JP2010510481A - トロポニンTおよびNT−proBNPの検出に基づく慢性動脈疾患での診断および治療的アプローチの最適化のための手段および方法 - Google Patents

トロポニンTおよびNT−proBNPの検出に基づく慢性動脈疾患での診断および治療的アプローチの最適化のための手段および方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、診断手段および診断方法に関する。具体的には、本発明は、被験体での心筋壊死の原因の診断方法を包含し、該方法は、心筋壊死を罹患した被験体のサンプル中の心筋トロポニン量およびBNP型ペプチド量を測定するステップ、および該心筋トロポニンT量および該BNP型ペプチド量を参照量と比較するステップを含み、それにより心筋壊死の原因が診断される。さらに、本発明は、心筋壊死に罹患した被験体が初期心不全に対する治療に感受性かどうかを決定する方法、および心筋壊死に罹患した被験体が冠動脈性心疾患に対する治療に感受性かどうかを決定する方法に関する。診断的使用、デバイス、およびキットも包含される。
【選択図】なし

Description

本発明は診断手段および方法に関する。具体的には、本発明は、被験体での心筋壊死の原因を診断する方法であって、心筋壊死に罹患した被験体のサンプル中の心筋トロポニン量およびBNP型ペプチド量を測定するステップ、および該心筋トロポニン量および該BNP型ペプチド量を参照量と比較し、それにより心筋壊死の原因が診断されるステップを含む方法を包含する。本発明は、さらに、心筋壊死に罹患した被験体が初期心不全に対する治療に感受性かどうかを決定する方法、および心筋壊死に罹患した被験体が冠動脈性心疾患に対する治療に感受性かどうかを決定する方法に関する。診断的使用、デバイスおよびキットも包含される。
現代医学の目的は、個人的なまたは個別の治療レジメンを提供することである。それらは患者の個別の必要性またはリスクを考慮に入れた治療レジメンである。個人的または個別の治療レジメンは、短期間のうちに治療レジメン候補に関して決定を下すことが必要とされる緊急措置に関してさえ考慮に入れられる。心疾患は西半球における罹病および死亡の主要原因である。該疾患は長期間無症候性のままでありうる。しかし、循環器病の原因である急性心血管系イベント、例えば心筋梗塞が生じると、それらは重篤な結果を招くことがある。
特に、心筋壊死は、心臓の機能に著しく影響し、かつ生命を危うくする心筋梗塞または心不全の進行(すなわちいわゆる進行性心不全)を生じさせることがよくある心筋の疾患または障害である。心筋壊死は多様な原因を有し、したがって、該原因に応じて異なる治療レジメンを必要とする。
心筋壊死の原因には、心不全ならびに冠動脈性心疾患ならびに心筋症が含まれる。適用可能な治療は該原因が異なる場合は異なることが理解されるべきであろう。具体的には、心不全の場合は、薬物に基づく治療が有望と思われるが、一方、冠動脈性心疾患、例えば冠動脈の狭窄では、侵襲的治療、例えば血管形成術またはバイパス手術が必要である(詳細に関しては非特許文献1を参照のこと)。
心筋壊死に関する慣用の診断技術には、中枢(pivotally)心電図測定が含まれる。最近、これらの慣用技術は、バイオマーカーである心筋トロポニンIまたはトロポニンTの分析によってさらに強化されている。しかし、これらの診断技術では、追加の鑑別診断なしで心筋壊死の原因を決定することができない。ゆえに、心筋壊死の原因を決定するためには、種々の異なる診断測定を後に実行する必要がある。しかし、そのような時間を要する診断手順が不可能であるかまたは高価である場合、例えば救急患者では、個人的治療レジメンを十分な精度で決定することができない。その結果、多数の患者が、不十分であるかまたは有害な副作用を有するかもしれない治療レジメンを受けるであろう。
Gheorghiade 2006, Circulation 114:1202-1213
したがって、好適な治療レジメンを決定するために心筋壊死の原因の高速かつ信頼できる診断を可能にする診断手段または予後診断手段が必要である。
本発明の背後にある技術的問題は、上述の必要を満たす手段および方法の提供であるととらえることができる。該技術的な問題は、特許請求の範囲および下記明細書中で特徴付けられる実施形態によって解決される。
ゆえに本発明は、被験体での心筋壊死の原因を診断する方法であって、以下のステップ:
(a)心筋壊死に罹患した被験体のサンプル中の心筋トロポニン量およびBNP型ペプチド量を測定するステップ;および
(b)該心筋トロポニン量および該BNP型ペプチド量を参照量と比較するステップであって、それにより心筋壊死の原因が診断されるステップ
を含む方法に関する。
本発明の方法は、好ましくは、in vitroの方法である。さらにそれは、上で明示的に述べられたステップに追加してステップを含んでよい。例えば、追加のステップはサンプルの前処理または該方法によって得られた結果の評価に関する。本発明の方法を心臓インターベンションの必要がある被験体のモニタリング、確認、および細分類に使用してもよい。本方法は手動で実行するか、自動化によって支援してよい。好ましくは、ステップ(a)および/または(b)は、全体的または部分的に自動化によって支援してよく、例えばステップ(a)の測定またはステップ(b)のコンピュータ利用比較(computer-implemented comparison)に好適なロボットおよびセンサー装置によって支援してよい。
図1は、虚血性心筋症に罹患した患者でのNT−proBNPおよびトロポニンTの線形回帰分析である。 図2は、冠動脈性心疾患に罹患した患者でのNT−proBNPおよびトロポニンTの線形回帰分析である。 図3は、3枝病変(3-vessel disease)に罹患した患者の亜群でのNT−proBNPおよびトロポニンTの線形回帰分析である。 図4は、物理的ストレス(自転車運動)および薬理学的ストレスに曝された、心筋壊死に罹患した患者でのNT−proBNPおよびトロポニンTの線形回帰分析である。タリウムシンチグラフィによって3種の異なるタイプの虚血、すなわち無虚血(n=62患者)、可逆性虚血(n=24患者)および持続性虚血(n=57患者)に患者を分類した。無虚血患者は、可逆性虚血を有する患者(R=0,026)より弱いNT−proBNPとトロポニンTの量の相関(R=0,0025)を示した。持続性虚血を有する患者において最大相関を観察することができた(R=0,0791)。
本明細書中で使用される用語「診断」とは、心筋壊死の原因、すなわち明らかな心筋壊死を生じさせる、根底にある障害または疾患症状の特定を意味する。当業者に理解されるように、そのような評価は、通常、特定対象のすべて(すなわち100%)の被験体に関して正しいことを意図されない。しかし、該用語は、統計学的に有意な割合の被験体を特定できることを必要とする(例えばコホート研究におけるコホート)。割合が統計学的に有意であるかどうかは、種々の周知の統計評価ツール、例えば信頼区間の決定、p値決定、スチューデントt検定、マン・ホイットニー検定、等を使用して、当業者が追加の面倒なく決定することができる。詳細はDowdy and Wearden, Statistics for Research, John Wiley & Sons, New York 1983に見出せる。好ましい信頼区間は、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%である。p値は、好ましくは、0.1、0.05、0.01、0.005、または0.0001である。より好ましくは、集団中の少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%または少なくとも90%の被験体を本発明の方法によって正しく特定することができる。
