JP2010508851A - マイクロキャリアを使用した、産褥由来の細胞の生体外での拡大 - Google Patents

マイクロキャリアを使用した、産褥由来の細胞の生体外での拡大 Download PDF

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Abstract

培養体で哺乳類細胞を増殖および拡大させるための組成物および方法を提供する。特に、マイクロキャリアビーズなどの表面を使用した、生体外における産褥細胞の増殖および拡大の方法を提供する。

Description

開示の内容
〔関連出願に対するクロスリファレンス〕
本出願は、2006年11月13日出願の米国出願第60/865,558号の35U.S.C.§119(e)による利益を享受するものである。この出願は、その全体が、参照によってここに取り入れられる。
〔分野〕
本発明は、一般的には、哺乳類の細胞の増殖と拡大(expansion)に関するものである。特に、本発明は、表面または粒子(例えばマイクロキャリア粒子、ペレットまたはビーズ)を使用して、生体外で、哺乳類の産褥由来の細胞(postpartum-derived cells)(PPDCs)の増殖および拡大を行うための方法に関するものである。
〔背景〕
市販の細胞療法製品は、好ましくは、閉じられた無菌システムで生産される。しかしながら、市販の細胞療法製品のために使用される多くの細胞型の増殖は、足場依存性(anchorage-dependent)である。
撹拌付きタンクリアクター、シェーカーフラスコ、スピナーフラスコ、アップリフトリアクター等は、すべて、懸濁体中で増殖する細胞(例えば、モノクローナル抗体の生産のためのハイブリドーマ、組み換えDNA技術に使用される多くの細胞および、大部分の昆虫細胞培養体)にとって有用であるが、足場依存性細胞の増殖と拡大のためのオプションはより限られている。
足場依存性細胞中には、多くの正常な二倍体細胞株および大部分の一次細胞型(primary cell types)が含まれる。それらの細胞の大規模生産のためのオプションには、ローラーボトル、ファイバーベッド、中空ファイバーシステム、マルチプレート培養システムまたは積み重ねプレート培養システム、細胞キューブおよびマイクロキャリアが含まれる。これらのそれぞれには、利点と欠点とがある。
マイクロキャリアベースの細胞培養法は、多くの用途における下流での処理の容易さ等の、多くの利点を提供する。マイクロキャリアは、典型的には、形状がほぼ球形で、マクロ多孔性もしくはミクロ多孔性または中実である場合がある。細胞付着のためのマイクロキャリアの使用により、足場依存性細胞の増殖のための撹拌タンクおよび関連するリアクターの使用が容易になる。細胞は、懸濁が容易な微粒子に付着する。懸濁性が必要であるため、マイクロキャリア自体の物理的パラメータが制限される。したがって、マイクロキャリアは、通常、50〜2000μmの範囲の平均直径を有する。用途によっては、中実タイプのマイクロキャリアは、約100〜約250μmの範囲であり、多孔性タイプのマイクロキャリアビーズは、約250〜約2500μmの範囲である。これらのサイズ範囲により、足場依存性細胞の多くを収容するのに十分大きく、撹拌リアクターにおける使用に適した特性を有する懸濁体を作るのに十分小さい、マイクロキャリアの選択が可能になる。
多孔性タイプおよび中実タイプの微粒子キャリアは、両方とも、供給元から市販されている。市販のマイクロキャリアの例には、Cytodex 1(登録商標)およびCytodex 3(登録商標)が含まれる。これらは、両方とも、GE Healthcare Life Sciences社のデキストランベースのマイクロキャリアである。市場販売されている多孔性マイクロキャリアには、Cytoline製品およびCytopore製品が含まれる。これらもGE Healthcare Life Sciences社から市販されている。Biosilon(NUNC社)およびCultispher(Percell Biolytica社)も市販されている。
ある種のタイプの細胞については、例えばマイクロキャリアで与えられるような、高度にカーブした表面で増殖した細胞の形態(morphology)が問題となり得るが、一般的に、マイクロキャリアは、細胞の収穫の容易さおよび、細胞自体から有用な細胞外製品を分離することの容易さ等の大規模増殖に関して多くの利点を提供する。本技術分野では、足場依存性細胞(例えば臍の緒または胎盤に由来する産褥細胞)を増殖し収穫するための、効率的で高収量の方法へのニーズが存在する。
〔概要〕
本発明は、哺乳類細胞の増殖と拡大のための組成物と方法とを提供する。表面(例えばマイクロキャリアビーズまたは多孔性マイクロキャリアビーズ)を利用した、生体外における、産褥由来の哺乳類細胞の増殖と拡大の方法が提供される。その哺乳類細胞は、足場依存性の産褥由来の哺乳類細胞(例えば臍帯由来の細胞または胎盤由来の細胞)である。
少なくとも一つの足場依存性産褥細胞を提供することと、産褥細胞を増殖させるための細胞増殖培地を提供することと、足場依存性産褥細胞の付着のための少なくとも一つのキャリア粒子を提供することと、産褥細胞の付着と増殖とを許容する条件下で増殖培地の存在下、足場依存性産褥細胞をキャリア粒子に接触させ、これによって、足場依存性産褥細胞を培養することと、を含む、足場依存性産褥細胞を培養する方法が提供される。
足場依存性産褥細胞を培養する本方法は、少なくとも一つのキャリア粒子(例えばマイクロキャリア)上で細胞を培養することを提供する。マイクロキャリアは、天然または合成由来の材料を含み得る。その例には、コラーゲンベースのマイクロキャリア、デキストランベースのマイクロキャリアまたはセルロースベースのマイクロキャリア、および、ガラス、セラミック、ポリマーまたは金属が含まれる。マイクロキャリアはタンパク質フリーのものであり得、あるいは、タンパク質(例えばコラーゲン)で被覆されたものであり得る。更なる態様では、マイクロキャリアが、マイクロキャリアへの細胞の結合を高め、また、マイクロキャリアからの細胞の放出を高める化合物(ポリ(モノステアロイルグリセリド・コ−コハク酸)(poly(monostearoylglyceride co-succinic acid))、ポリ−D,L−ラクチド−コ−グリコリド、ヒアルロン酸ナトリウム、コラーゲン、フィブロネクチン、ラミニン、エラスチン、リジン、n−イソプロピルアクリルアミド、ビトロネクチンを含むが、これらに限定されるわけではない)を含み得、またはその化合物でコーティングされ得る。更なる例としては、微少電流(microcurrent)を有するマイクロキャリア(例えば、生物学的に適切な低レベルの電気を生じる、亜鉛と銅との微粒子電池対物質(particulate galvanic couple)を備えるマイクロキャリア)、または、常磁性であるマイクロキャリア(例えば、常磁性のアルギン酸カルシウムマイクロキャリア)、が含まれる。更なる態様では、本方法は、足場依存性産褥細胞と共培養される第二の細胞型が提供される。
足場依存性産褥細胞を培養する本方法は、約20日で少なくとも約5回の集団倍加をもたらすよう細胞の培養を提供する。足場依存性産褥細胞を培養する本方法は、約20日で少なくとも約7回半の集団倍加数をもたらすよう細胞の培養を提供する。
キャリア粒子(例えばマイクロキャリア粒子または多孔性マイクロキャリア粒子)を細胞への付着のために利用する方法によって培養された、足場依存性産褥細胞を含む組成物が提供される。この足場依存性産褥細胞は、静置培養で増殖した細胞と、CD10、CD13、CD31、CD34、CD44、CD45、CD73、CD90、CD117、CD141、PDGFr−α、HLA−A、HLA−B、HLA−C、HLA−DR、HLA−DPおよびHLA−DQのうちの一つ以上のマーカーについて決められた表現型が同一である。更なる態様では、この足場依存性産褥細胞は、細胞の表現型が、CD10+、CD13+、CD31−、CD34−、CD44+,CD45−、CD73+、CD90+、CD117−、CD141−、PDGFr−α+、HLA−A+、HLA−B+、HLA−C+、HLA−DR−、HLA−DP−およびHLA−DQ−である。キャリア粒子上で培養された、足場依存性産褥細胞を含むバイオリアクターが提供される。キャリア粒子上で培養された、足場依存性産褥細胞を用いる細胞療法のための組成物が提供される。
〔詳細な説明〕
(総説)
本発明は、哺乳類細胞の増殖と拡大とのための組成物と方法とを提供する。提供される方法は、表面(例えばマイクロキャリアビーズまたは多孔性マイクロキャリアビーズ)を利用した、生体外での、産褥由来の哺乳類細胞の増殖と拡大とのための方法である。この哺乳類細胞は、足場依存性の産褥由来の哺乳類細胞(例えば臍帯由来の細胞または胎盤由来の細胞)である。
少なくとも一つの、足場依存性産褥細胞を提供することと、産褥細胞を増殖させるための細胞増殖培地を提供することと、足場依存性産褥細胞の付着のための少なくとも一つのキャリア粒子を提供することと、産褥細胞の付着と増殖とを許容する条件下で増殖培地の存在下、足場依存性細胞をキャリア粒子に接触させ、これによって、足場依存性産褥細胞を培養することと、を含む足場依存性産褥細胞を培養する方法が提供される。
足場依存性産褥細胞を培養する本方法は、少なくとも一つのキャリア粒子(例えばマイクロキャリア)上で細胞を培養することを提供する。マイクロキャリアには、天然または合成に由来する材料を含ませることが可能である。例としては、コラーゲンベースのマイクロキャリア、デキストランベースのマイクロキャリアまたはセルロースベースのマイクロキャリアおよび、ガラス、セラミック、ポリマー(例えばポリスチレン)または金属が含まれる。マイクロキャリアはタンパク質フリーのものであり得、または、タンパク質(例えばコラーゲン)で被覆されたものであり得る。更なる態様では、マイクロキャリアが、マイクロキャリアへの細胞の結合を高め、また、マイクロキャリアからの細胞の放出を高める化合物を含み得るか、またはそれらの化合物で被覆され得る。この化合物には、ポリ(モノステアロイルグリセリド・コ−コハク酸)、ポリ−D,L−ラクチド−コ−グリコリド、ヒアルロン酸ナトリウム、フィブロネクチン、ラミニン、エラスチン、リジン、n−イソプロピルアクリルアミド、ビトロネクチンおよびコラーゲンが含まれるが、これらに限定されるわけではない。例としては、微少電流を有するマイクロキャリア(例えば、生物学的に適切な低レベルの電気を生じる、亜鉛と銅との微粒子電池対物質を備えるマイクロキャリア)、または、常磁性であるマイクロキャリア(例えば、常磁性のアルギン酸カルシウムマイクロキャリア)、が更に含まれる。
キャリア粒子(例えばマイクロキャリア粒子、多孔性マイクロキャリア粒子、微少電流を有するマイクロキャリアまたは常磁性のマイクロキャリア)を細胞への付着のために利用する方法によって培養された、足場依存性産褥細胞を含む組成物が提供される。足場依存性産褥細胞は、静置T−フラスコで増殖した細胞と、CD10、CD13、CD31、CD34、CD44、CD45、CD73、CD90、CD117、CD141、PDGFr−α、HLA−A、HLA−B、HLA−C、HLA−DR、HLA−DPおよびHLA−DQのうちの一つ以上のマーカーについて決められた表現型が同一であり得る。更なる一態様では、足場依存性産褥細胞は、表現型が、CD10+、CD13+、CD31−、CD34−、CD44+,CD45−、CD73+、CD90+、CD117−、CD141−、PDGFr−α+、HLA−A+、HLA−B+、HLA−C+、HLA−DR−、HLA−DP−およびHLA−DQ−である。一実施形態では、足場依存性産褥細胞は、表現型が、CD13+、CD90+、CD34−およびCD117−である。更なる一実施形態では、足場依存性産褥細胞は、表現型が、CD10+、CD13+、CD44+、CD73+、CD90+、PDGFr−α+、PD−L2+、HLA−A+、HLA−B+、HLA−C+、および、CD31−、CD34−、CD45−、CD80−、CD86−、CD117−、CD141−、CD178−、B7−H2、HLA−G−、HLA−DR−、HLA−DP−およびHLA−DQ−である。
本発明は、特定の方法、試薬、化合物、組成物または生物学システムに限定されておらず、勿論、バリエーションがあり得ると理解されるべきである。ここで使用される用語は、特定の実施形態を記述する目的のためだけのものであり、制限的なことを意図するものではないとも理解されるべきである。本明細書および添付の請求項における使用では、単数形の"a"、"an"および"the"には、他様に明示しない限り、複数が含まれる。したがって、例えば、「細胞」("a cell")への参照には、二つ以上の細胞の組合せ等が含まれる。
ここで用いられる用語「約」は、量、時間の長さ等の測定し得る値を参照する場合、指定値の±20%または±10%のばらつき、より好ましくは±5%、更により好ましくは±1%、より更に好ましくは±0.1%のばらつきが含まれることを意味しており、このようなばらつきは、開示された方法を実行するのに適している。
他様に定義されていない限り、ここで使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者が通常理解すると同じ意味を有する。ここに記述されるものと類似または同等のいかなる方法および材料も、本発明のテストのための実行において使用され得るが、好ましい材料と方法とが、ここに記述されている。本発明を記述し、および本発明をクレームする場合、以下の用語が使用される。
ここに記述された方法で培養された細胞は「産褥由来の細胞(PPDCs)」または「産褥細胞」と称される。本発明の細胞のサブセットは、「胎盤由来の細胞(PDCs)」または「ヒトの臍帯組織由来の細胞(hUTCs)」と称される。更に、本細胞は、幹細胞または前駆細胞であるとして記述され得る。後者はより広い意味で使用される。用語「由来」は、細胞が、その生物学的源から得られ、増殖したことを示すのに用いられる。あるいは、生体外で操作(例えば、集団を拡大しおよび/またはある細胞系統を生産するための増殖培地で培養)されたことを示すのに用いられる。本発明の、産褥由来の細胞の生体外での操作と、産褥由来の細胞の独特の特徴とが、以下で詳細に記述される。
培養中の細胞を記述するのに種々の用語が使用される。「細胞培養体」は、一般に、生体から採取され、制御された条件下で(「培養中」)増殖する細胞を意味する。「一次細胞培養体」は、有機体から直接採取された、最初の継代培養前の細胞、組織または有機体の培養体である。細胞は、細胞の増殖および/または分裂を促進する条件下で増殖培地中に置かれると、培養中に「拡大」し、より大きな細胞の集団をもたらす。細胞が培養において拡大するとき、細胞繁殖率は、時に、細胞の数が二倍になるために必要とされる時間量で測定される。これは、「倍加時間」と称される。
「細胞系統」は、一次細胞培養体の一つ以上の継代培養によって形成される細胞の集団である。各回(round)の継代培養は、継代と称される。細胞が継代培養されるとき、「継代した」と称される。細胞の特定の集団すなわち細胞系統は、時に、継代した回数で言及されまたは特徴付けられる。例えば、10回継代した培養細胞集団は、「P10」培養と称され得る。一次培養体(すなわち組織からの細胞の単離後の第一の培養体)は、P0と称される。第一の継代培養後、細胞は、第二培養体(Plすなわち継代1)と称される。第二の継代培養後、細胞は第三培養体(P2または継代2)になる、等々。継代中に、多くの集団倍加があるであろうことは、当業者の理解するところであろう。それ故、培養体の集団倍加数は、継代数より大きい。継代間の細胞の拡大(すなわち集団倍加数)は、播種密度、基材、培地および継代間時間が含まれるがこれらに限定されるわけではない多くの要因に依存する。
「調整培地」は、特定の細胞または細胞集団が培養され、ついで除去された培地である。細胞がこの培地で培養される間に、細胞は、他の細胞に対する栄養サポートを与え得る細胞因子を分泌する。そのような栄養因子には、ホルモン、サイトカイン、細胞外マトリックス(ECM)、タンパク質、小嚢、抗体および顆粒が含まれるが、これらに限定されるわけではない。細胞因子を含む培地は、調整培地である。
一般に、「栄養因子」は、細胞の、生き残り、増殖、繁殖(proliferation)、成熟、分化および/または維持を促進する物質または、細胞の活性の増大を刺激する物質と定義される。ここでは、「栄養サポート」が、細胞の生き残り、増殖、繁殖、成熟、分化および/または維持を促進するかまたは、細胞の活性の増大を刺激する能力を意味するために使用される。
培養された脊椎動物の細胞に関し、用語老齢化(「反復可能な老齢化」または「細胞老齢化」とも言う)は、細胞培養体の有限性に帰因し得る特性、すなわち、有限の集団倍加数を越えて増殖することができないこと(時に、「ヘイフリックの限界(Hayflick's limit)」と称される)を意味する。細胞老齢化は、最初は線維芽ライクの細胞を使用して説明されていたが、培養中にうまく増殖し得る大部分の正常なヒトの細胞型は、細胞老齢化を経験する。種々異なる細胞型の生体外での寿命は種々異なるが、最大寿命は、典型的には、100回未満の集団倍加(これは、培養体中の全ての細胞が老齢になり、従って培養体が分裂できなくなる倍加数である)である。老齢化は、経過時間に依存せず、培養体が経験する細胞分裂数または集団倍加数で測定される。それ故、本質的な増殖因子を除去することにより、静止状態にされた細胞は、成長因子が再導入されると増殖と分裂とを再開し、その後、連続的に増殖した同等の細胞と同一の倍加数を実行することがなお可能である。同様に、細胞が、種々の回数の集団倍加の後で液体窒素で凍結され、ついで、解凍され、培養されると、これらの細胞は、凍結されずに培養体中に維持された細胞と実質的に同一の倍加数を経験する。老齢化した細胞は、死んだ細胞でも死につつある細胞でもない。それらの細胞は、実際上、細胞分裂およびプログラムされた細胞死(アポトーシス)の両方に対し抵抗性を有し、その分裂しない状態で無期限に維持され得る。これらの細胞は、充分生きており、代謝的に活発であるが分裂しない。老齢化した細胞の分裂しない状態を、生物学的剤、化学剤またはウィルス剤によって可逆化することは、これまで見出されていない。
「増殖培地」は、産褥由来の細胞の拡大に十分な培養培地を意味する。増殖培地は、DulbeccoのModified Essential Media (DMEM)を含むことが好ましい。増殖培地がブドウ糖を含むことがより好ましい。増殖培地は、DMEM−低ブドウ糖(DMEM−LG)(Invitrogen社、Carlsbad、カリフォルニア州)を含むことが好ましい。増殖培地は、好ましくは、約15%(v/v)の血清(例えばウシの胎児の血清、合成(defined)ウシ血清)を含む。増殖培地は、少なくとも一つの抗生物質製剤および/または抗真菌剤(例えば、ペニシリン、ストレプトマイシン、アンホテリシンB、ゲンタマイシン、ナイスタチン;好ましくは、50単位/mLペニシリンGナトリウムおよび50μg/mLのストレプトマイシン硫酸塩)を含むことが好ましい。増殖培地は、好ましくは、2−メルカプトエタノール(Sigma社、St. Louis,ミズーリ州)を含む。もっとも好ましくは、増殖培地が、DMEM−低ブドウ糖、血清、2−メルカプトエタノールおよび抗生物質製剤を含む。
「標準的な増殖条件」は、約5%のCO、約35〜39℃の温度、より好ましくは37℃および約100%の相対湿度を含む標準的な雰囲気条件を意味する。
「単離した」は、生まれつきの環境から取り出された、細胞、細胞成分または分子を意味する。
「足場依存性細胞」は、組織培養で複製するために、表面(例えば、組織培養フラスコ表面またはマイクロキャリア粒子表面)に付着する必要のある、哺乳類細胞を含めた細胞である。
