JP2010511862A - ポリペプチドイオンの衝突活性化のための方法および装置 - Google Patents

ポリペプチドイオンの衝突活性化のための方法および装置 Download PDF

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Abstract

衝突により活性化するイオンを同定するための方法および装置について説明する。本方法は、複数の線形イオントラップと、複数のイオン源と、質量測定機器とを使用する。第1の源は、第1のイオンを第1のトラップに供給するように動作され、第1のトラップにおいて、イオンは、動力学的に冷却され得る。第2の源は、第2のイオンを第1のトラップに供給するように動作され、第1のトラップにおいて、第1および第2のイオンは貯蔵される。第1のトラップにおけるイオンは、第2のトラップに入るように放出され、第2のトラップにおいて、イオンは、質量分析前に貯蔵される。装置は、4重極ロッドを使用してイオントラップを形成してもよく、第1のトラップおよび第2のトラップ間の電圧差および圧力差は、制御可能な値である。

Description

この出願は、2006年12月1日に出願された、米国仮出願第60/872,357号(これは、参考として本明細書に援用される)の利益を主張する。
本出願は、生体分子の成分を同定するための方法および装置に関し、より具体的には、タンパク質の同定に関し得る。
タンデム質量分析実験における気体ポリペプチドイオンの解離は、タンパク質同定に一般的に使用されるいくつかの手法に役立つ。ポリペプチドイオンの活性化に最も一般的に使用される手法は、中性標的ガスとのエネルギー衝突を伴い、衝突活性化と呼ばれる。
数電子ボルトから数キロ電子ボルトに及ぶ衝突エネルギー、単一の衝突から数百の衝突に及ぶ衝突数、および単一の衝突時間から数百ミリ秒に及ぶ時間尺度を含む様々な衝突活性化条件が利用されている。一般的に、衝突活性化方法は、ペプチドイオンおよびタンパク質イオンから主要構造情報を得る際に有用である。しかしながら、単一の解離方法では、対象の全ての構造情報を提供することが不可能である。例えば、衝突活性化は、完全な主要構造情報を提供できないことが多く、また、翻訳後修飾の位置に関する情報を提供できないことが多い。
ポリペプチドイオンを解離するための、ガス標的とのエネルギー衝突以外の手法についても研究されている。これらの手法には、例えば、表面誘起解離と呼ばれる表面との衝突と、赤外多光子解離(IRMPD)、黒体赤外線解離(BIRD)、およびいくつかの波長のうちの1つにおける単一光子UV光解離等の様々な光解離手法とが含まれる。多重プロトン化ポリペプチドの場合、イオン/電子反応およびイオン/イオン反応を使用している。多重プロトン化ペプチドによる電子捕獲または多重プロトン化ペプチドへの電子移動により、衝突活性化から生じるものに多くの場合非常に相補的であるフラグメント化がもたらされる。前者は、電子捕獲解離(ECD)と呼ばれ、後者は、電子移動解離(ETD)と呼ばれる。ECDおよびETDの両方は、翻訳後修飾されたペプチドおよびタンパク質陽イオンの特徴化に関して特に有用であると証明されている。
ETD実験の場合、イオン/イオン反応からの生成物は、3つの主要カテゴリのうちの1つに割り当て可能である。これらは、プロトン移動、つまり一般的にフラグメント化をもたらさない競合的イオン/イオン反応、解離(つまり、ETD過程)の直後の電子移動、およびポリペプチド生成物が引き続いて解離しない電子移動である。これらの3つの反応カテゴリの間の区別は、少なくともある程度、反応物イオンの各々の種に関する。例えば、プロトン移動および電子移動間の競合は、試薬陰イオンの正体に強く依存することで知られている。ペプチドイオンのサイズおよび電荷状態は、解離しない電子移動に対してETDが発生する程度を判断するのに重要な役割を果たし、また、反応槽として使用される電気力学的イオントラップにおけるバスガスの温度は、全ETDの相対的寄与、ETDに寄与する個々の反応カテゴリの相対的寄与、および解離しない電子移動の程度に影響を及ぼすことが可能である。トリプシン消化物から多くの場合観測されるサイズの2重プロトン化ペプチドは、通常、例えば、同一のペプチドの3重に荷電されたバージョンよりも大幅に少ないETDを示す。
