JP2006177754A - 光学的相互作用測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来技術では、バルク効果や、非特異的吸着という問題がある。従って、本発明の目的は、生体由来のサンプル液に含まれる物質と、固体表面に固定化された物質との物質間相互作用を、光学的にチップを用いて解析する場合に発生するバルク効果の影響を低減させる方法を提供することにある。
【解決手段】生体由来のサンプル液に含まれる物質と、固体表面に固定化された物質との物質間相互作用を光学的に測定する方法であって、測定に使用するランニング緩衝液と、分析対象となるサンプル液との屈折率(nD)の差を0.0020以下とする光学的相互作用測定方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、生体由来のサンプル液に含まれる物質をバルク効果の影響を低減させて、光学的に解析する方法に関する。
生体由来のサンプル液を解析し、生体の状態を評価する試みがされてきた。例えば、人間の血液検査、尿検査などは、その代表的なものである。学術的な研究としては、細胞で発現している遺伝子の解析なども、日常に解析されるようになってきている。従来の方法としては、サンプル溶液を酵素反応などで、サンプル内の物質濃度を測定する方法が一般的であるが、多くのサンプル液量が必要であることが欠点だった。そこで、サンプル液を解析するための物質を固体表面に固定化し、相互作用を用いて、サンプル液を解析する方法が取られてきた。代表的なものとしてELISA法が挙げられる。しかし、ELISA法は多くの工程が必要なことが問題であった。
1990年代からチップ技術を使って生体由来のサンプルを解析する方法が取られるようになってきた。固体表面に複数の物質を固定化し、微量のサンプル液を解析できる技術であり、実用化に至っている。特にDNAチップは遺伝子発現解析にはかかせないツールとなっている。しかし、DNAチップは対象が核酸のみに限られ、蛋白質や糖の解析は不可能である。また、蛍光や化学発光・放射線同位体などを用いて検出対象を検出するためには、サンドイッチ法による検出手段が必要となり、バイオチップを用いても工程は煩雑となる。
サンドイッチ法のような二次的検出手段を必要とせず、直接的に検出できる方法として、光学的チップ検出方法が注目を浴びている。光学的チップ解析方法としては、表面プラズモン共鳴(SPR)法、和周波発生(SFG)法、二次高周波発生(SHG)法、エリプソメトリ、偏波二波共鳴法などが有用であると考えられており、いずれも、少ないサンプル液量でかつ、少ない工程で生体由来サンプル液を解析することができる。これらの光学的チップ検出方法は、従来のELISA法と比べるとやや感度は低いものの、サンプル液を注入するだけで、解析結果が得られるメリットがある。
光学的チップ検出方法では、相互作用を解析する手段として、結合ペアの一方の分子(A)を固体表面に固定化し、測定対象となる分子(B)との相互作用を解析する方法が一般的である。分子(B)を含む生体由来のサンプル液を、(A)が固定された固体表面に接触させ、(A)と(B)の相互作用を観察することができる。ここで、ランニング緩衝液を(A)の固定化された固体表面に接触させておき、次に生体由来のサンプル液を接触させることになる。しかし、光学的検出方法は接触する液の屈折率に大きく影響を受け、ベースラインが変更される特徴を有している(バルク効果)。一般的にランニング緩衝液はリン酸緩衝液(PBS)やHEPES緩衝液などが使われる。それに対し、生体由来のサンプル液は蛋白質、糖、脂質などを含み、ランニング緩衝液と比べて屈折率が高い傾向となるため、バルク効果の影響を受ける。
バルク効果の影響が少ない場合は問題ないが、バルク効果が顕著な場合は、本来のシグナルが判別できなくなる場合があり、感度の面で問題となる。また、測定方法によっては、シグナルが振り切れて測定できない場合や、測定不能の領域に入る場合があるため、バルク効果を低減させる必要があった。バルク効果を低減させる方法として、ランニング緩衝液と測定対象サンプルを含む緩衝液の緩衝液組成を同一とする方法があるが、測定対象サンプルの濃度などにより十分とはいえない場合がある。
