JP2010505470A - 接合二重バルーンカテーテル - Google Patents

Abstract

カテーテルの製造方法は内側バルーンを個別の外側バルーン内に組み立てる工程を含む。内側バルーン及び外側バルーンはそれぞれ長手方向における対向する端部にて開放され、中央の径方向に膨張可能な部分、並びにバルーンの長手方向における対向する端部に小径の基端部及び末端部を有する。方法は外側バルーンの基端部の内側表面の一部を内側バルーンの基端部の外側表面の一部に接合させる工程と、接合した内側バルーン及び外側バルーンの基端部に長尺状カテーテルシャフトの末端部を接合させる工程とを更に含む。

Description

本発明は接合された二重バルーンを備えるカテーテルに関する。

多数の深刻な治療の状態が、患者の体内の治療部位に到達するように設計された様々な種類のカテーテルを使用して侵襲性を最小限に抑えた方法により処置される。これらの治療の状態の一つとして心房細動が挙げられる。心房細動は心臓内の異常な電気活動により引き起こされる深刻な治療の状態である。この異常な電気活動は様々な心臓の病巣に起因し、心臓が血液を送る能率を減少させる。これらの病巣のいくつかは左心房の肺静脈に存在すると思われる。更に、心房細動は異常な電気活動の病巣における組織や病巣の近傍の組織を構造的に取り除いたり切除したりすることにより減少されるか、制御されるものと思われる。

凍結療法、即ち身体組織の冷却により、心臓の組織及び肺静脈を切除して心房細動を制御する１つの方法として挙げられる。凍結療法の器具は凍結療法のカテーテルにより患者の心臓内及び循環器系内の適切な治療部位に搬送される。凍結療法のカテーテルは、内部に冷却室を有する膨張可能なバルーン等の治療部材を末端部に備える。凍結療法の薬剤は凍結療法のカテーテルの基端部における患者の体外の源により供給され、放出される冷却室に長尺部材の管腔を通じて末端側に搬送される。凍結療法の薬剤の放出により室が冷却され、これにより組織と接触するバルーンの外側表面は切除を実施する。凍結療法の薬剤は長尺部材の排出ルーメンを通じて患者の体外の容器へと基端側に排出される。

本発明の課題は心臓の組織及び肺静脈を切除して心房細動を制御すべく凍結療法において使用される接合二重バルーンを備えるカテーテルを提供することにある。

実施例において、カテーテルの製造方法は内側バルーンを個別の外側バルーン内に組み立てる工程を含む。内側バルーン及び外側バルーンはそれぞれ長手方向における対向する端部にて開放され、中央の径方向に膨張可能な部分、並びにバルーンの長手方向における対向する端部に小径の基端部及び末端部を有する。方法は外側バルーンの基端部の内側表面の一部を内側バルーンの基端部の外側表面の一部に接合させる工程と、接合した内側バルーン及び外側バルーンの基端部に長尺状カテーテルシャフトの末端部を接合させる工程とを更に含む。

実施例において、カテーテルは凍結療法を施すカテーテルである。方法は、内側表面及び外側表面の間に長尺状管腔構造体を配置する工程を更に含み、内側表面及び外側表面の接合工程は内側表面及び外側表面の間の長尺状管腔構造体を使用して実施される。接合した内側バルーン及び外側バルーンに末端部を接合させる工程は、外側バルーンの小径の基端部の内側表面を、長尺状カテーテルシャフトの末端部の外側表面の一部に接合させる工程を含む。長尺状カテーテルシャフトは管状構造体を含む。方法は長尺状ガイドワイヤルーメン構造体及び低温流体搬送器具からなるアセンブリを長尺状カテーテルシャフト及び内側バルーンの内側の室内に案内する工程と、アセンブリを長尺状カテーテルシャフト及び内側バルーン及び外側バルーンのうち少なくともいずれか１つに接合させる工程とを更に含む。