本発明の診断には、その関連疾患、症状またはリスクのモニタリング、確認、細分類および予測が含まれる。モニタリングはすでに診断済みの疾患の経過を追跡することに関する。確認とは、他の指標またはマーカーを使用して、すでに実施された診断を強化または実証することに関する。細分類とは、診断済みの疾患についての異なるサブクラスにしたがって診断をさらに明確にすることに関し、例えば疾患の軽症型および重症型にしたがって明確にすることに関する。
本明細書中で使用される用語「心筋壊死(cardiac necrosis)」とは、心筋の壊死細胞または組織を表す。そのような壊死細胞または組織領域は心電図技術によって決定することができる。その理由は、壊死細胞または領域は、生理的に作動している、すなわち拍動している心臓によって生成される電場に影響するからである。低血圧、上昇した心室内圧または冠動脈性心疾患ならびに心筋症は、心筋の潅流の低減を生じさせて結果的に心筋壊死を生じさせる周知の障害である。本発明の心筋症は、機械的または電気生理学的変化を伴う心筋に影響する障害に関する。さらに、該障害は心室の肥大または拡張を伴うことがある。心筋症は、例えば、心筋の炎症性疾患から生じるか、または有毒化合物によって引き起こされる(Maron 2006, Circulation 113:1807-1816も参照のこと)。心筋壊死は心臓の機能の悪化を伴うことが十分に確立されている。この障害はまた、進行性心不全と称され、虚血性心筋症を生じさせる。したがって、例えば進行性心不全または冠動脈性心疾患の結果である、虚血性心筋症の原因を診断するために本発明の方法を適用することもできることが理解されるべきであろう。
心筋壊死および、ゆえに、進行性心不全の原因は、いずれも冠動脈性心疾患であり、それは冠状血管を通る血流を低減させて結果的に心筋中の低酸素または虚血領域を生じさせる。一方、進行性心不全を伴う心筋の低酸素または虚血および、ゆえに、心筋壊死は、初期心不全から生じることもある。本明細書中で言及される初期心不全は、好ましくは、上昇した心室内圧、低血圧または拡張性心筋症(dilatative cardiac myopathy)から生じる。
本明細書中で言及される心筋壊死に関与する虚血は可逆性または持続性(すなわち永続性)虚血である。持続性虚血は、心筋が血液によって不適当にしか供給されず、ゆえに、安息中の被験体、すなわち身体的または薬理学的ストレス、例えば自転車運動またはジピリダモール(dipyridamol)を課されていない被験体においてさえ、低酸素であることを特徴とする。可逆性虚血は、身体的または薬理学的ストレスを課された時にのみ、心筋の不適当な血液供給が生じることを特徴とする。すでに上記のように、心筋壊死は他の原因の結果であることもあり、ゆえに、必ずしも虚血を伴わない。
本明細書中で使用される用語「冠動脈性心疾患」は、冠動脈疾患、例えば冠状血管の狭窄、アテローム性動脈硬化症または冠状血管系内の閉塞、例えば血栓塞栓性の閉塞を包含する。
本明細書中で使用される用語「被験体」は、動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトに関する。好ましくは、上述の方法で言及される被験体は心筋壊死に罹患しているか、またはそれに付随する症状を示し、すなわち少なくとも心筋壊死に罹患している疑いがある。
用語「サンプル」とは、体液サンプル、分離細胞サンプル、または組織または器官由来のサンプルを表す。体液サンプルは周知の技術によって取得でき、それには、好ましくは血液、血漿、血清、または尿サンプル、より好ましくは血液、血漿または血清サンプルが含まれる。組織または器官サンプルは例えば生検によって任意の組織または器官から取得することができる。分離細胞は、分離技術、例えば遠心分離または細胞選別によって体液または組織もしくは器官から取得することができる。好ましくは、細胞サンプル、組織サンプルまたは器官サンプルは、本明細書中で言及されるペプチドを発現または産生する細胞、組織または器官から取得する。
用語「心筋トロポニン(cardiac Troponin)」とは、心臓細胞および好ましくは心内膜下細胞中で発現されるすべてのトロポニンアイソフォームを表す。これらのアイソフォームは当技術分野において十分に特徴付けされている。例えば、Anderson 1995, Circulation Research, vol. 76, no. 4: 681-686およびFerrieres 1998, Clinical Chemistry, 44: 487-493に記載の通りである。好ましくは、心筋トロポニンとは、トロポニンTおよび/またはトロポニンI、最も好ましくはトロポニンTを表す。トロポニンのアイソフォームを、本発明の方法において、一緒に、すなわち同時にもしくは連続して、または個別に、すなわち他のアイソフォームを全く測定することなく、測定できることが理解されるべきであろう。ヒトトロポニンTおよびヒトトロポニンIのアミノ酸配列はAnderson, 上掲およびFerrieres 1998, Clinical Chemistry, 44: 487-493に開示されている。
用語「心筋トロポニン」は、上述の具体的なトロポニン、すなわち好ましくはトロポニンTまたはトロポニンIの変異体も包含する。そのような変異体は、特定の心筋トロポニンと少なくとも同一の基本的な生物学的および免疫学的特性を有する。特に、それらは、本明細書中で言及される同一の具体的アッセイ、例えば該心筋トロポニンを特異的に認識するポリクローナルまたはモノクローナル抗体を使用するELISAアッセイによって検出可能であれば、同一の基本的な生物学的および免疫学的特性を共有する。さらに、本発明において言及される変異体は、少なくとも1つのアミノ酸置換、欠失および/または付加に起因して異なるアミノ酸配列を有し、該変異体のアミノ酸配列は依然として、特定のトロポニンのアミノ配列と、好ましくは、少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、または99%同一であることが理解されるべきであろう。変異体は、対立遺伝子変異体または任意の他の種特異的ホモログ、パラログ(paralogs)、またはオルソログであってよい。さらに、本明細書中で言及される変異体には、特定の心筋トロポニンまたは上述のタイプの変異体の断片が、上で言及される基本的な免疫学的および生物学的特性を有する限りにおいて、含まれる。そのような断片は、例えば、トロポニンの分解産物であってよい。さらに、翻訳後修飾、例えばリン酸化またはミリスチル化に起因して異なる変異体が含まれる。
用語「脳ナトリウム利尿ペプチド(BNP)型ペプチド」は、pre−proBNP、proBNP、NT−proBNP、およびBNPならびに、同一の予測される能力を有するその変異体に関する(例えばBonow, 1996, Circulation 93: 1946-1950を参照のこと)。具体的には、上述の脳ナトリウム利尿ペプチドのプレプロペプチド(134アミノ酸長を有する)は短いシグナルペプチドを含み、それが酵素によって切断されてプロペプチド(108アミノ酸)が放出される。該プロペプチドはさらに切断されて、N末端プロペプチド(NT−プロペプチド、76アミノ酸)および活性ホルモン(32アミノ酸)になる。
