JP4944185B2 - 症状のある患者における急性および慢性の心筋壊死の区別のための手段と方法 - Google Patents

症状のある患者における急性および慢性の心筋壊死の区別のための手段と方法 Download PDF

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Description

本発明は、急性の心臓血管事象(cardiovascular event)の診断方法であって、被験体のサンプル中の心臓トロポニンの量を測定すること、前記被験体のサンプル中のナトリウム利尿性ペプチドの量を測定すること、および先のステップにおいて決定された量を参照量と比較することにより急性の心臓血管事象を診断すること、の各ステップを含む前記方法に関する。さらに本発明は、急性の心臓血管事象と慢性心不全を区別する方法であって、被験体のサンプル中の心臓トロポニンの量を測定すること、前記被験体のサンプル中のナトリウム利尿性ペプチドの量を測定すること、および前記ステップにおいて測定された量を参照量と比較することにより急性の心臓血管事象と慢性心不全を区別すること、の各ステップを含む前記方法を包含する。また本発明は、かかる方法を実施するための装置およびキットを含む。
現代医学の狙いは個別化されたまたは個人に合わせた治療計画を提供することである。これは患者の個人的な要件やリスクを考慮する治療計画である。特に重要なリスクは心臓血管の合併症、特に識別されていない心臓血管の合併症の存在、またはかかる心臓血管の合併症の有病率である。心臓血管の合併症、特に心臓病は西半球では疾病と死亡の主要な原因である。心臓血管の合併症は長期間にわたり無症状でありうる。したがって心臓血管の合併症の存在の信頼できる示差的診断は、一般に考えられているよりもより困難であり間違いを起こしやすい。
具体的には、急性の心臓血管事象(例えば、心筋梗塞)の症状、例えば胸痛を患う患者は現在、トロポニン Tに基づく診断を受ける。この目的を達成するために、患者のトロポニン Tレベルを測定する。血液中のトロポニン Tの量が上昇すると、すなわち0.1 ng/mlより高くなると、急性の心臓血管事象が想定され、患者は相応の処置を受ける。
しかしながら、現在のトロポニンT検定を使用することにより、有意の部分の患者が急性の心臓血管事象を患うと偽陽性と診断される。その後の治療法は、さほど効果的ではなく、ときには全く効果が無く、より深刻な合併症やさらには死という結果をもたらすと理解すべきである。
従って、急性の心臓血管事象の正確な示差的診断を可能にする手段および方法が明らかに長年必要とされている。前記の手段および方法は信頼でき効果的な示差的診断を可能とし、現在の技術の欠点を回避するであろう。
従って、本発明の根底にある技術的課題は、前記のニーズに対処するための手法および方法の提供であると認識すべきである。
この技術的課題は特許請求の範囲および本明細書において以下に特徴を記載する実施形態により解決される。
したがって、本発明は急性の心臓血管事象の診断方法であって、次のステップ、a) 被験体のサンプル中の心臓トロポニンの量を測定すること、b) 前記被験体のサンプル中のナトリウム利尿性ペプチドの量を測定すること、およびc) ステップa)およびステップb)において測定された量を参照量と比較することにより急性の心臓血管事象を診断すること、を含む前記方法に関する。
本発明の方法は好ましくは、in vitro方法である。さらに、同方法は上に明示的に記載したステップに加え、さらなるステップを含むこともできる。例えば、さらなるステップはサンプルの予備処理または診断データの評価に関するものでありうる。
本明細書に用いる「診断する」という用語は、被験者が本明細書で言及する急性の心臓血管事象または任意の他の疾患を患う確率を評価することを意味する。当業者に理解されるように、かかる評価は通常、診断する被験者のすべて(100%)について正しいことを意図していない。しかし、この用語は、被験者の統計的に有意な部分が心不全を患うまたは将来この疾患を患うリスクを有すると診断できることを要件とする(例えば、コホート(集団)研究におけるあるコホート)。ある部分が統計的に有意であるかどうかは、当業者がさらに手間をかけることなく、様々な周知の統計的評価手法、例えば、信頼区間の決定、p値決定、Studentのt検定、Mann-Whitney検定などを用いて決定することができる。詳細は、Dowdy and Wearden、Statistics for Research、John Wiley & Sons、New York 1983に見出される。好ましい信頼区間は、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%である。p 値は、好ましくは、0.1、0.05、0.01、0.005、または0.0001である。
本発明による診断はまた、関連する疾患、症状またはそれらのリスクのモニタリング、確認、細分類および予測も含む。モニタリングは既に診断した疾患、または合併症の経過を追跡すること、例えば疾患の進行、または疾患もしくは合併症の進行に対する特定の処置の影響を分析することに関する。確認は他の指標またはマーカーを用いて既に行った診断を強化するかまたは実証することに関する。細分類化は診断した疾患の種々の細分類に従い診断をさらに規定すること、例えば疾患の軽度および重度の形態に従い規定することに関する。予測は他の症状またはマーカーが明らかになるかまたは著しく変化する前に疾患または合併症の予後判定をすることに関する。
「急性の心臓血管事象」という用語は、突然に現れ、すなわち先の臨床的徴候または症状無しに現れ、かつ拡張期または収縮期の血流速度に深刻な影響を及ぼすあらゆる事象を言う。組織病理学的には、本明細書で言う急性の心臓血管事象には心筋細胞の突然の虚血およびそれに伴う前記細胞の深刻な壊死が伴うであろう。好ましくは、急性の心臓血管事象を患っている被験者は典型的な症状、例えば胸、上腹部、腕、手首もしくは顎の不快または疼痛をも患い、このとき特に胸痛が腕、背中または肩にも広がりうる。急性の心臓血管事象のさらなる症状は、原因不明の吐き気もしくは嘔吐、持続する息切れ、虚弱、めまい、立ちくらみ、または失神ならびにその任意の組み合わせであり得る。好ましくは、本明細書における急性の心臓血管事象は急性冠症候群(ACS)、すなわち不安定狭心症(UAP)または心筋梗塞(MI)のいずれかである。最も好ましくは、急性の心臓血管事象はST上昇MIおよび非ST上昇MIを含むMIである。さらに、心臓血管事象は発作も包含する。