JP2010510995A - 5−[(2r)−[2−[2−[2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェノキシ]エチル]アミノ]プロピル]−2−メトキシベンゼンスルホンアミド - Google Patents

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Abstract

【解決手段】5-[(2R)-[2-[2-[2-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)フェノキシ]エチル]アミノ]プロピル]-2-メトキシベンゼンスルホンアミド、その化合物を含有する製薬上の組成物、およびその合成方法である。化合物はα1-アドレンセプターに向けた強い拮抗作用を持ち、尿道の筋肉に向けた高い選択性を持つ。

Description

本発明は、5-[(2R)-[2-[2-[2-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)フェノキシ]エチル]アミノ]プロピル]-2-メトキシベンゼンスルホンアミド、その製薬上許容可能な塩類およびそれを調製するための方法に関し、またそれはその化合物を含有する製薬上の組成物および抗前立腺肥大薬の調製におけるその使用を提供する。
前立腺肥大症は高齢者における一般的な病気であり、その主要な臨床症状は排尿障害である。現時点では、副腎のαl受容体アンタゴニストは通常、その徴候を軽減することに用いられ、プラゾシン(米国特許3,511,836号)、テラゾシン(米国特許4,026,894号)、ドキサゾシン(米国特許4,188,390号)、アルフゾシン(米国特許4.315,007号)、タムスロシン(米国特許4,703,063号)などのようなものであり、これらの薬物は副腎のαl受容体および尿道の平滑筋の収縮を選択的に抑制し、次いで尿を良好に排出させるが、これらの薬物は、起立性低血圧のような副作用と関係し、それでそれらは慎重に患者に用いなければならない。
したがって、排尿障害を処置するために、尿道の平滑筋の収縮を選択的に抑制し、および血管上の収縮に弱くしか影響しない化合物を見出すのが望ましい。本発明の化合物は、尿道の平滑筋の収縮を抑制する際により一層高い選択性を持ち、および排尿障害のための処置において用いることができ、さらに起立性低血圧の発生率はより一層低い。
本発明の説明:本発明の対象は、副腎のαl受容体(レセプター)アンタゴニスト(拮抗剤)として、新しい化合物を提供することにある。
本発明の別の対象は、式(I)を持つ新しい化合物の調製方法を提供することにある。
本発明はまた、式(I)を持つ化合物の治療上効果的な用量を含有する製薬上の組成物を提供する。
さらに、本発明はまた、式(I)を持つ化合物、およびそれを含有する組成物を抗前立腺肥大薬の調製における使用を提供することを目標とする。
この発明を完結させるために、本発明は以下の技術的な解法に関する。すなわち
この発明によれば、それは特に、式(I)を持つ化合物の製薬上許容可能な塩に関する。
Figure 2010510995
本発明はまた、式(I)を持つ化合物の調製方法(プロセス)に関し、それは次の工程、すなわち
この発明において記載するような化合物を与えるために、式(II)の化合物を式(III)の化合物と反応させることを具える。
Figure 2010510995
本発明はまた、活性成分として化合物の治療上効果的な用量、そして製薬上許容可能なキャリヤー(担体)を含有することで特徴づけられる製薬上の組成物を包含する。
この発明の化合物を、抗前立腺肥大薬の調製において用いることができる。
本発明が、式(I)を持つ化合物またはその製薬上許容可能な塩に関するものであることはわかる。またそれは、その化合物の製薬上の組成物に関し、それは抗前立腺肥大化の優れた活性を持つ。
Figure 2010510995
若干の副腎のα1受容体アンタゴニストが尿道の平滑筋の収縮に及ぼす良好な抑制的効果を持ち、そして前立腺肥大症のための処置において用いられることが報告された。本発明者は式(I)を持つ化合物が報告された薬物と比較してより一層強い薬理学的効果およびより一層良好な選択性を持つことを見出し、それで本発明者らは本発明を完成した。
式(I)を持つ化合物は、式(II)の化合物を式(III)の化合物と反応させることによって調製することができる。
Figure 2010510995
典型的に、本発明の製薬上の組成物は、この技術において既知の方法によって調製することができる。この目的を可能にするために、必要に応じて、活性成分を、1種またはそれよりも多くの固形または液体の製薬上の賦形剤および/または補助剤(アジュバント)と組み合わせることができ、次いでさらにヒトの医薬として適切な使用形態または剤形に作成することができる。