分析の観点から、競合的プロトン移動チャネルを最小化し、解離しない電子移動に対するETDを最大化することが望ましい。試薬陰イオンの選択は、この点において重要であり得る。電子移動を受けるが解離しない種に対するETDの程度を最大化し得る1つの手法として、これらの電子移動生成物を引き続いて活性化することが挙げられる。つまり、電子移動(ET)「残存物」の引き続いての活性化は、前駆イオンから構造的に情報の豊富な生成イオンへの正味変換を改善することが可能である。
この点において、残存物の解離を最大化するとともに、プロトン移動生成物の解離を最小化することが望ましい。後者の種は、一般的に、b型およびy型イオンをもたらし、これらは、スペクトル解釈を複雑化し、ETDに一般的に関連するc型およびz型イオンのみの形成を担うデータベース一致アルゴリズムの品質を犠牲にし得る。上昇したバスガス温度を使用することは、ETDの程度を変更する1つの手法である。しかしながら、この手法は、反応物イオンおよび生成イオンの両方に影響を及ぼし得るため、残存物イオンのためだけの活性化方法はなくなり得る。
上昇したバスガス温度を使用することによって、例えば、室温のバスガスを使用するよりもETD収率の一貫した改善が見られなかった。
質量分析の方法であって、第1のイオントラップのチャンバー内に第1のイオントラッピング容積を形成するステップと、第1のイオン集団をイオントラッピング容積に注入して、第1の集団がトラッピング容積に貯蔵されるステップと、第2の荷電されたイオン集団を、第1のイオントラッピング容積に注入して、第1および第2のイオン集団の物理的な重なりが発生するステップと、第2のイオントラップのチャンバー内に第2のイオントラッピング容積を形成するステップと、第1のイオントラップから第2のイオントラップにイオンを射出するステップと、第2のイオントラップのイオンに質量分析を実行するステップとを含む方法が開示される。
ある側面において、質量分析を実行する方法は、第1のイオン源を動作するステップと、質量フィルタにより第1のイオンを選択し、第1の線形イオントラップ(LIT)としての役割を果たす第1の容積に、選択された第1のイオンを注入するステップと、第1の源のスイッチを切り、第1のLITにおける選択された第1のイオンを冷却するステップと、第2のイオン源を動作するステップと、質量フィルタにより第2のイオンを選択し、LITとしての役割を果たす第1の容積に、選択された第2のイオンを注入するステップと、第1および第2の選択されたイオンを第1のLITに貯蔵するステップと、第1のLITから第2のLITに貯蔵されたイオンを射出するステップと、第2のLITのイオンの質量を分析するステップとを含む。
分子を分析するための装置であって、第1のイオン集団を受け入れおよび貯蔵し、第2のイオン集団を受け入れおよび貯蔵するように構成される第1の線形イオントラップ(LIT)と、第1および第2のLIT間に電圧を印加することによって、第1のLITから射出される貯蔵されたイオンを受け入れるように構成される第2の線形イオントラップ(LIT)と、第2のLITのイオンを分析するための質量分析器と、を備える装置が開示される。
イオン/イオン反応研究のために修正されたQTRAPハイブリッド3連4重極/線形イオントラップ器具の概略図を示す。 a)2Vおよびb)12VのQ2/Q3電圧差でQ3に移動した後に、Q2のアゾベンゼン陰イオンとの2重プロトン化LLLLKLLLKの反応から得られたスペクトルを示す。 電子移動から得られるフラグメントの相対存在量の和と、ポリペプチドイオンの衝突活性化から生じるフラグメントの相対存在量の和を、Q2およびQ3間の電圧オフセット差異の関数として示す。 4つの異なるQ2/Q3移動電圧におけるアゾベンゼン陰イオンとの2重プロトン化LIAGDGAILRの反応に関するペプチド配列の関数として、電子移動生成物の相対存在量を示す。
例示的実施形態は、図面を参照することによってさらに理解され得るが、これらの実施形態は、本質を制限することを意図しない。以下の説明において、多数の具体的な詳細は、本発明を完全に理解するために記載されるが、これらの具体的な詳細の一部または全部を含まずに実践されてもよい。他の事例において、周知の過程動作については、説明を不必要に曖昧にしないように詳細に説明されていない。