微妙な塩濃度の差であっても、SPRなどの敏感な光学的測定法ではベースラインに影響を受けるため、ランニング緩衝液とサンプル液の緩衝液組成は厳密に取り扱わねばならない。一般的には、同一組成で、同一の日に調製した緩衝液を用い、高濃度蛋白質液を20倍以上の濃度で希釈した液を用い、光学的解析方法を行う。この方法によって、高濃度蛋白質液を構成している緩衝液は実質的に20倍以上に希釈されるため、ランニング緩衝液との緩衝液組成の差はほぼ無視できる。しかし、この方法では、サンプル液が希釈されるため、生体分子(B)の濃度が低い場合は適用できない。従って、この方法は生体由来のサンプル液を取り扱うのには適しておらず、精製された蛋白質の解析に適している。
最近になって、血液由来のサンプル液をSPRで測定する試みがされるようになった(非特許文献1)。ここでは、血清をランニング緩衝液で10倍に希釈して測定が行われている。これでは文献中のデータにあるように、バルク効果が激しく、血清希釈液を注入した瞬間にベースラインの大きな変化がみられている。測定対象となる物質の濃度が高いサンプルの場合は問題とならないが、濃度が低い場合は、ベースラインの変化が大きすぎて、物質が存在するかどうかの判別が困難となる。また、生体由来液を原液のまま測定することも、この方法では困難である。
また、生体由来のサンプル液を測定すると、サンプル液に含まれるさまざまな物質が非特異的に吸着する問題も非特許文献1でみられている。ここではビアコア社のデキストランが固定化されたセンサーチップで解析を行っているが、非特異的吸着を防ぎきることは困難だと見受けられる。
このように、光学的解析法においてバルク効果を低減し、かつ非特異的吸着を抑制した上で、生体由来のサンプル液を解析する方法は見出されていない。
Ritter et al. Cancer Research 61,6851−6859(2001)
従来技術では、バルク効果や、非特異的吸着という問題がある。従って、本発明の目的は、生体由来のサンプル液に含まれる物質と、固体表面に固定化された物質との物質間相互作用を、光学的にチップを用いて解析する場合に発生するバルク効果の影響を低減させる方法を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、以下に示す手段により、上記課題を解決できることを見出した。
1.生体由来のサンプル液に含まれる物質と、固体表面に固定化された物質との物質間相互作用を光学的に測定する方法であって、測定に使用するランニング緩衝液と、分析対象となるサンプル液との屈折率(nD)の差を0.0020以下とする光学的相互作用測定方法。
2.ランニング緩衝液の屈折率を変化させ、サンプル液との屈折率(nD)の差を0.0020以下にすることを特徴とする1の光学的相互作用測定方法
3.ランニング緩衝液に水溶性の物質を加え、屈折率を変化させることを特徴とする1又は2の光学的相互作用測定方法
4.水溶性の物質が、固体表面への生体由来のサンプル液に含まれる物質の非特異的な吸着を、ブロックすることを特徴とする3の光学的相互作用測定方法
5.水溶性の物質が、ウシ血清アルブミンであることを特徴とする3又は4の光学的相互作用測定方法
6.表面プラズモン共鳴法を用いて測定することを特徴とする1〜5のいずれかの光学的相互作用測定方法
7.表面プラズモン共鳴イメージング法を用いて測定することを特徴とする1〜6のいずれかの光学的相互作用測定方法
本発明により、バルク効果による影響を低減させ、固体表面に固定化した物質と生体由来サンプル液中の生体分子の、相互作用を観察することができる。
以下に本発明を詳細に説明する。本発明は、生体由来のサンプル液に含まれる物質をバルク効果の影響を低減させて、光学的にチップを用いて解析する方法を開示している。
本発明における解析対象は生体由来のサンプル液である。生体由来のサンプル液としては、血液由来の液(血清・血漿)、組織液、尿、唾液、涙、鼻水、精液、組織から得られた細胞破砕液(または抽出液)、血球破砕液(または抽出液)、糞便からの抽出液、毛髪からの抽出液などを含む。すなわち、生体由来の液、あるいは生体由来の細胞・物質の破砕液、抽出液を含む。また、細胞を培養した培養上清も含む。しかし、これらを液体クロマトグラフィーや磁気ビーズなどで精製したものは含まない。特に本発明はクルードな生体由来サンプルの中に、どのような物質が含まれているかを解析するのに強力な効果を発揮する。
