散性のガスストリーム22は、高せん断装置40において液体12中に分散される水素を含んでいる。液体12は水素化される油を含んでいてもよい。実施形態において、分散可能なガスストリーム22は高せん断装置供給ストリーム13を形成するために液体12中に連続して供給される。実施形態において、分散可能ガスストリーム22の供給速度は約50cc/分を超える。若しくは、分散可能ガスストリーム22の供給速度は約80cc/分を超える。或いは、分散可能ガスストリーム22の供給速度は約3SCFHから約5SCFHである。
液体
実施形態において、液体12は水素化される不飽和基油を含む。基油は不飽和のトリグリセリド、脂肪酸及び天然又は合成由来の脂肪酸誘導体を含む。また、いくらかの不飽和値を有する石油も開示された方法によって水素化可能である。脂肪酸の例にはミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、α−リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、又はそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。脂肪酸の供給源は一般的に天然由来の基質である。天然由来の好ましい基質は、植物油、菜種油、動物性脂肪、トウモロコシ油、キャノーラ油、オリーブ油、綿実油、サフラワー油、パーム油、大豆油、ヒマワリ油、ピーナッツ油、ヤシ油、又は他の油及び天然由来のトリグリセリド、例えばC-C22の脂肪酸などのそれらの脂肪分解から得られる脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体も同様に含むが、これらに限定されない。表1は化学名、炭素鎖長、及びいくつかの一般的な脂肪酸の二重結合数を示している。
Figure 2010514915
水素化の過程において、これらの脂肪酸又はトリグリセリドのアルキル基における二重結合は、硬化物を得るためにほぼ完全に水素化されるか、又はもし望めば完全に硬化していない生成物を得るために部分的に水素化することができる。
実施形態において、開始のトリグリセリド油又は脂肪(以下において「基油」、または「原料(feedstock)」と呼ぶ)は約70から約130を超える範囲のヨウ素価を有し、室温では液体又は気体のどちらかである。基油は脱色及び/又は脱臭されて、一般的に微量の遊離脂肪酸を含んでいる。油の供給源及び/又は基油を調製するために使用される方法は、基油が水素化されていないか又は部分的に水素化されている油である限り重要ではない。
本発明の目的に適した油は、例えば、ヒマワリ油、キャノーラ油、大豆油、オリーブ油、トウモロコシ油、ピーナッツ油、サフラワー油、硬オレイン酸のヒマワリ油、及び精製された脂肪酸のグリセロールエステル、メチルエステル、ポリグリセロールエステルなどの天然に存在する液状油由来であってもよい。好ましい液状油部分は、次に油の分離が行われる、例えば分留又は直接のエステル交換によってパーム油、ラード、及び獣脂から得ることができる。
液体12は、以下の実施例5に更に説明するように有機溶媒を更に含む。好ましい有機溶媒の実施例はヘキサンである;その他の好ましい溶媒は、低沸点を有して容易に蒸発するか又は蒸留によって取り除くことができるため、溶質(脂肪酸)を残すことができるものである。有機溶媒はそこに溶解している化合物と化学的に反応してはいけない。
いくつかの基油が酸化する傾向がある一方、いくつかは天然抗酸化物質を含み、その他は酸化に対して天然に安定である。天然に安定である油に抗酸化物質を加える必要はないが、酸化傾向のある基質は、加えられる抗酸化物質の濃度は、油の最終用途、並びに油が曝されている時間の長さ、温度、酸素の存在及び部分的な圧力を含めた様々な要因に依存する。実施形態において、抗酸化物質は通常は約0.1重量%から約0.5重量%の範囲の濃度で加えられる。
多岐にわたる抗酸化物質が使用に適しており、トコフェロール(tocopherol)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、第三級ブチルヒドロキノン(TBHQ)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ガレートエステル(例えばプロピルガレート、ブチルガレート、オクチルガレート、ドデシルガレート、及びその類似体)、トコフェロール(tocopherols)、クエン酸、クエン酸エステル(例えばクエン酸イソプロピル及びその類似体)、グアヤク脂、ノルジヒドログアイアレチン酸(NDGA)、チオジプロピオン酸、アスコルビン酸、アスコルビン酸エステル(例えばパルミチン酸アスコルビル、オレイン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル及びその類似体)、酒石酸、レシチン、メチルシリコン、高分子抗酸化物質(アノキソマー(Anoxomer))、植物(又は香辛料及び薬草)抽出物(例えばローズマリー、セージ、オレガノ、タイム、マジョラム及びその類似体)及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。実施形態において、トコフェロールと組み合わせられたパルミチン酸アスコルビルが抗酸化物質として使用される。実施形態において、抗酸化物質はそれの安定性を向上させるため水素化油に加えられる。
高せん断装置
高せん断水素化システム100は少なくとも1つの高せん断装置40を備えている。高せん断装置40は溶液12中に水素ガス22の細かい分散物を作り出し、また、水素化を促進する局所圧力及び温度条件に調整するために機能する。高せん断装置40において、水素ガス及び基油は、水素のナノ気泡(nanobubbles)及びマイクロ気泡(microbubbles)が基油溶液中への優れた溶解のために形成されるように高度に分散される。
本明細書で使用されるように、高せん断装置40は、通常は主要な連続層(例えば液体)に混ざらない1相又は成分(例えば液体、固体、気体)を主要な連続層に分散、又は輸送可能である任意の高せん断装置である。好ましくは高せん断装置は、反応する生成物ストリームにエネルギーを伝達するための外部機械式駆動動力装置を使用できる。本開示における方法は反応器/混合器装置における制御された環境において、化学成分の迅速な接触及び混合を提供する高せん断機械装置の利用を含む。高せん断機械装置は以下に更に説明するように、コロイドミルと同様にホモジナイザーを含む。
外部高せん断装置40は、例えば固定子と回転子との間に固定された隙間を有する固定子回転子混合ヘッドを利用する機械装置である。分散可能なガスストリーム22及び溶液12は別々又は混合された高せん断装置流入ストリーム13として外部高せん断装置40の導入口に導かれる。高せん断混合はマイクロ又はサブマイクロサイズの気泡の水素の分散物をもたらす。従って、高せん断装置排出口分散ストリーム18は、特定の実施形態において反応器流入ストリーム19として反応器10に導入されるマイクロ及び/又はサブマイクロサイズの水素気泡の分散を含み、実行された後、反応器10に入る前に特定の応用において所望の通り任意にさらに処理される。ストリーム18、19及び反応器10の内容物は特定の温度で維持可能である。
好ましくは、高せん断装置40は反応混合物の圧力及び温度が制御可能であるように閉鎖されている。実施形態において、加圧された高せん断装置40の使用は、圧力制御されていない反応器10の使用を可能にする。大量の反応物の圧力を制御する方がより資本集約的であるため、高せん断装置40を高せん断水素化システム10に組み込むことは操作コストを減少させるであろう。
実施形態において、外部高せん断装置40は液体12を気体分散反応物ストリーム22と密に混合させることができる。実施形態において、結果的に生じる分散物はマイクロ気泡を含む。実施形態において、結果的に生じる分散物はサブマイクロサイズ、若しくはナノ粒子サイズの気泡を含む。乳化化学において、液体中に分散されたサブマイクロ粒子は主としてブラウン運動効果を通して運動することが知られている。本方法の特定の特性又は利益を説明する特定の理論に制限されることなく、高せん断装置40によって作り出されるサブマイクロ気体粒子は優れた運動性を有しており、それ故反応物の優れた相互作用を通して気体/液体(及び/又は気体/液体/固体)相の反応を促進及び加速させることが提唱されている。
実施形態において、分散物18における気泡サイズは約0.4から約1.5μmである。実施形態において、気泡サイズは約0.1から約1.5μmである。実施形態において、結果的に生じる分散物は約1.5μm未満の平均気泡サイズを有する。実施形態において、結果的に生じる分散物は約1μm未満の平均気泡サイズを有する。いくつかの好ましい実施形態において、結果的に生じる分散物は約0.4μm未満の平均粒子サイズを有する。実施形態において、高せん断混合は気泡サイズに依存して約15分以上大気圧で分散を維持できる水素気泡を調製する。以下に示される実施例9は、本発明の実施例に従って高せん断装置を介して調製される水素気泡を説明する。
高せん断混合装置は、一般的に流体を混合するそれらの能力を基にクラスに分類される。混合は流体内の粒子又は不均一な種のサイズを減少させる方法である。混合の程度又は完全さに対する1つの測定基準は、流体粒子を崩壊するために混合装置が作り出す単位体積当たりのエネルギー密度である。クラスは届けられるエネルギー密度に基づいて区別される。サブミクロンから50μmの範囲の粒子サイズの混合物又は乳化物を連続して調製するために十分なエネルギー密度を有する工業用混合器の3つのクラスがある。
均一化弁システムは通常高エネルギー装置として分類される。処理される流体は非常に高圧力の下で狭い隙間弁を通過して低圧力環境に押し出される。弁を介した圧力勾配及び結果的に生じる乱れ及びキャビテーションは、流体中であらゆる粒子を破壊する。これらの弁システムはよく一般的に牛乳の均質化において使用され、0−1μmの範囲の平均粒子サイズが得られる。
その対極にあるのは、低エネルギー装置として分類される高せん断装置システムである。これらのシステムは処理される流体の貯留層において高速で回転するパドル又は流体回転子を通常有しており、多数のより一般的な用途において処理される流体は食品である。これらのシステムは、一般的に20μmを超える平均粒子サイズが処理される流体において許容範囲である場合に使用される。