図1は、方法を実行するための装置であって、修正型プロトタイプ版のQ TRAP質量分析計(Applied Biosystems社/カナダ、オンタリオ州、コンコルドのMDS SCIEX社)である装置の例を示す。2つのイオン源(ナノエレクトロスプレー(ESI)源およびAPCI(大気圧化学イオン化)源)は、多様な種類のイオン化陽イオンまたは陰イオンを機器に注入するように、機器の一端に配置された。イオンは、単一に荷電されていても多重に荷電されていてもよく、電荷のセンスは、2つのイオン源について同一または異なってもよい。
Q TRAP電子機器は、補助RF信号を、Q2 4重極配列の封じ込めレンズIQ2およびIQ3に重畳(superimpose)するように修正され、これらの封じ込めレンズによって、Q2セルにおける反対電荷のイオンの相互貯蔵が可能になる。Q2 4重極配列の封じ込めレンズIQ2およびIQ3に印加される補助RF信号の周波数および振幅は、電子移動イオン/イオン反応実験に最適化された。Q TRAPは、650kHzの駆動RF周波数で動作した。
イオン経路は、3連4重極質量分析計の経路に基づき、最終の4重極ロッド配列は、従来のRF/DC質量フィルタとして、または質量選択的軸方向射出(MSAE)を含む線形イオントラップ(LIT)として動作するように構成された。
イオン源からのイオンは、カーテンガスおよび差動排気領域(OR、SK)を通って4重極イオンガイド(Q0)へ移動する。Q0チャンバーおよび分析チャンバーは、差動排気開口であるIQ1によって分離された。分析チャンバーは、3つの円形ロッド4重極配列、つまり、分析4重極Q1、衝突セル4重極(Q2)、および分析4重極(Q3)を直列に含んだ。4重極の各々の長さは127mmであり、フィールド半径は4.17mmであった。Ql 4重極の前部に位置する短いRFのみのBrubakerレンズ(ST)は、Q1駆動RF電源に容量的に結合された。
Q TRAP電子機器は、補助RF信号を、Q2 4重極配列の封じ込めレンズIQ2およびIQ3に重畳するように修正され、これらの封じ込めレンズによって、Q2セルにおける反対電荷のイオンの相互貯蔵が可能になる。Q2 4重極配列の封じ込めレンズIQ2およびIQ3に印加される補助RF信号の周波数および振幅は、電子移動イオン/イオン反応実験に最適化された。
Q3 4重極は、円形金被覆セラミックロッドにより構築された。Q3の下流において、2つの追加のレンズが存在し、第1のレンズは、メッシュ被覆の直径8mmの口径を有し、第2のレンズは、開放型の8mmの口径を有する。これらのレンズは、それぞれ「出口レンズ」(EX)および「偏向器」と呼ばれる。一般的に、偏向器は、約200Vに保持され、Q3LITからイオン検出器であるETP社(オーストラリア、シドニー)の離散ダイノード電子倍増管へイオンを抽出するために、出口レンズに誘引されるようにする。検出器は、パルス計数モードで動作し、入口は、陽イオン検出では−6kV、陰イオン検出では+4kVに変動した。Q3に印加された補助RF電圧は、分析走査中、質量/電荷(m/z)に比例して傾斜した。Q3LIT内にトラップされたイオンは、380kHzの信号によって共鳴的に励起され、質量選択的に軸方向に放出された。
パルス型2重イオン化源は、Q TRAP質量分析計のインターフェースに直接連結され、多重に荷電されたペプチド陽イオンを生成するためのナノ静電イオン(ESI)エミッタと、アゾベンゼンから得られるラジカル陰イオンを形成するための大気圧化学イオン化(APCI)ニードルとを含んだ。反対電荷のイオンの順次的なパルス化および蓄積は、MDS SCIEX社により提供されるDaetalyst3.6ソフトウェアの制御下にあった。
方法の実験例において使用した材料は、メタノールおよび氷酢酸(ニュージャージー州、フィリップスバーグのMallinckrodt社)であり、ペプチドKGAILKGAILR、LLLLKLLLK、およびLIAGDGAILRは、SynPep社(カリフォルニア州、ダブリン)によって合成された。ペプチド溶液は、正のナノエレクトロスプレー(ナノESI)の50/50/1(容積/容積/容積)のメタノール/水/酢酸溶液中において20μMまで希釈された。アゾベンゼンは、Sigma−Aldrich社(ミズーリ州、セントルイス)から入手した。材料は、さらに精製することなく使用された。
