JP2010512768A - インビボで長い半減期を有する修飾された凝固因子 - Google Patents

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Abstract

本発明は、凝固因子、好ましくは第VIII凝固因子およびそれらの誘導体をコードする修飾された核酸配列、このような核酸配列を含む組換え発現ベクター、このような組換え発現ベクターで形質転換された宿主細胞、上記核酸配列によってコードされた組換えポリペプチドおよび誘導体に関し、これら組換えポリペプチドおよび誘導体は、生物活性、および未修飾の野生型タンパク質と比較してインビボで長い半減期をまさに有する。本発明はまた、改善されたインビトロでの安定性をもたらす対応する配列にも関する。本発明はさらに、このような組換えタンパク質およびそれらの誘導体の製造方法に関し、これらも包含される。本発明はまた、このような修飾された核酸配列を含む、ヒトの遺伝子治療に使用するためのトランスファーベクターにも関する。

Description

本発明は、凝固因子、好ましくは第VIII凝固因子およびそれらの誘導体をコードする修飾された核酸配列、このような核酸配列を含む組換え発現ベクター、このような組換え発現ベクターで形質転換された宿主細胞、上記核酸配列によってコードされた組換えポリペプチドおよび誘導体に関し、これら組換えポリペプチドおよび誘導体は、未修飾の野生型タンパク質と比較して、インビボでの長い半減期、および/または改善されたインビボでの回収と一緒に生物活性をまさに有する。本発明はまた、改善されたインビトロでの安定性をもたらすそれに対応する配列にも関する。本発明はさらに、このような組換えタンパク質およびそれらの誘導体の製造方法に関する。本発明はまた、このような修飾された核酸配列を含む、ヒトの遺伝子治療に使用するためのトランスファーベクターにも関する。
血液凝固因子の欠陥によって引き起こされる様々な出血障害がある。最も一般的な障害は血友病AおよびBであり、これは、それぞれ血液凝固第VIII因子およびIXの欠損によって生じる。その他の既知の出血障害は、フォン−ビルブランド病である。
典型的な血友病または血友病Aは、遺伝性出血性疾患である。これは、血液凝固第VIII因子のX染色体連鎖の欠損が原因で起こり、10,000人中1〜2人の発生率でほとんど例外なく雄が影響を受ける。X染色体異常は、自身は血友病者ではない雌のキャリアーによって運搬される。血友病Aの臨床症状は、高い出血傾向である。第VIII因子濃縮製剤での治療が導入される前は、重い血友病に罹った人の平均寿命は20歳未満であった。血漿由来の第VIII因子濃縮製剤を使用することによって、血友病A患者を取り巻く状況が顕著に改善され、平均寿命がかなり長くなり、彼等の多くに程度の差はあるが普通の生活を送る可能性を与えてきた。しかしながら、血漿由来の濃縮物およびそれらの使用に関してある種の問題が依然として存在し、そのうち最も重篤な問題は、ウイルスを伝播することである。これまで、B型肝炎、非A非B型肝炎およびAIDSを引き起こすウイルスは、人々に深刻な打撃を与えてきた。近年、様々なウイルスの不活性化方法、および新しい高度に精製された第VIII因子濃縮製剤が開発されたために、血漿由来の第VIII因子に関する極めて高い安全基準も確立されている。
第VIII因子に関するcDNAのクローニング(非特許文献1、2)によって、第VIII因子を組換え発現することによって第VIII因子の組換え発現が可能になったことから、数種の組換え第VIII因子製品が開発され、これは、1992〜2003年の間に規制当局の承認を受けている。アミノ酸Arg−740〜Glu−1649に存在する第VIII因子ポリペプチド鎖中央のBドメインは、十分な生物活性に必要ではないようであるということから、Bドメインが欠失した第VIII因子の開発が行われてきた。
成熟した第VIII因子分子は、2332個のアミノ酸からなり、これらアミノ酸は、3つの相同Aドメイン、2つの相同CドメインおよびBドメインに分類することができ、これは以下の順番:A1−A2−B−A3−C1−C2で並んでいる。成熟したヒト第VIII因子の完全なアミノ酸配列を、配列番号2に示す。第VIII因子は、血漿に分泌されている間に、単鎖の第VIII因子は、細胞内でプロセシングを受けて、B−A3の境界と、Bドメイン内の異なる部位とで切断されることによって一連の金属−イオン結合ヘテロ二量体になる。このプロセシングにより、90kDa〜200kDaの範囲の分子サイズを有する、A1、A2およびBドメインの様々な部分からなる異種重鎖分子が生じる。重鎖は、金属イオンを介して、A3、C1およびC2ドメインからなる軽鎖に結合している(非特許文献3)。血漿中では、このヘテロ二量体の第VIII因子は高親和性でフォン−ビルブランド因子(vWF)と結合し、それにより、フォン−ビルブランド因子を早すぎる異化から保護する。vWFに結合した非活性型の第VIII因子の半減期は、血漿中で約12時間である。
第VIII凝固因子は、重鎖内のアミノ酸Arg372およびArg740、ならびに、軽鎖内のArg1689におけるFXaおよびトロンビンによるタンパク質分解的切断によって活性化され、それによりフォン−ビルブランド因子の放出が起こり、活性型第VIII因子ヘテロ三量体が生成し、この三量体は、Ca2+が存在するという条件下で、リン脂質表面でFIXaおよびFXとテナーゼ複合体を形成すると予想される。このヘテロ三量体は、A1ドメイン、50kDaのフラグメント、A2ドメイン、43kDaのフラグメント、および軽鎖(A3−C1−C2)、73kDaのフラグメントからなる。従って、第VIII因子の活性型(第VIIIa因子)は、2価の金属イオンでトロンビンで切断されたA3−C1−C2軽鎖と結合したA1サブユニットと、比較的緩くA1およびA3ドメインと結合した遊離のA2サブユニットとからなる。
過度の凝固を回避するために、第VIIIa因子は、活性化の直後に不活性化されなければならない。Arg336およびArg562での切断による活性型プロテインC(APC)を介した第VIIIa因子の不活化は、主要な律速段階とはみなされない。むしろ、ヘテロ三量体からの非共有結合で結合したA2サブユニットの解離が、トロンビン活性化後の第VIIIa因子の不活性化における律速段階と考えられる(非特許文献4、5)。これは、わずか2.1分間という第VIIIa因子の短い血漿中半減期を説明する急速なプロセスである(非特許文献3)。
予防的治療を受けた重度の血友病A患者において、第VIII因子は、約12時間という第VIII因子の短い血漿中半減期のために、1週間約3回、静脈内投与(i.v.)しなければならない。いずれの静脈内投与も、面倒であり、痛みを伴い、特に静脈内投与は、主に患者自身によって、または血友病Aに関して診断を受けた子供の親によって自宅で行われるために、必然的に感染の危険を伴う。
従って、長い機能的な半減期を有する第VIII因子を作製すること極めて望ましいと予想され、それにより、より少ない頻度での投与で済む第VIII因子を含む薬剤組成物の製造が可能になる。
第VIII因子と細胞受容体との相互作用を減少させること(特許文献1、2)、第VIII因子にポリマーを共有結合させること(特許文献3、4および5)、または、第VIII因子をカプセル化すること(特許文献6)のいずれかにより、非活性型の第VIII因子の半減期を延長させるためのいくつかの試みがなされてきた。
特許文献7において、新規の金属結合部位の導入が、第VIII因子、および具体的には、HisまたはMetがPhe652、Tyr1786、Lys1818、Asp1840および/またはAsn1864のいずれかで置換された突然変異体を安定化させることができるという仮説が立てられている。しかしながら、どのように成功(このような修飾から安定化が生じることを意味する)を決定しているのかについての論理的説明が示されておらず、なぜ提唱されているアミノ酸が選択されたかの論理的説明もない。このアプローチは、それ以来さらなる証拠が公開されていないために推論のままである。
第VIIIa因子の形成においてなさるその他のアプローチは、第一に、A2ドメインをA3ドメインに共有結合させ、第二にAPC切断部位を突然変異させることによる不活化に対する耐性である(非特許文献6、特許文献8および9)。さらに、特許文献10に記載されているように、基礎となる遺伝学的コンストラクトを用いてトランスジェニック動物も生産した。その発明の変異株は、トロンビン活性化の4時間後にそれでもなおそのピーク活性の38%を示したが、A2をA3ドメインに融合させたためにこの具体的なドメインが欠失しているために、vWF結合ドメインが欠けている。vWF結合がインビボでのFVIIIの半減期を有意に延長させる理由のために、この発明のFVIII変異株の非活性型の半減期が短くなることが予想される。発明者等自身もこれを認識しており、vWFへの親和性をある程度保持するコンフォメーションで軽鎖を安定化する抗体を添加することによってその問題を克服することを試みている。
非特許文献7は、A3ドメインをA2ドメインに共有結合させることによるFVaの安定化を公開している。彼等は、構造的な予測に従って2つの隣接するアミノ酸を同定したが、そのうち一方はA2ドメイン上に、他方はA3ドメインに位置しており、これら2種のアミノ酸はシステイン残基で置換されていることから、小胞体への輸送中にジスルフィド架橋が形成される。同じアプローチを用いて、ジスルフィド架橋を介して第VIII因子のA2ドメインをA3ドメインに共有結合させている(特許文献11)。このような、A3ドメインとA2ドメインとが共有結合することによって、FVIIIaを安定化した第VIII因子の突然変異体は、活性化後に、40分におけるそれらの初期の最高活性の約90%を保持していたが、それに対して野生型第VIII因子の活性は、その初期の最高活性の10%に迅速に減少した。第VIII因子の突然変異体は、さらに3時間、それらの90%の活性をさらなる活性の損失をまったく起こすことなく保持していた(非特許文献8)。
特許文献12には、Arg372におけるトロンビン活性化部位を置換し、さらにFVIIIの活性型も安定化する異なるペプチド性リンカーの挿入を特徴とする、数種の安定化されたFVIII突然変異体が記載されている。リンカーの長さに応じてFVIII活性のレベルが増加し、ここで、99個のアミノ酸(L99)が挿入されたケースにおいて最大値に達している。発色分析方法を用いたところ、FVIII L99を用いて検出されたFVIII活性は、FVIII WTに類似していた。活性型FVIII L99は、1時間より長い時間、ほぼ安定していた。
上記の説明されているアプローチのうちどれによっても、未だに患者に適用できる改善されたFVIII分子が得られてないため、長い半減期を示す修飾された第VIII凝固因子分子を開発する必要が未だにある。
血栓形成の危険があるかもしれないということを考慮すれば、FVIIIの非活性型の半減期をFVIIIaよりも延長させることがより望ましい。
recFVIII生産の際に一般的に発生するその他の問題は、収率が低いことである。当業者既知の様々な方法が試されてきたが、このような低い収率の問題を解決するには至っていない。
WO03/093313A2 WO02/060951A2 WO94/15625 WO97/11957 US4970300 WO99/55306 WO97/03193 WO97/40145 WO03/087355 WO02/072023A2 WO02/103024A2 WO2006/108590
Wood et al. 1984. Nature 312:330-336 Vehar et al. 1984. Nature 312:337-342 Saenko et al. 2002. Vox Sang. 83:89-96 Fay et al. 1991. J. Biol. Chem. 266 8957 Fay & Smudzin 1992. J. Biol. Chem. 267:13246-50 Pipe & Kaufman. 1997. PNAS 94:11851-11856 Gale et al. 2002 (Protein Science 11:2091-2101) Gale et al. 2003. J. Thromb. Haemost. 1:1966-1971
本発明の目的は、生体内での半減期が増強された血液凝固分子を提供することである。
本発明のその他の目的は、インビボで改善された回収を示す血液凝固分子を提供することである。
本発明のその他の目的は、これらの修飾された血液凝固分子を哺乳動物細胞で発現させ、発現された修飾タンパク質のそれらの生物活性を保持することを可能にすることである。
本発明のその他の目的は、発現を増加させる、および/または哺乳動物細胞培養における凝固分子の安定性を増加させることによって、改善された収率を提供することである。
本発明のさらにその他の目的は、血清および/または動物タンパク質を含まない培地、特にvWFの非存在下の培地の哺乳動物細胞培養において、向上した安定性を有するFVIII分子を提供することである。
ここで驚くべきことに、アルブミンのような異種ポリペプチドを、好ましくはそれによってFVIIIのBドメインがほぼ完全にまたは部分的に置換されるようにFVIII分子に挿入すると、哺乳動物細胞からFVIIIキメラタンパク質の発現および分泌が可能になるだけでなく、有意なFVIII活性を保持する修飾されたFVIII分子も生じることが発見された。加えて、このような修飾されたFVIII分子は、インビボでの長い半減期および/または改善されたインビボでの回収を示す。