内側表面の一部を外側表面の一部に接合させる工程は、内側バルーンの小径の基端部内の通路を通過して延びる堅固な長尺状にして、且つ円筒状の構造体を使用して実施され、これにより通路は接合工程において圧壊されない。実施例において、堅固な長尺状にして、且つ円筒状の構造体はマンドレルである。接合工程は外側バルーンの小径の基端部の外側表面に圧力を作用させる工程を含む。

実施例において、カテーテルは外側バルーン内に個別の内側バルーンを含むバルーンアセンブリを含む。内側バルーン及び外側バルーンはそれぞれ中央の径方向に膨張可能な部分、並びにバルーンの長手方向における対向する端部に小径の基端部及び末端部を有する。外側バルーンの小径の基端部の内側表面の一部は内側バルーンの小径の基端部の外側表面の一部に接合される。カテーテルはバルーンアセンブリの基端部に接合される末端部を有する長尺状カテーテルシャフトを備える。外側バルーンの小径の末端部の内側表面の一部は内側バルーンの小径の末端部の外側表面の一部に接合される。

カテーテルは内側バルーン内に設けられる低温流体搬送器具を更に備える。カテーテルはガイドワイヤルーメンを更に備える。カテーテルは、長尺状カテーテルシャフトを通じて延びてバルーンアセンブリの内側の室と連通する排出ルーメンを更に備える。実施例において排出ルーメンは内側バルーン及び外側バルーンの間の室と連通する。カテーテルは内側バルーンを通過して延びるガイドワイヤルーメンを更に備える。

実施例において、凍結療法のカテーテルの製造方法は内側バルーンを個別の外側バルーン内に組み立てる工程を含む。内側バルーン及び外側バルーンはそれぞれ長手方向における対向する端部にて開放され、中央の径方向に膨張可能な部分、並びにバルーンの長手方向における対向する端部に小径の基端部及び末端部を有する。方法は、外側バルーンの内側表面を、小径の基端部及び末端部のうち少なくともいずれか１つにて、内側バルーンの小径の基端部及び末端部のうち対応するものに接合させる工程と、接合した内側バルーン及び外側バルーンの基端部に長尺状カテーテルシャフトの末端部を接合させる工程と、長尺状ガイドワイヤルーメン構造体及び低温流体搬送器具からなるアセンブリを長尺状カテーテルシャフト及び内側バルーン内に案内する工程とを更に含む。

外側バルーンの内側表面を内側バルーンの外側表面に接合させる工程は内側表面を外側表面にレーザー接着させる工程を含む。方法は、小径の末端部をシールし、小径の末端部をアセンブリに接合させるべく内側バルーンの小径の末端部にプラグを付加する工程を更に含む。方法は、内側表面及び外側表面の間に長尺状管腔構造体を配置する工程を更に含み、内側表面及び外側表面の接合工程は内側表面及び外側表面の間の長尺状管腔構造体を使用して実施される。

二重バルーンアセンブリを形成すべく組み合わされる内側バルーン及び外側バルーンを示す図。 図１に示す２つのバルーンの組み合わせにより形成されたバルーンアセンブリを示す図。 図１に示す２つのバルーンの組み合わせにより形成されたバルーンアセンブリの別例を示す図。 内側バルーン及び外側バルーンの間の接合の例を詳細に示す断面図。 内側バルーン及び外側バルーンの間の接合の例を付加的に詳細に示す断面図。 カテーテルの長尺状シャフトに接合されたバルーンアセンブリを示す図。 カテーテルの例の付加的な要素を示す図。 二重バルーンカテーテル器具の例を示す図。

複数の実施例の詳細は、添付の図面及び以下の明細書において示される。本発明の他の特徴、課題、効果は、実施例に関する記載および特許請求の範囲から明らかになるであろう。