電子移動イオン/イオン反応に関する図1の装置を使用して方法を実行する例は、(1)APCIニードルに印加される高電圧(−3kV)をパルス化し、質量分解モードでQ1によって選択されたアゾベンゼンラジカル陰イオンをQ2線形イオントラップ(LIT)に注入するステップと、(2)APCIニードルへの高電圧のスイッチを切る一方で、陰イオンが、約150ミリ秒間、Q2において動力学的に冷却されるステップと、(3)ナノESIエミッタに対する高電圧(+1.0−1.5kW)のスイッチを入れて、質量分解モードでQ1によって選択された陽イオンを、比較的低い運動エネルギーを有するQ2LITに注入するステップと、(4)反対電荷のイオンをQ2LITに相互貯蔵するステップと、(5)誘引DC電位をQ2封じ込めレンズに印加することによって、残存陰イオンをQ2から射出するステップと、(6)Q2ロッドおよびQ3ロッド間の可変電位差で、約50ミリ秒間、Q2からQ3へETD生成イオンを移動させるステップと、(7)約50ミリ秒間、移動したイオンをQ3において動力学的に冷却するステップと、(8)約380kHzの周波数における補助RF信号を使用して、質量選択的軸方向射出(MSEA)によってQ3におけるイオンを質量分析するステップと、を含む。本例に関する過程変数(process variale)は、ステップ(6)におけるQ2/Q3電圧オフセット差異であった。結果として生じるスペクトルは、典型的には、20〜100の個々の走査の平均であった。
記載の方法は、装置のQ2からQ3への移動時に、イオンの衝突活性化をもたらす。イオンの衝突活性化は、比較的高い圧力環境のQ2から、より低い圧力環境のQ3への移動時に発生し、これは、イオントラッピングモードで動作される。ここで、Q3は、可能な限り広範囲の生成イオンを収集するように移動過程において動作され、対象の前駆イオンよりも質量対電荷比の低い解離生成物の収集を回避するのに十分高いRF振幅レベルにおけるQ3の初期動作とは違う。後者のモードのQ3における動作は、解離生成物の収集前に遅延時間を導入し、比較的長い寿命の前駆イオンからのフラグメントがサンプリングされるようにし得る。本明細書に記載の方法において、Q2において最初に形成された実質的に全てのETD生成物は、Q3に移動するとともに、イオンを移動過程における比較的軽度の衝突活性化の影響下に置く。このように、電子移動からの残存物イオン等の比較的脆弱な種は、フラグメントに誘導され得るが、プロトン移動生成物ならびに第1の生成電子移動解離生成物のフラグメント化が最小化され得る。
ETDの程度は、同一のペプチドの3重に荷電されたバージョンよりも、約10〜20の残留物を有する2重プロトン化ペプチドについて大幅に低くなり得る。ゆえに、このようなペプチドイオンは、イオン/イオン反応後衝突活性化ステップの適用の候補である。
図2は、Q2からQ3への移動時における2重プロトン化LLLLKLLLKとアゾベンゼンラジカル陰イオンとの反応後に、Q2に存在するイオンの衝突活性化の影響に関する実験データを示す。図2aは、Q2およびQ3間のDCオフセットが2Vであるイオン移動後の結果を示し、この条件において、2つの線形イオントラップ間の移動中に最小加速が発生する。図2bは、12Vの電圧差でイオンが移動した際に得られた実験結果を示す。この特定のペプチドに関し、zおよびcイオンは、質量測定によって区別不可能である。それにもかかわらず、12V電位差におけるQ2からQ3への移動が、Q2およびQ3間の2V電位差で収集されるデータよりも、情報の豊富なETDフラグメントから、著しく大きい寄与をもたらすという結論を下すことができる。電子移動反応による解離生成物の収率の測定は、%ETDによって提供され、これは、2重プロトン化種について、
と定義され得る。未反応2重プロトン化ペプチドによる信号を排除することによって、用語の%ETDは、電子移動フラグメントをもたらす反応ペプチド種の割合を示す。図2aのデータに関し、%ETDは12.3%であり、図2bでは、%ETDは36.0%である。
特定のポリペプチド反応物の%ETDの改善は、ET残存物が形成される程度と、残存物が解離可能である効率とに依存する。%ETDは、陰イオン試薬の選択と、残存物の引き続いての活性化の条件選択の両方によって増加し得る。
プロトン移動生成イオンおよび未解離ポリペプチド前駆イオンの解離は、データ解釈を簡略化するために低下され得る。図3は、直接ETDおよび電子移動残存物の解離の両方から生じるフラグメントの相対存在量の和(曲線1)と、同等の電子ポリペプチドイオンの解離から生じる生成物の和(曲線2)とに対するQ2およびQ3の電位差の影響を示す。フラグメントの相対存在量の測定は、以下のように定義され得る。