「マイクロキャリア」は、培養における足場依存性細胞の付着と増殖に有用な、粒子、ビーズまたはペレットを意味する。マイクロキャリアには、以下の特性がある:(a)マイクロキャリアは、(マイクロキャリアまたは細胞に剪断による有意の損害を引き起こさない撹拌速度で)懸濁培養体中で使用され得るように十分小さい;(b)マイクロキャリアは、中実であるか、または表面に多孔性コーティングを持つ中実コアを有する;また、(c)マイクロキャリアの表面(多孔性キャリアの場合には外表面および内表面)は、正または負に帯電し得る。一態様においては、マイクロキャリアは、約150〜350μmの間の全体的粒子直径を有し、約0.8〜2.0meq/gの間の正電荷密度を有する。有用なマイクロキャリアには、Cytodex 1(登録商標)、Cytodex 2(登録商標)またはCytodex 3(登録商標)(GE Healthcare Life Sciences社)が含まれるが、これらに限定されるものではない。
他の一態様では、マイクロキャリアは、中実キャリアである。中実キャリアは、特に付着細胞(例えば足場依存性細胞)に適している。キャリア粒子は、多孔性マイクロキャリアでもあり得る。例には、微少電流を有するマイクロキャリア(例えば、生物学的に適切な低レベルの電気を生じる、亜鉛と銅との微粒子電池対物質を備えるマイクロキャリア)、または、常磁性であるマイクロキャリア(例えば、常磁性のアルギン酸カルシウムマイクロキャリア)が更に含まれる。
「多孔性マイクロキャリア」は、培養中の足場依存性細胞の付着と増殖とに有用な粒子を意味する。多孔性マイクロキャリアには、以下の特性がある:(a)多孔性マイクロキャリアは、(マイクロキャリアまたは細胞に剪断による有意の損害を引き起こさない撹拌速度で)懸濁培養体中で使用され得るように十分小さい;(b)多孔性マイクロキャリアは、細胞が粒子の内部スペースに移動できるのに十分なサイズの孔と内部スペースとを持っている;また、(c)多孔性マイクロキャリアの表面(外表面および内表面)は正または負に帯電し得る。一連の実施形態では、キャリアは、(a)約150〜350μmの間の全体的粒子直径を有し;(b)約15〜約40μmの間の平均開孔直径の開孔を有し;(c)約0.8〜2.0meq/gの間の正の電荷密度を有する。実施形態によっては、正電荷は、DEAE(N、N、−ジエチルアミノエチル)基によって与えられる。有用な多孔性マイクロキャリアには、Cytopore 1(登録商標)とCytopore 2(登録商標)(GE Healthcare Life Sciences社、Piscataway、ニュージャージー州)とが含まれるが、これらに限られるわけではない。
本発明は、マイクロキャリア粒子または多孔性マイクロキャリア粒子上、生体外で、大幅に拡大し得る、臍帯および胎盤を含む産褥組織からの細胞の単離法と培養法とを、初めて証明するものである。足場依存性産褥細胞は、中胚葉系統または外胚葉系統または内胚葉系統に分化し得る。
本発明の足場依存性産褥細胞は、中胚葉性組織、例えば成熟した脂肪組織、骨、軟骨、心臓の種々の組織(例えば、心膜、心外膜、心筋外膜、心筋、心膜、弁組織)、真皮結合組織、血管組織(hemangial tissues)(例えば血球、心内膜、脈管上皮)、造血組織(hematopeotic tissue)、筋組織(骨格の筋肉、心筋、平滑筋等)、尿生殖器組織(例えば、腎臓、前腎、後腎管と中腎管、後腎憩室、尿管、腎盂、集合管)、雌の生殖構造体の上皮(特に輸卵管、子宮および膣)、中胚葉性腺組織(例えば副腎皮質組織)および間質組織(例えば骨髄)等を含むが、これらに限られるわけではない、一以上の任意の組織タイプに分化する能力を有する。勿論、産褥細胞は、成熟細胞に発展する潜在能力を維持し得る限りにおいて、適切な前駆細胞(例えば、プレアディポサイト(preadipocyte)、プレマイオサイト(premyocyte)、プレオステオサイト(preosteocyte))に分化することにより、その発展中の表現型の潜在能力を実現することもできる。
これらに由来する産褥細胞は、身体の任意の組織の、組織修理、再生または増強に使用され得る。更に、本発明の細胞は、栄養サポートのために使用され得る。
〔産褥組織からの細胞の単離〕
PPDCsを単離、収集する方法は、同時係属中の米国特許出願第10/877,012号および第10/877,446号に記述されている。これらの文献は、参照によりその全体がここに取り入れられる。単離とキャリア粒子上での細胞の培養とのための産褥臍帯と胎盤とを収集するために、出産直後の胎盤と臍帯とを得る。例えば、羊膜の除去の後、(血を抜き取った)胎盤または臍の緒またはそれらの帯域を、出生サイトから、食塩水または培地(例えばDulbeccoのModified Eagle's Medium (DMEM))を含む、フラスコ、ビーカーまたは培養皿等の無菌の容器中、研究所まで輸送し得るが、本方法に限定されるわけではない。臍の緒は、組織の収集前および組織の収集中は、無菌状態に維持され取り扱われるのが好ましく、さらに、例えば70容量%エタノール水溶液で臍の緒の短時間の表面処理によって、表面殺菌し、続いて、無菌の蒸留水または等張性食塩水でリンスし得る。臍の緒は、約1〜24時間の短時間、約3〜約50℃で保存し得る。組織は、細胞の抽出前は、凍らせずに、4〜10℃に保つことが好ましい。微生物学的な汚染を減らすために、培地中に抗生物質または抗真菌剤を加え得る。細胞は、当業者に公知の任意の適切な方法により、無菌条件下、臍の緒と胎盤とから収集される。これらの例には、ディパーゼ、コラゲナーゼ、トリプシン、ヒアルロニダーゼ等の酵素による消化、または解体することもしくは細かく切り刻むことが含まれる。単離された細胞または組織片(そこから細胞が増殖する)は、細胞培養を開始するのに用いられ得る。
産褥組織は、ヘパリン等の抗凝固性溶液でリンスし得る。組織は、移植のために使用される器官の輸送に使用される溶液(例えば、ウィスコンシン大学溶液(University of Wisconsin solution)またはパーフルオロケミカル溶液(Perfluorochemical solution))中で輸送し得る。
〔産褥細胞の培養〕
単離された細胞は、被覆なしか、ラミニン、コラーゲン、ゼラチン等の細胞外マトリックスまたはリガンドで被覆された状態で、無菌の組織培養容器へ移される。細胞を増殖するため、例えば、DMEM(高または低ブドウ糖)、McCoys 5A培地、Eagle's basal 培地、CMRL培地、Glasgow minimum essential培地、Ham's F-12培地(F12)、Iscoveのmodified Dulbecco培地、LiebovitzのL−15培地、MCDBおよびRPMI 1640等の培養培地を加える。培養培地には、例えば、ウシの胎児の血清(FBS)、馬の血清(ES)、ヒト血清(HS)、増殖因子(例えばPDGF、FGF)、エリトロポイエチンおよび、微生物汚染を制御するための一以上の抗生物質および/または抗真菌剤(例えば、ペニシリンG、ストレプトマイシン硫酸塩、アンホテリシンB、ゲンタマイシンおよびナイスタチン)等の一以上の成分が、単独で、または、とりわけ組み合わせて、補充され得る。
細胞増殖を許容する密度の培養容器中の細胞は、0〜5体積%のCOを含む空気中および2〜25%のOを含む空気中で、25〜40℃下、インキュベーター中に置かれる。培養容器中の培地は、静置されるものでも、例えばバイオリアクターを使用して撹拌されるものでもよい。細胞は、低酸化ストレス(例えばグルタチオン、ビタミンC、カタラーゼ、ビタミンE、N−アセチルアシステインを添加)下、増殖し得る。ここで用いられる「低酸化ストレス」は、培養細胞へのフリーラジカルによる損害がないか最小である条件を意味する。細胞は、例えば、通常酸素(normoxia)の期間とその後の低酸素(hypoxia)の期間との、交互条件下でも増殖し得る。
最も適切な培養培地の選択、培地の準備および細胞培養技術のための方法は、当業者に周知であり、Dolye ら, (編集), 1995, Cell & Tissue Culture: Laboratory Procedures, John Wiley & Sons, Chichester;およびHo and Wang (編集), 1991, Animal Cell Bioreactors, Butterworth-Heinemann, Boston等の種々の出典に記載されている。これらの文献は、参照により、その全体がここに取り入れられる。
単離された細胞または組織片を充分な期間(例えば約10〜約12日間)培養した後、外植された組織中の産褥細胞は、組織からの移動または細胞分裂またはその両方のいずれかの結果、組織外へ向けて増殖する傾向を示すであろう。次いで、産褥細胞は、最初に使用されたものと同一タイプのまたはそれとは異なるタイプの新鮮な培地を入れた別個の培養容器へ取り出すことができよう。この別個の培養容器で、細胞の集団は有糸分裂的に拡大し得る。
あるいは、産褥組織に存在する相異なる細胞型をサブ集団に分別し、そこから産褥細胞を単離することができる。これは、産褥細胞をその構成要素細胞に分離する酵素処理と、それに続く、形態的マーカーまたは生化学マーカーのいずれかを使用するクローニングと特定の細胞型の選択、不要な細胞の選択的な破壊(負の選択)、例えばダイズアグルチニンを用いる場合のように混合集団中の細胞の凝集性(agglutinability)の相違に基づく分離、凍結−解凍手順、混合集団中の細胞の吸着特性の差別、ろ過、従来のゾーナル遠心分離、遠心洗浄(centrifugal elutriation)(向流遠心分離)、単位重力分離(unit gravity separation)、向流分配、電気泳動および蛍光活性化細胞ソーティング(FACS)等の標準の細胞分離技術を用いて実現し得るが、これに限られるわけではない。クローン選択と細胞分離技術の総説については、Freshney, R. I., Culture of Animal Cells; A Manual of Basic Techniques、第4版、Wiley-Liss Inc.、ニューヨーク、2000年を参照されたい。本文献は、参照により、その全体がここに取り入れられる。
培地は、必要に応じて、例えば、ピペットで、注意深く、皿から培地を吸い取り、新鮮な培地を補充することによって、変えられる。インキュベーションは、十分な数または密度の細胞が皿に貯まるまで(例えば約70%の密集度まで)上述のごとく続行される。当初の外植された組織部分は除去され得、残余の細胞は、標準的な技術を使用し、または細胞スクレーパーを使用して、トリプシン処理(trypsinize)される。トリプシン処理後、細胞が収集され、新しい培地に取り出され、上記のようにインキュベートされる。培地は、浮遊細胞を除去するために、24時間のポストトリプシン(post-trypsin)で少なくとも一回変えられ得る。培養体中に残った細胞は産褥細胞である。
産褥細胞は、フローサイトメトリ−、免疫組織化学、遺伝子配列、PCR、タンパク質配列等の本技術分野で公知の方法を使用して特徴づけることができる。
産褥細胞は、少なくとも10回の集団倍加を経ることができる。当業者ならば、細胞がいつ集団倍加を経るかを決定することができよう(Freshney, R. I., Culture of Animal Cells; A Manual of Basic Techniques、第4版、Wiley-Liss Inc.、ニューヨーク、2000年。)
産褥細胞は単離することができるが、単離は、一集団の細胞の範囲内であることが好ましい。本発明は、産褥細胞の明確な集団を提供する。一実施形態では、集団は不均質である。他の一実施形態では、集団は均質である。
さらに他の一実施形態では、産褥細胞の集団が、他の細胞を培養するための細胞をサポートし得る。例えば、PPDC集団でサポートされ得る細胞には、他のタイプの幹細胞(例えば、神経幹細胞(NSC)、造血性幹細胞(HPC、特にCD34幹細胞))、胚幹細胞(ESC)およびそれらの混合物が含まれ得る。他の実施形態では、集団はかなり均質であり、本質的にPPDCsからなっている。
マイクロキャリア粒子または多孔性微粒子上で培養された、足場依存性産褥細胞は、CD10、CD13、CD31、CD34、CD44、CD45、CD73、CD90、CD117、CD141、PDGFr−α、HLA−A、HLA−B、HLA−C、HLA−DR、HLA−DPおよびHLA−DQのうちの一つ以上のマーカーについての静置培養で増殖した細胞と表現型が同一であるとして特徴付けられた。更なる態様では、足場依存性産褥細胞は、CD10+、CD13+、CD31−、CD34−、CD44+,CD45−、CD73+、CD90+、CD117−、CD141−、PDGFr−α+、HLA−A+、HLA−B+、HLA−C+、HLA−DR−、HLA−DP−およびHLA−DQ−を含む表現型を持つものとして特徴付けられた。一実施形態では、足場依存性産褥細胞は、表現型的に、CD13+、CD90+、CD34−およびCD117−である。更なる一実施形態では、足場依存性産褥細胞は、表現型的に、CD10+、CD13+、CD44+、CD73+、CD90+、PDGFr−α+、PD−L2+、HLA−A+、HLA−B+、HLA−C+およびCD31−、CD34−、CD45−、CD80−、CD86−、CD117−、CD141−、CD178−、B7−H2、HLA−G−、HLA−DR−、HLA−DP−およびHLA−DQ−である。
産褥細胞は、キナーゼ(例えば、Jak、MAP、Jun、p38 Akt、PKC、カルモジュリン、チロシンキナーゼ、SMAD、ERK、JNK、MEK、ErbB、FAKおよびPI3)を含む分化経路またはシグナル経路を達成するための分子のための、天然の、化合物もしくはペプチドのライブラリ、または、合成の、化合物もしくはペプチドのライブラリのスクリーニングのために使用することができる。
産褥細胞は、遺伝子チップ分析または抗体配列を用いてさらに特徴づけることができる。
〔細胞培養のためのマイクロキャリア〕
マイクロキャリア培養は、足場依存性細胞(例えば足場依存性産褥細胞)の実用的な高い収量の培養を可能にする技術である。マイクロキャリアは、数mL〜1000Lを超える範囲の培養体量での細胞(例えば哺乳類の産褥細胞)の培養のために特に開発されたものである。マイクロキャリアは生物学的に不活性で、撹拌マイクロキャリア培養にとって、丈夫だが、剛体ではない基材を提供する。マイクロキャリアは、付着した細胞の顕微鏡検査を許容できるように、透明であり得る。Cytodex 3(登録商標)(GE Healthcare Life Sciences社、Piscataway、ニュージャージー州)は、架橋デキストランのマトリックスに化学的に結合した変性コラーゲンの薄層からなる。Cytodex 3(登録商標)上の変性コラーゲン層は、トリプシンおよびコラゲナーゼ等の種々のプロテアーゼによって消化され易くなっており、最大の細胞生存能力、機能および完全性を維持しつつ、マイクロキャリアから細胞を取り出す能力を与える。
タンパク質フリーのマイクロキャリアを、産褥細胞を培養するのに用いることができる。例えば、商品名HILLEX(登録商標)(SoloHill Engineering, Inc., Ann Arbor、マイアミ州)で販売されている、製造および研究所または研究用途での使用のためのマイクロキャリアビーズは、マイクロキャリアの表面を正に荷電するため表面にトリメチルアンモニウムカチオンを付着させた変性ポリスチレンビーズである。ビーズ直径は、約90〜約200μmの範囲である。
マイクロキャリアをベースとする細胞培養の方法は、多くの用途において、下流の処理の容易さを含む多くの利点を提供した。マイクロキャリアは、典型的には、形状がほぼ球形で、多孔性または中実であり得る。細胞付着のためのマイクロキャリアの使用により、足場依存性細胞の増殖のための撹拌タンクおよび関連するリアクターの使用が容易になる。細胞は、容易に懸濁する微粒子に付着する。懸濁性の要件が、マイクロキャリアの物理的パラメータの制限となる。それ故、マイクロキャリアは、普通、50〜2000μmの範囲の平均直径(mean diameter)を有する。用途によっては、中実タイプのマイクロキャリアが、約100〜約250μmの範囲にあるが、多孔性タイプのマイクロキャリアビーズでは、約250〜約2500μmの範囲にある。これらのサイズ範囲により、多くの足場依存性細胞を収容するのに十分大きく、撹拌リアクターにおける使用に適した特性を有する懸濁体を作るのに十分小さいマイクロキャリアの選択が可能になる。
マイクロキャリアビーズ等を使用する場合に考慮される因子の中には、付着効率、免疫原性、生体適合性、生物分解能力、密集(confluence)に到達する時間、単位表面積当たりの最大達成可能密度等を含む付着細胞の増殖パラメータ、必要な場合には脱着技術および脱着効率、培養条件のスケーラビリティ、および、スケールアップ条件下における培養の均質性、脱着手順のスケールアップに成功する能力、および、ビーズが移植に使用されるかどうかがある。これらの考慮は、マイクロキャリアビーズの表面特性ならびに、マイクロキャリアの、多孔性、直径、密度および取扱特性、によって影響され得る。
例えば、マイクロキャリア粒子またはビーズの密度が考慮点である。過剰密度では、マイクロキャリア粒子またはビーズが懸濁体から沈殿し得る、すなわち、培養容器の底の方へ完全に残る傾向を示すようになる。従って、リアクター中の、細胞、培養培地およびガス相のバルク混合が不十分になり得る。他方、密度があまりに低い場合には、マイクロキャリアが過度に浮遊することになり得る。多くのマイクロキャリアビーズにとって典型的なのは、1.02〜1.15g/cmの密度である。
マイクロキャリア粒子の直径の小ささとリアクターに加えられ得る粒子の量とにより、マイクロキャリアは、ローラーボトルや、足場依存性細胞を増殖させる他の方法(例えばプレート上)に見出されるよりずっと大きい実質的表面積に寄与することができる。多孔性マイクロキャリアは、単位体積また単位重量あたり更に大きな表面積を与える。これらの多孔性マイクロキャリアは、足場依存性細胞の増殖に利用できる大きな空洞を有する。これらの空洞は、表面積を大きく増大させ、例えば、混合またはガスの吹き込みからの剪断応力等の有害な機械的影響から細胞を保護し得る。ローラーボトル中の産褥細胞の増殖を最大にするための方法は、2005年12月19日出願の米国出願シリアル番号第60/751,550号に記述されている。本文献は、参照により、その全体がここに取り入れられる。
マイクロキャリア表面は、細胞の付着と増殖とを高めるために肌理を付け得る。マイクロキャリア表面の肌理は、成型、注型、リーチング(leeching)およびエッチングを含むが、これらに限られるわけではない技術によって達成される。肌理のある表面の輪郭の解像度は、ナノスケールであり得る。肌理のある表面は、マイクロキャリア表面における特定の細胞配列を誘導するために使用し得る。多孔性マイクロキャリア内の孔の表面も、細胞の付着と増殖とを高めるために肌理を付け得る。孔の表面の肌理は、成型、注型、リーチング(leeching)およびエッチング等の技術によって達成されるが、これらに限られるわけではない。
マイクロキャリア表面は、マイクロキャリア表面に特定の電荷を与えるためにプラズマ被覆し得る。これらの電荷は、細胞の付着と繁殖とを高め得る。
他の実施形態では、マイクロキャリアが、ポリN−イソプロピルアクリルアミド等の熱応答性ポリマーから構成されもしくはこれらのポリマーで被覆され、または電気機械的特性を有する。
マイクロキャリアは、例えば、生物学上適切な低レベル電気を生じる、亜鉛と銅との微粒子電池対物質を有するマイクロキャリアのように、微少電流を有し得る。マイクロキャリアは、常磁性のアルギン酸カルシウムマイクロキャリアのように常磁性であり得る。
多孔性タイプと中実タイプとの両方のタイプの微粒子状キャリアは、供給元から市販されている。市販の中実マイクロキャリアの例には、Cytodex 1(登録商標)とCytodex 3(登録商標)とが含まれる。これらは、両方とも、GE Healthcare Life Sciences社からのデキストランベースのマイクロキャリアである。市場販売されている多孔性マイクロキャリアには、これもGE Healthcare Life Sciences社からのCytoline製品およびCytopore製品が含まれる。Biosilon(NUNC社)およびCultispher(Percell Biolytica社)も市販されている。