生体の種類は特に限定されるものではなく、ヒトを含む哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、昆虫類、植物、さらには微生物であってもよい。前記生体由来のサンプル液に含まれる物質(A)は、固体表面に固定化された物質(B)との物質間相互作用が測定される。(A)と(B)は一種類であっても複数の種類であってもよいが、(A)と(B)ともに複数の種類であることが好ましい。
また、(A)と(B)の生体分子は特に限定はされないが、蛋白質、核酸、糖、脂質であってもよい。好ましくは、蛋白質であればよい。さらに好ましくは、(A)と(B)が抗原と抗体の結合ペアであればよい。ただし、(A)と(B)のどちらが抗体であるかは、特に限定されるものではない。
物質(B)が固体表面に固定化される手段としては、共有結合、イオン結合、疎水結合、キレート結合、水素結合などが挙げられる。好ましくは、強固に表面に固定化することができるため共有結合がよい。さらに好ましくは、非特異的吸着が抑えられるために、固体表面と物質(B)の間に親水性スペーサー分子を入れて固定化するのがよい。
本発明において相互作用を解析する方法は光学的解析手段である。例えば、光学的解析手段としては表面プラズモン共鳴(SPR)法、和周波発生(SFG)法、二次高周波発生(SHG)法、エリプソメトリ、偏波二波共鳴法などがあげられるが、特に限定されるものではない。好ましくは、光学系がシンプルであるSPRが感度に優れているのでよく、さらに好ましくはアレイフォーマットで多数の物質を表面に固定化し、一度に複数の相互作用を解析できるSPRイメージング法がよい。
相互作用を観察する際には、ベースラインを取っておいてもよい。ベースラインは、生体由来のサンプル液を注入する前に、ランニング緩衝液を光学的解析手段に導入しておいてもよい。その後、生体由来サンプル液を導入し、十分な時間、相互作用させてから、再度ランニング緩衝液を導入する方法が好ましい。
本発明においては、ランニング緩衝液と、生体由来サンプル液の屈折率(nD)の差は0.0020以下である。nDの差が0.0020以下であれば、本来のシグナルとバルク効果によるベースライン変化の区別がつきやすくなる。さらに、nDの差は0.0010以下であるのが好ましく、0.0005以下であるとさらに好ましい。差が小さいほどバルク効果によるベースラインの変化が少なく、サンプル導入中のシグナル変化が厳密に検出できるために好ましい。nDの差が0.0020より大きいと、本来のシグナルとバルク効果によるベースライン変化の区別がつきにくくなりやすいため好ましくないが、一方、実験目的によりやむを得ない場合には本発明の効果を損なわない範囲で許容しても良い。
ランニング緩衝液と生体由来サンプル液のnDの差を小さくする手段としては、緩衝液に、屈折率を変化させるための物質(屈折率変化物質ということもある)を添加し、ランニング緩衝液として使用するのが好ましい。屈折率変化物質としては、水溶性の物質であればよい。本発明の水溶性の物質とは、水に可溶な物質や、水と混じり合う物質で有ればよい。水に可溶な物質としては、例として、塩、糖、蛋白質、界面活性剤及びリン脂質系の合成ポリマーなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。水と混じり合う物質としては、例として、グリセロール、DMSOなどがあげられるがこれに限定されるものではない。そのなかでも、ブロッキング効果を有する物質が好ましい。ブロッキング効果を有する物質とは、生体分子(B)が固定化された固体表面に物理的に吸着することができ、非特異的な吸着を抑制する効果を有している物質を言う。なかでも牛血清アルブミン(BSA)は容易に入手でき、nDを上昇させて、生体由来サンプル液のnDに揃えることができるため、特に好ましい。特開2003−310258号記載の、ATPaseドメインを除去したHSP70ファミリータンパク質などを用いても良い。
屈折率変化物質を加える濃度は特に限定されるものではなく、生体由来サンプル液に合わせるために、適当な濃度が選択される。また、屈折率変化物質は一種類の物質が緩衝液に加えられてもよく、複数種類の物質が緩衝液に加えられてもよい。
また、ランニング緩衝液と生体由来サンプル液は、光学的検出手段に順に導入されるのが好ましいが、ランニング緩衝液と生体由来サンプル液の混入を防ぐために、nDの低い緩衝液を、両者の間に30秒から3分までの短時間だけ導入する方法がさらに好ましい。混合による濃度のゆらぎによるシグナル発生を抑制できるためと、サンプル液に過剰の屈折率変化物質が混入することを防止することができるためである。過剰の屈折率変化物質が生体由来サンプル液に混入すると、解析後のサンプル液の回収が困難となるため好ましくないが、やむを得ない場合には本発明の効果を損なわない範囲で許容しても良い。
