JP2010512516A - 分析物の効率的かつ正確な検出のための材料および方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、媒体、例えばインビボで組織またはインビトロで試料(例えば、生物学的試料または環境試料)を分析し、1つまたは複数の標的分析物の存在、量、および/または濃度比を測定するために使用され得る、診断方法およびデバイスを提供する。
Description
発明の背景
標的分子および微生物の迅速かつ正確な検出は、研究、環境アセスメント、食品安全性、医学的診断、および戦争の多くの分野について重要である。
標的分子および微生物の迅速かつ正確な検出は、研究、環境アセスメント、食品安全性、医学的診断、および戦争の多くの分野について重要である。
分析物の検出のために使用される診断技術について重要な特徴は、特異性、速度および感度である。時間的制約および現場での分析の容易さが、主な制約であり得る。例えば、微生物についての診断の場合、多くの検出法は、特別な増殖培地において時間と共に目に見えるコロニーへ増殖する微生物の能力に依存し、これは約1〜5日かかる場合がある。さらに、微量の細菌の検出は、典型的に、試料中の標的細菌の増殖または濃縮を必要とする。これらの方法は、面倒であり時間を要する傾向がある。
生物学的化合物のインビトロ診断アッセイは、医学的診断、法医中毒学、使用前スクリーニングおよび保証スクリーニング、ならびに食物由来の病原菌検査を含む、種々の適用について慣例となった。大抵のシステムは、以下の3つの重要な構成要素を有することを特徴とし得る:高度の特異性で標的分析物を認識するプローブ;標的分析物の存在と質的にまたは量的に関連するシグナルを提供するレポーター;およびレポーターから解釈様式へ情報を中継することができる検出システム。プローブ(例えば、抗体、核酸配列、または酵素産物/活性)は、標的ではないものとではなく、標的分析物と特異的にかつ高い親和性で相互作用するべきである。偽陽性応答を最小化するために、プローブは標的ではないものと反応しないべきである。
標識は、しばしば、プローブへ直接的にまたは間接的につながれ(結合され)、アッセイの完了時に分析物の濃度に関するシグナルを提供する。標識は、周囲の発生源、即ち消光によるシグナル損失の形態での、またはシステム中の他の物質由来の非特異的シグナル(ノイズ)からの競合によるかのいずれかからのシグナル干渉の影響を受けないべきである。
検出器は、通常、試料中のレポーター(従って分析物)の存在を測定するために使用されるデバイスまたは機器である。理想的には、検出器は、分析物の測定について正確かつ精密な量的尺度を提供するべきである。妊娠検査などの迅速な現場での検査において、検出機器は、ヒトの眼であり、検査結果は質的(陽性または陰性)である。
関心対象の種々の分析物を検出するための免疫クロマトグラフィーアッセイ法が、しばらくの間、知られている。現在市販のより一般的なアッセイ法のいくつかは、妊娠(店頭販売の(OTC)検査キットとして)、連鎖球菌咽頭炎(Strep throat)、およびクラミジアについての検査である。周知の抗原についての多くの新しい検査が、免疫クロマトグラフィーアッセイ法を使用して最近開発された。例えば、市中肺炎の最も一般的な原因についての抗原は1917年以来公知であるが、簡便なアッセイ法は最近になってやっと開発され、これは、この簡便なテストストリップ法を使用して行われた(Murdoch, D.R. et al. J Clin Microbiol, 2001, 39:3495-3498)。ヒト免疫不全ウイルス(HIV)が、同様のアッセイを使用して、プールされた血液中において迅速に検出されている(Soroka, S.D. et al. J Clin Virol, 2003, 27:90-96)。ニトロセルロースメンブレンカードもまた、カーボンナノ粒子の移動および結合を検出することによって住血吸虫症を診断するために使用されている(van Dam, G.J. et al. J Clin Microbiol, 2004, 42:5458-5461)。
感度がより高いが簡便な、光学に基づく生物分析技術についての必要性に、細菌、ウイルス、抗体、DNAハイブリダイゼーション、および高感度の認識を必要とする他の分子種の検出についての伝統的な生物分析法とナノテクノロジーとを組み合わせることによって取り組むことができる。蛍光ナノ粒子が開発されている(Zhao, X. et al. Proc Natl Acad Sci USA, 2004, 101:15027-15032;Qhobosheane, M. et al Analyst, 2001, 126: 1274-1278;Santra, S. et al. Anal Chem, 2001 , 73:4988-4993;Santra, S. et al. Advanced Materials, 2005, 17:2165-2169;Wang, L. et al. Nano Letters, 2005, 5:37-43;Zhao, X.J. et al. Advanced Materials, 2004, 16:173-+;Santra, S. et al. Journal of Biomedical Optics, 2001, 6:160-166;Santra, S. et al. Chemical Communications, 2004, 2810-2811;Bagwe, R.P. et al. Langmuir, 2004, 20:8336-8342)。このようなナノ粒子は、バイオマーキング(Santra, S. et al. Anal Chem, 2001, 73:4988-4993;Lian, W. et al. Analytical Biochemistry, 2004, 334: 135-144)、バイオセンサー(Santra, S. et al. Journal of Biomedical Optics, 2001, 6:160-166;Tapec, R. et al. Journal of Nanoscience and Nanotechnology, 2002, 2:405-409)、および免疫学(Lian, W. et al. Analytical Biochemistry, 2004, 334:135-144)に基づく検出を含む、高感度のバイオアッセイについて利用されている。蛍光色素分子と比較した場合、色素がドープされたナノ粒子は、生物認識事象が10,000倍より多くの色素分子と関連するため、増強されたシグナルを提供する(Zhao, X.J. et al. Journal of the American Chemical Society, 2003, 125:11474-11475)。
これらの新しい材料を用いて行われた研究のいくつかは、それらの作製、キャラクタライゼーション(Zhao, X. et al. Proc Natl Acad Sci USA, 2004, 101:15027-15032;Qhobosheane, M. et al. Analyst, 2001, 126:1274-1278;Santra, S. et al. Anal Chem, 2001, 73:4988-4993;Santra, S. et al. Advanced Materials, 2005, 17:2165-2169;Wang, L. et al. Nano Letters, 2005, 5:37-43;Zhao, X.J. et al. Advanced Materials, 2004, 16:173-176;Santra, S. et al. Journal of Biomedical Optics, 2001, 6:160-166;Santra, S. et al. Chemical Communications, 2004, 2810-2811;Bagwe, R.P. et al. Langmuir, 2004, 20:8336-8342)表面修飾、および生物分析について、特にDNA分析(Zhao, X.J. et al Journal of the American Chemical Society, 2003, 125:11474- 11475)についての、色素がドープされたシリカナノ粒子の生物結合(Zhao, X. et al. Proc Natl Acad Sci USA, 2004, 101:15027-15032;Qhobosheane, M. et al. Analyst, 2001, 126:1274-1278;Wang, L. et al. Nano Letters, 2005, 5:37-43;Santra, S. et al Chemical Communications, 2004, 2810-2811;Lian, W. et al Analytical Biochemistry, 2004, 334:135-144;Zhao, X.J. et al. Journal of the American Chemical Society, 2003, 125:11474-11475)、および病原性細菌検出(Zhao. X. et al. Proc Natl Acad Sci USA, 2004, 101:15027-15032)を含む。
プロテアーゼは、以下を含む異なる病理に関係している:感染症を促進させる病原性因子(Matayoshi, E. D. et al Science, 247 (February 1990):954-958;Sham, H.L. et al Journal of Medicinal Chemistry, 39, no.2 (1996):392-397;Sham, H.L. et al Antimicrobial Agents and Chemotherapy, 42, no.12 (1998):3218-3224)、癌細胞の転移(McCawley, L.J. and L.M. Matrisian Current Opinion in Cell Biology, 13 (2001):534-540)、歯周病における組織損傷(Sandholm, L. Journal of Clinical Periodontology, 13, no.1 (1986):19-26)、妊娠における合併症(Locksmith, G.J. et al. Am J Obstet Gynecol, 184, no.2 (January 2001):159-164)、炎症関節における組織破壊(Cunnane, G. et al. Arthritis & Rheumatism, 44, no.8 (2001):1744-1753)、ならびに慢性的な非治癒性創傷における治癒促進因子および発生期の組織の破壊(Ladwig, G.P. et al. Wound Repair and Regeneration, 10 (2002):26-37;Trengove, N.J. et al. Wound Repair and Regeneration, 7 (1999):442-452;Yager, D.R. et al. Wound Repair and Regeneration, 5 (1997):23-32)。
疾患におけるプロテアーゼの研究は、以下の2つのクラスのうちの1つ(または2つの組み合わせ)由来の検査を使用してきた:分子存在に基づく検査、または触媒活性に基づく検査。一般的な分子存在に基づく検査は、関心対象のプロテアーゼを試料の残りから単離し、そのプロテアーゼを特異的に認識する抗体を検出可能な薬剤で標識する、免疫検出アッセイ法である。触媒活性に基づくもう一方のクラスは、分子(または抗体が認識する分子の部分)が存在するかどうかを単に測定するのではなく、分子が所定の条件においてどれぐらい活性であるかを測定する。触媒活性に基づくクラスの臨床例は、糖尿病患者によって使用されるグルコースオキシダーゼ検査である。
現在、以下の3つのプロテアーゼ活性に基づくアッセイ法が、一般的に実験で使用されている:ザイモグラム(Quesada, A.R. et al. Clin. Exp. Metastasis, 15 (1997):26-32)、チオペプトリド連続比色分析アッセイ法(Stein, R.L. and M. Izquierdo-Martin Archives of Biochemistry and Biophysics, 308, no.1(January 1994):274-277;Oxford Biomedical Research. Colorimetric Drug Discovery Assay for Matrix Metalloproteinase-7, Product Brochure, Oxford, MI: Oxford Biomedical Research, 2005 Oxford Biomedical Research. Colorimetric Drug Discovery Assay for Matrix Metalloproteinase-7, Product Brochure, Oxford, MI: Oxford Biomedical Research, 2005;Rosa-Bauza, Y.T. et al. ChemBioChem, 8 (2007):981-984)、および蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)連続蛍光分析アッセイ法(Fairclough, R.H. and C.R. Cantor Methods in Enzymology, 48 (1978):347-379;Stryer, L. Annu Rev Biochem, 47 (1978):819-846;Yaron, A. et al. Analytical Biochemistry, 95, no.1 (May 1979):228-235;Matayoshi, E.D. et al. Science, 247 (February 1990):954-958;Beekman, B. et al. FEBS Letters, 390, no.2 (1996):221-225;Knauper, V. et al. The Journal of Biological Chemistry, 271, no.3 (January 1996):1544-1550)。
ザイモグラムは、先ず、異なるプロテアーゼを質量によって分解し、次いでそれらの活性を測定するので、通常、プロテアーゼの混合物を分析する場合に使用される。チオペプトリドアッセイ法は、供給される試料中のプロテアーゼ活性の基本レベルを確認/保証するためにプロテアーゼの供給業者によって使用される(CalbiochemデータシートPF024 Rev. 25-September-06 RFH)(Biomol製品データカタログ番号:SE-244)。
多くの現在市販される迅速なポイント・オブ・ケア診断技術は、それらの分析感度によってまたは1回のアッセイにおいて検出される分析物の数によって制限されている。
発明の簡単な概要
本発明は、媒体、例えばインビボで組織を、またはインビトロで試料(例えば、生物学的試料または環境試料)をアッセイし、1つまたは複数の標的分析物の存在、量、および/または濃度比を測定するために使用され得る、診断方法およびデバイスを提供する。
本発明は、媒体、例えばインビボで組織を、またはインビトロで試料(例えば、生物学的試料または環境試料)をアッセイし、1つまたは複数の標的分析物の存在、量、および/または濃度比を測定するために使用され得る、診断方法およびデバイスを提供する。
本発明に従って検出される分析物は、療法または予防を指示するために使用され得る健康の生化学的マーカーであり得る。従って、本発明のデバイスおよび方法は、1つまたは複数の生化学的マーカーを有する病理学的状態を診断する場合に非常に有益であり得る。例えば、非治癒性(慢性)創傷は、本発明のアッセイ法についての可能性のある標的分析物を代表する、サイトカイン、プロテアーゼ、およびプロテアーゼ阻害剤などのいくつかの生物学的調節因子の不均衡によって特徴付けられる。一態様において、本発明は、同一の試料または部位中の複数の標的分子の量の比較が興味深い、ディファレンシャルアッセイについて特に有用である。
有利なことに、ある態様において、本発明は、単一ユニットに内蔵され得るアッセイ法を提供する。これは、現場で、ヘルスケアの場合、ポイント・オブ・ケアで、アッセイ法を行うことを容易にする。
本明細書において具体的に例証されるある態様において、本発明は、創傷の状態を測定および/またはモニタリングするために使用され得るアッセイ法を提供する。前記アッセイ法は、迅速であり使いやすい。特定の態様において、アッセイ法は、機器を使用しないかまたは最小限の機器を使用して、例えば、看護師によって行うことが可能である。一態様において、創傷の状態についての情報を、10分以内に容易に、簡単にかつ確実に生じさせることができる。創傷についての情報は、プロテアーゼ活性、細菌存在、および/または一酸化窒素状態を含み得るが、これらに限定されない。
本発明の好ましい態様において、アッセイ法は、可溶性基質に基づくアッセイ法である。本明細書に記載される特に好ましいアッセイ法としては、FRETおよび比色分析アッセイ法が挙げられる。固体基質を用いるものを含む他のアッセイ形式も、本明細書に記載されるように利用してもよい。
本発明はまた、本発明のアッセイと組み合わされた場合に、多種多様な設定における分析物評価についての非常に有利なシステムを提供する、試料回収方法を提供する。一態様において、「スワブ・イン・ア・ストロー(swab-in-a-straw)」回収およびアッセイシステムが、本明細書に記載されるように利用され得る。
さらなるアッセイ形式は、コラゲナーゼおよび/または他の酵素の検出について薄膜を利用する。この文脈において、薄膜は、コラゲナーゼを検出する目的で、ゼラチンであり得るか、またはゼラチンを含み得る。代替の酵素アッセイ法では、薄膜としてアルブミンまたはカゼインを利用することができる。
標的分析物は、アッセイされる媒体に対して内因性または外因性であり得る。例えば、標的分子は、組織または解剖学的試料部位中に通常見られるプロテアーゼ阻害剤であり得る。別の態様において、標的分子は、組織または試料部位に対して外因性であり、例えば、治療または予防の目的で被験体へ投与されている。例えば、プロテアーゼは、タンパク質の活性化、合成、およびターンオーバーを制御することによって多くの生理学的プロセスを調節する。多くの小分子が、これらの酵素を効果的に阻害し、薬理学的特性を発揮することが示された(Abbenante and Fairlie, Medicinal Chemistry, 2005, 1:71-104)。従って、標的分子は、プロテアーゼ阻害剤、例えば、広域メタロプロテイナーゼ阻害剤GM6001(イロマスタットまたはガラルジンとしても公知)であり得、これは、体内において通常見られない。
別の局面において、本発明は、試料回収デバイスを含む。本発明の別の局面は、インビトロまたはインビボで試料回収デバイスと標的媒体とを接触させることを含む、一貫した試料を回収するための方法を含む。任意で、本発明の診断デバイスは、本発明の試料回収デバイスを使用し得る。
発明の詳細な説明
本発明は、試料中の少なくとも1つの分析物を検出するための診断方法およびデバイスを提供する。試料は、例えば、インビボでの組織試料またはインビトロでの試料(例えば、生物学的試料または環境試料)であってもよい。本明細書に開示される方法およびデバイスは、1つまたは複数の標的分析物の存在、量および/または濃度比を測定するために使用され得る。一態様において、デバイスは、媒体の分子環境のリアルタイムモニタリングにおける使用について観察可能なシグナルを提供する。
本発明は、試料中の少なくとも1つの分析物を検出するための診断方法およびデバイスを提供する。試料は、例えば、インビボでの組織試料またはインビトロでの試料(例えば、生物学的試料または環境試料)であってもよい。本明細書に開示される方法およびデバイスは、1つまたは複数の標的分析物の存在、量および/または濃度比を測定するために使用され得る。一態様において、デバイスは、媒体の分子環境のリアルタイムモニタリングにおける使用について観察可能なシグナルを提供する。
有利なことに、ある態様において、本発明は、単一ユニットに内蔵され得るアッセイ法を提供する。これは、現場で、ヘルスケアの場合、ポイント・オブ・ケアで、アッセイ法を行うことを容易にする。
本発明に従って検出される分析物は、療法または予防を指示するために使用され得る健康の生化学的マーカーであり得る。従って、本発明のアッセイ法は、病院における治療および/またはルーティング(routing)を最適化するためのプログラムの一部として使用され得る。
本発明のデバイスおよび方法は、1つまたは複数の生化学的マーカーを有する病理学的状態を診断する場合に非常に有益であり得る。例えば、非治癒性(慢性)創傷は、本発明のアッセイ法についての可能性のある標的分析物を代表する、サイトカイン、プロテアーゼ、およびプロテアーゼ阻害剤などのいくつかの生物学的調節因子の不均衡によって特徴付けられる。一態様において、本発明は、同一の試料または部位中の複数の標的分子の量の比較が興味深い、ディファレンシャルアッセイについて特に有用である。
本明細書において具体的に例証されるある態様において、本発明は、創傷の状態を測定および/またはモニタリングするために使用され得るアッセイ法を提供する。前記アッセイ法は、迅速であり使いやすい。特定の態様において、アッセイ法は、機器を使用しないかまたは最小限の機器を使用して、例えば、看護師によって行うことが可能である。一態様において、創傷の状態についての情報を、30分以内に容易に、簡単にかつ確実に生じさせることができる。好ましい態様において、結果は、15分以内に得られる。創傷についての情報は、プロテアーゼ活性、細菌存在、および/または一酸化窒素状態を含み得るが、これらに限定されない。
プロテアーゼ活性について、MMP-2、MMP-8、MMP-9およびエラスターゼの活性が、創傷ケアにおいて特に興味深い。特定の態様において、本発明のアッセイ法は、慢性創傷の状態を評価するために利用される。本明細書において使用される場合、「慢性創傷」への参照は、2週間後に適切に治癒していない創傷を指す。
好ましい態様において、本発明は、触媒活性に基づくプロテアーゼアッセイ法を利用する。プロテアーゼの病原性結果はプロテアーゼの活性に基づくので、このアッセイ法は有利である。この活性は、不可能ではないにしても、分子存在に基づくアッセイ法で識別することが困難である。
創傷の部位での細菌存在の評価について、バイオフィルムおよび/またはMRSAなどの特定の細菌の存在または不在の評価が、最も重要である。細菌検出に関して、本発明に従うアッセイ法は、例えば、MRSAが存在するかどうかを測定するための方法において、ペニシリン結合性タンパク質の存在または不在を検出することが可能である。
種々のアッセイ形式が本発明に従って使用され得る。特に好ましいアッセイ法は、可溶性基質アッセイ法である。これらのアッセイ法は、分析物の簡単、迅速かつ正確な検出を容易にする好都合な動態特徴を有することがわかった。本明細書に記載される特に好ましいアッセイ法として、FRETおよびビオチンアンカーアッセイ法が挙げられる。固体基質を用いるものを含む他のアッセイ形式も、本明細書に記載されるように利用してもよい。
さらなるアッセイ形式は、コラゲナーゼなどの酵素の検出のために薄膜(X線フィルムと同様)を利用する。これに関して、薄膜は、コラゲナーゼを検出する目的で、ゼラチンであり得るか、またはゼラチンを含み得る。代替の酵素アッセイ法では、薄膜としてアルブミンまたはカゼインを利用してもよい。
本発明はまた、本発明のアッセイと組み合わされた場合に、多種多様な設定における分析物評価についての非常に有利なシステムを提供する、試料回収方法を提供する。一態様において、「スワブ・イン・ア・ストロー」回収およびアッセイシステムが、本明細書に記載されるように利用され得る。
バイオフィルムのマトリクス多糖類特徴を含み得る物質を回収するためにスワブが使用されるので、スワブ回収方法は、バイオフィルム状態の評価について特に有利である。
技術についての適用
本発明の診断デバイスおよび方法は、研究および種々の産業、例えば、環境管理(例えば、水および排水処理システム)、バイオレメディエーション(例えば、微生物の増殖について最適な条件を決定するため)、公衆衛生(例えば、急速に増殖する感染性微生物の同定)、および国土安全保障(例えば、急速に増殖する生物テロ剤の同定)において利用されてもよい。
本発明の診断デバイスおよび方法は、研究および種々の産業、例えば、環境管理(例えば、水および排水処理システム)、バイオレメディエーション(例えば、微生物の増殖について最適な条件を決定するため)、公衆衛生(例えば、急速に増殖する感染性微生物の同定)、および国土安全保障(例えば、急速に増殖する生物テロ剤の同定)において利用されてもよい。
単一または複数の標的分析物の存在、量、および/または濃度比を簡単に、速くかつ正確に測定するそれらの能力に起因して、本発明のデバイスおよび方法は、診療所でのおよび患者のベッドサイドでの医学的診断を容易にする。本発明のデバイスおよび方法を利用する体液のエクスビボ分析は、広範囲の診断検査へ適用され得る。例えば、可能性のある適用としては、合法および非合法薬物の検出、特定の疾患に関連する広範囲のバイオマーカーの検出、および体液中に存在する任意の他の化合物の検出が挙げられる。本発明のデバイスまたは方法を使用する体液試料の分析は、時間に感受性である状態または疾患について時宜を得た介入を可能にし得る。
本発明のデバイスおよび方法はまた、眼、皮膚、および呼吸器(例えば、肺)における硫黄マスタードへの曝露の程度を評価するために、化学戦争の分野において使用され得る。検出および/または測定について標的化される分子は、硫黄マスタード反応生成物、例えば、アルキル化された血清タンパク質(例えば、アルブミン)、アルキル化されたヘモグロビン、アルキル化された涙液タンパク質(例えば、ラクトフェリン)、アルキル化された表皮タンパク質(ケラチン)、アルキル化された肺液タンパク質、尿中の硫黄マスタードの加水分解産物(チオジグリコール)であり得る。
本発明のデバイスおよび方法は、肺への適用について、例えば、呼吸器感染症の存在を評価するために使用され得る。検出および/または測定について標的化される分子は、呼吸器性シンシチウムウイルス、インフルエンザウイルス、およびシュードモナス属などの、肺感染症を引き起こすウイルス、真菌、または細菌と関連するもの(例えば、ウイルス、真菌、もしくは細菌抗原)であり得る。
