JP2010508942A - 外科インプラント複合材料およびキットおよび製造方法 - Google Patents

外科インプラント複合材料およびキットおよび製造方法 Download PDF

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Abstract

外科インプラント基材および該基材に付着した薄膜コーティングを含む外科インプラント複合材料であって、該薄膜コーティングがTiO2−xを含み、ここでMは該コーティングの該基材に対する付着性に不利な影響を与えない一又は複数の元素であり、yは全てのM元素のモル数の合計であり、0≦x≦2且つ0≦y≦1であり、ここで該薄膜コーティングの最外部は結晶質である、外科インプラント複合材料。外科インプラント複合材料と、活性薬剤成分、イオンもしくは生体分子、またはそれらの組み合わせを含む放出可能な薬剤の溶液の少なくとも一つとを含むキットであって、該溶液が該外科インプラント複合材料の上に該放出可能な薬剤を積むことができる、キット。薄膜コーティングを基材に付着させることを含む、複合材料を形成する方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、複合材料、例えば外科インプラント複合材料、そのような複合材料を含むキット、およびそのような複合材料を製造する方法を対象とする。
金属インプラント、例えばチタン、チタン合金、ステンレス鋼およびCo−Cr合金は、それらの機械的強度、生体適合性、化学的不活性および機械加工性のために、外科インプラントとして広く使用されている。金属インプラントの例は、歯科インプラント、内耳インプラント、有茎ネジ、脊椎インプラント、臀部インプラント、プレート、爪、腕および脚切断インプラント、およびそれに類するものを含む。非−再吸収性セラミックインプラントも、その機械的強度、生体適合性、化学的不活性および優れた審美性および高い磨耗耐性のために、使用される。非−再吸収性セラミックインプラントの例は、二酸化ジルコニウムおよび酸化アルミニウムを含む。インプラント材料およびその用途を概説するために、Ratner et al., Biomaterials Science; An Introduction to Materials in Medicine, 2nd Edition, San Diego (2004)が参照される。
インプラントが身体中で使用される場合は常に、インプラントに対する一つの要求は、まわりの硬組織または軟組織と機械的に安定なユニットを形成することである。不安定なユニットは、効果の少ない働きをするかまたは、完全に機能することを中止する、および/または過剰な組織反応を誘発する。このことは、患者に苦痛を与えることがあり、そしてある場合には、たとえば、インプラントに対して組織がほとんどまたは全く成長しない、感染、および/または骨粗鬆症または他の病気のために脆弱な骨が形成される場合、不安定なインプラントを外科的に除去する必要なことがある。
いくつかの方法が、ホスト組織の成長が不十分なことによる不安定性を克服するために前記文献で提案されている。インプラント表面の粗さ、形態および/または化学的組成を、組織の成長を促すために、修正することができる。最先端の外科インプラントの表面修正を概説するために、Brunette et al, Titanium in Medicine, Heidelberg (2001) および Ellingsen et al, Bio−Implant Interface: Improving Biomaterials and Tissue Reactions, CRC Press (2003)が参照される。インプラントの表面粗さは、表面の酸エッチングおよび/またはグリットブラストを通じて概ね制御される。米国特許No. 6,491,723 およびBrunette et alを参照のこと。1〜5マイクロメートルの粗さが骨の成長を促進することが証明されている。また、収束レーザーを用いた表面の加熱が、特定の場所で適当な表面粗さを創るために、提案されている。
改善された表面粗さ、形態、およびチタンインプラントの修正された組成物の組み合わせが、インプラントの陽極酸化を通じて得られている。WO 2005/055860 および 米国特許 No. 6,183,25を参照のこと。陽極酸化は、数マイクロメートル厚の多孔性酸化チタン表面層をもたらす。Lin et al, “Corrosion test, cell behaviour test, and in vivo study of gradient TiO layers produced by compound electrochemical oxidation,” Journal of Biomedical Materials Research, Part A, 78(3):515−22 (2006 Sep 1)を参照のこと。この酸化物は、骨形態形成タンパク質およびペプチドのキャリアーとして使用して、インプラント上での骨形成を促進することが提案されている。スウェーデン特許SE 523,012も参照のこと。TiO2−x膜(xは0〜0.35)が、場合によりインプラントH、TaまたはNbを含み、血液に適合すること、およびこの種の材料はプラズマ浸漬イオンインプランテーションプロセスによって製造できることも示されている。米国特許公開No. 2003/0175444 Alを参照すると、インプラント界面にあるTiNから、表面にあるルチル構造を有するTiO2−xへの構造の変化について記載されている。TiN層が加えられて、コーティングの機械的特性が増加する。コーティングへのH、TaまたはNbの添加も、スパッタリング法を用いて実施されることが提案されている。