各図面において類似する符号は、類似する要素を示すものである。
図１は二重バルーンカテーテルの製造工程の例の一部を示す図である。工程は２つのバルーン、即ち内側バルーン１０１Ａ及び個別の外側バルーン１０１Ｂから始まる。図１に２つのバルーン１０１Ａ及び１０１Ｂの長尺方向における断面を示す。各バルーン１０１Ａ及び１０１Ｂは長尺方向において開放された対向する端部１０４Ａ乃至１０４Ｄ、並びに中央の径方向に膨張可能な部分１０７Ａ及び１０７Ｂを有する。各バルーンは更に小径の基端部１１０Ａ及び１１０Ｂ（即ち、首部）と、小径の末端部１１３Ａ及び１１３Ｂと、内側表面１１４Ａ及び１１４Ｂと、外側表面１１５Ａ及び１１５Ｂとを有する。

図１の矢印によって示すように、内側バルーン１０１Ａが外側バルーン１０１Ｂ内に挿入され、図２に示すバルーンアセンブリ１０２を形成する。実施例において、内側バルーン１０１Ａは少なくとも部分的に収縮されるか径方向に圧縮され、外側バルーン１０１Ｂは少なくとも部分的に膨張されるか径方向に拡張される。外側バルーン１０１Ｂはその小径の基端部１１０Ｂ及び末端部１１３Ｂのうち少なくともいずれか一方により製造設備（図示しない）に固定される。

内側バルーン１０１Ａは外側バルーン１０１Ｂ内に容易に挿入できるように図２に示すマンドレル１１７等の別の製造設備に一時的に固定される。実施例において、内側バルーン１０１Ａは捻りにより径方向に圧縮される。例えば、小径の末端部１１３Ａは製造設備により小径の基端部１１０Ａに対して捻られる。別例においてマンドレル１１７等の堅固なガイドは小径の基端部１１０Ａ及び末端部１１３Ａをシール可能であり、マンドレル１１７は内側バルーン１０１Ａの中央の径方向膨張可能部分１０７Ａを径方向に圧縮する圧力源（図２に示す）を備える。

図２は内側バルーン１０１Ａを外側バルーン１０１Ｂ内に挿入することにより形成されるバルーンアセンブリ１０２の例を示す。図示のように内側バルーン１０１Ａの中央の径方向膨張可能部分１０７Ａは、再拡張は必要ないものの少なくとも部分的に再拡張される。内側バルーン１０１Ａを再拡張するために、例示のマンドレル１１７は、中央の径方向膨張可能部分１０７Ａを圧縮すべく真空に引くこと、及び径方向膨張可能部分１０７Ａを膨張させるべく圧力を作用させることの両方に機能する圧力源を備える。圧力源はマンドレルルーメン１１９及びマンドレル口１２１を通じて内側バルーンの内部に固定可能である。これに代えて、マンドレル１１７は本体部１２７に対して回動する末端側先端部１２４を有し、末端側先端部１２４が内側バルーン１０１Ａを捻ること、及び径方向に圧縮することの両方のために、或いは内側バルーン１０１Ａの捻りをほどくこと、及び内側バルーン１０１Ａを径方向に膨張することの両方のために回動されてもよい。

内側バルーン１０１Ａが外側バルーンの１０１Ｂの内側に位置されると、バルーン１０１Ａ及び１０１Ｂは接合され、バルーンアセンブリ１０２を形成する。実施例において、小径の基端部１１０Ａ及び１１０Ｂ、並びに小径の末端部１１３Ａ及び１１３Ｂのいずれか一方又は両者は、外側バルーン１０１Ｂの外側表面１１５Ａに（例えば挾持具１３０Ａや１３０Ｂを使用して）圧力を作用させることにより接合される。これにより外側バルーン１０１Ｂの小径の部分１１０Ｂや１１３Ｂは内側バルーン１０１Ａの対応する小径の部分１１０Ａや１１３Ａと接触する。