このように、クルードな生体由来サンプル液を光学的解析手段によって解析するにあたって、ランニング緩衝液とサンプル液のnDの差を極力抑えることで、厳密な解析が可能となる。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
[実施例]
0.1mM PEG6COOHアルカンチオール(SensoPath製)、0.9mM PEG3OHアルカンチオール(SensoPath製)のエタノール溶液を用意し、MultiSPRinter Auチップ(東洋紡績製)を16時間浸漬させ、COOH基末端PEGとOH基末端PEGが混合した自己組織化単分子層を形成させた。エタノールと水で洗浄した後に、250μlの0.2M 水溶性カルボジイミド(ナカライテスク製)、0.05M N−ヒドロキシスクシンイミド(ナカライテスク社)のリン酸緩衝液の溶液を、チップ上に注いで一時間反応させ、表面の、カルボキシル基をスクシンイミド化した。
得られたスクシンイミド化表面にMultiSPRinter自動スポッター(東洋紡績製)を用いて、抗アクチン抗体(Chemicon製)、抗チューブリン抗体(Chemicon製)、抗Vimentin抗体(Chemicon製)、抗SOD−1抗体(Santa Cruz製)、抗クレアチンキナーゼ抗体(Santa Cruz製)、抗ストレプトアビジン抗体(Vector Laboratories製)を200μg/mlの濃度でスポットし、1時間反応させて抗体をチップ上に固定化した。これで、抗体はPEGスペーサーを介して、金表面に共有結合的に固定化される。抗体を固定化した表面をリン酸緩衝液で洗浄した後、未反応のスクシンイミド基をブロックするため250μlの濃度10mg/mlのmPEG−NH2(Nektar Therapeutics製)のリン酸緩衝液溶液を2時間チップに反応させ、抗体アレイを得た。以上の反応式を図1に示す。
測定対象物質としては細胞抽出液内に豊富に存在するアクチン、チューブリンを選択した。また、モデル物質としてストレプトアビジン(SA)を細胞抽出液に加えて、検出を試みた。細胞としてはマウスのBrain(脳)を用いた。マウスから脳を摘出し、哺乳類細胞溶解試薬CellLytic M(SIGMA社製)を用い、Proteinase阻害剤を加え、機械的に破砕し、10,000回転で5分間遠心してその上清を採取した。最後に0.45μmのフィルターで濾過し、Brain抽出液とした。この抽出液50μlを屈折計TP−E1(アタゴ製)で25℃にて測定したところ、屈折率nD=1.3391だった。
抗体アレイを形成させた金チップをMultiSPRinter SPRイメージング機器(東洋紡績製)にセットし、HEPES緩衝液(10mM HEPES[pH7.2],150mM NaCl)をフローセル内に100μl/minの流速で流し、SPRからのシグナルを安定させた。測定はすべて30℃で実施した。このHEPES緩衝液のnDは1.3345である。引き続き、2.5%BSA添加HEPES緩衝液(nD=1.3390)をSPR装置に10分間導入し、シグナルを安定させた。測定角は、広角側にシフトさせた。BSAを2.5%加えることで、屈折率を上昇させ、Brain抽出液とほぼ同程度に調整した。nDの差は0.0001であり、0.0020以下である。pHもやや小さくなるため、0.5N NaOHを加えてpHを7.2に保つようにした。また、BSAはブロッキング効果をもつことが知られている。
Brain抽出液をSPRに導入する前に、一分間だけBSAを添加しないHEPES緩衝液をSPRに流しいれ、引き続いて、Brain抽出液をSPRに導入し、抽出液内のアクチンとチューブリンの検出を行った。HEPES緩衝液を一分間だけ導入することで、BSA添加HEPES緩衝液とBrain抽出液の混入を防いだ。図2のように抗アクチン抗体と抗チューブリン抗体を固定化したスポットのシグナルが上昇し、抽出液内のアクチンとチューブリンの検出に成功した。
再度、BSAを添加しないHEPES緩衝液を一分間導入したのち、2.5%BSA添加HEPES緩衝液を流し、ベースラインを確認した。Brain抽出液を流す前と比べて、抗アクチン抗体と抗チューブリン抗体のスポットのシグナルが上昇していた。