これらの生成物は、Q1からQ2への注入時の前駆イオンの衝突活性化ならびにQ2からQ3への移動時の残留反応物イオンおよびプロトン移動生成物の解離から生じ得る。
2Vの電圧差で収集されたデータは、Q3に移動する前に、ほとんど全てのフラグメントイオンがQ2において形成された状態を示す。電圧差が増加するにつれて、フラグメントイオン存在量の変化は、Q2からQ3への移動過程から生じる解離に起因し得る。結果によると、Q2/Q3電圧差の範囲(2〜12V)において、電子移動解離生成物の収率の約3倍の増加が示唆される。b型およびy型フラグメント曲線(曲線2)の形状は、約12Vまで値が徐々に増加し、高電圧差において比較的急速に増加するため、電子移動フラグメント曲線(曲線1)の形状とは異なる。これは、プロトン移動生成物の安定性より低い電子移動残存物の安定性と一致し、電子移動残存物を優先的にサンプリングし得る電圧差の確立を可能にすることができる。本実験の最高電圧差において、第1の生成電子移動フラグメントからの寄与は減少し、これは、第1の生成フラグメントのさらなる解離から生じ得る。
電子移動残存物イオンのイオントラップ衝突誘起解離は、直接ETDで観測されたものと同一ではないアミド結合の開裂からのいくつかの生成物を生成し得る。残存物イオンの衝突活性化の方法について、図4に示すように、類似の観測が行なわれ、図4は、x軸上のペプチド配列の関数として2重プロトン化LIAGDGAILRの電子移動解離生成物を概説し、また、中性損失生成物(neutral loss product)への記入(entry)を含む。直接形成される配列情報イオンは、2Vの移動電圧で収集されたデータに反映されるように、ペプチドにおける9つのアミド結合のうちの5つから生じ、一方、移動電圧がさらに高くなると、全ての9つのアミド結合における開裂の証拠が明白になり得る。したがって、%ETDの増加は、電子移動残存物の活性化に関連し、構造情報の量の増加を伴うことができる。
約1ミリトールの背景ガスの存在下における一方の線形イオントラップから別の線形イオントラップへのイオンの加速は、衝突誘起解離をもたらすために使用され得る。異なる安定性を有する種の衝突誘起解離の程度は、制御され得る。例えば、2つのイオントラップ間の電圧差は、電子移動残存物イオンの解離を最大化するとともに、プロトン移動および残留前駆イオンの衝突誘起解離を最小化するように調整可能である。本方法の使用により、%ETDおよび電子移動残存物イオンについて顕著な集団を生成する傾向にあるポリペプチドイオンからの構造情報の程度が増加する。本方法は、広範な調節を必要とせず、加速は、イオンの質量対電荷比に大幅に依存し得ない。また、本方法は、イオントラップ衝突活性化に比べて、対象のイオンに対する共鳴励起周波数の綿密な一致を必要としない。
本方法は、例えば、プロテオミクスにおいて使用されてもよく、この場合、タンパク質の同定および特徴化は、ペプチドイオンまたはタンパク質イオンの解離によって達成される。本方法は、真空システムを加熱せずに、残存電子移動生成物の活性化をもたらす。
本発明のほんの数例ついて上に詳細に説明したが、当業者は、本発明の新規の教示および利点から実質的に逸脱することなく多くの修正が可能であることを容易に理解するだろう。したがって、このような多くの修正は、以下の請求項において定義されるように、本発明の範囲内に含まれると意図される。

Claims (22)

  1. 質量分析の方法であって、
    第1のイオントラップのチャンバー内に第1のイオントラッピング容積を形成するステップと、
    第1のイオン集団を該イオントラッピング容積に注入して、該第1の集団が該トラッピング容積に貯蔵されるステップと、
    第2の荷電されたイオン集団を、該第1のイオントラッピング容積に注入して、該第1および該第2のイオン集団の物理的な重なりが発生するステップと、
    第2のイオントラップのチャンバー内に第2のイオントラッピング容積を形成するステップと、
    該第1のイオントラップから該第2のイオントラップにイオンを射出するステップと、
    該第2のイオントラップの該イオンに質量分析を実行するステップと、
    を含む、方法。