２つのバルーン１０１Ａ及び１０１Ｂが接触した後に、これらは接着剤を使用して、或いは熱エネルギーを作用させることにより接合される。実施例において熱エネルギーは例えばマンドレル１１７及び挾持具１３０Ｂのうち少なくともいずれか一方の内部の加熱要素１３３によって直接作用される。実施例において、熱エネルギーは例えば挾持具１３０Ａ中のチャネル１３９を通じてレーザー源１３６によって作用され、内側バルーン１０１Ａ及び外側バルーン１０１Ｂをレーザー接着する。

図３に示すように実施例において、真空ルーメン１４２が内側バルーン１０１Ａと外側バルーン１０１Ｂとの間に配置され、続いてバルーン１０１Ａ及び１０１Ｂが真空ルーメン１４２の周囲にて接着される。対応するバルーンカテーテルの操作において、真空ルーメン１４２は内側バルーン１０１Ａによって画定される室１４４から液体やガスを逃がす１つの手段となる。例えば凍結療法のカテーテルの例において、真空ルーメン１４２は内側バルーン１０１Ａが破裂した場合にバルーンアセンブリから凍結療法の流体を逃がすために使用可能である。

更に真空ルーメン１４２により内側バルーン１０１Ａ及び外側バルーン１０１Ｂの間の空隙が容易に制御できるようになる。例えば真空源が外側バルーン１０１Ｂを内側バルーン１０１Ａに対して引くために真空ルーメン１４２に取り付けられてもよく、或いは圧力源が外側バルーン１０１Ｂを内側バルーン１０１Ａから離間させるために取り付けられてもよい。凍結療法のカテーテルの例において、内側バルーン１０１Ａ及び外側バルーン１０１Ｂの間の空隙を調整することにより、外側バルーン１０１Ｂの外側表面１１５Ａの温度を間接的に制御できる効果が得られる。

実施例において内側バルーン１０１Ａ及び外側バルーン１０１Ｂは図２に示したものと類似の方法により真空ルーメン１４２の周囲にて接合される。即ち、外側バルーン１０１Ｂの小径の基端部１１０Ｂを真空ルーメン１４２の外面により内側バルーン１０１Ａの対応する小径の基端部１１０Ａに接触させる。内側バルーン１０１Ａ及び外側バルーン１０１Ｂは（例えば、接着剤や熱接合やレーザー接着により）接合される。接合工程により、内側バルーン１０１Ａ及び外側バルーン１０１Ｂは対応する小径の部分１１０Ａ及び１１０Ｂ（又は１１３Ａ及び１１３Ｂ）の周囲にて完全に接合されシールされる。

図４Ａは内側バルーン（「内側バルーン１０１Ａ」）の小径の部分と、外側バルーン（「外側バルーン１０１Ｂ」）の対応する小径の部分との間の接合の例を付加的に詳細に示す断面図である。図４Ａに示すように、真空ルーメン１４２は内側バルーン１０１Ａ及び外側バルーン１０１Ｂの間に設けられる。別例において真空ルーメンは取り除かれる。２つの接合方法が図４Ａに示される。第１の方法において、マンドレル１１７及び挾持具１３０Ｂのうち少なくともいずれか一方の中の加熱要素１３３は内側バルーン１０１Ａ及び外側バルーン１０１Ｂが接合するように内側バルーン１０１Ａ及び外側バルーン１０１Ｂの材料を軟化させるか溶融させる熱エネルギーを作用させる。第２の方法において、レーザー源１３６は内側バルーン１０１Ａ及び外側バルーン１０１Ｂが接合するように内側バルーン１０１Ａ及び外側バルーン１０１Ｂに対して熱エネルギーを作用させる。特にレーザーエネルギーは挾持具１３０Ａ中のチャネル１３９を通じて伝播される。

