JP2010514629A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、航空機の胴体側壁に設けられた開口に沿って窓を取り付ける方法に関するものである。
商用航空機が、通常、例えば、飛行中に受ける機械的負荷に耐えるために、ストリンガ及びフレーム等の補剛部材によって補強された疑似円筒形胴体を含むことが既知である。
例えば、商用航空機では、窓を嵌め込むための開口が胴体の側壁に設けられて、乗客が胴体外の環境を直接見られるようにする。
しかし、こういった窓は一般に、多くの欠点を生じさせる。第1に、乗客に快適さを提供するために、航空機の窓は、胴体の内部空間の外部からの音および熱を遮断しなければならない。さらに、水密性および気密性を有さなければならない。
通常、胴体表面にリベット留めされる窓枠も、胴体の屈曲および窓に加えられる圧力から生じる負荷等の機械的負荷に耐えなければならない。
そして、窓は航空機の空力的プロファイルに従わなければならない。
これらすべての負荷により、製造業者は窓エリアに特別な剛性を付与している。
図1は、航空機胴体の側壁1に取り付けられた従来技術による窓の部分断面図を概略的に示す図である。
航空機の窓は、外部ペイン2と、第2の安全バリアを形成する内部ペイン3とを含み、それ自体、潜在的に、第3のペインによって偶発的なひっかきから保護される。
外部ペイン2および内部ペイン3は、封止機能を提供するジョイント4によって互いに離間される。
窓5の枠は、胴体の側壁1の開口6の全周に延びる2列のリベット(図示せず)を使用して胴体の側壁1に一体化される。
ペイン2、3、およびジョイント4は、固定クリップ7、ナット、およびスタッド等の機械的な固定具によって定位置に保持される。
これらの機械的固定具の取り付けは難しく時間のかかる仕事である。したがって、この取り付けは、メンテナンス時に航空機を固定するため、費用がかかる。
これらの機械的固定具は、航空機による燃料消費に悪影響を及ぼす重量の追加も意味する。
さらに、これらの機械的固定具によっては、胴体の側壁にさらなる穴を設ける必要があるものがある。ここで、複合胴体の表面に穴を設けることは、機械的挙動に関する多くの負荷を意味する。
ブラケットには脆弱なものがあり、多くのメンテナンスを必要とするため、航空機整備費が増大することも留意すべき点である。
このため、胴体表面にいかなる穴も追加せずに位置決めでき、そのメンテナンスが容易で最適な単純な設計および作業の航空機窓が緊急に必要とされている。
したがって、本発明の目的は、最小の質量を有するとともに、窓開口以外に航空機の側壁に穴を必要とせず、かつ胴体壁をダブラに接続するいかなる機械的固定具も必要とせずに、非常に重要な機械的耐性を有する経済的な外部透明部材を提供することである。
本発明の別の目的は、このような外部透明部材を含む航空機窓を航空機の側壁に設けられた開口に取り付ける方法である。この取り付け方法は、その作業において特に単純であり、窓のより素早い取り付けおよび取り外しを可能にし、結果として、メンテナンスコストを低減させる。
窓毎にこの側壁に設けられる穴は1つのみであるため、この取り付けは確実でもある。有利には、この取り付けでは、窓と胴体壁とのずれの整合が問題にならない。
そして、このような取り付けにより、外部透明部材を使用して、胴体壁において最も繊細な場所である胴体壁のフリーエッジの保護が可能になる。それにもかかわらず、この取り付けは、フランジエッジを含まない開口エッジのみに適合する。
この目的のために、本発明は、窓を航空機の胴体側壁に設けられた開口に取り付ける方法であって、この窓が、外部透明部材および少なくとも1つの内部透明部材を含む、方法に関する。
本発明によれば、この方法は以下の工程を含む。
a)傾斜エッジを含む周縁凹部を開口の周縁に沿って側壁の一部に設ける工程
b)外部透明部材の第1の部分のエッジが周縁凹部と協働するように、外部透明部材を開口の胴体の外側から位置付けし、外部透明部材が開口内で横方向および縦方向に動かないようにする工程
c)ジョイントを位置決めし、内部透明部材と外部透明部材とを取り付ける工程
d)ジョイントのへりを溝に導入し、溝と協働可能な突起を含む帯状結合手段を用いてへりを溝の底部に対して押圧し、また、帯状結合手段がへりの端部を胴体側壁に対しても押圧することによって、窓が封止状態で側壁に取り付けられる工程