インプラントの化学組成を仕立てることを通じて骨の形成を促進する方法は、本質的にヒドロキシルアパタイト(HA)またはリン酸カルシウムからなるセラミック層を伴う金属またはセラミック外科インプラントでできたコーティングを含むことがほとんどである。Yang et al, “A review on calcium phosphate coatings produced using a sputtering process − an alternative to plasma spraying,” Biomaterials, 26:327−337 (2005)を参照のこと。HAは一般的に使用される生物活性セラミック材料であり、それを使用することは骨への優れた親和性が前提となっている。この特性は、HAが生きている動物の骨や歯の主成分であるという事実による。本文脈において、生物活性とは、インプラント表面に生物学的に活性なヒドロキシルアパタイト層を形成することによって、組織にインプラントを界面結合することと定義される。Ducheyne et al, “Bioceramics: material characteristics versus in vivo behaviour,” Annals of the New York Academy of Science, 523 (June 10, 1988)。生物活性材料は、骨形成を促進し、および骨への安定な結合を形成することが証明されている。Hench, “Biomaterials: a forecast for the future,” Biomaterials, 19:1419−14239 (1998)。生物活性材料は、体液と接触すると、生体内の表面にHAの層を自発的に形成することができる。合成的に製造されたHAも生物活性特性を有し、そしてインプラントされると、その表面に炭素リッチのHAの新しい層が形成される。生体内および生体外の両方で、材料の生物活性が予測が可能である。Kokubo et al, “How useful is SBF in predicting in vivo bone bioactivity,” Biomaterials, 27:2907−2915 (2006)。
HAおよびリン酸カルシウムに加えて、多数の他の材料系が生物活性であることが示されている。例えば、ウォラストナイト(ケイ酸カルシウム)について、De Aza et al, “Bioactivity of pseudowollastonite in human saliva,” Journal of Dentistry, 27:107−113 (1999)を参照のこと; バイオガラスについて、 Hench et al; および ルチル (二酸化チタン)およびアナターゼ (二酸化チタン)について、 Kim, “Ceramic bioactivity and related biomimetic strategy,” Current Opinion in Solid State & Materials Science, 7:289−299 (2003)を参照のこと。チタンインプラントの生物活性を得るための他の方法は、Na−F(米国特許No. 5,571,188を参照のこと)およびNaOH(Ma et al, “Biomimetic processing of nanocrystallite bioactive apatite coating on titanium,” Nanotechnology, 14:619−623 (2003)を参照のこと。)での化学処理を通じてのものである。
要約すれば、骨の成長を促進する表面組成物を得るために提案されている技術は以下のものを含む:
1.HAまたはリン酸カルシウムまたは他の生物活性材料で表面をコーティングする。しかしながら、コーティングプロセスでの難点は、低いコーティング付着性またはコーティング安定性をもたらす。米国特許No. 5,480,438を参照のこと。たいていの場合、複合酸化物系の薄膜を付着させることが技術的に困難であることによる。
2.NaOHまたはNa−Fを伴ったTiの化学的処理。その後、これらの表面は直接的にまたは、模擬体液もしくはリン酸緩衝生理食塩水に浸した後にインプラントされて、表面にHA層を形成することができる;しかしながら、この化学的処理はTi金属に対してのみ好適である。
3.結晶質のアナターゼまたはルチルを形成するためのTiの熱処理。これは後でインプラントされてもよい。しかしながら、結晶質の酸化チタンを得るには、処理温度が400℃を超えることが必要であり、結果としてインプラントの化学的強度の低下をもたらす。また、この処理はTi金属に対してのみ好適である。
4.アナターゼまたはルチルまたはそれらの混合物を形成するためのTiの陽極酸化。
薬剤(ドラッグ)は再吸収性ポリマーにカプセル化することができ、それはその後金属製のインプラントにコートされて、インプラント表面からのドラッグデリバリーを可能にすることも提案されている。WO 2006/107336を参照のこと。この放出カイネティクスはポリマー組成物、厚みおよび薬剤負荷を通じて調整される。アミド架橋を介してインプラントに生体分子を固定する方法も記載されている。米国特許2006/0193968を参照のこと。
これらの種々の方法は、汎用性および/または耐久性の観点、および/または他の点で制限がある。したがって、基材のタイプまたは粗さに関係しない、インプラント用途を改善するためのインプラント表面修正がひきつづき求められている。
したがって、本発明は、複合材料、例えば外科インプラント複合材料、を対象とする。これらは、先行技術の種々の不利益を克服する。そして本発明は、そのような複合材料を含むキット、およびそのような複合材料を製造する方法を対象とする。
一実施態様において、本発明は、外科インプラント基材および該基材に付着した薄膜コーティングを含む外科インプラント複合材料であって、該薄膜コーティングがTiO2−xを含み、ここでMは該コーティングの該基材に対する付着性に不利な影響を与えない一又は複数の元素であり、yは全てのM元素のモル数の合計であり、0≦x≦2且つ0≦y≦1であり、ここで該薄膜コーティングの最外部は結晶質である、外科インプラント複合材料を対象とする。
本明細書を通じて、「結晶質」はX線回折測定において結晶質ピークを生じる全ての相または相の混合物を含むと捉えられるべきである。したがって、結晶質構造は、非晶質母材に組み込まれた粒結晶粒、例えば1nmよりも大きい粒、からなる構造だけでなく、単結晶、多結晶、微結晶、ナノ結晶およびそれらの組み合わせも含むが、これらに限定されることはない。薄膜コーティングにおいて、ここで結晶質構造は非晶質母材に組み込まれた結晶粒でできた形態であり、このコーティング中の非晶質母材の部分は必ずしも定義されたようなTiO2−xではなく、例えば、xは2未満の上の方の値に限定されることはないが、概して0より大きい、すなわちx≧0である。そのような一実施態様において、薄膜コーティングの非晶質部分はTiO2−xで、ここで0<x<3である。したがって、明らかなとおり、この薄膜コーティングの全体の組成が、全体組成TiO2−xであり、ここでxは2を超えることもある。