定義、症状および臨床的兆候、例えば心電図信号に関するさらなる詳細はJoint European Society of Cardiology / American Society of Cardiology, 2000, J American College of Cardiology, Vol.36, No.3: 959-969に見出される。症状はNew York Heart Association分類システムに従って分類することができる。クラスIの患者は心臓血管疾患の明白な症状がない。身体活動は制限されず、通常の身体活動は過度の疲労、動悸、または呼吸困難(息切れ)を引き起こすことがない。クラスIIの患者は身体活動が若干制限される。この者達は休息時には落ち着いているが、通常の身体活動は疲労、動悸または呼吸困難をもたらす。クラスIIIの患者には身体活動の著しい制限が見られる。この者達は休息時には落ち着いているが、通常未満の活動は疲労、動悸、または呼吸困難を引き起こす。クラスIVの患者は苦痛なしには身体活動を行うことができない。この者達は休息時にも心不全の症状を示す。何らかの身体活動を行うと苦痛は増す。従って、患者は臨床的症状を示さない個体と症状(例えば呼吸困難)のある個体に分けることができる。
本発明に用いる「被験体(被験者)」という用語は、動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトに関する。しかし、本発明では、被験者は好ましくは急性の心臓血管事象に関連することの知られている症状、すなわち胸痛、呼吸困難および上に記載した他の症状を示すことが想定される。より好ましくは、被験者は少なくともNYHA クラスIIの症状、最も好ましくは、クラスIIIまたはIVの症状を示す。
本発明によるナトリウム利尿性ペプチドもしくは心臓トロポニンの量の測定は、その量または濃度を、好ましくは、半定量的にまたは定量的に測定することに関する。測定は直接または間接的に行うことができる。直接測定は、ナトリウム利尿性ペプチドもしくは心臓トロポニン自体から得られるシグナルに基づいて、ナトリウム利尿性ペプチドもしくは心臓トロポニンの量または濃度を測定することに関し、このときシグナルの強度はサンプル中に存在するペプチドの分子数と直接相関する。かかるシグナル(本明細書では強度シグナルとも呼ぶ)は、例えば、ナトリウム利尿性ペプチドまたは心臓トロポニンの特定の物理的または化学的特性の強度値を測定することによって得ることができる。間接測定には、生物学的読み取りシステムまたは二次成分(すなわちナトリウム利尿性ペプチド自体ではない成分)、例えば、測定可能な細胞応答、リガンド、標識、または酵素反応生成物から得られるシグナルを測定することが含まれる。
本発明によれば、ナトリウム利尿性ペプチドまたは心臓トロポニンの量の測定は、サンプル中のペプチドの量を測定する公知のあらゆる手段により達成することができる。前記手段には、標識した分子を様々なサンドイッチ、競合、またはその他のアッセイフォーマットで利用することができるイムノアッセイ装置および方法が含まれる。前記アッセイは、ナトリウム利尿性ペプチドもしくは心臓トロポニンの存在または非存在を示すシグナルを発する。さらに、上記シグナル強度を、好ましくは、サンプル中に存在するポリペプチドの量と直接または間接的に(例えば、反比例的に)相関させることができる。さらなる好適な方法は、ナトリウム利尿性ペプチドに特異的な、物理的または化学的特性、例えばその正確な分子量またはNMRスペクトルなどを測定することを含む。前記方法には、好ましくは、バイオセンサー、イムノアッセイに連結された光学装置、バイオチップ、分析装置、例えば質量分析機器、NMR分析機器、またはクロマトグラフィ装置などが含まれる。さらなる方法としては、マイクロプレートELISAに基づく方法、全自動またはロボットによるイムノアッセイ(例えばElecsysTM分析計で利用可能)、CBA(例えばRoche-HitachiTM分析計で利用しうる酵素コバルト結合アッセイ)、およびラテックス凝集アッセイ(例えばRoche-HitachiTM分析計で利用しうる)などが挙げられる。
好ましい実施形態では、ナトリウム利尿性ペプチドまたは心臓トロポニンの量を測定する方法は、(a)細胞応答の強度が該ペプチドの量を示す細胞応答を誘発できる細胞を、該ペプチドと十分な時間接触させるステップ、(b)前記細胞応答を測定するステップを含む。
細胞応答を測定するために、サンプルまたは処理済みサンプルを、好ましくは、細胞培養に加え、そして内部のまたは外部の細胞応答を測定する。細胞応答としては、レポーター遺伝子の測定可能な発現、または物質、例えばペプチド、ポリペプチド、または小分子の分泌などを挙げることができる。発現または物質は、ペプチドの量と相関する強度シグナルを生じる。
別の好ましい実施形態では、ナトリウム利尿性ペプチドもしくは心臓トロポニンの量を測定する方法は、サンプル中のナトリウム利尿性ペプチドもしくは心臓トロポニンから得られうる特異的強度シグナルを測定するステップも含む。
上に記載したように、かかるシグナルは、質量スペクトルで観察されるナトリウム利尿性ペプチドもしくは心臓トロポニンに特異的なm/z変数において、またはナトリウム利尿性ペプチドもしくは心臓トロポニンに特異的なNMRスペクトルにおいて観察されるシグナル強度であってもよい。
別の好ましい実施形態では、ナトリウム利尿性ペプチドの量を測定する方法は、(a)ペプチドを特異的リガンドと接触させるステップ、(b)(場合により)未結合のリガンドを除去するステップ、(c)結合したリガンドの量を測定するステップを含む。結合したリガンドは強度シグナルを生じる。本発明における結合には、共有結合および非共有結合の両方が含まれる。本発明によるリガンドは、本明細書に記載のナトリウム利尿性ペプチドもしくは心臓トロポニンと結合する任意の化合物、例えば、ペプチド、ポリペプチド、核酸、または小分子でありうる。好ましいリガンドとしては、抗体、核酸、ペプチドまたはポリペプチド、例えばナトリウム利尿性ペプチドの受容体または心臓トロポニンに対する結合パートナーおよび上記ペプチドに対する結合ドメインを含むそれらのフラグメント、ならびにアプタマー、例えば核酸またはペプチドアプタマーが挙げられる。かかるリガンドの調製方法は当技術分野で周知である。例えば、好適な抗体またはアプタマーの同定と生産も、業者により提供される。当業者はより高いアフィニティまたは特異性をもつかかるリガンドの誘導体を開発する方法に精通している。例えば、ランダム突然変異を、核酸、ペプチドまたはポリペプチド中に導入することができる。次いでこれらの誘導体を、当技術分野で公知のスクリーニング手法、例えばファージディスプレイに従い、結合について試験することができる。本明細書で言及する抗体には、ポリクローナル抗体とモノクローナル抗体の両方、ならびにそれらのフラグメント、例えば抗原またはハプテンと結合することができるFv、FabおよびF(ab)2フラグメントが含まれる。