本発明の実施態様(ここでFVIIIは凝固因子であり、活性化後A2ドメインがA3ドメインに非共有結合で結合したままである)のさらなる可能性のある利点は、FVIIIの非活性型の半減期だけが長くなり、FVIIIの活性型の半減期は実質的に同じままである点であり、それにより、血栓形成性の危険が減少する可能性がある。
さらに、哺乳動物細胞培養において、特に血清および/または動物タンパク質を含まない培地中でフォン−ビルブランド因子(vWF;von Willebrand Factor)を安定化しなくても、本発明のFVIII分子は、野生型FVIIIよりも安定であることが見出された。
このような分子は、半減期を増強するタンパク質(HLEP)部分を、血液凝固因子のアミノ酸配列に、例えばFVIII分子に挿入することによって生成させることができる。FVIIIが血液凝固因子である場合、HLEPは、好ましくは、FVIIIのBドメインまたはその一部に挿入されるか、またはそれらを置換する。
HLEPは、本発明の意味において、アルブミンファミリーからなる群より選択され、このアルブミンファミリーは、アルブミン、アファミン(afamin)、アルファ−フェトプロテインおよびビタミンD結合タンパク質、ならびに免疫グロブリン定常領域の部分、およびアルブミンファミリーのメンバーおよび免疫グロブリン定常領域の部分に生理学的条件下で結合することができるポリペプチドも含む。最も好ましいHLEPは、ヒトアルブミンである。
また本発明は、HLEPが、フォン−ビルブランド因子、第V因子、およびプロトロンビン因子、例えば第VII因子、第IX因子、第X因子、プロテインC、プロテインS、プロテインZおよびプロトロンビンのような他の凝固因子に挿入されているその他のタンパク質も包含する。上述のFVIIIと同様に、特にHLEP、好ましくはアルブミンは、好ましい実施態様において、上記の凝固因子のドメインまたはサブユニットのジャンクション部位で、またはその付近に挿入される。
従来技術において、凝固因子を、半減期を増強するポリペプチドとしてアルブミン(WO01/79271)、アルファ−フェトプロテイン(WO2005/024044)および免疫グロブリン(WO2004/101740)に融合させることが記載されている。これらは、それぞれの治療用タンパク質部分のカルボキシもしくはアミノ末端、または両方の末端に結合しており、場合によってはペプチド性のリンカー、好ましくはグリシンおよびセリンからなるリンカーで連結されることが教示されている。
Ballance et al.(WO01/79271)には、ヒト血清アルブミンに融合した多数の様々な治療用ポリペプチドのNまたはC末端融合ポリペプチドが記載されている。可能性がある融合パートナーの長いリストが記載されているが、それぞれのアルブミン融合タンパク質が実際に生物活性を保持し、改善された特性を有するかどうかこれらのポリペプチドのほとんど全てについて実験データの開示はない。前記治療用ポリペプチドのリストのなかに、第VIII因子も言及されている。
従来技術の融合タンパク質とは異なり、本発明の修飾された凝固因子における異種アミノ酸の配列は、凝固因子のN末端またはC末端先端に融合されておらず、凝固因子のアミノ酸配列の内部領域内に挿入されている。驚くべきことに、さらに大きいポリペプチドを挿入しても、凝固因子の生物活性の完全な消失は起こらなかった。むしろ、このようにして修飾された凝固因子は、生物活性、インビボでの機能的な半減期、インビボでの回収の増加、および高い安定性を示した。
従って本発明は、凝固因子の内部領域に、半減期を増強するポリペプチド(HLEP)が挿入された修飾された凝固因子であって、本修飾された凝固因子は、前記挿入がない凝固因子の機能的な半減期と比較して、および/または野生型凝固因子の機能的な半減期と比較して長い機能的な半減期を有することを特徴とする凝固因子に関する。
本発明はまた、1個より多くのHLEPの挿入に関し、ここで数回挿入されるHLEPは、同じHLEPであってもよいし、または異なるHLEPの組み合わせであってもよい。また本発明は、凝固因子の内部領域への1つまたはそれ以上のHLEPの挿入と、追加の1つまたはそれ以上のHLEP(これらは、同じHLEPでもよいし、または異なるHLEPの組み合わせでもよい)のNおよび/またはC末端の融合との組み合わせも包含する。
本発明はまた、凝固因子の内部領域に、半減期を増強するポリペプチド(HLEP)が挿入された修飾された凝固因子であって、本修飾された凝固因子は、前記挿入がない凝固因子のインビボでの回収と比較して、および/または野生型凝固因子のインビボでの回収と比較して改善されたインビボでの回収を示すことを特徴とする凝固因子に関する。
本発明のその他の形態において、本修飾された凝固因子は、無血清培地中で、前記挿入がない凝固因子の安定性と比較して、および/または野生型凝固因子の安定性と比較して高い安定性を示す。本発明のその他の側面において、本修飾された凝固因子は、動物タンパク質を含まない培地中で、前記挿入がない凝固因子の安定性と比較して、および/または野生型凝固因子の安定性と比較して高い安定性を示す。このような無血清および/または動物タンパク質を含まない培地中における高い安定性は、安定化する量のvWFが存在しない場合、特に顕著である。
動物タンパク質を含まない培地は、本発明の意味において、動物由来のタンパク質またはタンパク質フラグメントを含まない培地である。
本発明のその他の側面は、本発明の修飾された凝固因子をコードするポリヌクレオチドまたはポリヌクレオチド群である。
本発明はさらに、本明細書において説明されるポリヌクレオチドを含むプラスミドまたはベクター、本明細書において説明されるポリヌクレオチドまたはプラスミドもしくはベクターを含む宿主細胞に関する。
本発明のその他の側面は、修飾された凝固因子の製造方法であって、本方法は:
(a)本発明の宿主細胞を、修飾された凝固因子が発現されるような条件下で培養すること;および
(b)場合により、宿主細胞または培地から修飾された凝固因子を回収すること、を含む。
本発明はさらに、本明細書において説明される修飾された凝固因子、ポリヌクレオチド、またはプラスミドもしくはベクターを含む薬剤組成物に関する。
本発明のさらにその他の側面は、血液凝固障害を治療または予防する薬剤を製造するための、修飾された凝固因子、ポリヌクレオチド、またはプラスミドもしくはベクター、または本発明に係る宿主細胞の使用である。
実施例で用いられるFVIIIアルブミン挿入タンパク質におけるBドメイン配列の置換である。それぞれ、pF8−1210について示された転位配列は、配列番号24(A2/B/アルブミン)および34(アルブミン/B/A3)に相当し、pF8−1211については、配列番号24および35に相当し、pF8−1413については配列番号23および35に相当し、およびpF8−1439については、配列番号28および40に相当する。 FVIIIのA2ドメインと、HLEPを置換するBドメインとの間のリンカーとして用いられるBドメイン配列の例(HLEP部分の例としてアルブミンを使用)である。 FVIIIのA2ドメインとHLEP(例としてアルブミンを使用)で置換されるBドメインとの間のその他の切断可能なリンカー配列の例である。 HLEP(例としてアルブミンを使用)で置換されるBドメインとFVIIIのA3ドメインとの間のリンカーとして用いられるBドメイン配列の例である。 HLEP(例としてアルブミンを使用)で置換されるBドメインとFVIIIのA3ドメインとの間のその他のリンカー配列の例である。 FVIII分子内のHLEP挿入の例である。矢印は、切断部位を意味する。 野生型FVIII(ヘリキセート(R))と比較した、ヒトアルブミンで置換されたBドメインを有するFVIII突然変異体を有するラットにおける薬物動態学的な分析である。 細胞を播種した後の3つのタイムポイント(96、120、および、144時間)における細胞培養上清の分析である。HEK−293トランスフェクタントのプールを、FVIII凝固活性およびFVIII抗原の生産性、ならびにそれらの野生型FVIII(457)と、Bドメインがヒトアルブミンで置換されたFVIII突然変異体との比率について評価した。
本発明は、凝固因子の一次翻訳ポリペプチドのN末端のアミノ酸とC末端のアミノ酸との間の内部領域に、半減期を増強するポリペプチド(HLEP)の挿入を含む修飾された凝固因子であって、本修飾された凝固因子は、前記挿入がない凝固因子の機能的な半減期と比較して、および/または野生型凝固因子の機能的な半減期と比較して長い機能的な半減期を有することを特徴とする凝固因子に関する。
本発明に係る「機能的な半減期」は、凝固因子が哺乳動物に投与されてからの凝固因子の生物学的機能の半減期であり、これは、凝固因子が投与された後に前記哺乳動物から異なる時間間隔で採取された血液サンプル中で、インビトロで測定することができる。
語句「挿入」、「〜を挿入すること」および「挿入された」は、凝固因子のアミノ酸配列の内部の位置にアミノ酸が付加されることを意味する。N末端またはC末端の融合タンパク質のケース以外で、このようなアミノ酸は、本発明に従って凝固因子のアミノ酸配列のN末端またはC末端の先端には付加されないが、凝固因子のアミノ酸配列内の内部の位置に挿入される。「挿入」は、アミノ酸の付加(凝固因子のアミノ酸配列からアミノ酸を欠失させることなく)だけでなく、凝固因子のアミノ酸配列の1個またはそれ以上のアミノ酸の「挿入」しようとするアミノ酸での置換も包含する。例えば、完全な内部ドメイン、または実質的なそれらの部分が、HLEPで置換されてもよい。
一実施態様において、本修飾された凝固因子は、以下の構造を有する:
N−L1−H−L2−C [式1]
式中、
Nは、凝固因子のN末端部分であり、
L1およびL2は、独立して、化学結合またはリンカー配列であり、ここでリンカー配列は、異なるリンカー配列であってもよいし、または同じリンカー配列であってもよく、
Hは、HLEPであり、および
Cは、凝固因子のC末端部分である。
好ましくは、Nは、野生型凝固因子のN末端に存在する1個、または2個、または3個、または4個、または5個のタンパク質ドメインを含む。好ましくは、Cは、野生型凝固因子のC末端に存在する1個、または2個、または3個、または4個、または5個のタンパク質ドメインを含む。一実施態様において、野生型凝固因子は、実質的に構造N−Cを有する。その他の実施態様において、野生型凝固因子は、実質的に構造N−D−Cを有し、ここでDは、修飾された凝固因子中のHLEPで置換されたドメインまたはそれらの部分を示し、または言い換えれば、Dは、修飾された凝固因子中の、HLEPで置換された野生型凝固因子(すなわち完全なドメインまたはそれらの部分)の一部の欠失を示す。好ましい凝固因子の配列は、以下で説明する。通常、N+Cの長さは、野生型凝固因子の長さを超えない。
L1およびL2は、独立して、1個またはそれ以上のアミノ酸、例えば1〜20、1〜15、1〜10、1〜5、または、1〜3(例えば、1、2または3)個のアミノ酸からなる化学結合であってもよいし、またはリンカー配列であってもよく、これらは互いに同一でもよいし、または異なっていてもよい。通常、リンカー配列は、野生型凝固因子におけるそれに対応する位置には存在しない。L1およびL2に存在する適切なアミノ酸の例としては、GlyおよびSerが挙げられる。
以下で好ましいHLEP配列を説明する。本発明の修飾された凝固因子は、1個より多くのHLEP配列を含んでもよく、例えば2または3個のHLEP配列を含んでもよい。これらの複数のHLEP配列は、タンデム状に挿入されてもよいし、例えば連続した反復として挿入されてもよく、またはこれらは凝固因子配列の異なる位置に存在していてもよく、さらにN末端先端またはC末端先端での、または凝固因子配列の両方の末端でのHLEP配列融合を含んでいてもよく、ここで少なくとも1つのHLEP配列は、凝固因子の配列内の内部の位置に挿入されていなければならない。これらの実施態様において、本修飾された凝固因子は、以下の構造のいずれか1つを有していてもよい:
N−L1−H−L2−I−L3−H−L4−C [式2]
N−L1−H−L2−C−L3−H [式3]
H−L1−N−L2−H−L3−C [式4]
H−L1−N−L2−H−L3−C−L4−H [式5]
式中、
Nは、凝固因子のN末端部分であり、
L1、L2、L3およびL4は、独立して、化学結合またはリンカー配列であり、ここでリンカー配列は、異なるリンカー配列であってもよいし、または同じリンカー配列であってもよく、
Hは、HLEPであり、
Iは、凝固因子の内部配列であり、および
Cは、凝固因子のC末端部分である。
凝固因子は、様々な段階でタンパク質分解によってプロセシングされていてもよい。例えば、上述したように、それらが血漿に分泌される間に、単鎖の第VIII因子は、細胞内において、B−A3の境界で、およびBドメイン内の異なる部位で切断される。重鎖は、金属イオンを介してドメイン構造A3−C1−C2を有する軽鎖に結合される。第VIII因子は、重鎖内のアミノ酸Arg372およびArg740の位置で、および軽鎖内のArg1689の位置でタンパク質分解的切断によって活性化され、それによりA1ドメイン、A2ドメイン、および軽鎖(A3−C1−C2)からなる活性型第VIII因子のヘテロ三量体が生成する(73kDaのフラグメント)。従って、第VIII因子の活性型(第VIIIa因子)は、2価の金属イオンとの結合を介してトロンビンで切断されたA3−C1−C2軽鎖と結合したA1−サブユニットと、比較的緩くA1およびA3ドメインと結合した遊離のA2サブユニットとからなる。