本発明のデバイスおよび方法はまた、眼への適用について、例えば、感染および/または炎症を起こした眼を評価することにおいて診断価値のある眼の感染症または分子の存在を評価するために使用され得る。検出および/または測定について標的化される分子は、細菌(例えば、シュードモナス属もしくは耐性菌)またはウイルス(例えば、アデノウイルス、単純ヘルペスI型)と関連することが公知である、プロテアーゼ阻害剤または分子であり得る。
本発明のデバイスおよび方法は、泌尿器科的なおよび/または婦人科的な適用について、例えば、泌尿器および/または生殖器感染症の存在を評価するために使用され得る。検出および/または測定について標的化される分子は、病原性膣内細菌(例えば、β型溶血連鎖球菌、シュードモナス属)、またはウイルス(例えば、単純ヘルペスII型)と関連することが公知である分子であり得る。
本発明のデバイスおよび方法は、産科的な適用について、例えば、流産または早産についての分子リスク因子を評価するために使用され得る。検出および/または測定について標的化される分子は、早期破水(PROM)と関連することが公知である分子、例えば、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)およびMMP阻害剤であり得る。
本発明の別の局面は、存在する場合、標的分子が検出されるに十分な条件下で本発明のデバイスと媒体とを接触させる段階を含む、媒体またはその試料中の複数の標的分子の相対量を同時に検出および測定するための方法およびデバイスに関する。好ましくは、各標的分子の濃度は、互いの標的分子に対して、測定され、容易に観察可能である量的または半定量的なシグナルによって提供される。
創傷ケアへの本発明の適用を、より完全に以下に記載する。
創傷ケア
本発明のデバイスおよび方法は、皮膚への適用について、例えば、創傷治癒を評価することにおいて診断価値がある組織または創傷流体(wound fluid)中の分析物の存在を評価するために使用され得る。検出および/または測定について標的化される分子は、例えば、真菌ならびに/または細菌、例えば、β型溶血連鎖球菌、シュードモナス属(例えば、細菌抗原)、耐性菌(例えば、MRSA、VRE、MRSE、およびVRSA)と関連することが公知である、プロテアーゼ、プロテアーゼ阻害剤、炎症性サイトカイン、成長因子、分子、またはバイオフィルムの成分(これらは、好ましくはそれに対して特有である)であり得る。
本発明のデバイスおよび方法は、皮膚への適用について、例えば、創傷治癒を評価することにおいて診断価値がある組織または創傷流体(wound fluid)中の分析物の存在を評価するために使用され得る。検出および/または測定について標的化される分子は、例えば、真菌ならびに/または細菌、例えば、β型溶血連鎖球菌、シュードモナス属(例えば、細菌抗原)、耐性菌(例えば、MRSA、VRE、MRSE、およびVRSA)と関連することが公知である、プロテアーゼ、プロテアーゼ阻害剤、炎症性サイトカイン、成長因子、分子、またはバイオフィルムの成分(これらは、好ましくはそれに対して特有である)であり得る。
例えば、検出および/または測定について標的化される分子は、MRSAによって産生されるペニシリン結合性タンパク質であり得る(Berger-Bachi and Rohrer, Arch. Microbiol, 2002, 178:165-171)。
検出および/または測定について標的化される分子は、バイオフィルムの形成に寄与する多糖類または糖タンパク質であり得る。細菌性バイオフィルムは、非常に異種起源性であり、自然環境、産業環境および医療環境中に見られ、微生物によって産生されたエキソポリサッカライドから主に構成される糖衣中に埋められた微生物を含む(Flemming et al., in “Biofilms: recent advances in their study and control”. 2000, pp. 19-34, Harwood Academic Publishers, Amsterdam, The Netherlands; Costerton et al., Science, 1999, 284:1318-1322;Costerton et al., J. Bacteriol., 1994, 176:2137-2142;Keevil et al., Microbiol. Eur., 1995, 3:10-14)。糖衣は、抗微生物剤などの環境変化に対する保護を提供することができ、栄養素およびイオンについての貯蔵庫として機能し得る(Allison, Microbiol. Eur., 1993, Nov./Dec.:16-19;Mah et al., Trends Microbiol., 2001, 9:34-39;Stewart and Costerton, Lancet, 2001, 358:135-138)。
アッセイ法およびデバイス
本発明の診断デバイスは、意図される使用に適合された任意の形態で構築され得る。従って、一態様において、本発明のデバイスは、それについての分子環境の知識が望まれる媒体(例えば、解剖学的部位、例えば創傷部位)と接触される使い捨てのまたは再使用可能なテストストリップまたはスティックとして構築され得る。別の態様において、本発明のデバイスは、留置診断適用に関して、解剖学的部位へ移植または注射され得る針様態様を作製するための当該技術分野において承認されているマイクロスケール製造技術を使用して構築され得る。他の態様において、繰り返される実験使用に意図されるデバイスは、細長いプローブの形態で構築され得る。
本発明の診断デバイスは、意図される使用に適合された任意の形態で構築され得る。従って、一態様において、本発明のデバイスは、それについての分子環境の知識が望まれる媒体(例えば、解剖学的部位、例えば創傷部位)と接触される使い捨てのまたは再使用可能なテストストリップまたはスティックとして構築され得る。別の態様において、本発明のデバイスは、留置診断適用に関して、解剖学的部位へ移植または注射され得る針様態様を作製するための当該技術分野において承認されているマイクロスケール製造技術を使用して構築され得る。他の態様において、繰り返される実験使用に意図されるデバイスは、細長いプローブの形態で構築され得る。
本発明のアッセイ(方法)における接触段階は、試料と固体支持体、例えば、反応容器、マイクロ容器、チューブ、マイクロチューブ、ウェル、マルチウェルプレート、または他の固体支持体とを接触させること、合わせること、または混合することを含み得る。本発明の試料および/または結合剤を、多重検出または分析のために、固体支持体上に配列してもよく、または複数の支持体を利用することができる。「配列すること」は、ライブラリ(例えば、異なる試料のアレイまたは同一の標的分子もしくは異なる標的分子を標的化するデバイスのアレイ)または他の収集物のメンバーを論理的または物理的アレイへ組織化または配置する行為を指す。従って、「アレイ」は、例えば、ライブラリメンバー(候補薬剤ライブラリ)の物理的または論理的配置を指す。物理的アレイは、対応のライブラリメンバーの物理的表示が、規則正しい様式で配置され、それ自体をコンビナトリアルスクリーニングへ導く、任意の「空間的フォーマット」または「物理的にグリッドが入れられたフォーマット」であり得る。例えば、試料ライブラリの、個々のまたはプールされたメンバーに対応する試料を、一連の番号付けされた行と列に、例えば、マルチウェルプレート上において、配置することができる。同様に、結合剤を、マイクロタイター化された(microtitered)、例えば、96ウェル、384ウェル、または1536ウェルの、プレート(またはトレー)中にめっきするかまたはさもなくば堆積させることができる。任意で、結合剤を、固体支持体上に固定化してもよい。
任意で、本発明のデバイスは、デバイスの検知エレメントと通信する出力デバイスを含む。標的分子の存在または検出された標的分子の濃度の表示を、出力デバイス、例えば、アナログレコーダー、テレタイプ機、タイプライター、ファクシミリレコーダー、陰極線管ディスプレイ、コンピュータモニター、または他の計算デバイス上に写し出すことが可能である。各標的分子の写し出された存在または互いに対する各標的分子の濃度に加えて、任意で、出力デバイスは、検出が行われた条件(例えば、温度、塩分、昼または夜の時間など)を写し出す。
任意で、本発明の種々の態様において、診断方法は、上記で測定された、媒体(例えば、体液)中の標的分子の濃度を、媒体(例えば、同一の患者または異なる患者中の同一の標的分子の濃度)を特徴付ける既存のデータと比較することをさらに含む。標的分子濃度は、特定の条件下で観察されるその特定の標的分子濃度であり得る。
任意で、本発明の方法は、ある期間にわたって媒体中の1つまたは複数の標的分子の存在および/または濃度をモニタリングすることをさらに含む。
簡便な「ミックス・アンド・リード(mix-and-read)」アッセイ法は、時間を最小限にし、生産性を増加させる。一方で、アッセイ法を、十分に確立された、比較的安価な検出技術、即ち非技術者によって使用される場合に解釈し易い検出システムを使用しての肉眼または定量的評価について開発することが可能である。要するに、より少ない設備およびより少ない実験技術が、該検査を実行するために必要。
基質切断アッセイ
プロテアーゼの酵素活性は、基質切断アッセイを使用して測定することが可能であり、ここで、試料のタンパク質分解活性は、試料中へ導入されたモデルペプチドの切断をモニタリングすることによって測定される。図1に描写されるように、システムは、その表面へ多数の色素を結合させた基質を結合させた微粒子を含み得る。微粒子は、アッセイ溶液中に分散されると、それらの沈殿速度が5〜10分の桁のものである十分な密度のものである。基質は、一般的なまたは高度に酵素特異的な配列を有する天然または合成ペプチド配列である。従って、酵素特異性の程度を、一群のプロテアーゼの活性または関心対象の単一のプロテアーゼの活性をモニタリングするために使うことができる。最後に、基質の遊離末端へ結合された単一または複数(例えば、デンドリマー、オリゴマーなど)の色素分子から構成され得る色素サブユニットが、基質配列へつなげられる。
プロテアーゼの酵素活性は、基質切断アッセイを使用して測定することが可能であり、ここで、試料のタンパク質分解活性は、試料中へ導入されたモデルペプチドの切断をモニタリングすることによって測定される。図1に描写されるように、システムは、その表面へ多数の色素を結合させた基質を結合させた微粒子を含み得る。微粒子は、アッセイ溶液中に分散されると、それらの沈殿速度が5〜10分の桁のものである十分な密度のものである。基質は、一般的なまたは高度に酵素特異的な配列を有する天然または合成ペプチド配列である。従って、酵素特異性の程度を、一群のプロテアーゼの活性または関心対象の単一のプロテアーゼの活性をモニタリングするために使うことができる。最後に、基質の遊離末端へ結合された単一または複数(例えば、デンドリマー、オリゴマーなど)の色素分子から構成され得る色素サブユニットが、基質配列へつなげられる。
t=0で、前記微粒子を好適なアッセイ緩衝溶液中の試料へ曝露し、次いで、徹底的に混合し、該粒子を懸濁液にする。高密度の粒子は次の5〜10分にわたって沈殿し、試料中に存在するプロテアーゼは、それらの基質標的を切断するので、従って、色素分子が溶液に入りアッセイ溶液の検出可能な光学変化を生じさせることを可能にする。
不十分な酵素活性が試料中に存在する場合、微粒子は、それらの結合された基質−色素付属物を伴って溶液の外へ沈殿し、アッセイ緩衝液は透明のままである。十分な酵素活性の検出に必要とされる臨界色素濃度は、多数のシステム(即ち、肉眼または自動検出システム)について決定され得る。従って、システムは、1つまたはいくつかのプロテアーゼの種々の臨界酵素濃度を含む多数の単一または多重化アッセイについて、高度に調整可能である。
本発明のタンパク質分解検出アッセイは、予想される治癒または慢性の指標である、創傷流体中のプロテアーゼレベルを測定するために使用され得る。さらに、移植片を付着させるかまたは成長因子で処置する前に、看護師/医師は、ホスト環境が移植片/成長因子に従うこと(即ち、移植片/成長因子が破壊されないこと)を確認することができる。
FRETアッセイ
FRETアッセイの基礎は、検査されるプロテアーゼについての基質であるペプチドへ色素を結合させることによって、蛍光を妨げる色素(クエンチャー)の十分に近くへ蛍光色素をもっていくことである。いったんプロテアーゼが前記ペプチドを切断すると、蛍光色素は、クエンチャーから十分に遥か遠くに分離し、検出可能なシグナルが生じ得る。
FRETアッセイの基礎は、検査されるプロテアーゼについての基質であるペプチドへ色素を結合させることによって、蛍光を妨げる色素(クエンチャー)の十分に近くへ蛍光色素をもっていくことである。いったんプロテアーゼが前記ペプチドを切断すると、蛍光色素は、クエンチャーから十分に遥か遠くに分離し、検出可能なシグナルが生じ得る。
色素とクエンチャーとを連結させるペプチドは、測定されるプロテアーゼについて特異性を生じるように修飾され得る。具体例において、DABCYLは、EDANSが蛍光を発する色を吸収し、それによってその検出を妨げる。
一般的に、クエンチングについての機構は、色素およびクエンチャーの組み合わせに依存して変化し得るが、技術レベルでの概念は同一のままである。いったんペプチドが切断されると、EDANSは、蛍光色が漏れ出て検出されるために十分に遥か遠くに、DABCYLから分離し得る。
典型的に、関心対象のプロテアーゼを含有する試料間の反応物を、これらのペプチドと混合し、反応を、蛍光強度の変化について蛍光光度計によって連続的にモニタリングする。生成物を、既知量の色素の蛍光を測定することによって定量し、次いで、遊離色素とペプチドフラグメント結合色素との蛍光の差によって調整した。
PISAアッセイ
PISAは、それが、関心対象のプロテアーゼによって選択的に切断可能であるペプチドを使用する点で、FRETアッセイと類似しているが、切断事象が使用者にどのように伝えられるかにおいて、相違している。FRETアッセイにおいて、ペプチドが2つの色素を共に連結している間、蛍光色素からの蛍光は検出され得ない。いったんペプチドが切断されると、2つのフラグメントは、互いから離れて拡散することができ、蛍光シグナルが検出可能になる。同様に、PISAにおいて、ペプチドが色素および固定用材料(樹脂)を連結しており、これは、色素を樹脂と共に沈殿させ、従って、溶液を透明のままにさせる。いったんペプチドが切断されると、色素を有するフラグメントは固定用樹脂から離れて拡散することができ、溶液の色が変化する。
PISAは、それが、関心対象のプロテアーゼによって選択的に切断可能であるペプチドを使用する点で、FRETアッセイと類似しているが、切断事象が使用者にどのように伝えられるかにおいて、相違している。FRETアッセイにおいて、ペプチドが2つの色素を共に連結している間、蛍光色素からの蛍光は検出され得ない。いったんペプチドが切断されると、2つのフラグメントは、互いから離れて拡散することができ、蛍光シグナルが検出可能になる。同様に、PISAにおいて、ペプチドが色素および固定用材料(樹脂)を連結しており、これは、色素を樹脂と共に沈殿させ、従って、溶液を透明のままにさせる。いったんペプチドが切断されると、色素を有するフラグメントは固定用樹脂から離れて拡散することができ、溶液の色が変化する。
プロテアーゼが相互作用するもの(即ち、ペプチド)の点では、FRETからの何もPISAにおいて変えられていない。変えられたことは、切断事象および引き続いてのシグナル伝達色素分子の拡散の後に、どのようにシグナルが発生し読み取られるかである。
携帯型の励起源(典型的に、ブルーペンライト)が使用される場合、FRETアッセイは、オール・オア・ナッシング(グッド/バッド)アッセイとして読み取られるように設定され得る。一方PISAにおいては、溶液は、樹脂が沈殿された後に除去することが可能であり、切断されたペプチドの定量について、分光光度計(吸収または透過のいずれか)によって読み取ることが可能である(これは、FRETアッセイおよびチオペプトリドアッセイの両方が読み取られる方法である)。
薄膜アッセイ
一態様において、本発明は、着色された基質薄膜を使用して生物学的試料中のプロテアーゼ活性を評価する迅速かつ簡便な方法を提供する。
一態様において、本発明は、着色された基質薄膜を使用して生物学的試料中のプロテアーゼ活性を評価する迅速かつ簡便な方法を提供する。
クーマシー(Coommassie)を含む種々の色素は、溶液中の未消化タンパク質へ容易に結合する。この現象は、ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)およびザイモグラフィーを含む慣用的な実験技術において使用されてきた。これらの実験方法において、ゲルは、電気泳動で分離されたタンパク質または酵素活性によるタンパク質消化の領域をそれぞれ視覚化するために、染色される。
本発明に従って、標的基質の、色/蛍光測定的に標識された薄膜が、スピンコーティング、ディップコーティング、およびテープキャスティングを含む、多数の方法によってキャストされ得る。標的基質の消化は、ある量の生物学的試料を膜の表面上へ単に反応させ、水中ですすぎ、遊離された色素およびプロテアーゼを除去することによって、数分で視覚化され得る(図2)。膜は、例えば、ゼラチン、アルブミン、カゼイン、またはフィブリンであってもよい。
蛍光に基づく診断テストストリップ
最も感度が高いアッセイは、関心対象の活性の検出について蛍光標識されたマーカーを含むものである。このようなアッセイは、それらの非蛍光性対応物と比べて桁違いに検出閾値を低下させることが可能なことが多い。しかし、蛍光性種の超高感度検出は、しばしば、エンドユーザーの費用を増加させるだけでなく、アッセイシステムの携帯性および多用途性をも限定する、特殊な設備を必要とする。一態様において、本発明は、種々の試験試料中におけるプロテアーゼ活性の迅速な検出について、超高感度でかつ簡便な、蛍光に基づく診断テストストリップを提供する。
最も感度が高いアッセイは、関心対象の活性の検出について蛍光標識されたマーカーを含むものである。このようなアッセイは、それらの非蛍光性対応物と比べて桁違いに検出閾値を低下させることが可能なことが多い。しかし、蛍光性種の超高感度検出は、しばしば、エンドユーザーの費用を増加させるだけでなく、アッセイシステムの携帯性および多用途性をも限定する、特殊な設備を必要とする。一態様において、本発明は、種々の試験試料中におけるプロテアーゼ活性の迅速な検出について、超高感度でかつ簡便な、蛍光に基づく診断テストストリップを提供する。
システムの構成要素を図3に示す。重要な構成要素は、着色された、透明な励起/放射フィルターおよびビオチン標識された基質である。
基質の一般構造は、ビオチン−フルオロフォア−ペプチド’〜ペプチド”(クエンチャー)である。本明細書に記載される基質は、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)化学に基づく。従って、蛍光色素によって放射される蛍光シグナルは、未変化の基質中の近くにある「クエンチャー」分子によって吸収される。関心対象の酵素(プロテアーゼ)によって基質が切断されると、蛍光色素およびクエンチャーが遊離し、互いから離れて拡散し、従って、蛍光シグナルが検出されることが可能となる。従って、基質の切断がない場合、検出可能なシグナルは発生しない。
アッセイストリップの一態様において、結合パッドに、凍結乾燥したビオチン結合基質がロードされる。テストストリップは、非特異的ペプチド/タンパク質結合が無視できることを確実にするために十分に低い結合表面化学を有する、透明なプレート(ポリマーまたはガラス)によって取り囲むことが可能である。従って、これらのプレートは、デバイスの中央部に毛細管流動領域を残して、テストストリップの構成要素を挟む。検出領域は、(ストレプト)−アビジンで満たされ、従って、これは基質のビオチン標識された末端に結合する。何故ならば、流体前部が、試料/結合パッドから、毛細管流動領域を通って、検出領域を越えてフィルターシンクへ流動するためである。検出領域は、ストレプトアビジンと不可逆的に結合された2-Dラインまたは3-D多孔質マトリクスを含み得る。
全体のデバイスを、蛍光標識された基質の励起および放射最大値のそれぞれの波長に対応する着色されたポリマーフィルム中に入れることができる。これらのフィルターは、病院においてX線写真の視覚化のためにしばしば用いられるもののような明るい白色光ボックスに対してストリップを単に保持することによって、消化された基質の蛍光を肉眼で見ることを可能にする。
側方流動ストリップ
一態様において、本発明のデバイスは、側方流動ストリップ(LFS)技術を利用することが可能であり、この技術は、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)に対する抗体に基づく店頭販売の妊娠初期検査ストリップなどの多数の他の迅速なストリップアッセイシステムに適用されてきた。デバイスは、捕捉分子(本明細書において結合剤と呼ばれる)標的分子を利用することが可能である。一態様において、1つの標的分子は、媒体(例えば、標的組織または試料)の一定の成分であり、濃度はほとんど変化せず(例えば、創傷流体中のアルブミン)、これは、本明細書において「一定の標的分子」と呼ばれ;別の標的分子は、媒体中で濃度を変化させるもの(例えば、創傷流体中のプロテアーゼ)であり、これは、本明細書において「可変の標的分子」と呼ばれる。有利なことに、本発明のデバイスおよび方法は、単一の固体支持体(例えば、ストリップ)上において複数の標的の相対レベルを評価することができる。
一態様において、本発明のデバイスは、側方流動ストリップ(LFS)技術を利用することが可能であり、この技術は、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)に対する抗体に基づく店頭販売の妊娠初期検査ストリップなどの多数の他の迅速なストリップアッセイシステムに適用されてきた。デバイスは、捕捉分子(本明細書において結合剤と呼ばれる)標的分子を利用することが可能である。一態様において、1つの標的分子は、媒体(例えば、標的組織または試料)の一定の成分であり、濃度はほとんど変化せず(例えば、創傷流体中のアルブミン)、これは、本明細書において「一定の標的分子」と呼ばれ;別の標的分子は、媒体中で濃度を変化させるもの(例えば、創傷流体中のプロテアーゼ)であり、これは、本明細書において「可変の標的分子」と呼ばれる。有利なことに、本発明のデバイスおよび方法は、単一の固体支持体(例えば、ストリップ)上において複数の標的の相対レベルを評価することができる。
デバイスは、2つ以上の結合剤を有する固体支持体を含むことが可能であり、各結合剤は、関心対象の標的分子を示す分子結合パートナーを有する。一態様において、結合剤は、検出される標的分子について免疫特異的であるモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体である。別の態様において、結合剤は、検出される標的核酸分子または他の分子について特異的であるDNAアプタマーである。
ある態様において、デバイスは、流路を規定する側方流動マトリクスとして機能する表面を有する、固体支持体(例えば、ストリップまたはディップスティック)を含む。支持体は、順番に、以下の多数の領域(所定の領域)を含む:媒体(試料)受容領域(この上に試料パッドが配置され得る);結合領域;捕捉領域(検出領域とも呼ばれる);および任意で、対照領域。媒体は、(例えば、パッド上に媒体の試料を配置することによって)媒体受容領域と接触させられ、溶媒前部が(図4Aおよび4Aにおいて左から右へ)移動するにつれ、媒体は、異なる標的分子について特異的な遊離(非固定化)結合剤(例えば、モノクローナル抗体またはDNAアプタマー)を含有する結合領域を通って、試料を運ぶ。好ましくは、結合剤は、異なる色の色素がドープされたかまたはさもなくば結合されたナノ粒子(例えば、赤色および青色に着色されたナノ粒子)で標識されている。これらの成分の全て(結合剤−標的分子複合体および過剰の結合されていない結合剤を潜在的に含む)が、標的分子について特異的な、固定化された結合剤(例えば、ポリクローナル抗体)を含有する捕捉領域上へ流動する。好ましくは、捕捉領域に固定化された結合剤は、1:1の比で存在する。ナノ粒子は、前記2つ以上の標的分子の濃度に比例して捕捉領域中に固定され、色の色調が、その比率を測定するために読み取られ得る。溶媒前部のさらなる移動(図4Aおよび6Aにおいて右へ)は、図4Bに示される最終的な発色結果へ至る。最終領域(対照領域)は、標的分子のうちの1つを標識するために使用した結合剤(例えば、ヤギ抗マウスIgG)について特異的な固定化結合剤(例えば、固定化ポリクローナル抗体)を含有し、活性材料(例えば、モノクローナル抗体)が全距離運ばれたことを示すための陽性対照として役立つ。対照領域、捕捉領域、および結合領域を含む、本発明のデバイスについての例示的なフォーマットを、図4Aおよび6Aに示す。
好ましくは、前記2つ以上の結合剤は、媒体中の可変の標的分子および一定の標的分子の比率に応じて、ある範囲の色(例えば、紫色の色調を含む、赤色から青色)を発する異なる色のナノ粒子へ結合される。例えば、結合剤がマトリックスメタロプロテイナーゼ-9(MMP-9)およびマトリックスメタロプロテイナーゼ-1の組織阻害剤(TIMP-1)について特異的である場合、MMP-9およびTIMP-1について異なる色のナノスフェアが存在する(例えば、MMP-9について赤色、TIMP-1について青色)。好ましくは、ナノスフェアの比率は捕捉領域において固定化され、これは、一方の標的分子の他方の標的分子に対する比率(例えば、MMP-9/TIMP-1)を示すシグナル、例えば、一方の標的分子または他方の標的分子が富む場合には赤色または青色を提供する。MMP-9およびTIMP-1の場合、このことは、創傷治癒の予測において重要であると示される比率の読み出しを提供する(Ladwig et al., Wound Rep. Reg., 2002, 10:26-37)。