BNPは血液中で代謝されるが、NT−proBNPはインタクトな分子として血中で循環し、そのまま腎臓によって排除される。NTproBNPのin vivo半減期はBNPより120分長い。BNPの半減期は20分である(Smith 2000, J Endocrinol. 167: 239-46.)。事前分析ではNT−proBNPの方が頑強であり、それにより中央検査室にサンプルを容易に輸送することができる(Mueller 2004, Clin Chem Lab Med 42: 942-4.)。血液サンプルは数日間室温で保存することができ、または、回収損失を伴わずに郵送または輸送することができる。対照的に、BNPを室温または4℃で48時間保存すると、少なくとも20%の濃度損失が生じる(Mueller(上掲); Wu 2004, Clin Chem 50: 867-73.)。したがって、時間経過または目的の特性に応じて、BNP型ペプチドの活性型または不活性型の測定が有利でありうる。
本明細書中で言及される最も好ましいBNP型ペプチドはヒトNT−proBNPである。上で簡潔に考察されたように、本発明において言及されるヒトNT−proBNPは、好ましくは、ヒトNT−proBNP分子のN末端部分に相当する76アミノ酸長を含むポリペプチドである。ヒトBNPおよびNT−proBNPの構造は、先行技術において、例えばWO 02/089657、WO 02/083913またはBonow(上掲)にすでに詳細に報告されている。好ましくは、本発明において使用されるヒトNT−proBNPはEP 0 648 228 B1に開示されているヒトNT−proBNPである。これらの先行技術文献は、そこで開示されているNT−proBNPおよびその変異体の具体的配列に関して、参照により本な明細書中に組み入れられる。本発明において言及されるNT−proBNPは、上で開示されるヒトNT−proBNPの前記具体的配列の対立形質および他の変異体をさらに包含する。具体的には、アミノ酸レベルで、ヒトNT−proBNPに対して少なくとも60%同一、より好ましくは少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%または少なくとも99%同一の変異体ポリペプチドが想定される。診断手段によって、またはそれぞれの完全長ペプチドに対するリガンドによって依然として認識される、タンパク質分解による分解産物もまた、実質的に類似であり想定される。ヒトNT−proBNPのアミノ酸配列と比較してアミノ酸欠失、置換、および/または付加を有する変異体ポリペプチドもまた、該ポリペプチドがNT−proBNP特性を有する限りにおいて、包含される。本明細書中で言及されるNT−proBNP特性は免疫学的および/または生物学的特性である。好ましくは、NT−proBNP変異体は、NT−proBNPと同等の免疫学的特性(すなわちエピトープ組成)を有する。ゆえに、該変異体は、ナトリウム利尿ペプチド量の測定に使用される上述の手段またはリガンドによって認識される。生物学的および/または免疫学的NT−proBNP特性は、Karl et al.(Karl 1999, Scand J Clin Invest 59:177-181)、Yeo et al.(Yeo 2003, Clinica Chimica Acta 338:107-115)に記載のアッセイによって検出することができる。変異体にはまた、翻訳後修飾ペプチド、例えばグリコシル化ペプチドが含まれる。さらに、本発明の「変異体」はまた、例えばペプチドに対する標識、特に放射性標識または蛍光標識の共有結合または非共有結合による結合によって、サンプル収集後に修飾されたペプチドまたはポリペプチドである。
本明細書中で言及されるペプチドまたはポリペプチド量の測定は、好ましくは半定量的または定量的に量または濃度を測定することに関する。測定は直接または間接的に行うことができる。直接的測定は、ペプチドまたはポリペプチドそのものから取得されかつその強度がサンプル中に存在する該ペプチドの分子数と直接相関するシグナルに基づく、ペプチドまたはポリペプチドの量または濃度の測定に関する。そのようなシグナル(本明細書中で強度シグナルと称されることもある)は、例えばペプチドまたはポリペプチドの特定の物理的または化学的特性の強度値を測定することによって取得することができる。間接的測定には、二次的成分(すなわちペプチドまたはポリペプチドそのものではない成分)または生物学的読み取り系、例えば測定可能な細胞応答、リガンド、標識、または酵素反応産物から取得されるシグナルの測定が含まれる。
本発明では、ペプチドまたはポリペプチド量の測定は、サンプル中のペプチド量を測定するためのすべての公知手段によって達成することができる。該手段は、種々のサンドイッチアッセイ、競合アッセイ、または他のアッセイ形式において標識分子を利用するイムノアッセイデバイスおよび方法を含む。該アッセイは、ペプチドまたはポリペプチドの存在または不存在を示すシグナルを生成する。さらに、シグナル強度は、好ましくは、サンプル中に存在するポリペプチドの量と直接または間接的に相関しうる(例えば反比例)。追加の好適な方法は、ペプチドまたはポリペプチドに特有の物理的または化学的特性、例えばその正確な分子量またはNMRスペクトルを測定することを含む。該方法には、好ましくは、バイオセンサー、免疫アッセイと組み合わされた光学デバイス、バイオチップ、分析用デバイス、例えば質量分析計、NMRアナライザー、またはクロマトグラフィーデバイスが含まれる。さらに、方法には、マイクロプレートELISAに基づく方法、全自動またはロボットイムノアッセイ(例えばElecsysTMアナライザーで利用可能)、CBA(酵素によるコバルト結合アッセイ(例えばRoche-HitachiTMアナライザーで利用可能))、およびラテックス凝集アッセイ(例えばRoche-HitachiTMアナライザーで利用可能)が含まれる。
好ましくは、ペプチドまたはポリペプチド量の測定は、(a)その強度がペプチドまたはポリペプチド量を示す細胞応答を誘発可能な細胞を該ペプチドまたはポリペプチドと適切な時間接触させるステップ、(b)細胞応答を測定するステップを含む。細胞応答の測定では、サンプルまたは処理されたサンプルを好ましくは細胞培養物に加え、内部または外部細胞応答を測定する。細胞応答には、レポーター遺伝子の測定可能な発現または物質、例えばペプチド、ポリペプチド、または小分子の分泌が含まれる。該発現または物質はペプチドまたはポリペプチド量に相関する強度シグナルを生成する。
また好ましくは、ペプチドまたはポリペプチド量の測定は、サンプル中のペプチドまたはポリペプチドから取得される特定の強度シグナルを測定するステップを含む。上記のように、そのようなシグナルは、質量スペクトルにおいて観察される該ペプチドもしくはポリペプチドに特有のm/z変数または該ペプチドもしくはポリペプチドに特有のNMRスペクトルで観察されるシグナル強度であってよい。