実施例において内側バルーン１０１Ａ及び外側バルーン１０１Ｂの材料は、レーザーエネルギーの多くが外側バルーン１０１Ｂを通過しレーザーエネルギーの略全てが内側バルーン１０１Ａに吸収されるように選択される。これにより外側バルーン１０１Ｂの内側表面１１４及び内側バルーン１０１Ａの外側表面１１５Ａにて熱が生じ、バルーン１０１Ａ及び１０１Ｂは接合する。

実施例において挾持具１３０Ａ，１３０Ｂ，１３０Ｃが図示のように区分され、略全ての環境において外側バルーン１０１Ｂに圧力を作用させることができ、径方向に容易に拡張させ圧縮させる。実施例においてその他の技術が使用され、外側バルーン１０１Ｂを内側バルーン１０１Ａに接触させる。例えば実施例において、バルーン１０１Ａ及び１０１Ｂを接触させるべく真空源や圧力源が使用可能である。

図４Ｂはバルーンアセンブリ１０２の長手方向断面を示す図である。図示のように小径の基端部１１０Ａ及び１１０Ｂは接合され、小径の末端部１１３Ａ及び１１３Ｂは接合されていない。実施例において、小径の部分１１０Ａ及び１１０Ｂ、並びに１１３Ａ及び１１３Ｂが接合される。別例において、小径の末端部１１３Ａ及び１１３Ｂが（製造工程におけるこの段階において）接合される。

内側バルーン１０１Ａを外側バルーン１０１Ｂに、対応する小径の基端部１１０Ａ及び１１０Ｂ並びに小径の末端部１１３Ａ及び１１３Ｂのうち少なくともいずれか一方又は両者にて接合させることにより、バルーンアセンブリ１０２が形成された後に、図５に示すようにバルーンアセンブリ１０２は長尺状カテーテルシャフト１４６に連結される。

実施例においてバルーンアセンブリ１０２は、バルーン１０１Ａ及び１０１Ｂが接合される方法と類似の方法により長尺状カテーテルシャフト１４６に連結される。例えばバルーンアセンブリ１０２は挾持具１４８により長尺状カテーテルシャフト１４６に対して固定される。固定されると、レーザー源１３６がバルーンアセンブリ１０２を長尺状カテーテルシャフト１４６にレーザー接着するために使用される。別例において、バルーンアセンブリ１０２は長尺状カテーテルシャフト１４６に接着剤の使用により、或いは直接熱接合することにより（例えば加熱要素による加熱により）固定されてもよい。

実施例においてマンドレル（図５には図示しない）をバルーンアセンブリ１０２内に挿入することにより、バルーンアセンブリ１０２と長尺状カテーテルシャフト１４６とを容易に連結させる。実施例において、長尺状カテーテルシャフト１４６は、挾持具による圧力に抵抗してマンドレルを使用せずに容易に接合させる堅固な領域１５１を含む。

図６に示すように、その他のカテーテルの要素がバルーンアセンブリ１０２内に挿入されてもよい。例えば、ガイドワイヤルーメン１５４が付加されてもよい。実施例において、組立を容易にするために、ガイドワイヤルーメン１５４は組立後に取り除かれる硬化ワイヤ１５５を備える。「オーバーザワイヤタイプ」ではない操作可能なカテーテルの場合は、ガイドワイヤルーメン１５４を取り外してもよい。

低温流体搬送器具１５７（長手方向の断面図というよりはむしろ三次元図にて示される）が更に付加されてもよい。操作において低温流体が（図７に示す）カテーテルの外部の源から低温流体搬送ルーメン１５９を通じて内側バルーン１０１Ａ内の冷却室１４４に搬送され、ここで外側バルーン１０１Ｂに隣接する組織を冷却すべく放出される。

実施例において低温流体が低温流体搬送ルーメン１５９の渦巻状部から開口部１６２を通じて放出され、ここで冷却室１４４内にて低温流体は気体へと位相変化する（所謂ジュールトムソン効果）。実施例において気体は長尺状カテーテルシャフト１４６の本体により形成される内側管腔である排出ルーメン１６５を通じて放出される。