ある態様において、本発明のデバイスは、流路を規定する側方流動マトリクスとして機能する、固体支持体(例えば、ストリップまたはディップスティック)を含む。支持体は、順番に、その上に試料パッドが付けられ得る媒体(試料)受容領域;結合領域;捕捉領域(検出領域とも呼ばれる);および任意で、対照領域を含む。関心対象の媒体は、(例えば、パッド上に媒体の試料を配置することによって)媒体受容領域と接触させられ、溶媒前部が(図4Aおよび6Aにおいて左から右へ)移動するにつれ、媒体は、異なる標的分子について特異的な遊離結合剤(例えば、モノクローナル抗体またはDNAアプタマー)を含有する結合領域を通って、試料を運ぶ。好ましくは、結合剤は、異なる色の色素が結合されたナノ粒子(例えば、赤色および青色に着色されたナノ粒子)で標識されている。これらの成分の全て(結合剤−標的分子複合体および過剰の結合されていない結合剤を潜在的に含む)が、標的分子について特異的な、固定化された結合剤(例えば、ポリクローナル抗体)を含有する捕捉領域上へ流動する。好ましくは、捕捉領域に固定化された結合剤は、1:1の比で存在する。ナノ粒子は、試料中の2つ以上の標的分子の濃度に比例して捕捉領域中に固定され、色の色調が、その比率を測定するために読み取られ得る。溶媒前部のさらなる移動(図4Aおよび6Aにおいて左から右へ)は、図4Bに示される最終的な発色結果へ至る。最終領域(対照領域)は、標的分子のうちの1つを標識するために使用した結合剤(例えば、ヤギ抗マウスIgG)について特異的な固定化結合剤(例えば、固定化ポリクローナル抗体)を含有し、活性材料(例えば、モノクローナル抗体)が支持体の領域を通って全距離運ばれたことを示すための陽性対照として役立つ。
好ましくは、前記2つ以上の結合剤は、組織または試料中の可変の標的分子および一定の標的分子の比率に応じて、ある範囲の色(例えば、紫色の色調を含む、赤色から青色)を発する異なる色のナノ粒子へ結合される。例えば、結合剤がMMP-9およびTIMP-1について特異的である場合、MMP-9およびTIMP-1について異なる色のナノスフェアが存在する(例えば、MMP-9について赤色、TIMP-1について青色)。好ましくは、ナノスフェアの比率は捕捉領域において固定化され、このことは、一方の標的分子の他方の標的分子に対する比率(例えば、MMP-9/TIMP-1)を示すシグナル、例えば、一方の標的分子または他方の標的分子が富む場合には赤色または青色を提供する。
標的分子の検出および試料について行われる他のアッセイ法は、他の標的分子の検出と同時にまたは連続して行うことが可能であり、自動様式で、ハイスループット形式で、行われてもよい。
結合剤は、結合領域において堆積され得るが「遊離」(非固定化)であり得、固体支持体の捕捉領域および対照領域において固定化される。結合剤は、例えば、支持体上への非特異的吸着によるかまたは支持体への共有結合によって、固定化され得る。支持体上に結合剤を固定化するための技術は、当該技術分野において公知であり、例えば、米国特許第4,399,217号;同第4,381,291号;同第4,357,311号;同第4,343,312号および同第4,260,678号に記載されており、これらは、参照により本明細書に組み入れられる。このような技術は、本発明において、結合剤を固定化するために使用することが可能である。固体支持体がポリテトラフルオロエチレンである場合、ナトリウムおよびアンモニアを使用して該支持体を活性化させ、それをアミノ化し、カルボジイミド反応により抗体を活性化支持体へ共有結合させることによって、ホルモン抗体を支持体へ結合させることが可能である(yon Klitzing, Schultek, Strasburger, Fricke and Wood in “Radioimmunoassay and Related Procedures in Medicine 1982”, International Atomic Energy Agency, Vienna (1982), pages 57-62.)。
結合領域の結合剤は標識される。好ましくは、これらの結合剤は、公知の方法を使用して作製され得る、色素産生性ナノ粒子で標識される(Santra et al., Advanced Materials, 2005, 17:2165-2169、これは参照によりその全体が本明細書に組み入れられる)。非常に色素産生性であるナノ粒子は、逆マイクロエマルジョン法、続いて所望の直径(例えば、100ナノメートル〜400ナノメートルの範囲内)を有する粒子を選択するための粒子のサイジングによって作製され得る。ナノ粒子は、種々の化学基(-NH2が好ましい求核剤である)を使用して結合剤へ結合され得る。捕捉領域は、固定化された標的特異的な結合剤を所定の比(例えば、2つの標的特異的結合剤の1:1混合物)で含有するので、ナノ粒子は、2つ以上の標的分子の濃度に比例して捕捉領域に固定され、その比率を測定するために色の色調が読み取られ得る。
使用される固体支持体は、セルロース、多糖類、例えばSephadexなどの材料で構築された、この目的について通常であるものであってもよく、固体支持体の保護および/または取り扱いのためにハウジングによって部分的に囲まれてもよい。固体支持体は、所望の適用に応じて、硬質、半硬質、可撓性、弾性(形状記憶を有する)などであり得る。本発明の好ましい態様に従って、組織または体液中の標的分子の相対濃度が、試料として身体から組織または体液を取り出すことなく推定される場合、支持体は、患者にとって無害であるものであるべきであり、身体の好適な部分中への挿入について好都合な任意の形態であり得る。例えば、支持体は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスチレンまたは他の硬質な無害プラスチック材料から作製され、かつ、唾液中のステロイドもしくは他のホルモン濃度の推定について患者の口の中へ、または創傷流体中のプロテアーゼ、プロテアーゼ阻害剤、もしくはサイトカインの相対レベルを測定するために患者の創傷中へ、それを導入することを可能にするサイズおよび形状を有するプローブであってもよい。好適な不活性支持体の選択は、当業者の能力の範囲内であり、意図される目的についてのその寸法もそうである。
一態様において、固体支持体は、HI-FLOW PLUSメンブレンおよびメンブレンカード、ならびにSUREWICKパッド材料を含むがこれらに限定されない、Millipore Corp.(Bedford, MA)から入手可能のものなどの、アッセイされる液体媒体の側方流動についての吸収パッドまたはメンブレンを有する。
固体支持体上に堆積される結合剤の量は、上記で説明したように、流体に比べて微量の使用についての要件を満たすように選択される。結合剤が固体支持体上において患者の身体中へ導入される場合、結合剤は、当然ながら、使用される量において、および使用において供される条件(pHなど)下で、患者に対して有害でないものであり、体内に有害物質が存在または停留することを防ぐように注意が払われる。結合剤は、上述されるように、使用時に遭遇する可能性が高い他の全ての材料に比べて分析物に特異的であるものでなければならず、その結果、干渉反応および不活性化が生じないが、この障害は、体液のインビトロアッセイにおいて直面されるものと原則的に差異がなく、首尾よく解決される。従って、これらの基準を満たす結合剤の選択は、当業者の一般的な能力の範囲内である。結合剤が、支持体がこのような薬剤を吸着または結合する容量よりも遥かに少ない量で堆積される場合、無害のタンパク質もしくは免疫グロブリンまたは分析物と反応せずかつ(固体支持体が患者の体内へ挿入される場合)患者に有害でない他の不活性材料を用いて、支持体の吸着容量の残りを満たすことが、望ましい場合がある。このような材料およびそれらを支持体へ適用する手段は、周知であり、標準的な方法を本発明において使用することができる。固定化および/または非固定化結合剤を含有する得られる支持体は、公知の結合剤の保存について十分であることが公知であるような温度下の乾燥条件において保存することが可能であり、それらの多くが支持体上に固定化されたホルモン抗体を既に含む市販のホルモン測定キットと同様に、長期間にわたって安定のままである。
ナノ粒子
種々の形状、サイズおよび組成のナノ粒子が、それらの独特な光学特性、高い表面対体積比率、および他のサイズに依存する性質に起因して、生体イメージング、ラベリングおよびセンシングにおいて首尾よく使用されており(Medintz, I.L. et al. Nat. Mater., 2005, 4:435-446;Michalet, X. et al. Science, 2005, 307:538-544;Tan, W and Wang, K, Journal of Nanoscience and Nanotechnology, 2004, 4(6):559;Tan, W. et al. Med. Res. Rev., 2004, 24:621-638;Corstjens, P.L.A.M. et al. IEE Proc.-Nanobiotechnol, 2005, 152:64-72;Gao, H. et al. Colloid Polymer Sci., 2002, 280:653-660;Jain, T.K. et al. J. Am. Chem. Soc., 1998, 120:11092-11095;Zhao, X. et al. Adv. Mater., 2004, 16:173-176)、本発明の診断デバイスの作製および使用において利用されてもよい。操作された組成および表面修飾を用いて、これらのナノ粒子プローブは、蛍光シグナルを増大し、感度を増加し、検出時間を延長し、より良い再現性を生じさせることができた。
種々の形状、サイズおよび組成のナノ粒子が、それらの独特な光学特性、高い表面対体積比率、および他のサイズに依存する性質に起因して、生体イメージング、ラベリングおよびセンシングにおいて首尾よく使用されており(Medintz, I.L. et al. Nat. Mater., 2005, 4:435-446;Michalet, X. et al. Science, 2005, 307:538-544;Tan, W and Wang, K, Journal of Nanoscience and Nanotechnology, 2004, 4(6):559;Tan, W. et al. Med. Res. Rev., 2004, 24:621-638;Corstjens, P.L.A.M. et al. IEE Proc.-Nanobiotechnol, 2005, 152:64-72;Gao, H. et al. Colloid Polymer Sci., 2002, 280:653-660;Jain, T.K. et al. J. Am. Chem. Soc., 1998, 120:11092-11095;Zhao, X. et al. Adv. Mater., 2004, 16:173-176)、本発明の診断デバイスの作製および使用において利用されてもよい。操作された組成および表面修飾を用いて、これらのナノ粒子プローブは、蛍光シグナルを増大し、感度を増加し、検出時間を延長し、より良い再現性を生じさせることができた。
量子ドット(QD)および色素がドープされたナノ粒子は、研究的興味が益々増大している代表的な蛍光ナノ粒子プローブである。QDは、極めて小さく(通常、直径1〜10 nm)、明るく(大抵の有機フルオロフォアよりも20倍明るい)、非常に光安定性である、ナノ結晶半導体である。紫外線から近赤外線に及ぶ、狭く、対称的な、サイズ調整可能な蛍光放射を伴う、それらの広い励起スペクトルのために、それらは、複雑な器具使用および処理を伴わない多重分析(複数の分析物の同時検出)に対して理想的である。それらの光退色に対する高い耐性およびかなりの輝度のために、それらは、長期間の細胞および深部組織の画像化にとって魅力的である(Medintz, I.L. et al. Nat. Mater., 2005, 4:435-446;Michalet, X. et al. Science, 2005, 307:538-544;Tan, W and Wang, K, Journal of Nanoscience and Nanotechnology, 2004, 4(6):559)。しかし、QDは作製が困難であり、表面修飾化学は依然として研究中であり、「点滅」特性(連続的励起下での突然の確率論的なジャンプによってルミネッセンス放射が「オン」および「オフ」に切り替わる)はフローサイトメトリーなどの速いスキャンニングシステムに対する制限因子であり、細胞毒性はインビボ適用に対して明らかな懸念である(Medintz, I.L. et al. Nat. Mater., 2005, 4:435-446;Michalet, X. et al. Science, 2005, 307:538-544;Tan, W and Wang, K, Journal of Nanoscience and Nanotechnology, 2004, 4(6):559)。
使用され得る別のタイプの蛍光性ナノ粒子プローブは、直径2〜200 nmの間でサイズが異なる、色素がドープされたナノ粒子である。ポリマーまたはシリカマトリクス内に収容された多数の色素分子を用いて、これらのナノ粒子は、QDの蛍光シグナルの最大500倍であり有機フルオロフォアの蛍光シグナルの最大10,000倍である、強烈な蛍光シグナルを与える(Haugland, R.P. The Handbook: a Guide to Fluorescent Probes and Labeling Technologies, 10th edition, pp. 208-209)。強烈な輝度のため、色素がドープされたナノ粒子は、さらなる試薬またはシグナル増幅工程の必要性がない超高感度生物分析に特に適している。色素がドープされたナノ粒子プローブを使用して、生体分子認識事象が、1つまたは複数のナノ粒子によって信号が送られ、ここで、数百〜数千の色素分子が一体化されており、蛍光シグナルが大いに増強される。このシグナル増強は、超高感度分析物/標的測定、ならびにさもなくば既存の蛍光標識技術で検出不可能である稀な生物学的事象のモニタリングを容易にする。ポリマー/シリカマトリクスは、保護シェルまたは色素アイソレータとして役立ち、粒子のコア中に含有される蛍光色素に対する外部環境(例えば、緩衝溶液中の、酸素、特定の溶媒および可溶性化学種)の影響を制限する。
ポリマーまたはラテックスナノ粒子は、一般的に、ナノ粒子合成後に、蛍光色素でドープされる。典型的な作製方法は、有機溶媒/蛍光色素溶液中におけるポリマーナノ粒子の膨潤を含む。疎水性色素は、ポリマーマトリクス中へ拡散し、溶媒が蒸発または水相への移動によって粒子から除去されると、さらに封入される。最も一般的なポリマーマトリクスは、ポリスチレン(PS)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリ乳酸(PLA)およびポリ乳酸−コ−ポリグリコール酸(PLGA)である。強度、サイズまたは励起状態寿命が異なる蛍光性ポリマーマイクロスフェアのアレイもまた、単一の試料中の複数の分析物を測定するために、同時アッセイにおいて広く使用されてきた(Stober, W. et al. J. Colloid Interface Sci., 1968, 26:62-69)。
蛍光色素がドープされたシリカナノ粒子もまた、生物学的適用について標識試薬として使用されてきた。ポリマーナノ粒子と比較して、シリカナノ粒子は、いくつかの利点を有する:(i)シリカナノ粒子は、シリカのより高い密度に起因して(例えば、ポリスチレンが1.05 g/cm3に対して、シリカが1.96 g/cm3)、粒子作製、表面修飾および他の溶液処理プロセスの間、遠心分離によって分離するのが容易である;(ii)シリカナノ粒子は、より親水性かつ生体適合性であり、微生物の攻撃に影響されず、pHの変化で膨潤または多孔性変化が生じない(Zhao, X. et al. Adv. Mater., 2004, 16:173-176)。(ポリマー粒子は、疎水性であり、水性媒体中において塊になり、有機溶媒中において膨潤し、色素漏出が生じる傾向にある)。これらの利点ならびに上述の長時間にわたる蛍光光安定性および輝度に起因して、色素がドープされたシリカナノ粒子は、種々の生物学的適用において大きな見込みを示しており(Corstjens, P.L.A.M. et al. IEE Proc.-Nanobiotechnol., 2005, 152:64-72)、本発明のデバイスおよび方法において利用され得る。
色素がドープされたシリカナノ粒子を作製するための2つの一般的な合成経路である、Stober法およびマイクロエマルジョン法が存在する。1968年、Stoberらは、サイズが50 nm〜2μmの範囲の直径を有する、単分散のシリカナノ粒子を実際に合成する方法を紹介した(Van Helden, A. et al. J. Colloid Interface Sci., 1981, 81 :354-368;Tan, C; et al. J. Colloid Interface Sci., 1987, 118:290-293;Coenen, S. and De Kruif, C.J. Colloid Interface Sci., 1988, 124:104-110;Van Blaaderen, A. and Kentgens, A.J. Non-Cryst. Solids, 1992, 149:161-178 (9))。典型的なStoberに基づくプロトコルにおいて、シリカアルコキシド前駆体(例えば、オルトケイ酸テトラエチル、TEOS)が、エタノールおよび水酸化アンモニウム混合物中において加水分解される。TEOSの加水分解によって、ケイ酸が生じ、次いでこれは縮合プロセスを受け、アモルファスシリカ粒子が形成される。Stoberに基づくナノ粒子形成の機構の詳細は、広く研究されており(Van Blaaderen, A. et al. Langmuir, 1992, 8,:1514-1517;Van Blaaderen, A. and Vrij, A. Langmuir, 1992, 8:2921-2931;Verhaegh, A.M.N, and Van Blaaderen, A. Langmuir, 1994, 10:1427-1438;Nyffenegger, R. et al. J. Colloid Interface Sci., 1993, 159:150-157)、該方法は、有機蛍光色素分子をシリカマトリクスへ共有結合させることによって、色素がドープされたシリカナノ粒子を合成するために最適化された(Yamaucni, H. et al. Colloids Surfaces, 1989, 37:71-80;Osseo-Asare, K. and Arriagada, F.J. Colloids Surfaces, 1990, 50:321-339;Lindberg, R. et al. Colloids Surfaces A, 1995, 99:79-88)。前記手順は2つの工程を含む:色素をアミン含有シラン剤(例えば、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、APTS)へ化学的に結合し、次いで、APTSおよびTEOSを水、アンモニアおよびエタノールの混合物中において加水分解および共縮合させ、色素がドープされたシリカナノ粒子が得られる。このアプローチは、種々の有機色素分子をシリカナノ粒子中へ組み込むことを可能にし、このことは本発明について有利である。
色素がドープされたシリカナノ粒子はまた、逆ミセルもしくは油中水型(W/O)マイクロエマルジョン系、水、油および界面活性剤分子の均一混合物においてTEOSを加水分解することによって合成することが可能である(Schmidt, J. et al. J. Nanoparticle Res., 1999, 1 :267-276)。典型的なW/Oマイクロエマルジョン系において、水滴は、界面活性剤分子によって安定化され、大量の油中に分散されたままの状態である。シリカの核生成および成長動態は、マイクロエマルジョン系の水滴中において高度に調節され、色素分子は、シリカ網目構造中に物理的にカプセル化され、極めて単分散の色素がドープされたシリカナノ粒子が形成される(Santra, S. et al. Anal. Chem., 2001, 73:4988-4993;Santra, S. et al. J. Biomed. Opt., 2001, 6:160-166;Santra, S. et al. Langmuir, 2001, 17:2900-2906)。この数年で、種々の色素がドープされたシリカナノ粒子が、W/Oマイクロエマルジョン技術を使用して開発された(Haugland, R.P. The Handbook: a Guide to Fluorescent Probes and Labeling Technologies, 10th edition, pp. 208-209;He, X. et al. J. Am. Chem. Soc., 2003, 125:7168-7169;Tapec, R. et al. J. Nanosci. Nanotechnol., 2002, 2:405-409;Qhobosheane, M. et al. Analyst, 2001, 126:1274-1278)。シリカマトリクス内に色素分子を首尾よく封入するために、極性の色素分子が、負に帯電したシリカマトリクスへの色素分子の静電引力を高めるために使用され、色素分子のサイズは、色素漏出を防ぐためにシリカマトリクスの細孔よりも大きい。水溶性の無機色素、例えば、ルテニウム錯体を、この方法を使用して、ナノ粒子中へ容易にカプセル化することができる(He, X. et al. J. Am. Chem. Soc., 2003, 125:7168-7169;Wang, L. et al. Nano Lett, 2005, 5:37-43;Gerion, D. et al. J. Phys. Chem. B, 2001, 105:8861-8871)。シリカ粒子からの色素分子の漏出は、正に帯電した無機色素と負に帯電したシリカとの間の強力な静電引力により恐らく無視できる。有機色素がドープされたナノ粒子を合成するために、疎水性シリカ前駆体を導入すること(Qhobosheane, M. et al. Analyst, 2001, 126: 1274-1278)、水溶性デキストラン分子が結合された色素を使用し、酸性条件において合成すること(Haugland, R.P. The Handbook: a Guide to Fluorescent Probes and Labeling Technologies, 10th edition, pp. 208-209)などの、種々のトラップ法が使用されている。これらの代替法は、シリカマトリクス中へ疎水性色素分子を閉じ込めることに役立つ。W/Oマイクロエマルジョン法の特有の利点は、それが、種々のサイズの高度に球状かつ単分散のナノ粒子を作製し、かつ、多種多様の無機および有機色素ならびに発光量子ドットなどの他の材料のトラップを可能とすることにある(Deng, G. et al. Mater. Sci. Eng. C, 2000, 11:165-172)。
生化学アッセイおよび病気診断のために、蛍光色素がドープされたシリカナノ粒子を、生物認識エレメント(本明細書において結合剤とも呼ばれる)、例えば、抗体およびDNA分子へ結合させることができる。これらの分子の多くは、シリカナノ粒子表面上へ物理的に吸着させることが可能である。しかし、粒子表面からの脱着を回避するためだけでなく、固定化された生物認識エレメントの数および配向を制御するためにも、生物認識エレメントを粒子表面へ共有結合することが好ましい。ナノ粒子へ結合剤を共有結合するために、粒子表面を、必要に応じて、好適な官能基(例えば、チオール、アミンおよびカルボキシル基)で先ず修飾すべきである。これは、典型的に、関心対象の官能基を含有する安定な追加のシリカコーティング(ポストコーティング)を適用することによって行われる。Stoberナノ粒子について、表面修飾は、可能性のある二次核生成を回避するために、通常、ナノ粒子合成後に行われる。マイクロエマルジョンナノ粒子の表面修飾は、同一の様式で、または、マイクロエマルジョン溶液中におけるTEOSおよび他のオルガノシランの直接的な加水分解および共縮合によって、達成することが可能である(Santra, S. et al. Chem. Comm., 2004, 24:2810-2811;Santra, S. et al. Journal of Nanoscience and Nanotechnology, 2004, 4(6):590-599)。
結合剤または他の分子との結合についての反応部位を提供することに加えて、官能基はまた、溶液中における粒子のコロイド安定性を変化させる。例えば、アミン含有オルガノシラン化合物を用いたポストコーティングは、中性pHでナノ粒子の表面の負電荷を中和し、従って、ナノ粒子の全体的な電荷を減少させる。結果として、コロイド安定性が低下し、深刻な粒子凝集が水性媒体中において生じる。この問題を解決するために、リン酸基または他のものを含有する、負に帯電した不活性のオルガノシラン化合物が、ポストコーティングの間、臨界分散剤(critical dispersing agent)として導入される。その結果として、ナノ粒子は、正味の負電荷を有し、水溶液中に十分に分散される(Zhang, M. et al. J. Am. Chem. Soc., 2003, 125:7790-7791;Farokhazd, O.C. et al. Cancer Res., 2004, 64:7668-7672)。他の安定化試薬、例えば、ポリエチレングリコール(PEG、中性ポリマー)含有オルガノシラン化合物も、ナノ粒子表面へ添加できる。PEG化された表面は、非常に親水性であり、シリカナノ粒子の水分散性を増強する(Hermanson, G.T. Bionconjugate Techniques, Academic Press: San Diego, 1996)。さらに、PEG化された表面は、望ましくない帯電した生体分子の吸着を阻害することによって、非特異的結合を減少させる。