本発明はまた、所望の抗原特異性を示す非ヒトドナー抗体のアミノ酸配列がヒトアクセプター抗体の配列と組み合わされた、ヒト化ハイブリッド抗体も含む。ドナー配列は通常、少なくともドナーの抗原結合アミノ酸残基を含みうるが、他の構造的におよび/または機能的に関係するドナー抗体のアミノ酸残基を同様に含むこともできる。かかるハイブリッドは当技術分野で周知の複数の方法により調製することができる。好ましくは、リガンドまたは作用物質はナトリウム利尿性ペプチドと特異的に結合する。本発明による特異的結合は、リガンドまたは作用物質が、分析するサンプル中に存在する別のペプチド、ポリペプチドまたは物質と実質的に結合(「交差反応」)しないことを意味する。好ましくは、特異的に結合したナトリウム利尿性ペプチドは何らかの他の関係するペプチドまたはポリペプチドより少なくとも3倍以上、より好ましくは少なくとも10倍以上、そしてさらにより好ましくは少なくとも50倍以上のアフィニティで結合すべきである。非特異的結合は、それが、例えばウェスタンブロット上でのそのサイズ、またはサンプル中のその相対的に多い存在量により尚も明確に区別できかつ測定できるのであれば、許容されうる。リガンドの結合は当技術分野で公知のどのような方法により測定してもよい。好ましくは、前記方法は半定量的または定量的な方法である。好適な方法を以下に記載する。
第1に、リガンドの結合を直接、例えばNMRまたは表面プラズモン共鳴により測定することができる。
第2に、もしリガンドが、目的のペプチドまたはポリペプチドの酵素活性の基質としての役割も果たすのであれば、酵素反応生成物を測定することができる(例えばプロテアーゼの量は、切断された基質の量を例えばウェスタンブロットで測定することにより、測定することができる)。あるいは、リガンドはそれ自体が酵素特性を示してもよく、リガンド/ナトリウム利尿性ペプチドもしくはリガンド/心臓トロポニン複合体、またはそれぞれナトリウム利尿性ペプチドもしくは心臓トロポニンと結合したリガンドを、、好適な基質と接触させ、強度シグナルの発生による検出を実現することができる。酵素反応生成物の測定ためには、好ましくは、基質の量は飽和している。基質はまた、反応前に、検出可能な標識で標識化されてもよい。好ましくは、サンプルを十分な時間、基質と接触させる。十分な時間とは、検出可能な、好ましくは測定可能な量の生成物が生成するのに必要な時間を言う。生成物の量を測定する代わりに、所定の(例えば検出可能な)量の生成物が現れるのに必要な時間を測定してもよい。
第3に、リガンドを共有結合または非共有結合で標識とカップリングさせて、リガンドの検出および測定を実現することができる。標識化は直接的または間接的方法により行うことができる。直接標識化は、標識を直接(共有結合または非共有結合で)リガンドに結合させることを含む。間接標識化は、二次リガンドの一次リガンドへの結合(共有結合または非共有結合)を含む。二次リガンドは一次リガンドと特異的に結合すべきである。前記二次リガンドは好適な標識とカップリングしていてもよく、および/または二次リガンドと結合する三次リガンドの標的(受容体)であってもよい。二次、三次またはさらに高次のリガンドを用いてシグナルを増強することもしばしば行われる。好適な二次および高次のリガンドには、抗体、二次抗体、および公知のストレプトアビジン-ビオチン系(Vector Laboratories、Inc.)が含まれる。リガンドまたは基質はまた、当技術分野で周知の1以上のタグを用いて「タグ化」することもできる。次いでかかるタグを高次リガンドの標的とすることもできる。好適なタグとしては、ビオチン、ジゴキシゲニン、His-タグ、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ、FLAG、GFP、myc-タグ、インフルエンザAウイルス赤血球凝集素(HA)、マルトース結合タンパク質などが挙げられる。ペプチドまたはポリペプチドの場合、タグは好ましくはN-末端および/またはC-末端にある。好適な標識は、適当な検出方法により検出することのできる任意の標識である。典型的な標識としては、金粒子、ラテックスビーズ、アクリダンエステル、ルミノール、ルテニウム、酵素活性標識、放射性標識、磁性標識(例えば、常磁性および超常磁性標識を含む「磁性ビーズ」)、および蛍光標識などが挙げられる。酵素活性標識には、例えばセイヨウワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β-ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、およびそれらの誘導体が含まれる。検出に好適な基質としては、ジ-アミノ-ベンジジン(DAB)、3,3'-5,5'-テトラメチルベンジジン、NBT-BCIP(塩化4-ニトロブルーテトラゾリウムおよびリン酸5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリル、これらは Roche Diagnosticsから既製ストック溶液として入手可能である)、CDP-StarTM(Amersham Biosciences)、ECFTM(Amersham Biosciences)などが挙げられる。好適な酵素-基質の組合せは呈色反応生成物、蛍光または化学発光をもたらし、これは当技術分野で公知の方法により(例えば、感光フィルムまたは好適なカメラシステムを用いて)測定することができる。酵素反応の測定については、上に記載の基準を同様に適用することができる。典型的な蛍光標識には蛍光タンパク質(GFPおよびその誘導体など)、Cy3、Cy5、テキサスレッド、フルオレセイン、およびAlexa色素類(例えばAlexa568)が含まれる。さらなる蛍光標識が、例えばMolcular Probes(Oregon)から市販されている。量子ドットの蛍光標識としての使用も考慮される。典型的な放射性標識には、35S、125I、32P、33P などが含まれる。放射性標識は、任意の公知で適当な方法、例えば感光フィルムまたはホスフォルイメージャーにより検出することができる。本発明による好適な測定方法としてはまた、沈降(特に免疫沈降)、電気化学発光(電気により生成する化学発光)、RIA(ラジオイムノアッセイ)、ELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)、サンドイッチ酵素免疫試験、電気化学発光サンドイッチイムノアッセイ(ECLIA)、解離増感ランタニド蛍光イムノアッセイ(DELFIA)、シンチレーション近接アッセイ(SPA)、濁度分析、比濁分析、ラテックス増感濁度分析もしくは比濁分析、または固相免疫試験などが挙げられる。当技術分野で公知のさらなる方法(ゲル電気泳動、2Dゲル電気泳動、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)、ウェスタンブロットおよび質量分析など)を、単独でまたは、上記の標識化方法または他の検出法と組み合せて用いることができる。