従って、本発明はまた、単鎖ポリペプチドとしては存在しないが、非共有結合を介して互いに結合した数個のポリペプチド(例えば、1、または2、または3個)からなる修飾された凝固因子も包含する。一例として、本修飾された凝固因子の構造は、以下に示す構造であってもよい:
N−L1−H−L2・・・C [式6]
N−L1−H・・・L2−C [式7]
N−L1・・・H−L2−C [式8]
N・・・L1−H−L2−C [式9]
式中、「・・・」は、非共有結合を意味し、N、L1、L2、HおよびCの意味は上記で定義された通りである。式2〜式5で示されるポリペプチドの式6〜式9で示される形態に類似した切断された形態も本発明に包含される。
通常、挿入部位は、凝固因子の生物活性が、十分に、または少なくとも部分的に保持されるように選択される。本発明の修飾された凝固因子の生物活性は、挿入がない凝固因子の、または凝固因子の野生型の形態の生物活性の、好ましくは少なくとも25%、より好ましくは少なくとも50%、最も好ましくは少なくとも75%である。
一般的に、凝固因子の2つのドメイン間の挿入、または2つのドメイン間の境界近傍内への挿入が好ましい。このような2つのドメインは、野生型凝固因子において隣接するドメインであってもよいし、またはそうでなくてもよい。
本明細書において2つのドメイン間の挿入と言及される場合(例えば、「ドメインXとドメインYとの間への挿入」)、これは、好ましくは、正確にドメインXのC末端のアミノ酸と、ドメインYのN末端のアミノ酸との間への挿入を意味する。しかしながら、本発明の意味において「ドメインXとドメインYとの間への挿入」はまた、ドメインXのC末端のアミノ酸上流のアミノ酸n個以内のアミノ酸位置における挿入、またはドメインYのN末端のアミノ酸下流のアミノ酸n個以内のアミノ酸位置における挿入も含む可能性がある。ここで記号nは、言及されたドメインのアミノ酸総数の10%以下、好ましくは5%以下に相当する整数である。通常、nは、20であり、好ましくは15、より好ましくは10、さらにより好ましくは5またはそれ未満(例えば、1、2、3、4、または5)である。
また、無血清培地中の修飾された凝固因子の安定性は、挿入がない凝固因子の安定性、および/または凝固因子の野生型の形態の安定性よりも大きいことが好ましい。また、動物タンパク質を含まない培地中の修飾された凝固因子の安定性は、挿入がない凝固因子の安定性、および/または凝固因子の野生型の形態の安定性よりも大きいことが好ましい。安定性の増加は、挿入がない凝固因子、および/または凝固因子の野生型の形態と比較して、好ましくは少なくとも10%、より好ましくは少なくとも25%、最も好ましくは少なくとも50%である。上記培地中における凝固因子の安定性は、実施例7で記載したようにして決定することができる。
本発明に係る機能的な半減期は、凝固因子が哺乳動物に投与されてからの凝固因子の生物学的機能の半減期であり、これは、インビトロで測定される。同じ種で試験したところ、本発明に係る修飾された凝固因子の機能的な半減期は、修飾がない凝固因子の機能的な半減期よりも大きい。機能的な半減期は、修飾がない凝固因子、および/または凝固因子の野生型の形態と比較して、好ましくは少なくとも25%、より好ましくは少なくとも50%、および、さらにより好ましくは少なくとも100%高い。
HLEPでの修飾を含む修飾された凝固因子の機能的な半減期は、ラット、ウサギまたはその他の実験動物種に、それぞれの修飾された凝固因子(および比較のために、未修飾凝固因子)を静脈内または皮下投与し、および続いて、適用後の適切なインターバルで採取された血液サンプル中の前記修飾された、またはそれぞれの未修飾凝固因子の生物活性を除去することによって決定することができる。適切な試験方法は、本明細書において説明される活性試験である。
生物活性の半減期を示す代用マーカーとして、修飾された凝固因子、またはそれぞれの未修飾凝固因子の抗原レベルを測定してもよい。従って、凝固因子の一次翻訳ポリペプチドのN末端のアミノ酸とC末端のアミノ酸との間の内部領域に、半減期を増強するポリペプチド(HLEP)が挿入された修飾された凝固因子であって、本修飾された凝固因子は、前記挿入がない凝固因子の抗原の半減期と比較して、本凝固因子の抗原の長い半減期を有することを特徴とする凝固因子も本発明に包含される。本発明に係る「凝固因子の抗原の半減期」は、哺乳動物に投与されてからの凝固因子の抗原の半減期であり、これは、インビトロで測定される。抗原の試験方法は、酵素免疫検査法様式における特異的な抗体に基づいており、このような抗体は当業者既知であり、市販されている(例えば、デイド・ベーリング(Dade Behring)、インスツルメンテーション・ラボラトリー(Instrumentation Laboratory)、アボット・ラボラトリーズ(Abbott Laboratories)、ダイアグノスティカ・スターゴ(Diagnostica Stago))。機能的な半減期および抗原の半減期は、式:t1/2=ln2/k(式中kは、回帰線の傾きである)に従って除去のベータ相のタイムポイントを用いて計算することができる。
生体内で凝固中に凝固因子が活性化されると、それにより血栓性合併症が生じる可能性があるので、目下の活性化された凝固因子の高い半減期を維持することはもはや望ましくなくなる場合があり、このような血栓性合併症は、すでに野生型の活性型凝固因子FVIIaに関して症例があり(Aledort 2004. J Thromb Haemost 2:1700-1708)、さらに、活性型の因子が高い半減期を有する可能性がある場合にはよりいっそう脅威となると予想される。従って、本発明のその他の目的は、生体内での内因性の活性化の後に、または生体内で補因子が利用可能になった後に、未修飾凝固因子の半減期と同等の機能的な半減期を有する長寿命の凝固因子の分子を提供することである。これは、修飾された凝固因子中に、活性化の間にHLEPから凝固因子を分離するタンパク質分解的切断を引き起こすことができる所定の切断部位を維持すること(下記を参照)によって達成できる。従って、一実施態様において、内因的に修飾された活性型凝固因子の機能的な半減期は、修飾がない活性化型の未修飾凝固因子の機能的な半減期と実質的に同じであるか、および/または野生型の活性型凝固因子の機能的な半減期と実質的に同じである(例えば、±15%、好ましくは±10%)。
その他の実施態様において、内因的に修飾された活性型凝固因子の機能的な半減期は、挿入がない活性化型の未修飾凝固因子の機能的な半減期と比較して、または野生型の活性型凝固因子の機能的な半減期と比較して長い。その長さは、15%より長くてもよく、例えば少なくとも20%、または少なくとも50%である。この場合も、このような機能的な半減期の値は、上記の機能的な半減期に関して説明されているようにして測定し計算することができる。増加した半減期の内因的に修飾された活性型凝固因子は、極めて低いレベルの凝固因子しか利用できないために血栓形成されないような状況において有益な場合がある。このような状況は、例えばしばしば低い発現率しか達成できない遺伝子治療の際に起こる可能性がある。それゆえに、このような安定化された凝固因子は、例えば遺伝子治療においてタンパク質として高用量でまたは生理学的な用量で投与される場合このような凝固因子に関連する血栓形成の危険性にもかかわらず有益となるはずである。
半減期を増強するポリペプチド(HLEP)
本明細書で用いられる「半減期を増強するポリペプチド」は、アルブミン、アルブミンファミリーの一種、免疫グロブリンGの定常領域およびそれらのフラグメント、および生理学的条件下でアルブミン、アルブミンファミリーの一種および免疫グロブリン定常領域の部分と結合できるポリペプチドからなる群より選択される。これは、凝固因子の治療活性または生物活性を安定化したり、または延長することができる、本明細書において説明される全長の半減期を増強するタンパク質(例えば、アルブミン、アルブミンファミリーの1種、または、免疫グロブリンGの定常領域)、または1種またはそれ以上のそれらのフラグメントであってもよい。このようなフラグメントは、長さが10個またはそれ以上のアミノ酸であるものでもよいし、またはHLEP配列からの少なくとも約15個、少なくとも約20個、少なくとも約25個、少なくとも約30個、少なくとも約50個、少なくとも約100個またはそれ以上の連続したアミノ酸を含んでいてもよいし、またはそれぞれのHLEPの特定のドメインの一部または全部を含んでいてもよく、ここでこれらは、HLEPフラグメントの機能的な半減期が野生型凝固因子と比較して少なくとも25%延長する程度の長さである。
ここで提案の本発明の凝固因子の挿入コンストラクトのHLEP部分は、正常なHLEPの変異体であってもよい。用語「変異体」は、挿入、欠失および置換を含み、これらは保存的または非保存的のいずれでもよく、ここでこのような変化によっては、実質的に修飾された凝固因子の生物活性を付与する活性部位または活性ドメインは変更されない。
具体的には、提案の本発明のFVIIIへのHLEP挿入、またはBドメイン置換コンストラクトは、HLEPおよびHLEPのフラグメントの天然に存在する多型変異体を含んでいてもよい。HLEPは、あらゆる脊椎動物、特にあらゆる哺乳動物、例えばヒト、サル、ウシ、ヒツジまたはブタから誘導することができる。非哺乳動物のHLEPとしては、これらに限定されないが、ニワトリおよびサケのものが挙げられる。
HLEPとしてのアルブミン
用語「ヒト血清アルブミン」(HSA)および「ヒトアルブミン」(HA)および「アルブミン」(ALB)は、本願中では交換可能に用いられる。用語「アルブミン」および「血清アルブミン」はそれよりも上位の概念であり、ヒト血清アルブミン(および、それらのフラグメントおよび変異体)、加えて他の種由来のアルブミン(および、それらのフラグメントおよび変異体)を包含する。
本明細書で用いられるように、「アルブミン」は、集合的に、アルブミンのポリペプチドもしくはアミノ酸配列、または、アルブミンの1種またはそれ以上の機能的な活性(例えば生物活性)を有するアルブミンのフラグメントもしくは変異体を意味する。具体的には、「アルブミン」は、ヒトアルブミンまたはそれらのフラグメントを意味し、特に、本明細書において配列番号3で示されるようなヒトアルブミンの成熟型、または他の脊椎動物由来のアルブミンもしくはそれらのフラグメント、またはこのような分子の類似体もしくは変異体もしくはそれらのフラグメントを意味する。
具体的には、提案の本発明の凝固因子に挿入されるコンストラクトは、ヒトアルブミンおよびヒトアルブミンフラグメントの天然に存在する多型変異体を含んでいてもよい。一般的に言えば、アルブミンフラグメントまたは変異体のアミノ酸の長さは、少なくとも10、好ましくは少なくとも40、最も好ましくは70個より多くなる。アルブミン変異体は、好ましくは、少なくとも1つのアルブミンのドメイン全体、または前記ドメインのフラグメント、例えばドメイン1(配列番号3のアミノ酸1〜194)、2(配列番号3のアミノ酸195〜387)、3(配列番号3のアミノ酸388〜585)、1+2(配列番号3のアミノ酸1〜387)、2+3(配列番号3のアミノ酸195〜585)、または1+3(配列番号3のアミノ酸1〜194+配列番号3のアミノ酸388〜585)からなるものでもよいし、またはその代替としてそれらを含むものであってもよい。各ドメインは、それ自体2個の相同サブドメインで構成されており、すなわち1〜105、120〜194、195〜291、316〜387、388〜491および512〜585と、残基Lys106〜Glu119、Glu292〜Val315、および、Glu492〜Ala511を含むフレキシブルなサブドメイン間リンカー領域とで構成されている。
提案の本発明の凝固因子に挿入されるコンストラクトのアルブミン部分は、少なくとも1つのサブドメインまたはHAのドメイン、またはそれらの保存的修飾を含んでもよい。
HLEPとしてのアファミン、アルファ−フェトプロテインおよびビタミンD結合タンパク質
アルブミンの他にも、アルファ−フェトプロテイン、アルブミンファミリーのその他のメンバーが、インビボで、結合した治療用ポリペプチドの半減期を増強すると特許請求されている(WO2005/024044)。タンパク質のアルブミンファミリーは、進化的に関連する血清輸送タンパク質であり、これらは、アルブミン、アルファ−フェトプロテイン(AFP; Beattie & Dugaiczyk 1982. Gene 20:415-422)、アファミン(AFM; Lichenstein et al. 1994. J. Biol. Chem. 269:18149-18154)、およびビタミンD結合タンパク質(DBP; Cooke & David 1985. J. Clin. Invest. 76:2420-2424)からなる。それらの遺伝子は、ヒト、マウスおよびラットにおいて同じ染色体の領域にマッピングされた構造的および機能的な類似性を有する多重遺伝子クラスターに含まれる。アルブミンファミリーの構造的な類似性は、それらのHLEPとしての有用性を示す。従って、本発明のその他の目的は、このようなアルブミンファミリー、それらのフラグメントおよび変異体をHLEPとして使用することである。用語「変異体」は、挿入、欠失および置換を含み、これらは、所望の機能が存在する限り保存的または非保存的のいずれでもよい。