流体に運ばれる混合エネルギー密度の観点から、低エネルギー−高せん断装置と均質化弁システムの間はコロイドミルであり、中間エネルギー装置に分類されている。典型的なコロイドミル構造は、通常0.001−0.40インチの間の厳密に制御された回転子固定子の隙間によって液冷式固定子から相補的に離れた円錐又は円板回転子を備えている。回転子は通常直接の駆動又はベルト機構を通して電気モーターによって駆動される。回転子は高速で回転すると、回転子の外面と固定子の内面との間の流体を押し出し、隙間で作り出されたせん断力は流体を処理する。適切な調整がされた多数のコロイドミルは、処理された流体中で0.1−25μmの平均粒子サイズに到達する。これらの能力は、化粧品、マヨネーズ、又はシリコン/シルバー混合物組成に要求されるようなコロイド及び油/水を基礎にした乳化物の処理から屋根用タールの混合までをも含む様々な応用にコロイドミルを適合させる。流体中に加えられるエネルギーの概算(kW/L/min)はモーターエネルギー(kW)及び流体出力(L/min)を測定することにより推定できる。
先端速度は反応物に適用される機械力を作り出す1つ又は複数の回転要素の端末と関連する速度(ft/min又はm/sec)である。高せん断装置は処理される材料に対して著しい摩擦を生じるために、高先端速度を非常に小さいせん断隙間と組み合わせなければならない。実施形態において、高せん断装置は約150000psiの範囲における局所的圧力、及びせん断混合器の先端部の高められた温度を作りだす。コロイドミルのための、通常の先端速度は4500ft/min(23m/sec)を超えて、7900ft/min(40m/sec)を超えることが可能である。本開示の目的のために、用語「高せん断」は、1000ft/minを超える先端速度が可能であり、反応するためにエネルギーを生成物の流れに注入するための機械駆動式の外部動力装置を必要とする機械式回転子固定子装置(ミル又は混合器)を指す。
いくつかの実施形態において、外部高せん断装置40は高せん断コロイドミルを備えており、高せん断コロイドミルの固定子及び回転子は、固定子と回転子との間の最小限の隙間が約0.001インチから約0.125インチの間に維持されるように配置される。代替実施形態において、方法は高せん断コロイドミルの利用を含み、コロイドの高せん断装置の固定子及び回転子は、固定子と回転子との間の最小の隙間が約0.060インチに維持されるように配置される。いくつかの実施形態において、回転子は回転子の直径及び所望の先端速度に応じた速度で回転するように設定される。いくつかの実施形態において、コロイドミルは固定子と回転子との間が固定された隙間を有している。若しくは、コロイドミルは調節可能な隙間を有している。
いくつかの実施形態において、外部高せん断装置40は高せん断ミルを備えている。いくつかの実施形態において、外部高せん断装置40はコロイドミルを備えている。適切なコロイドミルは、例えばIKA(登録商標)ワークス,インコーポレーテッド ウィルミントン,ノースカロライナ州(IKA(R)Works Inc.Wilmington,NC)及びAPV ノース アメリカ,インコーポレーテッド ウィルミントン,マサチューセッツ州(APV North America,Inc.Wilmington,MA)によって製造される。いくつかの実施形態において、固形触媒は外部高せん断装置40を通して送られることにおいて、適切な混合器具の選択によって触媒表面積における触媒サイズを減少/増加させることが可能である。
ある実施形態において、外部高せん断装置40はIKA(登録商標)ワークス,インコーポレーテッド ウィルミントン,ノースカロライナ州及びAPV ノース アメリカ,インコーポレーテッド ウィルミントン,マサチューセッツ州のディスパックス リアクター(登録商標)(Dispax Reactor(R))を備えている。いくつかのモデルは様々な導入口/排出口接続、馬力、見掛けの先端速度、出力rpm、及び見掛けの流量を有しており利用可能である。高せん断装置40の選択は、処理能力要求と外部高せん断装置40からの排出口分散物18における所望の気泡サイズとに依存する。
いくつかの実施形態において、反応速度が約5倍を超えて上昇するように、輸送抵抗は外部高せん断装置40が組み込まれることによって減少する。若しくは、約10倍を超える。いくつかの実施形態において、反応速度が約5倍から約100倍に向上されるように、輸送抵抗は外部せん断装置40が組み込まれることによって減少する。
いくつかの実施形態において、高せん断装置40は一段階分散室を備えている。いくつかの実施形態において、高せん断装置40は多段直列分散機を備えている。好ましい実施形態において、高せん断装置40は多段混合機を備えており、それによってせん断力は、更に以下に説明するように流路に沿った長手方向の位置によって異なる。
実施形態において、高せん断装置40は2つの段階を備えている。いくつかの実施形態において、高せん断装置40は3つの段階を備えている。いくつかの実施形態において、外部高せん断装置の夫々の段階は交換可能な混合器具を備えていることによって、柔軟性をもたらす。例えば、IKA(登録商標)ワークス,インコーポレーテッド ウィルミントン,ノースカロライナ州及びAPV ノース アメリカ,インコーポレーテッド ウィルミントン,マサチューセッツ州のDR2000/4ディスパックスリアクター(登録商標)(Dispax Reactor(R))は3段階分散モジュールを備えている。このモジュールは、夫々の段階において細かい、中間、粗い、非常に細かいの選択肢を持った最大で3つの回転子/固定子の組み合わせ(発生器(generator))を備えることができる。これにより、所望の気泡サイズの狭い分散を有する分散物を作り出すことができる。いくつかの実施形態において、3つの段階の各々は非常に細かい発生器を備えた状態で稼働される。
分散機IKAモデルDR2000/4は高せん断の3段階分散装置である。固定子と組み合わされた3つの回転子は、基油を含む液状媒体中に水素の分散物を作り出すために連続して配置されている。混合された高せん断装置導入口ストリーム13は高せん断装置導入口から高せん断装置内に入り、周囲に間隔のあいた第1段階せん断開口部を有する第1段階回転子/固定子結合に入る。第1段階から出た粗い分散物は第2段階せん断開口部を有する第2回転子/固定子段階に入る。第2段階から生じる減少した気泡サイズの分散物は第3段階せん断開口部を有する第3段階回転子/固定子の組み合わせに入る。分散物は高せん断装置分散物排出口ストリーム18として高せん断排出口を介して高せん断装置を出て行く。実施形態において、せん断力は流れの方向に沿って長手方向に段階的に増加する。例えば、実施形態において第1回転子/固定子段階におけるせん断力は後の段階におけるせん断力を超える。その他の実施形態において、せん断力は同じ段階(stage or stages)と共に流れの方向に沿ってほぼ一定である。
例えば、IKAモデルDR2000/4はベルト駆動、4M発生器、PTFEシーリングリング、1インチの導入口フランジ用衛生クランプ、3/4インチの排出口フランジ用衛生クランプ、2馬力の電力、7900rpmの出力速度、約300−700L/h(発生器に依存する)の流動能力(水)、9.4−41m/s(〜1850ft/minから8070ft/min)の先端速度を含む。IKAモデルDR2000/4の回転子及び固定子は円錐形であり、次第に細かい鋸歯又は溝になる3段階を有する。固定子は回転子と固定子との間の所望の隙間が得られるように調節できる。溝は乱流を増加させるために夫々の段階において方向を変更する。
外部高せん断装置40は当業者に周知である技術を用いて冷却されるPTFEシールを備えていてもよい。例えば、液体反応物である液体12は、シールを冷却するために使用されるため、希望するように予熱可能である。
実施形態において、高せん断装置は流体の体積/重量当たりの一定のエネルギーを供給する。実施形態において、高せん断装置は、少なくとも4500fpmの見掛けの先端速度において1.5kWの電力消費と共に少なくとも300L/hを供給する。
一旦分散されると、分散物は反応器導入口分散物ストリーム19として反応器10に入る高せん断装置排出口分散物ストリーム18となって高せん断装置40を出る。高せん断装置排出口分散物ストリーム18は反応器導入口分散物ストリーム19として反応器10に導入される前に、加熱、冷却、又はポンピング(pumping)などによって処理される。以下に更に説明するように、ある実施形態において、たくさんの水素化がポンプ5と高せん断装置排出口18との間で起こり、分離した反応器10は高せん断システム100には組み込まれない。
反応速度は、図3に示されるようなシステム構造を通して更に加速可能であり、未反応の水素ガス17は反応器10内で分離されて、ポンプ7の手段によって高せん断ユニットの導入口32に戻り再利用される。このように、大容量の水素ガスは過剰の水素を抜くことなく高せん断ユニットを通ることができる。
反応器10
基油12中の脂肪酸の水素化は、触媒存在下において適した時間、温度及び圧力条件が存在することでいつでも起こすことができる。従って、転換は図2のフロー図において温度及び圧力条件が適している任意の位置で起こすことが可能である。しかしながら分離した反応器10はいくつかの応用において増加する滞留時間、撹拌及び加熱及び/又は冷却を許容するのに望ましい。水素化は主としてポンプ5と高せん断装置の排出口18との間で起こり、実施形態において、分離した「反応器」10は必要とされないことが見出された。
容器/「反応器」10を備える実施形態において、反応器10は多段反応が継続する任意の種類の反応器である。例えば、連続又は半連続撹拌槽型反応器又は回分反応器は、直列又は並列に使用される。いくつかの実施形態において、反応器10は塔型反応器である。いくつかの実施形態において、反応器10は管状反応器である。実施形態において、反応器10は多管状反応器である。反応器10における温度は当業者に周知である任意の方法を用いて制御可能である。ある実施形態においては、多数の転換は高せん断装置40内で起こり、反応器10は主として貯蔵容器であってもよい。
反応器10は脂肪酸液体供給導入口14、不活性ガス注入15及び生成物除去ストリーム16を含んでいる。実施形態において、不活性ガス15は反応器10(又は高せん断水素化システム100内の他の場所)に注入されることで、以下の実施例2及び3で更に説明するように、水素化を促進してトランス脂肪の生産を減少させる。
反応器10は、当業者に周知の技術を使用する温度制御(すなわち熱交換器)、撹拌システム、及びレベル調整装置を更に含んでいてもよい。