その他の要素がカテーテルに付加されてもよい。例えば図示のようにカテーテルは圧覚ルーメン１６８を備え、これにより冷却室１４４内の圧力がカテーテルの外部の器具によって検知可能である。熱電対１７１やその他の温度検出器具が更にカテーテルに付加されてもよい。実施例において熱電対１７１は圧覚ルーメン１６８内に一体的に設けられる。実施例において低温流体搬送器具１５７及びガイドワイヤルーメン１５４は予め組み立てられ、１つのアセンブリとしてカテーテルに付加される。

全ての要素がカテーテルに付加されると、カテーテルの端部はシールされ、外側バルーン１０１Ｂの小径の末端部１１３Ｂは内側バルーン１０１Ａの小径の末端部１１３Ａに接合されていない場合は接合される。図６に示すように、内側バルーン１０１Ａ及び外側バルーン１０１Ｂの末端側領域はレーザー接着される。実施例において外側バルーン１０１Ｂ及び内側バルーン１０１Ａの末端部は低温流体搬送器具１５７及びガイドワイヤルーメン１５４のうち少なくともいずれか一方にレーザー接着される。別例において、接着剤による「プラグ」１７４が内側バルーン１０１Ａをガイドワイヤルーメン１５４及び低温流体搬送器具１５７に接合させるために、且つ冷却室１４４の末端部をシールするために使用される。

図７に示す凍結療法のカテーテル７００の例は末端部７０１に膨張可能なバルーンアセンブリ１０２を有する長尺状部材１４６を備える。実施例において上述したように、バルーンアセンブリ１０２は内側の室１４４を有する。内側の室１４４には低温流体が搬送され、これにより内側の室１４４、バルーンアセンブリ１０２の外側表面１１５Ｂ及びこれに隣接する身体の組織を冷却する。ポート器具７０２が長尺状部材１４６の基端部７０４に取り付けられる。ポート器具７０２は低温流体源７０７及び排出容器７１０を含む様々な外部器具と連結する。

カテーテルの長尺状部材１４６は多数の内側ルーメンを有する（図７に図示しない）。内側ルーメンにより、低温流体が外部低温流体源７０７からバルーンアセンブリ１０２の内側の室１４４へと末端側に搬送される。付加的に、低温流体の内側の室１４４への搬送により生じる排出物は長尺状部材１４６の内側ルーメンにより、内側の室１４４から外部排出容器７２０へと基端側に搬送される。処置において、長尺状部材１４６内にて低温流体が末端側に、且つ排出物が基端側に連続して循環し得る。

図７に例示するカテーテル７００はオーバーザワイヤタイプのカテーテルである。このタイプのカテーテルはガイドワイヤ７１２（及び図７には図示しない対応するガイドワイヤルーメン１５４）を使用する。ガイドワイヤ７１２は図示のようにカテーテル７００の末端部７０１から延びる。実施例において、ガイドワイヤ７１２は予め患者の体内に配置されてもよい。ガイドワイヤ７１２が適切に配置されると、（収縮した状態の）バルーンアセンブリ１０２及び長尺状部材１４６がガイドワイヤ７１２上を伝って治療部位に案内される。実施例においてカテーテル７００のガイドワイヤ７１２及びバルーンアセンブリ１０２は患者の体内において治療部位に共に前進されるが、ガイドワイヤ７１２がバルーンアセンブリ１０２を幾分（例えば数インチ）離間して案内する。ガイドワイヤ７１２が治療部位に至ると、バルーンが治療部位に至るまでガイドワイヤ７１２上を伝って前進される。

カテーテル７００は操作部７１６を備え、これにより医師はガイドワイヤ７１２及びバルーンアセンブリ１０２を患者の体を通じて治療部位に案内できる。実施例において低温流体を冷却室１４４内に放出することにより、図７に示すものと同様な形状となるまでバルーンアセンブリ１０２を膨張させる。