  2. 前記質量分析は、質量選択的軸方向射出(MSAE)モードで前記第2のイオントラップを動作することによって実行される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記射出するステップは、前記第1のイオントラップの構成部品および前記第2のイオントラップの構成部品の間に電圧を印加することによって実行される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記電圧は、選択可能であり、前記質量分析データは、少なくとも2つの電圧値において得られる、請求項3に記載の方法。
  5. 前記第1のイオン集団または第2のイオン集団のうちの少なくとも1つは、静電イオン化(ESI)機器によって生成される、請求項1に記載の方法。
  6. 前記第1のイオン集団または第2のイオン集団のうちの少なくとも1つは、大気圧化学イオン化(APCI)ニードルによって生成される、請求項1に記載の方法。
  7. 前記第1のイオン集団は、前記第2のイオン集団の前記注入前に、動力学的に冷却される、請求項1に記載の方法。
  8. 前記第2のトラップにおける前記イオンは、動力学的に冷却される、請求項7に記載の方法。
  9. 前記第1または第2のイオントラップの少なくとも1つは、線形イオントラップ(LIT)である、請求項1に記載の方法。
  10. 質量分析を実行する方法であって、
    第1のイオン源を動作するステップと、
    質量フィルタにより第1のイオンを選択し、第1の線形イオントラップ(LIT)としての役割を果たす第1の容積に、該選択された第1のイオンを注入するステップと、
    該第1の源のスイッチを切り、該第1のLITにおける該選択された第1のイオンを冷却するステップと、
    第2のイオン源を動作するステップと、
    質量フィルタにより第2のイオンを選択し、LITとしての役割を果たす該第1の容積に、該選択された第2のイオンを注入するステップと、
    該第1および第2の選択されたイオンを該第1のLITに貯蔵するステップと、
    該第1のLITから第2のLITに貯蔵されたイオンを射出するステップと、
    該第2のLITの該イオンの質量を分析するステップと、
    を含む、方法。
  11. 前記質量は、前記第2のトラップから質量選択的軸方向射出(MSAE)を使用して分析される、請求項10に記載の方法。
  12. 前記第1のイオンは、前記第1のトラップにおいて動力学的に冷却される、請求項10に記載の方法。
  13. 前記第2のトラップにおける前記イオンは、動力学的に冷却される、請求項10に記載の方法。
  14. 前記射出するステップは、前記第1のトラップの構造および前記第2のトラップの構造間に電圧を印加することによって実行される、請求項10に記載の方法。
  15. 前記構造は、4重極配列のロッドである、請求項14に記載の方法。
  16. 前記電圧は、前記質量分析におけるパラメータである、請求項14に記載の方法。
  17. 前記第1のイオンは、陰イオンであり、前記第2のイオンは、陽イオンである、請求項10に記載の方法。
  18. 分子を分析するための装置であって、該装置は、
    第1のイオン集団を受け入れおよび貯蔵し、
    第2のイオン集団を受け入れおよび貯蔵する、
    ように構成される第1の線形イオントラップ(LIT)と、
    該第1のLITおよび第2のLIT間に電圧を印加することによって、該第1のLITから射出される貯蔵されたイオンを受け入れる、
    ように構成される第2の線形イオントラップ(LIT)と、
    質量分析器と、
    を備える、装置。
  19. 前記第2のLITにおける前記イオンの質量は、第1の電圧値を印加して測定され、該イオンの該質量は、第2の電圧値を印加して測定される、請求項18に記載の装置。
  20. 前記第1の集団のイオンおよび前記第2の集団のイオンのうちの少なくとも1つは、静電イオン化(ESI)機器または大気圧化学イオン化(APCI)ニードルのうちの1つによって供給される、請求項18に記載の装置。
  21. 前記質量分析器は、前記第2のLITを質量選択的軸方向エミッタ(MSAE)として使用する、請求項18に記載の装置。
  22. 前記第1のイオン集団は、陽イオンを含み、前記第2のイオン集団は、陰イオンを含む、請求項18に記載の装置。
JP2009539337A 2006-12-01 2007-11-30 ポリペプチドイオンの衝突活性化のための方法および装置 Withdrawn JP2010511862A (ja)

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