キャリア粒子は、生物活性剤も含み得る。キャリア粒子は、細胞の増殖もしくは機能または組織環境を調整し得る生物活性剤も含み得る。これらの因子には、線維芽細胞増殖因子、エリトロポイエチン、脈管内皮細胞増殖因子、血小板由来増殖因子、骨形態発生タンパク質、形質転換増殖因子、腫瘍壊死因子、上皮細胞増殖因子、インシュリンライクの増殖因子が含まれ得るが、これらに限られるわけではない。完全な因子、それらの擬態(mimetics)または活性片が使用され得る。
マイクロキャリアは、第二の細胞型を接種し、かつ、足場依存性産褥細胞と共培養し得る。一実施形態では、これら二つの(またはそれ以上の)細胞型を、等しい割合または等しくない割合で、個々のマイクロキャリアに付着させ得る。これら二つ以上の細胞型は、同時にマイクロキャリア上に接種し得、あるいは、異なる時間に接種し得る。マイクロキャリアは、マイクロキャリアの特定の領域上の特定の細胞型に優先して付着するやり方で処理し得る。更なる実施形態では、単一のまたは複数の細胞型の付着したマイクロキャリアを、培養容器中、懸濁体中で培養した第二の細胞型と共培養することができる。
第二の細胞型には、例えば、上皮細胞(例えば、口腔粘膜、消化管、鼻上皮、気道上皮、膣の上皮、角膜上皮、の細胞)、骨髄細胞、脂肪細胞、幹細胞、ケラチノサイト、メラノサイト、真皮線維芽細胞、ケラチノサイト、脈管内皮細胞(例えば大動脈内皮細胞、冠状動脈内皮細胞、肺動脈内皮細胞、腸骨動脈内皮細胞、微小血管内皮細胞、臍帯動脈内皮細胞、臍帯静脈内皮細胞および内皮前駆細胞(例えばCD34+、CD34+/CD117+細胞)、筋芽細胞、筋細胞、肝細胞、平滑筋細胞、横紋筋細胞、間質細胞およびその他の軟組織細胞または前駆細胞、軟骨細胞、骨芽細胞、小島細胞、ニューロンを含むがこれに限られるわけではない神経細胞、星状細胞、シュワン細胞、消化器官の膠細胞、乏突起神経膠細胞が含まれ得る。
また、軟骨組織、半月組織、靭帯組織、腱組織、椎間板組織、歯周組織、皮膚組織、維管束組織、筋組織、筋膜組織、骨膜組織、目の組織、嗅覚組織、心嚢組織、肺組織、滑液組織、神経組織、腎臓組織、骨髄、尿生殖器組織、腸組織、肝臓組織、すい臓組織、脾臓組織または脂肪組織の細胞も含まれる。
本開示を考慮すれば、その他の実施形態および用途は、当業者にとって明らかであろう。
〔例示的実施形態〕
〔実施例1〕
{インペラースピナーフラスコバイオリアクター中におけるマイクロキャリア上の臍帯組織に由来する産褥細胞の増殖と収穫}
この作業の目標は、インペラースピナーフラスコバイオリアクター中のマイクロキャリア上におけるヒトの臍帯組織由来の細胞(hUTCs)を播種、拡大および収穫する方法を確立することであった。マイクロキャリア上で増殖した細胞は、静置T−フラスコ法を使用して培養された細胞と同様の増殖反応速度(kinetics)と細胞表現型を示す筈である。これらの方法で培養された細胞が、その典型的表現型を維持しているかどうかを決定するための第一のステップとして、フローサイトメトリ−による細胞表面マーカーの分析が実行され、T−フラスコで培養された(hUTCs)によって表現される細胞表面マーカーと比較された。この作業の更なる目標は、本方法におけるトリプシン−EDTA(動物由来の製品)の使用を減らし、かくして、病原体を伝達する危険を減らすことである。
(材料と方法)
「細胞」。CBAT lot# 050604B継代8細胞からの細胞を解凍し、T225フラスコ中で1継代拡大した。
「マイクロキャリア」。Cytodex 3(登録商標)(GE Healthcare Life Sciences社、カタログ番号17−0485)マイクロキャリアビーズを、PBS中、少なくとも3時間で水和し、オートクレーブ処理した。
「スピナーフラスコ」。内部オーバーヘッドベアリングインペラーアセンブリ、100mLおよび250mL(Bellco, Inc.)付きのスピナーフラスコ。
「密集」。密集は、代表的な顕微鏡検査視野で観察されるマイクロキャリアの約90%で、その約60%を超える表面積が細胞でカバーされているものと定義される。
「継代」。継代は、別個のスピナーフラスコ培養から得られた密集マイクロキャリアのアリコートを、新鮮なマイクロキャリアを入れたスピナーフラスコに接種することと定義される。
「接種と培養」。トリプシンによってT225フラスコから収穫された細胞と4.0E+06細胞アリコートとを、40mLの培地を入れた100mLのインペラースピナーフラスコまたはガラスロッドスピナーフラスコ中の330mgのマイクロキャリアビーズに加えた。インキュベーションに先だって、フラスコを、1分間5%COガスでパージ(flushed)した。接種速度−頻度は、8時間、30分毎に、2分間で30rpmであった。8時間で、培地の量は100mLに増やされ、スピナー速度は45rpm連続回転に設定され、37℃でインキュベートされた。
「継代」。継代1−(100mLから250mLのフラスコへ)細胞が、8日間培養された。100mLのフラスコからの全てのマイクロキャリアを集め、重力によって培地から分離した。培地を吸引し、マイクロキャリアを、10mLの新鮮な培地中に再懸濁した。ピペットにより確実に公平な分配を行った後、5mLの培地をマイクロキャリアと共に取り出し、250mLのスピナーフラスコに入れた。また、水和してオートクレーブ処理された約660mgの新鮮なCytodex 3(登録商標)マイクロキャリアと培地とをフラスコに加えた。培地の量を200mLに増やし、培養に先だって、フラスコを、1分間5%COガスでパージした。スピナー速度を45rpm連続回転に設定し、37℃でインキュベートした。残存する細胞を、トリプシン処理によって収穫し、Guava PCA器具(Guava Technologies社、Hayward、カリフォルニア州)を用いてカウントした。
「継代2」−(250mLから250mLのフラスコへ)細胞は、6日間培養した。250mLのフラスコからの全てのマイクロキャリアを集め、重力によって培地から分離した。培地を吸引し、マイクロキャリアを、25mLの新鮮な培地中に再懸濁した。ピペットにより確実に公平な分配を行った後、5mLの培地をマイクロキャリアと共に取り出し、250mLのスピナーフラスコに入れた。また、水和してオートクレーブ処理された約660mgの新鮮なCytodex 3(登録商標)マイクロキャリアと培地とをフラスコに加えた。培地の量を200mLに増やし、インキュベーションに先だって、フラスコを、1分間5%COガスでパージした。スピナー速度を45rpm連続回転に設定し、37℃でインキュベートした。残存する細胞を、トリプシン処理によって収穫し、Guava PCA器具を用いてカウントした。
「培地の交換」。スピナーフラスコを培養から取り出し、マイクロキャリアを、重力によってフラスコの底に沈殿させた。培地量の約半分を、吸引によって取り出し、等量の新鮮な培地と入れ替えた。フラスコを、1分間、5%のCOガスでパージし、培養に戻した。培地交換は、第1日と第四日とに実行した。
「生存能力染色法」。1mLのアリコートをフラスコから取り出し、マイクロキャリアを重力によって沈殿させた。培地を吸引によって取り出し、1mLのLive/Dead染色溶液(Molecular Probes社、カタログ番号L3224)と入れ替え、37℃で15分間インキュベートした。インキュベーション後、20μLのアリコートをガラス製の顕微鏡スライドに塗布し、蛍光顕微鏡法によって観察した。生細胞は緑に、死んでいる細胞は赤に、染まる。顕微鏡視野を、マニュアル分析し、マイクロキャリアに付着した生細胞と死んでいる細胞の分布および比率を評価した。少なくとも三つの顕微鏡視野を評価し、生細胞の大体のパーセンテージをカウントした。
「細胞の収穫」。マイクロキャリアをスピナーフラスコから集め、PBSで三回洗浄し、二つの50mL円錐チューブに均等に分配した。それぞれのチューブを、25mLのトリプシンと共に、37℃で10分間でインキュベートした。チューブは、PBSを入れて50mLの量にし、マイクロキャリアを重力によって沈殿させた。細胞が含まれる上澄みを吸引によって集め、(トリプシンを不活性化するための5%FBS溶液を与える)2.5mLのFBSを予め加えた50mLの円錐チューブへ移した。この過程を、それぞれのフラクションを別々に集めて、四回繰り返した。収穫した全ての細胞を遠心分離処理し、増殖培地が含まれる血清中に再懸濁し、細胞をGuava PCA器具を用いてカウントした。
「静置T−フラスコ培養」。T225フラスコから収穫された細胞のアリコートを用いて、二つのT225フラスコに播種し、米国特許出願第10/877012号に記載された方法を用いて、四日間インキュベートした。細胞を収穫し、フローサイトメトリ−によって分析した。
「フローサイトメトリ−」。収穫された細胞は、細胞表面マーカーのプロフィールを決定するために、Becton-Dickinson社のFACSCalibur器具(Becton Dickinson社、San Jose、カリフォルニア州)を使用するフローサイトメトリ−によって分析した。全ての抗体は、BD PharMingen社(San Diego、カリフォルニア州)から購入した。
(結果)
「細胞の収穫」。表1は、スピナーフラスコ培養体中のCytodex 3(登録商標)マイクロキャリア上、継代9から継代11に拡大させた臍帯細胞系統050604Bの、継代当たりの、収穫フラクション、細胞収量および生存能力を示したものである。
Figure 2010508851
「細胞反応速度」。表2は、スピナーフラスコ培養体中のCytodex 3(登録商標)マイクロキャリア上で、継代9から継代11まで拡大した臍帯細胞系統050604Bの増殖反応速度を示している。表は、総倍加数が7.48で、倍加当たりの平均時間が69.53(+/−17.52)時間であったことを示している。
Figure 2010508851
「生/死染色」。生/死染色されたマイクロキャリアのアリコートの分析は、マイクロキャリア表面の大部分が緑で染色された(生きている)細胞で覆われており、赤く染色された核(死んでいる)の僅かの巣があることを示している。細胞は、静的条件で培養された細胞の形態と同様の形態を示す。
「フローサイトメトリ−分析」。表3は、静置Tフラスコでの培養から収穫されたhUTCsに対する、スピナーフラスコのマイクロキャリアビーズで収穫されたヒトの臍帯組織由来の細胞(hUTCs)によって表現される細胞表面マーカーについての結果(「+ポジティブ」または「−ネガティブ」)を表す。本表は、二つの方法によって生産された細胞によって表現されるマーカーが一致していたことを示している。
Figure 2010508851
「結論」
ヒトの臍帯組織由来の細胞(hUTCs)が、インペラースピナーフラスコバイオリアクター中、Cytodex3(登録商標)マイクロキャリア上で培養された。細胞は、20日で7.48回の集団倍加を達成し、平均倍加時間は69時間であった。継代あたりの細胞生存能力は、94.4%〜99.7%の範囲であった。マイクロキャリア上で培養されたhUTCsの13の細胞表面マーカーの発現の分析は、細胞培養Tフラスコで培養されたhUTCsによる細胞表面マーカーの表現と一致した。この作業は、マイクロキャリアが、バイオリアクターシステムにおけるhUTCsの播種、拡大および収穫に使用し得ることを示す最初の証拠を提供するものである。
〔実施例2〕
{スピナーフラスコ中、MGSA、HAおよびPLGAマイクロキャリア上における、拡大されたヒトの臍帯組織由来の細胞(hUTCs)の増殖}
無菌的に閉ざされたシステムと共に使用されるマイクロキャリアは、潜在的に、拡大されたヒトの臍帯組織由来の細胞(hUTC)を商業的な量で生産し得る。無菌的に閉ざされたシステムは、市販の細胞製品を拡大し維持するのに必要なオペレーター操作を減少させるので、オペレーターエラー、汚染およびモニタリングを減少させる。マイクロキャリアは、細胞培養フラスコと比較してかなり大きな細胞付着表面積を提供し、それによって、より高い細胞収穫量を生じる。
スピナーフラスコ培養中における生存能力を維持し、静置培養に再播種した場合に繁殖する能力を含め、合成の再吸収可能な生体適合物質から作製されたマイクロキャリアに付着するhUTCsの能力を、調査した。拡大されたhUTCsは、ポリ−(D,L−ラクチド−コ−グリコリド)(PLGA)、ヒアルロン酸ナトリウム(HA)およびポリ(モノステアロイルグリセリド・コ−コハク酸)(MGSA)材料を含むマイクロキャリア上に播種された。本例のコントロールとして、商業的に生産されたCytodex 3(登録商標)マイクロキャリアも使用された。細胞を備えた本材料は、5日間、スピナーフラスコで培養され、トリプシン処理によって収穫され、静置培養体中に再播種された。再播種した細胞は、静置培養において、四日以内で拡大し、その繁殖能力の保持を証明した。本例は、スピナーフラスコ培養のためのマイクロキャリアとして使用される合成生体適合物質の能力を示すものである。
(材料と方法)
Figure 2010508851
「PLGAマイクロスフィアの作製」。PLGAマイクロスフィアは、超臨界流体プロセス(SCF)により作製された。SCFユニットは、オートクレーブ処理され、または、70%エタノールで拭われ、層流フード下に置かれた。1gのPLGAを、無菌条件下、SCFユニットのチャンバーに注入した。SCFユニットを閉じ、通常のドラフト中に移した。ユニットは、0.2μmフィルタを付けて入口チューブに接続した。圧力と温度とは、それぞれ、300bar(換算値は300×10Pa)と35℃であった。刃の回転速度は250rpmであった。反応は、15分間実行された。プロセスを完了した後、SCFユニットを、入口チューブとCO出口チューブで切り離し、層流フード中に移し、チャンバーを開けた。生産された材料は、液体窒素付きのグラインダーに移し、粉砕した。
「MGSAマイクロスフィアの作製」。MGSAマイクロスフィアは、超臨界流体プロセスにより作製された。SCFユニットは、オートクレーブ処理され、または、70%エタノールで拭われ、層流フード下に置かれた。2gのMGSAが、無菌条件下、SCFユニットのチャンバーに注入された。SCFユニットを閉じ、通常のドラフト中に移した。ユニットを、0.2μmフィルタを付けて入口チューブに接続した。圧力と温度とは、それぞれ、150bar(換算値は150×10Pa)と35℃であった。刃の回転速度は250rpmであった。反応は、20分間実行された。プロセスを完了した後、SCFユニットを、入口チューブとCO出口チューブで切り離し、層流フード中に移し、チャンバーを開けた。
「ヒアルロン酸ナトリウム処理」。5gのヒアルロン酸ナトリウム(Novamatrix社、Pharm 80)を秤量し、乾燥粉を、Mixer Torque Rheometer(Caleva社、英国)のフルサイズのボウル中に置いた。50rpmのトルクレオメーターで10秒間混合した後、1mLのエタノール/水(50/50v/v)溶液を、手動(注射器使用)で、この粉末混合物に加えた。この液体の添加後、同一回転速度で更に10秒間混合を続行し、更に1mLのエタノール/水溶液を加えた。このパターンを、5mLの溶液が加えられるまで続けた。湿った状態の塊を水平スクリューエクストルーダーアタッチメントに入れ、単一の円形パターンで、2.0mm直径の穴が等間隔で付いたダイを、エクストルーダーアタッチメントの端に設置した。スクリュー速度は50rpmであり、湿った粒状物を手に持ったラムを用いてスクリューに押し込んだ。製剤を押し出して、個別のストランドにし、素早く乾燥した。押し出されたストランドは、ストレートエッジのかみそりの刃を使用して、手で切り、長さ2mmのペレットを得た。
「マイクロキャリアの作製」。それぞれ約1gのPLGAマイクロキャリアを、25mLのDulbeccoのリン酸塩緩衝食塩水(PBS)中に1時間懸濁した。吸引によってPBSを取り除き、接種前少なくとも30分間、材料を25mLの増殖培地に再懸濁した。
それぞれ約1gのMGSAマイクロキャリアを、30分間掛けて25mLの70%エタノール中で懸濁し、材料を濡らした。エタノールを吸引によって取り除き、MGSAを、三回、PBSでリンスし、接種前少なくとも30分間、25mLの増殖培地に再懸濁した。
ヒアルロン酸ナトリウム(260mg)を、2時間掛けて、25mLの70%アルコール中で殺菌した。エタノールを吸引によって取り除き、その後、三回、PBSでリンスし、接種前少なくとも30分間、25mLの増殖培地に再懸濁した。
接種の前日に、775mgのCytodex 3(登録商標)マイクロキャリアビーズを、40mLのPBS中で、少なくとも3時間水和し、オートクレーブ処理した。接種の当日、PBSを吸引除去し、接種の前少なくとも30分間、増殖培地中にCytodex 3(登録商標)を再懸濁した。
Figure 2010508851
「接種と培養」。例1で使用される、材料、細胞型、増殖培地、スピナーフラスコ、接種条件と培養条件、培地交換、生存能力染色法および細胞収穫法が、この例で使用される。
「細胞の収穫」。MGSAスピンディスク中の生体適合物質の破片(<75μm)、MGSA SCF、PLGA(50/50)およびHAサンプルが大量であること、および、器具に閉塞の可能性があるため、収穫された細胞のカウントには、Guava PCAを使用しなかった。破片を含む全ての収穫された細胞を、T225フラスコに再播種した。マイクロキャリア収穫量は、再播種収穫量から逆計算した。
(結果)
「マイクロキャリアの収量の計算」。マイクロキャリアの収量は、39時間の集団倍加時間または、4日間における2.46回の倍加(静置条件における、hUTC増殖反応速度の史料データ)、を基礎として計算した。倍加方程式=(Log10(収穫量)−Logl0(播種量))/、Log10(2)を使用する。
Figure 2010508851
「収穫した細胞の再播種」。{Cytodex 3(登録商標)以外の}全ての材料から収穫された細胞を、約5,000個細胞/cmで、T225組織培養フラスコ中に再播種した。全ての材料から収穫された細胞は再播種で繁殖した。
拡大されたhUTCsを、PLGA材料、HA材料およびMGSA材料上へ播種し、スピナーフラスコで5日間培養し、トリプシン処理によって収穫し、静置培養体中に再播種した。合成マイクロキャリアから収穫した細胞の生存能力は90%超であった。再播種した細胞は、静置培養において、四日以内で拡大し、その繁殖能力の保持を証明した。この例は、スピナーフラスコ培養のためのマイクロキャリアとして使用される合成生体適合物質の能力を示すものである。
〔実施例3〕
{スピナーフラスコ中コラーゲンで被覆したMGSAマイクロキャリアおよびPLGAマイクロキャリア上での拡大されたヒトの臍帯組織由来の細胞(hUTCs)の増殖}
コラーゲン被覆の付いた、合成再吸収性生体適合物質から造られた材料に付着するhUTCsの能力が、スピナーフラスコ培養体中で生存能力を維持して、静置培養体中への再播種で繁殖する能力を含めて、調査された。拡大されたhUTCsを、コラーゲン被覆または被覆なしのポリ−(D,L−ラクチド−コ−グリコリド)(PLGA)およびポリ(モノステアロイルグリセリド・コ−コハク酸)(MGSA)マイクロキャリア上に播種した。この細胞付きのマイクロキャリアを、5日間スピナーフラスコで培養し、トリプシン処理によって収穫し、静置培養体中に再播種した。
(材料と方法)
Figure 2010508851
「マイクロキャリアの作製」。マイクロキャリアの湿潤化−それぞれ、約1gのMGSAマイクロキャリアとPLGAマイクロキャリアとを、30分間掛けて、25mLの70%エタノールの中に、無菌的に懸濁させ、マイクロキャリアを湿潤化した。エタノールを吸引によって除去し、ついで、マイクロキャリアを、PBSで三回リンスし、25mLのDulbeccoのリン酸塩緩衝食塩水(PBS)中に再懸濁した。
「コラーゲン被覆」。湿潤化したマイクロキャリア(PBS)を遠心分離により、ペレットにし、吸引によってPBSを除去し、マイクロキャリアを、2.9%コラーゲン溶液(Vitrogen 1000、Cohesion, Inc. Palo Alto、カリフォルニア州)中に再懸濁した。マイクロキャリアは、コラーゲン中で30分間インキュベートした。残留コラーゲンを吸引によって除去し、コラーゲン被覆微粒子を、PBSで三回洗浄した。
Figure 2010508851
「接種と培養」。例1で使用された、材料、細胞型、増殖培地、スピナーフラスコ、接種条件と培養条件、培地交換、生存能力染色法および細胞収穫法が、この例で使用された。