別例において圧力源７２４が、低温流体をバルーンアセンブリ１０２の内側の室１４４内に放出することとは独立してバル―ンアセンブリ１０２を膨張させるために使用されてもよい。圧力源７２４は更に、ガイドワイヤ７１２（図示しない）の端部にてアンカー部材を膨張させることに使用されてもよい。カテーテル７００は監視装置７３０を連結するためのコネクタ７２７を備える。監視装置７３０は例えばカテーテル７００の末端部７０１において温度や圧力を監視することに使用されてもよい。カテーテル７００のバルーンアセンブリ１０２を患者の体内に配置することを補助するために、様々なマーカーバンド７３３がカテーテル７００の末端部７０１に設けられてもよい。マーカーバンド７３３はＸ線やその他の撮像技術により目視された場合に不透明である。

実施例においてバルーンアセンブリ１０２のバルーン１０１Ａ及び１０１Ｂは、ポリオレフィン共重合体、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリエーテルブロックアミド、ポリアミド、ポリイミド、ナイロン、ラテックスや、ウレタンを含むポリマーから形成されるが、これらに限定されるものではない。例えば実施例においてバルーンアセンブリ１０２はＰＥＢＡＸ（登録商標）７０３３材料（７０Ｄポリエーテルアミドブロック）を含む。バルーンアセンブリ１０２の個別のバルーン１０１Ａ及び１０１Ｂはポリマー押出物を所望の形状にブロー成形することにより形成される。実施例においてバルーン１０１Ａ及び１０１Ｂのうちいずれか一方、又は両者は、圧力が作用された場合に所望の形状を略越えて弾性的に変形することなく所望の形状に膨張するように設計可能である。

様々な補助工程がバルーン１０１Ａ及び１０１Ｂの材料の特性に作用するように使用されてもよい。例えばポリマー押出物は、ポリマー構造を変性するガンマ線の放射に暴露されてもよく、これによりブロー成形において均一に膨張し、且つ使用の際に付加的な破裂強度を得られる。付加的にバルーン１０１Ａや１０１Ｂは表面特性を変性する低温プラズマ場に暴露されてもよい。これにより接着性能が高まる。当業者はカテーテルとの使用に好適なバルーンアセンブリ１０２を得るために、その他の材料及び製造工程が利用可能であることを認識するだろう。

多数の実施例が開示された。しかしながら開示された実施例の精神及び範囲を逸脱しない限り様々な変形例が可能であることが理解されるだろう。従って、別例もまた、添付の特許請求の範囲に含まれる。

Claims (20)