a)傾斜エッジを含む周縁凹部を開口の周縁に沿って側壁の一部に設ける工程
b)外部透明部材の第1の部分のエッジが周縁凹部と協働するように、外部透明部材を開口の胴体の外側から位置付けし、外部透明部材が開口内で横方向および縦方向に動かないようにする工程
c)ジョイントを位置決めし、内部透明部材と外部透明部材とを取り付ける工程
d)ジョイントのへりを溝に導入し、溝と協働可能な突起を含む帯状結合手段を用いてへりを溝の底部に対して押圧し、また、帯状結合手段がへりの端部を胴体側壁に対しても押圧することによって、窓が封止状態で側壁に取り付けられる工程
有利には、これら透明部材は、機械的耐性および航空学の分野の用途に結び付けられた腐食基準に対する耐性に準拠する材料で作られる。純粋に例示として、透明部材は延伸アクリル樹脂で作られる。
前記取り付け方法の特定の各種実施形態は、それぞれ特定の利点を有し、利用可能な技術の多様な組み合わせを適用することが可能であるが、これら実施形態において、
−上記周縁凹部は傾斜エッジを含む。
−上記周縁凹部は傾斜エッジを含む。
この傾斜エッジは、有利には、外部透明部材と胴体側壁との間に実質的に水密性かつ気密性の接続を提供することを可能にする。
この傾斜エッジは、外部透明部材が胴体側壁によって画定される空力的プロファイルを超えないことを確実にすることも可能にする。
−帯状結合手段は少なくとも2つの帯状結合部材を含み、これら帯状結合部材は、少なくとも1つの固定部材を通して共に一体化される。
−帯状結合手段は少なくとも2つの帯状結合部材を含み、これら帯状結合部材は、少なくとも1つの固定部材を通して共に一体化される。
これら固定部材は、好ましくは機械的部材であり、例えば、ネジ、ボルト、サークリップを含む。
−内部透明部材は、楕円形、三角形、矩形、および菱形を含む群から選択される形状を有する。
−内部透明部材は、楕円形、三角形、矩形、および菱形を含む群から選択される形状を有する。
当然ながら、胴体側壁の開口は、乗客にとって最良の胴体外部環境視野を与えるように、内部透明部材の形状と略同一の形状を含む。この内部透明部材は、開口に略対向する。
本発明は、航空機の胴体側壁に設けられた開口に取り付けられることを目的とする外部透明部材にも関する。
本発明によれば、この外部透明部材は1ブロックで作られる。外部透明部材は、少なくとも、開口の直径よりも大きな直径の第1の部分を含み、この第1の部分は、上記開口の周縁に沿って胴体の上記外部側壁に設けられる周縁凹部と協働して、開口内でのこの外部透明部材を横方向および縦方向においてブロックすることを目的とした形状を有する。この部材は、溝を有する第2の部分をさらに含み、この溝は、外部透明部材が上記開口に対して押されたときに、胴体内部に位置決めされるように、第1の部分の外表面から距離dだけ離間される。
好ましくは、この凹部は傾斜エッジを有し、外部透明部材の第1の部分は、この傾斜エッジと協働できるように、斜めに切断されたエッジを含む。
前記外部透明部材の特定の各種実施形態は、それぞれ特定の利点を有し、利用可能な技術の多様な組み合わせを適用することが可能であるが、これら実施形態において、
−溝は、外部透明部材が上記開口と一体化されたときに溝のサイドエッジのうちの一方が胴体の側壁に重なるように、第1の部分の外表面から距離dだけ離間される。
−外部透明部材は、開口に略対向して位置決めされることを目的とした内部透明部材を形成する第3の部分をさらに含む。
−溝は、外部透明部材が上記開口と一体化されたときに溝のサイドエッジのうちの一方が胴体の側壁に重なるように、第1の部分の外表面から距離dだけ離間される。
−外部透明部材は、開口に略対向して位置決めされることを目的とした内部透明部材を形成する第3の部分をさらに含む。
最後に、本発明は、側壁に窓を含む胴体を有する航空機に関するものである。
本発明によれば、これら窓のうちの少なくともいくつかは、上述したような外部透明部材を含む。
本発明についてさらに詳細に添付図面を参照して説明する。
図3は、本発明の特定の実施形態による航空機の胴体の側壁に設けられた開口に取り付けられた窓の部分断面図を示す図である。
この窓は、外部透明部材10および内部透明部材11を含む。外部透明部材10は、航空機の胴体の側壁12に設けられた開口に取り付けられる。この胴体は金属製であってもよく、または例えば、炭素繊維等の複合材料製であってもよい。