別の実施態様において、本発明は、本発明による外科インプラント複合材料と、活性薬剤成分、イオンもしくは生体分子、またはそれらの組み合わせを含む放出可能な薬剤の溶液の少なくとも一つとを含むキットであって、該溶液と該外科インプラント複合材料の接触の際に、該溶液が該外科インプラント複合材料の上に該放出可能な薬剤を積むことができる、キットも対象とする。
さらに別の実施態様では、本発明は、複合材料を形成する方法を対象とする。一実施態様では、外科インプラント複合材料を形成する方法は、薄膜コーティングを外科インプラント基材に付着させることを含み、該薄膜コーティングがTiO2−xを含み、ここでMは該コーティングの該基材に対する付着性に不利な影響を与えない一又は複数の元素であり、yは全てのM元素のモル数の合計であり、0≦x≦2且つ0≦y≦1であり、ここで該薄膜コーティングの最外部は結晶質である。
別の実施態様において、複合材料を形成する方法は、薄膜コーティングを基材に付着させることを含み、該薄膜コーティングがTiO2−xを含み、ここでMは該コーティングの該基材に対する付着性に不利な影響を与えない一又は複数の元素であり、yは全てのM元素のモル数の合計であり、0≦x≦2且つ0≦y≦1であり、ここで該薄膜コーティングは薄膜コーティング厚みの少なくとも一部を通じて組成に勾配があり、ここで該薄膜コーティングは該基材表面においては実質的に酸素を含まない。
さらに別の実施態様において、複合材料を形成する方法は、金属製基材の表面をクリーニングおよびスパッタエッチングしてもとから存在する酸化物を除去すること、および該基材表面に薄膜コーティングを付着させることを含み、該薄膜コーティングがTiO2−xを含み、ここでMは該コーティングの該基材に対する付着性に不利な影響を与えない一又は複数の元素であり、yは全てのM元素のモル数の合計であり、0≦x≦2且つ0≦y≦1であり、ここで該薄膜コーティングの最外部は結晶質である。
本発明の追加的な実施態様は、その利点とともに、以下の詳細な説明の見解において明らかになるだろう。
以下の詳細な説明はこれらの図面を考慮してより充分に理解されるだろう。
は、例5におけるサンプル1の勾配のあるコーティングのX線回折(XRD)パターンを示しており、その基材にルチルが存在することを示し、そのTiのピークはTi−ベースに起因するものである。
は、18秒/サイクルでの30スパッタリングサイクルからの、例5におけるサンプル1の勾配のあるコーティングについてのX線光電子分光(XPS)酸素含有スペクトルを示しており、水平軸上のNo.1は該表面に近接する酸素含有率に相当し、ここでその酸素勾配領域は50nmであり、一方この勾配の上部にあるTiO層は200nmである。
は、例6に記載された複合材料の走査型電子顕微鏡(SEM)画像を示しており、例5のサンプル1の段階的な結晶質の酸化チタンコーティング上の、例6で形成されたヒドロキシルアパタイト(HA)を示す。
これらの図面で示された実施態様は、事実上説明に役立つものであり、特許請求の範囲によって定義される発明を限定するものではない。さらに、これらの図面および発明の個々の特徴は、詳細な説明を考慮してより完全に明確となり且つ理解されるだろう。
本発明は、複合材料、外科インプラント、キット、および複合材料を製造する方法を対象とする。以下の詳細な説明は、本発明を実施するための現在意図される最良の形態を示す。この説明は、限定的な意味で捉えられるものではなく、本発明の一般的な原理および本発明を実施するための最良の形態を説明する目的のためになされる。
本発明による複合材料は、基材および該基材に付着した薄膜コーティングを含む。該薄膜コーティングがTiO2−xを含み、ここでMは該コーティングの該基材に対する付着性に不利な影響を与えない一又は複数の元素であり、yは全てのM元素のモル数の合計であり、0≦x≦2且つ0≦y≦1である。該薄膜コーティングは、該基材に対して高い付着性をを示し、それゆえに様々な用途での利用に有利である。
本発明の一実施態様において、該基材は外科インプラントを含む。外科インプラントは、例えば、耳科学、整形外科、骨または軟組織欠陥の歯科治療において、および心血管インプラント(cardio vascular implant)として、広く使用されており、そして本発明において用いられる外科インプラントは、当該技術分野で既知のあらゆるインプラントの形態をとることができる。基材、例えば外科インプラント基材は、あらゆる好適な材料から形成されてもよく、好適な材料とは、金属、例えば、チタン、チタン合金、ステンレス鋼、およびCo―Cr合金、セラミック、例えば、二酸化ジルコニウムおよび酸化アルミニウム、ならびに高分子、を含むが、これらに限定はされない。したがって、本発明による複合材料は、多目的に使用でき、そこに採用され得る基材組成の多様さのために、外科インプラントを含むがこれに限定されることない様々な用途で使用されることができる。以下の説明において、外科インプラント基材が参照される。しかしながら、この基材は、他の用途において使用するのに好適なこともあり、したがって本説明は外科員プラント基材に利用する複合材料に限定されないことを、理解されるべきである。
基材表面に薄膜コーティングを付着させることによって、この外科インプラント基材はコーティングされる。このコーティングは、チタンおよび酸素、および随意的にMを含み、ここでMは該コーティングの該基材に対する付着性に不利な影響を与えない一又は複数の元素であり、すなわち、(Mは)Tiとともに、インプラント表面に良好な付着性を有する材料を提供する。例えば、Mは、Ag、I、Si、Ca、Zr、Hf、P、C、Nまたは任意のそれらの組み合わせを含むが、これらに限定はされない。特定実施態様において、Mは窒素または炭素またはそれら二つの組み合わせである。TiとMの間の化学両論比は、TiO2−xの範囲の中で変化することができ、ここでyは全てのM元素のモル数の合計であり、0≦y≦1である。一実施態様において、Tiはそれらの組み合わせの支配的部分である。
この薄膜コーティングは、任意の望ましい厚みに形成されることができる。この薄膜コーティングの厚みは、意図する複合材料用途に基づいて選択可能である。一実施態様において、この薄膜コーティングは、約100μm未満、またはより具体的には、約50μm未満の厚みを有する。より特定の実施態様においては、この薄膜コーティングは、約30μm未満、またはより具体的には、約10μm未満の厚みを有する。別の実施態様においては、この薄膜コーティングは、約1μm未満、またはより具体的には、約500nm未満の厚みを有する。