(結果)
Figure 2010508851
「収穫した細胞の再播種」。被覆および非被覆のMGSAマイクロキャリアとPLGAマイクロキャリアとから収穫された細胞を、約5,000個細胞/cmで、T225中に再播種した。再播種四日後、両方の材料から収穫された細胞は、増殖して50%を超える密集度を示した。
拡大されたヒトの臍帯組織由来の細胞(hUTCs)を、コラーゲン被覆PLGAマイクロキャリアおよびコラーゲン被覆MGSAマイクロキャリア上に播種し、スピナーフラスコで5日間培養し、トリプシン処理によって収穫し、静置培養体中に再播種した。この合成マイクロキャリアから収穫された細胞の生存能力は、90%超であった。再播種した細胞は、静置培養において、四日以内で拡大し、その繁殖能力の保持を証明した。この例は、スピナーフラスコ培養のためのマイクロキャリアとして使用される合成生体適合物質の能力を示すものである。
〔実施例4〕
{スピナーフラスコ中ゼラチンで被覆したMGSAマイクロキャリア上での拡大されたヒトの臍帯組織由来の細胞(hUTCs)の増殖}
ゼラチン被覆の付いた、合成再吸収性生体適合物質から造られたマイクロキャリアに付着するhUTCsの能力が、スピナーフラスコ培養体中で生存能力を維持して、静置培養体中への再播種で繁殖する能力を含めて、調査された。拡大されたhUTCsを、ゼラチン被覆または被覆なしのポリ(モノステアロイルグリセリド・コ−コハク酸)(MGSA)材料上に播種した。本例のコントロールとして、商業的に生産されているCytodex 3(登録商標)マイクロキャリアも使用された。この細胞付きのマイクロキャリアを、5日間スピナーフラスコで培養し、トリプシン処理によって収穫し、静置培養体中に再播種した。
(材料と方法)
Figure 2010508851
「マイクロキャリアの作製」。Cytodex 3(登録商標)マイクロキャリアの作製については実施例1を参照されたい。MGSAマイクロキャリアの湿潤化と作製とについては実施例2を参照されたい。
「ゼラチン被覆」。PBS中非被覆のMGSAを遠心分離し、吸引によってPBSを除去し、25mLの2%ゼラチン溶液中に再懸濁した。マイクロキャリアは、ゼラチン中で30分間インキュベートした。残留ゼラチン溶液を吸引によって除去し、ゼラチン被覆マイクロキャリアを、PBSで三回洗浄し、25mLのPBS中に再懸濁した。
接種の前日に、775mgのCytodex 3(登録商標)マイクロキャリアビーズを、40mLのPBS中で、少なくとも3時間水和し、オートクレーブ処理した。接種の当日、PBSを吸引除去し、接種の前少なくとも30分間、増殖培地中にCytodex 3(登録商標)を再懸濁した。
Figure 2010508851
「接種と培養」。例1で使用された、マイクロキャリア、細胞型、増殖培地、スピナーフラスコ、接種条件と培養条件、培地交換、生存能力染色法および細胞収穫法が、この例で使用された。ただし、以下の例外を含む。接種速度/頻度は、8時間の間の30分毎に2分間掛けて30rpm。8時間で、培地の量は、MGSAを100mL、Cytodex 3(登録商標)を250mLに増やし、スピナー速度は45rpmの連続回転に設定し、37℃でインキュベートした。
「培地の交換」。培養の3日後、フラスコを撹拌プレートから取り出し、マイクロキャリアを沈殿させた。培地量の約半分(50mLと125mL)を、吸引によって取り出し、等量の新鮮な増殖培地と入れ替えた。
次の例外:50mLの円錐チューブと10mLのトリプシンの使用、を除いて、本方法を、MGSA材料のために使用した。
収穫された全ての細胞は遠心分離処理され、増殖培地で再懸濁され、細胞はGuava PCA器具を用いてカウントされた。
(結果)
Figure 2010508851
「収穫された細胞の再播種」。ゼラチンで被覆されたまたは被覆されていないMGSA材料から収穫された細胞を、約5,000個細胞/cmで、T225フラスコ中に再播種した。収穫された細胞を再播種した四日後に、細胞は、50%を超える密集度にまで繁殖した。
拡大されたヒトの臍帯組織由来の細胞(hUTCs)を、ゼラチンタンパク質被覆付きのMGSA材料上へ播種し、スピナーフラスコで5日間培養し、トリプシン処理によって収穫し、静置培地中に再播種した。この合成マイクロキャリアから収穫した細胞は、生存能力が80%を超えていた。再播種した細胞は、静置培養において、四日以内で拡大し、その繁殖能力の保持を証明した。この例は、スピナーフラスコ培養のためのマイクロキャリアとして使用されるゼラチン被覆された合成生体適合物質の能力を示すものである。
〔実施例5〕
{SoloHillマイクロキャリアに基づくhUTC培養体の、細胞の生産と回収についての実現可能性}
拡大されたhUTCsの増殖を、SoloHill, Inc.、SoloHill Engineering, Inc.(Ann Arbor、ミズーリ州)によって製造されたマイクロキャリア上で評価した。。このマイクロキャリアビーズは、彼らのカタログ中、SoloHillの名称で販売されており、ここでは、コラーゲン被覆(カタログ番号C104−1521)、HILLEX(登録商標)II(カタログ番号H112−170)および、プロネクチン被覆である(ProNectin F,カタログ番号PF104−1521)と呼ばれている。
血清含有培地におけるhUTC生産のために、コラーゲン被覆、プロネクチン被覆および非被覆のHILLEX(登録商標)IIマイクロキャリアを、(1)細胞の付着、(2)拡散(spreading)、(3)増殖、(4)細胞分離の効率および(5)マイクロキャリアからの細胞分離について評価した。実験1〜実験5を通じて、培養条件は、マイクロキャリア培養体を播種する前にゼラチン被覆T−225フラスコでhUTCsを増殖させるのに使用されたものとほとんど同一であった。マニュアルの全細胞カウントおよび細胞リリース核のカウントが、hUTC増殖インデックス:つまり培養開始(initiation)時の細胞数(接種密度(Ni))、指定された時点における細胞収穫量(Nh)、時間単位で表された培養時間(t)、集団倍加レベル(PDL)、24時間あたりの集団倍加数(r)および集団倍加あたりの時間(PDT)、を計算するのに用いられた。
これらの研究中、HILLEX(登録商標)IIおよびコラーゲン被覆されたマイクロキャリアへの細胞の一様な付着が、それぞれ、1時間と4時間以内に起こった。プロネクチン被覆されたマイクロキャリアは、不十分な付着結果のため、この例から除外された。ゼラチン被覆されたT−225組織培養フラスコで増殖したhUTCと同様に、HILLEX(登録商標)IIおよびコラーゲン被覆されたマイクロキャリアへの細胞付着のすぐ後に拡散が生じた。Nh値とPDT値とに基づく増殖の測定が、組織培養とマイクロキャリア培養とを比較するために使用された:実験1〜実験5の全てのマイクロキャリア培養体の播種に、T225組織フラスコで増殖した細胞が使用された。Tフラスコで増殖した細胞については、Nh値は、3.5×10/cm〜6.9×10/cmの範囲内にあり、PDT値は26〜36の範囲内にあった。マイクロキャリア培養実現能力研究についての細胞培養条件とほとんど同一の細胞培養条件を使用した結果、Nh/PDTの範囲は、T−フラスコで増殖した細胞と基本的に同一であった。二つの異常値は、恐らく、この細胞が、静置死の局面にあることを示している92時間±4の時点と関連しているようである。HILLEX(登録商標)IIマイクロキャリアおよびコラーゲン被覆マイクロキャリアおよびT−フラスコからの細胞の除去の結果、丈夫な単細胞の懸濁体が得られた。これらの予備結果は有望であり、hUTCsのマイクロキャリア培養のスケールアップのために必要なものである。HILLEX(登録商標)IIマイクロキャリアおよびコラーゲン被覆マイクロキャリアからの細胞の分離は、72%〜146%の範囲の回収率を与えた。
(材料と方法)
「試薬:全研究:
組織培養フラスコ−T−225コーニング、lot#13005020
2%の豚のゼラチン−Sigma社
培養培地−DMED低ブドウ糖、15%FBS、1ppmBME、1%ペニシリン/ストレプトマイシン
hUTC系統:Umb 120304 P6
Bellcoスピナーフラスコ−SoloHill Engineering, Inc. Bellco直刃インペラーによる100〜250実容積専用インペラー
Figure 2010508851
「研究のために使用されたスピナーフラスコの容積」。研究1〜5を通じて示されるように、割合は、225cm/50mLと675cm/150mLであった。
「省略形」
Ni=培養開始時の細胞数(播種密度)
Nh=特定の時点における細胞の収穫量
t=時間単位で表した培養時間
PDL=集団倍加レベル
r=24時間あたりの集団倍加数
PDT=集団倍加あたりの時間
「マイクロキャリア予備トリプシン処理法」
フラスコを、インキュベーターから生物学的安全フードに移し、HILLEX(登録商標)IIまたはコラーゲン被覆マイクロキャリアを重力により沈殿させた。培地を、沈殿したマイクロキャリアから取り除いた。DPBSを、ビーズパック量の2x〜4xの割合で、容器に加えて、細胞を載せたマイクロキャリアを完全にリンスした。その際、マイクロキャリアを浸しすぎて細胞を取り外さないように注意した。ついで、細胞を載せたマイクロキャリアを入れたフラスコを、40〜55rpm、室温で、15分間洗浄した。DPBSを取り除き、この洗浄ステップを繰り返した。DPBSの第二のリンス分を取り除いた後に、トリプシン(0.05%)を、マイクロキャリアパック量の1x〜2xの割合で加えた。この細胞を載せたマイクロキャリアを入れたフラスコを、40〜55rpm、室温で、15分間撹拌した。顕微鏡観察を用いて、細胞をマイクロキャリアから50〜100mLピペット中に取り出した。ピペット中で、マイクロキャリアを、穏やかに上下に動かし、細胞を完全に取り外した。マイクロキャリアを重力沈降させ、細胞を含む上澄みを、ピペットで集めた。
「マイクロキャリア培養体のサンプリングのためのプロセス開発ステップ:テストのためのサンプル採取と、トリプシン処理プロトコルの修正」
培養容器を、インキュベーターから生物学的安全フードに移し、容器を60rpmに設定した撹拌プレート上に置いた。培養体を撹拌モードに置き、この容器の一方のアームを通して、培養体の中間で、インペラーアセンブリに触れない所まで延在させた15mLピペットを用いて、10mLのアリコートを得た。アリコートは、15mLの円錐チューブに移した(注:細胞/mLについては、ビーズパックは、培養体から取り出された10mL量の一部である。)。マイクロキャリアを、重力によって沈殿させ、ピペットで培地を取り出した。細胞を載せたマイクロキャリアを、5mLのDPBSで二回リンスした。DPBSの二回目のリンス液を取り除いた後、トリプシン(0.05%)をマイクロキャリアパック量の1x〜2xの割合で加え、10分間掛けて定着させた。マイクロキャリアを、ピペットで穏やかに取り出し、繰り返し分配して、単一細胞の懸濁体(single cell suspension)を作製した。マイクロキャリアを、重力によって沈殿させ、細胞を含む上澄みを、ピペットで集め、細胞をカウントした。
「核放出方法」。インペラーを50〜60rpmで回転させつつ採取した、1〜10mLの同種のマイクロキャリア培養サンプルをチューブに移し、ついで、5分間200gで遠心分離処理し、その後、上澄みを廃棄した(注:HILLEX(登録商標)IIは、遠心分離を必要としなかった)。ペレット化したマイクロキャリアを、0.1%w/vのクリスタルバイオレットを含有する、1mLの0.1Mクエン酸(低張性効果のために水中に溶解)中に懸濁させた。チューブの中味を、振動ミキサーで、よく混ぜ合わせ(1分)、その後、37℃で1時間インキュベートした。加湿したインキュベーターを使用し、または、チューブをプラスチックフィルムで封止して、チューブの中味の蒸発を避けた。培養後、チューブの中味を再度振動ミキサーで混ぜ合わせ、次いで、染色された放出核を、血球計数器でカウントした。サンプル中のマイクロキャリアは、カウントの邪魔にならない。サンプルは、4℃で1週間まで保存し得る。培養体中の細胞の数を決める本方法は、培養体が均一に懸濁し、培養条件がマイクロキャリアと細胞の凝集を防止するものである場合、最も正確である。
「研究1 実験計画」。本実験の目的は、三種類のSoloHillマイクロキャリア(HILLEX(登録商標)II(H)、コラーゲン被覆(C)およびプロネクチン−被覆(P))の間における、細胞の付着および細胞の均一な分配のための基本的な培養要件を定めるものであった。三つのマイクロキャリアグループ(グループあたり二つのスピナーフラスコ)が定められた。それぞれのグループの一つのフラスコは、連続的な撹拌で開始し、それぞれのグループの第二のフラスコは、断続的な撹拌サイクル(i)で始められた。培養の72時間後、それぞれの培養フラスコの中味を、細胞核の放出のカウントのために準備した。
「変数」
1)マイクロキャリア。HILLEX(登録商標)II(H)、コラーゲン被覆(C)またはプロネクチン−被覆(PF)(各グループ)
2)各グループ内の撹拌条件
50〜60rpmの定常撹拌、または、断続撹拌(50〜60rpmで3分間の撹拌オン、30分間の撹拌オフを24時間まで)でその後定常撹拌。
3)インペラー。HILLEX(登録商標)IIマイクロキャリア培養体用の専用インペラー。その他の二つのマイクロキャリアグループのためのBellcoインペラー。
Figure 2010508851
開始における定常的培養条件;
・50mLの培地あたり225cmの総表面積
・3.0x10細胞/225cm
・pH7.4
・37℃/5%CO
・CBATシリアルhUTC系統120304、継代8
(結果)
「観察」:HILLEX(登録商標)II培養体は、定常的な撹拌と断続的なオン/オフサイクルとの両方で、細胞の一様な分布と、単一のマイクロキャリアが細胞で密集した状態とを示した。コラーゲン被覆マイクロキャリア培養体は、定常的な撹拌で、細胞の一様な分布と、単一のマイクロキャリアが細胞で密集した状態とを示した。コラーゲン被覆マイクロキャリアの最初の24時間の断続的なサイクルの培養体では、マイクロキャリアが凝集し、凝集物の周りに細胞が増殖し、細胞数が劇的に減少した。これらの培養条件を使ったプロネクチン被覆マイクロキャリア培養体は、両方のグループで不充分であった。
Figure 2010508851
Figure 2010508851
本研究の結果、コラーゲン被覆されたマイクロキャリア培養体およびHILLEX(登録商標)IIマイクロキャリア培養体の開始のために定常的撹拌条件が用いられるだろう。血清含有培地におけるhUTC付着と拡散のためには、断続的な撹拌サイクルは必要ない。
「研究2 実験計画」。hUTC増殖インデックスについての播種密度の効果を決定するために二つのマイクロキャリアグループ(グループあたりの三つのフラスコ)を開始した。一グループ内の三つのフラスコのそれぞれの播種密度は異なっていた。培養の3日と4日との間のある時点での定量分析評価として、細胞放出核カウントを使用した。
Figure 2010508851
Figure 2010508851
開始における定常的培養条件;
・CBATシリアルhUTC系統120304、継代9
・55〜60rpmでの定常的撹拌
・150mLのHayflick培地あたり675cm(3×225cm)の表面積
・37℃/5%CO
・pH7.4
・培養時間
・培養体の接種のための一つの細胞懸濁体のプール
(培養中88時間後の細胞放出核カウントおよび細胞増殖指標の結果)
Figure 2010508851
Figure 2010508851
Figure 2010508851
「研究3 実験計画」。本研究の目的は三つあった。1)96時間までの培養中の、HILLEX(登録商標)IIマイクロキャリアおよびコラーゲン被覆マイクロキャリア上でのhUTCsの増殖速度の決定。指定された時点で、実施例のフラスコの中味が、細胞核放出(CNR)カウントのために準備された。2)マイクロキャリアからの単一細胞(single cells)の取り出しにおけるトリプシン処理プロセスの効率および、74μmメッシュのスクリーンを使用したマイクロキャリアからの細胞分離の効率の決定。結果を求めるために、全細胞カウントを用いた。3)全細胞カウントおよび細胞放出核カウントの結果を比較した。八つのフラスコ(HとCのそれぞれのグループに対し四つ)を準備した。それぞれのグループの三つのフラスコを、指定された時点で、CNRによって評価した。それぞれのグループの一つのフラスコを、トリプシン処理し、細胞懸濁体を濾過した。
Figure 2010508851
フラスコに播種するための細胞懸濁体プール
・フェノールレッドの入ったHayflick培地中に懸濁した細胞
・フェノールレッドなしのHayflick培地中に懸濁した細胞
開始の定常的な培養条件
・CBATシリアルhUTC系統120304、継代10
・55〜60rpmでの定常的撹拌
・50mLの完全なHayflick培地あたり225cmの表面積
・37℃/5%CO
・pH7.4
・時点d2、d3およびd4(開始後の時間単位で表現)
Figure 2010508851
Figure 2010508851
「研究4 実験計画」。トリプシン処理プロセス後のhUTC回収の効率ならびにHILLEX(登録商標)IIマイクロキャリアおよびコラーゲン被覆マイクロキャリアからのhUTCの全細胞分離効率を決定した。四つのフラスコ(HとCの一グループあたり二つのフラスコ)を準備した。トリプシン処理されたそれぞれのグループからの一つのフラスコを、全細胞カウントによって評価し、それぞれのグループの第二のフラスコを、細胞核放出カウントによって評価した。
Figure 2010508851
フラスコに播種するための細胞懸濁体プール
・フェノールレッドの入ったHayflick培地中に懸濁した細胞
・フェノールレッドなしのHayflick培地中に懸濁した細胞
培養時間;HILLEX(登録商標)II培養体は96時間、コラーゲンは72時間
開始の定常的な培養条件
・CBATシリアルhUTC系統120304、継代8
・675cmあたり9.0×10個の細胞
・55〜60rpmでの定常的撹拌
・150mLの完全なHayflick培地あたり675cm
・37℃/5%CO
・pH7.4
Figure 2010508851
Figure 2010508851
「研究5 実験計画」。CBATトリプシン処理の効率とコラーゲンマイクロキャリアおよびHILLEX(登録商標) IIマイクロキャリアからの全細胞分離の効率について評価した。八つの培養フラスコ(HとCの一グループあたり四つの同一フラスコ)を準備した。二つのグループのそれぞれからの一つのフラスコをトリプシン処理し、細胞を74μmメッシュフィルターでろ過した。それぞれのグループからの第二のフラスコは、細胞放出核カウントによって評価した。全細胞カウントとCRNカウントとを、一貫性について比較した。二時点で評価を行った。培養体は、より低い播種密度(6.66x10/cm)で播種した。
Figure 2010508851
開始の定常的な培養条件
・CBATシリアルhUTC系統120304、継代9
・接種のための一つの細胞懸濁体のプール
・55〜60rpmでの定常的撹拌
・フェノールレッド入りの50mLのHayflick培地あたり225cm
・37℃/5%CO
・pH7.4
・培養時間;69時間および92時間
・225cmあたり150×10個の細胞
Figure 2010508851
Figure 2010508851
Figure 2010508851
Figure 2010508851