実施形態において、反応器10(又は図4の110)は任意の数の市販用に製造された反応器から選択でき、任意の適した容積である。実験室規模の反応器10の容積は、例えば500mLから10Lである。商業用サイズの反応器は40,000L以上にサイズ調製可能である。
ポンプ
図1において、外部高せん断装置40はポンプ5と反応器10との間に位置している。ポンプ5は高せん断装置40及び高せん断水素化システム100全体に制御された流れを提供するために使用される。ポンプ5は圧力を生じ、外部高せん断装置40に供給する。実施形態において、ポンプ5はポンプ5に入る脂肪酸ストリーム21の圧力を2atmを超えるまで増加させる。いくつかの実施形態において、約20気圧を超える圧力は、選択されたポンプ5及び高せん断装置40の圧力制限となる制限要素を有する水素化を促進するために使用される。
食品等級要件に適合する必要性がある場合、好ましくはポンプ5の全ての接触部分は、例えば316ステンレス鋼などのステンレス鋼である。ポンプ5は、例えばローパー タイプ 1 ギヤポンプ(Roper Type 1 gear pump)、ローパー ポンプ カンパニー(Roper Pump Company)(コマース、ジョージア州(Commerce Georgia))、又はデイトン圧力増圧ポンプモデル2P372E(Dayton Pressure Booster Pump Model 2P372E),デイトン エレクトリック シーオー(Dayton Electric Co)(ナイルズ、イリノイ州(Niles,IL))などの任意の適したポンプである。
図2に示すように、高せん断水素化システム100は高せん断装置40の後に位置するポンプ6を備えることができる。この実施形態において、高せん断水素化システム100はさらに反応を加速させるために、反応器10内への圧力を増加させるための高圧ポンプ6を備えている。ポンプ6が増圧ポンプとして組み込まれているとき、ポンプ5は高せん断ユニット40への圧力を減少させるよう絞りポンプ/弁として使用されることによって、その損耗を減少させることができる。
脂肪酸の水素化のための触媒
実施形態において、水素化システム100は水素化触媒を含む。また、当業者に周知である任意の触媒も水素化に利用可能である。実施形態において、触媒は脂肪酸の水素化を促進するために使用できる。不飽和脂肪酸の水素化のために、適切な触媒は不飽和脂肪又は脂肪酸の水素化に通常使用される任意の触媒である。これらの触媒は一般的に水素化のために適した形態の1つ又は複数の遷移金属、又は1つ又は複数の遷移金属の化合物を含む。元素の周期表の第VIII族又は第VIIIA族である一または複数の金属及び/又は1つ又は複数のそれらの化合物を含む触媒は、本発明による方法に好適に使用される。それらの触媒は、銅ベース及び白金ベースの水素化触媒を含むが、これらに限定されない。金属鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム及び白金並びにそれらの化合物は特に優れていることが立証されている。経済的理由、及びまたそれの特定の効果の利益から、ニッケル又は1つ又は複数のそれの化合物を含む触媒は、本発明による脂肪、脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体の水素化のための触媒としての使用に特に有益である。
実施形態において、使用される触媒は不溶性の担体に固定される遷移金属触媒である。不溶性担体は脂肪及び脂肪酸の触媒水素化において通常使用される種類である。いくつかの好ましい実施形態において、触媒は反応生成物のごく一部に懸濁して使用される。
好適な水素化触媒は、例えばエンゲルハード コーポレーション,エリー,ペンシルベニア州(Engelhard Corporation,Erie,PA)(バスフ カンパニー(a BASF company))のナイソファクト(登録商標)120(NYSOFACT(R)120)である。ナイソファクト(登録商標)120はケイ酸ニッケル触媒で、約22重量%のニッケルが含まれている。触媒は、原料が室温で固体である状態に水素化された保護的水素化植物油により被覆加工された固形の「ドロップレット(droplets)」として供給される。水素化された油被覆は、空気中における触媒の酸素との反応を減少させるために保護層として機能する。保護層は触媒の活性部位をさらすために取り除かれる。保護層を取り除くことは触媒を加熱することにより行われる。保護層を取り除くことは約80℃から約85℃の範囲の温度に保護された触媒を加熱することにより行われる。
本発明の実施形態は、開始材料として市販のニッケルを基礎とする触媒を使用する。ニッケル−レニウム触媒などのその他の市販のニッケルを基礎とした触媒(本明細書においてその全体を参照することで本明細書に組み込まれている米国特許第4,111,840号に説明されている)は、同様に本発明において利用できる。
あらゆる酸化環境に曝されることは、触媒活性部位の一部又は全てを酸化させる原因になる可能性があり、その結果、触媒のC=C二重結合を水素化するその能力においてより活性が低くなるため、ニッケル触媒は通常それらの製造後に空気に曝されることから保護される。酸化物の残余は触媒製造において推奨される最良の方法を用いた貯蔵の後でさえ、ニッケルを基礎とした触媒内に残ることが見出されている。
従来技術の引例はより活性なニッケル触媒を提供するために前処理として水素を使用しているが、バン トール(Van Toor)らの引例では、特定の反応圧力及び反応時間は現在商業的に使用されているものを超えることを認識している。
本発明の実施形態に従うと、市販のニッケル触媒は結果的に生じる活性触媒が優れた活性を有するように処理される。図5は本開示に基づく触媒を活性化するためのシステムの図である。触媒は撹拌器28及び加熱マントルを伴う反応器10内に触媒を導入することにより活性化される。加熱マントルはあらゆる保護被覆を溶かす温度に触媒を加熱するために利用される。ナイソファクト(登録商標)120の場合、この温度は約80℃である。一旦ワックス被覆が溶解すると、反応器10は密閉されて、例えば水素注入16を介して水素流は開始される。第2気体導入口弁15は、窒素又は水素などのその他の非酸化性気体を、例えば触媒の酸化を妨げることが主要な目的であるこの段階において使用可能とするために使用される。
反応器の撹拌器28は活性化の間、反応器の内容物を撹拌するために使用される。当業者に周知のようにその他の適した混合装置を使用してもよい。実施形態において、反応器の撹拌器28は活性化の間、約1000rpmで操作される。
実施形態において、温度150℃、20psiで流速3−5SCFH(標準立方フィート/時間)における水素ガスは2時間かけて反応器10に連続的に加えられる。過剰の水素及びその他の揮発性物質は通気口17を通って活性化の間反応器10から取り除かれる。また、反応器から内容物を抜くことによって活性化の間触媒が水素と反応するときに形成される水を取り除くことができる。
触媒活性化に続いて、反応器10は反応器内で水素圧を維持しつつ、空冷することができる。実施形態において、反応器10は反応器10内で水素圧を20psiに維持しつつ、100℃まで空冷することができる。代替実施形態において、いくつかの冷却材が提供される。そして活性触媒は、密閉された乾燥皿44に移される。密閉された乾燥皿44には窒素が流される。活性触媒は、触媒を失活させる酸素又は湿気のあらゆる源と活性触媒との接触を避けるために、(真空ポンプ46を介した)真空下で保持される。
活性触媒はモルタル内でサイズ調整されて、水素化における使用に適する微粉末になるまですりつぶされる。触媒は高せん断装置内の回転子/固定子の間の最小隙間未満のサイズにサイズ調整される。実施形態において、触媒は約200μmにサイズ調整される。
以下の実施例1は、本方法における適した活性触媒の調製を示している。以下の実施例2は活性水素化触媒及び窒素注入などを伴う植物油の水素化を示している。以下の実施例3は不活性ガス注入を伴わない活性触媒による水素化を示している。以下の実施例4は活性化された従来の触媒を使用して得られる水素化を示している。実施例5は活性触媒及びヘキサン溶媒存在下において、表3の基油における水素化を示している。実施例6は反応器のパージ無しの活性触媒の調製を示している。
開示された活性水素化触媒及び活性化方法から生じる増加した活性は、水素化時間の減少、及び/又は所望のトランス脂肪値及び/又は飽和脂肪値を含む水素化生成物の生産をもたらす。また、水素化生成物は改善された風味を有する。
本方法に従って活性化された触媒は、図1に示すように従来の水素化システムにおいて利用できるか、又は図2の高せん断水素化システム内に組み込むことができる。特定の実施形態において、液体21における脂肪酸及び水素ガス22の高せん断接触を伴う高温及び高圧の条件によって、固形触媒無しで水素化可能であることが示される。
加熱/冷却
上述したように、付加的な外部又は内部加熱及び/又は冷却熱交換装置の使用は、また、方法のいくつかの応用において考慮される。図2を参照すると、外部熱交換装置のための適した場所は、反応器10とポンプ5との間、ポンプ5と高せん断装置40との間、及び/又は高せん断装置40と反応器10との間である。周知である多種類の適切な熱交換装置がある。それらの交換器の例としては、シェル(shell)及び管(tube)、板(plate)及びコイル(coil)状の熱交換器がある。
II. 水素化方法
A. 従来の水素化方法
いくつかの実施形態において水素化方法のために使用される図1の装置が上述されている。図1の参照は、本開示の実施形態に従って、活性触媒、不活性ガス注入、及び/又は有機溶媒添加と共に使用される非高せん断水素化方法を説明するために使用される。
基油及び触媒(及び指示された有機溶媒)は反応器10内に入れられる。そして例えば窒素及び水素などのガスは、反応器10を満たすために使用され、あらゆる空気及び/又は酸素は除かれる。そして基油は加熱マントル30を使用して特定の反応温度まで加熱される。
水素ガス29は周辺温度で反応器10内に供給されて、ガス流は供給マニホールド(manifold)(図示しない)と反応器10との間で圧力逃がし弁(図示しない)によって制御される。
そして反応器への水素の流れを維持し、示される期間の間特定の温度に維持しながら水素化反応が実行される。水素化は発熱反応であるため、加熱は反応を開始するために使用され、その後に加熱は停止される。