別の好ましい実施形態では、ナトリウム利尿性ペプチドの量を測定する方法は、(a)上で特定されるナトリウム利尿性ペプチドもしくは心臓トロポニンに対するリガンドを含む固相支持体を、ナトリウム利尿性ペプチドもしくは心臓トロポニンを含むサンプルと接触させるステップ、および(b)前記支持体に結合したナトリウム利尿性ペプチドもしくは心臓トロポニンの量を測定するステップを含む。リガンドは、好ましくは核酸、ペプチド、ポリペプチド、抗体およびアプタマーからなる群より選択され、好ましくは固相支持体上に固定形態で存在する。固相支持体を製造するための材料は当技術分野で周知であり、とりわけ、市販されるカラム材料、ポリスチレンビーズ、ラテックスビーズ、磁性ビーズ、コロイド金属粒子、ガラスおよび/またはシリコンのチップおよび表面、ニトロセルロース・ストリップ、メンブレン、シート、デュラサイト(duracyte)、反応トレイのウエルおよび壁面、プラスチックチューブなどが挙げられる。リガンドまたは作用物質は種々の担体に結合していてもよい。周知の担体の例としては、ガラス、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、デキストラン、ナイロン、アミロース、天然および修飾セルロース、ポリアクリルアミド、アガロース、およびマグネタイトなどが挙げられる。本発明における担体の性質は可溶性であっても不溶性であってもよい。前記リガンドを固定/固定化するための好適な方法は周知であり、限定されるものでないが、イオン性、疎水性、共有結合性の相互作用などが含まれる。本発明におけるアレイとして「サスペンジョンアレイ」を利用することも考慮される(Nolan JP, Sklar LA. (2002). Suspension array technology: evolution of the flat-array paradigm. Trends Biotechnol. 20(l):9-12)。かかるサスペンジョンアレイにおいては、担体(例えばマイクロビーズまたはミクロスフェア)はサスペンジョン中に存在する。前記アレイは、標識化されていてもよく、種々のリガンドを保持する、種々のマイクロビーズまたはミクロスフェアからなる。かかるアレイの製造方法、例えば固相化学および光分解性保護基に基づく製造方法は一般に公知である(米国特許第5,744,305号)。
本明細書に用いる「量」という用語は、ナトリウム利尿性ペプチドもしくは心臓トロポニンの絶対量、ナトリウム利尿性ペプチドもしくは心臓トロポニンの相対量または濃度ならびにそれらと相関する任意の値またはパラメーターを包含する。かかる値またはパラメーターは、前記ペプチドから直接測定、例えば、質量スペクトルまたはNMRスペクトルの強度値により得た、全ての特異的な物理的または化学的特性からの強度シグナル値を含む。さらに、本明細書の他の箇所に記載した間接測定法より得た、全ての値またはパラメーター、例えば、ペプチドに応答する生物学的読み取り系から測定した発現レベルまたは特異的に結合したリガンドからの強度シグナルも包含される。前記の量またはパラメーターと相関する値はまた、あらゆる標準的な数学演算により得ることができることも理解すべきである。
「心臓トロポニン」という用語は、心臓の細胞および、好ましくは、心内膜下細胞において発現されるあらゆるトロポニンのアイソフォームを言う。こうしたアイソフォームは当技術分野で詳細に特徴付けされており、例えば、Anderson 1995, Circulation Research, vol. 76, no. 4: 681-686およびFerrieres 1998, Clinical Chemistry, 44: 487-493に記載されている。
好ましくは、心臓トロポニンはトロポニンTおよび/またはトロポニンIを言う。
したがって、両種のトロポニンを本発明の方法において一緒に、すなわち同時もしくは逐次的に、または個別にすなわち他のアイソフォームを全く決定することなく、決定することができる。
ヒトトロポニンTおよびヒトトロポニンIのアミノ酸配列はAnderson, loc cit and Ferrieres 1998, Clinical Chemistry, 44: 487-493に開示されている。「心臓トロポニン」という用語は、前記の特定のトロポニンの、すなわち好ましくは、トロポニンTまたはトロポニンIの変異体も包含する。かかる変異体は、特定の心臓トロポニンと少なくとも同じ本質的な生物学的および免疫学的特性を有する。特に、それらは本明細書に記載の同じ特定のアッセイにより(例えば、前記心臓トロポニンを特異的に認識するポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体を用いるELISAアッセイにより)検出可能であれば、同じ本質的な生物学的および免疫学的特性を共有する。さらに、本発明において言及する変異体は、少なくとも1つのアミノ酸置換、欠失および/または付加の点で異なるアミノ酸配列を有し、ここで該変異体のアミノ酸配列が依然として前記の特定のトロポニンのアミノ酸配列と好ましくは少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、または99%同一であると理解すべきである。変異体は対立遺伝子の変異体または任意の他の種に特異的なホモログ、パラログもしくはオーソログでありうる。さらに本明細書で言及する変異体には、前記特定の心臓トロポニンまたは前記の種類の変異体のフラグメントも、これらのフラグメントが上に記載した本質的な免疫学的および生物学的特性を有する限り、含まれる。かかるフラグメントは例えば、トロポニンの分解生成物であり得る。さらに、翻訳後修飾、例えばリン酸化またはミリスチル化の点で相違する変異体も含まれる。
「ナトリウム利尿性ペプチド」という用語は、心房性ナトリウム利尿性ペプチド(Atrial Natriuretic Peptide;ANP)型および脳ナトリウム利尿性ペプチド(Brain Natriuretic Peptide; BNP)型ペプチド、ならびに予想上同じ能力を有するそれらの変異体を含む。本発明によるナトリウム利尿性ペプチドは、ANP型およびBNP型ペプチドおよびそれらの変異体を含む(例えばBonow, R.O. (1996). New insights into the cardiac natriuretic peptides. Circulation 93: 1946-1950を参照されたい)。