これらの研究において、HILLEX(登録商標)IIマイクロキャリアおよびコラーゲン被覆マイクロキャリアへの均一な細胞付着は、それぞれ、1時間以内および4時間以内に起こった。プロネクチンは、不十分な付着結果のため、実施例から除外された。ゼラチン被覆T−225組織培養フラスコで増殖したhUTCと同様、HILLEX(登録商標)IIマイクロキャリアおよびコラーゲン被覆マイクロキャリアへの細胞付着後まもなく、拡散が起こった。Nh値とPDT値とに基づく増殖の測定値が、組織培養とマイクロキャリア培養とを比較するために用いられた。マイクロキャリア培養実験1〜5に播種するのに、T−225組織培養フラスコで増殖した細胞が用いられた。T−フラスコで増殖した細胞について、Nh値は、3.5x10/cm〜6.9x10/cmの範囲内にあり、PDT値は、26〜36の範囲内にあった。マイクロキャリア培養実現可能性研究のための細胞培養条件とほぼ同一の条件を使用して得られたNh/PDTの範囲は、T−フラスコで増殖した細胞と同一であった。二つの異常値は、この細胞が、恐らく静置死の局面にあることを示している92時間±4の時点と関連しているようである。HILLEX(登録商標) IIマイクロキャリア、コラーゲン被覆マイクロキャリアおよびT−フラスコからの細胞の取り出しの結果、丈夫な単一細胞の懸濁体が得られた。これらの結果は、有望であり、hUTCsのマイクロキャリア培養のスケールアップのために必要なものであった。HILLEX(登録商標)IIマイクロキャリアおよびコラーゲン被覆マイクロキャリアからの細胞の分離では、72%〜146%の範囲の回収率が得られた。
〔実施例6〕
{Wave Bioreactor System中のCytodex 3(登録商標)マイクロキャリア上での、拡大したヒトの臍帯組織由来の細胞(hUTCs)の増殖}
無菌的に閉ざされたシステムと共に使用されるマイクロキャリアは、潜在的に、拡大されたヒトの臍帯組織由来の細胞(hUTC)を商業的な量で生産し得る。無菌的に閉ざされたシステムは、市販の細胞製品を拡大し維持するのに必要なオペレーター操作を減少させるので、オペレーターエラー、汚染およびモニタリングを減少させる。マイクロキャリアは、細胞培養フラスコと比較してかなり大きな細胞付着表面積を提供し、それによって、より高い細胞収量を生じる。
本作業は、無菌的に閉じたWave Biotech, Inc. bioreator system(Wave Biotech LLC、Somerset、ニュージャージー州)中のマイクロキャリア上でhUTCsを拡大するための開始方法を与えるものである。下記方法を使用して、hUTCsを、まず、250mLのスピナーフラスコシステム中のCytodex 3(登録商標)マイクロキャリア上に播種し、5日間培養した。ついで、細胞が付着したマイクロキャリアを、追加の培地と、細胞を含まないマイクロキャリアとを含むWaveシステム中に移し、7日間培養した。250mLスピナーフラスコから1LのWaveシステムへの細胞の移動または継代は、トリプシンを使わずに達成された。これにより、細胞拡大プロセスから動物由来産品が除外される。Waveシステムで、hUTCsは、12日で3.02回の集団倍加を達成した。収穫時、細胞は、サンプリングされた全マイクロキャリアに、均一に分散していた。
(材料と方法)
「細胞」。hUTC系統120304、継代9
「培地」。DulbeccoのModified Eagles培地(DMEM)−低ブドウ糖、15%のウシの胎児の血清(FBS)、ペニシリン/ストレプトマイシン(P/S)、β−メルカプトエタノール(BME)
(250mLのスピナーフラスコ培養)
「マイクロキャリア」。Cytodex 3(登録商標)(GE Healthcare Life Sciences社、カタログ番号17−0485)マイクロキャリアビーズを、少なくとも3時間、PBSで水和し、オートクレーブ処理した。
「スピナーフラスコ」。Internal Overhead Bearing Impeller Assembly付きのスピナーフラスコ、250mL(Bellco, Inc.)。
「接種と培養」。約70%の密集度の細胞を、トリプシンによって、T225フラスコから収穫し、9.0×10細胞アリコートを、80mLの培地を入れた250mLのインペラースピナーフラスコ中の660mgのマイクロキャリアビーズに加えた。インキュベーション前に1分間、フラスコを、5%のCOガスでパージした。接種速度−頻度は、8時間の間、30分毎に、2分間30rpmであった。8時間で、培地の量を250mLに増やし、スピナー速度を、45rpm連続回転に設定し、37℃でインキュベートした。
(Wave Bioreactor)
「マイクロキャリアの移動と器材設置」。細胞が付着したマイクロキャリアを、250mLのスピナーフラスコから収穫し、50mLの培地中に再懸濁した。この溶液を、1Lの培地と、2.4gの水和してオートクレーブ処理した細胞を含まないCytodex 3(登録商標)マイクロキャリアとを入れた、2LのWaveバイオリアクターバッグ(カタログ番号 CELLBAG2L/S-NU)に加えた。Waveバッグを、Wave Biotech 2/10EHシステム上に置いた。Waveバッグは、5%CO−大気を使用し、製造者のスペックに従って膨らませた。システムの加熱パッドは、37℃に設定した。
「接種段階」。2/1OEHシステムを、約16時間(一晩)、2°の角度と6rpmの揺動速度に設定した。
「拡大段階」。2/10EHシステムを、7日間、5°の角度と10rpmの揺動速度に設定した。
「生存能力染色法」。培地とマイクロキャリアとの1mLのアリコートを、15mLの円錐チューブに移し、マイクロキャリアを、重力によって分離させた。培地を吸引により除去し、1mLのLive/Dead染色溶液(Molecular Probes社カタログ番号L3224)で置き換え、37℃で15分間インキュベートした。インキュベーション後、20μLの細胞懸濁体アリコートを、ガラス製の顕微鏡スライドに塗布し、蛍光顕微鏡法によって観察した。生細胞は緑に、死んでいる細胞は赤に、染まる。顕微鏡視野を、マニュアル分析し、マイクロキャリアに付着した生細胞の分布を評価した。少なくとも三つの顕微鏡視野を評価し、生細胞の大体のパーセンテージをカウントした。
「細胞の収穫」。マイクロキャリアを、Waveバッグから、250mLの4本の円錐チューブ中に収集し、PBSで三回洗浄し、一本の250mL円錐チューブに集めた。マイクロキャリアを、25mLのトリプシンと共に、撹拌付きで、10分間、37℃でインキュベートした。PBSでチューブを200mLの量にし、マイクロキャリアを、重力によって沈殿させた。細胞を含む上澄みを、吸引によって集め、(トリプシンを不活性化するために5%のFBS溶液を与える)10mLのFBSを予め加えた250mLの円錐チューブへ移した。このプロセスを、全てのフラクションを合わせて、二回繰り返した。収穫した全ての細胞を、遠心分離処理し、血清含有増殖培地中に再懸濁させ、細胞を、Guava PCA器具を用いてカウントした。
Figure 2010508851
250mLのスピナーフラスコからWaveシステムへの細胞の移動は、トリプシンを使わずに達成された。これにより、細胞拡大プロセスから動物由来産品が除外される。Waveシステムで、hUTCsは、12日で3.02回の集団倍加を達成した。収穫時、細胞は、サンプリングされた全マイクロキャリア上に、均一に分散していた。本方法は、Wave Biotechバイオリアクターシステムで培養したマイクロキャリアに播種され、拡大して、これから収穫される、拡大されたヒトの臍帯組織由来の細胞の能力を証明するものである。
〔実施例7〕
{3LのBioreactor System中のCytodex 3(登録商標)マイクロキャリア上での、拡大したヒトの臍帯組織由来の細胞(hUTCs)の増殖}
無菌的に閉ざされたシステムと共に使用されるマイクロキャリアは、潜在的に、拡大されたヒトの臍帯組織由来の細胞(hUTC)を商業的な量で生産し得る。無菌的に閉ざされたシステムは、市販の細胞製品を拡大し維持するのに必要なオペレーター操作を減少させるので、オペレーターエラー、汚染およびモニタリングを減少させる。マイクロキャリアは、細胞培養フラスコと比較してかなり大きな細胞付着表面積を提供し、それによって、より高い細胞収量を生じる。
本作業は、無菌的に閉じた3Lのインペラー撹拌付きバイオリアクターシステム中、マイクロキャリア上でhUTCsを拡大する開始方法を与えるものである。このシステムでは、hUTCsは、2.88回の集団倍加数を達成した。バイオリアクターのブドウ糖の経時的な消費と乳酸塩の経時的な生産とは、代謝的に活性な細胞を示すものであった。収穫の際に存在している細胞は、サンプリングされたマイクロキャリア上に均一に分配されているようであった。バイオリアクターから収穫された細胞は、静置培養条件で再播種すると拡大して密集し、細胞の繁殖能力の保持を証明していた。本方法は、インペラー撹拌付きの無菌的に閉ざされた3Lのバイオリアクターシステムで培養したマイクロキャリアに播種され、拡大され、これから収穫される、拡大されたヒトの臍帯組織由来の細胞の能力を証明するものである。
これらの方法を使用して、hUTCsを、最初に、250mLスピナーフラスコシステム中のCytodex 3(登録商標)マイクロキャリア上に播種し、5日間培養した。ついで、細胞を付着させたマイクロキャリアを、1Lの培地と、細胞を含まない追加のマイクロキャリアとを入れたバイオリアクターシステム中に移し、7日間培養した。7日目に、2Lの追加の培地と、細胞を含まない追加のマイクロキャリアとを、バイオリアクターシステムに加え、10日間培養した。
(材料と方法)
細胞。hUTC系統Umb120304、継代9。
「培地」。DulbeccoのModified Eagles培地(DMEM)−低ブドウ糖、15%のウシの胎児の血清(FBS)、ペニシリン/ストレプトマイシン(P/S)、β−メルカプトエタノール(BME)。
(250mLのスピナーフラスコ)
「マイクロキャリア」。Cytodex 3(登録商標)(GE Healthcare Life Sciences社、カタログ番号17−0485)マイクロキャリアビーズを、PBSで少なくとも3時間水和し、オートクレーブ処理した。
「スピナーフラスコ」。Internal Overhead Bearing Impeller Assembly付きのスピナーフラスコ、250mL(Bellco, Inc.)。
「接種と培養」。約70%の密集度の細胞を、トリプシンによって、T225フラスコから収穫し、9.0E+06の細胞アリコートを、80mLの培地を入れた250mLのインペラースピナーフラスコ中の660mgのマイクロキャリアビーズに加えた。インキュベーション前に、フラスコを、5%COガスで1分間パージした。接種速度−頻度は、8時間、30分毎に、2分間で30rpmであった。8時間で、培地の量は250mLに増やし、スピナー速度は45rpm連続回転に設定し、37℃でインキュベートした。
(バイオリアクター)
「装置」。インペラー撹拌付きの3Lの閉ざされたバイオリアクターシステムを使用した。システムパラメータ(pH、酸素圧、温度、インペラーrpm)は、BioStat B-DCU(B. Broun International社)で調節した。
「バイオリアクター前の収穫」。250mLのスピナーフラスコから細胞を付着させたマイクロキャリアを収穫し、30mLの培地中に再懸濁した。(約100mg、すなわち、全マイクロキャリアの約1/6が含まれる)5mLの懸濁体のアリコートを取り出した。このアリコートからの細胞を、下にリストする方法を使用して収穫した。
「マイクロキャリアの移動−250mLから1Lへ」。250mLのスピナーフラスコから収穫された、細胞を付着させた、残余の500mgのマイクロキャリアを、50mLの培地中に再懸濁した。この溶液を、1Lの培地と、2.6gの、水和しオートクレーブ処理した細胞を含まないCytodex 3(登録商標)マイクロキャリアとを入れた2LのWaveバイオリアクターバッグ(カタログ番号 CELLBAG2L/S-NU)に加えた。ついで、Waveバッグをバイオリアクターの入口ポートに無菌溶接し、中味を、重力流出によって移した。ついで、インペラーを始動し、45rpmに維持した。
「マイクロキャリアの移動−1Lから3Lへ」。2Lの培地と6gの空のマイクロキャリアとを入れたWaveバッグを使用し、上記にリストしたWaveバッグ方法を採用した。
「サンプリング」。培地とマイクロキャリアとの1mLのアリコートを、15mLの円錐チューブへ移し、マイクロキャリアを重力によって分離した。培地を吸引し、1mLのLive/Dead染色溶液(Molecular Probes社、カタログ番号L3224)と入れ替え、37℃で15分間インキュベートした。インキュベーション後、細胞懸濁体の20μLのアリコートを、ガラス製の顕微鏡スライドに塗布し、蛍光顕微鏡法によって観察した。生細胞は緑に、死んでいる細胞は赤に、染まる。顕微鏡視野を、マニュアル分析し、マイクロキャリアに付着した生細胞の分布を評価した。少なくとも三つの顕微鏡視野を評価し、生細胞の大体のパーセンテージをカウントした。
「ブドウ糖評価」。培地のサンプルを培養体から得、ブドウ糖含有量と乳酸塩含有量とを評価した。
「収穫」。5LのLabtainer BioProcess Container(Hyclone社、カタログ番号SH30640.01)を、バイオリアクターに取り付けられた出口ポートに無菌溶接した。容器をバイオリアクターの下に位置付け、中味を、重力流出によって移した。ついで、容器の中味を、(三つの)750cmローラーボトル(Corning LifeSciences社、Corning、ニューヨーク州)に、無菌的に移した。細胞が付着したマイクロキャリアを、PBSで洗浄し、一つのローラーボトルに集めた。マイクロキャリアを、撹拌下、37℃で10分間、100mLのトリプシンと共にインキュベートした。PBSを加えて、チューブを1Lの量にし、マイクロキャリアを重力によって沈殿させた。細胞を含む上澄みを、吸引によって集め、それぞれ10mLの(トリプシンを不活性化するために、5%のFBS溶液を与える)FBSを予め入れた、四つの250mLの円錐チューブに移した。収穫した全ての細胞を遠心分離処理し、増殖培地を含む血清中に再懸濁し、Guava PCA器具を用いて細胞をカウントした。
(結果)
「培地の追加」。ブドウ糖読み取り値が低いため、15日目に、500mLの培地をシステムに加えた。
「3Lのバイオリアクターの細胞反応速度」。250mLのスピナーフラスコの総マイクロマイクロキャリア量の1/5の細胞収穫量から、播種時の細胞数を計算した。
Figure 2010508851
「観察とrpmの調整」。三日目(全量1L)に、バイオリアクター容器の底に、マイクロキャリアの沈殿が認められた。インペラー速度を60rpmに増やした。10日目(総量を3Lに調整した3日後)マイクロキャリアの沈殿が再び認められた。インペラー速度を、再び増やして85rpmにした。収穫の日(17日目)に、バイオリアクター容器の底に、マイクロキャリアの沈殿が、再び認められた。
「収穫細胞の再播種」。バイオリアクターから収穫された細胞を、T75フラスコ中、5,000個細胞/cmで、再播種し、拡大、密集させた。この結果は、細胞の繁殖能力の保持を証明するものである。
250mLのスピナーフラスコからバイオリアクターシステムへの細胞の移動と7日目における1Lから3Lへのスケールアップとは、トリプシンを使わずに達成された。これにより、細胞拡大プロセスから動物由来産品が除外される。このシステムで、hUTCsは、2.88回の集団倍加数を達成した。バイオリアクターのブドウ糖の経時的な消費と乳酸塩の経時的な生産とは、代謝的に活性な細胞を示すものであった。収穫の際に存在している細胞は、サンプリングされたマイクロキャリア上に均一に分配されているようであった。バイオリアクターから収穫された細胞は、静置培養条件で再播種すると拡大して密集し、細胞の繁殖能力の保持を証明していた。本方法は、インペラー撹拌付きの無菌的に閉ざされた3Lのバイオリアクターシステムで培養したマイクロキャリアに播種され、拡大され、これから収穫される、拡大されたヒトの臍帯組織由来の細胞の能力を証明するものである。
〔実施例8〕
{ウシの胎児の減量(reduced)血清増殖培地中のhUTCの拡大}
本研究の目標は、連続的に培養した、拡大したヒトの臍帯組織由来の細胞(hUTC)の、増殖反応速度と細胞表面マーカーとを、15%のウシの胎児の血清(FBS)を含む標準の増殖培地または、7.5%のFBSを含む、減量血清増殖培地で、比較することであった。減量血清培地中のhUTC細胞療法製品の生産は、動物性由来製品の使用を減少させることによって、製品の安全性を高めるものである。減量血清培地の使用は、生産コストを下げ、ガス吹き込みバイオリアクターでの泡立ちの可能性を減少させるものでもある。
標準増殖培地および減量血清培地でのhUTCのマイクロプレートフォーマット繁殖評価で得られるデータは、hUTCが、減量血清培地で活発に繁殖することを示した。これらの繁殖データの結果、hUTCの増殖反応速度および表面タンパク質発現表現型が、組織培養フラスコ条件における複数の継代上で評価された。低温保存したhUTC分離株120304を解凍し、これを用いて標準の培地または減量血清培地を含むT75フラスコに直ちに接種し、複数継代で連続的に培養した。それぞれの培地からの収穫細胞の細胞表面タンパク質の発現を、フローサイトメトリ−によって分析した。更に、低温保存したhUTC分離株120304を解凍し、これを用いて標準のまたは減量血清培地を含むHILLEX IIマイクロキャリアを含むスピナーフラスコに直ちに接種し、複数継代で連続的に培養した。
低温保存したhUTC分離株120304を解凍し、減量血清増殖培地の入った同種の(replicate)T75フラスコで、11継代拡大した。それぞれの同種のT75フラスコについての集団倍加あたりの時間は、継代間で(from passage to passage)一致しており、安定した対数関数的増殖を示した。集団倍加あたりの全時間のデータ点のワンウエーANOVAによる統計分析では、標準の増殖培地制御と比較して、全てのデータ点(p=0.821)で、hUTCの増殖反応速度に有意差は示されなかった。減量血清培地で拡大したhUTCの細胞表面タンパク質の発現は、標準の増殖培地で拡大したhUTCsと一致していた。
更に、低温保存したhUTC分離株120304を解凍し、減量血清増殖培地を含むHILLEX IIマイクロキャリア含有スピナーフラスコで、三継代拡大した。それぞれのスピナーフラスコについての集団倍加あたりの時間は、継代間で一致しており、安定した対数関数的増殖を示した。集団倍加あたりの平均時間の2サンプルT−テストによる統計的分析では、テストした二つの培地のhUTC増殖反応速度の間に有意差は示されていない(p=0.424)。
これらのデータは、hUTCが、表現型細胞表面タンパク質の発現を維持しつつ、減量血清培地を持つ静置Tフラスコまたはマイクロキャリア培養システムで、複数の継代に渡って、安定かつ一致して、拡大される能力を証明していた。本研究の目標は、15%のウシの胎児の血清(FBS)を含む標準増殖培地で連続的に培養した、拡大したヒトの臍帯組織由来の細胞(hUTC)の、増殖反応速度および細胞表面マーカーを、7.5%のFBSを含む減量血清増殖培地で連続的に培養した、拡大したヒトの臍帯組織由来の細胞(hUTC)の、増殖反応速度および細胞表面マーカーと比較することであった。減量血清培地中のhUTC細胞療法製品の生産は、動物性由来製品の使用を減少させることによって、製品の安全性を高めるものである。更に、減量血清培地の使用は、材料コストを下げ、ガス吹き込みバイオリアクターにおける培養中の泡立ちの可能性を減少させることにより生産効率を高めるものである。
マイクロプレートフォーマット評価におけるhUTCの繁殖は、減量血清条件における連続培養の潜在能力を示した。この評価には、最初に、96ウエルフォーマットでの、標準の基礎増殖培地と、代替的な減量血清基礎培地とにおける、15%から0%までのFBSの連続的な希釈が含まれた。96時間の培養後、両方の基礎培地について、hUTC繁殖が、15%、7.5%および3.75%のFBS含有培地でベストであることが判明した。この結果、両方の基礎培地タイプについて、三つの主要FBS濃度だけを使用して、第二のマイクロプレート評価が、24ウエルフォーマットで確立された。24ウエルフォーマットにおいて観察された繁殖に基づいて、hUTC増殖反応速度の比較が、15%FBSの標準の増殖培地と7.5%FBSの代替的基礎増殖培地とについて開始された。