大きな反応器(2L以上)において、冷却コイル27は所望の温度を維持するために一般的に組み込まれている。反応終了時点では、加熱マントル30は取り外されて、反応器10は反応容器全体に空気が吹き付けられて冷却され、そして水素流が停止される。冷却の間、真空は水によって冷却されたコンデンサ34を通り、容器に引かれる。これは、実施形態において有機溶媒を除去するために使用され、反応器10内の液体は水素化生成物におけるトランス脂肪値を改善させるための有機溶媒を含んでいる。
水素化反応生成物が反応器放出20を介して反応器から取り除かれた後、冷却工程は反応器温度が周辺温度(一般的に約20℃から約25℃)に到達すると停止され、その組成物が決定される。
B. 高せん断水素化方法
高せん断水素化システムの実施形態は、気体/液体又は気体/液体/固体の反応速度を加速させるように、液相における水素ガスの溶解性を上げるための少なくとも一つの高せん断装置40を備えている。高せん断水素化方法の記述は、1つの外部高せん断装置40を備える水素化システム100の概略図である図2を参照してなされる。外部高せん断装置40はポンプ5と反応器10との間に位置している。図2において、高せん断システム100は閉鎖系として構成されており、そこにおいて、高せん断装置40からの産出分散物18は生成物ストリーム16の回収のために反応器10に戻る。この構成は例えばそれ自身を多重パス操作に役立たせることである。反応器10からの取り除きにおいて、生成物16は更なる処理のための生成物回収システム(図示しない)に移すことができる。図1における点線の使用は、以下に説明される高せん断脱硫方法の説明を読むことにより明らかとなるように、反応器10、外部高せん断装置40、及びポンプ5の間に追加の段階を組み込むことが可能であることを示している。
方法の実施形態は、反応器10の液相内に分散される不均一な水素化触媒の存在下において、水素による脂肪、脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体を含む任意の不飽和油の不均一水素化の方法を含む。方法の実施形態は、高せん断装置40の使用、及び高せん断装置40に導入される前に水素ガスを脂肪酸に導入することによって特徴付けられる。
実施形態において、方法は1つの外部高せん断装置40を含む。外部高せん断装置は供給反応物源と反応器/貯蔵タンク10との間に位置する。実施形態において、反応器10は触媒で充填されて、触媒は上記IB部で説明されたように活性化される。
実施形態において、反応物、及びもし存在するなら触媒(すなわち水素ガス、不飽和脂肪酸、及び触媒)は反応器10内で混合される。そのような実施形態において、反応器10は基油及び触媒で充填され、その混合物は例えば水素雰囲気下で加熱される。スラリーはポンプ5及び/又は6、及び反応器排出口ストリーム20、ポンプ導入口ストリーム21、ポンプ排出口ストリーム12、高せん断装置導入口ストリーム13、分散物18を介してシステム100を通って循環される。代替形態において、高せん断装置40から出た反応物18は、触媒のための流動又は固定層反応器42に導入される。
脂肪酸供給ストリーム14を通過する脂肪酸組成物は、内部パドル撹拌器(図2において図示されない)及び/又は冷却コイル(図2において図示されない)を備える圧力反応器10内に入れられる。また、反応器10は上述されたように、ガス注入弁、圧力逃し弁、放出弁、温度プローブ、及び圧力計、及び/又は加熱器を有することができる。いくつかの実施形態において、反応器10は連続又は半連続撹拌槽を備えており、その他の実施形態においては、水素化はバッチ(batch)法によって操作される。
実施形態において、不飽和脂肪酸及び任意の触媒を含む液体は別々に反応器10に導入される。実施形態において、液状媒体及び触媒は反応器10に導入される前に混合される。その他の実施形態において、液体及び触媒は別々に導入されて、反応器の撹拌器(図2において図示されない)によって反応器10内で混合される。特定の応用を希望する場合、追加の反応物は反応器10に加えられてもよい。反応物は、例えばストリーム14及び15を介して反応器10に入れられる。図1に2つが示されている(ストリーム14及び15)ように、任意の数の反応器導入口ストリームが想定される。例えば、不活性ガス注入を伴う実施形態では、不活性ガスはガス注入15として注入できる。
実施形態において、水素化反応を触媒することに適した任意の触媒が使用される。実施形態において、窒素又は水素などのガスは反応器10を満たすため、及び反応器からあらゆる空気及び/又は酸素を除くために使用される。実施形態において、反応器10は水素化触媒を利用する。
実施形態において、水素化反応器10は触媒及びトリグリセリド組成物(例えば植物油、ヒマワリ油)で充填されて、触媒の保護被覆を液化させるために必要に応じて加熱される。若しくは、加熱は水素流下で行われてもよい。
実施形態において、加熱は85℃まで行われる。実施形態において、触媒の被覆が溶けるのに要する時間は約10分である。実施形態において、85℃における溶解に続いて、所望の温度である追加の油が時間をかけて加えられることで、結果的に生じる油を所望の温度にすることができる。例えば、実施形態において、85℃における溶解に続いて、50℃の追加の油は、結果的に生じる油が約60℃になるように約1−2分かけて加えられる。その後に、所望の反応圧力を維持するために水素は続けて供給される。基油は反応温度を維持するために反応器内で冷却コイルを使用しながら特定の反応温度で維持される。
溶解の後に、付加的な油は、結果的に生じる油が例えば35℃などの所望の温度になるように時間をかけて加えられる。本発明は予想外にも約30℃からの温度範囲においてトリグリセリドの水素化が可能である。水素化は発熱反応であるため、加熱は最初に反応を開始するために使用され、後に加熱源を取り除くことができる。
次に、高せん断装置40は稼動状態に置かれて、反応器の撹拌は継続し、そして高せん断システム100全体にわたる反応器流体の高せん断ポンプ輸送が開始する。反応物は高せん断装置40に導入されて、反応物は反応が終わった後に例えば特定の純度又は性質値を有する生成物などの所望の水素化生成物を生産するのに十分な時間をかけて連続して循環する。
実施形態において、分散性ガス22は高せん断システム100内に連続して導入される。分散性水素ガスストリーム22は、反応器10内の圧力が所望の範囲に到達するまで高せん断装置ガス導入口に注入される。実施形態において、分散性ガスストリーム22は、反応器10において圧力が30psiに到達するまで高せん断装置40に導入される。実施形態において、分散性ガスストリーム22は、反応器10において圧力が最大で約200psiに到達するまで高せん断装置40に導入される。
反応器排出ストリーム20はポンプ5に送られる。ポンプ5は、ポンプ5の前にさらなる処理があっても無くても良い反応器10からの排出ストリーム20であるポンプ導入口ストリーム21を外部高せん断装置40に導入する。ポンプ5は高せん断装置40及び高せん断システム100全体に制御された流れを提供するために使用される。ポンプ5は圧力を作り出し、外部高せん断装置40に供給する。実施形態において、ポンプ5の流速は約3L/minから約4L/minの範囲内である。このように、高せん断水素化システム100は、反応物の密な混合を促進するために高せん断を圧力と結合させる。
図2に示して上述したように、高せん断水素化システム100は高せん断装置40の後に位置するポンプ6を備えることができる。この実施形態において、高せん断水素化システム100は、反応をより加速させるために反応器10への圧力を高めるための高圧ポンプ6を備えている。ポンプ6は増圧ポンプとして組み込まれる場合、ポンプ5は高せん断ユニット40への圧力を減少させるために絞りポンプ/弁として使用でき、その結果それの損耗を減少できる。
好ましい実施形態において、水素は高せん断装置供給ストリーム13を形成するために脂肪酸組成物ストリーム12中に連続して供給できる。分散性水素ガス22は周辺温度でポンプ排出口ストリーム12と混合されて、ガス流は高せん断装置40の上流の圧力逃し弁(図示されない)によって制御される。実施形態において、分散性反応物ストリーム22は、外部高せん断装置40に送られる前に選択的に更に処理できるポンプ排出ストリーム12を含む高せん断導入口ストリーム13に注入される。
実施形態において、分散性ガスストリーム22は液体21と混合されて、混合された気体/液体(又は気体/液体/固体)ストリーム13は高せん断装置40に導入される。その他の実施形態において、高せん断装置40はガス導入口及び液体導入口を含み、分散性ガスストリーム22及びポンプ排出口21における液体は、高せん断装置につながる外部よりも高せん断装置内で混合される。いくつかの実施形態において、特に大反応器システムに関して、例えば調製された触媒を加えることは、高せん断装置供給ストリーム13、ポンプ排出ストリーム12、液体21、反応器10、高せん断装置排出口分散物18、及び/又は反応器再利用導入口ストリーム19に加えられるように、工程における任意の場所にて、油循環ストリームにポンプ輸送される触媒を調製するための分離された溶解・混合瓶を有していることが望ましい。
高せん断装置40において、液体脂肪酸媒体中に水素の細かい分散物が作りだされて、それは水素化反応を加速させて低温及び低圧操作にて反応を可能とするために非常に反応時間を短縮できる。高せん断装置40において、水素及びトリグリセリド組成物は、高せん断装置40からの分散物18が液体21の脂肪酸中への水素22の優れた溶解性のための水素のナノ気泡及びマイクロ気泡を含むように、高度に分散されている。上述したように、液体中に分散されるサブマイクロ粒子は主としてブラウン運動効果を通して運動することが乳化化学において知られている。従って触媒表面に表されるように境界層を通る気泡運動の速度は、高せん断装置40において形成されるサブマイクロサイズの気泡の形成によって向上される。
実施形態において、一旦分散されると、水素−トリグリセリド混合物は、高せん断装置排出口分散物18として外部高せん断装置40を出る。ストリーム18はスラリー触媒工程の代わりに流動又は固定層42に任意に入る。しかしながら、いくつかのスラリー触媒の実施形態において、高せん断排出口ストリーム18は、水素化反応を増大できる反応器再利用導入口ストリーム19として直接水素化反応器10に入る。反応器再利用ストリーム19は、反応器10に循環される前に、選択的に更なる工程を経ることができる高せん断装置排出ストリーム18である。