ペプチドまたはポリペプチド量の測定は、好ましくは、(a)ペプチドを特異的リガンドと接触させるステップ、(b)(場合により)未結合リガンドを除去するステップ、(c)結合リガンド量を測定するステップを含む。結合リガンドは強度シグナルを生成する。本発明の結合には、共有結合および非共有結合の両者が含まれる。本発明のリガンドは、本明細書中に記載のペプチドまたはポリペプチドと結合する任意の化合物、例えばペプチド、ポリペプチド、核酸、または小分子であってよい。好ましいリガンドには、抗体、核酸、ペプチドまたはポリペプチド、例えばペプチドに対する結合ドメインを含むペプチドまたはポリペプチドおよびその断片の受容体または結合パートナー、およびアプタマー、例えば核酸またはペプチドアプタマーが含まれる。そのようなリガンドの調製方法は当技術分野において周知である。例えば、好適な抗体またはアプタマーの特定および生産はまた、市販の供給元によって提供されている。当業者は、高い親和性または特異性を有するそのようなリガンドの誘導体を開発する方法に精通している。例えば、核酸、ペプチドまたはポリペプチドにランダム突然変異を導入することができる。そして、当技術分野において公知のスクリーニング手順、例えばファージディスプレイにしたがって、これらの誘導体の結合を検査することができる。本明細書中で言及される抗体には、ポリクローナルおよびモノクローナル抗体の両方、ならびに抗原またはハプテンと結合可能なその断片、例えばFv、FabおよびF(ab)断片が含まれる。本発明にはまた、単鎖抗体およびヒト化ハイブリッド抗体(所望の抗原特異性を示す非ヒトドナー抗体のアミノ酸配列がヒトアクセプター抗体の配列と組み合わされている)が含まれる。ドナー配列には、通常、該ドナーの少なくとも抗原結合性アミノ酸残基が含まれるが、該ドナー抗体の他の構造的および/または機能的に重要なアミノ酸残基を同様に含んでよい。そのようなハイブリッドは、当技術分野において周知のいくつかの方法によって調製することができる。好ましくは、該リガンドまたは物質はペプチドまたはポリペプチドと特異的に結合する。本発明の特異的結合とは、リガンドまたは物質が、分析対象のサンプル中に存在する別のペプチド、ポリペプチドまたは物質と実質的に結合しない(「交差反応」しない)べきであろうことを意味する。好ましくは、特異的結合ペプチドまたはポリペプチドは、任意の他の対応するペプチドまたはポリペプチドより少なくとも3倍高い親和性、より好ましくは少なくとも10倍高い親和性、さらにより好ましくは少なくとも50倍高い親和性で結合すべきであろう。それが、例えばウエスタンブロットでのそのサイズにしたがって、またはサンプル中の相対的に高いその存在量によって、依然として明確に識別および測定できるならば、非特異的結合が許容される。リガンドの結合は、当技術分野において公知の任意の方法によって測定することができる。好ましくは、該方法は半定量的または定量的である。好適な方法を以下に記載する。
第1に、例えばNMRまたは表面プラズモン共鳴によってリガンドの結合を直接測定することができる。
第2に、リガンドがさらに、目的のペプチドまたはポリペプチドの酵素活性の基質として働くならば、酵素反応生成物を測定することができる(例えば、切断された基質の量を例えばウエスタンブロットで測定することによってプロテアーゼの量を測定することができる)。あるいは、リガンドは酵素特性自体を示してよく、「リガンド/ペプチドまたはポリペプチド」複合体または、ペプチドもしくはポリペプチドが結合しているリガンドを、それぞれ、好適な基質と接触させ、強度シグナルの発生による検出を可能にしてよい。酵素反応生成物の測定では、好ましくは基質の量は飽和している。反応前に、検出可能な標識で基質を標識してもよい。好ましくは、サンプルを基質と適切な時間接触させる。適切な時間とは、検出可能な、好ましくは測定可能な量の生成物が生じるために必要な時間を表す。生成物の量を測定する代わりに、所定の(例えば検出可能な)量の生成物の出現に必要な時間を測定することができる。
第3に、リガンドの検出および測定を可能にする標識に共有結合または非共有結合によってリガンドをカップリングすることができる。標識化は直接または間接的方法によって行うことができる。直接標識化は、標識を直接(共有結合または非共有結合によって)リガンドにカップリングすることを含む。間接標識化は、一次リガンドに二次リガンドを(共有結合または非共有結合によって)結合させることを含む。二次リガンドは一次リガンドと特異的に結合すべきであろう。該二次リガンドは、好適な標識とカップリングしてよく、かつ/または二次リガンドと結合する三次リガンドの標的(受容体)であってよい。二次、三次またはさらに高次のリガンドの使用によりシグナルを増大させることがよくある。好適な二次および高次リガンドには、抗体、二次抗体、および周知のストレプトアビジン・ビオチン系(Vector Laboratories, Inc.)が含まれる。当技術分野において公知の1種以上のタグを用いてリガンドまたは基質を「タグ付け」してもよい。そしてそのようなタグは高次リガンドの標的であってよい。好適なタグには、ビオチン、ジゴキシゲニン、Hisタグ、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ、FLAG、GFP、mycタグ、インフルエンザAウイルス赤血球凝集素(HA)、マルトース結合タンパク質、等が含まれる。ペプチドまたはポリペプチドの場合、好ましくは、タグはN末端および/またはC末端に位置する。好適な標識は、適切な検出方法によって検出可能な任意の標識である。典型的な標識には、金粒子、ラテックスビーズ、アクリダンエステル、ルミノール、ルテニウム、酵素活性標識、放射性標識、磁気標識(「例えば磁気ビーズ」(常磁性および超常磁性標識が含まれる))、および蛍光標識が含まれる。酵素活性標識には、例えば西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、およびその誘導体が含まれる。検出に好適な基質には、ジアミノベンジジン(DAB)、3,3’−5,5’−テトラメチルベンジジン、NBT−BCIP(4−ニトロブルーテトラゾリウムクロリドおよび5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−リン酸(Roche Diagnosticsから既製の原液として入手可能))、CDP−StarTM(Amersham Biosciences)、ECFTM(Amersham Biosciences)が含まれる。好適な酵素と基質を組み合わせると、当技術分野において公知の方法にしたがって(例えば感光フィルムまたは好適なカメラ系を使用して)測定できる呈色反応生成物、蛍光または化学発光が生じる。酵素反応の測定に関しては、上記基準が同様に適用される。典型的な蛍光標識には、蛍光タンパク質(例えばGFPおよびその誘導体)、Cy3、Cy5、テキサスレッド、フルオレセイン、およびAlexa色素(例えばAlexa 568)が含まれる。追加の蛍光標識は例えばMolecular Probes(Oregon)から入手可能である。量子ドットを蛍光標識として使用することも考慮される。典型的な放射性標識には、35S、125I、32P、33P等が含まれる。放射性標識は、公知でかつ適切な任意の方法、例えば感光フィルムまたはホスホルイメージャー(phosphor imager)によって検出することができる。本発明の好適な測定方法には、沈降(特に免疫沈降)、電気化学発光(電気発生化学発光)、RIA(ラジオイムノアッセイ)、ELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)、サンドイッチ酵素免疫試験、電気化学発光サンドイッチイムノアッセイ(ECLIA)、解離促進ランタニド蛍光イムノアッセイ(DELFIA)、シンチレーション近接アッセイ(SPA)、混濁度測定法、比濁法、ラテックス促進混濁度測定法もしくは比濁法、または固相免疫試験も含まれる。当技術分野において公知の追加の方法(例えばゲル電気泳動、二次元ゲル電気泳動、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)、ウエスタンブロット法、および質量分析)を、単独でまたは、上記標識化もしくは他の検出方法と組み合わせて使用することができる。
