JPH054480Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、航空機の操縦室に設けられている航
空機の風防装置に関する。

［従来の技術］ 航空機の操縦室に設けられている従来の風防装
置は、第２図に示すように、航空機１のパイロツ
ト８の前方に位置し、パイロツト８の視界を確保
する他、鳥１１等の衝突からパイロツト８を守る
ように、風防２を構成するパネル３及びフレーム
４は強固な固定構造になつている。なお第２図に
おいて、７は操縦室、９はキヤノピのフレーム、
１０はキヤノピのパネルを示す。

［考案が解決しようとする問題点］ 従来の前記風防２は、全体図を示す第２図Ａの
中の部分詳細図第２図Ｂに示すように、パネル３
とフレーム４とが固定結合されているため、例え
ば第２図Ｃに示すように風防２に鳥１１が衝突し
た際、パネル３の変形移動によりフレーム４が撓
み、これによりできた〓間から鳥１１の肉片６等
が操縦室７内に侵入する。航空機１が高速で鳥１
１と衝突すると、鳥１１は細かな肉片６となり、
高速で飛び散るが、これが前記の〓間から操縦室
７内に侵入すると、パイロツト８が負傷又は失明
し、場合によつては操縦不能となり大事故に至る
危険がある。

本考案は上記従来の問題点を解消し、操縦室内
への鳥等の衝突時に生ずる破片の侵入を防止し、
飛行の安全性を図ることができる航空機の風防装
置を提供することを目的とする。

［問題点を解決するための手段］ 本考案による航空機の風防装置は、航空機の操
縦室にパネルとフレームとを結合して構成される
風防において、前記パネルと前記フレームとの間
に、緩衝装置を設けてなることを特徴とする。

すなわち、本考案による風防装置はパネルとフ
レームとの間に緩衝装置を設けることにより、フ
レームの変形開始時刻を遅らせ、その遅れを利用
して鳥の肉片等の操縦室への侵入を回避するもの
である。

［作用］ 本考案によれば、パネルとフレームとの間に、
緩衝装置を設けることにより、鳥等の衝突による
パネルの変形が、フレームに伝わるまでに、緩衝
装置を経る時間を要し、その間に鳥の肉片等は風
防後方へ飛散し、操縦席内への侵入が回避され
る。

［実施例］ 第１図は本考案の一実施例の構成を示す図で、
第１図Ａは全体図、第１図Ｂは第１図ＡのＡ−Ａ
断面図、第１図ＣおよびＤはそれぞれ本考案の一
実施例の作用を説明するための図である。

第１図Ａおよび第１図Ｂにおいて、１は航空機
（航空機胴体）、２は風防であり、風防２のパネル
３とフレーム４との間に緩衝装置５が設けられて
いる。なお、７は操縦室、８はパイロツト、９は
キヤノピのフレーム、１０はキヤノピのパネルを
示す。

上記本考案の一実施例の作用について説明す
る。

第１図Ｃにおいて、鳥が風防２に衝突した際、
風防２のパネル３の変形が緩衝装置５に吸収され
る。この状態ではフレーム４は変形していない。
この間に鳥の肉片等６はフレーム４上を通過す
る。その後第１図Ｄに示す如く、フレーム４も変
形を開始するが、すでに鳥の肉片等６は後方に飛
散しているので、操縦室７への侵入が回避されパ
イロツト８への安全が確保される。

［考案の効果］ 本考案は、前述のような構成になつており、緩
衝装置５を風防のパネル３とフレーム４の間に配
置することにより、鳥等の衝突時に操縦室内への
肉片等の侵入によるパイロツトの負傷を回避さ
せ、飛行安全性が著しく向上される等の優れた効
果が奏せられる。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａは本考案の一実施例を示す全体図、第
１図Ｂは、第１図ＡのＡ−Ａ部分の拡大断面図、
第１図ＣおよびＤは本考案の一実施例の作用を説
明するための図、第２図Ａは従来の例を示す全体
図、第２図Ｂは第２図Ａ−Ａ部分の拡大断面図、
第２図Ｃは従来例の作用を説明するための図であ
る。 ２……風防、３……パネル、４……フレーム、
５……緩衝装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 航空機の操縦室にパネルとフレームとを結合し
   て構成される風防において、前記パネルと前記フ
   レームとの間に、緩衝装置を設けてなることを特
   徴とする航空機の風防装置。