触媒が充填システム内に存在し(スラリー反応システムのように)、水素化反応を誘発するのに適した温度及び圧力が存在するとき、水素化は反応器10の外側で起こる可能性がある。反応の大部分が高せん断装置40内で起こり得ることを示しておく。実施形態において、システム100が高せん断装置40の外の条件が水素化を促進するのに適していない(例えば、適した条件は35℃及び60psi)状態で操作されている場合、90%を超える反応は高せん断装置40内で起こっているであろう(例えば以下の実施例7参照)。実施形態において、非常に多くの水素化はポンプ5と高せん断装置40の排出口18との間で起こっている。
十分な滞留時間が所望の反応を実行するために高せん断水素化システム100内に存在すると、ある実施形態において、反応器10は必要ではないかも知れない。実施形態において、反応器10は、多くの反応が外部高せん断装置40内で起こるため、主に流体を冷却するために使用することができる。トリグリセリド組成物は、当業者に周知の任意の方法を介して反応熱を反応器10又はシステム100全体のどこかから取り除くことによって、特定の反応温度で維持可能である。
実施形態において、当業者に周知なように、例えば反応が終了した後に特定のヨウ素価を持つ水素化生成物16である所望の生成物を生産するのに十分な時間にわたって、反応流体は連続して循環して、反応は継続する。水素化反応は示された時間の間、特定の温度を維持する反応器10内で増大可能である。
冷却工程は反応温度が周辺温度(一般的に約20℃から約25℃)に到達したとき停止する。生成物ストリーム16は水素化された脂肪酸を含む。水素化生成物が生成物ストリーム16を介して高せん断システム100から抜き出されるとき、通気ガスは通気ストリーム17を介して反応器10を出る。実施形態において、反応器10は複数の反応器生成物ストリーム16を含む。水素化油生成物16はろ過されて、そして直接輸送容器に供給されるか又はフレーク状又は一般的に当業者に周知の形状に仕上げられる。
実施形態において、反応の終了時において、気体は反応器ガス排出口17を介して生成物から取り除かれる。反応器ガス排出口17は例えば未反応の水素を含む。反応器ガス排出口17を介して取り除かれたガスは周知の技術を用いて更に処理及び/又は再利用できる。図3に示すようにいくつかの応用において、反応器ガス排出口17を介して取り除かれた未反応の水素は回収されて、分散可能なガスストリーム22におけるガスとして高せん断装置40の導入口に直接注入される。
複数の高せん断装置は、所望の反応のために必要に応じて水素を同伴させるために利用可能である。いくつかの実施形態において、2つ以上の高せん断装置40は直列に配列されて、更に反応を促進するために使用される。それらの操作はバッチ式又は連続式方法のどちらかである。単一パス(single pass)又は「ワンススルー(once through)」工程が望まれるいくつかの例において、連続した複数の(すなわち2つ又はそれ以上)高せん断装置の使用も有益である。複数の高せん断反応器の使用によって、所望の飽和度のワンパス(one pass)水素化が可能である。いくつかの実施形態において、複数の高せん断装置40が直列に稼働される場合、反応器10は使用しなくてもよい。その他の実施形態において、複数の高せん断装置40は並列に稼働されて、そこからの排出口分散物は1つ又は複数の反応器10に導入される。
図4は2つの高せん断ユニット140及び140Aが反応を更に促進させるために連続して使用される高せん断システム100の実施形態を示している。また、複数の高せん断装置140及び140Aは、図4における固定触媒層142などの固定触媒層反応器と共に利用できる。図4は、類似した構成要素が図2に示される番号に100加えた同じ番号を有するよう番号が付けられている。例えば、18が図2の高せん断分散物排出口を表すために使用されているのと同様、番号118は図4における高せん断分散物排出口ストリームを表すために使用される。
操作条件
A. 温度
反応は一般的に触媒水素化反応などにおいて使用される温度及び圧力条件の下で進行する。実施形態において、反応温度は60℃から260℃の範囲である。いくつかの実施形態において、操作条件は約100℃から約230℃の範囲における温度を含む。実施形態において、反応温度は220℃未満である。いくつかの実施形態において、温度は約160℃から180℃の範囲である。いくつかの特殊な実施形態において、反応温度は約155℃から約160℃の範囲である。いくつかの実施形態において、特に、低トランス型を望む場合、水素化は大体約25℃から約60℃の範囲における温度の影響を受ける。その他の実施形態において、水素化は大体約30℃から約40℃の範囲における温度で行われる。
B. 圧力
本発明の方法において使用される反応条件は、不飽和脂肪酸、脂肪及びそれらの誘導体の触媒水素化に対して、当業者に広く知られている。一般的に、水素圧は0.5から300barの範囲である。いくつかの実施形態において、反応圧力は約2atmから約55−60atmの範囲である。実施形態において、反応圧力は約8から約15atmの範囲である。実施形態において、反応圧力は約1000psi未満である。若しくは、いくつかの実施形態において、作動圧力は約500psi未満である。いくつかの実施形態において、作動圧力は約450psi未満である。いくつかの実施形態において、操作圧力は約200psi未満である。いくつかの実施形態において、作動圧力は約100psi未満である。
いくつかの例において、水素化度を更に向上させることが望まれている。反応圧力の上昇は反応速度を向上させるが、また、付属装置と同様に反応器、配管、及び工場の機材部分を構成している材料の損耗が増大する。外部高せん断混合によって提供される優れた溶解性及び/又は分散性は、反応速度を維持又は増加させても作動圧力を減少させることができる。高せん断装置を使用することで、反応混合物内での局所的な瞬間状態を可能とし、それによって脂肪酸の水素化は、従来水素化が起こらない温度及び圧力の全ての条件の下で起こる。
脂肪酸の水素化は、数時間かけて60から100ポンド/平方インチの範囲の圧力及び100℃から175℃の範囲の温度において慣行的に行われる。外部高せん断装置40は閉鎖型であり、そこにおいて高せん断ユニット内の温度及び圧力は制御することができるため、方法において高せん断装置が使用されると、加速された水素化は低い操作温度及び圧力で起こることで反応時間を顕著に減少できる。(関連する統合された/内部の混合器を備える)大反応器ユニット全体の温度及び圧力の維持が大反応容器の温度及び圧力を制御するのに多くの資本投資を必要とするため、外部高せん断装置40の使用は大反応器内に置かれた従来の混合器よりもより経済的に好ましい。高せん断装置40内の瞬間圧力及び温度条件は、また、実施例7に示されるようにトランス脂肪型を減少させる低下した温度において水素化が可能である。
実施形態において、少なくとも1つの高せん断装置40の利用は大気圧近くの圧力で反応器10の作動を可能にする。いくつかの実施形態において、本開示の方法及びシステムは、外部高せん断装置40を導入せずに従来可能であったものより小さい及び/又は少ない資本投資方法の設計を可能とする。従って、開示されている方法のある実施形態において、新しい高せん断水素化システムの設計のための資本費用は、従来の(非高せん断)水素化システムと比較して減少している。代替実施形態において、開示された方法は既存方法から運転費用を減少させて/生産量を増加させる。
C. 反応時間
少なくとも1つの外部高せん断装置40を備える開示された方法の使用は、水素化反応を加速させることにより、不飽和脂肪酸の水素化を増加させ、及び/又は反応物の処理量を増加させる。いくつかの実施形態において、その方法は外部高せん断装置40を確立された方法に組み込むことを含み、それにより高せん断装置40無しで行われる類似の方法と比較して生産量を増加(より多くの処理量)が実現できる。実施形態において、脂肪酸の水素化におけるせん断の使用により、反応時間を完全に水素化された油などの生成物を生産するための従来の反応時間の半分未満の時間にすることが可能である。
D. ガス流速
実施形態において、分散物ガスストリーム22のガス貫流は約1から約6Nm/hの範囲である。
水素化の結果
脂肪酸の水素化のための開示されたシステム、方法及び触媒活性の潜在的有益性は、より小さい反応器の設計及び/又は低温及び/又は低圧での水素化方法の操作の可能性によって、速い循環時間、増加する処理量、減少するトランス脂肪、増加する水素化物の収率、及び/又は減少する運転費用及び/又は投資費用を含むが、これらに限定されない。
実施形態において、外部高せん断装置40による反応物の混合を含む開示された高せん断方法は、以前に可能であったものより反応器10において低い温度及び/又は圧力で使用することができる。実施形態において、その方法は外部高せん断装置40を従来の方法に組み込むことを含み、それにより外部高せん断装置40における反応の作動温度及び/又は圧力を減少させ、及び/又は高せん断装置40無しで行われる方法からの生産量の増加(より多くの処理量)が実現できる。
実施形態において、本開示の方法及びシステムは、外部高せん断装置40が組み込まれていない以前に可能であったものより低い作動温度及び/または圧力を有する反応器10を選択でき、より小さい及び/又はより少ない資本投資方法の設計を可能とする。上述したように、少なくとも1つの高せん断装置40の利用により、いくつかの実施形態において大気圧近くの圧力で反応器10を稼働することができる。
表2は、水素化の間に生産されるトランス脂肪含有量を最小限にするために、著者が「A型活性低トランスニッケル−触媒」(エー.ビアーズ他,2006 米国油化学会 年次総会,セント.ルイス,ミズーリ州,5月 2006年(A. Beers et al.,2006 AOCS Annual Meeting,St. Luis, MO, May 2006)によって発表された論文)と称する触媒を使用した工業用の水素化工場からの代表的な値を示している。ビアーズらはリノレン酸(C18:3)は酸化されやすい脂肪酸であり、理想条件下ではより飽和したステアリン酸(C18)よりもオレイン酸(C18:1)に水素化されることが望まれると示唆している。本発明の実施形態において達成される結果から、従来のシステム及び方法よりも低い総合トランス脂肪含有量及び/又は低い飽和脂肪成分(C18:0)を含むより望ましい水素化トリグリセリドが生産される。
Figure 2010514915