ペプチドまたはポリペプチド量は、また好ましくは、以下のように測定してよい:(a)上で指定されるペプチドまたはポリペプチドのリガンドを含む固体支持体を、該ペプチドまたはポリペプチドを含むサンプルと接触させ、および(b)支持体に結合しているペプチドまたはポリペプチド量を測定する。好ましくは核酸、ペプチド、ポリペプチド、抗体およびアプタマーからなる群から選択されるリガンドを、好ましくは、固体支持体上に固定された形式で存在させる。固体支持体を製造するための材料は当技術分野において周知であり、それには、とりわけ、市販のカラム材料、ポリスチレンビーズ、ラテックスビーズ、磁気ビーズ、コロイド金属粒子、ガラスおよび/またはシリコンチップおよび表面、ニトロセルロースストリップ、メンブレン、シート、デュラサイト(duracytes)、反応トレイのウェルおよび壁、プラスチックチューブ等が含まれる。該リガンドまたは物質は多数の異なる担体と結合させてよい。周知の担体の例には、ガラス、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、デキストラン、ナイロン、アミロース、天然および修飾セルロース、ポリアクリルアミド、アガロース、および磁鉄鉱が含まれる。本発明の目的では、担体の性質は可溶性または不溶性であってよい。該リガンドの好適な取り付け/固定方法は周知であり、それには、非限定的にイオン性、疎水性、共有結合性相互作用等が含まれる。本発明のアレイとして「サスペンションアレイ」を使用することも考慮される(Nolan 2002, Trends Biotechnol. 20(1):9-12)。そのようなサスペンションアレイには、担体、例えばマイクロビーズまたはミクロスフェアが懸濁状態で存在する。該アレイは、異なるリガンドを保持する、場合により標識されている異なるマイクロビーズまたはミクロスフェアからなる。例えば固相化学および感光性保護基に基づく、そのようなアレイの製造方法は一般的に公知である(US 5,744,305)。
本明細書中で使用される用語「量」は、ポリペプチドまたはペプチドの絶対量、該ポリペプチドまたはペプチドの相対量または濃度ならびに、それに相関するかまたはそれから導き出すことができる任意の値またはパラメータを包含する。そのような値またはパラメータは、直接的測定によって該ペプチドから取得されるすべての特定の物理的または化学的特性から得られる強度シグナル値、例えば質量スペクトルまたはNMRスペクトルにおける強度値を含む。さらに、本説明の他の箇所で指定される間接的測定によって取得されるすべての値またはパラメータ、例えば、ペプチドに応答して生物学的読み取り系から決定される応答レベルまたは特異的結合リガンドから取得される強度シグナルが包含される。上述の量またはパラメータに相関する値をすべての標準的な数学的操作によって取得してもよいことが理解されるべきであろう。
本明細書中で使用される用語「比較」は、分析対象のサンプルに含まれるペプチドまたはポリペプチド量を、本説明中の他の箇所で指定される好適な参照源の量と比較することを包含する。本明細書中で使用される比較は、対応するパラメータまたは値の比較を表すことが理解されるべきであろう。例えば絶対量を絶対参照量と比較し、濃度を参照濃度と比較するか、または被験サンプルから取得された強度シグナルを参照サンプルの同種類の強度シグナルと比較する。本発明の方法のステップ(b)で言及される比較は、手動で実行するか、またはコンピュータで支援してよい。コンピュータ支援比較では、測定された量の値を、コンピュータプログラムによってデータベースに保存されている好適な参照に対応する値と比較してよい。該コンピュータプログラムはさらに比較結果を評価し、すなわち自動的に所望の評価を好適な出力形式で提供することができる。ステップ(a)で測定された量と参照量の比較に基づいて、心筋壊死の原因を特定することが可能である。したがって、参照量は、比較された量の差異または類似が、初期心不全または冠動脈性心疾患のいずれかによって引き起こされた心筋壊死に罹患している被験体の群に属する被験体の特定を可能にするように選択されるべきであろう。
したがって、本明細書中で使用される用語「参照量」とは、初期心不全または冠動脈性心疾患のいずれかによって引き起こされた心筋壊死に罹患している被験体の特定を可能にするポリペプチド量を表す。したがって、(i)初期心不全によって引き起こされた心筋壊死に罹患していることが既知の被験体または(ii)冠動脈性心疾患によって引き起こされた心筋壊死に罹患していることが既知の被験体から参照を導き出すことができる。さらに、参照量は好ましくは閾値を定義する。好適な参照量または閾値量は、被験サンプルと一緒に、すなわち同時にまたは続けて、分析対象の参照サンプルから本発明の方法によって決定することができる。閾値として有用な好ましい参照量は正常上限(ULN)、すなわち被験体の集団(例えば臨床試験に登録されている患者)中で見出される生理学的な量の上限から導き出すことができる。所定の被験体集団のULNは種々の周知技術によって測定することができる。好適な技術は、本発明の方法の測定対象であるペプチドまたはポリペプチド量に関する集団の中央値を測定することである。心筋トロポニンおよび特に本明細書中で言及されるトロポニンTのULNは好ましくは0.001ng/mL〜0.01ng/mLの範囲で変動する。より好ましくは、該心筋トロポニンのULNは0.001ng/mLである。BNP型ペプチドおよび特に本明細書中で言及されるNT−proBNPのULNは好ましくは100〜150pg/mLの範囲で変動する。より好ましくは、該BNP型ペプチドのULNは125pg/mLである。
原理的には、被験体のサンプル中の心筋トロポニン量の増加を伴うBNP型ペプチド量の増加が、初期心不全によって引き起こされた心筋壊死を示し、一方、BNP型ペプチド量の増加の不存在下での心筋トロポニン量の増加が、心筋壊死の原因としての冠動脈性心疾患を示すことが見出されている。該知見に基づいて、本発明の方法によって心筋壊死の原因を決定することができる。
有利には、バイオマーカーとしての心筋トロポニン、例えばトロポニンTとBNP型ペプチド、例えばNT−proBNPの組み合わせが、信頼のおける効率的様式で心筋壊死の原因を解決するために十分であることが本発明の根底にある研究において見出されている。上記のように、心筋壊死の原因を解決するために現在使用されている技術は、多くの時間を必要とし、かつ高いコストを必要とする。さらに、該技術は、通常、ポータブル系において実現することができない。しかし、本発明の方法は、高速で信頼できかつ低いコストしか必要としない診断を可能にし、ポータブルアッセイ、例えばテストストリップ(test stripes)においてさえ実現することができる。したがって、本方法は救急患者の診断に特によく適している。さらに、本発明の方法は被験体のサンプルに対して実行することができ、したがって、少なくとも侵襲的な先行技術では回避できない有害な副作用を生じさせるリスクが劇的に低減する。本発明の知見のおかげで、被験体に好適な治療を確実に選択することができる。誤った患者の治療によって生じる深刻な副作用を回避することができる。以下で詳細に記載されるように、心筋壊死を伴う疾患または障害の治療は様々である。
本発明の方法の好ましい実施形態では、該参照量は心筋トロポニンおよびBNP型ペプチドに関する正常上限(ULN)であることが理解されるべきであろう。
本発明の方法のさらに好ましい実施形態では、心筋トロポニン量の増加およびBNP型ペプチド量の増加は、初期心不全によって引き起こされた心筋壊死を示す。