本発明の製薬上の組成物はユニット(単位)-用量の形態において管理(投与)することができ、そして管理の経路は、腸のか、非経口のもので、経口、筋肉、皮下組織、鼻腔、口腔粘膜、皮膚、腹膜、または直腸などのようなものでありうる。
本発明の組成物は注入(注射)によって投与することができる。前記注射には、静脈注射、筋肉内注射、皮下注射、皮内注射、経穴(鍼点)注射などが含まれる。
投与の剤形は、液体および固体の剤形であることができる。液体の形態は、真溶液(true solution)、コロイド、粒状、エマルジョン、懸濁物であることができる。他の剤形は、錠剤(タブレット)、カプセル、ドロップピル(液滴丸剤)、エアロゾル、ピル、粉体、溶液類、懸濁物類、エマルジョン類、粒子類、坐薬、冷凍乾燥した粉体などである。
本発明の製薬上の組成物は、一般的な調製物、または遅延放出性の調製物、制御放出性の調製物、標的(ターゲッティング)調製物および種々の粒状調製物に形成することができる。
錠剤中に単位-用量を調製するために、この技術において既知の種々の担体を広く用いることができる。担体の若干の例には、たとえば、希釈剤および吸収剤で、澱粉、デキストリン、硫酸カルシウム、乳糖、マンニトール、ショ糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖(グルコース)、尿素、炭酸カルシウム、カオリン、微結晶性セルロース、ケイ酸アルミニウム、その他のようなもの;湿潤剤および結合剤(バインダー)で、水、グリセロール、ポリエチレングリコール、エタノール、プロパノール、澱粉、デキストリン、シロップ、蜂蜜、ブドウ糖溶液、ムシラゴ・アカシアエ(mucilago acaciae)、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ガムラック、メチルセルロース、リン酸カリウム、ポリビニルピロリドン、その他のようなもの;崩壊剤で、乾燥澱粉、アルギン酸塩、寒天末、褐藻類澱粉、重炭酸ナトリウムおよびクエン酸、炭酸カルシウム、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ドデシル硫酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、その他のようなもの;崩壊抑制剤で、ショ糖、トリステアリン酸グリセリド、カカオバター(カカオ脂)、水素化(硬化)油、その他のようなもの;吸収促進薬(エンハンサー)で、四級アンモニウム塩、ドデシル硫酸ナトリウムその他のようなもの;潤滑剤で、タルカム粉体、シリカ(二酸化ケイ素)、コーンスターチ、ステアリン酸塩、ホウ酸、流動パラフィン、ポリエチレングリコール、その他のようなものが含まれる。前記錠剤はまた、被覆錠剤で、糖衣錠、フィルムコート錠、腸溶性コート錠、または二層錠剤および多層錠剤のようなもの中に、さらに調製することもできる。
ピル中への投与単位を調製するために、この技術において既知の種々の担体を広く用いることができる。担体の例には、たとえば、希釈剤および吸収材で、ブドウ糖、乳糖、澱粉、カカオバター、水素化植物油、ポリビニルピロリドン、カオリン、タルク、その他のようなもの;結合剤で、アラビアガム(arabic gum)、バソラガム(bassora gum)、ゼラチン、エタノール、蜂蜜、液糖(liquid sugar)、ライスペーストまたはパンがゆ(panada)、その他のようなもの;崩壊剤で、寒天末、乾燥澱粉、アルギン酸塩、ドデシル硫酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロースその他のようなものが含まれる。
坐薬中に投与単位を調製するために、この技術において既知の種々の担体を広く用いることができる。担体のいくつかの例には、ポリエチレングリコール、レシチン、カカオバター、高級アルコール類、高級アルコールのエステル類、ゼラチン、半合成グリセリド、その他が含まれる。
カプセル中に投与単位を調製するために、活性成分を上記の種々の担体類と混合し、そして次いで混合物を硬質ゼラチンカプセルまたは軟質カプセル中に置く。活性成分はまた、カプセル化された調剤物中に調製することもでき、懸濁物を形成するために水性媒体において懸濁させ、硬質カプセル中に入れるか、または使用のために注射剤中に調製することもできる。