いくつかの実施形態において、開示されたシステム及び方法による液状媒体における水素の分散、本明細書に開示される水素化触媒の活性化、及び/又は不活性ガス注入の利用は、トランス脂肪の量及び/又は不飽和脂肪の量を減少させる。実施形態において、水素化は約100未満のヨウ素価で測定される不飽和度を有する水素化生成物を生産する。実施形態において、水素化生成物16は、約11%未満の飽和脂肪成分(C18:0のように)を有する。実施形態において、水素化生成物16は約10%未満の飽和脂肪成分(C18:0のように)を有する。
実施形態において、トランス脂肪の総量は約15%を超えて減少される。実施形態において、ヨウ素価は約15%減少される。実施形態において、高せん断水素化システム及び方法は、「ゼロトランス脂肪」生成物を生産する。生産される水素化油は10重量%未満のトランス脂肪酸を含む。
実施形態において、システム及び方法はステアリン酸(C18:0)に対するオレイン酸(C18:1)の割合が約30%未満である水素化油を生産する。水素化生成物は5重量%未満のリノレン酸(C18:3)を含有する可能性がある。実施形態において、水素化生成物は約1重量%未満のリノレン酸(C18:3)を含有する可能性がある。
以下の実施例7は、水素化のための本開示において図2に従う高せん断方法及びシステムを使用して得られる結果を示している。実施例8は従来の水素化システムによって得られる結果と比較した開示された高せん断水素化方法及びシステムによる大豆油の水素化の結果を示している。高せん断装置によって生産される気泡の分析は以下の実施例9に示されている。以下の実施例10は、図2の高せん断システム及び方法における固定触媒層を用いて得られた結果を開示している。
その他のシステム
開示されたシステム及び方法はその他の水素化反応の速度を上昇させるために利用できる。例えば、いくつかの実施形態において、開示された方法は残留油の水素化のために使用される。また、水素化は選択的なアセチレンからエチレンへの水素化、又はプロパジエンからオレフィンへの水素化を含む。アセチレン及びジエンはエタン、プロパン及び高分子重量炭化水素の分解において生産される不要生産物である。不要生産物は現在、選択的水素化を介して生産物ストリームから取り除かれている。また、芳香族化合物はナフタレンの高温分解において生産される。いくつかのこれらの芳香族化合物は使用の前に水素化されるべきである。多核芳香族化合物は頻繁にPANの健康への影響を最小限にするため水素化される。また、本明細書に開示された方法は、脂肪酸の水素化以外の水素化方法に適していると理解されるべきである。
本明細書に含まれる実施例において、トリグリセリドの脂肪酸組成物はAOCS公定法(Official Method)Ce 2−66(米国油化学会(AOCS),2211 W.ブラッドリー アベニュー.,シャンペーン,イリノイ州(American Oil Chemists’ Society(AOCS), 2211 W. Bradly Ave.,Champaign, IL))を使用して得られ、シス及びトランス異性体の測定はAOCS公定法Ce 1c−89に示される試験方法に従って実行された。ヨウ素価はAOCSの推奨案Cd 1c−85によって決定された。
実施例1:活性触媒の生成
市販の水素化触媒であるナイソファクト(登録商標)(NYSOFACT(R))120はエンゲルハード コーポレーション,エリー,ペンシルベニア州(Engelhard Corporation,Erie,PA)から得られた。ナイソファクト(R)120は、ニッケルを約22重量%含有するケイ酸ニッケル触媒である。触媒は、材料が室温で固体であるところまで水素化された保護的水素化植物油で被覆された固形「液滴(Droplets)」として供給される。この水素化油被覆は、触媒の空気中の酸素との反応を減少させるための保護層として機能する。
ナイソファクト(登録商標)120は、それが水素化に使用される前に、次の通りに活性化された。触媒を活性化させるために使用される装置は図5に示されている。100gのナイソファクト(登録商標)120は500mlの反応器10に入れられて、その後加熱マントル30を用いて加熱された。これらの実施例において、500mlの反応器10はオートクレーブ エンジニアーズ,インコーポレーテッド(Autoclave Engineers, Inc.)(エリー,ペンシルベニア州(Erie, PA))から得られた。
触媒は周辺温度からワックス被覆を融解させるのに十分な温度まで加熱された。ナイソファクト(登録商標)120の場合、この温度は80℃である。一旦ワックス被覆が融解すると、反応器10は密閉されて水素流が開始された。第2ガス導入口弁15では、例えば主要な目的が触媒の酸化を防ぐことであるこの段階において使用される、窒素又は水素などの他の非酸化性ガスを使用できる。
反応器の撹拌器28は始動されて残りの反応時間の間1000rpmで稼動された。温度150℃、20psiで流速3−5SCFH(標準立方フィート/時間)の水素ガスは2時間の間反応器に連続して加えられた。過剰の水素及び他の揮発性物質は通気口17を通って反応器から取り除かれた。本発明のこの実施形態において、反応器から流体を抜くことで触媒を活性化させるために水素と反応した時に形成された水を取り除くことができる。
150℃で2時間経過した後、反応器は反応器中で水素圧力(20psi)を維持しながら100℃まで空冷された。そして活性触媒は密閉された乾燥皿44に移されて、その乾燥皿44は窒素が流されており、触媒を失活させる酸素又は蒸気のあらゆる供給源との接触を避けるためにずっと(真空ポンプ46からの)真空下に維持されている。一旦室温まで冷却されると、(CAT1と呼ばれる)活性触媒はモルタル中でサイズ調整されて、約200μm未満の粒子サイズ(70メッシュ)を有する微粉末にすりつぶされた。
実施例2:活性水素化触媒及び窒素注入による植物油の水素化
本実施例のために、基油は精製されているが脱臭又は脱色されていない非水素化大豆油であり、ADM コーポレーション,ジケーター,イリノイ州(ADM Corp,Decatur,IL)から得られた。本実施例の大豆基油の分析は表3に示されている。
Figure 2010514915
実施例1による2gの活性化されていない触媒は、圧力計、機械式撹拌器及び熱電対を備えた実施例1の500mlのオートクレーブ反応器に入れられた。200mlの大豆基油は反応器に入れられて反応器はパージされた。
反応器は密閉されて窒素で20psiに加圧された。反応器は触媒上のすべての固形脂肪が融解して分散することを十分保証できる温度(本実施例においては80℃で十分である)で加熱されて、そして撹拌されながら60℃まで冷却された。水素ガスが導入されて、圧力は120分間100psiに維持された。
そして、反応器は周辺温度(一般的には約20℃から約25℃の範囲)まで空冷されて、その間水素は反応器内を流されていた。
結果的に生じる水素化された油の試料が分析されて、その結果が表4に示されている。
Figure 2010514915
結果はヨウ素価の顕著な低下を示し、それと共に従来のニッケル触媒などの工業的方法を用いて得られるものよりは少ないトランス脂肪酸値の増加(表2の6%に対して5.1%)を示す。当業者に周知のように、ヨウ素価は油中の二重結合の数の指標である。水素化されると、水素は二重結合と結合してヨウ素価が減少する。
実施例3:不活性ガス注入を伴わない活性触媒による水素化
本実施例は実施例2と同様の手順に従うが、水素(100psi)は実施例2において使用される窒素ガスに代わって使用された。結果は表5に示されている。
Figure 2010514915
実施例2に示される結果と比較すると、より低い本実施例における水素化油のヨウ素価は最初の加熱の間に起こり、上昇した温度では触媒を分散させる非常に多くの量の水素化が起こった結果、総トランス脂肪酸含有量の少量ではあるが不要な増加をもたらしたことを示唆する。実施例3のデータは、水素化の間、実際問題として低温で維持する必要があることを示している。理想的には、工業システムは油を約35℃を超えずに加熱してトランス型を最小限にするよう構成される。
実施例4:比較水素化:活性及び非活性触媒
非活性触媒(N120)と比較して実施例1において活性化された触媒(活性N120,表6)の増加した活性レベルを実証するために、油の試料は類似の条件下で水素化された。
100ml量の基油が使用された。反応器は最初45psiの二酸化炭素で充填された。そして水素は総圧力200psiで加えられた。水素は反応工程で消費されるにつれて、追加の水素(H)は反応の間200psiに維持するために必要に応じて加えられる。例えば二酸化炭素又はヘリウムなどの非酸化性ガスを用いた最初の充填は、触媒が融解している間に、上昇した温度(例えば80℃)で水素化の効果を打ち消す。
結果は表6に示されている。同一の条件の下で、処理されていない触媒は、基油のヨウ素価(ヨウ素価129)からわずかな変化しか示していないヨウ素価(ヨウ素価125.5)によって証明されるように、わずかな水素化活性しか有していないことを結果は示している。活性触媒は同じ条件の下で(ヨウ素価101.6への)ヨウ素価の大幅な減少を示している。修飾されていない触媒は一般的に100℃から約120℃の温度で工業的水素化方法において使用される。従って開示された触媒活性は、かなりの量の水素化を維持しながら低運転温度(本実施例において60℃)にて効果的な触媒の使用を可能とする。
Figure 2010514915
実施例5:活性触媒及びヘキサン溶媒を使用した水素化
水素化は、ヘキサンが10部の油に対して4部のヘキサン(1000ml基油及び400mlヘキサン)の割合で基油に加えられたことを除いて、実施例2に示されるのと同じ方法を使用して行われた。2Lの反応器は図1に従って設定されてパー インコーポレーテッド(Parr, Inc.)(モリーン,イリノイ州(Moline, IL))から得られた。
水素化圧力は60psiであり、反応温度は35℃であった。触媒添加は触媒1部に対して油500部であった。結果を表7に示す。
Figure 2010514915
本実施例はステアリン(C18:0)及びリノレン(C18:3)酸は相対的に低量ではあるが、総トランス脂肪量を減少させる能力を示している。また、活性触媒は35℃の反応条件で驚くほどに活性化されている。
実施例6:反応器のパージなしの触媒調製
本実施例において、触媒活性化の間に反応器をパージすることで、低い温度においても例外的に活性である水素化触媒を生産することが重要な要素であるかどうかを決定するために、活性化された触媒の評価が行われた。
触媒は、反応器が密閉されて活性触媒を調製する間に反応器内でガスがパージされないことを除いて、実施例1に示されるように調製された。結果的に生じた触媒はCAT2と指定された。