アルブミンファミリーは、それぞれのタンパク質AFP、AFMおよびDBPの全長を含んでもよいし、または治療活性を安定化または延長することができる1つまたはそれ以上のそれらのフラグメントを含んでいてもよい。このようなフラグメントの長さは、HLEPフラグメントが少なくとも25%の半減期の延長を与える限りにおいて、10個またはそれより多くのアミノ酸であってもよいし、またはそれぞれのタンパク質配列の約15個、20個、25個、30個、50個またはそれより多くの連続したアミノ酸を含んでいてもよいし、または、それぞれのタンパク質の特定のドメインの部分または全部を含んでいてもよい。本発明の挿入タンパク質のアルブミンファミリーは、AFP、AFMおよびDBPの天然に存在する多型変異体を含んでいてもよい。
HLEPとしての免疫グロブリン
免疫グロブリンG(IgG)定常領域(Fc)が、治療用タンパク質の半減期を長くすることは、当該技術において既知である(Dumont JA et al. 2006. BioDrugs 20:151-160)。重鎖のIgG定常領域は3つのドメイン(CH1〜CH3)およびヒンジ領域からなる。この免疫グロブリン配列は、あらゆる哺乳動物から誘導することもできるし、またはそれぞれサブクラスIgG1、IgG2、IgG3もしくはIgG4から誘導することもできる。また、抗原結合ドメインを含まないIgGおよびIgGフラグメントも、HLEPとして用いてもよい。治療用ポリペプチドの部分は、好ましくは抗体のヒンジ領域またはペプチド性のリンカーを介してIgGまたはIgGフラグメントに連結され、これらのヒンジ領域またはペプチド性のリンカーは切断可能である。数々の特許および特許出願で、治療用タンパク質のインビボでの半減期を増強するための、治療用タンパク質の免疫グロブリン定常領域への融合が記載されている。US2004/0087778およびWO2005/001025には、Fcドメインまたは免疫グロブリンの定常領域の少なくとも一部と、生物学的に活性なペプチドとの融合タンパク質が記載されており、それはペプチドの半減期を延長し、そのペプチドはその他の点ではインビボで迅速に除去されるとする。Fc−IFN−β融合タンパク質が増強された生物活性、長い血中半減期、およびより大きい溶解性を達成したことが記載されている(WO2006/000448)。血清中半減期が延長し、インビボでの効力が増加したFc−EPOタンパク質が記載されており(WO2005/063808)、さらにFcと、G−CSF(WO2003/076567)、グルカゴン様ペプチド−1(WO2005/000892)、凝固因子(WO2004/101740)、およびインターロイキン−10(US6,403,077)との融合も記載されており、いずれも半減期が増強された特性を示している。
凝固因子
本明細書で用いられる用語「凝固因子」は、血液凝固因子を意味する。凝固因子としては、第VIII因子、フォン−ビルブランド因子、プロトロンビン因子(第VII因子、第IX因子、第X因子、プロテインC、プロテインS、プロテインZ、および、プロトロンビンを含む)、および凝固因子Vが挙げられる。
また、本発明の凝固因子は、野生型凝固因子の変異体であってもよい。用語「変異体」は、挿入、欠失および置換を含み、これらは保存的または非保存的のいずれでもよく、ここでこのような変化によっては、それぞれの凝固因子の生物活性を付与する活性部位または活性ドメインは実質的に変更されない。
FVIII
用語「血液凝固第VIII因子」、「第VIII因子」および「FVIII」は、本明細書において交換可能に用いられる。「血液凝固第VIII因子」は、野生型の血液凝固第VIII因子、および野生型の血液凝固第VIII因子の凝血促進活性を有する野生型の血液凝固第VIII因子の誘導体を含む。誘導体は、野生型第VIII因子のアミノ酸配列と比較して欠失、挿入および/または付加を含んでいてもよい。用語FVIIIは、第VIII因子のタンパク質分解によってプロセシングされた形態を含み、例えば重鎖と軽鎖とを含む活性化前の形態を含む。
用語「第VIII因子」は、野生型の第VIII因子の生物活性の少なくとも10%、好ましくは少なくとも25%、より好ましくは少なくとも50%、最も好ましくは少なくとも75%を有する第VIII因子のあらゆる変異体または突然変異体を含む。
非限定的な例として、第VIII因子の分子としては、APC切断を防ぐか、または減少させる第VIII因子の突然変異体(Amano 1998. Thromb. Haemost. 79:557-563)、A2ドメインをさらに安定化する第VIII因子の突然変異体(WO97/40145)、発現の増加をもたらすFVIII突然変異体(Swaroop et al. 1997. JBC 272:24121-24124)、その免疫原性を減少させる第VIII因子の突然変異体(Lollar 1999. Thromb. Haemost. 82:505-508)、別々に発現された重鎖および軽鎖から再構築されたFVIII(Oh et al. 1999. Exp. Mol. Med. 31:95-100)、受容体への結合を減少させてHSPG(ヘパラン硫酸プロテオグリカン)および/またはLRP(低密度リポタンパク質受容体関連のタンパク質)のようなFVIIIの異化をもたらす、FVIII突然変異体(Ananyeva et al. 2001. TCM, 11:251-257)、ジスルフィド結合で安定化したFVIII変異体(Gale et al., 2006. J. Thromb. Hemost. 4:1315-1322)、改善された分泌特性を有するFVIII突然変異体(Miao et al., 2004. Blood 103:3412-3419)、高い補因子特異的な活性を有するFVIII突然変異体(Wakabayashi et al., 2005. Biochemistry 44:10298-304)、改善された生合成および分泌、減少したERシャペロンとの相互作用、改善されたER−ゴルジ輸送、高い活性化または不活性化への耐性、および改善された半減期を示すFVIII突然変異体(Pipe 2004. Sem. Thromb. Hemost. 30:227-237でまとめられている)が挙げられる。これらの第VIII因子の突然変異体および変異体は全て、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
第VIII因子の生物活性を決定する適切な試験は、一段階または二段階の凝固分析(Rizza et al. 1982. Coagulation assay of FVIII:C and FIXa in Bloom ed. The Hemophilias. NY Churchchill Livingston 1992)、または発色性基質FVIII:C分析(S. Rosen, 1984. Scand J Haematol 33: 139-145, 上記)である。これらの参考文献の内容は、この参照により開示に含まれる。
ヒト血液凝固第VIII因子の成熟した野生型の形態のcDNA配列およびアミノ酸配列を、それぞれ配列番号1および配列番号2に示す。特定の配列のアミノ酸位置が記載されている場合、これは、FVIII野生型タンパク質における前記アミノ酸の位置を意味しており、記載された配列の他の位置における突然変異(例えば欠失、挿入および/または置換)の存在を排除しない。例えば、配列番号2に記載されている「Glu2004」における突然変異は、修飾された相同体において、配列番号2の1〜2332の位置で1個またはそれ以上のアミノ酸が失われていることを排除しない。
HLEPが挿入されたFVIIIタンパク質
最も一般的な意味での本発明の修飾されたFVIIIタンパク質は、これらが、HLEPがキメラタンパク質のFVIII活性のモル比が野生型FVIIIのFVIII活性のモル比の約10%未満に減少しないように、HLEPがFVIII分子に統合された、FVIII分子を含むことを特徴とする。HLEPの挿入は、FVIII配列のN末端アミノ酸とC末端アミノ酸との間のあらゆる場所で起こすことができる。好ましくは、HLEPは、野生型FVIIIタンパク質のドメイン間に組み込まれる。
FVIIIのドメインは、以下のアミノ酸位置を含む(アミノ酸の番号は、配列番号2に従う):
A1:…1〜336
a1:…337〜372
A2:…373〜710
a2:…711〜740
B:…741〜1648
a3:…1649〜1689
A3:…1690〜2019
C1:…2020〜2172
C2:…2173〜2332。
HLEPにとって好ましいFVIII分子内の組込部位は、HLEP部分の挿入が、FVIIIの機能的な活性に最小の負の作用しか与えないような部位と定義される。可能性のある組込部位としては、これらに限定されないが、酸性領域1のC末端(a1)とA2ドメインのN末端との間の領域、A3ドメインのC末端とC1ドメインのN末端との間の領域、C1ドメインのC末端とC2ドメインのN末端との間の領域、および好ましくはBドメインの領域(ここでBドメインは部分的に、またはその全体が置換されていてもよい)が挙げられる(図2)。
本発明のその他の好ましい実施態様において、本発明のキメラFVIIIタンパク質は、Bドメインが部分的または完全に欠失し、さらに、HLEPがそのアミノ末端において機能的なA1/A2ドメインに挿入され、そのカルボキシ末端において機能的なA3/C1/C2ドメインに挿入されるようにHLEPがFVIII分子に組込まれたFVIII分子を含むことを特徴とする。
Bドメイン内にHLEPまたはHLEP誘導体(FVIIIの生物学的機能には必須ではないように思われるA2ドメインととA3ドメインの間のFVIII配列[アミノ酸741〜1648](Pittman et al. 1992. Blood 81:2925-2935)を挿入することができ、FVIIIの生物活性を保持しつつ新規の改善された特性を有するFVIII分子を提供できることがわかった。Bドメインは、約900個のアミノ酸の長さを有し、HLEPは、Bドメイン内の任意の場所に挿入されていてもよいし(Bドメインの欠失はない)またはBドメインが部分的にまたはその全体がHLEPで置換されていてもよい。この部分的な欠失は、Bドメインの少なくとも1個のアミノ酸の欠失を意味し、好ましくは100〜600個のアミノ酸の欠失、最も好ましくは600個より多いアミノ酸の欠失を意味する(図2e〜h)。
本発明のその他の好ましい実施態様において、Bドメインの多くがHLEPで置換されており、一方で、本発明のFVIII分子の切断および活性化に重要なプロセシング部位を含むBドメインのアミノおよびカルボキシ末端配列の数個のアミノ酸が保存されている(図1a、b、dおよび2h〜i)。FVIII配列(配列番号2)のアミノ酸位置740におけるトロンビンのためのプロセシング部位、および分泌プロセス中にBドメインとA3ドメインとの間で切断するプロテアーゼのためのプロセシング部位を保存するのに必要な、BドメインのCおよびN末端における好ましくは約1〜20個のアミノ酸、より好ましくは3〜10個のアミノ酸が、本発明のFVIII分子内に維持される(図1、および、図2h)。あるいは、Bドメインから保存されるアミノ酸は、人工的な切断部位で置換されていてもよい。PACE/フューリン切断部位(Nakayama 1997. Biochem. J. 327:625-635)を用いて、分泌中にプロセシングを導入してもよく、さらに、WO2004/005347(図1c)で記載されているような人工的なトロンビン切断部位またはその他のプロテアーゼによる切断部位を活性化プロセシングのために導入してもよい(図1e)。
本発明のその他の形態は、1個より多くのHLEPの挿入であり、ここで数回挿入されるHLEPは、同じHLEPであってもよいし、または異なるHLEPの組み合わせであってもよい。また、FVIIIへの1つまたはそれ以上のHLEPの挿入と、追加の1つまたはそれ以上のHLEP(これらは、同じHLEPでもよいし、または異なるHLEPの組み合わせでもよい)のNおよび/またはC末端の融合との組み合わせも、本発明に包含される。
生体内で凝固の間に凝固因子が内因的に活性化されると、それにより血栓性合併症が生じる可能性があるので、目下の活性型凝固因子の高い機能的な半減期を維持することはもはや望ましくなくなる場合があり、このような血栓性合併症は、すでにFVIIaとしての野生型の活性型凝固因子に関して症例があり(Aledort 2004. J Thromb Haemost 2:1700-1708)、さらに、活性型の因子が長い機能的な半減期を有する可能性がある場合にはよりいっそう問題となる。従って、本発明のその他の目的は、生体内での内因性の活性化の後に、または補因子が利用可能になった後に、未修飾のFVIIIの機能的な半減期と同等の機能的な半減期を有する、長寿命の第VIII凝固因子分子を提供することである。これは、非限定的な例を挙げれば、FVIII配列(配列番号2)のアミノ酸位置740でトロンビンのための切断部位、および分泌プロセス中にBドメインとA3ドメインとの間を切断するプロテアーゼのための切断部位を維持することによって達成することができる。このようなFVIII−HLEPが連結した配列を用いれば、本発明のFVIIIキメラタンパク質を活性化することによって、それに伴いFVIIIaがHLEP部分から完全に分離されることになる。