また、本発明の方法の好ましい実施形態では、心筋トロポニン量の増加および増加していないBNP型ペプチド量は、冠動脈性心疾患によって引き起こされた心筋壊死を示す。
上記用語の定義および説明は、特に指定された場合を除き、必要な変更を加えて以下の方法に適用される。
本発明はまた、心筋壊死に罹患した被験体が初期心不全に対する治療に感受性かどうかを決定する方法であって、以下のステップ:
(a)心筋壊死に罹患した被験体のサンプル中の心筋トロポニン量およびBNP型ペプチド量を測定するステップ;および
(b)該心筋トロポニン量および該BNP型ペプチド量を参照量と比較し、それにより被験体が初期心不全に対する治療に感受性かどうかが決定されるステップ
を含む方法に関する。
本明細書中で使用される語句「心筋壊死に罹患した被験体が初期心不全に対する治療に感受性かどうかを決定すること」とは、被験体が初期心不全に対する治療に感受性か否かを評価することを意味する。当業者に理解されるように、そのような評価は、通常、特定対象のすべて(すなわち100%)の被験体に関して正しいことを意図されない。しかし、該用語は、統計学的に有意な割合の被験体を特定できることを必要とする(例えばコホート研究におけるコホート)。割合が統計学的に有意かどうかは、種々の周知の統計評価ツールを使用して当業者が追加の面倒なく決定することができる。該統計学的評価に関する追加の詳細は本明細書中の他の箇所に見出すことができる。
用語「初期心不全に対する治療」は心不全についての薬物に基づく治療ならびに他の治療を包含する。より好ましくは、初期心不全に対する治療は、薬物に基づく治療、好ましくはACEインヒビターの投与、β−ブロッカーの投与、デジタル(digital)AT1および/またはAT2ブロッカーの投与、強心薬(inotropic drugs)の投与、支援デバイスに基づく治療、インターベンション治療(心臓再同期治療(CRT)であるか、または電気除細動器(ICD)の移植および心臓移植に基づく)からなる群から選択される。より好ましくは、該薬物は、ACEインヒビター、好ましくはカプトプリル、エナラプリル、フォシノプリル(fosinopril)、リシノプリル、ペリンドプリル(perindopril)、キナプリル、ラミプリル(ramipril)、またはトランドラプリル(trandolapril)、AT−1受容体遮断剤、好ましくはカンデサルタン、ロサルタン、またはバルサルタン(valsartan)、β−受容体遮断剤、好ましくはビソプロロール、カルベジロール(carvedilol)、メトプロロールまたはスクシナート、またはアルドステロンアンタゴニスト、好ましくはスピロノラクトン(spironolacton)またはエプレレノン(eplerenone)である。該治療に関する追加の詳細はHeart Disease, 2005, 7th Edition, Eds. Braunwald, Elsevier Soundersに見出せる。Figure 24G-1〜24G-7を参照のこと。
上述の本発明の方法の好ましい実施形態では、該参照量は心筋トロポニンおよびBNP型ペプチドに関する正常上限(ULN)である。
さらに、本発明の方法の好ましい実施形態では、心筋トロポニン量の増加およびBNP型ペプチド量の増加は、被験体が初期心不全に対する治療に感受性であることを示す。
さらに、好ましい実施形態では、本発明の方法は、心エコー図法、コンピュータ断層撮影法、NMRに基づく診断法、心電図検査、胸郭のX線診断法および肺活量測定からなる群から選択される補足診断技術をさらに含んでよい。該治療に関する追加の詳細はHeart Disease, 2005, 7th Edition, Eds. Braunwald, Elsevier Soundersに見出せる。Figure 24G-1〜24G-7を参照のこと。
本発明はまた、心筋壊死に罹患した被験体が冠動脈性心疾患に対する治療に感受性かどうかを決定する方法であって、以下のステップ:
(a)心筋壊死に罹患した被験体のサンプル中の心筋トロポニン量およびBNP型ペプチド量を測定するステップ;および
(b)該心筋トロポニン量および該BNP型ペプチド量を参照量と比較し、それにより被験体が冠動脈性心疾患に対する治療に感受性かどうかが決定されるステップ
を含む方法を包含する。
本明細書中で使用される語句「心筋壊死に罹患した被験体が冠動脈性心疾患に対する治療に感受性かどうかを決定すること」とは、被験体が冠動脈性心疾患に対する治療に感受性か否かを評価することを意味する。やはり当業者に理解されるように、そのような評価は、通常、特定対象のすべて(すなわち100%)の被験体に関して正しいことを意図されない。しかし、該用語は、統計学的に有意な割合の被験体を特定できることを必要とする(例えばコホート研究におけるコホート)。割合が統計学的に有意かどうかは、種々の周知の統計評価ツールを使用して当業者が追加の面倒なく決定することができる。該統計学的評価に関する追加の詳細は本明細書中の他の箇所に見出すことができる。
用語「冠動脈性心疾患に対する治療」は冠動脈性心疾患に対する薬物に基づく治療ならびに侵襲的治療を包含する。より好ましくは、冠動脈性心疾患に対する治療は、血小板凝集のインヒビター、好ましくはアスピリンまたはクロピドグレルの投与、および心臓インターベンションからなる群から選択される。本発明の好ましい心臓インターベンションは、血流の回復、血管開存性、プラークの安定化、および/または冠内血栓負荷の低減を目的とする経皮的冠動脈血管形成術、経皮的経管的冠動脈バルーン血管形成術、レーザー血管形成術、冠動脈ステント移植、バイパス移植または血管内技術からなる群から特に選択される。
上述の本発明の方法の好ましい実施形態では、該参照量は心筋トロポニンおよびBNP型ペプチドに関する正常上限(ULN)である。
さらに、該本発明の方法の好ましい実施形態では、心筋トロポニン量の増加および増加していないBNP型ペプチド量は、被験体が冠動脈性心疾患に対する治療に感受性であることを示す。
さらに、好ましい実施形態では、本発明の方法は、血管造影法、心エコー図法、コンピュータ断層撮影法、NMRに基づく診断法、心電図検査、胸郭のX線診断法および肺活量測定からなる群から選択される補足診断技術をさらに含んでよい。
原理的には、本発明は、被験体での心筋壊死の原因を診断するため、心筋壊死に罹患した被験体が初期心不全に対する治療に感受性かどうかを決定するため、または心筋壊死に罹患した被験体が冠動脈性心疾患に対する治療に感受性かどうかを決定するための診断用組成物を製造するための、心筋トロポニンおよびBNP型ペプチドの使用を包含する。
さらに、本発明はまた、冠動脈性心疾患に対する治療の成功をモニタリングする方法であって、以下のステップ:
(a)該治療に付された被験体の少なくとも第1および第2サンプル中の心筋トロポニン量を測定し、該第1サンプルは事前に取得され、該第2サンプルは該治療が開始された後に取得されたものであるステップ;および
(b)該第1および該第2サンプルから得られた量を比較し、それにより第1サンプルに対して第2サンプル中の心筋トロポニン量が低下していれば成功が示されるステップ
を含む方法を含む。
好ましくは、該第1および第2サンプル中でBNP型ペプチドをさらに測定する。該BNP型ペプチド量の低下は、さらに、適用された治療レジメンの成功を示す。
さらに、本発明は、初期心不全に対する治療の成功をモニタリングする方法であって、以下のステップ:
(a)該治療に付された被験体の少なくとも第1および第2サンプル中の心筋トロポニンおよびBNP型ペプチドの量を測定し、該第1サンプルは事前に取得され、該第2サンプルは該治療が開始された後に取得されたものであるステップ;および