ANP型ペプチドには、pre-proANP、proANP、NT-proANP、およびANPが含まれる。
BNP型ペプチドには、pre-proBNP、proBNP、NT-proBNP、およびBNPが含まれる。
pre-proペプチド(pre-proBNPの場合、134アミノ酸)は、短いシグナルペプチドを含み、これが酵素的に切断されてプロペプチド(proBNPの場合、108アミノ酸)が遊離する。前記proペプチドはさらに切断されてN末端proペプチド(NT- proペプチド、NT- proBNPの場合、76アミノ酸)および活性ホルモン(BNPの場合、32アミノ酸;ANPの場合、28アミノ酸)となる。
本発明における好ましいナトリウム利尿性ペプチドはNT-proANP、ANP、NT-proBNP、BNP、およびそれらの変異体である。ANPとBNPが活性型ホルモンであり、それぞれの不活性な対応物であるNT-proANPおよびNT-proBNPより短い半減期を有する。BNPは血液中で代謝され、これに対してNT-proBNPは血液中で無傷の分子として循環し、そのため腎臓で除去される。NTproBNPのin-vivo半減期は、20分間であるBNPの半減期より120分間長い(Smith MW, Espiner EA, Yandle TG, Charles CJ, Richards AM. Delayed metabolism of human brain natriuretic peptide reflects resistance to neutral endopeptidase. J Endocrinol. 2000; 167: 239-46.)。
予備分析は、サンプルの中央実験室への容易な輸送が可能なNT-proBNPを用いる方がより着実である(Mueller T, Gegenhuber A, Dieplinger B, Poelz W, Haltmayer M. Long-term stability of endogenous B-type natriuretic peptide (BNP) and amino terminal proBNP (NT-proBNP) in frozen plasma samples. Clin Chem Lab Med 2004; 42: 942-4.)。血液サンプルは回収ロス無しに、数日間室温にて貯蔵することができ、または郵送もしくは配送することもできる。対照的に、BNPの室温または4℃での48時間にわたる貯蔵は、少なくとも20%の濃度喪失をもたらす(Mueller T, Gegenhuber A, ら, Clin Chem Lab Med 2004; 42: 942-4, 上記; Wu AH, Packer M, Smith A, Bijou R, Fink D, Mair J, Wallentin L, Johnston N, Feldcamp CS, Haverstick DM, Ahnadi CE, Grant A, Despres N, Bluestein B, Ghani F. Analytical and clinical evaluation of the Bayer ADVIA Centaur automated B-type natriuretic peptide assay in patients with heart failure: a multisite study. Clin Chem 2004; 50: 867-73.)。それ故に、目的の時間経過または特性に応じて、ナトリウム利尿性ペプチドの活性形態もしくは不活性形態の測定法のうちのいずれかが有利となりうる。
本発明の最も好ましいナトリウム利尿性ペプチドは、NT-proBNPまたはそれらの変異体である。上で簡潔に記載したように、本発明で言及するヒトNT-proBNPは、好ましくはヒトNT-proBNP分子のN末端部分に対応する長さ76アミノ酸を含むポリペプチドである。ヒトBNPおよびNT-proBNPの構造は、先行技術において既に詳細に記載されており、例えば、WO 02/089657、WO 02/083913、Bonow 1996, New Insights into the cardiac natriuretic peptides. Circulation 93: 1946-1950が挙げられる。好ましくは、本発明で用いるヒトNT- proBNPはヒトNT- proBNPであり、これはEP 0 648 228 B1に開示されている。これらの先行技術文献は、そこに開示されたNT-proBNPおよびその変異体の具体的な配列について、参照により本明細書に組み入れる。
本発明で言及するNT-proBNPはさらに、上に記載したヒトNT-proBNPに対する前記特定の配列の対立遺伝子および他の変異体を包含する。具体的に想定されるのは、ヒトNT-proBNPに対してアミノ酸レベルで少なくとも60%同一、より好ましくは少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%または少なくとも99%同一である変異体ポリペプチドである。診断手段によりまたはそれぞれの全長ペプチドを指向するリガンドにより依然として認識されるタンパク質分解生成物も実質的に類似しておりそして想定される。ヒトNT-proBNPのアミノ酸配列と比較してアミノ酸欠失、置換、および/または付加を有する変異体ポリペプチドも、前記ポリペプチドがNT-proBNP特性を有する限り包含される。本明細書において言及するNT-proBNP特性は免疫学的および/または生物学的特性である。好ましくは、上記NT-proBNP変異体は、NT-proBNPの免疫学的特性と比較しうる免疫学的特性(すなわちエピトープ組成)を有する。従って、前記変異体はナトリウム利尿性ペプチドの量の測定に用いる前記の手段またはリガンドにより認識されうる。生物学的および/または免疫学的NT-proBNP特性は、Karlら(Karl 1999. Development of a novel, N-Terminal-proBNP (NT-proBNP) assay with a low detection limit. Scand J Clin Invest 59:177-181)、Yeoら(Yeo 2003. Multicenter evaluation of the Roche NT-proBNP assay and comparison to the Biosite Triage assay. Clinica Chimica Acta 338:107-115)ならびに下の実施例1に記載のアッセイにより検出することができる。変異体にはまた、翻訳後修飾されたペプチド、例えばグリコシル化ペプチドも含まれる。