外部透明部材10は1ブロックで作られる。外部透明部材10は、直径が上記開口の直径よりも大きな第1の部分13を含む。この第1の部分13は、部分的に斜めに切断されたエッジ14を含む。したがって、このエッジ14は、この第1の部分が最外表面15に対して低減された直径を有するように、傾斜部を通して共に結合された2つの略平面の表面を有する。最外表面15は、航空機胴体の側壁と空力的連続性を提供する形状を有する。
この第1の部分13は、上記開口の周縁に沿って胴体の側壁12に設けられる周縁凹部と協働することを目的とする。傾斜エッジを有するこの凹部は、第1の部分のエッジ14の形状と略同様の形状を有して、この開口内で外部透明部材10が横方向および縦方向に動かないようにする。
外部透明部材10は、溝17を有する第2の部分16を含む。この溝17は、外部透明部材10が開口に一体化されたときに胴体内部に位置決めされるように、第1の部分13の外表面15から距離dだけ離間される。
外部透明部材10のエッジは、胴体内部に位置決めされ、この溝17を囲み、リップ18を形成する。可撓性ジョイント19により、外部透明部材10および内部透明部材11を中間空間20によって互いにに離間した状態を保ちながら、外部透明部材10および内部透明部材11を取り付けられるようにする。このジョイントは、外部透明部材10のリップ18に接して配置される。
窓/胴体側壁取り付けの封止は、このジョイント19のへり21を胴体および溝17の内壁に対して押圧することによって得られる。このジョイント19は連続ジョイントである。このジョイントは、例えば、ゴム由来のエラストマー製であってよい。
窓は、胴体側壁に嵌った透明組立体を固定する帯状結合手段22を含み、この透明組立体は、内部および外部透明部材10、11およびジョイント19を含む。
この帯状結合手段22は、ジョイント19のへりを溝17の内壁に対して押圧する、溝17と協働可能な突起を含む。少なくとも2つの帯状結合部材を含むこの帯状結合手段22は、帯状結合手段22の外面に設けられた溝内に配置される環状部材23によって定位置に保持される。
開口および内部透明部材11は、楕円形を有し、350mm×250mm程度の寸法を有してよく、それにより、従来技術の既知の窓よりも乗客により広い視野を提供する。この場合、外部透明部材10の第1の部分は、開口の周縁に沿って胴体側壁に設けられた凹部に重なるように、350mm×250mmよりも大きな寸法を有する。
代替として、これらの形状は三角形、矩形、菱形を含む群から選択してもよい。
本発明は、外部透明部材10および少なくとも1つの内部透明部材11を含むこの窓を取り付ける方法にも関するものである。
この方法は、有利には傾斜エッジを含む周縁凹部を開口の周縁に沿って側壁の一部分に設けることを主とする。したがって、この凹部は、開口の周縁に中空部を有する帯状結合手段を提供する。
そして、この外部透明部材の第1の部分13が周縁凹部と協働して、開口内の外部透明部材を横方向および縦方向においてブロックするように、外部透明部材10は、胴体の外部から開口に位置決めされる。
そして、外部透明部材10は、胴体の内側に突出し、溝17を有する第2の部分16を有する。好ましくは、この溝17のエッジの一方は、胴体の側壁に位置合わせされる。
そして、ジョイント19が、内部透明部材11をこの外部透明部材10に取り付けるように位置決めされる。このジョイントのへり21が、帯状結合手段22によって胴体の側壁12と溝17の底部に対して押圧されることによって、封止状態に取り付けられる。この帯状結合手段22は、こうして窓に対して得られる6つの角度を自由に固定できるようにする。
好ましくは2つの帯状結合部材を含むこの帯状結合手段22を位置決めするために、各帯状結合部材は、ジョイント19、外部透明部材10、および内部透明部材11を含む透明組立体に横方向に係合する。帯状結合手段のこの位置決めは、図2の矢印24によって表される。
有利には、外部透明部材10は、略楕円形を有し、350mm×250mmよりも大きな寸法を有する。
1.側壁
2.外部ペイン
3.内部ペイン
4.ジョイント
5.窓
6.開口
7.固定クリップ
10.外部透明部材
11.内部透明部材
12.側壁
13.第1の部分
14.エッジ
15.(最)外表面
16.第2の部分
17.溝