一実施態様において、この薄膜コーティングは、該薄膜コーティング厚みの少なくとも一部を通じて組成に勾配を有する。特定の実施態様において、この薄膜コーティングは、該基材表面においては実質的に酸素を含まない。したがって、別の一実施態様において、該薄膜コーティングは、該基材表面においては実質的に純粋なTi金属である。さらに、特定の一実施態様において、この勾配のある組成は、該基材から該薄膜コーティング表面に伸びる方向に酸素含有率が増加する。この勾配のある組成は、任意のやり方で変化することができ、例えば単調にまたは段階的に変化する。さらに、この勾配がある組成は、線形、放物線、平行または指数関数的に単調変化してもよい。
さらなる一実施態様において、この薄膜コーティングは、そのコーティングの最外部としてTiOを含み、且つこの薄膜コーティングは、該薄膜コーティング厚みの少なくとも一部を通じて組成に勾配を有する。特定の実施態様において、この基材表面に隣接するコーティングは、実質的にTiであり、そしてこのコーティング組成は、コーティング表面に向かって酸素濃度が増加し、最終的に最外部として実質的にTiOからなる組成に達する。しかしながら、一以上のM元素の示唆される量は、それらがコーティングの基材接着性に干渉しない限り許容され、そして概してそれらは、改善された基材付着性および/またはコーティング機能性、例えば生物活性、機械的安定性、表面構造、すなわち、多孔性、表面電荷、またはそれに類するもの、を提供するために含まれる。
薄膜コーティングが勾配のある組成を含む場合、その勾配のある組成は、該薄膜コーティング厚みの99%から0.01%を含む。より特定の実施態様において、その勾配のある組成が、該薄膜コーティングの厚みの約90%未満を含んでもよい。さらなる一実施態様において、その勾配のある組成は、少なくとも該薄膜コーティングの厚みの約10%を含んでもよい。特定の実施態様において、その勾配のある組成は、約7nmより、より具体的には約15nmより、さらに具体的には約40nmより大きな厚みを有し、および/または約30μm未満、より具体的には1μm未満、さらに具体的には約200nm未満の厚みを有する。さらに特定の実施態様において、その勾配のある組成は、約40nmから200nmの厚みを有する。
一実施態様において、コーティングの最外部の相組成は、主に結晶質、例えばルチルまたはアナターゼまたはそれらの組み合わせである。この薄膜コーティングは、付着によって基材上に提供され、そしてその結晶性は付着方法を制御することによって、すなわち化学気相成長(CVD)、すなわちレーザー化学気相成長または低温化学気相成長、物理気相成長(PVD)、すなわちスパッタリング技術、原子層付着(ALD)、またはイオンビーム補助付着を用いることによって、提供されてもよい。これらのコーティング技術は、均質にコーティングされた約20マイクロメートル未満の表面粗さを有するコーティング表面の形成を可能にする。
一実施態様において、この薄膜コーティングは、基材を加熱しながら、アルゴンおよび酸素分圧中で、チタンの反応性マグネトロンスパッタリングを用いて基材に付着される。概してスパッタリング技術は、Safi, “Recent aspects concerning DC reactive magnetron sputtering of thin films: a review,” Surface and Coatings Technology, 127:203−219 (2000),により開示されており、引用により本明細書に組み込まれる。薄い酸化チタン膜を付着させる技術は、Guerin et al, “Reactive−sputtering of titanium oxide thin films,” Journal of Vacuum Science & Technology A, 15(3):712−715 (1997);Baroch et al, “Reactive magnetron sputtering of TiOx films,” Surface & Coatings Technology, 193:107−111 (2005); Barnes et al, “The mechanism of TiO deposition by direct current magnetron reactive sputtering,” Thin Solid Films, 446:29−36 (2004); および Barnes et al, “The mechanism of low temperature deposition of crystalline anatase by DC magnetron sputtering,” Surface & Coatings Technology, 190:321−330 (2005)により具体的に開示されており、引用により本明細書に組み込まれる。
特定の実施態様において、コーティング付着性を高めるために、薄膜コーティングを形成するための付着プロセスを実施する前に、従来型のクリーニングプロセスを用いて、基材が最初にクリーニングされる。さらに、この基材はまた、薄膜コーティングを付着する前に、例えば、金属製インプラントにもとからあった酸化物を除去するために、スパッタエッチングがされてもよい。概して、このようなスパッタエッチングは、セラミックおよび/または高分子インプラント基材を用いる複合材料の製造では利用されない。
必要に応じて、このコーティングは多孔性であってもよく、そして一実施態様において、0.1〜100nmの範囲のサイズの小孔を有する、ナノ多孔性であってもよい。コーティングの多孔性は、付着プロセス、例えば温度およびアルゴンと酸素の分圧、主にアルゴン圧力のそれを通じて制御され得る。
特定の実施態様において、薄膜コーティングを付着するための便利な方法は、スパッタリング技術によるものであり、ここで付着されるコーティングの二酸化チタン相は、基材の温度を介して、概して室温より高く400℃以下の温度範囲を用いて、コーティング室の酸素フラックスと組み合わせて、制御される。コーティング室の酸素分圧は、例えば、約0.01〜5Pa、好ましくは約0.1〜1Paの範囲である。アルゴンの圧力範囲は、0.1mTorrより大きく30mTorrまでもよい。低温および高アルゴン圧力の使用は、高温および低アルゴン圧力を使用する場合と比べて、より多孔性の膜をもたらす。したがって、多孔度は、温度と圧力パラメータを調整することによって制御可能である。また、小孔の深さは、プロセスの適当な時点での反応条件を変化させることによって制御可能である。当業者は、前述の記載が当該技術分野で既知の多くの付着技術の一つであり、それを本発明による薄膜コーティングの形成において使用することができることを理解する。