低温保存したhUTC分離株120304を解凍し、これを用いて、標準の培地または減量血清培地を含むT75フラスコに直ちに接種し、複数継代に渡って連続的に培養した。それぞれの培地からの収穫細胞の細胞表面タンパク質の発現を、フローサイトメトリ−によって分析した。更に、低温保存したhUTC分離株120304を解凍し、これを用いて、標準培地または減量血清培地を含むHILLEX IIマイクロキャリアを入れたスピナーフラスコに直ちに接種をし、複数継代に渡って連続的に培養した。
(材料と方法)
「細胞」。拡大したヒトの臍の緒組織細胞(hUTC)の低温保存した分離株12034、集団倍加数(PD)12。
「増殖培地(Hayflick)」。DulbeccoのModified Eagles培地(DMEM)−低ブドウ糖(Gibco; Grand Island、ニューヨーク州)、15%のウシの胎児の血清(FBS)(HyClone, Logan、ユタ州)、ペニシリン/ストレプトマイシン(P/S)(Gibco; Grand Island、ニューヨーク州)、β−メルカプトエタノール(BME)(Sigma, St. Louis、ミズーリ州)。
「減量血清培地(Adv. DMEM/F12)」。Advanced DMEM/F12(Gibco; Grand Island、ニューヨーク州)、7.5%のウシの胎児の血清(FBS)、ペニシリン/ストレプトマイシン(P/S)、4.0mMのGlutaMAX(Gibco; Grand Island、ニューヨーク州)。
「マルチウエルマイクロプレート」。ゼラチン(Sigma社, St. Louis、ミズーリ州)で被覆した、組織培養、96ウエルおよび24ウエルのマイクロプレート(Corning Inc.;Corning、ニューヨーク州)。
「組織培養フラスコ」。ゼラチンで被覆したT75フラスコ(Corning Inc.;Corning、ニューヨーク州)。
「マイクロキャリア」。HILLEX IIマイクロキャリア(Solo Hill社;Ann Arbor、マイアミ州)をDI水中、少なくとも30分間水和し、オートクレーブ処理した。HILLEX IIマイクロキャリアは、12g/Lの濃度で使用された。
「スピナーフラスコ」。100mLと500mLの単一用途、使い捨てスピナーフラスコ(Corning Inc.;Corning、ニューヨーク州)を、培養容器として使用した。
「96ウエルマイクロプレートでの接種と培養」。hUTCの低温保存した小びんを解凍し、洗浄し、増殖培地中に再懸濁した。増殖培地は、HayflickとAdv. DMEM/F12の両方を使い、15%、7.5%、3.75%、1.88%、0.94%または0%のFBSを補って、作製した。一条件あたり、二つのウエルに対し、一ウエルあたり5.00X10のhUTCを加えた。それぞれのウエルは、250μLの増殖培地を含有していた。プレートを、5%CO、37℃の組織培養インキュベーターで96時間培養した。
「96ウエルマイクロプレートからの細胞の収穫とカウント」。細胞を入れた96ウエルマイクロプレートを、インキュベーションから取り出し、無菌吸引によって培地を除去した。細胞は、ウエルあたり100μLのPBSで洗浄した。PBSを、無菌吸引により除去し、75μLのTrypLE Select(Gibco; Grand Island、ニューヨーク州)を加えた。細胞を、37℃で5分間インキュベートし、その後、プレートを軽く叩いて、細胞を取り外した。75μLの適切な培地を、それぞれのウエルに加えた。50μLの追加のカウンティング試薬を、それぞれのウエルに加えた。カウンティング試薬は、適切な増殖培地+2%のGuava ViaCount Flex(Guava Technologies社;Hayward、カリフォルニア州)+2%ジメチルスルホキシド(Guava Technologies社;Hayward、カリフォルニア州)の溶液であった。得られた細胞の懸濁体を、ウルトラロークラスター96ウエルマイクロプレートに無菌的に移し、Guava EasyCyte装置(Guava Technologies社;Hayward、カリフォルニア州)でカウントした。
「24ウエルマイクロプレートでの接種と培養」。hUTCの低温保存した小びんを解凍し、洗浄し、増殖培地に再懸濁した。増殖培地は、HayflickとAdv. DMEM/F12の両方を使い、15%、7.5%、3.75%を補って、作製した。一条件あたり、四つのウエルに対し、一ウエルあたり、1.00E+04のhUTCを加えた。それぞれのウエルは、1mLの増殖培地を含有していた。プレートを、5%CO、37℃の組織培養インキュベーターで96時間培養した。
「24ウエルマイクロプレートからの細胞の収穫とカウント」。細胞を入れた24ウエルマイクロプレートを、インキュベーションから取り出し、無菌吸引によって培地を除去した。細胞は、ウエルあたり1mLのPBSで洗浄した。PBSを、無菌吸引により除去し、500μLのTrypLE Selectを加えた。細胞を、37℃で5分間インキュベートし、その後、プレートを軽く叩いて、細胞を取り外した。細胞の懸濁体を数回ピペット吸引し、ついで、500μLのGuava ViaCount試薬(Guava Technologies社、Haywood、カリフォルニア州)を入れた1.5mLのEppendporfチューブに移し、Guava PCA器具(Guava Technologies社、Haywood、カリフォルニア州)でカウントした。
「T75フラスコでの接種と培養」。hUTCの低温保存した小びんを解凍し、洗浄し、増殖培地に再懸濁した。3.75E+05のhUTCを、15mLの培地を入れたT75フラスコに加えた。フラスコを、5%CO、37℃の組織培養インキュベーターで3〜4日間培養した。
「T75フラスコからの細胞の収穫と継代」。細胞を含むT75フラスコをインキュベーションから取り出し、無菌吸引によって培養を除去した。細胞を、5mLのPBSで洗浄し、PBSを無菌吸引によって除去し、1mLのTrypLE Selectと入れ替えた。細胞を、37℃で5分間インキュベートし、その後、フラスコを軽く叩いて付着細胞を取り外した。それぞれのフラスコに5mLの培地を加え、細胞懸濁体を、ピペットで円錐チューブに移した。細胞を、300rcfで5分間遠心分離処理し、上澄みを取り、細胞を増殖培地に再懸濁し、細胞カウントのためのアリコートを得た。カウントの後、3.75E+05の細胞を含むものと計算されたアリコートを得、このアリコートを用いて、新鮮な培地を入れた新しいT75フラスコに接種した。
「100mLのスピナーフラスコでの接種と培養」。hUTCの低温保存した小びんを、解凍し、洗浄し、増殖培地に再懸濁した。100mLの培地を入れた100mLのスピナーフラスコ中の1.2gのHILLEX II(5.0X10細胞/cm)に、3.1E+06のhUTCを加え、60rpmの連続回転に設定されたスピナープレート上に置いた。スピナープレート上のスピナーフラスコを、5%CO、37℃の組織培養インキュベーターに置き、3〜4日間インキュベートした。
「100mLスピナーフラスコ培養から500mLスピナーフラスコ培養への継代」。100mLのスピナーフラスコを、スピナープレートから取り外し、マイクロキャリアを沈殿させた。上澄み媒体を吸引によって除去し、細胞の付着した残りのマイクロキャリアパックを、20mLの新鮮な増殖培地中に再懸濁した。ついで、細胞が付着したマイクロキャリアを、480mLの新鮮な増殖培地と4.8gのHILLEX IIマイクロキャリア(6gの最終的なマイクロキャリア量または12g/Lの最終的なマイクロキャリア濃度)とを入れた500mLのスピナーフラスコに、ピペットで無菌的に移した。ついで、スピナーフラスコを、60rpmの連続回転に設定されたスピナープレート上に置いた。スピナープレート上のスピナーフラスコを、5%のO、37℃の組織培養インキュベーターに置き、3〜4日間インキュベートした。
「一つの500mLスピナーフラスコ培養から五つの500mLスピナーフラスコ培養への継代」。500mLのスピナーフラスコを、スピナープレートから取り外し、マイクロキャリアを沈殿させた。上澄み媒体を吸引によって除去し、細胞が付着した残りのマイクロキャリアパックを、50mLの新鮮な増殖培地に再懸濁した。ついで、細胞が付着したマイクロキャリアの一つの10mLのアリコートを、それぞれが490mLの新鮮な増殖培地と4.8gのHILLEX IIマイクロキャリア(6gの最終的なマイクロキャリア量または1.2g/Lの最終的なマイクロキャリア濃度)とを入れた五つの別々の500mLのスピナーフラスコに、ピペットで無菌的に移した。ついで、スピナーフラスコを、60rpmの連続回転に設定されたスピナープレート上に置いた。スピナープレート上のスピナーフラスコを、5%CO、37℃の組織培養インキュベーターに置き、3〜4日間インキュベートした。
「HILLEX IIマイクロキャリアに付着した細胞の収穫」。スピナーフラスコをスピナープレートから取り外し、細胞が付着したマイクロキャリアを重力によって沈殿させた。上澄み媒体を、無菌的に吸引した。スピナーフラスコの作業体積(working volume)と等しい量のPBSをスピナーフラスコに加え、マイクロキャリアを重力によって沈殿させた。マイクロキャリアの沈殿時に、PBSを無菌的に吸引し、作業体積の1/5に等しい量のTrypLE Selectを、スピナーフラスコに加えた。ついで、スピナーフラスコを、60rpmの連続回転で、10分間スピナープレート上でインキュベートした。スピナーフラスコをスピナープレートから取り外し、マイクロキャリアを重力によって沈殿させた。25mLの血清学的ピペットを使用して、マイクロキャリア/TrypLE Select溶液を、〜10回ピペットで上下に撹拌し、残りの付着細胞をマイクロキャリアから分離させた。細胞が含まれる上澄みを、ピペット採取を繰り返して集め、100μm細胞ストレーナーを付けた複数の円錐チューブに移した。細胞懸濁体の収集に先立ち、チューブに5mLのFBSを加えた。細胞懸濁体を集めた後、チューブを、300rcfで5分間遠心分離処理し、上澄みを取り、細胞を増殖培地に再懸濁した。
「生存能力染色法」。培地とマイクロキャリアとの1mLのアリコートを、15mLの円錐チューブへ移し、そこで、マイクロキャリアを重力によって沈殿させた。媒体を無菌吸引によって除去し、1mLのLive/Dead染色溶液(Molecular Probes社、カタログ番号L3224;Carlsbad、カリフォルニア州)と入れ替え、37℃で15分インキュベートした。インキュベーション後、20μLのアリコートを、ガラス製の顕微鏡スライドに塗布し、蛍光顕微鏡法によって観察した。生細胞は緑に、死んでいる細胞は赤に、染まった。顕微鏡視野を、マニュアル分析し、マイクロキャリアに付着した生細胞の分布を評価した。少なくとも三つの顕微鏡視野を評価し、生細胞の大体のパーセンテージをカウントした。
「培養細胞のカウント−TrypLE Select評価」。同種のマイクロキャリア懸濁体の5mL(100mLのスピナーフラスコ)または10mL(500mLのスピナーフラスコ)のアリコートを、スピナーフラスコ容器から得て、15mLのチューブに移した。マイクロキャリアを重力分離させ、上澄み媒体を無菌吸引によって除去した。マイクロキャリアを、10mLのPBSで一回洗浄し、マイクロキャリアを重力分離し、PBSの上澄みを無菌吸引によって除去した。マイクロキャリアを、TrypLE Select中、37℃で10分間インキュベートした。インキュベーション後、5mLのPBSを加え、マイクロキャリアを重力分離させた。細胞を含む上澄みを、ピペットで繰り返し採取して集め、予め1mLのFBSを入れた複数の円錐チューブに移した。チューブを、300rcfで5分間遠心分離処理し、上澄みを取り、細胞を増殖培地に再懸濁し、アリコートを用い、Guava PCA器具(Guava Technologies社、Haywood、カリフォルニア州)を使用して細胞カウントを決定した。
「フローサイトメトリ−」。収穫したhUTCを、Becton-Dickinson社のFACSCalibur器具(Becton Dickinson社、San Jose、カリフォルニア州)を使用して、フローサイトメトリ−によって分析し、US2004877012Aに記載された方法を使用して、細胞表面マーカーのプロフィールを決定した。全ての抗体は、BD PharMingen社(San Diego、カリフォルニア州)から購入された。
(結果)
Figure 2010508851
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低温保存したhUTC分離株120304を解凍し、同種のT75フラスコ中、減量血清増殖培地で、11継代の間拡大した。それぞれの同種のT75フラスコについて、集団倍加あたりの時間は、継代間で一致しており、安定した対数関数的増殖を示した。集団倍加あたりの全ての時間データ点のワンウエーANOA(one-way ANOA)による統計分析は、全てのデータ点について、hUTC増殖反応速度に有意差がないことを示している(p=0.821)。減量血清培地で拡大されたhUTCの細胞表面タンパク質の発現は、標準の増殖培地で拡大されたhUTCsと一致していた。
また、低温保存したhUTC分離株120304を解凍し、3継代の間、減量血清増殖培地を用いて、HILLEX IIマイクロキャリアを入れたスピナーフラスコで、拡大した。それぞれのスピナーフラスコについて、集団倍加あたりの時間は、継代間で一致しており、安定した対数関数的増殖を示した。集団倍加あたりの平均時間の2−サンプルT−テストによる統計分析は、テストされた二つの培地間で、hUTC増殖反応速度に有意差がないことを示している(p=0.424)。
このデータは、減量血清培地を用いた静置Tフラスコまたはマイクロキャリア培養システムで、複数継代に渡って、安定し、一貫したやり方で拡大し、その表現型細胞表面タンパク質の発現を維持するhUTCの能力を証明するものであった。
〔実施例9〕
{3Lのバイオリアクター中HILLEX IIマイクロキャリア上のhUTCの拡大}
本研究の目標は、HILLEX IIマイクロキャリアに付着したヒトの臍帯組織由来の細胞(hUTC)を、ベンチスケールのバイオリアクターで複数の集団倍加に渡って拡大させるものであった。ベンチスケールのバイオリアクターで、複数の集団倍加に渡ってHILLEX II上でhUTCを拡大させる能力は、細胞療法用途におけるhUTCの大規模な生産へのスケールアップのためのモデルバイオプロセシングシステムに役立つものである。500mLのスピナーフラスコ中HILLEX IIマイクロキャリア上で約70%の密集度に拡大された、hUTC分離株CNTO 2476を用いて、更なる培地とHILLEX IIマイクロキャリアとを入れた3Lのバイオリアクターに接種した。細胞は、バイオリアクターで5日間培養し、アリコートを取って、途中(mid-run)の細胞カウントを計算した。
hUTCは、5日間で、約6回の集団倍加数を達成した。集団倍加あたりの時間は、安定した対数関数的増殖を示した。システムのpHは、CO空気で覆い、スパージなしで、うまく7.0に維持された。システムのDOは、酸素空気で覆い、スパージなしで、40%にうまく維持された。
このデータは、ベンチスケールバイオリアクター中HILLEX IIの上で拡大されるhUTCの能力を示すものである。このモデルバイオプロセシングシステムは、細胞療法用途のためのhUTCの大規模な生産のためにスケールアップし得るものである。
本研究の目標は、HILLEX IIマイクロキャリアに付着したヒトの臍帯組織由来の細胞(hUTC)を、ベンチスケールのバイオリアクターで複数の集団倍加に渡って拡大させるものであった。ベンチスケールのバイオリアクターで、複数の集団倍加に渡って、HILLEX II上、hUTCを拡大させる能力は、細胞療法用途のためのhUTCの大規模な生産のためにスケールアップされるモデルバイオプロセシングシステムに役立つものである。500mLのスピナーフラスコ中HILLEX IIマイクロキャリア上で約70%の密集度に拡大されたhUTC分離株CNTO 2476を用いて、更なる培地とHILLEX IIマイクロキャリアとを入れた3Lのバイオリアクターに接種した。細胞は、バイオリアクターで5日間培養し、アリコートを取って、途中(mid-run)の細胞カウントを計算した。
(材料と方法)
「細胞」。拡大したヒトの臍の緒組織細胞(hUTC)の低温保存した分離株CNTO 2476ロット25126078PD7を使用した。
「増殖培地」。DulbeccoのModified Eagles培地(DMEM)−低ブドウ糖、フェノールレッドなし(Gibco- Grand Island、ニューヨーク州)、15%のウシの胎児の血清(FBS)(HyClone- Logan、ユタ州)、4.0mM GlutaMAX(Gibco- Grand Island、ニューヨーク州)。
「収穫試薬」。1x TrypLE Select(Gibco- Grand Island、ニューヨーク州)、10x TrypLE Select(Gibco; Grand Island、ニューヨーク州)。
「マイクロキャリア」。HILLEX II(SoloHill Inc.- Ann Arbor、マイアミ州)マイクロキャリアを、DI水で少なくとも30分間水和し、オートクレーブ処理した。HILLEX IIマイクロキャリアは、12g/Lの濃度で使用した。
「バイオリアクター」。B−DCUコントローラ(Sartorius BBI、Bethlehem、ペンシルベニア州)付きの、3Lのジャケット付きバイオリアクター(Applikon, Inc.、Foster City、カリフォルニア州)。
「バイオリアクター培養」。500mLのスピナーフラスコから得た約70%の密集度の細胞を付着させた6gのマイクロキャリアを、30gのHILLEX IIおよび約2Lの増殖培地を入れた3Lのバイオリアクターに、無菌的に移した。ついで、追加の増殖培地を加え、3Lの最終的な量にした。
「バイオリアクターの設定」。バイオリアクターインペラーは、85〜100RPMに設定した。pHの設定点を7.0にし、CO添加により調整した。溶存酸素(DO)は、100%から40%のDO設定点まで減少するに委せ、酸素添加によって維持した。空気の覆いは、50ccmに設定し、スパージは用いなかった。
「HILLEX IIマイクロキャリアに付着した細胞の収穫」。バイオリアクターインペラーをオフにして、細胞が付着したマイクロキャリアを重力によって沈殿させた。沈殿したマイクロキャリア上方に置いたディップチューブを通して、培地の上澄みを、ポンプにより排出した。バイオリアクターに、3LのPBSをポンプで送りこみ、マイクロキャリアを重力によって沈殿させた。PBSの上澄みを、沈殿したマイクロキャリア上方に置いたディップチューブを通して、ポンプにより排出した。ついで、500mLの1x TrypLE Selectおよび50mLの10x TrypLE Selectを、バイオリアクターにポンプで送りこんだ。バイオリアクターインペラーは、10分間、65rpmでオンにした。インペラーをオフにし、マイクロキャリアを重力によって沈殿させた。細胞を含む上澄みを、沈殿したマイクロキャリア上方に置いたディップチューブを通して、少量のFBSを予め入れた移動容器中にポンプで取り出した。次いで、1LのPBSをバイオリアクターにポンプで入れ、残留する細胞を再懸濁した。細胞を含む上澄みを、沈殿したマイクロキャリア上方に置いたディップチューブを通して、FBSを予め入れた移動容器中に、ポンプで取り出した。全ての細胞を含む上澄みを、複数の500mL円錐チューブへ移した。チューブを、300rcfで5分間遠心分離処理し、上澄みを取り、細胞を、増殖培地に再懸濁し、細胞カウントのためのアリコートを得た。
「培養中の細胞カウント−TrypLE評価」。同種のマイクロキャリア懸濁体の5mL(100mLのスピナーフラスコ)または10mL(500mLのスピナーフラスコ)のアリコートを、スピナーフラスコ容器から得、15mLのチューブへ移した。マイクロキャリアを重力分離させ、上澄みを吸引によって取り除いた。マイクロキャリアを、10mLのPBSで一回洗浄し、マイクロキャリアを重力によって分離し、PBSの上澄みを吸引によって除去した。マイクロキャリアを、trypLE select中、37℃で10分間インキュベートした。インキュベーション後、5mLのPBSを加え、マイクロキャリアを重力によって分離した。細胞を含む上澄みを、ピペット吸引を繰り返すことにより集め、1mLのFBSを予め入れた複数の円錐チューブへ移した。チューブを300rcfで5分間遠心分離処理し、上澄みを取り、細胞を増殖培地で再懸濁させ、アリコートを用いて細胞カウントを決定した。