たとえば、本発明の組成物は、注射剤で、溶液、懸濁物、エマルジョン類、冷凍乾燥させた粉体のようなものの中に調製され、それは水性または非水性であってよく、および1種またはそれよりも多くの製薬上許容可能な担体、希釈剤、結合剤、潤滑剤、保存剤、表面活性剤または分散剤を含みうる。たとえば、希釈剤は、水、エタノール、ポリエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、エトキシル化イソオクタデカノール、過酸化(peroxidized)イソオクタデカノール、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルその他からなる群より選ばれうる。追加的に、等張性注射剤を調製するために、塩化ナトリウム、ブドウ糖またはグリセロールを注射剤中に加えることができ、さらに、レギュラー(規則的な)共溶媒、バッファー(緩衝剤)、pH調整薬剤を加えることもできる。これらの賦形剤は概してこの技術において用いられる。
さらにまた、必要に応じて、着色剤、保存剤、香料、矯正剤(correctives)、甘味料または他の物質を、製薬上の調製物中に加えうる。
本発明の製薬上の組成物は前立腺肥大症のための処置において用いることができる。
本発明の化合物またはその製薬上の組成物の管理される投薬量は、多くの因子に依存し、それは、予防または処置が必要とされる病気の性質および重症度、性、齢、重さ、気質および患者または動物の個体反応、投与の経路、投与の時間のようなものであり、それで、本発明の治療上の用量は大規模な変化を持つ。一般的に言って、本発明の製薬上の組成物の用いる投薬量は、この技術において熟練する者に知られている。化合物の最終的な調製物または本発明のそれらの組合せにおいて含まれる実際の効果的な投薬量によれば、その治療上の有効な用量の要求を達成することを適切に調整することができる。約75kgの重さを有する患者について、1日あたり投与される用量は、0.5μg/kg体重から40μg/kg体重までの範囲に、好ましくは2μg/kg体重から10μg/kg体重までの範囲にありうる。上記の用量は、単一の用量または多重用量(multidoses)で、2、3または4回の用量のようなものの形態において管理されえ、それは臨床経験に基づく医者の投与計画に依る。
式(I)を持つ本発明によって調製される化合物は、尿道の平滑筋の収縮上に強い抑制的効果および良好な選択性を持つ。
以下の例は、本発明を詳細に例示するために提供するが、これらはこの発明の範囲を制限するものと考えるべきではない。
(例1)
5-[(2R)-[2-[2-[2-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)フェノキシ]エチル]アミノ]プロピル]-2-メトキシベンゼンスルホンアミド(式Iの化合物)およびその塩酸塩(hydrochlorate)の調製
(R)(-)-5-(2-アミノプロピル)-2-メトキシベンゼンスルホンアミドの溶液(欧州特許257787号の方法によって調製される)(24.4g、0.1モル)、2-(2,2,2-トリフルオロエトキシ-l)フェニル-2-エーテル臭化物(米国特許5,387,603号の方法によって調製される)(15g、0.05モル)およびイソプロパノール300mlを16時間還流させ、30℃(摂氏)にまで冷却し、そしてろ過した。ろ過物を減圧下に乾燥させ、酢酸エチル300mlおよび水100mlを加え、次いで混合物を振とうした。酢酸エチル層を分離し、水層を酢酸エチル100mlで抽出し、次いで組み合わせた酢酸エチル層を100mlの水で洗い、式(I)を持つ化合物16g、収量69%(式(I)を持つ化合物の塩酸塩)を与えるために、乾燥させ、および減圧下に蒸発させた。
結果として生じる化合物(16g)を150mlの無水エチルアルコールにおいて溶解し、次いでHClエタノールをpH2まで滴下により(dropwise)加えた。混合物を0.5時間撹拌し、ろ過し、エタノールで洗浄し、および白色固体16g、93%の収量(式(I)を持つ化合物の塩酸塩)を与えるために乾燥させた。
1HNMR(d6-DMSO)δ1.17(3H,d)、2.73(1H,d. d)、3.31(1H,d. d)、3.44(2H,m)、3.52(1H,m)、3.90(3H,s)、4.37(2H,t)、4.72(2H,q)、7.00〜7.19(5H,m)、7.46(1H,d. d)、7.64(1H,d)、9.35(2H、br. s)
(例2)
Figure 2010510995
例1の結果として生じる化合物を一様に澱粉と混ぜ、8%の澱粉スラリーを、ソフト材料(softmaterials)を調製するために加え、次いでソフト材料を14メッシュのナイロンふるいで造粒し、70-80℃で乾燥させ、ステアリン酸マグネシウムを加え、10-12メッシュのワイヤーふるいで造粒し、混合し、12mmのパンチダイ(型)で錠剤に押し込んだ。