次にBSAを添加しないHEPES緩衝液を一分間導入した上で、100ng/mlの濃度でSAを添加したBrain抽出液を導入した。抗SA抗体のスポットのシグナルが徐々に上昇し、抽出液中のSAの存在を確認することができた。BSAを添加しないHEPES緩衝液を一分間導入した上で、2.5%BSA添加HEPES緩衝液を流し、抗SA抗体のスポットのベースライン変化を再度確認した。
このように、Brain抽出液をSPRに導入している際中のシグナル変化を厳密に観察することができ、非特異的吸着と区別することができた。
[比較例]
実施例と同じ抗体アレイを作製し、SPR測定を行った。ランニング緩衝液にBSAを加えないHEPES緩衝液を用い、そのままBrain抽出液をSPRに導入し、シグナル変化を観察した。HEPES緩衝液のnDは1.3345であり、Brain抽出液のnDは1.3391である。nDの差は0.0046であり、0.0020より大きい。
得られたSPRシグナルカーブを図3に示す。Brain抽出液導入中のシグナルは振り切れており、シグナルの変化は全く検出することができない。ランニング緩衝液に戻した段階で、ようやく抗アクチン抗体と抗チューブリン抗体でのシグナル増加が認められた。次に100ng/mlのSAを含むBrain抽出液を流したが、ここでも同様にシグナルは振り切れる。ランニング緩衝液に戻した段階で、抗SA抗体のスポットにおけるシグナル増加が確認でき、SAの存在を検出することができる。この方法では、結合の過程を観察することはできない。しかも、SAの結合が非特異的吸着である危険性もあり、SAの存在を判定するのは困難となる。
本発明により、バルク効果による影響を低減させ、固体表面に固定化した物質と生体由来サンプル液中の生体分子の、相互作用を観察することができる。すなわち、相互作用を測定したい物質の濃度が低いい場合でも、検出することが容易になることからも、産業界に大きく寄与することが期待される。
抗体を固定化する表面反応 Brain抽出液と100ng/mlのSA添加Brain抽出液を流しいれたときのSPRシグナル変化(実施例) Brain抽出液と100ng/mlのSA添加Brain抽出液を流しいれたときのSPRシグナル変化(比較例)

Claims (7)

  1. 生体由来のサンプル液に含まれる物質と、固体表面に固定化された物質との物質間相互作用を光学的に測定する方法であって、測定に使用するランニング緩衝液と、分析対象となるサンプル液との屈折率(nD)の差を0.0020以下とする光学的相互作用測定方法。
  2. ランニング緩衝液の屈折率を変化させ、サンプル液との屈折率(nD)の差を0.0020以下にすることを特徴とする請求項1に記載の光学的相互作用測定方法
  3. ランニング緩衝液に水溶性の物質を加え、屈折率を変化させることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学的相互作用測定方法
  4. 水溶性の物質が、固体表面への生体由来のサンプル液に含まれる物質の非特異的な吸着を、ブロックすることを特徴とする請求項3に記載の光学的相互作用測定方法
  5. 水溶性の物質が、ウシ血清アルブミンであることを特徴とする請求項3又は4に記載の光学的相互作用測定方法
  6. 表面プラズモン共鳴法を用いて測定することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光学的相互作用測定方法
  7. 表面プラズモン共鳴イメージング法を用いて測定することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光学的相互作用測定方法
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JP2010156647A (ja) * 2009-01-05 2010-07-15 Fujifilm Corp 担体およびその製造方法
JP2013011479A (ja) * 2011-06-28 2013-01-17 Dainippon Printing Co Ltd 免疫アッセイに用いるための物質固定化用担体

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