しかしながら、本発明のなおその他の実施態様において、切断を防ぐために1個またはそれ以上のArg740(例えば、図2i)および/またはArg372でタンパク質分解による切断部位、好ましくはトロンビンによる切断部位が、突然変異または欠失しており、それにより、活性化された分子であるとともに増強された機能的な半減期等の改善された特性を示す挿入タンパク質が生じる。
本発明のその他の実施態様において、Bドメインの欠失は、端にある酸性領域a2およびa3(図2kおよびl)に及んでもよい。a2に関して、この領域は、部分的に欠失していてもよいし(図2k)、または、完全に欠失していてもよい。従って、HLEP部分は、FVIIIが活性化されても放出されないが、その代わりにA2ドメインに結合したままになる。このような活性型の挿入タンパク質は、増強された機能的な半減期を有すると予想される。酸性領域a3は、a3のvWF結合特性が影響を受けない限り、部分的に欠失していてもよい(図2l)。
本発明の一実施態様において、FVIII分子内のその他の可能性のある組込部位の一つは、酸性領域1(a1)のC末端とA2ドメインのN末端との間の領域である(図2a〜d)。図2aには、アルブミンのC末端に追加のトロンビン切断部位が導入される組込スキームが説明されている。このような挿入タンパク質において、HLEP部分は、インビボでの内因性のFVIII活性化の間に切断されて除去され、活性型FVIII分子は、野生型FVIIIと同等の機能的な半減期を有する。図2bで示すような挿入タンパク質の場合では、HLEPのC末端における追加のトロンビン切断部位は、欠失している。従って、HLEPは、FVIIIが活性化されても放出されないが、その代わりにA2ドメインに結合したままになる。このような活性型の挿入タンパク質は、増強された機能的な半減期を有する。図2cで示すような挿入タンパク質の場合では、Arg372におけるトロンビン切断部位が欠失している。従って、HLEPは、FVIIIが活性化されても放出されないが、その代わりにA1ドメインに結合したままになる。このような活性型の挿入タンパク質は、増強された半減期を有する。図2dで示すような挿入タンパク質は、共有結合で連結されたA1およびA2ドメインを維持し、同様に活性型の機能的な半減期の延長を示す挿入タンパク質を生成する。
本発明のその他の実施態様において、FVIII分子内のその他の可能性のある組込部位の一つは、A3ドメインのC末端とC1ドメインのN末端との間の領域である(図2m)。このような挿入タンパク質では、HLEP部分は、FVIII軽鎖の組込まれた構成要素であり、さらに、活性化されていない、および活性型の挿入タンパク質の両方が増強された機能的な半減期を有する。
本発明のその他の実施態様において、FVIII分子内のその他の可能性のある組込部位の一つは、C1ドメインのC末端とC2ドメインのN末端との間の領域である(図2n)。このような挿入タンパク質において、HLEP部分は、FVIII軽鎖の組込まれた構成要素であり、さらに、活性化されていない、および活性型の挿入タンパク質の両方が増強された機能的な半減期を有する。
本発明のその他の実施態様において、本発明のFVIIIタンパク質は、2つの別々の鎖として発現される可能性もある(下記を参照)。
本発明に係る修飾された第VIII凝固因子は、単鎖ポリペプチドであってもよいし、またはタンパク質分解でのプロセシングによって、非共有結合を介して結合した2または3種のポリペプチド鎖で構成されていてもよい。
本発明のその他の実施態様において、PACE/フューリン切断部位(Arg1648、例えば図1a)におけるアミノ酸またはその付近のアミノ酸は、PACE/フューリンによる切断を防ぐために突然変異しているか、または欠失している。それにより、改善された半減期を有する単鎖の第VIII因子/HLEP融合分子が生じると考えられる。
本発明の一実施態様において、本発明の修飾されたFVIIIは、それに対応する組込まれたHLEPを含まないFVIIIの形態、および/または野生型FVIIIと比較して増加した機能的な半減期を示す。例えば、機能的な半減期は、インビボで、FVIIIノックアウトマウスのような血友病Aの動物モデルを用いて決定することができ、この場合、野生型FVIIIと比較して長く持続する止血効果が予想される。このような止血効果は、例えば、尾を切ってから出血が止まるまでの時間を測定することによって試験できる。
機能的な半減期は、FVIIIのHLEPを含まない形態、および/または野生型の形態と比較して、好ましくは少なくとも25%、より好ましくは少なくとも50%、さらにより好ましくは少なくとも100%増加する。
本発明のその他の実施態様において、本発明の修飾されたFVIIIは、それに対応する組込まれたHLEPを含まないFVIIIの形態、および/または野生型の形態のFVIIIと比較して改善されたインビボでの回収を示す。インビボでの回収は、インビボで、正常な動物、または、FVIIIノックアウトマウスのような血友病Aの動物モデルにおいて決定することができ、この場合、血中で、静脈内投与後に短時間で(5〜10分間.)抗原または活性分析によって、本発明の修飾されたFVIIIのパーセンテージが、それに対応する組込まれたHLEPを含まないFVIIIの形態および/または野生型の形態のFVIIIと比較して増加したことが確認されると予想される。
インビボでの回収は、FVIIIのHLEPを含まない形態、および/または野生型の形態と比較して、好ましくは少なくとも10%、より好ましくは少なくとも20%、および、さらにより好ましくは少なくとも40%増加する。
さらにその他の本発明の実施態様において、免疫グロブリン定常領域またはそれらの部分が、HLEPとして用いられる。好ましくは、CH2およびCH3ドメインで構成されるFc領域、ならびに、IgGの、より好ましくはIgG1のヒンジ領域、またはそれらのフラグメントもしくは変異体が用いられ、ここで変異体としては、新生児のFc受容体(FcRn)への結合を増強する突然変異が挙げられる。Fc領域は、当業界で説明されているような単量体または二量体Fcの挿入を形成するのには用いられないが、むしろFVIII分子の一部がそのN末端に融合し、その他の部分がそのC末端に融合するようにFVIII分子に挿入される(図2a〜n)。本発明のその他の好ましい実施態様において、融合していないFc領域は、他の発現ベクターからまたは同じ発現ベクターからでも共発現され(coexpresed)、それにより、ジスルフィド架橋結合を介して、キメラFVIII分子内にFc領域を有するFcヘテロ二量体が形成される。
FVIIIの機能的な半減期の延長に加えて、本発明で説明されているようなHLEP成分はまた、半減期の延長という同じ目的のために、他のマルチドメインタンパク質内に挿入するために用いてもよい。
従って、本発明はまた、他の修飾タンパク質も包含し、好ましくはそれらのアミノ酸配列内にHLEP成分が挿入された修飾された凝固因子も包含する。
フォン−ビルブランド因子
フォン−ビルブランド因子(vWF)は、一次的な血流遮断において傑出した役割を有する多量体の血漿糖タンパク質である。その成熟タンパク質は2050個のアミノ酸からなり、D’−D3−A1−A2−A3−D4−B1−B2−B3−C1−C2−CKの順に配置された相同ドメインで構成される。野生型vWFのアミノ酸配列およびcDNA配列は、Collins et al. 1987. Proc Natl. Acad. Sci. USA 84:4393-4397に記載されている。用語「フォン−ビルブランド因子」は、野生型vWFの生物活性の、少なくとも10%、好ましくは少なくとも25%、より好ましくは少なくとも50%、最も好ましくは少なくとも75%を有する野生型vWFのあらゆる突然変異体および変異体を含む。野生型vWFの生物活性は、当業者によって、リストセチン補因子活性分析(Federici AB et al. 2004. Haematologica 89:77-85)、vWFの血小板糖タンパク質複合体Ib−V−IXのGPIbαへの結合分析(Sucker et al. 2006. Clin Appl Thromb Hemost. 12:305-310)、またはコラーゲン結合分析(Kallas & Talpsep. 2001. Annals of Hematology 80:466-471)の方法を用いて決定することができる。
1つまたはそれ以上のHLEPが、vWF分子に挿入されていてもよい。HLEP挿入は、vWFの、例えばFVIII、血小板、ヘパリンまたはコラーゲンへの結合性能に干渉しないように選択される。適切な挿入部位としては、これらに限定されないが、D3−A1ジャンクション、D4−B1ジャンクション、C2−CKジャンクション、加えて、A2(A2ドメインを部分的または完全に除去する際に、そこにHLEP部分を挿入することができる)が挙げられる。vWFの機能的な活性は、上記で説明されているようにして評価してもよい。
プロトロンビン因子
プロトロンビン因子は、例えば第VII因子(FVII)、第IX因子(FIX)、第X因子(FX)、プロテインC(PC)、プロテインS、プロテインZ、およびプロトロンビン(PT)であり、これらは、軽鎖のγ−カルボキシル化されたグルタミン酸残基、およびEGFまたはクリングル領域を含むglaドメインを特徴とするタンパク質のファミリーであり、このglaドメインは、タンパク質が活性化されると切断される短い介在配列によってトリプシンプロテアーゼドメイン(プロテインSに関する2つのラミニン−Gドメイン)を含む重鎖から分離される。
これらの凝固因子のアミノ酸配列およびcDNA配列は当技術で既知であり、例えば、PubMedタンパク質配列ライブラリー(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?db=Protein)において、登録番号NP_000122(FVII)、NP_000124(FIX)、NP_000495(FX)、NP_000303(PC)、NP_000304(プロテインS)、NP_003882(プロテインZ)、およびNP_000497(プロトロンビン)として開示されている。
またプロトロンビン因子は、本発明で説明されているようなHLEP部分の挿入で安定化することもできる。プロトロンビン因子としては、第VII因子(FVII)、第IX因子(FIX)、第X因子(FX)、プロテインC(PC)、プロテインS、プロテインZ、およびプロトロンビン(PT)が挙げられる。上記で説明されているように、プロトロンビン因子は、軽鎖にγ−カルボキシレート化グルタミン酸残基、およびEGFまたはクリングル領域を含むglaドメインを特徴とし、このglaドメインは、タンパク質が活性化されると切断される短い介在配列によってトリプシンプロテアーゼドメイン(プロテインSの場合は2ラミニン−Gドメイン)を含む重鎖から分離される。このペプチド配列は、HLEP部分に関して好ましい組込部位である。好ましくは、HLEPは、天然の活性化配列を維持することによって、あるいは、PACE/フューリン切断部位(Nakayama 1997. Biochem. J. 327:625-635)、人工トロンビン切断部位(例えばWO2004/005347で説明されているもの)、またはその他の適切なプロテアーゼによる切断部位のような人工の切断部位を挿入することによって、活性化による切断が妨害されないように挿入される。HLEP挿入後にそれぞれのプロトロンビン因子の活性の保存は、当業者既知の分析によって評価することができる。FVII活性は、Seligsohn等(1978. Blood 52:978-988)によって説明された方法に基き、市販のクロモジェニック試験キット(クロモジェニックス・コアセットFVII(Chromogenix Coaset FVII)を用いて決定してもよいし、FVIIa活性は、スタクロット(STACLOT)(R)FVIIa−rTFキット(ダイアグノスティカ・スターゴ)を用いて、Morissey et al.(1993. Blood 81:734-744)で記載されている方法に基づき決定することができる。FIX活性は、Chavin & Weidner(1984. J. Biol. Chem. 259:3387-3390)によって説明されているような凝固分析によって評価することもできる。FX活性は、Van Wijk et al.(1981. Thromb. Res. 22:681-686)によって記載されているような発色分析を用いて測定することもできる。プロテインC活性は、Comb et al.(1984. Blood 63:15-21)で説明されている方法に基づき、インスツルメンテーション・ラボラトリーが供給しているような発色分析(HaemosILプロテインC)によって評価することもでき、さらに、プロテインS活性は、Heeb et al.(2006. J. Thromb. Haemost. 4:385-391)で説明されている方法によって評価することもできる。Petrovan et al.(1999. Am. J. Clin. Pathol. 112:705-711は、プロトロンビンの活性分析を説明しており、Tabatabai et al.(2001. Thromb. Haemost. 85:655-660)は、プロテインZの活性分析を公開している。
凝固因子V
凝固因子V(FV)は、高分子量の血漿糖タンパク質であり、Xa因子によるプロトロンビンの活性化において補因子として関与する。これは第VIII因子、およびセルロプラスミンと相同であり、A1−A2−B−A3−C1−C2で示される類似のドメイン構造を有する。野生型FVのアミノ酸配列およびcDNA配列は、PubMedにおいて、例えばそれぞれ登録番号NP_000121、および、NM_000130として開示されている。