以下の表は、発明に係る方法によって調製された触媒、上述されたCAT2と比較された活性N120(「CAT1」と指定された)の効果を示している。
Figure 2010514915
同様の反応条件下で、触媒(CAT2)の修飾の間、反応器のパージなしで調製される触媒は重要な活性を示さず、一方で発明に係る触媒CAT1はヨウ素価(101.6)において基油のそれ(ヨウ素価129)から顕著な減少を示した。
実施例7:低トランス脂肪値を維持しながら反応時間を減少させるための高せん断混合の効果
外部IKA MK 2000 ミル 40(IKA ワークス,インコーポレーテッド ウィルミントン,ノースカロライナ州(IAK Works, Inc Wilmington, NC)の登録された商標)は図2に示すように10リットルの撹拌反応器10に接続された。10リットル反応器は、直径10インチのステンレス鋼管部に基板と撹拌器軸及びシールが備えられた上板とを溶接することにより作成された。
反応器10は触媒及び基油(表3参照)で充填されて、触媒の被覆が溶解するように(加熱マントルを使用して)85℃まで加熱された。注意することは触媒のいかなる酸素との接触を避けることである。水素ガスはシステム中に導入された。反応器にはIKA高せん断装置及び反応器中を油/触媒が循環するように外部歯車ポンプが備えられていた。反応器には発熱水素化反応の間、反応器温度を制御するために内部水冷却コイルが備えられていた。
一旦反応器が85℃に到達して触媒の保護液滴が適度に液化されると、温度は35℃まで減少されて水素が特定の圧力を維持するために継続的に加えられた。反応器温度は35℃を維持するよう冷却されて、結果的に生じる水素化油の分析は表9に示されている。
Figure 2010514915
結果は非常に低いトランス脂肪値、低い飽和脂肪値、及び低いリノレン酸C18:3の値を示した。これは低温(35℃)で約1時間の間水素化を行うことにより実行された。水素化油のヨウ素価(ヨウ素価112.7)及び始めの油のヨウ素価(ヨウ素価129、表3参照)を比較することで、この低温度条件下の水素化は、1時間につき約16ユニットのヨウ素価における変化と同等である。
実施例8:従来の水素化反応における高せん断装置の比較
図1及び2に対応する2つの異なる実験の設定は、従来の水素化方法による水素化(すなわち図1の方法)及び高せん断方法(図2の本開示の方法)を比較するために利用された。両方の設定のために、原料油または基油は、ジケーター,イリノイ州のアーチャー ダニエル ミッドランド コーポレーション(Archer Daniel Midland Corp of Decatur, IL)から供給される精製、脱色及び脱臭された非水素化大豆油であった。両方の設定のために使用される触媒は、エンゲルハード コーポレーション,エリー ペンシルベニア州(Engelhard Corporation, Erie, PA)から得られる市販の水素化触媒、ナイソファクト(登録商標)120であった。以下の実施例において、活性触媒部位は、触媒を85℃まで加熱することによって触媒を利用する前に露出された。以下の実施例において、使用される水素は精製された水素ガス、標準IS:HY200、精製度99.9%(+)を有するII等級であり、エアガス コーポレーション(Airgas Corp.)から得られた。使用されるその他のガスは同様の品質であった。
従来の大豆油水素化構成における2Lの反応器は、図1の設定に従う水素化を実行するために使用された。使用される反応器10はパー インコーポレーテッド(モリーン,イリノイ州)からの2リットル反応器であった。パー(PARR)は反応の間1000rpmで作動するパドル撹拌器28を備えていた。水素16は指示された圧力で直接パー10に注入された。
反応器10は触媒及び100mlの原料大豆油で充填されて、触媒の被覆が溶解可能なように水素流の下で85℃まで(加熱マントルを使用して)加熱された。触媒の被覆加工及び100mlの油の溶解時間は約10分である。85℃での溶解に続いて50℃で追加の700mlの原料大豆油が約1−2分かけて加えられて、結果的に60℃で800mlの油が得られた。そして水素16は所望の反応圧力を維持するために連続的に反応器10に供給された。基油は反応温度を維持するために反応器内の冷却コイル(図2に示されない)を使用して特定の反応温度で維持された。
水素ガス16は周辺温度にて反応器10に供給されて、ガス流は供給マニホールド(図示されない)と反応器10との間の圧力逃し弁(図示されない)によって制御された。
そして指示された時間の間、水素化反応は、反応器への水素の流れを維持し、特定の温度を維持して実行された。水素化は発熱反応であるため、加熱は最初に反応を開始するために使用され、その後加熱源は取り除かれた。
冷却方法は反応器温度が周辺温度となったところで停止され(一般的に約20℃から約25℃)、その後水素化反応化合物は反応器から取り出されて、それの組成が決定された。
本開示の実施形態に従い、図2において説明される第2の設定は、反応器/貯蔵タンク10として機能する8Lの容器と連結された高せん断コロイドミル/高せん断装置40が組み込まれた。外部アイケーエー ワークス,インコーポレーテッド ウィルミントン,ノースカロライナ州の商標として登録された外付けIKA MK 2000ミル(高せん断装置40)は8リットル撹拌反応器に接続された。
本設定において、外部高せん断装置40は水素源と反応器10との間に配置された。反応器10は触媒及び1リットルの原料大豆油で充填されて、触媒の被覆が溶解可能なように85℃まで(加熱マントルを使用して)加熱された。注意することはいかなる酸素の触媒との接触を避けることである。水素ガスはシステムの中に導入された。85℃まで加熱するのに約10分要した。85℃での溶解に続いて、25℃の追加の7Lの原料大豆油は約1−2分かけて加えられて、結果的に35℃の8Lの油が得られた。
そして反応物は高せん断装置40内に導入されて、高せん断装置40内では油が連続的に循環して反応が終了したときに特定のヨウ素価を有する水素化生成物を生産するよう十分な時間をかけて反応が継続した。反応器に外部歯車ポンプ5が備えられることで、高せん断水素化システム100を通して油/触媒が循環可能であった。反応器10は発熱水素化反応の間、反応器温度を制御するために内部水冷コイルを備えていた。水素22の高せん断装置40への注入部は高せん断導入口13にあった。高せん断装置40の分散物18は大気圧で稼働される8Lのステンレス容器10に導入された。高せん断装置40を通る流れは、8Lのステンレス容器10から供給される吸引引力と共に歯車ポンプ5によって制御され、高せん断装置40の導入口12へと排出された。高せん断装置40への導入口圧力は約200psiであった。
一旦反応器が35℃に到達すると、水素は特定の圧力を維持するために連続して加えられた。反応器温度は35℃の温度を維持するように冷却された。基油分析と同様に外部高せん断装置が有る場合及び無い場合で生産される水素化油の分析を表10に示す。
Figure 2010514915
表1に示される原料油のヨウ素価(IV)は129.6であった。結果としては、60℃、80psiの水素圧下で操作されたパーは、ヨウ素価に示されるように水素化反応はわずかしか又は全く起こらなかったことを示す一方、高せん断装置を利用する方法では高度の水素化が起こったことを示すヨウ素価の大幅な減少が得られた。
実施例9:高せん断気泡分析
実施例8からの油の試料はコロイドミルの排出口から得られて、顕微鏡写真により20倍及び50倍の倍率を使用して気泡サイズが分析された。高せん断装置を使用して大豆油中に分散された水素ガスの顕微鏡写真は図6に示されている。観察される気泡は約0.5μm未満から約2μmの範囲であった。いかなる特定の理論によっても結び付けられたくはないが、気泡サイズは、コロイド化する、及びあらゆる気体/液体又は気体/液体/固体反応においてお互いに反応する反応物の能力における主要な要因となると考えられている。理想気体の法則を考慮すると、圧力の下で気泡からの物質移動に利用可能な表面積は、気泡の直径に反比例することが予測される。従って、気泡サイズが1mmから5μmまで減少すると、物質移動面積は200倍まで増加し、気泡サイズの0.5μmへの低下によって速度は2000倍まで増加するであろう。
実施例10:固定触媒層及び高せん断を使用した水素化
実験は図2に示されるような固定層設計である固定触媒層42を使用して実行された。結果は表11に示されている。固定触媒層エンクロージャ42は、230gのスド ケミエ ニサット(Sud Chemie NiSat)310 RS触媒 (スド−ケミエ インコーポレーテッド,ルーイビル,ケンタッキー州(Sud-Chemie Inc., Louisville, KY))が詰まったチタン シンプレックス バスケット ストレーナー(Titan Simplex Basket Strainer)(チタン コーポレーション,ランバートン,ノースカロライナ州(Titan Co Lumberton, NC))モデル BS 35−SS(SA6767C)であった。メッシュはバスケットの上部に適合されて、メッシュを適当な位置に保持するようにロックリングが組み立てられることで、触媒を固定触媒層エンクロージャに維持することができる。
チタンバスケットストレーナ42は高せん断装置40と撹拌反応器10との間でシステム中に配管された。開始及び終了するときに触媒を通る流れを制御するために、固定触媒層エンクロージャ42の周りにバイパス19があった。
始めに固定触媒層42を活性化させるために、8リットルの基油(表3参照)が反応器10に加えられた。酸素を抜き出してシステムを不活性とするために、システム100全体に完全な真空が引かれた。そしてシステム100は窒素でパージされた。そして本方法は完全な真空が繰り返し引かれて、続いて窒素でパージされた。2回目のパージの後、ストレーナーバスケットの導入口及び排出口の1インチのステンレス鋼弁閉じられて、固定触媒層を分離した。3回目の完全な真空はシステム100内で引かれて、その後窒素パージが行われた。純粋な水素が導入されて22、ストレーナーバスケットの導入口及び排出口の弁は最大限に開けられて、バイパス19は閉じられた。高せん断ユニット40、歯車ポンプ5、反応器10の撹拌はその後始動された。システムは4時間の間一定の水素圧力60psiで150℃で維持された。4時間後、システムは停止されて油は静かに移された。触媒はこの時点では最大限に活性化されていた。