ナノ粒子が種々の官能基で修飾された後、それらは、標準の共有結合的生物結合スキームによる生物学的部分(DNAオリゴヌクレオチドまたはアプタマー、抗体、ペプチドなど)のグラフトのための足場として機能し得る(Hilliard, L.R. et al. Anal. Chim. Acta., 2002, 470:51-56)。例えば、カルボキシル修飾されたナノ粒子は、張り出したカルボン酸を有し、EDCなどの水溶性カルボジイミド試薬を使用したタンパク質と他のアミン含有生体分子との共有結合的な結合のためにナノ粒子を好適にする(Deng, G. et al. Mater. Sci. Eng. C, 2000, 11:165-172)。ジスルフィド修飾されたオリゴヌクレオチドは、ジスルフィドカップリング化学によって、チオール官能基を持たせたナノ粒子上へ固定化することが可能である(Roy, I. et al. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 2005, 102:279-284)。アミン修飾されたナノ粒子は、スクシンイミジルエステルおよびイソ(チオ)シアネートを介して多種多様のハプテンおよび薬物へ、またはNHSエステルおよびカルボン酸末端基を介してタンパク質へ、結合させることが可能である。他のアプローチは、ナノ粒子と帯電したアダプター分子との間(Zhu, S. et al. Biotechnol. Appl. Biochem., 2004, 39:179-187; Ye, Z. Anal. Chem., 2004, 76:513-518)、またはナノ粒子と帯電したドメインを組み込むように修飾されたタンパク質との間の、静電的相互作用を使用する。生物結合または標識戦略は、表面結合される実体の生体分子機能に基づいて合理的に設計される。例えば、タンパク質認識部位は、それらが標的へ結合するそれらの能力を失わないことを確実にするために、ナノ粒子表面から離れて配向される(Costa, A.R.C. et al. J. Phys. Chem. B, 2003, 107:4747-4755)。生物結合工程後、ナノ粒子を、遠心分離、透析、濾過、または他の技術によって、結合されていない生体分子から分離することができる。
感度は、現代の生物医学研究および疾患診断の重要な問題である。高いシグナル増幅が可能である新規の蛍光標識の導入が、非常に感度が高いバイオアッセイに対し益々増える必要性に取り組むために必須である。多数の色素分子が内部に閉じ込められているために、色素がドープされたシリカナノ粒子は、並外れたシグナル伝達強度を示す。例えば、1つのRuBpy色素分子に対する、1つのルテニウムビピリジン(RuBpy)がドープされたナノ粒子(Φ=60 nm)の有効蛍光強度比率は、104である。シリカマトリクス内部でのそれらの接近に起因する色素分子間の自己クエンチの発生を考慮すると、10,000個を超える色素分子が、60 nmナノ粒子の内部にドープされると推定される。従って、ナノ粒子の印象的な蛍光特性により、試料における蛍光検出限度が顕著に低下し得る。
光安定性は、強烈なレーザー照射下での蛍光シグナルの長期間観察(数分から数時間まで)について特に重要な基準である。それはまた、三次元(3D)光学的切片イメージングについて特に有用であり、ここで、主な障害は、連続するz切片の獲得の間のフルオロフォアの光退色であり、このことは、3D構造の正確な再構築を危うくする。ナノ粒子の高い光退色閾値を実証するために、ナノ粒子および色素溶液の両方をキセノンランプで励起し、放射強度を時間に対してモニタリングした。溶液中の色素がドープされたナノ粒子については、1時間、顕著な光退色は観察されなかったが、同一条件下で、色素分子は、初期シグナルの85%を失った(He, X. et al. J. Am. Chem. Soc., 2003, 125:7168-7169)。この観察は、シリカコーティングが外部環境から色素分子を隔離し、それによって酸素透過が防げられることを証明する。さらに、ナノ粒子が実際の生物学的試料イメージングについて使用される場合、シリカマトリクスは、化学および代謝分解に対して非常に耐性であるため、色素分子は、複雑な生物学的環境による分解または光退色から保護される。
さらに、有機フルオロフォアは、各生体分子への色素分子の結合に対して特化した化学的性質を必要とするのに対し、シリカ表面は、種々の表面修飾プロトコルに対して優れた多用途性を提供する。ナノ粒子表面は合成中に反応性末端基で官能化され得るので、ナノ粒子表面は、オリゴヌクレオチド、酵素、抗体、および他のタンパク質で容易に修飾され得る。ナノ粒子−生体分子複合体は、所望のプロセスの活性(例えば、固定化された酵素)を表すために使用され得るか、または、標的分子または細胞を捕捉または修飾するための親和性リガンドとして使用され得る。
抗体
結合対(標的分子および結合剤)のいずれかのメンバーは、抗体であり得る。抗体分子は、血漿タンパク質の免疫グロブリンファミリーに属し、それらの基本構築ブロック、免疫グロブリンフォールドまたはドメインは、免疫系および他の生物学的認識系の多くの分子において種々の形態で使用される。典型的な免疫グロブリンは、可変領域としての公知の抗原結合領域と定常領域としての公知の不変領域とを含む、4つのポリペプチド鎖を有する。ネイティブな抗体および免疫グロブリンは、通常、2つの同一の軽(L)鎖および2つの同一の重(H)鎖から構成される、約150,000ダルトンのヘテロ四量体糖タンパク質である。各軽鎖は、1つの共有ジスルフィド結合によって重鎖へ結合されており、一方、異なる免疫グロブリンアイソタイプの重鎖間で、ジスルフィド結合の数は異なる。各重鎖および軽鎖はまた、一定間隔の鎖内ジスルフィド架橋を有する。各重鎖は、一方の末端に、可変ドメイン(VH)続いて多数の定常ドメインを有する。各軽鎖は、一方の末端に可変ドメイン(VL)、およびその他方の末端に定常ドメインを有する。軽鎖の定常ドメインは、重鎖の第1定常ドメインと並んでおり、軽鎖可変ドメインは、重鎖の可変ドメインと並んでいる。特定のアミノ酸残基が、軽鎖可変ドメインと重鎖可変ドメインとの間の界面を形成すると考えられる(Clothia et al, J. Mol. Biol., 1985, 186:651-666;Novotny and Haber, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1985, 82:4592-4596)。
結合対(標的分子および結合剤)のいずれかのメンバーは、抗体であり得る。抗体分子は、血漿タンパク質の免疫グロブリンファミリーに属し、それらの基本構築ブロック、免疫グロブリンフォールドまたはドメインは、免疫系および他の生物学的認識系の多くの分子において種々の形態で使用される。典型的な免疫グロブリンは、可変領域としての公知の抗原結合領域と定常領域としての公知の不変領域とを含む、4つのポリペプチド鎖を有する。ネイティブな抗体および免疫グロブリンは、通常、2つの同一の軽(L)鎖および2つの同一の重(H)鎖から構成される、約150,000ダルトンのヘテロ四量体糖タンパク質である。各軽鎖は、1つの共有ジスルフィド結合によって重鎖へ結合されており、一方、異なる免疫グロブリンアイソタイプの重鎖間で、ジスルフィド結合の数は異なる。各重鎖および軽鎖はまた、一定間隔の鎖内ジスルフィド架橋を有する。各重鎖は、一方の末端に、可変ドメイン(VH)続いて多数の定常ドメインを有する。各軽鎖は、一方の末端に可変ドメイン(VL)、およびその他方の末端に定常ドメインを有する。軽鎖の定常ドメインは、重鎖の第1定常ドメインと並んでおり、軽鎖可変ドメインは、重鎖の可変ドメインと並んでいる。特定のアミノ酸残基が、軽鎖可変ドメインと重鎖可変ドメインとの間の界面を形成すると考えられる(Clothia et al, J. Mol. Biol., 1985, 186:651-666;Novotny and Haber, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1985, 82:4592-4596)。
固体支持体へ(例えば、共有結合的に)結合される抗体は、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、ファージに提示された単一の特異的抗体などであり得る。好ましくは、抗体は、関心対象の分析物の一部であるかまたはそこへ結合されたリガンドへ特異的に結合するかまたはこれらについて免疫特異的である。関心対象の多くの分析物の検出のための抗体は、市販されているか、または例えば入手可能なハイブリドーマから都合良く作製することが可能である。さらに、特異的抗体は、ファージディスプレイまたは他のタンパク質工学および発現技術を使用して、新たに作製することが可能である。種々の分析物へ結合する種々の抗体が、本発明のセンサーにおいて利用され得る。
本発明において使用が企図される抗体は、全免疫グロブリン、抗体フラグメント、例えば、Fv、Fab、および同様のフラグメント、可変ドメイン相補性決定領域(CDR)を含む一本鎖抗体などの形態を含む、任意の種々の形態であり得、これらの全ては、本明細書において使用される場合、広範囲の用語「抗体」に入る。本発明は、ポリクローナルまたはモノクローナルである抗体の任意の特異性の使用を企図し、特定の抗原を認識しこれと免疫反応する抗体に限定されない。
「抗体フラグメント」という用語は、全長抗体の部分、一般的に、抗原結合領域または可変領域を指す。抗体フラグメントの例としては、Fab、Fab'、F(ab')2およびFvフラグメントが挙げられる。抗体のパパイン消化によって、各々が単一の抗原結合部位を有する、Fabフラグメントと呼ばれる2つの同一の抗原結合フラグメントと、容易に結晶化するその能力のためにそう呼ばれる、残りの「Fc」フラグメントとが生じる。ペプシン処理によって、抗原を架橋することができる2つの抗原結合フラグメントを有するF(ab')2フラグメントと、残りの他のフラグメント(これはpFc'と呼ばれる)とが生じる。さらなるフラグメントとしては、ダイアボディー(diabody)、線状抗体、一本鎖抗体分子、および抗体フラグメントから形成された多特異的な抗体を挙げることができる。本明細書において使用される場合、抗体に関しての「機能的フラグメント」とは、Fv、F(ab)およびF(ab')2フラグメントを指す。
抗体フラグメントは、標的分子(例えば、抗原または分析物)と選択的に結合する能力を保持することができ、以下のように定義される。
(1)Fabは、抗体分子の一価の抗原結合フラグメントを含むフラグメントである。Fabフラグメントは、未変化の軽鎖および1つの重鎖の部分を生じさせる、酵素パパインでの全抗体の消化によって作製され得る。
(2)Fab'は、未変化の軽鎖および重鎖の部分を生じさせる、ペプシンでの全抗体の処理、続いての還元によって得ることができる抗体分子のフラグメントである。1抗体分子当たり2つのFab'フラグメントが得られる。Fab'フラグメントは、抗体ヒンジ領域からの1つまたは複数のシステインを含む重鎖CH1ドメインのカルボキシル末端での数残基の付加によって、Fabフラグメントとは異なる。
(3)(Fab')2は、酵素ペプシンで全抗体を処理し続いて還元しないことによって得ることができる抗体のフラグメントである。F(ab')2は、2つのジスルフィド結合によって一緒に保持された2つのFab'フラグメントの二量体である。
(4)Fvは、完全な抗原認識部位および抗原結合部位を含む最小の抗体フラグメントである。この領域は、堅い、非共有結合的な会合状態にある1つの重鎖可変ドメインおよび1つの軽鎖可変ドメインの二量体からなる(VH-VL二量体)。各可変ドメインの3つのCDRが相互作用し、VH-VL二量体の表面上で抗原結合部位を規定するのは、この立体配置においてである。集合的に、6つのCDRが、抗体へ抗原結合特異性を与える。しかし、単一の可変ドメイン(または抗原について特異的なたった3つのCDRを含むFvの半分)でさえ、全結合部位よりも低い親和性であるが、抗原を認識し、かつ結合する能力を有する。
(5)一本鎖抗体(「SCA」)は、遺伝子的に融合された一本鎖分子としての、好適なポリペプチドリンカーによって連結された、軽鎖の可変領域、重鎖の可変領域を含有する遺伝子操作された分子として定義される。このような一本鎖抗体はまた、「一本鎖Fv」または「sFv」抗体フラグメントとも呼ばれる。一般的に、Fvポリペプチドは、さらに、sFvが抗原結合についての所望の構造を形成するのを可能にする、VHおよびVLドメイン間にポリペプチドリンカーを含む。sFvの概説については、Pluckthun in The Pharmacology of Monoclonal Antibodies, vol. 113, Rosenburg and Moore eds. Springer-Verlag, N.Y., pp. 269 315 (1994)を参照のこと。
(1)Fabは、抗体分子の一価の抗原結合フラグメントを含むフラグメントである。Fabフラグメントは、未変化の軽鎖および1つの重鎖の部分を生じさせる、酵素パパインでの全抗体の消化によって作製され得る。
(2)Fab'は、未変化の軽鎖および重鎖の部分を生じさせる、ペプシンでの全抗体の処理、続いての還元によって得ることができる抗体分子のフラグメントである。1抗体分子当たり2つのFab'フラグメントが得られる。Fab'フラグメントは、抗体ヒンジ領域からの1つまたは複数のシステインを含む重鎖CH1ドメインのカルボキシル末端での数残基の付加によって、Fabフラグメントとは異なる。
(3)(Fab')2は、酵素ペプシンで全抗体を処理し続いて還元しないことによって得ることができる抗体のフラグメントである。F(ab')2は、2つのジスルフィド結合によって一緒に保持された2つのFab'フラグメントの二量体である。
(4)Fvは、完全な抗原認識部位および抗原結合部位を含む最小の抗体フラグメントである。この領域は、堅い、非共有結合的な会合状態にある1つの重鎖可変ドメインおよび1つの軽鎖可変ドメインの二量体からなる(VH-VL二量体)。各可変ドメインの3つのCDRが相互作用し、VH-VL二量体の表面上で抗原結合部位を規定するのは、この立体配置においてである。集合的に、6つのCDRが、抗体へ抗原結合特異性を与える。しかし、単一の可変ドメイン(または抗原について特異的なたった3つのCDRを含むFvの半分)でさえ、全結合部位よりも低い親和性であるが、抗原を認識し、かつ結合する能力を有する。
(5)一本鎖抗体(「SCA」)は、遺伝子的に融合された一本鎖分子としての、好適なポリペプチドリンカーによって連結された、軽鎖の可変領域、重鎖の可変領域を含有する遺伝子操作された分子として定義される。このような一本鎖抗体はまた、「一本鎖Fv」または「sFv」抗体フラグメントとも呼ばれる。一般的に、Fvポリペプチドは、さらに、sFvが抗原結合についての所望の構造を形成するのを可能にする、VHおよびVLドメイン間にポリペプチドリンカーを含む。sFvの概説については、Pluckthun in The Pharmacology of Monoclonal Antibodies, vol. 113, Rosenburg and Moore eds. Springer-Verlag, N.Y., pp. 269 315 (1994)を参照のこと。
「ダイアボディー」という用語は、2つの抗原結合部位を有する小さな抗体フラグメントを指し、これらのフラグメントは、同一のポリペプチド鎖内に軽鎖可変ドメイン(VL)へ連結された重鎖可変ドメイン(VH)を含む(VH-VL)。同一の鎖において前記2つのドメイン間での対形成を可能にするには短すぎるリンカーを使用することによって、これらのドメインは、別の鎖の相補的なドメインと対形成し2つの抗原結合部位を作製するように強いられる。ダイアボディーは、例えば、EP 404,097;WO 93/11161、およびHollinger et al., Proc. Natl. Acad Sci. USA, 1993, 90: 6444-6448において、より完全に記載されている。
ポリクローナル抗体の作製は、当業者に周知である。例えば、Green, et al., Production of Polyclonal Antisera, in: Immunochemical Protocols (Manson, ed.), pages 1-5 (Humana Press);Coligan, et al., Production of Polyclonal Antisera in Rabbits, Rats Mice and Hamsters, in: Current Protocols in Immunology, section 2.4.1 (1992)を参照のこと;これらは、参照により本明細書に組み入れられる。
モノクローナル抗体の作製も同様に慣例的である。例えば、Kohler & Milstein, Nature, 1975, 256:495;Coligan et al., sections 2.5.1 2.6.7;およびHarlow, et al., in: Antibodies: A Laboratory Manual, page 726 (Cold Spring Harbor Pub. (1988))を参照のこと;これらは、参照により本明細書に組み入れられる。モノクローナル抗体は、種々の十分に確立された技術によってハイブリドーマ培養物から単離および精製することが可能である。このような単離技術としては、プロテインAセファロースを用いたアフィニティークロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、およびイオン交換クロマトグラフィーが挙げられる。例えば、Coligan, et al., sections 2.7.1 2.7.12およびsections 2.9.1 2.9.3;Barnes, et al., Purification of Immunoglobulin G (IgG), in: Methods in Molecular Biology, Vol. 10, pages 79 104 (Humana Press,1992)を参照のこと。
「モノクローナル抗体」という用語は、本明細書において使用される場合、実質的に均質な抗体の集団から得られる抗体を指し、即ち、該集団を含む個々の抗体は、少量存在し得る可能性のある自然に生じる突然変異を除いては同一である。モノクローナル抗体は、非常に特異的であり、単一の抗原部位に対して作られる。さらに、種々の決定基(エピトープ)に対して作られた種々の抗体を典型的に含む従来のポリクローナル抗体調製物とは対照的に、各モノクローナル抗体は、抗原上の単一の決定基に対して作られる。それらの特性に加えて、モノクローナル抗体は、それらが、ハイブリドーマ培養物によって合成され、他の免疫グロブリンによって汚染されていない点で有利である。修飾語句「モノクローナル」とは、抗体が実質的に均質な集団から得られるという抗体の特徴を示し、任意の特定の方法による抗体の作製を必要とするとは解釈されない。
モノクローナル抗体としては、本明細書において、具体的には、「キメラ」抗体(免疫グロブリン)、ならびに、それらが所望の生物学的活性を示す限り、このような抗体のフラグメントが挙げられる。ここで、重鎖および/または軽鎖の一部は、特定の種に由来するかまたは特定の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体における対応の配列と同一であるかまたはこれらに対して相同であり、一方、鎖の残りの部分は、別の種に由来するかまたは別の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体における対応の配列と同一であるかまたはこれらに対して相同である(米国特許第4,816,567号);Morrison et al., Proc. Natl. Acad Sci., 1984, 81:6851-6855。
モノクローナル抗体のインビトロおよびインビボでの操作の方法は、当業者に周知である。例えば、本発明に従って使用されるモノクローナル抗体は、Kohler and Milstein, Nature, 1975, 256:495によって最初に記載されたハイブリドーマ法によって作製されてもよく、または、例えば米国特許第4,816,567号に記載されるような、組換え法によって作製されてもよい。本発明での使用のためのモノクローナル抗体はまた、Clackson et al., Nature, 1991, 352:624-628ならびにMarks et al., J. Mol Biol., 1991, 222:581-597に記載される技術を使用してファージ抗体ライブラリから単離されてもよい。別の方法は、ヒト特異的でかつ認識可能な配列を含む抗体を作製するために組換え手段によってモノクローナル抗体をヒト化することを含む。概説については、Holmes, et al., J. Immunol., 1997, 158:2192-2201およびVaswani, et al., Annals Allergy, Asthma & Immunol., 1998, 81 :105-115を参照のこと。
抗体フラグメントを作製する方法もまた、当該技術分野において公知である(例えば、Harlow and Lane, Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, New York, (1988)を参照のこと;参照により本明細書に組み入れられる)。抗体フラグメントは、抗体のタンパク質分解性加水分解によって、または該フラグメントをコードするDNAの大腸菌における発現によって、作製することが可能である。抗体フラグメントは、従来法である全抗体のペプシンまたはパパイン消化によって得ることが可能である。例えば、抗体フラグメントを、F(ab')2を意味する5Sフラグメントを提供するペプシンでの抗体の酵素的切断によって作製することができる。このフラグメントを、チオール還元剤、および任意で、ジスルフィド結合の切断から得られるスルフヒドリル基についてのブロッキング基を使用しながら、さらに切断し、3.5S Fab一価のフラグメントを作製することができる。あるいは、ペプシンを使用しての酵素的切断によって、2つの一価のFabフラグメントおよびFcフラグメントが直接作製する。これらの方法は、例えば、米国特許第4,036,945号および同第4,331,647号、ならびにそれらに含まれる参考文献に記載されている。これらの特許は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み入れられる。
抗体を切断する他の方法、例えば、一価の軽−重鎖フラグメントを形成するための重鎖の分離、フラグメントのさらなる切断、または他の酵素的技術、化学的技術、もしくは遺伝子的技術もまた、未変化の抗体によって認識される抗原へ該フラグメントが結合する限り、使用してもよい。例えば、Fvフラグメントは、VH鎖およびVL鎖の会合を含む。この会合は非共有結合的である場合があり、または該可変鎖は、分子間ジスルフィド結合によって結合され得るか、もしくはグルタルアルデヒドなどの化学物質によって架橋され得る。好ましくは、Fvフラグメントは、ペプチドリンカーによって連結されたVH鎖およびVL鎖を含む。これらの一本鎖抗原結合性タンパク質(sFv)は、オリゴヌクレオチドによって連結されたVHおよびVLドメインをコードするDNA配列を含む構造遺伝子を構築することによって作製される。前記構造遺伝子は発現ベクターへ挿入され、これは引き続いて大腸菌などの宿主細胞へ導入される。組換え宿主細胞は、前記2つのVドメインを架橋するリンカーペプチドを有する単一のポリペプチド鎖を合成する。sFvを作製する方法は、例えば、Whitlow, et al., Methods: a Companion to Methods in Enzymology, Vol. 2, page 97 (1991);Bird, et al., Science, 1988, 242:423 426;Ladnerら,米国特許第4,946,778号;およびPack, et al., Bio/Technology, 1993, 11:1271-1277に記載されている。
本発明において使用され得る抗体フラグメントの別の形態は、単一の相補性決定領域(CDR)をコードするペプチドである。CDRペプチド(「最小認識単位」)は、関心対象の抗体のCDRをコードする遺伝子を構築することによって得ることが可能である。このような遺伝子は、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応を使用することによって作製され、抗体産生細胞のRNAから可変領域が合成される。例えば、Larrick, et al., Methods: a Companion to Methods in Enzymology, 1991, Vol. 2, page 106を参照のこと。
非ヒト(例えば、マウス)抗体のヒト形態およびヒト化形態を、本発明のセンサーおよび方法において使用してもよい。このようなヒト化抗体は、非ヒト免疫グロブリン由来の最小配列を含む、キメラ免疫グロブリン、それらの免疫グロブリン鎖またはフラグメント(例えば、抗体のFv、Fab、Fab'、F(ab')2または他の抗原結合配列)である。大部分について、ヒト化抗体は、レシピエントの相補性決定領域(CDR)由来の残基が、所望の特異性、親和性および能力を有するマウス、ラットまたはウサギなどの非ヒト種のCDR由来の残基(ドナー抗体)によって置換されている、ヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。
場合によっては、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク残基が、対応の非ヒト残基によって置換される。さらに、ヒト化抗体は、レシピエント抗体内にも、または取り込まれるCDRもしくはフレームワーク配列内にも見られない残基を含む場合がある。これらの修飾は、抗体性能をさらに改良および最適化するためになされる。一般的に、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全てを含み得る。ここで、全てまたは実質的に全てのCDR領域は、非ヒト免疫グロブリンのCDR領域に対応し、Fv領域の全てまたは実質的に全ては、ヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のFv領域に対応する。ヒト化抗体はまた、最適には、免疫グロブリン定常領域(Fc)、典型的にヒト免疫グロブリンの定常領域の少なくとも一部を含む。さらなる詳細については、Jones et al., Nature, 1986, 321:522-525;Reichmann et al., Nature, 1988, 332:323-329;Presta, Curr. Op. Struct. Biol., 1992, 2:593-596;Holmes, et al., J. Immunol., 1997, 158:2192-2201、およびVaswani et al., Annals Allergy, Asthma & Immunol., 1998, 81:105-115を参照のこと。