(例3)
Figure 2010510995
化合物1を水において溶解し、および澱粉(80g)、粉糖(20g)、フレーバー(適度)を加え、一様に混ぜ、次いで14-16メッシュのふるいで造粒して、60℃よりも低い温度で乾燥させ、および詰めた。
(例4)
Figure 2010510995
化合物1、微結晶性セルロース、乳糖およびヒドロキシメチル澱粉ナトリウムをそれぞれふるいにかけ、そして一様に混ぜ、次いで適切な澱粉スラリーを、ソフト材料を調製するために加え、次いでソフト材料を20メッシュのふるいで造粒し、湿った粒子を、50℃よりも低い温度で乾燥させ、次いで乾燥させた粒子を20メッシュのふるいで造粒し、次いで一様にステアリン酸マグネシウムおよびシリカゲル粉と混ぜ、そしてカプセル中に充填した。
(例5)
Figure 2010510995
化合物1、サッカリンおよびフレーバーを、注射用の水においてそれぞれ溶解し、そして混ぜ、次いで1000mlまで希釈し、そして化合物1の経口液剤を得るためにサブ包装した。
(例6)
Figure 2010510995
化合物1を注射用の適切な量の水で溶解し、デキストラン(40g)をまた、注射用の適切な量の水で溶解し、そして次いで2つの溶液を混ぜ、2000mlまで注射用の水で希釈し、0.22μmのミリポアフィルターでろ過した。滅菌条件下、ろ過物を10mlのXilin(シーリン)ボトル(バイアル)においてサブ包装し、ディスク中に詰め、そして凍結乾燥させたボックスにおいて凍結乾燥し、次いでボックスの形成を行い、そしてカバーを巻いた。
(試験例1)
異なる分離(単離)した平滑筋標本のα1受容体の拮抗(作用)および拮抗作用の選択性を、式(I)を持つ化合物で処置した。
方法:24時間の絶食ラットは、昏睡を誘導するために、頭を殴られ、そして迅速に腹腔を切開し、その尿道、大動脈および精管をそれぞれ取り出し、そして器機を用いて収縮曲線を記録し、次いで異なる濃度および容量のノルエピネフリンを、ノルアドレナリンの蓄積曲線を得るために加え、基線に戻すためにすぐにすすぎ、次いで試験薬物の異なる濃度を加えた。ノルアドレナリンを、アンタゴニストの異なる濃度の下でのノルアドレナリンの平均的な収縮性の反応曲線を得るため、5〜8分後に繰り返し加え、試験のための試料の異なる濃度の下で、尿道、大動脈、精管上のノルアドレナリンの収縮pD2を算出し、ノルエピネフリンに対して試料によって引き起こされる収縮の拮抗作用についてのpA2値を、試験試料の濃度およびpD2を用いて回帰推定することによって入手した。
結果:ノルエピネフリンに対して化合物Iの塩酸塩および塩酸タムスロシンによって誘導される平滑筋標本の異なる組織抑制の収縮についてのpA2値を表6において示す。尿道および大動脈、尿道および精管の平滑筋の収縮抑制の効果の強さの比率は、ノルアドレナリンに対し試料によって引き起こされ、表7において開示し、それはpA2値によって算出される。
Figure 2010510995
Figure 2010510995

Claims (6)

  1. 式(I)
    Figure 2010510995
    を持つ化合物またはその製薬上許容可能な塩。
  2. 請求項1記載の化合物の調製方法であって、式(II)の化合物を式(III)の化合物
    Figure 2010510995
    と反応させる工程を具える、方法。
  3. 製薬上の組成物であって、請求項1の化合物またはその製薬上許容可能な塩を活性成分として備えることを特徴とする、組成物。
  4. 請求項1記載の化合物の使用であって、抗前立腺肥大薬の調製における使用。
  5. 請求項3記載の製薬上の組成物の使用であって、抗前立腺肥大薬の調製における使用。
  6. 剤形は、錠剤、顆粒、カプセルおよび経口液剤からなる群より選ばれることを特徴とする、請求項3記載の製薬上の組成物。
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