外科インプラント基材に薄膜コーティングを付着させる特定の方法において、コーティングの付着性は、Ti層、またはTiとNまたは任意の他の好適な元素M(これはTiと組み合わせて基材に良好な付着性を与える)を含む層を最初に付着させることによって、増加させることができる。より特定の実施態様において、純粋なTi金属が最初に外科インプラント基材に付着される。次に、酸素の分圧が徐々に増加されて、純粋なTi金属またはインプラント表面と膜コーティングの間の界面でのTiM(yは1以下)から、薄膜コーティングの表面での所望の結晶性酸化チタン相に至る、勾配のあるコーティングを得る。別の実施態様において、この方法は、Ti(O2−x,Cy1,Ny2)ここで0≦x<2、y1+y2=y、且つ0≦y≦1を形成するために、窒素および/または酸素圧力下での、元素M、例えばC、とTiとのコースパッタリングを含む。窒素および酸素の分圧、および炭素のスパッタ速度は、膜に任意の勾配構造を形成するために、制御可能である。さらに別の実施態様において、この薄膜コーティングは、Ti(O2−x,Cy1,Ny2)(ここでx、y1およびy2は上で定義されたものである)を形成するために、窒素および/または酸素圧力下でのTi蒸発およびCスパッタリングによって形成されてもよい。窒素および酸素の分圧および炭素のスパッタ速度は、その組成物の範囲内において膜中の任意の勾配構造を形成するために、制御可能である。
本発明の特定の実施態様において、薄膜酸化チタンコーティングは多孔性特性を伴って付着され、それゆえ所望の機能特性、例えば活性薬剤成分(ドラッグ)、生体分子、またはイオン、またはそれらに類するもの、またはそれらの組み合わせ、を有する放出可能な薬剤を積む(load)のに好適である。薄膜コーティングに積まれた放出可能な薬剤を含む外科インプラント複合材料は、目標とするおよび/または制御された生体内での薬剤の放出に有利である。外科インプラント基材上への多孔性酸化チタンコーティングは、当該技術分野で既知の任意の積載技術を介して、放出可能な薬剤、例えばドラッグ、イオンもしくは生体分子、またはそれらの組み合わせを積むことができる。そのような技術の例は、薄膜コーティングから生体内で後で配送するための放出可能な薬剤の希釈懸濁液に、このコーティングを浸す(soaking)または真空含浸(vacuum impregnate)することを含むが、これらに限定はされない。他の例は、吸収積載、溶液積載、蒸発積載(例えば、回転蒸発積載)、溶媒積載、空気懸濁コーティング技術、沈殿技術、スプレー凝固法、またはそれらの組み合わせを含む。この実施態様における使用に好適な放出可能な薬剤の特定の例は、抗生物質、例えばゲンタマイシン、例えば硫酸ゲンタマイシン、および他のアミノグリコシド、例えばアミカシン、カナミシン、ネオミシン、ネチルミシン、パロモミシン、ストレプトマイシン、トブラマイシン、およびアプラマイシン、骨形態形成タンパク質、ペプチド、ビスフォスフォネート、オピオイド、アヘン剤、ビタミン、制がん薬、ヨウ素、銀、それらの組み合わせ、およびこれに類するものを含むが、これらに限定はされない。当業者は、薄膜コーティングの多孔性は、そこからの放出可能な薬剤の所望の放出速度を提供するために、設定され得ることを理解する。
さらなる実施態様において、外科インプラント基材と薄膜コーティングとを含む複合材料は、薄膜コーティングの表面に提供された生体模倣コーティングをさらに含んでもよい。生体模倣コーティングは当該技術分野において既知であり、任意の好適な生体模倣コーティングがここで利用されてもよい。一実施態様において、生体模倣コーティングは、アパタイト、例えば、ヒドロキシルアパタイト(HA)、リン酸カルシウム、またはそれらに類するものを含む。生体模倣コーティングの厚みは、望まれる複合材料の用途に応じて選択されてもよい。一実施態様において、複合材料が外科インプラント基材を含み、生体模倣コーティングが約100μm未満の厚みを有し、そしてより具体的には約50μm未満の厚みを有する。さらなる実施態様において、生体模倣コーティングは約5μm未満の厚みを有する。複合材料は、当該技術分野で既知の好適なコーティング技術によって、生体模倣コーティングが備えられてもよい。
一実施態様において、外科インプラント基材と所望の薄膜コーティングとを含む複合材料は、HAまたはブルッシャイト(CaHPO・2HO)または類似の材料の生体模倣付着のために、リン酸カルシウム緩衝溶液に浸けられる。この付着速度と構造は、溶液温度、組成および溶液強度を介して制御される。ブルッシャイトは、4.2以下のpHを有する緩衝溶液から付着され、HAまたは不完全なHAが4.2以上のpHを有する緩衝溶液から付着される。特定の実施態様において、HAは、模擬体液またはリン酸緩衝衛生生理食塩水を介して付着される。好ましくは、その溶液温度は95℃以下であり、より具体的には、70℃以下であり、より具体的には37℃である。例えば、二酸化チタン薄膜でコートされたインプラント基材は、溶液中で数ヶ月までの期間、好ましくは7日まで、37℃で漬けられる。
随意的に、生体模倣コーティングは、上述された当該技術分野で既知の積載技術のいずれかを介して、上述された所望の機能的特性を有する放出可能な薬剤を積むことが可能である。このように生体模倣コーティングを積むことは、目標とするおよび/または制御された生体内での薬剤の放出に有利である。一実施態様において、放出可能な薬剤は、生体模倣コーティングの形成と平行して積むことが可能である。
随意的に、この積んだコーティング、薄膜コーティングまたは生体模倣コーティングのいずれかは、放出薬剤の放出を延長するために放出可能なポリマーで順にコーティングされてもよい。再吸収性ポリマーは、任意の好適な技術、例えば溶解、コーティングされた基材への溶融またはスプレー、および乾燥または固化を介して、適用することができる。このポリマー層の厚みは、200μm以下が好適であり、好ましくは50μm以下である。このようなポリマーの例は、ポリ乳酸、フマル酸プロピレンおよびキトサンを含むが、これらに限定はされない。随意的に、シクロデキストリンは、さらに放出可能な薬剤の低速放出を得るために使用することができる。