アプタマー
アプタマーは、モノマーまたはポリマーにかかわらず、事実上任意の化合物と特異的結合対を形成する能力を有する。SELEX法と呼ばれる、試験管内人工進化法(Systematic Evolution of Ligands by EXponential enrichment)として公知の方法によって、核酸が、タンパク質と変わらない三次元構造多様性を有することが明らかとなった。本発明による所望の標的化合物へ結合するアプタマーの選択についての1つの手順は、SELEXである。SELEXは、標的分子への非常に特異的な結合能力を有する核酸分子のインビトロ進化であり、米国特許第5,475,096号(GoldおよびTuerk);米国特許第5,270,163号(GoldおよびTuerk);およびWO 91/19813(GoldおよびTuerk)に記載されており、これらの各々は、参照により本明細書に具体的に組み入れられる。これらの参考文献は、任意の所望の標的分子に対するアプタマーの作製方法を記載している。
アプタマーは、モノマーまたはポリマーにかかわらず、事実上任意の化合物と特異的結合対を形成する能力を有する。SELEX法と呼ばれる、試験管内人工進化法(Systematic Evolution of Ligands by EXponential enrichment)として公知の方法によって、核酸が、タンパク質と変わらない三次元構造多様性を有することが明らかとなった。本発明による所望の標的化合物へ結合するアプタマーの選択についての1つの手順は、SELEXである。SELEXは、標的分子への非常に特異的な結合能力を有する核酸分子のインビトロ進化であり、米国特許第5,475,096号(GoldおよびTuerk);米国特許第5,270,163号(GoldおよびTuerk);およびWO 91/19813(GoldおよびTuerk)に記載されており、これらの各々は、参照により本明細書に具体的に組み入れられる。これらの参考文献は、任意の所望の標的分子に対するアプタマーの作製方法を記載している。
SELEX法は、核酸が、種々の二次元および三次元構造を形成する十分な能力、ならびに、サイズが大きいかまたは小さいかにかかわらず、事実上任意の化合物とのリガンドとして機能する(特異的な結合対を形成する)、それらの単量体内に利用可能な、十分な化学的多用途性を有するという評価に基づいている。SELEX法は、結合親和性および結合特異性の事実上任意の所望の基準を達成するための、同一の一般的選択テーマを使用した、候補物の混合物からの選択および構造改良の段階的反復を含む。ランダム化された配列のセグメントを好ましくは含む、核酸の混合物から出発して、SELEX法は、結合に好都合な条件下で該混合物と標的とを接触させる工程、標的分子へ結合された核酸から未結合核酸を分離する工程、核酸−標的対を解離させる工程、核酸のリガンド濃縮混合物を得るために該核酸−標的対から解離された核酸を増幅する工程、次いで、結合、分離、解離および増幅工程を望まれるだけ多くのサイクルによって反復するする工程を含む。
SELEX法を、本発明のデバイスおよび方法での使用のためのアプタマーを作製するために使用することができる。SELEX法は、ベントDNA(bent DNA)などの、特定の構造特徴を有する核酸分子の選択を可能にする。使用できる他のSELEX法としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:Counter-SELEXと呼ばれる、非ペプチド性であり得る、密接に関連する分子を識別することができる非常に特異的な核酸リガンドを同定するための方法を記載する、米国特許第5,580,737号(Poliskyら);ならびに、標的分子に対して高いおよび低い親和性を有するオリゴヌクレオチドの非常に効率的な分離を達成するSELEXに基づく方法を記載する、米国特許第5,567,588号(GoldおよびRinguist)。
改善された特徴(例えば、改善されたインビボ安定性または改善された送達特徴)を有するアプタマーを、当業者に公知である技術を使用して調製することができる。例えば、リボースおよび/またはリン酸および/または塩基位置での化学的置換を、インビボでのアプタマー安定性を改善するために行うことができる。アプタマー特徴を改善するためのさらなる技術としては、米国特許第5,660,985号(Piekenら)に記載されるものが挙げられ、これは、5および2'位のピリミジンで化学的に修飾されたヌクレオチド誘導体を含有するオリゴヌクレオチドを記載している。
標識色素は、本発明のデバイスおよび方法において使用されるアプタマーまたは他の結合剤へ結合することが可能である。標識色素は、当業者に公知でかつ容易に利用可能である多くの反応性蛍光分子より選択することが可能である。本発明を実施する際に有用である具体的な標識色素としては、ダンシル、フルオレセイン、8-アニリノ-1-ナフタレンスルホネート、ピレン、エテノアデノシン、エチジウムブロミドプロラビン(prollavine)モノセミカルバジド、p-テルフェニル、2,5-ジフェニル-1,3,4-オキサジアゾール、2,5-ジフェニルオキサゾール、p-ビス[2-(5-フェニルオキサゾリル)]ベンゼン、1,4-ビス-2-(4-メチル-5-フェニルオキサゾリル)ベンゼン、およびランタニドキレートが挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、ピレンが、アプタマーへ結合される。
特定の態様において、酵素、または他の試薬、または試薬の対などの標的分子へのアプタマー結合の構造変化に感受性のある部分が、人工アプタマーへ組み込まれる。このような部分は、転写前または転写後のいずれかにアプタマー中へ組み込むことが可能であり、既知のアプタマー中または所望のアプタマーがそこから選択されるオリゴヌクレオチドのプール中へ、潜在的に導入され得る。標的分子へアプタマーが結合すると、このような部分は活性化され、付随するシグナル(例えば、蛍光色素の場合、蛍光強度、異方性、波長、またはFRETの変化)を発生する。
一態様において、本発明の方法は、結合剤として複数の異なる種類のアプタマーを使用して試料中の2つ以上の異なる標的分子の存在(または不在)を同時に検出するための方法である。ここで、各種のアプタマーは、以下を有する:異なる部分または異なる標識色素基、特異的な非核酸標的分子へ結合する結合領域、ここで、異なるアプタマーの結合領域は異なる標的分子へ結合する;およびアプタマーへ結合された標的分子の存在を検出する検出システム。該検出システムは、異なる部分または異なる標識色素基を検出することができる。
本方法はまた、複数の同一のアプタマーを用いて行うことが可能である。例えば、各アプタマーは、標的結合時に、蛍光特性を変化させる部分を含み得る。各種のアプタマーを、複数の標的分子の同時検出を可能にするために異なる蛍光色素で標識することができ、例えば、1種はフルオレセインで、別のものはローダミンで標識してもよい。蛍光励起波長(またはスペクトル)は変化させることができ、かつ/または放射スペクトルを観察し、複数の標的の存在を同時に検出することができる。
分子結合パートナーまたは特異的結合パートナー(即ち、結合剤および対応の標的分子)が存在し、その結果、結合剤がその結合パートナー(標的分子)の存在下において物性の検出可能な変化を受ける限り、抗体またはアプタマー以外の結合剤も利用してもよい。分子結合パートナーとしては、例えば、受容体およびリガンド、抗体および抗原、ビオチンおよびアビジン、ならびにビオチンおよびストレプトアビジンが挙げられる。従って、結合剤および標的分子は、抗体−抗原、酵素−阻害剤、核酸またはオリゴヌクレオチドの相補鎖、受容体−ホルモン、受容体−エフェクター、酵素−基質、酵素−補因子、糖タンパク質−糖質、結合性タンパク質−基質、抗体−ハプテン、タンパク質−リガンド、タンパク質−核酸、タンパク質−小分子、タンパク質−イオン、細胞−細胞に対する抗体、小分子−小分子に対する抗体、金属イオンに対するキレート化剤、ならびに関連する空気感染の病原体受容体に対する空気感染の病原体からなる群より選択される結合対を一緒に形成し得る。
定義
「分析物」および「標的分子」という用語は、検出されることが望まれる試料の任意の成分(分子種)、または検出もしくは測定されるその影響もしくは相互作用を指すために本明細書において交換可能に使用される。標的分子は、対応する結合剤(その分子結合パートナー)が同定され得る任意の物質、例えば、ポリペプチド、非ペプチド小分子、または生物学的薬剤であり得、有機化合物または無機化合物を含む、多数の化学種を包含し得る。標的分子は、遺伝物質、タンパク質、脂質、糖質、小分子などの物質、前述のものの任意の2つ以上の組み合わせ、または他の組成物であり得る。ある態様において、標的分子は、細菌、真菌、またはウイルス感染症と関連する(例えば、抗原)。標的分子は、天然または合成のものであり得、単一の物質または混合物であり得る。標的分子は、例えば、抗体、ペプチド模倣物、アミノ酸、アミノ酸類似体、ポリヌクレオチド、ポリヌクレオチド類似体、ヌクレオチド、ヌクレオチド類似体、または他の小分子であり得るかまたはこれらを含み得る。標的ポリヌクレオチドはポリペプチドをコードすることができ、または標的ポリヌクレオチドは、低分子干渉RNA(siRNA)、アンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム、または遺伝子発現のサイレンシングのために内因性もしくは外因性の遺伝子を標的化する他のポリヌクレオチドであってもよい。
「分析物」および「標的分子」という用語は、検出されることが望まれる試料の任意の成分(分子種)、または検出もしくは測定されるその影響もしくは相互作用を指すために本明細書において交換可能に使用される。標的分子は、対応する結合剤(その分子結合パートナー)が同定され得る任意の物質、例えば、ポリペプチド、非ペプチド小分子、または生物学的薬剤であり得、有機化合物または無機化合物を含む、多数の化学種を包含し得る。標的分子は、遺伝物質、タンパク質、脂質、糖質、小分子などの物質、前述のものの任意の2つ以上の組み合わせ、または他の組成物であり得る。ある態様において、標的分子は、細菌、真菌、またはウイルス感染症と関連する(例えば、抗原)。標的分子は、天然または合成のものであり得、単一の物質または混合物であり得る。標的分子は、例えば、抗体、ペプチド模倣物、アミノ酸、アミノ酸類似体、ポリヌクレオチド、ポリヌクレオチド類似体、ヌクレオチド、ヌクレオチド類似体、または他の小分子であり得るかまたはこれらを含み得る。標的ポリヌクレオチドはポリペプチドをコードすることができ、または標的ポリヌクレオチドは、低分子干渉RNA(siRNA)、アンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム、または遺伝子発現のサイレンシングのために内因性もしくは外因性の遺伝子を標的化する他のポリヌクレオチドであってもよい。
結合剤および標的分子は、結合対、例えば、抗体−抗原、酵素−阻害剤、核酸またはオリゴヌクレオチドの相補鎖、受容体−ホルモン、受容体−エフェクター、酵素−基質、酵素−補因子、糖タンパク質−糖質、結合性タンパク質−基質、抗体−ハプテン、タンパク質−リガンド、タンパク質−核酸、タンパク質−小分子、タンパク質−イオン、細胞−細胞に対する抗体、小分子−小分子に対する抗体、金属イオンに対するキレート化剤、ならびに関連する空気感染の病原体受容体に対する空気感染の病原体(例えば、空気感染の細菌、真菌、またはウイルス抗原)からなる群より選択されるものを一緒に形成し得る。
同様に、ある態様において、2つ以上の標的分析物は、分子的に競合的な関係(例えば、同一の受容体についての競合)を有することができ、または、結合対、例えば、抗体−抗原、酵素−阻害剤、核酸もしくはオリゴヌクレオチドの相補鎖、受容体−ホルモン、受容体−エフェクター、酵素−基質、酵素−補因子、糖タンパク質−糖質、結合性タンパク質−基質、抗体−ハプテン、タンパク質−リガンド、タンパク質−核酸、タンパク質−小分子、タンパク質−イオン、細胞−細胞に対する抗体、小分子−小分子に対する抗体、金属イオンに対するキレート化剤、ならびに関連する空気感染の病原体受容体に対する空気感染の病原体からなる群より選択されるものであり得る。
標的分子は、状態(例えば、薬物乱用)、疾患状態(例えば、感染症)、障害(例えば、神経障害、炎症性障害、もしくは代謝障害)、または患者において生じる正常または病的なプロセス(例えば、薬物代謝)のマーカーである、天然および/または合成化合物を指す、「バイオマーカー」であり得る。本発明のデバイスおよび方法を使用して検出され得るバイオマーカーとしては、体液中に一般的に見られる以下の代謝産物または化合物が挙げられるが、これらに限定されない:アセトアルデヒド(供給源:エタノール;診断:中毒)、アセトン(供給源:アセトアセテート;診断:食事またはケトン体生成の/糖尿病)、アンモニア(供給源:アミノ酸の脱アミノ化;診断:尿毒症および肝疾患)、CO(一酸化炭素)(供給源:CH2Cl2、上昇したCOHb%;診断:室内空気汚染);クロロホルム(供給源:ハロゲン化化合物)、ジクロロベンゼン(供給源:ハロゲン化化合物)、ジエチルアミン(供給源:コリン;診断:腸内細菌異常増殖);H(水素)(供給源:腸;診断:乳糖不耐症)、イソプレン(供給源:脂肪酸;診断;代謝ストレス)、メタンチオール(供給源:メチオニン;診断:腸内細菌異常増殖)、メチルエチルケトン(供給源:脂肪酸;診断:室内空気汚染/食事)、O-トルイジン(供給源:癌腫代謝産物;診断:気管支原性癌)、ペンタンスルフィドおよびスルフィド(供給源:脂質の過酸化;診断:心筋梗塞)、H2S(供給源:代謝;診断:歯周病/排卵)、MeS(供給源:代謝;診断:肝硬変)、Me2S(供給源:感染症;診断:塹壕口内炎)、αII-スペクトリン分解産物および/またはイソプロスタン(供給源:脳脊髄液、血液;診断:外傷性または他の脳損傷);前立腺特異抗原(供給源:前立腺細胞;診断:前立腺癌);およびGLXA(供給源:クラミジア中の糖脂質;診断:クラミジア)。
本発明のデバイスおよび方法を使用して検出され得るさらなるバイオマーカーとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:乱用薬物を含む、不法物質、違法物質、および/または規制物質(例えば、アンフェタミン、鎮痛薬、バルビツレート、クラブドラッグ、コカイン、クラックコカイン、抑制薬、デザイナードラッグ、エクスタシー、γヒドロキシ酪酸--GHB、幻覚薬、ヘロイン/モルヒネ、吸入剤、ケタミン、リセルグ酸ジエチルアミド--LSD、マリファナ、メタンフェタミン、アヘン剤/麻薬、フェンシクリジン--PCP、処方薬、催幻覚薬、ロヒプノール、ステロイド、および刺激薬);アレルゲン(例えば、花粉、カビ、胞子、鱗屑、落花生、卵、および甲殻類);毒素(例えば、水銀、鉛、他の重金属、およびクロストリジウム・ディフィシレ毒素);発癌物質(例えば、アセトアルデヒド、ベリリウム化合物、クロム、ジクロロジフェニルトリクロロエタン(DDT)、エストロゲン、N-メチル-N'-ニトロ-N-ニトロソグアニジン(MNNG)、およびラドン);ならびに感染因子(例えば、気管支敗血症菌(Bordettella bronchiseptica)、シトロバクター、大腸菌(Escherichi coli)、肝炎ウイルス、ヘルペス、免疫不全ウイルス、インフルエンザウイルス、リステリア、ミクロコッカス、ミコバクテリウム、狂犬病ウイルス、ライノウイルス、風疹ウイルス、サルモネラ、および黄熱ウイルス)。
「媒体」または媒体の「試料」は、任意の物理的状態(例えば、固体、液体、半固体、蒸気)かつ任意の複雑性である、関心対象の物質の任意の組成物であり得る。媒体は、本発明のデバイスまたは方法によって分析され得る標的分子を含有すると合理的に疑われる任意の組成物であり得る。典型的に、媒体は、水溶液または生物学的流体である。試料は、ヒト、動物、または人工試料を含み得る。試料は、生物学的試料(例えば、体液、他の生物学的流体、または植物もしくは種子材料)あるいは環境試料(例えば、水、土、泥)であり得る。好ましくは、試料は、流体、例えば体液である。試料は、試験管、培養容器、発酵槽、マルチウェルプレート、または任意の他の容器または支持基体内に含有され得る。試料は、例えば、細胞培養物、ヒトまたは動物組織であり得る。毛髪、皮膚および爪垢、肉抽出物、果実の皮、および木の実などの細胞組織の流体ホモジネートは、本発明による検出のための標的分子を含有し得る生物学的流体である。
媒体の、または媒体の試料の、「複雑性」とは、媒体または試料中に存在する異なる分子種の数を指す。
「体液(body fluid)」および「体液(bodily fluid)」という用語は、本明細書において使用される場合、ヒトまたは動物被験体から得られる分子の混合物を指す。体液としては、呼気、全血、血漿、尿、涙、精液、唾液、痰、鼻分泌物、咽頭滲出物、気管支肺胞洗浄物、気管吸引物、間質液、リンパ液、髄膜液、羊水、腺液、痰、糞便、汗、粘液、膣または尿道分泌物、脳脊髄液、経皮滲出物、および創傷流体が挙げられるが、これらに限定されない。体液としてはまた、糞便、組織、および生検試料などの、ホモジナイズされた固形物を含有する前述の溶液または混合物の全ての実験的に分離された画分が挙げられる。
「エクスビボ」という用語は、本明細書において使用される場合、被験体の外の環境を指す。従って、被験体から回収された体液の試料は、本発明によって考えられる場合、体液のエクスビボ試料である。本発明の留置態様は、インビボで試料を得る。
「患者」または「被験体」とは、本明細書において使用される場合、本発明に従って複数の標的分子の相対レベルを測定するためにそこから生物学的試料が回収(インビトロ)または接触(インビボ)され得る、哺乳動物を含む、生物を指す。本発明の診断デバイスおよび方法から恩恵を受ける哺乳動物種としては、ヒト、類人猿、チンパンジー、オランウータン、サル;ならびに家畜(例えば、ペット)、例えば、イヌ、ネコ、マウス、ラット、モルモット、およびハムスターが挙げられるが、これらに限定されない。
「分子結合パートナー」および「特異的結合パートナー」という用語は、分子の対、典型的に、互いに対して特異的結合を示す分子の対を指す。分子結合パートナーとしては、抗体−抗原、酵素−阻害剤、核酸またはオリゴヌクレオチドの相補鎖、受容体−ホルモン、受容体−エフェクター、酵素−基質、酵素−補因子、糖タンパク質−糖質、結合性タンパク質−基質、抗体−ハプテン、タンパク質−リガンド、タンパク質−核酸、タンパク質−小分子、タンパク質−イオン、細胞−細胞に対する抗体、小分子−小分子に対する抗体、金属イオンに対するキレート化剤、ならびに関連する空気感染の病原体受容体に対する空気感染の病原体が挙げられるが、これらに限定されない。
「モニタリングすること」とは、連続的に変化するパラメータにおける変化を記録することを指す。
「固体支持体」は、組織化マトリクス、例えばマイクロタイタートレイとして好ましくは機能する、固定化された組織的支持体マトリクスを有する。固体支持体材料としては、セルロース、多糖類、例えばSephadex、ガラス、ポリアクリロイルモルホリド、シリカ、コントロールドポアガラス(CPG)、ポリスチレン、ポリスチレン/ラテックス、超高分子量ポリエチレン(UPE)などのポリエチレン、ポリアミド、ポリフッ化ビニリジン(polyvinylidine fluoride)(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE;TEFLON)、カルボキシル修飾テフロン、ナイロン、ニトロセルロース、ならびに金属および合金、例えば、金、白金およびパラジウムなどが挙げられるが、これらに限定されない。固体支持体は、生物学的、非生物学的、有機、無機、またはこれらの任意の組み合わせであり得、特定の適用に応じて、粒子、ストランド、沈殿物、ゲル、シート、パッド、カード、ストリップ、ディップスティック、チューブ、球体、容器、キャピラリー、パッド、スライス、膜、プレート、スライドなどとして存在する。好ましくは、固体支持体は、形状が平面である。他の好適な固体支持体材料は、当業者に容易に明らかである。固体支持体は、バッキング(例えば、ポリスチレンまたはポリエステルカードバッキング)を備えるかまたは備えない、膜、例えば、Millipore Corp. (Bedford, MA)製のもの、例えば、HI-FLOW Plusメンブレンカードであり得る。固体支持体の表面は、核酸、タンパク質などの結合のための、反応基、例えば、カルボキシル、アミノ、ヒドロキシル、チオールなどを含有してもよい。固体支持体上の表面は、時には、しかし常にではなく、支持体と同一の材料から構成される。従って、表面は、多種多様の材料、例えば、ポリマー、プラスチック、樹脂、多糖類、シリカもしくはシリカ系材料、炭素、金属、無機ガラス、膜の任意のもの、または上述の支持体材料(例えば、層もしくはコーティングとして)の任意のものから構成され得る。
「コード配列」とは、mRNAへ転写されるおよび/またはポリペプチドへ翻訳されるポリヌクレオチド配列である。例えば、コード配列は、関心対象のポリペプチドをコードし得る。コード配列の境界は、5’末端での翻訳開始コドンおよび3’末端での翻訳終止コドンによって決定される。コード配列としては、mRNA、cDNA、および組換えポリヌクレオチド配列が挙げられ得るが、これらに限定されない。
本明細書において使用される場合、「ポリペプチド」という用語は、任意の数のアミノ酸を含む任意のポリマーを指し、「タンパク質」、「遺伝子産物」、および「ペプチド」と交換可能である。
本明細書において使用される場合、「ヌクレオシド」という用語は、リボースまたはデオキシリボース糖へ共有結合されたプリンまたはピリミジン塩基を有する分子を指す。例示的なヌクレオシドとしては、アデノシン、グアノシン、シチジン、ウリジンおよびチミジンが挙げられる。
「ヌクレオチド」という用語は、糖部分へエステル結合で連結された1つまたは複数のリン酸基を有するヌクレオシドを指す。例示的なヌクレオチドとしては、ヌクレオシド一リン酸、二リン酸および三リン酸が挙げられる。
「ポリヌクレオチド」、「核酸分子」、および「ヌクレオチド分子」という用語は、本明細書において交換可能に使用され、5'および3'炭素原子間のホスホジエステル結合によって一緒に連結されたヌクレオチドのポリマーを指す。ポリヌクレオチドは、ポリペプチドをコードすることができ(発現されるか発現されないかにかかわらず)、または、例えば、低分子干渉RNA(siRNA)、アンチセンス核酸(アンチセンスオリゴヌクレオチド)、アプタマー、リボザイム(触媒性RNA)、もしくは三重鎖形成性オリゴヌクレオチド(即ち、アンチジーン)であり得る。
本明細書において使用される場合、「RNA」または「RNA分子」または「リボ核酸分子」という用語は、一般的にリボヌクレオチドのポリマーを指す。「DNA」または「DNA分子」または「デオキシリボ核酸分子」という用語は、一般的にデオキシリボヌクレオチドのポリマーを指す。DNAおよびRNA分子は、天然に(例えば、それぞれ、DNA複製またはDNAの転写によって)合成され得る。RNA分子は、転写後に修飾され得る。DNAおよびRNA分子はまた、化学的に合成され得る。DNAおよびRNA分子は、一本鎖(即ち、それぞれ、ssRNAおよびssDNA)または複数鎖(例えば、二本鎖、即ち、それぞれ、dsRNAおよびdsDNA)であり得る。しかし、本発明の性質に基づくと、「RNA」または「RNA分子」または「リボ核酸分子」という用語はまた、主に(即ち、80%を超える、または好ましくは90%を超える)リボヌクレオチドを含むが任意で少なくとも1つの非リボヌクレオチド分子、例えば、少なくとも1つのデオキシリボヌクレオチドおよび/または少なくとも1つのヌクレオチド類似体を含むポリマーを指し得る。
本明細書において使用される場合、本明細書において改変ヌクレオチド/核酸または修飾ヌクレオチド/核酸とも呼ばれる、「ヌクレオチド類似体」または「核酸類似体」という用語は、非天然のリボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドを含む、非標準のヌクレオチドを指す。好ましいヌクレオチド類似体は、ヌクレオチドの特定の化学的性質を改変するが、その意図される機能を行うヌクレオチド類似体の能力を保持するように、任意の位置で修飾されている。例えば、固定化核酸(LNA)は、相補DNAおよびRNAに対して非常に高い親和性および優れた特異性を有するヌクレオチド類似体のクラスである。LNAオリゴヌクレオチドは、インビトロおよびインビボの両方においてアンチセンス分子として適用された(Jepsen J.S. et al, Oligonucleotides, 2004, 14(2):130-146)。
本明細書において使用される場合、「RNA類似体」という用語は、対応する未改変または未修飾RNAと比べて少なくとも1つの改変または修飾ヌクレオチド有するが、対応する未改変または未修飾RNAと同一または類似の性質または機能を保持するポリヌクレオチド(例えば、化学的に合成されたポリヌクレオチド)を指す。上記で議論したように、オリゴヌクレオチドは、ホスホジエステル結合を有するRNA分子と比べてより低い加水分解率のRNA類似体を生じさせる結合で連結され得る。例示的なRNA類似体は、糖および/または骨格修飾されたリボヌクレオチドおよび/またはデオキシリボヌクレオチドを含む。このような改変または修飾としては、さらに、例えばRNAの末端へのまたは内部への(RNAの1つまたは複数のヌクレオチドでの)非ヌクレオチド物質の付加を挙げることができる。
「含む」、「からなる」、および「から本質的になる」という用語は、それらの標準的な意味に従って定義される。前記用語は、各用語と関連する特定の意味を加えるために、本出願にわたって互いに置き換えられてもよい。
「単離された」または「生物学的に純粋な」という用語は、それがそのネイティブな状態で見られるようなその物質に通常伴う成分を、実質的にまたは本質的に含まない物質を指す。
本明細書において使用される場合、単数形態「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈において特に明記されない限り、複数の参照を含む。従って、例えば、「微生物(a microorganism)」への参照は、2つ以上のこのような微生物を含む。「分子(a molecule)」への参照は、2つ以上分子を含むなどである。