第VIII因子に関して上述したように、半減期を延長させるために、HLEP成分をFV分子に挿入してもよく、これは、同等のドメイン間部位で、好ましくはBドメインに挿入されるか、または、Bドメインの部分または全部を置換してもよい。FV活性は、Bick et al.(1973. Beitr. Pathol. 150:311-315)によって記載されているようにして評価することができる。
ポリヌクレオチド
本発明はさらに、本願において説明されているような修飾された凝固因子、好ましくは修飾されたFVIII変異体をコードするポリヌクレオチドに関する。用語「ポリヌクレオチド」は、一般的に、あらゆるポリリボヌクレオチドまたはポリデオキシリボヌクレオチドを意味し、例えば、未修飾のRNAもしくはDNA、または修飾されたRNAもしくはDNAであり得る。ポリヌクレオチドは、一本鎖DNAでもよいし、または二本鎖DNAでもよく、一本鎖DNAでもよいし、または二本鎖RNAでもよい。また本明細書で用いられる用語「ポリヌクレオチド」は、1個またはそれ以上の修飾された塩基および/または通常とは異なる塩基(例えばイノシン)を含むDNAまたはRNAも含む。当然のことながら、DNAおよびRNAに、当業者既知の多くの有用な目的に役立つ様々な改変を施してもよい。用語「ポリヌクレオチド」は、本明細書において用いられる場合、このような化学的、酵素的または代謝的に修飾されたポリヌクレオチドの形態、ならびにウイルスおよび細胞(例えば単細胞および多細胞)に特徴的なDNAおよびRNAの化学形態を包含する。
当業者であれば当然に理解していることであるが、遺伝子コードの縮重のために、所定のポリペプチドは、異なるポリヌクレオチドによってコードされることもある。これらの「変異体」も本発明に包含される。
好ましくは、本発明のポリヌクレオチドは、単離されたポリヌクレオチドである。用語「単離された」ポリヌクレオチドは、例えば、これらに限定されないが、他の染色体および染色体外のDNAおよびRNAなどの他の核酸配列を実質的に含まないポリヌクレオチドを意味する。単離されたポリヌクレオチドは、宿主細胞から精製することもできる。当業者既知の従来の核酸精製法を用いて、単離されたポリヌクレオチドを得てもよい。この用語はまた、組換えポリヌクレオチド、および化学合成されたポリヌクレオチドも含む。
本発明はさらに、本発明の修飾された凝固因子を一緒にコードするポリヌクレオチド群に関する。ポリヌクレオチド群中の第一のポリヌクレオチドは、修飾された凝固因子のN末端部分をコードしていてもよいし、第二のポリヌクレオチドは、修飾された凝固因子のC末端部分をコードしていてもよい。
本発明のさらにその他の形態は、本発明に係るポリヌクレオチドを含むプラスミドまたはベクターである。好ましくは、本プラスミドまたはベクターは、発現ベクターである。具体的な実施態様において、本ベクターは、ヒトの遺伝子治療に使用するためのトランスファーベクターである。
本発明はまた、上記のポリヌクレオチド群を含むプラスミドまたはベクター群にも関する。第一のプラスミドまたはベクターは、前記第一のポリヌクレオチドを含んでいてもよく、第二のプラスミドまたはベクターは、前記第二のポリヌクレオチドを含んでいてもよい。一例として、第VIII凝固因子について言えば、第一の発現ベクターに、シグナルペプチド、A1およびA2ドメイン、Bドメイン配列の残り、ならびにHLEPのコード配列をクローニングしてもよく、第二の発現ベクターに、適切なシグナルペプチド配列を有するA3、C1およびC2のコード配列をクローニングしてもよい(図2o)。これら両方の発現ベクターが適切な宿主細胞に共にトランスフェクションされると、本発明のFVIII分子の軽鎖および重鎖の発現、ならびに機能的なタンパク質の形成が起こる。
あるいは、FVIIIシグナルペプチド、A1およびA2ドメインのコード配列が、第一の発現ベクターにクローニングされ、適切なシグナルペプチド配列を含むHLEP、FVIIIA3、C1およびC2のコード配列が、第二の発現ベクターにクローニングされる(図2p)。両方の発現ベクターは、適切な宿主細胞に共にトランスフェクションされると、本発明のFVIII分子の軽鎖および重鎖の発現、および、機能的なタンパク質の形成が起こる。
あるいは、両方のコード配列を1つの発現ベクターにクローニングしてもよく、両方のFVIII鎖の発現を稼働させることは、2つの別々のプロモーター配列を用いるか、または1つのプロモーターと、内部リボソーム侵入部位(IRES)要素とを用いるかのいずれかによってなされる。
本発明のさらにその他の形態は、本明細書において説明されているような本発明のポリヌクレオチド、プラスミドもしくはベクター、またはポリヌクレオチド群、またはプラスミドもしくはベクター群を含む宿主細胞である。
本発明の宿主細胞は、修飾された凝固因子の製造方法、好ましくは修飾されたFVIII分子の製造方法において用いてもよく、これも本発明の一部である。本方法は、以下を含む:
(a)本発明の宿主細胞を、所望の挿入タンパク質が発現されるような条件下で培養すること;および、
(b)場合により、宿主細胞または培地から所望の挿入タンパク質を回収すること。
本発明の修飾された凝固因子を精製して、80%以上の純度にすることが好ましく、より好ましくは95%以上の純度であり、特に好ましくは、高分子(具体的には他のタンパク質および核酸)の混入に関して99.9%よりも高い純度を有し、感染性のおよび発熱性の物質を含まない製薬学的に純粋な状態である。好ましくは、単離された、または、精製された本発明の修飾された凝固因子は、他の無関係のポリペプチドを実質的に含まない。
様々な本発明の生産物が薬剤として有用である。従って、本発明は、本明細書において説明されているような修飾された凝固因子、好ましくは修飾されたFVIII分子、本発明のポリヌクレオチド、または、本発明のプラスミドまたはベクターを含む薬剤組成物に関する。
本発明はまた、血友病AまたはBのような血液凝固障害に罹った個体の治療方法に関する。本方法は、前記個体に、本明細書において説明されているような修飾された凝固因子、好ましくは修飾されたFVIIIまたはFIXの有効量を投与することを含む。その他の実施態様において、本方法は、個体に、有効量の本発明のポリヌクレオチド、または本発明のプラスミドまたはベクターを投与することを含む。あるいは本方法は、個体に有効量の本明細書において説明される本発明の宿主細胞を投与することを含んでもよい。
本発明はまた、上述のような修飾されたvWFおよびプロトロンビン因子変異体をコードするポリヌクレオチド、およびそれらの使用にも関する。
提案の突然変異体の発現
適切な宿主細胞中での組換え突然変異タンパク質の高レベルの生産は、当業者既知の方法に従って、様々な発現系で増殖することができる組換え発現ベクターで、上述の修飾されたcDNAを、適切な調節因子と共に効率的な転写単位に構築することを必要とする。効率的な転写調節要素は、ウイルスを有する動物細胞(それらの天然宿主として)から、または、動物細胞の染色体DNAから誘導することができる。好ましくは、シミアンウイルス40、アデノウイルス、BKポリオーマウイルス、ヒトサイトメガロウイルスまたはラウス肉腫ウイルスのロングターミナルリピートから誘導されたプロモーターとエンハンサーとの組み合わせを用いてもよいし、またはベータ−アクチンまたはGRP78のような動物細胞中で強く構成的に転写される遺伝子を含むプロモーターとエンハンサーとの組み合わせを用いてもよい。cDNAから転写された安定した高レベルのmRNAを達成するためには、転写単位の3’近傍に、転写終結−ポリアデニル化配列をコードするDNA領域を含ませるべきである。好ましくは、この配列は、シミアンウイルス40の初期転写領域、ウサギベータ−グロビン遺伝子、または、ヒト組織プラスミノゲン活性化因子の遺伝子から誘導される。
続いてcDNAは、第VIII因子タンパク質を発現させるのに適した宿主細胞系のゲノムに組込まれる。この細胞系は、好ましくは正しいフォールディング、ジスルフィド結合の形成、アスパラギン結合型糖付加およびその他の翻訳後修飾、および培地への分泌を確実にするために、脊椎動物起源の動物細胞系である。他の翻訳後修飾の例は、チロシンO−硫酸化、および新生のポリペプチド鎖のタンパク質分解によるプロセシングである。使用可能な細胞系の例は、サルCOS−細胞、マウスL−細胞、マウスC127−細胞、ハムスターBHK−21細胞、ヒト胎児腎臓293細胞、およびハムスターCHO−細胞である。
それに対応するcDNAをコードする組換え発現ベクターは、多種多様な方法で動物細胞系に導入することができる。例えば、組換え発現ベクターは、様々な動物ウイルスに基づくベクターから作製することができる。これらの例は、バキュロウイルス、ワクシニアウイルス、アデノウイルスをベースとしたベクターであり、好ましくはウシパピローマウイルスをベースとしたベクターである。
また、組換えDNAがそれらのゲノムに統合された特定の細胞クローンの単離を容易にするために、それに対応するDNAをコードするの転写単位を、これらの細胞中で優勢な選択マーカーとして機能する可能性があるその他の組換え遺伝子と共に動物細胞に導入してもよい。このタイプの優勢な選択マーカー遺伝子の例は、ゲネチシン(G418)に対する耐性を付与するTn5アミノ配糖体ホスホトランスフェラーゼ、ハイグロマイシンに対する耐性を付与するハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ、およびピューロマイシンに対する耐性を付与するピューロマイシンアセチルトランスフェラーゼである。このような選択マーカーをコードする組換え発現ベクターは、所望のタンパク質cDNAをコードするものとして同じベクターに存在していてもよいし、または一緒に導入されて宿主細胞のゲノムに組込まれた別々のベクターにコードされていてもよく、その場合は、異なる転写単位間の強い物理的な結合が生じることが多い。
所望のタンパク質のcDNAと共に使用可能な他のタイプの選択マーカー遺伝子は、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(dhfr)をコードする様々な転写単位をベースとしたものである。このタイプの遺伝子を、内因性dhfr−活性が欠失した細胞に、好ましくはCHO−細胞(DUKX−B11、DG−44)に導入すると、それによりこれらの細胞のヌクレオシドが欠失した培地中での成長が可能になる。このような培地の例は、ヒポキサンチン、チミジンおよびグリシンを含まないHam’sF12である。これらのdhfr−遺伝子は、上記のタイプのCHO−細胞に、第VIII因子のcDNA転写単位と共に導入することができ、それにより、同じベクターに連結されるか、または、異なるベクターに連結されることによって、組換えタンパク質を生産するdhfr陽性の細胞系が作出される。
細胞毒性のdhfr−阻害剤であるメトトレキセートの存在下で上記の細胞系を増殖させる場合、メトトレキセート耐性の新しい細胞系が出現する。これらの細胞系は、連結されたdhfrの増幅数、および所望のタンパク質の転写単位のために、組換えタンパク質を高い割合で生産する可能性がある。これらの細胞系を高濃度のメトトレキセート中で(1〜10000nM)増殖させることによって、所望のタンパク質を極めて高い割合で生産する新しい細胞系を得ることができる。
上記の所望のタンパク質を生産する細胞系は、懸濁培養中で、または様々な固体支持体上のいずれかでのラージスケールでの増殖が可能である。これらの支持体の例は、デキストランもしくはコラーゲンマトリックスベースのマイクロキャリアー、または中空糸の形態の固体支持体、または様々なセラミック材料である。細胞懸濁培養で、またはマイクロキャリアー上で増殖させた場合、上記の細胞系の培養は、バッチ(bath)培養として行ってもよいし、または調整培地を長期間にわたり連続生産するかん流(perfusion)培養として行ってもよい。従って、本発明によれば、上記の細胞系は、所望の組換え突然変異タンパク質を生産するための工業用プロセスの開発によく適している。
精製および調合物
上記のタイプの分泌細胞の溶媒中に蓄積する組換え突然変異タンパク質は、様々な生化学的方法やクロマトグラフィーによる方法によって、濃縮して精製することができ、このような方法としては、細胞培地中の望ましいタンパク質とその他の物質との、大きさ、電荷、疎水性、溶解性、特異的な親和性などの差を利用する方法が挙げられる。
このような精製の例は、例えばHLEP、好ましくはヒトアルブミンに向けた、またはそれぞれの凝固因子に向けた固体支持体に固定したモノクローナル抗体への組換え突然変異タンパク質の吸着である。FVIII突然変異体を支持体に吸着させた後、上記の特性に基づいた様々なクロマトグラフィー技術によってタンパク質を洗浄し脱離させることによって、さらに精製することができる。精製工程の順番は、例えば、工程の能力および選択性、支持体またはその他の形態の安定性に従って選択される。好ましい精製工程としては、例えばこれらに限定されないが、イオン交換クロマトグラフィー工程、免疫アフィニティークロマトグラフィー工程、アフィニティークロマトグラフィー工程、疎水性相互作用クロマトグラフィー工程、色素クロマトグラフィー工程、およびサイズ排除クロマトグラフィー工程が挙げられる。