本発明の別の態様において、キットが提供され、それは外科インプラント複合材料を含み、外科インプラント基材とここで説明した酸化チタンの薄膜コーティングとを含み、随意的に生体模倣コーティングを含み、所望の機能的特性、例えば活性薬剤成分、イオンもしくは生体分子を有する放出可能な薬剤の溶液を一以上伴う。この溶液と該外科インプラント複合材料の接触の際に、該溶液が該外科インプラント複合材料の上に該放出可能な薬剤を積むことができる。したがって、インプランテーションの前に、特定の複合材料を、そのインプラントを予定した特定の患者の要求に応じて選択された放出可能な薬剤と組み合わせることができる。
本発明の複合材料および方法の種々の実施態様が以下の例で説明される。
例1
この例は、本発明による複合材料を実証する。セルフ−クリーニングガラス、例えば窓を提供するために、ガラスがまだ溶融状態の間に、非常に薄い層のTiOがガラス表面に組み込まれ、TiOが窓から損耗しないようにされる。本発明の一実施態様では、この窓ガラスは、Ti酸化物勾配構造を有する薄膜コーティングを付着することによって、コーティングされ、その構造においては、付着性および耐摩耗性を促進するために、コーティングの酸素含有率がガラス表面に近いところでは外側の薄膜コーティング表面より低くなっている。セルフ−クリーニングガラスおよび他のタイプの光触媒用途に関して、TiO含有表面の最外部が結晶質であることが好ましい。
例2
光電池用途、例えば湿式および固体Gra(aは原文ではアーウムラウト)tzel太陽電池の両方では、活性部品の一つは電荷収集電極基材に接続したTiO含有層からなる。通常、この層はゾルゲルプロセスで形成される。本願発明の一実施態様では、この電極基材が、Ti酸化物勾配構造を有する薄膜コーティングを付着することによって、コーティングされ、その構造においては、付着性および耐摩耗性および/または電気輸送を促進するために、コーティングの酸素含有率が電極表面に近いほど薄膜コーティング表面より低くなっている。光電気化学太陽エネルギー変換に関して、TiO薄膜は、ナノ結晶質または多結晶質であることが有利である。
例3
エレクトロクロミック素子において、TiOは、イオン(および付随電子)インターカレーションの際に色を変化させる活性エレクトロクロミック層として使用されてもよい。このような用途において、TiOは通常、透明な導電性基材に付着される。本発明の一実施態様では、エレクトロクロミック素子における導電材が、Ti酸化物勾配構造を有する薄膜コーティングを付着することによって、コーティングされ、その構造においては、付着性を促進するために、コーティングの酸素含有率が基材に近いほど、イオン伝達性電解質側の薄膜コーティング表面より低くなっている。このタイプの用途では、コーティングの低酸素含有率部を充分に低く保ち、光透過性の損失を防ぐことが重要である。エレクトロクロミック用途に関して、Ti酸化物薄膜コーティングは、非晶質またはアナターゼであることが有利である。
例4
一例において、スパッタで付着させたナノ結晶ルチルTiOの薄膜コーティングを有するが、勾配構造は有しない外科インプラント基材が、模擬体液に7日間60℃の温度で浸けられ、そこにヒドロキシルアパタイト(HA)の生体模倣コーティングを形成した。次に、活性物質、例えばゲンタマイシンがその表面に形成されたHA生体模倣層に浸けられる。別の例では、HAが、37℃の模擬体液中に基材を48時間だけ貯蔵する間に、TiO薄膜コーティング上に核を形成することが可能である。この後、活性物質、例えばゲンタマイシンが模擬体液と混合されて、HAと共沈および/または共晶(co−crystallize)することが可能である。さらに別の例では、HAの薄膜がTiO薄膜コーティング上に形成されることが可能であり、その後で複合材料が、望ましい厚みHA含有生体模倣層が形成されるまで、二つの別の溶液に交互に浸けられる。ここで、一つの溶液が活性物質を含み、そしてもう一方の溶液が模擬体液を含んでいる。
例5
基材に酸化チタンコーティングを付着させるために、一連の試験を行った。特に、段階的な二酸化チタン薄膜を、反応性DCマグネトロンスパッタリングユニット(Balze UTT400)で調製した。これらの試験におけるコーティングを、以下で説明するスパッタリング条件を用いてグレード2Tiインプラントに付着させた。作業チャンバーにターボ分子ポンプ(TMU521P)を搭載した。このチャンバーは、バッキング後で約10−7mbarのベース圧力であった。アルゴンと酸素を、マスフローコントローラー(Bronkhorst Hi−Tec)で制御される異なるノズルからチャンバーにスプレーした。チャンバー内の圧力は、チャンバーとポンプの間に搭載した手動バルブによって調整し、キャパシタンスダイアフラムゲージ(モデルCMH−01S07)によって測定した。サンプルホルダーを回転させた。高純度チタンターゲット(99.9%、2インチ直径×0.25インチ厚み、Plasmaterialより購入)を薄膜を付着させるために使用した。反応性スパッタリングのために、高純度アルゴン(99.997%)および酸素(99.997%)を使用した。スパッタリング条件は次のとおり:900mAの電流、330Wの効率、20mTorrの圧力、0〜4ml/分の酸素ガス流(勾配構造を形成するまで)、および100ml/分のアルゴンガス流。
第一の試験(試験1)を、10nm厚みの高純度チタンの層を最初に付着させることによって実施した。この高純度チタン層の表面に、酸素ガス流を徐々に0から定常値まで増加させながら、50nmの第二層を形成し、結果物のTi酸化物層に酸素含有率の勾配をもたらした。酸素流がTiOを生成するほど充分に高いときは、200nm厚みのTiO層を形成するまで、その流れに一定に保った。これらの工程の間の基材温度は350℃で一定に保った。結果として得た材料をサンプル1と称する。
第二の試験(試験2)では、上記と同様のコーティングを、基材を加熱せずに付着させて、サンプル2を形成した。
第三の試験(試験3)では、Ti層とその上のTiO層だけを形成し、その間に勾配構造をつくらないことも行った。これらの工程の間の基材温度は、サンプル3を形成するまで350℃で一定に保った。
層組成に関するX線回折(結晶相の検出)、膜厚みの断面調査のための走査型電子顕微鏡(LEO440)、および勾配構造検出のためのXPSを用いて、得られたコーティングの特性を明らかにした。コーティング付着性は、Rockwell C インデントを用いて測定した。