本発明による変異体はまた、サンプルの採集後に修飾されたペプチドまたはポリペプチド、例えば、標識、特に放射性または蛍光標識のペプチドへの共有結合または非共有結合により修飾されたペプチドまたはポリペプチドである。
「サンプル」という用語は、体液のサンプル、分離された細胞のサンプル、または組織もしくは臓器からのサンプルを言う。体液のサンプルは周知の技法により得ることができ、好ましくは、血液、血漿、血清または尿のサンプルが含まれる。組織または臓器サンプルはいずれかの組織または臓器から例えば生検により得ることができる。分離された細胞は、体液または組織もしくは臓器から遠心分離またはセルソーティングなどの分離技法により得ることができる。好ましくは、細胞サンプル、組織サンプルまたは臓器サンプルは、本明細書で言及するペプチド(すなわちナトリウム利尿性ペプチドおよび心臓トロポニン)を発現または産生する細胞、組織または臓器から得る。
本明細書において用いる比較するとは、分析するサンプルに含まれるナトリウム利尿性ペプチドまたは心臓トロポニンの量を、本明細書の他の箇所に記載した好適な参照源の量と比較することを包含する。本明細書において用いる比較するとは、対応するパラメーターまたは値を比較すること、例えば、絶対量は絶対参照量と比較すること、これに対して濃度は参照濃度と比較すること、そして試験サンプルから得た強度シグナルは参照サンプルの同類の強度シグナルと比較することを言うと理解されるべきである。本発明の方法のステップ(b)で言及した比較は、手作業でまたはコンピューター支援で実施することができる。コンピューター支援比較については、測定した量の値を、コンピュータープログラムによりデータベースに格納されている好適な参照に対応する値と比較することができる。コンピュータープログラムはさらに比較の結果を評価し、すなわち、自動的に所望の診断を好適な出力形式で提供する。
本明細書で用いる「参照量(reference amount)」という用語は、上に記載した比較により、被験者が本明細書に記載の急性の心臓血管事象または他の疾患を患っているか否かを評価することを可能にする量を意味する。従って参照(reference)は、急性の心臓血管事象を患う被験者、または少なくとも急性の心臓血管事象について健常である被験者に由来するものでありうる。個別の被験者に適用することのできる参照量は、年齢、性別、または亜集団などの様々な生理学的パラメーターに応じて変化しうる。従って、好適な参照量は、本発明の方法により、参照サンプルを試験サンプルと一緒に、すなわち同時にまたは逐次に分析することで決定することができる。原理的には、慢性心不全の進行中に、心臓トロポニンの量、例えば、血漿中の量も増加することが本発明に従って見出された。さらに、慢性心不全が深刻になるにつれ、血漿中のナトリウム利尿性ペプチドの量は高くなる。したがって、健常な被験者については血漿の心臓トロポニンおよびナトリウム利尿性ペプチドの量の上昇は慢性心不全を患う可能性の増大と関連付けるべきである。反対に、血漿心臓トロポニンの量のみの上昇は急性の心臓血管事象を患うリスクの増加と関連付けるべきである。より好ましくは、本発明に従い、少なくとも0.01 ng/mlという心臓トロポニンの参照量および500 pg/ml未満というナトリウム利尿性ペプチドの参照量が急性の心臓血管事象を示すことが見出された。さらに、少なくとも3.5 ng/mlという心臓トロポニンの参照量および少なくとも500 pg/mlというナトリウム利尿性ペプチドの参照量もまた、急性の心臓血管事象を示す(すなわち急性の心臓血管事象を発症する高い蓋然性と関連する)。
驚くべきことに、本発明の基礎をなす研究から、現在の究極の標準マーカーであるトロポニンT単独ではなく、2種の生化学的マーカー、すなわち心臓トロポニンおよびナトリウム利尿性ペプチドを考慮することにより、急性の心臓血管事象の診断に関連する偽陽性の認定を回避できることが見出された。有利には、急性の心臓血管事象を患う被験者を確実に診断でき、他の疾患を患う被験者から区別することができる。特定のそして効果的な治療法を迅速に適用することができることから、被験者はこのより確実な診断から大きな恩恵を受けると理解されよう。
上および下に記載した用語の定義と説明は本明細書および特許請求の範囲に記載のあらゆる実施形態に適宜適用される。
上記に従い、本発明の方法の特に好ましい実施形態において、(i) 少なくとも0.01 ng/mlという心臓トロポニンの参照量および500 pg/ml未満というナトリウム利尿性ペプチドの参照量、または(ii) 少なくとも3.5 ng/mlという心臓トロポニンの参照量および少なくとも500 pg/mlというナトリウム利尿性ペプチドの参照量は急性の心臓血管事象を示す。
さらに本発明は急性の心臓血管事象と慢性心不全を区別する方法であって、以下のステップ、
a) 被験体のサンプル中の心臓トロポニンの量を測定すること、
b) 前記被験体のサンプル中のナトリウム利尿性ペプチドの量を測定すること、および
c) ステップa)およびステップb)において測定された量を参照量と比較することにより、急性の心臓血管事象と慢性心不全を区別すること、
を含む前記方法に関する。
本明細書において用いる「区別する」という用語は、急性の心臓血管事象を患う被験者と慢性心不全を患う被験者とを、該患者らが本質的に同じ臨床兆候および症状を示しかつ現在用いられているトロポニンT検定においていずれも急性の心臓血管事象について陽性とされる条件下であっても、区別することを意味する。本明細書において用いるこの用語には、好ましくは、本明細書において言及した急性の心臓血管事象または慢性心不全のいずれかを診断するかまたは該疾患の両方を一緒に診断することが含まれる。
本明細書において用いる「慢性心不全」という用語は、慢性の、すなわち永続する心不全を言う。心不全は機能の損なわれた拡張期または収縮期の血流速度を特徴とし、したがって心臓の機能不全を特徴とする。しかしながら、本発明において言及する慢性心不全は、心筋細胞の深刻な壊死を伴う突然の虚血を示すよりもむしろ、好ましくは、心筋細胞の継続的な壊死事象を伴い、これが継続的に発達する心機能不全をもたらすものである。
有利には、本発明は、急性の心臓血管事象と慢性心不全とを示差的に診断するための上記の方法を提供することにより、確実にそして時間効率的およびコスト効率的に前記疾患症状間を区別することを可能にする。したがって、前記疾患を患う被験者を、非特異的で効果的ではない治療法ではなく、特異的そして効果的な治療法で迅速に処置することができる。
以下で本発明の方法の特に好ましい実施形態に言及する:
本発明の方法の好ましい実施形態において、0.01 ng/ml〜3.5 ng/mlという心臓トロポニンの参照量および少なくとも500 pg/mlというナトリウム利尿性ペプチドの参照量は慢性心不全を示す。