(b)該第1および該第2サンプルから得られた量を比較し、それにより第1サンプルに対して第2サンプル中の心筋トロポニン量が低下しかつBNP型ペプチド量が低下していれば成功が示されるステップ
を含む方法を包含する。
本明細書中で使用される用語「モニタリング」は、NT−proBNPおよび/または心筋トロポニンの量に対する治療レジメンによって生じる効果の経過を追跡することに関する。少なくとも事前および該治療レジメンの開始後に量を測定する必要があることが理解されるべきである。しかし、他の段階でも量を測定してよい。
本明細書中で使用される用語「成功」とは、疾患、すなわち冠動脈性心疾患または初期心不全に伴う予後、症状または臨床徴候の少なくとも改善を表す。
本発明はまた、本発明の方法のいずれか1つの実行に適した診断用デバイスであって、心筋壊死に罹患した被験体のサンプル中の心筋トロポニン量およびBNP型ペプチド量を測定するための手段および参照量に対して該量を調製(preparing)するための手段を含むデバイスに関する。
本明細書中で使用される用語「デバイス」は、予測を可能にするよう互いに作動可能に連結されている少なくとも上述の手段を含む手段のシステムに関する。心筋トロポニンおよびBNP型ペプチドの量を測定するための好ましい手段ならびに比較を実行するための手段は、本発明の方法に関連して上で開示されている。作動する様式で手段を連結する方法はデバイスに含まれる手段のタイプに依存する。例えば、ペプチドの量を自動測定するための手段が適用される場合、所望の結果を取得するために、該自動作動手段によって取得されたデータを例えばコンピュータプログラムによって処理することができる。好ましくは、そのような場合、手段は単一デバイスに含まれる。したがって、該デバイスは、適用サンプル中のペプチドまたはポリペプチドの量を測定するための分析ユニットおよび得られたデータを評価のために処理するためのコンピュータユニットを含んでよい。該コンピュータユニットは、好ましくは、本明細書中の他の箇所で説明されている保存された参照量およびその値を含むデータベースならびに該ポリペプチドの測定量とデータベースに保存されている参照量との比較を実行するためのコンピュータ実装アルゴリズムを含む。本明細書中で使用されるコンピュータ実装とは、コンピュータユニットに確実に含まれているコンピュータ読み取り可能プログラムコードを表す。あるいは、ペプチドまたはポリペプチド量の測定にテストストリップ等の手段が使用される場合、比較のための手段は、測定量を参照量に割り当てるコントロールストリップまたはテーブルを含む。テストストリップを、好ましくは、本明細書中で言及されるペプチドまたはポリペプチドと特異的に結合するリガンドとカップリングする。ストリップまたはデバイスは、好ましくは、該ペプチドまたはポリペプチドと該リガンドとの結合を検出するための手段を含む。好ましい検出手段は、上記発明の方法に関する実施形態に関連して開示されている。そのような場合、マニュアルに記載される指示および解釈に基づいてシステムのユーザーが量の測定結果とその診断または予後値を引き合わせる点において、該手段は作動可能に連結されている。該手段は、そのような実施形態において別々のデバイスとして存在してよく、好ましくは、キットとして同梱される。当業者は追加の面倒なく手段を連結する方法を理解する。好ましいデバイスは、専門臨床家の特定の知識を伴わずに適用できるものであり、例えばサンプルのロードを必要とするだけのテストストリップまたは電子デバイスである。臨床家の解釈を必要とする生データの出力として結果を得ることができる。しかし、好ましくは、デバイスの出力は、解釈に臨床家を必要としない処理済み、すなわち評価済みの生データである。追加の好ましいデバイスは、分析ユニット/デバイス(例えばナトリウム利尿ペプチドを特異的に認識するリガンドとカップリングされたバイオセンサー、アレイ、固体支持体、プラズモン表面共鳴デバイス、NMR分光計、質量分析計等)および/または上で言及された、本発明の方法の評価ユニット/デバイスを含む。
最後に、本発明は、本発明の方法のいずれか1つの実行に適した診断キットであって、心筋壊死に罹患した被験体のサンプル中の心筋トロポニン量およびBNP型ペプチド量を測定するための手段および該量を参照量と比較するための手段を含むキットに関する。
本明細書中で使用される用語「キット」とは、上述の手段のコレクションを表し、該手段は、好ましくは、別々にまたは単一容器内で提供される。該容器は、また好ましくは、本発明の方法を実行するための指示書を含む。
本明細書中で引用されるすべての参考文献は、その開示内容全体および本明細書中で具体的に記述される開示内容に関して、参照によりここに組み入れられる。
以下の実施例は本発明を単に説明するものとする。それらは本発明の範囲を全く限定しないと解釈されるものとする。
実施例1: 冠動脈性心疾患を有する患者のNT−proBNPおよびトロポニンT
安定な冠動脈性心疾患に罹患した合計235人の患者の血液サンプル中でNT−proBNPおよび高感度トロポニンTを測定した。ElecsysTMアッセイを使用してNT−proBNPを測定し、Roche Diagnosticsから購入した高感度トロポニンT試験によってトロポニンTをアッセイした。心エコー図法および冠動脈血管形成術を含む詳細な心臓病学的調査に患者を供した。冠動脈性心疾患を1枝病変、2枝病変、または3枝病変に細分類した。それによれば、50%超の狭窄が血管ごとに生じるはずである。
統計学的線形回帰分析によって前記の2種のバイオマーカーを分析した。図2に示されるように、NT−proBNPと高感度トロポニンTの相関が見出され、相関R値は0.0667であった。トロポニンTレベルの増加および正常なNT−proBNPを有する患者は血管造影法によって調べると実質的狭窄を示し、一方、上昇したNT−proBNPレベルおよび上昇したトロポニンTを有する患者は血管造影法によって調べてもそのような実質的狭窄を示さなかった。3枝病変に罹患した患者の亜群に関して類似の結果が得られた(図3を参照のこと)。
虚血性心筋症を示す59人の患者を上記のようにバイオマーカーに関して調べた。同様に、R値0.013でNT−proBNPとトロポニンTとの間の相関が見出された(図1を参照のこと)。
実施例2: タリウムシンチグラフィによって調べた心筋壊死に罹患した患者のNT−proBNPおよびトロポニンT
顕著な冠動脈疾患の疑いに関してタリウムシンチグラフィを受けた合計143人の患者を研究した。
患者は標準的運動プロトコルを使用して自転車運動試験を受け、または標準的プロトコルを使用して42.72mg(±7.61)の投与量のジピリダモール(dipyridamol)での薬理学的試験を受けた。動的または薬理学的運動試験への割り当ては心臓核医学者の判断にゆだねた。該プロトコルはハイデルベルク大学の倫理委員会によって承認され、すべての患者は同意した後に参加した。
単一光子放出型コンピュータ断層撮影法による心筋潅流(Single-photon emission computed tomography myocardial perfusion)(SPECT)イメージングを以下のように実行した:ピークストレス時にタリウムを投与し、その直後にイメージングを実施した。4時間後、反復イメージングを実施した。17セグメント心筋モデルを半定量的分析に使用した。バイオマーカーの結果を知らない2人の心臓核医学者は、画像を、潅流欠損なし、可逆的潅流欠損のみ、および定着した潅流欠損を有するものに分類した。可逆的、部分的に可逆的、および定着した潅流欠損の組み合わせを有する患者を主分析から排除し、別途評価した。