本発明の実施には、特に記載されない限り、当該技術分野の技術内にある、分子生物学、微生物学、組換えDNA技術、電気生理学、および薬理学の従来の技術を使用することができる。このような技術は、文献に完全に説明されている(例えば、Sambrook, Fritsch & Maniatis, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Second Edition (1989);DNA Cloning, Vols. I and II (D. N. Glover Ed. 1985);Perbal, B., A Practical Guide to Molecular Cloning (1984); the series, Methods In Enzymology (S. Colowick and N. Kaplan Eds., Academic Press, Inc.);Transcription and Translation (Hames et al. Eds. 1984);Gene Transfer Vectors For Mammalian Cells (J. H. Miller et al. Eds. (1987) Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, N. Y.);Scopes, Protein Purification: Principles and Practice (2nd ed., Springer-Verlag);およびPCR: A Practical Approach (McPherson et al. Eds. (1991) IRL Press)を参照のこと);これらの各々は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み入れられる。
以下は、本発明を実施するための材料、方法、および手順を示す実施例である。実施例は、例示的であり、限定的であると解釈されない。
実施例1−創傷流体の評価のための高濃度の蛍光色素を含有するナノ粒子へ結合された診断抗体
創傷流体を吸収する数分間、慢性創傷中に置くことができるテストストリップを作製するための、最近開発された高光収率ナノ粒子技術を用いてのDMAアプタマー技術によって、オペレーター(例えば、臨床医)が、十分または不十分な創傷治癒を診断する重要な分子の相対レベルを視覚的に評価することが可能である。図4Aに示されるように、基本的なテストストリップ設計は、側方流動ストリップ(LFS)技術を使用し、これは、多数の他の迅速なストリップアッセイシステム、例えば、hCGに対する抗体に基づく店頭販売の妊娠初期検査ストリップに適用されてきた。一般的な手引き書が、LFSを開発するために入手可能であり、MilliporeおよびPallなどのフィルターまたは膜会社製の製品を使用することに基づく。テストストリップは、2つの標的分子に特異的であるモノクローナル抗体およびポリクローナル抗体を使用する。第2の方法は、抗体と比べてのアプタマーの利点を利用するDNAアプタマー化学を利用する。前記ストリップ設計の別の独特な特性は、同一のストリップ上において2つの抗体またはアプタマー、標的分子を検出するための1つの抗体またはアプタマーと、アルブミンなどの創傷流体の一定の成分である分子を検出するための第2の抗体またはアプタマーとを組み合わせることである。前記2つの抗体またはアプタマーは、異なる色のナノ粒子へ結合され、これらは、創傷流体中の標的分子と一定の分子との比率に応じてある範囲の色(紫色の色調を伴う赤色から青色)を発する。
創傷流体を吸収する数分間、慢性創傷中に置くことができるテストストリップを作製するための、最近開発された高光収率ナノ粒子技術を用いてのDMAアプタマー技術によって、オペレーター(例えば、臨床医)が、十分または不十分な創傷治癒を診断する重要な分子の相対レベルを視覚的に評価することが可能である。図4Aに示されるように、基本的なテストストリップ設計は、側方流動ストリップ(LFS)技術を使用し、これは、多数の他の迅速なストリップアッセイシステム、例えば、hCGに対する抗体に基づく店頭販売の妊娠初期検査ストリップに適用されてきた。一般的な手引き書が、LFSを開発するために入手可能であり、MilliporeおよびPallなどのフィルターまたは膜会社製の製品を使用することに基づく。テストストリップは、2つの標的分子に特異的であるモノクローナル抗体およびポリクローナル抗体を使用する。第2の方法は、抗体と比べてのアプタマーの利点を利用するDNAアプタマー化学を利用する。前記ストリップ設計の別の独特な特性は、同一のストリップ上において2つの抗体またはアプタマー、標的分子を検出するための1つの抗体またはアプタマーと、アルブミンなどの創傷流体の一定の成分である分子を検出するための第2の抗体またはアプタマーとを組み合わせることである。前記2つの抗体またはアプタマーは、異なる色のナノ粒子へ結合され、これらは、創傷流体中の標的分子と一定の分子との比率に応じてある範囲の色(紫色の色調を伴う赤色から青色)を発する。
図4Aに示されるように、創傷流体の試料を、試料パッド(最も左)上に配置し、溶媒前部が右へ移動するにつれ、それは、2つの異なるナノ粒子(例えば、赤色および青色ドット)で標識された、標的分子に対する高濃度の遊離モノクローナル抗体(またはDNAアプタマー)を有する領域(結合領域)にわたって、創傷流体を運ぶ。これらの成分の全て(モノクローナル抗体−抗原複合体および過剰の結合されていないモノクローナル抗体を含む)が、2つの標的分子に対するポリクローナル抗体の固定化された1:1混合物である「捕捉領域」上へと右へ流動する。ナノ粒子は、前記2つの標的分子の濃度に比例してこの領域に固定され、色の色調が、その比率を測定するために読み取られ得る。右への溶媒前部のさらなる移動は、図のより下方の部分に示される最終的な発色ストリップへ至る。「対照領域」と呼ばれる最後の捕捉領域は、関心対象の分子のうちの1つを標識するために使用されるモノクローナル抗体(例えば、ヤギ抗マウスIgG)のタイプに特異的な固定化ポリクローナル抗体を含有し、活性材料(モノクローナル抗体)が全距離運ばれたことを示すための陽性対照として役割を果たす。
実施例2−創傷流体中の診断タンパク質に特異的な抗体を有する側方流動ストリップ
簡単に言うと、図4Aに示されるように、標的MMP-9(「M」)に対するモノクローナルAbを、結合パッド上に配置する(しかし固定化しない)。これは、赤色色素液滴が結合されている、結合された高感度のナノスフェアを有する。創傷流体の試料を多孔質膜上の試料パッド位置上に配置すると、それは、毛細管力下で結合パッドへ移動し、そこに存在する大過剰からAbを拾い上げる。溶媒前部は、それが、「捕捉ライン」上のマーカーストリップとして固定化されている、Mに対するポリクローナルAbに達するまで移動し続ける。第1モノクローナル抗体によってカバーされないエピトープは、固定化されたポリクローナルAbによって検出および結合され、溶媒前部が通過するにつれて色素/ナノスフェアマークを後に残す。Mの分子が存在するよりも多くの固定化された部位が存在する限り、このマークは、創傷流体中のMの濃度に比例する。
簡単に言うと、図4Aに示されるように、標的MMP-9(「M」)に対するモノクローナルAbを、結合パッド上に配置する(しかし固定化しない)。これは、赤色色素液滴が結合されている、結合された高感度のナノスフェアを有する。創傷流体の試料を多孔質膜上の試料パッド位置上に配置すると、それは、毛細管力下で結合パッドへ移動し、そこに存在する大過剰からAbを拾い上げる。溶媒前部は、それが、「捕捉ライン」上のマーカーストリップとして固定化されている、Mに対するポリクローナルAbに達するまで移動し続ける。第1モノクローナル抗体によってカバーされないエピトープは、固定化されたポリクローナルAbによって検出および結合され、溶媒前部が通過するにつれて色素/ナノスフェアマークを後に残す。Mの分子が存在するよりも多くの固定化された部位が存在する限り、このマークは、創傷流体中のMの濃度に比例する。
抗体の極度の選択性のために、MMP-9およびTIMP-1についての異なる色のナノスフェアを有する2つのモノクローナル抗体の混合物、例えば、MMP-9について赤色、TIMP-1について青色、を作製することが可能である。これらの標的抗原は両方とも、大きなタンパク質(>50,000 D)であり、1分子当たり複数のエピトープを有する。何故ならば、典型的なエピトープは約7〜10アミノ酸長であるためである。ナノスフェアの比率は、最終的に捕捉ラインで固定化され、MMP-9/TIMP-1の比率を示す。即ち、一方または他方に富む場合、色は赤色または青色(図5に示す)を示す。これは、創傷治癒を予測するために必要とされる比率の読み出しを提供する(Ladwig, G.P. et al. Wound Repair Regen, 2002, 10:26-37)。
実施例3−側方流動クロマトグラフィーストリップまたは他の診断デバイスのための一貫した試料回収
試料化された流体中の絶対的なタンパク質レベルも相対的なタンパク質レベルも、化学状態を伝えるに十分な情報を与えない。何故ならば、動態を駆動するのは濃度であるためである。そのために、本発明者らは、試料間で同一の体積(既知の許容差を有する)を一貫して得るための試料回収デバイスを設計した。正確な体積情報を用いて、絶対または相対タンパク質レベルは、正確に解釈され得る(即ち、体積100μl中のタンパク質1μmolは、体積1 ml中のタンパク質1μmolと同一の状況ではない)。
試料化された流体中の絶対的なタンパク質レベルも相対的なタンパク質レベルも、化学状態を伝えるに十分な情報を与えない。何故ならば、動態を駆動するのは濃度であるためである。そのために、本発明者らは、試料間で同一の体積(既知の許容差を有する)を一貫して得るための試料回収デバイスを設計した。正確な体積情報を用いて、絶対または相対タンパク質レベルは、正確に解釈され得る(即ち、体積100μl中のタンパク質1μmolは、体積1 ml中のタンパク質1μmolと同一の状況ではない)。
試料回収デバイスは、浸潤インジケーターおよび半硬質で、透明な材料が裏打ちされた、任意の作用形状の吸収材(例えば、パッド)を含む。側方流動クロマトグラフィーにおいて現在使用されている吸収材は、試料間での評価可能な誤差を提供し得る既知の許容差を有する、工作されたベッド体積(吸い上げられる流体によって占められ得る合計の「空の」体積)を有する。これらの評価可能なインプット誤差(デルタ)は、タンパク質濃度測定における評価可能なアウトプット誤差(イプシロン)を許容し得る(即ち、タンパク質の濃度は、(X+/-イプシロンである)。
図7は、本発明の試料回収デバイスの一態様の側面図を示す。図8A〜8Cは、乾燥した(図8A);不透明から半透明へのシフトを伴う、浸潤された(図8B);カラーシフトを伴う、浸潤された(図8C)、本発明の試料回収デバイスの上面図を示す。
前記インジケーターは、例えば、1つの色から別のものへの、または不透明から半透明への、浸潤に基づく色素産生性シフトを受ける物質である。透明な半硬質バッキングは、センサーおよび吸収性非吸着性パッドから張り出すことで取り扱いが可能となり、収容デバイスへの組み立てについての接点を提供する。試料回収デバイスは、適用に好適な緩衝液によって駆動され得る。任意で、本発明の診断デバイスは、本発明の試料回収デバイスを使用し得る。図6は、吸い上げ領域と結合領域との間に挟まれた、試料受容領域に配置された、本発明の試料回収デバイスを受容する本発明の診断デバイスの一態様の側面図を示す。
実施例4−プロテアーゼ活性測定デバイスのための標準品
1局面において、本発明は、トランスデューサー(または、センサー)を提供する。センサーは、センサーを変化させるインプットを取り、その変化はアウトプットと考えられる。センサーは、一貫していなければならず、即ち、それは、所定のインプットについて同一のアウトプットを有さなければならない。さらに、センサーのアウトプットは、そのインプットに比例するべきである。最後に、センサーは、意図的ではないインプットの影響を受けやすいため、等価のインプットのアウトプット間に予想される相違、即ち誤差が存在する。誤差は、予測可能であり、システムに許容可能な範囲内にあるだろう(適用に非常に依存性)。
1局面において、本発明は、トランスデューサー(または、センサー)を提供する。センサーは、センサーを変化させるインプットを取り、その変化はアウトプットと考えられる。センサーは、一貫していなければならず、即ち、それは、所定のインプットについて同一のアウトプットを有さなければならない。さらに、センサーのアウトプットは、そのインプットに比例するべきである。最後に、センサーは、意図的ではないインプットの影響を受けやすいため、等価のインプットのアウトプット間に予想される相違、即ち誤差が存在する。誤差は、予測可能であり、システムに許容可能な範囲内にあるだろう(適用に非常に依存性)。
新規のデバイスは、それが正確にかつ繰り返し試料のプロテアーゼ活性を確認できることを実証するために、比較される標準物質を必要とする。プロテアーゼを研究する研究室において現在使用されているいくつかのクラスのアッセイが存在し、それらを、2つのクラスの試験へ分類することができ、それらは、プロテアーゼの存在を測定するか、プロテアーゼ活性を測定するかのいずれかである。好ましい態様において、本発明のアッセイは後者のものであり、何故ならば、それは、ペプチドの酵素分解を目に見える比色シグナルへ変換するためである。
類似しておりかつ定量的に正確であるアッセイ法は、FRETクエンチされる蛍光性ペプチドの切断である(Matayoshi, E.D. et al. Science, 247 (February 1990):954-958)。ペプチドは、約7アミノ酸長であり、蛍光色素およびクエンチャー色素の両方を有し、これは、それらの接近に起因して、フルオロフォアのエネルギーを「盗み」、従って、励起光源での照明時に検出可能なシグナルを妨げる。いったんペプチドが切断されると、2つのフラグメントは、フルオロフォアが蛍光を発することが可能なように十分に遠くに離れて拡散し得る。光子シグナルの強度(即ち、光の輝度)は、切断された基質の量に直接的に比例し、標準的な光子計数装置(蛍光光度計、CCDなど)の使用によって定量化され得る。
許容可能な誤差についてのマージンの幅は、このデバイスがどのように使用されるかに完全に依存する。インジケーターとしてまたは診断機(diagnostic)としての、デバイスが使用される2つの様式が現在存在する。いずれの場合においても、標準検査がリファレンスとして必要とされる。
インジケーターの全般的な概念は、それが、文脈のない情報、判断を欠く単純な測定を提供することである。インジケーターとなるべきアッセイの場合、インジケーターは、適用(即ち、創傷治癒)に関係なく、プロテアーゼ活性のレベルを示さなければならない。これを達成するために、デバイスは、上述のセンサーのように機能し、かつ、提供される任意の試料中に存在するプロテアーゼ活性を示すことができる必要がある。プロテアーゼ活性の範囲(例えば、0 mg/ml〜10 mg/ml当量)は、設計制約として選択されなければならない。この検査が完了すると、それを使用する個人は、ある誤差範囲内で測定された試料中のプロテアーゼの量を示す数を有する。数のみが与えられ、主治医または他の責任ある個人は、その数が意味したことの判断を提供する。
アッセイ法では、一貫した誤差を伴ってプロテアーゼ活性が繰り返し測定されなければならない。FRETに基づくアッセイ法は、デバイスが、任意の所定の試料について同一のMMP活性を報告しているかどうかを決定するために使用され得る。例えば、反応緩衝液中の未知量の組換えMMP-9を取ること、それを2つに分けること、および両方のアッセイをそれへ曝露すること。さらに、別の反応において、FRETアッセイは、内部標準(タイムコントロール)として既知量の組換えMMP-9を用いて実行され得る。アッセイが10分間実行された後、デバイスは、肉眼によって読み取られ、作製された視覚標準と比較され、FRETアッセイは、プレートリーダーにおいて読み取られる。内部対照は、蛍光をMMP-9比率へ誘導するために使用され、次いでこれは、未知のFRET反応におけるMMP-9の量を確認するために使用され得る。次いで、結果が、比較され、誤差が計算され得る。
または、デバイスにおいて使用されるフルオロフォアおよび色素についての消光係数を使用して、クエンチされていないフルオロフォア(FRET)または切断された/可溶性ペプチド(デバイス)の量を、標準的な分光測光を使用して測定および比較することができる。
診断機
診断機は、他方で、インジケーターを判断と一対にし;それは、プログラムのようなものである。デバイスがバイナリー(正常または問題のある、低いまたは高いプロテアーゼ)であることを要求することによって、インジケーター(プロテアーゼ活性->色)は、判断(低いまたは高い)と一対にされる。いくらかの臨床結果への参照は、転移点(どんなプロテアーゼレベルが明確な「良い」から飽和された「悪い」となるか)を設定する。創傷治癒について、閾値は、創傷閉鎖速度によって決定されるように、例えば、良い、中間、または悪い薬(healer)であり得、これは、(本質的に)MMP-9活性レベル(MMP-9:TIMP-1比、即ち、酵素と阻害剤との比)と相関する(Ladwig, G.P. et al. Wound Repair and Regeneration, 10 (2002):26-37)。
診断機は、他方で、インジケーターを判断と一対にし;それは、プログラムのようなものである。デバイスがバイナリー(正常または問題のある、低いまたは高いプロテアーゼ)であることを要求することによって、インジケーター(プロテアーゼ活性->色)は、判断(低いまたは高い)と一対にされる。いくらかの臨床結果への参照は、転移点(どんなプロテアーゼレベルが明確な「良い」から飽和された「悪い」となるか)を設定する。創傷治癒について、閾値は、創傷閉鎖速度によって決定されるように、例えば、良い、中間、または悪い薬(healer)であり得、これは、(本質的に)MMP-9活性レベル(MMP-9:TIMP-1比、即ち、酵素と阻害剤との比)と相関する(Ladwig, G.P. et al. Wound Repair and Regeneration, 10 (2002):26-37)。
標準的なアッセイが、創傷流体を分析して誘引閾値を決定するために診断機において使用され得る。
実施例5−QXL(商標)610色素で標識された2つの固定化されたMMP基質の動態評価
導入
QXL(商標)610結合基質を、視覚的に分光測光法によってタンパク質分解切断および色の発生について分析した。分光測光法のデータを、多数の酵素プログレス曲線を構築するために使用した。
導入
QXL(商標)610結合基質を、視覚的に分光測光法によってタンパク質分解切断および色の発生について分析した。分光測光法のデータを、多数の酵素プログレス曲線を構築するために使用した。
方法
QXL(商標)610色素で標識されたMMP基質の作製
自動ペプチド合成機(Applied Biosystems 43 1A)を使用し、Fmocアミノ酸およびCLEARベース樹脂(0.25 mmol, 0.65 mmol/g)を使用して、固相合成によって、基質を作製した。合成条件および結合を、製造業者によって与えられるDCC/HOBtプロトコルに従って行った。無水酢酸を、各結合工程後にペプチドをキャッピングするために使用した。Fmoc-PEG2-Suc-OHスペーサーを前記樹脂へ結合し、以下のペプチド配列を合成した。
QXL(商標)610色素で標識されたMMP基質の作製
自動ペプチド合成機(Applied Biosystems 43 1A)を使用し、Fmocアミノ酸およびCLEARベース樹脂(0.25 mmol, 0.65 mmol/g)を使用して、固相合成によって、基質を作製した。合成条件および結合を、製造業者によって与えられるDCC/HOBtプロトコルに従って行った。無水酢酸を、各結合工程後にペプチドをキャッピングするために使用した。Fmoc-PEG2-Suc-OHスペーサーを前記樹脂へ結合し、以下のペプチド配列を合成した。
70 umol樹脂およびQXL(商標)610色素を、10.7 mg HOBt、15.17 mg HBtU、および24.4 ul DIPEAと合わせ、16時間振盪した。反応後、樹脂を濾過し、NMP、イソプロパノール、およびジクロロメタンにおいて洗浄した。脱保護を60分間95%TFA/水中において行い、最終生成物をエチルエーテルで洗浄し、乾燥した。
基質に対するMMP-9酵素活性の評価
ストックMMP-9(100 ug/ml)を、MMP酵素緩衝液(ddH2O中、0.5% BSA、0.1%Triton X-100)中において調製した。基質試料を、ラージボアマイクロピペットチップ(10.4 mg/ml)を使用してアッセイ緩衝液(50 mM Tris-HCl, 50 uM ZnSO4, 10 mM CaCl2, 200 mM NaCl, 0.05% Brij35, pH 7.5)中に分散させた。基質、アッセイ緩衝液、およびMMP-9をマイクロ遠心分離チューブ中において合わせ、回転混合によって穏やかに混合した。MMP-9(2 ug/ml、200 ng/ml、20 ng/ml)標準物質を、500 ulの総反応体積で基質(5 mg/ml)と反応させた。各UV-Vis測定前に、混合物をボルテックスし、短時間遠心分離し、上澄みの2 ul試料をNanoDrop ND-100分光光度計において分析した。
ストックMMP-9(100 ug/ml)を、MMP酵素緩衝液(ddH2O中、0.5% BSA、0.1%Triton X-100)中において調製した。基質試料を、ラージボアマイクロピペットチップ(10.4 mg/ml)を使用してアッセイ緩衝液(50 mM Tris-HCl, 50 uM ZnSO4, 10 mM CaCl2, 200 mM NaCl, 0.05% Brij35, pH 7.5)中に分散させた。基質、アッセイ緩衝液、およびMMP-9をマイクロ遠心分離チューブ中において合わせ、回転混合によって穏やかに混合した。MMP-9(2 ug/ml、200 ng/ml、20 ng/ml)標準物質を、500 ulの総反応体積で基質(5 mg/ml)と反応させた。各UV-Vis測定前に、混合物をボルテックスし、短時間遠心分離し、上澄みの2 ul試料をNanoDrop ND-100分光光度計において分析した。
基質に対するプロテアーゼ活性のスクリーニング
MMP-9について記載したものと同様の様式で、基質を、トリプシン、プロナーゼ、エラスターゼ、ディスパーゼ(dispase)、プロテイナーゼKによる切断についてスクリーニングした。簡単に言うと、1 mg基質を、400 ul反応物において前記酵素と合わせた。色の発生に気付くまで、反応物を37℃で2.5時間インキュベートした。
MMP-9について記載したものと同様の様式で、基質を、トリプシン、プロナーゼ、エラスターゼ、ディスパーゼ(dispase)、プロテイナーゼKによる切断についてスクリーニングした。簡単に言うと、1 mg基質を、400 ul反応物において前記酵素と合わせた。色の発生に気付くまで、反応物を37℃で2.5時間インキュベートした。
基質AAのプロナーゼのプロナーゼおよびプロテイナーゼK切断の動態分析
前述したように、基質AAを、プロナーゼ、プロテイナーゼK、およびコラゲナーゼと反応させた。反応物を、400 ul反応チューブ中において、10、1、および0.1 mg/ml酵素ならびに1 mg基質で調製した。全ての反応物を、実験期間の間、22.5℃でインキュベートした。
前述したように、基質AAを、プロナーゼ、プロテイナーゼK、およびコラゲナーゼと反応させた。反応物を、400 ul反応チューブ中において、10、1、および0.1 mg/ml酵素ならびに1 mg基質で調製した。全ての反応物を、実験期間の間、22.5℃でインキュベートした。
基質に対するプロテアーゼ活性のスクリーニング
酵素調製物のいずれもRH基質を切断することにおいて成功しなかったが、プロナーゼおよびプロテイナーゼKと反応させたAA基質は、37℃で2.5時間内に目に見える色を生じさせた。プロナーゼが、最も顕著な色変化を生じさせた。
酵素調製物のいずれもRH基質を切断することにおいて成功しなかったが、プロナーゼおよびプロテイナーゼKと反応させたAA基質は、37℃で2.5時間内に目に見える色を生じさせた。プロナーゼが、最も顕著な色変化を生じさせた。
基質AAのプロナーゼおよびプロテイナーゼK切断の動態分析
プロナーゼと共に基質をインキュベーションすることによって、研究の経過にわたって最も強烈な色が発生した。色の視覚的検出に、先ず、約90分で初めて気付いた。インキュベーションの第2の時間までに、淡い青色の色調が、10 mg/mlプロナーゼを含有する試料中に容易に見られた。UV-Visスペクトログラムを、QXL(商標) 610の特徴的なスペクトルにわたって増加された色の発生を示すために構築した。一般的に、反応が進行するにつれ、吸光度の増加が、450〜730 nmより測定された。最大吸光度強度は、598 nmで観察された。
プロナーゼと共に基質をインキュベーションすることによって、研究の経過にわたって最も強烈な色が発生した。色の視覚的検出に、先ず、約90分で初めて気付いた。インキュベーションの第2の時間までに、淡い青色の色調が、10 mg/mlプロナーゼを含有する試料中に容易に見られた。UV-Visスペクトログラムを、QXL(商標) 610の特徴的なスペクトルにわたって増加された色の発生を示すために構築した。一般的に、反応が進行するにつれ、吸光度の増加が、450〜730 nmより測定された。最大吸光度強度は、598 nmで観察された。
酵素プログレス曲線を、累積的吸光度(曲線下面積)および時間に対する598 nmでの吸光度に関して構築した。反応が完了された際に(10 mg/ml プロナーゼ)、濃い青色の液体が得られた。基質切断は、ほぼ線形様式で進行した。
実施例6−プロテアーゼ活性の実行可能な迅速検出器としてのTNO211蛍光に基づくアッセイの研究
本発明によれば、メタロプロテアーゼ活性の迅速かつ高感度の検出が可能である。これらの研究を行うプロセスにおいて、3つの重要な問題に取り組んだ。
1)MMP-2/-9についてのTNO211(Calbiochem #444256)溶液に基づく蛍光発生ペプチド切断アッセイを使用してどれぐらい速くプロテアーゼ活性を検出でき、MMP-2、MMP-9、およびプロナーゼ間でこの活性はどのように相違するのか?