(結果)
Figure 2010508851
6gのHillex IIに70%の密集度で付着したhUTC分離株CNTO 2476を用いて、3Lのバイオリアクターに接種した。システムのpHは、CO空気の覆いにより、スパージすることなく、7.0にうまく維持された。システムのDOは、酸素空気の覆いにより、スパージすることなく、40%にうまく維持された。hUTCは、5日間で約6回の集団倍加数を達成した。集団倍加あたりの時間は、安定した対数関数的増殖を示した。このデータは、ベンチスケールバイオリアクター中HILLEX II上で拡大されるhUTCの能力を示すものである。このモデルバイオプロセシングシステムは、細胞療法用途のためのhUTCの大規模な生産のためにスケールアップし得るものである。
〔実施例10〕
{12〜24g/Lの濃度のHILLEX IIマイクロキャリア上のhUTCの拡大}
本研究の目標は、スピナーフラスコ中複数のマイクロキャリア濃度で、HILLEX IIマイクロキャリアに付着した、拡大したヒトの臍帯組織由来の細胞(hUTC)を、連続的に培養することであった。種々のマイクロキャリア濃度でマイクロキャリア上のhUTCを拡大する能力により、細胞療法用途のためのhUTCの大規模生産について、より大きな柔軟性とオプションとが与えられよう。低温保存したhUTC分離株120304を解凍し、これを用いて、12、16、20または24g/Lの濃度でHILLEX IIマイクロキャリアを入れたスピナーフラスコに直ちに接種し、複数継代に渡って連続的に培養した。
集団倍加数12.8で低温保存したhUTC分離株120304を、解凍し、HILLEX IIマイクロキャリアで7継代に渡って拡大することができた。それぞれのマイクロキャリア濃度について、集団倍加あたりの時間は、継代間で一致しており、安定した対数関数的増殖を示した。集団倍加あたりの全ての時間データ点のワンウエーANOAによる統計分析は、テストされた全ての条件について、hUTC増殖反応速度に有意差がないことを示している(p=0.277)。このデータは、安定して一貫してマイクロキャリア上で7継代に渡って拡大されるhUTCの能力を証明するものであった。
本研究の目標は、スピナーフラスコ中複数のマイクロキャリア濃度で、HILLEX IIマイクロキャリアに付着した、拡大したヒトの臍帯組織由来の細胞(hUTC)を、連続的に培養することであった。種々のマイクロキャリア濃度でマイクロキャリア上のhUTCを拡大する能力により、細胞療法用途のためのhUTCの大規模生産について、より大きな柔軟性とオプションとが与えられよう。低温保存したhUTC分離株120304を解凍し、これを用いて、12、16、20または24g/Lの濃度でHILLEX IIマイクロキャリアを含むスピナーフラスコに直ちに接種し、複数継代に渡って連続的に培養した。
(材料と方法)
「細胞」。拡大したヒトの臍の緒組織細胞(hUTC)の低温保存した分離株12034集団倍加数(PD)12。
「増殖培地」。DulbeccoのModified Eagles培地(DMEM)−低ブドウ糖(Gibco- Grand Island、ニューヨーク州)、15%のウシの胎児の血清(FBS)(HyClone- Logan、ユタ州)、ペニシリン/ストレプトマイシン(P/S)(Gibco- Grand Island、ニューヨーク州)、β−メルカプトエタノール(BME)(Sigma-, St. Louis、ミズーリ州)
「マイクロキャリア」。HILLEX IIマイクロキャリアを、少なくとも30分間DI水で水和し、オートクレーブ処理した。HILLEX IIマイクロキャリアは、12、16、20および24g/Lの濃度で使用した(1gのHILLEX II=515cmの表面積)。
「スピナーフラスコ」。100mLと500mLとの、単一用途使い捨てのスピナーフラスコ(Corning, Inc.−Corning、ニューヨーク州)を使用した。
「100mLスピナーフラスコでの接種と培養」。100mLのスピナーフラスコに、100mLの増殖培地と、1Lあたり、12、16、20または24gのHILLEX IIを達成するのに適切な濃度のマイクロキャリアを入れた。hUTCの低温保存した小びんを、解凍し、洗浄し、増殖培地に再懸濁した。それぞれの100mLスピナーフラスコに適切な数の細胞を加え、5.0X10細胞/cmを達成した。細胞を入れたスピナーフラスコを、60rpm連続回転に設定したスピナープレート上に置いた。スピナープレートを、5%CO、37℃の組織培養インキュベーターに置き、3〜4日間インキュベートした。
「一つの100mLスピナーフラスコから一つの500mLスピナーフラスコへの培養の継代」。100mLスピナーフラスコを、スピナープレートから取り外し、マイクロキャリアを沈殿させた。培地の上澄みを、吸引により除外した。細胞が付着した残りのマイクロキャリアパックを、20mLの新鮮な増殖培地中に再懸濁した。ついで、細胞が付着したマイクロキャリアを、480mLの新鮮な増殖培地と4.8gのHILLEX II(6gの最終的なマイクロキャリア量)または1.2gのCytodex 1(1.5gの最終的なマイクロキャリア量)を入れた500mLのスピナーフラスコへピペットにより無菌的に移した。次いで、スピナーフラスコを60rpmの連続撹拌に設定されたスピナープレート上に置いた。スピナープレートを、5%CO、37℃の組織培養インキュベーターに置き、3〜4日間インキュベートした。
「一つの100mLスピナーフラスコから一つの100mLスピナーフラスコへの培養の継代」。100mLスピナーフラスコを、スピナープレートから取り外し、マイクロキャリアを沈殿させた。培地の上澄みを、吸引により除外した。細胞が付着した残りのマイクロキャリアパックを、50mLの新鮮な増殖培地中に再懸濁した。ついで、細胞が付着したマイクロキャリアの10mLのアリコートを、それぞれ90mLの新鮮な増殖培地と0.96gのHILLEX II(1.2gの最終的なマイクロキャリア量)を入れた100mLの別々のスピナーフラスコへピペットにより無菌的に移した。次いで、スピナーフラスコを、60rpm連続回転に設定したスピナープレート上に置いた。スピナープレートを、5%CO、37℃の組織培養インキュベーターに置き、3〜4日間インキュベートした。
「HILLEX IIマイクロキャリアに付着した細胞の収穫」。スピナーフラスコをスピナープレートから取り外し、細胞が付着したマイクロキャリアを重力によって沈殿させた。培地の上澄みを吸引により除去した。スピナーフラスコの作業体積と等しい量のPBSをスピナーフラスコに加え、マイクロキャリアを重力によって沈殿させた。作業体積の1/5に等しい量のTrypLE Selectをスピナーフラスコに添加した。ついで、スピナーフラスコを、10分間、スピナープレート上、60rpmでインキュベートした。スピナーフラスコをスピナープレートから取り外し、マイクロキャリアを重力によって沈殿させた。25mLの血清学的ピペットを使用して、マイクロキャリア−TrypLE Select溶液を、〜10回ピペットで上下に撹拌し、残りの付着細胞をマイクロキャリアから分離させた。細胞が含まれる上澄みを、ピペット採取を繰り返して集め、5mLのFBSを予め入れた、100μmフィルターユニットをチューブ開口部に挿入した複数の円錐チューブに移した。チューブを、300rcfで5分間遠心分離処理し、上澄みを取り、細胞を増殖培地に再懸濁した。
「生存能力染色法」。培地とマイクロキャリアとの1mLのアリコートを、15mLの円錐チューブへ移し、マイクロキャリアを重力によって分離した。培地を吸引によって除去し、1mLのLive/Dead染色溶液(Molecular Probes社、カタログ番号L3224)と入れ替え、37℃で15分インキュベートした。インキュベーション後、20μLのアリコートを、ガラス製の顕微鏡スライドに塗布し、蛍光顕微鏡法によって観察した。生細胞は緑に染まる。顕微鏡視野を、マニュアル分析し、マイクロキャリアに付着した生細胞の分布を評価した。少なくとも三つの顕微鏡視野を評価し、生細胞の大体のパーセンテージをカウントした。
「培養中の細胞カウント−TrypLE評価」。同種のマイクロキャリア懸濁体の5mL(100mLのスピナーフラスコ)または10mL(500mLのスピナーフラスコ)のアリコートを、スピナーフラスコ容器から得、15mLのチューブへ移した。マイクロキャリアを重力分離させ、上澄みを吸引によって取り除いた。マイクロキャリアを、10mLのPBSで一回洗浄し、マイクロキャリアを重力によって分離し、PBSの上澄みを吸引によって除去した。マイクロキャリアを、trypLE select中、37℃で10分間インキュベートした。インキュベーション後、5mLのPBSを加え、マイクロキャリアを重力によって分離した。細胞を含む上澄みを、ピペット吸引を繰り返すことにより集め、1mLのFBSを予め入れた複数の円錐チューブへ移した。チューブを300rcfで5分間遠心分離処理し、上澄みを取り、細胞を増殖培地で再懸濁させ、アリコートを用い、Guava PCA器具(Guava Technologies社、Haywood、カリフォルニア州)を使用して細胞カウントを決定した。
(結果)
Figure 2010508851
Figure 2010508851
Figure 2010508851
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集団倍加数12.8で低温保存したhUTC分離株120304を、解凍し、HILLEX IIマイクロキャリア上で7継代拡大することができた。それぞれのマイクロキャリア濃度についての集団倍加あたりの時間は、継代間で一致しており、安定した対数関数的増殖を示した。集団倍加あたりの全ての時間データ点のワンウエーANOAによる統計分析は、テストされた全ての条件について、hUTC増殖反応速度に有意差がないことを示している(p=0.277)。このデータは、安定して一貫してマイクロキャリア上で7継代に渡って拡大されるhUTCの能力を証明するものであった。
〔実施例11〕
{連続スピナーフラスコ培養におけるマイクロキャリア上のhUTCの拡大}
本研究の目標は、商業的なマイクロキャリアに付着した、拡大したヒトの臍帯組織由来の細胞(hUTC)を、スピナーフラスコで連続的に、複数回の集団倍加に渡って培養することであった。マイクロキャリア上のhUTCを、複数回の集団倍加に渡って拡大する能力は、細胞療法用途のためのhUTCの大規模な生産のための、モデルシステムのスケールアップに役立つものである。二つのhUTC分離株である、研究条件下、単離され、拡大され、低温保存された120304−と、GMT条件下、単離され、拡大され、低温保存されたCNTO 2476−と、を評価した。商業的なマイクロキャリアCytodex 1またはHILLEX IIも評価した。低温保存した細胞を解凍し、これを用いてスピナーフラスコ培養体に直ちに接種した。細胞は、集団倍加数が約30になるまで、複数継代に渡って連続的に培養された。hUTCsは、T225フラスコでも、コントロールとして静的に培養された。
集団倍加数12.8で低温保存したhUTC分離株120304を、解凍し、Cytodex 1およびHILLEX IIマイクロキャリア上で集団倍加数28.6および28.7までそれぞれ拡大することができた。集団倍加あたりの時間は、継代間で一致しており、安定した対数関数的増殖を示した。また、Tフラスコの増殖反応速度と一致していた。集団倍加数22.6で低温保存したhUTC分離株CNTO 2476を解凍し、Cytodex 1およびHILLEX IIマイクロキャリア上で集団倍加数33.2および31.0までそれぞれ拡大することができた。集団倍加あたりの時間は、継代間で一致しており、安定した対数関数的増殖を示した。また、Tフラスコの増殖反応速度と一致していた。集団倍加あたりの全ての時間データ点のワンウエーANOAによる統計分析は、テストされた全ての条件について、hUTC増殖反応速度に有意差がないことを示している(p=0.988)。また、最終的な収穫における細胞表面タンパク質の発現は、テストされる全ての条件について、一致していた。
本データは、細胞表面のタンパク質表現型を維持する、安定し、一貫したやり方で、マイクロキャリア上約30回の集団倍加数まで拡大するhUTCの能力を証明するものであった。このモデルシステムは、細胞療法用途のためのhUTCの大規模な生産のためにスケールアップし得るものである。
本研究の目標は、商業的なマイクロキャリアに付着した拡大したヒトの臍帯組織由来の細胞(hUTC)を、スピナーフラスコで連続的に、複数回の集団倍加に渡って培養することであった。マイクロキャリア上のhUTCを、複数回の集団倍加に渡って拡大する能力は、細胞療法用途のためのhUTCの大規模な生産のための、モデルシステムのスケールアップに役立つものである。二つのhUTC分離株である、研究条件下、単離され、拡大され、低温保存された120304と、GMP条件下、単離され、拡大され、低温保存されたCNTO 2476とを評価した。評価した商業的なマイクロキャリアは、Cytodex 1またはHILLEX IIであった。低温保存した細胞を解凍し、これを用いてスピナーフラスコ培養体に直ちに接種した。細胞は、集団倍加数が約30になるまで、複数継代に渡って連続的に培養された。hUTCsは、T225フラスコでも、コントロールとして静的に培養された。
(材料と方法)
「細胞」。拡大したヒトの臍の緒組織細胞(hUTC)の低温保存した分離株12034集団倍加数(PD)12およびhUTC分離株CNTO2476ロット25126078PD22を使用した。
「増殖培地」。DulbeccoのModified Eagles培地(DMEM)−低ブドウ糖(Gibco- Grand Island、ニューヨーク州)、15%のウシの胎児の血清(FBS)(HyClone- Logan、ユタ州)、ペニシリン/ストレプトマイシン(P/S)(Gibco- Grand Island、ニューヨーク州)、β−メルカプトエタノール(BME)(Sigma- St. Louis、ミズーリ州)
「マイクロキャリア」。Cytodex 1(GE Health Sciences- Piscataway、ニュージャージー州)マイクロキャリアを、少なくとも3時間PBSで水和し、オートクレーブ処理した。Cytodex 1マイクロキャリアは、3g/Lの濃度で使用した。HILLEX II(SoloHill Inc.- Ann Arbor、マイアミ州)マイクロキャリアをDI水中で少なくとも30分間水和し、オートクレーブ処理した。HILLEX IIマイクロキャリアは、12g/Lの濃度で使用した。
「スピナーフラスコ」。100mLと500mLとの、単一用途使い捨てのスピナーフラスコ(Corning, Inc.- Corning、ニューヨーク州)を使用した。
「100mLのスピナーフラスコでの接種と培養」。hUTCの低温保存した小びんを、解凍し、洗浄し、増殖培地に再懸濁した。6.6X10のhUTCを、100mLの培地を入れた100mLのスピナーフラスコ中の3000mgのCytodex 1(5.0X10細胞/cm)に加え、37℃の組織培養インキュベーター上に置き、3〜4日間インキュベートした。スピナープレートを、60rpm連続回転に設定した。3.1X10のhUTCを、100mLの培地をいれた100mLのスピナーフラスコ中の1.2gのHILLEX II(5.0X10細胞/cm)に加え、60rpm連続回転に設定したスピナープレート上に置いた。スピナープレートは、5%CO中に置いた。
「一つの100mLスピナーフラスコから一つの500mLスピナーフラスコへの培養の継代」。100mLスピナーフラスコを、スピナープレートから取り外し、マイクロキャリアを沈殿させた。培地の上澄みを、吸引により除外した。細胞が付着した残りのマイクロキャリアパックを、20mLの新鮮な増殖培地中に再懸濁した。ついで、細胞が付着したマイクロキャリアを、480mLの新鮮な増殖培地と4.8gのHILLEX II(6gの最終的なマイクロキャリア量)または1.2gのCytodex 1(1.5gの最終的なマイクロキャリア量)とを入れた500mLのスピナーフラスコへピペットにより無菌的に移した。次いで、スピナーフラスコを60rpm連続回転に設定したスピナープレート上に置いた。スピナープレートを、5%CO、37℃の組織培養インキュベーターに置き、3〜4日間インキュベートした。
「一つの500mLスピナーフラスコから五つの500mLスピナーフラスコへの培養の継代」。500mLのスピナーフラスコを、スピナープレートから取り外し、マイクロキャリアを沈殿させた。培地の上澄みを吸引によって除去した。細胞が付着した残りのマイクロキャリアパックを、50mLの新鮮な増殖培地に再懸濁した。ついで、細胞が付着したマイクロキャリアの五つの別々の10mLのアリコートを、それぞれが490mLの新鮮な増殖培地と4.8gのHILLEX II(6gの最終的なマイクロキャリア量)または1.2gのCytodex 1(1.5gの最終的なマイクロキャリア量)とを入れた、五つの別々の500mLのスピナーフラスコに、ピペットで無菌的に移した。ついで、スピナーフラスコを、60rpmの連続回転に設定されたスピナープレート上に置いた。スピナープレートを、5%CO、37℃の組織培養インキュベーターに置き、3〜4日間インキュベートした。
「Cytodex 1マイクロキャリアに付着した細胞の収穫」。500mLのスピナーフラスコをスピナープレートから取り出し、細胞が付着したマイクロキャリアを重力により沈殿させた。培地の上澄みは、吸引により取り除いた。500mLのPBSをスピナーフラスコに加え、マイクロキャリアを重力により沈殿させた。PBSの上澄みは、吸引により取り除いた。500mLのDMEM−低ブドウ糖をスピナーフラスコに加えた。次いで、スピナーフラスコを、スピナープレート上、60rpmで20分間インキュベートした。スピナーフラスコをスピナープレートから取り外し、マイクロキャリアを重力により沈殿させた。DMEM−低ブドウ糖の上澄みを吸引により取り除いた。500mLのPBSをスピナーフラスコに加えた。ついで、スピナーフラスコを、スピナープレート上、60rpmで20分間インキュベートした。スピナーフラスコをスピナープレートから取り外し、マイクロキャリアを重力により沈殿させた。PBSの上澄みを、吸引により取り除いた。250mLのTrypLE Selectをスピナーフラスコに加えた。ついで、スピナーフラスコを、スピナープレート上、60rpmで10分間インキュベートした。スピナーフラスコをスピナープレートから取り外し、マイクロキャリアを重力により沈殿させた。50mLの血清学的ピペットを使用して、マイクロキャリア−TrypLE Select溶液を、〜10回ピペットで上下に撹拌し、残りの付着細胞をマイクロキャリアから分離させた。ついで、250mLのPBSをスピナーフラスコに加え、マイクロキャリアを重力により沈殿させた。細胞を含む上澄みを、ピペット採取を繰り返して集め、5mLのFBSを予め入れた、チューブ開口部に100μmフィルターユニットを挿入した複数の円錐チューブに移した。チューブを、300rcfで5分間遠心分離処理し、上澄みを取り、細胞を増殖培地に再懸濁した。
「HILLEX IIマイクロキャリアに付着した細胞の収穫」。500mLのスピナーフラスコをスピナープレートから取り外し、細胞が付着したマイクロキャリアを重力によって沈殿させた。培地の上澄みを吸引により除去した。500mLのPBSをスピナーフラスコに加え、マイクロキャリアを重力によって沈殿させた。100mLのTrypLE Selectをスピナーフラスコに添加した。ついで、スピナーフラスコを、10分間、60rpmで、スピナープレート上でインキュベートした。スピナーフラスコをスピナープレートから取り外し、マイクロキャリアを重力によって沈殿させた。25mLの血清学的ピペットを使用して、マイクロキャリア−TrypLE Select溶液を、〜10回ピペットで上下に撹拌し、残りの付着細胞をマイクロキャリアから分離させた。細胞が含まれる上澄みを、ピペット採取を繰り返して集め、5mLのFBSを予め入れた、100μmフィルターユニットをチューブ開口部に挿入した複数の円錐チューブに移した。チューブを、300rcfで5分間遠心分離処理し、上澄みを取り、細胞を増殖培地に再懸濁した。