ウイルス汚染の理論上の危険性を最小化するために、上記プロセス中に、ウイルスの有効な不活性化または除去を可能にする追加の工程を含んでいてもよい。このような工程は、例えば、液体または固体状態での熱処理、溶媒および/または洗浄剤での処理、可視光またはUVスペクトルにおける放射線、ガンマ放射線、または、ナノろ過である。
また、本発明の修飾されたポリヌクレオチド(例えばDNA)は、ヒトの遺伝子治療に使用するためのトランスファーベクターに組込まれていてもよい。
本明細書において説明される様々な実施態様は、互いに組み合わせてもよい。以下に記載のそれらの実施例で本発明をさより詳細に説明する。この本発明の具体的な実施態様を、添付の図を参照しながら説明する。
治療用途のための薬剤に、本発明で説明されているような挿入タンパク質を製剤化することができる。精製されたタンパク質は、従来の生理学的に適合する水性緩衝溶液中に溶解させてもよく、さらにここに、薬剤を提供するために場合により薬剤添加剤を添加してもよい。
このような製薬キャリアーおよび添加剤、ならびに適切な医薬製剤は当業界公知である(例えば、“Pharmaceutical Formulation Development of Peptides and Proteins”, Frokjaer et al., Taylor & Francis(2000)、または、“Handbook of Pharmaceutical Excipients”, 第3版, Kibbe et al., Pharmaceutical Press(2000)を参照)。具体的には、本発明のポリペプチド変異体を含む医薬組成物は、凍結乾燥した形態、または安定した液状の形態で製剤化してもよい。ポリペプチド変異体は、当業界既知の様々な手法で凍結乾燥することができる。凍結乾燥製剤は、使用前に、1種またはそれ以上の製薬上許容できる希釈剤、例えば滅菌注射用水、または滅菌生理食塩水の添加によって再溶解される。
本組成物の製剤は、あらゆる製薬的に適切な投与手段によって個体に送達される。様々な送達システムが既知であり、任意の便利な経路によって組成物を投与するのに用いることができる。好ましくは、本発明の組成物は全身投与される。全身使用の場合、本発明の挿入タンパク質は、従来の方法に従って、非経口(例えば、静脈内、皮下、筋肉内、腹腔内、大脳内、肺内、鼻腔内、または、経皮)、または、経腸(例えば、経口、経膣または直腸)送達用に製剤化される。最も好ましい投与経路は、静脈内および皮下投与である。本製剤は、注入またはボーラス注射によって連続投与することができる。いくつかの製剤は、遅延放出系を包含する。
本発明の挿入タンパク質は、治療上有効な用量で患者に投与されるが、この治療上有効な用量は、耐え難い副作用を引き起こす用量に達することなく治療される状態もしくは徴候の重症度または拡大を予防または軽減するといった望ましい作用を生じさせるのに十分な用量を意味する。正確な用量は、適応症、製剤、投与様式などの多くの要因に依存し、それぞれの適応症ごとに臨床前試験および臨床試験で決定しなければならない。
本発明の医薬組成物は、単独で投与してもよいし、または他の治療剤と共に投与してもよい。これらの治療剤は、同じ薬剤の一部として組み込まれていてもよい。このような治療剤の一例は、フォン−ビルブランド因子である。
図1は、FVIIIのBドメインのアルブミンによる置換を示す。FVIII野生型(FVIIIwt)、およびBドメインがアルブミンで置換されたFVIII(FVIII−HA)のcDNAの構成(organisation)を概説している。FVIII−HAコンストラクトにおけるBドメインの転移配列および残存するアミノ酸を示す。アミノ酸の番号付けは、配列番号2で概説したFVIII野生型配列に従う。DNApF8−1211におけるC1636Sアミノ酸の変更、およびpF8−1413におけるR740の欠失が示されている。
図2は、本発明の修飾された第VIII因子ポリペプチドをコードするcDNAの様々な実施態様を模式的に示す。上記で説明されているように、HLEPはFVIII配列内の様々な位置に挿入が可能である。
図3は、野生型FVIIIと比較して、組込まれたアルブミン、およびBドメインの部分的な欠失(DNApF8−1211およびpF8−1413、図1を参照)を有する2つの修飾されたFVIII分子の薬物動態プロファイルを示す(実施例5を参照)。
実施例1:FVIIIのBドメインがアルブミンでを置換されたFVIII分子のための発現ベクターの生成
まず、複数のクローニング部位(pF8−FL)に全長FVIIIのcDNA配列を含むpIRESpuro3をベースとした発現プラスミド(BDバイオサイエンス(BD Biosciences))を用いて、Bドメイン配列の大半を欠失させ、外来配列の挿入のための制限部位を作出した。そのために、A2ドメインの一部およびBドメインのN末端(フラグメント1)を増幅するために、テンプレートとしてpF8−FLを用いたPCR反応に、オリゴヌクレオチドWe1356およびWe1357(配列番号5および6)を用い、さらに、BドメインのC末端、A3ドメインおよびC1ドメインの一部(フラグメント2)を増幅するために、テンプレートとしてpF8−FLを用いた他のPCR反応に、オリゴヌクレオチドWe1358およびWe1359(配列番号7および8)を用いた。両方のフラグメントをゲル精製した。その後フラグメント1を制限エンドヌクレアーゼPinAIおよびBamH1で消化し、フラグメント2を制限エンドヌクレアーゼPinAIおよびBspEIで消化した;続いて両方のフラグメントを精製し、pF8−FLにライゲーションしたが、ここでA2ドメインの一部、BおよびA3ドメインならびにC1ドメインの一部を包含するBamH1/BspEIフラグメントが除去されている。得られたプラスミドpF8−DBは、基本的には、主要なBドメインの欠失を含み、PinAI部位により接合されたNおよびC末端のBドメイン配列の残りを伴った。この部位にヒトアルブミンフラグメントを挿入したが、このフラグメントは、プライマーWe2502およびWe2503(配列番号9および10)、PinAI消化および精製を用いて、アルブミンcDNAでのPCR増幅によって生成されたものである。PinAI部位を除去するために、得られたプラスミドを、標準的なプロトコール(クイックチェンジXL(QuickChange XL)部位特異的変異誘発キット,ストラタジーン(Stratagene))に従って2回の部位特異的変異誘発にかけた。このため、1回目の変異誘発に、突然変異誘発プライマーとしてオリゴヌクレオチドWe2504およびWe2505(配列番号11および12)を用い、さらに、2回目の変異誘発に、オリゴヌクレオチドWe2506およびWe2507(配列番号13および14)を用いた。最終的な発現プラスミドを、pF8−1210と名付けた。遊離のシステイン残基(アミノ酸1636、配列番号2、および、図1)を除去するために、オリゴヌクレオチドWe2508およびWe2509(配列番号15および16)を用いて部位特異的変異誘発を適用して、プラスミドpF8−1211を得た。
標準的なプロトコール(クイックチェンジXL部位特異的変異誘発キット、ストラタジーン)に従って部位特異的変異誘発を適用し、プラスミドpF8−1211における740位のアルギニンを欠失させた。このため、突然変異誘発プライマーとしてオリゴヌクレオチドWe2768およびWe2769(配列番号17および18)を用いた。得られた発現プラスミドを、pF8−1413と名付けた。
野生型FVIIIコントロールとして、Bドメインがアミノ酸配列RRGRで置換されたFVIII分子を用い、それをコードするプラスミドをpF8−457と名付けた。
上述のプロトコールおよびプラスミドを用いて、さらに、当業者既知の分子生物学の技術(および、例えばCurrent Protocols in Molecular Biology, Ausubel FM et al.(eds.)including supplement 80, 2007年10月, ジョン・ワイリー&サンズ社(John Wiley & Sons, Inc.);http://www.currentprotocols.com/WileyCDA/で説明されているようにして)を適用することによって、技術者は、図2で説明された位置にHLEP分子、および図1b〜eで典型例として示したリンカー配列が挿入された他のコンストラクトを作製することができる。
実施例2:FVIIIのBドメインが免疫グロブリン定常領域で置換されたFVIII分子のための発現ベクターの作製
IgGFcドメインのBドメインの大半を置換するFVIII分子への挿入を、上述のプロトコールおよび参考文献と同様にして行った。得られたプラスミドをpF8−1518と名付け、これから翻訳された成熟タンパク質を配列番号19に示す。
新生Fc受容体によるIgGの再利用はFcが二量体である場合にのみ行われるため、HEK−293細胞に、pF8−1518を、ヒト免疫グロブリンG重鎖領域をコードするプラスミド(p1335、配列番号20)と共にトランスフェクションした。プラスミドpF8−1518とp1335との共発現により、機能的なFVIII分子の発現が起こった(表1)。
コンストラクトのその他のセットで、FVIII重鎖および軽鎖を別々に発現させた。そのため、IgG重鎖配列の3’末端の先端に停止コドンを導入することによってpF8−1518を突然変異させた。このようなコンストラクト(pF8−1515)の発現により、Bドメインの数個のアミノ酸、続いてIgG重鎖を有するFVIII重鎖(A1およびA2ドメイン)が得られた(配列番号21)。またFVIII軽鎖コンストラクトも、プラスミドpF8−1518をベースとしており、この場合、A1およびA2ドメインのコード配列が、シグナルペプチドで置換されている。このようなコンストラクト(pF8−1517)の発現により、N末端に結合したIgG重鎖を有するFVIII軽鎖が得られた(配列番号22)。プラスミドpF8−1515およびpF8−1517の共発現により、機能的なFVIII分子が発現された(表1)。
実施例3:FVIII突然変異体のトランスフェクションおよび発現
E.coli TOP10(インビトロジェン(Invitrogen))で発現プラスミドを増殖させ、標準的なプロトコール(キアゲン(Qiagen))を用いて精製した。HEK−293細胞をリポフェクトアミン2000試薬(インビトロジェン)を用いてトランスフェクションし、無血清培地(インビトロジェン293エクスプレス(Express))中で、4μg/mlのピューロマイシン、および場合により0.5IU/mlのvWFの存在下で増殖させた。トランスフェクションされた細胞群をT−フラスコを介してローラーボトルまたは小規模の発酵槽内に広げ、それから精製のために上清を採取した。
表1に、図1および2で概説し、実施例1および2で説明した多数のコンストラクトの発現データを掲記した。特に他の指定がない限り、用いられるHLEPはアルブミンである。
Figure 2010512768
実施例4:第VIII因子の突然変異体の精製
キメラの第VIII因子分子を含む発現上清に、FVIII活性がほぼ完全に結合するのに十分な量の免疫アフィニティー樹脂を添加した。適切な抗FVIIIMAbを、支持体として用いられるセファクリルS1000樹脂に共有結合させて、免疫アフィニティー樹脂を調製した。樹脂を洗浄した後に、クロマトグラフィーカラムに樹脂を充填し、再度洗浄した。250mMのCaCl2、および、50%エチレングリコールを含む緩衝液を用いて溶離を行った。
FVIII:C活性を含む免疫アフィニティークロマトグラフィー(IAC)分画をプールし、調整緩衝液(賦形剤:塩化ナトリウム、スクロース、ヒスチジン、塩化カルシウム、およびトゥイーン(Tween)80)に対して透析し、濃縮した。サンプルを凍結保存するか、または適切な凍結乾燥サイクルを用いて凍結乾燥させた。表2は、FVIII突然変異体(HEK−293由来のpF8−1211)、および主要な精製工程としてIACを用いた精製を行った結果を示す。
Figure 2010512768
あるいは、FVIIIを含む細胞培養上清を、第一のイオン交換クロマトグラフィーによって濃縮/精製し、続いて免疫アフィニティークロマトグラフィー(IAC)を用いてさらに精製した。この場合、イオン交換クロマトグラフィーの溶出液を上述の樹脂を用いてIACカラムにローディングした。
実施例5:キメラ第VIII因子の活性および抗原の分析
インビトロでのFVIII:Cの活性を決定するために、凝固分析(例えば、パトロムチンSL(Pathromtin SL)試薬およびFVIII欠乏血漿、ドイツのデイド・ベーリングから送付された)、または発色分析(例えば、コアマティック(Coamatic)FVIII:Cアッセイ、ヘモクロム(Haemochrom)から送付された)のいずれかを用いた。これらの分析を製造元の説明書に従って行った。