2)どの条件下で、標準的なUV源および肉眼を使用して、この基質の切断を検出することができるのか?
3)約10〜20分のアッセイ時間と仮定して、観察者が所定の試料中のMMP-2およびMMP-9の存在または不在を簡単に識別することができる、検出の限界は何か?
本発明によれば、メタロプロテアーゼ活性の迅速かつ高感度の検出が可能である。これらの研究を行うプロセスにおいて、3つの重要な問題に取り組んだ。
1)MMP-2/-9についてのTNO211(Calbiochem #444256)溶液に基づく蛍光発生ペプチド切断アッセイを使用してどれぐらい速くプロテアーゼ活性を検出でき、MMP-2、MMP-9、およびプロナーゼ間でこの活性はどのように相違するのか?
2)どの条件下で、標準的なUV源および肉眼を使用して、この基質の切断を検出することができるのか?
3)約10〜20分のアッセイ時間と仮定して、観察者が所定の試料中のMMP-2およびMMP-9の存在または不在を簡単に識別することができる、検出の限界は何か?
方法
基質TNO211(Calbiochem #444256)を使用したMMP-2/-9の定量
以下は、生物学的媒体中におけるMMP-2/-9活性を定量するために使用され得るアッセイ法である。
基質TNO211(Calbiochem #444256)を使用したMMP-2/-9の定量
以下は、生物学的媒体中におけるMMP-2/-9活性を定量するために使用され得るアッセイ法である。
アプローチ:MMP切断可能なGly-Leu結合を有する特定の蛍光発生共鳴エネルギー移動(FRET)ペプチド基質およびフルオロフォア/クエンチャー組み合わせとしてのEDANS/Dabcyl。MMP活性の検出に有用[kCat/Km=MMP-2について619,000 M-1s-1、MMP-9について206,000 M-1s-1、MMP-3について40,000 M-1s-1、MMP-1について21,000 M-1s-1;37℃、pH 7.6]。生物学的媒体中の光学的妨害によって影響されない高度の感度を示す。また、滑液および培養培地中におけるMMP活性測定に有用。純度:HPLCによって≧97%。励起最大:約340 nm、放射最大:約485 nm。
材料:
1.基質III(Calbiochem #444256、500 ug):377ul DMSO中1 mMへ再構成。
2.選択されるプロテアーゼ
3.酵素緩衝液(プロテアーゼ標準の調製用):0.1% Triton X-100、0.5% BSA、PBS中、pH 7-8
4.基質緩衝液:
EDTAを含有しない緩衝液(全体的なプロテアーゼ活性の測定用)
i)50 mM Tris (pH 7.56)、200 mM NaCl、5 mM CaCl2、50 uM ZnSO4、0.01M KH2PO4、0.05% Brij35
EDTA+緩衝液(非MMP活性の測定用)
i)EDTAを含有しない緩衝液+100 mM EDTA
5.乳白色96ウェル蛍光マイクロタイタープレート
1.基質III(Calbiochem #444256、500 ug):377ul DMSO中1 mMへ再構成。
2.選択されるプロテアーゼ
3.酵素緩衝液(プロテアーゼ標準の調製用):0.1% Triton X-100、0.5% BSA、PBS中、pH 7-8
4.基質緩衝液:
EDTAを含有しない緩衝液(全体的なプロテアーゼ活性の測定用)
i)50 mM Tris (pH 7.56)、200 mM NaCl、5 mM CaCl2、50 uM ZnSO4、0.01M KH2PO4、0.05% Brij35
EDTA+緩衝液(非MMP活性の測定用)
i)EDTAを含有しない緩衝液+100 mM EDTA
5.乳白色96ウェル蛍光マイクロタイタープレート
方法:
1.酵素緩衝液中に希釈された好適な標準曲線を作製する。典型的に、アッセイにおいて最大50 ng/mlの最終プロテアーゼ濃度を使用する。使用まで氷上において維持する。
2.所望のアッセイ緩衝液(EDTAフリーまたはEDTA含有)中に5.56 uMへストック再構築基質(DMSO中)を希釈することによって基質溶液を調製し、1ウェル当たり合計90 ulのEDTAフリーまたはEDTA含有アッセイ緩衝液を作製する。
3.アッセイされる各ウェル中へ90 ul基質溶液をピペットで取る。
4.初期蛍光読み取り値を取る。試料中の内因性タンパク質の蛍光に起因する干渉を最小化するために、本発明者らは、それぞれ、355/535 nmの励起/放射波長を慣用的に使用する。
5.96ウェル蛍光アッセイプレートの各ウェル中へ10 ulの標準物質、試料、または酵素緩衝液(ブランク)をピペットで取る。
6.関心対象の標準範囲が十分に分解されるまで、蛍光の変化を連続して測定する。測定間でRTまたは37℃で光から保護する。
7.[プロテアーゼ]に対する蛍光の変化(ΔF)に関する最良適合曲線を測定する。試料の各々におけるMMP活性等価を計算するためにこの関数関係を使用する。
1.酵素緩衝液中に希釈された好適な標準曲線を作製する。典型的に、アッセイにおいて最大50 ng/mlの最終プロテアーゼ濃度を使用する。使用まで氷上において維持する。
2.所望のアッセイ緩衝液(EDTAフリーまたはEDTA含有)中に5.56 uMへストック再構築基質(DMSO中)を希釈することによって基質溶液を調製し、1ウェル当たり合計90 ulのEDTAフリーまたはEDTA含有アッセイ緩衝液を作製する。
3.アッセイされる各ウェル中へ90 ul基質溶液をピペットで取る。
4.初期蛍光読み取り値を取る。試料中の内因性タンパク質の蛍光に起因する干渉を最小化するために、本発明者らは、それぞれ、355/535 nmの励起/放射波長を慣用的に使用する。
5.96ウェル蛍光アッセイプレートの各ウェル中へ10 ulの標準物質、試料、または酵素緩衝液(ブランク)をピペットで取る。
6.関心対象の標準範囲が十分に分解されるまで、蛍光の変化を連続して測定する。測定間でRTまたは37℃で光から保護する。
7.[プロテアーゼ]に対する蛍光の変化(ΔF)に関する最良適合曲線を測定する。試料の各々におけるMMP活性等価を計算するためにこの関数関係を使用する。
研究#1:プロテアーゼ活性の検出までの時間
100、10、1、および0.1 ngのプロナーゼ、MMP-2、MMP-9、およびクロストリジウムのコラゲナーゼを、蛍光によって検出される基質TNO211の切断について100 ulの総反応体積でアッセイした。プロテアーゼの添加後、約1時間、反応をモニタリングした。
100、10、1、および0.1 ngのプロナーゼ、MMP-2、MMP-9、およびクロストリジウムのコラゲナーゼを、蛍光によって検出される基質TNO211の切断について100 ulの総反応体積でアッセイした。プロテアーゼの添加後、約1時間、反応をモニタリングした。
概要
標準曲線が、反応開始後3分ほどで分解された。より高いプロテアーゼ濃度(1 ug/ml)で、プロナーゼ反応は、13分以内に完了に達した。従って、100 ng/ml以下のプロテアーゼ濃度について、続いての比較を行った。全ての反応は、研究の期間にわたって濃度依存様式で進行した。基質は、アッセイの最初の30分以内に、MMP-9についてより高い特異性を示した。100 ng/ml以下のプロテアーゼ濃度について、MMP-2、MMP-9、およびコラゲナーゼ活性は、それぞれ、プロナーゼの観察された活性の17±4%、28±3%、および2±1%であった。
標準曲線が、反応開始後3分ほどで分解された。より高いプロテアーゼ濃度(1 ug/ml)で、プロナーゼ反応は、13分以内に完了に達した。従って、100 ng/ml以下のプロテアーゼ濃度について、続いての比較を行った。全ての反応は、研究の期間にわたって濃度依存様式で進行した。基質は、アッセイの最初の30分以内に、MMP-9についてより高い特異性を示した。100 ng/ml以下のプロテアーゼ濃度について、MMP-2、MMP-9、およびコラゲナーゼ活性は、それぞれ、プロナーゼの観察された活性の17±4%、28±3%、および2±1%であった。
研究#2:プロテアーゼ活性の視覚的検出について必要な反応条件の決定
基質を、pH 7.5およびpH 9.0アッセイ緩衝液(500-0 uM)中に連続希釈した。1μgプロナーゼを、96ウェルクリアボトム蛍光マイクロタイタープレートにおいて種々の基質溶液と反応させた。プレートを、反応物の蛍光強度を観察するために標準的な実験UVボックスにおいて断続的に分析した。さらに、蛍光測定を以前のように取り、酵素プログレス曲線を構築するために使用した。
基質を、pH 7.5およびpH 9.0アッセイ緩衝液(500-0 uM)中に連続希釈した。1μgプロナーゼを、96ウェルクリアボトム蛍光マイクロタイタープレートにおいて種々の基質溶液と反応させた。プレートを、反応物の蛍光強度を観察するために標準的な実験UVボックスにおいて断続的に分析した。さらに、蛍光測定を以前のように取り、酵素プログレス曲線を構築するために使用した。
概要
顕著な蛍光が、反応の開始後の6分以内に観察された。蛍光強度は、約100〜200 uM TNO211で最大であった。これは、反応進行曲線において確証され、これは、基質が大いにpHから独立した様式で切断されることを明らかに示した。さらに、この時点から研究の期間にわたっての基質速度の劇的な低下によって証明されるように、反応のほとんどは20分以内に完了した。
顕著な蛍光が、反応の開始後の6分以内に観察された。蛍光強度は、約100〜200 uM TNO211で最大であった。これは、反応進行曲線において確証され、これは、基質が大いにpHから独立した様式で切断されることを明らかに示した。さらに、この時点から研究の期間にわたっての基質速度の劇的な低下によって証明されるように、反応のほとんどは20分以内に完了した。
研究#3:プロテアーゼ検出感度の評価
プロナーゼの視覚的検出限界を調べるために、プロテアーゼの標準曲線(1000-0 ng)を、アッセイ緩衝液中に希釈された50、100、および200 uM基質中において反応させた。デジタル写真を白色光およびUV下で撮影した。それらの観察を、蛍光プレートリーダーを使用して定量的に得られたものと比較した。プロナーゼについての観察された検出限界を使用して、MMP-2およびMMP-9(それぞれ、プロナーゼの17%および28%活性)についての理論的検出限界を計算した。
プロナーゼの視覚的検出限界を調べるために、プロテアーゼの標準曲線(1000-0 ng)を、アッセイ緩衝液中に希釈された50、100、および200 uM基質中において反応させた。デジタル写真を白色光およびUV下で撮影した。それらの観察を、蛍光プレートリーダーを使用して定量的に得られたものと比較した。プロナーゼについての観察された検出限界を使用して、MMP-2およびMMP-9(それぞれ、プロナーゼの17%および28%活性)についての理論的検出限界を計算した。
概要
この研究において注目される最も関連性のある観察は、以下の通りである:125 ngプロナーゼが10分以内に検出された。これは、MMP-2およびMMP-9それぞれの約735 ngおよび450 ngに対応した。特に興味深いのは、これらのプロテアーゼ濃度は、本発明者らの最終検出キットにおいて重要なものと同等であるという事実である。感度の4倍増加が、アッセイ時間を約20分へ延長することによって観察された。全ての反応は、一般的に、20分以内に平衡に達した。
この研究において注目される最も関連性のある観察は、以下の通りである:125 ngプロナーゼが10分以内に検出された。これは、MMP-2およびMMP-9それぞれの約735 ngおよび450 ngに対応した。特に興味深いのは、これらのプロテアーゼ濃度は、本発明者らの最終検出キットにおいて重要なものと同等であるという事実である。感度の4倍増加が、アッセイ時間を約20分へ延長することによって観察された。全ての反応は、一般的に、20分以内に平衡に達した。
研究#4:溶液に基づく蛍光発生インジケーターアッセイについて必要なNaフルオレセインおよびローダミンBの最適濃度の測定
NaフルオレセインおよびローダミンBを、アッセイ緩衝液中において20,000 ppm〜2 ppbに連続希釈した。ウェルをUV光下で撮影し、Naフルオレセインの蛍光強度を、蛍光プレートリーダーを使用して測定した。
NaフルオレセインおよびローダミンBを、アッセイ緩衝液中において20,000 ppm〜2 ppbに連続希釈した。ウェルをUV光下で撮影し、Naフルオレセインの蛍光強度を、蛍光プレートリーダーを使用して測定した。
概要
実質的な自己クエンチが、800 ppmを超える濃度で両方の蛍光発生体について観察された。この現象は、Naフルオレセインの場合においてより劇的ではなく、これは、一般的にローダミンBよりも鮮やかであるようであった。しかし、蛍光発生体は両方とも、50〜1000 ppmの濃度で最も蛍光性であるようであった。
実質的な自己クエンチが、800 ppmを超える濃度で両方の蛍光発生体について観察された。この現象は、Naフルオレセインの場合においてより劇的ではなく、これは、一般的にローダミンBよりも鮮やかであるようであった。しかし、蛍光発生体は両方とも、50〜1000 ppmの濃度で最も蛍光性であるようであった。
実施例7−5-FMに基づくTN0211ペプチドアッセイ
この実施例のパートIは、純粋な組換えMMP-9は、10分以内に検出可能であるシグナルを発生させるという実証である。パートIIは、MMP-9スパイクされた擬似創傷流体(ウシ胎仔血清、FBS)およびスパイクされたキャラクタライズされていない創傷vac流体の検査を示す。vac流体は2時間後でさえ視覚的に検出可能なシグナルを生じなかったが、スパイクされたFBSは、少なくとも23分までに明白に検出可能であるシグナルを生じた。Part IIIは、2002年ごろから-80℃で保存していたほぼ30の創傷vac流体のキャラクタライゼーションを含む。十分な体積と高いまたは正常/低いプロテアーゼ活性レベルのプロテアーゼレベル特徴とを有する試料を見出した後、創傷流体をAnaspecペプチドXVへ曝露し、高いプロテアーゼ活性対低いプロテアーゼ活性を有する本物の創傷流体が10〜20分で互いに識別され得るかどうかを測定した。FRETペプチドは、15分までに、識別可能なシグナルを発することができた。
この実施例のパートIは、純粋な組換えMMP-9は、10分以内に検出可能であるシグナルを発生させるという実証である。パートIIは、MMP-9スパイクされた擬似創傷流体(ウシ胎仔血清、FBS)およびスパイクされたキャラクタライズされていない創傷vac流体の検査を示す。vac流体は2時間後でさえ視覚的に検出可能なシグナルを生じなかったが、スパイクされたFBSは、少なくとも23分までに明白に検出可能であるシグナルを生じた。Part IIIは、2002年ごろから-80℃で保存していたほぼ30の創傷vac流体のキャラクタライゼーションを含む。十分な体積と高いまたは正常/低いプロテアーゼ活性レベルのプロテアーゼレベル特徴とを有する試料を見出した後、創傷流体をAnaspecペプチドXVへ曝露し、高いプロテアーゼ活性対低いプロテアーゼ活性を有する本物の創傷流体が10〜20分で互いに識別され得るかどうかを測定した。FRETペプチドは、15分までに、識別可能なシグナルを発することができた。
パートI:純粋なプロテアーゼでの検査
導入
第1工程として、前記ペプチドを、慢性レベルの純粋なプロテアーゼへ曝露する。これは、潜在的に困惑させる変数の量を制限するために行われ、その結果、それらは、それらが生じるにつれて同定され得る(即ち、陰性結果の曖昧性を排除するため)。
導入
第1工程として、前記ペプチドを、慢性レベルの純粋なプロテアーゼへ曝露する。これは、潜在的に困惑させる変数の量を制限するために行われ、その結果、それらは、それらが生じるにつれて同定され得る(即ち、陰性結果の曖昧性を排除するため)。
材料および方法
MMPアッセイ
緩衝液:
200 mM Tris, HCl pH 7.4
150 mM NaCl
CaCl
ZnCl
Brij 35
0.02%アジド
ペプチド:2つのバイアルのAnaspec, Inc.のFRETペプチドXV
を、ジメチルスルホキシド(DMSO)60.7 pLで再構築し、1.0 mMの濃度を有するストック溶液を作製した。2×(50 pM)ワーキング溶液を、MMPアッセイ緩衝液中に1.0 mMストックを20倍希釈することによって作製した。各反応は、最終体積で20 pLであり、1反応当たり少なくとも0.5 pLの1.0 mMストック、9.5 pLのMMPアッセイ緩衝液および10 pLの試料を必要とした。
MMPアッセイ
緩衝液:
200 mM Tris, HCl pH 7.4
150 mM NaCl
CaCl
ZnCl
Brij 35
0.02%アジド
ペプチド:2つのバイアルのAnaspec, Inc.のFRETペプチドXV
を、ジメチルスルホキシド(DMSO)60.7 pLで再構築し、1.0 mMの濃度を有するストック溶液を作製した。2×(50 pM)ワーキング溶液を、MMPアッセイ緩衝液中に1.0 mMストックを20倍希釈することによって作製した。各反応は、最終体積で20 pLであり、1反応当たり少なくとも0.5 pLの1.0 mMストック、9.5 pLのMMPアッセイ緩衝液および10 pLの試料を必要とした。
マトリックスメタロプロテアーゼ9(akaゼラチナーゼB):100 ng/mLの濃度のCalbiochem製の組換え活性純粋MMP-9(Cat# PF024;83kDa形態)を使用して、2×濃度で40 pLワーキング溶液を作製した(1濃度当たり4×反応)。
384ウェルプレートについてのMMP-9希釈物
384ウェル実験において使用した濃度は、反応物中の最終プロテアーゼ濃度を反映し、創傷中プロテアーゼ濃度ではない(2を掛ける)。
384ウェル実験において使用した濃度は、反応物中の最終プロテアーゼ濃度を反映し、創傷中プロテアーゼ濃度ではない(2を掛ける)。
プロテアーゼは、約30pLの10 pg/mL MMP-9(86kDa形態)であった。基質は、約60μLの50μM 5-FAM/QXL520 FRETペプチド(フルオレセインに基づくTNO211)であった。従って、最終プロテアーゼ濃度は、約3.33μg/mL、約33.3 μMである。
プレートリーダー設定:
384ウェルプレートを、Wallac 1420デバイスおよびWallac 1420 Explorerソフトウエアを使用して読み取った。簡単に言うと、前記プレートを、読み取る前に、0.10 mmの半径で、5.0秒間「速く」軌道を描くように振盪した。1ウェル当たり2つの測定を行い(2つの異なる励起波長)、第1は355 nm励起フィルターを用い、第2は485 nmを用い、両方とも、2600の「エネルギー安定化された」「CW-ランプエネルギー」および0.1秒の測定時間を用いた。試料を、535 nm測定フィルターで読み取った。
384ウェルプレートを、Wallac 1420デバイスおよびWallac 1420 Explorerソフトウエアを使用して読み取った。簡単に言うと、前記プレートを、読み取る前に、0.10 mmの半径で、5.0秒間「速く」軌道を描くように振盪した。1ウェル当たり2つの測定を行い(2つの異なる励起波長)、第1は355 nm励起フィルターを用い、第2は485 nmを用い、両方とも、2600の「エネルギー安定化された」「CW-ランプエネルギー」および0.1秒の測定時間を用いた。試料を、535 nm測定フィルターで読み取った。
フルオレセイン標準:
(M=332.306 g/mol) 純粋なフルオレセインの連続希釈を、1濃度当たり4複製で作製した。この連続希釈の蛍光光度計からの読み取り値を使用し、標準中の蛍光レベルを、前記ペプチドの切断からの脱クエンチングの結果として得られた蛍光単位と同一視することによって、切断事象の数を評価した。2% w/v(20 g/L)のストック溶液から開始して、続いての濃度を、希釈剤としてMMPアッセイ緩衝液を使用して作製した。
(M=332.306 g/mol) 純粋なフルオレセインの連続希釈を、1濃度当たり4複製で作製した。この連続希釈の蛍光光度計からの読み取り値を使用し、標準中の蛍光レベルを、前記ペプチドの切断からの脱クエンチングの結果として得られた蛍光単位と同一視することによって、切断事象の数を評価した。2% w/v(20 g/L)のストック溶液から開始して、続いての濃度を、希釈剤としてMMPアッセイ緩衝液を使用して作製した。
蛍光光度計からのデータをMicrosoft Excel 2007へインポートし、ここで、それらを平均し、グラフ化し、傾向線を測定した。傾向線からの等式は、蛍光から切断産物の数へのマップとして役立つ。
384-ウェルプレートにおけるトライアル:
1プロテアーゼ濃度当たり4つの複製を、フルオレセイン標準と同一のプレート上に市松模様でプレートアウトした。
1プロテアーゼ濃度当たり4つの複製を、フルオレセイン標準と同一のプレート上に市松模様でプレートアウトした。
10分後、プレートをUVトランスイルミネーター上に配置し、デジタルカメラで画像化した。
次いで、プレートを蛍光プレートリーダーに配置し、1つの完全な読み取りの終了と次の開始との間に10分間空けて5回、UV励起および青色照明の両方で読み取った。
フルオレセイン標準:
各濃度についての複製をUV(355 nm)および青色(405 nm)励起の両方について平均し、2つの標準曲線を各励起波長について作成した。UV励起は線形応答を生じ、一方、青色励起は放物線状であった。25 μMフルオレセイン未満の標準中の試料のみを、曲線を作成するために使用し、何故ならば、これは、基質濃度、従って、最大の蛍光性5-FAM濃度であるためである。
各濃度についての複製をUV(355 nm)および青色(405 nm)励起の両方について平均し、2つの標準曲線を各励起波長について作成した。UV励起は線形応答を生じ、一方、青色励起は放物線状であった。25 μMフルオレセイン未満の標準中の試料のみを、曲線を作成するために使用し、何故ならば、これは、基質濃度、従って、最大の蛍光性5-FAM濃度であるためである。
384ウェルプレートにおけるトライアル:
先ず、種々の濃度の純粋なMMP-9プロテアーゼを用いて、基質を検査した。前述のフルオレセイン標準もまた、この同一のプレートにおいて実行した。
先ず、種々の濃度の純粋なMMP-9プロテアーゼを用いて、基質を検査した。前述のフルオレセイン標準もまた、この同一のプレートにおいて実行した。
遠心分離機におけるトライアル
プレートに基づく確認後、残りの基質およびプロテアーゼを、マイクロ遠心分離チューブにおけるシステムを検査するために使用した。携帯型シアンLED懐中電灯で目に見えるシグナルが、10分以内に存在した。シグナルは、通常の照明条件下で目に見えたが、シグナルは、消灯または該チューブを遮蔽すると、増強される。
プレートに基づく確認後、残りの基質およびプロテアーゼを、マイクロ遠心分離チューブにおけるシステムを検査するために使用した。携帯型シアンLED懐中電灯で目に見えるシグナルが、10分以内に存在した。シグナルは、通常の照明条件下で目に見えたが、シグナルは、消灯または該チューブを遮蔽すると、増強される。
結論
基質「Anaspec XV」は、Ladwigらによって測定された閾値付近で純粋なMMP-9活性について10分以内にシグナルを生じることができる。
基質「Anaspec XV」は、Ladwigらによって測定された閾値付近で純粋なMMP-9活性について10分以内にシグナルを生じることができる。
シグナルは、通常の照明において携帯型シアンLEDで目に見えるが、チューブが周囲の光から遮蔽される場合に、最も良く見ることができる。