本発明の方法の別の好ましい実施形態において、(i) 少なくとも0.01 ng/mlという心臓トロポニンの参照量および500 pg/ml未満というナトリウム利尿性ペプチドの参照量、または(ii) 少なくとも3.5 ng/mlという心臓トロポニンの参照量および少なくとも500 pg/mlというナトリウム利尿性ペプチドの参照量は急性の心臓血管事象を示す。
本発明の方法の好ましい実施形態において、ナトリウム利尿性ペプチドはBNPであり、より好ましくは、NT-proBNPである。
本発明の方法のさらに好ましい実施形態において、ナトリウム利尿性ペプチドはANPであり、より好ましくは、NT-proANPである。
本発明の方法のさらに好ましい実施形態において、前記心臓トロポニンはトロポニンTおよび/またはトロポニンIである。
また本発明の方法の好ましい実施形態において前記被験体はヒトである。
本発明はさらに急性の心臓血管事象を診断するための装置であって、以下の手段、
a) 被験体のサンプル中の心臓トロポニンの量を測定するための手段、
b) サンプル中のナトリウム利尿性ペプチドの量を測定するための手段、および
c) 前記の各量を適当な参照と比較し、これにより急性の心臓血管事象を診断するための手段、
を含む、前記装置に関する。
本明細書に用いる「装置」という用語は、予測を可能にするように互いに機能的に連結された上記手段を少なくとも含む手段のシステムを指す。ナトリウム利尿性ペプチドまたは心臓トロポニンの量を測定するための好ましい手段および比較を行うための手段は本発明の方法と関連して上に開示されている。前記手段を機能する様式で連結する方法は前記装置に含まれる手段の種類に依存する。例えば、ペプチドの量を自動測定する手段を適用する場合、前記自動操作手段により得たデータを、例えば、コンピュータープログラムにより加工して、本明細書で言及した急性の心臓血管事象または他の疾患を診断することができる。好ましくはそのような場合には、上記手段は単一の装置内に含まれる。前記装置はサンプル中のペプチドの量を測定するための分析ユニットおよび示差的診断のために結果のデータを加工するコンピューターユニットを含み得る。あるいは、ペプチドの量を測定するために試験ストリップなどの手段を用いる場合、診断手段は、測定された量を本明細書に記載の急性の心臓血管事象もしくは他の疾患に伴うことが知られている量、または健常な被験者であることを示すことの知られている量に割り当てる対照ストリップまたは表を含んでもよい。試験ストリップは、好ましくは、ナトリウム利尿性ペプチドまたは心臓トロポニンに特異的に結合するリガンドにカップリングされている。前記ストリップまたは装置は、好ましくは、前記ペプチドの前記リガンドへの結合を検出する手段を含む。好ましい検出手段は、上の本発明の方法に関する実施形態に関連して開示されている。かかる場合、前記システムの使用者は、前記量の測定結果とマニュアルに与えられた指示および解釈によるその診断値とを一緒にするという点で、前記の手段は機能的に連結される。かかる実施形態において、前記手段は分離した装置であってもよく、そして好ましくはキットとして一緒にパッケージ化されている。当業者はさらに手間をかけることなく上記手段を連結する方法を認識するであろう。好ましい装置は、専門の臨床医の特定の知識なしに利用できるものであり、例えば、単にサンプルを充填するだけでよい試験ストリップまたは電子装置である。結果は、医師による解釈が必要である診断用の生データの出力として提供されてもよい。しかし好ましくは、装置の出力は加工された診断用生データであり、その解釈は専門の医師を必要としない。すなわち出力から患者が軽度または中程度の心不全を患っているか否かが必ずや明確であるべきである。さらなる好ましい装置には、分析ユニット/装置(例えば、バイオセンサー、アレイ、ナトリウム利尿性ペプチドを特異的に認識するリガンドとカップリングした固相支持体、表面プラズモン共鳴装置、NMR分光計、質量分析計など)または本発明の方法に関連して上に言及した評価ユニット/装置が含まれる。
さらに本発明はまた、急性の心臓血管事象と心不全を区別するための装置であって、以下の手段、
a) 被験体のサンプル中の心臓トロポニンの量を測定するための手段、
b) サンプル中のナトリウム利尿性ペプチドの量を測定するための手段、および
c) 前記の各量を適当な参照と比較し、これにより急性の心臓血管事象と慢性心不全を区別するための手段、
を含む、前記装置を包含する。
最後に本発明は、本発明の方法を実施するためのキットであって、以下の手段、
a) 被験体のサンプル中の心臓トロポニンの量を測定するための手段、
b) サンプル中のナトリウム利尿性ペプチドの量を測定するための手段、および
c) 前記の各量を適当な参照と比較し、これにより急性の心臓血管事象と慢性心不全を区別するための手段、
を含む、前記キットに関する。
本明細書において用いる「キット」という用語は前記の手段の集合を言い、好ましくは、別々にまたは単一の容器内に用意される。好ましくはこの容器には、本発明の方法を実施するための説明書も含まれる。
本明細書に引用した全ての参考文献は、参照によりその全開示内容および本明細書に具体的に言及した開示内容を本明細書に組み入れる。
以下の実施例は本発明を例示するのみである。どのようなことがあっても、これが本発明の範囲を限定すると解釈してはならない。
実施例1:ケーススタディ
あるケーススタディにおいて、12人の患者が本発明の方法により急性冠症候群を患うことが確認された。すべての患者は、急性の心臓血管事象の症状を示した後に、最初にトロポニンT検定を用いて、そして次に高感度トロポニンT検定を用いて調べた。結果は掲載の表1に示す。
表から明らかなように、すべての患者は高感度アッセイを用いるとトロポニンTについて陽性である。さらに、患者のNT-proBNP値も示す。最後の列に最終診断を示す。掲載の表中の12人の患者について示したデータは、トロポニンTおよびNT-proBNP値を、急性冠症候群、例えばST上昇または非ST上昇心筋梗塞 (STEMIまたはNSTEMI)を診断するために併用できることを実証している。
表1: N=12のACS患者がTnT陽性とされた
Figure 0004944185
実施例2: ケーススタディ