試験1および2からもたらされたサンプル1および2におけるコーティングは、約260nm厚みであり、一方試験3からもたらされたサンプル3は約210nm厚みであった。コーティングの最外部は350℃で付着させ、サンプル1および3はナノ結晶質であった。図1に示すとおり、サンプル1はルチル相TiOを含んでいた。サンプル3の勾配のないコーティングについてのスペクトルも同様であった。加熱しないで付着させた、サンプル2のコーティングは、非晶質であり、Ti基材からのピークだけが検出可能であった。
勾配のあるコーティングのXPS分析は、試験1および2のサンプル1および2で製造したコーティング中の勾配領域は、約50nmであり、これは図2に示されたサンプル1のXPSから明らかである。
Rockwell C インデントを用いた基材付着性試験は、サンプル1の基材を加熱して付着した勾配のあるコーティングが最も高い付着性を有することを示した。
これらの試験は、350℃で付着し、酸素含有率の勾配を有する酸化チタン含有コーティング(サンプル1)がナノ結晶質であり、勾配のない酸化チタン含有コーティング(サンプル3)や室温で付着し勾配を有する酸化チタン含有コーティング(サンプル2)と比べて、高い付着性を有することを示した。
例6
例5のサンプル1〜3を、Kokubo et al, “How useful is SBF in predicting in vivo bone bioactivity?,” Biomaterials, 27:2907−2915 (2006)の方法にしたがって、生体外でのそれらの生物活性について試験をした。
模擬体液(SBF)またはリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中に骨生物活性材料を浸すことは、表面に生体模倣HAコーティングの形成をもたらす。したがって、例5の酸化チタンをコーティングしたインプラントを、以下の手順で、20kHzの共鳴で、超音波洗浄した:アセトン、エタノールおよび最後に脱イオン水バスにそれぞれ5分間。続いて直ぐにコーティングしたTiインプラントを、ファルコンチューブ内の予熱した37℃の40mlのリン酸緩衝生理食塩水(PBS Dulbecco’s Phosphate Buffered Saline, Sigma−Aldrich Company Ltd)に浸けた。HAの存在を、薄膜X線回折および走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて検出した。
PBS溶液中での7日後に、均質な多孔性生体模倣ヒドロキシルアパタイト層が、図3に示されるように、サンプル1およびサンプル3のナノ結晶質二酸化チタン表面上に形成された。室温で付着したサンプル2のコーティングは、表面上に生体模倣ヒドロキシルアパタイト層を示さなかった。
したがって、この結晶質コーティングは生物活性であり、生体模倣HAコーティングが形成された。この非晶質コーティングは生物活性ではなかった。
例7
一連の薬剤積載試験を、例6のHAコーティングした結晶質酸化チタンコーティングで実施した。具体的には、積載する薬剤は、抗生物質薬剤の硫酸ゲンタマイシン(GS)を使用し、ヒドロキシルアパタイト層(HA)に組み込んだ。全ての試験を、37℃のファルコンチューブ中で行った。二つの浸漬手順を試験した:
例6のHAコーティングを水−GS溶液に3日間浸けた(試験4)。
例6のHAコーティングをPBS−GS溶液に7日間浸けた(試験5)。これは、GSおよびHAの両方を共沈および/または共晶を可能とした。
第二の一連の試験では、エタノールを該溶液(10wt%)を加えて、GSの溶解度を下げた。これらの試験を、試験6および7とする。
インプラントからのGSの放出を、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、および緑膿菌バクテリアを用いて調査した。全ての菌を、37℃のMuller−Hinton (Difco)寒天プレート上で一晩成長させた。例4〜7で得たサンプル4〜7をそれぞれ、その寒天プレートに置き、それらのサンプルの周りで死滅したバクテリアの半径を、時間の関数として測定した。
全てのサンプルが24時間以上の抗菌作用を示し、サンプル6および7はサンプル4および5よりも広い作用範囲を示した。またサンプル6および7はサンプル4および5よりも長い放出期間を示した。
これらの試験で、例4および5に記載したHA/結晶質コーティングからの薬剤放出が低速であることが示された。
例8
一つの例において、外科インプラント基材の表面に高純度Tiの薄い層(20nm)をスパッタコーティングした。この層の表面に、酸素含有率を0から2まで増やしながらTi酸化物層をスパッタ付着させた。結果として得られた勾配のある層の厚みは70nmであった。最外の生物活性コーティングとして、ナノ結晶質TiOの層をスパッタした(100nm)。このコーティングしたインプラント表面をPBSに浸け、生体模倣HA層を形成した。得られた材料を、パックし、シールしそしてガンマ放射を用いて殺菌した。殺菌したインプラントを、アモキシシリンを含有する液体溶液に15分間浸けた。この薬剤の効果を、バクテリアを伴う標準寒天プレートを用いて生体外で調査した。この(薬剤に)浸けたインプラントは、24時間以上の抗菌作用を示した。この結果は、このインプラントの延長された抗菌作用が、インプランテーションの直前に多孔性生体模倣HA層を含むインプラントを浸けることによって得られること、を示した。
ここで記載された特定の説明および実施態様は、実際は例示にすぎず、特許請求の範囲によって定義される本発明を限定することを意図するものではない。さらなる実施態様および例は、本明細書を参照した当業者には明らかであり、本願発明の範囲内である。

Claims (36)

  1. 外科インプラント基材および該基材に付着した薄膜コーティングを含む外科インプラント複合材料であって、該薄膜コーティングがTiO2−xを含み、ここでMは該コーティングの該基材に対する付着性に不利な影響を与えない一又は複数の元素であり、yは全てのM元素のモル数の合計であり、0≦x≦2且つ0≦y≦1であり、ここで該薄膜コーティングの最外部は結晶質である、外科インプラント複合材料。
  2. 該薄膜コーティングは薄膜コーティング厚みの少なくとも一部を通じて組成に勾配があり、ここで該薄膜コーティングは該基材表面においては実質的に酸素を含まない、請求項1に記載の外科インプラント複合材料。
  3. 該組成に勾配がある薄膜コーティングの一部の厚みが約7nmより大きい、請求項2に記載の外科インプラント複合材料。
  4. 該組成に勾配がある薄膜コーティングの一部の厚みが約15nmより大きい、請求項2に記載の外科インプラント複合材料。