ストレス検査の直前、直後、および4時間後に血液サンプルを取得した。翌日の第3スキャン(再分布スキャン(redistribution scan))ですべての患者の最後の血液サンプルを収集した(n=20)。血液サンプルを氷上に置き、30分以内に処理した。血漿アリコートを−80℃で保存し、分析前に解凍した。
統計解析は以下のように実行した:対応する四分位範囲を伴う心筋トロポニンTおよびNT−proBNPの血漿中濃度、または対応する標準誤差を伴う平均値として行った。マン・ホイットニーU検定またはスチューデントt検定を連続変数に関して使用し、かつカイ二乗検定を分類変数に関して使用して患者群のベースライン特性を比較した。コルモゴロフ・スミルノフ検定を使用して正規分布に関して調べた。すべての分析では、P<0.05の値を統計学的に有意とみなした。SPSSソフトウェアパッケージバージョン12.01(SPSS Inc, Chicago, Ill, USA)を使用してすべての統計解析を実行した。
結果を以下の表および図4に示す。
Figure 2010510481

Claims (23)

  1. 被験体での心筋壊死の原因を診断する方法であって、以下のステップ:
    (a)心筋壊死に罹患した被験体のサンプル中の心筋トロポニン量およびBNP型ペプチド量を測定するステップ;および
    (b)該心筋トロポニン量および該BNP型ペプチド量を参照量と比較するステップであって、それにより心筋壊死の原因が診断されるステップ
    を含む、上記方法。
  2. 前記参照量が心筋トロポニンおよびBNP型ペプチドに関する正常上限(ULN)である、請求項1に記載の方法。
  3. 心筋トロポニン量の増加およびBNP型ペプチド量の増加が、初期心不全によって引き起こされた心筋壊死を示す、請求項1または2に記載の方法。
  4. 心筋トロポニン量の増加および増加していないBNP型ペプチド量が、冠動脈性心疾患によって引き起こされた心筋壊死を示す、請求項1または2に記載の方法。
  5. 心筋壊死に罹患した被験体が初期心不全に対する治療に感受性かどうかを決定する方法であって、以下のステップ:
    (a)心筋壊死に罹患した被験体のサンプル中の心筋トロポニン量およびBNP型ペプチド量を測定するステップ;および
    (b)該心筋トロポニン量および該BNP型ペプチド量を参照量と比較し、それにより被験体が初期心不全に対する治療に感受性かどうかが決定されるステップ
    を含む、上記方法。
  6. 前記参照量が心筋トロポニンおよびBNP型ペプチドに関する正常上限(ULN)である、請求項6に記載の方法。
  7. 心筋トロポニン量の増加およびBNP型ペプチド量の増加が、被験体が初期心不全に対する治療に感受性であることを示す、請求項5または6に記載の方法。
  8. 初期心不全に対する治療が、ACEインヒビターの投与、β−ブロッカーの投与、デジタル(digital)AT1および/またはAT2ブロッカーの投与、強心薬(inotropic drug)の投与、支援デバイスに基づく治療および心臓移植からなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
  9. 心筋壊死に罹患した被験体が冠動脈性心疾患に対する治療に感受性かどうかを決定する方法であって、以下のステップ:
    (a)心筋壊死に罹患した被験体のサンプル中の心筋トロポニン量およびBNP型ペプチド量を測定するステップ;および
    (b)該心筋トロポニン量および該BNP型ペプチド量を参照量と比較し、それにより被験体が冠動脈性心疾患に対する治療に感受性かどうかが決定されるステップ
    を含む、上記方法。
  10. 前記参照量が心筋トロポニンおよびBNP型ペプチドに関する正常上限(UPLN)である、請求項9に記載の方法。
  11. 心筋トロポニン量の増加および増加していないBNP型ペプチド量が、被験体が冠動脈性心疾患に対する治療に感受性であることを示す、請求項9または10に記載の方法。
  12. 冠動脈性心疾患に対する治療が、血小板凝集のインヒビターの投与、アスピリンまたはクロピドグレルの投与、およびバルーン血管形成術、ステント移植またはバイパス手術を含む心臓インターベンションからなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
  13. 前記心筋トロポニンがトロポニンTである、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記BNP型ペプチドがNT−proBNPである、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記被験体がヒトである、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 被験体での心筋壊死の原因を診断するための診断用組成物の製造のための、心筋トロポニンおよびBNP型ペプチドの使用。
  17. 心筋壊死に罹患した被験体が初期心不全に対する治療に感受性かどうかを決定するための診断用組成物の製造のための、心筋トロポニンおよびBNP型ペプチドの使用。
  18. 心筋壊死に罹患した被験体が冠動脈性心疾患に対する治療に感受性かどうかを決定するための診断用組成物の製造のための、心筋トロポニンおよびBNP型ペプチドの使用。
  19. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法の実施のための診断用デバイスであって、心筋壊死に罹患した被験体のサンプル中の心筋トロポニン量およびBNP型ペプチド量を測定するための手段および参照量に対して該量を調製するための手段を含む、上記デバイス。
  20. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法の実施のための診断用キットであって、心筋壊死に罹患した被験体のサンプル中の心筋トロポニン量およびBNP型ペプチド量を測定するための手段および該量を参照量と比較するための手段を含む、上記キット。
  21. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法を実施するための指示書をさらに含む、請求項20に記載の診断用キット。
  22. 冠動脈性心疾患に対する治療の成功をモニタリングする方法であって、以下のステップ:
    (a)治療に供された被験体の少なくとも第1および第2サンプル中の心筋トロポニン量を測定し、該第1サンプルは事前に取得され、該第2サンプルは該治療が開始された後に取得されたものであるステップ;および
    (b)該第1および該第2サンプルから得られた量を比較し、それにより第1サンプルに対して第2サンプル中の心筋トロポニン量が低下していれば成功が示されるステップ
    を含む、上記方法。
  23. 初期心不全に対する治療の成功をモニタリングする方法であって、以下のステップ:
    (a)治療に供された被験体の少なくとも第1および第2サンプル中の心筋トロポニンおよびBNP型ペプチドの量を測定し、該第1サンプルは事前に取得され、該第2サンプルは該治療が開始された後に取得されたものであるステップ;および
    (b)該第1および該第2サンプルから得られた量を比較し、それにより第1サンプルに対して第2サンプル中の心筋トロポニン量が低下しかつBNP型ペプチド量が低下していれば成功が示されるステップ
    を含む、上記方法。
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