水素化方法:8Lの新鮮な基油が反応器10に加えられた。ポンプ5及び高せん断ユニット40が起動される間に、真空が反応器10に30分間引かれて油は150℃まで加熱された。そして水素ガス22は、反応器10の圧力が100psiに到達してポンプ5からのポンプ排出12の圧力が225psiになるまで導入された。少量のガス(1/8インチの直径である銅管を通る1−2気泡/秒)が反応器排出口17を通って放出可能である一方、水素流22は反応器圧力を維持するように制御された。システム100において、水素供給は2時間20分間維持されて、その後にポンプ5及び高せん断装置40と共に中断されて圧力は大気圧まで減少した。そして油は室温まで冷却されて分析された。分析の結果は表11に示されている。データは、水素化が起こったことを示すヨウ素価における顕著な減少を示している。
Figure 2010514915
発明における好ましい実施形態が示されて説明される一方で、それらの修正は発明の精神及び教示を逸脱することなく当業者によって可能である。本明細書で説明された実施形態は単なる例示であり、制限されるものではない。本明細書に開示された発明の多数の変更及び修正は可能であり、発明の範囲内である。数値の範囲又は限定が明示的に定められているところでは、そのような明示された範囲又は限定は明示的に定められた範囲又は限定の範囲内で同等の値の反復範囲又は限定を含むと解されるべきである(例えば、約1から約10は2、3、4等を含む;0.10を超えるは0.11、0.12、0.13等を含む)。特許請求の範囲のあらゆる要素に関して用語「選択的(optionally)」の使用は、対象の要素は必要であるか又は代替的に必要とされないことを意味する。両方の代替は請求項の範囲内であると考えられる。含む(comprises,includes)、有する(having)などの広い用語の使用は、から成る(consisting of)、基本的に・・から成る(consisting essentially of)、実質的に含む(comprised substantially of)などの狭い用語の支持を提供すると解されるべきである。
従って、保護の範囲は上記に示した説明によって制限されないが、以下の請求項によってのみ制限され、範囲は請求項の主要な問題の全ての同等なものを含む。夫々及び全ての請求項は本発明の実施形態として明細書に組み込まれている。従って、請求項は更なる説明であり、本発明の好ましい実施形態への追加である。本発明に対する先行技術である関連技術の説明における参考文献の議論、特に本出願の優先日より後の公開日を有するいかなる参考資料の議論は許可されない。全ての特許、特許出願、及び本明細書中に引用される公開の開示は、それらが提供する実施例、手順又は補助的に本明細書に示された他の詳細の範囲内で参考資料によって本明細書に組み込まれる。

Claims (42)

  1. 水素化装置であって、
    少なくとも1つの高せん断装置を有し、
    前記高せん断装置は、不飽和の液体脂肪又は油を含むストリ−ムのための少なくとも1つの導入口と水素ガスを含むストリームのための少なくとも1つの導入口とを備え、及び平均気泡サイズが約5μm未満である水素ガス気泡を含む分散物のための排出口を備える、水素化装置。
  2. 平均気泡サイズは約0.4μm未満である請求項1の装置。
  3. 高せん断装置は反応物に加えられる機械力を作り出す少なくとも1つの回転要素を有する請求項1の装置。
  4. 高せん断装置は隙間によって分離される少なくとも1つの固定子及び少なくとも1つの回転子を備える請求項3の装置。
  5. 固定子と回転子との間の最小限の隙間は約0.001インチ(0.0254mm)から約0.125インチ(3.175mm)の範囲である請求項4の装置。
  6. 固定子と回転子との間の最小限の隙間は約0.060インチ(1.524mm)である請求項5の装置。
  7. 高せん断装置は少なくとも1000ft/min(304.8m/分)の先端速度を作り出す請求項5の装置。
  8. 高せん断装置はコロイドミルを備える請求項1の装置。
  9. コロイドミルは多段直列分散器を備える請求項8の装置。
  10. せん断力は流路に沿った長手方向の位置によって異なる請求項9の装置。
  11. 少なくとも1つの高せん断装置の下流に容器を有し、
    前記容器の導入口は高せん断装置の分散物排出口と流体的に連結している請求項1の装置。
  12. 容器はリサイクルストリームのための排出口を備え、
    リサイクルストリームのための排出口は不飽和の液体脂肪又は油を含むストリームのための導入口と流体的に連結されている請求項11の装置。
  13. 少なくとも1つの高せん断装置へのリサイクルストリームの導入の前にリサイクルストリームの圧力を増加するように構成されたポンプを備える請求項12の装置。
  14. 少なくとも2つの高せん断装置を備える請求項1の装置。
  15. 少なくとも2つの高せん断装置は直列に連結されている請求項14の装置。
  16. 脂肪又は油の水素化の方法であって、
    少なくとも1つの高せん断装置内で水素と脂肪又は油とを高せん断することと、
    高せん断装置において分散物を形成することによって、水素が不飽和の脂肪又は油と反応して少なくとも一部の不飽和の脂肪又は油を飽和させることと、
    を有し、
    少なくとも1つの高せん断装置は、不飽和の脂肪又は油を含むストリームのための少なくとも1つの導入口、及び水素ガスを含むストリームのための少なくとも1つの導入口を備え、及び分散物のための排出口を備えており、
    分散物は平均の気泡サイズが約5μm未満である水素気泡を含む、方法。
  17. 気泡直径は約0.4μm未満である請求項16の方法。
  18. 分散物を水素化触媒と接触させることを含む請求項16の方法。
  19. 触媒は鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム及び白金又はそれらの組み合わせを含む請求項18の方法。
  20. 水素は約100℃未満の反応温度で不飽和の脂肪又は油と反応することで少なくとも一部の不飽和の脂肪又は油を飽和させる請求項18の方法。
  21. 水素は約70℃未満の反応温度で不飽和の脂肪又は油と反応することで少なくとも一部の不飽和の脂肪又は油を飽和させる請求項18の方法。
  22. 水素は約35℃未満の反応温度で不飽和の脂肪又は油と反応することで少なくとも一部の不飽和の脂肪又は油を飽和させる請求項18の方法。
  23. 少なくとも部分的に水素化された化合物を形成するために分散物を水素化触媒と接触させることは、触媒を含む固定層反応器へ分散物を導入させることを含む請求項18の方法。
  24. 不飽和の脂肪又は油を含むストリームは不飽和炭化水素を含む請求項18の方法。
  25. 脂肪又は油を含むストリームはトリグリセリド及び/又は不飽和脂肪酸を含み、方法は水素化触媒を含む請求項18の方法。
  26. トリグリセリド又は不飽和脂肪酸を含むストリームに水素ガスを導入する前に、トリグリセリド及び/又は不飽和脂肪酸を含むストリームに触媒を混合させることでスラリーを形成することを含む請求項25の方法。
  27. トリグリセリド及び/又は不飽和脂肪酸を含むストリームに触媒を混合させることでスラリーを形成することは、反応器内で触媒を液体ストリームに接触させることを含み、
    反応器は、少なくとも1つの高せん断装置の脂肪又は油を含むストリームのための導入口と流体的に連結されるリサイクル排出口;ガスのための排出口;及び分散物のための導入口を有し、及び
    方法は、スラリーを反応器からリサイクル排出口を介して少なくとも1つの高せん断装置に導入すること、及び分散物を少なくとも1つの高せん断装置から分散物のための導入口を介して反応器内に導入することを含む請求項26の方法。
  28. 反応器は大気圧である請求項27の方法。
  29. 水素を反応器から出たスラリーに連続的に注入すること、及び所望の飽和に達するまでスラリーを装置全体に循環させることを含む請求項27の方法。
  30. 不飽和脂肪酸は、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、α−リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、及びそれらの組み合わせから成る群より選択される請求項25の方法。
  31. トリグリセリドストリームは、植物油、菜種油、動物性脂肪、トウモロコシ油、キャノーラ油、オリーブ油、綿実油、サフラワー油、パーム油、大豆油、ヒマワリ油、ピーナッツ油、ヤシ油、及びそれらの組み合わせから成る群より選択される請求項25の方法。
  32. トリグリセリド及び/又は不飽和脂肪酸のヨウ素価は少なくとも10%減少される請求項25の方法。
  33. トリグリセリド及び/又は不飽和脂肪酸を含むストリームは有機溶媒を含む請求項25の方法。
  34. 有機溶媒はヘキサンを含む請求項33の方法。
  35. 触媒を含む活性化容器を加熱すること及び大気圧を超える圧力で活性化ガスを触媒に導入することによって、触媒を活性化させることを含む請求項30の方法。
  36. 活性化ガスは、水素、二酸化炭素、ヘリウム、窒素、及びそれらの組み合わせから成る群より選択されるガスを含む請求項35の方法。
  37. 触媒を活性化させることは、活性化の間、活性化容器からガスをパージすることを含む請求項35の方法。
  38. 水素化触媒を活性化させる方法であって、
    活性化容器内で触媒を加熱すること、
    大気圧を超える高められた圧力まで容器圧力を増加させるために活性化ガスを導入すること、及び
    活性化する間、高められた圧力に容器を維持すること
    を含み、
    容器は活性化の間ガスでパージされる、方法。
  39. 活性化ガスは、水素、窒素、ヘリウム、一酸化炭素、及びそれらの組み合わせから成る群より選択させる少なくとも1つを含む請求項38の方法。
  40. 不飽和脂肪の水素化の間に生産されるトランス脂肪を減少させる方法であって、
    水素化触媒存在下で不飽和脂肪及び有機溶媒を水素と接触させることを含み、
    水素化触媒は、水素化の前に触媒を含む容器に活性化ガスを注入することによって容器内の圧力を大気圧を超えるまで増加させることで活性化され、容器は活性化の間パージされる、方法。
  41. 活性化ガスは、窒素、ヘリウム、二酸化炭素、及びそれらの組み合わせから成る群より選択させる少なくとも1つを含む請求項40の方法。
  42. 有機溶媒はヘキサンを含む請求項40の方法。
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