  5. 該組成に勾配がある薄膜コーティングの一部の厚みが約40nmより大きい、請求項2に記載の外科インプラント複合材料。
  6. 該勾配がある組成が、単調にまたは段階的に変化し、該基材から該薄膜コーティング表面に伸びる方向に酸素含有率が増加する、請求項2に記載の外科インプラント複合材料。
  7. 該勾配がある組成が、単調に変化し、該基材から該薄膜コーティング表面に伸びる方向に酸素含有率が線形、放物線、べき法則または指数関数的に増加する、請求項6に記載の外科インプラント複合材料。
  8. 該組成に勾配がある薄膜コーティングの一部が、該薄膜コーティング厚みの99%から0.01%を含む、請求項2に記載の外科インプラント複合材料。
  9. 該薄膜コーティングが、約30μm未満の厚みを有する、請求項1に記載の外科インプラント複合材料。
  10. 該薄膜コーティングが、約1μm未満の厚みを有する、請求項1に記載の外科インプラント複合材料。
  11. 該薄膜コーティングが、約500nm未満の厚みを有する、請求項1に記載の外科インプラント複合材料。
  12. 該薄膜コーティングの表面が多孔性である、請求項1に記載の外科インプラント複合材料。
  13. MがC、N、Ag、I、Si、Ca、Zr、HfおよびPからなる群から選択される、請求項1に記載の外科インプラント複合材料。
  14. 該基材が金属製である、請求項1に記載の外科インプラント複合材料。
  15. 該薄膜コーティングが、活性薬剤成分、イオンもしくは生体分子、またはそれらの組み合わせを含む放出可能な薬剤を積んでいる、請求項1に記載の外科インプラント複合材料。
  16. 該放出可能な薬剤が、抗生物質、骨形態形成タンパク質、ペプチド、ビスフォスフォネート、オピオイド、アヘン剤、ビタミン、制がん薬、ヨウ素、もしくは銀、またはそれらの組み合わせを含む、請求項15に記載の外科インプラント複合材料。
  17. 該薄膜コーティングの上に生体模倣コーティングをさらに含む、請求項1に記載の外科インプラント複合材料。
  18. 該生体模倣コーティングの厚みが約100μm未満である、請求項17に記載の外科インプラント複合材料。
  19. 該生体模倣コーティングの厚みが約50μm未満である、請求項17に記載の外科インプラント複合材料。
  20. 該生体模倣コーティングがアパタイトまたはリン酸カルシウムを含む、請求項17に記載の外科インプラント複合材料。
  21. 該生体模倣コーティングがヒドロキシルアパタイトを含む、請求項17に記載の外科インプラント複合材料。
  22. 該生体模倣コーティングが、活性薬剤成分、イオンもしくは生体分子、またはそれらの組み合わせを含む放出可能な薬剤を積んでいる、請求項17に記載の外科インプラント複合材料。
  23. 該放出可能な薬剤が、抗生物質、骨形態形成タンパク質、ペプチド、ビスフォスフォネート、オピオイド、アヘン剤、ビタミン、制がん薬、ヨウ素、もしくは銀、またはそれらの組み合わせを含む、請求項22に記載の外科インプラント複合材料。
  24. 請求項1に記載の外科インプラント複合材料と、活性薬剤成分、イオンもしくは生体分子、またはそれらの組み合わせを含む放出可能な薬剤の溶液の少なくとも一つとを含むキットであって、該溶液と該外科インプラント複合材料の接触の際に、該溶液が該外科インプラント複合材料の上に該放出可能な薬剤を積むことができる、キット。
  25. 請求項17に記載の外科インプラント複合材料と、活性薬剤成分、イオンもしくは生体分子、またはそれらの組み合わせを含む放出可能な薬剤の溶液の少なくとも一つとを含むキットであって、該溶液と該外科インプラント複合材料の接触の際に、該溶液が該外科インプラント複合材料の上に該放出可能な薬剤を積むことができる、キット。
  26. 薄膜コーティングを外科インプラント基材に付着させることを含む、外科インプラント複合材料を形成する方法であって、該薄膜コーティングがTiO2−xを含み、ここでMは該コーティングの該基材に対する付着性に不利な影響を与えない一又は複数の元素であり、yは全てのM元素のモル数の合計であり、0≦x≦2且つ0≦y≦1であり、ここで該薄膜コーティングの最外部は結晶質である、方法。
  27. 該基材が金属製であり、該方法が該基材表面をクリーニングおよびスパッタエッチングして、該薄膜コーティングをそこに付着させる前にもとから存在する酸化物を除去することを含む、請求項26に記載の方法。
  28. 該薄膜コーティングが、物理気相成長技術または化学気相成長技術によって付着される、請求項26に記載の方法。
  29. 該薄膜コーティングが、スパッタリング技術によって付着される、請求項26に記載の方法。
  30. 該薄膜コーティングに、活性薬剤成分、イオンもしくは生体分子、またはそれらの組み合わせを含む放出可能な薬剤を積むこと、をさらに含む請求項26に記載の方法。
  31. 該薄膜コーティングの上に生体模倣コーティングを形成すること、をさらに含む請求項26に記載の方法。
  32. 該生体模倣コーティングに、活性薬剤成分、イオンもしくは生体分子、またはそれらの組み合わせを含む放出可能な薬剤を積むこと、をさらに含む請求項31に記載の方法。
  33. 薄膜コーティングを基材に付着させることを含む、複合材料を形成する方法であって、該薄膜コーティングがTiO2−xを含み、ここでMは該コーティングの該基材に対する付着性に不利な影響を与えない一又は複数の元素であり、yは全てのM元素のモル数の合計であり、0≦x≦2且つ0≦y≦1であり、ここで該薄膜コーティングは薄膜コーティング厚みの少なくとも一部を通じて組成に勾配があり、ここで該薄膜コーティングは該基材表面においては実質的に酸素を含まない、方法。
  34. 該薄膜コーティングの最外部は結晶質である、請求項33に記載の方法。
  35. 金属製基材の表面をクリーニングおよびスパッタエッチングしてもとから存在する酸化物を除去すること、および該基材表面に薄膜コーティングを付着させることを含む、複合材料を形成する方法であって、該薄膜コーティングがTiO2−xを含み、ここでMは該コーティングの該基材に対する付着性に不利な影響を与えない一又は複数の元素であり、yは全てのM元素のモル数の合計であり、0≦x≦2且つ0≦y≦1であり、ここで該薄膜コーティングの最外部は結晶質である、方法。
  36. 該薄膜コーティングの表面が多孔性である、請求項31に記載の方法。
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