標準曲線は、最終基質濃度時に基づき、時間を節約し、検査が報告する可能性が高い範囲においてグラデーションを増加させ得る。例えば、このアッセイにおいて、最大の予測される蛍光シグナルは、25 μMのフルオレセインであった。
フルオレセインは、UV励起でより一貫した線形曲線を生じるようであった。青色光励起での放物線状曲線は、プレートリーダー中に設定された励起パラメータに起因し得る。現在、UVおよび青色光は両方とも等しい設定を有する。何故ならば、フルオレセインは青色光によって最適に励起され、青色励起エネルギーもまた使用され得るためである。
パートII:MMP-9スパイクされた生体液での検査
導入
ベッドサイド診断薬としてのFRETペプチドを検査することにおける次の工程は、大量のタンパク質または他の生体分子によって引き起こされる干渉を測定することである。2つの流体、ウシ胎仔血清(FBS)およびキャラクタライズされていない創傷vac流体(vac流体)に、10.0、2.5および1.0 pg/mLの最終濃度を生じるに十分な組換えMMP-9をスパイクしたか、または全くスパイクしなかった(陰性対照)。
導入
ベッドサイド診断薬としてのFRETペプチドを検査することにおける次の工程は、大量のタンパク質または他の生体分子によって引き起こされる干渉を測定することである。2つの流体、ウシ胎仔血清(FBS)およびキャラクタライズされていない創傷vac流体(vac流体)に、10.0、2.5および1.0 pg/mLの最終濃度を生じるに十分な組換えMMP-9をスパイクしたか、または全くスパイクしなかった(陰性対照)。
材料および方法 MMPアッセイ緩衝液:
200 mM Tris, HCl pH 7.4
150 mM NaCl
CaCl
ZnCl
Brij 35
0.02%アジド
200 mM Tris, HCl pH 7.4
150 mM NaCl
CaCl
ZnCl
Brij 35
0.02%アジド
ペプチド:
Anaspec. Inc.のFRETペプチドXV
を、ジメチルスルホキシド(DMSO)60.7 pLで前もって再構築し、1.0 mMの濃度を有するストック溶液を作製した。2× (50 pM)ワーキング溶液を、MMPアッセイ緩衝液中に1.0 mMストックを20倍希釈することによって作製した。各反応は、最終体積で20 pLであり、1反応当たり少なくとも0.5 pLの1.0 mMストック、9.5 pLのMMPアッセイ緩衝液および10 pLの試料を必要とした。
Anaspec. Inc.のFRETペプチドXV
を、ジメチルスルホキシド(DMSO)60.7 pLで前もって再構築し、1.0 mMの濃度を有するストック溶液を作製した。2× (50 pM)ワーキング溶液を、MMPアッセイ緩衝液中に1.0 mMストックを20倍希釈することによって作製した。各反応は、最終体積で20 pLであり、1反応当たり少なくとも0.5 pLの1.0 mMストック、9.5 pLのMMPアッセイ緩衝液および10 pLの試料を必要とした。
Anaspec, IncのFRETペプチドXVに加えて、同一の配列(「親」ペプチド)を有するが、異なるフルオロフォアおよびクエンチャー対を有する別のFRETペプチドを使用した。TNO2 11ペプチド
の1.0 mMストック溶液(DMSO中)を、比較のために並行して使用した。
の1.0 mMストック溶液(DMSO中)を、比較のために並行して使用した。
マトリックスメタロプロテアーゼ9(akaゼラチナーゼB):
100 ng/mLの濃度のCalbiochem製の組換え活性純粋MMP-9(Cat# PF024;83kDa形態)を使用して、FBSおよび現在未だにキャラクタライズされていない創傷vac流体にスパイクした。10.0、2.5、および1.0 pg/mLの最終添加濃度(内因性を超える)まで、組換えMMP-9を添加した。
100 ng/mLの濃度のCalbiochem製の組換え活性純粋MMP-9(Cat# PF024;83kDa形態)を使用して、FBSおよび現在未だにキャラクタライズされていない創傷vac流体にスパイクした。10.0、2.5、および1.0 pg/mLの最終添加濃度(内因性を超える)まで、組換えMMP-9を添加した。
さらに、Calbiochem製の組換え活性純粋MMP-9(Cat# xxxx;67kDa形態)を、陽性対照として、また、両方のFRETペプチドについてのMMP-9活性標準を作製するために、使用した。試料がモル当量のMMP-9濃度を有するために、質量に基づく濃度を80%(67k/83 〜=80%)縮小した。
プレートリーダー設定:384ウェルプレートを、Wallac 1420デバイスおよびWallac 1420 Explorerソフトウエアを使用して読み取った。簡単に言うと、前記プレートを、読み取る前に、0.10 mmの半径で、5.0秒間「速く」軌道を描くように振盪した。各ペプチドについて、1ウェル当たり2つの測定を行った。Anaspec FRETペプチドXVについて、2つの励起波長を使用し、第1は355 nm励起フィルターを使用し、第2は485 nmを用いた。試料を535 nm測定フィルターで読み取った。TNO211ペプチドについて、試料を同一の波長(355 nm)で励起したが、2つの異なる波長(460 nmおよび535 nm)で読み取った。全ての試料について、励起を、2600の「エネルギー安定化された」「CW-ランプエネルギー」および0.1秒の測定時間へ設定した。
ウシ胎仔血清:
低IgG
40 nm濾過
Cat. #:SH30151.03 Perbio HyClone
Lot #:ASG30077
Bottle #: 0153
Exp.:July 2012
低IgG
40 nm濾過
Cat. #:SH30151.03 Perbio HyClone
Lot #:ASG30077
Bottle #: 0153
Exp.:July 2012
フルオレセイン標準:
各濃度についての複製をUV(355 nm)および青色(405 nm)励起の両方について平均し、2つの標準曲線を各励起波長について作成した。UV励起は線形応答を生じ、一方、青色励起は放物線状であった。25 μMフルオレセイン未満の標準中の試料のみを、曲線を作成するために使用し、何故ならば、これは、基質濃度、従って、最大の蛍光性5-FAM濃度であるためである。
各濃度についての複製をUV(355 nm)および青色(405 nm)励起の両方について平均し、2つの標準曲線を各励起波長について作成した。UV励起は線形応答を生じ、一方、青色励起は放物線状であった。25 μMフルオレセイン未満の標準中の試料のみを、曲線を作成するために使用し、何故ならば、これは、基質濃度、従って、最大の蛍光性5-FAM濃度であるためである。
2つのシリーズの2つのセットを、1つのプレートにおいて実行し、1つのスパイクされたFBS、他のスパイクされたvac流体(非常に血液様)を、各々、Anaspec XVおよびオリジナルのTNO211の両方で検査した。スパイクされたvac流体トライアルは、いずれのペプチドでも、2時間後でさえ、視覚的に検出可能なシグナルを発生せず、一方、スパイクされたFBSは、5-FAMベースのペプチドで10分までに僅かに検出可能なシグナルを、30分までに簡単に検出可能なシグナルを発生した。添加した組換えMMP-9の存在下においてさえvac流体からのシグナルがなかったことは、高レベルの内因性阻害剤(TIMP-1など)が存在することを示唆している。
600μL遠心分離チューブにおけるトライアル:
プレートデータによって、偽創傷流体としてスパイクされたFBSを使用することは実行可能であることが実証された。スパイクされたFBSの3つの100 pL反応物(0、1.0、および10.0 pg/mL)を、600 pL遠心分離チューブ中において実行した。10分後にチューブ間に顕著な差異が存在した。
プレートデータによって、偽創傷流体としてスパイクされたFBSを使用することは実行可能であることが実証された。スパイクされたFBSの3つの100 pL反応物(0、1.0、および10.0 pg/mL)を、600 pL遠心分離チューブ中において実行した。10分後にチューブ間に顕著な差異が存在した。
結論
スパイクされたFBSによって、簡単に識別可能なシグナルが、肉眼によって10分で標準的な実験室照明設備で、または28分までにシアンLED照明を用いて読み取られ得ることが実証された。
スパイクされたFBSによって、簡単に識別可能なシグナルが、肉眼によって10分で標準的な実験室照明設備で、または28分までにシアンLED照明を用いて読み取られ得ることが実証された。
パートIII:本物の創傷Vac流体での試験
導入
2002年ごろ以来-80℃で保存した30個の異なる創傷流体試料(恐らくvac流体)を、パートIおよびIIと同一の様式で、382ウェルプレートフォーマットにおいて、前記2つのFRETペプチドを使用してキャラクタライズした。次いで、慢性創傷および通常の創傷を代表するプロテアーゼレベルを有するとわかった試料を使用し、短い10〜30分時間枠で識別可能なシグナルを発生させるFRETアッセイの能力を試験した。
導入
2002年ごろ以来-80℃で保存した30個の異なる創傷流体試料(恐らくvac流体)を、パートIおよびIIと同一の様式で、382ウェルプレートフォーマットにおいて、前記2つのFRETペプチドを使用してキャラクタライズした。次いで、慢性創傷および通常の創傷を代表するプロテアーゼレベルを有するとわかった試料を使用し、短い10〜30分時間枠で識別可能なシグナルを発生させるFRETアッセイの能力を試験した。
材料および方法 創傷Vac流体:
30個のvac流体を-80℃保存において見つけた。チューブのカタログを作製し、撮影した。100 pL未満の試料は省いたかまたは合わせた。創傷流体に任意の番号(1〜30)を割り当てた。同一のマークを有するバイアルを同一の試料として取り扱い、バイアルにはさらに枝番号を付けた(即ち、25(1)、25(2)など)。
30個のvac流体を-80℃保存において見つけた。チューブのカタログを作製し、撮影した。100 pL未満の試料は省いたかまたは合わせた。創傷流体に任意の番号(1〜30)を割り当てた。同一のマークを有するバイアルを同一の試料として取り扱い、バイアルにはさらに枝番号を付けた(即ち、25(1)、25(2)など)。
創傷Vac流体のキャラクタライゼーション:
100 pLを超える各創傷流体について、3つの複製および1つの陰性対照(バックグラウンド蛍光について)をプレート化した。50〜100 pLのものについては、1回の測定を行い、1つの陰性対照をプレート化した。最後に、組換えMMP-9活性標準を、1濃度(0.0、0.1、0.5、1.0、2.5、および5.0 pg/mL)当たり4つの複製をプレート化することによって作製した。25 pM TNO211を、パートIおよびIIに明記したように使用した。組換えMMP-9で作製した標準曲線を使用し、創傷流体のMMP-9当量プロテアーゼ活性を評価した。最後に、前記標準を67kDa組換えMMP-9を使用して作製したため、評価された質量に基づく濃度を1.25倍拡大した(即ち、67kDa -> 86kDa)。
100 pLを超える各創傷流体について、3つの複製および1つの陰性対照(バックグラウンド蛍光について)をプレート化した。50〜100 pLのものについては、1回の測定を行い、1つの陰性対照をプレート化した。最後に、組換えMMP-9活性標準を、1濃度(0.0、0.1、0.5、1.0、2.5、および5.0 pg/mL)当たり4つの複製をプレート化することによって作製した。25 pM TNO211を、パートIおよびIIに明記したように使用した。組換えMMP-9で作製した標準曲線を使用し、創傷流体のMMP-9当量プロテアーゼ活性を評価した。最後に、前記標準を67kDa組換えMMP-9を使用して作製したため、評価された質量に基づく濃度を1.25倍拡大した(即ち、67kDa -> 86kDa)。
創傷Vac流体を用いてのFRETペプチドの最終試験:
Anaspec FRETペプチドXVを、高いプロテアーゼ活性を有する試料および低いプロテアーゼ活性を有する試料を用いて、100 pL反応物中50 pMの濃度で使用した(1:1 緩衝液および基質対創傷流体)。
Anaspec FRETペプチドXVを、高いプロテアーゼ活性を有する試料および低いプロテアーゼ活性を有する試料を用いて、100 pL反応物中50 pMの濃度で使用した(1:1 緩衝液および基質対創傷流体)。
試料#14および#23を、それぞれ、高い創傷流体プロテアーゼ試料および低い創傷流体プロテアーゼ試料について選択した。
結論
5-FAMベースのペプチドは、携帯型シアンLED懐中電灯を用いて、15分以内に、低いプロテアーゼレベルと高いプロテアーゼレベルとの視覚的識別を可能にするシグナルを発生し得る。
5-FAMベースのペプチドは、携帯型シアンLED懐中電灯を用いて、15分以内に、低いプロテアーゼレベルと高いプロテアーゼレベルとの視覚的識別を可能にするシグナルを発生し得る。
実施例8−ビオチン化ペプチド#15の試験
材料および方法
ビオチン化フルオレセイン化ペプチド#15を、DSMO中10 mMの濃度へ再構築し、ストック溶液として使用した。凍結乾燥ペプチドは、ガラス瓶の壁をコーティングする薄膜を形成し、再構築される少量の風袋を計ることを不可能にしていたため、全量を再構築した。10 mMストックを、1 mMワーキング溶液へさらに希釈した。基質の最終反応濃度は、100 tMであり、これは、前記希釈試料の視覚的/蛍光性外観に基づいて選択した。
プロナーゼ活性は、それがTNO211を切断し得る(とはいえ、より迅速に)点で、MMP-9活性と同様であった。3つの反応、プロテアーゼを含有しない陰性対照、10 tg/mLを含有するチューブ、および100 tg/mLを含有するチューブを実行した。
材料および方法
ビオチン化フルオレセイン化ペプチド#15を、DSMO中10 mMの濃度へ再構築し、ストック溶液として使用した。凍結乾燥ペプチドは、ガラス瓶の壁をコーティングする薄膜を形成し、再構築される少量の風袋を計ることを不可能にしていたため、全量を再構築した。10 mMストックを、1 mMワーキング溶液へさらに希釈した。基質の最終反応濃度は、100 tMであり、これは、前記希釈試料の視覚的/蛍光性外観に基づいて選択した。
プロナーゼ活性は、それがTNO211を切断し得る(とはいえ、より迅速に)点で、MMP-9活性と同様であった。3つの反応、プロテアーゼを含有しない陰性対照、10 tg/mLを含有するチューブ、および100 tg/mLを含有するチューブを実行した。
3つのチューブを全て、室温(23℃)で30分間振盪し、次いで、500 mM EDTAを30 tL添加し、メタロプロテアーゼをクエンチした。次いで、反応物を直ちに10 kDaカットオフ遠心分離フィルターへ添加し、全てのプロテアーゼを物理的に除去した。この工程は、1試料当たり2つの別個のフィルターを必要とした。何故ならば、タンパク質内容物は、体積の約半分が濾過された後、フィルターを「詰まらせる」に非常に十分であったためである。濾過されていない体積を「詰まった」フィルターから除去し、新たなフィルター中へ配置した。
6個のハンディー(handee)スピンカラムを、200 tLのストレプトアビジンアガロース懸濁液(約1:1 ビーズ:緩衝液)をロードし次いで遠心分離し緩衝液を除去することによって、予め作製した。プロテアーゼ除去工程が完了すると、濾過された体積を、約100 tLの高容量ストレプトアビジンアガロースがロードされたハンディースピンカラム中に配置し、該体積をピペット操作によって十分に混合した。3つの試料を第1カラムに通過させた後、試料を3つの残っている新たなハンディースピンカラムへロードし、ピペットでもう一度混合した。遠心分離後、ネガティブは完全には濾過されていなかったが、この時点で停止するに十分な、陰性対照と他の試料との差異が存在した(このタイプのアッセイに伴う固有の問題は後で議論される)。
前記3つの試料を、UVトランスイルミネーターによって照らし、フィルター有りまたは無しで撮影し、光がある状態で差異は依然として顕著であったが、光がない状態で写真を提供する。
ペプチド(#15)は、色素の疎水性環が迅速な動態の原因であることを実証する好都合な動態を有するとわかった。
結論
P2'位でのフルオレセイン/色素の配置は、FRETペプチドの迅速な動態の原因であり、GluまたはAlaでの以前の構築物は、恐らく、フルオレセインおよびEDANSの両方が有する大きな疎水性環の欠如に起因して失敗した。
P2'位でのフルオレセイン/色素の配置は、FRETペプチドの迅速な動態の原因であり、GluまたはAlaでの以前の構築物は、恐らく、フルオレセインおよびEDANSの両方が有する大きな疎水性環の欠如に起因して失敗した。
前述または後述の、全ての特許、特許出願、仮出願、およびそれらにおいて参照または引用される刊行物は、それらが本明細書の明白な教示と矛盾しない程度まで、全ての図および表を含む、それらの全体が参照により組み入れられる。
本明細書に記載される実施例および形態は例示目的のみのためであること、ならびにそれを考慮しての種々の修飾または改変は当業者に示唆され、本出願の精神および範囲内に含まれることが、理解される。
配列の簡単な説明
SEQ ID NO:1は、本発明による有用なペプチドである。
SEQ ID NO:2は、本発明による有用なペプチドである。
SEQ ID NO:3は、本発明による有用なペプチドである。
SEQ ID NO:4は、本発明による有用なペプチドである。
SEQ ID NO:1は、本発明による有用なペプチドである。
SEQ ID NO:2は、本発明による有用なペプチドである。
SEQ ID NO:3は、本発明による有用なペプチドである。
SEQ ID NO:4は、本発明による有用なペプチドである。
Claims (36)
- 媒体中の複数の標的分子の相対濃度を同時に測定するためのデバイス。
- 1つまたは複数の標的分子に特異的な結合剤を利用するデバイスであって、該結合剤と該1つまたは複数の標的分子とが、抗体−抗原、酵素−阻害剤、核酸またはオリゴヌクレオチドの相補鎖、受容体−ホルモン、受容体−エフェクター、酵素−補因子、糖タンパク質−糖質、結合性タンパク質−基質、抗体−ハプテン、タンパク質−リガンド、タンパク質−核酸、タンパク質−小分子、タンパク質−イオン、細胞−細胞に対する抗体、小分子−小分子に対する抗体、金属イオンに対するキレート化剤、ならびに関連する空気感染の病原体受容体に対する空気感染の病原体からなる群より選択される結合対を形成する、請求項1記載のデバイス。
- 標的分子が、各々、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、脂質、糖質、小分子、抗体、ペプチド模倣物、アミノ酸、アミノ酸類似体、ポリヌクレオチド類似体、ヌクレオチド、およびヌクレオチドからなる群、または前述のものの任意の2つ以上の組み合わせより選択される、請求項1記載のデバイス。
- 標的分子が、各々、ウイルス抗原、細菌抗原、真菌抗原、硫黄マスタード反応生成物、プロテアーゼ、プロテアーゼ阻害剤、炎症性サイトカイン、および成長因子からなる群より選択される、請求項1記載のデバイス。
- 標的分子のうちの2つが、互いの分子拮抗剤である、請求項1記載のデバイス。
- 酵素の検出において基質の酵素的切断を利用する、請求項1記載のデバイス。
- 標的分子のうちの1つが、標的分子についてスクリーニングされる媒体中に存在する公知の標準物質である、請求項1記載のデバイス。
- ディップスティックが固体支持体として使用される、請求項1記載のデバイス。
- テストストリップが固体支持体として使用される、請求項1記載のデバイス。
- セルロース、多糖類、ガラス、ポリアクリロイルモルホリド、シリカ、コントロールドポアガラス(CPG)、ポリスチレン、ポリスチレン/ラテックス、超高分子量ポリエチレン(UPE)などのポリエチレン、ポリアミド、アガロース、ポリフッ化ビニリジン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE;TEFLON)、カルボキシル修飾テフロン、ナイロン、ニトロセルロース、ならびに金属および合金、例えば、金、白金およびパラジウムなどからなる群より選択される材料を含む固体支持体を含む、請求項1記載のデバイス。
- (a)FRETアッセイ法;
(b)分析物による基質の消化が視覚化される、基質の薄膜を使用するアッセイ法;および
(c)蛍光に基づく診断ストリップ
からなる群より選択される、試料中の分析物を検出するための方法。 - 試料が環境試料である、請求項11記載の方法。
- 試料が体液である、請求項11記載の方法。
- 試料が体液である方法であって、該体液の試料を被験体から得る段階をさらに含む、請求項11記載の方法。
- 前記試料が、呼気、全血、血漿、尿、涙、精液、唾液、頬粘膜、間質液、リンパ液、髄膜液、羊水、腺液、痰、糞便、汗、粘液、膣分泌物、脳脊髄液、創傷滲出物、創傷ホモジネート、および創傷流体(wound fluid)からなる群より選択される体液である、請求項11記載の方法。
- 創傷から得られた組織または流体試料と、創傷治癒に関連する1つまたは複数のプロテアーゼによって切断されるペプチドとを接触させる段階を含む、創傷の治癒過程の状態を評価するための方法であって、該試料中のプロテアーゼに起因して該ペプチドの切断が生じると、検出可能な事象が接触時から30分未満で生じる、方法。
- 検出可能な事象が15分未満で生じる、請求項16記載の方法。
- 検出可能な事象が器具使用なしに観察され得る、請求項16記載の方法。
- MMP-2、MMP-8、MMP-9およびエラスターゼからなる群より選択される少なくとも1つのプロテアーゼを検出するために使用される、請求項16記載の方法。
- プロテアーゼを検出するために使用される前記ペプチドが、SEQ ID NO:1〜4およびそれらの変異体からなる群より選択される、請求項19記載の方法。
- アッセイ形式が可溶性基質アッセイ法である、請求項16記載の方法。
- アッセイ法が基質切断アッセイ法である、請求項16記載の方法。
- 検出可能な事象が、蛍光の出現もしくは消失のどちらかであるか、または質的および/もしくは量的な色変化を含む、請求項16記載の方法。
- 色変化が無色から何らかの色に変化することを含む、請求項23記載の方法。
- 前記アッセイの結果に基づいて処置計画を施す段階をさらに含む、請求項16記載の方法。
- 前記処置が、創傷へプロテアーゼ阻害剤を投与することを含む、請求項25記載の方法。
- 複数の分析物の相対濃度を測定するために使用される、請求項16記載の方法。
- 前記アッセイ法がビオチンの使用を含む、請求項16記載の方法。
- 創傷における細菌および/または真菌の存在を検出する段階をさらに含む、請求項16記載の方法。
- 耐性菌株が存在するかどうかを測定する段階を含む、請求項29記載の方法。
- バイオフィルムが創傷に存在するかどうかを測定する段階をさらに含む、請求項16記載の方法。
- 分析物のための基質の薄膜を含む、アッセイデバイス。
- 分析物が酵素である、請求項22記載のデバイス。
- 基質が、ゼラチン、アルブミン、カゼイン、およびフィブリンである、請求項22記載のデバイス。
- 薄膜が、スピンコーティング、ディップコーティング、またはテープキャスティングからなる群より選択される方法によって堆積されている、請求項22記載のデバイス。
- 実質的に図3に描写される、アッセイストリップ。
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