「生存能力染色法」。培地とマイクロキャリアとの1mLのアリコートを、15mLの円錐チューブへ移し、マイクロキャリアを重力によって分離した。培地を吸引によって除去し、1mLのLive/Dead染色溶液(Molecular Probes社、カタログ番号L3224)と入れ替え、37℃で15分インキュベートした。インキュベーション後、20μLのアリコートを、ガラス製の顕微鏡スライドに塗布し、蛍光顕微鏡法によって観察した。生細胞は緑に染まる。顕微鏡視野を、マニュアル分析し、マイクロキャリアに付着した生細胞の分布を評価した。少なくとも三つの顕微鏡視野を評価し、生細胞の大体のパーセンテージをカウントした。
「培養中の細胞のカウント−核放出評価」。同種のマイクロキャリア懸濁体の5mL(100mLのスピナーフラスコ)または10mL(500mLのスピナーフラスコ)のアリコートを、スピナーフラスコ容器から得、15mLのチューブへ移した。マイクロキャリアを重力分離させ、上澄みを吸引によって取り除いた。マイクロキャリアを、10mLのPBSで一回洗浄し、マイクロキャリアを重力によって分離し、PBSの上澄みを吸引によって除去した。マイクロキャリアを、核放出溶液(0.1%w/vのクリスタルバイオレット(Sigma-, St. Louis、ミズーリ州)を含有する0.1Mのクエン酸(Sigma-, St. Louis、ミズーリ州))中、37℃で1時間インキュベートした。インキュベーション後、核放出溶液を含むマイクロキャリアの100μLのアリコートを100μLのPBSに加えた。ついで、この溶液の10μLのアリコートを血球計数器に入れ、放出した核をカウントした。
「培養中の細胞のカウント−TrpLE評価」。同種のマイクロキャリア懸濁体の5mL(100mLのスピナーフラスコ)または10mL(500mLのスピナーフラスコ)のアリコートを、スピナーフラスコ容器から得、15mLのチューブへ移した。マイクロキャリアを重力分離させ、上澄みを吸引によって取り除いた。マイクロキャリアを、10mLのPBSで一回洗浄し、マイクロキャリアを重力によって分離し、PBSの上澄みを吸引によって除去した。マイクロキャリアを、trypLE select中、37℃で10分間インキュベートした。インキュベーション後、5mLのPBSを加え、マイクロキャリアを重力によって分離した。細胞を含む上澄みを、ピペット吸引を繰り返すことにより集め、1mLのFBSを予め入れた複数の円錐チューブへ移した。チューブを300rcfで5分間遠心分離処理し、上澄みを取り、細胞を増殖培地で再懸濁させ、アリコートを用い、Guava PCA器具(Guava Technologies社、Haywood、カリフォルニア州)を使用して細胞カウントを決定した。
「静置T−フラスコ培養」。hUTCの低温保存した小びんを解凍し、洗浄し、増殖培地に再懸濁した。細胞は、US2004877012Aに記載された方法を使用して、複数継代に渡って、T225で静置培養した。
「フローサイトメトリ−」。US2004877012Aに記載された方法を使用して、Becton-Dickinson社のFACSCalibur器具(Becton Dickinson社、San Jose、カリフォルニア州)を用いてフローサイトメトリ−により、収穫したhUTCを分析し、細胞表面マーカープロフィールを決定した。全ての抗体は、BD PharMingen社(San Diego、カリフォルニア州)から購入した。
(結果)
Figure 2010508851
Figure 2010508851
Figure 2010508851
Figure 2010508851
Figure 2010508851
Figure 2010508851
集団倍加数12.8で低温保存されたhUTC分離株120304を解凍し、Cytodex 1およびHILLEX IIマイクロキャリア上で、集団倍加数をそれぞれ28.6と28.7とに拡大できた。集団倍加あたりの時間は、継代間で一致しており、安定した対数関数的増殖を示した。また、Tフラスコでの増殖反応速度と一致していた。集団倍加数22.6で低温保存されたhUTC分離株CNTO 2476を解凍し、Cytodex 1およびHILLEX IIマイクロキャリア上で、集団倍加数をそれぞれ33.2と31.0とに拡大できた。集団倍加あたりの時間は、継代間で一致しており、安定した対数関数的増殖を示した。また、Tフラスコでの増殖反応速度とも一致していた。集団倍加あたりの全ての時間データ点のワンウエーANOAによる統計分析は、テストされた全ての条件について、hUTC増殖反応速度に有意差がないことを示している(p=0.988)。また、最終的な収穫における細胞表面タンパク質の発現は、テストされる全ての条件について、一致していた。このデータは、細胞表面のタンパク質表現型を維持する、安定し、一貫したやり方で、マイクロキャリア上約30回の集団倍加数まで拡大するhUTCの能力を証明するものであった。このモデルシステムは、細胞療法用途のためのhUTCの大規模な生産のためにスケールアップし得るものである。
〔実施例12〕
{3Lのバイオリアクター中のCytodex 1マイクロキャリア上でのhUTCの拡大}
本研究の目標は、ベンチスケールのバイオリアクターでCytodex 1マイクロキャリアに付着したヒトの臍帯組織由来の細胞(hUTC)を複数の集団倍加に渡って拡大させるものであった。ベンチスケールのバイオリアクターで、複数の集団倍加に渡ってCytodex 1上でhUTCを拡大させる能力は、細胞療法用途におけるhUTCの大規模な生産へのスケールアップのためのモデルバイオプロセシングシステムに役立つものである。500mLのスピナーフラスコ中Cytodex 1マイクロキャリア上で約70%の密集度に拡大された、hUTC分離株CNTO 2476を用いて、更なる培地とCytodex 1マイクロキャリアとを入れた3Lのバイオリアクターに接種した。細胞を、バイオリアクターで6日間培養し、3日目のアリコートを取って、途中(mid-run)の細胞カウントを計算した。
hUTCは、6日間で、約3回の集団倍加数を達成した。システムのpHは、CO空気で覆い、スパージなしで、うまく7.0に維持された。システムのDOは、酸素空気で覆い、スパージなしで、40%にうまく維持された。0日目から3日目までの培養体の繁殖は、安定した対数関数的増殖を示した。4日目から6日目に見られた繁殖速度の減少は、恐らく、細胞量が多くなったことにより培地中の栄養分(すなわち、ブドウ糖)が使い尽くされたためであろう。
このデータは、ベンチスケールバイオリアクター中Cytodex 1上で拡大されるhUTCの能力を示すものである。このモデルバイオプロセシングシステムは、細胞療法用途のためのhUTCの大規模な生産のためにスケールアップし得るものである。
本研究の目標は、ベンチスケールのバイオリアクターでCytodex 1マイクロキャリアに付着したヒトの臍帯組織由来の細胞(hUTC)を複数の集団倍加に渡って拡大させるものであった。ベンチスケールのバイオリアクターで、複数の集団倍加に渡って、Cytodex 1上、hUTCを拡大させる能力は、細胞療法用途のためのhUTCの大規模な生産のためにスケールアップされるモデルバイオプロセシングシステムに役立つものである。500mLのスピナーフラスコ中Cytodex 1マイクロキャリア上で約70%の密集度に拡大されたhUTC分離株CNTO 2476を用いて、更なる培地とCytodex 1マイクロキャリアとを入れた3Lのバイオリアクターに接種した。細胞は、バイオリアクターで6日間培養し、3日目のアリコートを取って、途中(mid-run)の細胞カウントを計算した。
(材料と方法)
「細胞」。拡大したヒトの臍の緒組織細胞(hUTC)の低温保存した分離株CNTO 2476ロット25126078PD7を使用した。
「増殖培地」。DulbeccoのModified Eagles培地(DMEM)−低ブドウ糖、フェノールレッドなし(Gibco- Grand Island、ニューヨーク州)、15%のウシの胎児の血清(FBS)(HyClone- Logan、ユタ州)、4.0mM GlutaMAX(Gibco- Grand Island、ニューヨーク州)。
「収穫試薬」。1x TrypLE Select(Gibco- Grand Island、ニューヨーク州)、10x TrypLE Select(Gibco; Grand Island、ニューヨーク州)。
「マイクロキャリア」。Cytodex 1(GE Healthcare Life Sciences社、Piscataway、ニュージャージー州)マイクロキャリアを、PBSで少なくとも30分間水和し、オートクレーブ処理した。Cytodex 1マイクロキャリアは、3g/Lの濃度で使用された。
「バイオリアクター」。B−DCUコントローラ(Sartorius BBI、Bethlehem、ペンシルベニア州)付きの、3Lのジャケット付きバイオリアクター(Applikon, Inc.、Foster City、カリフォルニア州)。
「バイオリアクター培養」。500mLのスピナーフラスコから得た、約70%の密集度で細胞を付着させた1.5gのマイクロキャリアを、7.5gのCytodex 1および約2Lの増殖培地を入れた3Lのバイオリアクターに、無菌的に移した。ついで、更なる増殖培地を加え、3Lの最終的な量にした。
「バイオリアクターの設定」。バイオリアクターインペラーは、65RPMであった。pHの設定点を7.0にし、CO添加により調整した。溶存酸素(DO)は、100%から40%のDO設定点まで減少するに委せ、酸素添加によって維持した。空気の覆いは、25−250ccmに設定し、スパージは用いなかった。
「Cytodex 1マイクロキャリアに付着した細胞の収穫」。バイオリアクターインペラーをオフにして、細胞が付着したマイクロキャリアを重力によって沈殿させた。沈殿したマイクロキャリア上方に置いたディップチューブを通して、培地の上澄みを、ポンプにより排出した。バイオリアクターに、3LのPBSをポンプで送りこみ、マイクロキャリアを重力によって沈殿させた。PBSの上澄みを、沈殿したマイクロキャリア上方に置いたディップチューブを通して、ポンプにより排出した。3LのDMEM−低ブドウ糖をバイオリアクターにポンプで送り込んだ。バイオリアクターインペラーを、30分間、65rpmでオンにした。ついで、インペラーをオフにし、マイクロキャリアを重力によって沈殿させた。DMEM−低ブドウ糖の上澄みを、沈殿したマイクロキャリア上方に置いたディップチューブを通してポンプで取り出した。次いで、3LのPBSをバイオリアクターにポンプで入れた。バイオリアクターインペラーを、20分間、65rpmでオンにした。ついで、インペラーをオフにし、マイクロキャリアを重力によって沈殿させた。PBSの上澄みを、沈殿したマイクロキャリア上方に置いたディップチューブを通してポンプで取り出した。ついで、1Lの1xTrypLE Selectと50mLの10xTrypLE Selectとをバイオリアクター中にポンプで送りんだ。バイオリアクターインペラーを、20分間、65rpmでオンにした。インペラーをオフにし、マイクロキャリアを重力により沈殿させた。細胞を含む上澄みを、沈殿したマイクロキャリア上方に置いたディップチューブを通して、少量のFBSを予め入れた移動容器中に、ポンプで取り出した。ついで、1.5LのPBSをポンプでバイオリアクターに入れ、残余の細胞を再懸濁した。細胞を含む上澄みを、沈殿したマイクロキャリア上方に置いたディップチューブを通して、FBSを予め入れた移動容器中に、ポンプで取り出した。全ての細胞を含む上澄みを、複数の500mL円錐チューブへ移した。チューブを、300rcfで5分間遠心分離処理し、上澄みを取り、細胞を、増殖培地に再懸濁し、細胞カウントのためのアリコートを得た。
「培養中の細胞のカウント−核放出評価」。同種のマイクロキャリア懸濁体のアリコートをスピナーフラスコ容器から得、15mLのチューブへ移した。マイクロキャリアを重力分離させ、上澄みを吸引によって取り除いた。マイクロキャリアを、10mLのPBSで一回洗浄し、マイクロキャリアを重力によって分離し、PBSの上澄みを吸引によって除去した。マイクロキャリアを、核放出溶液(0.1%w/vのクリスタルバイオレット(Sigma-, St. Louis、ミズーリ州)を含有する0.1Mのクエン酸(Sigma-, St. Louis、ミズーリ州))中、37℃で1時間インキュベートした。インキュベーション後、核放出溶液を含むマイクロキャリアの100μLのアリコートを100μLのPBSに加えた。ついで、この溶液の10μLのアリコートを血球計数器に入れ、放出した核をカウントした。
(結果)
Figure 2010508851
1.5gのCytodex 1に70%の密集度で付着したhUTC分離株CNTO 2476を用いて3Lのバイオリアクターに接種した。システムのpHは、CO空気で覆い、スパージなしで、うまく7.0に維持された。システムのDOは、酸素空気で覆い、スパージなしで、40%にうまく維持された。hUTCは、6日間で約3回の集団増殖を達成した。0日目から3日目までの培養体の繁殖は、安定した対数関数的増殖を示した。4日目から6日目に見られた繁殖速度の減少は、恐らく、細胞量が多くなったことにより培地中の栄養分(すなわち、ブドウ糖)が使い尽くされたためであろう。
このデータは、ベンチスケールのバイオリアクター中Cytodex 1上で拡大するhUTCの能力を証明するものである。このモデルバイオプロセシングシステムは、細胞療法用途のためのhUTCの大規模な生産のためにスケールアップし得るものである。

Claims (30)

  1. 足場依存性産褥細胞を培養する方法において、
    少なくとも一つの足場依存性産褥細胞を提供することと、
    前記産褥細胞を増殖させるための細胞増殖培地を提供することと、
    前記足場依存性産褥細胞の付着のための少なくとも一つのキャリア粒子を提供することと、
    前記細胞の付着と増殖とを許容する条件下で前記増殖培地の存在下、前記足場依存性産褥細胞を前記キャリア粒子に接触させ、これによって、前記足場依存性産褥細胞を培養することと、
    を含む、方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、
    前記細胞が臍帯由来の細胞である、方法。
  3. 請求項1に記載の方法において、
    前記細胞が胎盤由来の細胞である、方法。
  4. 請求項1に記載の方法において、
    前記キャリア粒子が生物活性剤を含む、方法。
  5. 請求項1に記載の方法において、
    前記足場依存性産褥細胞と共培養される第二の細胞型を更に含む、方法。
  6. 請求項1に記載の方法において、
    前記キャリア粒子がマイクロキャリアである、方法。
  7. 請求項6に記載の方法において、
    前記マイクロキャリアが、コラーゲン、デキストラン、セルロース、ガラス、セラミック、金属、ポリスチレン、ポリ(モノステアロイルグリセリド・コ−コハク酸)、ポリ−D,L−ラクチド−コ−グリコリドおよびヒアルロン酸ナトリウムからなる群から選ばれる材料を含む、方法。
  8. 請求項6に記載の方法において、
    前記マイクロキャリアがタンパク質を含まない、方法。
  9. 請求項6に記載の方法において、
    前記マイクロキャリアが、ポリ(モノステアロイルグリセリド・コ−コハク酸)、ポリ−D,L−ラクチド−コ−グリコリド、ヒアルロン酸ナトリウム、フィブロネクチン、ラミニン、エラスチン、リジン、n−イソプロピルアクリルアミド、ビトロネクチンまたはコラーゲンで被覆されている、方法。
  10. 請求項6に記載の方法において、
    前記マイクロキャリアが、肌理のある表面またはプラズマ被覆された表面を含む、方法。
  11. 請求項6に記載の方法において、
    前記マイクロキャリアが、微少電流を有するか、または常磁性である、方法。
  12. 請求項1に記載の方法において、
    前記キャリア粒子が多孔性マイクロキャリアである、方法。
  13. 請求項12に記載の方法において、
    前記多孔性マイクロキャリアが、コラーゲン、デキストラン、セルロース、ガラス、セラミック、金属、ポリスチレン、ポリ(モノステアロイルグリセリド・コ−コハク酸)、ポリ−D,L−ラクチド−コ−グリコリドおよびヒアルロン酸ナトリウムからなる群から選ばれる材料を含む、方法。
  14. 請求項12に記載の方法において、
    前記多孔性マイクロキャリアがタンパク質を含まない、方法。
  15. 請求項12に記載の方法において、
    前記多孔性マイクロキャリアが、ポリ(モノステアロイルグリセリド・コ−コハク酸)、ポリ−D,L−ラクチド−コ−グリコリド、ヒアルロン酸ナトリウム、フィブロネクチン、ラミニン、エラスチン、リジン、n−イソプロピルアクリルアミド、ビトロネクチンまたはコラーゲンで被覆されている、方法。
  16. 請求項1121に記載の方法において、
    前記多孔性マイクロキャリアが、肌理のある表面またはプラズマ被覆された表面を含む、方法。
  17. 請求項1に記載の方法において、
    前記細胞が、CD10、CD13、CD31、CD34、CD44、CD45、CD73、CD90、CD117、CD141、PDGFr−α、HLA−A、HLA−B、HLA−C、HLA−DR、HLA−DPおよびHLA−DQのうちの一つ以上のマーカーについての静置培養で増殖した細胞と表現型が同一である、方法。
  18. 請求項17に記載の方法において、
    前記細胞が、CD10、CD13、CD31、CD34、CD44、CD45、CD73、CD90、CD117、CD141、PDGFr−α、HLA−A、HLA−B、HLA−C、HLA−DR、HLA−DPおよびHLA−DQのマーカーのそれぞれについての静置培養で増殖した細胞と表現型が同一である、方法。
  19. 請求項18に記載の方法において、
    前記細胞の表現型が、CD10+、CD13+、CD31−、CD34−、CD44+、CD45−、CD73+、CD90+、CD117−、CD141−、PDGFr−α+、HLA−A+、HLA−B+、HLA−C+、HLA−DR−、HLA−DP−およびHLA−DQ−、を含む、方法。
  20. 請求項1に記載の方法において、
    約20日で少なくとも約5回の集団倍加数をもたらす、方法。
  21. 請求項1に記載の方法において、
    集団倍加時間が約100時間未満である、方法。
  22. 請求項21に記載の方法において、
    前記集団倍加時間が約70時間未満である、方法。
  23. 請求項1に記載の方法において、
    前記足場依存性産褥細胞の付着と増殖とを許容する条件が、約37℃の温度を含む、方法。
  24. 請求項23に記載の方法において、
    前記条件が、スピナーフラスコまたはバイオリアクターを更に含む、方法。
  25. 請求項1に記載の方法において、
    前記細胞増殖培地が、約7〜約15%の血清濃度を含む、方法。
  26. 組成物において、
    請求項1に記載の方法に従って増殖した産褥由来の細胞を含む、組成物。
  27. 請求項26に記載の組成物において、
    前記細胞の表現型が、CD10+、CD13+、CD31−、CD34−、CD44+、CD45−、CD73+、CD90+、CD117−、CD141−、PDGFr−α+、HLA−A+、HLA−B+、HLA−C+、HLA−DR−、HLA−DP−およびHLA−DQ−を含む、組成物。
  28. バイオリアクターにおいて、
    請求項26に記載の細胞を含む、バイオリアクター。
  29. 細胞療法のための組成物において、
    請求項26に記載の細胞を含む、細胞療法のための組成物。
  30. 組成物において、
    請求項6に記載の方法に従って増殖したヒトの臍帯組織に由来する細胞を含む、組成物。
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