先の既知の心不全を有する急性の心臓血管事象を患っている73人の患者のコホートについて、NT-proBNP, BNP, NT-proANPおよびトロポニン Tを測定した。測定は、患者が救急病院に到着した時点ならびにその12時間後およびその24時間後に行った。前記の測定の時点の間にトロポニンT量の上昇を示さなかった患者は慢性の壊死を示すと見なされた。こうした患者は以下の基準に従いグループに細分類した:検出レベル未満のトロポニン T 、検出レベルより高いが、0.1 ng/mlという臨床カットオフよりも低いトロポニンT、ならびに0.1 ng/mlという臨床カットオフ値よりも高いトロポニンT。表2から明らかなように、上昇したトロポニンT値には、有意に上昇したBNP、NT-proBNPおよびNT-proANP量が伴う。3 ng/mlという値を上回る連続するトロポニンT上昇が稀に出現することに留意されたい。
Figure 0004944185
実施例3: ケーススタディ
冠状動脈性心臓病を患っている患者の別のコホート(n = 235)において、NT-proBNPおよびトロポニンTを調べた。患者は急性の心臓血管事象を患っておらず、すなわち最後の急性の心臓血管事象は少なくとも1週間前に出現した。患者を上の実施例2に記載のようにグループ分けした。
調査の結果を下の表3に示す。
表3: 実証された冠動脈疾患を有する患者における高感度トロポニンTカテゴリー
Figure 0004944185
Figure 0004944185

Claims (11)

  1. 急性の心臓血管事象と慢性心不全を区別する方法であって、以下のステップ、
    a) 被験体のサンプル中の心臓トロポニンの量を測定すること、
    b) 前記被験体のサンプル中のナトリウム利尿性ペプチドの量を測定すること、および
    c) ステップa)およびステップb)において測定された量を参照量と比較することにより急性の心臓血管事象と慢性心不全を区別すること、
    を含み、
    0.01 ng/ml〜3.5 ng/mlという心臓トロポニンの参照量および少なくとも500 pg/mlというナトリウム利尿性ペプチドの参照量が慢性心不全を示し、
    (i) 少なくとも0.01 ng/mlという心臓トロポニンの参照量および500 pg/ml未満というナトリウム利尿性ペプチドの参照量、または(ii) 少なくとも3.5 ng/mlという心臓トロポニンの参照量および少なくとも500 pg/mlというナトリウム利尿性ペプチドの参照量が、急性の心臓血管事象を示す、
    前記方法。
  2. 急性の心臓血管事象を検出する方法であって、以下のステップ、
    a) 被験体のサンプル中の心臓トロポニンの量を測定すること、
    b) 前記被験体のサンプル中のナトリウム利尿性ペプチドの量を測定すること、および
    c) ステップa)およびステップb)において測定した量を参照量と比較することにより急性の心臓血管事象を検出すること、
    を含み、
    (i) 少なくとも0.01 ng/mlという心臓トロポニンの参照量、および500 pg/ml未満というナトリウム利尿性ペプチドの参照量、または(ii) 少なくとも3.5 ng/mlという心臓トロポニンの参照量、および少なくとも500 pg/mlというナトリウム利尿性ペプチドの参照量が、急性の心臓血管事象を示す、
    前記方法。
  3. ナトリウム利尿性ペプチドがBNPである、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  4. BNPがNT-proBNPである、請求項に記載の方法。
  5. ナトリウム利尿性ペプチドがANPである、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  6. ANPがNT-proANPである、請求項に記載の方法。
  7. 前記心臓トロポニンがトロポニンTおよび/またはトロポニンIである、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記被験体がヒトである、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  9. 急性の心臓血管事象を診断するための装置であって、以下の手段、
    a) 被験体のサンプル中の心臓トロポニンの量を測定するための手段、
    b) サンプル中のナトリウム利尿性ペプチドの量を測定するための手段、および
    c) 前記の各量を参照と比較し、これにより急性の心臓血管事象を診断するための手段、
    を含み、
    (i) 少なくとも0.01 ng/mlという心臓トロポニンの参照量、および500 pg/ml未満というナトリウム利尿性ペプチドの参照量、または(ii) 少なくとも3.5 ng/mlという心臓トロポニンの参照量、および少なくとも500 pg/mlというナトリウム利尿性ペプチドの参照量が、急性の心臓血管事象を示す
    前記装置。
  10. 急性の心臓血管事象と心不全とを区別するための装置であって、以下の手段、
    a) 被験体のサンプル中の心臓トロポニンの量を測定するための手段、
    b) サンプル中のナトリウム利尿性ペプチドの量を測定するための手段、および
    c) 前記の各量を参照と比較し、これにより急性の心臓血管事象と慢性心不全を区別するための手段、
    を含み、
    0.01 ng/ml〜3.5 ng/mlという心臓トロポニンの参照量および少なくとも500 pg/mlというナトリウム利尿性ペプチドの参照量が慢性心不全を示し、
    (i) 少なくとも0.01 ng/mlという心臓トロポニンの参照量および500 pg/ml未満というナトリウム利尿性ペプチドの参照量、または(ii) 少なくとも3.5 ng/mlという心臓トロポニンの参照量および少なくとも500 pg/mlというナトリウム利尿性ペプチドの参照量が、急性の心臓血管事象を示す
    前記装置。
  11. 請求項1〜のいずれか1項に記載の方法を実施するためのキットであって、以下の手段、
    a) 被験体のサンプル中の心臓トロポニンの量を測定するための手段、
    b) サンプル中のナトリウム利尿性ペプチドの量を測定するための手段、および
    c) 前記の各量を参照と比較し、これにより急性の心臓血管事象と慢性心不全を区別するための手段、
    を含み、
    0.01 ng/ml〜3.5 ng/mlという心臓トロポニンの参照量および少なくとも500 pg/mlというナトリウム利尿性ペプチドの参照量が慢性心不全を示し、
    (i) 少なくとも0.01 ng/mlという心臓トロポニンの参照量および500 pg/ml未満というナトリウム利尿性ペプチドの参照量、または(ii) 少なくとも3.5 ng/mlという心臓トロポニンの参照量および少なくとも500 pg/mlというナトリウム利尿性ペプチドの参照量が、急性の心臓血管事象を示す
    前記キット。
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