18.リップ
19.ジョイント
20.中間空間
21.ジョイント/ジョイントのへり
22.帯状結合手段
23.環状部材
24.矢印
2.外部ペイン
3.内部ペイン
4.ジョイント
5.窓
6.開口
7.固定クリップ
10.外部透明部材
11.内部透明部材
12.側壁
13.第1の部分
14.エッジ
15.(最)外表面
16.第2の部分
17.溝
18.リップ
19.ジョイント
20.中間空間
21.ジョイント/ジョイントのへり
22.帯状結合手段
23.環状部材
24.矢印
Claims (9)
- 航空機の胴体側壁に設けられた開口への取り付けに適した窓であって前記窓は、前記側壁(12)の前記開口に外部から取り付けるための外部透明部材(10)と、前記開口に内部から取り付けるための内部透明部材(11)と、前記内部透明部材を前記外部透明部材に取り付けるためのジョイント(19、21)とを含み、
前記外部透明部材(10)は、少なくとも
−前記開口の直径よりも大きな直径を有し、且つ該外部透明部材(10)が前記開口内で横方向および縦方向に動かないように、前記開口の周縁に沿って前記胴体の前記外部側壁(12)に設けられた周縁凹部と協働することを目的とする形状を有する第1の部分(13)と、
−溝(17)に縁取られ、前記外部透明部材(10)が前記開口に一体化されたときに前記溝(17)のサイドエッジのうちの一方が前記胴体側壁(12)に重なるように、前記溝(17)が前記第1の部分(13)の外表面(15)から距離dだけ離間される、第2の部分(16)と
を含む1つの部材からなり、
前記ジョイント(19)は、前記溝の底部と前記窓の周囲の前記側壁(12)の内面にわたり位置付けされるよう構成されるへり(21)を含むことを特徴とする窓。 - 前記胴体の前記外部側壁(12)に設けられた前記周縁凹部が傾斜エッジを含み、前記外部透明部材(10)の前記第1の部分(13)が前記周縁凹部と協働することを目的とする形状を有することを特徴とする請求項1に記載の窓。
- 前記ジョイント(19、21)が連続ジョイントであることを特徴とする請求項1または2に記載の窓。
- 前記外部透明部材(10)が実質的に楕円形を有し、350mm×250mmよりも大きな寸法を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の窓。
- 航空機の胴体側壁(12)に設けられた開口に、請求項1〜4のいずれか一項に記載の窓を取り付ける方法であって、前記方法は、
a)傾斜エッジを含む周縁凹部を前記開口の周縁に沿って前記側壁(12)の一部に設ける工程と、
b)外部透明部材(10)の第1の部分(13)のエッジ(14)が前記周縁凹部と協働するように、前記外部透明部材(10)を前記開口の胴体の外側から位置付けし、外部透明部材(10)が前記開口内で横方向および縦方向に動かないようにする工程と、
c)ジョイント(19)を位置決めし、内部透明部材と前記外部透明部材を取り付ける工程と、
d)前記ジョイント(19)のへり(21)を溝(17)に導入し、前記溝(17)と協働可能な突起を含む帯状結合手段(22)を用いて前記へりを前記溝(17)の底部に対して押圧し、また、前記帯状結合手段(22)が前記へりの端部を前記胴体側壁(12)に対しても押圧することによって、前記窓が封止状態で前記側壁に取り付けられる工程
を含むことを特徴とする方法。 - 前記帯状結合手段(22)が少なくとも2つの帯状結合部材を含み、前記帯状結合部材が少なくとも1つの固定部材(23)を介して一体化されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
- 前記固定部材が、前記帯状結合手段(22)の外面に設けられた溝内に配置するための環状部材(23)を含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
- 2つの帯状結合部材を含む前記帯状結合手段(22)を用いて、各帯状結合部材を前記溝(17)に横方向に係合し、前記溝の底部に接してジョイント(19)のへり(21)を固定することを特徴とする請求項6または7に記載の方法。
- 側壁に請求項1〜4のいずれか一項に記載の窓を含む胴体を有することを特徴とする航空機。
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