FVIII抗原(FVIII:Ag)をELISAによって決定したが、ELISAの性能は当業者公知である。簡単に言えば、マイクロプレートを、100μL/ウェルのキャプチャー抗体(ヒツジ抗ヒトFVIII IgG、セダレーン(Cedarlane)CL20035K−C、これを緩衝液A[シグマ(Sigma)C3041]で1:200に希釈した)と周囲温度で2時間インキュベートした。プレートを緩衝液B(シグマP3563)で3回洗浄した後、サンプル希釈用緩衝液(セダレーン)を用いた試験サンプルの連続希釈液、加えて、サンプル希釈用緩衝液(1ウェルあたりの量は100μL)を用いたFVIII標準(ZLBベーリング(ZLB Behring);200〜2mU/mL)の連続希釈液を周囲温度で2時間インキュベートした。緩衝液Bで3回洗浄する工程の後、各ウェルに、検出抗体(ヒツジ抗ヒトFVIIIIgG、セダレーン(Cedarlane)CL20035K−D、ペルオキシダーゼ標識)の緩衝液Bでの1:2希釈液100μLを添加し、周囲温度でさらに1時間インキュベートした。緩衝液Bで3回洗浄する工程の後、基質溶液(1:10(v/v)TMB OUVF:TMB緩衝液OUVG、デイド・ベーリング)100μL/ウェルを添加し、暗所で周囲温度で30分間インキュベートした。停止溶液(デイド・ベーリング、OSFA)100μLを添加することによって、適切なマイクロプレートリーダーで波長450nmで読み取るためのサンプルを製造した。次に、参照としてFVIII標準を用いた標準曲線を用いて、試験サンプルの濃度を計算した。
実施例6:ラットにおける第VIII因子の突然変異体の薬物動態学
麻酔したCD/ルイスラット(物質1種あたり6匹のラット)に、FVIII突然変異体を100IU/kg体重の用量で静脈内投与した。血液サンプルを、試験物質を投与してから5分後から開始して適切な間隔で採取した。その後FVIII抗原含量を、ヒト第VIII因子に特異的なELISA分析によって、または、アルブミンおよびFVIIIそれぞれに特異的な混合型のELISAによって、定量した(上記を参照)。処理群の平均値を用いて、5分後のインビボでの回収を計算した。式:t1/2=ln2/k(式中kは回帰線の傾きである)に従って、除去のベータ相のタイムポイントを用いて各タンパク質に関する半減期を計算した。図3に結果を示す。
2〜24時間のキメラFVIII−HAコンストラクトに関して計算した最終的な半減期は、1413では4.97時間であり、1211では6.86時間であり、2〜8時間の野生型FVIIIに関して計算した最終的な半減期は、2.17時間であった。従って、キメラFVIII−HA分子に関して最終的な半減期の明らかな増加が示され、FVIIIの半減期が2〜3倍に増加した。
表3に示されるキメラFVIII−HAコンストラクト、および、野生型FVIIIの生物学的利用能によれば、本発明のFVIII−HAタンパク質の優れた生物学的利用能が示された。
Figure 2010512768
実施例7:ラットにおける第VIII因子の突然変異体の機能的な半減期
麻酔したCD/ルイスラット(物質1種あたり6匹のラット)に、FVIII突然変異体pF8−1211(HEK−293細胞で発現させ、IACによって精製した)、加えて、コントロール標準(野生型FVIIIヘリキセートであるネクスゲン(NexGen))を100IU/kg体重の用量で静脈内投与した。血液サンプルを、試験物質を投与してから5分後から開始して適切な間隔で採取した。その後、コントロール群に関して、ヒト第VIII因子に特異的なELISA分析を用いてFVIII抗原含量を定量した(実施例4を参照)。ラット血漿中のFVIII突然変異体のFVIII:C活性を測定するために、FVIII突然変異体活性を特異的に決定する分析を確立した。原則的に、FVIII突然変異体が、ラット血漿サンプルからヒトアルブミンに対して向けられた抗体を介してマイクロタイタープレートに結合したら、FVIII活性を、クロモジェニックFVIII:C分析(コーテスト(Coatest)VIII:C/4)によって決定した。簡単に言えば、96−ウェルのマイクロタイタープレートを、周囲温度で一晩、キャプチャー抗体(マウス抗ヒトアルブミンMab3E8、カーボネート/ビカーボネート緩衝液で5μg/mLに希釈した)でコーティングした。洗浄緩衝液(PBST=リン酸、0.05%トゥイーン20、シグマP3563を含む緩衝生理食塩水)でプレートを洗浄した後、プレートをPBS(リン酸緩衝生理食塩水)中の無脂肪乳を用いてブロックし、洗浄緩衝液で、続いて希釈用緩衝液(50mMのトリス×HCl、100mMのNaCl、pH7.2の0,05%トゥイーン20)で再度洗浄した。サンプルを体積40μL/ウェルで適用し、37℃で1時間インキュベートした。300mMのCaCl2を含む希釈用緩衝液、続いて希釈用緩衝液を用いて洗浄を行った。FVIII:C活性の決定は、コーテストVIII:C/4試薬を用いて行われた。ウェルに希釈用緩衝液10μL、およびコーテストFIXa(50μL)、およびFX試薬を適用し、37℃で5分間インキュベートした。次に、CaCl2溶液25μLを添加し、再度37℃で10分間インキュベートした。基質溶液50μLを添加し、さらに37℃で10分間インキュベートした。この工程の後、停止溶液(20%酢酸)25μLを添加した。マイクロタイタープレートリーダーを用いて、405nmにおける吸光度を読み取った。参照としてFVIII突然変異体pF8−1211を用いて作製された標準曲線を用いて、サンプルのFVIII:C濃度を計算した。
処理群のFVIII:CそれぞれのFVIII抗原の結果を用いて、それらに対応するタンパク質の最終的な半減期を計算した。2〜24時間のキメラFVIII−HSAコンストラクトであるpF8−1211に関して計算された最終的な機能的な半減期は、4.44時間であり、2〜8時間の野生型FVIIIに関して計算されたFVIII抗原の最終的な半減期は、2.75時間であった。従って、キメラFVIII−HSA分子に関してFVIII:C活性の機能的な半減期の明らかな増加が示された(野生型FVIIIのFVIII:Agの最終的な半減期と比較して61%の増加)。
実施例8:インビトロでのFVIIIアルブミン挿入タンパク質の安定性
表4に、無血清細胞培養におけるFVIIIアルブミン挿入タンパク質の発現試験の結果を要約する。HEK−293細胞をそれぞれpF8−1439(FVIIIアルブミン挿入)およびpF8−457(FVIII野生型)で3連でトランスフェクションし、これらを等しいセル数を有するT80フラスコに播種し、安定化したvWFの非存在下で増殖させた。続いて、96、120および144時間後に培養上清を採取し、FVIII活性および抗原含量に関して試験した。
Figure 2010512768
この結果から、アルブミンが細胞培養中でFVIII分子の組込部分として存在すると、アルブミンの安定化作用が示される。挿入タンパク質の場合、生産性は必ずしも高くなるわけではないが、FVIIIタンパク質の特異的な活性(活性/抗原の比率で示す)は、アルブミンがFVIII分子の組込み部分である場合(図3)、野生型FVIIIと比較して有意に高い。

Claims (32)

  1. 凝固因子の一次翻訳ポリペプチドのN末端のアミノ酸とC末端のアミノ酸との間の内部領域で半減期を増強するポリペプチド(HLEP)の挿入を有する、修飾された凝固因子。
  2. 凝固因子の一次翻訳ポリペプチドのN末端のアミノ酸とC末端のアミノ酸との間の内部領域で半減期を増強するポリペプチド(HLEP)の挿入を有する、修飾された凝固因子であって、該修飾された凝固因子は、上記挿入がない凝固因子の機能的な半減期と比較して長い機能的な半減期を有することを特徴とする、上記因子。
  3. 凝固因子の一次翻訳ポリペプチドのN末端のアミノ酸とC末端のアミノ酸との間の内部領域で半減期を増強するポリペプチド(HLEP)の挿入を有する、修飾された凝固因子であって、該修飾された凝固因子は、上記挿入がない凝固因子の抗原の半減期と比較して、凝固因子の抗原の長い半減期を有することを特徴とする、上記因子。
  4. HLEPの挿入がない凝固因子の機能的な半減期と比較して少なくとも25%高い機能的な半減期を有する、請求項1または2に記載の修飾された凝固因子。
  5. HLEPの挿入がない凝固因子の機能的な半減期と比較して少なくとも25%高い凝固因子の抗原の半減期を有する、請求項3に記載の修飾された凝固因子。
  6. 凝固因子が、生体内のタンパク質分解的切断による内因性活性化の間にHLEPから分離される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の修飾された凝固因子。
  7. 凝固因子の一次翻訳ポリペプチドのN末端のアミノ酸とC末端のアミノ酸との間の内部領域で半減期を増強するポリペプチド(HLEP)の挿入を有する、修飾された凝固因子であって、該修飾された凝固因子は、上記挿入がない凝固因子のインビボでの回収と比較して改善されたインビボでの回収を示すことを特徴とする、上記因子。
  8. 凝固因子のインビボでの回収が、HLEPの挿入がない前記凝固因子のインビボでの回収と比較して少なくとも10%高い、請求項7に記載の修飾された凝固因子。
  9. 無血清培地および/または動物タンパク質を含まない培地中で、挿入がない凝固因子と比較して高い安定性を有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の修飾された凝固因子。
  10. 凝固因子が、FVIII、フォン−ビルブランド因子、FV、およびプロトロンビン因子からなる群より選択される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の修飾された凝固因子。
  11. プロトロンビン因子が、第VII因子、第IX因子、第X因子、プロテインC、プロテインS、プロテインZ、およびプロトロンビンからなる群より選択される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の修飾された凝固因子。
  12. 凝固因子が、FVIIIである、請求項10に記載の修飾された凝固因子。
  13. HLEPの挿入が、FVIIIのBドメイン内にある、請求項12に記載の修飾された凝固因子。
  14. HLEPの挿入が、FVIIIのBドメイン内にあり、Bドメインの75%より多くが欠失しているか、またはリンカーペプチドで置換されている、請求項13に記載の修飾された凝固因子。
  15. 挿入がない凝固因子の生物活性の少なくとも10%を有する、請求項1〜14のいずれか一項に記載の修飾された凝固因子。
  16. 半減期を増強するポリペプチドが、アルブミンファミリーのタンパク質および免疫グロブリンの定常領域からなる群より選択される、請求項1〜15のいずれか一項に記載の修飾された凝固因子。
  17. 半減期を増強するポリペプチドが、アルブミンまたはそのフラグメントである、請求項16に記載の修飾された凝固因子。
  18. 凝固因子が、FVIIIであり、ここでBドメインは、部分的にまたは完全にヒトアルブミンで置換されている、請求項1〜18のいずれか一項に記載の修飾された凝固因子。
  19. 請求項1〜18のいずれか一項に記載の修飾された凝固因子をコードする、ポリヌクレオチドまたはポリヌクレオチド群。
  20. 請求項19に記載のポリヌクレオチドを含むプラスミドもしくはベクターまたはプラスミドもしくはベクター群であって、該群が請求項19に記載のポリヌクレオチド群を含む、プラスミドもしくはベクターまたはプラスミドもしくはベクター群。
  21. プラスミドまたはベクターが、発現ベクターである、請求項20に記載のプラスミドもしくはベクターまたはプラスミドもしくはベクター群。
  22. ヒトの遺伝子治療に使用するためのトランスファーベクターである、請求項21に記載のベクターまたはベクター群。
  23. 請求項19に記載のポリヌクレオチドもしくはポリヌクレオチド群、または請求項20〜22のいずれか一項に記載のプラスミドもしくはベクター、もしくはプラスミドもしくはベクター群を含む宿主細胞。
  24. 修飾された凝固因子の生産方法であって:
    (a)請求項23に記載の宿主細胞を、修飾された凝固因子が発現されるような条件下で培養すること;および
    (b)場合により、宿主細胞または培地から修飾された凝固因子を回収すること、
    を含む、上記方法。
  25. 請求項1〜18のいずれか一項に記載の修飾された凝固因子、請求項19に記載のポリヌクレオチドもしくはポリヌクレオチド群、または請求項20〜22のいずれか一項に記載のプラスミドもしくはベクター、もしくはプラスミドもしくはベクター群を含む薬学組成物。
  26. 血液凝固障害を治療または予防する薬剤を製造するための、請求項1〜18のいずれか一項に記載の修飾された凝固因子、請求項19に記載のポリヌクレオチドもしくはポリヌクレオチド群、または請求項20〜22のいずれか一項に記載のプラスミドもしくはベクター、もしくはプラスミドもしくはベクター群、または請求項23に記載の宿主細胞の使用。
  27. 血液凝固障害が、血友病Aである、請求項26に記載の使用。
  28. 治療が、ヒトの遺伝子治療を含む、請求項26または27に記載の使用。
  29. 長い機能的な半減期を有する修飾された凝固因子の製造方法であって、前記凝固因子のアミノ酸配列の内部領域で、半減期を増強するポリペプチドを挿入することを含む、上記方法。
  30. 凝固因子の機能的な半減期を増加させる方法であって、前記凝固因子のアミノ酸配列の内部領域で、半減期を増強するポリペプチドを挿入することを含む、上記方法。
  31. 血清および動物タンパク質を含まない培地中で凝固因子の安定性を増加させる方法であって、前記凝固因子のアミノ酸配列の内部領域で、半減期を増強するポリペプチドを挿入することを含む、上記方法。
  32. FVIIIのBドメインまたはその部分を、半減期を増強するポリペプチドで置換することを含む、請求項29〜31のいずれか一項に記載の方法。
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