1. 内側バルーンと外側バルーンがそれぞれ長手方向の対向する端部にて開放され、中央部において径方向に膨張可能な部分と、バルーンの長手方向の対向する端部にて小径の基端部及び末端部とを有し、同内側バルーンを別体の外側バルーン内に組み立てる工程と、
   該外側バルーンの基端部の内側表面の一部を、内側バルーンの基端部の外側表面の一部に接合させる工程と、
   長尺状カテーテルシャフトの末端部を、接合した内側バルーン及び外側バルーンの基端部に接合させる工程とを含むことを特徴とするカテーテルの製造方法。
2. 前記カテーテルは凍結治療を施すカテーテルであることを特徴とする請求項１に記載の方法。
3. 前記内側表面及び外側表面の間に長尺状管腔構造体を配置する工程を更に含み、前記内側表面及び外側表面の接合工程は内側表面及び外側表面の間の長尺状管腔構造体を使用して実施されることを特徴とする請求項１に記載の方法。
4. 前記接合した内側バルーン及び外側バルーンに末端部を接合させる工程は、外側バルーンの基端部の内側表面を、長尺状カテーテルシャフトの末端部の外側表面の一部に接合させる工程を含むことを特徴とする請求項１に記載の方法。
5. 前記長尺状カテーテルシャフトは管状構造体であることを特徴とする請求項１に記載の方法。
6. 長尺状ガイドワイヤルーメン構造体及び低温流体搬送器具からなるアセンブリを該長尺状カテーテルシャフト及び内側バルーンの内側の室内に案内する工程と、同アセンブリを長尺状カテーテルシャフト及び内側バルーン及び外側バルーンのうち少なくともいずれか１つに接合させる工程とを更に含むことを特徴とする請求項１に記載の方法。
7. 前記内側表面の一部を外側表面の一部に接合させる工程は、内側バルーンの基端部内の通路を通過して延びる堅固な長尺状にして、且つ円筒状の構造体を使用して実施され、これにより該通路は接合工程において圧壊されないことを特徴とする請求項１に記載の方法。
8. 前記堅固な長尺状にして、且つ円筒状の構造体はマンドレルであることを特徴とする請求項７に記載の方法。
9. 前記接合工程は外側バルーンの基端部の外側表面に圧力を作用させる工程を含むことを特徴とする請求項７に記載の方法。
10. 外側バルーン内に別体の内側バルーンを含むバルーンアセンブリと、該内側バルーン及び外側バルーンはそれぞれ中央部における径方向に膨張可能な部分、並びにバルーンの長手方向における対向する端部に小径の基端部及び末端部を有し、外側バルーンの基端部の内側表面の一部は内側バルーンの基端部の外側表面の一部に接合されることと、
    該バルーンアセンブリの基端部に接合される末端部を有する長尺状カテーテルシャフトとを備えることを特徴とするカテーテル。
11. 前記内側バルーン内に設けられる低温流体搬送器具を更に備えることを特徴とする請求項１０に記載のカテーテル。
12. ガイドワイヤルーメンを更に備えることを特徴とする請求項１０に記載のカテーテル。
13. 前記長尺状カテーテルシャフトを通じて延び、バルーンアセンブリの内側の室と連通する排出ルーメンを更に備えることを特徴とする請求項１０に記載のカテーテル。
14. 前記排出ルーメンは内側バルーン及び外側バルーンの間の室と連通することを特徴とする請求項１３に記載のカテーテル。
15. 外側バルーンの末端部の内側表面の一部は内側バルーンの末端部の外側表面の一部に接合されることを特徴とする請求項１０に記載のカテーテル。
16. 前記内側バルーンを通じて延びるガイドワイヤルーメンを更に備えることを特徴とする請求項１０に記載のカテーテル。
17. 内側バルーンと外側バルーンがそれぞれ長手方向の対向する端部にて開放され、中央部において径方向に膨張可能な部分と、バルーンの長手方向の対向する端部にて小径の基端部とを有し、同内側バルーンを外側バルーン内に組み立てる工程と、
    該外側バルーンの内側表面を、基端部及び末端部のうち少なくともいずれか１つにて、内側バルーンの基端部及び末端部のうち対応するものに接合させる工程と、
    接合した内側バルーン及び外側バルーンの基端部に長尺状カテーテルシャフトの末端部を接合させる工程と、
    長尺状ガイドワイヤルーメン構造体及び低温流体搬送器具からなるアセンブリを該長尺状カテーテルシャフト及び内側バルーン内に案内する工程とを含むことを特徴とする凍結療法のカテーテルの製造方法。
18. 前記外側バルーンの内側表面を内側バルーンの外側表面に接合させる工程は同内側表面を外側表面にレーザー接着する工程を含むことを特徴とする請求項１７に記載の方法。
19. 前記末端部をシールし、末端部をアセンブリに接合させるべく内側バルーンの末端部にプラグを付加する工程を更に含むことを特徴とする請求項１７に記載の方法。
20. 前記内側表面及び外側表面の間に長尺状管腔構造体を配置する工程を更に含み、前記内側表面及び外側表面の接合工程は内側表面及び外側表面の間の長尺状管腔構造体を使用して実施されることを特徴とする請求項１７に記載の方法。

Images